JP4597839B2 - 画像形成用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真プロセスを用いる複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成用トナーの製造方法に関するものである。
従来、乾式現像方式で用いられている定着方式としては、そのエネルギー効率の良さから、加熱ヒートローラ方式が広く一般に用いられていた。近年はトナーの低温定着化による省エネルギーを図るため、定着時にトナーに与えられる熱エネルギーは小さくなる傾向にある。
そこで、トナーの低温定着化という点について、従来多用されてきたスチレン−アクリル系樹脂に替えて、低温定着性にすぐれ耐熱保存性も比較的良いポリエステル樹脂の使用が試みられていたが、未だ十分ではなかった。そこで、更なる低温定着化のためには、樹脂そのものの熱特性をコントロールすることが必要となるが、ガラス転移温度(Tg)を下げすぎると耐熱保存性を悪化させたり、あるいは分子量を小さくして樹脂の軟化温度〔T(F1/2)〕を下げすぎるとホットオフセット発生温度を低下させるなどの問題があった。このため、低温定着性に優れるポリエステル樹脂でも、樹脂そのものの熱特性をコントロールすることにより低温定着性に優れ、かつホットオフセット発生温度の高いトナーを得るには至っていなかった。
そこで、この問題を解決するために、結着樹脂中にガラス転移温度でシャープメルト性を有する特定の非オレフィン系結晶性重合体を添加する試み(特許文献1参照)や、結晶性ポリエステルを用いる試みがなされていた(特許文献2乃至8参照)。この技術により、ある程度の低温定着性は達成されたものの、未だ十分ではなかった。そして、さらに生産性を高めるために、結晶性ポリエステル樹脂に無機微粒子を添加し、結晶性ポリエステル樹脂を十分に結晶化させることにより溶融混練後の圧延工程の生産性向上を図る方法(特許文献9参照)が開示されていた。
結晶性ポリエステル樹脂を処方したトナー固有の課題として、溶融混練後の冷却圧延工程において、速やかに結晶性ポリエステル樹脂を結晶化させることが必要であるという問題点があった。また、結晶化が行われていない状態では、結晶性ポリエステル樹脂が圧延ローラに粘着するなど製造上の不具合を生じてしまうという問題点があった。そのため、結晶化させるためには、溶融混練物を結晶性ポリエステル樹脂の凝固点以下の温度にまで冷却する必要があり、特許文献9では、無機微粒子を内添することにより、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化を促進していた。具体的には結晶性ポリエステル樹脂の凝固点を高めていた。
しかしながら、無機微粒子内添は、その処方量が多いと無機微粒子がフィラー効果を発現し、トナーの溶融粘度を高めるため、定着下限温度が上がるという問題点があった。また、無機微粒子、特にシリカを用いた場合には帯電性が高いので帯電レベルの制御が困難となる、あるいは硬度の高い無機微粒子が定着ベルト等の部材と接触すると部材表面に傷を付けるなどの問題点があった。そのため、結晶性ポリエステルの結晶化の制御が可能であり、かつ前記問題のない制御方法が求められていた。
特開昭62−63940号公報 特開2001−222138号公報 特開2002−284866号公報 特開2002−287426号公報 特開2002−328490号公報 特開2003−167384号公報 特許第2931899号公報 特開2001−222138号公報 特開2004−309517号公報
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、低温定着性に優れ、かつ熱特性、帯電特性の制御が容易な結晶性ポリエステル樹脂を結着樹脂として含有するトナーを、効率よく製造する方法を提供することである。
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明は、軟化温度T(F1/2)と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化温度/ピーク温度)が0.6乃至1.3であり、ガラス転移温度Tg及び軟化温度T(F1/2)が80乃至130℃であり、その分子主鎖中に下記一般式(1)
(化1)
−OOC−R−COO−(CH )n− (1)
(式中、Rは炭素数2乃至20の直鎖状不飽和脂肪族基を示し、nは2乃至20の整数を示す)
で表されるエステル結合を含有する結晶性ポリエステル樹脂であって、該結晶性ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分が1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの中から選ばれる少なくとも1つからなり、酸成分がマレイン酸及びフマル酸の中から選ばれる少なくとも1つからなる結晶性ポリエステル樹脂と、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウムから選ばれる脂肪酸金属塩とを含む原料を溶融混練する工程を有することを特徴とするトナーの製造方法である。
本発明は、前記トナーの製造方法において、前記脂肪酸金属塩の配合量が結晶性ポリエステル樹脂100重量部に対して3乃至25重量部であることを特徴とする。
本発明は、前記トナーの製造方法において、前記結晶性ポリエステル樹脂の粉末X線回折パターンにおける回折ピークが、少なくとも2θ=20乃至25°の位置に存在することを特徴とするトナーの製造方法である。
発明は、前記トナーの製造方法において、溶融混練工程により得られた混練物を、圧延ロールにより冷却圧延する工程を有することを特徴とするトナーの製造方法である。
本発明は、軟化温度T(F1/2)と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化温度/ピーク温度)が0.6乃至1.3であり、ガラス転移温度Tg及び軟化温度T(F1/2)が80乃至130℃であり、その分子主鎖中に下記一般式(1)
(化2)
−OOC−R−COO−(CH )n− (1)
(式中、Rは炭素数2乃至20の直鎖状不飽和脂肪族基を示し、nは2乃至20の整数を示す)
で表されるエステル結合を含有する結晶性ポリエステル樹脂であって、該結晶性ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分が1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの中から選ばれる少なくとも1つからなり、酸成分がマレイン酸及びフマル酸の中から選ばれる少なくとも1つからなる結晶性ポリエステル樹脂と、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウムから選ばれる脂肪酸金属塩とを含む原料を溶融混練してなることを特徴とするトナーである。
本発明は、上記解決するための手段によって、結晶性ポリエステル樹脂を処方することにより得られる低温定着性に優れたトナーにおいて、脂肪酸金属塩をトナーに内添することによりトナー中の結晶性ポリエステル樹脂を十分に結晶化させ、溶融混練後の圧延工程の生産性向上を図ると同時に、従来技術に較べて熱特性、帯電特性の制御が容易なトナーを製造する方法を提供することが可能となった。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
トナー粒径について説明すると、600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナーの重量平均粒径は3乃至8μmが好ましく、より好ましくは4乃至7μmである。この範囲では、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れる。重量平均粒径(D4)が3μm未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすい。また、重量平均粒径(D4)が8μmを超えると、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しい。
また、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)は1.00乃至1.40の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.05乃至1.30である。ここで、(D4/D1)は、1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
異なる色のトナー像を重ね合わせることにより多色像を形成するフルカラー画像形成方法においては、ブラックトナー1色のみで画像形成するため異なる色のトナー像を重ね合わせる必要のないモノクロ画像形成方法に比べて、紙上に付着させるトナー量が多い。すなわち現像、転写、定着されるトナー量が多くなるために、上述の転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下、文字やラインの飛び散り、地肌かぶりなど画質を悪化させる不具合が起こりやすく、重量平均粒径(D4)や重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)の管理が重要となる。
次に、トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100乃至150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1乃至5mL加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2乃至20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1乃至3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、重量分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00以上乃至2.52μm未満、2.52以上乃至3.17μm未満、3.17以上乃至4.00μm未満、4.00以上乃至5.04μm未満、5.04以上乃至6.35μm未満、6.35以上乃至8.00μm未満、8.00以上乃至10.08μm未満、10.08以上乃至12.70μm未満、12.70以上乃至16.00μm未満、16.00以上乃至20.20μm未満、20.20以上乃至25.40μm未満、25.40以上乃至32.00μm未満、32.00以上乃至40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
次に、トナー処方について説明する。結晶性を有するポリエステル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)において結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下し、紙などの記録媒体への定着機能を発現する。一方、通常トナー用樹脂として用いられる非晶性樹脂は、Tgから徐々に溶融粘度が低下し、Tgと定着機能を発現するほど溶融粘度が低下する温度(たとえば軟化温度T(F1/2))との間には数10℃の差がある。したがって、非晶性樹脂のみを用いたトナーを低温定着にするためには、樹脂Tgを低くしたり、分子量を低くするなどして、T(F1/2)を下げる必要があるが、副作用として耐熱保存性や耐ホットオフセット性が不十分になりやすい。
そこで、結晶性を有するポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを組み合わせることにより、非晶性樹脂だけではできなかった、耐熱保存性や耐ホットオフセット性の悪化を伴なわない溶融粘度の低下による低温定着化を達成できる。
次に、脂肪酸金属塩の内添について説明する。本発明では、結晶性ポリエステル樹脂100重量部に対して脂肪酸金属塩を3乃至20重量部加え、溶融混練することが好ましい。本発明で用いられる脂肪酸金属塩としては、結晶構造を有するステアリン酸などの脂肪酸金属塩が好ましく、具体的にはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等が好ましい。また、結晶性ポリエステル樹脂を結晶化させるためには、脂肪酸金属塩が結晶構造を有することと、脂肪酸金属塩の凝固温度が結晶性ポリエステル樹脂の凝固温度より高いことが必要である. また、脂肪酸金属塩の軟化温度が結晶性ポリエステル樹脂の軟化温度より高いことが必要である.
結晶性ポリエステル樹脂に脂肪酸金属塩を加えることにより、これらが溶融混練された後に圧延冷却される際に、まず最初に凝固点の高い脂肪酸金属塩が高温で結晶化する。次に、脂肪酸金属塩より凝固点の低い結晶性ポリエステル樹脂が、先に形成された脂肪酸金属塩の結晶を核として結晶化する。一方、脂肪酸金属塩が存在しない場合には、結晶核が存在しないため結晶性ポリエステル樹脂が結晶化しにくく、凝固点が低くなる。すなわち、脂肪酸金属塩を添加することにより結晶性ポリエステル樹脂の凝固点が上昇し高温で結晶化しやすくなる。
次に、トナー構造について説明する。記録媒体である紙繊維に浸透し、かつトナーが融解して紙上で十分に広がりを持ち高い画像濃度を得ると同時に、耐熱保存性に優れたトナーとするための結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、低温定着性への効果を発現するために、結着樹脂全体量に対して5重量部以上必要である。この量が多くなると低温定着化への効果が大きいが、多すぎると結晶性を有する樹脂が耐ホットオフセット性が悪化する。したがって、多くても50重量%以下であることが好ましい。より好ましくは40重量%以下である。結晶性を有する樹脂は、ガラス転移温度(Tg)において急激に溶融粘度が低下するので、その含有量だけでなく、TgとT(F1/2)によっても定着下限温度を制御することが可能である。本発明においては、耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが好ましく、結晶性を有するポリエステル樹脂のTgが80乃至130℃の範囲、T(F1/2)が80乃至130℃の範囲にあることが好ましい。TgおよびT(F1/2)が上記範囲より低くなると、シャープメルト性を有し、低温定着性に効果を発現しやすい結晶性ポリエステルは合成が困難であり、130℃より高い場合には、定着下限温度が高くなるため低温定着性が得られなくなる。
本発明のトナーは、該トナー中に実質上相互に非相溶性の結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂とを含有させ、両者をトナー中に非相溶の相分離状態に存在させたことから、すぐれた耐ホットオフセット性と低温定着性を有する。即ち、本発明のトナーでは、結晶性ポリエステル樹脂、と非結晶性樹脂は、相分離状態で存在することから、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂はそれぞれの固有の特性を発現する。即ち、高いT(F1/2)を有する非結晶性樹脂はトナーの弾性を高め、耐ホットオフセット性を向上させ、一方、低いT(F1/2)を有する結晶性ポリエステル樹脂は低温定着性を向上させる。
なお、トナー中において、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂が相分離状態で存在するか否かは、以下に示すいずれかの方法により確認することができる。
(I)トナーのDSC1回目の昇温による吸熱ピーク測定により相分離構造の形成の有無を確認できる。DSC吸熱ピーク測定において、少なくとも非晶質樹脂、離型剤及び結晶性ポリエステル樹脂にそれぞれ帰属される3つの吸熱ピーク(A)、(B)、(C)が存在し、非結晶性樹脂に帰属される吸熱ピーク(A)が40乃至70℃の範囲にピークトップを有するものであり、離型剤に帰属される吸熱ピーク(B)が70乃至90℃の範囲にピークトップを有するものであり、結晶性ポリエステル樹脂に帰属される吸熱ピーク(C)が80乃至130℃の範囲にピークトップを有するものである。
(II)トナーの粉末X線回折装置によるX線回折パターン測定により、相分離構造の形成の有無を確認できる。これは、本発明のトナーの場合、結晶性を有するポリエステル樹脂が結晶性を保持した状態で非晶質のポリエステル樹脂と相分離した状態でトナー中に存在することから、結晶性ポリエステル樹脂に帰属される回折ピークが少なくとも2θ=20°乃至25°の位置に存在する。相分離構造が形成されていない場合は、結晶性ポリエステル樹脂の結晶構造が維持されずに非晶質のポリエステル樹脂と相溶するために結晶性ポリエステル樹脂に帰属する回折ピークが現れない。
本明細書中に示したガラス転移温度(Tg)や融点の測定には、島津製作所製の熱分析装置DSC−60を使用し、温度範囲20℃乃至150℃、昇温速度10℃/minで測定したものである。また、2回目の昇温を行なう際には、1回目の昇温後、保持時間なしで、降温速度10℃/minで測定開始温度まで下げた。Tgは2回昇温時の接線法により求めた。また、融解熱最大ピーク温度としては2回昇温時融解熱の最大ピーク温度を用いた。
軟化温度〔T(F1/2)〕は、島津製作所製の高架式フローテスターCF−500を使用し、ダイス径1mm、加圧10kgf/cm、昇温速度3℃/minの条件下で1cmの試料を溶融流出させた時のストロークが、流出開始点から流出終了点までのストローク変化量の1/2になる時の温度である。
本発明のトナーは、結晶性ポリエステルを含有しているため、結晶性ポリエステルを含有しないトナーに比べ体積固有抵抗値LogRが低いという傾向がある。これは、結晶性ポリエステルが結晶性を有するため、非晶質のポリエステル樹脂に比べ体積固有抵抗が低いことに由来する現象である。本発明のトナーのLogRが10.5乃至11.2LogΩ・cmであることが好ましく、特に好ましくは10.7乃至11.15LogΩ・cmである。LogRは結晶性ポリエステルの含有量が低いほど、もしくは溶融混レンジに高い混練シェアをかけるなどによりたかくなるため、結晶性ポリエステル含有量と溶融混練時の混練シェアにより調節する。
トナーのLogRが10.5LogΩ・cmより小さい場合は、導電性が高くなり、これにより帯電不良が生じ、地汚れやトナー飛散等が増加する傾向が見られる。また、静電オフセット等による異常画像の発生も生じ、高品位の画像が安定して得られない。また、トナーのLogRが11.2LogΩ・cm以上の場合は、抵抗が高くなるため帯電量が上昇し、画像濃度が低下する傾向が見られる。
トナーの体積固有抵抗LogRの測定は以下のようにして行った。まず、3gのトナーを約2mm厚のペレット状に成型した測定用サンプルを作製し、これをSE−70形固体用電極(安藤電気(株)製)にセットし、そして上記電極間に1kHzの交流を印加したときのLogRをTR−10C型誘電体損測定器、WBG−9発振器、BDA−9平衡点検出器(いずれも安藤電気(株)製)から構成される測定器によって測定し、これによりトナーの体積固有抵抗値LogRを求めた。
次に、結晶性ポリエステル樹脂について、説明する。本発明で用いる結晶性を有するポリエステル樹脂は、その分子主鎖中に下記一般式(1)で表されるエステル結合を含有する結晶性脂肪族ポリエステル樹脂からなることを特徴とする。
(化3)
−OOC−R−COO−(CH)n− (1)
前記式中、Rは直鎖状不飽和脂肪族2価カルボン酸残基を示し、炭素数2乃至20、好ましくは2乃至4の直鎖状不飽和脂肪族基である。nは2乃至20、好ましくは2乃至6の整数である。
一般式(1)の構造の存在は固体 13 C−NMRにより確認することができる。
前記直鎖状不飽和脂肪族基の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、1,3−n−プロペンジカルボン酸、1,4−n−ブテンジカルボン酸等の直鎖状不飽和2価カルボン酸由来の直鎖状不飽和脂肪族基を挙げることができる。
前記一般式(1)において、(CH)nは直鎖状脂肪族2価アルコール残基を示す。この場合の直鎖状脂肪族2価アルコール残基の具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の直鎖状脂肪族2価アルコールから誘導されたものを示すことができる。結晶性ポリエステル樹脂は、その酸成分として、直鎖状不飽和脂肪族ジカルボン酸を用いたことから、芳香族ジカルボン酸を用いた場合に比べて結晶構造を形成し易いという作用効果を示す。
結晶性ポリエステル樹脂は、(i)直鎖状不飽和脂肪族2価カルボン酸又はその反応性誘導体(酸無水物、炭素数1乃至4の低級アルキルエステル、酸ハライド等)からなる多価カルボン酸成分と、(ii)直鎖状脂肪族ジオールからなる多価アルコール成分とを、常法により重縮合反応させることによって製造することができる。この場合、多価カルボン酸成分には、必要に応じ、少量の他の多価カルボン酸を添加することができる。この場合の多価カルボン酸には、(i)分岐鎖を有する不飽和脂肪族2価カルボン酸、(ii)飽和脂肪族2価カルボン酸や、飽和脂肪族3価カルボン酸等の飽和脂肪族多価カルボン酸の他、(iii)芳香族2価カルボン酸や芳香族3価カルボン酸等の芳香族多価カルボン酸等が包含される。これらの多価カルボン酸の添加量は、全カルボン酸に対して、通常、30モル%以下、好ましくは10モル%以下であり、得られるポリエステルが結晶性を有する範囲内で適宜添加される。
必要に応じて添加することのできる多価カルボン酸の具体例を示すと、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の2価カルボン酸、無水トリメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の3価以上の多価カルボン酸等を挙げることができる。
前記多価アルコール成分には、必要に応じ、少量の脂肪族系の分岐鎖2価アルコールや環状2価アルコールの他、3価以上の多価アルコールを添加することができる。その添加量は、全アルコールに対して、30モル%以下、好ましくは10モル%以下であり、得られるポリエステルが結晶性を有する範囲内で適宜添加される。
必要に応じて添加される多価アルコールを例示すると、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ポリエチレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、グリセリン等が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂において、その分子量分布は、低温定着性の点から、シャープであるのが好ましく、また、その分子量は、比較的低分子量であるのが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の分子量は、そのo−ジクロルベンゼン可溶分のGPCによる分子量分布において、その重量平均分子量(Mw)が5500乃至6500、その数平均分子量(Mn)が1300乃至1500及びそのMw/Mn比が2乃至5であることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂についての前記分子量分布は、横軸をlog(M:分子量)とし、縦軸を重量%とする分子量分布図に基づくものである。本発明で用いる結晶性ポリエステル樹脂の場合、この分子量分布図において、3.5乃至4.0(重量%)の範囲に分子量ピークを有することが好ましく、また、そのピークの半値幅が1.5以下であることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂において、そのガラス転移温度(Tg)及び軟化温度〔T(F1/2)〕は、トナーの耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが望ましいが、一般的には、そのTgは80乃至130℃、好ましくは80乃至125℃であり、そのT(F1/2)は80乃至130℃、好ましくは80乃至125℃である。Tg及びT(F1/2)が前記範囲より高くなると、トナーの定着下限温度が高くなるため、トナーの低温定着性が悪化する。
本発明における樹脂微粒子が結晶性を有するか否かは、粉末X線回折装置によるX線回折パターンにピークが存在するかどうかで確認できる。本発明で用いる結晶性を有するポリエステル樹脂は、その回折パターンにおいて、その2θが20°乃至25°の位置に少なくとも1つの回折ピークが存在すること、好ましくはその2θが、少なくとも(i)19°乃至20°、(ii)21°乃至22°、(iii)23°乃至25°及び(iv)29°乃至31°の位置に回折ピークが存在することを特徴とする。
粉末X線回折測定は理学電機RINT1100を用い、管球をCu、管電圧−電流を50kV−30mAの条件で広角ゴニオメーターを用いて測定した。
次に、非晶質製樹脂について説明する。結晶性を有するポリエステル樹脂と併用する結着樹脂は非晶性(非結晶性)樹脂であり、これには従来公知の樹脂がすべて使用可能である。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変成マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂などがある。これら中でも芳香族化合物を成分として含有するスチレン系樹脂やポリエステル樹脂が好ましい。特に好ましいものはポリエステル樹脂である。
非結晶性ポリエステル樹脂は多価アルコールと多価カルボン酸から合成される。多価アルコールや多価カルボン酸は、結晶性ポリエステル樹脂に使われる成分が使用可能であり、これ以外にもビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、イソフタル酸、テレフタル酸およびそれらの誘導体などがある。これらの樹脂は単独使用に限らず、2種以上併用することも可能である。ポリエステル樹脂の分子構造については限定的でないが、特にアルコール成分がビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物の少なくとも一つであり、酸成分が炭素間の不飽和二重結合を有することが望ましく、特に少なくともフマル酸、マレイン酸及びそれらの誘導体を含有することが望ましい。
結晶性ポリエステル樹脂および非結晶性ポリエステル樹脂の酸成分が炭素間の不飽和二重結合を有する場合には、トナー製造における溶融混練工程において結晶性ポリエステルの炭素間の不飽和二重結合と非結晶性ポリエステル樹脂の炭素間の不飽和二重結合とが相互作用を生じ、結晶性ポリエステル樹脂および非結晶性ポリエステル樹脂が微分散されて混合される。これは両樹脂のドメインの界面で部分的に可塑化が生じているためである。これに対して、結晶性ポリエステル樹脂および非結晶性ポリエステル樹脂のいずれかに炭素間の不飽和二重結合が無い場合には、微分散化が行われず、結晶性ポリエステル樹脂ドメインのオフセット(ホットオフセット現象として発生)および非結晶性ポリエステル樹脂ドメインのオフセット(コールドオフセット現象として発生)が発生し易いという問題がある。本発明で用いる非結晶性ポリエステル樹脂の分子量は、そのTHF可溶分のGPCによる分子量分布において、その重量平均分子量(Mw)が3000乃至100000、その数平均分子量(Mn)が1500乃至4000、及びそのMw/Mn比が2乃至50であることが好ましい。
非結晶性ポリエステル樹脂についての前記分子量分布は、横軸をlog(M:分子量)とし、縦軸を重量%とする分子量分布図に基づくものである。本発明で用いる非結晶性ポリエステル樹脂の場合、この分子量分布図において、2.5乃至4.5(重量%)の範囲に分子量ピークを有することが好ましい。
非結晶性ポリエステル樹脂において、そのガラス転移温度(Tg)及び軟化温度〔T(F1/2)〕は、トナーの耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが望ましいが、一般的には、そのTgは45乃至75℃、好ましくは50乃至70℃であり、そのT(F1/2)は90乃至150℃、好ましくは90乃至130℃である。Tg及びT(F1/2)が前記範囲より高くなると、トナーの定着下限温度が高くなるため、トナーの低温定着性が悪化する。
次に、離型剤について説明する。本発明においてトナーに使用される離型剤としては公知のものが全て使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用することができる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5乃至14であることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10乃至30が好ましい。その理由は本発明のトナー結着樹脂に対してこれらのワックスは適度に微分散するため後述するようにオフセット防止性と転写性・耐久性ともに優れたトナーとすることが容易なためである。これらワックス類は1種又は2種以上を併用して用いることができる。
その他の離型剤としては、固形シリコーンワックス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等、従来公知のいかなる離型剤をも混合して使用できる。
本発明のトナーに使用する離型剤のTgは70乃至90℃が好ましい。70℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、90℃超では低温での離型性が発現されず、耐コールドオフセット性の悪化、定着機への紙の巻付きなどが発生する。これらの離型剤の使用量は、トナー樹脂成分に対し、1乃至20重量部、好ましくは3乃至10重量部である。1重量%未満ではオフセット防止効果が不十分であり20重量%を超えると転写性、耐久性が低下する。
次に、着色剤について、説明する。本発明のカラートナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料が使用できる。例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。また、橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキが挙げられる。黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。これらは、1種または2種以上を使用することができる。
次に、荷電制御剤について、説明する。本発明のカラートナーは必要に応じ荷電制御剤をトナー中に含有させることができる。例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料、例えばC.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)など及びこれらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩、或いはジブチル又はジオクチルなどのジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。ブラック以外のカラートナーは、当然目的の色を損なう荷電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
次に、添加剤について説明する。本発明のトナーにおいては、シリカや酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機微粒子や樹脂微粒子を母体トナー粒子に外添することにより転写性、耐久性をさらに向上させることができる。転写性や耐久性を低下させるワックスをこれらの外添剤で覆い隠すこととトナー表面が微粒子で覆われることによる接触面積が低下することによりこの効果が得られる。これらの無機微粒子はその表面が疎水化処理されていることが好ましく、疎水化処理されたシリカや酸化チタン、といった金属酸化物微粒子が好適に用いられる。樹脂微粒子としては、ソープフリー乳化重合法により得られた平均粒径0.05乃至1μm程度のポリメチルメタクリレートやポリスチレン微粒子が好適に用いられる。
さらに、疎水化処理されたシリカ及び疎水化処理された酸化チタンを併用し、疎水化処理されたシリカの外添量より疎水化処理された酸化チタンの外添量を多くすることにより湿度に対する帯電の安定性にも優れたトナーとすることができる。上記の無機微粒子と併用して、比表面積20乃至50m/gのシリカや平均粒径がトナーの平均粒径の1/100乃至1/8である樹脂微粒子のように、従来用いられていた外添剤より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより耐久性を向上させることができる。これはトナーが現像装置内でキャリアと混合・攪拌され帯電し現像に供される過程でトナーに外添された金属酸化物微粒子は母体トナー粒子に埋め込まれていく傾向にあるが、これらの金属酸化物微粒子より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより、金属酸化物微粒子が埋め込まれることを抑制することができるためである。
また、上記した無機微粒子や樹脂微粒子はトナー中に含有(内添)させることにより外添した場合より効果は減少するが転写性や耐久性を向上させる効果が得られるとともにトナーの粉砕性を向上させることができる。また、外添と内添を併用することにより外添した微粒子が埋め込まれることを抑制することができるため優れた転写性が安定して得られるとともに耐久性も向上する。
なお、ここで用いる疎水化処理剤の代表例としては以下のものが挙げられる。ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジベンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、ジヘキサデシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルベンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。この他チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤も使用可能である。この他クリーニング性の向上等を目的とした外添剤として、脂肪属金属塩やポリフッ化ビニリデンの微粒子等の滑剤等も併用可能である。
次に、トナー製造工法について、説明する。本発明のトナーの製造法は溶融混練−粉砕法、重合法など従来公知の方法が適用できる。また、その製造工程では、少なくとも下記工程を有するものである。
工程1 原材料を攪拌混合する工程
工程2 工程1の混合物を溶融混錬する工程
工程3 工程2の溶融混練物を圧延冷却する工程
工程4 工程3の圧延冷却物を粉砕する工程
工程5 工程4の粉砕物を分級する工程
工程6 工程5の分級物に添加剤を混合する工程
なお、工程1の工程において、結晶性ポリエステル樹脂と脂肪酸金属塩を他の原材料と同時に投入する代わりに、結晶性ポリエステル樹脂と脂肪酸金属塩の攪拌混合物、あるいは結晶性ポリエステル樹脂と脂肪酸金属塩の溶融混練物を用いることにより、結晶性ポリエステル樹脂と脂肪酸金属塩を均一に混合された状態にして用いることが好ましい。
以下、本発明を下記の実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、トナー現像剤処方における部数はすべて重量部である。
<トナー現像剤>
<トナーの製造例1>
結晶性ポリエステル樹脂A1 16部
非結晶性ポリエステル樹脂B−H1 65部
非結晶性ポリエステル樹脂B−L1 10部
ステアリン酸亜鉛(日本油脂MZ−2、軟化温度133℃) 4部
サリチル酸Zr塩(保土ヶ谷化学TN−105) 1部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(Tg:83℃) 5部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10部
上記のトナー構成材料をヘンシェルミキサー中で十分撹拌混合した後、Buss社コニーダにてスクリュー回転数80rpm、混合物の供給速度を10kg/hとし、混錬条件については、混練物を低温(混練物が溶融状態になる範囲での最低温度)の状態で混錬を行うべく、混錬機の温度設定を行った結果、スクリュー温度を40℃として混練機出口での混錬品の温度が120℃となるよう混錬機の温度設定を行った。次にこの混練物を圧延ロールにて6mmの厚みになるよう圧延冷却し圧延物を得た。この圧延物をホソカワミクロン社製APパルペライザーを用いて粒経1mm以下に粗粉砕し、続いてターボ工業社製ターボミルを用いて微粉砕し重量平均粒径6.5μmのトナー母体を得た。得られたトナー母体を分級し疎水性シリカ(平均一次粒径20nm、かさ密度0.15mg/cm)0.5wt%と酸化チタン0.3wt%を添加混合し、最終的なトナーとした。ここで、結晶性ポリエステル樹脂A1の16部に対してステアリン酸亜鉛は4部である。したがって、ステアリン酸亜鉛は結晶性ポリエステル樹脂A1の100重量部に対して、25重量部になる。
<トナーの製造例2>
トナーの製造例1で、結晶性ポリエステル樹脂A1の16部を、結晶性ポリエステル樹脂A2を19.4部に変更し、ステアリン酸亜鉛の4部を0.6部に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作製した。ここで、結晶性ポリエステル樹脂A2の19.4部に対してステアリン酸亜鉛は0.6部である。したがって、ステアリン酸亜鉛は結晶性ポリエステル樹脂A2の100重量部に対して、3.1重量部になる。
<トナーの製造例3>
トナーの製造例1で結晶性ポリエステル樹脂A1の16部を、結晶性ポリエステル樹脂A3を18部に変更し、ステアリン酸亜鉛の4部を2部に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作製した。ここで、結晶性ポリエステル樹脂A3の18部に対してステアリン酸亜鉛は2部である。したがって、ステアリン酸亜鉛は結晶性ポリエステル樹脂A3の100重量部に対して、11.1重量部になる。
<トナーの製造例4>
トナーの製造例1でステアリン酸亜鉛の4部を0部に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作製した。ここで、結晶性ポリエステル樹脂A1の16部に対してステアリン酸亜鉛は0部である。したがって、ステアリン酸亜鉛は結晶性ポリエステル樹脂A1の100重量部に対して、0重量部になる。
<トナーの製造例5>
トナーの製造例1で結晶性ポリエステル樹脂A1の16部を0部に変更し、非結晶性ポリエステル樹脂B−L1の10部を26部に変更した以外は、トナーの製造例1と同様にトナーを作製した。ここで、結晶性ポリエステル樹脂A1の0重量部に対してステアリン酸亜鉛は4重量部である。
<トナーの製造例6>
トナーの製造例1でステアリン酸亜鉛の4部を、ステアリン酸カルシウム(日本油脂MC−2、軟化点160℃)を4部に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作製した。ここで、結晶性ポリエステル樹脂A1の16部に対してステアリン酸カルシウムは4部である。したがって、ステアリン酸カルシウムは結晶性ポリエステル樹脂A1の100重量部に対して、25重量部になる。
<トナーの製造例7>
トナーの製造例1でステアリン酸亜鉛の4部を0部に変更し、疎水性シリカ(平均一次粒径10nm)を4部追加した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作製した。ここで、結晶性ポリエステル樹脂A1の16部に対してステアリン酸亜鉛は0部である。したがって、ステアリン酸亜鉛は結晶性ポリエステル樹脂A1の100重量部に対して、0重量部になる。
<結晶性ポリエステル樹脂A1乃至A3の製造>
ポリエステルA1乃至A3は表1に示した組成物(酸成分、アルコール成分)と組成物総量の0.1重量%のハイドロキノンを、温度計、攪拌器、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた容量5Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、窒素ガス導入管より窒素ガスを導入してフラスコ内を不活性雰囲気下に保った状態で昇温し、160℃に保って5時間、続いて200℃で1時間反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させ、各ポリエステルを得た。
表1に組成物を示し、表2に物性値を示す。
Figure 0004597839
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尚、結晶性の有りとは、粉末X線回折装置によるX線回折パターンにおいて、少なくとも2θ=19乃至20°、21乃至22°、23乃至25°、29乃至31°の位置に回折ピークが現れたものである。推定分子式有りのものとは下記の固体 13 C−NMRにより一般式(1)の分子構造の存在が確認されたものである。
樹脂の分子構造確認方法について、説明する。
固体 13 −NMR(日本電子製のFT−NMR SYSTEM JNM−α400)を用い、観測核 13 、基準物質アダマンタン、積算回数8192回、パルス系列CPMASIRMOD:IRLEV、観測周波数100.4MHz、OBSET134500Hz、POINT:4096、PD:7.0sec、SPIN6088Hzの条件で行い、分子構造推定はソフトウエアとしてChem Draw Pro Ver.4.5を用いて行った。
固体 13 −NMRでの分子構造解析結果を裏つける測定として、次の二つの測定を併用した。
(a)フーリエ変換赤外線分光光度(FT−IR)透過法にて試料を測定し、標準スペクトル比較から構造を推定する。測定機として、Nicolet Magna 850、測定範囲は、4000乃至400cm−1、標準試料としてKBrを用いた。
(b)熱分解ガスクロマトグラム質量分析計による熱分解性生物の構造推定は、測定機として、島津製作所のGC−17Aと島津製作所のCR−4Aを用いた。熱分解温度の測定は、日本分析工業のJHB−3Sを使用し、熱分解温度は試料加熱温度×時間を590℃×4秒、カラムはDB−5(JアンドW Co.)L=30m、I.D=0.25mm、Film=0.25mm、カラム温度は50℃(保持時間1分)から10℃/分で300℃まで昇温、インジェクション温度は320℃、キャリアガス圧力は90kPr(保持時間2分)から2kPa/分で150kPaまで昇圧という条件で、検出器はFIDを使用した。
<非結晶性ポリエステル樹脂Bの製造>
ポリエステルB−H1およびB−L1は表5に示した組成物(酸成分、アルコール成分)を、温度計、攪拌器、コンデンサーを備えた容量5Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、組成物総量の0.1重量%のジブチルスズオキシドを加えて昇温し、温度を220℃に保って8時間反応させた後、8.3kPaにて所定の軟化点に達するまで反応させ、各ポリエステルを得た。表3に成分を示し、表4に物性値を示す。
なお、表3に示したBPA/EOは、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(2.2モル付加物)を示し、BPA/POは、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(2.2モル付加物)を示す。
Figure 0004597839
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<キャリアの製造例>
(i)芯材:Cu−Znフェライト粒子(体積平均径:45μm) 5000部
(ii)コート材
トルエン 450部
シリコーン樹脂SR2400
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、不揮発分50%) 450部
アミノシランSH6020
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製) 10部
カーボンブラック 10部
上記コート材を10分間スターラーで分散してコート液を調製し、このコート液と芯材を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた、旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、当該コート液を芯材上に塗布した。
次いで、得られたキャリアを電気炉で250℃で2時間焼成を行い、製造例のキャリア粒子(3kOe印加時の飽和磁化65emu/g、3kOe印加時の残留磁化0emu/g、比抵抗3.2×10Ω・cm、体積平均径45μm)を得た。
<現像剤の製造例>
上記製造例1乃至7のトナー2.5部と、上記製造例のキャリア97.5部をターブラーミキサーで混合し、トナー製造例1乃至7に対応する各トナーに対応する現像剤(1)乃至(7)を得た。
ここで、定着性評価について説明する。
リコー製複写機(Imagio Neo 350)を改造して、本来の定着装置を取り外して別の定着装置を取り付けられるようにし、定着装置の設定温度を変えられるようにした。これに実施例に示すトナー、現像剤、定着装置、リコー製タイプ6200紙をセットし複写テストを行った。
評価に使用する定着装置は図1示す熱ローラ定着装置で、以下の構成のものである。定着ローラ1の金属シリンダー3がSUSで厚さ3.0mm、定着ローラ1のオフセット防止層4がPTFEで厚さ20μm、加圧ローラ2の金属シリンダー6がSUSで厚さ2mm、加圧ローラ2のオフセット防止層7が厚さ4μmのシリコンゴムの上に厚さ50μmのPFA、面圧2.5×10Pa、線速180mm/secである。
定着温度を変化させてコールドオフセット発生温度とホットオフセット発生温度を求めた。なお、耐オフセット性の評価条件は紙送りの線速度を50mm/secとオフセット発生に対して厳しい条件に設定した。各特性評価の基準は以下のとおりである。
1 低温定着性(2段階評価)
○:130℃未満、
×:130℃以上
2 ホットオフセット性
○:201℃以上、
×:201℃未満、
次に、融点と凝固点の差の測定方法について、説明する。
融点と凝固点の測定には、島津製作所製の熱分析装置DSC−60を使用し、試料量0.5g、で下記の条件で測定したものである。昇温過程は、スタート温度20℃で150℃まで昇温、昇温速度10℃/minである。降温過程は、スタート温度150℃で20℃まで昇温、降温速度10℃/minである。融点は昇温過程における結晶性ポリエステルの吸熱ピークの最大ピーク温度、凝固点は降温過程における結晶性ポリエステルの発熱ピークの最大ピーク温度である吸熱ピーク、発熱ピークが結晶性ポリエステルのピークに相当するか否かの判断は、結晶性ポリエステル樹脂をはじめとするトナー原材料の材料単独のDSC測定データから同定した。基準は下記のとおりである。
◎:25℃未満
○:25℃以上28℃未満
△:28℃以上33℃未満
×:33℃以上
圧延ロールへの巻きつき性の評価について説明する。
生産性の指標として圧延ロールへの巻きつき性を下記の基準で評価した。
◎:圧延ロールに水を通さなくても圧延できる。
○:圧延ロールに20℃程度の水を通すことにより圧延できる。
△:20℃程度の水を通した圧延ロールに一部の混練物が張り付くものの、特に問題なくトナーを製造できる。
×:20℃程度の水を通した圧延ロールでは混練物が張り付き、トナーの製造が困難である。
トナー評価結果は下記のとおりである。
Figure 0004597839
実施例1乃至4では、低温定着性、及びホットオフセット性において、良好な結果が得られた。また、融点と凝固点の差及び圧延ロールへの巻きつき性についても良好であった。それに対し、比較例1は、ステアリン酸亜鉛を0部にしたことにより、融点と凝固点の差が大きくなり、圧延ロールへの巻きつき性も悪化した。また、比較例2は、結晶性ポリエステル樹脂A1を0部にし、非結晶性ポリエステル樹脂B−L1を26部したことにより低温定着性が著しく悪くなった。さらに、比較例3は、ステアリン酸亜鉛を0部にし、疎水性シリカを4部にしたことにより、低温定着性が著しく悪くなるという結果になった。
定着性評価に使用する熱ローラ定着装置を示す図である。
1 定着ローラ
2 加圧ローラ
3 金属シリンダー
4 オフセット防止層
5 加熱ランプ
6 金属シリンダー
7 オフセット防止層
8 加熱ランプ
T トナー像
S 付着支持体

Claims (5)

  1. 軟化温度T(F1/2)と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化温度/ピーク温度)が0.6乃至1.3であり、ガラス転移温度Tg及び軟化温度T(F1/2)が80乃至130℃であり、その分子主鎖中に下記一般式(1)
    (化1)
    −OOC−R−COO−(CH )n− (1)
    (式中、Rは炭素数2乃至20の直鎖状不飽和脂肪族基を示し、nは2乃至20の整数を示す)
    で表されるエステル結合を含有する結晶性ポリエステル樹脂であって、
    該結晶性ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分が1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの中から選ばれる少なくとも1つからなり、酸成分がマレイン酸及びフマル酸の中から選ばれる少なくとも1つからなる結晶性ポリエステル樹脂と、
    ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウムから選ばれる脂肪酸金属塩とを含む原料を溶融混練する工程を有する
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 請求項1に記載のトナーの製造方法において、
    前記トナーの製造方法が、前記脂肪金属塩の配合量が結晶性ポリエステル樹脂100重量部に対して3乃至25重量部である
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のトナーの製造方法において、
    前記トナーの製造方法が、前記結晶性ポリエステル樹脂の粉末X線回折パターンにおける回折ピークが、少なくとも2θ=20乃至25°の位置に存在する
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のトナーの製造方法において、
    前記トナーの製造方法が、溶融混練工程により得られた混練物を、圧延ロールにより冷却圧延する工程を有する
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
  5. 軟化温度T(F1/2)と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化温度/ピーク温度)が0.6乃至1.3であり、ガラス転移温度Tg及び軟化温度T(F1/2)が80乃至130℃であり、その分子主鎖中に下記一般式(1)
    (化2)
    −OOC−R−COO−(CH )n− (1)
    (式中、Rは炭素数2乃至20の直鎖状不飽和脂肪族基を示し、nは2乃至20の整数を示す)
    で表されるエステル結合を含有する結晶性ポリエステル樹脂であって、
    該結晶性ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分が1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの中から選ばれる少なくとも1つからなり、酸成分がマレイン酸及びフマル酸の中から選ばれる少なくとも1つからなる結晶性ポリエステル樹脂と、
    ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウムから選ばれる脂肪酸金属塩とを含む原料を溶融混練してなる
    ことを特徴とするトナー。
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