JP4572516B2 - 樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、外観、色調などに優れた樹脂組成物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
石油等の化石燃料の枯渇の問題がクローズアップされ、特にプラスチック材料としては、バイオポリマーとしてポリ乳酸樹脂が注目されており、モノマーである乳酸が微生物を利用した発酵法により安価に製造され、融点もおよそ170℃と高く、溶融成形可能なバイオポリマーとして期待されている。
【0003】
一方、地球環境保護の観点から、木粉、紙粉、竹粉、ケナフなどの天然由来の有機材料を樹脂の充填剤として使用する試みが数多くなされており、ポリ乳酸樹脂においても、特許文献1などに開示されているように、ポリ乳酸および木粉もしくはセルロース粉末の混合物と不飽和カルボン酸又はその誘導体をラジカル発生剤の存在下に溶融混練することからなる樹脂組成物の製造方法について提案がなされている。
【0004】
しかし、木粉などの天然由来の有機充填剤をポリ乳酸樹脂と溶融混練する際には、天然由来の有機充填剤の焼けにより安定した色調を有するものが得られにくくなるため、これらを成形品などの製品とする場合に美観を損ねるという問題があり、さらに、場合によっては天然由来の有機充填剤が分解し、製品中に気泡が発生するなどして、成形品の表面外観が損なわれるだけでなく、耐熱性や機械特性が劣ってしまうという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−124485号公報(第1−2、6頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した問題点の解決を課題として検討した結果、達成されたものである。すなわち、ポリ乳酸樹脂および含水率が0.1重量%以上3重量%以下の天然由来の有機充填剤を溶融混練する際に、特定の条件を選択することにより、耐熱性および安定した良好な色調を有する樹脂組成物が得られることを見出し、この製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)ポリ乳酸樹脂および含水率が0.1重量%以上3重量%以下の天然由来の有機充填剤を、ニーディング部を有する押出機を用いて、樹脂温度160〜200℃、滞留時間30〜200秒、せん断速度84〜420−1の条件で溶融混練することを特徴とする樹脂組成物の製造方法、
(2)樹脂温度170〜200℃、滞留時間50〜70秒、せん断速度110〜420−1の条件で溶融混練することを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物の製造方法、
(3)ーディング部を有する押出機、ニーディング部のスクリューとシリンダー内壁との最小間隙距離とスクリュー口径の比が、0.001〜0.1の範囲であることを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂組成物の製造方法、
(4)ニーディング部を有する押出機がニーディング部を2つ以上有する押出機であり、少なくとも一つのニーディング部のスクリューとシリンダー内壁との最小間隙距離とスクリュー口径の比が、0.01〜0.07の範囲であることを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂組成物の製造方法、
(5)ニーディング部を有する押出機が二軸押出機であり、押出機のスクリューが、非噛み合い型であることを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂組成物の製造方法、
(6)ニーディング部を有する押出機が、ケーシング内に、スクリュー部を形成した第1軸および第2軸が並列に配置された二軸スクリュー部、および二軸スクリュー部より延長された第1軸が配置された単軸スクリュー部を有し、かつ前記二軸スクリュー部と単軸スクリュー部の連通部に流量調節機構を備え、前記ケーシングに二軸スクリュー部に連通する原料供給口を備えるとともに、前記延長された第1軸の端部に連通する吐出口を備えた二軸・単軸複合型押出機であることを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂組成物の製造方法、
(7)ニーディング部を有する押出機がコニカル二軸押出機であることを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂組成物の製造方法、
(8)樹脂組成物中のポリ乳酸樹脂由来の降温時結晶化温度が100℃以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂組成物の製造方法、
(9)天然由来の有機充填剤が、紙粉、木粉またはケナフ繊維から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂組成物の製造方法、
(10)カルボキシル基反応性末端封鎖剤を溶融混練することを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂組成物の製造方法、
(11)結晶化促進剤を溶融混練することを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂組成物の製造方法、
である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるポリ乳酸樹脂とは、L−乳酸及び/またはD−乳酸を主たる構成成分とするポリマーであるが、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。他のモノマー単位としては、エチレングリコール、ブロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、およびカプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類を挙げることができる。このような共重合成分は、全単量体成分中、通常0〜30モル%の含有量とするのが好ましく、0〜10モル%であることが好ましい。
【0010】
本発明においては、耐熱性の点から、乳酸成分の光学純度が高いポリ乳酸樹脂を用いることが好ましい。すなわち、ポリ乳酸樹脂の総乳酸成分の内、L体が70%以上含まれるかあるいはD体が70%以上含まれることが好ましく、L体が80%以上含まれるかあるいはD体が80%以上含まれることが特に好ましく、L体が90%以上含まれるかあるいはD体が90%以上含まれることが更に好ましく、L体が98%以上含まれるかあるいはD体が98%以上含まれることが更に好ましく、L体が99%以上含まれるかあるいはD体が99%以上含まれることが更に好ましい。また、L体またはD体の含有量の上限は通常100%以下である。
【0011】
ポリ乳酸樹脂の製造方法としては、公知の重合方法を用いることができ、乳酸からの直接重合法、およびラクチドを介する開環重合法などを挙げることができる。
【0012】
ポリ乳酸樹脂の分子量や分子量分布については、実質的に成形加工が可能であれば、特に制限されるものではないが、重量平均分子量としては、通常1万以上、好ましくは4万以上、さらに8万以上であることが望ましい。ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリメチルメタクリレート(PMMA)換算の分子量をいう。
【0013】
ポリ乳酸樹脂の融点は、特に制限されるものではないが、120℃以上であることが好ましく、さらに150℃以上であることが好ましく、特に160℃以上であることが好ましい。ポリ乳酸樹脂の融点は、通常乳酸成分の光学純度を高くすることにより高くなり、融点が120℃以上のポリ乳酸樹脂は、L体が90%以上含まれるかあるいはD体が90%以上含まれることにより、また融点が150℃以上のポリ乳酸樹脂は、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれることにより、得ることができる。
【0014】
本発明で用いる天然由来の有機充填剤としては、天然物に由来するものであり、好ましくはセルロースを含むものであって、特に制限されるものではない。
【0015】
天然由来の有機充填剤の具体例としては、籾殻、木材チップ、おから、古紙粉砕材、衣料粉砕材などのチップ状のもの、綿繊維、麻繊維、竹繊維、木材繊維、ケナフ繊維、ジュート繊維、バナナ繊維、ココナッツ繊維などの植物繊維もしくはこれらの植物繊維から加工されたパルプやセルロース繊維および絹、羊毛、アンゴラ、カシミヤ、ラクダなどの動物繊維などの繊維状のもの、紙粉、木粉、竹粉、セルロース粉末、籾殻粉末、果実殻粉末、キチン粉末、キトサン粉末、タンパク質、澱粉などの粉末状のものが挙げられ、成形性の観点から、紙粉、木粉、竹粉、セルロース粉末、籾殻粉末、果実殻粉末、キチン粉末、キトサン粉末、タンパク質粉末、澱粉などの粉末状のもの、麻繊維、ケナフ繊維、ジュート繊維が好ましく、紙粉、木粉、竹粉、セルロース粉末、ケナフ繊維がより好ましく、紙粉、木粉、ケナフ繊維がさらに好ましく、紙粉が特に好ましい。また、これらの天然由来の有機充填剤は、天然物から直接採取したものを用いてもよいが、地球環境の保護や資源保全の観点から、古紙、廃木材および古衣などの廃材をリサイクルして用いてもよい。
【0016】
古紙とは、新聞紙、雑誌、その他の再生パルプ、もしくは、段ボール、ボール紙、紙管などの板紙であり、植物繊維を原料として加工されたものであれば、いずれを用いてもよいが、成形性の観点から、新聞紙および段ボール、ボール紙、紙管などの板紙の粉砕品が好ましい。
【0017】
また、木粉に使用される木材の具体例としては、松、杉、檜、もみ等の針葉樹材、ブナ、シイ、ユーカリなどの広葉樹材などがあり、その種類は問わない。
【0018】
天然由来の有機充填剤の大きさは、耐熱性の点から、10mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましく、1mm以下がさらに好ましい。下限は特に制限されないが、取扱性の点から、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。また、1mm以下のような細かい粉状のものについては、予め圧縮して1〜10mm程度の顆粒状としたものでもよい。
【0019】
本発明において、天然由来の有機充填剤の含水率は、ポリ乳酸樹脂の分解を抑制でき、かつ、安定した色調の樹脂組成物が得られるという点から、3%以下であり、1%以下が好ましい。下限は粉塵爆発などの危険性を考慮して、0.1%以上であるここで、含水率は、[(風乾重量−絶乾重量)/風乾重量]×100(%)で表される。風乾重量とは水分を含んだ状態での重量のことであり、絶乾重量とは、重量が一定(恒量)となるまで100℃以上で乾燥した重量のことである。
【0020】
天然由来の有機充填剤が紙粉である場合、紙粉としては、特に限定されるものではないが、成形性の観点から、接着剤を含むことが好ましい。接着剤としては、紙を加工する際に通常使用されるものであれば特に限定されるものではなく、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンやアクリル樹脂系エマルジョンなどのエマルジョン系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、セルロース系接着剤、天然ゴム系接着剤、澱粉糊およびエチレン酢酸ビニル共重合樹脂系接着剤やポリアミド系接着剤などのホットメルト接着剤などを挙げることができ、エマルジョン系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤およびホットメルト接着剤が好ましく、エマルジョン系接着剤およびポリビニルアルコール系接着剤がより好ましい。なお、これらの接着剤は、紙加工剤用のバインダーなどとしても使用されるものである。また、接着剤には、クレイ、ベントナイト、タルク、カオリン、モンモリロナイト、マイカ、合成マイカ、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウムおよび酸化ネオジウムなどの無機充填剤が含まれていることが好ましく、クレイ、ベントナイト、タルク、カオリン、モンモリロナイト、合成マイカおよびシリカがより好ましい。
【0021】
また、紙粉としては、成形性の点から、灰分が5重量%以上であることが好ましく、5.5重量%以上であることがより好ましく、8重量%以上であることがさらに好ましい。上限については、特に限定されるものではないが、60重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。ここで、灰分とは、電気炉などを用いて10gの有機充填剤を450℃の温度で12時間有機充填剤を焼成した時の残存する灰分の重量の焼成前の紙粉の重量に対する割合である。
【0022】
また、紙粉としては、紙粉中に5〜20重量%の無機化合物を含有するものが好ましく、無機化合物の元素としてアルミニウム、ケイ素、カルシウムを含有するものがより好ましく、アルミニウム、ケイ素、カルシウム、硫黄を含有するものがさらに好ましく、アルミニウム、ケイ素、カルシウム、硫黄、マグネシウムを含有するものが特に好ましく、さらにアルミニウムの含有量がマグネシウムの含有量の2倍以上のものが特に好ましい。
【0023】
アルミニウム、ケイ素、カルシウム、硫黄、マグネシウムの存在量比としては、特に限定されるものではないが、例えば、上記元素の総数を100とした場合、アルミニウムが1〜60モル%、ケイ素が20〜90モル%、カルシウムが1〜30モル%、硫黄が1〜20モル%、マグネシウムが0〜20モル%であることが好ましく、アルミニウムが10〜55モル%、ケイ素が20〜85モル%、カルシウムが1〜25モル%、硫黄が1〜15モル%、マグネシウムが0〜10モル%であることがより好ましく、アルミニウムが20〜50モル%、ケイ素が25〜80モル%、カルシウムが3〜20モル%、硫黄が2〜10モル%、マグネシウムが0〜8モル%であることがさらに好ましい。これらの元素分析については、天然由来の有機充填剤の単体、天然由来の有機充填剤の灰分のいずれを用いても測定することができるが、本発明においては灰分を用いる。なお、元素分析は、蛍光X線分析、原子吸光法、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくは透過型電子顕微鏡(TEM)とエネルギー分散形X線マイクロアナライザー(XMA)を組み合わせた装置などを用いることにより、測定することができ、本発明では蛍光X線分析を用いる。
【0024】
また、紙粉としては、成形性の観点から、表面上に微粒子が付着するセルロースを含むことが好ましい。微粒子とは、特に限定されるものではなく、前述したような接着剤に含まれる無機充填剤であってもよいし、有機物もしくはその他の無機物のいずれであってもよいが、粒子がケイ素とアルミニウムを含有するものが好ましい。微粒子の形状は、針状、板状、球状のいずれでもよい。微粒子のサイズは、特に限定されるものではないが、0.1〜5000nmの範囲に分布していることが好ましく、0.3〜1000nmの範囲に分布していることがより好ましく、0.5〜500nmの範囲に分布していることがさらに好ましく、1〜100nmの範囲に分布していることが特に好ましく、1〜80nmの範囲に分布していることが最も好ましい。なお、ここで特定の範囲に「分布している」とは、微粒子総数の80%以上が特定の範囲に含まれることを意味する。微粒子の付着形態は、凝集状態もしくは分散状態のいずれでもよいが、分散状態で付着していることがより好ましい。上記微粒子のサイズは、ポリ乳酸樹脂と天然由来の有機充填剤を配合した樹脂組成物から得られる成形品を透過型電子顕微鏡により8万倍の倍率で観察することができ、観察する微粒子の総数は、任意の100個とする。
【0025】
また、紙粉以外のその他の天然物由来の有機充填剤においても、上記特徴、すなわち、灰分量、その組成を有するもの、微粒子が付着したものを選択して用いることが好ましい。
【0026】
本発明においては、天然由来の有機充填剤の量は、耐熱性の点から、ポリ乳酸樹脂100重量部に対し、0.1〜400重量部が好ましく、1〜350重量部がより好ましく、10〜300重量部がさらに好ましい。
【0027】
また、本発明の樹脂組成物が得られる限り、天然物由来の有機充填剤を一種または二種以上で用いることができるが、上記好ましい特徴を有する紙粉を含むものであることが好ましい。また、古紙粉末を50重量%以上含んでいることが好ましい。
【0028】
本発明の製造方法は、溶融混練装置を用いて、樹脂温度160〜200℃、滞留時間30〜200秒、せん断速度84〜420−1で溶融混練することを特徴とする。
【0029】
本発明の製造方法において、ポリ乳酸樹脂と天然由来の有機充填剤を溶融混練できる装置として、連続的な製造が可能であること、多種類の原料を別フィードにて添加することができるという点から、ニーディング部を有する押出機を用いる。押出機のスクリューの長さ(L)とスクリューの口径(D)の比(L/D)は、特に制限されないが、天然由来の有機充填剤の分散性の点から、20〜80が好ましく、25〜70が好ましく、30〜60がさらに好ましく、35〜50が特に好ましい。
【0030】
本発明の、ニーディング部を有する押出機は、天然由来の有機充填剤を十分に分散させることができるという点から、ニーディング部のスクリューとシリンダー内壁との最小間隙距離とスクリューの口径の比が、0.001〜0.1の範囲であることが好ましい。さらに、得られる樹脂組成物の焼けを抑制できるという点から、ニーディング部を二つ以上有する押出機であり、少なくとも一つのニーディング部のスクリューとシリンダー内壁との最小間隙距離とスクリューの口径の比が、0.01〜0.07の範囲であることがより好ましく、0.015〜0.06の範囲であることがさらに好ましく、0.02〜0.05の範囲であることが最も好ましい。なお、ニーディング部のスクリューとシリンダー内壁との最小間隙距離は、特に限定されないが、樹脂温度を制御しやすいという点から、0.05mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましく、1.0mm以上であることがさらに好ましく、2.0mm以上であることが特に好ましく、2.5mm以上であることが最も好ましい。上限は特に限定されないが、天然由来の有機充填剤の分散性を低下させないようにするために、10mm以下が好ましく、8mm以下がより好ましい。また、ニーディング部を二つ以上有する押出機を用いる場合には、ニーディング部の配置は特に制限されないが、天然由来の有機充填剤の分散性の点から、原料投入口から中心および中心からダイというようにスクリューを前後にわけて考える場合には、前後ぞれぞれに少なくとも一つ以上配置することが好ましく、中心からダイにおいてベント口が設置されている場合には、ベント口の直前に配置することがより好ましい。
【0031】
本発明において、ニーディング部を有する押出機としては、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機、または、それらを組み合わせた二軸・単軸複合型押出機のような複合型押出機のいずれも用いることができるが、運転時の操作性や清掃が容易で、天然由来の有機充填剤の分散性を向上させることができ、耐熱性や機械特性などが向上するという点から、二軸押出機、二軸・単軸複合型押出機が好ましく、樹脂温度を制御しやすいという点から、二軸・単軸複合型押出機がより好ましい。
【0032】
本発明において、ニーディング部を有する押出機として、単軸押出機を用いる場合は、ニーディング部としてダルメージスクリューパーツなどのスクリュー構成を有することが好ましい。
【0033】
本発明において、ニーディング部を有する押出機として、二軸押出機、多軸押出機、または、それらを組み合わせた二軸・単軸複合型押出機のような複合型押出機を用いる場合には、ニーディング部としてニーディングセグメントもしくはニーディングロータなどのスクリュー構成を有することが好ましい。ここで、ニーディング部の長さ(L’)とニーディング部の口径(D’)の比(L’/D’)は、特に制限されないが、0.25〜10が好ましく、0.5〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。
【0034】
本発明において、ニーディング部を有する押出機として、二軸押出機、多軸押出機、二軸・単軸複合型押出機などの二軸以上の複数のスクリューを有する押出機を用いる場合には、そのスクリュー構造が、非噛み合い型でも噛み合い型でもいずれでもよいが、樹脂温度の制御がしやすいという点から、非噛み合い型が好ましい。
【0035】
本発明において、ニーディング部を有する押出機として、二軸押出機、多軸押出機、二軸・単軸複合型押出機などの二軸以上の複数のスクリューを有する押出機を用いる場合には、それぞれのスクリューの回転方向は、同方向でも異方向でもいずれでもよい。
【0036】
本発明において、ニーディング部を有する押出機として、二軸押出機、多軸押出機、二軸・単軸複合型押出機などの二軸以上の複数のスクリューを有する押出機を用いる場合には、スクリュー形状は、パラレルでもコニカルでもいずれでもよいが、天然由来の有機充填剤の量をより多くする場合には、コニカル二軸押出機のようなコニカル形状を有するものであることが好ましい。コニカル二軸押出機のスクリュー構成としては、上流側からフィードゾーン、可塑化ゾーン、圧縮ゾーン、ベントゾーン、計量ゾーンからなる構成を有するものを用いることができる。
【0037】
本発明において、ニーディング部を有する押出機として、二軸・単軸複合型押出機を用いる場合には、ケーシング内に、スクリュー部を形成した第1軸および第2軸が並列に配置された二軸スクリュー部、および二軸スクリュー部より延長された第1軸が配置された単軸スクリュー部を有し、かつ前記二軸スクリュー部と単軸スクリュー部の連通部に流量調節機構を備え、前記ケーシングに二軸スクリュー部に連通する原料供給口を備えるとともに、前記延長された第1軸の端部に連通する吐出口を備えた二軸・単軸複合型押出機を用いる。
【0038】
本発明において、樹脂温度は、安定した良好な色調を有するものが得られるという点から、160〜200℃であり、170〜200℃がより好ましく、180〜200℃がさらに好ましい。ここで、樹脂温度とは、溶融後の樹脂温度のことであり、ニーディング部を有する押出機、シリンダー内における樹脂温度の実測値であり、好ましくは、シリンダーに取り付けた少なくとも一つ以上の温度センサーにより測定できるシリンダー内壁近傍の樹脂温度である。複数の温度センサーにより測定する場合には、その中の最低樹脂温度および最高樹脂温度のいずれもが上記温度範囲に含まれることが好ましい。最高樹脂温度が上記温度範囲よりも高くなると焼けによる変色が大きくなり、最低樹脂温度が上記温度範囲よりも低くなると天然由来の有機充填剤の分散性が悪くなるため好ましくない。
【0039】
本発明において、滞留時間は、30〜200秒であることを特徴とする。さらに天然由来の有機充填剤を十分に分散させることができ、ポリ乳酸樹脂の分解を抑制できるという点から、45〜200秒が好ましく、60〜200秒がより好ましく、60〜180秒がさらに好ましい。ここで、滞留時間とは、原料を投入してから溶融混練し樹脂組成物として取り出すまでの時間のことをいう。
【0040】
本発明において、せん断速度は天然由来の有機充填剤を十分に分散させることができ、安定した良好な色調を有するものが得られるという点から、84〜420秒 −1 であることを特徴とする。さらに、90〜420−1が好ましく、110〜420−1が最も好ましい。ここで、せん断速度とは、単位時間当たりの速度勾配のことである。一般的に、二面間でせん断変形を行う場合のせん断速度は、下記式により求めることができる。
【0041】
せん断速度[秒−1]=V/H
V:変形速度[mm/秒]
H:二面間距離[mm]
従って、ニーディング部を有する押出機が、シリンダーおよびスクリューからなる構造を有する押出機のような円筒形構造においてせん断変形を行うものである場合には、上記式を下記式に読みかえることにより求めることができ、本発明においては、これにより得られる値をせん断速度とする。
【0042】
せん断速度[秒−1]=π×D×N/60×1/H
D:ニーディング部を有する押出機のシリンダー直径[mm]
N:ニーディング部を有する押出機の回転数[rpm]
H:ニーディング部を有する押出機のスクリューとシリンダー内壁との最小間隙距離[mm]
なお、ここで、せん断速度はニーディング部を有する押出機のスクリューとシリンダー内壁との最小間隙距離を有する部分におけるせん断速度であり、これは最高せん断速度に相当し、通常、ニーディング部におけるせん断速度である。
【0043】
本発明においては、ニーディング部を有する押出機の設定温度は、樹脂温度が160〜230℃となるように設定するものであり、100〜250℃が好ましく、120〜240℃がより好ましく、140〜230℃がさらに好ましく、160〜220℃が最も好ましい。設定温度とはニーディング部を有する押出機のシリンダー設定温度のことをいう。
【0044】
本発明において、ニーディング部を有する押出機のスクリュー回転数は、特に制限されないが、せん断発熱による樹脂温度の上昇を抑制できるという点から、10〜500rpmであることが好ましく、30〜350rpmがより好ましく、50〜250rpmがさらに好ましく、70〜200rpmが特に好ましい。特にニーディング部を有する押出機としてコニカル二軸押出機を用いる場合には、10〜50rpmが好ましく、10〜40rpmがより好ましく、10〜30rpmがさらに好ましい。
【0045】
本発明においては、安定した良好な色調を有する樹脂組成物が得られるという点から、窒素などの不活性ガスの導入、もしくは、減圧条件下で溶融混練することが好ましい。
【0046】
本発明においては、ニーディング部を有する押出機に原料を供給する方法としては、それぞれの原料を個別に直接供給する方法、全ての原料を予め混合した後に一括して供給する方法、ヘンシェルミキサーなどの高速ミキサーを用いて原料を豆粒大のアグロメートとした後に供給する方法、押出機などでペレット化した後に供給する方法などのいずれも用いることができるが、操作性および天然由来の有機充填剤の分散性の点から、それぞれの原料を個別に直接供給する方法、全ての原料を予め混合した後に一括して供給する方法が好ましい。また、原料の供給は、押出安定性の点から、重量フィーダーを用いて供給することが好ましい。
【0047】
本発明においては、全ての原料を予め混合した後に一括して供給する方法を用いる場合には、ニーディング部を有する押出機を安定して運転でき、かつ、天然由来の有機充填剤の分散性を向上することができるという点から、予備混合として、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー、スクリューブレンダー、ヘンシェルミキサーなどの混合機を用いてブレンドすることが好ましい。なお、この方法を用いる場合には、原料が粒状でも粉末状でもいずれでもよいが、混合性の点から、粉末状であることが好ましい。
【0048】
本発明においては、カルボキシル基反応性末端封鎖剤、結晶化促進剤、ポリ乳酸樹脂以外の熱可塑性樹脂、天然由来の有機充填剤以外の充填剤、難燃剤、帯電防止剤、安定剤、離型剤から選ばれる少なくとも1種を配合することが好ましい。これらをポリ乳酸樹脂および天然由来の有機充填剤に配合することにより、成形性、機械特性、耐熱性に優れ、さらには表面外観あるいは耐久性などに優れた樹脂組成物を得ることができる。
【0049】
本発明においては、熱分解や加水分解による劣化を抑制し、天然由来の有機充填剤の分散性を向上することができるという点から、さらにカルボキシル基反応性末端封鎖剤を配合することが好ましい。本発明で使用するカルボキシル基反応性末端封鎖剤としては、ポリマーのカルボキシル末端基を封鎖することのできる化合物であれば特に制限はなく、ポリマーのカルボキシル末端の封鎖剤として用いられているものを用いることができる。本発明においてかかるカルボキシル基反応性末端封鎖剤は、ポリ乳酸樹脂の末端を封鎖するのみではなく、ポリ乳酸樹脂や天然由来の有機充填剤の熱分解や加水分解などで生成する乳酸やギ酸などの酸性低分子化合物のカルボキシル基も封鎖することができる。また、上記末端封鎖剤は、熱分解により酸性低分子化合物が生成する水酸基末端も封鎖できる化合物であることがさらに好ましい。このようなカルボキシル基反応性末端封鎖剤としては、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を使用することが好ましく、なかでもエポキシ化合物および/またはカルボジイミド化合物が好ましい。上記カルボキシル基反応性末端封鎖剤は一種またはニ種以上の化合物を任意に選択して使用することができる。カルボキシル基反応性末端封鎖剤の量は、ポリ乳酸樹脂を100重量部としたときに、0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部がさらに好ましい。
【0050】
本発明においては、さらにカルボキシル基反応性末端封鎖剤の反応触媒を添加することが好ましい。ここで言う反応触媒とは、カルボキシル基反応性末端封鎖剤と、ポリマー末端や酸性低分子化合物のカルボキシル基との反応を促進する効果のある化合物であり、少量の添加で反応を促進する効果のある化合物が好ましい。このような化合物の例としてはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、第4級アンモニウム塩、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩、リン酸エステル、有機酸、ルイス酸などが挙げられ、これらは一種またはニ種以上使用することができる。なかでも、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン酸エステルを使用するのが好ましく、特にアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の有機塩を好ましく使用することができる。反応触媒の添加量は、特に限定されるものではないが、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.001〜1重量部が好ましく、また0.01〜0.2重量部がより好ましく、さらには0.02〜0.1重量部が最も好ましい。
【0051】
本発明においては、ポリ乳酸樹脂の結晶化特性を向上させることができるという点から、さらに結晶化促進剤を配合することが好ましい。本発明で使用する結晶化促進剤は、多種類の化合物から選択することができるが、ポリマーの結晶核の形成を促進する結晶核剤や、ポリマーを柔軟化して動きやすく結晶の成長を促進する可塑剤を好ましく使用することができる。結晶核剤としては、タルク、カオリン、モンモリロナイトなどの無機系結晶核剤、安息香酸マグネシウム、ラウリン酸ナトリウム、エチレンビスラウリン酸アミド、高融点ポリ乳酸などの有機系結晶核剤などのいずれも用いることができる。可塑剤としては、ポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤、エポキシ系可塑剤などのいずれも用いることができる。本発明で使用する結晶化促進剤の配合量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.01〜30重量部であることが好ましく、0.1〜20重量部であることがさらに好ましく、1〜10重量部であることが特に好ましい。
【0052】
本発明においては、表面外観性、成形性、機械特性、耐熱性、靭性などに優れた樹脂組成物が得られるという点から、ポリ乳酸樹脂以外の熱可塑性樹脂を配合することが好ましい。熱可塑性樹脂とは、特に限定されるものではなく、ポリアセタール樹脂、ポリ乳酸以外のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、芳香族および脂肪族ポリケトン樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、熱可塑性澱粉樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、ACS樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、MS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリエーテルイミド樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などの熱可塑性樹脂を挙げることができ、中でもポリアセタール樹脂、ポリ乳酸以外のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂から選ばれる少なくとも1種を配合することが好ましく、ポリ乳酸以外のポリエステル樹脂として、脂肪族ポリエステル樹脂および/または脂肪族芳香族ポリエステル樹脂を配合することがより好ましい。ポリ乳酸樹脂以外の脂熱可塑性樹脂の配合量は、特に限定されるものではないが、ポリ乳酸樹脂を100重量部としたときに、0.5〜200重量部であることが好ましく、1〜150重量部がより好ましく、10〜100重量部がさらに好ましい。
【0053】
また、本発明においては、ポリ乳酸樹脂以外の熱可塑性樹脂として、耐衝撃改良剤を配合することが好ましい。本発明で使用する耐衝撃改良剤とは、熱可塑性樹脂の耐衝撃性改良に用いることのできるものであれば特に制限されないが、コアシェル型と呼ばれる多層構造重合体などが好ましい。耐衝撃改良剤の配合量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、1〜100重量部の範囲であることが好ましく、2〜50重量部の範囲であることがさらに好ましい。
【0054】
本発明においては、機械特性、耐熱性、低温金型成形性に優れた樹脂組成物が得られるという点から、天然由来の有機充填剤以外の充填剤を配合することが好ましく、無機充填剤を配合することがより好ましい。本発明で使用する天然由来の有機充填剤以外の充填剤としては、通常熱可塑性樹脂の強化に用いられる繊維状、板状、粒状、粉末状のものを用いることができる。具体的には、ガラス繊維、ホウ酸アルミニウムウイスカー、クレー、マイカ、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、ナイロン繊維、炭素繊維などが挙げられる。天然由来の有機充填剤以外の充填剤の配合量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.1〜200重量部が好ましく、0.5〜100重量部がより好ましく、1〜50重量部がさらに好ましい。
【0055】
本発明においては、難燃性を付与できるという点から、さらに難燃剤を配合することが好ましい。本発明において、難燃剤とは、樹脂に難燃性を付与する目的で添加される物質であれば特に限定されるものではなく、具体的には、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、窒素化合物系難燃剤、シリコーン系難燃剤、その他の無機系難燃剤などが挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種を選択して用いることができるが、リン系難燃剤、窒素化合物系難燃剤、シリコーン系難燃剤およびその他の無機系難燃剤から選ばれる少なくとも一種以上を用いることが好ましく、リン系難燃剤、窒素化合物系難燃剤、シリコーン系難燃剤およびその他の無機系難燃剤から選ばれる少なくともニ種以上を組み合わせて用いることがより好ましい。難燃剤の量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.01〜100重量部であり、さらに0.5〜90重量部がより好ましく、1〜80重量部がさらに好ましい。
【0056】
本発明においては、制電性を付与できるという点から、さらに帯電防止剤を配合することが好ましい。本発明で使用する帯電防止剤としては、いずれでもよいが、生分解性を有するものであることが好ましい。このようなものとしては、理研ビタミン製リケマスターGSR−350などがある。帯電防止剤の配合量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がさらに好ましい。
【0057】
本発明においては、機械特性、耐熱性、耐久性などに優れた樹脂組成物が得られるという点から、安定剤を配合することが好ましい。安定剤としては、通常熱可塑性樹脂の安定剤に用いられるものを用いることができるが、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、蓚酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物及びヒンダードアミン系化合物)、熱安定剤(ヒンダードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物)などが好ましい。安定剤の配合量は、ポリ乳酸樹脂および天然由来の有機充填剤の合計100重量部に対して、0.01〜3重量部が好ましく、0.03〜2重量部がさらに好ましい。
【0058】
本発明においては、機械特性、成形性、耐熱性および耐久性などに優れた樹脂組成物が得られるという点から、離型剤を配合することが好ましい。離型剤としては、通常熱可塑性樹脂の離型剤に用いられるものを用いることができる。具体的には、脂肪酸、脂肪酸金属塩、オキシ脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族部分鹸化エステル、パラフィン、低分子量ポリオレフィン、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、変成シリコーンなどを挙げることができる。これらを配合することで、機械特性、成形性、耐熱性および耐久性に優れた成形品を得ることができる。離型剤の配合量は、ポリ乳酸樹脂と天然由来の有機充填剤の合計100重量部に対して、0.01〜3重量部が好ましく、0.03〜2重量部がさらに好ましい。
【0059】
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、上記以外の通常の添加剤、例えば、滑剤、発泡剤、染料および顔料を含む着色剤などの一種またはニ種以上をさらに含有することができる。
【0060】
上記したような添加剤等を添加する方法としては、それぞれ個別に添加する方法、ポリ乳酸樹脂もしくは天然由来の有機充填剤のぞれぞれと予め一括混合もしくは溶融混練する方法、ポリ乳酸樹脂および天然由来の有機充填剤と一括混合もしくは溶融混練する方法、ポリ乳酸樹脂および天然由来の有機充填剤を溶融混練して得られる樹脂組成物に添加する方法のいずれも用いることができる。
【0061】
本発明の製造方法により得られる樹脂組成物は、樹脂組成物中のポリ乳酸樹脂由来の降温時結晶化温度(Tc)が観察できる。ここで、Tcとは、示差走査熱量計(DSC)により、200℃まで昇温した後、降温速度20℃/分で測定したポリ乳酸樹脂由来の降温時結晶化温度である。Tcは、特に限定されるものではないが、成形性の観点から、100℃以上が好ましく、105℃以上がより好ましく、110℃以上がさらに好ましい。
【0062】
このような上記好ましい結晶化特性を有する樹脂組成物は、上記好ましい態様を有する天然由来の有機充填剤を用いて本発明の製造方法を実施することにより達成することができる。
【0063】
本発明の樹脂組成物の製造方法を用いることにより、直接もしくは間接的に、樹脂組成物もしくは成形品を得ることができる。
【0064】
本発明の樹脂組成物は、上述した樹脂組成物の製造方法を実施することにより、直接得ることができる。
【0065】
本発明の樹脂組成物からなる成形品は、上述の樹脂組成物の製造方法を用いることにより直接もしくは間接的に得ることができる。
【0066】
上述の樹脂組成物の製造方法により溶融混練して得られた樹脂組成物は、造粒もしくは粉砕してペレットや粉末の形態にして、このペレットや粉末を別の所望の形状の金型を配置した成形機に投入して所望の成形品を得ることができる。また、ペレットや粉末の形態を経ることなく1つの溶融混練装置で溶融混練と成形とを続けて行い、直接、成形品を得ることができる。
【0067】
すなわち、本発明の樹脂組成物からなる成形品の製造方法としては、ポリ乳酸樹脂および天然由来の有機充填剤を、溶融混練装置を用いて、樹脂温度160〜230℃、滞留時間30〜300秒、せん断速度10〜1500秒-1の条件で溶融混練することを特徴とする樹脂組成物の製造方法を用いるものであり、上述の条件で溶融混練して得られる樹脂組成物を所望の金型を配置した成形機に投入して製造する方法、もしくは、上述の条件で溶融混練しながら、予め溶融混練装置に配置しておいた所望の形状の金型内に溶融樹脂組成物を流し込むことにより製造する方法をいずれも用いることができる。ここで、溶融混練装置としては、上述した樹脂組成物の製造方法で用いるものをいずれも使用することができる。
【0068】
溶融混練して得られる樹脂組成物を成形機に投入して成形品を製造する場合には、成形機として射出成形機を使用する射出成形などの方法を利用することができる。射出成形する場合の金型温度としては、結晶化の観点から、30℃以上が好ましく、60℃以上がさらに好ましく、70℃以上がさらに好ましく、試験片の変形の観点から、140℃以下が好ましく、120℃以下がさらに好ましく、110℃以下がさらに好ましい。
【0069】
また、溶融混練と成形とを続けて行う場合には、溶融混練装置としては、射出成形機または押出成形機が好ましく、天然由来の有機充填剤の分散性の点から、押出成形機がより好ましい。押出成形機としては、上述した樹脂組成物の製造方法で用いる押出機をいずれも使用することができる。
【0070】
成形品としては、射出成形品、押出成形品、およびブロー成形品などが挙げられ、シート、フイルム、繊維などとしても利用することができる。また、これらの成形品は、建築資材、土木資材、農業資材、自動車部品(内装・外装部品など)、電気・電子部品(各種ハウジング、歯車、ギアなど)、遊技機用資材(パチンコ台ゲージ盤、枠材など)および日用品など各種用途に利用することができる。
【0071】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳述するが、下記実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数はすべて重量基準である。また、使用した原料および表中の符号を以下に示す。
(A)ポリ乳酸樹脂
(A−1)ポリ乳酸(D体1.2%、PMMA換算の重量平均分子量17万)
(B)天然由来の有機充填剤
(B−1)厚み1mmの板紙を粉砕した古紙粉末
(B−2)新聞紙を解繊した古紙粉末
(B−3)木粉(レッテンマイヤー製リグノセルC−300G)
(C)カルボキシル末端反応性末端封鎖剤
(C−1)カルボジイミド化合物(日清紡製カルボジライトHMV−8CA)
(D)結晶化促進剤
(D−1)タルク(竹原化学製ハイトロン)
(D−2)ポリエチレングリコール(三洋化成製PEG4000)
(E)ポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂
(E−1)ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)(BASF製エコフレックス)
(E−2)ポリブチレン(サクシネート/アジペート)(昭和高分子製ビオノーレ3001)。
【0075】
せん断速度は下記式から求めた値である(後述の実施例1〜12、比較例1〜においても下記式を用いて求めた)。
【0076】
せん断速度[秒−1]=π×D×N/60×1/H
D:溶融混練装置のシリンダー直径[mm]
N:溶融混練装置の回転数[rpm]
H:溶融混練装置のスクリューとシリンダー内壁との最小間隙距離[mm]
樹脂組成物のポリ乳酸樹脂由来の降温時結晶化温度(Tc)を測定した。測定方法は、パーキンエルマー製DSC7を用いて、試料10mg、窒素雰囲気下中、降温速度20℃/分で200℃から30℃まで降温し、Tcを決定した(後述の実施例1〜12、比較例1〜においても同様に測定した)。
【0082】
また、実施例で用いた古紙粉末(B−1およびB−2)について、電気炉で450℃、12時間処理して灰分量を求めた。さらに、得られた灰分について、蛍光X線装置を用いて、分析を行った。分析結果を表に示す。
【0083】
【表1】
Figure 0004572516
【0085】
[実施例1〜、比較例1〜
表2に示したポリ乳酸樹脂などの各種原料を表2に示した割合で、スクリューブレンダーを用いて予備混合した後、溶融混練装置として、表2に示した押出機および条件を用いて溶融混練した後、ペレタイズを行い、樹脂組成物のペレットを得た。
【0086】
使用した天然由来の有機充填剤は全て、熱風乾燥機で100℃、5時間乾燥した後の風乾重量および絶乾重量から求められる含水率を1%以下とした。
【0087】
樹脂温度は、シリンダーに取り付けた複数の温度センサーにより測定したシリンダー内壁近傍の値の中で、最低樹脂温度および最高樹脂温度の値である。
【0088】
せん断速度は、ニーディング部におけるせん断速度の値である。
【0089】
用いた押出機と表中の符号を以下に示す
(a−1)40mm径単軸押出機(ダルーメージスクリュー構造を一つ有する)
(a−2)30mm径同方向回転噛み合い型パラレル二軸押出機(ニーディングセグメントを用いたニーディング部を2つ有する)
(a−3)50mm径異方向回転非噛み合い型パラレル二軸・単軸複合型押出機(ニーディングロータを用いたニーディング部を2つ有する)
得られたペレットについて、原料として用いた天然由来の有機充填剤との色を目視で比較し、下記基準により3段階で評価した。
◎:変化なし。
○:やや変色しているが、焼けはない。
×:焼けにより、大きく変色している。
【0090】
得られたペレットをホットプレス機で、設定温度190℃、プレス圧3MPa、プレス時間2分として厚み0.3mmのシートを作製し、そのシートを光学顕微鏡を用いて、200倍で観察し、天然由来の有機充填剤の分散性について、下記基準により3段階で評価した。
◎:均一に分散している。
○:一部に充填剤の凝集構造が観察されるものの、その他はほぼ均一に分散している。
×:充填剤の凝集構造のみが観察できる。
【0091】
得られたペレットをシリンダー温度185℃、金型温度90℃で射出成形を行うことにより、厚み3mmのASTM試験片を作製した。
【0092】
作製したASTM試験片を用い、ASTM法D790に準じて曲げ試験を、ASTM法D256に準じてアイゾッド衝撃試験を、ASTM法D648に準じて荷重たわみ温度(0.45MPa)の測定を行った。
【0093】
作製した曲げ試験片の表面外観については、目視および触手により下記の基準により4段階で評価した。
◎:試験片表面は極めて平坦性に優れ、ざらつきが全くない。
○:試験片表面は平坦性に優れているが、ややざらつきがある。
△:試験片表面は気泡などのため一部が平坦性に欠け、ややざらつきがある。
×:試験片表面は全体的に平坦性に欠け、明らかにざらつきがある。
【0094】
これらの結果を表2に示す。
【0095】
【表2】
Figure 0004572516
【0096】
表2の結果から、本発明の製造方法を用いることにより、得られる樹脂組成物の色調、機械特性、耐熱性、表面外観性が優れることがわかる。
【0097】
[実施例9〜12
表3に示したポリ乳酸樹脂などの各種原料を表3に示した割合で、スクリューブレンダーを用いて予備混合した後、溶融混練装置として、異方向回転コニカル二軸押出機を用いて、表3に示した条件で溶融混練した後、ペレタイズを行い、樹脂組成物のペレットを得た。
【0098】
使用した天然由来の有機充填剤は全て、熱風乾燥機で100℃、5時間乾燥し、風乾重量および絶乾重量から求められる含水率を1%以下とした。
【0099】
樹脂温度は、シリンダーに取り付けた5個の温度センサーにより測定したシリンダー内壁近傍の値の中で、最低樹脂温度および最高樹脂温度の値である。
【0100】
せん断速度は、圧縮ゾーンにおけるせん断速度の値である。
【0101】
得られたペレットについて、原料として用いた天然由来の有機充填剤との色を目視で比較し、下記基準により3段階で評価した。
◎:変化なし。
○:やや変色しているが、焼けはない。
×:焼けにより、大きく変色している。
【0102】
得られたペレットをホットプレス機で、設定温度190℃、プレス圧3MPa、プレス時間2分として厚み0.3mmのシートを作製し、そのシートを光学顕微鏡を用いて、200倍で観察し、天然由来の有機充填剤の分散性について、下記基準により3段階で評価した。
◎:均一に分散している。
○:一部に充填剤の凝集構造が観察されるものの、その他はほぼ均一に分散している。
×:充填剤の凝集構造のみが観察できる。
【0103】
得られた樹脂組成物をシリンダー温度185℃、金型温度90℃で射出成形を行うことにより、厚み3mmのASTM試験片を作製した。
【0104】
作製したASTM試験片を用い、ASTM法D790に準じて曲げ試験を、ASTM法D256に準じてアイゾッド衝撃試験を、ASTM法D648に準じて荷重たわみ温度(0.45MPa)の測定を行った。
【0105】
作製した曲げ試験片の表面外観については、目視および触手により下記の基準により4段階で評価した。
◎:試験片表面は極めて平坦性に優れ、ざらつきが全くない。
○:試験片表面は平坦性に優れているが、ややざらつきがある。
△:試験片表面は気泡などのため一部が平坦性に欠け、ややざらつきがある。
×:試験片表面は全体的に平坦性に欠け、明らかにざらつきがある。
【0106】
これらの結果を表3に示す。
【0107】
【表3】
Figure 0004572516
【0108】
表3の結果から、本発明の製造方法を用いることにより、得られる樹脂組成物の色調、機械特性、耐熱性、表面外観性が優れることがわかる。
【0109】
[実施例13
表2に示された実施例と同組成となるように、重量フィーダーを用いてそれぞれ別々にホッパーへ供給しながら、75mm径同方向回転噛み合い型二軸押出機を用い、シリンダー設定温度185℃、成形ダイ設定温度185℃、スクリュー回転数60rpmの条件で押出し、厚さ20mmのボードを得た。なお、シリンダーに取り付けた複数の温度センサーにより測定した最高樹脂温度は、196℃、最低樹脂温度は186℃、滞留時間は60秒、せん断速度は240秒−1であった。得られたボードの表面は極めて平坦性に優れ、ざらつきが全くなく、光沢があった。また、得られたボードを20cm×20cm角に切り出し、140℃の熱風乾燥機に1時間静置しても、そりや収縮などの変形はなかった。
【0110】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、耐熱性、外観、色調などに優れた樹脂組成物を得ることができる。

Claims (11)

  1. ポリ乳酸樹脂および含水率が0.1重量%以上3重量%以下の天然由来の有機充填剤を、ニーディング部を有する押出機を用いて、樹脂温度160〜200℃、滞留時間30〜200秒、せん断速度84〜420−1の条件で溶融混練することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
  2. 樹脂温度170〜200℃、滞留時間50〜70秒、せん断速度110〜420−1の条件で溶融混練することを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
  3. ーディング部を有する押出機、ニーディング部のスクリューとシリンダー内壁との最小間隙距離とスクリュー口径の比が、0.001〜0.1の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  4. ニーディング部を有する押出機がニーディング部を2つ以上有する押出機であり、少なくとも一つのニーディング部のスクリューとシリンダー内壁との最小間隙距離とスクリュー口径の比が、0.01〜0.07の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  5. ニーディング部を有する押出機が二軸押出機であり、押出機のスクリューが、非噛み合い型であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  6. ニーディング部を有する押出機が、ケーシング内に、スクリュー部を形成した第1軸および第2軸が並列に配置された二軸スクリュー部、および二軸スクリュー部より延長された第1軸が配置された単軸スクリュー部を有し、かつ前記二軸スクリュー部と単軸スクリュー部の連通部に流量調節機構を備え、前記ケーシングに二軸スクリュー部に連通する原料供給口を備えるとともに、前記延長された第1軸の端部に連通する吐出口を備えた二軸・単軸複合型押出機であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  7. ニーディング部を有する押出機がコニカル二軸押出機であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  8. 樹脂組成物中のポリ乳酸樹脂由来の降温時結晶化温度が100℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  9. 天然由来の有機充填剤が、紙粉、木粉またはケナフ繊維から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  10. カルボキシル基反応性末端封鎖剤を溶融混練することを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  11. 結晶化促進剤を溶融混練することを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
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