JP2002023941A - 座標入力装置、座標入力装置の姿勢算出方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 - Google Patents

座標入力装置、座標入力装置の姿勢算出方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体

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JP2002023941A
JP2002023941A JP2000207104A JP2000207104A JP2002023941A JP 2002023941 A JP2002023941 A JP 2002023941A JP 2000207104 A JP2000207104 A JP 2000207104A JP 2000207104 A JP2000207104 A JP 2000207104A JP 2002023941 A JP2002023941 A JP 2002023941A
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coordinate
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axis
sensor
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Katsuyuki Kobayashi
克行 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 座標入力装置と表示装置との一体化による両
者の組み付けを簡便に、しかも正確に行えるようにす
る。 【解決手段】 複数の所定位置はY方向レンズ90Yの
軸に交差し、かつそのレンズ90Yによって集光された
光を検出するセンサ20Yの受光面の法線方向と交差
し、前述レンズ90Yの軸と平行な方向に、かつX方向
レンズの軸に対称に設定されており、当該所定位置を表
示するような信号が表示装置8に伝達され、座標入力面
10にアイコンやカーソル等のマークが表示されるの
で、各位置で生成された光スポット5に基づいてリニア
センサ20X、20Yの出力画素番号を導出する。この
とき、座標入力装置の軸と表示装置の軸とが一致してい
れば、光出力画素番号αYnはすべて同一の値を出力す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に大型ディスプ
レイの画面に指示具によって直接座標を入力することに
より、外部接続されたコンピュータを制御したり、文字
や図形等を書き込んだりするのに用いられる座標入力装
置、座標入力装置の姿勢算出方法、及びコンピュータ読
み取り可能な記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大画面ディスプレイの画面の明る
さが改善され、明るく照明された環境においても十分使
用できるようになってきており、需要が拡大されつつあ
る。そして、座標入力装置は、そのような大画面ディス
プレイと組み合わせた環境においても使用できるよう
に、外乱光に強いことがますます必要とされてきてい
る。
【0003】また、近年、無線通信手段として、赤外線
を利用する機器が増加しており、赤外、可視光ともに外
乱光は増加傾向にあるため、外乱光に強いことは、装置
の重要な特性の一つである。
【0004】しかしながら、特公平7−76902号公
報、特開平6−274266号公報に開示されているよ
うに従来のCCDセンサを用いるものは、光学フィルタ
でしか外乱光を抑制することができない。
【0005】これに対して、特許第2503182号に
開示されているPSDを用いる装置では、光強度を周波
数変調し、この変調波を同期検波することにより、外乱
光の影響を抑制できるため、光学フィルタと併用するこ
とによって、外乱光に対して強い特性を発揮する。
【0006】一方、大画面ディスプレイは、明るさの改
善と同時に高解像度化も進められている。このため、座
標入力装置の分解能も向上させる必要があるが、外乱光
に強いPSDを用いた装置ではこの点において問題があ
る。
【0007】すなわち、センサ出力電圧のダイナミック
レンジが入力範囲にそのまま対応しているため、例えば
全体を1000の座標に分解する場合には少なくとも6
0dB以上のS/N比が必要になり、さらに前記特許第
2503182号で述べられているように、直線性誤差
のデジタル補正が必須であるため、高精度なアナログ回
路と多ビットのAD変換器と演算回路とが必要になる。
さらに、センサ出力信号のS/N比は光量と光スポット
のシャープさに依存するため、前述した外乱光の抑圧だ
けでは不十分であり、明るく高精度な光学系も必要にな
る。このようなことから、装置自体が非常に高価で、大
型なものになってしまう。
【0008】CCDセンサを用い、分解能を高める手法
として、前記特公平7−76902号公報では、ビデオ
カメラを複数台同時使用することが開示されているが、
これでは装置が大型化し、高価になる。また、一台で画
素数の多いビデオカメラの場合には、複数のカメラを用
いるよりもさらに大型化し、高価となる。また、画像処
理によって、画素数よりも高い分解能を達成するには、
膨大な画像データの高速処理が必要となり、リアルタイ
ム動作をさせるには非常に大型で、高価なものとなって
しまう。
【0009】また、前記特開平6−274266号公報
では、特殊な光学マスクと信号処理とによって高分解能
が得られるようにしており、外乱光が小さく良好なS/
N比が確保できれば高分解能化が可能である。しかし、
実際には、リニアセンサでは結像が線状であり、点像と
なるエリアセンサに比べて面内で外乱光との分離ができ
ないため、外乱光の影響を受けやすく、外乱光の少ない
特殊な環境でしか実用にならないという問題がある。
【0010】そこで、外乱光の影響を抑制し、安価な座
標入力装置を提供することを目的として、特開平11−
219253号に開示されているように、筆記具に内蔵
された発光素子を点滅させ、点灯時の信号と非点灯時の
信号との差分信号をリニアセンサで検出することで外乱
光の影響を抑制し、リニアセンサのどの画素にその差分
信号が出力されているかによって、前記筆記具の位置を
検出する方式がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平11−21
9253号に開示される座標入力装置について、図4に
は、2つのリニアセンサ20X、20Yの配置関係、結
像光学系としての円柱状レンズ90X、90Yの配置関
係、及び円柱状レンズ90X、90Yによって座標入力
面10上の光スポット5の像が各リニアセンサ20X、
20Yの感光部21X、21Y上に線状に結像する様子
(図中の像91X、91Y)を示す。
【0012】これら2つのセンサ20X、20Yを正確
に直角に配置することによって、それぞれが光スポット
5のX座標、Y座標を反映した画素に光出力が最大とな
るようなセンサ出力信号が得られることになる。光スポ
ット5の像91X、91Yが各センサ20X、20Yの
画素の数倍の像幅となるように焦点調節を行って適度に
ボケを生じさせ、複数の画素から光出力が得られるよう
に構成され、この複数画素の信号の重心位置を求めるこ
とによって、光スポット5からのリニアセンサ20X、
20Yの出力画素番号αX、αYを算出することができ
る。
【0013】次に、この出力画素番号αX、αYを用いて
座標値を演算する従来技術について説明する。出力デー
タの重心(αX、αY)から座標を算出するためには、予
め既知の所定位置における光スポット5のリニアセンサ
20X、20Yの出力画素番号を記憶しておく必要があ
る。すなわち、第1の既知の点の座標値(X0、Y0)、
及び第2の既知の点の座標値(X1、Y1)における光ス
ポット5のリニアセンサ20X、20Yの出力画素番号
を各々(αX0、αY0)、(αX1、αY1)とすれば、検出
すべき任意の位置の光スポット5の位置座標(X、Y)
は、下記の式(1)、(2)で与えられる。
【0014】 X=(αX−αX0)(X1−X0)/(αX1−αX0)+X0 …式(1) Y=(αY−αY0)(Y1−Y0)/(αY1−αY0)+Y0 …式(2)
【0015】このような演算で求められる座標入力装置
の性能について示したのが図22である。同図におい
て、X軸、Y軸は座標入力面の座標値を示し、座標値
(0、0)が座標入力有効エリアの中央位置に相当し、
この原点に対しレンズ等の光学素子を幾何学的に対象に
配置すれば、各象現での光学的特性は原点を中心に対称
となる。そこで、ある象現におけるこの座標入力装置の
座標算出精度について調べた結果が図22に示されてい
る。
【0016】ここで、図13はその光学的配置をX軸方
向のみ(X軸方向センサ20X、及び円柱状レンズ90
X)示したものであり、図13のX軸、Y軸は座標入力
面の位置座標軸であって、図22のX軸、Y軸と同等で
ある。また、図22のZ軸は、本来算出すべき座標値
と、得られる座標入力装置の算出座標値の差、つまり、
この座標入力装置の座標算出精度について示したもので
ある。
【0017】この解析結果は、式(1)、(2)に示さ
れる既知の点(X0、Y0)、(X1、Y1)を、図13に
示されるように、第1の既知の点(X0、Y0)を原点
(座標入力有効エリアの中央位置)、第2の既知の点
(X1、Y1)をその象現における座標入力有効エリアの
中央位置とした場合のものであり、X軸の値が大きく、
かつ、Y軸の値が大きくなる領域において、徐々に精度
が悪くなる様子が見て取れる(グラフよりこの座標入力
装置の精度は約11mm程度と言える)。なお、図22
は、X方向の座標算出精度について調べたものである
が、Y軸方向の座標算出精度も同様の結果となった。
【0018】つまり、従来例における座標算出精度は、
X軸の値が大きく、かつ、Y軸の値が大きくなる領域
で、座標算出精度が大幅に低下する問題が発生してい
る。本現象は、数値シミュレーションによる解析の結
果、円柱状のレンズを用いたことにより発生するもので
あることが分かった。この歪みを解決するためには、前
記円柱状レンズの軸に垂直な方向ばかりでなく、軸に平
行な方向の断面形状も例えば非球面状としなければなら
ず、たとえそのようなレンズの光学的な設計が可能であ
ったとしても、プラスチックレンズの型制作が容易でな
く、非常に高価なレンズとなってしまう。
【0019】さて、このような座標入力装置を表示装置
と一体に構成して、座標入力面上から所定の筆記具で文
字、図形等の情報を入力し、その結果を座標入力面に表
示する、すなわち、あたかも鉛筆と紙のような関係を電
子的に実現可能とする入出力一体型の装置においては、
以下のような課題が存在する。
【0020】前述したとおり、座標入力装置は位置座標
(X、Y)を出力するものであり、固有のX軸、Y軸を
有する。円柱状レンズを用いたこの種の座標入力装置で
は、X軸用、Y軸用の各々の円柱状レンズの軸と垂直な
方向に、その軸(座標入力装置のX軸、及びY軸)が設
定される。
【0021】一方、表示装置そのものにも、どの画素を
表示するかという意味で、水平方向と垂直方向とに軸を
有している。
【0022】つまり、入出力一体型の装置においては、
例えば筆記具により座標を入力したとき、そのエコーバ
ックとしてその位置にカーソルが表示されるようなシス
テムにおける入力点とカーソルの位置の差は、座標入力
装置の座標算出精度に依存するばかりでなく、座標入力
装置の軸と表示装置の軸とがずれていることにより発生
する誤差が含まれることになる。
【0023】本発明は上記のような問題に鑑みてなされ
たものであり、座標入力装置と表示装置との軸ずれを補
正可能にし、これら座標入力装置と表示装置との一体化
による両者の組み付けを簡便に、しかも正確に行えるよ
うにすることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の座標入力装置
は、指示具からの照射により座標入力面に生成された光
スポットが結像されるセンサ手段と、前記センサ手段の
出力信号に応じて前記座標入力面の位置座標を演算する
座標演算手段とを備えた座標入力装置であって、複数の
所定位置の情報に基づいて前記座標入力面に生成された
光スポットによる前記センサ手段の出力信号に応じて、
前記座標入力装置の姿勢を算出する姿勢算出手段を備え
た点に特徴を有する。
【0025】また、本発明の座標入力装置の他の特徴と
するところは、前記座標入力面に画像情報を表示する表
示装置が一体に構成され、前期姿勢算出手段は、前記表
示装置に対する前記座標入力装置の相対的な姿勢を算出
する点にある。
【0026】また、本発明の座標入力装置の他の特徴と
するところは、前記表示装置は、前記複数の所定位置の
情報に基づいて前記座標入力面にマークを表示する点に
ある。
【0027】また、本発明の座標入力装置の他の特徴と
するところは、前記センサ手段は、感光部がX軸方向に
直線状に配列されたX軸用センサと、感光部がY軸方向
に直線状に配列されたY軸用センサとからなり、前記X
軸用センサにはY軸方向に軸を有する円柱状レンズを介
して光スポットの光が結像され、前記Y軸用センサには
X軸方向に軸を有する円柱状レンズを介して光スポット
の光が結像される点にある。
【0028】また、本発明の座標入力装置の他の特徴と
するところは、前記複数の所定位置は、いずれか一方の
円柱状レンズの軸と平行とであって、かつ、他方の円柱
状レンズの軸に関して対称的に設定されている点にあ
る。
【0029】また、本発明の座標入力装置の他の特徴と
するところは、前記複数の所定位置は、前記両円柱状レ
ンズの軸に対称に設定されている点にある。
【0030】また、本発明の座標入力装置の他の特徴と
するところは、前記姿勢算出手段の算出結果に応じて姿
勢を調整するための姿勢調整手段を備えた点にある。
【0031】本発明の座標入力装置の姿勢算出方法は、
指示具からの照射により座標入力面に生成された光スポ
ットが結像されるセンサ手段と、前記センサ手段の出力
信号に応じて前記座標入力面の位置座標を演算する座標
演算手段とを備えた座標入力装置の姿勢算出方法であっ
て、複数の所定位置の情報に基づいて前記座標入力面に
生成された光スポットによる前記センサ手段の出力信号
に応じて、姿勢を算出する手順を有する点に特徴を有す
る。
【0032】本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶
媒体は、指示具からの照射により座標入力面に生成され
た光スポットが結像されるセンサ手段と、前記センサ手
段の出力信号に応じて前記座標入力面の位置座標を演算
する座標演算手段とを備えた座標入力装置の姿勢を算出
するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り
可能な記憶媒体であって、複数の所定位置の情報に基づ
いて前記座標入力面に生成された光スポットによる前記
センサ手段の出力信号に応じて、姿勢を算出する処理を
実行するためのプログラムを格納した点に特徴を有す
る。
【0033】上記のようにした本発明においては、複数
の特異な所定位置を予め決めておき、その所定位置の情
報に基づいて前記座標入力面に光スポットを生成させ
て、その光スポットを前記センサ手段に結像させた結果
の出力信号に応じて、座標入力装置と表示装置との軸ず
れやあおりを検知することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
座標入力装置、座標入力装置の姿勢算出方法、及びコン
ピュータ読み取り可能な記憶媒体の実施の形態について
詳細に説明する。
【0035】図1を用いて本実施の形態における光学式
座標入力装置の概略構成について説明すると、本装置
は、大別して、座標入力面であるスクリーン10に対し
て光スポット5を形成する指示具4と、光スポット5の
スクリーン10上の位置座標等を検出する座標検出器1
とを備え、スクリーン10に画像や位置情報等を表示す
る投射型表示装置8が設けられている。
【0036】指示具4は、図2を用いて後述するが、光
ビームを発射する半導体レーザ等の発光素子41と、そ
の発光を駆動制御する発光制御手段42と、複数の操作
用スイッチ43A〜43Dと、電池等の電源手段44と
を備えている。発光制御手段42は、操作用スイッチ4
3A〜43Dの状態により、発光のON(オン)/OF
F(オフ)と、後述する変調方法とによって、制御信号
を重畳した発光制御を行う。
【0037】座標検出器1は、座標検出センサ部2と、
該センサ部2の制御や座標演算等を行うコントローラ3
と、制御信号検出センサ部6と、信号処理部7とを備
え、光スポット5のスクリーン10上の座標位置、及び
指示具4の各操作用スイッチの状態に対応する制御信号
を検出して、コントローラ3によって図示しない外部接
続装置にその情報を通信する。
【0038】投射型表示装置8は、図示しないコンピュ
ータ等の外部接続装置である表示信号源からの画像信号
が入力される画像信号処理部81と、これにより制御さ
れる液晶パネル82、ランプ83、ミラー84、コンデ
ンサーレンズ85からなる照明光学系と、液晶パネル8
2の像をスクリーン10上に投影する投影レンズ86と
を備え、所望の画像情報をスクリーン10に表示するこ
とができる。
【0039】スクリーン10には、投射画像の観察範囲
を広くするために適度な光拡散性が持たされており、指
示具4から発射された光ビームも光スポット5の位置で
拡散され、画面上の位置や光ビームの方向によらず、光
スポット5の位置で拡散された光の一部が座標検出器1
に入射するように構成されている。
【0040】このように構成することで、指示具4によ
りスクリーン10上で文字情報や線画情報を入力し、そ
の情報を投射型表示装置8で表示することにより、あた
かも「紙と鉛筆」のような関係で情報の入出力が可能と
なる他、ボタン操作やアイコンの選択決定等の入力操作
を自由に行うことが可能となる。
【0041】以下、本実施の形態の座標入力装置の詳細
について具体的に説明する。 <指示具4の詳細説明>図2には、指示具4の構成を示
す。指示具4は、光ビームを発射する半導体レーザ等の
発光素子41と、その発光を駆動制御する発光制御手段
42と、電池等の電源部44と、本実施の形態では4個
の操作用スイッチ43A〜43Dとを備えている。
【0042】発光制御手段42は、4個の操作用スイッ
チ43A〜43Dの状態により、発光のON(オン)/
OFF(オフ)と、後述する変調方法とによって、制御
信号を重畳した発光制御を行う。下記の表1は、指示具
4の動作モードを示すものであり、スイッチA〜Dは、
操作用スイッチ43A〜43Dに対応している。なお、
下記の表1中、「発光」とは発光信号(座標信号)に対
応し、「ペンダウン」、「ペンボタン」とは制御信号に
対応する。
【0043】
【表1】
【0044】操作者は、指示具4を握ってスクリーン1
0にその先端を向ける。操作用スイッチ43Aは親指が
自然に触れる位置に配置されており、これを押すことに
よって光ビームが発射される。これにより、スクリーン
10上に光スポット5が生成され、所定の処理によって
座標信号が出力され始めるが、この状態ではペンダウン
及びペンボタンの制御信号はOFFの状態である(例え
ば表1の2段目の状態)。このため、スクリーン10上
では、カーソルの動きやボタンのハイライト切換え等に
よる操作者への指示位置の明示のみが行われる。
【0045】また、操作用スイッチ43C、43Dは人
差し指、中指が自然に触れる位置に配置されており、こ
れを押すことによってペンダウン及びペンボタンの制御
信号が発光信号に重畳される。すなわち、操作用スイッ
チ43Cを押すことによってペンダウンの状態となり
(表1の3、5段目の状態)、文字や線画の入力を開始
したり、ボタンを選択決定したりする等の画面制御が実
行できる。また、操作用スイッチ43Dを押すことによ
ってペンボタンの状態となり(表1の4、5段目の状
態)、メニューの呼び出し等の別機能に対応させること
ができる。これにより、操作者は、スクリーン10上の
任意の位置で、片手で、素早く正確に文字や図形を描い
たり、ボタンやメニューを選択したりすることができ、
軽快に操作することができる。
【0046】また、指示具4の先端部に配置された操作
用スイッチ43Bは、スクリーン10に押し付けること
によって動作する。操作者が、指示具4を握り、その先
端部をスクリーン10に押し付けることでペンダウン状
態となるので(例えば表1の最下段の状態)、余分なボ
タン操作を行うことなしに自然なベン入力操作を行うこ
とができる。
【0047】また、操作用スイッチ43Aはペンボタン
の役割を有する。もちろん画面に押し付けないで操作用
スイッチ43Aを押せば、カーソルのみを動かすことも
できる。実際上、文字や図形の入力は画面から離れて行
うより、直接画面に触れたほうが遥かに操作性、正確性
が良い。
【0048】本実施の形態では、このように4個の操作
用スイッチ43A〜43Dを用いることにより、画面か
ら離れていても、また、直前にいても、自然で快適な操
作が可能であり、場合によって使い分けることができる
ように構成されている。なお、直接入力専用(ポインタ
として使用しない)ならば、光ビームでなく拡散光源で
良いので、半導体レーザよりも安価で長寿命のLED等
を用いることも可能である。
【0049】また、このように近接用、遠隔用の2種類
の指示具4を用いたり、同時に2人以上で操作したり、
或いは色や太さなど属性の異なる複数の指示具4を用い
たりする場合のために、発光制御手段42は、固有のI
D番号を制御信号と共に送信するように設定されてい
る。送信されたID番号に対応して、描かれる線の太さ
や色等の属性を外部接続機器側のソフトウェア等で決定
するようになっており、スクリーン10上のボタンやメ
ニュー等で設定変更することができる。この操作は、指
示具4に別途操作ボタン等を設けて変更指示信号を送信
するようにしても良く、これらの設定については指示具
4内部、或いは座標検出器1内に状態を保持するように
して、ID番号ではなく、属性情報を外部接続機器へ送
信するように構成することも可能である。
【0050】また、このような追加の操作ボタンは、他
の機能、例えば表示装置の点滅や信号源の切換、録画装
置等の操作が行えるようにも設定可能である。さらに、
操作用スイッチ43A、43Bのいずれか一方又は両方
に圧力検出手段を設けることによって筆圧検出を行い、
この筆圧データを制御信号と共に送信するなど各種の有
用な信号を送信することが可能である。
【0051】指示具4の操作用スイッチ43A又は操作
用スイッチ43BがONになると発光が開始され、その
発光信号は比較的長い連続するパルス列からなるリーダ
部と、これに続くコード(メーカーIDなど)とからな
るヘッダ部をまず出力し、その後、ペンIDや制御信号
などからなる送信データ列が予め定義された順序と形式
に従ってその情報を順次出力する(図6のLSG信号参
照)。
【0052】なお、本実施の形態では、各データビット
において、“1”ビットは“0”ビットに対して2倍の
間隔を持つような変調形式で形成しているが、データの
符号化方式については種々のものが使用可能である。し
かしながら、後述するように座標検出のためには平均光
量が一定していること、またPLLの同調を行うにはク
ロック成分が十分大きいこと等が望ましく、送信すべき
データ量から見て冗長度を比較的高くしても支障はない
等を勘案して、本例においては、6ビット(64個)の
データを10ビット長のコードのうち、1と0が同数
で、かつ、1或いは0の連続数が3以下の108個のコ
ードに割り付ける方法で符号化している。このような符
号化方式をとることによって、平均電力が一定になり、
また十分なクロック成分が含まれるので、復調時に容易
に安定した同期信号を生成することができる。
【0053】また、前述したように、ペンダウン及びベ
ンボタンの制御信号は2ビットであるがID等その他の
長いデータも送信しなければならない。そこで、本実施
の形態では、24ビットを1ブロックとして、先頭の2
ビットは制御信号、次の2ビットは内容識別コード(例
えば、筆圧信号は00、IDは11等)、次の2ビット
はこれらのパリティ、その後に、16ビットのデータと
2ビットのパリティとを並べて、1ブロックのデータと
して構成する。
【0054】このようにしたデータを前述した方式によ
り符号化すると、40ビット長の信号になる。その先頭
に10ビット長のシンクコードを付加する。このシンク
コードは0が4個、1が5個連続する、或いはその反転
パターン(直前のブロックの終わりが、1か0かで切り
替える)という特殊なコードを使用して、データワード
との識別が容易で、データ列の途中においても確実にそ
の位置を識別してデータの復元ができるようになってい
る。したがって、1ブロックで50ビット長の伝送信号
となり、制御信号と16ビットのID又は筆圧等のデー
タを送信していることになる。
【0055】本実施の形態では、第1の周波数60kH
zの1/8の7.5kHzを第2の周波数としている
が、前述のような符号化方式を採用しているため、平均
伝送ビットレートは、この2/3の5kHzとなる。さ
らに、1ブロックが50ビットなので、100Hzでは
1ブロック24ビットのデータを送信していることにな
る。したがって、パリティを除いた実効ビットレート
は、2000ビット/秒である。このように冗長性は高
いが、誤検出を防止し、同期を容易にすることが非常に
簡単な構成で実現できる方式となっている。
【0056】また、後述のセンサ制御のための位相同期
信号と、シンクコードの繰り返し周期のチェックとを併
用することによって、信号に短いドロップアウトが発生
した場合でも追従ができ、逆に実際に、ペンアップやダ
ブルタップのような素早い操作を行った場合との識別
は、ヘッダ信号の有無によって確実に行えるようにもな
っている。
【0057】<座標検出器1の詳細説明>図3には、座
標検出器1の内部構成を示す。座標検出器1には、集光
光学系によって高感度に光量検出を行う受光素子6と、
結像光学系によって光の到来方向を検出する2つのリニ
アセンサ20X、20Yとが設けられており、指示具4
に内蔵された発光素子41からの光ビームにより、スク
リーン10上に生成された光スポット5からの拡散光を
それぞれ受光する。
【0058】<集光光学系の詳細説明>まず、集光光学
系の動作について説明する。受光素子6には、集光光学
系としての集光レンズが装着されており、スクリーン1
0上の全範囲から高感度で所定波長の光量を検知する。
この検知出力は、周波数検波手段71によって検波され
た後、制御信号検出手段72において制御信号(指示具
4の発光制御手段42によって重畳された信号)等のデ
ータを含むデジタル信号が復調される。
【0059】図6は、制御信号の復元動作を説明するタ
イミングチャートである。先に述べたようなビット列か
らなるデータ信号は、受光素子6で先出力信号LSGと
して検出され、周波数検波手段71で検波される。周波
数検波手段71は、先出力信号LSGの中で最も高い第
1の周波数のパルス周期に同調するように構成され、光
学的なフィルタと併用することによって、外乱光の影響
を受けることなく、変調信号CMDを復調する。
【0060】この検波方法は広く実用されている赤外線
リモートコントローラと同様であり、信頼性の高い無線
通信方式である。本実施の形態では、この第1の周波数
としては、一般に使用されている赤外線リモートコント
ローラより高い帯域である60kHzを用い、同時に使
用しても誤動作することのないように構成したが、この
第1の周波数を一般に使用されている赤外線リモートコ
ントローラと同じ帯域にすることも可能であり、このよ
うな場合にはID等で識別することによって誤動作を防
止する。
【0061】さて、周波数検波手段71により検波され
た変調信号CMDは、制御信号検出手段72によってデ
ジタルデータとして解釈され、前述したペンダウンやペ
ンボタン等の制御信号が復元される。この復元された制
御信号は、通信制御手段33に送られる。
【0062】また、変調信号CMDに含まれる第2の周
波数であるコード変調の周期は、センサ制御手段31に
よって検出され、この信号によってリニアセンサ20
X、20Yを制御することになる。すなわち、センサ制
御手段31では、図6に示したヘッダ部のタイミングで
リセットし、その後、変調信号CMDの立ち下がりに位
相同期した信号LCKを生成する。したがって、この生
成された信号LCKは、指示具4の発光の有無に同期し
た一定周波数の信号となる。
【0063】また、変調信号CMDからは、光入力の有
無を示す信号LONと、この信号LONによって起動さ
れるセンサリセット信号RCLとが生成される。このセ
ンサリセット信号RCLがハイレベルの間に2つのリニ
アセンサ20X、20Yはリセットされ、信号LCKの
立ち上がりに同期したセンサリセット信号RCLの立ち
下がりのタイミングによって後述する同期積分動作が開
始される。
【0064】一方、制御信号検出手段72はヘッダ部を
検出し、他の機器やノイズではなく、指示具4から入力
が開始されたことを確認すると、この確認を示す信号が
通信制御手段33からセンサ制御手段31に伝達され、
リニアセンサ20X、20Yの動作有効を示す信号CO
Nがハイレベルにセットされ、座標演算手段32の動作
が開始される。
【0065】図7は、光出力信号LSGの出力が検出さ
れなくなったときの一連動作の終了時におけるタイミン
グチャートを示す。先出力信号LSGから検波された変
調信号CMDがローレベルを一定時間以上続けると、光
入力の有無を示す信号LONがローレベルになり、さら
に、センサ動作有効を示す信号CONもローレベルとな
り、その結果、リニアセンサ20X、20Yによる座標
の出力動作を終了する。
【0066】<結像光学系の動作説明>次に、結像光学
系の動作について説明する。図4には、2つのリニアセ
ンサ20X、20Yの配置関係を示す。結像光学系とし
ての円筒レンズ90X、90Yによって光スポット5の
像が各センサ20X、20Yの感光部21X、21Yに
線状に結像する(図中の像91X、91Yを参照)。こ
れら2つのリニアセンサ20X、20Yを正確に直角に
配置することによって、それぞれがX座標、Y座標を反
映した画素にピークを持つ出力が得られる。
【0067】リニアセンサ20X、20Yは、図3に示
すように、センサ制御手段31によって制御され、出力
信号はセンサ制御手段31に接続されたAD変換手段3
1Aによってデジタル信号として座標演算手段32に送
られる。座標演算手段32では、出力座標値を計算し、
その結果を制御信号検出手段72からの制御信号等のデ
ータと共に通信制御手段33を介して、所定の通信方法
で図示しない外部制御装置に送出する。また、調整時
等、通常と異なる動作(例えば、ユーザ校正値の設定)
を行わせるために、通信制御手段33のほうからセンサ
制御手段31、座標演算手段32ヘモード切換え信号が
送られる。
【0068】本実施の形態では、光スポット5の像が各
リニアセンサ20X、20Yの画素の数倍の像幅となる
ように焦点調節を行って、故意にボケを生じさせてい
る。直径1.5mmのプラスチック製の円筒レンズ、画
素ピッチ約15μm、有効64画素のリニアCCD、赤
外線LEDを用いた実験によれば、最もシャープな結像
をさせると、約40度の画角全面にわたって15μm以
下の像幅となり、このような状態では画素間分割演算結
果が階段状に歪んでしまうことがわかった。
【0069】そこで、像幅が30〜60μm程度となる
ようにレンズ90X、90Yの位置を調節すると、非常
に滑らかな座標データが得られた。もちろん、大きくボ
ケさせると、ピークレベルが小さくなってしまうので、
数画素程度の像幅が最適である。画素数の少ないCCD
と、適度にボケさせた光学系との組み合わせを用いるこ
とによって、演算データ量が少なく、小さなセンサと光
学系とで非常に高分解能、高精度、高速でかつ低コスト
な座標入力装置を実現できるものである。
【0070】アレイ状に配置されたX座標検出用リニア
センサ20X、Y座標検出用リニアセンサ20Yは同一
の構成であり、その内部構成を図5示す。感光部である
センサアレイ21はN個の画素(本実施の形態では64
画素)からなり、受光量に応じた電荷が積分部22に貯
えられる。積分部22はN個からなり、ゲートICGに
電圧を加えることによってリセットできるため、電子シ
ャッタ動作が可能である。
【0071】前記積分部22に貯えられた電荷は、電極
STにパルス電圧を加えることによって蓄積部23に転
送される。この蓄積部23は2N個からなり、指示具4
の発光タイミングに同期した信号LCKのH(ハイレベ
ル)とL(ローレベル)とにそれぞれ対応して別々に電
荷が蓄積される。その後、光の点滅に同期して各々別々
に蓄積された電荷は、2N個からなるシフト部24を介
して、2N個からなるリニアCCD部25に転送され
る。
【0072】これにより、リニアCCD部25には、N
画素のセンサ出力の光の点滅に各々対応した電荷が隣接
して並んで記憶されることになる。これらリニアCCD
部25に並べられた電荷は、2N個からなるリングCC
D部26に順次転送される。このリングCCD26は、
信号RCLによってCLR部27で空にされた後、リニ
アCCD部25からの電荷を順次蓄積していく。
【0073】このようにして蓄積された電荷は、アンプ
29によって読み出される、このアンプ29は、非破壊
で蓄積電荷量に比例した電圧を出力するものであり、実
際には、隣接した電荷量の差分、すなわち、発光素子4
1の点灯時の電荷量から非点灯時の電荷量を差し引いた
分の値を増幅して出力する。
【0074】このとき得られるリニアセンサ20X、2
0Yの出力波形の一例を図8(横軸がCCD画素番号、
縦軸が出力レベル)に示す。図中、Bの波形は発光素子
41の点灯時の信号のみを読み出したときの波形であ
り、Aの波形は非点灯時の波形、すなわち外乱光のみの
波形である(図6に示したように、リングCCD26に
は、これらA、Bの波形に対応する画素の電荷が隣接し
て並んでいる)。アンプ29は、その隣接する電荷量の
差分値(B−Aの波形)を非破壊増幅して出力すること
になるが、これにより指示具4からの光のみの像の信号
を得ることができ、外乱光(ノイズ)の影響を受けるこ
となく安定した座標入力が可能となる。
【0075】また、図8に示したB−Aの波形の最大値
をPEAK値と定義すれば、光に対してセンサが機能す
る蓄積時間を増大させれば、その時間に応じてPEAK
値は増大する。言い換えれば、信号LCKの1周期分の
時間を単位蓄積時間とし、それを単位として蓄積回数n
を定義すれば、蓄積回数nを増大させることでPEAK
値は増大し、このPEAK値が所定の大きさTH1に達
したことを検出することで、常に一定した品位の出力波
形を得ることができる。
【0076】一方、外乱光が非常に強い場合、差分波形
B−Aのピークが十分な大きさになる前に、リングCC
D26の転送電荷が飽和してしまうおそれがある。この
ような場合を考慮して、リングCCD26にはスキム機
能を有するスキム部28が付設されている(図5参
照)。スキム部28は、非点灯信号のレベルを監視し、
図9において、n回目のAnで信号レベルが所定の値を
超えている場合(図中、一点鎖線で示す)、一定量の電
荷をA、Bの各画素から抜き取るようにする。
【0077】これにより、次のn+1回目には、An+
1に示すような波形となり、これを繰り返すことによっ
て、非常に強い外乱光があっても飽和することなく、信
号電荷の蓄積を続けることができる。したがって、点滅
光の光量が微弱であっても、多数回積分動作を継続する
ことによって、十分な大きさの信号波形を得ることが可
能になる。特に指示具4に可視光域の発光源を用いる場
合、表示画像の信号が重畳するので、前述したスキム機
能と差分出力を用いることによって、非常にノイズの少
ないシャープな波形を得ることが可能となる。
【0078】また、非常に強い外乱光が入射された場合
には、前述のPEAK値を監視し、そのPEAK値が所
定レベルに達したときに、上述した蓄積動作を停止させ
ても良い。このような場合には、蓄積回数を増大させな
くても十分な品位の出力波形が得られるので、信頼性の
高い座標演算が可能となると共に、蓄積回数が比較的少
なくて済むことから、入射光が弱い場合に比べて、単位
時間あたりの座標算出サンプリングレートが向上する
(例えば、20点/秒で座標算出としていたものが40
点/秒とより高速で座標演算が可能という意味)という
利点が得られる。
【0079】図10には、リニアセンサ20X、20Y
のセンサ制御の一連の動作を示す。センサ制御手段31
は、まず、ステップS101によりセンサ制御動作を開
始し、ステップS102において信号CONを監視す
る。そして、信号CONがハイレベルになると、ステッ
プS103で蓄積回数nを0にリセットし、ステップS
104でセンサ出力のPEAK値(ピークレベル)が所
定の大きさTH1より大きいか否かを判定する。
【0080】センサ出力のPEAK値がTH1より小さ
い場合は、ステップS105で蓄積回数nが第1の所定
回数n0を超えているかを判定する。超えていなけれ
ば、ステップS106に移り、蓄積回数nを1インクリ
メントしてステップS104に戻る。そして、PEAK
値がTH1より大きくなるか、nがn0を超えるかする
と、ステップS107に進み、積分停止信号RONがハ
イレベル(H)になって積分動作は停止され、後述する
座標演算手段32での座標値演算の処理が開始される。
【0081】その後、ステップS108とステップS1
09のループで第2の所定回数n1を超えると、積分停
止信号RONがローレベルになり、同時に、信号LCK
の周期の数倍(図7では2倍)の間センサリセット信号
RCLがハイレベルになって(ステップS110)、ス
テップS112に進み、信号CONがハイレベルである
間はこの動作が繰り返され、前記の所定回数n1で決ま
る周期毎に座標値演算が行われる。
【0082】また、ごみ等の影響で信号CONがドロッ
プしても、1回のみは状態を保持するように、ステップ
S111が設けられている。もし、連続して2周期の
間、信号CONがローレベルであれば、ステップS10
2からステップS113に進み、フラグponが0にリ
セットされ、シンク信号待ちの状態になってステップS
101に戻る。
【0083】このドロップアウト対策部分は、1周期で
なくもっと長くすることも可能であり、外乱が少なけれ
ば、逆に無くしてしまってもよいことは言うまでもな
い。なお、ここの1周期を前述のデータブロックの周期
の自然数倍としてシンクコードのタイミングと一致さ
せ、信号CONの代りにシンクコード検出信号を用いて
も同様の動作を行うことができる。
【0084】また、座標検出器1に到達する指示具4の
光は、指示具4に内蔵された電源(電池)44の消耗に
より変動する他、指示具4の姿勢によっても変動する。
特に、スクリーン10の光拡散性が小さい場合、表示画
像の正面輝度は向上するが、この指示具4の姿勢による
リニアセンサ20X、20Yヘの入力光量の変動が大き
くなってしまう。しかしながら、本実施の形態では、こ
のような場合であっても、積分回数が自動的に追従して
常に安定した出力信号を得ることができるので、安定し
た座標検出が可能となる優れた効果が得られる。また、
レーザポインタのビームがあまり散乱されずにリニアセ
ンサ20X、20Yに入射した場合は、かなり強い光が
入ることになるがが、このような場合であっても安定し
た座標検出ができることは明らかである。
【0085】また、画面に直接接触させて使用するLE
Dを用いたペンタイプとレーザポインタとを併用する場
合、LEDはより大きな光量のものが使用可能であるの
で、前記図10に示した積分回数n0、n1を、ID信
号によってペンかポインタかを判別して切換え、ペンの
場合はサンプリングを高速に、ポインタの場合は低速に
することも可能である。実際、文字入力のように繊細な
描画作業はポインタでは不可能であり、むしろ低速サン
プリングによって滑らかな線を描けるほうが使い勝手が
良く、このような切換えを設けることも有効である。
【0086】以上述べたように、点滅光に高周波数のキ
ャリアを加え、そのキャリアを周波数検波して得た所定
周期の復調信号によって積分動作のタイミング制御を行
うようにしたので、指示具と搬像部とをコードレスで同
期させることができ、使い勝手の良い座標入力装置を実
現することができるようになった。また、レーザービー
ムを用いることによって画面から離れた位置で容易に操
作することが可能となる優れた利点も得られる。また、
差分信号中のピークレベルが所定レベルを超えたことを
検出し積分動作を停止させるので、光量が変化してもほ
ぼ一定レベルの光スポット像の信号を作成でき、これに
より常に安定した高分解能な座標演算結果を得ることが
できる。
【0087】<座標値演算の詳細説明>次に、座標演算
手段32での座標値演算について説明する。以上述べた
ように、リニアセンサ20X、20Yに入射する光量の
多少にかかわらず信号の品位を一定に保つ方法を説明し
たが、ここでひとつ課題が発生する。前述の光量は、先
に説明したように、指示具4に内蔵された電源(電池)
44の消耗により変動する他、指示具4の姿勢(座標入
力を行う通常の筆記動作により指示具4が傾く)、或い
は、センサや発光素子の変換効率の個体間差等によって
変動することが想定される。
【0088】到達する光が減少した場合、それ相応に積
分時間を長くする、すなわち、n0、n1の値を大きく
し、積分回数を増大させることで品位の良い信号波形を
得ることはできるが、積分時間の増大は、座標サンプリ
ングレート、つまり単位時間に算出できる座標点数の減
少を意味し、操作者の筆跡を忠実に再現するにはおのず
と限界がある。例えば、その筆跡を忠実に再現するため
に25点/秒の座標算出サンプリングレートが必要であ
ると仮定すれば、1回の座標算出動作時間は少なくとも
40msec以下であることが必要であり、その時間内
の積分時間で信号波形が所定のピークレベルに到達する
ことが求められる。
【0089】しかしながら、所定レベルのピークレベル
が得られなかった場合でも、信頼性の高い座標を算出す
ることが可能となれば、操作者にとって筆記性の良い指
示具(例えば指示具の傾きをより大きくできる)が実現
可能であり、また電池寿命を延ばすことも可能となるメ
リットが生まれる。
【0090】そこで、本実施の形態において採用されて
いる座標演算手段32における座標演算処理について図
11を用いて説明する。前述したようにして得られた2
つのリニアセンサ20X、20Yの出力信号(アンプ2
9からの差分信号)は、センサ制御手段31に設けられ
たAD変換手段31Aでデジタル信号として座標演算手
段32に送られる。ステップS401で処理を開始し、
ステップS402では、任意の座標入力点での各画素の
差分信号である差分データDx(n)(本実施例の場合
画素数n=64)が読み込まれる。
【0091】このとき、各画素(64画素)の出力値の
平均値を導出し、所定のオフセット量を加えたものをV
th1と定義し(ステップS403)、出力信号の有効
性を判定する第1の閾値として用いる(図12(A)参
照)。このVth1は、センサに入力される光量、つま
り信号レベルに応じて可変すると共に、前述の光量が全
く入射されていない状態での暗時出力電圧にも依存する
ことになるので、センサ個体間の部品公差を吸収し、最
適な閾値レベルを自動的に設定することができる。
【0092】次にステップS404で差分データDx
(n)の最大値を有する画素npeakを検出し、ステップ
S405でピーク画素番号npeakの前後m番目の画素の
出力値、Dx(npeak−m)、Dx(npeak+m)を各
々求めその値を比較する。次にステップS406、S4
07で比較結果に応じて第2の閾値Vth2を設定する
(図12(B)参照)。
【0093】次にステップS408で第1の閾値レベル
Vth1と第2の閾値レベルVth2とを比較し、第2
の閾値レベルVth2が第1の閾値レベルVth1より
大きければ、有効な光が十分に入射されたものとして座
標演算を実行するが、そうでない場合には有効な光が十
分に得られていないので、処理を中止し、ステップS4
01に戻る。
【0094】ステップS409では、第2の閾値Vth
2と各画素の出力Dx(n)とが比較され、バッファメ
モリにEx(n)が貯えられる。次に、ステップS41
0で、ピーク画素番号npeakを含む連続した画素のみを
選択し(図12(C)参照:ステップ410でEx
(n)が正の値であって、最大画素npeakを含む連続し
た画素番号の出力データのみを有効画素として判定し、
演算に用いる画素番号の最小値nmin、最大値nmaxを決
定する(nmin<npeak<nmax)。第2の閾値Vth2
はnpeak−m画素の値、Dx(npeak−m)に設定され
ているので、画素番号npeak+mはもちろんのこと、図
のような場合には画素番号npeak+m+1も有効な画素
として、その画素の出力値が座標演算に用いられること
になる)、その重心を算出することでセンサ上の座標α
Xを導出する。
【0095】以上の構成により、低光量時においても、
求めるべき画素番号を安定して精度良く導出することが
可能となる。
【0096】次に、この出力データの重心αXから座標
を算出する方法について説明するが、その前に本実施の
形態の光学的配置について説明しておく。図13
(A)、(B)に示すように、座標入力有効エリアの中
央部(原点:cont=0)での光スポット5の光線
が、円柱状レンズを介して、座標入力面と平行に配置さ
れたセンサのほぼ中央部分に集光するように配置されて
いる(集光された画素の法線方向に、座標入力有効エリ
アの中央部、すなわち原点が存在する)。
【0097】また、本実施の形態で用いた円柱状レンズ
は、レンズ軸に垂直な断面が単純な円のものと、非球面
のものとの2種類であって、レンズ軸に平行な断面は同
一形状となる比較的制作が容易で安価なプラスチックレ
ンズを採用している。上記の定義は、本測定装置で必要
とするレンズとしての有効面のみがその定義を満足して
いれば良く、設置のための支持部材等をそれ以外の領域
に設けてレンズ取り付けを容易にすること等はプラスチ
ックレンズの一体成形で容易であり、機能上問題がな
い。またガラス等の他の部材によるレンズであっても良
いことは言うまでもない。
【0098】さて課題の項でも説明したように、本実施
の形態の光学的配置、及び円柱状レンズ等の光学特性の
影響で座標算出精度が大きく劣化する位置は、座標入力
有効エリアの4隅部(図中Z軸と光スポット5の光線が
成す角が最大となる位置)となる(図22参照、座標算
出精度約11mm程度)が、高精度に座標を導出するた
めに、図14を用いてその演算、補正方法について説明
する。
【0099】同様にX方向のみについて説明すれば、ス
クリーン10上のX座標、Y座標が既知の点(X0
0)、(X1、Y1)、及び(X2、Y2)で、指示具4
を位置せしめ、前述のステップS402〜S411を各
々実行し、各々の点で得られるX方向センサの重心値
を、αX0、αX1、αX2として導出し、その値、及び前述
既知の位置座標値を各々ステップS209で記憶する。
なお、本実施の形態においては、第1の既知の点
(X0、Y0)を座標入力有効エリアの中央位置、第2の
既知の点(X1、Y1)を各象現における座標入力有効エ
リアの中央位置(cont=1)とし、第3の既知の点
(X2、Y2)を座標入力有効エリアの隅部とした(図1
3参照:第3の既知の点は、図13(A)に示すとお
り、座標入力有効エリア内において光スポット5からの
光線とZ軸な成す角θが最大となる点である)。
【0100】課題の項で説明したように、円柱状レンズ
を用いたこの種の座標入力装置においては、円柱状レン
ズの軸と光スポット5からの光線が成す角度が最大とな
る位置において、レンズ等の光学的特性により座標算出
精度が劣化する。しかもその発生割合は座標入力位置
(X軸方向及びY軸方向の両者)に依存し、図13
(A)、(B)においてX軸の値が増大するにつれ、か
つY軸の値が増大していくことで、非線型的に劣化する
(図22参照)。
【0101】以下に説明する演算、補正方法は、この非
線型的に座標算出精度が劣化する現象を抑制し、高精度
な座標算出を可能とする。
【0102】ステップS209で記憶された、αX0、α
X1の重心値と、その位置情報を用いて、下記の式(3)
により任意の点の光スポット5の位置X’を概略演算、
導出が可能となる(第1の演算手段:ステップS20
4)。
【0103】 X’=(X1−X0)(αX−αX0)/(αX1−αX0)+X0 …式(3)
【0104】上記式(3)により、座標算出精度が最も
悪くなる第3の既知の点(X2、Y2)におけるセンサの
出力重心値αX2を用いてX’を算出すれば、既知の座標
2とこの値の差が、座標算出測定誤差ΔXとなる(ス
テップ212)。このΔXを用いて出力座標値を校正す
ることになるが、この補正係数ΔXを、前述既知の位置
における出力画素を記憶する際に、この値を演算して信
号処理部7に記憶しても良いことは言うまでもない。な
お、y方向に関しても(3)式に対応する式(3)´を
用いて、Y’を算出することができる。このY’とY2
との差ΔYも補正係数として記憶しておく。
【0105】 Y’=(Y1−Y0)(αY−αY0)/(αY1−αY0)+Y0…式(3)´
【0106】図13においてXの値が大きく、かつYの
値が大きくなるにつれて、光学的特性により座標算出精
度が劣化する(図13(A)、座標入力有効エリアのハ
ッチング部分)。したがって、式(3)による第1の演
算手段の出力座標値(X’、Y’)を用いて、この出力
座標値がハッチング部分に領域に相当するかの判定を行
い(ステップS205)、領域外であれば、第一の演算
による出力座標を確定値として(ステップS206)座
標値を出力する。一方、領域内であると判定された場合
には、第1の演算手段で出力された座標値(X’、
Y’)と補正係数ΔXを用いて、下記の式(4)により
座標値を補正(第2の演算手段:ステップ207)して
座標を出力する。
【0107】 X=X’+ΔX(X’−X1)(Y’−Y1)/(X2−X1)(Y2−Y1) …式(4)
【0108】上記式(4)は、第1の演算手段の出力結
果のX’及びY’の両方を用いて確定座標Xを算出(X
はX’及びY’の従属関数)することで、座標入力位置
による非線形的な座標算出誤差発生に対応すると共に、
第1の演算手段のみによる座標算出(ステップS20
6)によるか、第2の演算手段による座標算出(ステッ
プS207)によるか、その判定境界部分での座標に入
力が行われた場合であっても、同一の座標値が算出でき
るように構成されているので、どの方法で演算するかに
よって異なる座標値を導出することがない。言い換えれ
ば、その判定領域上の座標入力であっても、演算方法に
よる差が発生しないように構成されているので、座標入
力装置の分解能を低下させることがない優れた演算方法
であると言える。なお、(4)式に対応するy方向に関
する式(第1項のX´をY´に、第2項のΔXをΔYに
置き換える)を用いて、補正されたYを算出することが
できる。
【0109】また、従来方法による演算結果(図22)
に比べ、本実施の形態による演算結果(図21)から明
らかなように、座標算出精度が約5mm程度と大幅に改
善されている。
【0110】以上説明したように、既知の位置の情報を
記憶すると共に、領域判定手段による演算方法の改良を
計ることによって、分解能を低下させることなく座標算
出精度を大幅に改善すると共に、単純な形状の円柱状レ
ンズを用いて実施が可能なので、低コストで装置を実現
することができる優れた効果が得られる。
【0111】一方、確定した座標をそのままリアルタイ
ムで出力することも可能であるし、目的に応じてデータ
を間引く(例えば、確定座標10個毎で1個のデータの
み出力)等も可能であることは言うまでもないが、以下
の仕様等を想定する場合には重要である。
【0112】指示具4をペンのように使う場合と、ポイ
ンタとして画面から離れて使う場合では、使用者の手の
安定性が異なる。ポインタとして使う場合には、画面上
のカーソルが細かく震えてしまうので、このような細か
い動きを抑制したほうが使いやすい。一方、ペンのよう
に使う場合には、できるだけ忠実に速く追従することが
求められる。特に文字を書く場合などには小さな素早い
操作ができないと、正しく入力できなくなってしまう。
【0113】本実施の形態では、制御信号によりIDを
送信しているため、ポインタタイプか否か、先端のスイ
ッチが押されているか否かを判定可能なので、これによ
り、ポインタとして、或いはペンとして使っているかど
うかを判定できる。もし、ポインタであれば、例えば前
回及び前々回の出力座標値(X−1、Y−1)、(X−
2、Y−2)を用いて移動平均を計算して今回の出力座
標値(X、Y)を求めるようにすれば、ブレの少ない操
作性の良い構成となる。
【0114】本実施の形態では、単純な移動平均を用い
ているが、このような平滑化処理に用いる関数として
は、他にも差分絶対値を大きさにより非線型圧縮した
り、移動平均による予測値を用いてこれとの差分を非線
型圧縮したりする等の各種方式が使用可能である。要
は、ポインタとして使用している場合は平滑化を強目に
し、そうでない場合は弱めに切り替えることが、制御信
号により可能であるため、それぞれ使い勝手の良い状態
を実現可能である。
【0115】なお、これらの演算処理は、前述したよう
に座標サンプリング周波数が100Hzの場合には10
msecの間に終了すれば良く、データは64画素×2
(X及びY)×AD変換手段8ビットと非常に少ない
上、収束演算も必要ないので低速の8ビット1チップマ
イクロプロセッサで十分処理が可能である。このような
ことは、コスト的に有利なだけでなく、仕様変更が容易
で、開発期間の短縮や様々な派生商品の開発が容易にな
る利点もある。特に、エリアセンサを用いる場合のよう
に、高速の画像データ処理を行う専用のLSIの開発等
は不要であり、開発費用、開発期間などの優位性は非常
に大きなものである。
【0116】上述したような演算処理によって求めた座
標値(X、Y)を示すデータ信号は、座標演算手段32
から通信制御手段33に送られる。この通信制御手段3
3には、そのデータ信号と、制御信号検出手段72から
の制御信号とが入力される。そして、これらデータ信号
及び制御信号は、ともに所定の形式の通信信号に変換さ
れ、外部の表示制御装置に送出される。これにより、ス
クリーン10上のカーソルやメニュー、文字や線画の入
力などの各種操作を行うことができる。前述したよう
に、64画素のセンサを使った場合でも、1000超の
分解能と十分な精度とが得られ、センサ、光学系ともに
小型、低コストな構成で良く、また、演算回路も非常に
小規模な構成とすることが可能な座標入力装置を得るこ
とができる。
【0117】<姿勢算出の詳細説明>以上述べたように
して構成される座標入力装置を、図1に示すように表示
装置(投射型表示装置8)と一体に構成する場合、操作
性の良い装置を構成するためには、座標入力装置のXY
軸と表示装置のXY軸とを一致させることが重要であ
る。図15に両者の軸が回転した場合の影響を、図16
に両者の軸があおった場合の影響を調べた結果を示す。
【0118】図15(A)、(B)に示す横軸に、座標
入力装置の軸と表示装置の軸の角度ずれΘ(あおりは調
整により無し)を示し、縦軸に、座標入力点とそのエコ
ーバックである表示装置の例えばカーソル位置のずれ量
を示す。角度ずれΘ=0の時、同図(A)よりX軸の方
向のずれ量は約5mm、同図(B)よりY方向のずれ量
は約6mmが読み取られ、これはほぼ座標入力装置その
ものの座標算出精度と一致した値となる(図21相
当)。しかし、角度ずれΘの値が大きく、すなわち両者
の軸の角度ずれが大きくなると、座標入力装置の座標算
出精度に加え、その影響が加算され、角度ずれΘ=1°
程度で、X方向のずれ量は約10mm、Y方向のずれ量
は約15mmと性能が大幅に劣化することが示されてい
る。
【0119】また、図16(A)、(B)は、両者のX
Y平面についてあおりが発生した場合の影響について調
べた結果であるが、あおり角1°程度では、性能に与え
る影響はほとんどないという結果が得られた。しかしな
がら、あおり角が大きくなれば、その影響が顕著となる
ことは明らかであり、性能を発揮するためには、角度ず
れΘに比べ調整は容易であり、機械的な設計公差で吸収
することも可能であるが、後述するように装置の仕様に
よっては、調整可能とする機能が必須となる場合もあ
り、本実施の形態においてもその機能を有する構成とし
た。
【0120】以下、図17、18を用いて、その調整方
法について詳細に説明する。図17において、まずステ
ップS302において座標演算モードか否かを判定し、
座標演算モードの場合には、前述した方法により光スポ
ット5の位置座標を算出することになるが、そうでない
場合には、ステップS303において座標入力装置本体
の姿勢を制御するモードになる。
【0121】まず、座標入力装置と表示装置の軸ずれΘ
に関する調整方法を述べる。図1に示したような装置に
おいて、表示装置8として例えばプロジェクタを用い、
ミラー等を用いてリアプロジェクタ(スクリーン、ミラ
ー、及びプロジェクタ等の電装品を内蔵する筐体を有
し、スクリーンを介して画像情報を表示させる表示装
置)を構成し、それに座標入力措置を付加したような製
品を考えた場合、光学的な配置の一例としては図18に
示す構成が考えられる。
【0122】さて、ステップS304では所定位置を表
示するような信号が発生し、例えばコンピュータを介し
てその情報が表示装置8に伝達され、その所定位置にア
イコンやカーソル等のマークが表示されることになる。
その位置に指示具4により光スポット5を生成し、その
ときのリニアセンサ20X、20Yの出力画素番号を前
述のステップS402〜ステップS411に従って導出
する(ステップS306)。この動作を異なる所定位置
において所定回数繰り返すことによって、複数の光出力
画素番号(αXn、αYn)を取得する。
【0123】ここで、図18に示す表示スクリーン55
“用配置図において、前述の複数の所定位置はY方向レ
ンズ(図2の円柱状レンズ90Y)の軸に平行な方向
(そのレンズ90Yによって集光された光を検出するセ
ンサ20Yの受光面の法線方向)であり、かつX方向レ
ンズ(図2の円柱状レンズ90X)の軸に(詳しく記載
すれば、X方向レンズ90Xの軸に交差し、かつそのレ
ンズ90Xによって集光された光を検出するセンサ20
Xの受光面の法線方向と交差し、前述レンズ90Xの軸
と平行な方向を軸として)関して対称的に設定されてい
る(本実施の形態の場合、5個所(n=5、記号Θnの
位置))。
【0124】このとき、もし仮に座標入力装置の軸と表
示装置の軸とが一致していれば、光出力画素番号αYn
すべて同一の値を出力するはずであり、また、角度がず
れている場合には、光出力画素番号(αXn、αYn)よ
り、例えば横軸にαXn、縦軸にαYnをプロットして、最
小二乗法等の手法によりデータの近似直線と、横軸の成
す角度Θを求めることができる。
【0125】このΘは、まさに座標入力装置と表示装置
との軸ずれに相当するものであり、このΘの値が所定値
以内になければ、その信号を図18に示す姿勢調整手段
11にフィードバックさせ、再度、ステップS303か
ら同様の手順により姿勢が所定値以内である(ステップ
S310)ことを確認して、調整を終了することにな
る。
【0126】ここで、姿勢調整手段11としては、図1
9に示すように、ネジを調整することにより角度Θが微
調される構成を採用している。もちろん、出力されるΘ
の情報に基づいてモータ等の手段で自動的に調整を行っ
ても良く、その実現手段については多くの機構、構成が
あるので、ここではその詳細を省略する。
【0127】また、図18には前述の所定位置に相当す
る個所にLED等の発光手段を設置し、座標入力装置か
ら出力される所定位置の情報を基にLEDドライブ制御
回路(指示具4と同様の発光制御が行われる)を介し
て、所定位置のLEDを点灯して光スポットを生成する
構成を示している。すなわち、工場においては、製品と
なるリアプロジェクタの光学系と同一の光学系を治具上
で実現し、その治具上において、プロジェクタの光軸調
整、ならびに座標入力装置の光軸と表示装置の光軸を一
致させる仕組みを前述の方法で実現し、治具上で調整を
完了したプロジェクタと座標入力装置が一体となったメ
インユニットを、製品となるリアプロジェクタの筐体1
2に設置するという量産性に優れた組み立て工程を実現
する優れた効果が得られる。
【0128】一方、本座標入力装置は、レンズの特性に
より図22に示されるように座標算出誤差を発生させ
る。その発生の仕方は、図13(A)において座標入力
有効エリアのハッチング部で顕著であり、レンズの軸と
光スポット5がレンズに入射する光線の成す角が最大と
なる点で最も大きくなる。言い換えれば、レンズの軸を
通る光センサの法線方向に座標入力有効エリアの原点
(cont=0)を配したとき、Xの値が大きく、かつ
Yの値が大きくなるにつれて、座標算出精度が低下する
ことになり、この誤差を吸収すために式(4)に示され
る補正が行われる。
【0129】それに対して、図22からX軸上、Y軸
上、言い換えれば、レンズの軸を通る光センサの法線方
向であって、かつレンズの軸に平行、或いはレンズに軸
に垂直な方向の座標算出精度は良好である。つまり、レ
ンズの光学的な歪みの影響を受けることなく、この2方
向は精度良く座標算出が可能、つまり入力点の位置に相
応する光センサの先出力画素番号が比例的に精度良く検
出できることを示している。
【0130】したがって、本実施の形態では、X軸方向
よりも、軸ずれΘを検出するためにY方向の検出感度を
要するので、図18に示すようにY方向レンズ90Yの
軸を通るセンサ20Yの法線方向であって、Y方向レン
ズ90Yに平行な方向に、かつX方向レンズ90Xの軸
に関して対称な位置に、Θ検出用の所定位置5個所を設
定している。X方向については、「X方向レンズの軸を
通る光センサの法線方向であって、X方向レンズに垂直
に、かつY方向レンズの軸に対称な位置」という定義に
対し、「X方向レンズの軸を通る光センサの法線方向」
が合致していないが、X方向については測定距離が十分
にあるので測定値に対する結果に与える影響の度合い、
つまり感度がY軸方向に比べ低いので、演算結果には大
きな影響を与えない。さらには、「X方向レンズの軸を
通る光センサの法線方向」が合致していないとは言え、
本実施の形態では、その距離ができるだけ小さくなるよ
うに構成されており、図22において、座標算出精度が
劣化しない領域となっていることは言うまでもない。
【0131】さらに説明を加えれば、図22における座
標算出精度の劣化は、前述したとおり、レンズの軸と光
スポット5がレンズに入射する光線の成す角が最大とな
る点で最も大きくなり、その発生の様子はレンズの軸に
対して対称となっている。したがって、レンズの軸と対
称な位置に所定の位置を配置すれば、レンズの光学的な
歪みの影響を除去することが可能となる。この特性を最
大限利用して測定しているのがあおりの測定である。
【0132】前述の図16に示すとおり、座標入力装置
のXY平面と表示装置のXY平面にあおりが±1°程度
存在していても、入出力一体のこの種の装置に与える影
響は軽微であるが、後述するような製品仕様を想定する
とその調整は重要である。したがって、ここではあおり
の調整方法について同様に説明する。
【0133】再び図17に基づいて説明すれば、ステッ
プS304において所定位置を出力し、その所定位置に
アイコンやカーソル等のマークを表示する。そして、そ
の位置における光スポット5によるセンサの出力画素番
号を同様に計算し、導出する(ステップS306)。こ
の動作を異なる所定位置において所定回数繰り返すこと
によって、複数の光出力画素番号(αXn、αYn)を取得
する。
【0134】あおり調整の場合の所定位置は、図18の
表示スクリーン55“用配置図において、Aの記号が配
されている位置であり、Y方向レンズの軸、及びX方向
レンズの軸に対称に4個所設定されている。
【0135】このとき、αXA2−αXA1とαXA4−αXA3
及びαYA1−αYA3とαYA2−αYA4の値を各々比較し、各
々両者の値が一致すれば、あおりが発生せず最適な状態
で座標入力装置の軸と表示装置の軸が一致したことを示
すことになる。ここで、レンズの軸に対称な位置での出
力画素番号の差分を計算、比較しているので、レンズの
光学的特性による誤差を吸収し、精度良くあおりの状態
を示す情報が得られることが理解される。
【0136】図20は、表示装置の他の例を示し、フロ
ントタイプのプロジェクタを用い、例えば後づけで座標
入力装置に設置して、あたかも紙と鉛筆のような関係を
実現しようとするものである。この場合、Θ調整、あお
り調整は操作性を満足させるためにも重要な設置手順で
あり、ユーザが任意で設置すれば、あおりが大きくずれ
ることが想定され、このような場合を想定すれば、いく
ら調整がラフであっても良いとは言え、あおりの調整手
段を有することは重要である。
【0137】また、本実施の形態で説明したリアプロジ
ェクタは、一度工場等での調整、組み立てが完了すれ
ば、市場において部品交換がない限り半永久的にその状
態が保たれるので、調整は不要となる仕様である。しか
しながら、市場において、プロジェクタの故障、或いは
座標入力装置の故障による部品交換を想定すれば、その
ユーザ先での調整、組み立てを可能とする仕様が望まし
い。
【0138】上述のように、図18に示すような治具を
用いて検査を自動化できることを説明したが、座標入力
装置の所定位置出力情報を基にカーソルを表示させれ
ば、実施の形態中に示した指示具4を用いて、同様の検
査、調整が可能となり、製品の保守という観点でも優れ
た利点を有する構成と言える。
【0139】また、姿勢調整機構を有せず、座標入力装
置が出力した座標値を、上述したΘ値、あおり値を用い
て補正する方法であっても無論良いことは言うまでもな
いが、この補正演算は演算量が多く、その結果演算によ
る時間が律束となり座標算出サンプリングレート(単位
時間あたりの座標算出可能点数)が低下する可能性が高
くなる欠点を有するので、調整による組みつけを、製造
サイドでは簡便に工程が組めるように、ユーザサイドで
は、ユーザであっても、或いは保守要員であっても容易
にできるよう構成したものである。
【0140】また、所定位置(基準点)からの光の出力
画素番号を予め記憶しておいて、その値を用いて座標値
を算出することは先に述べたが、図18における治具に
は、その所定位置にもLED等の発光手段を設置してあ
る。つまり、姿勢調整後に同様な手順で、基準点位置の
LEDを点灯させ、必要な情報を格納し、高精度に座標
算出を可能とする全ての情報を、この治具を用いて取得
できるように構成してある。
【0141】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、座
標入力装置と表示装置との軸ずれを補正するために、特
異な所定位置における情報を取得することにより、精度
良く軸ずれやあおりを計測し、座標入力装置と表示装置
の一体化による両者の組み付けを簡便に、しかも正確に
行えるようにするとともに、操作性の良い入出力一体の
機器を構成できるといった優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の光学式座標入力装置の概略構成
を示す図である。
【図2】指示具4の構成を示す図である。
【図3】座標検出器1の構成を示す図である。
【図4】リニアセンサ20X、20Yの配置関係を示す
図である。
【図5】リニアセンサ20X、20Yの構成を示す図で
ある。
【図6】受光素子の出力信号から制御信号を復元する動
作を表す信号波形のタイミングチャートである。
【図7】受光素子の出力信号から制御信号を復元する一
連の動作の終了時を表す信号波形のタイミングチャート
である。
【図8】リニアセンサの出力波形の一例を示す波形図で
ある。
【図9】リニアセンサのスキム動作を示す波形図であ
る。
【図10】リニアセンサのセンサ制御の一連の動作を示
すフローチャートである。
【図11】CCD出力画素番号を算出するための処理を
示すフローチャートである。
【図12】CCD出力の一例を示す説明図である。
【図13】光学的配置を説明するための図である。
【図14】光学的歪みを補正する補正方法を示すフロー
チャートである。
【図15】軸ずれによる座標算出精度劣化を示す図であ
る。
【図16】あおりによる座標算出制度劣化を示す図であ
る。
【図17】姿勢検知のための処理を示すフローチャート
である。
【図18】リアプロジェクタ及び所定位置を説明するた
めの図である。
【図19】姿勢調整手段11の一例を示す図である。
【図20】フロントプロジェクタを説明するための図で
ある。
【図21】本実施の形態における光学的歪みを補正した
座標算出精度の出力結果を示す図である。
【図22】従来の演算処理による座標算出精度の出力結
果を示す図である。
【符号の説明】
1 座標検出器 4 指示具 5 光スポット 8 投射型表示装置 10 座標入力面であるスクリーン 11 姿勢調整手段 20X、20Y リニアセンサ 21X、21Y 感光部 31 センサ制御手段 32 座標演算手段 91X、91Y 円柱状レンズ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指示具からの照射により座標入力面に生
    成された光スポットが結像されるセンサ手段と、前記セ
    ンサ手段の出力信号に応じて前記座標入力面の位置座標
    を演算する座標演算手段とを備えた座標入力装置であっ
    て、 複数の所定位置の情報に基づいて前記座標入力面に生成
    された光スポットによる前記センサ手段の出力信号に応
    じて、前記座標入力装置の姿勢を算出する姿勢算出手段
    を備えたことを特徴とする座標入力装置。
  2. 【請求項2】 前記座標入力面に画像情報を表示する表
    示装置が一体に構成され、前記姿勢算出手段は、前記表
    示装置に対する前記座標入力装置の相対的な姿勢を算出
    することを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  3. 【請求項3】 前記表示装置は、前記複数の所定位置の
    情報に基づいて前記座標入力面にマークを表示すること
    を特徴とする請求項2に記載の座標入力装置。
  4. 【請求項4】 前記センサ手段は、感光部がX軸方向に
    直線状に配列されたX軸用センサと、感光部がY軸方向
    に直線状に配列されたY軸用センサとからなり、前記X
    軸用センサにはY軸方向に軸を有する円柱状レンズを介
    して光スポットの光が結像され、前記Y軸用センサには
    X軸方向に軸を有する円柱状レンズを介して光スポット
    の光が結像されることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の座標入力装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の所定位置は、いずれか一方の
    円柱状レンズの軸と平行であって、かつ、他方の円柱状
    レンズの軸に関して対称的に設定されていることを特徴
    とする請求項4に記載の座標入力装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の所定位置は、前記両円柱状レ
    ンズの軸に対称に設定されていることを特徴とする請求
    項4に記載の座標入力装置。
  7. 【請求項7】 前記姿勢算出手段の算出結果に応じて姿
    勢を調整するための姿勢調整手段を備えたことを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1項に記載の座標入力装
    置。
  8. 【請求項8】 指示具からの照射により座標入力面に生
    成された光スポットが結像されるセンサ手段と、前記セ
    ンサ手段の出力信号に応じて前記座標入力面の位置座標
    を演算する座標演算手段とを備えた座標入力装置の姿勢
    算出方法であって、 複数の所定位置の情報に基づいて前記座標入力面に生成
    された光スポットによる前記センサ手段の出力信号に応
    じて、姿勢を算出する手順を有することを特徴とする座
    標入力装置の姿勢算出方法。
  9. 【請求項9】 指示具からの照射により座標入力面に生
    成された光スポットが結像されるセンサ手段と、前記セ
    ンサ手段の出力信号に応じて前記座標入力面の位置座標
    を演算する座標演算手段とを備えた座標入力装置の姿勢
    を算出するためのプログラムを格納したコンピュータ読
    み取り可能な記憶媒体であって、 複数の所定位置の情報に基づいて前記座標入力面に生成
    された光スポットによる前記センサ手段の出力信号に応
    じて、姿勢を算出する処理を実行するためのプログラム
    を格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能
    な記憶媒体。
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