JP4719960B2 - 車両用警報装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用警報装置に関し、例えば代表的な車両である自動車に適用して好適な警報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、代表的な車両である自動車の分野においては、警報音を用いてドライバに危険な状況を警報する警報装置が提案されており、このような警報装置には、発生した危険な状況に応じた警報音を発生させたり、或いは、警報発報の緊急度を、前方車両との車間距離に基づいて評価するものが知られている。
【0003】
しかしながら、ドライバの危険判断には個人差があるので、実際に発生した状況が同じ状況であっても、ドライバの運転特性に応じて、例えばブレーキペダルの操作においても制動の度合に個人差が生じる。従って、個々に異なるドライバの運転特性を考慮することなく、センサによって検出した車両の走行状態(車間距離、速度等)のみに基づいて緊急度を評価し、その評価結果に応じた警報を発報すると、ドライバが有する運転特性によっては実際に把握している状況と一致しない状況が生じ、ドライバは違和感を感じることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、近年においては、係る警報装置における緊急度に応じた警報音の設定の態様を、音圧を変更する技術(特開平7−244787号)、警報音のピッチ等の周波数的なパラメータを変更する技術(特開平8−118991号)、断続する警報音の発報ピッチ等の時間的なパラメータを変更する技術(特開平11−208307号)等が提案されている。
【0005】
尚、本願において、「ピッチ」とは、警報音に含まれる最も低い基本周波数であり、音程の高さに関係するパラメータであるため、ピッチが高いほど聞こえる音は高い。また、「発報ピッチ」(=1/周期)とは、単位時間当たりの警報発音回数であり、人が感じる音のリズム、或いは音の繰り返す速さに関係するパラメータである。
【0006】
しかしながら、音量やピッチを調整することによって警報音の緊急度を表現する場合には、背景騒音(即ち、周囲の騒音環境)の変化や、高齢者の聴力低下(一般に、加齢に伴い高周波数領域で聴力は著しく低下する)等によって警報音の認識力が大きく変化するため、場合により、警報音を聞き取り難くい状況が予想される。
【0007】
また一般に、緊急度の判断結果を時間的なパラメータに従って変更する場合には、基本的には警報音の発報ピッチが早いほど人間の認識する緊急度が高い。しかしながら、人間は音の大きさや音程の高さを正しく認識するためには、その音がある程度の時間(0.1秒乃至0.3秒)にわたって持続する必要があり、この時間より短い(即ち、発報ピッチが早すぎる)音の大きさや音程は過小評価され、結果として被験者が認識する緊急度が、警報装置が本来報知しようとした緊急度より過小評価されてしまう。即ち、警報装置として警報可能な緊急度のレベルを複数段階用意しても、発報されている警報の緊急度の差異をドライバは正しく認識できないという問題が生じる。
【0008】
そこで本発明は、きめ細かい緊急度の警報を、ドライバの認識可能な報知態様で出力する車両用警報装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る車両用警報装置は、以下の構成を特徴とする。
【0010】
即ち、予め定めた車両の状態量を検出する状態量検出手段と、
前記状態量検出手段による検出結果に基づいて、ドライバに所定の運転操作を促すべきか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記所定の運転操作を促すべきであると判定されたときに、オン状態とオフ状態とが繰り返される発報態様の警報音を出力する警報手段と、前記状態量検出手段による検出結果に基づいて緊急度を判定し、その判定の結果、緊急度が高いときには、前記警報手段による前記警報音の出力に際して、前記オフ状態から前記オン状態への遷移時間の、その遷移時間を含む1回分の該オン状態の継続時間に対する比率Rを、該緊急度が低いときと比較して小さな値に設定する警報制御手段と、を備える。
【0011】
好適な実施形態において、前記警報制御手段は、前記緊急度が高いときに、前記警報手段が出力すべき警報音における前記比率Rを小さな値に設定すると共に、前記オン状態とオフ状態とが繰り返される発報態様の発報ピッチを、該緊急度が低いときと比較して大きな値に設定すると良い。
【0012】
上記の場合において、前記警報制御手段は、前記警報音の発報ピッチが所定値より大きいときのみ、前記比率Rを、前記緊急度に応じて設定すると良い。
【0013】
前記状態量検出手段は、自車両前方の障害物との相対距離及び相対速度を検出し、ドライバによるブレーキの操作量及び操作速度を検出する操作量検出手段を更に備え、前記警報制御手段は、検出された相対距離及び相対速度と、その相対距離及び相対速度に応じてドライバによって行われた前記ブレーキの操作量及び操作速度に基づいて、前記緊急度の評価に用いる基準レベルを学習補正すると良い。
【0014】
【発明の効果】
上記の本発明によれば、きめ細かい緊急度の警報を、ドライバの認識可能な報知態様で出力する車両用警報装置の提供が実現する。
【0015】
即ち、請求項1の発明によれば、ドライバに報知すべき緊急度の程度を、オフ状態からオン状態への遷移時間(立ち上がり時間)の、その遷移時間を含む1回分の当該オン状態の継続時間に対する比率Rを調整することによって表現しているので、背景騒音の影響やドライバの聴力特性の影響を低減することができ、従来の音圧や発報ピッチ等のパラメータを調整するだけの方法と比較して、きめ細かい緊急度の警報音の表現を、ドライバに確実に認識させることができる。
【0016】
また、請求項2の発明によれば、例えば高発報ピッチにおいてのみ比率変更を行う(請求項3)等、立ち上がり率(比率R)を変更することにより、より効果的な警報報知を実現することができる。
【0017】
また、請求項4の発明によれば、緊急度判定の基準レベルがドライバの状況判断特性に応じて補正されるので、個々のドライバに応じた警報報知を実現することができ、これにより、ドライバが実際に把握している状況と、警報によって報知された緊急度との間に差異がある場合にドライバが感じる違和感を極小化することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用警報装置を、代表的な車両である自動車に適用した実施形態として、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本実施形態における車両用警報装置のシステム構成を概念的に示すブロック図である。
【0020】
同図において、緊急度判定部Cには、自動車の走行状態及び/または走行環境を検出する検出部Aによって検出された状態量と、ドライバによる操作部Bへの操作量とが入力される。そして、緊急度判定部Cは、入力された状態量と操作量とに基づいて、ドライバに所定の運転操作(例えばブレーキ操作による減速等)を促すべき走行環境か否かを、図2に示すような定量的な緊急度レベル(例えば図11では7段階)によって判定する。
【0021】
警報音メモリFには、緊急度判定部Cが出力可能な緊急度レベルの段階に対応して、複数種類の警報音の発報パターン(報知態様)が予め格納されている。
【0022】
警報音制御部Dは、緊急度判定部Cによって設定される緊急度レベルに従って警報音メモリFを参照することによって出力すべき発報パターンを取得し、警報音発生部Eを制御することにより、取得した発報パターン(即ち、当該緊急度レベル)に対応する警報音を、ドライバに対して発報する。
【0023】
次に、本実施形態における基本的な考え方について説明する。上述したように、緊急度判定部Cによる緊急度レベルの判定は、車両の状態量(例えば車間距離や先行車両との相対速度)と操作量(例えばドライバによるブレーキの踏み込み量や踏み込み速度)とに基づいて行われるが、ここでは説明の便宜上、図2に示す如く2種類の状態量X1及びX2が入力される状態空間を用いて説明する。
【0024】
図2は、本実施形態における緊急度レベルの判定方法を説明する図であり、2つの状態量X1及びX2から構成した状態空間において、緊急度レベルiとレベルjとの相対関係を示すものである。
【0025】
ドライバは、運転中の自動車の走行状況(走行環境)に対する判断を絶えず行っており、その判断結果に基づいてステアリングホイールやブレーキペダル等の操作を行っており、ある走行状況に対して個々のドライバが感じている危険に対する認識の度合(緊急度)には一般に差異があるため、実際には同じ走行状況であっても、回避操作(ブレーキ或いはハンドルの操作)の度合い(大きさと速さ)は異なる。
【0026】
即ち、ドライバの状況判断がその操作の度合いによって表現され、換言すれば、ドライバの運転操作特性が判れば、状況判断に対する特性(癖)が学習できると考えられる。そして、本実施形態では、学習した結果を基に状況緊急度判断を行うことにより、個々のドライバに適切な警報を提供することを1つの目的としている。
【0027】
学習した結果としては、緊急度を例えば図11の如く複数段階のレベルに分け、それぞれのレベル(緊急度レベル)を車両状態量(車間距離、相対速度、車速等)の特徴値、即ち、平均値と標準偏差σによって表現する(尚、車間距離は、自車両前方の障害物との相対距離である)。
【0028】
ここで、上記の平均値は、ある緊急度レベルの状態空間X1−X2(図2)における中心位置を示し、(X1(i),X2(i))は、緊急度レベルiの中心位置であり、(X1(j),X2(j))は、緊急度レベルjの中心位置である(尚、当該中心位置について図2には示すアッパーバーを、本明細書では記載上の制約から省略する、以下同様)。また、標準偏差σ(i)及びσ(j)は、尺度を示す。また、(X1,X2)は、そのときの車両状態量を示す。
【0029】
車両状態量(X1,X2)における緊急度レベルの判断は、車両状態量(X1,X2)から各緊急度レベルの中心位置までの距離d(i)及びd(j)を求め、その最小値(最も近い)にあたる緊急度レベル(レベルj)をその時の状況緊急度レベルとする。
【0030】
このとき、それぞれの車両状態量(X1,X2)の各緊急度レベルにおける尺度(標準偏差σ(i)及びσ(j))は異なるので、距離d(i)及びd(j)を直接比較することはできない。このため、各々の車両状態量(X1,X2)の標準得点(距離d/標準偏差σ)を、緊急度レベルi, j について求めて比較すればよい。
【0031】
また、上記の如く判定した緊急度レベルをドライバに報知するためには、相応した緊急度を表現可能な警報音を発報する必要がある。そこで、本実施形態では、後述する方法によって設計した異なる緊急度レベルを表わす複数種類の警報音の発報パターン(報知態様)を警報音メモリFに予め登録しておき、判定した緊急度レベルに応じた発報パターンを選択する。
【0032】
以下、上述した警報動作を実現するより具体的なシステムについて説明する。
【0033】
図3は、本実施形態における車両用警報装置のシステム構成を示すブロック図である。
【0034】
同図において、緊急度レベル判定部3には、自動車の状態量1として、一般的な検出方法によって検出された前方車両との車間距離(相対距離)及び相対速度、そして自車速が設定される。
【0035】
また、状況緊急度学習部5には、ドライバによる操作量2として、一般的な検出方法によって検出されたブレーキ操作量と、ブレーキ操作速度とが設定される。状況緊急度学習部5は、緊急度レベル判定部3が緊急度レベルの判定に際して参照する緊急度の基準レベルの学習補正(詳細は後述する)を行い、補正後の基準レベルの特性情報を、記憶部4に格納(更新記憶)する。
【0036】
そして、緊急度レベル判定部3は、設定された状態量1と操作量2とに基づいて、記憶部4に格納されている緊急度の基準レベル(図8)を参照することにより、ある緊急度レベルを決定する。
【0037】
警報音メモリ7には、緊急度レベル判定部3が決定可能な緊急度レベルの段階に対応して、図9に示す如く複数種類の警報音の発報パターン(報知態様)が予め格納されており、警報音制御部6は、緊急度レベル判定部3によって設定される緊急度レベルに従って警報音メモリ7を参照することにより、出力すべき発報パターンを取得する。そして警報音制御部6は、取得した発報パターン(即ち、当該緊急度レベル)に対応する警報音を、スピーカ8から発報する。
【0038】
上述したシステム構成において、参照番号3乃至7の各ブロックは、自動車に搭載された不図示のECU(電子制御ユニット)において、そのECUの制御を司るマイクロコンピュータに、以下に説明する制御処理を実行させることによって実現することができる。
【0039】
図4は、本実施形態に係る車両用警報装置の警報制御処理を示すフローチャートであり、ECUのマイクロコンピュータが実行する処理手順を示す。
【0040】
同図において、ステップS1:車両の状態量1(車間距離d、相対速度Vr、車速V0)とドライバによる操作量2(ブレーキ踏み力と踏み込み速度)とを、各種センサにより計測する。
【0041】
ステップS2:ステップS1で検出した車両状態量と、少なくとも前回の制御周期のステップS5において記憶部4としてのRAM等のメモリに記憶されている各緊急度レベルの車両状態量の特徴量(平均値、標準偏差等:図6を参照して後述する)に従って緊急度レベルを推定し、推定した緊急度レベルを基に警報発報の必要性と、出力すべき警報のレベルを判断する(詳細は図5を参照して後述する)。
【0042】
ステップS3:ステップS2にて推定される緊急度レベルに従って警報音メモリ9を参照することにより、対応する警報音の発報パターンを選択する。
【0043】
ステップS4:ステップS3にて選択した発報パターンの警報音を、スピーカ8から発生させる。
【0044】
ステップS5:ドライバによる操作量2に基づいて緊急度レベルを判別し、それぞれの緊急度レベルにおける車両状態量1の特徴量(平均値、標準偏差等)を計算し、計算結果をRAMのメモリ等に記憶する(詳細は図6を参照して後述する)。
【0045】
図5は、図4に示す警報制御処理のフローチャートのうち、ステップS2の詳細を示すフローチャートである。
同図において、ステップS21:検出された車両状態量1(車間距離d、相対速度Vr、車速V0)と、記憶されている各緊急度レベルの車両状態量1の平均値と標準偏差σ、各緊急度レベルにおける標準得点Z( )を計算する。
【0046】
【数1】
Figure 0004719960
【0047】
ここで、iは緊急度レベルである。それぞれの車両状態量の標準得点を、
【0048】
【数2】
Figure 0004719960
は、緊急度レベルiにおける車間距離、相対速度と自車速度の平均値と標準偏差であり、ステップS5で学習された結果、RAM等のメモリ記憶されている値である。また、学習が行われていないときには、標準的な値をデフォルトとして用いる。
【0049】
ステップS22:算出された各緊急度レベルの標準得点Z( )の最小値を求め、その最小値Zminに対応する緊急度レベルkを、そのときの緊急度レベルとする。
【0050】
【数3】
Figure 0004719960
【0051】
ステップS23:ステップS22にて推定された緊急度レベルkに従って警報音を発報する必要性を判断する。具体的には、緊急度レベルk=0のときには警報不要と判断してステップS5に進み、緊急度レベルk>0のときには警報必要と判断してステップS3に進む。
【0052】
図6は、図4に示す警報制御処理のフローチャートのうち、ステップS5の詳細を示すフローチャートである。
【0053】
同図において、ステップS51:操作量2として検出されているブレーキ操作量FBと操作速度SBに基づいて、緊急度レベルを判定する。即ち、ドライバがブレーキを強く、早く踏むほど緊急度レベルが高いという考えに基づき、ブレーキの操作量FBと操作速度SBから、図13に示すようなルールベースを用いて、一般的なメンバーシップ関数に基づいて緊急度を推定する。
【0054】
図13に示すテーブルにおいて、そのテーブル中の数字は、緊急度レベルを示し、数字が大きいほど緊急度レベルが高い。また、当該テーブル中のブレーキ操作量FB及び操作速度SBについてのメンバーシップ関数は、図7の如く定義される。そして、図13のルールベースと図7に示すメンバーシップ関数とを用い推定した緊急度判定の基準レベルの一例を図8に示す。
【0055】
ステップS52:ステップS51にて操作量2(ブレーキ操作量FB及び操作速度SB)に従って推定した緊急度レベルに基づいて、ステップS2にて実際に判断基準として参照すべく基準レベルとして類別し、図8に示す如く類別された車両状態量1を、ルックアップテーブルとしてメモリ(記憶部4)に更新記憶する。
【0056】
ステップS53:それぞれの緊急度レベル(ここではレベル0乃至5:但しレベル0は警報出力無しに相当)において、車両状態量1の平均値と標準偏差σを求め、それらを緊急度レベルの代表値とする。
【0057】
【数4】
Figure 0004719960
ここで、iは緊急度レベルを示す(i=0は警報不要)。
【0058】
次に、警報音メモリ7に予め格納されている複数種類の警報音について詳細に説明する。
【0059】
警報音メモリ7には、上述したように、緊急度レベル判定部3によって設定された緊急度レベルに応じた警報音を発報すべく、警報音制御部6が参照する発報パターン(報知態様)の特性テーブルが予め格納されている。
【0060】
図9に示す例では、緊急度レベル判定部3が出力可能な緊急度レベルの段階(レベル1からレベル5)に対応して、オン状態とオフ状態とが繰り返される間欠パルス状の発報パターンを有する複数種類の警報音が格納されている。これらの警報音の発報パターンは、オフ状態(オフ期間)からオン状態(オン期間)への遷移時間(立ち上がり時間)とその遷移時間を含む1回分のオン状態の継続時間との比率が異なっており(図12参照)、緊急度レベルが大きい高い緊急度を表わす発報パターンほど警報音の発報ピッチが大きく設定されると共に、最も緊急度が高いレベル5は、その他のレベルより比率Rが小さい値に設定されている。
【0061】
ここで、警報音の発報ピッチ(パルス/秒)は、単位時間当たりの警報発音回数である。また、比率Rは、オン期間に対する立ち上がり時間の割合(%)である。
【0062】
本実施形態では、図9に示す如く複数種類の発報パターンを、発報ピッチと比率Rとを組み合わせた時間的なパラメータによって設定したが、この設定は、図11に示すような7段階の緊急度を定義した場合における以下に説明する複数の被験者に対する主観評価の実験によって決定した。
【0063】
図10は、警報音の緊急度に対する主観評価の結果を示す図であり、ある発報ピッチの警報音を被験者に聞かせたときに、その警報音が被験者の主観的な緊急度の認識に与える影響は、発報ピッチが大きいほど緊急度が高いと認識されることが判った(図10(a)参照)。しかしながら、図10(a)には示されていないが、発報ピッチが10ppsを越えると、人間の聴覚特性の関係から、緊急度に対する認識が高くならずにある程度落ちてしまうことも判った。
【0064】
一方、ある比率R(%)の警報音を被験者に聞かせたときに、その警報音が被験者の主観的な緊急度の認識に与える影響は、発報ピッチの低い場合には影響がなく、高い場合には影響があり、且つ立ち上がり時間が短いほど緊急度が高いと認識されることが判った(図10(b)参照)。
【0065】
そこで、本実施形態では、これらの評価結果に基づいて、図9に例示する如く、緊急度レベルが相対的に低い警報音(レベル1からレベル4)は発報ピッチ(pps)の違いのみで表わすと共に、緊急度レベルが比較的高い警報音(レベル4とレベル5)については、発報ピッチと比率Rと組み合わせることにより、複数種類の発報パターンを設計している。
【0066】
上述した本実施形態によれば、オン状態とオフ状態とが繰り返される発報態様の警報音を出力するに際して、オフ状態からオン状態への遷移時間(立ち上がり時間)とその遷移時間を含む1回分の該オン状態の継続時間(オン期間)との比率を調整するので、背景騒音に影響され難く、人間の聴覚特性によって容易に認識(判別)可能な警報音を実現することができる。これにより、従来の音量、音圧、或いは発報ピッチ等のパラメータを調整することによって緊急度を表現する方法と比較して、より多段階の緊急度レベルを、警報音によってドライバに確実に、且つきめ細かく認識させることができる。
【0067】
更に、緊急度判定の基準となる基準レベルを、実際に検出したドライバの運転操作に基づいて、そのドライバの運転特性に応じて学習補正するので、個々のドライバの状況判断に応じた最適な緊急度レベルで警報音を出力することができる。これにより、ドライバが実際に把握している状況と、警報によって報知された緊急度との間に差異がある場合にドライバが感じる違和感を極小化することができる。
【0068】
尚、上述した本実施形態では、自動車の進行方向(縦方向)に対する安全確保の観点に基づいて、車両状態量1を、車間距離、相対速度、自車速とし、ドライバによる操作量2をブレーキ操作量及び操作速度として警報システムを構築したが、このシステム構成に限られるものではなく、自動車の横方向に対する安全を確保するという観点からは、例えば、車両状態量1を、走行車線に対する自車両のヨー角及び自車速とし、ドライバによる操作量2を、ステアリングホイールの操舵量及び操舵速度(角速度)と設定することにより、車線逸脱警報システムを構築しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における車両用警報装置のシステム構成を概念的に示すブロック図である。
【図2】本実施形態における緊急度レベルの判定方法を説明する図である。
【図3】本実施形態における車両用警報装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係る車両用警報装置の警報制御処理を示すフローチャートである。
【図5】図4に示す警報制御処理のフローチャートのうち、ステップS2の詳細を示すフローチャートである。
【図6】図4に示す警報制御処理のフローチャートのうち、ステップS5の詳細を示すフローチャートである。
【図7】ブレーキ操作量FB及び操作速度SBに関するメンバーシップ関数を示す図である。
【図8】ブレーキ操作量FB及び操作速度SBに関する緊急度判定の基準レベルの特性を示す図である。
【図9】警報音メモリ7に予め格納する警報音の発報パターンの設定例を示す図である。
【図10】警報音の緊急度に対する主観評価の結果を示す図である。
【図11】図10の主観評価に採用した緊急度レベルの定義を例示する図である。
【図12】本実施形態における各発報パターンに共通の警報音の各部の定義を示す図である。
【図13】ブレーキ操作量FB及び操作速度SBに関して緊急度レベルを推定する際のルールベースを示す図である。
【符号の説明】
1:車両状態量,
2:ドライバによる操作量,
3:緊急度レベル判定部,
4:記憶部,
5:状況緊急学習部,
6:警報音制御部,
7:警報音メモリ,
8:スピーカ,

Claims (4)

  1. 予め定めた車両の状態量を検出する状態量検出手段と、
    前記状態量検出手段による検出結果に基づいて、ドライバに所定の運転操作を促すべきか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段によって前記所定の運転操作を促すべきであると判定されたときに、オン状態とオフ状態とが繰り返される発報態様の警報音を出力する警報手段と、
    前記状態量検出手段による検出結果に基づいて緊急度を判定し、その判定の結果、緊急度が高いときには、前記警報手段による前記警報音の出力に際して、前記オフ状態から前記オン状態への遷移時間の、その遷移時間を含む1回分の該オン状態の継続時間に対する比率Rを、該緊急度が低いときと比較して小さな値に設定する警報制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用警報装置。
  2. 前記警報制御手段は、前記緊急度が高いときに、前記警報手段が出力すべき警報音における前記比率Rを小さな値に設定すると共に、前記オン状態とオフ状態とが繰り返される発報態様の発報ピッチを、該緊急度が低いときと比較して大きな値に設定する
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用警報装置。
  3. 前記警報制御手段は、前記警報音の発報ピッチが所定値より大きいときにのみ、前記比率Rを、前記緊急度に応じて設定する
    ことを特徴とする請求項2記載の車両用警報装置。
  4. 前記状態量検出手段は、自車両前方の障害物との相対距離及び相対速度を検出し、
    ドライバによるブレーキの操作量及び操作速度を検出する操作量検出手段を更に備え、
    前記警報制御手段は、検出された相対距離及び相対速度と、その相対距離及び相対速度に応じてドライバによって行われた前記ブレーキの操作量及び操作速度に基づいて、前記緊急度の評価に用いる基準レベルを学習補正することを特徴とする請求項1記載の車両用警報装置。
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