JP4466600B2 - 電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法 - Google Patents

電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法に関するものである。
従来、電動車両、例えば、電気自動車においては、電動機械として駆動モータが配設され、ハイブリッド型車両においては、第1、第2の電動機械として駆動モータ及び発電機が配設されるようになっている。そして、前記駆動モータ及び発電機は、いずれも、回転自在に配設され、N極及びS極の永久磁石から成る磁極対を備えたロータ、該ロータより径方向外方に配設され、U相、V相及びW相のステータコイルを備えたステータ等を備える。
そして、駆動モータ又は発電機を駆動し、駆動モータのトルクである駆動モータトルク、又は発電機のトルクである発電機トルクを発生させるために、電動駆動装置が配設される。駆動モータを駆動するために駆動モータ制御装置が、発電機を駆動するために発電機制御装置が、電動機械制御装置として配設され、前記駆動モータ制御装置及び発電機制御装置において発生させられたU相、V相及びW相のパルス幅変調信号をインバータに送り、該インバータにおいて発生させられた相電流、すなわち、U相、V相及びW相の電流を前記各ステータコイルに供給することによって、前記駆動モータトルクを発生させたり、発電機トルクを発生させたりするようになっている。
前記駆動モータ制御装置においては、ロータにおける磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御が行われる。そのために、前記駆動モータ制御装置は、各ステータコイルに供給される電流、ロータの磁極位置、インバータの入口の直流電圧等を検出し、検出された電流、すなわち、検出電流を磁極位置に基づいてd軸電流及びq軸電流に変換し、続いて、電流指令値マップを参照してd軸電流及びq軸電流の目標値を表すd軸電流指令値及びq軸電流指令値を算出し、前記d軸電流とd軸電流指令値との偏差、q軸電流とq軸電流指令値との偏差、及び駆動モータのパラメータに基づいてd軸電圧及びq軸電圧の目標値を表すd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を算出するようにしている。
そして、前記電流指令値マップには、駆動モータトルクの目標値を表す駆動モータ目標トルク、前記直流電圧及び角速度に対応させてd軸電流指令値及びq軸電流指令値が記録される。なお、前記パラメータは、逆起電圧定数MIf、各ステータコイルの巻線抵抗Ra、インダクタンスLd、Lq等から成り、d軸とq軸との間の干渉を抑制するために、干渉項の演算を行うのに使用される(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−150996号公報
しかしながら、前記従来の電動機械制御装置においては、駆動モータ又は発電機の駆動状態によって前記インダクタンスLd、Lqが変動し、制御系の特性が変化してしまい、駆動モータ又は発電機を安定させて駆動することができない。
本発明は、前記従来の電動機械制御装置の問題点を解決して、制御系の特性が変化するのを防止することができ、電動機械を安定させて駆動することができる電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法を提供することを目的とする。
そのために、本発明の電動駆動制御装置においては、電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて電流指令値を算出する電流指令値算出処理手段と、前記電流指令値と前記電動機械に供給される電流との電流偏差を算出する偏差算出処理手段と、前記電流が変化したときの変化量が互いに異なる、磁束を電流で除算した値を表す第1のインダクタンス、及び磁束を電流で微分した値を表す第2のインダクタンスを算出するパラメータ算出処理手段と、前記第1のインダクタンスに基づいて干渉項の演算を行う干渉項演算処理手段と、前記電流偏差及び第2のインダクタンスに基づいて比例項及び積分項の演算を行う比例積分項演算処理手段と、前記干渉項、比例項及び積分項に基づいて電圧指令値を算出する電圧指令値調整処理手段とを有する。
本発明の電動駆動制御方法においては、電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて電流指令値を算出し、該電流指令値と前記電動機械に供給される電流との電流偏差を算出し、前記電流が変化したときの変化量が互いに異なる、磁束を電流で除算した値を表す第1のインダクタンス、及び磁束を電流で微分した値を表す第2のインダクタンスを算出し、前記第1のインダクタンスに基づいて干渉項の演算を行い、前記電流偏差及び第2のインダクタンスに基づいて比例項及び積分項の演算を行い、前記干渉項、比例項及び積分項に基づいて電圧指令値を算出する。
本発明によれば、電動駆動制御装置においては、電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて電流指令値を算出する電流指令値算出処理手段と、前記電流指令値と前記電動機械に供給される電流との電流偏差を算出する偏差算出処理手段と、前記電流が変化したときの変化量が互いに異なる、磁束を電流で除算した値を表す第1のインダクタンス、及び磁束を電流で微分した値を表す第2のインダクタンスを算出するパラメータ算出処理手段と、前記第1のインダクタンスに基づいて干渉項の演算を行う干渉項演算処理手段と、前記電流偏差及び第2のインダクタンスに基づいて比例項及び積分項の演算を行う比例積分項演算処理手段と、前記干渉項、比例項及び積分項に基づいて電圧指令値を算出する電圧指令値調整処理手段とを有する。
この場合、前記第1のインダクタンスに基づいて干渉項の演算が行われ、前記電流偏差及び第2のインダクタンスに基づいて比例項及び積分項の演算が行われるので、広範囲の運転領域に対して制御系の特性を一定にすることができ、電動機械制御装置の安定性を高くすることができる。また、電流を電流指令値にするための電動機械制御装置の応答性を高くすることができる。
したがって、電動機械の駆動状態によって、制御系の特性が変化することがなくなり、電動機械を安定させて駆動することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、電動車両としての電気自動車、ハイブリッド型車両等に搭載され、電動機械として駆動モータを駆動するようにした電動駆動装置、及び該電動駆動装置を作動させるための電動駆動制御装置について説明する。
図1は本発明の実施の形態における電流制御部のブロック図、図2は本発明の実施の形態における電動駆動装置の概念図、図3は本発明の実施の形態における駆動モータ制御装置の要部を示すブロック図、図4は本発明の実施の形態における最大駆動モータ目標トルクマップを示す図、図5は本発明の実施の形態における第1の電流指令値マップを示す図、図6は本発明の実施の形態における第2の電流指令値マップを示す図、図7は本発明の実施の形態における駆動モータの特性図、図8は本発明の実施の形態におけるスタティックインダクタンスの特性図、図9は本発明の実施の形態におけるダイナミックインダクタンスの特性図、図10は本発明の実施の形態における第1のインダクタンスマップを示す図、図11は本発明の実施の形態における第2のインダクタンスマップを示す図である。なお、図4において、横軸に角速度ωを、縦軸に最大駆動モータ目標トルクTMmax* を、図5において、横軸に駆動モータ31のトルクである駆動モータトルクの目標値を表す駆動モータ目標トルクTM* を、縦軸にd軸電流指令値id* を、図6において、横軸にd軸電流指令値id* を、縦軸にq軸電流指令値iq* を、図7において、横軸にd(q)軸電流id(iq)を、縦軸に磁束φd(φq)を、図8において、横軸にd(q)軸電流id(iq)を、縦軸にスタティックインダクタンスLds(Lqs)を、図9において、横軸にd(q)軸電流id(iq)を、縦軸にダイナミックインダクタンスLdd(Lqd)を、図10において、横軸に駆動モータ目標トルクTM* を、縦軸にスタティックインダクタンスLds(Lqs)を、図11において、横軸に駆動モータ目標トルクTM* を、縦軸にダイナミックインダクタンスLdd(Lqd)を採ってある。
図において、31は駆動モータであり、該駆動モータ31は、例えば、電気自動車の駆動軸等に取り付けられ、回転自在に配設された図示されないロータ、及び該ロータより径方向外方に配設されたステータを備える。前記ロータは、ロータコア、及びロータコアの円周方向における複数箇所に等ピッチで配設された永久磁石を備え、該永久磁石のS極及びN極によって磁極対が構成される。また、前記ステータは、円周方向における複数箇所に、径方向内方に向けて突出させてティースが形成されたステータコア、並びに前記ティースに巻装されたU相、V相及びW相のコイルとしてのステータコイル11〜13を備える。
前記ロータの出力軸に、該ロータの磁極位置を検出するための磁極位置検出部として磁極位置センサ21が配設され、該磁極位置センサ21は、センサ出力として磁極位置信号SGθを発生させ、電動機械制御装置としての駆動モータ制御装置45に送る。なお、磁極位置検出部として前記磁極位置センサ21に代えてレゾルバを配設し、該レゾルバによって磁極位置信号を発生させることができる。
そして、前記駆動モータ31を駆動して電気自動車を走行させるために、バッテリ14からの直流の電流が、電流発生装置としてのインバータ40によって相電流、すなわち、U相、V相及びW相の電流Iu、Iv、Iwに変換され、各相の電流Iu、Iv、Iwはそれぞれ各ステータコイル11〜13に供給される。
そのために、前記インバータ40は、6個のスイッチング素子としてのトランジスタTr1〜Tr6を備え、ドライブ回路51において発生させられた駆動信号を各トランジスタTr1〜Tr6に送り、各トランジスタTr1〜Tr6を選択的にオン・オフさせることによって、前記各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させることができるようになっている。前記インバータ40として、2〜6個のスイッチング素子を一つのパッケージに組み込むことによって形成されたIGBT等のパワーモジュールを使用したり、IGBTにドライブ回路等を組み込むことによって形成されたIPMを使用したりすることができる。
前記バッテリ14からインバータ40に電流を供給する際の入口側に電圧検出部としての電圧センサ15が配設され、該電圧センサ15は、インバータ40の入口側の直流電圧Vdcを検出し、駆動モータ制御装置45に送る。なお、直流電圧Vdcとしてバッテリ電圧を使用することもでき、その場合、前記バッテリ14に電圧検出部としてバッテリ電圧センサが配設される。
そして、前記駆動モータ31、インバータ40、ドライブ回路51、図示されない駆動輪等によって電動駆動装置が構成される。また、17はコンデンサである。
ところで、前記ステータコイル11〜13はスター結線されているので、各相のうちの二つの相の電流の値が決まると、残りの一つの相の電流の値も決まる。したがって、各相の電流Iu、Iv、Iwを制御するために、例えば、U相及びV相のステータコイル11、12のリード線に、U相及びV相の電流Iu、Ivを検出する電流検出部としての電流センサ33、34が配設され、該電流センサ33、34は、検出された電流を検出電流iu、ivとして駆動モータ制御装置45に送る。
該駆動モータ制御装置45には、コンピュータとして機能する図示されないCPUのほかに、データを記録したり、各種のプログラムを記録したりするためのRAM、ROM等の図示されない記録装置が配設され、該記録装置に第1、第2の電流指令値マップが設定される。なお、CPUに代えてMPUを使用することができる。
そして、前記ROMには、各種のプログラム、データ等が記録されるようになっているが、プログラム、データ等を、外部記憶装置として配設されたハードディスク等の他の記録媒体に記録することもできる。その場合、例えば、前記駆動モータ制御装置45にフラッシュメモリを配設し、前記記録媒体から前記プログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリに記録する。したがって、外部の記録媒体を交換することによって、前記プログラム、データ等を更新することができる。
次に、前記駆動モータ制御装置45の動作について説明する。
まず、前記駆動モータ制御装置45の図示されない位置検出処理手段は、位置検出処理を行い、前記磁極位置センサ21から送られた磁極位置信号SGθを読み込み、該磁極位置信号SGθに基づいて磁極位置θを検出する。また、前記位置検出処理手段の回転速度算出処理手段は、回転速度算出処理を行い、前記磁極位置信号SGθに基づいて駆動モータ31の角速度ωを算出する。なお、前記回転速度算出処理手段は、磁極数をpとしたとき、前記角速度ωに基づいて駆動モータ31の回転速度である駆動モータ回転速度NM
NM=60・(2/p)・ω/2π
も算出する。該駆動モータ回転速度NMによって電動機械回転速度が構成される。
また、前記駆動モータ制御装置45の図示されない検出電流取得処理手段は、検出電流取得処理を行い、前記検出電流iu、ivを読み込んで取得するとともに、検出電流iu、ivに基づいて検出電流iw
iw=−iu−iv
を算出することによって取得する。
次に、前記駆動モータ制御装置45の図示されない駆動モータ制御処理手段は、駆動モータ制御処理を行い、駆動モータ目標トルクTM* 、検出電流iu、iv、iw、磁極位置θ、直流電圧Vdc等に基づいて駆動モータ31を駆動する。なお、本実施の形態においては、前記駆動モータ制御装置45において、ロータにおける磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御が行われるようになっている。
そのために、前記駆動モータ制御装置45の図示されない車速検出処理手段は、車速検出処理を行い、前記駆動モータ回転速度NMに基づいて、駆動モータ回転速度NMに対応する車速Vを検出し、検出された車速Vを、電気自動車の全体の制御を行う図示されない車両制御装置に送る。そして、該車両制御装置の車両用指令値算出処理手段は、車両用指令値算出処理を行い、前記車速V及びアクセル開度αを読み込み、車速V及びアクセル開度αに基づいて車両要求トルクTO* を算出し、該車両要求トルクTO* に対応させて駆動モータ目標トルクTM* を発生させ、前記駆動モータ制御装置45に送る。
そして、該駆動モータ制御装置45において、前記駆動モータ制御処理手段は、駆動モータ目標トルクTM* に基づいて駆動モータ31を駆動するために、トルク指令値制限処理手段としてのトルク指令値制限部22、電流指令値設定処理手段としての電流指令値設定部46、弱め界磁制御処理手段としての弱め界磁制御部47、電圧指令値設定処理手段としての電圧指令値設定部48、三相二相変換部49、及び出力信号発生処理手段としてのPWM発生器50を備える。
前記電流指令値設定部46は、電流指令値設定処理を行うために、第1の軸電流指令値設定処理手段として、d軸電流指令値算出部(最大トルク制御部)53及び減算器55を、第2の軸電流指令値設定処理手段としてq軸電流指令値算出部(等トルク制御部)54を備え、d軸電流指令値算出部53及び減算器55は、第1の軸電流指令値設定処理を行い、d軸電流idの目標値を表す第1の電流指令値としてのd軸電流指令値id* を算出し、前記q軸電流指令値算出部54は、第2の軸電流指令値設定処理を行い、q軸電流iqの目標値を表す第2の電流指令値としてのq軸電流指令値iq* を算出する。なお、前記d軸電流指令値算出部53によって第1の電流指令値算出処理手段及び最大トルク制御処理手段が、q軸電流指令値算出部54によって第2の電流指令値算出処理手段及び等トルク制御部処理手段が、前記減算器55によって電流指令値調整処理手段が構成される。
また、前記弱め界磁制御部47は、弱め界磁制御処理を行うために、電圧飽和指標算出処理手段としての減算器58、及び電圧飽和判定処理手段としての、かつ、弱め界磁電流算出処理手段としてのd軸電流調整制御部59を備え、弱め界磁制御処理を行い、直流電圧Vdc(又はバッテリ電圧)が低くなったり、角速度ω(又は駆動モータ回転速度NM)が高くなったりすると、自動的に弱め界磁制御を行う。なお、前記d軸電流調整制御部59は積分器によって構成される。
そして、前記三相二相変換部49は、三相/二相変換を行い、磁極位置θを読み込み、検出電流iu、iv、iwをd軸電流id及びq軸電流iqに変換し、d軸電流id及びq軸電流iqを実電流として算出し、電圧指令値設定部48に送る。
該電圧指令値設定部48は、電圧指令値設定処理を行うために、電流制御処理手段としての、かつ、軸電圧指令値設定処理手段としての電流制御部61、及び電圧制御処理手段としての、かつ、第2の相変換処理手段としての電圧制御部62を備える。
また、前記PWM発生器50は、出力信号発生処理を行い、パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを出力信号として発生させ、前記ドライブ回路51に送る。
該ドライブ回路51は、前記各相のパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを受けて6個の駆動信号を発生させ、該各駆動信号をインバータ40に送る。該インバータ40は、前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwに基づいて、トランジスタTr1〜Tr6をスイッチングして各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させ、該各相の電流Iu、Iv、Iwを前記駆動モータ31の各ステータコイル11〜13に供給する。
このように、駆動モータ目標トルクTM* に基づいてトルク制御が行われ、駆動モータ31が駆動されて電気自動車が走行させられる。
次に、前記電流指令値設定部46の動作について説明する。
この場合、前記電流指令値設定部46は、駆動モータ目標トルクTM* 、角速度ω及び直流電圧Vdcを読み込み、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を算出する。
そのために、前記車両用指令値算出処理手段から駆動モータ制御装置45に駆動モータ目標トルクTM* が送られると、前記トルク指令値制限部22は、トルク指令値制限処理を行い、前記直流電圧Vdc、角速度ω及び駆動モータ目標トルクTM* を読み込み、前記記録装置に設定された図4の最大駆動モータ目標トルクマップを参照し、前記直流電圧Vdc及び角速度ωに対応する最大駆動モータ目標トルクTMmax* を読み込み、駆動モータ目標トルクTM* が最大駆動モータ目標トルクTMmax* を超えないように制限する。
前記最大駆動モータ目標トルクマップにおいて、角速度ωが所定の値ω1以下である場合、最大駆動モータ目標トルクTMmax* は一定の値を採り、角速度ωが値ω1を超えると、最大駆動モータ目標トルクTMmax* は曲線状に小さくされる。角速度ωが値ω1を超える領域において、最大駆動モータ目標トルクTMmax* は、直流電圧Vdcが高いほど大きく、直流電圧Vdcが低いほど小さく設定される。なお、前記最大駆動モータ目標トルクマップによって最大電動機械目標トルクマップが、前記最大駆動モータ目標トルクTMmax* によって最大電動機械目標トルクが構成される。
続いて、前記d軸電流指令値算出部53は、第1の電流指令値算出処理及び最大トルク制御処理を行い、前記トルク指令値制限部22において制限された駆動モータ目標トルクTM* を読み込み、前記記録装置に設定された図5の第1の電流指令値マップを参照し、前記駆動モータ目標トルクTM* に対応するd軸電流指令値id* を読み出すことによって算出し、該d軸電流指令値id* を減算器55に送る。
この場合、前記第1の電流指令値マップにおいて、d軸電流指令値id* は、駆動モータ目標トルクTM* を達成するために電流振幅指令値の絶対値が最も小さくなるように設定される。そして、前記第1の電流指令値マップにおいて、駆動モータ目標トルクTM* が正又は負の値を採るのに対して、d軸電流指令値id* は負の値を採り、駆動モータ目標トルクTM* が零(0)である場合、d軸電流指令値id* は零にされ、駆動モータ目標トルクTM* が正又は負の方向に大きくなるにつれてd軸電流指令値id* は負の方向に大きくなるように設定される。
このようにして、d軸電流指令値id* が算出されると、前記q軸電流指令値算出部54は、第2の電流指令値算出処理及び等トルク制御部処理を行い、前記トルク指令値制限部22において制限された駆動モータ目標トルクTM* 、及び減算器55から送られたd軸電流指令値id* を読み込み、図6の第2の電流指令値マップを参照し、駆動モータ目標トルクTM* 及びd軸電流指令値id* に対応するq軸電流指令値iq* を読み出すことによって算出し、該q軸電流指令値iq* を前記電流制御部61に送る。
なお、前記第2の電流指令値マップにおいて、駆動モータ目標トルクTM* が大きくなるほどd軸電流指令値id* が負の方向に、q軸電流指令値iq* が正又は負の方向に大きくなり、駆動モータ目標トルクTM* が小さくなるほどd軸電流指令値id* が負の方向に小さくなり、q軸電流指令値iq* が正又は負の方向に小さくなるように設定される。また、駆動モータ目標トルクTM* が一定の場合、d軸電流指令値id* が負の方向に大きくなると、q軸電流指令値iq* が正又は負の方向に小さくなる。
次に、弱め界磁制御部47の動作について説明する。
ところで、前記駆動モータ31においては、ロータが回転するのに伴って逆起電力が発生するが、駆動モータ回転速度NMが高くなるほど駆動モータ31の端子電圧が高くなり、該端子電圧が閾(しきい)値を超えると、電圧飽和が発生し、駆動モータ31による出力が不可能になってしまう。
そこで、前記電圧制御部62の図示されない変調率算出処理手段は、変調率算出処理を行い、前記d軸電圧指令値vd* 、q軸電圧指令値vq* 及び直流電圧Vdcを読み込み、電圧振幅|v|
Figure 0004466600
を、理論上の最大の電圧Vmax
Vmax=0.78×Vdc
によって除算することにより、変調率m
Figure 0004466600
を算出して減算器58に送る。なお、前記変調率mは、電圧振幅|v|の程度を表す値である。
そして、前記減算器58は、電圧飽和指標算出処理を行い、前記変調率mを読み込むとともに、図示されない変調率指令値算出部においてあらかじめ算出された変調率mの指令値、すなわち、変調率指令値kを読み込み、電圧飽和の程度を表す指標である電圧飽和指標Δm
Δm=m−k
を算出し、電圧飽和指標Δmをd軸電流調整制御部59に送る。
続いて、該d軸電流調整制御部59は、電圧飽和判定処理及び弱め界磁電流算出処理を行い、制御タイミングごとに前記電圧飽和指標Δmを積算し、積算値ΣΔmを算出し、該積算値ΣΔmが正の値を採るかどうかによって電圧飽和が生じているかどうかを判断し、積算値ΣΔmが正の値を採り、電圧飽和が生じている場合、積算値ΣΔmに比例定数を乗算して弱め界磁制御を行うための調整値としての弱め界磁電流Δidを算出して設定し、積算値ΣΔmが零以下の値を採り、電圧飽和が生じていない場合、前記弱め界磁電流Δidを零にする。
そして、弱め界磁電流Δidは減算器55に送られ、該減算器55は、弱め界磁電流Δidを受けると、電流指令値調整処理を行い、前記d軸電流指令値id* から弱め界磁電流Δidを減算することによってd軸電流指令値id* を調整し、調整したd軸電流指令値id* を電流制御部61に送る。
この場合、弱め界磁電流Δidが零の値を採るとき、実質的にd軸電流指令値id* の調整は行われず、弱め界磁制御も行われない。一方、弱め界磁電流Δidが正の値を採るとき、d軸電流指令値id* は調整されて値が負の方向に大きくされ、弱め界磁制御が行われる。
したがって、図6に示されるように、減算器55に送られたd軸電流指令値id* の値がida* であるときに、弱め界磁電流Δidが零であって弱め界磁制御が行われない場合は、q軸電流指令値算出部54において、値ida* に対応するq軸電流指令値iq* の値iqa* が読み出される。これに対して、弱め界磁電流Δidが正の値を採り、弱め界磁制御が行われる場合、例えば、減算器55及びq軸電流指令値算出部54において、d軸電流指令値id* は、負の方向に弱め界磁電流Δidだけ大きい値idb* にされる。したがって、q軸電流指令値算出部54においてq軸電流指令値iq* は値iqa* より正の方向に小さくされて、値iqb* になる。
続いて、前記電圧指令値設定部48の動作について説明する。
前記電流制御部61は、電流制御処理及び軸電圧指令値設定処理を行い、減算器55を介してd軸電流指令値算出部53から送られたd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値算出部54から送られたq軸電流指令値iq* を受け、三相二相変換部49から前記d軸電流id及びq軸電流iqを受けるとともに、駆動モータ目標トルクTM* 及び電圧速度比Vdc/ωを読み込んでフィードバック制御を行う。なお、前記駆動モータ制御装置45の図示されない運転状態変数算出処理手段は、運転状態変数算出処理を行い、直流電圧Vdcを角速度ωで除算することによって、駆動モータ31の運転状態を表す変数として、前記電圧速度比Vdc/ωを算出する。
そして、前記フィードバック制御において、前記電流制御部61は、前記d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* に基づいて、第1、第2の軸電圧指令値としてのd軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* を算出し、設定する。
そのために、電流制御部61は、前記d軸電流指令値id* とd軸電流idとの電流偏差Δid、及びq軸電流指令値iq* とq軸電流iqとの電流偏差Δiqを算出し、各電流偏差Δid、Δiq及び駆動モータ31のパラメータに基づいて、比例制御及び積分制御から成る比例積分項演算を行う。
そして、前記電圧制御部62は、電圧制御処理及び相電圧指令値設定処理を行い、d軸電圧指令値vd* 、q軸電圧指令値vq* 、直流電圧Vdc及び磁極位置θを読み込み、二/三相変換によって、第1〜第3の相電圧指令値としての電圧指令値vu* 、vv* 、vw* を算出し、PWM発生器50に送る。
なお、前記d軸電圧指令値vd* 、q軸電圧指令値vq* 及び電圧指令値vu* 、vv* 、vw* によって電圧指令値が構成される。
ところで、前記パラメータは、逆起電圧定数MIf、各ステータコイルの巻線抵抗Ra、インダクタンスLd、Lq等から成り、d軸とq軸との間の干渉を抑制するために、干渉項の演算を行うのに使用される。
ところが、駆動モータ31を駆動する際の運転状態によって前記インダクタンスLd、Lqが変動するが、それに伴って、制御系の特性が変化すると、駆動モータ31を安定させて駆動することができない。
そこで、本実施の形態においては、前記インダクタンスLd、Lqとして、第1のインダクタンスとしてのスタティックインダクタンスLds、Lqsを使用し、第2のインダクタンスとしてのダイナミックインダクタンスLdd、Lqdを使用するようにしている。
次に、スタティックインダクタンスLds、Lqs及びダイナミックインダクタンスLdd、Lqdについて説明する。
ところで、電圧速度比Vdc/ωを一定にして、d軸電流id(q軸電流iq)を零から大きくしていくときに、コイルによって発生させられる磁束φd(φq)を測定すると、図7に示されるように、d軸電流id(q軸電流iq)が大きくなるのに伴って磁束φd(φq)が大きくなることが分かる。また、磁束φd(φq)はd軸電圧vd(q軸電圧vq)に比例する。したがって、d軸電流id(q軸電流iq)が小さい領域においては、d軸電流id(q軸電流iq)がわずかに変化するだけで、磁束φd(φq)を大きく変化させ、d軸電圧vd(q軸電圧vq)を大きく変化させることができる。これに対して、d軸電流id(q軸電流iq)が大きい領域においては、d軸電流id(q軸電流iq)を変化させても、磁束φd(φq)はほとんど変化させることができず、d軸電圧vd(q軸電圧vq)を変化させることができない。
そこで、磁束φd(φq)をd軸電流id(q軸電流iq)で除算したものをスタティックインダクタンスLds、Lqsとすると、
Lds=φd/id
Lqs=φq/iq
になり、図8に示されるような、d軸電流id(q軸電流iq)とスタティックインダクタンスLds、Lqsとの関係を得ることができる。この場合、d軸電流id(q軸電流iq)を零から大きくしたときのスタティックインダクタンスLds、Lqsは、わずかずつ小さくなる。
また、磁束φd(φq)をd軸電流id(q軸電流iq)で微分したものをダイナミックインダクタンスLdd、Lqdとすると、
Figure 0004466600
になり、図9に示されるような、d軸電流id(q軸電流iq)とダイナミックインダクタンスLdd、Lqdとの関係を得ることができる。この場合、d軸電流id(q軸電流iq)が小さい領域においては、ダイナミックインダクタンスLdd、Lqdが大きくなり、d軸電流id(q軸電流iq)が大きい領域においては、ダイナミックインダクタンスLdd、Lqdが小さくなり、また、d軸電流id(q軸電流iq)が小さい領域で、d軸電流id(q軸電流iq)の変化量に対するd軸電圧指令値vd* (q軸電圧指令値vq* )の変化量を大きくし、d軸電流id(q軸電流iq)が大きい領域で、d軸電流id(q軸電流iq)の変化量に対するd軸電圧指令値vd* (q軸電圧指令値vq* )の変化量を小さくすることができる。
このように、前記スタティックインダクタンスLds、Lqs及びダイナミックインダクタンスLdd、Lqdは、d軸電流id(q軸電流iq)が変化したときの変化量が互いに異ならせられる。なお、前記スタティックインダクタンスLds、Lqs及びダイナミックインダクタンスLdd、Lqdを算出するに当たり、前記磁束φd(φq)としては計算値又は推定値が使用される。
次に、前記電流制御部61の詳細について説明する。
図1に示されるように、電流制御部61は、第1、第2の電圧指令値算出処理手段としての電圧指令値算出部78、79を備える。
該電圧指令値算出部78は、第1の偏差算出処理手段としての減算器81、第1の比例積分項演算処理手段としてのPI項演算部82、第1の干渉項演算処理手段としての干渉項演算部83、第1のパラメータ算出処理手段としてのインダクタンス算出部(Ld(Vdc/ω,TM* ))84、及び第1の電圧指令値調整処理手段としての加算器85を備え、d軸電流idとd軸電流指令値id* との偏差を表す電流偏差Δidに基づいて、d軸電流idがd軸電流指令値id* になるようにフィードバック制御を行う。
また、電圧指令値算出部79は、第2の偏差算出処理手段としての減算器86、第2の比例積分項演算処理手段としてのPI項演算部87、第2の干渉項演算処理手段としての干渉項演算部88、第2のパラメータ算出処理手段としてのインダクタンス算出部(Lq(Vdc/ω,TM* ))89、及び第2の電圧指令値調整処理手段としての加算器90を備え、q軸電流iqとq軸電流指令値iq* との偏差を表す電流偏差Δiqに基づいて、q軸電流iqがq軸電流指令値iq* になるようにフィードバック制御を行う。
そのために、前記電圧指令値算出部78において、前記減算器81は、偏差算出処理を行い、d軸電流id及びd軸電流指令値id* を読み込み、電流偏差Δidを算出し、PI項演算部82に送る。
ところで、電圧指令値算出部78においてフィードバック制御を行うに当たり、d軸電流idが小さい領域においては、d軸電流idの変化量に対するd軸電圧指令値vd* の変化量を大きくするのが好ましく、d軸電流idが大きい領域においては、d軸電流idの変化量に対するd軸電圧指令値vd* の変化量を小さくするのが好ましい。
そのために、インダクタンス算出部84は、第1のパラメータ算出処理を行い、電圧速度比Vdc/ω及び駆動モータ目標トルクTM* を読み込み、図10及び11のインダクタンスマップを参照し、d軸上のスタティックインダクタンスLds、及びd軸上のダイナミックインダクタンスLddを算出し、スタティックインダクタンスLdsを干渉項演算部83に、ダイナミックインダクタンスLddをPI項演算部82に送るようにしている。
そして、PI項演算部82は、第1の比例積分項演算処理を行い、電流偏差Δid及びダイナミックインダクタンスLddを読み込み、電流偏差Δid及びダイナミックインダクタンスLddに基づいて電圧降下Vzdを算出し、加算器85に送る。そのために、前記PI項演算部82は、比例項演算処理手段としての比例項演算部、積分項演算処理手段としての積分項演算部、及び電圧降下算出処理手段としての加算器を備える。
そして、前記比例項演算部は、比例項演算処理を行い、ダイナミックインダクタンスLddに従って、ダイナミックインダクタンスLddの関数で表される比例項演算用のゲインGpd(Ldd)を算出し、電流偏差Δid及びゲインGpd(Ldd)に基づいて比例項の電圧指令値を表す電圧降下Vzdp
Vzdp=Gpd(Ldd)・Δid
を比例項演算値として算出する。また、前記積分項演算部は、積分項演算処理を行い、電流偏差Δid及び積分項演算用のゲインGidに基づいて積分項の電圧指令値を表す電圧降下Vzdi
Vzdi=Gid・ΣΔid
を積分項演算値として算出する。さらに、前記加算器85は、電圧降下算出処理を行い、電圧降下Vzdp、Vzdiを加算して、電圧降下Vzd
Vzd=Vzdp+Vzdi
=Gpd(Ldd)・Δidp+Gid・ΣΔid
を算出する。
また、干渉項演算部83は、第1の干渉項演算処理を行い、角速度ω、逆起電圧定数MIf、d軸電流指令値id* 及びスタティックインダクタンスLdsを読み込み、角速度ω、逆起電圧定数MIf、d軸電流指令値id* 及びスタティックインダクタンスLdsに基づいて、干渉項のd軸電流idによって誘起される誘起電圧eq
eq=−ω(MIf+Lds・id*
を算出し、加算器90に送る。
一方、電圧指令値算出部79において、減算器86は、偏差算出処理を行い、q軸電流iq及びq軸電流指令値iq* を読み込み、電流偏差Δiqを算出し、PI項演算部87に送る。
ところで、電圧指令値算出部79においてフィードバック制御を行うに当たり、q軸電流iqが小さい領域においては、q軸電流iqの変化量に対するq軸電圧指令値vq* の変化量を大きくするのが好ましく、q軸電流iqが大きい領域においては、q軸電流iqの変化量に対するq軸電圧指令値vq* の変化量を小さくするのが好ましい。
そのために、インダクタンス算出部89は、第2のパラメータ算出処理を行い、電圧速度比Vdc/ω及び駆動モータ目標トルクTM* を読み込み、図10及び11のインダクタンスマップを参照し、q軸上のスタティックインダクタンスLqs、及びq軸上のダイナミックインダクタンスLqdを算出し、スタティックインダクタンスLqsを干渉項演算部88に、ダイナミックインダクタンスLqdをPI項演算部87に送るようにしている。
そして、PI項演算部87は、第2の比例積分項演算処理を行い、電流偏差Δiq及びダイナミックインダクタンスLqdを読み込み、電流偏差Δiq及びダイナミックインダクタンスLqdに基づいて電圧降下Vzqを算出し、加算器90に送る。そのために、前記PI項演算部87は、比例項演算処理手段としての比例項演算部、積分項演算処理手段としての積分項演算部、及び電圧降下算出処理手段としての加算器を備える。
そして、前記比例項演算部は、比例項演算処理を行い、ダイナミックインダクタンスLqdに従って、ダイナミックインダクタンスLqdの関数で表される比例項演算用のゲインGpq(Lqd)を算出し、電流偏差Δiq及びゲインGpd(Lqd)に基づいて比例項の電圧指令値を表す電圧降下Vzqp
Vzqp=Gpq(Lqd)・Δiq
を比例項演算値として算出する。また、前記積分項演算部は、積分項演算処理を行い、電流偏差Δiq及び積分項演算用のゲインGiqに基づいて積分項の電圧指令値を表す電圧降下Vzqi
Vzqi=Giq・ΣΔiq
を積分項演算値として算出する。さらに、前記加算器90は、電圧降下算出処理を行い、電圧降下Vzqp、Vzqiを加算して、電圧降下Vzq
Vzq=Vzqp+Vzqi
=Gpq(Lqd)・Δiq+Giq・ΣΔiq
を算出する。
また、干渉項演算部88は、第2の干渉項演算処理を行い、角速度ω、q軸電流指令値iq* 及びスタティックインダクタンスLqsを読み込み、角速度ω、q軸電流指令値iq* 及びスタティックインダクタンスLqsに基づいて、干渉項のq軸電流iqによって誘起される誘起電圧ed
ed=−ω・Lqs・iq*
を算出し、加算器85に送る。
続いて、前記加算器85は、PI項演算部82から送られた電圧降下Vzdとインダクタンス算出部88から送られた誘起電圧edとを加算し、出力電圧としてのd軸電圧指令値vd*
vd* =Vzd+ed
=Vzd−ω・Lqs・iq*
を算出する。また、加算器90は、PI項演算部87から送られた電圧降下Vzqと干渉項演算部83から送られた誘起電圧eqとを加算し、出力電圧としてのq軸電圧指令値vq*
vq* =Vzq+eq
=Vzq+ω(MIf+Lds・id*
を算出する。
このようにして、d軸電流偏差δidが零になるように、d軸電圧指令値vd* が発生させられ、q軸電流偏差δiqが零になるように、q軸電圧指令値vq* が発生させられ、d軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* が電圧制御部62に送られる。
なお、本実施の形態においては、第1の干渉項演算処理において、誘起電圧eqを算出するに当たり、d軸電流指令値id* が使用され、第2の干渉項演算処理において、誘起電圧edを算出するに当たり、q軸電流指令値iq* が使用されるようになっているが、それぞれ、d軸電流指令値id* に代えてd軸電流idを、q軸電流指令値iq* に代えてq軸電流iqを使用することができる。
ところで、干渉項には、干渉項に必要なそのときの磁束を求めるために必要なスタティックインダクタンスが使用され、PI項には、比例項ゲインに必要なそのときの磁束の変化量を求めるために必要なダイナミックインダクタンスが使用されるので、駆動モータ31の駆動状態によって、制御系の特性が変化することがなくなり、広範囲の運転領域に対して制御系の特性を一定にすることができ、駆動モータ31を安定させて駆動することができる。
本実施の形態においては、電動機械としての駆動モータについて説明しているが、本発明を電動機械としての発電機に適用することができる。また、電動車両としての電気自動車について説明しているが、本発明をハイブリッド型車両に適用することができる。この場合、ハイブリッド型車両には、第1の電動機械としての駆動モータ、及び第2の電動機械としての発電機が配設される。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の実施の形態における電流制御部のブロック図である。 本発明の実施の形態における電動駆動装置の概念図である。 本発明の実施の形態における駆動モータ制御装置の要部を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における最大駆動モータ目標トルクマップを示す図である。 本発明の実施の形態における第1の電流指令値マップを示す図である。 本発明の実施の形態における第2の電流指令値マップを示す図である。 本発明の実施の形態における駆動モータの特性図である。 本発明の実施の形態におけるスタティックインダクタンスの特性図である。 本発明の実施の形態におけるダイナミックインダクタンスの特性図である。 本発明の実施の形態における第1のインダクタンスマップを示す図である。 本発明の実施の形態における第2のインダクタンスマップを示す図である。
符号の説明
31 駆動モータ
53 d軸電流指令値算出部
54 q軸電流指令値算出部
81、86 減算器
82、87 PI項演算部
83、88 干渉項演算部
84、89 インダクタンス算出部
85、90 加算器

Claims (4)

  1. 電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて電流指令値を算出する電流指令値算出処理手段と、前記電流指令値と前記電動機械に供給される電流との電流偏差を算出する偏差算出処理手段と、前記電流が変化したときの変化量が互いに異なる、磁束を電流で除算した値を表す第1のインダクタンス、及び磁束を電流で微分した値を表す第2のインダクタンスを算出するパラメータ算出処理手段と、前記第1のインダクタンスに基づいて干渉項の演算を行う干渉項演算処理手段と、前記電流偏差及び第2のインダクタンスに基づいて比例項及び積分項の演算を行う比例積分項演算処理手段と、前記干渉項、比例項及び積分項に基づいて電圧指令値を算出する電圧指令値調整処理手段とを有することを特徴とする電動駆動制御装置
  2. 記パラメータ算出処理手段は、電圧速度比及び電動機械目標トルクに対応する第1、第2のインダクタンスを算出する請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  3. 前記比例積分項演算処理手段は、第2のインダクタンスに基づいて比例項演算用のゲインを算出する請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  4. 電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクに基づいて電流指令値を算出し、該電流指令値と前記電動機械に供給される電流との電流偏差を算出し、前記電流が変化したときの変化量が互いに異なる、磁束を電流で除算した値を表す第1のインダクタンス、及び磁束を電流で微分した値を表す第2のインダクタンスを算出し、前記第1のインダクタンスに基づいて干渉項の演算を行い、前記電流偏差及び第2のインダクタンスに基づいて比例項及び積分項の演算を行い、前記干渉項、比例項及び積分項に基づいて電圧指令値を算出することを特徴とする電動駆動制御方法。
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