JP4520137B2 - 一液型オルガノポリシロキサンゲル組成物 - Google Patents

一液型オルガノポリシロキサンゲル組成物 Download PDF

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Description

本発明は、一液型オルガノポリシロキサンゲル組成物に関し、特に室温において良好な長期保存安定性を有する一液型オルガノポリシロキサンゲル組成物に関する。
従来、ケイ素原子に結合した水素原子(SiH)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ケイ素原子に結合したビニル基等のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、および白金系触媒を含み、前記SiHのビニル基等への付加反応(ヒドロシリル化反応)により硬化物を得る付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物(以下、単に「組成物」という)に、白金系触媒とともに、種々の付加反応抑制剤を配合し、室温における付加反応による硬化の進行を抑制して長期保存安定性を向上させ、かつ、使用時には加熱によって付加反応を促進させて硬化するようにさせることは周知である。例えば、付加反応抑制剤としてアセチレン系化合物(特許文献1)、スルホキシド化合物(特許文献2)、またはハイドロパーオキシド化合物(特許文献3)を配合することが知られている。
しかし、例えば、式:H(CH3)2SiO0.5で表される1官能性単位を有する、即ち、分子鎖末端にSiHを有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用する場合、上記の反応抑制剤を配合しても、組成物の室温における付加反応による硬化の進行を有効に抑制することができないため、組成物の保存安定性が十分ではなかった。更に、上記の分子鎖末端にSiHを有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、分岐状構造のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとの組み合わせである組成物の場合には、室温における長期保存安定性を図ることが一層困難であった。
これらの問題を解決するために、ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサンと分子鎖末端にSiHを有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを含む組成物の室温における付加反応抑制剤として、n−ブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン等のアミン化合物を用いることが提案されている(特許文献4)。しかし、これらのアミン化合物はその沸点が低いために開放系での保存安定性に劣り、また組成物中に無機充填剤が配合されていると、その無機充填剤表面に吸着されてしまい、その付加反応抑制効果が著しく低下するという欠点を有しているため、未だ有効なものではなかった。
一方、亜リン酸エステルを付加反応抑制剤として配合した組成物は公知であり(特許文献5、特許文献6、特許文献7)、また、付加反応抑制剤としてリン化合物と有機過酸化物とを用いることも知られている(特許文献8)。しかし、前記特許文献の何れにも、亜リン酸エステルを付加反応抑制剤として用いた場合に、分子鎖末端にSiHを有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む組成物において、室温における付加反応が有効に抑制できることについて記載されていない。更に、分子鎖末端にSiHを有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、分岐状構造のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとの組み合わせを含む組成物の場合に、亜リン酸エステル、または亜リン酸エステルと有機過酸化物との組み合わせにより、室温における付加反応抑制が可能であることついては全く記載されていない。
米国特許第3,445,420号明細書 米国特許第3,453,234号明細書 米国特許第4,061,609号明細書 米国特許第4,584,361号明細書、 米国特許第3,188,300号明細書、 特表2001−508096号公報 特表2001−527111号公報 特開昭56−20051号公報
そこで、本発明の課題は、分子鎖末端にSiHを有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、分岐状構造のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとの組み合わせを含む組成物の場合であっても、更に、組成物中に無機充填剤が配合されている場合にも、室温における付加反応が有効に抑制され、保存安定性が長期にわたって維持されている一液型オルガノポリシロキサンゲル組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、本発明は、
(A)R(CH3)SiO単位:80.0〜97.0モル%、RSiO1.5単位:1.0〜10.0モル%、(CH3)2(CH2=CH)SiO0.5単位:0.1〜4.0モル%、および(CH3)3SiO0.5単位:0.5〜10モル%
[但し、これらの単位の合計は 100モル%であり、これらの単位を表す前記各単位式において、Rはメチル基、フェニル基、または式:RfCH2CH2-(Rfは、鎖中にエーテル結合性酸素原子を有する、または有しないパーフルオロアルキル基である)で表される基である]
からなり、1分子中に含まれる複数のRは同一または異なる、オルガノポリシロキサン: 100重量部、
(B)式:H(R1)2SiO0.5
[式中、R1は独立にアルケニル基以外の非置換または置換の1価炭化水素基である]
で表される単位を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: 本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分のオルガノポリシロキサン中に含まれるビニル基1個当たり、0.5〜4.0個となる量、
(C)白金系触媒: 有効量、
(D)亜リン酸トリエステル: 該成分中のリン原子の量が、前記(C)成分中に含まれる白金金属原子1モルに対して2モル以上となる量、並びに
(E)有機過酸化物: 該成分中の-OO-結合の量が、前記(D)成分中に含まれるリン原子1モルに対して2モル以上となる量
を含有して成ることを特徴とする一液型オルガノシロキサンゲル組成物を提供する。
本発明は、従来、室温における長期間の保存が不可能であった、ケイ素原子に結合した分子鎖末端に水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を有する分岐状のオルガノポリシロキサンおよび付加反応を促進する白金系触媒を含む一液型オルガノポリシロキサンゲル組成物に、また、前記組成物に更に無機充填剤が配合された場合であっても、長期保存安定性を付与するとともに、使用時の加熱硬化性には何ら影響を及ぼすことがないとの優れた効果を奏するものである。
以下に、本発明をより詳細に説明する。
−(A)ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン−
(A)成分のオルガノポリシロキサンは本発明組成物の主剤(ベースポリマー)として使用されるものであり、上記のとおり、R(CH3)SiO単位:80.0〜97.0モル%、RSiO1.5単位:1.0〜10.0モル%、(CH3)2(CH2=CH)SiO0.5単位:0.1〜4.0モル%、および(CH3)3SiO0.5単位:0.5〜10モル%(これらの単位の合計は100モル%である)の各単位から成るものである。
前記Rは、同一でも異なっていてもよく、メチル基、フェニル基、または式:RfCH2CH2-(Rfは、鎖中にエーテル結合性酸素原子を有する、または有しないパーフルオロアルキル基である)で表される基である。
Rfのパーフルオロアルキル基としては、鎖中にエーテル結合性酸素原子を有していないものである場合、炭素原子数が好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜8のものがよく、具体的には、例えば、式:CF3-、C49-、C817‐等で表される基が挙げられる。
また、Rfが鎖中にエーテル結合性酸素原子を有している場合には、例えば、下記一般式(1):
R'O-(R"O-)pR"'- (1)
〔式中、R'は炭素原子数1〜4のパーフルオルアルキル基であり、R"およびR"'は独立に炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキレン基であり、pは0〜10の整数である。〕
で表される基である。具体的には、下記式で表されるものが挙げられる。
25O-(CF2CF2O-)sCF2-
37O-(CF2CF2CF2O-)tCF2CF2-
37O-[CF(CF3)CF2O-]tCF(CF3)-
〔上記式中、sは0〜4の整数であり、tは0〜10の整数である〕
本(A)成分中の上記式:RSiO1.5で表される3官能性単位は、(A)成分のオルガノポリシロキサンを分岐状構造のものとし、かつ、本発明の組成物に低温特性と速硬化性能を付与する上で重要な単位である。この単位の含有量は、上記のとおり、1.0〜10.0モル%、好ましくは1.5〜10.0モル%であり、前記含有量が 1.0モル%未満であると(A)成分の直鎖状構造が多くなるため、前記特性および性能の付与が不十分となり、逆に 10.0モル%を越えると粘度の制御が困難になるという問題が生じる。
また、上記式:(CH3)2(CH2=CH)SiO0.5、および式:(CH3)3SiO0.5で表される1官能性単位は、いずれも末端基となる単位である。前者の含有量は 0.1〜4.0モル%、好ましくは 0.5〜3.0モル%であり、前記含有量が 0.1モル%未満であると付加反応による硬化特性が乏しいものなり、逆に 4.0モル%を越えると硬化物の耐熱性に劣るという問題が生じる。また、後者の含有量は 0.5〜10モル%、好ましくは 0.8〜8モル%であり、前者と後者との合計の含有量は、上記式:RSiO1.5で表される3官能性単位の含有量(即ち、(A)成分中の分岐状構造の割合)に基づき自ずと定まるものである。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、公知の方法で製造することができる。例えば、上記各単位に対応するクロルシラン類を必要なモル比で混合し、共加水分解および縮合に供する方法、或いは、上記各単位の構造を有するポリシロキサンおよび/または環状シロキサン化合物の平衡化反応によって製造される。
なお、この(A)成分のオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が、通常、300〜10,000mPa・sの範囲にあることが好適である。
以下に(A)成分のオルガノポリシロキサンの具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
[(CH3)2(CH2=CH)SiO0.5]a[(CH3)3SiO0.5]b[(CH3)2SiO]c[CH3SiO1.5]d
[(CH3)2(CH2=CH)SiO0.5]a[(CH3)3SiO0.5]b[(CH3)2SiO]c[CH3SiO1.5]d[Ph2SiO]e
[(CH3)2(CH2=CH)SiO0.5]a[(CH3)3SiO0.5]b[(CH3)2SiO]c[CH3SiO1.5]d[(CH3)PhSiO]f
[(CH3)2(CH2=CH)SiO0.5]a[(CH3)3SiO0.5]b[(CH3)2SiO]c[PhSiO1.5]g
[(CH3)2(CH2=CH)SiO0.5]a[(CH3)3SiO0.5]b[CH3SiO1.5]d[(CH3)CF3CH2CH2SiO]h
[(CH3)2(CH2=CH)SiO0.5]a[(CH3)3SiO0.5]b[CH3SiO1.5]d[(CH3)C3F7O-{CF(CF3)CF2O-}iCF(CF3)CH2CH2SiO]j
[(CH3)2(CH2=CH)SiO0.5]a[(CH3)3SiO0.5]b[(CH3)2SiO]c[PhSiO1.5]k
(上記各式中、a、b、c、d、e、f、g、h、i、jおよびkは、それぞれ、上記粘度を満足するように選ばれる正の整数、Phはフェニル基(C65-)を示す。)
これらのオルガノポリシロキサンは、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
−(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン−
(B)成分であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、
式:H(R1)2SiO0.5
[式中、R1は独立にアルケニル基以外の非置換または置換の1価炭化水素基である]
で表される、1官能性の、ジオルガノハイドロジェンシロキシ単位を1分子中に少なくとも2個含有するものである。即ち、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、少なくとも2個の分子末端のケイ素原子に水素原子が結合しているものである。
前記R1は、非置換または置換の、炭素原子数が好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜8の1価炭化水素基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、β-フェニルプロピル基等のアラルキル基;および、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がハロゲン原子、シアノ基等で置換されたクロロメチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2-シアノエチル基等が挙げられ、中でもメチル基、フェニル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基が好ましい。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式(2):
(H)a(R6)bSiO(4-a-b)/2 (2)
で表され、かつ、式:H(R1)2SiO0.5(R1は上記のとおり)で表される単位を1分子中に少なくとも2個含有するものである。
この平均組成式(2)において、複数あるR6は、独立に、前記R1に関する定義と同じ非置換もしくは置換の1価炭化水素基である。または、2個のR6同士が一緒になって低級アルキレン基を形成してもよい。
上記R6が非置換もしくは置換の1価炭化水素基である場合、上記R1と同じ基が挙げられ、中でもメチル基、フェニル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基が好ましい。
また、2個のR6が一緒になって形成される低級アルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、メチルメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等を挙げることができる。
また、aは0<a≦2の数、bは0<b≦3の数であり、かつ、0<a+b≦3であり、好ましくは 0.001≦a≦0.5、0.8≦b≦2.2、1≦a+b≦2.4である。
上記平均組成式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、上記のとおり式:H(R1)2SiO0.5で表される単位を1分子中に少なくとも2個含有するものであれば、特に制限されず、直鎖状または分岐状の何れの構造であってもよい。
また、この(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、特に合成が容易である等の点で、25℃における粘度が 1,000mPa・s以下、通常、0.1〜1000mPa・s、特に 0.5〜500mPa・sのものが好ましい。
この(B)成分が、直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサンである場合、例えば、下記一般式(3):
Figure 0004520137

(式中、R1およびR6は上記のとおりであり、cおよびdは同一または異なる0または正数であり、c+dは上記粘度を満足する数である)
で表すことができる。
また、分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、分岐源として、式:R6SiO1.5(R6は上記のとおりである)で表される単位、式:SiO2で表される単位、または下記構造式(4):
Figure 0004520137

(式中、R6は上記のとおりである)
で表される単位等を有するものを挙げることができる。
本発明の(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で停止されたジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端がジメチルハイドロジエンシロキシ基で停止されたメチルフエニルポリシロキサン、分子鎖両末端がジメチルハイドロジエンシロキシ基で停止されたジメチルシロキサン・メチルフエニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で停止されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で停止されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で停止されたジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン共重合体、式:R1 3SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 2HSiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R1 2HSiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R1 2HSiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1SiO1.5で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R1 2HSiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 2SiOで示されるシロキサン単位と式:R1SiO1.5で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体(前記各式中、R1は前記のとおりである)。
これらのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
本発明の組成物中の(B)成分の配合割合は、得られる硬化物の耐熱性、機械的強度等の物理的性質が良好であり、硬化時に発泡しないことが必要である点から、本(B)成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、上記(A)成分のオルガノポリシロキサン中に含まれるビニル基1個当たり、O.5〜4.O個、特に 0.8〜3.0個となる割合であるのが好ましい。
−(C)白金系触媒−
(C)成分の白金系触媒は、上記(A)成分中のビニル基と上記(B)成分中のSiH との付加反応を促進し、本発明組成物の硬化物を得るために配合される周知の成分である。
この(C)成分としては、例えば、下記一般式(5):
Figure 0004520137

、下記一般式(6):
Figure 0004520137

[上記各式中、R7は独立に非置換または置換の1価炭化水素基であり、mは0〜3、nは3〜6、m+nの和は3〜9の整数である]
等で表されるビニル基含有オルガノポリシロキサンを配位子とする白金錯体が好適に用いられる。
上記R7は、非置換または置換の、炭素原子数が好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜8の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、β-フェニルプロピル基等のアラルキル基;および、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2-シアノエチル基等が挙げられ、中でもメチル基、ビニル基、フェニル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基が好ましい。
この白金錯体である(C)成分は公知であり、例えば、特公昭47-23679号公報に記載されているように、塩化白金酸と上記一般式(5)、(6)等で表される低分子シロキサンとを塩基性塩の存在下に加熱反応させて製造することができる。
本発明の(C)成分の白金系触媒の具体例としては、例えば、白金/1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体、白金/2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン錯体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、白金系触媒は、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
本発明の組成物に対する(C)成分の配合量は、触媒として有効量であればよく、特に制限されないが、上記(A)および(B)成分の合計量に対して、白金金属原子の重量として、通常、0.5〜500ppm、好ましくは1〜100ppm、より好ましくは5〜50ppm程度の範囲で配合すればよい。前記配合量が少なすぎると付加反応が著しく遅くなるか、または硬化しなくなり、逆に多すぎると硬化後のポリシロキサン組成物の耐熱性が低下し、また、白金は高価であることからコスト面で不利となる。
−(D)亜リン酸トリエステル−
(D)成分は、好ましくは、一般式:P(OR2)3
[式中、R2は独立に非置換もしくは置換の1価炭化水素基および式:-R4[-O-P(OR3)2](式中、R3は独立に非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、xは1〜3の整数であり、R4は鎖中にエーテル結合性酸素原子を有する、または有しない炭素原子数2〜20の2〜4価の炭化水素基である)で表される基から成る群より選ばれる少なくとも1種の基である]
で表される亜リン酸トリエステル、または下記一般式:
Figure 0004520137

[式中、R3は前記と同じであり、R5は鎖中にエーテル結合性酸素原子を有する、または有しない炭素原子数1〜20の4価の炭化水素基である]
で表される亜リン酸トリエステルである。この(D)成分は、上記(C)成分の白金系触媒の室温における付加反応に対する触媒能を抑制する機能を有する
上記R2としては、非置換または置換の、炭素原子数が好ましくは1〜20、更に好ましくは1〜15の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ネオペンチル基、2-エチルヘキシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、β-フェニルプロピル基等のアラルキル基;および、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2-シアノエチル基等が挙げられる。
3は、独立に非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、例えば、前記したR2における非置換または置換の1価炭化水素基として例示したものと同一のものを挙げることができる。
4は、鎖中にエーテル結合性酸素原子を有する、または有しない炭素原子数2〜20の、好ましくは2〜12の、2〜4価の炭化水素基である。
5は、鎖中にエーテル結合性酸素原子を有する、または有しない炭素原子数1〜20の、好ましくは5〜20の、4価の炭化水素基である。
本発明の(D)成分の亜リン酸トリエステルの具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
トリエチルホスファイト:(EtO)3P、トリオクチルホスファイト:[Me(CH2)7O]3P、トリス(2-エチルヘキシル)ホスファイト:[MeC36CH(Et)CH2O]3P、トリフェニルホスファイト:(PhO)3P、ジフェニルモノ(2-エチルヘキシル)ホスファイト:(PhO)2(MeC36CH(Et)CH2O)P、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト:
Figure 0004520137

、テトラフェニルジプロピレングリコールジフォスファイト:(PhO)2PO-[CH(Me)-CH2O]2-P(OPh)2、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリト−ルテトラホスファイト:[(PhO)(C1327O)P-OCH2]4C、テトラ(トリデシル)-4,4'-イソプロピリデンジフェニルジホスファイト:(C1327O)2PO-Ph-C(Me)2-Ph-OP(OC1327)2、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト:
Figure 0004520137

(上記式中、Me、Et、Buは、それぞれ、メチル基、エチル基、ブチル基を示し、Phは、フェニル基またはフェニレン基を示す。)
これらの亜リン酸トリエステルは、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
この(D)成分の亜リン酸トリエステルの配合量は、該(D)成分中のリン原子の量が、上記(C)成分中に含まれる白金金属原子1モルに対して2モル以上、好ましくは3モル以上となる量である。前記配合量が2モル未満では室温における白金系触媒の付加反応に対する触媒能を完全に抑制できない。なお、前記亜リン酸トリエステルの配合量の上限は、亜リン酸トリエステルの白金金属原子への配位能力や(E)成分の酸化能力により変化するため特に限定されないが、組成物の加熱硬化性を損なわないようにする必要があることから、前記配合量が2〜10モル程度の量とすればよい。
−(E)有機過酸化物−
(E)成分の有機過酸化物は、室温における組成物の長期保存においては、上記(D)成分とともに白金系触媒の付加反応に対する触媒能を効果的に抑制するとの機能を有する。しかも、加熱硬化段階においては、その分解温度で分解して自らの前記抑制作用を失うとともに、上記(D)成分を酸化させることで、(D)成分の前記抑制作用をも失活させる機能をも有するものであり、白金系触媒による組成物の硬化を速やかで確実なものとすることができる。
この有機過酸化物としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド;1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール;1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ-t-ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド;3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、m-トルイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート;t-ブチルパーオキシ・3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ・イソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ・2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル;等が挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
この(E)成分の配合量は、該(E)成分中の-OO-結合の量が、上記(D)成分中に含まれるリン原子1モルに対して2モル以上、好ましくは3モル以上となる量である。前記配合量が2モル未満では、室温における白金系触媒の付加反応に対する触媒能を完全に抑制できず、また、加熱硬化段階において上記(D)成分の上記触媒能抑制作用を完全に失活させることができない。なお、前記有機過酸化物の配合量の上限は、特に限定されないが、分解残査による硬化特性への影響があることから前記配合量が 15モル程度とすればよい。
−その他の配合成分−
本発明組成物において、上記(A)〜(E)成分に加えて配合する任意の成分として、例えば、ヒュームドシリカ、結晶性シリカ、沈降性シリカ、中空フィラー、シルセスキオキサン、ヒユームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機質充填剤;および、これらの充填剤をオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面処理した充填剤を配合してもよい。また、シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー等を配合してもよい。
更に、本発明組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、任意の成分として、例えば、アルケニル基を含有する直鎖状のオルガノポリシロキサン、ケイ素原子結合水素原子およびアルケニル基を含有しないオルガノポリシロキサン、耐熱性付与剤、難燃性付与剤、チクソ性付与剤、顔料、染料等を配合してもよい。
参考例1]
(A)CH2=CH(CH3)2SiO0.5単位/(CH3)3SiO0.5単位/(CH3)2SiO単位/CH3SiO1.5単位=0.7モル%/7モル%/83.2モル%/9.1モル%のモル比を有し、25℃における粘度が 2,000mPa・sのオルガノポリシロキサン 100部に、(B)ケイ素原子に結合した水素原子(SiH)の含有量が 0.068重量%であり、末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で停止されたジメチルポリシロキサン10部(SiHの数/(A)成分中のビニル基の数=0.7)、(C)塩化白金酸/1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(白金金属原子含有量:1重量%)0.05部(白金金属原子重量として、(A)+(B)の合計量に対して、5ppm)、(D)トリオクチルホスファイト 0.0032部(該成分中のリン原子/(C)成分中の白金金属原子(モル比)=3)、および(E)t-ブチルパーオキシ・3,5,5-トリメチルヘキサノエート 0.012部(該成分中の-OO-結合/(D)成分中のリン原子(モル比)=6.5)を均一に混合して組成物を得た。得られた組成物を容器内の密閉系で 40℃で1ヶ月間放置したが、組成物が増粘することは全くなかった。
次いで、組成物を 130℃で 30分間加熱して硬化させ、透明なゲル状物を得た。このゲル状物の硬さを、JIS K 2220(1/4コーン)稠度試験法に準じて測定した結果、20であった。また、上記(A)〜(E)成分を混合して得た組成物を、直ちに上記と同条件で加熱硬化させて得られたゲル状物の硬さは、同様に 20であった。
参考例2]
(A)CH2=CH(CH3)2SiO0.5単位/(CH3)3SiO0.5単位/(C65)2SiO単位/(CH3)2SiO単位/CH3SiO1.5単位=0.85モル%/0.9モル%/2.1モル%/94.65モル%/1.5モル%のモル比を有し、25℃における粘度が1,000mPa・sのオルガノポリシロキサン 100部、末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が 700mPa・sである、ジフェニルシロキサン単位を3モル%含有するジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体 60部、(B1)ケイ素原子に結合した水素原子の含有量が 0.068重量%であり、末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で停止されたジメチルポリシロキサン 6.9部、(B2)ケイ素原子に結合した水素原子の含有量が 0.04重量%であり、末端の 50%がジメチルハイドロジェンシロキシ基で停止され、残部の末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン 12部((B1)+(B2)中のSiHの数/(A)中のビニル基の数=0.9)、(C)塩化白金酸/1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(白金金属原子含有量:1重量%)0.05部(白金金属原子重量として、(A)+(B1)+(B2)の合計量に対して、5ppm)、(D)トリフェニルホスファイト 0.00235部(該成分中のリン原子/(C)成分中の白金金属原子(モル比)=3)、(E)1,1−ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5−トリメチルシクロヘキサン 0.0075部(該成分中の-OO-結合/(D)成分中のリン原子(モル比)=6.5)を均一に混合して組成物を得た。
得られた組成物を容器内の密閉系で 40℃で1ヶ月間放置したが、組成物が増粘することは全くなかった。
次いで、組成物を 130℃で 30分間加熱して硬化させ、透明なゲル状物を得た。このゲル状物の硬さを、JIS K 2220(1/4コーン)稠度試験法に準じて測定した結果、115であった。また、上記(A)〜(E)成分を混合して得た組成物を、直ちに上記と同条件で加熱硬化させて得られたゲル状物の硬さは、同様に 115であった。
参考例3]
(A)CH2=CH(CH3)2SiO0.5単位/(CH3)3SiO0.5単位/(CH3)2SiO単位/CH3SiO1.5単位=1.24モル%/2.7モル%/92.86モル%/3.2モル%のモル比を有し、25℃における粘度が 400mPa・sのオルガノポリシロキサン 100部、(B)ケイ素原子に結合した水素原子の含有量が 0.13重量%である、末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で停止されたジメチルポリシロキサン8部(SiHの数/(A)成分中のビニル基の数=0.6)、(C)塩化白金酸/1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(白金金属原子含有量:1重量%)0.05部(白金金属原子重量として、(A)+(B)の合計量に対して、5ppm)、(D)トリオクチルホスファイト 0.0032部(該成分中のリン原子/(C)成分中の白金金属原子(モル比)=3)、(E1)1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5−トリメチルシクロヘキサン 0.0064部(該成分中の-OO-結合/(D)成分中のリン原子(モル比)=5.5)、(E2)メチルアセトアセテートパーオキサイド 0.0024部(該成分中の-OO-結合/(D)成分中のリン原子(モル比)=1)を均一に混合して組成物を得た。
得られた組成物を容器内の密閉系で 40℃で放置したところ、20日後には著しく増粘していた。
次いで、組成物を 130℃で 30分間加熱して硬化させ、透明なゲル状物を得た。このゲル状物の硬さを、JIS K 2220(1/4コーン)稠度試験法に準じて測定した結果、87であった。また、上記(A)〜(E)成分を混合して得た組成物を、直ちに上記と同条件で加熱硬化させて得られたゲル状物の硬さは、同様に 87であった。
[実施例
ヘキサメチルジシラザンを用いて表面処理され、表面にトリメチルシリル基を有する比表面積 170m2/gの疎水性シリカ2重量部を追加した以外は、参考例2と同じに均一に混合して組成物を得た。
得られた組成物を容器内の密閉系で 40℃で1ヶ月間保存したが、組成物の増粘はまったくなかった。
次いで、組成物を 130℃で 30分間加熱して硬化させ、透明なゲル状物を得た。このゲル状物の硬さを、JIS K 2220(1/4コーン)稠度試験法に準じて測定した結果、110であった。また、上記(A)〜(E)成分および上記疎水性シリカを混合して得た組成物を、直ちに上記と同条件で加熱硬化させて得られたゲル状物の硬さは、同様に 110であった。
[比較例1]
(E)t-ブチルパーオキシ・3,5,5-トリメチルヘキサノエート 0.0019部を使用しなかったこと以外は、参考例1と同じにして均一な組成物を得た。得られた組成物を、130℃で 30分間加熱したが硬化しなかった。
[比較例2]
(D)トリオクチルホスファイト 0.0011部(該成分中のリン原子/(C)成分中の白金金属原子(モル比)=1)を使用し、(E)t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート 0.012部を使用しなかったこと以外は、参考例1と同じにして均一な組成物を得た。
得られた組成物は 25℃で 24時間後に、組成物がゲル化し、得られたゲル化物の針入度は 20であった。
[比較例3]
(E)t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート 0.0018部(該成分中の-OO-結合/(D)成分中のリン原子(モル比)=1)を使用したこと以外は、参考例1と同じにして均一な組成物を得た。得られた組成物を 130℃で 30分間加熱したが硬化しなかった。

Claims (3)

  1. (A)R(CH3)SiO単位:80.0〜97.0モル%、RSiO1.5単位:1.0〜10.0モル%、(CH3)2(CH2=CH)SiO0.5単位:0.1〜4.0モル%、および(CH3)3SiO0.5単位:0.5〜10モル%
    [但し、これらの単位の合計は 100モル%であり、これらの単位を表す前記各単位式において、Rはメチル基、フェニル基、または式:RfCH2CH2-(Rfは、鎖中にエーテル結合性酸素原子を有する、または有しないパーフルオロアルキル基である)で表される基である]
    からなり、1分子中に含まれる複数のRは同一または異なる、オルガノポリシロキサン: 100重量部、
    (B)式:H(R1)2SiO0.5
    [式中、R1は独立にアルケニル基以外の非置換または置換の1価炭化水素基である]
    で表される単位を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: 本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分のオルガノポリシロキサン中に含まれるビニル基1個当たり、0.5〜4.0個となる量、
    (C)白金系触媒: 有効量、
    (D)亜リン酸トリエステル: 該成分中のリン原子の量が、前記(C)成分中に含まれる白金金属原子1モルに対して2モル以上となる量、
    (E)有機過酸化物: 該成分中の-OO-結合の量が、前記(D)成分中に含まれるリン原子1モルに対して2モル以上となる量、並びに
    (F)無機質充填剤: 本組成物のゲル硬化物を与える量
    を含有して成ることを特徴とする一液型オルガノシロキサンゲル組成物。
  2. 前記(D)成分の亜リン酸トリエステルが、
    一般式:P(OR2)3
    [式中、R2は独立に非置換もしくは置換の1価炭化水素基および式:-R4[-O-P(OR3)2](式中、R3は独立に非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、xは1〜3の整数であり、R4は鎖中にエーテル結合性酸素原子を有する、または有しない炭素原子数2〜20の2〜4価の炭化水素基である)で表される基から成る群より選ばれる少なくとも1種の基である]
    で表される亜リン酸トリエステル、または下記一般式:
    Figure 0004520137

    [式中、R3は前記と同じであり、R5は鎖中にエーテル結合性酸素原子を有する、または有しない炭素原子数1〜20の4価の炭化水素基である]
    で表される亜リン酸トリエステルである請求項1に記載の組成物。
  3. 前記(F)成分の無機質充填剤がヒュームドシリカ、結晶性シリカ、もしくは沈降性シリカ、またはこれらを有機ケイ素化合物により表面処理した充填剤である請求項1または2に記載の組成物。
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