しかしながら、特許文献1に開示された技術においては、ベースフィルムに対する補強板の貼り付け動作を人手により行っているため、ベースフィルムに対する補強板の貼り付け効率を高めることが困難であるという第1の問題がある。
また、特許文献1に開示された技術においては、ベースフィルムに対する補強板の貼り付け動作を、補強板位置決め治具4020の枠を用いて行っているため、小さいサイズの補強板を精度良く貼り付けることが困難であるという第2の問題もある。
また、特許文献2に開示された技術は、貼り付けるべき補強板を補強板ストック部にストックしておくものであるため、補強板貼り付け工程を行う前にフレキシブル基板に貼り付けるべき補強板を予め準備しておく必要があるという第3の問題がある。それにより、補強板の生成工程と補強板の貼り付け工程とを別々の装置で行う必要が生じ、製造コストが増大し、生産効率が悪くなる。
なお、特許文献3に開示された技術は、粘着フィルムを切り抜くための切り抜き装置を有し、その切り抜き装置によって切り抜かれた粘着フィルムを被貼付物品に貼り付けるものであるため、粘着フィルムの生成工程と粘着フィルムを貼り付ける貼り付け工程とを1台の装置で行うことができる。
しかしながら、特許文献3に開示された技術は、回転ドラムを所定角度ずつ回転させることによって型抜きされた粘着フィルムを吸着し、回転ドラムに吸着された粘着フィルムに被貼付物品を接触させることで、被貼付物品に粘着フィルムを貼り付けるという動作を行うものであり、切り抜きを行う部分と貼り付けを行う部分の位置調整がしにくいという第4の問題がある。。
このため、特許文献3に開示された技術では、被貼付物品に対して粘着フィルムの貼り付け位置を微調整することは困難であり、型抜きされた粘着フィルムの吸着位置のずれや、被貼付物品の位置ずれに対応して、貼り付け位置を決めることは困難であると考えられる。
また、特許文献4に開示された技術は、撮像装置はある決められた位置に設置され、その位置において撮像した撮像データに基づいて補強板の位置決めを行うものである。このような構成であると、例えば、補強板を吸着した補強板貼り付けアームを移動させることによって補強板を所定の位置に貼り付ける機構を有する装置などにおいては、撮像装置はある決められた位置に設置されている構成となっているため、補強板貼り付けアームの動きに追従した撮像データを取得することができず、補強板貼り付けアームの位置と補強板の貼り付け位置との関係を高精度に決定することができないという第5の問題がある。
そこで、本発明は、前記第1〜第5の問題のうち少なくとも第1〜第3の問題を解決するためになされたもので、ベースフィルムに対する補強板の貼り付け効率を高めることが可能であり、小さいサイズの補強板であっても精度良く貼り付けることが可能であり、かつ、補強板貼り付け工程を行う前に様々な形状の補強板を準備しておく必要のない、補強板貼り付け装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の補強板貼り付け装置は、x軸及びy軸からなる2次元直交座標上における前記x軸方向に沿ったベースフィルム搬送路上においてベースフィルムを保持するベースフィルム保持テーブルと、補強板用テープから補強板を生成する補強板生成装置と、前記補強板生成装置で生成された補強板を吸着する補強板吸着部を有し、前記補強板を前記補強板吸着部で吸着して、前記ベースフィルム保持テーブルに保持されたベースフィルムの所定位置に前記補強板を貼り付ける補強板貼り付けアームと、前記ベースフィルム保持テーブルに保持されたベースフィルムを撮像する撮像装置とを備える補強板貼り付け装置であって、前記撮像装置による撮像結果に基づいて、前記ベースフィルム保持テーブルに保持された前記ベースフィルムと前記補強板貼り付けアームとの位置関係を適正な位置関係に調整した状態で、前記補強板を貼り付ける機能を有することを特徴とする。
このため、本発明の補強板貼り付け装置によれば、補強板貼り付けアームによってベースフィルムの所定位置に補強板を貼り付けることとしているため、ベースフィルムに対する補強板の貼り付け動作を人手により行う必要がなくなり、ベースフィルムに対する補強板の貼り付け効率を高めることが可能となる。
また、本発明の補強板貼り付け装置によれば、撮像装置から得られた撮像結果に基づいてベースフィルム保持テーブルと前記補強板貼り付けアームとを適正な位置関係に調整した状態でベースフィルムに対する補強板の貼り付け動作を行うことが可能となるため、小さいサイズの補強板であっても精度良く貼り付けることが可能となる。
また、本発明の補強板貼り付け装置は、補強板生成装置を用いて生成された補強板を用いてベースフィルムに対する補強板の貼り付け動作を行うことが可能となるため、補強板貼り付け工程を行う前に様々な形状の補強板を準備しておく必要がなくなる。
その結果、本発明の補強板貼り付け装置は、ベースフィルムに対する補強板の貼り付け効率を高めることが可能であり、小さいサイズの補強板であっても精度良く貼り付けることが可能であり、かつ、補強板貼り付け工程を行う前に様々な形状の補強板を準備しておく必要のない、補強板貼り付け装置となる。
また、本発明の補強板貼り付け装置は、補強板生成装置によって生成した補強板を用いてベースフィルムに対する補強板の貼り付け動作を行うものであるため、補強板の生成工程と補強板の貼り付け工程とを1つの装置で行うことが可能となり、製造コストを低減するとともに生産効率の大幅な改善を図ることができる。
なお、本発明の補強板状貼り付け装置においては、ベースフィルムに形成されている、回路パターン、デバイスホール、スルーホール、アライメントマーク等を、ベースフィルムにおける位置の基準として用いることができる。
(2)本発明の補強板貼り付け装置においては、前記補強板生成装置は、前記補強板貼り付けアームの吸着動作及び貼り付け動作に連動して前記x軸方向に沿って移動可能に構成されていることが好ましい。
このように構成することにより、補強板貼り付けアームが補強板を吸着するとき、補強板貼り付けアームに対して補強板生成装置を適切な位置に配置することが可能となり、補強板生成装置によって生成された補強板を補強板貼り付けアームが効率よく吸着することができる。
(3)本発明の補強板貼り付け装置においては、ロール状に巻かれた長尺のベースフィルムを前記ベースフィルム搬送路上に繰り出すベースフィルム繰り出し装置と、補強板が貼り付けられたベースフィルムをロール状に巻き取るベースフィルム巻き取り装置と、ベースフィルムを前記ベースフィルム搬送路上で間欠的に搬送するベースフィルム搬送装置とを備え、前記補強板貼り付けアームは、前記x軸方向及び前記y軸方向に沿って移動可能に構成されていることが好ましい。
このように構成することにより、ロール状に巻かれた長尺のベースフィルムを出発部材として用いて補強板を貼り付けることが可能となるため、ベースフィルムに対する補強板の貼り付け効率をさらに高めることが可能となる。
また、補強板貼り付けアームはx軸及びy軸方向に沿って移動可能に構成されているため、ベースフィルム保持テーブルと補強板貼り付けアームとを適正な位置関係に調整した状態で、補強板を貼り付けることが可能となる。なお、補強板貼り付けアームがy軸方向に沿って移動可能であるだけでなくx軸方向に沿って移動可能であることによって、例えば、補強板生成装置がx軸方向に沿って移動可能でなかったとしても、補強板生成装置で生成された補強板を補強板生成用アームによって円滑に吸着する動作を行うことができる。
なお、本発明の補強板状貼り付け装置においては、補強板貼り付けアームをx軸方向及びy軸方向に沿って移動可能にする構成として、補強板貼り付けアームをy軸方向に沿って移動させるy軸移動機構と、自身がx軸方向に沿って移動する補強板貼り付けアーム移動機構とを備えることが好ましい。
(4)本発明の補強板貼り付け装置においては、前記ベースフィルム保持テーブルと前記ベースフィルム巻き取り装置との間に、前記ベースフィルムと前記補強板とを熱圧着する熱圧着装置をさらに備えることが好ましい。
このように構成することにより、ベースフィルムに補強板を貼り付けた後、ベースフィルムと補強板とをさらに強固に熱圧着することが可能となる。
なお、本発明の補強板状貼り付け装置を用いて補強板を貼り付けたベースフィルムに対して、別の熱圧着装置(例えば、真空プレス機)を用いて熱圧着を行うことで、ベースフィルムと補強板とをさらに強固に熱圧着することも可能である。
(5)本発明の補強板貼り付け装置においては、シート状のベースフィルムを供給するベースフィルム供給用ストッカと、補強板が貼り付けられたベースフィルムを回収するベースフィルム回収用ストッカと、前記ベースフィルム供給用ストッカ又は前記ベースフィルム回収用ストッカと、前記ベースフィルム保持テーブルとの間でベースフィルムを移送するベースフィルムローダとを備え、前記ベースフィルム保持テーブルは、前記ベースフィルム供給用ストッカ及び前記ベースフィルム回収用ストッカの間に形成されるベースフィルム供給・回収領域と、前記補強板貼り付けアームが前記ベースフィルムに対して補強板の貼り付けを行う補強板貼り付け領域とを結ぶ前記x軸方向に沿って移動可能に構成され、前記補強板貼り付けアームは、前記y軸方向に沿って移動可能に構成されていることが好ましい。
このように構成することにより、シート状のベースフィルムを出発部材として用いて補強板を貼り付けることが可能となるため、シート状のベースフィルムに対する補強板の貼り付け効率を高めることが可能となる。
また、ベースフィルム保持テーブルはベースフィルム供給・回収領域と補強板貼り付け領域とを結ぶx軸方向に沿って移動可能に構成されており、補強板貼り付けアームはy軸方向に沿って移動可能に構成されているため、ベースフィルム保持テーブルと補強板貼り付けアームとを適正な位置関係に調整した状態で、補強板を貼り付けることが可能となる。
なお、本発明の補強板状貼り付け装置においては、ベースフィルム保持テーブルをベースフィルム供給・回収領域と補強板貼り付け領域とを結ぶx軸方向に沿って移動可能にする構成として、ベースフィルム保持テーブルの軌道となるx軸方向に沿って延在するレールと、ベースフィルム保持テーブルをx軸方向に沿って移動させるx軸移動機構とを備えることが好ましい。また、補強板貼り付けアームをy軸方向に沿って移動可能にする構成として、補強板貼り付けアームをy軸方向に沿って移動させるy軸移動機構を備えることが好ましい。
本発明の補強板状貼り付け装置において、ベースフィルム供給・回収領域とは、ベースフィルムローダがベースフィルム保持テーブルとの間でベースフィルムを供給及び回収する領域のことである。また、補強板貼り付け領域とは、補強板貼り付けアームが、ベースフィルム保持テーブルに保持されたベースフィルムに対して補強板を貼り付ける領域のことである。
(6)本発明の補強板貼り付け装置においては、シート状のベースフィルムを供給するベースフィルム供給用ストッカと、補強板が貼り付けられたベースフィルムを回収するベースフィルム回収用ストッカと、前記ベースフィルム供給用ストッカ又は前記ベースフィルム回収用ストッカと、前記ベースフィルム保持テーブルとの間でベースフィルムを移送するベースフィルムローダとを備え、前記ベースフィルム保持テーブルは、前記ベースフィルム供給用ストッカ及び前記ベースフィルム回収用ストッカの間に形成されるベースフィルム供給・回収領域と、前記補強板貼り付けアームが補強板の貼り付けを行う補強板貼り付け領域とを結ぶ前記x軸方向に沿って移動可能に構成され、前記補強板貼り付けアームは、前記x軸方向及び前記y軸方向に沿って移動可能に構成されていることが好ましい。
このように構成することにより、上記(5)に記載の補強板貼り付け装置と同様の効果が得られるほか、本発明の補強板貼り付け装置では、補強板貼り付けアームがy軸方向に沿って移動可能であるだけでなくx軸方向に沿っても移動可能であるため、例えば、補強板生成装置がx軸方向に沿って移動可能でなかったとしても、補強板生成装置で生成された補強板を補強板貼り付けアームによって円滑に吸着することができる。
(7)本発明の補強板貼り付け装置においては、前記ベースフィルムローダとして、前記ベースフィルムを前記ベースフィルム供給用ストッカから前記ベースフィルム保持テーブルへ移送するベースフィルム供給用ローダと、前記補強板が貼り付けられたベースフィルムを前記ベースフィルム保持テーブルから前記ベースフィルム回収用ストッカへ移送するベースフィルムフィルム回収用ローダとを備えることが好ましい。
このように構成することにより、ベースフィルム保持テーブルに対するベースフィルムの供給と、ベースフィルム保持テーブルからのベースフィルムの回収とを効率よく実施することが可能となる。
(8)本発明の補強板貼り付け装置においては、前記ベースフィルム供給・回収領域と前記補強板貼り付け領域との間に、前記ベースフィルムと前記補強板とを熱圧着する熱圧着装置をさらに備えることが好ましい。
このように構成することにより、ベースフィルムに補強板を貼り付けた後、ベースフィルムと補強板とをさらに強固に熱圧着することが可能となる。
なお、本発明の補強板状貼り付け装置を用いて補強板を貼り付けたベースフィルムに対して、別の熱圧着装置(例えば、真空プレス機)を用いて熱圧着を行うことで、ベースフィルムと補強板とをさらに強固に熱圧着することも可能である。
(9)本発明の補強板貼り付け装置においては、前記ベースフィルム保持テーブルは、前記x軸及び前記y軸の両方に垂直なz軸方向に沿った軸を回転軸として回動可能に構成されていることが好ましい。
このように構成することにより、補強板に対するベースフィルムの姿勢(z軸方向に沿った軸を回転軸とする回転に関する位置関係)を調整することが可能となるため、さらに精度良く補強板を貼り付けることが可能となる。
(10)本発明の補強板貼り付け装置においては、前記補強板貼り付けアームとして、互いに独立して移動可能な少なくとも2台の補強板貼り付けアームを備えることが好ましい。
このように構成することにより、ベースフィルムに対する補強板の貼り付け動作を2台の補強板貼り付けアームによって行うことが可能となるため、ベースフィルムに対する補強板の貼り付け効率をさらに高めることが可能となる。
(11)本発明の補強板貼り付け装置においては、前記撮像装置は、前記補強板貼り付けアームにおける前記補強板吸着部の近傍に配設されていることが好ましい。
このように構成することにより、前記補強板貼り付けアームに配設されている撮像装置からベースフィルムを撮像することで、ベースフィルムと補強板貼り付けアームとの位置関係を直接的に算出することが可能となる。すなわち、補強板貼り付けアームにおける補強板吸着部の近傍に配設されている撮像装置からベースフィルムを撮像することで、補強板貼り付けアームの動きに追従した撮像画像データを得ることができ、補強板貼り付けアームの位置と補強板の貼り付け位置との関係を高精度に決定することができる。
(12)本発明の補強板貼り付け装置においては、前記補強板生成装置は、前記補強板用テープを型抜きすることによって前記補強板を生成する補強板型抜き用金型と、ロール状に巻かれた長尺の補強板用テープを前記補強板型抜き用金型へ繰り出す補強板用テープ繰り出し装置と、型抜き後の補強板用テープをロール状に巻き取る補強板用テープ巻き取り装置と、補強板用テープを間欠的に搬送する補強板用テープ搬送装置とを備えることが好ましい。
このように構成することにより、ロール状に巻かれた長尺の補強板用テープを出発部材として用いて補強板を生成することができるため、補強板の生成を効率よく行うことができる。
(13)本発明の補強板貼り付け装置においては、前記補強板生成装置は、前記補強板用テープ繰り出し装置と前記補強板型抜き用金型との間で補強板用テープから離型紙を剥離する離型紙剥離機構と、前記補強板用テープ巻き取り装置と前記補強板型抜き用金型との間で補強板用テープと離型紙とを重ね合わせる離型紙重ね合わせ機構とを有し、離型紙が前記補強板型抜き用金型の下面側を通過するように構成されていることが好ましい。
このように構成することにより、補強板を型抜きする前に補強板用テープから離型紙を剥離し、補強板が型抜きされた後に補強板用テープと離型紙との重ね合わせする動作を自動に行うことができる。
(14)本発明の補強板貼り付け装置においては、前記補強板生成装置は、前記補強板用テープを前記x軸方向に沿った方向の所定長さで裁断することによって前記補強板を生成する補強板生成用裁断装置と、ロール状に巻かれた長尺の補強板用テープを前記補強板生成用裁断装置へ繰り出す補強板用テープ繰り出し装置と、前記補強板用テープを前記補強板生成用裁断装置に導く補強板用テープガイド部とを備えることが好ましい。
このように構成することによっても、ロール状に巻かれた長尺の補強板用テープを出発部材として用いて補強板を生成することができるため、補強板の生成を効率よく行うことができる。
(15)本発明の補強板貼り付け装置においては、前記補強板生成装置は、前記補強板用テープが裁断されるごとに、前記補強板用テープをその搬送方向に沿って所定の搬送量だけ間欠的に搬送させる補強板用テープ搬送機構をさらに備え、前記所定の搬送量は、前記補強板の縦方向及び横方向のいずれかの長さに対応する距離であることが好ましい。
ところで、本発明の補強板貼り付け装置においては、補強板の縦方向及び横方向のいずれかの長さに対応する帯状に形成された補強板用テープを用いることが好ましい。この場合において、上記のように構成することにより、補強板用テープを所望とする間隔で裁断することで、補強板用テープを裁断するごとに、所望とする寸法(縦方向長さ×横方向長さ)の補強板を連続的に生成することができる。これにより、補強板用テープを無駄なく利用することができ、かつ、効率よく補強板の生成を行うことができる。
(16)本発明の補強板貼り付け装置においては、前記補強板用テープガイド部は、前記補強板用テープガイド部は、前記補強板用テープと接触する側の面に凹凸が形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、補強板用テープガイド部のガイド面と補強板用テープにおける離型紙の剥離された面との接触面積を小さくすることができ、離型紙の剥離された補強板用テープをより円滑に搬送させることができる。
(17)本発明の補強板貼り付け装置においては、前記補強板生成装置は、前記補強板用テープ繰り出し装置によって繰り出された補強板用テープから離型紙を剥離する離型紙剥離機構をさらに備えることが好ましい。
このような構成とすることにより、補強板用テープを裁断する前の段階で補強板用テープから離型紙を剥離することができ。
(18)本発明の補強板型抜き用金型は、本発明の補強板貼り付け装置に用いるための補強板型抜き用金型であって、補強板の形状に応じた形状を有する凸部が形成されたオス型と、前記凸部に対応した形状の型抜き穴及び前記補強板貼り付けアームが補強板を吸着して取り出す際に用いる補強板取り出し穴が形成されたメス型とを有することを特徴とする。
このため、本発明の補強板型抜き用金型によれば、ベースフィルムに対する補強板の貼り付け動作を行う際に、その場で型抜きされた補強板を用いて行うことが可能となるため、補強板貼り付け工程を行う前に様々な形状の補強板を準備しておく必要がなくなる。
また、本発明の補強板型抜き用金型によれば、メス型には補強板取り出し穴が形成されているため、補強板取り出し穴を介して型抜きされた状態の補強板を容易に吸着することが可能となり、本発明の補強板貼り付け装置に好適に用いることができる。
(19)本発明の補強板型抜き用金型においては、前記オス型は、前記凸部として複数の凸部が形成され、前記メス型は、前記型抜き穴として複数の型抜き穴が形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、1回の型抜き動作により複数の補強板を型抜きすることが可能となるため、補強板を型抜きする際の型抜き効率を高めることが可能となる。
(20)本発明の補強板生成用裁断装置は、本発明の補強板貼り付け装置に用いるための補強板生成用裁断装置であって、刃部が補強板用テープ搬送路を横切るように前記補強板用テープ搬送路の下側に配設された下側カッタ機構部と、前記補強板の搬送路の上側に配設され、前記下側カッタ機構部の刃部に対応する刃部を有する上側カッタ機構部とを有し、前記下側カッタ機構部及び上側カッタ機構部の一方を上下動可能に構成したことを特徴とする。
このため、本発明の補強板生成用裁断装置によっても、本発明の補強板型抜き用金型の場合と同様に、ベースフィルムに対する補強板の貼り付け動作を行う際に、その場で裁断された補強板を用いて行うことが可能となるため、補強板貼り付け工程を行う前に様々な形状の補強板を準備しておく必要がなくなる。
(21)本発明の補強板生成用裁断装置においては、前記下側カッタ機構部は、前記補強板用テープを裁断する際に前記補強板用テープを吸着可能な補強板用テープ吸着孔を有することが好ましい。
このように構成することにより、補強板用テープを裁断する際、補強板用テープを所定位置に保持した状態で裁断することができ、高精度な裁断が可能となる。
なお、裁断終了後は、生成された補強板が補強板貼り付けアームによって吸着されるまでの間、下側カッタ機構部での吸着状態を保持し、補強板貼り付けアームが吸着動作を開始するのとほぼ同時に下側カッタ機構部での吸着状態を解除することが好ましい。このような動作を行うことにより、生成された補強板の位置がずれたり、補強板用テープ搬送路上から落下したりするのを防止することができ、補強板貼り付けアームによる補強板の吸着動作を適切に行うことができる。
(22)本発明のフレキシブル基板は、本発明の補強板貼り付け装置を用いて補強板が貼り付けられたベースフィルムから製造されたフレキシブル基板である。
このため、本発明のフレキシブル基板は、精度良く適切な状態で補強板が貼り付けられたものとなり、また、製造コストの安価なフレキシブル基板となる。
(23)本発明の電子機器は、本発明のフレキシブル基板を用いて製造された電子機器である。
このため、本発明の電子機器は、フレキシブル基板において補強の必要な箇所に精度よく適切な状態で補強板が貼り付けられたものとなり、電子回路上のトラブルなどが少なく、耐久性にも優れた電子機器となる。
以下、本発明の補強板貼り付け装置、補強板型抜き用金型、補強板生成用裁断装置、フレキシブル基板及び電子機器について、図に示す実施形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
図1は、補強板Wsが貼り付けられたベースフィルムWbを説明するために示す図である。図2は、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000を説明するために示す平面図である。図3は、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000を簡略化して示す平面図である。図4は、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000を説明するために示す正面図である。図5は、補強板貼り付けアーム1600及び補強板生成装置1500を説明するために示す要部正面図である。図6は、補強板貼り付けアーム1600及び補強板生成装置1500を説明するために示す要部側面図である。図7は、実施形態1に係る補強板型抜き用金型1510を説明するために示す図である。
なお、以下の説明においては、互いに直交する3つの方向をそれぞれx軸(図2における紙面に平行で左右方向。)、y軸(図2における紙面に平行かつx軸に直行する方向)及びz軸(図2における紙面に垂直な方向。)とする。
補強板Wsが貼り付けられたベースフィルムWbは、図1に示すように、フレキシブル基板材料としてのベースフィルムWbに回路パターン110がマトリックス状に形成されており、回路パターン110において補強が必要な部分に補強板Wsが貼り付けられた構成となっている。なお、図1においては、補強が必要な部分に補強板Wsの貼り付けが行われたベースフィルムWbを補強板貼付済みベースフィルム100としている。
図1に示すような補強板貼付済みベースフィルム100から各々の回路パターン110の部分を切り取ることにより、補強板Wsで補強された当該回路パターン110に対するフレキシブル基板FPB(図1の破線円内参照)を得ることができる。
ベースフィルムWbに対する補強板Wsの貼り付けは、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000を用いて実施する。
実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000は、図2〜図6に示すように、各種の装置(後述する)を搭載・固定するための基台1100と、ロール状に巻かれた長尺のベースフィルムWbをベースフィルム搬送路L1に平行なx軸方向に沿って繰り出すベースフィルム繰り出し装置1200と、補強板Wsが貼り付けられたベースフィルムWbをロール状に巻き取るベースフィルム巻き取り装置1300と、ベースフィルムWbを保持するベースフィルム保持テーブル1400と、補強板用テープWtから補強板Wsを型抜きする補強板型抜き用金型1510を有する補強板生成装置1500と、補強板用金型1510で型抜きされた補強板Wsを吸着し、ベースフィルム保持テーブル1400に保持されたベースフィルムWbの所定位置に補強板Wsを貼り付ける補強板貼り付けアーム1600(図4参照)と、ベースフィルム保持テーブル1400に保持されたベースフィルムWbを撮像する撮像装置1700(図4参照)と、ベースフィルムWbをx軸方向に沿って間欠的に搬送するベースフィルム搬送装置1800と、ベースフィルム保持テーブル1400とベースフィルム巻き取り装置1300との間に配置され、ベースフィルムWbと補強板Wsとを熱圧着する熱圧着装置1900とを備える。
なお、図2においては、補強板貼り付けアーム1600及び補強板貼り付けアーム移動機構1650は省略されている。また、図4においては、補強板生成装置1500は省略されている。
基台1100には、図3に示すように、ベースフィルム繰り出し装置1200とベースフィルム巻き取り装置1300とを結ぶベースフィルム搬送路L1と、補強板型抜き用金型1510における補強板型抜き領域P1とベースフィルム保持テーブル1400における補強板貼り付け領域P2とを結ぶ補強板搬送路L2と、補強板生成装置1500における補強板用テープ搬送路L3とが仮想的に形成されている。
ベースフィルムフィルム供給装置1200は、図4に示すように、繰り出しローラ1210を有している。繰り出しローラ1210は、ローラ支持台1220の上方端部に回転自在に支承されている。そして、トルクモータ1212(図示せず)の回転によってロール状のベースフィルムWbを繰り出すように構成されている。
ベースフィルム巻き取り装置1300は、図4に示すように、巻き取りローラ1310を有している。巻き取りローラ1310は、ローラ支持台1320の上方端部に回転自在に支承されている。そして、トルクモータ1312(図示せず)の回転によって補強板Wsが貼り付けられたベースフィルムWbを巻き取るように構成されている。
ベースフィルム保持テーブル1400は、図2〜図4に示すように、補強板貼り付け領域P2に位置し、基台1100に配設された基台テーブル1150に配設されている。基台テーブル1150は、基台テーブル回動装置1160によってz軸方向に沿った軸を回転軸として回動可能に構成されている。このため、ベースフィルム保持テーブル1400は、基台テーブル1150の回動に伴ってz軸方向に沿った軸を回転軸として回動可能となっている。
ベースフィルム保持テーブル1400のベースフィルム搬送路L1に沿った両側には、ベースフィルム保持テーブル1400に保持されたベースフィルムWbを固定するための一対のベースフィルムクランパ1170,1172が配設されている。ベースフィルムクランパ1170,1172は、ベースフィルム搬送装置1800の動作に同期してベースフィルムWbを固定・開放可能に構成されている。
ベースフィルム搬送装置1800は、図2〜図4に示すように、熱圧着装置1900とベースフィルム巻き取り装置1300との間に配設され、アクチュエータ(図示せず)によって、ベースフィルムWbをクランプ可能に構成されている。ベースフィルム搬送装置1800は、モータ(図示せず)により駆動されるスクリューシャフト1810によって、x軸方向に沿って移動可能に構成されている。ベースフィルム搬送装置1800は、ベースフィルムWbをクランプした状態でx軸方向に沿ってベースフィルム巻き取り装置1300の方向へ移動することで、ベースフィルムWbを搬送することが可能となる。
補強板生成装置1500は、図2、図3、図5及び図6に示すように、補強板用テープWbから補強板Wsを型抜きする補強板型抜き用金1510と、ロール状に巻かれた長尺の補強板用テープWtを補強板用テープ搬送路L3に沿って補強板型抜き用金型1510へ向けて繰り出す補強板用テープ繰り出し装置1520と、型抜き後の補強板用テープWtをロール状に巻き取る補強板用テープ巻き取り装置1530と、補強板用テープWtを間欠的に搬送する補強板用テープ搬送装置1540とを備えている。
また、補強板生成装置1500は、x軸方向に沿って延在するレール1580上を、モータ1584によって駆動されるスクリューシャフト1582によって、x軸方向に沿って移動可能に構成されている。
また、補強板生成装置1500は、図2及び図5に示すように、補強板用テープ繰り出し装置1520と補強板型抜き用金型1510との間で、補強板用テープWtから離型紙Weを剥離する離型紙剥離機構1550と、補強板用テープ巻き取り装置1530と補強板型抜き用金型1510との間で補強板用テープWtと離型紙Weとを重ね合わせる離型紙重ね合わせ機構1560とを有し、離型紙Weが補強板型抜き用金型1510の下面側を通過するように構成されている。
補強板型抜き用金型1510は、図7に示すように、補強板Wsの形状に応じた形状を有する複数の凸部1512が形成されたオス型1511と、凸部1512に対応した形状の複数の型抜き穴1516及び補強板貼り付けアーム1600が補強板Wsを吸着して取り出す補強板取り出し穴1517が形成されたメス型1515とを有している。
補強板生成装置1500は、図5に示すように、オス型1511を昇降させるためのオス型昇降機構1570を有している。補強板型抜き用金型1510は、オス型昇降機構1570によってオス型1511が昇降動作し、メス型1515と嵌合して補強板Wsを型抜きすることが可能に構成されている。
実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000においては、補強板貼り付けアーム1600として、図4及び図5に示すように、互いに独立して移動可能な2台の補強板貼り付けアーム(第1補強板貼り付けアーム1610及び第2補強板貼り付けアーム1620)を備えている。
これら第1補強板貼り付けアーム1610及び第2補強板貼り付けアーム1620は、補強板型抜き用金型1510で型抜きされた補強板Wsを吸着する補強板吸着部1611,1621をそれぞれ有している。
また、第1補強板貼り付けアーム1610及び第2補強板貼り付けアーム1620は、型抜きされた補強板Wsをそれぞれの補強板吸着部1611,1621で吸着した状態で、ベースフィルムWb上における補強板貼り付け領域P2の補強板貼り付け位置に移動し、補強板貼り付け位置に到達すると、吸着している補強板Wsを補強板貼り付け位置に押し当ててその吸着力を解除するといった動作を行う。
また、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000においては、図5及び図6に示すように、第1補強板貼り付けアーム1610及び第2補強板貼り付けアーム1620をそれぞれy軸方向に沿って移動可能にする第1y軸移動機構1660及び第2y軸移動機構1670を有し、かつ、自身がx軸方向に沿って移動可能な補強板貼り付けアーム移動装置1650を備えている。
第1補強板貼り付けアーム1610は、図5及び図6に示すように、第1y軸移動機構1660により、y軸方向に沿って移動可能に構成されている。第1y軸移動機構1660は、図5及び図6に示すように、y軸方向に沿って延在するスクリューシャフト1662及びモータ1664を有している。第1補強板貼り付けアーム1610は、モータ1664により駆動されるスクリューシャフト1662によって、y軸方向に沿って移動可能に構成されている。
第2補強板貼り付けアーム1620は、図5に示すように、第2y軸移動機構1670により、y軸方向に沿って移動可能に構成されている。第2y軸移動機構1670は、図5に示すように、y軸方向に沿って延在するスクリューシャフト1672及びモータ(図示せず)を有している。第2補強板貼り付けアーム1620は、モータにより駆動されるスクリューシャフト1672によって、y軸方向に沿って移動可能に構成されている。
補強板貼り付けアーム移動装置1650は、図5及び図6に示すように、x軸方向に沿って延在するレール1680上を、モータ1684によって駆動されるスクリューシャフト1682によって、x軸方向に沿って移動可能に構成されている。
第1補強板貼り付けアーム1610には、図5に示すように、撮像装置1700が配設されている。撮像装置1700は、第1補強板貼り付けアーム1610のx軸方向及びy軸方向に沿った移動に伴って、補強板貼り付け領域P2のベースフィルムWbを撮像することが可能に構成されている。したがって、撮像装置1700の取り付け位置は、第1補強板貼り付けアーム1610の補強板吸着部1611の近傍であることが好ましい。
熱圧着装置1900は、図2〜図4に示すように、ベースフィルム保持テーブル1400とベースフィルム搬送装置1800との間の熱圧着領域P3に配設されている。熱圧着装置1900は、図4に示すように、熱圧着テーブル1910及びz軸方向に沿って移動可能な圧着プレート1920を有している。また、熱圧着テーブル1910及び熱圧着プレート1920は、加熱機構(図示せず)により加熱可能に構成されている。
以上のように構成された実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000によれば、補強板貼り付けアーム1600によってベースフィルムWbの所定位置に補強板Wsを貼り付けることとしているため、ベースフィルムWbに対する補強板Wsの貼り付け動作を人手により行う必要がなくなり、ベースフィルムWbに対する補強板Wsの貼り付け効率を高めることが可能となる。
また、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000によれば、撮像装置1700による撮像結果に基づいてベースフィルム保持テーブル1400と補強板貼り付けアーム1600とを適正な位置関係に調整した状態でベースフィルムWbに対する補強板Wsの貼り付け動作を行うことが可能となるため、小さいサイズの補強板Wsであっても精度良く貼り付けることが可能となる。
また、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000によれば、ベースフィルムWbに対する補強板Wsの貼り付け動作を、補強板生成装置1500における補強板型抜き用金型1510を用いて型抜きされた補強板Wsを用いて行うことが可能となるため、補強板貼り付け工程を行う前に様々な形状の補強板を準備しておく必要がなくなる。
このため、実施形態1に係る補強板貼り付け装置100は、ベースフィルムWbに対する補強板Wsの貼り付け効率を高めることが可能であり、小さいサイズの補強板Wsを精度良く貼り付けることが可能であり、かつ、補強板貼り付け工程を行う前に様々な形状の補強板Wsを準備しておく必要のない、補強板貼り付け装置となる。
また、実施形態1に係る補強板貼り付け装置100は、補強板生成装置1500における補強板型抜き用金型1510を備え、その補強板型抜き用金型1510により生成された補強板を用いて、ベースフィルムに対する補強板の貼り付け動作を行うものであるため、補強板の生成工程と補強板の貼り付け工程とを1つの装置で行うことが可能となり、製造コストを低減するとともに、生産効率の大幅な改善を図ることができる。
なお、実施形態1に係る補強板状貼り付け装置1000においては、ベースフィルムWbに形成されている、回路パターン、デバイスホール、スルーホール、アライメントマーク等を、ベースフィルムWbにおける位置の基準として用いることができる。
実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000においては、ロール状に巻かれた長尺のベースフィルムWbをベースフィルム搬送路L1に平行なx軸方向に沿って繰り出すベースフィルム繰り出し装置1200と、補強板Wsが貼り付けられたベースフィルムWbをロール状に巻き取るベースフィルム巻き取り装置と1300、ベースフィルムWbをx軸方向に沿って間欠的に搬送するベースフィルム搬送装置1800とを備え、補強板貼り付けアーム1600は、x軸方向及びy軸方向に沿って移動可能に構成されている。
このため、ロール状に巻かれた長尺のベースフィルムを出発部材として用いて補強板Wsを貼り付けることが可能となるため、ベースフィルムWbに対する補強板Wsの貼り付け効率をさらに高めることが可能となる。
また、補強板貼り付けアーム1600はx軸方向及びy軸方向に沿って移動可能に構成されているため、ベースフィルム保持テーブル1400と補強板貼り付けアーム1600とを適正な位置関係に調整した状態で、補強板Wsを貼り付けることが可能となる。
また、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000においては、ベースフィルム保持テーブル1400は、z軸方向に沿った軸を回転軸として回動可能に構成されているため、補強板Wsに対するベースフィルムWbの姿勢(z軸方向に沿った軸を回転軸とする回転に関する位置関係)を調整することが可能となるため、さらに精度良く補強板をベースフィルムWbに貼り付けることが可能となる。
また、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000においては、ベースフィルム保持テーブル1400とベースフィルム巻き取り装置1300との間に、ベースフィルムWbと補強板Wsとを熱圧着する熱圧着装置1800をさらに備えるため、ベースフィルムWbに補強板Wsを貼り付けた後、ベースフィルムWbと補強板Wsとをさらに強固に熱圧着することが可能となる。
なお、実施形態1に係る補強板状貼り付け装置1000を用いて補強板Wsが貼り付けられたベースフィルムWbに対して、別の熱圧着装置(例えば、真空プレス機。)を用いて熱圧着を行うことで、ベースフィルムWbと補強板Wsとをさらに強固に熱圧着することも可能である。
また、実施形態1に記載の補強板貼り付け装置1000においては、補強板生成装置1500は、x軸方向に沿って移動可能に構成されているため、補強板貼り付けアーム1600が補強板Wsを吸着するとき、補強板貼り付けアーム1600に対して補強板生成装置1500を適切な位置に配置することが可能となる。
また、実施形態1に記載の補強板貼り付け装置1000においては、補強板生成装置1500は、ロール状に巻かれた長尺の補強板用テープWtを補強板型抜き用金型1510へ繰り出す補強板用テープ繰り出し装置1520と、型抜き後の補強板用テープWtをロール状に巻き取る補強板用テープ巻き取り装置1530と、補強板用テープWtを間欠的に搬送する補強板用テープ搬送装置1540とを備えるため、補強板用テープWtを補強板型抜き用金型1510へ逐次供給して型抜きすることが可能となる。このため、ベースフィルムWbに対する補強板Wsの貼り付け効率をさらに高めることが可能となる。
また、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000においては、補強板生成装置1500は、前記補強板用テープ繰り出し装置1520と補強板型抜き用金型1510との間で補強板用テープWsから離型紙Weを剥離する離型紙剥離機構1550と、補強板用テープ巻き取り装置1530と補強板型抜き用金型1510との間で補強板用テープWtと離型紙Weとを重ね合わせる離型紙重ね合わせ機構1560とを有し、離型紙Weが補強板型抜き用金型1510の下面側を通過するように構成されているため、補強板Wsを型抜きする前に補強板用テープWtから離型紙Weを剥離し、補強板Wsが型抜きされた後に補強板用テープWtと離型紙Weとを重ね合わせする動作を自動で行うことができる。
また、実施形態1に記載の補強板貼り付け装置1000においては、補強板貼り付けアーム1600として、互いに独立して移動可能な2台の補強板貼り付けアーム1610,1620を備えるため、ベースフィルムWbに対する補強板Wsの貼り付け動作を2台の補強板貼り付けアームによって行うことが可能となるため、ベースフィルムWbに対する補強板Wsの貼り付け効率をさらに高めることが可能となる。
すなわち、補強板貼り付けアーム1610がベースフィルムWbに対して貼り付け動作を行っている際には、補強板貼り付けアーム1620は、補強板型抜き用金型1510から補強板Wsを吸着する動作を行う。そして、補強板貼り付けアーム1610が貼り付け動作を終了したあと、補強板Wsの吸着動作に移行すると同時に、補強板貼り付けアーム1620が貼り付け動作に移行するというような動作を行う。このように、補強板貼り付けアーム1610,1620が、補強板Wsの吸着・貼り付けを交互に行うことが可能となり、ベースフィルムWbに対する補強板Wsの貼り付け効率をさらに高めることが可能となる。
なお、補強板貼り付けアーム1610,1620がこのような交互動作を行う際には、補強板貼り付けアーム1610,1620の交互動作に合わせて補強板生成装置1500がx軸方向に移動するようになっている。すなわち、補強板貼り付けアーム1610が補強板型抜き用金型1510で型抜きされた補強板Wsを吸着したあと、補強板生成装置1500がx軸方向に沿った方向に移動して、補強板貼り付けアーム1620が補強板Wsを吸着可能とする位置に補強板型抜き用金型1510が移動するという動作を行う。
このように、補強板貼り付けアーム1610,1620の交互動作と補強板型抜き用金型1510のx軸方向に沿った方向の移動動作とによって、ベースフィルムWbに対する補強板Wsの貼り付け効率をさらに高めることが可能となる。
また、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000においては、撮像装置1700は、補強板貼り付けアーム1610における補強板吸着部1611の近傍に配設されているため、補強板貼り付けアーム1610に配設されている撮像装置1700からベースフィルムWbを撮像することで、ベースフィルムWbと補強板貼り付けアーム1610,1620との位置関係を直接的に算出することが可能となる。
実施形態1に係る補強板型抜き用金型1510は、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000に用いる補強板型抜き用金型である。そして、補強板Wsの形状に応じた形状を有する凸部1512が形成されたオス型1511と、凸部1512に対応した形状の型抜き穴1516及び補強板貼り付けアーム1600が補強板Wsを吸着して取り出す際に用いる補強板取り出し穴1517が形成されたメス型1515とを有する。
このため、実施形態1に係る補強板型抜き用金型1510によれば、ベースフィルムWbに対する補強板Wsの貼り付け動作を行う際に、その場で型抜きされた補強板Wsを用いて行うことが可能となるため、補強板貼り付け工程を行う前に様々な形状の補強板Wsを準備しておく必要がなくなる。
また、実施形態1に係る補強板型抜き用金型1510によれば、メス型1515には補強板取り出し穴1517が形成されているため、補強板取り出し穴1517を介して型抜きされた状態の補強板Wsを吸着することが可能となり、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000に好適に用いることができる。
また、実施形態1に係る補強板型抜き用金型においては、オス型1511は、凸部1512として複数の凸部が形成され、メス型1515は、型抜き穴1516として複数の型抜き穴が形成されているため、1回の型抜き動作により複数の補強板Wsを型抜きすることが可能となる。このため、補強板Wsを型抜きする際の型抜き効率を高めることが可能となる。
実施形態1に係るフレキシブル基板FPBは、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000を用いて補強板Wsが貼り付けられたベースフィルムWb(補強板貼付済みベースフィルム100)から製造されたフレキシブル基板であるため、補強板が精度よく適切な状態で貼り付けられ、また、製造コストの安価なフレキシブル基板となる。
また、このようなフレキシブル基板FPBを用いて製造された実施形態1に係る電子機器は、フレキシブル基板上において補強の必要な箇所に精度よく適切な状態で補強板が貼り付けられたものとなり、電子回路上のトラブルなどが少なく、耐久性にも優れた電子機器とすることができる。
[実施形態2]
図8は、実施形態2に係る補強板貼り付け装置2000を説明するために示す平面図である。図9は、実施形態2に係る補強板貼り付け装置2000を簡略化して示す平面図である。図10は、実施形態2に係る補強板貼り付け装置2000を説明するために示す正面図である。
実施形態2に係る補強板貼り付け装置2000は、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000と基本的には同様の構成を有しているが、ベースフィルムWbとして、ロール状のベースフィルムWbではなく、シート状のベースフィルムWbを用いている点が異なる。また、ベースフィルム保持テーブルと補強板貼り付けアームとの位置関係を適切に調整するための構成が異なる。
すなわち、実施形態2に係る補強板貼り付け装置2000は、図8〜図10に示すように、シート状のベースフィルムWbを供給するベースフィルム供給用ストッカ2200と、補強板Wsが貼り付けられたベースフィルムWbを回収するベースフィルム回収用ストッカ2300と、ベースフィルム供給用ストッカ2200とベースフィルム保持テーブル2400との間又はベースフィルム回収用ストッカ2300とベースフィルム保持テーブル2400との間でベースフィルムWbをベースフィルム供給・回収路L4に沿って移送するベースフィルムローダ2800とを備える。
ベースフィルム保持テーブル2400は、ベースフィルム供給・回収領域P4と補強板貼り付け領域P2とを結ぶベースフィルム搬送路L1に沿って移動可能に構成され、補強板貼り付けアーム2600(補強板貼り付けアーム2610,2620)は、y軸方向に沿った方向、すなわち、補強板搬送路L2に沿って移動可能に構成されている。
また、ベースフィルム保持テーブル2400は、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000と同様に、z軸方向に沿った軸を回転軸として回動可能となっている。また、補強板生成装置2500も実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000と同様に、x軸方向に沿って移動可能となっている。
実施形態2に係る補強板貼り付け装置2000においては、図8に示すように、ベースフィルム保持テーブル2400をx軸方向に沿って移動可能にする構成として、ベースフィルム保持テーブル2400の軌道となるx軸方向に沿って延在するレール2410と、ベースフィルム保持テーブル2400をx軸方向に沿って駆動するベースフィルム保持テーブル駆動装置2420とを備えている。ベースフィルム保持テーブル駆動装置2420は、x軸方向に沿って延在するスクリューシャフト2424と、モータ2422とを有している。ベースフィルム保持テーブル2400は、モータ2422によって駆動されるスクリューシャフト2424によってx軸方向に沿って移動可能に構成されている。
このため、実施形態2に係る補強板貼り付け装置2000によれば、シート状のベースフィルムWbを出発部材として用いて補強板Wsを貼り付けることが可能となるため、シート状のベースフィルムWbに対する補強板Wsの貼り付け効率を高めることが可能となる。
また、実施形態2に係る補強板貼り付け装置2000によれば、ベースフィルム保持テーブル2400はx軸方向に沿って移動可能に構成されており、補強板貼り付けアーム2600はy軸方向に沿って移動可能に構成されているため、ベースフィルム保持テーブル2400と補強板貼り付けアーム2600とを適正な位置関係に調整した状態で、補強板Wsを貼り付けることが可能となる。
なお、補強板生成装置2500がx軸方向に沿った方向に移動可能となっているので、補強板貼り付けアーム2610,2620がx軸方向に沿った方向、すなわち、ベースフィルム搬送路L1に沿った方向に移動可能となっていなくても、補強板貼り付けアーム2610,2620による補強板Wsの吸着動作を効率よく行うことが可能となる。
すなわち、補強板貼り付けアーム2610、2620が交互動作を行う際に、補強板生成装置2500がx軸方向に沿って移動することによって、補強板貼り付けアーム2610、2620は、補強板型抜き用金型1510によって型抜きされた補強板Wsを効率よく吸着することができる。これにより、補強板貼り付けアーム2610,2620は、ベースフィルムWbに対する補強板Wsの貼り付け効率をさらに高めることが可能となる。
実施形態2に係る補強板貼り付け装置2000においては、ベースフィルム保持テーブル2400は、z軸を回転軸として回動可能に構成されているため、補強板Wsに対するベースフィルムWbの姿勢(z軸方向に沿った軸を回転軸とする回転に関する位置関係)を調整することが可能になり、さらに精度良く補強板WsをベースフィルムWbに貼り付けることが可能となる。
実施形態2に係る補強板状貼り付け装置2000によれば、ベースフィルムローダとして、ベースフィルム供給用ストッカ2200又はベースフィルム回収用ストッカ2300とベースフィルム保持テーブル2400との間でベースフィルムWbを移送するベースフィルムローダ2800を備えるため、ベースフィルム保持テーブル2400に対するベースフィルムWbの供給と、ベースフィルム保持テーブル2400からのベースフィルムWbの回収とを実施することが可能となる。
このように、実施形態2に係る補強板貼り付け装置2000は、ベースフィルムWbとして、ロール状のベースフィルムWbではなくシート状のベースフィルムWbを用いている点で、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000の場合とは異なる。また、実施形態2に係る補強板貼り付け装置2000は、ベースフィルム保持テーブルと補強板貼り付けアームとの位置関係を適切に調整するための構成が異なる。しかしながら、実施形態2に係る補強板状貼り付け装置2000は、その他の点では実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000と同様の構成を有しているため、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
[実施形態3]
実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000及び実施形態2に係る補強板貼り付け装置2000は、補強板生成装置1500,2500が補強板型抜き用金型1510,2510を有し、補強板型抜き用金型1510,2510によって補強板Wsを生成するようにしたが、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000では、補強板生成装置が補強板生成用裁断装置3510を有し、補強板生成用裁断装置3510によって補強板Wsの生成を行う。
なお、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000は、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000と同様、ロール状のベースフィルムWbを用いた場合の補強板貼り付け装置であるとして説明する。
図11は、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000において用いる補強板用テープWtの一例を示す図である。図12は、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000を簡略化して示す平面図である。図13は、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000に用いられる補強板生成装置3500の構成を模式的に示す図である。図14は図13に示す補強板生成装置3500の補強板生成用裁断装置3510を図示の右方向から見た図である。
なお、図12は図3に対応するものであり、図12が図3と異なるのは、補強板生成装置3500であり、その他の構成は、図3と同様である。すなわち、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000は、補強板生成装置3500が補強板型抜き用金型1510,2510の代わりとして補強板生成用裁断装置3510を有し、この補強板生成用裁断装置3510によって補強板用テープWtを裁断して補強板Wsを生成する。
したがって、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000は、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000に対して補強板生成装置3500の構成と補強板Wsの生成動作が異なるだけであるので、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000では、補強板生成装置3500の構成と補強板Wsの生成動作のみについて説明する。
ところで、補強板Wsは、図1に示したように、ベースフィルムWbに形成された回路パターン110において補強の必要な部分に貼り付けられるものであり、その形状は特に決まっているものではなく、図1に示した補強板Wsの形状もその一例である。実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000において用いる補強板Wsの形状は長方形であるとする。
実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000においては、例えば、数十センチメートルの幅を有する既製の補強板用テープを、所望とする補強板Wsの縦方向又は横方向のいずれかの長さに対応する幅を有する帯状に切り分けたものを補強板用テープWtとして用いる(図11参照)。
このように、所定の幅を有する帯状に形成されたものを補強板用テープWtとして用い、当該補強板用テープWtを、所望とする補強板Wsの縦方向又は横方向のいずれかの長さに対応する所定の長さごとに裁断して行くことによって、所望とする補強板Wsを連続的に生成することができる。
具体的には、所望とする補強板Wsの縦方向の長さ(y軸方向の長さ)をα、横方向の長さ(x軸方向の長さ)をβとすれば、図11に示すように、幅αを有する補強板用テープWtをβの長さごとに破線で示す裁断線に沿って裁断して行くことにより、縦方向の長さα×横方向の長さβの補強板Wsを連続的に生成することができる。
実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000に用いる補強板生成装置3500は、図12〜図14に示すように、補強板用テープWtをx軸方向に沿って設けられた補強板用テープ搬送路L3と直交する方向(y軸方向に沿った方向)に裁断することによって、補強板Wsを生成する補強板生成用裁断装置3510と、ロール状に巻かれた所定の幅(αとする)を有する補強板用テープWtを補強板生成用裁断装置3510へ繰り出す補強板用テープ繰り出し装置3520と、補強板用テープ繰り出し装置3520と補強板生成用裁断装置3510との間で、補強板用テープWtから離型紙Weを剥離する離型紙剥離機構3550と、離型紙Weが剥離された補強板用テープWtを補強板生成用裁断装置3510に間欠的に搬送する補強板用テープ間欠搬送機構3540と、補強板用テープ間欠搬送機構3540によって補強板用テープ搬送路L3に搬送されてくる補強板用テープWtを補強板生成用裁断装置3510に導く補強板用テープガイド部3560と、離型紙剥離機構3550によって剥離された離型紙Weを巻き取る離型紙巻き取り装置3530とを備えている。
なお、補強板用テープガイド部3560は、補強板用テープWtが接する側の面に、例えば鋸歯状の凹凸部3561(図13参照)を設けることが好ましい。補強板用テープガイド部3560がこのような凹凸部3561を有することによって、補強板用テープガイド部3560のガイド面と補強板用テープWtにおける離型紙Weの剥離された面との接触面積を小さくすることができ、離型紙Weの剥離された補強板用テープWtをより円滑に搬送させることができる。
また、補強板生成用裁断装置3510は、図13及び図14に示すように、刃部C1が補強板用テープ搬送路L3(図12参照)を横切るように、補強板用テープ搬送路L3の下側に配設された下側カッタ機構部3511と、補強板用テープ搬送路L3の上側に配設され、下側カッタ機構部3511の刃部C1に対応する刃部C2を有する上側カッタ機構部3512とを有する。
また、下側カッタ機構部3511はz軸方向に沿った方向、すなわち、上下方向に可動となっている。一方、上側カッタ機構部3512は固定であり、図14に示すように、その刃部C2が傾斜を有している。
このように、上側カッタ機構部3512の刃部C2が傾斜を有することにより、下側カッタ機構部3511が上方向に移動することによって、補強板用テープWtを裁断する際の裁断動作が、支点を中心にレバーを押し下げることにより紙などを裁断する裁断機などと同様、一方の端から他方の端に向かって順次裁断する動作となる。これにより、補強板用テープWtを円滑かつ確実に裁断することができる。
また、下側カッタ機構部3511には、その刃部C1の近傍に補強板用テープ吸着孔3513が設けられている。この補強板用テープ吸着孔3513は、補強板用テープWtを下側カッタ機構3511の上端面に吸着させたり、その吸着を解除させたりする役目をなすものである。すなわち、補強板用テープWtが間欠送りされて、下側カッタ機構部3511の上端面に位置した状態となると、補強板用テープWtを下側カッタ機構部3511の上端面に吸着させ、補強板用テープWtが裁断されて補強板Wsが生成されると、生成された補強板Wsの吸着を解除するといった役目をなす。
なお、補強板用テープ吸着孔3513は、補強板用テープWtを確実に保持可能とするために、複数個設けることが好ましいが、補強板用テープWtを確実に保持可能であれば1個であってもよい。
また、補強板生成装置3500は、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000に用いられる補強板生成装置1500と同様に、モータ1584によって駆動されるスクリューシャフト1582と、x軸方向に沿って延在するレール1580とによって、x軸方向に沿って移動可能に構成されている(図2、図5及び図6参照)。
補強板生成装置3500が以上のような構成となっているため、補強板用テープWtが補強板用テープガイド部3560に沿って間欠的に搬送され、その先端が下側カッタ機構部3511の所定位置に達した状態となると、補強板用テープWtは補強板用テープ吸着孔3513によって、下側カッタ機構部3511の上端面に吸着された状態となる。
この状態で下側カッタ機構部3511が上方向に押し上げられることによって、補強板用テープWtは下側カッタ機構部3511の刃部C1と上側カッタ機構部3512の刃部C2とによって裁断され、図11で説明したような補強板Wsが生成される。なお、生成された補強板Wsのx軸方向の長さ、すなわち、補強板用テープWtのx軸方向の裁断長さは、補強板用テープWtの間欠送りの搬送量によって決めることができる。
具体的には、補強板用テープWtの幅を補強板Wsの縦方向の長さαに対応させた長さに設定し、補強板用テープWtが裁断されるごとの搬送量を、補強板Wsの横方向の長さβに対応する距離に設定しておけば、補強板用テープWtが裁断されるごとに、所望とする寸法(縦方向長さα×横方向長さβ)を有する補強板Wsが生成される。
一方、補強板貼り付けアーム3600(補強板貼り付けアーム3610,3620)は、前述の実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000と同様に、生成された補強板Wsを交互に吸着して、吸着した補強板WsをベースフィルムWbの所定位置に貼り付けるといった交互動作を行う。なお、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000における補強板貼り付けアーム3600の基本的な動作は、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000における補強板貼り付けアーム1600と同じである。
以上のように構成された実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000によれば、補強板生成装置3500は、補強板Wsを生成する補強板生成用裁断装置3510を有し、この補強板生成用裁断装置3510により補強板用テープWtを裁断することによって補強板Wsを生成し、生成された補強板WsをベースフィルムWbに貼り付けるといった動作を行う。このため、実施形態1と同様、補強板貼り付け工程を行う前に様々な形状の補強板Wsを準備しておく必要がなくなる。
また、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000によれば、補強板用テープWtは、その搬送方向をx軸方向に沿った方向としたとき、補強板用テープWtのy軸方向の長さ(補強板用テープWtの幅)が補強板Wsの縦方向及び横方向のいずれかの長さに対応するような寸法に設定されている。
このため、補強板用テープWtを裁断する長さ(x軸方向の長さ)を適切に設定して、その長さごとに裁断するだけで、所望とする補強板Wsを連続的に生成することができる。これにより、補強板用テープWtを無駄なく使用することができ、かつ、効率よく補強板Wsを生成することができる。
なお、補強板用テープWtのx軸方向の裁断長さは、補強板用テープWtの間欠送りの搬送量によって決めることができる。実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000によれば、補強板生成装置3500は、補強板用テープWtを裁断するごとに、補強板用テープWtをその搬送方向に所定の搬送量だけ間欠的に搬送させる補強板用テープ搬送機構3540を有している。したがって、この補強板用テープ搬送機構3540による各間欠送りごとの搬送量を、補強板Wsの縦方向及び横方向のいずれかの長さに対応する距離とすることにより、所望とする寸法を有する補強板Wsを連続的に生成することができる。
また、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000によれば、補強板生成装置3500は、補強板用テープ繰り出し装置3520によって繰り出された補強板用テープWtから離型紙Weを剥離する離型紙剥離機構3540をさらに備えている。このように、補強板用テープWtを裁断する前の段階で補強板用テープWtから離型紙Weを剥離するので、離型紙Weの剥離を容易に行うことができる。
また、実施形態3に係る補強板生成用裁断装置3500によれば、刃部C1が補強板用テープ搬送路L3を横切るように補強板用テープ搬送路L3の下側に配設された下側カッタ機構部3511と、下側カッタ機構部3511の刃部C1に対応する刃部C2を有し、補強板用テープ搬送路L3の上側に配設された上側カッタ機構部3512とを有しているので、補強板用テープ搬送路L3上を搬送されてくる補強板用テープWtを確実に裁断することができる。
また、実施形態3に係る補強板生成用裁断装置3500によれば、下側カッタ機構部3511は、その刃部C1の近傍に、補強板用テープWtを吸着可能な補強板用テープ吸着孔3513を有している。これにより、補強板用テープWtを裁断する際、補強板用テープWtを所定位置に保持させた状態で裁断することができ、高精度な裁断が可能となる。
なお、裁断終了後すなわち補強板Wsの生成後は、生成された補強板Wsが補強板貼り付けアーム3600(補強板貼り付けアーム3610,3620)によって吸着されるまでの間、下側カッタ機構部3511での補強板Wsの吸着状態を保持し、補強板貼り付けアーム3600が補強板Wsの吸着動作を開始するとほぼ同時に下側カッタ機構部3511での補強板Wsの吸着動作を解除するといった動作を行うことが好ましい。
これにより、生成された補強板Wsの位置がずれたり、補強板用テープ搬送路L3上から落下したりするのを防止することができ、補強板貼り付けアーム3600による補強板Wsの吸着動作を適切に行うことができる。
このように、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000は、補強板生成装置3500として、補強板型抜き用金型1510ではなく、補強板生成用裁断装置3510を用いている点で、実施形態1に係る補強板貼り付け装置3000とは異なる。しかしながら、実施形態3に係る補強板状貼り付け装置3000は、その他の点では実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000と同様の構成を有しているため、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000が有する効果のうち、該当する効果をそのまま有する。
なお、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000においては、補強板生成装置3500を、実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000の補強板生成装置として適用した例について説明したが、実施形態2に係る補強板貼り付け装置2000の補強板生成装置として適用できることは勿論である。
以上、本発明の補強板貼り付け装置、補強板型抜き用金型、補強板生成用裁断装置、フレキシブル基板及び電子機器を前記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記の各実施形態に限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)前記実施形態1に係る補強板貼り付け装置1000においては、ベースフィルム保持テーブル1400がz軸方向に沿った軸を回転軸として回動可能に構成されていることにより、補強板Wsに対するベースフィルムWbの姿勢を調整可能に構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、補強板貼り付けアーム1600がz軸方向に沿った軸を回転軸として回動可能に構成されていてもよい。
(2)前記実施形態2に係る補強板貼り付け装置2000においては、ベースフィルム保持テーブル2400がx軸方向に沿って移動可能に構成され、補強板貼り付けアーム2600がy軸方向に沿って移動可能に構成されていることにより、補強板Wsに対するベースフィルムWbの姿勢を調整可能に構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、補強板貼り付けアーム2600がx軸方向及びy軸方向に沿って移動可能に構成されていてもよい。
(3)前記実施形態2に係る補強板貼り付け装置2000においては、ベースフィルムローダ2800が、ベースフィルム供給用ストッカ2200又はベースフィルム回収用ストッカ2300と、ベースフィルム保持テーブル2400との間でベースフィルムWbを移送することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。ベースフィルムWbをベースフィルム供給用ストッカ2200からベースフィルム保持テーブル2400へ移送するベースフィルム供給用ローダと、補強板Wsが貼り付けられたベースフィルムWbをベースフィルム保持テーブル2400からベースフィルム回収用ストッカ2300へ移送するベースフィルムフィルム回収用ローダとを備えることとしてもよい。このように構成することにより、ベースフィルム保持テーブル2400に対するベースフィルムWbの供給とベースフィルム保持テーブル2400からのベースフィルムWbの回収とを効率よく実施することが可能となる。
(4)前記実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000においては、補強板生成装置3500の構成として、図12〜図14に示すような構成のものを採用したが、本発明の発明はこれに限られるものではなく、種々の構成を採用することができる。すなわち、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000においては、補強板用テープ間欠搬送機構3540は、図13に示したように、補強板用テープWtを挟むように設けられた2つのローラによって補強板用テープWtを間欠送りするような構成としたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、補強板用テープ搬送路L3に複数のクリップを所定間隔を置いて設け、このクリップによって補強板用テープWtを挟んで補強板用テープWtを移動させるような構成としてもよい。
また、補強板用テープガイド部3560も図13に示したような構成に限られるものではない。すなわち、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000においては、補強板用テープガイド部3560は、図13に示したように、補強板用テープWtが接する側の面に鋸歯状の凹凸部3561を設けるようにしたが、凹凸部の形状は鋸歯状に限られるものではなく、他の形状であってもよい。また、補強板用テープWtの搬送が円滑に行えるのであれば凹凸部は特に設けなくてもよい。
また、補強板生成用裁断装置3510は、図13及び図14に示すような構成に限られるものではなく、種々の構成のものを採用することができる。すなわち、実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000においては、補強板生成用裁断装置3510は、上側のカッタ機構部3512の刃部C2が傾斜を有する構成としたが、下側カッタ機構部3511の刃部C1と同様、刃部C2を水平としてもよい。
また、補強板生成用裁断装置3510の構成そのものも図13及び図14に示すような構成に限られるものではない。
例えば、図示は省略するが、補強板用テープ搬送路L3の下側にトムソン刃型などの刃部を有するカッタ機構部を上下動可能に設け、補強板用テープ搬送路L3の上側に当該カッタ機構部の刃部(トムソン刃型)を当接させるための刃当て部を設けて、カッタ機構部の刃部(トムソン刃型)を上方向に動かすことによって、補強板用テープWtを裁断するような構成としてもよい。
このように、カッタ機構部を搬送路の下側に配置し、刃当て部を補強板用テープ搬送路L3の上側に配置するような構成とする際、補強板貼り付けアーム3600が前記刃当て部と同様の機能を有するようにしてもよ。すなわち、補強板貼り付けアーム3600が前記カッタ機構部の刃部を当接させる刃当て部を有し、補強板用テープ搬送路L3の下側に設けられたカッタ機構部によって補強板用テープWtを裁断するような構成とすることも可能である。
なお、トムソン刃型を有するカッタ機構部と刃当て部によって補強板用テープWtを裁断するような構成とする場合も、前記実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000と同様、刃当て部に図13及び図14で説明したような補強板用テープ吸着孔3513を設けるようにし、刃当て部が補強板用テープ吸着孔3513で補強板用テープWtを吸着した状態でカッタ機構部の刃部(トムソン刃型)により補強板用テープWtを裁断するような構成とすることが好ましい。
また、カッタ機構部を補強板用テープ搬送路L3の下側に配置し、刃当て部を補強板用テープ搬送路L3の上側に配置する構成ではなく、逆に、カッタ機構部を補強板用テープ搬送路L3の上側に配置し、刃当て部を補強板用テープ搬送路L3の下側に配置するような構成としてもよい。
(5)前記実施形態3に係る補強板貼り付け装置3000においては、補強板Wsの形状を長方形としたが、長方形に限られるものではなく、正方形であってもよい。また、補強板用テープ搬送路L3に対して斜めに裁断することにより、平行四辺形などの形状を有する補強板Wsを生成することも可能である。また、下側カッタ機構部3511及び上側カッタ機構部3512のそれぞれの刃部C1,C2の形状を1直線ではなく、途中で屈曲部を含む形状としたり、また、波型などの曲線を含む形状としたりすることも可能であり、それによって、様々な形状の補強板Wsを生成することができる。
図15は下側カッタ機構部3511及び上側カッタ機構部3512のそれぞれの刃部C1,C2を、屈曲部を含む形状とした場合に補強板用テープWtから生成される補強板Wsの一例を示す図である。図15に示す破線は、下側カッタ機構部3511及び上側カッタ機構部3512によって裁断される裁断線を示すもので、補強板用テープWtが図15に破線に沿って裁断されることによって、図1に示した補強板Wsとほぼ同様の形状を有する補強板Wsを生成することができる。
(6)前記各実施形態に係る補強板貼り付け装置においては、補強板貼り付けアームは2台としたが、本発明はこれに限られるものではなく、補強板貼り付けアームは1台であってもよい。
100…補強板貼付済みベースフィルム、110…回路パターン、1000,2000,3000…補強板状貼り付け装置、1100…基台、1150…基台テーブル、1160…基台テーブル回動装置、1170,1172…ベースフィルムクランパ、1200…ベースフィルム繰り出し装置、1210…繰り出しローラ、1220,1320…ローラ支持台、1212,1312…トルクモータ、1300…ベースフィルム巻き取り装置、1310…巻き取りローラ、1400,2400…ベースフィルム保持テーブル、1500,2500,3500…補強板生成装置、1510…補強板型抜き用金型、1511…オス型、1512…凸部、1515…メス型、1516…型抜き穴、1517…補強板取り出し穴、1520,3620…補強板用テープ繰り出し装置、1530…補強板用テープ巻き取り装置、1540…補強板用テープ搬送装置、1550,3550…離型紙剥離機構、1560…離型紙重ね合わせ機構、1570…オス型昇降機構、1580…レール、1582,1810…スクリューシャフト、1584…モータ、1600,2600,3600…補強板貼り付けアーム、1610,2610,3610…第1補強板貼り付けアーム、1620,2620,3620…第2補強板貼り付けアーム、1611,2611,3611,1621,2621,3621…補強板吸着部、1650…補強板貼り付けアーム移動機構、1660…第1y軸移動機構、1670…第2y軸移動機構、1700…撮像装置、1800…ベースフィルム搬送装置、1900,2900…熱圧着装置、2200…ベースフィルム供給用ストッカ、2300…ベースフィルム回収用ストッカ、2800…ベースフィルム供給・回収用ローダ、3010…台座、3012…位置決めピン、3020…補強板位置決め治具、3022…ガイドホール、3024…枠の内側、3510…補強板生成用裁断装置、3511…下側カッタ機構部、3512…上側カッタ機構部、3513…補強板用テープ吸着孔、3540…補強板用テープ間欠搬送機構、3560…補強板用テープガイド部、L1…ベースフィルム搬送路、L2…補強板搬送路、L3…補強板用テープ搬送路、L4…ベースフィルム供給・回収路、P1…補強板型抜き領域、P2…補強板貼り付け領域、P3…熱圧着領域、P4…ベースフィルム供給・回収領域、FPB…フレキシブル基板、Wb…ベースフィルム、Ws…補強板、Wt…補強板用テープ、We…離型紙、C1,C2…刃部