JP4536613B2 - バックシートを備えた使い捨ておむつ及び前記バックシートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、パンティライナー、尿取りパッドなどの吸収性物品に関する。更に詳しくは、延伸率が互いに異なる領域を持つバックシートを用いた吸収性物品とそのバックシートの製造方法に関する。
近年、***物を吸収させるため、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、パンティライナー、尿取りパッドなどの吸収性物品が数多く使用されている。これらの装着中に***等が行なわれると、***物を吸収した吸収性物品は廃棄され、新しいものと交換される。
ところで、通常吸収性物品に使用されているバックシートには不透液性の樹脂シートが用いられている。これらのバックシートは通気性や透湿性を高めるために樹脂フィルムが延伸されて形成されており、その結果バックシートが不透明になっている。よって、例えばおむつの場合では装着者が***したか否かを確かめるには、介護者がおむつを装着者から脱がし、おむつの内側を確認しなければならなかった。これは介護者にとって大変煩わしい作業である。
そこで特許文献1には、一軸延伸した通気性フィルムにおいて、光線透過率を高めるために、フィルムの透湿度が1000g/m/24hr未満にならないようにエンボス加工を行なって得られた通気性フィルムが開示されている。しかし、このフィルムでは透湿度を下げないようにしているため、フィルムの光透過性をさほど高くすることができない。
また、特許文献2には、展開型の使い捨ておむつの裏面シートが開示されている。この裏面シートには、少なくとも長さ方向の略中央部に透視部が形成されている。この裏面シートは前記同様に透湿性を高めるために微孔質シートで形成されている。透視部では、微孔質シートの微細孔をエンボスによって潰し、光の散乱をなくすことによって透明部を形成している。樹脂フィルムを延伸することにより形成されている微孔質シートに、さらにエンボス処理を施すと、その部分の強度が低下してピンホールなどが開きやすくなる。またエンボス加工の代わりに、ワックスやワニス又はホットメルト剤などの塗布によっても透明部を形成させることができるとの記載もある。しかし、フィルム表面に滲み出しやべた付きなどが発生したり、また塗布した後に乾燥工程が必要となるので材料費や加工費が高くなる。
このように使い捨ておむつにおいては、通気性や透湿度や強度を下げることなく、***が行われたか否かを外側から確認できるように光透過性を高めたバックシートが要求されている。
次に生理用ナプキンについて述べる。生理用ナプキンにおいては長手方向の両側部に幅方向へ延びるウィングが設けられることがある。装着時には、このウィングが下着のクロッチ部の下側へ折り返され、***物で下着の縁部81が汚れないようにすることができる。さらに、ウィングに設けられた下着に取付けるための接着手段により装着中のナプキンの位置ずれを防止できる。このウィングは、ナプキンの本体を構成する部材、例えばバックシートとトップシートとが接合されたものをナプキンの本体の両側部から幅方向へ突出させて形成される。
しかし、生理用ナプキンのバックシートにおいても前記おむつと同様に、通気性を高めるためにフィルムを延伸してバックシートが形成されており、光透過度が極端に低下している。このためウィングが設けられたナプキンを装着した下着を外側から見たときに、ウィング部の存在が明らかとなり、すなわちナプキンを装着していることが明らかになってしまう。ウィングのみをバックシートとは異なる素材、すなわち光透過度の高いシートで構成し、ナプキンを装着していることを外観からわからないようにすることは可能であるが、製造工程が複雑になり、またコストも高くなってしまう。
このように吸収性物品においては、部分的に光透過度を高くすることが望まれている。ただし、光透過度を高くすることが望まれる箇所は、吸収性物品の種類によって異なる。
特開平5−168660号 特開平10−85257号
本発明の目的は、上記課題を解決するためのものであり、光透過性が高い部分を持ち、且つ通気性や透湿性を備えた部分を有するバックシートを用いた吸収性物品を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記バックシートの製造方法を提供することにある。
本発明は、液透過性トップシートとバックシートと前記両シートの間に挟まれた吸収コアとを含み、前記トップシートとバックシートおよび吸収コアは、長手方向の中央部に位置する中間部分と、前記中間部分よりも長手方向の両側に、前記中間部分より幅寸法が大きい幅方向へ張り出た部分と、を有する砂時計形状である使い捨ておむつにおいて、
前記バックシートは、樹脂基材に無機充填材が含有された樹脂フィルムから形成されており、前記バックシートが、
(a)延伸された透湿領域と、
(b)前記透湿領域よりも延伸率が低い光線透過率の高い領域と、を有しており
前記吸収コアが設けられた領域の幅方向の中心線を含み且つ長手方向の全長にわたって一定の幅を有する中央領域の全域に、前記(b)の光線透過率の高い領域が連続して形成され、前記中央領域を挟む幅方向の両側の領域であって幅方向に張り出た前記部分および前記中間部分を含む全域に、前記(a)の透湿領域が連続して形成されていることを特徴とするものである。
本発明の使い捨ておむつでは、一枚のバックシートにおいて光透過度が高い領域と、通気性及び透湿度が高い領域が形成されている。結果、使い捨ておむつ全体として通気性及び透湿性を持たせたまま、光透過性が高い領域が部分的に設けられ、***がされたか否かを装着した状態のまま外側から確認できるようにすることができる。さらに、このバックシートの強度は低下しにくい。
前記樹脂基材が、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。また、前記樹脂基材と前記無機充填材との混合比が、20〜70質量%:80〜30質量%であることが好ましい。
前記(a)の透湿領域では、透湿度が1000g/m・24h以上であることが好ましい。
また、前記(a)の透湿領域では、JIS−K−7105による全光線透過率が50%以下であることが好ましい。
さらに、前記(b)の光線透過率の高い領域では、JIS−K−7105による全光線透過率が60%以上であることが好ましい。
なお、前記(a)の透湿領域でのバックシートの厚みをT1とし、前記(b)の光線透過率の高い領域でのバックシートの厚みをT2としたとき、T1及びT2が次の式を満たすことが好ましい。
20≦{(T2−T1)÷T1}×100≦30
本発明の吸収性物品では、一枚のバックシートにおいて光透過度が高い部分(領域(b))と、通気性及び透湿度が高い部分(領域(a))が形成されている。おむつにおいては、中央に領域(b)を設け、***がされたか否かを装着した状態のまま外側からわかるようにできる。結果、吸収性物品全体として通気性及び透湿性を持たせたまま、光透過性が高い領域を部分的に設けられる。さらに、このバックシートの強度は低下しにくい。
また、本発明では、部分的に光線透過度を変えたバックシートを安価に且つ簡単に製造することができる。
図1は本発明の吸収性物品であるおむつを裏側から見た平面図、図2は図1に示したおむつのII―II線の断面図である。なお、おむつの長手方向をY方向とし、Y方向とほぼ直交する幅方向をX方向とする。
図1に示す使い捨ておむつ1Aはいわゆるオープン型のおむつであり、図2に示すように装着者側へ対面する液透過性のトップシート4、液不透過性のバックシート3及びトップシートとバックシート3との間に挟まれる吸収コア2から形成されている。前記トップシート4、バックシート3、吸収コア2はそれぞれ砂時計形状をとっている。トップシート4とバックシート3とは、吸収コア2のX方向の外側、およびY方向の外側で例えばホットメルト型接着剤によって互いに接着接合されている。
例えばトップシート4は、親水処理された疎水性繊維、あるいは親水性繊維などで形成された不織布であり、例えばポイントボンド、エアースルー、スパンボンド、スパンレース不織布などである。その目付けは10〜40g/mである。さらに前記不織布に嵩高な不織布からなるクッション層を重ねてトップシート4を形成しても良い。また吸収コア2は吸収性素材、例えば粉砕パルプあるいは粉砕パルプと高吸水性ポリマーの混合物などにより形成され、粉砕パルプあるいは粉砕パルプと高吸水性ポリマーとの混合物がティッシュなどの吸収性シートで包まれたものである。
また、図においては省略されているが、おむつ1Aには脚回りにおいておむつを密着させるためのレッグカフや、図2において示すような横漏れ防止用の防漏カフ8が設けられていても良い。
液不透過性のバックシート3は、樹脂フィルムを部分的に延伸率を変えて延伸して得られる樹脂シートで構成されている。なお、装着者の不快感を減らすため、バックシート3(樹脂シート)のさらに外側(図2においてバックシート3の下側)に不織布層を設けても良い。この場合、次に述べるバックシート3(樹脂シート)の領域(a)及び領域(b)の機能を阻害しないように、透湿性及び光線透過率の高い不織布が使用される。
このバックシート3では、おむつ1AのX方向の中心線30を含む中央領域31と、それに隣接する両側領域32、32とにおいて性質が異なっている。すなわち、両側領域32、32が透湿性が比較的高い透湿領域(a)となっている一方、中央領域31が前記透湿領域(a)よりも光線透過率の高い領域(b)(図1においてハッチングを付している部分)となっている。
おむつ1Aの装着者が***を行なった場合、***物はおむつ1Aの吸収コア2のX方向の中央領域31において主に吸収される。ここで、中央領域31において光線透過率が高くなっているため、***物が吸収コア2に吸収されると、バックシート3を介しておむつ1Aの外側から***物の色を識別でき、装着者が***をしたか否かを容易に確認できる。
この光線透過率が高い領域(b)では、バックシート3を構成する樹脂シートはフィルムが延伸されないで、または低い延伸率で延伸されることにより形成されている。したがって、樹脂シートを構成する分子の配向が乱れることがなく、また通常の樹脂シートが延伸されるときに形成される微細孔も存在しない、もしくは存在しても少量となっている。結果、領域(b)では光線透過率が維持され、またはさほど低下することなく、吸収コア2に吸収された***物の色を確認できる程度に光線透過率が高くなっている。領域(b)では、JIS−K−7105による全光線透過率が60%以上であることが好ましい。樹脂シートの外側に不織布層を積層する場合においても、この基準を満たすことが好ましい。なお、領域(b)には微細孔が殆ど存在しないので、透湿度が低くなっている。
一方、両側領域32、32においては、樹脂シートは、フィルムが領域(b)の延伸率より高い延伸率で延伸されることにより形成されており、光線透過率が領域(b)より低くなる代わりに、微細孔の存在により透湿度が高くなっている。よって、前記のように透湿度が低い領域(b)が中央領域31に存在していても、おむつ1A内で装着者に蒸れやかぶれが発生しにくい。この効果を得るため、透湿領域(a)では、透湿度が1000g/m・24h以上であることが好ましい。樹脂シートの外側に不織布層を積層する場合においても、この基準を満たすことが好ましい。
透湿度は、以下の方法によって測定する(JIS Z−0208参考)。
(1)半径が0.03mのカップに20mlの水を入れる。
(2)カップをカップより一回り大きなカップ状の台に入れ、透湿度を測定するフィルムでカップ状の台の口を覆う。そして、加熱した封蝋剤(みつろう(黄色)とパラフィン(白色)を6:4で混合したもの)を用いてフィルムの縁とカップ状の台の縁とを密封する。得られたものをサンプルとする。
(8)サンプルを、恒温恒湿装置内(20℃、60%RH)に24時間放置し、その後サンプルの重量を測定する(このときの重量をAとする)。
(9)サンプルを、恒温恒湿装置内(40℃、60%RH)に24時間放置し、その後、恒温恒湿装置内(20℃、60%RH)に30分間放置し、サンプルの重量を測定する(このときの重量をBとする)。
以上から得られた値A,Bを次の式に当てはめて透湿度を計算する。
透湿度(g/m・24hrs)=(B−A)÷(π×0.03×0.03)
なお、本発明の吸収性物品が図1に示すようなおむつ1Aである場合、領域(b)(中央領域31)のX方向の幅寸法はフィルム全体の幅寸法の30〜70%程度となることが好ましい。この程度の範囲にわたって領域(b)が形成されていると、***がされたか否かを確実に認識できる。また、おむつ1A内で蒸れが発生しにくいものとなる。
前記樹脂シートを構成する樹脂基材は、どのようなものも使用できるが、コストの面や安全性の面から、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。また、物性の点から無機充填材を含有したポリオレフィン系樹脂を用いることがさらに好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリプロピレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などをあげることができる。この中の少なくとも一種以上を使用できる。この中でも、LDPEが好ましく、更に好ましくはLLDPEである。
無機充填材としては、例えば硫酸バリウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカ、タルクなどをあげることができる。この中でも、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムが好ましい。なお、樹脂にはその他、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤、滑剤等添加することもできる。
無機充填材の割合としては、前記樹脂基材と前記無機充填材との混合比が、20〜70質量%:80〜30質量%となることが好ましい。無機充填材が前記下限より多いと、延伸される前の状態において既に樹脂フィルムが白濁してしまい、光線透過率の高い領域(b)が形成できなくなる。一方、無機充填材が前記上限より小さいと、樹脂フィルムを延伸したときにピンホールが形成されてしまう。更に好ましくは、前記無機充填材の割合が60〜30質量%である。
上記ポリオレフィン系樹脂、無機充填材及びその他の添加物をヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型混合機等を用いて混合した後、通常の一軸あるいは二軸スクリュー型押出機によって混練しペレット化する。次いで、これらのペレットを必要に応じ他のペレット状ポリオレフィン系樹脂を加えた後、ベースレジンの融点以上、好ましくは融点+20℃以上分解温度以下でインフレーション成形後、またはT型ダイ成形機を用いて溶融成膜し樹脂フィルムを得る。このとき、ペレット化せず直接押出機で成膜してもよい。この樹脂フィルムの厚みは10〜90μmが好ましい。前記下限より小さいと、後の延伸処理においてフィルムが破れやすくなり、前記上限より大きい場合には特に問題はないが、生産性が少々低下する。
成膜された樹脂フィルムはロール法、テンダー法等の公知の方法で少なくとも一軸方向に延伸を行ない、透湿度の高い透湿領域(a)と光線透過率の高い領域(b)とを持つ樹脂シートを得る。延伸は、好ましくはX方向(CD方向)へ1.1〜2.5倍の一軸延伸である。
領域(a)(b)をもつ樹脂シートを得るには、例えば、図3(A)に示すように均一な厚みをもったフィルム50aを部分的に延伸し、図3(B)に示すような樹脂シート60bを形成する。樹脂シート60bには、延伸されて厚みが薄くなった透湿度の高い透湿領域(a)と、延伸される前の樹脂シート50aの厚みとさほど変らない厚みをもつ光線透過率の高い領域(b)が形成されている。なお延伸前のフィルム50aは、目付20〜40g/mであることが好ましい。
または、フィルム成膜時に凹凸状のダイスにより成膜して、図3(C)に示すように、厚肉部51cと薄肉部52cが設けられたフィルム50cを得る。そのフィルム50cを全体的にほぼ均一に延伸し、図3(B)に示すような樹脂シート60bを形成することもできる。厚肉部51cは延伸されてもさほど厚みが変らず、光線透過率も低下しない。また、薄肉部52cは延伸されて透湿度の高い透湿領域(a)となる。なお延伸前のフィルム50cは、全体として目付40〜50g/mであることが好ましい。
さらにまた、図3(D)に示すように、均一な厚みをもつフィルム54dの一部分に他のフィルム(樹脂)53dを重ね、その後前記図3(C)に示したものと同様に延伸して、図3(E)に示す樹脂シート60eを得る。このとき、他のフィルム53dが積層された部分が、樹脂シート60eにおける光線透過率の高い領域(b)となる。他のフィルム53dは光線透過率の高い透明なフィルムを使用することが好ましい。
なお、領域(a)及び領域(b)において互いに異なる機能を発現させるため、(a)の透湿領域での樹脂シートの厚みをT1とし、前記(b)の光線透過率の高い領域での樹脂シートの厚みをT2としたとき、T1及びT2が次の式
20≦{(T2−T1)÷T1}×100≦30
を満たすように延伸することが好ましい。
上記述べた延伸は多段階に分けて行なってもよいし、またX方向及びY方向など二軸以上の方向に延伸してもよい。二軸延伸の場合は同時二軸延伸が好ましい。二軸延伸を行なうと、樹脂シートの強度が高くなる。
その他、樹脂フィルムの延伸率を部分的に異ならせて領域(a)及び領域(b)を形成する手段として、上記のように延伸させる方法の他、次に説明するようなエンボス加工をあげることができる。
図4(A)では、連続的に供給される上記と同様なフィルム58がエンボスロール70a、70bとで挟まれて加圧延伸され、領域(a)及び領域(b)をもつ樹脂シート68が形成されている。エンボスロール70a、70bの両側領域の表面には、図4(B)に示すような凹凸が形成されている。この凹凸にフィルム58が挟まれて加圧されることによって、フィルム58が延伸され、領域(a)が形成される。
ただし、加熱下でエンボス処理を施したときに、フィルムにピンホールが開いてしまうことがある。また加熱下でエンボスさせるとフィルムが収縮するため、フィルムの寸法が狂いやすいという問題もある。よって、エンボス処理により延伸を行なうときには、それらの点を考慮して延伸率が高くなりすぎないように注意が必要である。
このように、本発明における透湿度の高い領域(a)及び光線透過度の高い領域(b)を持ったバックシートは、一つの素材から(一枚のフィルムから)簡単、且つ安価に製造することができる。また、従来のように部分的に異なる素材を組合せてバックシートを形成する場合と異なり、吸収性物品の組立ライン上にフィルムの延伸工程を載せて、バックシートの形成から吸収性物品の完成まで一連の作業で行なうことができる。
図5は、参考例としておむつを裏側から見た平面図、図6は、参考例としておむつを裏側から見た平面図である。
図5に示すおむつ1Bでは、おむつのX方向の中央領域31に、Y方向に連続して延びる複数の光線透過率の高い領域(b)が互いにX方向へ所定間隔をあけて設けられている。中央領域31において、Y方向へ延びる領域(b)と領域(b)との間は領域(a)となっている。よって、おむつ1Bでは、図1に示すおむつ1Aと同様に***が行なわれたか否かを確実に認識できるだけではなく、おむつ1Aより、全体として透湿度が高いものとなっている。なお、このようにストライプ状に領域(a)を設ける場合、バックシート3の全面に領域(a)と領域(b)とを交互に設けても良い。
また、図6に示すおむつ1Cでは、長手寸法の全長にわたって領域(b)が設けられている前記おむつ1A,1Bと異なり、おむつのY方向の中心線35を含む長手方向の中央領域36においておむつのX方向の幅寸法全域にわたって光線透過率の高い領域(b)が設けられている。このような樹脂シートは、MD方向へ供給されるフィルムを、MD方向へ所定間隔あけて延伸することにより得ることができる。または、図3〜図4に示した方法で得ることができるCD方向の中央領域が光線透過率の高い領域(b)となっている樹脂シートを、MD方向とX方向が同じ方向となるように、吸収コアやトップシートに積層しておむつ1Cを得てもよい。
以上、吸収性物品がおむつである場合においては、***物をしたか否かを外側から確実にわかるようにするため、吸収コア2が設けられた領域の幅方向の略中央領域で、前記吸収コアの幅方向の中心を含み且つ前記幅寸法の1/4の領域内に、および/または前記吸収コアが設けられた領域の長手方向の略中央領域で、前記吸収コアの長手方向の中心を含み且つ前記長手寸法の1/4の領域内に、前記(b)の光線透過率の高い領域が設けられていることが好ましい。
図7は、本発明の参考例である生理用ナプキンを裏側から見た平面図、図8は図7に示した生理用ナプキンのVIII−VIII線の断面図、図9は図7に示した生理用ナプキンを下着に装着した状態を示す部分平面図である。なお、前記同様、吸収性物品である生理用ナプキンの長手方向をY方向とし、Y方向とほぼ直交する幅方向をX方向とする。
図7に示す生理用ナプキン1Eは、Y方向に延びる中心線Lyを境にほぼ左右対称となっている。生理用ナプキン1Eは、図8に示す断面図からもわかるように、受液側に向けられる透液性のトップシート4と、外側に向けられる不透液性のバックシート3と、前記トップシート4と前記バックシート3との間に挟まれる吸収コア2とから形成されている。各部材は前記おむつと同様である。そして、生理用ナプキンのY方向の中央線35付近において、トップシート4とバックシート3とが、それぞれX方向へ延出し、ウィング10、10が形成されている。
図7に示すように、生理用ナプキン1Eの本体の裏側には接着部12が、ウィング10の裏側には接着部13が設けられている。装着時には、図9に示すように、生理用ナプキン1Eが下着80の内側のクロッチ部82に設置される。このとき、本体の裏側に設けられた接着部12が下着80のクロッチ部82の内面に掛止される。そして、本体のX方向の外方へ延出するウィング10が下着80の縁部81に沿って折り曲げられて、ウィング10は接着部13によって下着80に掛止される。このようにウィング10を設けることにより、下着の縁部が汚れたり、生理用ナプキン1Eが位置ずれを生じることを防止できる。
この生理用ナプキン1Eのバックシート3では、両側領域32が光線透過度が高い領域(b)、中央領域31が透湿度が高い領域(a)となっている。したがって、図9に示すように生理用ナプキン1Eを下着80に装着したとき、ウィング10が目立ちにくく、ウィング10を通して下着80の色を透かし見ることができる。よって、生理用ナプキン1Eを装着していることが外観からわかりにくいものとなる。なお、このとき用いられるトップシート4は、光線透過率が高いものであることが必要である。
前記おむつ1Aと同様に、領域(b)では、JIS−K−7105による全光線透過率が60%以上であることが好ましい。また、前記おむつ1Aと同様に、生理用ナプキン1Eの装着中の下着内の蒸れを防止するため、透湿領域(a)においては、透湿度が1000g/m・24h以上であることが好ましい。
さらに、領域(a)においては、吸収した経血などが生理用ナプキンの本体の裏側へ透けて見えないように、JIS−K−7105による全光線透過率が50%以下であることが好ましい。よって、少なくとも吸収コア2が設けられた領域の幅方向の略中央領域で、吸収コア2の前記幅寸法の1/2以上にわたって、および/または吸収コア2が設けられた領域の長手方向の略中央領域で、前記吸収コア2の前記長手寸法の1/2以上にわたって、前記(a)の透湿領域、すなわち光線透過率が低い領域が位置していることが好ましい。
領域(a)においては、生理用ナプキン1Eを使用後に下着80から取り外す際に粘着部12の粘着力によってバックシート3が破れてしまうことを防止するため、バックシート3の引裂強度は20g以上であることが好ましい。一方、領域(b)においてはウィング10が本体からちぎれてしまうことを防止するため、バックシート3の引裂強度は200g以上であることが好ましい。
ウィング10は下着80のクロッチ部82に装着し易いように、ある程度剛性を持つことが好ましい。よって、バックシート3において領域(b)における剛性値(JIS L1096のカンチレバー法で測定した値)は30mm以上であることが好ましい。
なお、領域(a)及び領域(b)とはそれぞれ厚みが異なるので、それぞれの領域の境界では折り曲げ易くなっている。したがって、下着80の縁部81に沿って折り曲げ易いので、装着し易いものとなる。
なお、領域(b)は、両側領域32の全体に設けられる必要はなく、ウィング10を構成する部分のみに設けても良い。
生理用ナプキン1Eのバックシート3は、前記おむつに用いられたバックシート3と同様にして得ることができる。例えば、図4(A)に示すエンボスロール70a、70bにおいて、エンボスロール7の中央部に図4(B)に示す凹凸が形成されているものを用いて、供給されるフィルムの幅方向(CD方向)の中央領域のみエンボス処理を施せば良い。
本発明の吸収性物品のバックシートでは目的とする部分に必要量、光透過度が高い領域を設けることができる。このバックシートは前記述べたオープン型のおむつ限られず、予めパンツ型に成形されたおむつや尿取りパッドやライナーシートなど、他の吸収性物品にも適用可能である。
本発明の吸収性物品であるおむつを裏側から見た平面図 図1に示したおむつのII―II線の断面図 (A)(B)(D)は延伸処理前のフィルムの部分断面図、(C)(E)は延伸後の樹脂シートの部分断面図 (A)はフィルムにエンボス加工を施す状態を説明する斜視図、(B)はエンボスロールの部分断面図 参考例のおむつを裏側から見た平面図 参考例のおむつを裏側から見た平面図 本発明の参考例である生理用ナプキンを裏側から見た平面図 図7に示した生理用ナプキンのVIII−VIII線の断面図 図7に示した生理用ナプキンを下着に装着した状態を示す部分平面図
符号の説明
1A、1B、1C おむつ
1E 生理用ナプキン
2 吸収コア
3 バックシート
4 トップシート
10 ウィング
12 接着部
13 接着部
30 幅方向の中心線
31 幅方向の中央領域
32 幅方向の両側領域
35 長手方向の中心線
36 長手方向の中央領域
37 長手方向の両側領域
50a、50c、53d、54d フィルム
51c 厚肉部
52c 薄肉部
58 フィルム
60b、60e 樹脂シート
68 樹脂シート
70a、70b エンボスロール
80 下着
81 縁部
82 クロッチ部
(a) 透湿度の高い領域
(b) 光線透過度の高い領域

Claims (8)

  1. 液透過性トップシートとバックシートと前記両シートの間に挟まれた吸収コアとを含み、前記トップシートとバックシートおよび吸収コアは、長手方向の中央部に位置する中間部分と、前記中間部分よりも長手方向の両側に、前記中間部分より幅寸法が大きい幅方向へ張り出た部分と、を有する砂時計形状である使い捨ておむつにおいて、
    前記バックシートは、樹脂基材に無機充填材が含有された樹脂フィルムから形成されており、前記バックシートが、
    (a)延伸された透湿領域と、
    (b)前記透湿領域よりも延伸率が低い光線透過率の高い領域と、を有しており
    前記吸収コアが設けられた領域の幅方向の中心線を含み且つ長手方向の全長にわたって一定の幅を有する中央領域の全域に、前記(b)の光線透過率の高い領域が連続して形成され、前記中央領域を挟む幅方向の両側の領域であって幅方向に張り出た前記部分および前記中間部分を含む全域に、前記(a)の透湿領域が連続して形成されていることを特徴とする使い捨ておむつ。
  2. 前記樹脂基材が、ポリオレフィン系樹脂である請求項1記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記樹脂基材と前記無機充填材との混合比が、20〜70質量%:80〜30質量%である請求項1または2に記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記(a)の透湿領域では、透湿度が1000g/m2・24h以上である請求項1ないしのいずれかに記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記(a)の透湿領域では、JIS−K−7105による全光線透過率が50%以下である請求項1ないしのいずれかに記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記(b)の光線透過率の高い領域では、JIS−K−7105による全光線透過率が60%以上である請求項1ないしのいずれかに記載の使い捨ておむつ。
  7. 前記(b)の光線透過率の高い領域では、バックシートが未延伸である請求項1ないしのいずれかに記載の使い捨ておむつ。
  8. 前記バックシートは、前記(a)の透湿領域でのバックシートの厚みをT1とし、前記(b)の光線透過率の高い領域でのバックシートの厚みをT2としたとき、T1及びT2が次の式を満たす請求項1ないしのいずれかに記載の使い捨ておむつ。
    20≦{(T2−T1)÷T1}×100≦30
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