JP5717355B2 - 紙おむつ - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、防水フィルムを内蔵するバリヤーカフス及びトップシートが、吸収体の裏面に延在し固着され、固着の始端部がバリヤーカフスの起立端を形成する構造により脚周り部分の防水性を強化した吸収性物品の吸収性および通気性を改善するために、吸収体の裏面側に設けられる防水フィルムを吸収体の幅方向長さに対し1/4だけ内側に設け、吸収体裏面側の防水フィルムとトップシート等の重なり幅を小さくする吸収性物品が開示されている。
特許文献2には、***の視認性、すなわち、使い捨ておむつに排尿、排便があった場合に、外部から容易に排尿、排便を認識することができるようにするため、吸収体の裏面側の全域にバックシートを設け、バックシートの30〜70%の幅方向中心部をJIS―K―7105による全光線透過率が60%以上にする使い捨ておむつが開示されている。
特許文献3、4には、***の視認性、すなわち、吸収性物品に排尿、排便があった場合に、外部から容易に排尿、排便を認識することができるようにするため、水分インジケーターを備えた吸収性物品が開示されている。
そこで、本発明の主たる課題は、バリヤーカフスが吸収体の裏面に延在してバックシートに固着され、固着の始端部がバリヤーカフスの起立端を形成する構造の紙おむつにおいて、バックシートの透明性は高く、バリヤーカフスの隠蔽性は高くすることにより、***の視認性、漏れへの安心感、脚周り部分の防水性、通気性、吸収性に優れる紙おむつを提供することにある。
<請求項1記載の発明>
外装シートと前記外装シートの内面に股間部を中心として縦方向に延在する内装体を有する紙おむつであって、
前記内装体は、少なくとも表面シートと、吸収要素と、不透液性バックシートと、バリヤーカフスとから構成され、
前記バリヤーカフスは、前記不透液性バックシートの裏面に延在し固着され、固着の始端部が前記バリヤーカフスの起立端を形成し、
前記不透液性バックシートのJIS―K―7105による全光線透過率が60%以上であり、
前記バリヤーカフスのバリヤーシートにより挟持されたバリヤーフィルムのJIS―K―7105による全光線透過率が35%以下にして、前記バリヤーカフスの色彩を前記外装シートの色彩と近似する白色に形成し、
前記バリヤーカフスが固着されていない前記不透液性バックシートの幅寸法が、前記吸収要素の幅寸法に対し25〜30%である
ことを特徴とする紙おむつ。
本発明は、バリヤーカフスが不透液性バックシートの裏面に延在し固着され、固着の始端部が前記バリヤーカフスの起立端を形成することから、吸収要素の両側縁部を着用者側に向かって変形させ、吸収要素の両側縁部に深いポケット部を形成し、着用者の***物である尿、便を捕捉することができる。また、バリヤーカフスが透液性バックシートの裏面に延在し固着されていることから、吸収要素に吸収された尿が紙おむつの外部に漏れ出す恐れもない。
さらに、バリヤーカフスが固着されていない不透液性バックシートの幅寸法が、吸収要素の幅寸法に対し25〜30%であることから、吸収要素の両側縁部により深いポケット部を形成でき、且つ、通気性に優れ、より保護者が使用中に不快な思いをすることを軽減することができる。
前記不透液性バックシートは、JIS―K―7105による全光線透過率が60%以上のバックフィルムから形成された請求項1に記載の紙おむつ。
請求項2に係る発明は、不透液性バックシートが透明性の高いバックフィルムを有することから、不透液性バックシートも透明度に優れ、紙おむつの外部から不透液性バックシートを介し、紙おむつの内部の***状況を容易に視認することができ、一方、バリヤーカフスは隠蔽性の高いバリヤーフィルムを有することから、***物の色を隠蔽することができる。
前記バリヤーフィルムのJIS―Z―0208による透湿度が6000〜12000g/m2・24hrである請求項1または2に記載の紙おむつ。
請求項3に係る発明は、バリヤーフィルムのJIS―Z―0208による透湿度が6000〜12000g/m2・24hrであることから、通気性に優れ、特に、着用者の股間部の肌のカブレ、ムレを防止することができる。透明性の高いバックフィルムは、一般的には透湿性は低いものとなるが、このような構成を取ることにより、紙おむつ全体としての通気性は十分なものとすることができる。
前記バリヤーカフスが固着されていない前記不透液性バックシートの前記吸収要素側の表面にお知らせマークが設けられている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の紙おむつ。
請求項4に係る発明は、不透液性バックシートの吸収要素側の表面にお知らせマークが設けられていることから、紙おむつに着用者の尿、便の***が行なわれた際、お知らせマークが変色し、紙おむつの外部から不透液性バックシートを介し、着用者の***状況を迅速、且つ、容易に視認することができる。
図1〜図8は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例100を示している。なお、本発明は、パンツタイプ使い捨ておむつに限定されるものではなく、テープ式使い捨ておむつに適用することができる。
内装体200を構成する透液性の表面シート30は、図3,7に示すように、吸収要素50の両側縁部を周り込み、吸収要素50の裏面に延長し、ホットメルト接着剤により吸収要素50の裏面側に固着されている。
バリヤーカフス60は、図3,7に示すように、表面シート30が周り込んだ吸収要素50の両側縁部をさらに表面シート30の上から周り込み、吸収要素50の裏面側にホットメルト接着剤により固着された不透液性バックシート11の両側部まで延在し、不透液性バックシート11の裏面側にホットメルト接着剤により固着されている。
不透液性バックシート11を構成するバックフィルム11aは、開孔が極めて少ないポリエチレン樹脂から形成され、不透液性バックシート11のJIS―K―7105による全光線透過率が65%である。
バリヤーカフス60は、撥水性不織布からなるバリヤーシート62の間にバリヤーフィルム64が挟持されており、JIS―K―7105による全光線透過率が40%である。また、バリヤーフィルム64の全面には、均等に多数の開孔が設けられており、JIS―Z―0208による透湿度が6000〜12000g/m2・24hrである。
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、不透液性バックシート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に***物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立するバリヤーカフス60を示している。
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
不透液性バックシート11の素材は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。
バリヤーカフス60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態のバリヤーカフス60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
お知らせマーク80としては、特に制限はなく、公知のお知らせマークを用いることができる。パンツタイプ使い捨ておむつ100においては、図3に示すように、親水性不織布81の表面にPH変化により変色するインキ82が印刷されたものである。吸収要素50の裏面側に親水性不織布81を設けることにより、吸収要素50に吸収された尿がインキ82に浸透し、インキ82が変色し、排尿、排便の状況を視認することができる。
外装シート12は、股間部から腹側に延在する前身頃Fと、股間部から背側に延在する後身頃Bとを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とが接合されて、図8に示すように、装着者の胴を通すための胴開口部WO及び脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成されているものである。符号12Aは接合部分を示している(以下、この部分をサイドシール部ともいう)。なお、股間部とは、展開状態における前身頃のウエスト端縁から後身頃のウエスト端縁までの前後方向中央を意味し、それよりも前側の部分及び後側の部分が前身頃F及び後身頃Bをそれぞれ意味する。
外装シート12の後身頃Bの外面における幅方向中央部には、後処理テープ70(固定手段)が設けることができる。後処理テープ70は、おむつ100を表面シート30が内側に且つ前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するためのものである。一般的な後処理テープ70は、図5に示すように、基端部71が外装シート12の外面に接着剤等により固定されるとともに、この基端部71よりも先端側の部分は三つ折り(断面Z字状)や二つ折りで折り畳まれて、折り重なり部分間が仮止め接着剤72により剥離可能に固定(仮固定)されている。また、先端部に白色等の不透明色に着色された摘み部73を有するとともに、この摘み部73を除く部分が透明または半透明であり、この後処理テープ70における透明または半透明の部分を通して、後処理テープ70の外面側から後述するデザインが視認可能になっている。具体的な構造は適宜構成することができるが、図示形態では、全体を透明又は半透明の複数の基材を長手方向に連結して形成するとともに、摘み部73に着色テープ74を張り合わせた構造を採用している。
不透液性バックシート11と外装シート12との間(外装シート12の層間を含む)には、印刷によりデザインの施された印刷シート25が設けられている。外装シート12を省略し、印刷シート25が外面に露出する形態とすることもできる。また、図示例の印刷シート25は、それが配置される身頃よりも小さい面積を有しており、前身頃F及び後身頃Bに個別に設けられているが、前身頃Fから股間部を通り後身頃Bまで一体的に連続するように設けることもできる。
上述の例では、前身頃Fから後身頃Bまでを一体的な外装シート12により連続的に覆っているが、外装シートが、装着者の胴回りのうち腹側を覆う腹側外装シートと背側を覆う背側外装シートとに分割されており、腹側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の後端部がホットメルト接着剤等により連結されており、腹側外装シートと背側外装シートとが股間側で連続しておらず、離間されている形態も採用することができる。この離間距離は150〜250mm程度とすることができ、排尿、排便による吸収要素50の変色、お知らせマーク、印刷シート25のデザインを製品外面から良好に視認上で好適である。
Claims (4)
- 外装シートと前記外装シートの内面に股間部を中心として縦方向に延在する内装体を有する紙おむつであって、
前記内装体は、少なくとも表面シートと、吸収要素と、不透液性バックシートと、バリヤーカフスとから構成され、
前記バリヤーカフスは、前記不透液性バックシートの裏面に延在し固着され、固着の始端部が前記バリヤーカフスの起立端を形成し、
前記不透液性バックシートのJIS―K―7105による全光線透過率が60%以上であり、
前記バリヤーカフスのバリヤーシートにより挟持されたバリヤーフィルムのJIS―K―7105による全光線透過率が35%以下にして、前記バリヤーカフスの色彩を前記外装シートの色彩と近似する白色に形成し、
前記バリヤーカフスが固着されていない前記不透液性バックシートの幅寸法が、前記吸収要素の幅寸法に対し25〜30%である
ことを特徴とする紙おむつ。 - 前記不透液性バックシートは、JIS―K―7105による全光線透過率が60%以上のバックフィルムから形成された請求項1に記載の紙おむつ。
- 前記バリヤーフィルムのJIS―Z―0208による透湿度が6000〜12000g/m2・24hrである請求項1または2に記載の紙おむつ。
- 前記バリヤーカフスが固着されていない前記不透液性バックシートの前記吸収要素側の表面にお知らせマークが設けられている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の紙おむつ。
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