JP4610603B2 - トナー、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
前記ポリ乳酸共重合体は、結晶性ポリエステルであり、
前記結着樹脂における前記ポリ乳酸共重合体の含有率が20重量%〜50重量%であり、
前記酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物における酸化アルミニウムの組成比率が35重量%〜50重量%であることを特徴とするトナーである。
また本発明は、前記トナーとキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤である。
また本発明は、前記現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
トナー母体粒子は、結着樹脂および着色剤を含んで構成される。トナー母体粒子には、結着樹脂および着色剤の他に、たとえば、帯電制御剤、離型剤などのその他のトナー添加成分が含有されていてもよい。
(a)結着樹脂
結着樹脂は、少なくとも結晶性ポリエステルと非晶質樹脂とを含有して構成される。本発明のトナーにおいて、結着樹脂における結晶性ポリエステルの含有率は20重量%〜50重量%である。これによって、低温定着性に優れる結晶性ポリエステルを結着樹脂中に充分に分散させることができるため、優れた低温定着性および帯電均一性を得ることができる。結晶性ポリエステルの含有率が20重量%未満であると、良好な低温定着性が得られない。また、50重量%を超えると、結晶性ポリエステルが結着樹脂中に充分に分散できなくなり、帯電均一性が悪化してかぶりなどが発生し、良好な画像が得られなくなる。またトナーの透明性も悪化する。
着色剤の具体例としては、たとえば、イエロートナー用着色剤、マゼンタトナー用着色剤、シアントナー用着色剤、およびブラックトナー用着色剤などが挙げられる。以下では、カラーインデックス(Color Index)を「C.I.」と略記する。
帯電制御剤としては、正電荷制御用または負電荷制御用の帯電制御剤を使用できる。たとえば、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、およびアミジン塩などの正電荷制御用の帯電制御剤と、たとえば、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、ならびに樹脂酸石鹸などの負電荷制御用の帯電制御剤が挙げられる。帯電制御剤は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。帯電制御剤を含有させることによって、トナーに好ましい帯電性を付与することができる。
離型剤としては、特に限定されるものではなく公知のものを使用することができるけれども、極性の低い離型剤としては、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、ならびにマイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、低分子ポリプロピレンワックスおよびその誘導体、ならびにポリオレフィン系重合体ワックスおよびその誘導体などの炭化水素系合成ワックスが挙げられる。また、極性の高い離型剤としては、カルナバワックスおよびその誘導体、ならびにエステル系ワックスなどが挙げられる。離型剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
本発明のトナー母体粒子の製造方法としては、特に限定されるものではなく公知の製造方法を用いることができるが、たとえば、溶融混練粉砕法が挙げられる。溶融混練粉砕法によれば、まず、結着樹脂、着色剤、および離型剤、電荷制御剤などのその他の添加成分のそれぞれ所定量を、混合機によって乾式混合して混合物を作製する。次いで、得られた混合物を混練機によって溶融混練した後、室温まで冷却することによって溶融混練物の固化物を作製する。そして、得られた固化物を機械的に粉砕して粉砕物とし、さらに分級機によって過粉砕物や粗粉を分級除去することで本発明のトナー母体粒子を製造できる。
上述のようにして製造されたトナー母体粒子には、たとえば、粉体流動性向上、摩擦帯電性向上、耐熱性向上、長期保存性改善、クリーニング特性改善および感光体表面磨耗特性制御などの機能を担う外添剤が混合される。本発明において、外添剤は、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物を必須成分として含んで構成される。
外添剤は、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物を含む。酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物に含まれる二酸化ケイ素は、トナーの流動性を良好にし、さらにトナーの表面抵抗を高くしてトナーの帯電量を小さくする働きをする。一方、酸化アルミニウムは、トナーの表面抵抗を低くしてトナーの帯電量を大きくする働きをする。したがって、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物を外添することによって、トナーの帯電性と流動性とを制御することができる。また、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物を外添することによって、トナーの透明性が良好になり、優れた色再現性を得ることができる。
外添剤には、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物以外に、その他の無機微粉末を併用することもできる。その他の無機微粉末としては、この分野で常用されるものを使用できるが、たとえば、流動性を制御でき、トナーの透明性に影響を与えないシリカ微粉末などが好ましい。無機微粉末は、1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
図1は、本発明の画像形成装置1の構成を模式的に示す断面図である。画像形成装置1は、複写機能、プリンタ機能およびファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体上にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する。すなわち、画像形成装置1においては、コピアモード(複写モード)、プリンタモードおよびFAXモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録記憶媒体、メモリ装置を用いた外部機器からの印刷ジョブの受信などに応じて、図示しない制御部により、印刷モードが選択される。画像形成装置1は、トナー像形成手段2と、転写手段3と、定着手段4と、記録媒体供給手段5と、排出手段6とを含む。トナー像形成手段2を構成する各部材および中間転写手段3に含まれる一部の部材は、カラー画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)およびイエロー(y)の各色の画像情報に対応するために、それぞれ4つずつ設けられる。ここでは、各色に応じて4つずつ設けられる各部材は、各色を表すアルファベットを参照符号の末尾に付して区別し、総称する場合は参照符号のみで表す。
Versatile Disc)レコーダ、HDDVD(High-Definition Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種手段のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御手段は、前述の処理回路とともに主電源を含み、電源は制御手段だけでなく、画像形成装置1内部における各装置にも電力を供給する。
実施例および比較例における各物性値は、以下に示すようにして測定した。
GPC装置(商品名:HLC−8220GPC、東ソー株式会社製)を用い、温度40℃において、試料の0.25重量%のテトラヒドロフラン(以下、「THF」と記す)溶液を試料溶液とし、試料溶液の注入量を200μLとして、分子量分布曲線を求めた。得られた分子量分布曲線から、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を求めた。なお、分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−500C、株式会社島津製作所製)を用い、試料1gをシリンダに挿入し、ダイから押出されるように荷重10kgf/cm2(0.980665MPa)を与えながら、昇温速度毎分6℃(6℃/min)で加熱し、ダイから試料の半分が流出したときの温度を軟化点(T1/2)として求めた。ダイには、口径1mm、長さ1mmのものを用いた。
酸価は以下のようにして中和滴定法によって測定した。THF50mLに、試料5gを溶解させ、指示薬としてフェノールフタレインのエタノール溶液を数滴加えた後、0.1モル/Lの水酸化カリウム(KOH)水溶液で滴定を行なった。試料溶液の色が無色から紫色に変化した点を終点とし、終点に達するまでに要した水酸化カリウム水溶液の量と滴定に供した試料の重量とから、酸価(mgKOH/g)を算出した。
Al2O3の組成比率は、蛍光X線分析装置(商品名:ZSX・PrimusII、理学電機工業株式会社製)を用いて測定した特性X線強度の値に基づいて算出した。測定は、X線源のターゲット:Rh、X線源への印加電圧:40kV、電流値:50mAとし、光学系の分光結晶にはLiF(対象:Al2O3粒子)を用い、検出器にはシンチレーションカウンタとフォトカウンタとを用い、分光器の走査にはスキップスキャン法を用い、1ステップあたり0.05度の角度に設定して行った。
走査型電子顕微鏡(商品名:S−4300SE/N、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて50000倍に拡大した画像を、前記走査型電子顕微鏡の視野を変えて100個の粒子について撮影し、得られた写真画像を画像解析することによって一次粒子の粒径を測定した。得られた測定値から平均一次粒径を算出した。
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)によって超音波周波数20kHzで3分間分散処理して測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター株式会社製)を用い、アパーチャ径100μm、測定粒子数50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒径D50V(μm)を求めた。
トナーは、結晶性ポリエステルと非晶質樹脂とを含有する結着樹脂、着色剤、帯電制御剤および離型剤を含むトナー母体粒子に外添剤を添加して製造した。
L−ラクチド3kg、DL−ラクチド2kgおよびオクチル酸スズ1.2gを重合反応槽に仕込み、窒素雰囲気下において、195℃で1時間加熱開環重合させた後、1,3−プロパンジオール100g、テレフタル酸50gを加え、さらに190℃で2時間重合させて、ポリ乳酸共重合体(CE−1)(重量平均分子量(Mw):10500、数平均分子量(Mn):3900、軟化点(T1/2):135℃、酸価:8.8mgKOH/g)を製造した。
ビスフェノールAプロピレンオキサイド、テレフタル酸および無水トリメリット酸を単量体として使用して重縮合することによって、酸価の異なる非晶質ポリエステル(P−1〜P−5)をそれぞれ製造した。
欧州特許第0585544号明細書の実施例1に記載されている公知のバーナー配列に従って、核水素(Kernwasserstoff)または反応水素(Reaktionswasserstoff)1.4Nm3/hを空気5.5Nm3/hおよびあらかじめ蒸発させたSiCl41.30kg/hと共に約200℃で混合した。この約200℃の熱混合物中に、さらにあらかじめ300℃で蒸発させたガス状のAlCl30.90kg/hを供給した。得られた混合物を炎管中で燃焼させ、その際、これらの炎管中に、空気12Nm3/hを供給した。炎管通過後に生じた粉末をフィルターまたはサイクロン中で、塩酸含有ガスから分離した。付着した塩酸残留物を、高温で処理することにより生じた混合酸化物から分離することで、Al2O3−SiO2(A−1)を製造した。上述の方法において、SiCl4とAlCl3との供給比率を変えることによって、Al2O3の組成比率または平均一次粒径の異なるAl2O3−SiO2(A−2〜A−9)をそれぞれ製造した。
(トナー母体粒子の製造)
ポリ乳酸共重合体(CE−1)40重量%および非晶質ポリエステル(P−1、酸価:15mgKOH/g)60重量%を含有する結着樹脂100重量部と、銅フタロシアニン(着色剤、C.I.ピグメントブルー15、クラリアント社製)5.0重量部と、サリチル酸の亜鉛化合物(帯電制御剤、商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社製)2.0重量部と、パラフィンワックス(離型剤、商品名:HNP10、日本精鑞株式会社製)4.5重量部とを含有するトナー原料をヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)で均一になるように混合して混合物を得た。次いで、得られた混合物を二軸押出混練機(商品名:PCM−65、株式会社池貝製)で加熱しながら溶融混練した後、室温まで冷却することによって溶融混練物の固化物を得た。
上述のようにして得られたトナー母体粒子100重量部に対して、Al2O3−SiO2(A−1、Al2O3の組成比率:40重量%、平均一次粒径:20nm)1.5重量部と、疎水性シリカ(商品名:RX−50、日本アエロジル株式会社製)2.0重量部とを添加し、ヘンシェルミキサ(商品名:FMミキサ、三井鉱山株式会社製)で混合することによって実施例1のトナーを製造した。
ポリ乳酸共重合体(CE−1)21重量%および非晶質ポリエステル(P−1)79重量%を含有する結着樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
ポリ乳酸共重合体(CE−1)49重量%および非晶質ポリエステル(P−1)51重量%を含有する結着樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例3のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
Al2O3−SiO2(A−1)のかわりにAl2O3−SiO2(A−2、Al2O3の組成比率:36重量%、平均一次粒径:20nm)を添加した以外は、実施例1と同様にして実施例4のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
Al2O3−SiO2(A−1)のかわりにAl2O3−SiO2(A−3、Al2O3の組成比率:49重量%、平均一次粒径:20nm)を添加した以外は、実施例1と同様にして実施例5のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
非晶質ポリエステル(P−1)のかわりに非晶質ポリエステル(P−2、酸価:6mgKOH/g)を含有する結着樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例6のトナーを製造した。
非晶質ポリエステル(P−1)のかわりに非晶質ポリエステル(P−3、酸価:4mgKOH/g)を含有する結着樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例7のトナーを製造した。
非晶質ポリエステル(P−1)のかわりに非晶質ポリエステル(P−4、酸価:19mgKOH/g)を含有する結着樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例8のトナーを製造した。
非晶質ポリエステル(P−1)のかわりに非晶質ポリエステル(P−5、酸価:21mgKOH/g)を含有する結着樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例9のトナーを製造した。
Al2O3−SiO2(A−1)のかわりにAl2O3−SiO2(A−4、Al2O3の組成比率:40重量%、平均一次粒径:6nm)を添加した以外は、実施例1と同様にして実施例10のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
Al2O3−SiO2(A−1)のかわりにAl2O3−SiO2(A−5、Al2O3の組成比率:40重量%、平均一次粒径:4nm)を添加した以外は、実施例1と同様にして実施例11のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
Al2O3−SiO2(A−1)のかわりにAl2O3−SiO2(A−6、Al2O3の組成比率:40重量%、平均一次粒径:25nm)を添加した以外は、実施例1と同様にして実施例12のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
Al2O3−SiO2(A−1)のかわりにAl2O3−SiO2(A−7、Al2O3の組成比率:40重量%、平均一次粒径:27nm)を添加した以外は、実施例1と同様にして実施例13のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
Al2O3−SiO2(A−1)を0.1重量部添加した以外は、実施例1と同様にして実施例14のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
Al2O3−SiO2(A−1)を0.08重量部添加した以外は、実施例1と同様にして実施例15のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
Al2O3−SiO2(A−1)を5.0重量部添加した以外は、実施例1と同様にして実施例16のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
Al2O3−SiO2(A−1)を5.2重量部添加した以外は、実施例1と同様にして実施例17のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
粉砕条件および分級条件を変更した以外は、実施例1と同様にして実施例18のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は4.0μmであった。
粉砕条件および分級条件を変更した以外は、実施例1と同様にして実施例19のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は8.0μmであった。
粉砕条件および分級条件を変更した以外は、実施例1と同様にして実施例20のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は3.5μmであった。
粉砕条件および分級条件を変更した以外は、実施例1と同様にして実施例21のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は9.0μmであった。
Al2O3−SiO2(A−1)のかわりに酸化チタン(TiO2、商品名:T−805、日本アエロジル株式会社製)を添加した以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
ポリ乳酸共重合体(CE−1)19重量%および非晶質ポリエステル(P−1)81重量%を含有する結着樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にして比較例2のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
ポリ乳酸共重合体(CE−1)52重量%および非晶質ポリエステル(P−1)48重量%を含有する結着樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にして比較例3のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
Al2O3−SiO2(A−1)のかわりにAl2O3−SiO2(A−8、Al2O3の組成比率:34重量%、平均一次粒径:20nm)を添加した以外は、実施例1と同様にして比較例4のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
Al2O3−SiO2(A−1)のかわりにAl2O3−SiO2(A−9、Al2O3の組成比率:51重量%、平均一次粒径:20nm)を添加した以外は、実施例1と同様にして比較例5のトナーを製造した。得られたトナー母体粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。
キャリアとして、体積平均粒径45μmのフェライトコアキャリアを用いて、キャリアに対する実施例1〜21および比較例1〜5のトナーの被覆率がそれぞれ60%となるように、キャリアと前記トナーとをV型混合器混合機(商品名:V−5、株式会社特寿工作所製)にて20分間混合して、二成分現像剤を作製した。
実施例1〜21および比較例1〜5のトナーについて、以下のようにして透明性、定着性、細線再現性、画像濃度均一性、地肌かぶりおよび帯電量について評価した。評価結果および総合評価を表2に示す。なお、表2において、初期の評価とは、空のトナーカートリッジにトナーを充填した後に後述の評価を行ったものであり、印刷後の評価とは、上記評価機により画像を10000枚印刷した後に後述の評価を行ったものである。また、評価項目の説明に記載されている「◎」、「○」、「△」、「×」などの記号は、表2で用いる評価結果を示す記号である。「◎」は非常に優れていることを示し、「○」は優れていることを示し、「△」は実用可能であることを示し、「×」は実用が困難であることを示す。
本発明におけるトナーの評価には、カラー複写機(商品名:MX−2700、シャープ株式会社製)を評価機として用いた。
上記評価機によって、付着量が0.5mg/cm2になるように調整して3cm×3cmのベタ画像をOHPシートに印刷した。分光光度計(商品名:U−3300、株式会社日立製作所製)によって、得られたベタ画像の定着トナー層における波長470nmの透過率を測定し、外添剤が添加されていないトナーを用いた場合の定着トナー層の透過率に対する低下率を求めた。評価基準は次のとおりである。
○:低下率が10%未満である。
△:低下率が10%以上20%未満である。
×:低下率が20%以上である。
上記評価機によって、付着量が0.5mg/cm2になるように調整して3cm×3cmのベタ画像を転写用紙に転写し、定着ローラの温度を120℃から210℃まで5℃刻みで温度を上げ、非オフセット域(コールドオフセットもホットオフセットも起こらない温度域)を求めた。評価基準は次のとおりである。なお、コールドオフセットおよびホットオフセットの定義は、定着時にトナーが転写用紙に定着せずに定着ローラに付着したままローラが一周した後に転写用紙に付着することとした。
○:非オフセット域が60℃以上である。
×:非オフセット域が60℃未満である。
上記評価機によって、画像濃度が0.3であって直径5mmのハーフトーン画像を、画像濃度0.3以上0.5以下で複写できる条件において、線幅が正確に100μmである細線のオリジナル画像が形成される原稿を転写用紙に複写し、得られたコピー画像を測定用サンプルとした。この測定用サンプルを、粒子アナライザ(商品名:ルーゼックス450、株式会社ニレコ製)を用いて100倍に拡大したモニタ画像から、インジケータによって測定サンプルに形成される細線の線幅を測定した。画像濃度は、反射濃度計(商品名:RD918、マクベス社製)によって測定された光学反射濃度である。細線には凹凸があり、線幅は測定位置によって異なるので、複数の測定位置において線幅を測定して平均値をとり、この線幅を測定用サンプルの線幅とした。測定用サンプルの線幅を、原稿の線幅である100μmで除し、得られた値を100倍したものを細線再現性の値として得た。この細線再現性の値が100に近いほど、細線の再現性がよく、解像性に優れることを示す。評価基準は次のとおりである。
○:細線再現性の値が100より大きく115未満である。
△:細線再現性の値が115より大きく125未満である。
×:細線再現性の値が125より大きい。
上記評価機によって、3cm×3cmのベタ画像を転写用紙に印刷した。反射濃度計(商品名:RD918、マクベス社製)によって、得られたベタ画像の中央部と両端部との3ヶ所測定した。その測定した反射濃度のうち、最も高い反射濃度と最も低い反射濃度との差を濃度差として、下記の基準に基づいて、画像濃度均一性を評価した。
○:濃度差が0.15以下である。
△:濃度差が0.15より大きく0.25以下である。
×:濃度差が0.25より大きい。
上記評価機によって、転写用紙に画像を印刷した後、反射濃度計(商品名:RD918、マクベス社製)によって、印刷前と印刷後との転写用紙の白地部の反射濃度を測定した。その測定した印刷前後における反射濃度の差によって、下記の基準に基づいて、地肌かぶりを評価した。
○:反射濃度の差が、0.005以下である。
△:反射濃度の差が、0.005より大きく0.009以下である。
×:反射濃度の差が、0.009より大きい。
トナーの帯電量は、帯電量測定装置(商品名:Model210HS−2、TREK社製)にて測定した。
総合評価の評価基準は次のとおりである。
◎:非常に優れている。全ての評価結果に×および△がない。
○:優れている。全ての評価結果に×がなく、△が1個以上である。
×:不良。少なくともいずれか1つの評価結果に×がある。
2 トナー像形成手段
3 転写手段
4 定着手段
5 記録媒体供給手段
6 排出手段
11 感光体ドラム
12 帯電手段
13 露光ユニット
14 現像手段
15 クリーニングユニット
20 現像槽
21 トナーホッパ
25 中間転写ベルト
26 駆動ローラ
27 従動ローラ
28 中間転写ローラ
29 転写ベルトクリーニングユニット
30 転写ローラ
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
35 自動給紙トレイ
36 ピックアップローラ
37 搬送ローラ
38 レジストローラ
39 手差給紙トレイ
40 排出ローラ
41 排出トレイ
Claims (10)
- 少なくともポリ乳酸共重合体と非晶質樹脂とを含有する結着樹脂および着色剤を含むトナー母体粒子に、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物が外添されて構成されるトナーであって、
前記ポリ乳酸共重合体は、結晶性ポリエステルであり、
前記結着樹脂における前記ポリ乳酸共重合体の含有率が20重量%〜50重量%であり、
前記酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物における酸化アルミニウムの組成比率が35重量%〜50重量%であることを特徴とするトナー。 - 非晶質樹脂の酸価は、5mgKOH/g〜20mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物は、平均一次粒径が5nm〜25nmであることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
- 酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物は、トナー母体粒子100重量部に対して0.1重量部〜5.0重量部となるように添加されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナー。
- 酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物は、トナー母体粒子100重量部に対して0.1重量部〜2.0重量部となるように添加されることを特徴とする請求項4に記載のトナー。
- トナー母体粒子は、体積平均粒径が、4.0μm〜8.0μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のトナー。
- 着色剤は、有機着色剤であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のトナー。
- 請求項1〜7のいずれか1つに記載のトナーとキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤。
- 請求項1〜7のいずれか1つに記載のトナーまたは請求項8に記載の二成分現像剤を用いて現像を行うことを特徴とする現像装置。
- 請求項9に記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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