JP2019050684A - パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、車両用のパワーステアリング装置200のシステム構成図である。
パワーステアリング装置200において操舵輪を転舵する操舵機構210は、ステアリングホイール201、ステアリングシャフト202(操舵軸)、ピニオン軸203、ラック軸204を有する。
操舵トルクセンサ206は、ピニオン軸203に設けられ、ステアリングホイール201の操舵トルクを検出する。
減速機構205は、電動モータ1が発生するアシストトルクを操舵輪に伝達して、運転者の操舵を補助する。
なお、後で詳述するように、回転位置センサ207は、第1回転位置センサ208及び第2回転位置センサ209を一体的に備える所謂デュアルセンサである。
制御装置10は、マイクロプロセッサを有し、車速情報や操舵トルクセンサ206が検出した操舵トルクなどに応じたトルク指令値τ*の信号、更に、回転位置センサ207の出力信号である実軸位相の信号などに基づき、電動モータ1のステータ(固定子)に出力する指令信号を演算し、当該指令信号の出力によって電動モータ1のトルクを制御する。
なお、本願では、ロータ(回転子)の磁束方向の位置であるd軸と、そこから回転方向に電気的に90度進んだq軸とからなる回転座標系をd−q軸(実軸)とし、制御上の仮想回転子位置dc軸と、そこから回転方向に電気的に90度進んだqc軸とからなる回転座標系をdc−qc軸(制御軸)とする。
インバータ回路2は、電動モータ1の3相(U相、V相、W相)をそれぞれに駆動する3組のスイッチング素子を備えた3相ブリッジ回路であり、電動モータ1と直流電源3とに接続される。インバータ回路2の複数のスイッチング素子として、例えばMOSFETなどの半導体スイッチング素子が用いられる。
直流母線電流センサ4は、インバータ回路2への供給電流IDCを検出して、モータ制御器5に出力する電流検出器である。
制御装置10は、直流母線電流センサ4が出力する供給電流IDCの信号を受信する受信部10A(モータ電流信号受信部)を備える。
なお、ベクトル制御とは、交流電流機に流れる電流を、トルクを発生する電流成分と、磁束を発生する電流成分とに分解し、それぞれの電流成分を独立に制御する方式である。
電流Iqc,Idcは、後述するように、3相交流電流を回転子位相θdcに基づき座標変換して得られる電流成分である。
そして、電気角速度調整器6は、軸誤差Δθdcがゼロとなるように補正された電気角速度ω1cの信号をモータ制御器5に出力する。
なお、軸誤差Δθdcに基づく電気角速度ω1cの補正については、後で詳細に説明する。
ここで、第1回転位置センサ208及び第2回転位置センサ209は、1つのセンサチップパッケージ207A内に一体的に設けられている。
また、第2回転位置センサ209は、電動モータ1のロータ1bに設けられたマグネットの磁界を検出する第2磁気検出素子209Aを有し、電動モータ1の回転子位相を示す信号θsc2(第2実軸位相の信号)を出力する。
位相/速度演算器7は、回転位置センサ207(第1回転位置センサ208及び第2回転位置センサ209)が検出した電動モータ1の回転子位相θsc1,θsc2に基づき、電動モータ1の電気角速度ω1sc1,ω1sc2を算出して電気角速度調整器6に出力する。
モータ制御器5は、ベクトル制御器20、dq/3相座標変換器21、パルス幅変調器22、3相/dq座標変換器23、位相演算器24、電流再現器25を有する。
ベクトル制御器20は、電気角速度調整器6の出力である電気角速度ω1c、3相/dq座標変換器23の出力であるdc−qc軸上の電流Idc,Iqc、及び、トルク指令値τ*を入力し、電動モータ1が電流指令値Iq*に相当するトルクを発生するようにdc−qc軸上の電圧指令値Vd*,Vq*をdq/3相座標変換器21に出力する。
パルス幅変調器22は、3相交流電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*をインバータ回路2のスイッチング素子をオン/オフさせる信号とするパルス幅変調(PWM)を行い、パルス幅変調(PWM)された指令信号をインバータ回路2に出力し、ステータ1aの3つのコイルに流れる電流を制御する。
3相/dq座標変換器23は、3相交流電流Iuc,Ivc,Iwcと回転子位相θdcに基づいて、トルクに寄与する電流Iqc(q軸電流成分)と磁束に寄与する電流Idc(d軸電流成分)をベクトル制御器20に出力する。
位相演算器24は、電気角速度調整器6の出力である電気角速度ω1cから回転子位相θdcを算出し、dq/3相座標変換器21及び3相/dq座標変換器23に出力する。
モータ制御器5は、永久磁石同期電動機のトルクを線形化する手法である公知のベクトル制御によって電動モータ1を駆動制御する。
ここで、d−q軸(実軸)とdc−qc軸(制御軸)とのずれである軸誤差Δθdcをゼロに制御することで、dc−qc軸をd−q軸に一致させることができ、高精度なベクトル制御を実現することができる。
なお、電流指令値Id*は、非突極型の永久磁石同期電動機であれば、通常ゼロに設定される一方、突極構造の永久磁石同期電動機である場合や、弱め界磁制御や効率最大化制御が行われる場合においては、電流指令値Id*はゼロ以外に設定される。
そして、ベクトル制御器20は、トルクに寄与する電流指令値Iq*と磁束に寄与する電流指令値Id*にそれぞれの電流Iqc,Idcが一致するように電流制御を行って、dc−qc軸上の電圧指令値Vd*,Vq*を求める。
パルス幅変調器22は、3相交流電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づきインバータ回路2のスイッチング素子をオン/オフさせるパルス幅変調制御を行い、3相交流電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に相当する電圧を電動モータ1の各相(U相、V相、W相)に印加する。
なお、図2のシステム構成では、直流母線電流を検出するが、3相交流電流をそれぞれに検出するシステムとすることができる。
「第1実施形態」
図4は、電気角速度調整器6の第1実施形態を示すブロック図である。
電気角速度調整器6は、加算器601、補正出力制御器602、電気角速度補正演算器603、加減算器604、軸誤差演算器605、指令値出力器606、角速度信号切替器607、及び、センサ状態判断器608を有する。
つまり、軸誤差演算器605は、モータ電流に基づき推定される誘起電圧の位相である制御位相と、回転位置センサ207の検出出力に基づき求められる実軸位相との差である軸誤差Δθdcを演算する。
加減算器604は、軸誤差演算器605で求められた軸誤差Δθdcと、指令値出力器606から出力される軸誤差Δθdcの指令値(=0)との偏差を演算して、電気角速度補正演算器603に出力する。
つまり、電気角速度補正演算器603は、軸誤差Δθdcがゼロに近づくように電気角速度ω1cを補正するものであり、実軸(d−q軸)と制御軸(dc−qc軸)とのずれが解消されることで、電動モータ1のトルクをトルク指令値τ*に高精度に制御できるようになる。
したがって、パワーステアリング装置200においては、所望のアシストトルクを精度よく発生させることができ、操舵性能を向上させることができる。
つまり、電気角速度補正演算器603と加算器601とで、軸誤差Δθdcに基づき電気角速度ω1scを補正する電気角速度補正部(第1電気角速度補正部及び第2電気角速度補正部)が構成され、加算器601からの電気角速度ω1cを受けるモータ制御器5は、電気角速度ω1cに基づき電動モータ1のステータ1aに出力する指令信号を演算する演算部(指令信号演算部)としての機能を備える。
詳細には、補正出力制御器602は、電気角速度ω1scが閾値ω1sc_thを下回るとき、補正量Δω1cの加算器601への出力を停止して、軸誤差Δθdcの演算結果に基づく電気角速度ω1scの補正をキャンセルし、軸誤差Δθdcの演算結果に基づく補正が施されていない電気角速度ω1cに基づきモータ制御器5によるベクトル制御を行わせる。
つまり、電気角速度ω1scの閾値ω1sc_thは、軸誤差Δθdcに基づく電気角速度ω1scの補正を実施する下限の角速度である。
そして、補正出力制御器602は、電気角速度ω1scが閾値ω1sc_thを下回るときに、軸誤差Δθdcの演算精度の低下により電気角速度ω1scを正しく補正することができないと判断して、軸誤差Δθdcに基づく電気角速度ω1scの補正を停止させる。
なお、電気角速度補正演算器603は、補正出力制御器602が軸誤差Δθdcに基づく電気角速度ω1scの補正を停止させている補正停止状態において補正量Δω1cの訂正動作を停止し、補正出力制御器602が軸誤差Δθdcに基づく電気角速度ω1scの補正を再開させるときに、初期値(=0)に設定された補正量Δω1cの軸誤差Δθdcに基づく訂正動作を開始することができる。
角速度信号切替器607は、第1回転位置センサ208が正常であれば、第1回転位置センサ208の検出出力に基づく電気角速度ω1sc1を加算器601及び補正出力制御器602に出力する。
つまり、角速度信号切替器607は、冗長化した回転位置センサ208,209のいずれか1つが故障した場合でも、正常に機能している残りの回転位置センサに切り替えて、電動モータ1を継続的に駆動させる。
また、回転子位置の検出に用いられるセンサが第1回転位置センサ208から第2回転位置センサ209に切り替えられても、第2回転位置センサ209の出力に基づく制御状態で発生する軸誤差Δθdcに応じて電気角速度ω1sc2が補正されるため、第1回転位置センサ208の出力に基づく制御状態と同等の高い精度でベクトル制御(トルク制御)を行わせることができる。
なお、センサ状態判断器608は、回転位置センサ208,209の異常診断方法として公知の種々の方法を採用でき、例えば、第1回転位置センサ208の検出出力信号と第2回転位置センサ209の検出出力信号とを比較して、異常の有無を診断できる。
図5は、軸誤差Δθdcを説明するための図である。
図5に示したように、軸誤差Δθdcは、電動モータ1のd−q軸(実軸)から観測したdc−qc軸(制御軸)とのずれ(誤差角)であり、軸誤差演算器605は、数1にしたがって軸誤差Δθdcを演算する。
なお、数1は、非突極型の永久磁石同期電動機を想定した式であるが、突極型の場合にも、同様の演算式で軸誤差Δθdcを演算できることが知られている。
実軸(d−q軸)上における電動モータ1の出力トルクτmは、以下の数2で表すことができる。
電気角速度補正演算器603は、フィードバックによって軸誤差Δθdcを指令値(=0)と比較し、軸誤差Δθdcをゼロに近づけるように、電気角速度ω1cを補正するための補正量Δω1cを訂正するフィードバック制御を行う。
ただし、補正量Δω1cの制御動作をPI制御に限定するものではなく、比例動作(P動作)だけのP制御、或いは、比例動作(P動作)と微分動作(D動作)とを組み合わせたPD制御、比例動作(P動作)、積分動作(I動作)、微分動作(D動作)を組み合わせたPID制御を適用できる。
例えば、磁極位置を推定するために高調波を注入し、磁極位置を推定してから軸誤差Δθdcを求める構成とすることができる。
例えば、第1回転位置センサ208が正常であると判断され、かつ、閾値ω1sc_th以上の電気角速度ω1cでモータ1が駆動されていると仮定する。
そこで、電気角速度調整器6は、第1回転位置センサ208の検出出力から算出した電気角速度ω1sc1に補正量Δω1c(Δω1c<0)を加えて電気角速度ω1cを減少補正し、軸誤差Δθdcを減少させる(ゼロに近づける)。
この場合、電気角速度調整器6は、第1回転位置センサ208の検出出力から算出した電気角速度ω1sc1に補正量Δω1c(Δω1c>0)を加えて電気角速度ω1cを増大補正し、軸誤差Δθdcを減少させる(ゼロに近づける)。
これにより、実軸(d−q軸)と制御軸(dc−qc軸)とが略一致したベクトル制御を実現でき、電動モータ1の出力トルクτmをトルク指令値τ*に高精度に制御できる。
したがって、第1回転位置センサ208が故障し、第2回転位置センサ209に切り替えられたときに、運転者が、パワーステアリング装置の操舵力が変化することによる切り替えショックを感じることを抑止できる。
更に、第1回転位置センサ208及び第2回転位置センサ209は、1つのセンサチップパッケージ207A内に一体的に設けられるから、個別のセンサチップパッケージに収容された2つのセンサを備える場合よりも、センサ間の出力特性の差を小さくできる。
一方、補正出力制御器602は、電気角速度ω1cが閾値ω1sc_thよりも低く軸誤差Δθdcの演算精度が低下するときに、軸誤差Δθdcに基づく電気角速度ω1scの補正を停止するから、誤差を有する軸誤差Δθdcに基づき誤って電気角速度ω1scが補正されて、電動モータ1の出力トルクτmの制御精度を低下させてしまうことを抑止できる。
図4に示した第1実施形態において、電気角速度調整器6の補正出力制御器602は、電気角速度ω1scが1つの閾値ω1sc_thよりも高いか低いかによって補正量Δω1cによる補正を行わせるか否かを切り替える。
この場合、閾値ω1sc_th付近の電気角速度ω1scで電動モータ1が駆動されると、軸誤差Δθdcに基づく電気角速度ω1scの補正状態(補正量Δω1cの出力状態)と、軸誤差Δθdcに基づく電気角速度ω1scの補正停止状態(補正量Δω1cの出力停止状態)とが頻繁に切り替わり、ベクトル制御が不安定になり易い。
そして、補正出力制御器602が、補正/補正停止の切り替え判断に2つの異なる閾値を用いることで、切り替え動作にヒステリシスを有するようにした点が第1実施形態と異なる。
図6に示したように、補正出力制御器602Aは、補正状態と補正停止状態との切り替え判断に用いる電気角速度ω1scの閾値として、第1閾値ω1sc_upと、第1閾値ω1sc_upよりも低い第2閾値ω1sc_down(ω1sc_down<ω1sc_up)とを備える。
補正出力制御器602Aは、軸誤差Δθdcに基づく電気角速度ω1scの補正を停止している状態で、電気角速度ω1scが第1閾値ω1sc_up(第1所定速度)を超えるようになると、軸誤差Δθdcに基づく補正条件の成立を判断して、軸誤差Δθdcに基づき補正量Δω1cを演算して電気角速度ω1scを補正する状態に切り替える。
補正出力制御器602Aは、上記のようにヒステリシス特性を有するから、例えば、軸誤差Δθdcに基づく補正を停止している状態で電気角速度ω1scが第1閾値ω1sc_upを超え、軸誤差Δθdcに基づく補正を実施する状態に切り替わった後、第1閾値ω1sc_up付近の電気角速度ω1scで電動モータ1が駆動されても、軸誤差Δθdcに基づく補正状態に保持されることになる。
したがって、第2実施形態の補正出力制御器602Aを備える電気角速度調整器6では、補正状態と補正停止状態とが頻繁に切り替わることが抑止され、ベクトル制御が安定化する。
なお、本願における補正量Δω1cの漸減とは、補正量Δω1cをゼロに向けて徐々に変化させることであり、換言すれば、補正量Δω1cの絶対値を徐々に小さくすることである。
この場合、補正出力制御器602Aは、電気角速度ω1scが第2閾値ω1sc_downを下回るようになって軸誤差Δθdcに基づく電気角速度ω1scの補正を停止する条件の成立(補正条件の不成立)を判断すると、補正量Δω1cを電気角速度補正演算器603による演算値からゼロにまで漸減させる処理を開始し、補正量Δω1cで補正された電気角速度ω1cが徐々に補正なしのレベルにまで変化するようにする。
ここで、電気角速度ω1scが第1閾値ω1sc_upを超えるようになって、補正出力制御器602Aが補正量Δω1cの出力を再開させるときに、電気角速度補正演算器603が、補正量Δω1cを軸誤差Δθdcに基づき初期値(=0)から訂正する場合は、補正が開始されるときに補正量Δω1cが初期値(=0)から漸増することになる。
一方、電気角速度補正演算器603が、軸誤差Δθdcに基づく電気角速度ω1scの補正が停止されている状態で、補正停止前の補正量Δω1cを保存し、補正が再開されるときにそれまで保持していた値を初期値として補正量Δω1cの訂正動作を再開する場合、補正出力制御器602Aは、加算器601に出力する補正量Δω1cをゼロから電気角速度補正演算器603の演算値にまで漸増させる処理を実施することができる。
この場合、電気角速度ω1scが第1閾値ω1sc_upを超えるようになって、補正出力制御器602Aが、軸誤差Δθdcに基づく電気角速度ω1scの補正を開始する条件を判断すると、加算器601に出力する補正量Δω1cはゼロから漸増し、軸誤差Δθdcに対応するレベルに収束することになる。
図10は、第3実施形態における電気角速度調整器6Aの構成を示すブロック図である。
第1実施形態の回転位置センサ207は、第1回転位置センサ208と第2回転位置センサ209とを有してなる所謂デュアルセンサであるが、図10に示した第3実施形態の回転位置センサ207Bは、例えばレゾルバやエンコーダなどのシングルセンサで構成される。
このような構成において、回転位置センサ207Bの検出出力が製品ばらつきや温度特性によってばらついても、ベクトル制御に用いる電気角速度ω1cのデータが、電気角速度補正演算器603が軸誤差Δθdcに応じて演算した補正量Δω1cで補正されるため、回転位置センサ207Bの検出結果をそのまま用いるよりも、精度の高いベクトル制御(トルク制御)を実現できる。
例えば、上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
更に、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、電気角速度ω1cが低い領域でも軸誤差Δθdcを十分な精度で演算できる場合は、補正出力制御器602、602Aを設けずに、補正/補正停止の切り替え処理を省略することができる。
また、制御装置10は、電気角速度調整器6として、第1回転位置センサ208の出力を用いる第1調整器と、第2回転位置センサ209の出力を用いる第2調整器とを有し、第1回転位置センサ208及び第2回転位置センサ209の故障診断の結果に基づき、2つの調整器のうちの一方の出力を選択し、モータ制御器5(ベクトル制御器20及び位相演算器24)に入力させることができる。
Claims (8)
- 操舵輪を転舵する操舵機構に操舵力を付与する電動モータを有するパワーステアリング装置の制御装置において、
第1実軸位相信号受信部であって、前記電動モータのロータの回転位置を検出する第1回転位置センサの出力信号である第1実軸位相の信号を受信する前記第1実軸位相信号受信部と、
モータ電流値信号受信部であって、前記電動モータに流れる電流値の信号を受信する前記モータ電流値信号受信部と、
制御位相推定部であって、前記電流値の信号に基づき前記電動モータに発生する誘起電圧の位相である制御位相を推定する前記制御位相推定部と、
第1軸誤差演算部であって、前記第1実軸位相と前記制御位相の差である第1軸誤差を演算する前記第1軸誤差演算部と、
第1電気角速度補正部であって、前記第1軸誤差に基づき、前記第1実軸位相の角速度の信号である第1電気角速度を補正する前記第1電気角速度補正部と、
指令信号演算部であって、前記第1電気角速度に基づき、前記電動モータのステータに出力する指令信号を演算する前記指令信号演算部と、
を有することを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置の制御装置は、第2実軸位相信号受信部と、第2軸誤差演算部と、第2電気角速度補正部と、回転位置センサ状態判断部と、電気角速度切替制御部を備え、
前記第2実軸位相信号受信部は、前記電動モータの回転位置を検出する第2回転位置センサの出力信号である第2実軸位相の信号を受信するものであり、
前記第2軸誤差演算部は、前記第2実軸位相と前記制御位相の差である第2軸誤差を演算するものであり、
前記第2電気角速度補正部は、前記第2軸誤差に基づき、前記第2実軸位相の角速度の信号である第2電気角速度を補正するものであり、
前記指令信号演算部は、前記第2電気角速度に基づき、前記電動モータの前記ステータに出力する指令信号を演算するものであり、
前記回転位置センサ状態判断部は、前記第1回転位置センサと前記第2回転位置センサにおける異常の有無を判断するものであり、
前記電気角速度切替制御部は、前記指令信号演算部が、前記第1電気角速度に基づき前記指令信号を演算している状態であって、前記回転位置センサ状態判断部が前記第1回転位置センサに異常有りと判断するとき、前記指令信号演算部が、前記第2電気角速度に基づき前記指令信号を演算するように切り替えることを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。 - 請求項2に記載のパワーステアリング装置の制御装置において、
前記第1電気角速度補正部は、フィードバック制御であるPI制御により前記第1電気角速度を補正し、
前記第2電気角速度補正部は、フィードバック制御であるPI制御により前記第2電気角速度を補正することを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。 - 請求項2に記載のパワーステアリング装置の制御装置において、
前記第1回転位置センサは、第1磁気検出素子を有し、
前記第1磁気検出素子は、前記電動モータの前記ロータに設けられたマグネットの磁界を検出するものであって、センサチップパッケージ内に設けられており、
前記第2回転位置センサは、第2磁気検出素子を有し、
前記第2磁気検出素子は、前記電動モータの前記ロータに設けられた前記マグネットの磁界を検出するものであって、前記第1磁気検出素子を収容する前記センサチップパッケージと同じ前記センサチップパッケージ内に収容されることを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置の制御装置において、
前記指令信号演算部は、前記第1電気角速度が第1所定速度以上のとき、前記第1電気角速度補正部によって補正された前記第1電気角速度に基づき、前記ステータに出力する指令信号を演算することを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。 - 請求項5に記載のパワーステアリング装置の制御装置において、
前記指令信号演算部は、前記第1電気角速度が前記第1所定速度未満のとき、前記第1電気角速度補正部によって補正されていない前記第1電気角速度に基づき、前記ステータに出力される指令信号を演算することを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。 - 請求項5に記載のパワーステアリング装置の制御装置において、
前記第1電気角速度補正部は、前記第1電気角速度が前記第1所定速度以上であって、前記第1軸誤差に基づき前記第1電気角速度を補正している状態から、前記第1電気角速度が前記第1所定速度よりも低下するとき、前記第1電気角速度が前記第1所定速度よりも低い第2所定速度に到るまで前記第1電気角速度の補正を継続し、前記第1電気角速度が前記第2所定速度以下となったとき、前記第1電気角速度の補正を終了することを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置の制御装置において、
前記第1電気角速度補正部は、前記第1軸誤差に基づく前記第1電気角速度の補正を終了するとき、補正量を漸減後、前記第1電気角速度の補正を終了することを特徴とするパワーステアリング装置の制御装置。
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