図1に、本発明の第1実施例のフルカラーデジタル複合機能複写機MF1の外観を示す。このフルカラー複写機MF1は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)120と、操作ボード10と、カラースキャナ100と、カラープリンタ200の各ユニットで構成されている。なお、操作ボード10と、ADF120付きのカラースキャナ100は、プリンタ200から分離可能なユニットであり、カラースキャナ100は、動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、エンジンコントローラ(CPU301:図5)と直接または間接に通信を行いタイミング制御されて原稿画像の読取りを行う。
スキャナ100およびプリンタ200ならびに画像入出力装置(302:図5)を含むエンジン(300:図5)を接続したコントローラボード(400:図5)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)が接続されており、ファクシミリコントロールユニット(FCU 417:図5)には、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)に接続された交換器PBXが接続されている。
図2に、複合機能複写機MF1のスキャナ100およびそれに装着されたADF120の、原稿画像読取り機構を示す。このスキャナ100のコンタクトガラス101上に置かれた原稿は、照明ランプ102により照明され、原稿の反射光(画像光)が第1ミラー103で副走査方向−yと平行に反射される。照明ランプ102および第1ミラー103は、図示しない、副走査方向−yに定速駆動される第1キャリッジに搭載されている。第1キャリッジと同方向にその1/2の速度で駆動される、図示しない第2キャリッジには、第2および第3ミラー104,105が搭載されており、第1ミラー103が反射した画像光は第2ミラー104で下方向(z)に反射され、そして第3ミラー105で副走査方向yに反射されて、レンズ106により集束され、CCD107に照射され、電気信号に変換される。すなわちRGB各色画像信号に変換される。
第1および第2キャリッジは、走行体モータ108を駆動源として、−y方向に往(原稿走査),復(リタ−ン)駆動される。このようにスキャナ100は、コンタクトガラス101上の原稿をランプ102およびミラー103で走査して原稿画像をCCD107に投影するフラットベッド読取りの原稿スキャナであるが、第1キャリッジをホームポジション(待機位置)HPに停止して、シートスルー読取りを行うことも可能である。
シートスルー読取りを行うために、自動原稿供給装置(ADF)120がスキャナ100に装着されており、第1キャリッジがホームポジションHPで停止しているときの第1ミラー103の読取り視野位置に、シートスルー読取り窓であるガラス132があり、ADF120の搬送ドラム(プラテン)125がガラス132に対向している。
ADF120の原稿トレイ121に積載された原稿は、フィラーセンサ130で検出される。なお、原稿サイズは、原稿を所定姿勢に強制するサイド板の設定位置を検出するスイッチ群131のオン,オフに基づいて判定される。シートスルー読取りのときには、ADF120の原稿トレイ121に積載された原稿の最上部の一枚が、ピックアップローラ122および送り込みローラ123,124でレジストローラ125に送り出され、レジストローラ125から窓ガラス132に送り出されて、このときホームポジションHPにある第1ミラー103で原稿上の画像が第2ミラー104に反射されてCCD107に投影され、CCD107が投影画像を光電変換して画像信号を発生する。すなわちRGB各色画像信号を発生する。
この実施例では、ホームポジションHPが、画像読取り光学系のシートスルー読取り位置であり、また、フラットベッド読取りの第1キャリッジ駆動始点(=リターン終点)である。フラットベッド読取りの場合、第1キャリッジをホームポジションHPから駆動して、HPからA+Bの距離進んだ位置(目盛り板scpの右端:読取り開始点)から原稿画像の読取りを開始する。すなわちCCD107が発生する画像信号を有効とする。ホームポジションHPと読取り開始点との間には、第1キャリッジを検出する基点センサ109、ならびに、基準白板rwpがある。基準白板rwpは、コンタクトガラス101の左端部の上面に密着している。基準白板rwpは、照明ランプ102の個々の発光強度のばらつき,また主走査方向xのばらつきや、CCD107の画素毎の感度ムラ等が原因で、一様な濃度の原稿を読み取ったにもかかわらず、読取りデータがばらつく現象を補正(シェーディング補正)するために用意されている。また、画像信号の増幅ゲイン調整(AGC)にも用いられる。
フラットベッド読取りのときには、ホームポジションHPから、第1キャリッジの副走査駆動および副走査位置の追跡を開始する。第1キャリッジの読取り視野に基準白板rwpがあるとき、CCD107の画像信号(をデジタル変換した画像データ)が、画像信号処理回路(AFE)111(図5)に読込まれる。第1キャリッジが基点センサ109を横切るとき第1キャリッジの起動が終わり走査速度が設定値に収束している。副走査位置が読取り始端(A+B:目盛り板scpの右端の右側)に達したときに、画像信号有効信号(フレーム同期信号:FGATE)が有意レベルに切り換えられる。フラットベッド読取りでは、第1キャリッジを、コンタクトガラス101上の原稿の先端(右端)まで副走査駆動して、そこで折返してリターン駆動するとき、ホームポジションHPで一時停止するが、その直前に、基点センサ109が第1キャリッジを検出し、検出時点に副走査位置が基点位置データ(設定値)に初期化される。第1キャリッジはホームポジションHPで一時停止してから原稿サイズ検出位置(A+B+C)に駆動され、そこで待機する。
ADF120の基体135は、奥側(図2紙面の裏側)でスキャナ100の基体にヒンジ結合(蝶番連結)しており、基体135の手前側(図2紙面の表側)の取っ手136を持ってADF120の基体135引き上げることにより、図3に示すように、ADF120を起こす(開く)ことができる。ADF120の基体135の奥側には、ADF120の開閉を検出する圧板スイッチ112がある。この実施例では、ADF120が図1に示す平伏姿勢から、図3に示す起立姿勢に起こされる過程の、圧板(原稿押さえ板)137の下面がコンタクトガラス101の原稿載置面に対して30度前後の設定角度を超えるときに、圧板スイッチ112は、圧板閉を表すオフから、圧板開を表すオンに切換わり、起立姿勢から平伏姿勢に倒される過程では、圧板137の下面がコンタクトガラス101の原稿載置面に対して該設定角度以下の角度になるときに、圧板スイッチ112は、圧板開を表すオンから、圧板閉を表すオフに切換わる。
このように圧板スイッチ112の開/閉検出の切換り角度を30度前後の広い角度に設定しているのは、該設定角度より小角度になるときに、予め原稿サイズ検出位置(図2,図3)に位置決めした第1キャリッジ上の照明灯102を点灯してコンタクトガラス101上の原稿を照明し、原稿像をCCD107に投影して、CCD107の画像信号に基づいて原稿とその背景との境界すなわち原稿側端(原稿の主走査方向xの幅)を検出するためである。ADF120が略10度以上傾斜しているときには、照明灯102の光はコンタクトガラス101上の原稿で反射してCCD107に至り、CCD107によって明るく検出されるが、原稿を外れた光は、圧板137の下面で反射されるものの、該下面が傾いているのでほとんどCCD107の光学視野の外に向かうので、原稿の外側はCCD107によって暗く検出される。このような明暗の差にしたがって、後述する原稿サイズ検出48(図6)が、コンタクトガラス101上の原稿のサイズを検出する。
この実施例では、次のモードの原稿画像読取りを行うことができる:
1.手置原稿読取り
ユーザがADF120を起こしてコンタクトガラス101上に原稿を載せ、ADF120を倒して圧板137で原稿を押さえて、上記のフラットベッド方式の原稿走査(フラットベッド読取り)を行う。第1キャリッジが基準白板rwp直下を通過するとき、基準白板rwpの読取り画像データに基づいてシェーディング補正データを生成して、メモリのシェーディング補正データを今回得たものに更新する。フラットベッド読取りが終わるとユーザがADF120を起こして原稿を取り出す。ユーザが、原稿をコンタクトガラス101上にセットしてADF120を閉じるとき、原稿サイズ検出48(図6)が、コンタクトガラス101上の原稿のサイズを検出する。
2.シートスルー読取り
ADF120で原稿トレイ121上の原稿を移送して上述のシートスルー読取りを行う。一枚の原稿をトレイ121から送り出すとき、第1キャリッジを基準白板rwpの位置に駆動しそしてホームポジションHPに戻し、第1キャリッジが基準白板rwp直下にあるとき、基準白板rwpの読取り画像データに基づいてシェーディング補正データを生成して、メモリのシェーディング補正データを今回得たものに更新する。原稿トレイ121上の原稿の各一枚についてこの読取りを行う。
図2を再度参照してカラープリンタ200の機構を説明する。プリンタ200は、フルカラーインクジェットプリンタである。インクジェットプリンタ200の印字ユニット210には、主走査方向x(図2紙面の表から裏に向かう方向)に往復移動するキャリッジ202に、カラーインクジェットヘッド203K,203C,203Mおよび203Y(図4)が搭載されている。図4には、図2に示すキャリッジ202の右側面を拡大して示す。各ヘッドには、副走査方向y(図2紙面上で右から左への方向)に、多数のインク噴射ノズルが高密度配列されている。各ヘッドには、各1個が各インク噴射ノズルから選択的にインクを噴射する多数の駆動エレメントがある。キャリッジ202の主走査方向xの1走査で副走査方向yの所定幅に、各色記録ヘッドの各色インク噴射によりカラー画像が形成され、そこで副走査方向yに用紙を所定幅を送ってからまた主走査方向xの1走査が行われる。この繰り返しにより、用紙カセット216又は217(図2)から繰り出されてレジストローラ208に送り込まれて、用紙搬送ライン209に沿って送られる用紙にカラー画像が形成される。画像記録が終わった用紙は用紙排紙トレイ213に送り出される。214はK,C,M,Yインクを入れたインクカートリッジであり、各インクカートリッジからインクが、ポンプ215で汲み上げられて各色記録ヘッドのインク槽204K,204C,204M,204Y(図4)に補充される。
図4を参照する。キャリッジ202の、主走査方向xの主走査開始点であるホームポジション(図4上の2点鎖線で示す位置)の外側に、キャリッジ202の退避位置(図4上の実線で示す位置)が定められており、そこに、インク回収槽兼用のキャップ205が、上下移動可能に配置されている。キャリッジの下面に各色記録ヘッドの下端面(ノズルが開いた記録端面)が露出し、しかもキャリッジの下面と同一の平面上にある。キャップ205の上開口は、退避位置にあるキャリッジの下面から露出する記録端面に対抗する。上開口縁には、弾力性があるシール材があって、その表面がキャップ205の開口端面より少し上方に突出しており、キャップ205が、その下方にある電動昇降機構によって作用位置に上げられているときは、シール材の上面がキャリッジの下面の、ヘッド露出領域の外側の面に密着する。このように、電動昇降機構によってキャップ205を上駆動してそのシール材をキャリッジ202の下面に密着させることを、「キャッピング」という。そして、電動昇降機構によってキャップ205を下駆動してそのシール材がキャリッジ202の下面から離れてキャリッジの移動を妨げない退避位置に位置決めすることを、「アンキャッピング」という。
キャリッジ202の退避位置(図4上の実線位置)からホームポジション(2点鎖線位置)の間には、電動ワイピング機構206がある。このワイピング機構206には、上ブレードロータ,下ブレードロータおよびこれらのロータを互いに同方向に回転駆動する電気モータ駆動の減速機構がある。各ブレードロータは、回転軸に、記録ヘッドの副走査方向yのノズル配列長よりも長い、可撓性があって弾力性がある複数のブレードを固定したものである。キャリッジ202を退避位置からホームポジションに駆動するときには、上,下ブレードロータが図4上で反時計方向に回転するように、ロータが回転駆動され、これによりキャリッジ下面がブレードで拭われて、ノズル開口周りにインクがあるとこれを拭い取る。上ブレードロータのブレードに付いたインクは、下ブレードロータのブレードが拭い落とす。キャリッジ202をホームポジションから退避位置に駆動するときには、上,下ブレードロータが図4上で時計方向に回転するように、ロータが回転駆動され、キャリッジ下面が拭われる。キャリッジ202の移動方向に対して、その下面を拭うブレードの移動方向は逆方向である。
なお、ホームポジションにある各ヘッドから、搬送紙の側端までの距離Dk,Dc,Dm,Dyは、設計上固定の値であるが、実際にはばらつきや誤差を生ずる。搬送紙の側端から主走査方向xに微小距離Dx分、紙中央方向に入り込んだ位置を、各ヘッドの、主走査方向の記録開始位置とするが、Dk,Dc,Dm,Dyの設計値からの誤差により、ヘッド間で、x方向の記録開始位置ずれを生ずる。したがって、Dk,Dc,Dm,Dy(正確にはそれにDxを加えた値)を、画像記録制御上の各ヘッドの記録開始タイミング値とし、これをオペレータ入力で調整できるようにしている。この調整を、主走査方向xの「ヘッド位置調整」という。同様に、各ヘッドは、副走査方向yで同一位置に設計されているが、実際にはばらつきや誤差を生ずる。副走査y方向の基準位置から副主走査方向yに微小距離Dy分進んだ位置を、各ヘッドの、副走査方向の記録開始位置とするが、各ヘッドの基準位置からの誤差により、ヘッド間で、y方向の記録開始位置ずれを生ずる。したがって、副走査方向の基準位置からの各ヘッドの距離にDyを加えた値を、画像記録制御上の各ヘッドの副走査方向の記録開始タイミング値とし、これをオペレータ入力で調整できるようにしている。この調整を、副走査方向yの「ヘッド位置調整」という。
図5に、図1の複合機能複写機MF1の画像処理システムの構成を示す。複合機能複写機MF1は、原稿画像読取りおよびカラー印刷を行うエンジン300,コントローラボード400および操作ボード10を含む。エンジン300は、画像読取りおよび印刷のプロセスを制御するCPU301,上述のカラースキャナ100,上述のプリンタ200、および、ASIC(Application Specific IC)で構成した画像入出力処理302を備えている。
スキャナ100の読取りユニット110にはCPU,ROMおよびRAMがあり、該CPUが該ROMに格納されたプログラムを該RAMに書き込んで実行する事で、スキャナ100の全体の制御を行っている。また、プロセス制御用のCPU301と通信線を介して接続されおり、コマンド及びデータの送受信により指令された動作を行う。読取りユニット110内のCPUは、フィラーセンサ(原稿検知センサ),基点センサ,圧板スイッチ,冷却ファン等の検知及びON/OFFの制御をする。読取りユニット110内において、スキャナモータドライバが、CPUからのPWM出力によりドライブされ励磁パルスシーケンスを発生し原稿走査駆動用のパルスモータを駆動する。
原稿画像は、ランプレギュレータによって通電されるハロゲンランプ102(図2)の光量出力により照明されて、原稿の反射光すなわち光信号は、複数ミラー103〜105及びレンズ106を通りR,GおよびB読取り用の3個のラインセンサを含むCCD107に結像される。3ラインCCD107は、各RGBの各画素のアナログの画像信号をデジタル処理回路(AFE)111に出力する。AFE111は、画像信号を増幅し画像データにデジタル変換しそしてシェーディング補正する画像信号処理手段である。
コントローラボード400は、CPU402と、ASICで構成された書画蓄積制御403と、ハードディスク装置(以下ではHDDと表記)401と、ローカルメモリ(MEM−C)406と、システムメモリ(MEM−P)409と、ノースブリッジ(以下、NBと記す)408と、サウスブリッジ(以下、SBと記す)415と、NIC410(Network Interface Card)と、USBデバイス411と、IEEE1394デバイス412と、セントロニクスデバイス413他を含む。操作ボード10は、コントローラボード400の書画蓄積制御403に接続されている。ファクシミリコントロールユニット(FCU)417も、書画蓄積制御403にPCIバスで接続されている。
CPU402は、NIC410を介してLANに接続されたパソコンPCあるいはインターネットを介する他のパソコンPCと書画情報の送受信を行うことができる。また、USB411,IEEE1394 412,セントロニクス413を用いてパソコン,プリンタ,デジタルカメラ等と通信することができる。
SB415と、NIC410と、USBデバイス411と、IEEE1394デバイス412と、セントロニクスデバイス413と、MLB414は、NB408にPCIバスで接続されている。このように、MLB414は、エンジン300にPCIバスを介して接続する基板である。そして、MLB414は、外部から入力された書画データをイメージデータ(画像データ)に変換し、変換された画像データをエンジン300に出力する。
コントローラボード400の書画蓄積制御403にローカルメモリ406、HDD401などが接続されると共に、CPU402と書画蓄積制御403とがCPUチップセットのNB408を介して接続されている。書画蓄積制御403とNB408とは、AGP(Accelerated Graphics Port)を介して接続されている。
CPU402は、複合機能複写機MF1の全体制御を行うものである。NB408は、CPU402、システムメモリ409、SB415および書画蓄積制御403を接続するためのブリッジである。システムメモリ409は、複合機能複写機MF1の描画用メモリなどとして用いるメモリである。SB415は、NB408とPCIバス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジであり、SB415には外付けROMおよびSDメモリカード(以下ではSDカード)の読み書きをするカードIF418が接続されている。このカードIF418には、SDカード読み書き装置(カードリーダ)が接続されており、カードリーダに装着されるSDカードのデータを読み取ることができ、またSDカードにデータを書込むことができる。
ローカルメモリ406はコピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるメモリである。HDD401は、画像データの蓄積,文書データの蓄積,プログラムの蓄積,フォントデータの蓄積,フォームの蓄積,LUT(Look Up Table)の蓄積などを行うためのメモリである。また、操作ボード10は、ユーザからの入力操作を受け付けると共に、ユーザに向けた表示を行う操作部である。
図5には、スキャナ100およびプリンタ200と画像入出力処理302との間でやり取りする画像データの流れを示す。画像入出力処理302には、カラー原稿スキャナ100が原稿画像を読み取って発生するR,G,B画像データのそれぞれに対して読取りガンマ補正,MTF補正等を行うスキャナ画像処理303があり、また、R,G,B画像データをプリンタ200の、C,M,Y,K各色書込みの画像表現特性に合ったc,m,y,k記録色データ(印刷データ)に変換するプリンタ画像処理304があり、更に、書画蓄積制御403に原稿読取り画像データRGBを出力し、書画蓄積制御403が出力する画像データRGBをプリンタ画像処理304に与える画像処理I/F(Interface circuit)305がある。
白黒コピーのときには、スキャナ画像処理303からG画象データが画像処理I/F305に出力され、画像処理I/F305がG画像データをプリンタ画像処理304に出力し、プリンタ画像処理304がG画像データをk記録色データに変換し、必要に応じて変倍,画像加工を、そしてプリンタガンマ変換および階調処理をして、プリンタ200のK書込みユニット212に出力する。書込みユニット212は、画像処理304が出力するk記録色データによって、記録ヘッド204Kの各駆動エレメントに通電する電流を変調又はオン,オフする。
カラーコピーのときは、スキャナ画像処理303が出力するRGB画像データが、画像処理I/F305および画像蓄積制御403を介して、ローカルメモリ406又はHDD401に一時蓄積又はHDD401に登録され、そして読み出されて、コピーまたは印刷に用いられ、あるいは外部に送出される。
プリンタ200による登録画像データ、又は、外部から受信した画像データの印刷のときには、画像蓄積制御403および画像処理I/F305を介して画像データがプリンタ画像処理304に与えられる。プリンタ画像処理304は、画像データをcmyk記録色データに変換してから、必要に応じて変倍,画像加工を、そしてプリンタガンマ変換および階調処理をして、書込みユニット212に出力する。
読取りユニット110の圧板スイッチ112およびADF120のフィラーセンサ130の各検出信号線,操作ボード10の電源キースイッチ21のキー操作検出信号線、ならびに、ファクシミリコントローラ417の受信検出信号線は、コントローラボード400の状態変化検知回路ACDに接続されている。状態変化検知回路ACDには、主電源スイッチ79(図10)がオンの間、電源回路80が休止モードであっても継続して出力される動作電圧+5VEが印加される。この+5VEが加わっている限り、検知回路ACDに接続された上記信号線の何れかに信号変化があると、これを表す変化検出信号をCPU402に与える。CPU402はこの信号に応答して電源回路80をスタンバイモードに切換える。
状態変化検知回路ACDには、休止モードでの動作電圧+5VEが加わったとき(主電源スイッチ79がオフからオンに切換わったとき)にリセットパルスを発生する電源オンリセット回路および該リセットパルスでリセットされてその出力である電源投入モード信号PODを低レベルL(“0”)とするラッチ(フリップフロップ;そのQ出力が電源投入モード信号POD)がある。CPU402が、休止モードからスタンバイモードに電源回路80を切換えるときに、このラッチをセットしてその出力である電源投入モード信号PODを高レベルH(“1”)に切換える(図11の6a)。電源投入モード信号PODの“0”は、主電源スイッチ79のオフからオンへの切換りにより電源回路80がスタンバイモードになっていることを意味し、電源投入モード信号PODの“1”は、休止モードからスタンバイモードに切り換わっていることを意味する。この電源投入モード信号PODは、原稿スキャナ100に動作電圧が加わったとき原稿スキャナ100によって、動作電圧の印加が主電源スイッチ79のオンによるものか、あるいはCPU402による、休止モードからスタンバイモードへの切換えによるものかを判定するために参照される。
図6に、カラー原稿スキャナ100のセンサーボードユニットSBUおよびAFE111の画像信号処理機能の概要を示す。CCD107は、R,G,B画像信号のそれぞれを偶数番画素列と奇数番画素列に分けて並行出力する。各色画像信号の偶数番画素列と奇数番画素列は、個別にバッファアンプで増幅して、AFE111の画像出力補正113〜118のそれぞれに出力される。図6には、Rの画像信号の偶数番画素列をデジタルデータに変換する画像出力補正113の機能構成のみを示すが、他の画像出力補正114〜118の機能構成も画像出力補正113のものと同様である。以下では、画像出力補正113の機能を説明する。
CCD107が出力する、R偶数番画素列のアナログ画像信号は、SBU上のReバッファアンプでドライブされてサンプリング回路31にてサンプルホールドされ、リセットノイズ等の高周波成分が除去される。可変ゲインアンプ32は、そのコントロール端子に印加される制御電圧Vgにてゲインを制御出来るアンプであり、オフセット設定回路33はそのコントロール端子に印加される制御電圧Vofにて、プラス,マイナスのオフセットレベルを設ける機能を有する。Vg,Vofは、CPU42がD/A変換回路37を操作して決定する電圧である。例えばD/A変換回路37が8ビットであればCPU42は0〜255のいずれかの値をD/A変換回路37に対して設定し、D/A変換回路37は対応した電圧を出力する。
A/D変換回路34は、アナログ画像信号を上限基準値Vrefd/Vrefw、下限基準値Vrefbに基づいて所定の分解能(例えば8bit)でデジタル画像信号すなわち画像データに変換する。この画像データは、オフセットレベル検出回路39およびオフセットレベル減算回路35に入力される。ここで上限基準値Vrefw/Vrefdおよび下限基準値Vrefbは、CPU42がD/A変換回路37を操作して決定する。D/A変換回路37の上限基準値出力VrefwとVrefdは、セレクタ38に入力されており、セレクタ38は基準白板rwpを読取る際にはVrefwを、原稿を読取る際にはVrefdを、上限基準値としてA/D変換回路34に与える。
CCD107には、オプティカルブラック(OPB)画素といわれる物理的に遮光したセンサ部があり、続いて有効画素といわれる入射光量に比例した電圧を出力するセンサ部がある。このOPB画素と有効画素のデータは1主走査期間毎に繰り返して出力される。
オフセットレベル検出回路39は、xopb信号がアサートされている期間に、CCD107のOPB画素に対応したA/D変換回路34の出力を取り込んで保存する機能を有する。オフセットレベルは複数のOPB画素を取り込んだ平均値であり、CCD107の出力系統毎に保存される。オフセットレベル減算回路35は、入力されたA/D変換回路34の出力値からオフセットレベル検出回路39に保存されたオフセットレベルを減算する回路である。白ピーク検出回路41は、原稿読取り時の有効画素区間を表すxlgate信号および基準白板読取り時の読込期間を表わすSMPL信号がアサートされている期間内で入力された画像データのピーク値を保存する回路である。CPU42は、オフセットレベル検出回路39および白ピーク検出回路41にアクセスすることにより、最新のオフセットレベル値およびピーク値を得ることが出来る。
シェーディングデータ保存40は、基準白板rwpを読み取った値を各画素毎に平均化等の処理を行いながら順次保存する回路であり、シェーディング補正回路36は、画像を読み取った画像データを、シェーディングデータ保存40に保存されている補正データを用いてシェーディング補正した画像データに変換する回路である。CPU42は、このシェーディングデータ保存40にある、画像データのライン間平均化のために画像データを一時蓄積するラインメモリに、基準白板読取りの画像データを格納してから、特定画素(基準白板rwpの主走査方向xのある位置)の画像データを読み取ることが出来る。
A/D変換回路34の出力は、A/D変換する際に所定の遅れを生ずる。xopbは、OPB画素の読取りアナログ信号に対応するA/D変換出力のタイミングで所定期間アサートされるようにタイミング設計されている、オフセットレベルデータ範囲指示信号である。通常、OPB画素の読取りアナログ信号の後半部分を使用した方がノイズが少ないことが経験上わかっており、本実施例でもその様に設定している。xlgateは、有効画素部の原稿を読取る領域でアサートされる信号であり、白ピーク検出時の読込範囲指定に使用する。
WTGTはCCD107が基準白板rwpを読取るタイミングにアサートされる信号であり、セレクタ切り替え信号として使用する。セレクタ38は、WTGTがアサートされている場合はVrefwを、ネゲートされている場合はVrefdを選択して、A/D変換回路34に印加する。SMPLはCCD107が基準白板rwpを読取るタイミング(WTGT)中の一部の期間アサートされ、シェーディングデータFIFOに基準白板データを取り込むタイミングを指示するものである。
−ゲイン等の調整AGC−
「ゲイン等の調整AGC」では、ROM43aから読出してRAM43bに書込んだ動作プログラムに従ってCPU42はまず、第1キャリッジが基準白板rwpの位置に移動すると、A/D変換回路34に上側基準電圧Vrefwを与えて、基準白板読取りのピークデータDwpを読取る。次に、ピークデータDwpが所定範囲Dp±Bに入っているかチェックする。Dpは調整目標値であり、A/D変換回路34に入力されるアナログ画像信号のピーク値が上側基準電圧Vrefwを超えない値(マージンを考えると例えば、上側基準電圧Vrefwの約8割)である。これはA/D変換回路の性能を充分引き出して、精度の高いデジタル信号を取り出すためである。また、Bは調整公差である。
ピークデータDwpが所定範囲Dp±Bに入っている場合には、このとき設定中の、制御電圧Vg,下基準電圧Vrefb,ならびに上基準電圧Vrefw,VrefdをRAM43bに保存する。ピークデータDwpが所定範囲Dp±Bに入っていない場合は、入るように、ゲインを決定する制御電圧Vg(D/A出力)を出力するためのD/A変換回路37の設定値Svg(D/A入力)を計算する。計算結果のSvgがD/A変換回路37の設定可能範囲(SvgL〜SvgH)内か判断する。D/A変換回路37が例えば、8bitのD/A変換回路であれば設定可能範囲は、0〜255といった具合である。設定可能範囲内の値であれば、実際に設定して再度ピークデータDwpを読み取る。SvgがD/A変換回路37に設定可能範囲外の場合は、設定可能範囲内で計算値に近い値SvgLまたはSvgHを設定して再度ピークデータDwpを読取り、同様にチェックする。
ピークデータDwpが所定範囲Dp±Bに入っていない場合、CPU42は基準白板rwpを読取る際のA/D変換回路34の上側基準電圧Vrefwを計算する。D/A変換回路37の設定値(入力データ)と基準電圧Vrefw(出力電圧)の関係が、Vrefw=f(Srefw)で示され、f(Srefw)の逆関数がSrefw=g(Vrefw)である場合、変更するVrefw用のD/A変換回路37の入力データSrefwは、
Srefw=g(Dwp/Dp/(f(Stp)−f(Stb))−f(Stb))
で示される。ここで、
Dp:Vrefw宛てのD/A変換回路37に与える設定値Srefwを変更後に期待するピークデータ,
Stp:ピーク値Dwpを得たときのD/A変換回路37に与えた設定値Srefw,
Stb:Vrefb宛てのD/A変換回路37の設定値Srefb、
である。
計算結果のSrefwがD/A変換回路37の設定可能範囲(SrefwL〜SrefwH)内かチェックする。例えば、43が8bitのD/A変換回路であれば設定可能範囲は、0〜255といった具合である。設定可能範囲内の値であれば、実際に設定して再度ピークデータDwpを読み取る。計算結果のSrefwがD/A変換回路37の設定可能範囲外の場合はエラーであるが、設定可能範囲内で計算値に近い値を設定して終了する。但し、このエラーになるのはパターン断線等のハード的な問題が発生している場合だけである。
基準白板読取り用基準電圧Vrefwを変更したので、原稿読取り用基準電圧Vrefdも変更しないとシェーディング補正後の画像データの大きさが変わってしまうので、変更する。変更前,後の基準白板読取り用基準電圧Vrefwを各々Vrefwb,Vrefwa、変更前,後の原稿読取り用基準電圧Vrefdを各々Vrefdb,Vrefda、下側基準電圧をVrefbとした時に、
(Vrefwb−Vrefb)/(Vrefwa−Vrefb)
=(Vrefdb−Vrefb)/(Vrefda−Vrefb)
になる様にVrefdを変更する。すなわち、D/A変換回路37の原稿読取り用基準電圧Vrefdを、上式を満足するVrefdaに設定する。
次にCPU42は、Vrefd宛てに上記Vrefdaを出力する設定値を、またVrefw宛てに上記Vrefwaを出力する設定値を設定し、このように設定した上基準電圧Vrefw,Vrefd、このとき設定中の制御電圧Vg,下基準電圧Vrefbの設定値Srefw,Srefd,Svg,SrefbをRAM43bに保存して、ゲイン等の調整AGCを終了する。このゲイン調整で得た各設定値は、コントローラボード400に転送して、そのときの時刻を前回実施時刻としてこの前回実施時刻と共に、不揮発メモリであるHDD401の、AFE111宛ての設定データテーブルに登録(更新書込み)する。
なお、スキャナ100(およびADF120)に電源が投入された直後に、スキャナ100のAFE111のCPU42は、HDD401の上記各設定値をコントローラボード400(のHDD401)から取得してRAM43bに書込んでから、図6に示す画像出力補正113〜118内の各部に設定する。この設定を次に示す。
−ゲイン等の設定−
電源オフ又は省エネモード(休止モード:後述)から、原稿画像読取りの指示を待つ待機状態(スタンバイモード又は低電力モード:後述)に進むとき、CPU42は、コントローラボード400のHDD401の設定データテーブルに登録している調整ゲイン等上述の各種設定値を読出してRAM43bに書込み、そして各画像出力補正のD/A変換回路37のラッチ(レジスタ)に格納(設定)する。すなわちCPU42は、不揮発メモリであるHDD401に登録したVrefd用の設定値SrefdをD/A変換回路37に与えてそのD/A変換出力電圧Vrefdをセレクタ38を介してA/D変換回路34に上基準電圧として与える。また、Vg,Vrefbの設定値Svg,SrefbもD/A変換回路37に与える。このような設定の後に、画像信号が画像出力補正113に入力されるときには、A/D変換回路34は、原稿読取りのアナログ画像信号を、下基準電圧Vrefbおよび上基準電圧Vrefdの間を所定の分割数に分割して表わす画像データにA/D変換する。
−シェーディング補正データの設定−
CPU42は、第1キャリッジが基準白板rwpの直下にあるときのシェーディング補正用データの設定の時には、上述のようにゲイン調整値等の各設定値をD/A変換回路37に設定した画像読取り処理によって基準白板rwpを読取り、その画像データに基づいて主走査1ライン分のシェーディング補正データを生成してシェーディングデータ保存40に格納する。
−原稿サイズ検出−
第1キャリッジが原稿検出位置にありしかも、圧板スイッチ112のオン/オフ信号が、圧板137開から閉の変化を示すと、読取りユニット110(図5)内のCPUが照明灯102を点灯して第1キャリッジをホームポジションHPに駆動し、AFE111のCPU42が、原稿サイズ検出48に、原稿サイズ検出を指示する。原稿サイズ検出48は、各ラインの画像データの、主走査方向xの読取り始点(図3のように圧板137を開いた状態でのコンタクトガラス101の奥側の側端部)から終点までの連続白画素数をカウントして、数ラインのカウント値の平均値を、原稿サイズにエンコード(符号化)して、CPU42に出力する。なお、所定の連続白画素数が得られなかったときには原稿サイズ検出48は、原稿なしコードをCPU42に出力する。
−画像出力補正−
原稿画像読取りのときには、不揮発メモリであるHDD401の設定データテーブルから読み出してD/A変換回路37に設定された各設定値に従う画像処理をAFE111の各画像出力補正113〜118が実行し、可変ゲインアンプ32は設定ゲインVgで画像信号を増幅し、A/D変換回路34は、画像信号を、下基準電圧Vrefbおよび上基準電圧Vrefdの間を所定の分割数に分割して表わす画像データにA/D変換する。上述の「ゲイン等の調整AGC」で設定し不揮発メモリ43に書込んだ上基準電圧値Vrefw,Vrefdを用いてアナログ画像信号を画像データにA/D変換するので、仮に光量が経時で変動しても、A/D変換回路34が出力する画像データの精度は高く、安定する。
シエーディング補正回路36が、画像データに、シェーディングデータ保存40のデータに基づいてシエーディング補正を加える。これにより、主走査方向xの各点(画像)の画像データが、同一の白レベルに対しては実質上同一値の画像データとなるように補正されて出力される。
画像出力補正113が上述のようにシェーディング補正したR偶数番画素列の画像データは、ライン合成45によって、同様に画像出力補正114がシェーディング補正したR偶数番画素列の画像データと1ライン列に合成されて、スキャナ画像処理303に出力される。同様な画像信号処理により、1ラインに合成されたGおよびB画像データがライン合成46および47から、スキャナ画像処理303に出力される。
フラットベッド読取りの場合のシェーディング補正を説明する。ユーザが原稿をコンタクトガラス101に載せてADF120を閉じるときに、圧板スイッチ112が開から閉に切換り、このとき第1キャリッジが原稿サイズ検出位置にあって、読取りユニット110が照明灯102を点灯して、ホームポジションHPへの第1キャリッジのリターン駆動を開始する。AFE111の原稿サイズ検出48が、画像出力補正115が出力するG画像データに基づいてコンタクトガラス101上の原稿サイズを検出する。基点センサ109が第1キャリッジを検出すると読取りユニット110は副走査位置データを基点センサ109の副走査位置(固定値データ)を表わすものに更新する。第1キャリッジを副走査駆動している間、読取りユニット110は、第1キャリッジを駆動するパルスモータの駆動パルスに同期して、第1キャリッジのフラットベッド読取りの副走査駆動(往駆動:図2で左から右)の間は副走査位置データをインクレメント(駆動パルスをアップカウント)し、リターン方向(図2で右から左)の駆動の間はデクレメント(駆動パルスをダウンカウント)する。この副走査位置を監視して読取りユニット110は、第1キャリッジをホームポジションに位置決めし、照明灯102を消灯する。
ユーザがスタートキー17を操作すると、読取りユニット110が照明灯102を点灯して、第1キャリッジの、フラットベッド読取りの副走査駆動を開始する。副走査位置が、基準白板rwpの領域になるとシェーディングデータ保存40(図6)が基準白板rwpの読取り画像データの読込みを開始して、複数ラインの平均値を算出して、一ライン上の各画素宛ての画像データの平均値を、基準白レベルの画像データ(例えば255又はその80%程度)とするに必要な乗算係数値を算出し、データ保存40の内部のFIFOメモリに格納する。
副走査位置が原稿始端から終端までの原稿領域にある間は、データ保存40がFIFOメモリから1ライン上各画素宛ての乗算係数値を順次に読み出してシェーディング補正36に与える。シェーディング補正36は、原稿読取りの各ラインの各画素の画像データと、同一画素宛ての乗算係数値とを同時に、シェーディング補正36の内部にあるROMの読出しアドレスに与える。ROMには、アドレスとして与えられた画像データと乗算係数値との積を表すシェーディング補正後の画像データが格納されているので、アドレスとして与えられた画像データのシェーディング補正した画像データが、ROMから出力されて、次段のライン合成45に出力される。
次にシートスルー読取りの場合のシェーディング補正を説明する。ユーザが原稿トレイ121に原稿を装填してスタートキー17を操作すると、読取りユニット110が原稿トレイ121からの原稿の送給を開始し、しかも、照明灯102を点灯して、第1キャリッジの、フラットベッド読取りの副走査駆動を開始する。副走査位置が基準白板rwpの領域になるとシェーディングデータ保存40(図6)が基準白板rwpの読取り画像データの読込みを開始して、複数ラインの平均値を算出して、一ライン上の各画素宛ての画像データの平均値を、基準白レベルの画像データとするに必要な乗算係数値を算出し、データ保存40の内部のFIFOメモリに格納する。これが終了すると読取りユニット110は、ホームポジションHPへの第1キャリッジのリターン駆動を開始して、第1キャリッジをホームポジションHPに位置決めする。これは原稿トレイ21から繰り出した原稿の先端が窓ガラス132に到達するまでに終わる。
原稿の先端がホームポジションHPにある第1キャリッジの撮像視野に入りそして原稿の尾端が該撮像視野から抜ける間の原稿読取りの間、データ保存40がFIFOメモリから1ライン上各画素宛ての乗算係数値を順次に読み出してシェーディング補正36に与える。シェーディング補正36は、シェーディング補正した画像データをライン合成45に出力する。
原稿の尾端が第1キャリッジの撮像視野を抜けたときに原稿トレイ121に原稿があると読取りユニット110は、原稿の送り出しを開始し、上述の基準白板rwpの読取りを開始する。その後の読取り制御は上述の第1枚目の原稿読取りと同様である。
図7に、図5に示すスキャナ画像処理303およびプリンタ画像処理304の機能の概要を示す。カラー原稿スキャナ100のAFE111が出力するRGB画像データには、スキャナガンマ補正306が加えられ、そして像域分離310の像域検出結果に従って、画像のエッジ領域にはエッジ強調処理を、滑らかに濃度が変わる中間調領域には平滑化処理を加えるフィルタ処理307が加えられる。
「黒(BK)」ボタン(図8)が指定状態(塗りつぶし状態)である白黒読取り又は白黒コピーの指示のときには、フィルタ処理307でエッジ強調処理又は平滑化処理を加えたG画像データのみが、頁メモリ308に書込まれる。「フルカラー」ボタンが指定状態であったときには、フィルタ処理307でエッジ強調処理又は平滑化処理を加えたRGB画像データがメモリ406(図5)に蓄積される。「自動色選択」ボタンが指定状態であったとき、ならびに、「黒(BK)」,「フルカラー」,「自動色選択」,「青(C)」,「赤(R)」および「黄(Y)」ボタンのいずれも非指定状態で読取り,印刷の色を特定できないときには、フィルタ処理307が処理したRGB画像データがメモリ406に蓄積されると共に、G画像データが、頁メモリ308に書込まれる。
データセレクタ309は、読取り画像データとして、頁メモリ308のG画像データと、フィルタ処理307したRGB画像データの一方を選択出力するものである。なお、スキャナ画像処理303の頁メモリ308から画像処理I/F305に出力された画像データはその後は、白黒読取りのBk画像データとして取り扱われる。
像域分離310は、読取り歪みを矯正するスキャナガンマ補正306をしたG画像データに対して、エッジ強調処理311を実施する。エッジ強調処理311は、G画像データ列の各画像データが宛てられる各画素を順次に注目画素として、注目画素を中心とする例えば3×3画素マトリクスの各画像データに、該画素マトリクスの各画素宛てのエッジ強調係数を乗算した積の総和に変換し、これを注目画素のエッジ検出値とする。エッジ検出値はエッジの鮮明度をあらわす。
エッジ検出値は、2値化314によって、像エッジ候補か否を表す2値データ(H:像エッジ候補/L:非エッジ)に変換されて、パターンマッチング315で、注目画素がエッジ位置(エッジ画素)かそうでないか判定される。すなわち注目画素の領域が文字,線画などの2値画像か、写真等の中間調画像か判定される。パターンマッチング315は、2値化314が出力するエッジ画素か否を表す2値データの、注目画素を中心とする領域(3×3画素マトリクス)の分布が、所定のエッジパターンに合致すると、そのときの注目画素を像エッジ領域(文字領域)の画素と判定する。
パターンマッチング315の判定結果(像エッジ(文字)/非エッジ(写真)すなわち文字/写真)がフィルタ処理307に与えられ、フィルタ処理307が、スキャナガンマ補正した画像データに、判定結果が「像エッジ」の領域にはエッジ強調処理を、「非エッジ」の領域には滑らかに濃度が変わる平滑化処理を加える。
ACS(Auto Color Select)317が、原稿読取りの画像データが白黒画像を表すかカラー画像を表すかを検出する。ACS317の白黒/カラー検出信号と、像域分離310の判定結果(エッジ(文字)/非エッジ(写真))を表わす像エッジ/非エッジ検出信号が頁判定318に与えられる。頁判定318は、1頁の原稿読取りの間、白黒/カラー検出信号のカラーと検出した画素数(画像データ数)および像エッジ/非エッジ検出信号の像エッジと検出した画素数を積算し、1頁の原稿読取りを終えたとき、各積算値が各設定値以上か判定して、カラーと検出した画素数が設定値以上であると原稿の画像は「カラー」と、設定値未満であると「白黒」と判定し、像エッジと検出した画素数が設定値以上であると文字又は線画などの2値画像(これを単純には「文字」という)と判定し、設定値未満であると非エッジ画像(これを単純には「写真」という)と判定する。頁判定318の判定結果(白黒/カラー&文字/写真)を、1頁の原稿読取りを終えたときに、CPU301が参照する。
プリンタ画像処理304の色補正331は、RGB画像データをymc(記録色)画像データに変換して主走査変倍332に出力する。主走査変倍332で必要に応じて変倍をしてから、プリンタ200の作像特性に適合させるプリンタガンマ補正333をして、そして階調処理334で画素単位の記録/非記録のマトリクス分布によって濃度階調を表す画像データに変換してから、プリンタ200に出力する。与えられる画象データがG(Bk)のみ(白黒)の場合には、画像データは色補正331ではなく主走査変倍332に与えられる。すなわち色補正処理は適用しない。
図8に示す様に、操作ボード10には、液晶タッチパネル11のほかに、テンキー15,クリア/ストップキー16,スタートキー17,初期設定キー18,モード切換えキー19,テスト印刷キー20,電源キー21がある。また、図示は省略したが、液晶タッチパネル11の左側には、URL,メール文,ファイル名,フォルダ名等の入力,設定用ならびに短縮登録用の、平仮名を付記したアルファベットキーボードがある。
電源キー21は、省エネモード(休止モード又は低電力モード)から画像印刷が可能なスタンバイモードに、またその逆への切換えを指示するための操作キーである。省エネモードが設定されている時に電源キー21が一回押されると、省エネモードからスタンバイモードに切換る。スタンバイモードであるときに電源キー21が一回押されると、スタンバイモードから休止モードに切換る。テスト印刷キー20は、設定されている印刷部数に関わらず1部だけを印刷し、印刷結果を確認するためのキーである。
初期設定キー18を押す事で、機械の初期状態を任意にカスタマイズする事が可能である。インクジェットプリンタ200の調整値を設定したり、クリーニングを指示したり、リフレッシングを指示したり、省エネモード(休止モード)への移行時間(Td1)を設定したり、画像出力補正の更新間隔を設定したり、機械が収納している用紙サイズを設定したり、コピー機能のリセットキーを押したときに設定される状態を任意に設定可能である。初期設定キ−18が操作されると、各種初期値を設定するための「初期値設定」機能ならびに「ユーザ登録」機能,「著作権登録/設定」機能および「使用実績の出力」機能等を指定するための選択ボタンが表示される。
「初期値設定」機能の中に、インクジェットプリンタ200の調整値の設定,クリーニング指示およびリフレッシング指示をするプリンタの調整があり、また、スタンバイモードから休止モードへの移行時間Td1および、アナログ画像信号をデジタル画像データに変換する変換特性の更新時間Td3の設定(変更)がある。
液晶タッチパネル11には、各種機能キーならびにエンジン300およびコントローラボード400の動作状態を示すメッセージなどが表示される。液晶タッチパネル11には、「コピー」機能,「スキャナ」機能,「プリント」機能,「ファクシミリ」機能,「蓄積」機能,「編集」機能,「登録」機能およびその他の機能の選択用および実行中を表わす機能選択キー14が表示される。機能選択キー14で指定された機能に定まった入出力画面が表示され、例えば「複写」機能が指定されているときには、図8に示すように、機能キーならびに部数及び画像形成装置の状態を示すメッセージ12,13が表示される。オペレータが液晶タッチパネル11に表示されたキーにタッチすると、操作ボード10はオペレータ入力として読み込み、選択された機能を示すキーを、指定中を表す灰色に反転表示する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えばページ印字の種類等)はキーにタッチする事で詳細機能の設定画面がポップアップ表示される。このように、液晶タッチパネル11は、ドット表示器を使用している為、その時の最適な表示をグラフィカルに行う事が可能である。
機能キー12の中には、印刷色指定キー「黒(BK)」,「フルカラー」,「自動色選択」,「青(C)」,「赤(M)」および「黄(Y)」指定キーがある。
図9には、操作ボード10の回路ブロックを示す。操作ボード10の電気制御系の主体は、コントローラボード400のCPU402とコミュニケーションし、操作ボード10の入力を読取り、操作ボード10上の表示を制御するCPU 1,このCPU 1の制御プログラムが格納されているROM 2,制御時にデータの一時格納等を行うためのRAM 3,液晶タッチパネル11の描画データを格納するVRAM 7,このVRAM 7に接続され液晶タッチパネル11の描画タイミング制御およびタッチ入力検知等を行う液晶表示コントローラ(LCDC)6,時刻データを発生する時計IC 5等がある。LCDC 6には、CFLの光源をバックライト9として有する液晶タッチパネル11が接続される。CPU 1には更に、CFLバックライト9を駆動するインバータ8,操作キー群15〜21のキーマトリクス,表示LEDのLEDマトリクスおよびそれらのLEDを駆動するLEDドライバ等が接続されている。また、CPU 1が接続されたデータバスには、画像処理モード記憶用の不揮発RAM(NVRAM)4が接続されている。
操作ボード10のCPU 1は、操作ボード10に対するユーザの操作に対応して、置数キーの押下の読込みと入力数字データの生成,スタートキーの押下の読込みと、スタート指示のコントローラボード400への転送,用紙サイズの切換え入力の読取りなど、通常の複写機の操作読取りおよび表示出力の制御を行う。
図10に、図1および図5に示す複写機MF1の各部に動作電圧を与える給電系統の概要を示す。主電源スイッチである元電源スイッチ79が閉じられると、商用交流100Vが、電源回路80の整流平滑回路81に加わる。整流平滑回路81の直流出力がDC/DCコンバータ82に印加される。この例ではDC/DCコンバータ82は、安定化した+24Vおよび+5Vの、2系統の直流電圧+24VE,+5VEを発生する。インクジェットプリンタ200には、レーザプリンタにあるような高電力を要する定着器はない。記録紙に噴射したインクの乾きを早くするためにヒータおよび又は送風機を装備する場合でも、高電力は不要である。
電源回路80では、コンバータ出力の+24VE(+24Vの電圧)と+5VE(+5Vの電圧)にそれぞれスイッチ84,85が接続されている。スイッチ84,85のオン/オフを行うための制御信号がコントローラボード400からスイッチ84,85に与えられる。コピースタートあるいはプリントコマンドに応答して実質上遅れ時間無く画像形成を開始することが出来る「スタンバイモード」(待機モード;通常モード)では、コントローラボード400は上記制御信号でスイッチ84および85を共にオンにしている。
「休止モード」ではコントローラボード400は、+24Vを給電するスイッチ84および+5Vを給電するスイッチ85を、ともにオフにする。すなわちスイッチ84,85のすべてをオフにする。しかし休止モードでは、スイッチ84,85がオフではあるが、圧板スイッチ112,フイラーセンサ130および操作ボード10の電源キースイッチ21の各検出信号線には、コントローラボード400の状態変化検知回路ACDにおいて検出電圧+5VEが印加される。また、パソコンPCのプリントコマンドを検知する電気回路、および、ファクシミリコントロールユニットFCUのファクシミリ受信検知回路に、+5VEが継続して印加される。
次の表1に、上述の省エネ切換えの各モードと、給電スイッチ84,85のオン/オフの関係を示し、表2には、上述の各モードで可能な情報処理項目を示す。表2上の「送,受信」はFCUの、プリントアウトを伴なわないファクシミリ送,受信であり、データ保持は、メモリ406の蓄積画像データの保持である。
図11に、コントローラボード400(のCPU402)が実行する、スタンバイモード/休止モード間の切換え制御と、インクジェットプリンタ200のスタンバイモード/休止モード切換え制御を示す。電源回路80(図10)と商用交流電源AC(コンセント)との間の元電源スイッチ79が閉じて電源回路80が動作電圧を与えると、コントローラボード400のCPU402は、電源オン応答の初期化処理(ステップ1)をして、そこでスタンバイモードを設定する(ステップ2)。すなわちスイッチ84,85をオンする。そして省エネモードレジスタFMのデータを、スタンバイモードを表わす「0」とし、スタンバイモードから休止モードへの切換え待ち時間Td1を時限値とするタイマTd1をスタートする。次に、「ヘッドクリーニング」CLG1を実行する。「ヘッドクリーニング」CLG1の内容は、図12を参照して後述する。
なお、以下においては、カッコ内にはステップと言う語を省略してステップ番号数字のみを記す。
スタンバイモードが設定されたことにより、複写機MF1の各部に動作電圧が投入される。操作ボード10のCPU1は、スタンバイモードの設定(2)による動作電圧の印加に応答して電源オン初期化を実行して、NVRAM4にある標準処理モードのコピー条件を読み出して液晶タッチパネル11に表示する。入力読取(3)では、操作ボード10のCPU 1が操作ボード10に対するユーザの操作を読み込んでコントローラボード400のCPU402に報知し、また、コントローラボード400のCPU402が、パソコンPCおよびFCUからのコマンドを解読する。操作ボード10のCPU 1は、画像処理モードキー14入力の読取りと液晶パネル11の表示の切換え,操作ボード10に対するユーザの操作に対応して、置数キーの押下の読込みと入力数字データの生成,スタートキーの押下の読込みと、スタート指示のコントローラボード400への転送,用紙サイズの切換え入力の読取りなど、通常の複写機の操作読取りおよび表示出力の制御を行う。
スタンバイモードから休止モードへの切換えの待ち時間Td1は、操作ボード10から入力できるものであり、入力値が図9に示すNVRAM4に格納(登録)されているものである。「入力読取」(3)でCPU 1が、操作キー群15〜21の中の初期設定キー18のオペレータ操作を読取ると(7a)、設定メニュー画面を液晶タッチパネル11に表示し、「初期設定」INGを実行する。
オペレータが設定メニュー画面上のユーザ登録の欄を指定すると、CPU 1は、管理者(administrater)の名前およびIDの入力を促す入力画面を液晶タッチパネル11に表示し、オペレータが適正な名前およびIDを入力すると、液晶タッチパネル11の表示面に図13に示すユーザ登録画面を表示する。すなわち、図13に示すユーザ登録画面は、管理者のみが表示することができる。ユーザ登録画面に、複写機MF1の使用を許可する者(ユーザ)の名前およびIDを入力して、使用を認める機能項目にタッチしてチェックマークを表示させ、またプリンタの調整項目の中の、使用を認める項目にタッチしてチェックマークを表示させてから、「登録」キーにタッチすることにより、CPU 1が、NVRAM4のユーザ登録テーブルに、表示中のユーザ情報を書き込む。登録中のユーザ名およびIDを入力して「抹消」キーにタッチがあったときには、NVRAM4のユーザ登録テーブル上の、対応ユーザ情報が消去される。なお、操作ボード10(図10)の左隣には、ファクシミリ送受信の情報入力用の操作ボードがありそこにはアルファベッド入力キーがあるので、それを用いて名前およびIDをアルファベッドで入力することもできる。
なお、オペレータが設定メニュー画面上のユーザ登録の欄を指定し、これに応答してCPU 1が、管理者(administrater)の名前およびIDの入力を促す入力画面を液晶タッチパネル11に表示し、オペレータが適正な名前およびIDを入力し、これに応答してCPU 1が、液晶タッチパネル11の表示面にユーザ登録画面を最初に表示したとき、該表示画面には、「利用者認証解除」キーが表示されており、このキーにオペレータがタッチすると、これに応答してCPU 1が、「汎用の操作可能登録」の画面を液晶タッチパネル11の表示面に表示する。この「汎用の操作可能登録」の画面は図13に示す12rと類似であるが、ユーザ名およびIDの入力欄はなく、代わりに、全て禁止キー,全て許可キーおよび択一指定の欄があり、該択一指定の欄に、図13の画面12r上に示す許可機能項目およびプリンタの調整項目がある。オペレータが入力をして、「登録」キーにタッチすると、CPU 1が、NVRAM4のユーザ登録テーブルに、ユーザ宛てではなく、汎用として入力情報を書き込み、ユーザ登録テーブルの先頭に「利用者認証解除」情報を設定する。この情報があるときには、ユーザ登録画面を表示したとき、「利用者認証解除」キーが、指定済の灰色表示で表され、この状態でオペレータが「利用者認証解除」キーにタッチすると、非指定の白背地に表示が変更され、ユーザ登録テーブルの先頭の「利用者認証解除」情報は消去される。ユーザ認証をすべき段階では、ユーザ登録テーブルに「利用者認証解除」情報があるかがまず検索されて、それがあるとユーザ認証は行わないで、認証が成立したときの処理に直行する。「利用者認証解除」情報がない時に、ユーザ認証を実行する(図14の41b,図18の102b,図19の117b)。
オペレータが設定メニュー画面上のプリンタの調整の欄を指定すると、CPU 1は、液晶タッチパネル11の表示面に、図15に示すプリンタの調整の入力画面を表示して、CPU 402は図14に示す「プリンタの調整」INGpを実行する。この内容は後述する。時間設定の欄を指定したときには、CPU 1は、管理者(administrater)の名前およびIDの入力を促す入力画面を液晶タッチパネル11に表示し、オペレータが適正な名前およびIDを入力すると、液晶タッチパネル11の表示面に、省エネ切換え待ち時間Td1,「ゲイン等の調整AGC」の実行間隔Td3、および、プリンタ200のクリーニング或いはリフレッシングの要否判定の参照時間Tr1,Tr2、の設定画面を表示するので、ここで待ち時間Td1a,実行間隔Td3および参照時間Tr1,Tr2を調整することができる。
図11の「入力読取」(3)で、パソコンPCから印刷指示を受けると、あるいはFCU417がファクシミリ受信を報知してくると(5)、CPU402は電源回路80を、休止モードであると、スタンバイモードに切換え(6)、「ヘッドクリーニング」CLG2を実行する。この内容は、後述する「ヘッドクリーニング」CLG1と同様である。そして状態検知回路ACDのラッチをセットする(6a)。これにより、電源投入モード信号PODが「1」になる。
図11の「入力読取」(3)で、指示入力、例えば、操作ボード10に対するユーザの操作(画像処理モード指定キー14のタッチ,置数キーの押下,スタートキーの押下,用紙サイズの切換え,その他)を受けるとコントローラボード400のCPU402は、指示入力に対応した処理に進む(5−7a−7b−8)。
図11の「入力読取」(3)で、スタンバイモードを設定しているときに電源キー21がオンすると操作ボード10のCPU 1およびコントローラボード400のCPU402は、ユーザが休止モードへの切換えを指示したとみなして(7b,9)、原稿サイズ読取り位置への駆動を読取りユニット110のCPUに指示して(10)、読取りユニット110のCPUが原稿サイズ読取り位置への駆動完了を報知してくるのを待って(11)、液晶タッチパネル11に表示中の画像処理モードを、NVRAM4に前回モードとして書込み、「保全処置」PRSを実行してから、休止モードに移行する(12)。「保全処置」PRSの内容は、図17を参照して後述する。休止モードに移行するとCPU402は、状態変化検知回路ACDが変化検出信号を発生するのを待ち(13)、変化検出信号が発生すると、電源回路80をスタンバイモードに設定する(6)。なお、変化検出信号を発生するのを待っている間、PCから印刷コマンドが到来すると、電源回路80をスタンバイモードに設定する(6)。
休止モードを設定しているときに電源キー21がオンするとCPU402は、ユーザがスタンバイモードへの切換えを指示したとみなして、スタンバイモードを設定し、NVRAM4に書き込んでいる前回画像処理モードを読出して液晶タッチパネル11に表示する(7b−9−6)。
原稿スキャナ100およびADF120に電源が投入されると、原稿スキャナ100の読取りユニット110のCPUは、動作電圧+5Vの印加に応答して電源オン初期化を実行する。そして読取りユニット110は、状態変化検知回路ACDの電源投入モード信号PODを参照する。電源投入モード信号PODが、原稿スキャナ100への動作電圧の印加が、主電源スイッチ79のオフからオンへの切換りによるものであることを示す「0」であると、読取りユニット110のCPUは、「ホーミング」を実行する。この「ホーミング」では、照明灯102および第1ミラー103を搭載した第1キャリッジをリターン(復)方向(図2で左方向)に駆動し、基点センサ109が第1キャリッジを検知すると、読取りユニット110のCPUの内部メモリに割当てた副走査位置レジスタにA(図2)を表わす基点位置データを設定する。ホーミングレジスタには、ホーミング済を表わす「1」を書込む。すなわち、ホーミング済を表わす情報をセットする。そして更にリターン駆動しこの駆動の間キャリッジ駆動のパルスモータの駆動パルスを基点位置データからカウントダウンして副走査位置レジスタの位置データを現在位置を表すものに更新し、副走査位置レジスタの位置データが、フラットベッド原稿読み取りでの副走査駆動基点であるホームポジションHPを表わすものになると、そこで第1キャリッジの駆動を停止する。なお、第1キャリッジのリターン駆動を開始してから、基点センサ109が第1キャリッジを検知することなく、ホームポジションHPより左側にある図示しないリミットスイッチが第1キャリッジによってオンからオフに切り替えられると、読取りユニット110のCPUは、キャリッジ駆動のパルスモータの駆動を停止し、次に読取り副走査方向(右方向)の駆動を開始し、基点センサ109が第1キャリッジを検知すると、副走査位置レジスタにA(図2)を表わす基点位置データを設定する。そして更に右方向に駆動しこの駆動の間キャリッジ駆動のパルスモータの駆動パルスを基点位置データからカウントアップして副走査位置レジスタの基点位置データを現在位置を表すものに更新し、基点位置データが原稿サイズ検出位置(A+B+C)を表わすものになると、そこで第1キャリッジの読取り副走査方向の駆動を停止する。そしてリターン方向(左方向)に駆動し、基点センサ109が第1キャリッジを検知すると、副走査位置レジスタにA(図2)を表ホーミングレジスタには、ホーミング済を表わす「1」を書込む。すなわち、ホーミング済を表わす情報をセットする。わす基点位置データを設定する。そして更にリターン駆動して、副走査位置レジスタの位置データが、フラットベッド原稿読み取りでの副走査駆動基点であるホームポジションHPを表わすものになると、そこで第1キャリッジの駆動を停止する。
上述の「ホーミング」を完了すると、読取りユニット110のCPUは、「読み取りゲイン等の取得と設定」を行う。「読み取りゲイン等の取得と設定」では、AFE111のCPU42は、コントローラボード400のHDD401の、AFE111宛ての設定データテーブルに登録している調整ゲイン等上述の各種設定値を読出してRAM43bに書込み、そして各画像出力補正のD/A変換回路37のラッチ(レジスタ)に格納(設定)する。すなわちCPU42は、不揮発メモリであるHDD401に登録したVrefd用の設定値SrefdをD/A変換回路37に与えてそのD/A変換出力電圧Vrefdをセレクタ38を介してA/D変換回路34に上基準電圧として与える。また、Vg,Vrefbの設定値Svg,SrefbもD/A変換回路37に与える。
つぎにCPU42は、「出力補正の制御」を行う。この内容は、前述の「ゲイン等の調整AGC」で説明したものである。そして、この「ゲイン等の調整AGC」で更新した各設定値を、現在時刻と共に、HDD401のAFE111宛ての設定データテーブルに更新登録する。そしてキャリッジをホームポジションHPに戻す。
+5Vの動作電圧の印加に応答して初期化を実行したとき、電源投入モード信号PODが休止モードから待機モードへの切換り(省エネ復帰)による電源オンを表す「1」であったときには、AFE111のCPUは、操作ボード10の時計IC5から現在時刻を取得し、HDD401のAFE111宛ての設定データテーブルから、比較データTd3(C),ゲイン等の設定値および前回実施時刻を取得(読出し)て、RAM43bに書込み、そして各画像出力補正のD/A変換回路37のラッチに格納する。すなわちVrefd用の設定値SrefdをD/A変換回路37に与えてそのD/A変換出力電圧Vrefdをセレクタ38を介してA/D変換回路34に上基準電圧として与える。また、Vg,Vrefbの設定値Svg,SrefbもD/A変換回路37に与える。次にCPU42は、前回実施時刻,現在時刻および参照データTd3を参照して、前回実施時刻から現在時刻までの経過時間がTd3以上であると、前述の「ホーミング」,「読み取りゲイン等の取得と設定」,「出力補正の制御」および「更新した読み取りゲイン等と実施時刻を登録」を実行する。
しかし前回実施時刻から現在時刻までの経過時間がTd3未満であったときには、圧板137が閉でADF120に原稿が装着されていると、その後シートスルー読取りが指示される可能性が高いので、「ホーミング」を実行してキャリッジをホームポジションHPに位置決めする。この内容は前述の「ホーミング」と同様である。圧板137が開のとき、ならびに、ADF120に原稿がない時には、先に休止モードに移行するときにキャリッジを原稿幅検出位置に駆動しており、その後圧板閉(原稿サイズ検知要)となる可能性が高いので、「ホーミング」は実行しない。すなわちキャリッジは駆動しない。
次に読取りユニット110のCPUは、圧板スイッチ112のオン/オフ信号の変化を監視して、圧板137がコンタクトガラス101に対して略30度の設定値を超える開度(圧板開)に変化(リフトアップ)すると、圧板開閉レジスタFPのデータを、圧板閉を表わす0から圧板開を表わす1に更新して、第1キャリッジが原稿幅検出位置にないと、原稿幅検出位置に駆動する。圧板137がコンタクトガラス101に対して略30度程度の設定値以下の開度に閉じるときは、読取りユニット110のCPUは、圧板開閉レジスタFPのデータを、圧板開を表わす1から圧板閉を表わす0に更新して、「原稿サイズ検知」を行う。
「原稿サイズ検知」では、照明灯102を点灯してホームポジションHPへのキャリッジ駆動(リターン駆動:図2で左方向)を開始し、AFE111のCPU42を介して原稿サイズ検出48に原稿サイズ検出を指示し、原稿サイズ検出48がCCD107の読取り画像信号に基づいてコンタクトガラス101上の原稿サイズを検出し、原稿サイズコードをCPU42に出力し、原稿サイズコードをCPU42からCPU301,402および操作ボード10に報知する。読取りユニット110のCPUは次に、「ホーミング」を行う。この内容は前述の「ホーミング」と同様である。
例えば、ユーザが、コンタクトガラス101に原稿を配置してADF120をコンタクトガラス101上に降ろすときに、原稿サイズが検出され、第1キャリッジが原稿読取りの副走査駆動の始点であるホームポジションHPに駆動される。そしてユーザがコピースタートを指示すると、フラットベッド読取りが行われる。
圧板137に開/閉変化がない間、読取りユニット110のCPUは、原稿幅読取り位置への駆動指示または原稿読取りスタート指示がCPU402から与えられるのを待つ。すでに説明したが、CPU402は、休止モードに移行するとき、原稿幅読取り位置への駆動指示を読取りユニット110に与える(図11の10)。これに応答して読取りユニット110は、第1キャリッジを、原稿幅読取り位置にないとそこに駆動して駆動完了をCPU402に報知する。そして休止モード(スキャナへの動作電圧遮断)に切換わるのを待つことになる。CPU402は、原稿幅読取り位置への駆動完了の返信をえると、電源回路80を休止モードに切り換える(図11の11,12)。
CPU301が原稿読取りスタートを読取りユニット110に指示すると、読取りユニット110のCPUは、ホーミングレジスタの情報を参照して、それがホーミング未完であることを表わす「0」であると、「原稿サイズ検出」を実行する。この「原稿サイズ検出」の内容は、前述の「原稿サイズ検出」の内容と同様である。「原稿サイズ検出」を終えると、「ホーミング」を実行する。この「ホーミング」の内容は、前述の「ホーミング」の内容と同様である。ホーミングを実行することにより、ホーミングレジスタの情報が、ホーミング済を表わす「1」に変更される。ホーミング済になると、読取りユニット110のCPUは、フィラーセンサ130の検出信号を参照して、それがADF120に原稿ありであると「シートスルーの原稿読取り」を行うが、ADF120に原稿がないと「フラットベッド原稿読取り」を行う。
図12に、図11に示す「ヘッドクリーニング」CLG1の内容を示す。「ヘッドクリーニング」CLG1に進むとCPU402は、NVRAM4に定めている前時刻レジスタの時刻データ(前時刻)と、時計ICの現在時刻データ(現時刻)を参照して、それらの差すなわち前回の「ヘッドクリーニング」からの経過時間を算出して、該経過時間が、比較的に短い第1参照時間Tr1未満であるときには、プリンタ200に、スタンバイを指示する。プリンタ200はこれに応答して、キャップ205(図4)を下方の退避位置に駆動し(「アンキャッピング」:37)、そしてキャリッジ202を往駆動(図4上左から右への方向)を開始して、電動ワイピング機構206のブレードロータを図4上で反時計方向に回転駆動してキャリッジ202の下面(記録ヘッドのインク噴射面)を拭い(「ワイピング」:38)、キャリッジ202の退避位置からホームポジションへの移動行路の途中にある、図示しないキャリッジセンサがキャリッジを検出すると、該位置を表わすデータを、プリンタ200内のRAMの1領域に定めたx位置レジスタに更新書込みして、キャリッジ202の往駆動の所定微小距離のキャリッジ駆動毎にx位置レジスタの位置データを1インクレメントし(その逆方向の復駆動の時には1デクレメント)、該位置データがホームポジションの位置を表す固定データ(設定値)に合致すると、そこでキャリッジ202の往駆動を停止する(「ホーミング」:39)。以上がプリンタ200のスタンバイ動作である。プリンタ200がスタンバイの完了を知らせてくると、CPU402は、メインルーチンに復帰する。すなわち、図11のステップ3に進む。
前記経過時間(現時刻−前時刻)が第1参照時間Tr1以上第2設定時間Tr2未満(Tr2>Tr1)であった場合には、CPU402は、プリンタ200に「クリーニング1」を指示する。プリンタ200はこれに応答してまず、インク噴射ノズルの、Tr2程度の時間の経過により高粘度になったインクを吹き出す程度の比較的に低いエネルギでインク駆動エレメントを付勢し、高粘度インクを押し出しそしてつづいて定常の低粘度インクを連続的に噴射してノズル内部をクリーニングするに十分な第1設定時間の間インク噴射を継続し、第1設定時間が経過するとインク噴射を停止する(「インク噴射1(弱)」:22)。次にプリンタ200は、スタンバイ(23〜25)を実行する。このスタンバイ(23〜25)の内容は、上述のスタンバイ(37〜39)の内容と同じである。プリンタ200が「クリーニング1」の完了(スタンバイの完了)を知らせてくるとCPU402は、NVRAM4に保持している前時刻データを現在時刻を表すものに更新して(26)、メインルーチンに復帰する。
前記経過時間(現時刻−前時刻)が第2設定時間Tr2以上であった場合には、CPU402は、プリンタ200に「リフレッシング1」を指示する。プリンタ200はこれに応答して、「アンキャッピング」(27),「ワイピング」(28)および「ホーミング」(29)を実行して、キャリッジ202の下面をブレードで拭い、そしてキャリッジ202をホームポジションに止める。ここでの「ワイピング」(28)は、比較的に長い時間の不使用により、キャリッジ下面のインク噴射面のノズル周りにインクが凝固または半凝固している場合に、これをはたき落とすことを意図したものである。次に「キャップ位置に復帰」(30)においてキャリッジ202をホームポジションからキャップ位置(退避位置)に駆動し、この間、ワイピング機構206でブレードロータを、図4上で時計方向に回転駆動して、退避位置への駆動の間も、キャリッジ202の下面をワイピングする。これは下面のクリーニング効果を高める。キャリッジ202を退避位置に戻すとプリンタ200は、キャップ205を作用位置に上駆動する(「キャッピング」:31)。これにより、キャップ205の上端開口縁のシール材がキャリッジ下面に密着する。次にプリンタ200は、インク噴射ノズルの、Tr2よりさらに長い時間の経過により高粘度になった、或いは、半凝固したインクを、時間をかけて押し出す程度の比較的に高いエネルギでインク駆動エレメントを付勢し、押し出しが完了するに十分な第2設定時間の間、該インク噴射付勢を継続する(「インク噴射2(強)」:32)。第2設定時間が経過すると、
定常の低粘度インクを連続的に噴射してノズルの外周りに小液滴になって留まっているかもしれないインクを引き寄せて合体して下方に滴下除去しかつノズル内部をさらにクリーニングするに十分な第3設定時間の間インク噴射を継続し、第3設定時間が経過するとインク噴射を停止する(「インク噴射3(弱)」:33)。次にプリンタ200は、スタンバイ(34〜36)を実行する。このスタンバイ(34〜36)の内容は、上述のスタンバイ(37〜39)の内容と同じである。プリンタ200が「リフレッシング1」の完了(スタンバイの完了)を知らせてくるとCPU402は、NVRAM4に保持している前時刻データを現在時刻を表すものに更新して(37)、メインルーチンに復帰する。
図14に、図11の「初期設定」INGの中の「プリンタの調整」INGpの内容を示す。オペレータが「初期設定」INGで表示した設定メニュー画面上の「プリンタの調整」の欄を指定すると、CPU 1は、液晶タッチパネル11の表示面に、図15に示すプリンタの調整の入力画面を表示する(41a)。この入力画面には、ユーザ認証のためのユーザ名およびID入力欄があるが、NVRAM4のユーザ登録テーブルに「利用者認証解除」情報があるときには、汎用の操作可能情報(図13のユーザ登録で汎用として登録した許可事項)をユーザ登録テーブルから読み出してRAM3又はCPU1の内部RAMに定めた許可情報レジスタに保持する(41b,44b)。ユーザ登録テーブルに「利用者認証解除」情報がなかった場合には、ユーザ認証のためのユーザ名およびID入力欄に入力があってテンキーブロツク15の#キーが押されると、CPU1が、入力があったユーザ名およびIDが、NVRAM4のユーザ登録テーブルに登録されたものであるか検索し、登録されたものであると、そのユーザ情報(図13のユーザ登録で登録した許可事項)を、NVRAM4から読み出しRAM3又はCPU1の内部RAMに定めた許可情報レジスタに保持する(41b,42,43,44a)。そして、操作指示入力を読み取る(45)。
プリンタの調整の入力画面上の「クリーニング」キーにタッチがあると、CPU1は、許可情報レジスタに「クリーニング」があると、CPU402に「クリーニング」指示を報知し(46〜48)、これに応答してCPU402は、図16に示す「クリーニング」CLGkを実行する(46〜48)。許可情報レジスタに「クリーニング」がないと、現在のオペレータであるユーザには、クリーニング権限が与えられていないので、「クリーニング」キータッチには応答しない。すなわち無視する。CPU402は、該「クリーニング」指示を受けると、現段階(初期設定ING)では、先行の「ヘッドクリーニング」CLG1又は「ヘッドクリーニング」CLG2の実行により、キャリッジ202は、キャップ位置(退避位置)ではなくホームポジションにあって、キャップは被さっていないので、図16に示す「クリーニング」CLGkに進んで、プリンタ200に「クリーニング2」を指示する。プリンタ200はこれに応答して、キャリッジ202をホームポジションからキャップ位置(退避位置)に駆動し(「キャップ位置に復帰」:71)、この間、ワイピング機構206でブレードロータを、図4上で時計方向に回転駆動して、退避位置への駆動の間も、キャリッジ202の下面をワイピングする。キャリッジ202を退避位置に戻すとプリンタ200は、キャップ205を作用位置に上駆動する(「キャッピング」:72)。これにより、キャップ205の上端開口縁のシール材がキャリッジ下面に密着する。次にプリンタ200は、「インク噴射1(弱)」(73)を実行する。この内容は、「インク噴射1(弱)」(22)と同様である。次にプリンタ200は、スタンバイ(74〜76)を実行する。このスタンバイ(74〜76)の内容は、上述のスタンバイ(37〜39)の内容と同じである。プリンタ200が「クリーニング2」の完了(スタンバイの完了)を知らせてくるとCPU402およびCPU1は、NVRAM4に保持している前時刻データを現在時刻を表すものに更新して(77)、図14の「プリンタの調整」INGpの入力読み取り(45)に復帰する。
プリンタの調整の入力画面上の「リフレッシング」キーにタッチがあると、CPU1は、許可情報レジスタに「リフレッシング」があると、CPU402に「リフレッシング」指示を報知し(49〜51)、これに応答してCPU402は、図16に示す「リフレッシング」REGkを実行する(46〜48)。許可情報レジスタに「リフレッシング」がないと、現在のオペレータであるユーザには、リフレッシング権限が与えられていないので、「リフレッシング」キータッチには応答しない。すなわち無視する。CPU402は、該「リフレッシング」指示を受けると、図16に示す「リフレッシング」REGkに進んで、プリンタ200に「リフレッシング2」を指示する。プリンタ200はこれに応答して、キャリッジ202をホームポジションからキャップ位置(退避位置)に駆動し(「キャップ位置に復帰」:81)、この間、ワイピング機構206でブレードロータを、図4上で時計方向に回転駆動して、退避位置への駆動の間も、キャリッジ202の下面をワイピングする。キャリッジ202を退避位置に戻すとプリンタ200は、キャップ205を作用位置に上駆動する(「キャッピング」:82)。これにより、キャップ205の上端開口縁のシール材がキャリッジ下面に密着する。次にプリンタ200は、「インク噴射2(強)」(83)および「インク噴射3(弱)」(84)を実行する。これらの内容は、前述の「インク噴射2(強)」(32)および「インク噴射3(弱)」(33)と同様である。次にプリンタ200は、スタンバイ(85〜87)を実行する。このスタンバイ(85〜87)の内容は、上述のスタンバイ(37〜39)の内容と同じである。プリンタ200が「リフレッシング2」の完了(スタンバイの完了)を知らせてくるとCPU402は、NVRAM4に保持している前時刻データを現在時刻を表すものに更新して(88)、図14の「プリンタの調整」INGpの入力読み取り(45)に復帰する。
図14を再度参照する。プリンタの調整の入力画面上の「ヘッド位置x」又は「ヘッド位置y」のK,C,Y,M欄のいずれかのUpキー又はDwonキーにユーザのタッチがあると、CPU1は、許可情報レジスタに「ヘッド位置」があると、該欄の表示中のデータ(図4上のDk,Dc,Dm又はDy相当のタイミング値データ)を、1インクリメント又は1デクレメントした値を示すものに表示を更新する(52〜54)。許可情報レジスタに「ヘッド位置」がないと、現在のオペレータであるユーザには、ヘッド位置調整権限が与えられていないので、キータッチには応答しない。すなわち無視する。なお、NVRAM4に保持するヘッド位置データは、「設定」キーにユーザタッチがあったときに、更新表示したデータに書き変えられ(68,69)、その後の印刷や複写での主走査プリント方向の記録開始タイミングの制御に用いられる。
プリンタの調整の入力画面上の「印字開始位置x」又は「印字開始位置y」の欄のUpキー又はDwonキーにユーザのタッチがあると、CPU1は、許可情報レジスタに「印字開始位置」があると、開始位置データDx又はDyを変更する。例えば、「印字開始位置x」の欄の表示中のデータ(図4上の記録紙PAP左端基準位置から、紙幅中央方向に入り込んだ記録紙上主走査方向の記録開始位置Dx;各色ヘッドの記録開始タイミング値は、Dk+Dx,Dc+Dx,Dm+Dx,Dy+Dxとなる)を、1インクリメント又は1デクレメントした値を示すものに表示を更新する(55〜57)。許可情報レジスタに「印字開始位置」がないと、現在のオペレータであるユーザには、印字開始位置調整権限が与えられていないので、キータッチには応答しない。すなわち無視する。
プリンタの調整の入力画面上の「用紙送り量」の欄のUpキー又はDwonキーにユーザのタッチがあると、CPU1は、許可情報レジスタに「用紙送り量」があると、該欄の表示中のデータ(副走査y方向の、記録紙先端から記録開始位置までの距離を定めるデータ;レジストローラ208から用紙送出を開始して、記録開始のために用紙送出を一旦停止するまでのタイミング値に反映される)を、1インクリメント又は1デクレメントした値を示すものに表示を更新する(58〜60)。許可情報レジスタに「用紙送り量」がないと、現在のオペレータであるユーザには、用紙送り量調整権限が与えられていないので、キータッチには応答しない。すなわち無視する。
プリンタの調整の入力画面上の「初期値に戻す」キーにユーザのタッチがあると、CPU1は、許可情報レジスタに「初期値に戻す」があると、「ヘッド位置x」,「ヘッド位置y」の各表示データ(8種),「印字開始位置x」,「印字開始位置y」の表示データおよび「用紙送り量」の表示データを、NVRAM4に固定保持している各初期値(標準値:デフオルト)に、更新する(61〜63)。許可情報レジスタに「初期値に戻す」がないと、現在のオペレータであるユーザには、初期値に戻す権限が与えられていないので、キータッチには応答しない。すなわち無視する。
プリンタの調整の入力画面上の「キャンセル」キーにユーザのタッチがあると、CPU1は、このキータッチの直前の入力によって更新した表示を、該更新の前の表示に戻す(64,65)。「戻る」キーにユーザのタッチがあると、CPU1は、初期設定メニュー画面に、液晶ディスプレイ11の表示を戻す(66,67)。「設定」キーにユーザのタッチがあると、NVRAM4に保持する「プリンタの調整」のデータを、ユーザの変更入力に応じて表示を変更したデータに書き変え(68,69)、そして初期設定メニュー画面に、液晶ディスプレイ11の表示を戻す(67)。
図17に、図11の「保全処置」PRSの内容を示す。この「保全処置」PRSは、休止モードに移行すると、それが長時間継続する場合もあるので、ヘッドにキャップをしてノズルからのインクの蒸発を抑制するものである。休止モードに移行すると、動作電源(+5V,+24V)がオフになって、キャリッジ駆動,キャッピング,ワイピング等が実行できなくなるので、休止モードに移行する直前に「保全処置」PRSを実行する。なお、休止モードに移行する直前には、キャリッジ202はホームポジションにある。
「保全処置」PRSでは、CPU402がプリンタ200に「保全処置」を指示し、これに応答してプリンタ200が、電動ワイピング機構206のブレードロータを図4上で時計方向に回転駆動して(91)、キャリッジ202をキャップ位置(退避位置)に駆動する(92)。キャリッジ202がワイピング機構206を通過するとブレードロータの回転駆動を停止し、キャップ位置にキャリッジ202を位置決めすると、キャップ205を作用位置に駆動する(93)。これを終えるとプリンタ200が「保全処置」をCPU402に報知し、これに応答してCPU402が図11の「休止モードを設定」(12)を実行し、これにより電源回路80(図10)の、動作電圧出力(+5V,+24V)が消滅する。
図18および図19に、エンジン300のCPU301の、複写コマンドに応答する複写制御の概要を示す。図18を参照すると、CPU1が操作ボード10に対するユーザの複写スタート指示に応答してCPU301に複写コマンドを与えると、CPU301が図18に示す複写制御を開始して、ADF120に原稿があると読取りユニット110はシートスルーの原稿読取りを実行し、CPU301は、「黒(BK)」ボタンがオンのときには、スキャナ画像処理303に、像域分離結果に従うフィルタ処理307をしたG画像データを頁メモリ308(図7)に格納させる(101〜103)。1原稿のシートスルー読取りを終了するとCPU301は、頁メモリ308のG画像データを読み出してプリンタ画像処理304で所要の処理をしかつ2値化処理してプリンタ200の書込ユニット212に出力してBk印刷を行う印刷工程を繰り返し、これにより設定枚数のコピーをプリンタ200から排出する(104)。そして原稿トレイ121上の次の原稿を繰り出す(105−102)。このようにして、原稿トレイ121上の各原稿の画像をシートスルー読取りしかつ設定枚数の用紙に印刷する(104)。
「黒(BK)」ボタンがオフのときには、CPU1を介して、ユーザ登録テーブルに「利用者認証解除」情報があるかを検索して、該情報がないと、ユーザ名およびIDの入力を要求する入力画面をディスプレイ11に表示する。それらに入力があってテンキーブロツク15の#キーが押されると、CPU1が、入力があったユーザ名およびIDが、NVRAM4のユーザ登録テーブルに登録されたものであるか検索し、登録されたものであると、そのユーザ情報(図13のユーザ登録で登録した許可事項)を、NVRAM4から読み出しRAM3又はCPU1の内部RAMに定めた許可情報レジスタに保持する(102a,102b,106〜108)。「利用者認証解除」情報があった場合には、ユーザ認証をすることなく、登録テーブルの汎用の操作可能情報を許可情報レジスタに保持する(102a,102b−108)。そして、操作ボードに設定されている複写条件を参照する。「フルカラー」ボタンがオンでありしかもフルカラー複写が許可情報レジスタにおいて許可されているときには、CPU1がCPU301に複写許可(複写指示)を報知する。これに応答してCPU301は、RGB画像データをメモリ406に蓄積して(108,109)、フルカラー印刷(110)をする。フルカラー印刷(110)では、プリンタ画像処理304でRGB画像データをymck記録色データに変換し、各記録色データを並行して書込ユニット212(図5)に出力する(111)。これをコピー設定枚数分繰り返す(112−113)。原稿トレイ121上の各原稿につき、上述のフルカラーコピー作業が同様に行われる。
「黒(BK)」,「フルカラー」,「自動色選択」,「青(C)」,「赤(R)」および「黄(Y)」ボタンのいずれもオフのとき、又は、「自動色選択」ボタンがオンのときには、CPU301は、読取りユニット110にシートスルー読取りを指示し、像域分離結果に従うフィルタ処理307をしたG画像データを頁メモリ308に格納すると共に、RGB画像データをメモリ406に蓄積する(114)。そして頁判定318の判定情報を参照して(115)、それが白黒文字画像(白黒&エッジ)を表わすものであると、「黒(BK)」ボタンがオンであったときの上述の白黒コピー(104,105)を同様に実行する。頁判定318の判定情報が白黒文字画像ではないと、フルカラー印刷(116)を行う。このフルカラー印刷(116)の内容は、上述のフルカラー印刷(110)の内容と同様である。
次に図19を参照する。コピースタート指示があったときにADF120に原稿がなく、「黒(BK)」ボタンがオンであると、CPU301は、読取りユニット110にフラットベッド読取りを指示して、白黒コピーを実行する(117〜119)。「黒(BK)」ボタンがオフのときには、CPU1を介して、ユーザ登録テーブルに「利用者認証解除」情報があるかを検索して、該情報がないと、ユーザ名およびIDの入力を要求する入力画面をディスプレイ11に表示する。それらに入力があってテンキーブロツク15の#キーが押されると、CPU1が、入力があったユーザ名およびIDが、NVRAM4のユーザ登録テーブルに登録されたものであるか検索し、登録されたものであると、そのユーザ情報(図13のユーザ登録で登録した許可事項)を、NVRAM4から読み出しRAM3又はCPU1の内部RAMに定めた許可情報レジスタに保持する(117a,117b,120〜122)。「利用者認証解除」情報があった場合には、ユーザ認証をすることなく、登録テーブルの汎用の操作可能情報を許可情報レジスタに保持する(117a,117b−122)。そして、操作ボードに設定されている複写条件を参照する。「フルカラー」ボタンがオンであった場合には、副カラー複写が許可情報レジスタにおいて許可されていると、CPU301は、読取りユニット110にフラットベッド読取りを指示し、RGB画像データをメモリ406に蓄積して(122,123)フルカラー印刷(124)を、コピー設定枚数分実行する。フルカラー印刷(124)では、プリンタ画像処理304でRGB画像データをymck記録色データに変換し、各記録色データを並行して書込ユニット212(図5)に出力する(125)。これをコピー設定枚数分の回数繰り返す(126,125)。
「黒(BK)」,「フルカラー」,「自動色選択」,「青(C)」,「赤(R)」および「黄(Y)」ボタンのいずれもオフのとき、又は、「自動色選択」ボタンがオンのときには、CPU301は、読取りユニット110にフラットベッド読取りを指示し、エッジ強調311のエッジ検出量を参照する像域分離の結果に従うフィルタ処理307をしたG画像データを頁メモリ308に格納すると共に、RGB画像データをメモリ406に蓄積する(127)。そして頁判定318の判定情報を参照して(128)、それが白黒文字画像を表わすものであると、「黒(BK)」ボタンがオンであった場合の上述の白黒コピー(119)を同様に行う。頁判定318の判定情報が白黒文字画像ではないと、フルカラー印刷(129)を行う。このフルカラー印刷(129)の内容は、上述のフルカラー印刷(124)の内容と同様である。
図8,図13および図15に示す液晶ディスプレイ11上に示す機能を使用する入出力ならびに図11に示す「初期設定」INGおよび図14に示す「プリンタの調整」INGpを行う、プリンタ使用アプリケーションプログラム(ソフト)が、パソコンPCにインストールされており、ユーザは、PCから、操作ボード10を使用する場合と同様に、通信装置を介してプリンタ200に入力を行なって、プリンタ200を使用し、メンテナンスし、また調整することができる。すなわち、パソコンPCは書画情報をプリンタ200に送ってプリントアウトするばかりでなく、遠隔の操作ボードとしても機能する。