JP2020029536A - シリコーンゲル組成物、およびシリコーンゲル硬化物 - Google Patents

シリコーンゲル組成物、およびシリコーンゲル硬化物 Download PDF

Info

Publication number
JP2020029536A
JP2020029536A JP2018157287A JP2018157287A JP2020029536A JP 2020029536 A JP2020029536 A JP 2020029536A JP 2018157287 A JP2018157287 A JP 2018157287A JP 2018157287 A JP2018157287 A JP 2018157287A JP 2020029536 A JP2020029536 A JP 2020029536A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone gel
gel composition
cured product
group
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018157287A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7152220B2 (ja
Inventor
千里 星野
Chisato Hoshino
千里 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Momentive Performance Materials Inc
Original Assignee
Momentive Performance Materials Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=69623824&utm_source=***_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2020029536(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Momentive Performance Materials Inc filed Critical Momentive Performance Materials Inc
Priority to JP2018157287A priority Critical patent/JP7152220B2/ja
Publication of JP2020029536A publication Critical patent/JP2020029536A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7152220B2 publication Critical patent/JP7152220B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】耐久性に優れ、長期使用時のブリードを抑制するシリコーンゲル硬化物、これ与えるシリコーンゲル組成物の提供。【解決手段】(A)末端に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、(B1)水素原子が末端のケイ素原子にのみ結合した第1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(B2)1官能型シロキサン単位と、水素原子を有する2官能型シロキサン単位を含有し、この2官能型シロキサン単位の2官能型シロキサン単位全体に対するモル比率が10%以上65%以下である第2のオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(C)白金系触媒を含むシリコーンゲル組成物である。このシリコーンゲル組成物は、硬化物のイソプロパノール抽出による質量減少率が10質量%以下であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーンゲル組成物、およびシリコーンゲル硬化物に関する。
シリコーンゲル組成物は、ケイ素原子に結合した水素原子(SiH)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、ケイ素原子に結合したビニル基等のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、および白金系触媒を含有し、SiHのアルケニル基への付加反応により硬化物を得る、付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物である。
このシリコーンゲル組成物を加熱して硬化させることで得られるシリコーンゲル硬化物(以下、単に「シリコーンゲル」ともいう。)は、耐熱性、耐候性、耐油性、耐寒性、電気絶縁性等に優れ、弾性率が低くかつ低応力である。シリコーンゲル硬化物の特徴である低弾性率かつ低応力であることは、他のエラストマー製品には見られない特徴である。このシリコーンゲル硬化物は、車載電子部品、家庭用電子部品等の保護に用いられているが、液状の物質がブリードしやすいという欠点があり、近年では、車載用や家庭用の電子部品の高信頼化などの要求から、このような用途のシリコーンゲル材料において、ブリード低減の要求が高まってきている。
一般的にシリコーンゴムとシリコーンゲルを比較した場合、シリコーンゴムは固く、シリコーンゲルは柔らかいエラストマーであり、シリコーンゴムの方が硬化後のブリード量が少なくなる。したがって、シリコーンゴムを電子部品の保護材料に適用することでブリードを低減させることは可能であるが、その場合は、電子部品内のワイヤ等へ与えるダメージが大きくなる、シリコーンゴムにクラックが発生しやすいなどの欠点があった。
また、シリコーンゲル硬化物に耐熱性等の特性を付与するために、組成物に各種の添加剤を添加することが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)が、特性向上のための有効成分はオイルに分散させてから使用されるため、添加量に比例してブリード量も増大するという問題があった。
特開2008−291148号公報 特開2015−7203号公報
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、長期使用時のブリードを抑制するシリコーンゲル硬化物を提供するシリコーンゲル組成物、およびこれにより得られるシリコーンゲル硬化物を提供することを目的とする。
本発明のシリコーンゲル組成物は、
(A)分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有し、23℃における粘度が10〜100,000mPa・sであるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン100質量部と、
(B1)ケイ素原子に結合した水素原子を有するポリシロキサンであって、該水素原子が分子鎖末端のケイ素原子にのみ結合した第1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを、前記水素原子が前記(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合したアルケニル基1個あたり0.05〜0.8個となる量と、
(B2)式:R SiO1/2(式中、Rは、それぞれ独立に、水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基である。)で表される1官能型シロキサン単位と、式:RHSiO2/2(式中、Rは、置換もしくは非置換のアルキル基である。)で表される第1の2官能型シロキサン単位と、式:R SiO2/2(式中、Rは前記の通りである。)で表される第2の2官能型シロキサン単位をそれぞれ含有し、前記第1の2官能型シロキサン単位の2官能型シロキサン単位全体に対するモル比率が10%以上65%以下である第2のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを、該成分の有する水素原子が、前記(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合したアルケニル基1個あたり0.05〜1.0個となる量、および
(C)白金系触媒の有効量
を含むことを特徴とする。
本発明のシリコーンゲル組成物は、硬化物のイソプロパノール抽出による質量減少率が、10質量%以下であることが好ましい。(ただし、前記イソプロパノール抽出による質量減少率は、硬化物1gをイソプロパノール40gに浸漬して常温で7日間放置した後の質量減少量の、浸漬前の硬化物の質量に対する割合である。)
本発明のシリコーンゲル組成物において、前記(A)成分であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、直鎖状であり、分子鎖両末端のケイ素原子にそれぞれ結合したアルケニル基を有することが好ましい。
また、本発明のシリコーンゲル組成物は、硬化物のASTM D1403の規定に準じて測定される針入度が、10〜200であることが好ましい。
本発明のシリコーンゲル硬化物は、前記シリコーンゲル組成物を加熱硬化させてなるものである。
なお、本明細書においては、「ケイ素原子に結合したアルケニル基」を単に「アルケニル基」と示すことがある。また、「ケイ素原子に結合した水素原子」を単に「水素原子」または「SiH」と示すことがある。
本発明によれば、長期使用時のブリードを抑制することで長期間の使用に適したシリコーンゲル硬化物を与えるシリコーンゲル組成物を得ることができる。また、そのようなシリコーンゲル組成物により、長期使用時のブリードが抑制されることで長期使用に好適するシリコーンゲル硬化物を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
[シリコーンゲル組成物]
本発明のシリコーンゲル組成物は、上記の(A)成分、(B1)成分、(B2)成分および(C)成分を、それぞれ必須成分として含有する。
本発明において、シリコーンゲル硬化物とは、オルガノポリシロキサンを主成分とする架橋密度の低い硬化物であって、ASTM D1403の規定に準じて測定される針入度が10〜200、好ましくは10〜100のものを意味する。これは、ゴム状弾性を有するシリコーンゴム硬化物とは別異のものであり、シリコーンゴム硬化物と比べて、低硬度(すなわち軟らか)であって、弾性が低く、低応力である。
そして、本発明のシリコーンゲル組成物は、その硬化物のイソプロパノール抽出による質量減少率が、10質量%以下であることが好ましい。なお、イソプロパノール抽出による質量減少率は、硬化物1gをイソプロパノール40gに浸漬し常温(23℃)で7日間放置して硬化物の質量減少量を測定し、この質量減少量の浸漬前の硬化物の質量に対する割合を算出したものである。
以下、各成分について詳細に説明する。なお、本明細書において、粘度は特に断らない限り、23℃における値である。
<(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン>
本発明の(A)成分であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有するものであり、シリコーンゲル組成物の主剤(ベースポリマー)である。
(A)成分の有するアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合したものが2個以上あればよく、それら以外に、末端以外のケイ素原子に結合したアルケニル基を有していてもよい。しかし、(A)成分の有する全アルケニル基が末端のケイ素原子に結合したものであることが好ましい。(A)成分の有する1分子中のアルケニル基の数は、好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個、さらに好ましくは2〜5個である。
(A)成分の有するアルケニル基としては、炭素原子数2〜6、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3のものが挙げられる。具体的には、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基等が挙げられる。好ましくはビニル基である。(A)成分が1分子中に有する2個以上のアルケニル基は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
(A)成分であるオルガノポリシロキサンが有するアルケニル基のモル数は、ケイ素原子のモル数に対して(アルケニル基/ケイ素原子モル比)好ましくは0.00001〜0.2、より好ましくは0.0005〜0.1となる数である。(A)オルガノポリシロキサンにおけるアルケニル基/ケイ素原子モル比が0.0001〜0.2であることで、低弾性かつ低応力性のシリコーンゲル硬化物を得やすい。
(A)成分であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンにおいて、ケイ素原子に結合した、アルケニル基以外の炭化水素基は、脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基であることが好ましく、その炭素原子数は、通常1〜10、好ましくは1〜6である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部または全部を、塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。耐熱性の耐久性に優れることから、メチル基、フェニル基または3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンが1分子中にアルケニル基以外の2個以上の炭化水素基を有する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、直鎖状であってよく、また、例えば、式:RSiO3/2(Rは、脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基であり、前記したアルケニル基以外の炭化水素基を例示することができる)で表される3官能型シロキサン単位や、式:SiO4/2で表される4官能型シロキサン単位を含む分岐状であってもよい。
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンが分岐状である場合、2個以上のアルケニル基は2つ以上の末端にそれぞれ結合する。(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンが直鎖状である場合、2個以上のアルケニル基はそれぞれ分子鎖の両末端に結合する。
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、耐熱性の耐久性の点で、実質的に直鎖状であることが好ましい。なお、本発明において、オルガノポリシロキサンが「実質的に直鎖状である」とは、全シロキサン単位の合計量に対する、3官能型シロキサン単位と4官能型シロキサン単位の合計量が、モル分率で5%以下であることをいう。
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンの粘度は、10〜100,000mPa・sであり、100〜10000mPa・sの範囲が好ましい。(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンの粘度が前記範囲であることで、作業性に優れ、また、低弾性率かつ低応力の特性に優れた硬化物を得ることができる。なお、粘度は、回転粘度計により測定することができる。
本発明の(A)成分は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<(B1)第1のオルガノハイドロジェンポリシロキサン>
(B1)成分は、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、その水素原子が分子鎖末端のケイ素原子のみに結合した構造を有するものである。(B1)第1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に2個以上の水素原子を有することが好ましい。(B1)成分は、後述する(B2)成分とともに前記(A)成分と反応し、架橋剤として作用する。
(B1)成分において、分子鎖末端のケイ素原子に結合した水素原子の数は、好ましくは2〜10個、より好ましくは2個である。
(B1)第1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分岐状であっても直鎖状であってもよい。(B1)第1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが分岐状である場合、1分子中に存在する2個以上の水素原子は、3つ以上の分子末端のケイ素原子のいずれかに結合する。(B1)第1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが直鎖状である場合、2個の水素原子が分子の両末端のケイ素原子に1個ずつ結合する。(B1)成分である第1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、耐熱性の耐久性の点で、実質的に直鎖状であることが好ましい。
(B1)第1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、ケイ素原子に結合した水素原子以外に、ケイ素原子に結合した炭化水素基を有する。(B1)第1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが有する炭化水素基は、脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基であることが好ましく、その炭素原子数は、通常1〜10、好ましくは1〜6である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、へキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部または全部を、塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子で置換した3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。耐熱性の耐久性により優れ、低弾性率かつ低応力の特性に優れたシリコーンゲル硬化物が得やすいことから、好ましくはアルキル基、アリール基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、より好ましくはメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、特にメチル基が好ましい。
(B1)第1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの1分子中のケイ素原子の数(すなわち重合度)は、大きすぎるとゲル特性が得られないことから、通常5〜500個である。組成物の取扱作業性および得られる硬化物の特性(低弾性率、低応力)が良好となることから、ケイ素原子の数は、好ましくは5〜100個、より好ましくは10〜80個である。
(B1)第1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のシリコーンゲル組成物において、(B1)成分の配合量は、(B1)成分の有する水素原子が、前記(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンのアルケニル基1個あたり0.05〜0.8個、好ましくは0.1〜0.7個となる量である。(B1)成分からの水素原子が、(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンのアルケニル基1個に対して0.05個より少なくなると、硬化物の柔軟性が失われ、低弾性率かつ低応力の特性が得られない。また、0.8個より多いと、所望の針入度を得るには、後述する(B2)成分の配合量が少なくさせる必要があり、十分に架橋したゲル状の弾性体が得られない。
<(B2)第2のオルガノハイドロジェンポリシロキサン>
(B2)成分は、式:R SiO1/2(Rは、水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基である。)で表される1官能型シロキサン単位と、式:RHSiO2/2で表される第1の2官能型シロキサン単位(Rは、置換もしくは非置換のアルキル基である。)と、式:R SiO2/2(Rは、前記の通りである。)で表される第2の2官能型シロキサン単位を含有し、第1の2官能型シロキサン単位の2官能型シロキサン単位全体に対するモル比率が10%以上65%以下であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。(B2)成分は、前記(B1)成分とともに前記(A)成分と反応し、架橋剤として作用する。
なお、(B2)成分は、前記した1官能型シロキサン単位と2官能型シロキサン単位以外に、RSiO3/2(Rは、前記の通りである。)で表される3官能型シロキサン単位および/またはSiO4/2で表される4官能型シロキサン単位を含むことができるが、3官能型以上のシロキサン単位の割合が全単位の5モル%以下であり、実質的に直鎖状であることが好ましい。
(B2)成分である第2のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、単位式:[R SiO1/2][RHSiO2/2[R SiO2/2[R SiO1/2]で表すことができる。
この単位式において、Rは、それぞれ独立に、水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基を表す。非置換のアルキル基の炭素原子数は、通常1〜10、好ましくは1〜6である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、へキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。置換のアルキル基としては、上記アルキルの基の水素原子の一部または全部を、塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子で置換した3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。
耐熱性の耐久性に優れ、低弾性率かつ低応力の特性に優れたシリコーンゲル硬化物が得やすいことから、Rは、水素原子または非置換のアルキル基であることが好ましい。特にメチル基が好ましい。すなわち、(B2)成分は、分子鎖末端のケイ素原子に結合した水素原子を持たず、水素原子は全て分子鎖中間部のケイ素原子に結合した構造のオルガノハイドロジェンポリシロキサンであることが特に好ましい。
前記単位式において、Rは、置換もしくは非置換のアルキル基である。置換もしくは非置換のアルキル基としては、前記Rについて記載したものと同様な基が挙げられる。Rは、非置換のアルキル基であることが好ましく、特にメチル基が好ましい。
前記単位式において、2官能型シロキサン単位全体に対する、水素原子を有する第1の2官能型シロキサン単位のモル比率、すなわちn/(n+m)の値は、10%以上65%以下(0.1〜0.65)である。前記モル比率(n/(n+m))が10%未満の場合には、架橋剤として作用が不十分となり、硬化物を得ることが難しい。また、モル比率(n/(n+m))が65%を超えても架橋剤としての作用が不十分となり、その結果、未反応の成分が残ってブリードが生じやすくなる。
また、このような(B2)第2のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの1分子中のケイ素原子の数(すなわち重合度)は、大きすぎるとゲル特性が得られないことから、通常5〜500個である。組成物の取扱作業性および得られる硬化物の特性(低弾性率、低応力)が良好となることから、ケイ素原子の数は、好ましくは5〜100個、より好ましくは10〜80個である。
(B2)成分としては、より具体的に、式:(CHSiO1/2で表される1官能型シロキサン単位(以下、M単位と示す。)および/または式:(CHHSiO1/2で表される1官能型シロキサン単位(以下、M単位と示す。)と、式:(CH)HSiO2/2で表される2官能型シロキサン単位(以下、D単位と示す。)と、式:(CHSiO2/2で表される2官能型シロキサン単位(以下、D単位と示す。)とから構成される共重合体が好ましい。特に、M単位とD単位とD単位とから構成される共重合体が好ましい。
(B2)第2のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のシリコーンゲル組成物において、(B2)成分の配合量は、(B2)成分の有する水素原子が、前記(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合したアルケニル基1個あたり0.05〜1.0個、好ましくは0.1〜0.8個となる量である。
(B2)成分の水素原子が、(A)成分のアルケニル基1個あたり0.05個より少ない場合には、硬化物が得られなくなる。また、1.0個より多い場合は、低弾性率かつ低応力で所望の針入度を有するゲル硬化物が得られない。
<(C)白金系触媒>
(C)成分は、前記(A)成分のアルケニル基と、前記(B1)成分および(B2)成分の水素原子との付加反応(ヒドロシリル化反応)を促進する触媒である。(C)成分は白金系触媒(白金または白金系化合物)であり、公知のものを使用することができる。その具体例としては、白金ブラック、塩化白金酸、塩化白金酸等のアルコール変性物;塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニル基含有シロキサンまたはアセチレンアルコール類等との錯体などが例示される。
(C)成分の配合量は有効量でよく、所望の硬化速度により適宜増減することができる。通常、前記(A)成分、(B1)成分および(B2)成分の合計量に対して、白金原子の質量に換算して0.1〜1000ppmとなる量である。より好ましくは1〜300ppmの範囲である。(C)白金系触媒の配合量が0.1質量ppm未満では、硬化性が著しく低下し、1000質量ppmを超えても、硬化特性に変化はなく経済的ではない。
<その他の任意成分>
本発明のシリコーンゲル組成物には、前記(A)成分、(B1)成分、(B2)成分および(C)成分以外にも、本発明の目的を損なわない範囲で任意成分を配合することができる。この任意成分としては、例えば、反応抑制剤、無機質充填剤、ケイ素原子に結合した水素原子およびアルケニル基を含有しないオルガノポリシロキサン、耐熱性付与剤、難燃性付与剤、チクソ性付与剤、顔料、染料等が挙げられる。
反応抑制剤は、前記組成物の反応を抑制するための成分であって、例えば、アセチレン系、アミン系、カルボン酸エステル系、亜リン酸エステル系等の反応抑制剤、具体的には、1−エチニル−シクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、トリアリルイソシアヌレート、ビニル基含有環状シロキサン4量体等が挙げられる。
無機質充填剤としては、例えば、ヒュームドシリカ、結晶性シリカ、沈降性シリカ、中空フィラー、シルセスキオキサン、ヒュームド二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機質充填剤;これらの充填剤をオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物で表面疎水化処理した充填剤等が挙げられる。また、シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー等を配合してもよい。なお、シリコーンゲル硬化物の柔軟性を維持させるためには、無機質充填剤は少ない方がよく、無機質充填剤を含まない方がより好ましい。
本発明のシリコーンゲル組成物の粘度は、電子部品等に充填しやすく、脱泡しやすいことから、23℃において回転粘度計で測定した値として、100〜3000mPa・sの範囲が好ましい。さらに好ましい範囲は200〜2000mPa・sである。
本発明のシリコーンゲル組成物は、前記(A)成分、(B1)成分、(B2)成分および(C)成分(任意成分が配合される場合には、任意成分も含む。)を常法に準じて混合することにより調製することができる。その際に、混合される成分を必要に応じて2パートまたはそれ以上のパートに分割して混合してもよい。例えば、(A)成分の一部と(C)成分からなるパートと、(A)成分の残部と(B1)成分および(B2)成分からなるパートとに分割して混合することも可能である。
その後、本発明の組成物を常温もしくは用途に応じた温度条件下で硬化させることにより、シリコーンゲル硬化物が得られる。硬化温度は、例えば20〜200℃、硬化時間は例えば0.5〜24時間である。
本発明のシリコーンゲル組成物は、電気・電子部品の封止もしくは充填に好適している。
[シリコーンゲル硬化物]
本発明のシリコーンゲル組成物の硬化物(シリコーンゲル硬化物)は、イソプロパノール抽出による質量減少率が、10質量%以下であることが好ましい。この質量減少率は、イソプロパノールによる硬化物からの抽出量に対応し、質量減少率を10質量%以下とすることで、シリコーンゲル硬化物からのブリードが抑制され、またシリコーンゲル硬化物の耐久性が向上される。
なお、この質量減少率は、次のようにして算出される値である。すなわち、まず、シリコーンゲル組成物を前記条件で硬化させる。そして、得られた硬化物1gを40gのイソプロパノールに浸漬し、常温で7日間放置した後、硬化物をイソプロパノールから取り出して質量を計測する。計測された質量から質量減少量を求め、質量減少量の浸漬前の硬化物の質量に対する比率を算出して、質量減少率とする。すなわち、硬化物の浸漬前の質量をW、浸漬後の質量をWとすると、イソプロパノール抽出による質量減少率(%)は、以下の式で算出される。
質量減少率(%)=100(1−W/W
また、本発明のシリコーンゲル硬化物は、ASTM D1403の規定に準じて測定される針入度が10〜200であることが好ましく、10〜100であることがより好ましく、30〜90であることがさらに好ましい。針入度が10未満であると、シリコーンゲル組成物が硬化する際の応力に耐えきれず、電子回路の一部が破断したり、硬化物内部にクラックが生成したりする場合がある。また、針入度が200を超えると、硬化物が十分な形状保持能力を持たないため、充填、硬化したシリコーンゲルが回路から流出する場合がある。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
以下の記載において、「部」は「質量部」を示す。また、M単位、M単位、D単位およびD単位は、それぞれ前記した通りである。
合成例1(メチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-1))の合成)
温度計、還流管および窒素パージ用ガラス管を備えた500mlセパラブルフラスコに単位式:MD 56Mで表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン158.2gと、単位式:MMで表されるヘキサメチルジシロキサン10.2gと、単位式:Dで表されるオクタメチルシクロテトラシロキサン129.2g、および活性白土2.5gを入れ、窒素雰囲気下75℃で4時間撹拌しながら加熱し、平衡化反応を行った。
次いで、反応液を、ろ過助剤を用いたろ紙で吸引ろ過して活性白土を取り除き、無色透明のメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-1)を得た。
得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-1)は、出発物質の仕込み量から、単位式:MD 2316Mで表されるものであることがわかる。このメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-1)における、2官能型シロキサン単位全体(D単位+D単位)のモル数に対する、水素原子を有する2官能型シロキサン単位(D単位)のモル比率(以下、n/(n+m)と示す。)は、59%(0.59=23/(23+16))である。また、上式から求められるSiH基の含有割合は、8.4mmol/gであった。
合成例2(メチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-2)の合成)
温度計、還流管および窒素パージ用ガラス管を備えた500mlセパラブルフラスコに単位式:MD 56Mで表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン50.5gと、ヘキサメチルジシロキサン4.8gと、オクタメチルシクロテトラシロキサン241.8g、および活性白土3.1gを入れ、窒素雰囲気下75℃で4時間撹拌しながら加熱し、平衡化反応を行った。
次いで、反応液を、ろ過助剤を用いたろ紙で吸引ろ過して活性白土を取り除き、無色透明のメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-2)を得た。
得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-2)は、出発物質の仕込み量から、単位式:MD 1875Mで表されるものであることがわかる。このメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-2)におけるn/(n+m)は、19%(0.19=18/(18+75))である。また、上式から求められるSiH基の含有割合は、2.7mmol/gであった。
合成例3(メチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-3)の合成)
温度計、還流管および窒素パージ用ガラス管を備えた500mlセパラブルフラスコに単位式:Mで表されるテトラメチルハイドロジェンジシロキサン10.7gと、オクタメチルシクロテトラシロキサン248.0gと、単位式:D で表されるヘキサメチルシクロテトラハイドロジェンシロキサン38.3g、および活性白土3.0gを入れ、窒素雰囲気下75℃で4時間撹拌しながら加熱し、平衡化反応を行った。
次いで、反応液を、ろ過助剤を用いたろ紙で吸引ろ過して活性白土を取り除き、無色透明のメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-3)を得た。
得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-3)は、出発物質の仕込み量から、単位式:M 42で表されるものであることがわかる。このメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-3)におけるn/(n+m)は、16%(0.16=8/(8+42))である。また、上式から求められるSiH基の含有割合は、2.1mmol/gであった。
合成例4(メチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-4)の合成)
温度計、還流管および窒素パージ用ガラス管を備えた500mlセパラブルフラスコに単位式:MD 56Mで表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン173.4gと、ヘキサメチルジシロキサン9.9gと、オクタメチルシクロテトラシロキサン114.2g、および活性白土2.8gを入れ、窒素雰囲気下75℃で4時間撹拌しながら加熱し、平衡化反応を行った。
次いで、反応液を、ろ過助剤を用いたろ紙で吸引ろ過して活性白土を取り除き、無色透明のメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-4)を得た。
得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-4)は、出発物質の仕込み量から、平均単位式:MD 2514Mで表されるものであることがわかる。このメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-4)におけるn/(n+m)は、64%(0.64=25/(25+14))である。また、上式から求められるSiH基の含有割合は、9.3mmol/gであった。
合成例5(メチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-5)の合成)
温度計、還流管および窒素パージ用ガラス管を備えた500mlセパラブルフラスコに単位式:MD 56Mで表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン178.2gと、ヘキサメチルジシロキサン9.3gと、オクタメチルシクロテトラシロキサン109.5g、および活性白土3.0gを入れ、窒素雰囲気下75℃で4時間撹拌しながら加熱し、平衡化反応を行った。
次いで、反応液を、ろ過助剤を用いたろ紙で吸引ろ過して活性白土を取り除き、無色透明のメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-5)を得た。
得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-5)は、出発物質の仕込み量から、単位式:MD 2613Mで表されるものであることがわかる。このメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-5)におけるn/(n+m)は、67%(0.67=26/(26+13))である。また、上式から求められるSiH基の含有割合は、9.7mmol/gであった。
合成例6(メチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-6)の合成)
温度計、還流管、滴下ロートおよび窒素パージ用ガラス管を備えた500mlセパラブルフラスコに、メチルジクロロシラン287.0gと、トリメチルクロロシラン13.0gを入れ、水をゆっくりと滴下して、クロロシラン類を加水分解した。
次いで、反応液を中和処理した後、ろ過助剤を用いたろ紙で吸引ろ過し、無色透明のメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-6)を得た。
得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-6)は、出発物質の仕込み量から、単位式:MD 56Mで表されるものであることがわかる。このメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-6)におけるn/(n+m)は、100%(1.00=56/(56+0))である。また、上式から求められるSiH基の含有割合は、15.9mmol/gであった。
合成例7(メチルハイドロジェンポリシロキサン(B1)の合成)
温度計、還流管および窒素パージ用ガラス管を備えた500mlセパラブルフラスコに単位式:Mで表されるテトラメチルハイドロジェンジシロキサン24.7gと、オクタメチルシクロテトラシロキサン272.3g、および活性白土3.0gを入れ、窒素雰囲気下75℃で4時間撹拌しながら加熱し、平衡化反応を行った。
次いで、反応液を、ろ過助剤を用いたろ紙で吸引ろ過して活性白土を取り除き、無色透明のメチルハイドロジェンポリシロキサン(B1)を得た。
得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、出発物質の仕込み量から、平均単位式:M20で表されるものであることがわかる。この両末端ジメチルハイドロジェンシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン(B1)におけるSiH基の含有割合は、1.2mmol/gであった。
実施例1
(A-1)粘度が350mPa・sの両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン70部と、(A-2)粘度が3000mPa・sの両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン30部と、(B1)合成例7で得られた両末端ジメチルハイドロジェンシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン7.0部と、合成例1で得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-1)0.32部と、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを配位子とする白金錯体溶液(白金原子含有量:2質量%)0.004部、および1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.014部を、均一に混合してシリコーンゲル組成物を調製した。
得られた組成物において、ケイ素原子に結合したビニル基の含有量は、14.06mmol/gであった。また、ケイ素原子に結合したビニル基1個あたりのケイ素原子に結合した水素原子の数(以下、H/Vi比という。)は、(B1)両末端ジメチルハイドロジェンシリル基封鎖ジメチルポリシロキサンからの水素原子については0.56、合成例1で得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-1)からの水素原子については0.18であり、(B1)からの水素原子と(B2-1)からの水素原子との合計では0.74であった。
実施例2〜4、比較例1,2
合成例1で得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-1)の代わりに、合成例2〜6で得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-2)〜(B2-6)をそれぞれ使用した。これらを、表1に示す割合で配合し、実施例1と同様に混合してシリコーンゲル組成物を調製した。
これらの組成物において、ケイ素原子に結合したビニル基の含有量を表1に示す。また、合成例2〜6で得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-2)〜(B2-6)からの水素原子についてのH/Vi比、およびこれら(B2)成分からの水素原子と(B1)からの水素原子との合計についてのH/Vi比を、表1に示す。
実施例5〜7
表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、実施例1と同様に混合してシリコーンゲル組成物を調製した。
これらの組成物において、ケイ素原子に結合したビニル基の含有量、合成例1で得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン(B2-1)からの水素原子についてのH/Vi比、および(B2-1)からの水素原子と(B1)からの水素原子との合計についてのH/Vi比を、それぞれ表1に示す。
次に、実施例1〜7および比較例1〜2で得られたシリコーンゲル組成物を、80℃で60分間加熱して硬化させた。そして、硬化物の針入度を、ASTM D1403の規定に準じて測定した。
また、実施例1〜7および比較例1〜2の組成物から得られたシリコーンゲル硬化物について、イソプロパノール抽出による質量減少量を以下の方法で測定し、質量減少率を算出した。結果を、シリコーンゲル組成物の粘度、硬化物の針入度と併せて表1に示す。
(質量減少率)
50mlガラス瓶中に、実施例1〜7および比較例1,2の組成物1gを収容して硬化させた。放冷後にガラス瓶にイソプロパノール40gを充填し、23℃で7日放置してイソプロパノール抽出を行った。その後イソプロパノールを除去し、硬化物を150℃、1時間で乾燥させた後、質量を測定した。硬化物の初期の質量と、イソプロパノール抽出後の質量により質量減少量を求め、質量減少率を算出した。
Figure 2020029536
上記表1から、以下のことがわかる。すなわち、本発明に規定する(A)成分、(B1)成分、(B2)成分および(C)成分を所定の組成で配合してなる実施例1〜7のシリコーンゲル組成物は、硬化物のイソプロパノール抽出による質量減少率が10質量%以下に抑えられていることがわかる。そして、イソプロパノール抽出成分は、硬化物からのブリードの汚染源になることから、本発明の実施例1〜7のシリコーンゲル組成物によれば、長期使用時にも硬化物からのブリードを抑制できることがわかる。
これに対して、(B2)成分として、n/(n+m)が65%を超えるメチルハイドロジェンポリシロキサンを配合した比較例1〜2のシリコーンゲル組成物は、硬化物のイソプロパノール抽出による質量減少率が10質量%を超えている。したがって、比較例1〜2のシリコーンゲル組成物では、長期使用の際の硬化物からのブリードが大きくなることがわかる。
本発明のシリコーンゲル組成物によれば、耐熱性に優れるとともに、その耐久性にも優れ、長期使用時のブリードを抑制することで長期間の使用に適したシリコーンゲル硬化物を得ることができる。そして、このシリコーンゲル硬化物は、車載電子部品、家庭用電子部品等の保護材料として好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. (A)分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有し、23℃における粘度が10〜100,000mPa・sであるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン100質量部と、
    (B1)ケイ素原子に結合した水素原子を有するポリシロキサンであって、該水素原子が分子鎖末端のケイ素原子にのみ結合した第1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを、前記水素原子が前記(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合したアルケニル基1個あたり0.05〜0.8個となる量と、
    (B2)式:R SiO1/2(式中、Rは、それぞれ独立に、水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基である。)で表される1官能型シロキサン単位と、式:RHSiO2/2(式中、Rは、置換もしくは非置換のアルキル基である。)で表される第1の2官能型シロキサン単位と、式:R SiO2/2(式中、Rは前記の通りである。)で表される第2の2官能型シロキサン単位をそれぞれ含有し、前記第1の2官能型シロキサン単位の2官能型シロキサン単位全体に対するモル比率が10%以上65%以下である第2のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを、該成分の有する水素原子が、前記(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合したアルケニル基1個あたり0.05〜1.0個となる量、および
    (C)白金系触媒の有効量
    を含むことを特徴とするシリコーンゲル組成物。
  2. 前記シリコーンゲル組成物の硬化物のイソプロパノール抽出による質量減少率が、10質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のシリコーンゲル組成物。(ただし、前記イソプロパノール抽出による質量減少率は、硬化物1gをイソプロパノール40gに浸漬して常温で7日間放置した後の質量減少量の、浸漬前の硬化物の質量に対する割合である。)
  3. 前記(A)成分であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、直鎖状であり、分子鎖両末端のケイ素原子にそれぞれ結合したアルケニル基を有する、請求項1または2に記載のシリコーンゲル組成物。
  4. 前記シリコーンゲル組成物の硬化物のASTM D1403の規定に準じて測定される針入度は、10〜200である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコーンゲル組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコーンゲル組成物を加熱硬化させてなるシリコーンゲル硬化物。
JP2018157287A 2018-08-24 2018-08-24 シリコーンゲル組成物、およびシリコーンゲル硬化物 Active JP7152220B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018157287A JP7152220B2 (ja) 2018-08-24 2018-08-24 シリコーンゲル組成物、およびシリコーンゲル硬化物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018157287A JP7152220B2 (ja) 2018-08-24 2018-08-24 シリコーンゲル組成物、およびシリコーンゲル硬化物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020029536A true JP2020029536A (ja) 2020-02-27
JP7152220B2 JP7152220B2 (ja) 2022-10-12

Family

ID=69623824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018157287A Active JP7152220B2 (ja) 2018-08-24 2018-08-24 シリコーンゲル組成物、およびシリコーンゲル硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7152220B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021001257A (ja) * 2019-06-20 2021-01-07 信越化学工業株式会社 室温硬化型シリコーンゴム組成物
WO2024121942A1 (ja) * 2022-12-06 2024-06-13 ダウ・東レ株式会社 オルガノポリシロキサン組成物、その硬化物、電子部品封止剤、電子部品、および半導体チップの保護方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014115456A1 (ja) * 2013-01-22 2014-07-31 信越化学工業株式会社 熱伝導性シリコーン組成物、熱伝導性層及び半導体装置
JP2019014779A (ja) * 2017-07-04 2019-01-31 信越化学工業株式会社 シリコーンゲル組成物及びその硬化物並びにパワーモジュール

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014115456A1 (ja) * 2013-01-22 2014-07-31 信越化学工業株式会社 熱伝導性シリコーン組成物、熱伝導性層及び半導体装置
JP2019014779A (ja) * 2017-07-04 2019-01-31 信越化学工業株式会社 シリコーンゲル組成物及びその硬化物並びにパワーモジュール

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021001257A (ja) * 2019-06-20 2021-01-07 信越化学工業株式会社 室温硬化型シリコーンゴム組成物
WO2024121942A1 (ja) * 2022-12-06 2024-06-13 ダウ・東レ株式会社 オルガノポリシロキサン組成物、その硬化物、電子部品封止剤、電子部品、および半導体チップの保護方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7152220B2 (ja) 2022-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4933179B2 (ja) 硬化性シリコーンゴム組成物及びその硬化物
JP4644129B2 (ja) 硬化性シリコーンゴム組成物及びその硬化物
JP5983566B2 (ja) 付加硬化性液状シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴム硬化物
JP3595731B2 (ja) 半導体装置封止用付加硬化型シリコーン組成物及び半導体装置
EP3147330B1 (en) Addition-curable liquid silicone rubber composition
US8809469B2 (en) Curable organopolysiloxane composition, optical device sealing material, and optical device
JP6658428B2 (ja) シリコーンゲル組成物及びその硬化物並びにパワーモジュール
JP6965346B2 (ja) ダイボンディング用硬化性シリコーン組成物
JP6344333B2 (ja) 付加硬化性シリコーンゴム組成物
KR101468459B1 (ko) 열경화성 실리콘 고무 조성물
JP2005344106A (ja) シリコーンゲル組成物
JP6070488B2 (ja) 付加硬化性液状シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴム硬化物
JP2004182758A (ja) 難燃性シリコーン組成物
JP4834032B2 (ja) 硬化性組成物
JP7152220B2 (ja) シリコーンゲル組成物、およびシリコーンゲル硬化物
JP4703374B2 (ja) シリコーンゲル組成物
JP4767481B2 (ja) 硬化性組成物
JP7147966B2 (ja) 自己接着性シリコーンゲル組成物及びその硬化物からなるシリコーンゲル
JP2010109034A (ja) 発光ダイオード素子用シリコーン樹脂組成物及び発光ダイオード素子
JP2004231824A (ja) オルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物
JPH08253685A (ja) 硬化性シリコーン組成物
JP6998905B2 (ja) 付加硬化型シリコーン組成物、硬化物及び光半導体素子
JPH09286919A (ja) 硬化性オルガノポリシロキサン組成物およびその硬化物
JP2022543963A (ja) 熱伝導性シリコーン組成物
JP2000169714A (ja) 硬化性シリコーン組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220622

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7152220

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150