JP4697916B2 - 座標入力装置及びその制御方法、プログラム - Google Patents

座標入力装置及びその制御方法、プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指示具からの光を座標入力画面に照射して光スポットを生成し、前記光スポットに対応した座標を生成する座標入力装置及びその制御方法、プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、大画面ディスプレイの画面の明るさが改善され、明るく照明された環境においても十分使用できるようになってきており、需要が拡大されつつある。そして、座標入力装置は、そのような大画面ディスプレイと組み合わせた環境においても使用できるように、外乱光に強いことがますます必要とされてきている。
【0003】
また、近年、無線通信手段として、赤外線を利用する機器が増加しており、赤外、可視光ともに外乱光は増加傾向にあるため、外乱光に強いことは、装置の重要な特性の一つである。
【0004】
しかしながら、特公平7−76902号公報、特開平6−274266号公報に開示されているように従来のCCDセンサを用いるものは、光学フィルタでしか外乱光を抑制することができない。
【0005】
これに対して、特許第2503182号に開示されているPSDを用いる装置では、光強度を周波数変調し、この変調波を同期検波することにより、外乱光の影響を抑制できるため、光学フィルタと併用することによって、外乱光に対して強い特性を発揮する。
【0006】
一方、大画面ディスプレイは、明るさの改善と同時に高解像度化も進められている。このため、座標入力装置の分解能も向上させる必要があるが、外乱光に強いPSDを用いた装置ではこの点において問題がある。
【0007】
すなわち、センサ出力電圧のダイナミックレンジが入力範囲にそのまま対応しているため、例えば全体を1000の座標に分解する場合には少なくとも60dB以上のS/N比が必要になり、さらに前記特許第2503182号で述べられているように、直線性誤差のデジタル補正が必須であるため、高精度なアナログ回路と多ビットのAD変換器と演算回路とが必要になる。さらに、センサ出力信号のS/N比は光量と光スポットのシャープさに依存するため、前述した外乱光の抑圧だけでは不十分であり、明るく高精度な光学系も必要になる。このようなことから、装置自体が非常に高価で、大型なものになってしまう。
【0008】
CCDセンサを用い、分解能を高める手法として、前記特公平7−76902号公報では、ビデオカメラを複数台同時使用することが開示されているが、これでは装置が大型化し、高価になる。また、一台で画素数の多いビデオカメラの場合には、複数のカメラを用いるよりもさらに大型化し、高価となる。また、画像処理によって、画素数よりも高い分解能を達成するには、膨大な画像データの高速処理が必要となり、リアルタイム動作をさせるには非常に大型で、高価なものとなってしまう。
【0009】
また、前記特開平6−274266号公報では、特殊な光学マスクと信号処理とによって高分解能が得られるようにしており、外乱光が小さく良好なS/N比が確保できれば高分解能化が可能である。しかし、実際には、リニアセンサでは結像が線状であり、点像となるエリアセンサに比べて面内で外乱光との分離ができないため、外乱光の影響を受けやすく、外乱光の少ない特殊な環境でしか実用にならないという問題がある。
【0010】
そこで、外乱光の影響を抑制し、安価な座標入力装置を提供することを目的として、特開平11−219253号に開示されているように、筆記具に内蔵された発光素子を点滅させ、点灯時の信号と非点灯時の信号との差分信号をリニアセンサで検出することで外乱光の影響を抑制し、リニアセンサのどの画素にその差分信号が出力されているかによって、前記筆記具の位置を検出する方式がある。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平11−219253号に開示される座標入力装置においては、次のような課題が存在する。図7には、2つのリニアセンサ20X、20Yの配置関係、結像光学系としての円柱状レンズ90X、90Yの配置関係、及び円柱状レンズ90X、90Yによって座標入力面10上の光スポット5の像が各リニアセンサ20X、20Yの感光部21X、21Y上に線状に結像する様子(図中の像91X、91Y)を示す。
【0011】
これら2つのリニアセンサ20X、20Yを正確に直角に配置することによって、それぞれが光スポット5のX座標、Y座標を反映した画素に光出力が最大となるようなセンサ出力信号が得られることになる。光スポット5の像91X、91Yが各リニアセンサ20X、20Yの画素の数倍の像幅となるように焦点調節を行って適度にボケを生じさせ、複数の画素から光出力が得られるように構成され、この複数画素の信号の重心位置を求めることによって、光スポット5からのリニアセンサ20X、20Yの出力画素番号αX、αYを算出することができる。
【0012】
ここで、この出力画素番号αX、αYを用いて座標値を演算する従来技術について説明する。
【0013】
出力データの重心(αX、αY)から座標を算出するためには、予め既知の所定位置における光スポット5のリニアセンサ20X、20Yの出力画素番号を記憶しておく必要がある。すなわち、第1の既知の点の座標値(X0、Y0)及び第2の既知の点の座標値(X1、Y1)における光スポット5のリニアセンサ20X、20Yの出力画素番号を各々(αX0、αY0)、(αX1、αY1)とすれば、検出すべき任意の位置の光スポット5の座標値(X、Y)は、下記の式(1)、(2)で与えられる。
【0014】
X=(αX−αX0)(X1−X0)/(αX1−αX0)+X0 (1)
Y=(αY−αY0)(Y1−Y0)/(αY1−αY0)+Y0 (2)
このような演算で求められる座標入力装置の座標算出精度について示したのが、図17である。同図において、X軸、Y軸は座標入力面の座標値を示し、座標値(0、0)が座標入力有効エリアの中央位置に相当し、この原点に対しレンズ等の光学素子を幾何学的に対象に配置すれば、各象現での光学的特性は原点を中心に対称となる。そこで、ある象現におけるこの座標入力装置の座標算出精度について調べた結果が図17に示されている。
【0015】
ここで、図14はその光学的配置をX軸方向のみ(X軸方向センサ20X、及び円柱状レンズ90X)示したものであり、図17のX軸、Y軸は座標入力面の座標値軸であって、図14のX軸、Y軸と同等である。また、図17のZ軸は、本来算出すべき座標値と、得られる座標入力装置の算出座標値の差、つまり、この座標入力装置の座標算出精度について示したものである。
【0016】
この解析結果は、式(1)、(2)に示される既知の点(X0、Y0)、(X1、Y1)を、図14に示されるように、第1の既知の点(X0、Y0)を原点(座標入力有効エリアの中央位置)、第2の既知の点(X1、Y1)をその象現における座標入力有効エリアの中央位置とした場合のものである。これによれば、X軸の値が大きく、かつ、Y軸の値が大きくなる領域において、徐々に精度が悪くなる様子が見て取れる(グラフよりこの座標入力装置の精度は約11mm程度と言える)。尚、図17は、X方向の座標算出精度について調べたものであるが、Y軸方向の座標算出精度も同様の結果となった。
【0017】
つまり、従来例における座標算出精度は、X軸の値が大きく、かつ、Y軸の値が大きくなる領域で、座標算出精度が低下する問題が発生している。本現象は、数値シミュレーションによる解析の結果、円柱状レンズを用いたことにより発生するものであることが分かった。この歪みを解決するためには、前記円柱状レンズの軸に垂直な方向ばかりでなく、軸に平行な方向の断面形状も例えば非球面状としなければならず、たとえそのようなレンズの光学的な設計が可能であったとしても、プラスチックレンズの型制作が容易でなく、非常に高価なレンズとなってしまう。
【0018】
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、高精度、高分解能であり、操作性に優れた座標入力装置及びその制御方法、プログラムを安価に提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による座標入力装置は以下の構成を備える。即ち、
指示具からの光を座標入力面に照射して光スポットを生成し、前記光スポットに対応した座標を生成する座標入力装置であって、
指示具からの照射により座標入力面に生成された光スポットを検出する検出手段と、
少なくとも3個所の既知の第1乃至第3の位置における光スポットによる前記検出手段の出力情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された第1乃至第3の位置における出力情報の内、少なくとも前記第1及び第2の位置における出力情報を用いて、前記座標入力面に生成された光スポットの座標値(X’、Y’)を演算する第1の演算手段と
前記第1の演算手段で演算された座標値(X’、Y’)と前記第3の位置における出力情報を用いて前記座標入力面に生成された光スポットの座標値(X”、Y”)を演算する第2の演算手段とを備え
前記座標入力面の座標入力有効エリアは、矩形であり、
前記第1の位置は、前記座標入力面の座標入力有効エリアの中央位置であり、
前記第2の位置は、前記座標入力面の座標入力有効エリアを前記第1の位置を中央に4つの象限に区切った場合の1つの象限の中央位置であり、
前記第3の位置は、前記1つの象限を規定する4点の内の、前記座標入力面の座標入力有効エリアの4隅部の1つに対応する位置である
【0020】
また、好ましくは、前記第2の演算手段によって演算される座標値(X”、Y”)は、前記第1の演算手段で演算された座標値(X’、Y’)の従属関数である
【0022】
また、好ましくは、前記第1の演算結果に基づいて、前記第2の演算の実行の有無を判定する判定手段を
更に備える。
【0023】
また、好ましくは、前記第3の位置は、前記座標入力面の座標入力有効エリアの4隅部の少なくとも1つである。
【0024】
また、好ましくは、前記検出手段は、感光部がX軸方向に直線状に配列されたX軸用センサと、感光部がY軸方向に直線状に配列されたY軸用センサとからなり、前記X軸用センサにはY軸方向に軸を有する円柱状レンズを介して光スポットの光が結像され、前記Y軸用センサにはX軸方向に軸を有する円柱状レンズを介して光スポットの光が結像され、
前記第3の位置は、前記座標入力面の座標入力有効エリア内において、前記円柱状レンズに入射するその位置からの光線と、前記検出手段の前記感光部の垂線との間の角度が最大となる位置に設定される
【0031】
上記の目的を達成するための本発明による座標入力装置の制御方法は以下の構成を備える。即ち、
指示具からの光を座標入力面に照射して光スポットを生成し、前記光スポットに対応した座標を生成する座標入力装置の制御方法であって、
指示具からの照射により座標入力面に生成された光スポットを検出する検出工程と、
少なくとも3個所の既知の第1乃至第3の位置における光スポットによる前記検出工程の出力情報の内、少なくとも前記第1及び第2の位置における出力情報を用いて、前記座標入力面に生成された光スポットの座標値(X’、Y’)を演算する第1の演算工程と
前記第1の演算工程で演算された座標値(X’、Y’)と前記第3の位置における出力情報を用いて前記座標入力面に生成された光スポットの座標値(X”、Y”)を演算する第2の演算工程とを備え
前記座標入力面の座標入力有効エリアは、矩形であり、
前記第1の位置は、前記座標入力面の座標入力有効エリアの中央位置であり、
前記第2の位置は、前記座標入力面の座標入力有効エリアを前記第1の位置を中央に4つの象限に区切った場合の1つの象限の中央位置であり、
前記第3の位置は、前記1つの象限を規定する4点の内の、前記座標入力面の座標入力有効エリアの4隅部の1つに対応する位置である
【0032】
上記の目的を達成するための本発明によるプログラムは以下の構成を備える。即ち、
指示具からの光を座標入力面に照射して光スポットを生成し、前記光スポットに対応した座標を生成する手順をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
指示具からの照射により座標入力面に生成された光スポットを検出する検出手順と、
少なくとも3個所の既知の第1乃至第3の位置における光スポットによる前記検出手順の出力情報の内、少なくとも前記第1及び第2の位置における出力情報を用いて、前記座標入力面に生成された光スポットの座標値(X’、Y’)を演算する第1の演算手順と
前記第1の演算手順で演算された座標値(X’、Y’)と前記第3の位置における出力情報を用いて前記座標入力面に生成された光スポットの座標値(X”、Y”)を演算する第2の演算手順とをコンピュータに実行させ
前記座標入力面の座標入力有効エリアは、矩形であり、
前記第1の位置は、前記座標入力面の座標入力有効エリアの中央位置であり、
前記第2の位置は、前記座標入力面の座標入力有効エリアを前記第1の位置を中央に4つの象限に区切った場合の1つの象限の中央位置であり、
前記第3の位置は、前記1つの象限を規定する4点の内の、前記座標入力面の座標入力有効エリアの4隅部の1つに対応する位置である
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0034】
まず、本発明に係る光学式座標入力装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
<実施形態1>
図1は実施形態1の座標入力装置の概略構成を示す図である。
【0035】
本座標入力装置は大別して、座標入力面であるスクリーン10に対して光スポット5を形成する指示具4と、光スポット5のスクリーン10上の座標値等を検出する座標検出器1とからなる。図1には、それらの構成と合わせて、出力装置としてスクリーン10に、画像あるいは座標値等を表示する投射型表示装置8を示している。
【0036】
座標検出器1は、座標検出センサ部2と、この座標検出センサ部2の制御および座標演算などを行うコントローラ3、受光素子6、信号処理部7、各種設定値を記憶するEEPROM等からなる不揮発メモリ9とから構成されている。光スポット5のスクリーン10上の座標位置及び指示具4の後述する各スイッチの状態に対応する制御信号とを検出して、コントローラ3によって外部接続装置(不図示)にその情報を通信するようにしている。
【0037】
投射型表示装置8は、ホストコンピュータ(不図示)などの外部接続装置である表示信号源からの画像信号が入力される画像信号処理部81と、これにより制御される液晶パネル82、ランプ83、ミラー84、コンデンサーレンズ85からなる照明光学系と、液晶パネル82の像をスクリーン10上に投影する投影レンズ86とからなり、所望の画像情報をスクリーン10に表示することができる。スクリーン10は、投射画像の観察範囲を広くするために適度な光拡散性を持たせてあるので、指示具4から発射された光ビームも光スポット5の位置で拡散され、画面上の位置や光ビームの方向によらず、光スポット5の位置で拡散された光の一部が座標検出器1に入射するように構成されている。
【0038】
このように構成することで、指示具4によりスクリーン10上で文字情報や線画情報を入力し、その情報を投射型表示装置8で表示することにより、あたかも『紙と鉛筆』のような関係で情報の入出力を可能とする他、ボタン操作やアイコンの選択決定などの入力操作を自由に行うことが可能となる。
<指示具4の詳細説明>
図2は実施形態1の指示具の詳細構成を示す図である。
【0039】
指示具4は、光ビームを発射する半導体レーザ、あるいは赤外光を発射するLED等の発光素子41と、その発光を駆動制御する発光制御部42、電源部44、操作用スイッチ43A〜43Dと、電池等の電源部44、さらに発光素子41を覆う脱着可能な透光性部材よりなるキャップ46とを内蔵している。発光制御部42は、操作用スイッチ43A〜43Dの状態により、発光のON(オン)/OFF(オフ)と、後述する変調方法とによって、制御信号を重畳した発光制御を行う。
【0040】
図3は実施形態1の指示具の動作モードを示す図である。
【0041】
スイッチA〜Dは、図2のスイッチ43A〜43Dに対応している。尚、図3中、「発光」とは発光信号(座標信号)に対応し、「ペンダウン」、「ペンボタン」とは制御信号に対応する。
【0042】
操作者は、指示具4を握ってスクリーン10にその先端を向ける。このとき、スイッチ43Aは親指が自然に触れる位置に配置されており、これを押すことによって光ビーム45が発射される。これにより、スクリーン10上に光スポット5が生成され、所定の処理によって座標信号が出力され始める。但し、この状態では、ペンダウン及びペンボタンの制御信号はOFFの状態(例えば、図3の2段目の状態)である。このため、スクリーン10上では、カーソルの動きやボタンのハイライト切替などによる操作者への指示位置の明示のみが行われる。
【0043】
また、人差し指及び中指が自然に触れる位置に配置されたスイッチ43C、43Dを押すことによって、図3に示すようにペンダウン及びペンボタンの制御信号が、発光信号に重畳された信号となる。すなわち、スイッチ43Cを押すことによってペンダウンの状態となり、文字や線画の入力を開始したり、ボタンを選択決定するなどの画面制御が実行できる。スイッチ43Dを押すことによって、ペンボタンの状態(例えば、図3の3、5段目の状態)となり、メニューの呼び出しなどの別機能に対応させることができる。これにより、操作者は、片手でスクリーン10上の任意の位置で、片手で、すばやく正確に文字や図形を描いたり、ボタンやメニューを選択したりすることによって、軽快に操作することができる。
【0044】
また、指示具4の先端部には、スイッチ43Bが設けられていて、スクリーン10に指示具4を押し付けることによって動作する。操作者が、指示具4を握り、その先端部をスクリーン10に押し付けることでペンダウン状態((図3の最下段の状態)となるので、余分なボタン操作を行うことなしに自然なペン入力操作を行うことができる。
【0045】
また、スイッチ43Aはペンボタンの役割を持つ。もちろん、画面に押し付けないでスイッチ43Aを押せば、カーソルのみを動かすこともできる。実際上、文字や図形の入力は画面から離れて行うより、直接画面に触れた方が遥かに操作性、正確性が良い。
【0046】
実施形態1では、このように4個のスイッチを用いて画面から離れていても、また、直前にいても、自然で快適な操作が可能であり、場合によって使い分けることができるように構成されている。さらには、直接入力専用(ポインタとして使用しない)ならば、光ビームでなく拡散光源でよいので、半導体レーザよりも安価で長寿命のLEDを用いることも可能である。
【0047】
また、このように近接用、遠隔用の2種類の指示具4を用いたり、同時に2人以上で操作する、あるいは色や太さなど属性の異なる複数の指示具4を用いる場合のために、発光制御部42は、固有のID番号を制御信号と共に送信するように設定されている。送信されたID番号に対応して、描かれる線の太さや色などの属性を外部接続機器側のソフトウェアなどで決定するようになっており、スクリーン10上のボタンやメニューなどで設定変更することができる。この操作は、指示具4に別途操作ボタン等を設けて変更指示信号送信するようにしてもよく、これらの設定については、指示具4内部あるいは座標検出器1内に状態を保持するようにしてID番号ではなく、属性情報を外部接続機器へ送信するように構成することも可能である。
【0048】
また、このような追加の操作ボタンは、他の機能、例えば、表示装置の点滅や信号源の切換、録画装置などの操作などを行えるようにも設定可能である。さらに、スイッチ43A、43Bのいずれか一方または両方に圧力検出手段を設けることによって筆圧検出を行い、この筆圧データを制御信号と共に送信するなど各種の有用な信号を送信することが可能である。
【0049】
指示具4のスイッチ43Aまたはスイッチ43BがONになると発光が開始され、その発光信号は比較的長い連続するパルス列からなるリーダ部と、これに続くコード(メーカーIDなど)とからなるヘッダ部をまず出力し、その後、ペンIDや制御信号などからなる送信データ列が予め定義された順序と形式に従ってその情報を順次出力する(図5、LSG信号参照)。
【0050】
尚、実施形態1では、各データビットにおいて、“1”ビットは“0”ビットに対して2倍の間隔をもつような変調形式で形成しているが、データの符号化方式については種々のものが使用可能である。しかしながら、後述するように座標検出のためには、平均光量が一定していること、また、PLLの同調を行うにはクロック成分が十分大きいこと等が望ましく、送信すべきデータ量から見て冗長度を比較的高くしても支障はない等を勘案して、実施形態1においては、6ビット(64個)のデータを10ビット長のコードのうち、1と0が同数で、かつ、1あるいは0の連続数が3以下の108個のコードに割り付ける方法で符号化している。このような符号化方式をとることによって、平均電力が一定になり、また十分なクロック成分が含まれるので、復調時に容易に安定した同期信号を生成することができる。
【0051】
また、前述したように、ペンダウンおよびペンボタンの制御信号は、2ビットであるがIDなどその他の長いデータも送信しなければならない。そこで、実施形態1では、24ビットを1ブロックとして、先頭の2ビットは制御信号、次の2ビットは内容識別コード(例えば、筆圧信号は00、IDは11等)、次の2ビットはこれらのパリティ、その後に、16ビットのデータと2ビットのパリティとを並べて、1ブロックのデータとして構成する。このようなデータを前述したような方式により符号化すると、40ビット長の信号になる。その先頭に10ビット長のシンクコードを付加する。このシンクコードは0が4個、1が5個連続する、あるいはその反転パターン(直前のブロックの終わりが、1か0かで切り替える)という特殊なコードを使用して、データワードとの識別が容易で、データ列の途中においても確実にその位置を識別してデータの復元ができるようになっている。従って、1ブロックで50ビット長の伝送信号となり、制御信号と16ビットのIDまたは筆圧等のデータを送信していることになる。
【0052】
実施形態1では、第1の周波数60kHzの1/8の7.5kHzを第2の周波数としているが、前述のような符号化方式を採用しているため、平均伝送ビットレートは、この2/3の5kHzとなる。さらに、1ブロックが50ビットなので、100Hzでは1ブロック24ビットのデータを送信していることになる。従って、パリティを除いた実効ビットレートは、2000ビット/秒である。このように冗長性は高いが、誤検出を防止し、同期を容易にすることが非常に簡単な構成で実現できる方式となっている。また、後述のセンサ制御のための位相同期信号と、シンクコードの繰り返し周期のチェックとを併用することによって、信号に短いドロップアウトが発生した場合でも追従ができ、逆に実際に、ペンアップやダブルタップのような素早い操作を行った場合との識別は、ヘッダ信号の有無によって確実に行えるようにもなっている。
<座標検出器1の詳細説明>
図4は実施形態1の座標検出器の詳細構成を示す図である。
【0053】
この座標検出器1には、集光光学系によって高感度に光量検出を行う受光素子6と、結像光学系によって光の到来方向を検出する2つのリニアセンサ20X,20Yとが設けられている。そして、指示具4に内蔵された発光素子41からの光ビームにより、スクリーン10上に生成された光スポット5からの拡散光をそれぞれ受光する。
<集光光学系の動作説明>
受光素子6には、集光光学系としての集光レンズ6aが装着されており、スクリーン10上の全範囲から高感度で所定波長の光量を検知する。この検知出力は、周波数検波部71によって検波された後、制御信号検出部72において制御信号(指示具4の発光制御部42によって重畳された信号)などのデータを含むデジタル信号に復調される。
【0054】
この制御信号の復元動作におけるタイミングチャートについて、図5を用いて説明する。
【0055】
図5は実施形態1の制御信号の復元動作におけるタイミングチャートである。
【0056】
上述したようなビット列からなるデータ信号は、受光素子6で光出力信号LSGとして検出され、周波数検波部71で検波される。周波数検波部71は、光出力信号LSGの中で最も高い第1の周波数のパルス周期に同調するように構成され、光学的なフィルタと併用することによって、外乱光の影響を受けることなく、変調信号CMDを復調する。この検波方法は広く実用されている赤外線リモートコントローラと同様であり、信頼性の高い無線通信方式である。
【0057】
実施形態1では、この第1の周波数としては、一般に使用されている赤外線リモートコントローラより高い帯域である60KHzを用い、同時に使用しても誤動作することの無いように構成したが、この第1の周波数を一般に使用されている赤外線リモートコントローラと同じ帯域にすることも可能であり、このような場合にはIDなどで識別することによって誤動作を防止する。
【0058】
さて、周波数検波部71により検波された変調信号CMDは、制御信号検出部72によってデジタルデータとして解釈され、前述したペンダウンやペンボタンなどの制御信号が復元される。この復元された制御信号は、通信制御部33に送られる。また、変調信号CMDに含まれる第2の周波数であるコード変調の周期は、センサ制御部31によって検出され、この信号によってリニアセンサ20X、20Yを制御することになる。すなわち、センサ制御部31では、図5に示したヘッダ部(HEADER)のタイミングでリセットし、その後、変調信号CMDの立ち下がりに位相同期した信号LCKを生成する。
【0059】
従って、この生成された信号LCKは、指示具4の発光の有無に同期した一定周波数の信号となる。また、変調信号CMDからは、光入力の有無を示す信号LONと、この信号LONによって起動されるセンサリセット信号RCLとが生成される。このセンサリセット信号RCLがハイレベルの間に2つのリニアセンサ20X、20Yはリセットされ、信号LCKの立ち上がりに同期したセンサリセット信号RCLの立ち下がりのタイミングによって後述する同期積分動作が開始される。
【0060】
一方、制御信号検出部72はヘッダ部を検出し、他の機器やノイズではなく、指示具4からの入力が開始されたことを確認すると、この確認を示す信号が通信制御部33からセンサ制御部31に伝達され、リニアセンサ20X,20Yの動作有効を示す信号CONがハイレベルにセットされ、座標演算部32の動作が開始される。
【0061】
図6は、光出力信号LSGが無くなり、一連動作の終了時におけるタイミングチャートを示す。光出力信号LSGから検波された変調信号CMDがローレベルを一定時間以上続けると、光入力の有無を示す信号LONがローレベルになり、さらに、センサ動作有効を示す信号CONもローレベルとなり、その結果、リニアセンサ20X,20Yによる座標の出力動作を終了する。
<結像光学系の動作説明>
図7はリニアセンサ20X,20Yの配置関係を示す図である。
【0062】
図7では、2つのリニアセンサ20X,20Yの配置関係を示すと共に、結像光学系としての円柱状レンズ90X,90Yによって光スポット5の像が、リニアセンサ20X,20Yの各センサの感光部21X、21Yに線状に像91X、91Yを結像する。これらリニアセンサ20X,20Yを正確に直角に配置することによって、それぞれがX座標、Y座標を反映した画素にピークを持つ出力が得られる。
【0063】
そして、これらリニアセンサ20X,20Yは、センサ制御部31によって制御され、出力信号はセンサ制御部31に接続されたAD変換部31Aによってデジタル信号として座標演算部32に送られる。座標演算部32は、入力されたデジタル信号より出力座標値を計算し、その計算結果を制御信号検出部72からの制御信号などのデータと共に通信制御部33を介して、所定の通信方法で外部制御装置(不図示)に送出する。また、調整時など通常と異なる動作(例えば、ユーザ校正値の設定)を行わせる場合は、通信制御部33からセンサ制御部31、座標演算部32へモード切換信号が送られる。
【0064】
本例では、光スポット5の像がリニアセンサ20X,20Yの各センサの画素の数倍の像幅となるように焦点調節あるいは拡散フィルム等を用いて故意にボケを生じさせている。直径1.5mmのプラスチック製の円柱状レンズと画素ピッチ約15μm、有効64画素のリニアCCD、赤外線LEDを用いた実験によれば、最もシャープな結像をさせると、約40度の画角全面にわたって15μm以下の像幅となる。このような状態では、画素間分割演算結果が階段状に歪んでしまうことがわかった。
【0065】
そこで、像幅が30から60μm程度となるように、レンズの位置を調節すると、非常に滑らかな座標データが得られた。もちろん、大きくぼけさせると、ピークレベルが小さくなってしまうので、数画素程度の像幅が最適である。画素数の少ないCCDと、適度にボケた光学系を用いることが、本発明のポイントの一つであり、このような組み合わせを用いることによって、演算データ量が少なく、小さなセンサと光学系で非常に高分解能、高精度、高速でかつ低コストな座標入力装置を実現できる。
【0066】
アレイ状に配置されたX座標検出用リニアセンサ20X,Y座標検出用リニアセンサ20Yは同一の構成であり、その詳細構成について、図8を用いて説明する。
【0067】
図8は実施形態1のリニアセンサの詳細構成を示す図である。
【0068】
受光部であるセンサアレイ21はN個の画素(例えば、光電変換素子が64個、直線状に配列されたセンサアレイであって、この場合、64画素と定義する)からなり、受光量に応じた電荷が積分部22に貯えられる。積分部22は、N個からなり、ゲートICGに電圧を加えることによってリセットできるため、電子シャッタ動作が可能である。この積分部22に貯えられた電荷は、電極STにパルス電圧を加えることによって蓄積部23に転送される。この蓄積部23は、2N個からなり、指示具4の発光タイミングに同期したIRCLK信号のH(ハイレベル)とL(ローレベル)とにそれぞれ対応して別々に電荷が蓄積される。その後、光の点滅に同期して各々別々に蓄積された電荷は、転送クロックを簡単にするために設けられた2N個からなるシフト部24を介して、2N個からなるリニアCCD部25に転送される。
【0069】
これにより、リニアCCD部25には、N画素のセンサ出力の光の点滅に各々対応した電荷が隣接して並んで記憶されることになる。これらリニアCCD部25に並べられた電荷は、2N個からなるリングCCD部26に順次転送される。このリングCCD26は、CLR信号によってCLR部27で空にされた後、リニアCCD部25からの電荷を順次蓄積していく。
【0070】
このようにして蓄積された電荷は、アンプ29によって読み出される。このアンプ29は、非破壊で蓄積電荷量に比例した電圧を出力するものであり、実際には、隣接した電荷量の差分、すなわち、発光素子41の点灯時の電荷量から非点灯時の電荷量を差し引いた分の値を増幅して出力する。
【0071】
この時、得られるリニアセンサ20X,20Yの出力波形の一例について、図9(横軸がCCD画素番号、縦軸が出力レベル)を用いて説明する。
【0072】
図9中、Bの波形は発光素子41の点灯時の信号のみを読み出したときの波形であり、Aの波形は非点灯時の波形、すなわち、外乱光のみの波形である(図8に示したように、リングCCD部26には、これらA,Bの波形に対応する画素の電荷が隣接して並んでいる)。アンプ29は、その隣接する電荷量の差分値(B−Aの波形)を非破壊増幅して出力することになるが、これにより、指示具4からの光のみの像の信号を得ることができ、外乱光(ノイズ)の影響を受けることなく安定した座標入力が可能となる。
【0073】
また、図9に示したB−Aの波形の最大値をPEAK値と定義すれば、光に対してリニアセンサ20X,20Yの各リニアセンサが機能する蓄積時間を増大させれば、その時間に応じてPEAK値は増大する。換言すれば、IRCLK信号の1周期分の時間を単位蓄積時間とし、それを単位として蓄積回数nを定義すれば、蓄積回数nを増大させることでPEAK値は増大する。そして、このPEAK値が所定の大ささTH1に達したことを検出することで、常に一定した品位の出力波形を得ることができる。
【0074】
一方、外乱光が非常に強い場合、差分波形B−Aのピークが十分な大きさになる前に、リングCCD部26の転送電荷が飽和してしまう恐れがある。このような場合を考慮して、リニアセンサ20X,20Yの各リニアセンサにはスキム機能を有するSKIM部28が付設されている。SKIM部28は、非点灯信号のレベルを監視し、図10において、n回目のAnで信号レベルが所定の値を超えている場合(図中、一点鎖線)、一定量の電荷をA,Bの各画素から抜き取るようにする。これにより、次のn+1回目には、An+1に示すような波形となり、これを繰り返すことによって、非常に強い外乱光があっても飽和することなく、信号電荷の蓄積を続けることができる。
【0075】
従って、指示具4からの点滅光の光量が微弱であっても、多数回積分動作を継続することによって、十分な大きさの信号波形を得ることが可能になる。特に、指示具4に可視光域の発光源を用いる場合、表示画像の信号が重畳するので、前述したスキム機能と差分出力を用いることによって、非常にノイズの少ないシャープな波形を得ることが可能となる。
【0076】
また、非常に強い外乱光が入射された場合には、PEAK値を監視し、そのPEAK値が所定レベルに達した時に蓄積動作を停止させても良い。つまり、このような場合には、蓄積回数を増大させなくても十分な品位の出力波形が得られるので、信頼性の高い座標演算が可能となる。それとともに、蓄積回数が比較的少なくて済むことから、入射光が弱い場合に比べて、単位時間あたりの座標サンプリングレートが向上する(例えば、20点/秒で座標算出としていたものが40点/秒とより高速で座標演算が可能という意味)という利点が得られる。
【0077】
次に、リニアセンサ20X,20Yの動作制御について、図11を用いて説明する。
【0078】
図11は実施形態1のリニアセンサの動作制御を示すフローチャートである。
【0079】
センサ制御部31がセンサ制御動作を開始すると、ステップS102において、信号CONを監視する。そして、信号CONがハイレベルである場合(ステップS102でYES)、ステップS103に進み、フラグponが1にセットされ、蓄積回数nを0にリセットする。そして、ステップS104において、センサ出力のPEAK値(ピークレベル)が所定値TH1より大きいか否かを判定する。
【0080】
PEAK値が所定値TH1未満である場合(ステップS104でNO)、ステップS105において、蓄積回数nが第1所定回数n0より大きいか否かを判定する。蓄積回数nが第1所定回数n0未満である場合(ステップS105でNO)、ステップS106に進み、蓄積回数nを1インクリメントして、ステップS104に戻る。一方、PEAK値が所定値TH1より大きい場合(ステップS104でYES)、あるいは蓄積回数nが第1所定回数n0より大きい場合(ステップS105でYES)、ステップS107に進み、積分停止信号RONがハイレベル(HI)になって積分動作が停止される。そして、座標演算部32による座標値演算の処理が開始される。
【0081】
その後、ステップS108において、蓄積回数nが第2所定回数n1より大きいか否かを判定する。蓄積回数nが第1所定回数n1未満である場合(ステップS108でNO)、ステップS109に進み、蓄積回数nを1インクリメントして、ステップS108に戻る。一方、蓄積回数nが第2所定回数n1より大きい場合(ステップS108でYES)、ステップS110に進み、積分停止信号RONがローレベルになり、同時に、信号LCKの周期の数倍(図6では2倍)の間、センサリセット信号RCLがハイレベルになる。次に、ステップS112において、信号CONを監視する。信号CONがハイレベルである場合(ステップS112でYES)、ステップS103に進む。一方、信号CONがローレベルである場合(ステップS112でNO)、ステップS111に進み、処理1周期分待機する。
【0082】
つまり、信号CONがハイレベルである間はこの動作が繰り返され、所定回数n1で決まる周期ごとに座標値演算が行われる。また、ごみなどの影響で、信号CONがドロップしても、1回のみは状態を保持するように、ステップS111が設けられている。もし、連続して2周期の間、信号CONがローレベルである場合(ステップS102でNO)、ステップS113に進み、フラグponが0にリセットされ、シンク信号待ちの状態になって、初期状態に戻る。
【0083】
このドロップアウト対策部分は、1周期でなくもっと長くすることも可能であり、外乱が少なければ、逆に短くしてしまってもよいことは言うまでもない。尚、ここの1周期を前述のデータブロックの周期の自然数倍として、シンクコードのタイミングと一致させ、信号CONの代りにシンクコード検出信号を用いても同様の動作を行える。
【0084】
また、座標検出器に到達する指示具4の光は、指示具4に内蔵された電源(電池)44の消耗により変動する他、指示具4の姿勢によっても変動する。特に、スクリーン10の光拡散性が小さい場合、表示画像の正面輝度は向上するが、この指示具4の姿勢によるリニアセンサ20X、20Yへの入力光量の変動が大きくなってしまう。しかしながら、実施形態1では、このような場合であっても、積分回数が自動的に追従して常に安定した出力信号を得ることができるので、安定した座標検出が可能となる優れた効果が得られる。また、ポインタとして光があまり散乱されずにリニアセンサ20X、20Yに入射した場合は、かなり強い光が入ることになるが、このような場合であっても安定した座標検出ができることは明らかである。
【0085】
また、画面に直接接触させて使用するLEDを用いたペンとポインタを併用する場合、LEDはより大きな光量のものが使用可能であるので、図11に示した積分回数である第1所定回数n0,第2所定回数n1をID信号によってペンかポインタかを判別して切替を行い、ペンの場合は座標サンプリングレートを高速に、ポインタの場合は低速にすることも可能である。実際、文字入力のように繊細な描画作業はポインタでは不可能であり、むしろ低速な座標サンプリングレートによって滑らかな線を描けるほうが使い勝手がよく、このような切替を設けることも有効である。
【0086】
以上説明したように、点滅光に高周波数のキャリアを加え、そのキャリアを周波数検波して得た所定周期の復調信号によって積分動作のタイミング制御を行うようにしたので、指示具と搬像部とをコードレスで同期させることができ、使い勝手の良い座標入力装置を実現することができる。また、レーザービームを用いることによって画面から離れた位置で容易に繰作することが可能となる優れた利点も得られる。また、積分部からの差分信号中のピークレベルが所定レベルを超えことを検出し、積分動作を停止させる積分制御手段を設けたので、光量が変化してもほぼ一定レベルの光スポット像の信号を作成でき、これにより、常に安定した高分解能な座標演算結果を得ることができる。
<座標値演算>
座標演算部32における座標演算処理について説明する。
【0087】
上述したように、上記の座標入力装置では、リニアセンサ20X、20Yに入射する光量の多少にかかわらず信号の品位を一定に保つ方法を説明したが、ここで一つ課題が発生する。前述の光量は、先に説明したように、指示具4に内蔵された電源部(電池)44の消耗により変動する他、指示具4の姿勢(座標入力を行う通常の筆記動作により指示具4が傾く)、あるいは、リニアセンサや発光素子の変換効率の個体間差等によって変動することが想定される。
【0088】
リニアセンサ20X、29Yに到達する光が減少した場合、それ相応に積分時間を長くする、すなわち、第1所定回数n0、第2所定回数n1の値を大きくし、積分回数を増大させることで品位の良い信号波形を得ることはできるが、積分時間の増大は、座標サンプリングレート、つまり、単位時間に算出できる座標点数の減少を意味し、操作者の筆跡を忠実に再現するにはおのずと限界がある。例えば、その筆跡を忠実に再現するために、25点/秒の座標サンプリングレートが必要であると仮定すれば、1回の座標算出動作時間は少なくとも40msec以下であることが必要であり、その時間内の積分時間で信号波形が所定のピークレベルに到達することが求められる。
【0089】
しかしながら、所定レベルのピークレベルが得られなかった場合でも、信頼性の高い座標を算出することが可能となれば、操作者にとって筆記性の良い指示具(例えば、指示具の傾きをより大きくできる)が実現可能であり、また電池寿命を延ばすことも可能となるメリットが生まれる。
【0090】
そこで、実施形態1の座標演算部32では、図12に示すような座標演算処理を行う。
【0091】
上述したようにして得られた2つのリニアセンサ20X,20Yの出力信号(アンプ29からの差分信号)は、センサ制御部31に設けられたAD変換部31Aでデジタル信号として座標演算部32に送られ、座標値が演算される。座標値の演算は、まず、X座標、Y座標の各方向の出力に対して、リニアセンサ20X,20Yの座標値(X1,Y1)を求める。尚、演算処理は、X座標、Y座標同様であるので、X座標値の演算についてのみ説明する。
【0092】
次に、実施形態1の座標演算処理の処理フローについて、図12を用いて説明する。
【0093】
図12は実施形態1の座標演算処理の処理フローを示すフローチャートである。
【0094】
まず、処理の開始時には、処理回数をカウントするカウンタcont=0にセットする。
【0095】
次に、ステップS202において、任意の座標入力点での各画素の差分信号である差分データDx(n)(例えば、画素数n=64)を読み込む。次に、ステップS203において、各画素(64画素)の出力値の平均値を導出し、所定のオフセット量Voffを加えたVth1を定義する。このVth1を、出力信号の有効性を判定する第1の閾値として用いる(図13(a)参照)。つまり、Vth1はリニアセンサに入力される光量、つまり、信号レベルに応じて可変するとともに、前述の光量が全く入射されていない状態での出力電圧にも依存することになるので、リニアセンサ個体間の部品公差を吸収し、最適な閾値レベルを自動的に設定できる。
【0096】
次に、ステップS204において、差分データDx(n)の最大値を有するピーク画素npeakを検出する。ステップS205において、ピーク画素npeakの前後m番目の画素の出力値、Dx(npeak−m)、Dx(npeak+m)を各々求め、その値を比較する。次に、ステップS206、S207において、比較結果に応じて第2の閾値Vth2をDx(npeak−m)、Dx(npeak+m)のいずれかに設定する。実施形態1の場合、信号レベルがより小さい値を閾値レベルとしているが、m=3とした場合のその様子を図13(b)に示し、閾値がDx(npeak−m)に設定されていることが理解される。実施形態1の場合、両者の信号レベルで、値がより小さい値を閾値レベルとして採用しているが、mの値をより大きくし、信号レベルの高い値を閾値レベルとして採用しても同等の効果が得られる。
【0097】
次に、ステップS208において、第1の閾値Vth1と第2の閾値Vth2を比較する。第2の閾値Vth2が第1の閾値Vth1以上である場合(ステップS208でYES)、有効な光が十分に入射されたものとして、ステップS209以降の座標演算を実行する。一方、第2の閾値Vth2が第1の閾値Vth1未満である場合(ステップS208でNO)、有効な光が十分に得られていないので、処理を中止する。
【0098】
ステップS209において、第2の閾値Vth2と各画素の差分データDx(n)との差分であるEx(n)を不揮発メモリ9に記憶する。次に、ステップS210において、座標算出のための有効画素を判定する。この有効画素は、その出力値が第2の閾値Vth2を越えるピーク画素npeakを含む連続した画素のことであり、ピーク画素npeakの前の画素群の出力値が連続して第2の閾値Vth2を越える画素の最小値nminから、ピーク画素npeakの後の画素群の出力値が連続して第2の閾値Vth2を越える画素の最大値nmaxまでが有効画素となる。例として、図13(c)では、最小値nminはnpeak−mでその差分データはDx(npeak−m)であり、最大値nmaxはnpeak+m+1でその差分データはDx(npeak+m+1)となる。この場合、npeak+mより大きいnpeak+m+1の画素の出力値も座標算出の際に有効なデータとして使用されることになる。尚、図13(c)中、第2の閾値Vth2を超える画素が他にも存在するが、連続の条件を満たさないため、有効画素とはならない。
【0099】
有効画素の出力値を用いて、ステップS211において、リニアセンサ20X上の重心値である画素座標αXを算出する。実施形態1では、重心法により出力データの重心を算出している。但し、この画素座標αXを求める数学的手法は、例えば、出力データEx(n)のピーク値を求める方法(例えば、微分法による)等が有り、計算の方法によって限定されるものではない。
【0100】
以上の構成により、低光量時においても、求めるべき画素番号を安定して精度良く算出することが可能となる。
【0101】
次に、算出された重心値である画素座標αXから、指示具4の座標値を求める方法について説明するが、その前に、実施形態1の結像光学系の構成について、図14を用いて説明する。尚、図14では、X軸方向のみについて説明するが、Y軸方向も同様の構成となる。
【0102】
図14は実施形態1の結像光学系の構成例を示す図である。
【0103】
図14(a)、(b)に示すように、座標入力有効エリアの中央部(原点:cont=0)での光スポット5の光線が、円柱状レンズ90Xを介して、座標入力面と平行に配置されたリニアセンサ20Xのほぼ中央部分に集光するように配置されている。
【0104】
尚、円柱状レンズ90Xは、レンズ軸に垂直な断面が単純な円のものと、非球面のものとの2種類であって、レンズ軸に平行な断面は同一形状となる比較的制作が容易で安価なプラスチックレンズを採用している。上記の定義は、本座標入力装置で必要とするレンズとしての有効面のみがその定義を満足していれば良く、設置のための支持部材等をそれ以外の領域に設けてレンズ取り付けを容易にすること等はプラスチックレンズの一体成形で容易であり、機能上問題がない。またガラス等の他の部材によるレンズであっても良いことは言うまでもない。
【0105】
さて課題の項でも説明したように、実施形態1の座標入力装置の結像光学系の光学的配置及び円柱状レンズ等の光学特性の影響で座標算出精度が大きく劣化する位置は、座標入力有効エリアの4隅部となるが、高精度に座標を導出するために、図15を用いてその演算、補正方法について説明する。
【0106】
図15は実施形態1の座標演算処理の詳細な処理フローを示すフローチャートである。
【0107】
まず、上述の図12で算出した画素座標αXから座標を算出するためには、初期動作時には基準点を設定するための所定値を算出しておく必要が有り、ステップS003において、その所定値を算出するルーチンなのか(基準点設定モード)、その所定値に基づいて通常の座標値を算出するモード(座標算出モード)なのかを判定する。
【0108】
尚、基準点設定モードは、通常、工場出荷時に行われ、座標入力装置本体に用意された所定スイッチあるいは指示具4からの指示に基づいて実行される。
【0109】
基準点設定モードである場合は、実施形態1では、従来技術に対して、スクリーン10上の少なくとも3つの既知の点の座標値(Xcont,Ycont)及びその各々における重心値αXcont、αYcontを算出する。この算出された3つの既知の点の座標値及びその重心値に基づいて、より高精度な座標演算を実現する。
【0110】
具体的には、まず、ステップS002において、カウンタcont=0の時のスクリーン10上の1つ目の既知の点の座標値(X0,Y0)を指示して、上述のステップS202〜ステップS211の処理を実行することで、その座標値と重心値αX0、αY0を算出する。次に、ステップS003において、基準点設定モードであるか否かを判定する。基準点設定モードでない場合(ステップS003でNO)、ステップS004に進む。一方、基準点設定モードである場合(ステップS003でYES)、ステップS009に進む。
【0111】
ステップS009において、算出した座標値及び重心値αX0を不揮発メモリ9に記憶する。ステップS010において、カウンタcontを1インクリメントする。そして、ステップS011において、カウンタcontのカウンタ値が2より大きいか否かを判定する。2より小さい場合(この場合、cont=1であり、ステップS011でNO)、ステップS002に進み、2つ目の既知の点の座標値(X1,Y1)を指示して、上述のステップS202〜ステップS212の処理を実行することにより、ステップS009において、その座標値と重心値αX1、αY1を不揮発メモリ9に記憶する。そして、ステップS010で、カウンタcontが1インクリメントされ、そのカウンタ値が2となる。この場合、カウンタ値は2より大きくないので、再度、ステップS002に戻り、3つ目の既知の点の座標値(X2,Y2)を指示して、上述のステップS202〜ステップS212の処理を実行することにより、ステップS009において、その座標値と重心値αX2、αY2を不揮発メモリ9に記憶する。そして、ステップS010で、カウンタcontが1インクリメントされ、そのカウンタ値が3となる。これにより、ステップS011において、カウンタcontのカウンタ値が2より大きくなり、ステップS012に進む。
【0112】
以上の処理により、既知の点の座標値(X0、Y0)〜(X2、Y2)、その重心値αX0〜αX2、αY0〜αY2が、基準点として不揮発メモリ9に記憶される。
【0113】
尚、本実施の形態においては、第1の既知の点(X0、Y0)を座標入力有効エリアの中央位置、第2の既知の点(X1、Y1)を各象現(図14(a)における座標入力有効エリアの1/4領域)における座標入力有効エリアの中央位置(cont=1)、第3の既知の点(X2、Y2)を座標入力有効エリアの4隅部の少なくとも1つとしている。
【0114】
尚、第3の既知の点は、図14(a)に示すとおり、座標入力有効エリア内において光スポット5からの光線とZ軸との間の角度θが最大となる点である。
【0115】
上述したように、円柱状レンズ90Xを結像光学系に有するこの種の座標入力装置においては、円柱状レンズ90Xの軸と光スポット5からの光線が成す角度が最大となる位置において、レンズ等の光学的特性により座標算出精度が劣化する。また、その劣化の発生割合は、座標入力位置(X軸方向及びY軸方向の両者)に依存しX軸の値が増大するにつれ、かつY軸の値が増大していくことで、非線型的に劣化する(図16参照)。
【0116】
そして、この非線型的に座標算出精度が劣化する現象を抑制し、高精度な座標算出を可能とするために、実施形態1では、3つの既知の点の座標値及びその重心値を用いて、高精度な座標算出を実現する。この座標算出方法を示したのが、ステップS004以降の処理及びステップS012の処理である。
【0117】
ステップS004では、ステップS009で不揮発メモリ9に記憶された重心値αX0、αX1及びその座標値(X0、Y0)及び(X1、Y1)を用いて、下記の式(3a)により任意の点の光スポット5の位置X’を概略演算が可能となる(第1の演算)。
【0118】
X’=(X1−X0)(αX−αX0)/(αX1−αX0)+X0 (3a)
ここで、上記式(3a)により、座標算出精度が最も悪くなる第3の既知の点の座標値(X2、Y2)におけるセンサの出力重心値αX2を用いてX’を算出すれば、既知の座標X2とこの値の差が、座標算出測定誤差ΔXとなる(ステップS012)。
【0119】
この誤差ΔXを補正係数として用いることで、出力座標値を校正することになるが、この補正係数ΔXを、前述既知の位置における出力画素を記憶する際に、この値を演算して不揮発メモリ9あるいは信号処理部7に記憶しても良いことは言うまでもない。尚、y方向に関しても式(3a)に対応する式(3b)を用いて、Y’を算出することができる。このY’とY2との差ΔYも補正係数として不揮発メモリ9に記憶しておく。
【0120】
Y’=(Y1−Y0)(αY−αY0)/(αY1−αY0)+Y0 (3b)
図17に示されるように、Xの値が大きく、かつYの値が大きくなるにつれて、光学的特性により座標算出精度が劣化する(図14(a)、座標入力有効エリアのハッチング部分であって、特に、cont=2の部分)。従って、式(3a)及び式(3b)による第1の演算による出力座標値(X’、Y’)を用いて、この出力座標値がハッチング部分の判定領域に相当するかの判定を行い、ステップS005において、座標校正の必要の有無を判定する。判定領域外(ハッチング部以外)である場合、座標校正の必要がないとして、ステップS006に進み、第1の演算による座標値(X’、Y’)を確定値とし、ステップS008において、座標値を出力する。
【0121】
一方、判定領域内である場合、座標校正の必要があるとして、ステップS007に進み、第1の演算により出力された座標値(X’、Y’)と補正係数ΔXを用いて、下記の式(4)により座標値を補正(第2の演算)し、ステップS008において、その補正した座標値を出力する。
【0122】
X=X’+ΔX(X’−X1)(Y’−Y1)/(X2−X1)(Y2−Y1) (4)
上記式(4)は、第1の演算による座標値(X’、Y’)の両方を用いて確定座標Xを算出(XはX’及びY’の従属関数)することで、座標入力位置による非線形的な座標算出誤差発生に対応すると共に、第1の演算のみによる座標算出(ステップS004、S006)によるか、第2の演算による座標算出(ステップS004、S007)によるか、その判定領域境界部分に座標入力が行われた場合であっても、同一の座標値が算出できるように構成されている。つまり、判定領域の境界上の座標入力であっても、演算方法による差による座標値の差が発生しない、座標入力装置の分解能を低下させることがない優れた利点が得られるように構成されている。
【0123】
尚、(4)式に対応するy方向に関する式(第1項のX’をY’に、第2項のΔXをΔYに置き換える)を用いて、補正されたYを算出することができる。
【0124】
また、上記演算はステップS005にて領域判定を行っているが、誤差の発生の非線形性(X軸の値が大きく、かつY軸の値が大きくなるにつれて、より座標算出精度が低下する)を考慮して、次式に示すような高次の補正式を用いて、ステップS005における判定を行わずに、常に、第2の演算を実行するようにしても良く、上述した方法と同等の座標算出性能を得ることが可能となる。さらには、この演算式を用いることにより、判定条件式がなくなるので、処理の高速化を図ることが可能であり、どちらの演算式を用いるかは、CPU、あるいはメモリ等の構成仕様により、適宜選択すれば良い。
【0125】
X=X’+ΔX(X’/X22(Y’/Y22
以上の処理により、従来方法による座標演算結果である座標算出精度(図17)に比べ、実施形態1による座標演算結果でる座標算出精度(図16)から明らかなように、座標算出精度が大幅に改善されていることが分かる。
【0126】
以上説明したように、実施形態1によれば、スクリーン10上の既知の位置の座標値及び重心値を記憶すると共に、算出した座標値に領域判定による演算方法の改良を計ることによって、分解能を低下させることなく座標算出精度を大幅に改善すると共に、単純な形状の円柱状レンズを用いて実施が可能なので、低コストで、高精度、高分解能に座標を出力する座標入力装置を実現することができる。
【0127】
尚、上記実施形態によって確定した座標値をそのままリアルタイムで出力することも可能であるし、目的に応じてデータを間引く(例えば、確定座標10個毎で1個のデータのみ出力)等も可能であることは言うまでもないが、以下の仕様を想定する場合には、重要である。
【0128】
指示具4をペンのように使う場合と、ポインタとして画面から離れて使う場合とでは、使用者の手の安定性が異なる。ポインタとして使う場合には、画面上のカーソルが細かく震えてしまうので、このような細かい動きを抑制したほうが使いやすい。一方、ペンのように使う場合には、できるだけ忠実に速く追従することが求められる。特に、文字を書く場合などには小さな素早い操作ができないと、正しく入力できなくなってしまう。
【0129】
実施形態1では、制御信号によりIDを送信しているため、ポインタタイプか否かを、先端のスイッチが押されているか否かで判定可能なので、これにより、ポインタとして、あるいはペンとして使っているかどうかを判定できる。ポインタである場合は、例えば、前回及び前々回の座標値(X−1,Y−1)、(X−2,Y−2)を用いて移動平均を算出して、今回の出力座標値(X,Y)を算出するようにすれば、ぶれの少ない操作性の良い構成となる。
【0130】
実施形態1では、ポインタとして使用している場合における座標算出は、単純な移動平均を用いているが、このような移動平均を算出するための平滑化処理に用いる関数としては、他にも差分絶対値を大きさにより非線型圧縮したり、移動平均による予測値を用いて、これとの差分を非線型圧縮するなどの各種方式が使用可能である。つまり、ポインタとして使用している場合は、平滑化を強目にし、ペンとして使用している場合は弱めに切り替えることが、制御信号により可能である。そのため、それぞれ使い勝手のよい状態を実現可能であり、この点でも本発明の効果は大きい。
【0131】
尚、これらの座標演算処理は、前述したように座標サンプリングレートが100Hzの場合には10msecの間に終了すればよく、データは64画素×2(X座標およびY座標)×AD変換回路の8ビットと非常に少ない上、収束演算も必要ないので低速の8ビット1チップマイクロプロセッサで十分処理が可能である。このようなことは、コスト的に有利なだけでなく、仕様変更が容易で、開発期間の短縮や様々な派生商品の間発が容易になる利点もある。特に、エリアセンサを用いる場合のように、高速の画像データ処理を行う専用のLSIの開発などは不要であり、開発費用、開発期間などの優位性は非常に大きなものである。
【0132】
また、上述したような演算処理によって算出した座標値(X,Y)を示すデータ信号は、座標演算部32から通信制御部33に送られる。この通信制御部33には、そのデータ信号と、制御信号検出部72からの制御信号とが入力される。そして、これらデータ信号および制御信号は、ともに所定の形式の通信信号に変換され、外部の表示制御装置に送出される。これにより、スクリーン10上のカーソルやメニュー、文字や線画の入力などの各種操作を行うことができる。前述したように、64画素のセンサアレイを使った場合でも、1000超の分解能と十分な精度とが得られ、リニアセンサ、光学系ともに小型、低コストな構成でよく、また、演算回路も非常に小規模な構成とすることが可能な座標入力装置を得ることができる。
<実施形態2>
図18は実施形態2の座標検出器の詳細構成を示す図である。
【0133】
尚、実施形態2の座標検出器は、実施形態1の座標検出器の変形例であり、同一の構成要素については、同一の参照番号を付加し、その詳細については省略する。
【0134】
実施形態2の座標検出器1は、結像光学系によって光の到来方向を検出する4つのリニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybとが設けられている。そして、指示具4に内蔵された発光素子41からの光ビームにより、スクリーン10上に生成された光スポット5からの拡散光をそれぞれ受光する。
【0135】
実施形態1でも説明したように、受光素子6には、集光光学系としての集光レンズ6aが装着されており、スクリーン10上の全範囲から高感度で所定波長の光量を検知する。この検知出力は、周波数検波部71によって検波された後、制御信号検出部72において制御信号(指示具4の発光制御部42によって重畳された信号)などのデータを含むデジタル信号に復調される。
【0136】
また、実施形態2では、タイミング信号を送信するコード等の手段を有しないため、変調信号によってリニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybを制御することになる。また、後述するが、信号検出は、発光時と非発光時時の差分によって行う。そして、そのシャッタタイミングと発光タイミングをあわせるために、上記変調信号のタイミングを用いて、リニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybのリセット信号を発生させている。
【0137】
ここで、周波数検波部71で扱われる信号のタイミングチャートについて、図19を用いて説明する。
【0138】
図19は本実施形態で扱われる信号のタイミングチャートである。
【0139】
図19において、8−1がペンダウン時の変調信号を周波数検波部71で検波した後の信号IRである。このIR信号は、いわば、発光している期間をあらわしているため、リニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybのシャッタタイミングをこの信号に同期させる必要がある。
【0140】
一方、8−2が、リニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybのシャッタ周期をあらわすもので、L(ローレベル)の時に発光時の検出を行い、H(ハイレベル)の時に非発光時の検出を行うタイミングを示す信号IRCLKである。このIRCLK信号は、リニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybに供給されているクロックによって、リニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybから出力される。このIRCLK信号と、発光期間を同期させるために、8−1で示すIR信号が検出されたら、IR信号とIRCLK信号が同期する程度の一定量の遅延時間をもって、8ー3で示すリニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybにクリア(CLR)信号を出力する。
【0141】
このクリア動作によって、同期が可能になる。遅延量は、CLR信号が終了後、IRCLK信号がLOWになる時間によって、決定すればよい。
<結像光学系の動作説明>
図20はリニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybの配置関係を示す図である。
【0142】
図20において、結像光学系としての円柱状レンズ90Xa,90Xb、90Ya,90Ybによって光スポット5の像が、リニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybの各センサの感光部21Xa、21Xb、21Ya、21Ybに線状に結像する。これらリニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybを正確に直角に配置することによって、それぞれがX座標、Y座標を反映した画素にピークを持つ出力が得られる。
【0143】
そして、これらリニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybは、センサ制御部31によって制御され、出力信号はセンサ制御部31に接続されたAD変換部31Aによってデジタル信号として座標演算部32に送られる。座標演算部32は、入力されたデジタル信号より出力座標値を計算し、その計算結果を制御信号検出部72からの制御信号などのデータと共に通信制御部33を介して、所定の通信方法で外部制御装置(不図示)に送出する。また、調整時など通常と異なる動作(例えば、ユーザ校正値の設定)を行わせる場合は、通信制御部33からセンサ制御部31、座標演算部32へモード切換信号が送られる。
【0144】
尚、光スポット5の像に関するリニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybの構成は、実施形態1のリニアセンサ20X、20Yと同様である。また、各リニアセンサの詳細構成及び出力波形における説明は、実施形態1の図8〜図10と同様である。
【0145】
次に、リングCCD部26の出力制御におけるタイミングチャートについて、図21を用いて説明する。
【0146】
図21は実施形態2のリングCCDの出力制御におけるタイミングチャートである。
【0147】
まず、IR信号から一定遅延時間後のCLR信号によりすべての動作がクリアされる。このあと、指示具4による入力があると、CCDOUT信号のような検出信号が、積分動作によって大きくなる。そして、一定レベル(VTH)を超えると、コンパレータの出力CMPOUT信号が立ち下がりリングCCD26の積分動作を停止させる。センサ制御部31は、このCMPOUT信号が下がるとAD変換を開始する。AD変換期間は、ADSMPL信号で示したように、リングCCD26の画素出力すべてに対して行われる。
【0148】
上述のように、リングCCD26の出力が、一定レベルを超えない場合には、センサ制御部31は、クリアからの経過時間をカウントし、あらかじめ定めた一定時間を過ぎているような場合には、強制的にAD変換動作を行う。このようにしておけば、入力が小さい場合でも、一定サンプリング時間内に必ずサンプリングが行われるようになる。
【0149】
AD変換は、図22に示すようなタイミングで行われる。つまり、リングCCD26の出力であるCCDOUT信号は時間軸を拡大すると、図22のように画素単位の検出光レベルに応じた電圧で出力される。この信号を、サンプリングパルスSPのタイミングで画素毎にAD変換し、センサ制御部31は、そのレベルをメモリなどに記憶する。
【0150】
上記のような動作を、各座標軸に対応したリングCCD部26のすべてに対して行い、後述の座標計算を行う。
【0151】
また、座標検出器1に到達する指示具4の光は、指示具4に内蔵された電源部(電池)44の消耗により変動する他、指示具4の姿勢によっても変動する。特に、スクリーン10の光拡散性が小さい楊合、表示画像の正面輝度は向上するが、この指示具4の姿勢による座標検出器1への入力光量の変動が大きくなってしまう。しかしながら、実施形態2では、このような場合であっても、積分回数が自動的に追従して常に安定した出力信号を得ることができるので、安定した座標検出が可能となる。
【0152】
以上説明したように、点滅光に高周波数のキャリアを加え、そのキャリアを周波数検波して得た所定周期の復調信号によって積分動作のタイミング制御を行うようにしたので、指示具と搬像部とをコードレスで同期させることができ、使い勝手の良い座標入力装置を実現することができる。また、積分部からの差分信号中のピークレベルを関しし、積分動作を停止させる積分制御手段を設けたので、光量が変化してもほぼ一定レベルの光スポット像の信号を作成でき、これにより、常に安定した高分解能な座標演算結果を得ることができる。
<座標値演算>
座標演算部32における座標演算処理について説明する。
【0153】
上述したようにして得られた4つのリニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybの出力信号(アンプ29からの差分信号)は、センサ制御部31に設けられたAD変換部31Aでデジタル信号として座標演算部32に送られ、座標値が演算される。座標値の演算は、まず、X座標、Y座標の各方向の出力に対して求める。尚、演算処理は、X座標、Y座標同様であるので、X座標値の演算についてのみ説明する。
【0154】
リニアセンサ20Xa,20Xbはそれぞれ、図23に示すように、スクリーン10の縦半分の検出領域として構成されており、その中央付近では、検出領域が重複している。
【0155】
リニアセンサ20Xaは、スクリーン10のSXa領域に光スポットがある場合に光を検出し、リニアセンサ20Xbはスクリーン10のSXb領域に光スポットがある場合に光を検出する。重複領城では、両センサで検出が行われる。その時のリニアセンサ20Xa,20Xbの出力について、図24を用いて説明する。
【0156】
図24はリニアセンサの出力を模式的に示す図である。
【0157】
中央の重なりの部分に光スポットがある場合には、15−1に示すように、リニアセンサ20Xa,20Xbともに出力が現れる。一方、SXb領域に光スポットがある場合には、15−2に示すように、リニアセンサ20Xbのみに出力が現れる。このように理想的に重複部分以外では、一方の出力がある場合には、例えば、一方の座標値を元に、その値が、基準点を超えたか否かで、切り換えの判定を行い、座標値を連結する。
【0158】
しかしながら、ノイズ、あるいは漏れ光、外乱光などによって、15−3に示すような本来の光スポット以外の所に、出力が生じる場合がある。
【0159】
このような時に、一方の座標値で判定を行っていると、間違った判定をしてしまい表示画面上で、いきなり違う点にカーソルなどが表示され、例えば、描画中であると、不要な線が引かれてしまうことになる。そこで、本発明では、得られたリニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybの出力のピーク値に基づいて、座標値の判定を行う。
【0160】
次に、実施形態2の座標演算処理の処理フローについて、図25を用いて説明する。
【0161】
図25は実施形態2の座標演算処理の処理フローを示すフローチャートである。
【0162】
尚、リニアセンサ20Xa,20Xbの各リングCCD26の出力をDXa、DXbとする。この値は、先に説明したように、AD変換された値であるから、リングCCD26の各画素ごとの光検出量に応じた電圧値である。そこで、各データの最大値をもって、ピークレベルを決定することができる。
【0163】
また、リニアセンサ20Xa,20Xbで検出される座標を、それぞれCCDXa、CCDXbとする。
【0164】
まず、ステップS301で、任意の座標入力点での各画素の差分信号である差分データDXa(n)(実施形態2の場合、画素数n=64)が読み込まれ、バッファメモリ(不図示)に貯えられる。ステップS302で、このデータのピークレベルを求め、Xapとして記憶する。次に、ステップS303で、あらかじめ設定しておいた閾値Vと比較し、閾値以上のデータ値Exa(n)を算出する。このデータ値Exa(n)を用いて、ステップS304で、リニアセンサ20Xa上の座標CCDXaを算出する。実施形態2では、重心法により出力データの重心を算出しているが、出力データExa(n)のピーク値を求める方法(例えば、微分法による)等、計算の方法はこれに限定されないことは言うまでもない。
【0165】
同様にして、リニアセンサ20Xb上の座標CCDXbも算出する。
【0166】
これら算出された座標値は、リニアセンサ20Xa,20XbのそれぞれのリニアCCD26上での画素に対応した座標である。そのため、これらの座標値を連結することで一つのリニアセンサ20Xa,20Xb上での座標値として扱えるようになる。
【0167】
そこで、リニアセンサ20Xa,20XbのそれぞれのリニアCCD26上での画素に対応した座標値を連結するための基準座標を定義する。
【0168】
この基準座標の定義について、図26を用いて説明する。
【0169】
図26は実施形態2の基準座標の定義を説明するための図である。
【0170】
図26は、リニアセンサ20Xa,20XbのそれぞれのリニアCCD26の座標を概念的に配置した構成を示している。リニアセンサ20Xa,20Xbの検出領域は、先に説明したように重複部分を有しているため、その座標位置を重ねると、同図のようになる。
【0171】
この時、リニアセンサ20Xa,20XbのそれぞれのリニアCCD26が共に測定可能な領域で、基準点をあらかじめ定義する。つまり、スクリーン10上の重複部分に入力を行い、座標CCDXa,CCDXb(CCDXa_org,CCDXb_org)として読み込む。これらの値を、基準点データ(基準座標)として、EEPROM等の不揮発性メモリ(不図示)に記憶しておき、通常の使用時にはこの値を読み出して、座標値演算を行う。
【0172】
以下、これらの基準点データを用いて、リニアセンサ20Xa,20XbのそれぞれのリニアCCD26上での画素に対応した座標値を連結した連結座標CCDXの算出処理について、図27を用いて説明する。
【0173】
図27は実施形態2の連結座標CCDXの算出処理の処理フローを示すフローチャートである。
【0174】
まず、ステップS307で、リニアセンサ20Xa,20XbのそれぞれのリニアCCD26の基準点データ(CCDXa_org,CCDXb_org)をメモリから読み込む。ステップS308で、指示具4からの入力がなされた時に計算されるCCDXa、CCDXbの値と、基準点データの差分を算出する。これにより、図26の中央付近にある直線L1の点を原点としたリニアCCD上の座標に変換される。
【0175】
次に、ステップS309で、先に記憶しておいたリニアセンサ20Xa,20Xb各々のピークレベルXaP、XbPを比較する。通常、外乱光などによる信号は、正規の光スポットによる信号よりかなり小さいため、ピーク値の大きい方を正規の座標として採用する。このようにして、L1を境にリニアセンサ20Xa,20XbのそれぞれのリニアCCD26の両リニアCCDの座標値を連結できる。
【0176】
具体的には、ピークレベルXaPがピークレベルXbPより大きい場合(ステップS309でYES)、ステップS310に進み、CCDX=CCDXaとして、ステップS312に進む。一方、ピークレベルXaPがピークレベルXbP未満である場合(ステップS309でNO)、ステップS311に進み、CCDX=CCDXbとして、ステップS312に進む。
【0177】
そして、ステップS312で、スクリーン10上の座標値を一致させるために、上記の処理で得られたCCDXからスクリーン10上の座標値Xへの変換であるスクリーン座標計算を行う。尚、この処理の詳細については、後述する。
【0178】
以上の処理は、X座標について説明を行ったが、同様にして、Y座標についても行う。
【0179】
そして、上述のような演算処理によって算出した座標値(X,Y)を示すデータ信号は、座標演算部32から通信制御部33に送られる。この通信制御部33には、そのデータ信号と、制御信号検出部72からの制御信号とが入力される。そして、これらデータ信号および制御信号は、ともに所定の形式の通信信号に変換され、外部の表示制御装置に送出される。これにより、スクリーン10上のカーソルやメニュー、文字や線画の入力などの各種操作を行うことができる。
<基準点設定>
CCD座標値とスクリーン10上の座標値と一致させるためには、CCD座標値をスクリーン10上の座標値へ変換するための倍率、原点の座標値などの情報をあらかじめ、決定しておく必要がある。そのために、既知の複数の座標位置(基準点)のCCD座標を取得し、不揮発メモリ等に記憶する。
【0180】
図28は実施形態2の基準点の座標位置例を示す図である。
【0181】
まず、基準となる原点を設定する。その際には、同図P0位置に入力を行い、その時のCCD座標値を記憶する。この時、リニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybの重複部分を、この位置に設定しておけば、上述のようなリニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybの座標値を連結するための基準点入力を兼ねることも可能である。
【0182】
次に、原点にたいして、倍率決定のための入力を行う。実際には原点から既知の点一点の情報があれば倍率は計算可能である。
【0183】
しかしながら、レンズの収差、ばらつき等によって、入力位置(基準点)によって、倍率にばらつきが生じる。
【0184】
図29は実施形態2の基準点による倍率のばらつき例を示す図である。
【0185】
この図は、基準点のCCD座標値の出力を示している。
【0186】
例として、図28の基準点P0からP7間のCCD座標値の理論値は線形性のある直線状のデータ列となる。これに対し、基準点P0からP3間のCCD座標値の実測値は、理論値と同様、線形性にCCD座標値の出力が得られるが、基準点P7付近では、CCD座標値は線形性でなくなり、CCD座標値の理論値の直線状のデータ列からずれてしまうことがある。このような場合に、例えば、基準点P7で、倍率のためのデータを取得し、それを元に座標計算を行うと、全体的に誤差を生じてしまうことになる。
【0187】
そこで、倍率決定のためには、P3点などの、比較的、CCD座標値の理論値に近いCCD座標値の実測値を得ることができる基準点でのCCD座標値を用いる。
【0188】
上述してきたように、複数のリニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybを用いて連結して座標値を得るので、図28のように、各々リニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybの用いられる範囲は、図中Xa,Ya,Xb,Ybで示される領域になる。
【0189】
円柱状レンズ90Xa,90Xb,90Ya,90Yb自体は、各リニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybに対して用意してあるので、結局、Xa,b、Yabそれぞれがばらつきを有することになる。
【0190】
そこで、各リニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybに対応した倍率を求める必要があり、そのために、基準点P3以外にも、基準点P1,P2,P4の各点でのリニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybの出力を記憶する。
【0191】
基準点P0が図28のように重複部分に存在するとすると、この点ではXab,Yabの各々の値が取得される。この時のリニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20YbのCCDデータをP0Xa、P0Ya、P0Xb、P0Ybとする。基準点P0は原点であるので、この場合には、スクリーン10上の座標値は(X_P0,Y_P0)=(0,0)である。
【0192】
倍率の決定は、基準点P3を例にとり、基準点P3でのCCD座標をP3Xa、P3Yaとし、スクリーン10上の座標値をX_P3、Y_P3とした場合、倍率α3x、α3yは
α3x=(X_P3−X_P0)/(P3Xa−P0Xa) (5)
α3y=(Y_P3−Y_P0)/(P3Ya−P0Ya) (6)
で計算される。
【0193】
このように、各基準点に対して計算された倍率をもって、CCDX座標値に掛け合わせることでスクリーン10上の座標値を計算することができる。
【0194】
実際の計算では、まず、得られたCCDX、CCDY座標値から、領域判定を行い、各領域に対応した倍率α1、2、3、4を用いて計算を行う。
【0195】
このようにして、線形性の良い基準点での倍率を決定したが、図28のように、基準点P7付近(スクリーン10周辺部)では線形性が低下しているので、スクリーン10周辺部では誤差を生じることになる。
【0196】
実際の機器では、スクリーン10の有効投影範囲以外に余白となる部分が設定されるが、この領域が小さい場合には、入力がその部分で制限され、実際の投影範囲に入力できない部分が発生する可能性がある。
【0197】
通常のPC使用環境では、メニューバー等を画像周辺部へカーソルを移動することで、表示するような場合があり、このように、誤差が発生していると、その操作を阻害する可能性がある。
【0198】
そこで、倍率は、そのままに、スクリーン10周辺部への入力を可能とするために、基準点P5からP8までのCCD座標値を取得、記憶しておき、固定入力点のデータとする。ここで言う固定入力点とは、入力がその位置になされた場合、必ず、あらかじめ設定された点の座標を出力する点である。
【0199】
つまり、その固定入力点でのCCD座標が得られた場合には、倍率に関わらずスクリーン10上の固定の座標値を出力する。
【0200】
そのさい、その点だけを強制的に固定座標値にすると、急に座標値がかわってしまい、使用感を低下させるので、適当な点(例えば、基準点P7に対して基準点P3)のような点から、徐々に変化させる必要がある。
【0201】
ここで、座標系を図28の基準点P0から右をXプラス方向、基準点P0より下をYプラス方向とした場合に、得られたCCD座標値に倍率を乗じたものがX_P3より大きく、Y_P3より小さい場合、以下の式で重みを変えて、座標計算を行う。
【0202】
X=(CCDX*α3x)+(X−X_P3)/(X_P7−X_P3)) *((Y−Y_P3)/(Y_P3−Y_P7))
*(X_P7−(p7x*α3x)) (7)
Y=(CCDY*α3y)+(X−X_P3)/(X_P7−X_P3)) *((Y−Y_P3)/(Y_P3−Y_P7))
*(Y_P7−(p7y*α3y)) (8)
他の領域についても、各々基準点P1と基準点P5、基準点P4と基準点P6、基準点P2と基準点P8の組み合わせで同様の計算を行えば良い。
【0203】
また、上記式は、一例であり、より高次の式を用いても良い。
【0204】
以上のようにして、スクリーン10上の座標値と一致するCCD座標値を計算することができる。これは、図27のステップS312のスクリーン座標の計算処理に相当する。
【0205】
以下、図27のステップS312の処理の詳細について、図30を用いて説明する。
【0206】
図30は実施形態2のステップS312の処理の詳細を示すフローチャートである。
【0207】
まず、ステップS402で、不揮発メモリ等に記憶された基準点P0〜P8でのCCD座標値を読み出す。このCCD座標値と、スクリーン10上の基準点P0〜P8に対応する既知の座標値を用いて、式(5)、(6)を用いて倍率を計算する。
【0208】
ステップS404で、入力された各リニアセンサのCCD座標値を読み出す。次に、ステップS405で、読み出したCCD座標値を連結する。
【0209】
次に、ステップS406で、連結されたCCD座標値から、その座標値がスクリーン10上のどの象現に入るか判定する。これは、原点座標との比較で行えば良く、例えば、図28に示すように、第1象現をS1、以下各象現毎にS2,S3,S4とする。
【0210】
判定された象現によって、各々の象現の計算に振り分けられる。
【0211】
例えば、第1象限S1について説明すれば、ステップS411で、第1象限S1の倍率と連結されたCCD座標値を乗じて、スクリーン座標を計算する。次に、ステップS415で、計算されたスクリーン座標が固定入力点となる固定エリアであるか否か判定する。この判定は、第1象限S1の場合では、上述したように、基準点P3の座標値で判定すれば良い。他の象現も同様にして判定すれば良い。
【0212】
ステップS415において、固定エリアでない場合(ステップS415でNO)、ステップS423に進み、その計算されたスクリーン座標を出力する。一方、固定エリアである場合(ステップS415でYES)、式(7)、(8)を用いて固定エリアに対するスクリーン座標を計算する。そして、ステップS423に進み、その計算されたスクリーン座標を出力する。座標送出後は、すでに倍率等は計算されてメモリに貯えられているので、再度、ステップS404に戻る。
【0213】
ここでは、第1象限S1について説明したが、他の象現でも用いる基準点の座標値が異なるだけで、演算方法は同様である。
【0214】
以上のように、既知の基準点のCCD座標値を取得し、不揮発性メモリに記憶しておく。そして、記憶されたCCD座標値を用いて、原点、倍率、固定入力点を計算し座標計算を行うことで、より高精度の座標入力装置を提供可能になる。
【0215】
尚、複数の基準点のCCD座標値の取得は、既知の入力位置に入力できる治具を用いてもよいし、また、画面上で出荷時に設定することもできる。
【0216】
例えば、通信制御部33に対して、スクリーン10上の基準点の座標値を送信すると、ホストコンピュータ側のドライバがスクリーン10上のその位置にカーソルを表示する。そして、そのカーソル位置に対して、入力を行えば基準点のCCD座標値が得られる。順次、送出する座標値を変更して繰り返しこの処理を行えば、図31に示すごとく、9点の基準点のCCD座標値をホストコンピュータ等の外部接続装置側で入力することができる。
【0217】
図31は実施形態2の9点の基準点の座標値を入力する場合の処理を示すフローチャートである。
【0218】
外部接続装置では、基準点取得モードに入ると、ステップS502で、CCD座標値を取得する基準点Pn(ここでは、n:1,2,…,8,9)に基準…P0のスクリーン10の座標値をセットする(ここでは説明を簡単にするため、X,Yに細かく分けて説明していないが、X,Y共にセットされている)。
【0219】
次に、ステップS503で、基準点PnにおけるCCD座標値の取得回数を計測するためのカウンタをクリアする。これは、基準点のCCD座標値をより精度良くするために、同一の基準点のCCD座標値を複数回取得し、その取得された複数のCCD座標値の平均値をその基準点のCCD座標値とするためである。また、この取得回数は、装置のノイズ等の状態に応じて、要求される精度に基づいて決定すればよい。
【0220】
次に、ステップS504で、先にセットした基準点の座標値を送出する。ステップS505で、その基準点に対するCCD座標を取得し、メモリに記憶する。ステップS507で、取得回数のカウンタをインクリメントする。ステップS508で、規定回数取得したか否かを判定する。
【0221】
規定回数に達していない場合(ステップS508でNO)、ステップS505に戻る。規定回数に達している場合(ステップS508でYES)、ステップS509に進み、同一の基準点に対して取得した複数のCCD座標値の平均を計算し、この平均のCCD座標値を各基準点毎に用意されたメモリに格納する。
【0222】
ステップS510で、処理対象が最後の基準点Pnであるか否かを判定する。最後の基準点Pnでない場合(ステップS510でNO)、ステップS511に進み、処理対象の基準点Pnを1インクリメントして、ステップS503に戻る。一方、最後の基準点Pnである場合(ステップS510でYES)、ステップS512で、得られた各基準点のCCD座標値を不揮発メモリ9に格納する。
【0223】
このような作業は、毎回電源投入時に行ってもよいが、一般的に出荷時に行えば良い。
【0224】
以上説明したように、実施形態2によれば、複数の基準点のCCD座標値を不揮発性メモリに記憶しておき、これらのCCD座標値から最終的なスクリーン10上の座標値を得るための原点、倍率、固定点を算出し、座標演算を行うことで、高精度な座標入力装置を提供可能になる。
【0225】
また、本発明中の基準点の数は、これに限定するものでは無く、各システムの構成により決定すればよい。
【0226】
また、基準点の数は、上記9点に限定せずとも、システムに合わせて決定すれば良い。
【0227】
尚、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0228】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0229】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0230】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0231】
更に、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0232】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0233】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高精度、高分解能であり、操作性に優れた座標入力装置及びその制御方法、プログラムを安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の座標入力装置の概略構成を示す図である。
【図2】実施形態1の指示具の詳細構成を示す図である。
【図3】実施形態1の指示具の動作モードを示す図である。
【図4】実施形態1の座標検出器の詳細構成を示す図である。
【図5】実施形態1の制御信号の復元動作におけるタイミングチャートである。
【図6】実施形態1で扱われる信号のタイミングチャートである。
【図7】実施形態1のリニアセンサの配置関係を示す図である。
【図8】実施形態1のリニアセンサの詳細構成を示す図である。
【図9】実施形態1のリニアセンサの出力波形の一例を示す図である。
【図10】実施形態1のリニアセンサのスキム動作を説明するための出力波形の一例を示す図である。
【図11】実施形態1のリニアセンサの動作制御を示すフローチャートである。
【図12】実施形態1の座標演算処理の処理フローを示すフローチャートである。
【図13】実施形態1の座標演算に関する説明図である。
【図14】実施形態1の結像光学系の構成例を示す図である。
【図15】実施形態1の座標演算処理の詳細な処理フローを示すフローチャートである。
【図16】実施形態1の座標入力装置の座標算出精度の分布を示す図である。
【図17】従来の座標入力装置の座標算出精度の分布を示す図である。
【図18】実施形態2の座標検出器の詳細構成を示す図である。
【図19】実施形態2で扱われる信号のタイミングチャートである。
【図20】実施形態2のリニアセンサの配置関係を示す図である。
【図21】実施形態2のリングCCDの出力制御におけるタイミングチャートである。
【図22】実施形態2のAD変換のタイミングチャートである。
【図23】実施形態2のリニアセンサの構成を示す図である。
【図24】実施形態2のリニアセンサの出力を模式的に示す図である。
【図25】実施形態2の座標演算処理の処理フローを示すフローチャートである。
【図26】実施形態2の基準座標の定義を説明するための図である。
【図27】実施形態2の連結座標CCDXの算出処理の処理フローを示すフローチャートである。
【図28】実施形態2の基準点の座標位置例を示す図である。
【図29】実施形態2の基準点による倍率のばらつき例を示す図である。
【図30】実施形態2のステップS312の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図31】実施形態2の9点の基準点の座標値を入力する場合の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 座標検出器
2 座標検出センサ部
3 コントローラ
4 指示具
5 光スポット
6 受光素子
6a 集光レンズ
7 信号処理部
8 投射型表示装置
9 不揮発メモリ
81 画像信号処理部
82 液晶パネル
83 ランプ
84 ミラー
85 コンデンサーレンズ
86 投影レンズ
20X、20Y、20Xa、20Xb、20Ya、20Yb リニアセンサ
21 センサアレイ
22 積分部
23 シフト部
24 蓄積部
25 リニアCCD
26 リングCCD
27 クリア部
28 スキム部
29 アンプ
31 センサ制御部
31A AD変換部
32 座標演算部
33 通信制御部
71 周波数検波部
72 制御信号検出部

Claims (9)

  1. 指示具からの光を座標入力面に照射して光スポットを生成し、前記光スポットに対応した座標を生成する座標入力装置であって、
    指示具からの照射により座標入力面に生成された光スポットを検出する検出手段と、
    少なくとも3個所の既知の第1乃至第3の位置における光スポットによる前記検出手段の出力情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された第1乃至第3の位置における出力情報の内、少なくとも前記第1及び第2の位置における出力情報を用いて、前記座標入力面に生成された光スポットの座標値(X’、Y’)を演算する第1の演算手段と
    前記第1の演算手段で演算された座標値(X’、Y’)と前記第3の位置における出力情報を用いて前記座標入力面に生成された光スポットの座標値(X”、Y”)を演算する第2の演算手段とを備え
    前記座標入力面の座標入力有効エリアは、矩形であり、
    前記第1の位置は、前記座標入力面の座標入力有効エリアの中央位置であり、
    前記第2の位置は、前記座標入力面の座標入力有効エリアを前記第1の位置を中央に4つの象限に区切った場合の1つの象限の中央位置であり、
    前記第3の位置は、前記1つの象限を規定する4点の内の、前記座標入力面の座標入力有効エリアの4隅部の1つに対応する位置である
    ことを特徴とする座標入力装置。
  2. 前記第2の演算手段によって演算される座標値(X”、Y”)は、前記第1の演算手段で演算された座標値(X’、Y’)の従属関数である
    ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  3. 前記第1の演算手段によって演算された座標値(X’、Y’)が前記座標入力面の座標入力有効エリア内の特定の判定領域内にあるか否かに基づいて、該第1の演算手段によって演算された座標値(X’、Y’)を出力するか、該座標値(X’、Y’)に基づいて第2の演算手段を実行して座標値(X”、Y”)を出力するかを判定する判定手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の座標入力装置。
  4. 前記検出手段は、感光部がX軸方向に直線状に配列されたX軸用センサと、感光部がY軸方向に直線状に配列されたY軸用センサとからなり、前記X軸用センサにはY軸方向に軸を有する円柱状レンズを介して光スポットの光が結像され、前記Y軸用センサにはX軸方向に軸を有する円柱状レンズを介して光スポットの光が結像され、
    前記第3の位置は、前記座標入力面の座標入力有効エリア内において、前記円柱状レンズに入射するその位置からの光線と、前記検出手段の前記感光部の垂線との間の角度が最大となる位置に設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  5. 指示具からの光を座標入力面に照射して光スポットを生成し、前記光スポットに対応した座標を生成する座標入力装置の制御方法であって、
    指示具からの照射により座標入力面に生成された光スポットを検出する検出工程と、
    少なくとも3個所の既知の第1乃至第3の位置における光スポットによる前記検出工程の出力情報の内、少なくとも前記第1及び第2の位置における出力情報を用いて、前記座標入力面に生成された光スポットの座標値(X’、Y’)を演算する第1の演算工程と
    前記第1の演算工程で演算された座標値(X’、Y’)と前記第3の位置における出力情報を用いて前記座標入力面に生成された光スポットの座標値(X”、Y”)を演算する第2の演算工程とを備え
    前記座標入力面の座標入力有効エリアは、矩形であり、
    前記第1の位置は、前記座標入力面の座標入力有効エリアの中央位置であり、
    前記第2の位置は、前記座標入力面の座標入力有効エリアを前記第1の位置を中央に4つの象限に区切った場合の1つの象限の中央位置であり、
    前記第3の位置は、前記1つの象限を規定する4点の内の、前記座標入力面の座標入力有効エリアの4隅部の1つに対応する位置である
    を備えることを特徴とする座標入力装置の制御方法。
  6. 前記第2の演算工程によって演算される座標値(X”、Y”)は、前記第1の演算工程で演算された座標値(X’、Y’)の従属関数である
    ことを特徴とする請求項に記載の座標入力装置の制御方法。
  7. 前記第1の演算工程によって演算された座標値(X’、Y’)が前記座標入力面の座標入力有効エリア内の特定の判定領域内にあるか否かに基づいて、該第1の演算工程によって演算された座標値(X’、Y’)を出力するか、該座標値(X’、Y’)に基づいて第2の演算工程を実行して座標値(X”、Y”)を出力するかを判定する判定工程を更に備える
    ことを特徴とする請求項に記載の座標入力装置の制御方法。
  8. 指示具からの光を座標入力面に照射して光スポットを生成し、前記光スポットに対応した座標を生成する手順をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    指示具からの照射により座標入力面に生成された光スポットを検出する検出手順と、
    少なくとも3個所の既知の第1乃至第3の位置における光スポットによる前記検出手順の出力情報の内、少なくとも前記第1及び第2の位置における出力情報を用いて、前記座標入力面に生成された光スポットの座標値(X’、Y’)を演算する第1の演算手順と
    前記第1の演算手順で演算された座標値(X’、Y’)と前記第3の位置における出力情報を用いて前記座標入力面に生成された光スポットの座標値(X”、Y”)を演算する第2の演算手順とをコンピュータに実行させ
    前記座標入力面の座標入力有効エリアは、矩形であり、
    前記第1の位置は、前記座標入力面の座標入力有効エリアの中央位置であり、
    前記第2の位置は、前記座標入力面の座標入力有効エリアを前記第1の位置を中央に4つの象限に区切った場合の1つの象限の中央位置であり、
    前記第3の位置は、前記1つの象限を規定する4点の内の、前記座標入力面の座標入力有効エリアの4隅部の1つに対応する位置である
    ことを特徴とするプログラム。
  9. 前記第1の演算手順によって演算された座標値(X’、Y’)が前記座標入力面の座標入力有効エリア内の特定の判定領域内にあるか否かに基づいて、該第1の演算手順によって演算された座標値(X’、Y’)を出力するか、該座標値(X’、Y’)に基づいて第2の演算手順を実行して座標値(X”、Y”)を出力するかを判定する判定手順を更に備える
    ことを特徴とする請求項に記載のプログラム。
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