JP4561105B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ制御装置に関するものである。
一般に、ブラシレスモータのトルク制御では、先ず、ブラシレスモータに供給されるU,V,Wの三相の相電流の値(相電流値)をd−q座標系のd,q軸電流値に変換し(d/q変換)、このd,q軸電流値と目標値であるd,q軸電流指令値との偏差に基づいてフィードバック制御を行う。そして、算出されたd,q軸電圧指令値を再びU,V,W系の相電圧指令値に変換(d/q逆変換)し、該相電圧指令値に基づいてモータ制御信号を生成する制御方法が採用されている。
ここで、d−q座標系とは、モータの回転子の磁束と同一方向をd軸とし、このd軸と直交する方向をq軸とする直交座標系であり、d/q変換とは、ブラシレスモータに供給される各相電流のベクトルをd−q座標系に対して写像することにより、交流を直流として演算可能とする手法である。
ところが、実際には、三相の相電流値をd−q座標系に対して正確に写像できない、即ち、d,q座標系における本来のd−q座標軸からずれた座標軸上で制御を行っている場合がある。これにより、本来のq軸上のq軸電流の値がq軸電流指令値よりも減少し、その結果、モータトルクが低下してしまうという問題がある。
従来、このような問題を抑制するものとして、平均角速度に基づいて、電流検出時間と回転角検出時間との時間差内に進む回転角を補正してd/q変換に用いる回転角を算出するとともに、回転角検出から次の回転角検出までの時間差内に進む回転角を補正してd/q逆変換に用いる回転角を算出するモータ制御装置がある。そして、このモータ制御装置を採用することにより、電流検出時における正確な回転角によりd/q変換を行うことができるとともに、上記電圧指令値を次の回転角検出タイミングと一致させて出力することができる。これにより、上記電圧指令値をd,q座標系に精度良く写像し本来のd−q座標軸上でq軸電流を制御することができ、その結果、モータトルクの低下を抑制することができる(特許文献1参照)。
特開2001−178199号公報
しかし、一方で、ブラシレスモータには、モータインダクタンスL(及び電機子巻線抵抗R)の影響により、各線間電圧の位相に対して各線間電流の位相がφ=tan−1(ω・L
/R)の式で示される角度だけ遅れる、即ち相電圧指令(相電圧指令値を有する信号)の位相に対して相電流の位相が遅れ角φだけ遅れるという特性がある。
つまり、上記検出タイミングの時間差内に進む回転角に起因する問題を解消したとしても、図9に示すように、モータインダクタンスLの影響により、実際には、本来のd−q座標軸に対して、遅れ角φずれたd´−q´座標軸上で制御を行っていることと等価となる。
従って、d軸電流指令値Id*をゼロとすると、本来のq軸上のq軸電流の値、即ちq軸電流値Iqは、q軸電流指令値Iq*に対してIq*cosφまで減少してしまう。そして、このq軸電流値Iqの減少に伴うトルクの低下は、角速度ωが上昇するにつれて顕著となり、例えば、ブラシレスモータを電動パワーステアリング装置(EPS)に適用した場合には、急操舵時の追従不良の原因となり、ひいては操舵フィーリングの悪化を招くおそれがある。
更に、このような場合、d軸上にIq*sinφに相当するd軸電流値Idを有する正のd
軸電流が発生する。そして、この正のd軸電流の発生は、モータの発熱原因となるとともに、EPS用モータのように電源電圧に上限がある場合には、d軸干渉項の増大に伴ってモータインダクタンスLの影響による電圧降下分が減殺されるためq軸電流が流れにくくなり、ひいては更なるトルク低下を招くという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、モータインダクタンスの影響によるトルク低下及び無効電流の発生を抑制することができるモータ制御装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ブラシレスモータに供給される三相の相電流値を二相のd軸電流値及びq軸電流値に変換する三相/二相変換手段と、該d軸電流値及びq軸電流値とd軸電流指令値及びq軸電流指令値との各偏差に基づき生成されるd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を三相の各相電圧指令値に変換する二相/三相変換手段とを備え、該各相電圧指令値に基づいて前記ブラシレスモータを制御するモータ制御装置であって、前記ブラシレスモータの角速度を演算する角速度演算手段と、該角速度の絶対値が所定の値以上であるか否かを判定する判定手段と、該判定に基づいて前記d軸電流指令値及びq軸電流指令値を決定する決定手段とを備え、該決定手段は、前記角速度の絶対値が前記所定の値以上である場合には、以下の式、Id*=−|Iq0|×sinΦ0、Iq*=Iq0×cosΦ0(但し、Id*:d軸電流指令値、Iq*:q軸電流指令値、Iq0:入力されるq軸電流指令値、Φ0:所定の位相進み角)により前記d軸電流指令値及びq軸電流指令値を決定し、前記角速度の絶対値が前記所定の値よりも低い場合には、Id*=0、Iq*=Iq0として前記d軸電流指令値及びq軸電流指令値を決定することを要旨とする。
上記構成によれば、本来のd軸上に、Id=|Iq0|×sin(φ−Φ0)の式に示される
値を有するd軸電流が発生し、本来のq軸上には、Iq=Iq0×cos(φ−Φ0)の式に
示される値を有するq軸電流が発生する。つまり、本来のd−q座標軸に対する制御上のd´−q´座標軸のズレが(φ−Φ0)に表される角度まで改善されたことと等価となる。従って、本来のq軸上に入力されたq軸電流指令値に近い値を有するq軸電流を発生させることができ、角速度の上昇時にもモータインダクタンスの影響によるトルク低下を抑えて目標値に近いトルクを発生させることができる。また、本来のd軸への正のd軸電流の発生を抑制し、これによるモータの発熱やd軸干渉項の増大に伴うq軸電流の減少を防止することができる。
加えて、d軸電流指令値及びq軸電流指令値の算出においては、予め設定された所定の値を位相進み角として用い、更に、前記角速度が前記所定の角速度よりも低い場合には、前記d軸電流指令値及びq軸電流指令値をId*=0、Iq*=Iq0とするため、角速度に応じて位相進み角を逐次演算する場合と比較して演算負荷が小さくなる。また、メモリに角速度と位相進み角とを関連付けたマップを記憶する場合と比較しても必要とするメモリ容量が小さくて済む。従って、演算能力の低い、或いはメモリ容量の小さい安価なマイコンを使用することができ、その結果低コスト化を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、ブラシレスモータに供給される三相の相電流値を二相のd軸電流値及びq軸電流値に変換する三相/二相変換手段と、該d軸電流値及びq軸電流値とd軸電流指令値及びq軸電流指令値との各偏差に基づき生成されるd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を三相の各相電圧指令値に変換する二相/三相変換手段とを備え、該各相電圧指令値に基づいて前記ブラシレスモータを制御するモータ制御装置であって、前記ブラシレスモータの角速度を演算する角速度演算手段と、該角速度に基づいて条件判定を行う判定手段と、該条件判定に応じて、前記角速度とモータインダクタンスとの関数に基づいて前記モータインダクタンスの影響による相電圧指令の位相に対する相電流の位相の遅れ角に対応する位相進み角を算出し、又は所定の角度を前記位相進み角とする位相進み角演算手段と、該算出された位相進み角に基づいて、以下の式、Id*=−|Iq0|×sinΦ´、Iq*=Iq0×cosΦ´(但し、Id*:d軸電流指令値、Iq*:q軸電流指令値、Iq0:入力されるq軸電流指令値、Φ´:位相進み角)により前記d軸電流指令値及びq軸電流指令値を決定する決定手段と、を備え、前記関数は、φ=tan -1 (ω・L/R)に示される式又はその近似式(但し、φ:遅れ角、ω:角速度、L:モータインダクタンス、R:電機子巻線抵抗)に示されるものであることを要旨とする。
上記構成によれば、請求項に記載の発明と同様に、本来のd−q座標軸に対する制御上のd´−q´座標軸のズレを(φ−Φ´)に表される角度まで改善したことと等価となる。また、角速度に基づく条件判定に応じて、位相進み角の演算形態を切り替える。これにより、本来のq軸上において、入力されたq軸電流指令値とq軸電流値とが一致するように精度良くd軸電流指令値及びq軸電流指令値を決定してモータインダクタンスの影響によるトルク低下及び無効電流の発生を抑制するとともに、演算能力の低い或いはメモリ容量の小さい安価なマイコンを使用して低コスト化を図ることができる。
請求項に記載の発明は、前記判定手段は、|ω|・L/Rが所定の値以下であるか否かを判定し(但し、ω:角速度、L:モータインダクタンス、R:電機子巻線抵抗)、前記位相進み角演算手段は、|ω|・L/Rが所定の値以下であると判定した場合には、前記関数に基づいて前記位相進み角を算出し、前記判定手段が|ω|・L/Rが所定の値よりも大きいと判定した場合には、前記所定の角度を前記位相進み角とすることを要旨とする。
上記構成によれば、常用角速度領域においては、本来のq軸上において、入力されたq軸電流指令値とq軸電流値とが一致するように精度良くd軸電流指令値及びq軸電流指令値を決定し、常用されない大きな角速度領域では演算負荷或いはメモリ容量を抑えることが可能になる。
本発明によれば、モータインダクタンスの影響によるトルク低下及び無効電流の発生を抑制することができるモータ制御装置を提供することができる。
参考形態)
以下、本発明をDCブラシレスモータの制御装置に具体化した参考形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本参考形態のモータ制御装置1は、モータ制御信号を出力する制御回路2と、モータ制御信号に基づいてブラシレスモータ4に三相(U,V,W)の駆動電力を供給する出力回路5とを備えている。
制御回路2には、ブラシレスモータ4に通電される各相電流の値、即ち相電流値Iu,
Iv,Iwを検出するための電流センサ6〜8、及びブラシレスモータ4の回転角(電気角)θを検出するための回転角センサ9が接続されている。そして、制御回路2は、これら各センサにより検出された各相電流値Iu,Iv,Iw及び回転角θに基づいてモータ制御信号を出力する。
詳述すると、電流センサ6〜8が出力する信号は相電流演算部11に入力され、回転角センサ9が出力する信号は回転角演算部12に入力される。そして、相電流演算部11及び回転角演算部12は、それぞれ入力された信号に基づいて各相電流値Iu,Iv,Iw及び回転角θを算出する。
相電流演算部11により算出された各相電流値Iu,Iv,Iw、及び回転角演算部1
2により算出された回転角θは、3相/2相変換部13に入力される。そして、3相/2相変換部13は、その各相電流値Iu,Iv,Iwをd−q座標系のd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに変換し(d/q変換)、d軸電流値Idを減算器15に、q軸電流値Iqを減算器16に出力する。
また、減算器15,16には、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*が入力される。尚、本参考形態では、ブラシレスモータ4が永久磁石同期モータであるため、d軸電流指令値Id*はId*=0として減算器15に入力される。そして、q軸電流指令値Iq*は、モータ制御装置1の上位側から減算器16に入力される。例えば、本参考形態のモータ制御装置1を電動パワーステアリング装置に適用した場合には、モータ制御装置1の上位側の制御装置において、先ず、操舵トルク、車速、回転角及び角速度に基づいて要求されるアシストトルクが演算される。そして、ブラシレスモータ4がそのアシストトルクを発生するため必要とされるq軸電流値が演算され、その値がq軸電流指令値Iq*として減算器16に入力される。
そして、減算器15は、d軸電流値Idとd軸電流指令値Id*との偏差ΔIdをPI制御部17に出力し、減算器16は、q軸電流値Iqとq軸電流指令値Iq*との偏差ΔIqをPI制御部18に出力する。
PI制御部17,18は、それぞれ減算器15,16から入力された偏差ΔId,ΔIqに基づいて、実電流であるd軸電流値Id,q軸電流値Iqがd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*に追従するよう比例積分制御(PI制御)を行い、それぞれd軸電圧指令値Vd*,q軸電圧指令値Vq*を生成する。そして、PI制御部17,18は、そのd軸電圧指令値Vd*,q軸電圧指令値Vq*を2相/3相変換部21に出力する。
また、2相/3相変換部21には、ブラシレスモータ4の回転角が入力される。2相/3相変換部21は、この回転角に基づいて、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を三相の相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に変換し(d/q逆変換)、その各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*をPWM制御部22に出力する。そして、PWM制御部22は、入力された各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づいてモータ制御信号を演算し、算出されたモータ制御信号を出力回路5に出力する。
一方、出力回路5は、直流電源25とブラシレスモータ4との間に接続されている。そして、制御回路2から入力されるモータ制御信号に基づいて直流電源25から供給される直流電圧を三相(U,V,W)の駆動電力に変換しブラシレスモータ4に供給する。
詳述すると、出力回路5は、ブラシレスモータ4の相数に対応する複数(6個)のパワーMOSFET(以下、単にFET)を備えている。具体的には、出力回路5は、FET26a,26dの直列回路、FET26b,26eの直列回路及びFET26c,26fの直列回路を並列接続することにより構成されている。そして、FET26a,26dの接続点Uはブラシレスモータ4のU相コイルに接続され、FET26b,26eの接続点Vはブラシレスモータ4のV相コイルに接続され、FET26c,26fの接続点Wはブラシレスモータ4のW相コイルに接続されている。
PWM制御部22から出力されるモータ制御信号は、各FET26a〜26fのゲート端子に印加される。そして、このモータ制御信号に応答して各FET26a〜26fがオン/オフし、出力点である各接続点U,V,Wからブラシレスモータ4にU,V,W相の駆動電力が供給されることにより、ブラシレスモータ4が回転する。
また、本参考形態の制御回路2は、ブラシレスモータ4の回転角速度(角速度)に応じて回転角演算部12が算出した回転角θを補正して2相/3相変換部21に出力する位相進み制御部33を備えている。
詳述すると、位相進み制御部33は、位相進み角演算部35と、加算器36とにより構成される。回転角演算部12が算出した回転角θは、加算器36に入力されるとともに、微分器37に入力される。そして、微分器37は入力された回転角θに基づいて角速度ωを演算し算出された角速度ωを位相進み角演算部35に出力する。
位相進み角演算部35は、φ=tan−1(ω・L/R)の式に示される角速度ωとモータ
インダクタンスL(及び電機子巻線抵抗R)との関数に基づいて相電圧指令の位相に対する相電流の位相の遅れ角φに対応する位相進み角Φを算出する。そして、位相進み角演算部35は、算出された位相進み角Φを加算器36に出力する。
尚、本参考形態では、角速度ωと位相進み角Φとの関係は、上記φ=tan−1(ω・L/
R)の式により予め演算されマップの形式でメモリ(図示略)に記憶されている。そして、位相進み角演算部35は、このマップを参照することにより入力された角速度ωに対応する位相進み角Φを決定する。
加算器36は、その位相進み角Φを回転角演算部12から入力された回転角θに加算し、その値を補正後の回転角θ´として2相/3相変換部21に出力する。そして、2相/3相変換部21は、この位相進み制御部33により補正された回転角θ´に基づいてd/q逆変換を行う。
尚、本参考形態では、上記のような制御回路2を構成する上記の相電流演算部11、回転角演算部12、3相/2相変換部13、減算器15,16、PI制御部17,18、2相/3相変換部21、PWM制御部22、位相進み制御部33、及び微分器37は、マイクロコンピュータ上で実行されるプログラムにより実現される。
そして、回転角演算部12が回転角検出手段を、3相/2相変換部13が三相/二相変換手段を、2相/3相変換部21が二相/三相変換手段を、位相進み制御部33が回転角補正手段を、位相進み角演算部35が位相進み角演算手段を、微分器37が角速度演算手段を構成する。
以上、本参考形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)モータ制御装置1は、位相進み角演算部35と加算器36とにより構成される位相進み制御部33を備える。位相進み角演算部35は、φ=tan−1(ω・L/R)の式に
示されるブラシレスモータ4の角速度ωとモータインダクタンスL(及び電機子巻線抵抗R)との関数に基づいて相電圧指令の位相に対する相電流の位相の遅れ角φに対応する位相進み角Φを算出する。そして、加算器36は、その位相進み角Φを回転角演算部12から入力された回転角θに加算し、その値を補正後の回転角θ´として2相/3相変換部21に出力する。
このような構成とすれば、2相/3相変換部21が補正後の回転角θ´に基づいてd/q逆変換を行うことにより、予め遅れ角φに対応する位相進み角Φだけ位相が進められた相電圧指令が生成される。そして、この位相が進められた相電圧指令に対し、相電流の位相が遅れ角φだけ遅れることで、d−q座標系においてはq軸電流のベクトルが本来のd−q座標軸と一致する。これにより、角速度ωが上昇した場合にも正確にq軸電流の値を制御することができ、その結果、モータインダクタンスの影響によるトルク低下を防止することができるとともに、無効電流となるd軸電流の発生を防止することができる。
(第の実施形態)
以下、本発明をDCブラシレスモータの制御装置に具体化した第の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、参考形態と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図2に示すように、本実施形態のモータ制御装置41のハードウェア構成は、上記参考形態のモータ制御装置1と同一であり、制御回路42における制御ブロックのみが相違する。
具体的には、上記参考形態における制御回路2では、角速度ωに応じて上記遅れ角φに対応する進み角Φだけ補正された回転角θ´が位相進み制御部33から2相/3相変換部21に入力される、即ち、d−q座標系の位相遅れを補正した回転角θ´に基づいてd/q逆変換が行われる(図1参照)。これに対し、本実施形態の制御回路42では、d−q座標系において制御上のd´−q´軸が本来のd−q座標軸から遅れ角φだけズレることを織り込んだ上でd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*が決定される。具体的には、本来のq軸にモータ制御装置41の上位側から入力されるq軸電流指令値Iq0に近いq軸電流値Iqが発生し、且つ本来のd軸における無効電流となる正のd軸電流値Idの発生を抑制するようにd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を決定する。
詳述すると、制御回路42は、d軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を決定する電流指令値制御部43を備え、電流指令値制御部43には、モータ制御装置41の上位側からq軸電流指令値Iq0が入力されるとともに、微分器37から角速度ωが入力される。尚、q軸電流指令値Iq0は、上記参考形態におけるq軸電流指令値Iq*に相当す
るものである。そして、電流指令値制御部43は、この入力されたq軸電流指令値Iq0
及び角速度ωに基づいてd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を決定する。
さらに詳述すると、電流指令値制御部43は、角速度ωに基づいて条件判定を行う角速度判定部44と、角速度判定部44の判定に基づいてd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を演算するd,q軸電流指令値演算部46とを備えている。
図3に示すように、電流指令値制御部43にq軸電流指令値Iq0及び角速度ωが入力
されると(ステップ201,202)、先ず、角速度判定部44が、入力された角速度ωの絶対値が予め設定された所定の値、即ち角速度ω0以上であるか否かについて判定する(ステップ203)。本実施形態では、この所定の角速度ω0は、上述のφ=tan−1(ω・L/R)の式において遅れ角φが19°となる角速度ωに相当する値が設定されている。
次に、上記ステップ203において、角速度判定部44が|ω|≧ω0であると判定した場合(ステップ203 YES)には、d,q軸電流指令値演算部46は、Id*=−|Iq0|×sinΦ0、Iq*=Iq0×cosΦ0の式によりd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を算出する(ステップ204)。尚、位相進み角Φ0は、角速度ω0に対応する遅れ角φに相当する値(本実施形態では19°)が設定されている。
一方、角速度判定部44が|ω|<ω0であると判定した場合(ステップ203 NO)には、d,q軸電流指令値演算部46は、Id*=0、Iq*=Iq0としてd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を算出する(ステップ205)。そして、電流指令値制御部43は、上記ステップ204又はステップ205においてd,q軸電流指令値演算部46が算出したd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*をそれぞれ減算器15,16に出力する(ステップ206)。
尚、本実施形態では、電流指令値制御部43が決定手段を構成し、角速度判定部44が判定手段を構成する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図4に示すように、ブラシレスモータ4の角速度ωが上昇すると、そのモータインダクタンスの影響により相電圧指令の位相に対して相電流の位相が遅れ角φだけ遅れるため、d−q座標系においては、本来のd−q座標軸に対して制御上のd´−q´座標軸が遅れ角φだけズレる。
そのため、本来のd軸及びq軸には、それぞれ制御上のd´−q´座標軸上の各d軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*のベクトル成分(d軸方向及びq軸方向)の和に相当する値を有するd軸電流及びq軸電流が発生する。
即ち、本来のd軸上には、Id=Id*×cosφ+Iq*×sinφの式に示されるd軸電流値
Idを有するd軸電流が発生し、本来のq軸上には、Iq=−Id*×sinφ+Iq*×cosφの式に示されるq軸電流値Iqを有するq軸電流が発生する。
図5に示すように、本実施形態では、電流指令値制御部43は、ブラシレスモータ4の角速度ωの絶対値が所定の角速度ω0以上となった場合、Id*=−|Iq0|×sinΦ0、Iq*=Iq0×cosΦ0の式によりd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を決定する。
従って、本来のd軸上に発生するd軸電流値Idは、Id=−|Iq0|×sinΦ0×cosφ
+Iq0×cosΦ0×sinφの式に示される値となり、本来のq軸上に発生するq軸電流値
Iqは、Iq=|Iq0|×sinΦ0×sinφ+Iq0×cosΦ0×cosφの式に示される値となる。
そして、これを整理すると、本来のd軸上のd軸電流値Idは、Id=|Iq0|×sin(φ−Φ0)の式に示される値となり、本来のq軸上のq軸電流値Iqは、Iq=Iq0×cos(φ−Φ0)の式に示される値となる。
つまり、本来のd−q座標軸に対する制御上のd´−q´座標軸のズレが(φ−Φ0)に表される角度まで改善されたことと等価となる。従って、本来のq軸上に上位側から入力されたq軸電流指令値Iq0に近い値を有するq軸電流を発生させることができ、その結果、モータインダクタンスの影響によるトルク低下を抑えるとともに、本来のd軸における無効電流となる正のd軸電流の発生を抑制することが可能になる。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)モータ制御装置41は、角速度ωに基づいて条件判定を行う角速度判定部44と、該判定に基づいてd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を演算するd,q軸電流指令値演算部46とを備え、q軸電流指令値Iq0及び角速度ωに基づいてd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を決定する電流指令値制御部43を有している。そして、d,q軸電流指令値演算部46は、角速度判定部44が|ω|≧ω0であると判定した場合には、Id*=−|Iq0|×sinΦ0、Iq*=Iq0×cosΦ0の式によりd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を算出する。
これにより、本来のd軸上には、Id=|Iq0|×sin(φ−Φ0)の式に示される値を
有するd軸電流が発生し、本来のq軸上には、Iq=Iq0×cos(φ−Φ0)の式に示さ
れる値を有するq軸電流が発生する。つまり、本来のd−q座標軸に対する制御上のd´−q´座標軸のズレが(φ−Φ0)に表される角度まで改善されたことと等価となる。従って、本来のq軸上に上位側から入力されたq軸電流指令値Iq0に近い値を有するq軸電流を発生させることができ、角速度ωの上昇時にもモータインダクタンスの影響によるトルク低下を抑えて目標値に近いトルクを発生させることができる。また、本来のd軸への正のd軸電流の発生を抑制し、これによるモータの発熱やd軸干渉項の増大に伴うq軸電流の減少を防止することができる。
(2)d,q軸電流指令値演算部46は、d軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*の算出において、予め設定された所定の値を位相進み角Φ0として用い、更に、角速度判定部44が|ω|<ω0であると判定した場合には、Id*=0、Iq*=Iq0としてd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を算出する。
このような構成とすれば、角速度ωに応じて位相進み角を逐次演算する場合と比較して演算負荷が小さくなり、メモリに角速度ωと位相進み角とを関連付けたマップを記憶する場合と比較しても必要とするメモリ容量が小さくて済む。従って、演算能力の低い、或いはメモリ容量の小さい安価なマイコンを使用することができ、その結果低コスト化を図ることができる。
(第の実施形態)
以下、本発明をDCブラシレスモータの制御装置に具体化した第の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、第の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態のモータ制御装置51は、上記第の実施形態のモータ制御装置41と比較して電流指令値制御部53のみが相違する。
詳述すると、本実施形態の電流指令値制御部53は、角速度ωに基づいて条件判定を行う角速度判定部54と、位相進み角Φ´を演算する位相進み角演算部55と、算出された位相進み角Φ´に基づいてd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を演算するd,q軸電流指令値演算部56とを備えている。
図7に示すように、電流指令値制御部53にq軸電流指令値Iq0及び角速度ωが入力
されると(ステップ301,302)、先ず、角速度判定部54は、|ω|・L/Rが予め設定された所定値α(本実施形態ではα=1)以下であるか否かについて判定する(ステップ303)。そして、位相進み角演算部55は、角速度判定部54の判定に応じて位相進み角Φ´を演算する(ステップ304,305)。
具体的には、位相進み角演算部55は、上記ステップ303において角速度判定部54が|ω|・L/R≦αと判定した場合(ステップ303 YES)には、角速度ωとモータインダクタンスLとの関数に基づいて相電圧指令の位相に対する相電流の位相の遅れ角φに対応する位相進み角Φ´を演算する(ステップ304)。そして、|ω|・L/R>αと判定した場合(ステップ303 NO)には、予め設定された所定値β、即ち所定の角度を位相進み角Φ´とする(ステップ305)。
尚、本実施形態では、位相進み角演算部55は、ステップ304において、位相進み角Φ´をφ=tan−1(ω・L/R)の3次近似式、Φ´=|ω|・L/R−(|ω|・L/R)/3により算出する。そして、ステップ305において位相進み角Φ´とされる所定値βは、所定値α(α=1)に対応する位相進み角Φ´(38.2°)に相当する値(β=1−1/3[rad])が設定されている(図8参照)。
次に、d,q軸電流指令値演算部56は、上記ステップ304又はステップ305において位相進み角演算部55が算出した位相進み角Φ´に基づいて、Id*=−|Iq0|×sinΦ´、Iq*=Iq0×cosΦ´の式によりd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を算出する(ステップ306)。そして、電流指令値制御部53は、そのd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*をそれぞれ減算器15,16に出力する(ステップ307)。
尚、本実施形態では、電流指令値制御部53が決定手段を、角速度判定部54が判定手段を、位相進み角演算部55が位相進み角演算手段を構成する。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)角速度判定部54は、|ω|・L/Rが予め設定された所定値α以下であるか否かについて判定し、位相進み角演算部55は、角速度判定部54が|ω|・L/R≦αと判定した場合、角速度ωとモータインダクタンスL(及び電機子巻線抵抗R)との関数に基づいて位相進み角Φ´を演算し、|ω|・L/R>αと判定した場合、予め設定された所定値βを位相進み角Φ´とする。そして、位相進み角演算部55が算出した位相進み角Φ´に基づいて、Id*=−|Iq0|×sinΦ´、Iq*=Iq0×cosΦ´の式によりd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を算出する。
このような構成とすれば、上記第の実施形態と同様に、本来のd−q座標軸に対する制御上のd´−q´座標軸のズレを(φ−Φ´)に表される角度まで改善したことと等価となる。また、角速度ωに基づく条件判定により位相進み角Φ´の演算形態を切り替えることで、常用角速度領域においては、本来のq軸上に上位側から入力されたq軸電流指令値Iq0とq軸電流値Iqとが一致するように精度良くd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を決定し、非常用角速度領域では演算負荷或いはメモリ容量を抑えることが可能になる。従って、演算能力の低い或いはメモリ容量の小さい安価なマイコンを使用して低コスト化を図りつつ、精度よくモータインダクタンスの影響によるトルク低下及び無効電流の発生を抑制することができる。
(2)位相進み角演算部55は、位相進み角Φ´をφ=tan−1(ω・L/R)の3次近
似式、Φ´=|ω|・L/R−(|ω|・L/R)/3により算出する。従って、更に演算
負荷を低減することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、各相電流値Iu,Iv,Iwを検出するための3つの電流セン
サ6〜8を設けた。しかし、これに限らず、2つの電流センサにより各相電流値Iu,I
v,Iwのうちの何れか2つの相電流を検出し、該検出された2つの相電流から演算により残る相電流を検出する構成としてもよい。
・上記参考形態では、角速度ωと位相進み角Φとの関係は、上記φ=tan−1(ω・L/R)の式により予め演算されマップの形式でメモリ(図示略)に記憶され、位相進み角演算部35は、このマップを参照することにより入力された角速度ωに対応する位相進み角Φを決定することとした。しかし、これに限らず、φ=tan−1(ω・L/R)の式
により入力された角速度ωに対応する位相進み角Φを逐次演算する構成であってもよく、第の実施形態の位相進み角演算部55のようにφ=tan−1(ω・L/R)の近似式にて算出する構成であってもよい。
・上記参考形態では、位相進み制御部33は、角速度ωとモータインダクタンスL(及び電機子巻線抵抗R)との関数に基づいて算出された位相進み角Φを回転角演算部12が算出した回転角θに加算し、その値を補正後の回転角θ´として2相/3相変換部21に出力することとした。しかし、これに限らず、予め設定された所定の位相進み角を回転角演算部12が算出した回転角θに加算する構成としてもよい。
・また、その場合には、上記第及び第の実施形態の角速度判定部44,54のように、角速度ωに基づいて条件判定を行う判定手段を設けてもよく、位相進み角演算部は、該判定に応じて、上記関数にも基づいて位相進み角を演算し、又は予め設定された所定値を位相進み角とする、或いは位相進み角を算出しない構成としてもよい。
・上記第及び第の実施形態では、電流指令値制御部43,53には、ともに角速度判定部44,54を設けた。しかし、これに限らず、これら角速度判定部44,54を廃し、上記参考形態の位相進み制御部33ように角速度ωに関わらず一様な演算形態によりd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を決定する構成であってもよい。
・また、その場合には、上記関数に基づいて算出された位相進み角を用いても、所定の位相進み角を用いてd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を決定する構成であってもよい。
・上記第の実施形態では、所定の角速度ω0は、上述のφ=tan−1(ω・L/R)の
式において遅れ角φが19°となる角速度ωに相当する値に設定され、位相進み角Φ0は、その遅れ角φに相当する19°が設定されることとしたが、所定の角速度ω0及び位相進み角Φ0は任意に設定してもよい。
・上記第の実施形態では、電流指令値制御部43は、角速度判定部44が|ω|≦ω0である場合に、Id*=−|Iq0|×sinΦ0、Iq*=Iq0×cosΦ0の式によりd軸電流指令値Id*,q軸電流指令値Iq*を決定し、|ω|>ω0である場合には、Id*=0、Iq*=Iq0とする構成であってもよい。これは、上述のように参考形態における位相進
み制御部に判定手段を設けた場合についても同様である。
・上記第の実施形態では、所定値αをα=1として設定し、所定値βをα=1に対応する位相進み角Φ´(38.2°)に相当する値(β=1−1/3[rad])として設定し
たが、所定値α及び所定値βは任意に設定してもよい。
・上記第の実施形態では、位相進み角演算部55は、位相進み角Φ´をφ=tan−1
ω・L/R)の3次近似式により算出する構成とした。しかし、これに限らず、1次近似式や5次以上の近似式により算出する構成としてもよく、φ=tan−1(ω・L/R)の式
により入力された角速度ωに対応する位相進み角Φを逐次演算する構成であってもよい。また、参考形態の位相進み角演算部35のように、メモリに記憶されたマップにより決定する構成であってもよい。
・上記第の実施形態では、角速度判定部54は、|ω|・L/Rが予め設定された所定値α(本実施形態ではα=1)以下であるか否かについて判定する構成とした。しかし、これに限らず、角速度判定部は、角速度ωの絶対値が予め設定された所定の値以下であるか否かにより判定を行う構成としてもよい。
・上記第の実施形態では、位相進み角演算部55は、角速度判定部54が|ω|・L/R≧αと判定した場合に、上記関数に基づいて位相進み角Φ´を算出し、|ω|・L/R<αと判定した場合には、予め設定された所定値βを位相進み角Φ´として算出する構成としてもよい。これは、上述のように参考形態における位相進み制御部に判定手段を設けた場合にも同様である。
参考形態のモータ制御装置の制御ブロック図。 の実施形態のモータ制御装置の制御ブロック図。 の実施形態の電流指令値制御部の制御態様を示すフローチャート。 d−q座標系に位相遅れが発生した場合のd,q軸電流指令値とd,q軸電流値の関係を示す説明図。 の実施形態の作用を示す説明図。 の実施形態のモータ制御装置の制御ブロック図。 の実施形態の電流指令値制御部の制御態様を示すフローチャート。 の実施形態の位相進み角演算部の位相進み角演算の態様を示す説明図。 モータインダクタンスの影響に起因するd−q座標系の位相の遅れを示す説明図。
1,41,51…モータ制御装置、4…ブラシレスモータ、6〜8…電流センサ、9…回転角センサ、11…相電流演算部、12…回転角演算部、13…3相/2相変換部、17,18…PI制御部、21…2相/3相変換部、22…PWM変換部、33…位相進み制御部、35,55…位相進み角演算部、37…微分器、43,53…電流指令値制御部、44,54…角速度判定部、46,56…d,q軸電流指令値演算部、Iu,Iv,Iw…相電流値、θ,θ´…回転角、Id…d軸電流値、Iq…q軸電流値、Id*…d軸電流指令値、Iq*…q軸電流指令値、ΔId,ΔIq…偏差、Vd*…d軸電圧指令値、Vq*…q軸電圧指令値、Vu*,Vv*,Vw*…相電圧指令値、ω,ω0…角速度、φ…遅れ角、Φ,Φ0,Φ´…位相進み角、Iq0…q軸電流指令値、α,β…所定値。

Claims (3)

  1. ブラシレスモータに供給される三相の相電流値を二相のd軸電流値及びq軸電流値に変換する三相/二相変換手段と、該d軸電流値及びq軸電流値とd軸電流指令値及びq軸電流指令値との各偏差に基づき生成されるd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を三相の各相電圧指令値に変換する二相/三相変換手段とを備え、該各相電圧指令値に基づいて前記ブラシレスモータを制御するモータ制御装置であって、
    前記ブラシレスモータの角速度を演算する角速度演算手段と、
    該角速度の絶対値が所定の値以上であるか否かを判定する判定手段と、
    該判定に基づいて前記d軸電流指令値及びq軸電流指令値を決定する決定手段とを備え、
    該決定手段は、前記角速度の絶対値が前記所定の値以上である場合には、以下の式、
    Id*=−|Iq0|×sinΦ0、Iq*=Iq0×cosΦ0
    (但し、Id*:d軸電流指令値、Iq*:q軸電流指令値、Iq0:入力されるq軸電流
    指令値、Φ0:所定の位相進み角)
    により前記d軸電流指令値及びq軸電流指令値を決定し、
    前記角速度の絶対値が前記所定の値よりも低い場合には、
    Id*=0、Iq*=Iq0として前記d軸電流指令値及びq軸電流指令値を決定すること
    、を特徴とするモータ制御装置。
  2. ブラシレスモータに供給される三相の相電流値を二相のd軸電流値及びq軸電流値に変換する三相/二相変換手段と、該d軸電流値及びq軸電流値とd軸電流指令値及びq軸電流指令値との各偏差に基づき生成されるd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を三相の各相電圧指令値に変換する二相/三相変換手段とを備え、該各相電圧指令値に基づいて前記ブラシレスモータを制御するモータ制御装置であって、
    前記ブラシレスモータの角速度を演算する角速度演算手段と、
    該角速度に基づいて条件判定を行う判定手段と、
    該条件判定に応じて、前記角速度とモータインダクタンスとの関数に基づいて前記モータインダクタンスの影響による相電圧指令の位相に対する相電流の位相の遅れ角に対応する位相進み角を算出し、又は所定の角度を前記位相進み角とする位相進み角演算手段と、
    該算出された位相進み角に基づいて、以下の式、
    Id*=−|Iq0|×sinΦ´、Iq*=Iq0×cosΦ´
    (但し、Id*:d軸電流指令値、Iq*:q軸電流指令値、Iq0:入力されるq軸電流
    指令値、Φ´:位相進み角)
    により前記d軸電流指令値及びq軸電流指令値を決定する決定手段と、を備え
    前記関数は、φ=tan -1 (ω・L/R)に示される式又はその近似式
    (但し、φ:遅れ角、ω:角速度、L:モータインダクタンス、R:電機子巻線抵抗)
    に示されるものであること、を特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項2に記載のモータ制御装置において、
    前記判定手段は、|ω|・L/Rが所定の値以下であるか否かを判定し、
    (但し、ω:角速度、L:モータインダクタンス、R:電機子巻線抵抗)
    前記位相進み角演算手段は、
    |ω|・L/Rが所定の値以下であると判定した場合には、
    前記関数に基づいて前記位相進み角を算出し、
    前記判定手段が|ω|・L/Rが所定の値よりも大きいと判定した場合には、
    前記所定の角度を前記位相進み角とすること、を特徴とするモータ制御装置。
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