JP4460282B2 - 高アミロースデンプンを合成するトランスジェニック植物 - Google Patents

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Description

本発明は、遺伝的に改変されていない対応する野生型植物の植物細胞と比較して、遺伝的な改変によって、R1タンパク質およびBEIタンパク質およびBEIIタンパク質の活性の低下が導かれるような、遺伝的に改変された植物細胞および植物に関連する。さらに、本発明は、それらを生産するための手段および方法に関連する。そのタイプの植物細胞および植物は、少なくとも75%のアミロース含量を有し、および、遺伝的に改変されていない対応する野生型植物のデンプンと比較して、リン酸含量が減少しており、かつ/または改変された側鎖分布を有し、かつ/または、テクスチャーアナライザーにおけるゲル強度が増加しており、かつい/または、改変されたデンプン粒の形態を有し、かつ/または、改変された平均デンプン粒サイズを有するという点で特徴付けられる、改変されたデンプンを合成する。したがって、本発明は、本発明の植物細胞および植物によって合成されることが可能なデンプン、ならびに本デンプンを生産するための方法にも関連する。
過去数年において、再生可能な原料源としての植物成分の重要性が増していることに関して、バイオテクノロジー分野における研究課題の1つは、これらの原料を、加工産業における要求に適合させられるよう努めることである。再生可能な原料源の、できるだけ多くの分野における適用を可能にするためには、非常に多様な物質を得ることがさらに必要である。
油、脂質およびタンパク質と同様に、多糖類は、植物に由来する必須の再生可能な原料源である。多糖類のうち、デンプンは、セルロースに加えて中心的な役割を果たすものである。それは、高等植物における最も重要な貯蔵物質の1つである。デンプンのできるだけ幅広い適用を可能にするために、異なる目的のために特に適している改変されたデンプンを合成できるような植物を提供することが望ましいと考えられる。そのような植物を提供する1つの可能性は、栽培することを別にして、デンプン生産植物のデンプンの代謝を、遺伝子操作によって意図的に遺伝的改変することである。
多糖類デンプンは、化学的に均一の基礎的要素−グルコース分子のポリマーである。しかし、それは、それらの重合度およびグルコース鎖の分枝の発生に関して異なる、異分子形態の非常に複雑な混合物である。したがって、デンプンは、均一の原料ではない。デンプンには2つの化学的に異なる成分:アミロースおよびアミロペクチンがある。例えばトウモロコシ、コムギまたはジャガイモのような、デンプンの生産のために典型的に使用される植物においては、合成されるデンプンは、約20%〜30%のアミロースデンプンおよび約70%〜80%のアミロペクチンデンプンからなる。
アミロースは長い間、α-1,4-グリコシド結合されたα-D-グルコースモノマーからなる線状ポリマーと考えられていた。しかし、最近の研究においては、約0.1%のα-1,6-グリコシド分枝点の存在が証明された(HizukuriおよびTakagi, Carbohydr.Res. 134, (1984), 1〜10;Takedaら, Carbohydr.Res. 132, (1984), 83〜92)。
原則として、アミロースのアミロペクチンからの完全な分離は非常に難しいため、アミロースの質は、選択される分離法のタイプに著しく依存する。
アミロース含量を決定するためには異なる方法がある。これらの方法の幾つかは、電位差法により(BanksおよびGreenwood, W.BanksおよびC.T.Greenwood, 「デンプンおよびその成分(Starch and its components)」, 51〜66ページ, Edinburgh, Edinburgh University Press)、アンペロメトリック法により(Larsonら, Analytical Chemistry 25(5), (1953), 802〜804)、または分光光度計を用いて(MorrisonおよびLaignelet, J.Cereal Sc.1, (1983), 9〜20)決定することができる、アミロースのヨウ素結合能に基づく。アミロース含量の決定は、DSC(示差走査熱量測定)法(KugimiyaおよびDonovan, Journal of Food Science 46, (1981), 765〜770;SievertおよびHolm, Starch/Starke 45(4), (1993), 136〜139)によって熱量測定法を用いて行うこともできる。さらに、天然のデンプンまたは脱分枝デンプンのSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)を用いることによってアミロース含量を決定することが可能である。本方法は、遺伝的に改変されたデンプンのアミロース含量を決定するために特に推奨される(Gerardら, Carbohydrate Polymers 44, (2001), 19〜27)。
デンプンのアミロース含量を決定するために使用される解析法の選択は、様々な研究によって示され得るように、決定されるアミロース形態のサイズに決定的な影響を与える(Shiら, J.Cereal Science 27, (1998), 289〜299;Gerardら, Carbohydrate Polymers 44, (2001), 19〜27)。
アミロースとは対照的に、アミロペクチンはより高度に分枝しており、付加的なα-1,6-グリコシド結合の存在によって生じる、約4%の分枝点を示す。アミロペクチンは、異なって分枝したグルコース鎖の複合混合物である。
アミロースとアミロペクチンの間のさらなる本質的な相違は、分子量である。アミロースが、デンプンの起源に依存して5×105〜106 Daの分子量を有する一方、アミロペクチンの分子量は107〜108 Daの間である。双方の高分子は、それらの分子量によって、および、それらの異なるヨウ素結合能により最も単純な方法で明らかにすることが可能な、それらの異なる物理化学的特性によって、互いに識別されることが可能である。
デンプンの機能特性は、アミロース/アミロペクチン比およびリン酸含量とは別に、分子量、側鎖分布のパターン、イオン含量、脂質含量およびタンパク質含量、平均デンプン粒サイズおよびデンプン粒の形態等によって強く影響される。言及される重要な機能特性は、例えば、溶解度、老化特性、水結合能、膜形成特性、粘度、糊化特性、凍結融解安定性、酸安定性、ゲル強度等である。異なる適用のためには、デンプン粒サイズも重要となり得る。
アミロペクチンおよびアミロースの比は、デンプンの物理化学的特性に強い影響を与え、したがって、これらのデンプンの可能な適用に強い影響を与える。これらの2つの成分を分離するための方法は非常に時間がかかり、費用がかさむため、そのような方法は大きな技術規模においてはもはや使用されない(Yound, A.H.:「デンプンの化学および技術(Starch Chemistry and Technology)」, R.L.Whistler, J.N. BeMillerおよびE.F. Paschall編, Academic Press, New York, 1984, 249〜283)。複数の適用のためには、2つのポリマーのうち1つのみをなおも含むか、または2つのデンプン成分のうち少なくとも1つを、増加された形態でなおも含むデンプンを自由に用いることができることが望ましい。
これまでのところ、対応する野生型植物と比較して、改変されたアミロペクチン/アミロース比を示す、突然変異体および遺伝子操作によって作製された植物の双方について説明されている。
例えば、顆粒結合型デンプン合成酵素I(省略:GBSSI)(AkasukaおよびNelson, J.Biol.Chem.,241, (1966), 2280〜2285;Shureら, Cell 35, (1983), 225〜233)をコードする遺伝子における突然変異を示す、トウモロコシに由来するいわゆる「waxy」突然変異体は、本質的にアミロペクチンからなるデンプンを生産する。ジャガイモについては、半数体系統の化学的突然変異誘発によっても(Hovenkamp-Hermelinkら, Theor.Appl.Genet., 225, (1987), 217〜221)、および、GBSSI遺伝子のアンチセンス阻害によっても、そのデンプンが本質的にアミロペクチンデンプンからなるような遺伝子型が作製された。対応する野生型植物のデンプンと比較して、そのようなwaxyジャガイモデンプンは、リン酸含量、デンプン粒の形態、またはイオン含量に関しては相違を全く示さない(Visserら, Starch/Starke, 49, (1997), 438〜443)。
さらに、約50%または約70%のアミロース含量(ヨウ素結合能の電位差法による測定によって決定されるアミロース含量)を有するデンプンを示し、かつHylon V(登録商標)またはHylonVII(登録商標)(National Starch and Chemical Company, Bridgewater, NJ, USA)と呼ばれる、トウモロコシの突然変異体が商品として入手可能である。さらに、いわゆる「低アミロペクチンデンプン」(LAPS)を合成し、かつ約2.5%の高分子(「高分子量」)アミロペクチン含量、および約90%のアミロース含量(ヨウ素結合能の電位差法による決定)を示す、トウモロコシのハイブリッドについても説明されている(Shiら, J.Cereal Science 27, (1998), 289〜299)。
さらに、分枝酵素I(= BEI)遺伝子および分枝酵素II(= BEII)遺伝子のアンチセンス阻害によって、MorrisonおよびLaignelet(J.Cereal Sci. 1, (1983), 9〜20)により説明される方法に従ったアミロース含量の比色定量法での決定による、75%までのアミロース含量を示すジャガイモデンプンを合成する、トランスジェニックジャガイモ植物について説明されている(Schwallら, Nature Biotechn. 18, (2000), 551〜554)。これらのジャガイモデンプンは、対応する野生型植物と比較して6倍まで高い、デンプンのリン酸含量によって特徴付けられる。さらに、国際特許出願・国際公開公報第97/11188号では、それらのR1遺伝子およびBEI遺伝子のアンチセンス阻害によって、HovenkampおよびHermelinkによる方法(Potato Research 31, (1988), 241〜246)に従って決定された、70%より多いアミロース含量を有するデンプンを合成する、トランスジェニックジャガイモ植物について説明している。
75%より多い(HovenkampおよびHermelink(Potato Research 31, (1988), 241〜246)に従ったアミロース含量の比色定量法による決定)アミロース含量を有し、かつ同時に、対応する野生型植物と比較してリン酸含量が低下しているデンプンを合成するトランスジェニックジャガイモ植物細胞およびジャガイモ植物については、これまでのところ、最先端の技術においては説明されていない。同じことは、これらのジャガイモ植物細胞および植物から単離することが可能なジャガイモデンプン、およびそのようなデンプンを生産するための方法にも当てはまる。しかし、そのようなデンプンを提供することは、それらの物理化学的特性が様々な産業上の適用のために好都合に有用であることが期待できるため望ましい。
したがって、本発明の基礎にある技術的な課題は、75%より多い(HovenkampおよびHermelink(Potato Research 31, (1988), 241〜246)に従ったアミロース含量の比色定量法による決定)アミロース含量を有し、かつ遺伝的に改変されていない対応する野生型植物細胞および植物に由来するデンプンのリン酸含量と比較して、リン酸含量が減少したデンプンを合成する植物細胞および植物を提供すること、ならびにその構造的および/または機能的な特性において、最先端の技術において説明されるデンプンとは異なり、したがって、一般的な目的および/または特定の目的により適しているデンプンを提供することである。
この技術的な課題は、特許請求の範囲において特徴付けられる態様を提供することによって解決された。
したがって、本発明は、遺伝的に改変されていない対応する野生型植物の植物細胞と比較して、遺伝的な改変が、植物細胞において内在的に生じる1つまたは複数のR1タンパク質の活性の低下、および植物細胞において内在的に生じる1つまたは複数のBEIタンパク質の活性の低下および、植物細胞において内在的に生じる1つまたは複数のBEIIタンパク質の活性の低下を導くような、遺伝的に改変されたトランスジェニック植物細胞に関連する。
遺伝的な改変は、遺伝的に改変されていない対応する野生型植物の植物細胞と比較して、植物細胞において内在的に生じる1つまたは複数のR1タンパク質の活性の低下、および、植物細胞において内在的に生じる1つまたは複数のBEIタンパク質の活性の低下、および、植物細胞において内在的に生じる1つまたは複数のBEIIタンパク質の活性の低下を導く、任意の遺伝的な改変であることが可能である。
本文脈においては、「トランスジェニック」という用語は、遺伝的な改変によって、特に1つまたは複数の外来の核酸分子の導入によって、本発明の植物細胞が、遺伝的に改変されていない対応する植物細胞とはそれらの遺伝情報において異なることを意味する。
本文脈においては、「遺伝的に改変された」という用語は、植物細胞が、1つまたは複数の外来の核酸分子の導入によって、その遺伝情報において改変されていること、ならびにその外来の核酸分子の存在および/または発現が表現型の改変を導くことを意味する。本文脈においては、表現型の改変は、好ましくは、細胞の1つまたは複数の機能の測定可能な改変に関連する。遺伝的に改変されていない対応する野生型植物の植物細胞と比較して、本発明の遺伝的に改変された植物細胞は、例えば、植物細胞において内在的に生じる1つもしくはそれ以上のR1遺伝子の発現の減少、および、植物細胞において内在的に生じる1つもしくはそれ以上のBEI遺伝子の発現の減少、および、植物細胞において内在的に生じる1つもしくはそれ以上のBEII遺伝子の発現の減少を示し、ならびに/または、遺伝的に改変されていない対応する野生型植物の植物細胞と比較して、植物細胞において内在的に生じる1つもしくはそれ以上のR1タンパク質の活性の低下、および植物細胞において内在的に生じる1つもしくはそれ以上のBEIタンパク質の活性の低下、および植物細胞において内在的に生じる1つもしくはそれ以上のBEIIタンパク質の活性の低下を示す。
本発明の意味の範囲内において、「活性の低下」という用語は、細胞における、R1タンパク質、BEIタンパク質および/もしくはBEIIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少、ならびに/またはR1タンパク質、BEIタンパク質および/もしくはBEIIタンパク質の量の減少、ならびに/または細胞における、R1タンパク質、BEIタンパク質および/もしくはBEIIタンパク質の酵素活性の低下を意味する。
本発明の状況においては、「発現の減少」という用語は、対応する野生型植物細胞と比較した、本発明の植物細胞における各々の内在性遺伝子の転写産物の量の減少を指す。発現の減少は、例えば、R1タンパク質、BEIタンパク質またはBEIIタンパク質をコードする転写産物の量を、例えばノーザンブロット解析またはRT-PCRにより測定することによって決定することができる。本状況においては、減少とは、好ましくは、遺伝的に改変されていない対応する細胞と比較した、少なくとも50%、特に少なくとも70%、より好ましくは少なくとも85%、および最も好ましくは少なくとも95%の、転写産物の量の減少を意味する。
R1タンパク質、BEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質の量の減少は、例えば、ウエスタンブロット解析によって決定することができる。本文脈においては、減少とは、好ましくは遺伝的に改変されていない対応する細胞と比較した、少なくとも50%、特に少なくとも70%、より好ましくは少なくとも85%、および最も好ましくは少なくとも95%の、R1タンパク質、BEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質の量の減少を意味する。
R1タンパク質、BEIタンパク質およびBEIIタンパク質の酵素活性の低下を決定するための方法は、当業者には知られており、各タンパク質について個々に、下記にてさらに説明される。本発明の状況においては、「R1タンパク質」という用語は、例えばLorberthら(Nature Biotech. 16, (1998), 473〜477)および国際特許出願・国際公開公報第98/27212号、国際公開公報第00/77229号、国際公開公報第00/28052号において説明されている、以下の特徴を有するタンパク質に関連する。R1タンパク質の重要な特徴は、i)それらのアミノ酸配列(例えばGenBankアクセッション番号:A61831、Y09533を参照のこと);ii)植物細胞のプラスチドにおけるそれらの局在化;iii)植物におけるデンプンのリン酸化の程度に影響を与えるそれらの能力である。
さらに、「R1タンパク質」という用語は、3つの基質、a-ポリグルカン、ATPおよびH2Oが、3つの産物、a-ポリグルカン-P、AMPおよびオルトリン酸に転換されるジキナーゼタイプの反応において、デンプンのリン酸化の触媒作用をするタンパク質を指す(Ritteら, PNAS 99(10), (2002), 7166〜7171)。
トランスジェニックジャガイモ植物における、ジャガイモに由来するR1タンパク質をコードするR1遺伝子の阻害は、例えば、ジャガイモの塊茎から単離することが可能なデンプンのリン酸含量の減少を導く。さらに、Lorberthらは、対応するR1 cDNAが大腸菌において発現された場合、ジャガイモ(Solanum tuberosum)に由来するR1タンパク質が細菌のグリコーゲンをリン酸化し得ることを示すことが可能であった(Lorberthら, Nature Biotech. 16, (1998), 473〜477)。
Ritteら(Plant J. 21, (2000), 387〜391)は、ジャガイモ植物において、ジャガイモ(Solanum tuberosum)からのR1タンパク質が、デンプン粒に可逆的に結合し、ここでデンプン粒への結合の強度がその植物の代謝状況に依存することを示し得た。ジャガイモ植物においては、タンパク質は、暗条件下に維持された葉においては、主にデンプン粒結合形態で存在する。しかし、葉を光に曝露した後、タンパク質は、デンプン粒に結合されていない可溶性形態で主に存在する。
さらに、トランスジェニックジャガイモ植物またはその塊茎における、ジャガイモに由来するR1遺伝子の発現の阻害は、いわゆる「低温誘導糖化」の減少を導く(Lorberthら, Nature Biotech. 16, (1998), 473〜477)。
本発明の状況においては、「R1タンパク質」という用語は、配列番号:6の下に、またはGenBankアクセッション番号:Y09533もしくはA61831の下に述べられるアミノ酸配列に対して、少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の著しい相同性(同一性)を示し、かつ、例えばデンプンおよび/またはグリコーゲンのような多糖類のリン酸化の程度を改変することが可能であるタンパク質にも関連する。好ましくは、R1タンパク質はジャガイモに由来する(GenBankアクセッション番号:Y09533またはA61831)。
好ましくは、R1タンパク質は、本発明の態様において述べられるように、好都合にはストリンジェントな条件下において、配列番号:5の下に示されるヌクレオチド配列を有する核酸分子とハイブリダイズし、かつR1タンパク質の活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子によってコードされる。
本発明内において、「ハイブリダイゼーション」という用語は、例えばSambrookおよびRussell(2001), 「分子クローニング、実験マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manual)」, CSH Press, Cold Spring Harbour, NY, USAにおいて説明されるような、従来的なハイブリダイゼーション条件(「低いストリンジェンシー条件」とも呼ばれる)下における、好ましくは、ストリンジェントな条件(「高いストリンジェンシー条件」とも呼ばれる)下におけるハイブリダイゼーションを意味する。特に好ましい意味内においては、「ハイブリダイゼーション」という用語は、ハイブリダイゼーションが以下の条件下において起こることを意味する:
ハイブリダイゼーション緩衝液:2×SSC;10×Denhardt溶液(フィコール400+PEG+BSA;比率1:1:1);0.1% SDS;5 mM EDTA;50 mM Na2HPO4;ニシン***DNA 250μg/ml;tRNA 50μg/ml;または
0.25 M リン酸ナトリウム緩衝液、pH 7.2;
1 mM EDTA
7%SDS
ハイブリダイゼーション温度T = 60℃
洗浄緩衝液:2×SSC;0.1% SDS
洗浄温度T = 60℃。
配列番号:5の下に示されるヌクレオチド配列を有する核酸分子とハイブリダイズする核酸分子は、原則として、そのようなタンパク質を発現する任意の生物に由来するR1タンパク質をコードし得る。
そのようなハイブリダイズする核酸分子は、例えば、植物のゲノムライブラリまたはcDNAライブラリから単離することができる。または、それらは、遺伝子操作もしくは化学的合成によって調製することができる。
そのような核酸分子は、本明細書において開示されるようなR1タンパク質をコードする核酸分子、またはそのような分子の部分、またはそのような分子の逆相補鎖を使用して、例えば標準法に従ったハイブリダイゼーションによって、同定および単離することができる(例えばSambrookおよびRussell(2001), 「分子クローニング、実験マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manual)」, CSH Press, Cold Spring Harbour, NY, USAを参照のこと)。
配列番号:5において示されるものまたはその部分と、同じまたは実質的に同じヌクレオチド配列を有する核酸分子は、例えば、ハイブリダイゼーションプローブとして使用することができる。ハイブリダイゼーションプローブとして使用される断片は、通常の合成技術によって調製され、かつその配列が、本明細書において具体的に説明される核酸分子のものと、実質的に一致する合成断片であることも可能である。
ハイブリダイズする核酸分子は、配列番号:5の下に示されるヌクレオチド配列を有する核酸分子の断片、誘導体および対立遺伝子変種をも含む。本明細書においては、断片は、R1タンパク質をコードするのに十分長い核酸分子の部分を意味するものと理解される。本関連においては、誘導体という用語は、これらの核酸分子の配列が、1つまたは複数の位置において、上記に説明される核酸分子の配列とは異なること、および、そのような配列に対して高度の相同性を示すことを意味する。本文脈においては、相同性は、少なくとも40%の配列同一性、特に少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも80%、特に少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、および特に好ましくは少なくとも95%の同一性を意味する。最も好ましくは、相同性は、nが40〜100の間の整数である、即ち40 ≦n≦100である、少なくともn%の配列同一性を意味する。上記に説明される核酸分子からの偏差は、例えば、欠失、置換、挿入および/または組換えによってもたらされたものであってよい。
好ましくは、相同性の程度は、各々の配列を配列番号:5のコード領域のヌクレオチド配列と比較することによって決定される。比較される配列が同じ長さを有さない場合、相同性の程度は、好ましくは、より長い配列におけるヌクレオチド残基と同一のより短い配列におけるヌクレオチド残基のパーセンテージを指す。相同性の程度は、欧州分子生物学研究所(European Molecular Biology Laboratory, Meyerhofstrasse 1, D 69117 Heidelberg, Germany)のJulie Thompson([email protected])およびToby Gibson(Gibson@ EMBL-Heidelberg.DE)によって頒布されているClustalWプログラム(Thompsonら, Nucleic Acids Research 22, (1994), 4673〜4680)のような既知のコンピュータープログラムを用いて従来的に決定することができる。ClustalWは、IGBMC(Institut de Genetique et de Biologie Moleculaire et Cellulaire, B.P.163, 67404 Illkirch Cedex, France; ftp://ftp-igbmc.u-strasbg.fr/pub/)およびEBI(ftp://ftp.ebi.ac.uk/pub/software/)を含む幾つかのウェブサイト、およびEBI(European Bioinformatics Institute, Wellcome Trust Genome Campus, Hinxton, Cambridge CB10 1 SD, UK)の全てのミラーサイトからダウンロードすることもできる。
特定の配列が、例えば、本発明に従った参照配列に対して90%同一であるかどうかを決定するために、ClustalWプログラムバージョン1.8を用いる場合、 DNA配列アラインメントのための設定は以下のように行う:
KTUPLE = 2、TOPDIAGS = 4、PAIRGAP = 5、DNAMATRIX: IUB、GAPOPEN = 10、GAPEXT = 5、MAXDIV = 40、TRANSITIONS: 重み付けなし。
ClustalWプログラムバージョン1.8を用いたタンパク質の配列アラインメントのためには、設定は以下の通りである:
KTUPLE = 1、TOPDIAG = 5、WINDOW = 5、PAIRGAP = 3、GAPOPEN = 10、GAPEXTEND= 0.05、GAPDIST = 8、MAXDIV = 40、MATRIX: GONNET、ENDGAPS(OFF)、NOPGAP、NOHGAP。
さらに、相同性は、対応する核酸分子またはそれによりコードされるタンパク質の間に機能的および/または構造的な同等性が存在することを意味する。上記に説明される分子の1つに対して相同であり、かつこれらの分子の誘導体である核酸分子は、一般に、同じ生物学的機能を有する改変を示す、これらの分子の変種である。それらは、例えば他の微生物に由来する配列のような天然に生じる変種か、または、突然変異体のいずれかであることが可能であり、突然変異体は、天然に形成されたもの、または意図的な突然変異誘発によって作製されたものであることが可能である。さらに、変種は、合成によって作製された配列であることが可能である。対立遺伝子変種は、例えば、天然に生じる変種、または合成によって作製される変種、または組換えDNA技術によって作製される変種であることが可能である。
配列番号:5の下に示されるヌクレオチド配列を有する核酸分子の、異なる変種によってコードされるタンパク質は、それらが共通にもつある特徴を有する。これらは、例えば、酵素活性、分子量、免疫学的反応性、コンフォメーション等、および、例えばゲル電気泳動における移動挙動、クロマトグラフィーにおける挙動、沈降係数、溶解度、分光学的特性、安定性、最適pH、最適温度等のような物理学的特性を含む。
本発明の状況においては、「R1遺伝子」という用語は、上記に説明されるような「R1タンパク質」をコードする核酸分子(例えばcDNA、DNA)に関連する。R1タンパク質をコードする核酸分子については、例えばトウモロコシ(国際公開公報第98/27212 A1号)、イネ(国際公開公報第00/28052 A1号)およびコムギ(国際公開公報第00/77229 A1号)のような、様々な植物について説明されてきた。好ましくは、R1遺伝子はジャガイモに由来するものであり、ジャガイモに由来する、配列番号:5またはGenBankアクセッション番号:Y09533もしくはA61831の下に述べられるヌクレオチド配列を有するR1 cDNAが特に好ましい。
本発明の状況においては、「分枝酵素」または「BEタンパク質」(α-1,4-グルカン:α-1,4-グルカン 6-グリコシルトランスフェラーゼ、E.C.2.4.1.18)という用語は、α-1,4-グルカン供与体のα-1,4-結合が加水分解され、それによって解離されたα-1,4-グルカン鎖が、α-1,4-グルカン受容体鎖に転移され、それによってα-1,6-結合に転換される、糖転移反応を触媒作用するタンパク質に関連する。本発明の意味の範囲内においては、「BE遺伝子」という用語は、「BEタンパク質」をコードする遺伝子である。
本発明の状況においては、「BEIタンパク質」という用語は、アイソフォームIの分枝酵素(= BE)に関連し、好ましくは、BEIタンパク質はジャガイモ植物に由来する。
アイソフォームの名称は、Smith-WhiteおよびPreiss(Smith-WhiteおよびPreiss, Plant Mol.Biol.Rep. 12, (1994), 67〜71;Larssonら, Plant Mol.Biol. 37, (1998), 505〜511)によって提案された命名法に従う。この命名法では、アミノ酸レベル上において、配列番号:9(GenBankアクセッション番号:D11081;Babaら, Biochem.Biophys.Res.Commun. 181(1), (1991), 87〜94;Kimら, Gene 216, (1998), 233〜243)の下に示されるアミノ酸配列を有する、トウモロコシからのBEIタンパク質に対して、配列番号:10(GenBankアクセッション番号:AF072725、U65948)の下に示されるアミノ酸配列を有する、トウモロコシからのBEIIタンパク質に対するよりも、高い相同性(同一性)を示す全ての分枝酵素が、アイソフォームIの分枝酵素、または、手短にBEIタンパク質と呼ばれるものと想定される。
本発明の状況においては、「BEI遺伝子」という用語は、「BEIタンパク質」、好ましくはジャガイモ植物に由来するBEIタンパク質をコードする核酸分子(例えばcDNA、DNA)に関連する。そのような核酸分子は、例えばトウモロコシ(GenBankアクセッション番号:D11081、AF072724)、イネ(GenBankアクセッション番号:D11082)、エンドウ(GenBankアクセッション番号:X80010)およびジャガイモのような、数多くの植物について説明されてきた。例えばKhoshnoodiら(Eur.J.Biochem. 242(1), (1996), 148〜155)、GenBankアクセッション番号:Y08786によって、およびKossmannら(Mol.Gen.Genet. 230, (1991), 39〜44)によって、ジャガイモに由来する、BEI遺伝子またはBEIタンパク質の異なる形態について説明されている。ジャガイモ植物においては、BEI遺伝子は主に塊茎において発現され、葉においてはほとんど発現されない(Larssonら, Plant Mol.Biol. 37, (1998), 505〜511)。
好ましくは、本発明の態様において述べられるように、BEIタンパク質は、好都合には、ストリンジェントな条件下において、配列番号:7の下に示されるヌクレオチド配列を有する核酸分子とハイブリダイズし、かつ分枝酵素活性を有するポリペプチドをコードするような核酸分子によってコードされる。
R1タンパク質に関連して上記に定義付けられるような「ハイブリダイゼーション」という用語についての定義は、配列番号:7のヌクレオチド配列を有する核酸分子とハイブリダイズする核酸分子の定義に等しく適用される。好ましくは、本明細書において言及されるようなBEIタンパク質は、配列番号:8の下に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも60%、特に少なくとも75%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、およびさらにより好ましくは少なくとも95%の配列同一性を示す。
本発明の状況においては、「BEIIタンパク質」という用語は、アイソフォームIIの分枝酵素(= BE)に関連し、好ましくは、それはジャガイモ植物に由来する。本発明の意味の範囲内においては、アミノ酸レベルにおいて、トウモロコシに由来するBEIIタンパク質(GenBankアクセッション番号:AF072725、U65948)に対して、トウモロコシに由来するBEIタンパク質(GenBankアクセッション番号:D11081、AF072724)に対するよりも高い相同性(同一性)を示す全ての酵素は、BEIIタンパク質と呼ばれるものとする。
本発明の状況においては、「BEII遺伝子」という用語は、「BEIIタンパク質」、好ましくはジャガイモ植物に由来するBEIIタンパク質をコードする、核酸分子(例えばcDNA、DNA)に関連する。そのような核酸分子は、例えばジャガイモ(GenBankアクセッション番号:AJ000004、AJ011888、AJ011889、AJ011885、AJ011890)、トウモロコシ(AF072725、U65948)、オオムギ(AF064561)、イネ(D16201)およびコムギ(AF286319)のような、数多くの植物について説明されてきた。ジャガイモ植物においては、BEII遺伝子は、主に葉において発現され、塊茎においてはほとんど発現されない(Larssonら, Plant Mol.Biol. 37, (1998), 505〜511)。
好ましくは、本発明の態様において述べられるように、BEIIタンパク質は、好都合にはストリンジェントな条件下において、配列番号:3の下に示されるヌクレオチド配列を有する核酸分子とハイブリダイズし、かつ分枝酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子によってコードされる。
R1タンパク質に関連して上記に定義付けられるような、「ハイブリダイゼーション」という用語についての定義は、配列番号:3のヌクレオチド配列を有する核酸分子とハイブリダイズする核酸分子の定義について等しく適用される。好ましくは、本明細書において言及されるようなBEIIタンパク質は、配列番号:4の下に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも60%、特に少なくとも75%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、およびさらにより好ましくは少なくとも95%の配列同一性を示す。
本発明の好ましい態様においては、本発明のトランスジェニック植物細胞の遺伝的な改変は、1つまたは複数の外来の核酸分子の導入であって、その核酸分子の存在および/または発現により、遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞と比較して、R1タンパク質およびBEIタンパク質およびBEIIタンパク質の活性の低下が導かれるような、核酸分子の導入である。
好ましくは、この活性の低下は、R1タンパク質、BEIタンパク質およびBEIIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現を阻害することによって達成される。
本発明の植物細胞の作製は、当業者に既知の異なる方法によって、例えばR1タンパク質、BEIタンパク質またはBEIIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の阻害を導く方法によって達成することができる。これらは、例えば、対応するアンチセンスRNAの発現、コサプレッション効果を仲介する分子もしくはベクターの提供、R1タンパク質、BEIタンパク質もしくはBEIIタンパク質をコードする転写産物を特異的に切断する、状況に応じて構築されるリボザイムの発現、またはいわゆる「インビボの突然変異誘発」を含む。さらに、植物細胞におけるR1および/またはBEIおよび/またはBEIIの活性の低下は、その技術が一般にRNA干渉(RNAi)(BosherおよびLabouesse, Nature Cell Biology 2, (2000), E31〜E36;Waterhouseら, PNAS 95, (1998), 13959〜13964)と呼ばれる、抑制される標的遺伝子の、好ましくは、R1遺伝子および/またはBEI遺伝子および/またはBEII遺伝子の、センスRNA分子およびアンチセンスRNA分子の同時の発現によって引き起こすことも可能である。さらに、プロモーター配列を含む二重鎖RNA分子の使用によって、プロモーターの転写不活性化をもたらすことができる。
タンパク質の活性を低下させるためのこれらの方法およびさらなる方法は、下記にてさらに詳細を説明される。これらの全ての方法は、1つまたは複数の外来の核酸分子の、植物細胞のゲノムへの導入に基づく。
本発明の状況内においては、「外来の核酸分子」という用語は、対応する植物細胞においては天然には生じないか、または、実際の空間的秩序にて植物細胞において天然には生じないか、または、それが天然には生じないような植物細胞のゲノムの位置に位置するような分子であると理解される。外来の核酸分子は、好ましくは、様々な要素からなる組換え分子であって、その組み合わせまたは特定の空間的秩序が植物細胞において天然には生じないような組換え分子である。
外来の核酸分子は、例えば、1つもしくはそれ以上の内在性R1遺伝子の発現を阻害するための、ならびに、1つもしくはそれ以上のBEI遺伝子およびBEII遺伝子の発現を阻害するための、双方の遺伝情報を含むような、または、その存在もしくは発現が1つもしくはそれ以上のR1タンパク質、BEIタンパク質およびBEIIタンパク質の活性の低下を導くような、植物の形質転換のための1つのベクターであると理解される、いわゆる「三重性構築物」であることが可能である。
その他の態様においては、外来の核酸分子は、3つの標的遺伝子(R1遺伝子、BEI遺伝子、BEII遺伝子)のうち2つの発現を阻害するための遺伝情報を含むか、または、その存在もしくは発現が3つの標的タンパク質(R1タンパク質、BEIタンパク質、BEIIタンパク質)のうち2つの活性の低下を導くような、植物の形質転換のためのベクターであると理解される、いわゆる「二重性構築物」であることが可能である。本発明の本態様においては、第三の標的遺伝子の発現の阻害、および/または、第三の標的タンパク質の活性の低下は、この阻害効果を及ぼすための対応する遺伝情報を含む、別個の外来の核酸分子によって生じる。
本発明のその他の態様においては、植物細胞のゲノムに導入されるのは三重性構築物ではなく、幾つかの異なる外来の核酸分子であり、これらの外来の核酸分子のうち1つは、例えば、1つまたは複数の内在性R1遺伝子の発現の減少を導くコサプレッション構築物である、例えばDNA分子であり、さらなる外来の核酸分子は、例えば、1つまたは複数の内在性BEI遺伝子および/またはBEII遺伝子の発現の減少を導くアンチセンスRNAをコードするDNA分子である。原則として、外来の核酸分子の構築に関して、その全てが1つもしくはそれ以上のR1タンパク質、BEIタンパク質およびBEIIタンパク質をコードする内在性遺伝子の遺伝子発現の同時の減少を導くか、または、1つもしくはそれ以上のR1タンパク質、BEIタンパク質およびBEIIタンパク質の活性の同時の低下を導くような、アンチセンス、コサプレッションおよびリボザイム構築物、またはインビボの突然変異誘発の、あらゆる組み合わせを使用することも適している。
この場合、外来の核酸分子は、同時に(「共形質転換」)または連続して、即ち順々に(「超形質転換」)植物細胞のゲノムに導入することができる。
本発明のその他の態様においては、植物細胞において1つまたは複数のR1タンパク質および/またはBEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質の活性を低下させるために、少なくとも1つのアンチセンスRNAが発現される。
アンチセンス技術またはコサプレッション技術によって遺伝子の発現を阻害するために、例えば、選択的に存在し得る隣接配列を含む、R1タンパク質および/またはBEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質をコードする完全な配列を含むDNA分子、ならびに、コード配列の部分および/または隣接配列のみを含むDNA分子であって、これらの部分が細胞においてアンチセンス効果またはコサプレッション効果を導くために十分に長くなければならないようなDNA分子を使用することが可能である。一般に、最小限15 bpの長さ、好ましくは100bp〜500 bpの長さを有する配列、特に500 bpより長い長さを有する配列が、効率のよいアンチセンス阻害またはコサプレッション阻害のために適している。通常、5,000 bpより短いDNA分子、好ましくは2,500 bpより短い配列が使用される。
アンチセンスアプローチまたはコサプレッションアプローチのためには、植物細胞において内在的に生じ、R1タンパク質、BEIタンパク質またはBEIIタンパク質をコードする配列に対して高度の相同性を有するようなDNA配列を使用することも適している。相同性の最低限の程度は、65%より高いものであるべきである。少なくとも90%、特に95%〜100%の間の相同性を有する配列を使用することが好ましい。
さらに、アンチセンス効果またはコサプレッション効果を達成するために、イントロン、即ち、R1タンパク質、BEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質をコードする遺伝子の非コード領域を使用することも考えられる。
デンプン生合成のタンパク質をコードする遺伝子の遺伝子発現を阻害するための、イントロン配列の使用については、国際特許出願・国際公開公報第97/04112号、国際公開公報第97/04113号、国際公開公報第98/37213号、国際公開公報第98/37214号において説明されている。
アンチセンス効果およびコサプレッション効果をどのように達成するかは、当業者には知られている。コサプレッション阻害の方法は、例えば、Jorgensen(Trends Biotechnol. 8, (1990), 340〜344)、Niebelら(Curr.Top.Microbiol.Immunol. 197, (1995), 91〜103)、Flavellら(Curr.Top.Microbiol.Immunol. 197, (1995), 43〜46)、PalaquiおよびVaucheret(Plant Mol.Biol. 29, (1995), 149〜159)、Vaucheretら(Mol.Gen.Genet. 248, (1995), 311〜317)、de Borneら(Mol.Gen.Genet. 243, (1994), 613〜621)において説明された。
細胞においてある酵素の活性を低下させるためのリボザイムの発現も、当業者にはよく知られており、例えば、欧州特許第B1 0 321 201号において説明されている。植物細胞におけるリボザイムの発現は、例えば、Feyterら(Mol.Gen.Genet. 250, (1996), 329〜338)において説明された。
さらに、植物細胞におけるR1および/またはBEIおよび/またはBEIIの活性は、細胞の形質転換によって、ハイブリッドRNA-DNAオリゴヌクレオチド(「キメロプラスト(chimeroplast)」)が細胞に導入される、いわゆる「インビボの突然変異誘発」によって低下させることもできる(Kipp, P. B.ら, 第5回国際植物分子生物学会議 (International Congress of Plant Molecular Biology) ポスター発表, 1997年9月21日〜27日、シンガポール;R.A.DixonおよびC.J.Arntzen, 「トランスジェニック植物における代謝操作(Metabolic Engineering in Transgenic Plants)」会合報告, Keystone Symposia, Copper Mountain, CO, USA, TIBTECH 15, (1997), 441〜447;国際特許出願・国際公開公報第95/15972号;Krenら, Hepatology 25, (1997), 1462〜1468;Cole-Straussら, Science 273, (1996), 1386〜1389)。
RNA-DNAオリゴヌクレオチドのDNA成分の一部分は、内在性のR1遺伝子、BEI遺伝子および/またはBEII遺伝子の核酸配列に対して相同であるが、それは、内在性のR1遺伝子、BEI遺伝子および/もしくはBEII遺伝子と比較して突然変異を有するか、または相同領域に包含される異種領域を含む。
RNA-DNAオリゴヌクレオチドの相同領域と内在性核酸分子の塩基対合、およびそれに続く相同組換えによって、RNA-DNA分子のDNA成分に含まれる突然変異領域または異種領域を、植物細胞のゲノムに転移することが可能である。その結果、1つまたは複数のR1タンパク質、BEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質の活性が低下する。
さらに、植物細胞におけるR1および/またはBEIおよび/またはBEIIの活性の低下は、抑制される標的遺伝子、好ましくはR1遺伝子および/またはBEI遺伝子および/またはBEII遺伝子の、センスRNA分子およびアンチセンスRNA分子の同時の発現によって引き起こすこともできる。
これは、例えば、個々の標的遺伝子または標的遺伝子の部分の逆向き反復配列を含むキメラ構築物を用いることによって達成されることが可能である。この場合、キメラ構築物は、個々の標的遺伝子のセンスRNA分子およびアンチセンスRNA分子をコードする。センスRNAおよびアンチセンスRNAは、スペーサーによってセンスRNAおよびアンチセンスRNA が互いに分けられ、二重鎖RNA分子を形成することが可能なように、植物体において、1つのRNA分子として同時に合成される。逆向き反復配列DNA構築物の植物のゲノムへの導入が、逆向き反復配列DNA構築物に対応する遺伝子を抑制するために、非常に効率のよい方法であることを示すことが可能であった(Waterhouseら, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 95, (1998), 13959〜13964;WangおよびWaterhouse, Plant Mol.Biol. 43, (2000), 67〜82;Singhら, Biochemical Society Transactions 第28巻, パート6, (2000), 925〜927;Liuら, Biochemical Society Transactions 第28巻, パート6, (2000),927〜929;Smithら, Nature 407, (2000), 319〜320;国際特許出願・国際公開公報第99/53050 A1号)。同じかまたは異なるプロモーターを用いて、標的遺伝子のセンス配列およびアンチセンス配列を別々に発現させることも可能である(Nap,J.-P.ら, 第6回国際植物分子生物学会議(International Congress of Plant Molecular Biology), Quebec, 2000年6月18日〜24日;ポスターS7〜27, 講演セッションS7)。
したがって、R1遺伝子および/またはBEI遺伝子および/またはBEII遺伝子の二重鎖RNA分子を作製することによって、植物細胞におけるR1および/またはBEIおよび/またはBEIIの活性を低下させることも可能である。好ましくは、このために、R1遺伝子および/またはBEI遺伝子および/またはBEII遺伝子のDNA分子またはcDNAの逆向き反復配列が、植物のゲノムに導入され、ここで、転写されるDNA分子(R1遺伝子、BEI遺伝子もしくはBEII遺伝子またはそのcDNA、またはこれらの遺伝子もしくはcDNAの断片)が、DNA分子の発現を調節するプロモーターの調節下に置かれる。
さらに、植物体において、植物におけるプロモーターDNA分子の二重鎖RNA分子の形成は、以下において標的プロモーターと呼ばれるこれらのプロモーターの相同コピーの、メチル化および転写不活性化をトランスに導き得ることが知られている(Metteら, EMBO J.19, (2000), 5194〜5201)。
したがって、標的プロモーターの不活性化によって、天然にはこの標的プロモーターによって調節されるある標的遺伝子(例えばR1遺伝子、BEI遺伝子またはBEII遺伝子)の遺伝子発現を減少させることが可能である。
これは、この場合、植物におけるプロモーターの本来の機能とは対照的に、抑制される遺伝子(標的遺伝子)の標的プロモーターを含むDNA分子が遺伝子またはcDNAの発現のための調節因子としては使用されず、それら自身が転写可能なDNA分子として使用されることを意味する。
RNAヘアピン分子として植物体に存在し得る、植物体における二重鎖標的プロモーターRNA分子を作製するために、標的プロモーターDNA分子の遺伝子発現を調節するプロモーターの調節下にある標的プロモーターDNA分子の、逆向き反復配列を含む構築物を使用することが好ましい。
その後、これらの構築物を植物のゲノムに導入する。標的プロモーターDNA分子の逆向き反復配列の発現によって、植物体において二重鎖標的プロモーターRNA分子の形成が導かれる(Metteら, EMBO J. 19, (2000), 5194〜5201)。このようにして、標的プロモーターを不活性化することが可能である。
したがって、R1遺伝子および/またはBEI遺伝子および/またはBEII遺伝子のプロモーター配列の二重鎖RNA分子を作製することによって、植物細胞におけるR1および/またはBEIおよび/またはBEIIの活性を低下させることも可能である。このために、転写される標的プロモーターDNA分子(R1、BEIおよび/またはBEIIのプロモーター)が、標的プロモーターDNA分子の発現を調節するプロモーターの調節下に置かれるように、R1および/またはBEIおよび/またはBEIIのプロモーターのプロモーターDNA分子の逆向き反復配列を植物のゲノムに導入することが好ましい。本態様を実行するために必要な、R1遺伝子および/またはBEI遺伝子および/またはBEII遺伝子からのプロモーター配列は、当業者に既知の方法によって提供されることが可能であり、SambrookおよびRussell(2001), 「分子クローニング(Molecular Cloning)」, CSH Press, Cold Spring Harbor, NY, USAのような文献において説明されている。本方法は、例えば、R1タンパク質、BEIタンパク質およびBEIIタンパク質の活性が低下した植物に由来するゲノムライブラリを調製する段階、上記にて説明されるように、R1タンパク質またはBEIタンパク質またはBEIIタンパク質のためのコード配列を含むプローブを活用して、5’-方向において各々の遺伝子のコード領域に隣接する配列を含むクローンについてライブラリのスクリーニングを行う段階、および最後に、従来的な技術によって陽性クローンを配列決定する段階を含み得る。
さらに、当業者には、1つまたは複数のR1タンパク質、BEIタンパク質および/もしくはBEIIタンパク質の活性の低下は、非機能的な誘導体、特に、そのようなタンパク質のトランス優性突然変異体の発現によって、ならびに/または、そのようなタンパク質のアンタゴニスト/阻害剤の発現によって達成できることが知られる。
そのようなタンパク質のアンタゴニスト/阻害剤は、例えば、抗体、抗体断片または同様の結合特性を有する分子を含む。例えば、細胞質のscFv抗体は、遺伝的に改変されたタバコ植物においてフィトクロムAタンパク質の活性を調節するために使用された(Owen, Bio/Technology 10, (1992), 790〜4;総説:Franken, E., Teuschel, U.およびHain, R., Current Opinion in Biotechnology 8, (1997), 411〜416;Whitelam, Trends Plant Sci. 1, (1996), 268〜272)。
したがって、存在および/または発現により、植物細胞におけるR1、BEIおよびBEIIの活性の低下を引き起こすような外来の核酸分子が、以下からなる群より選択される、本発明の植物細胞も、本発明の対象である:
a)R1タンパク質および/またはBEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質をコードし、好ましくは、R1タンパク質、BEIタンパク質、およびBEIIタンパク質をコードする、内在性の遺伝子の発現の減少を導くような、少なくとも1つのアンチセンスRNAをコードするDNA分子;
b)R1タンパク質および/またはBEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質をコードし、好ましくは、R1タンパク質、BEIタンパク質、およびBEIIタンパク質をコードする、内在性の遺伝子の発現の減少を、コサプレッション効果を通じて導くようなDNA分子;
c)R1タンパク質および/またはBEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質をコードし、好ましくは、R1タンパク質、BEIタンパク質、およびBEIIタンパク質をコードする、内在性遺伝子の転写産物を特異的に切断する、少なくとも1つのリボザイムをコードするDNA分子;
d)インビボの突然変異誘発によって導入された核酸分子であり、かつ内在性のR1タンパク質および/またはBEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質をコードし、好ましくは、R1タンパク質、BEIタンパク質およびBEIIタンパク質をコードする遺伝子における、突然変異または異種配列の挿入を導くような核酸分子であって、突然変異または挿入が、R1タンパク質および/もしくはBEIタンパク質および/もしくはBEIIタンパク質をコードする遺伝子の発現の減少、または、不活性なR1タンパク質および/もしくはBEIタンパク質および/もしくはBEIIタンパク質の合成を導くような核酸分子;ならびに
e)少なくとも1つのアンチセンスRNA、および少なくとも1つのセンスRNAを同時にコードするDNA分子であって、アンチセンスRNAおよびセンスRNAが、R1タンパク質および/またはBEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質をコードし、好ましくは、R1タンパク質、BEIタンパク質およびBEIIタンパク質をコードする内在性遺伝子の発現の減少を導く、二重鎖RNA分子を形成するようなDNA分子。
その他の態様においては、本発明は、改変されたデンプンを合成するトランスジェニック植物細胞に関連する。本発明のトランスジェニック植物細胞は、特定の適用のためにより適したものとなるように、野生型植物において合成されたデンプンと比較して、その物理化学的特性、特にアミロース/アミロペクチン比、リン酸含量、粘度特性、デンプン粒のサイズおよび/またはデンプン粒の形態が改変されているような、改変されたデンプンを合成する。
意外にも、本発明の植物細胞においては、それが少なくとも75%のアミロース含量、および、対応する野生型植物からの植物細胞に由来するデンプンと比較して減少したリン酸含量を有するように、デンプンの組成が改変されており、その結果このデンプンが特定の適用のためにより適していることが見出された。
少なくとも75%のアミロース含量、および、遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞のデンプンと比較して、減少したリン酸含量を有する改変されたデンプンを含む本発明の植物細胞も、本発明の対象物である。
本発明の状況においては、アミロース含量は、ジャガイモのデンプンに関連して下記に説明されるHovenkamp-Hermelinkらによる方法(Potato Research 31, (1988), 241〜246)に従って決定される。本方法は、他の植物種の単離されたデンプンについて使用することもできる。当業者には、デンプンを単離するための方法はよく知られている。
本発明の意味の範囲内において、「リン酸含量」という用語は、デンプンリン酸モノエステルの形態において共有結合されたリン酸の含量に関連する。
本発明の状況において、「減少したリン酸含量」という表現は、共有結合したリン酸の全リン酸含量、および/または、本発明の植物細胞において合成されたデンプンのC-6位置におけるリン酸含量が、遺伝的に改変されていない対応する野生型植物の植物細胞に由来するデンプンと比較して、少なくとも20%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも80%減少していることを意味する。
本発明の意味の範囲内において、「C-6位置におけるリン酸含量」という用語は、デンプンのグルコースモノマーの炭素原子位置「6」に結合されたリン酸基の含量であると理解される。原則として、グルコース単位の位置C2、C3およびC6は、インビボのデンプンにおいてリン酸化されることが可能である。本発明に関連して、C-6位置におけるリン酸含量(= C6-P含量)は、光学-酵素学的試験(Nielsenら, Plant Physiol. 105, (1994), 111〜117)によるグルコース-6-リン酸の測定によって決定することができる(下記を参照のこと)。
本発明の状況において、デンプンの「全リン酸含量」という表現は、グルコース単位のC2、C3およびC6位置においてデンプンリン酸モノエステルの形態において共有結合されたリン酸の含量であると理解される。本発明に従い、例えばリン脂質のようなリン酸化非グルカンの含量は、「全リン酸含量」という用語には含まれない。したがって、リン酸化非グルカンは、全リン酸含量を決定する以前に、定量的に分離されなければならない。当業者には、リン酸化非グルカン(例えばリン脂質)をデンプンから分離するための方法が知られている。全リン酸含量を決定するための方法は、当業者には知られており、下記にて説明される。
本発明の好ましい態様においては、本発明の植物細胞は、15 nmol C6-P/mgデンプンまでの、特に10 nmol C6-P/mgデンプンまでの、好ましくは7 nmol C6-P/mgデンプンまでの、より好ましくは4 nmol C6-P/mgデンプンまでの、グルコースモノマーのC-6位置におけるリン酸含量を有するデンプンを合成する。
したがって、その他の態様においては、本発明は、改変されたデンプンを合成する、本発明に従った植物細胞であり、改変されたデンプンが改変された側鎖分布を有するという点で特徴付けられる植物細胞に関連する。本発明の植物細胞において改変されたデンプンは、対応する野生型植物のデンプンと比較してアミロース含量が増加していること、およびリン酸含量が減少していることによってのみならず、改変された側鎖分布によっても特徴付けられることが示された。
本態様においては、「改変された側鎖分布」という用語は、野生型植物からのアミロペクチンの26〜31のDPを有する短い側鎖の比率と比較して、少なくとも50%、好ましくは少なくとも100%、より好ましくは少なくとも150%、および特に好ましくは少なくとも200%の、26〜31のDPを有する短い側鎖の比率における増加であると理解される。さらに、「改変された側鎖分布」という用語は、26〜31のDPを有する短い側鎖の比率の増加であり、26〜31のDPを有する短い側鎖の比率の増加が、野生型植物からのアミロペクチンの26〜31のDPを有する短い側鎖の比率と比較して、800%より高くはない、特に、500%より高くはない比率の増加を意味する。量「DP」は、重合度を意味する。
短い側鎖の比率は、ある側鎖が全ての側鎖の全比率において占めるパーセント比率を決定することによって決定される。全ての側鎖の全比率は、HPLCクロマトグラムにおいて、DP 6〜40の重合度を示す全ピーク高を測定することによって決定される。ある側鎖が全ての側鎖の全比率において占めるパーセント比率は、HPLCクロマトグラムにおいて、この側鎖を表すピーク高の、全高に対する比率を決定することによって決定される。例えば、Dionex, USAによるプログラムChromeleon 6.20を、ピーク面積を決定するために使用することができる。
その他の好ましい態様においては、本発明は、60%(w/v)のCaCl2溶液中において糊化した後に、遺伝的に改変されていない対応する野生型植物細胞のデンプンからのゲルと比較して、増加したゲル強度を有するようなゲルを形成する改変されたデンプンを合成する、本発明の植物細胞に関連する。
本発明の意味の範囲内において、「増加したゲル強度」という用語は、遺伝的に改変されていない対応する野生型植物細胞のデンプンのゲル強度と比較して、少なくとも1,000%、特に少なくとも2,500%、好ましくは少なくとも5,000%、およびより好ましくは少なくとも10,000%、最大40,000%または最大30,000%の、ゲル強度における増加を意味する。
本発明の状況においては、ゲル強度は、下記にて説明される条件下においてテクスチャーアナライザーによって決定される。この場合、純水系においては通常の圧力においてデンプンの糊化を達成することが不可能であるため、デンプンの糊化は、60%(w/v)CaCl2水溶液中において達成される。
さらなる好ましい態様においては、本発明は、前述された特性に加え、そのデンプンが、デンプン粒の改変形態を有するような本発明の植物細胞に関連する。
これまでに知られている高アミロースデンプンと比較して、特に高アミロースジャガイモデンプンと比較して、本発明の植物細胞のデンプンは、アミロース含量、リン酸含量、側鎖分布、粘度特性およびゲル形成特性において改変されているのみならず、デンプン粒の改変形態においても改変されており、それにより、これらのデンプンがある適用のためにより適したものに変えられる。
機械的破砕後、本発明のデンプンはイネのデンプンのものと同様のデンプン粒の平均サイズを有するため、これらのデンプン、特にジャガイモデンプンは、例えば、イネのデンプンの代わりに使用することができる。しかし、イネのデンプンと比較して、本発明のデンプン、特にジャガイモのデンプンは、小さなデンプン粒がブドウの房様の凝集を形成するため、ブドウの房の形態を有するより大きな単位に沈降できるという利点を有し、それにより、デンプンの抽出および加工においては好都合となり得、それによってコストを削減することができる(実施例2を参照のこと)。
好ましくは、本発明の植物細胞に含まれるデンプン粒の形態は、ブドウの房の形態を有する小さなデンプン粒の凝集によって特徴付けられる。
好ましい態様においては、本発明の植物細胞に含まれるデンプンは、遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する細胞の平均粒サイズと比較して、平均粒サイズが減少しているという点で特徴付けられる。
本発明の状況においては、「平均粒サイズ」という用語は、例えばRetsch GmbHによる「Lumosed FS1」型の光沈降試験器(下記を参照のこと)を用いて決定することが可能な粒サイズを意味する。
本発明のさらなる好ましい態様においては、減少した平均粒サイズとは、少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、およびより好ましくは少なくとも60%の平均粒サイズの減少である。
その他の好ましい態様においては、本発明の植物細胞のデンプンは、20μm未満、特に18μm未満、好ましくは16μm未満、およびより好ましくは10μm〜15μmの平均粒サイズによって特徴付けられる。
本発明のその他の好ましい態様においては、本発明の植物細胞のデンプンは、20μm未満の平均粒サイズを有する粒の比率が少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、およびより好ましくは少なくとも80%であるという点で特徴付けられる。
下記に説明されるように実行することができる、デンプンの機械的破砕後、本発明の植物細胞のデンプンは、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、およびより好ましくは少なくとも95%の、20μm未満の粒サイズを有する粒の比率を有する。
DNAを植物宿主細胞に導入するためには、複数の技術が利用可能である。これらの技術は、根頭癌腫病菌(Agrobacterium tumefaciens)または毛根病菌(Agrobacterium rhizogenes)を形質転換手段として用いたT-DNAによる植物細胞の形質転換、プロトプラストの融合、DNAの注入、エレクトロポレーション、遺伝子銃を用いたアプローチによるDNAの導入、および他の可能なものを含む。
植物細胞の、アグロバクテリウム仲介の形質転換の使用は、集中的に研究されており、欧州特許第120516号;Hoekema:「バイナリー植物ベクター系(The Binary Plant Vector System)」, Offsetdrukkerij Kanters B.V., Alblasserdam, (1985), 第V章;Fraleyら, Crit.Rev.Plant Sci. 4, 1〜46, および;Anら, EMBO J. 4, (1985), 277〜287において十分に説明されている。ジャガイモの形質転換については、例えば、Rocha-Sosaら(EMBO J. 8, (1989), 29〜33)を参照のこと。
アグロバクテリウムに基づくベクターによる単子葉植物の形質転換についても説明されている(Chanら, Plant Mol.Biol. 22, (1993), 491〜506;Hieiら, Plant J. 6, (1994), 271〜282;Dengら, Science in China 33, (1990), 28〜34;Wilminkら, Plant Cell Reports 11, (1992), 76〜80;Mayら, Bio/Technology 13, (1995), 486〜492;ConnerおよびDomisse, Int.J.Plant Sci. 153, (1992), 550〜555;Ritchieら, Transgenic Res. 2, (1993), 252〜265)。単子葉植物の形質転換のための代替の系は、遺伝子銃を用いたアプローチによる形質転換(WanおよびLemaux, Plant Physiol. 104, (1994), 37〜48;Vasilら, Bio/Technology 11, (1993), 1553〜1558;Ritalaら, Plant Mol.Biol. 24, (1994), 317〜325;Spencerら, Theor.Appl.Genet. 79, (1990), 625〜631)、プロトプラスト形質転換、部分的に小孔を開けた細胞のエレクトロポレーション、およびグラスファイバーによるDNAの導入である。特に、トウモロコシの形質転換については、文献において繰り返し説明されている(例えば、国際公開公報第95/06128号、欧州特許第0513849号、同第0465875号、同第0292435号;Frommら, Biotechnology 8, (1990), 833〜844;Gordon-Kammら, Plant Cell 2, (1990), 603〜618;Kozielら, Biotechnology 11, (1993), 194〜200;Morocら, Theor.Appl.Genet. 80, (1990), 721〜726を参照のこと)。
例えばオオムギ(WanおよびLemaux, 上記を参照のこと;Ritalaら, 上記を参照のこと;Krensら, Nature 296, (1982), 72〜74)、およびコムギ(Nehraら, Plant J. 5, (1994), 285〜297)の場合におけるもののように、他の穀物種の成功した形質転換についても説明されている。外来の核酸分子の発現のためには、原則として、植物細胞において活性な任意のプロモーターを使用することができる。プロモーターは、本発明に従った植物における発現が構成的であるように、または、特定の組織においてのみ、植物の発生の特定の時点においてのみ、または外部の要因によって決定される時点のみにおいて行われるように選択することができる。植物に関連して、プロモーターは同種または異種であることが可能である。適切なプロモーターの例は、構成的な発現のためのカリフラワーモザイクウイルス35S RNAのプロモーター、および、トウモロコシに由来するユビキチンプロモーター、パタチン遺伝子プロモーターB33(Rocha-Sosaら, EMBO J. 8, (1989), 23〜29)、ジャガイモからのメタロカルボキシペプチダーゼインヒビター(metallocarboxypeptidase inhibitor)遺伝子のMCPIプロモーター(ハンガリー特許出願第HU9801674号)、または、ジャガイモにおける塊茎特異的な発現のための、ジャガイモからのGBSSIプロモーター(国際特許出願・国際公開公報第92/11376号)、または、光合成活性組織のみにおける発現を確実にするプロモーター、例えばST-LS1プロモーター(Stockhausら, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 84, (1987), 7943〜7947;Stockhausら, EMBO J. 8, (1989), 2445〜2451)、Ca/bプロモーター(例えば、米国特許第5656496号、同第5639952号、Bansalら, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 89, (1992), 3654〜3658を参照のこと)、およびrubisco SSUプロモーター(例えば米国特許第5034322号、同第4962028号を参照のこと)、または胚乳特異的な発現のためのグルテリンプロモーター(Leisyら, Plant Mol.Biol. 14, (1990), 41〜50;Zhengら, Plant J. 4, (1993), 357〜366;Yoshiharaら, FEBS Lett. 383, (1996), 213〜218)、shrunken-1プロモーター(Werrら, EMBO J. 4, (1985), 1373〜1380)、コムギからのHMGプロモーター、USPプロモーター、ファゼオリンプロモーター、またはトウモロコシzein遺伝子のプロモーター(Pedersenら, Cell 29, (1982), 1015〜1026;Quatroccioら, Plant Mol. Biol. 15, (1990), 81〜93)である。
外来の核酸分子の発現は、デンプンを貯蔵する植物の器官においては特に好都合である。そのような器官は、例えば、ジャガイモ植物の塊茎、または、トウモロコシ、コムギ、もしくはイネ植物の穀粒もしくは胚乳である。したがって、これらの器官における発現を仲介するプロモーターが使用されることが好ましい。
しかし、外部の要因によって決定される時点においてのみ活性化されるプロモーターを使用することも可能である(例えば国際公開公報第93/07279号を参照のこと)。単純な誘導を可能にする熱ショックタンパク質のプロモーターは、本状況においては特に重要なものとなり得る。さらに、例えば、ソラマメ(Vicia faba)および他の植物における種子特異的な発現を確実にするソラマメUSPプロモーター(Fiedlerら Plant Mol.Biol.22, (1993), 669〜679;Baumleinら, Mol.Gen.Genet. 225, (1991), 459〜467)のような種子特異的なプロモーターを使用することができる。使用することが可能な他のプロモーターは、例えば国際公開公報第91/01373号において説明されるような果実特異的なプロモーターである。
転写の正しい終結のため、および転写産物の安定化における機能を有すると理解される、転写産物へのポリ-A尾部の付加のために役立つ終結配列がさらに存在することが可能である。そのような因子は、文献(例えば、Gielenら, EMBO J. 8, (1989), 23〜29を参照のこと)において説明されており、自由に交換可能である。
本発明に従った植物細胞は、任意の植物種、即ち、単子葉植物または双子葉植物に属することが可能である。それらは、好ましくは、農業上有用な植物、即ち、栄養的な目的、または技術的、特に産業上の目的のために人間によって栽培される植物からの植物細胞である。本発明は、好ましくは、繊維形成植物(例えば、アマ、アサ、ワタ)、油貯蔵植物(例えば、ナタネ、ヒマワリ、ダイズ)、糖貯蔵植物(例えばテンサイ、サトウキビ(sugar cane、sugar millet))およびタンパク質貯蔵植物(例えばマメ科植物)に関連する。
さらに好ましい態様においては、本発明は、飼料植物、特に、飼料作物および牧草(アルファルファ、クローバー等)、および蔬菜植物(例えばトマト、レタス、チコリー)に関連する。
その他の好ましい態様においては、本発明は、デンプン貯蔵植物(例えばコムギ、オオムギ、オートムギ、ライムギ、ジャガイモ、トウモロコシ、イネ、エンドウ、キャッサバ)からの植物細胞に関連し、特に好ましいのはジャガイモからの植物細胞である。
本発明の植物細胞は、完全な植物体を再生させるために使用することができる。
本発明のトランスジェニック植物細胞を再生することによって得ることが可能な植物体も、本発明の対象物である。
さらに、本発明のトランスジェニック植物細胞を含む植物も、本発明の対象物である。
トランスジェニック植物は、原則として、任意の植物種に、即ち、単子葉植物および双子葉植物の双方に属する植物であることが可能である。それらは、好ましくは、有用な植物である、即ち、栄養的な目的または技術的、特に産業上の目的のために人間によって栽培される植物である。本発明は、好ましくは、繊維形成植物(例えば、アマ、アサ、ワタ)、油貯蔵植物(例えば、ナタネ、ヒマワリ、ダイズ)、糖貯蔵植物(例えばテンサイ、サトウキビ(sugar cane、sugar millet))およびタンパク質貯蔵植物(例えばマメ科植物)の植物細胞に関連する。さらなる好ましい態様においては、本発明は、飼料植物、特に、飼料作物および牧草(アルファルファ、クローバー等)、および蔬菜植物(例えばトマト、レタス、チコリー)に関連する。
その他の好ましい態様においては、本発明は、デンプン貯蔵植物(例えばコムギ、オオムギ、オートムギ、ライムギ、ジャガイモ、トウモロコシ、イネ、エンドウ、キャッサバ)に関連し、特に好ましいのはジャガイモ植物である。
本発明は、改変されたデンプンを合成するトランスジェニック植物細胞を生産するための方法であって、1つまたは複数の外来の核酸分子を導入することによって、植物細胞が遺伝的に改変され、その核酸分子の存在および/または発現により、遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞と比較して、R1タンパク質、BEIタンパク質およびBEIIタンパク質の活性の低下が導かれる方法にも関連する。
本発明の方法の好ましい態様においては、改変されたデンプンは、少なくとも75%のアミロース含量、および、遺伝的に改変されていない対応する野生型植物からのデンプンと比較して、減少したリン酸含量を有するという点で特徴付けられる。
本発明は、以下のような、改変されたデンプンを合成するトランスジェニック植物を生産するための方法にも関連し、ここで、
a)1つまたは複数の外来の核酸分子を導入することによって、植物細胞が遺伝的に改変され、その核酸分子の存在および/または発現により、遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞と比較して、R1タンパク質、BEIタンパク質およびBEIIタンパク質の活性の低下が導かれ;
b)a)に従って生産された細胞から植物体が再生され;かつ
c)選択的に、段階b)に従って生産された植物体から、さらなる植物体が生産される。
本発明の方法の好ましい態様においては、改変されたデンプンは、少なくとも75%のアミロース含量、および、遺伝的に改変されていない対応する野生型植物からのデンプンと比較して、減少したリン酸含量を有するという点で特徴付けられる。
本発明の方法のその他の態様においては、改変されたデンプンは、さらに、改変された側鎖分布、および/もしくは、デンプン粒の改変された形態、および/もしくは、デンプン粒の減少した平均サイズを有し、ならびに/または、60%(w/v)CaCl2水溶液中において糊化した後、遺伝的に改変されていない対応する野生型植物からのデンプンのゲルと比較して、増加したゲル強度を有するゲルを形成する。
本発明の植物細胞に関連して、上記にて既に述べられたことと同じことは、段階a)に従って導入される遺伝的な改変にも適用される。段階b)に従った植物体の再生は、当業者に既知の方法を用いて行うことができる。
本発明の方法のさらなる植物は、栄養繁殖により(例えば切穂、塊茎を用いて、または、カルス培養および完全な植物体の再生によって)、または、有性生殖により、段階c)に従って生産することができる。有性生殖は、好ましくは、調節された条件下において行われる、即ち、特定の特性を有する選択された植物が互いに交配され、繁殖させられる。当業者には、本発明の植物細胞および植物を生産するために、前述のタンパク質の1つまたは2つの活性が既に低下しており、本発明の方法に従って、第二または第三のタンパク質の活性も低下させるような方法で遺伝的に改変させるだけでよい、トランスジェニック植物を使用することもできることは明らかに知られている。
加えて、当業者には、必ずしも一次形質転換体を用いて前述の超形質転換を実行する必要はないが、例えば稔性、外来の遺伝子の安定した発現、ヘミ接合およびヘテロ接合等について、対応する実験において好都合に既に試験されている、予め選択された安定したトランスジェニック植物を用いて実行されることが好ましいことが知られる。
本発明は、本発明の方法によって得ることが可能な植物にも関連する。
本発明は、本発明の植物細胞を含む本発明の植物の繁殖材料、および、本発明の方法に従って生産された植物の繁殖材料にも関連する。本発明の意味の範囲内においては、「繁殖材料」という用語は、栄養的または生殖的経路によって後代を生産するために適した植物の部分を含む。栄養繁殖に適した例は、切穂、カルス培養、根茎または塊茎である。他の繁殖材料は、例えば、果実、種子、実生、プロトプラスト、細胞培養および同様のものを包含する。繁殖材料は、好ましくは種子である。
さらに、本発明は、改変されたデンプンを合成する本発明の植物細胞または植物を生産するための、R1タンパク質、BEIタンパク質およびBEIIタンパク質の酵素活性を有するタンパク質をコードする、1つまたは複数の外来の核酸分子の使用、ならびに外来の核酸分子の断片の使用に関連する。
本発明のその他の態様においては、本発明の植物細胞は、1つまたは複数の外来の核酸分子の本発明に従った使用により、少なくとも75%のアミロース含量、および/もしくは遺伝的に改変されていない対応する野生型植物のデンプンと比較して減少したリン酸含量、および/もしくは改変された側鎖分布、および/もしくはデンプン粒の改変された形態、および/もしくはデンプン粒の減少した平均サイズを有するという点で特徴付けられる改変されたデンプンであり、ならびに/または60%(w/v)CaCl2水溶液中において糊化した後、遺伝的に改変されていない対応する野生型植物からのデンプンのゲルと比較して、増加したゲル強度を有するゲルを形成する改変されたデンプンを合成する。
その他の態様においては、本発明は、本発明の植物を生産するための、1つまたは複数の外来の核酸分子の使用であり、外来の核酸分子が、以下からなる群より選択される1つの分子であるか、または幾つかの分子であるような使用に関連する:
a)R1タンパク質および/またはBEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質をコードする、好ましくはR1タンパク質、BEIタンパク質、BEIIタンパク質をコードする、内在性の遺伝子の発現の減少を導く、少なくとも1つのアンチセンスRNAをコードするDNA分子;
b)コサプレッション効果によって、R1タンパク質および/またはBEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質をコードする、好ましくはR1タンパク質、BEIタンパク質、BEIIタンパク質をコードする、内在性の遺伝子の発現の減少を導くDNA分子;
c)R1タンパク質および/またはBEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質をコードする、好ましくはR1タンパク質、BEIタンパク質、BEIIタンパク質をコードする、内在性の遺伝子の転写産物を特異的に切断する、少なくとも1つのリボザイムをコードするDNA分子;
d)インビボの突然変異誘発によって導入された核酸分子、ならびに内在性のR1タンパク質および/またはBEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質をコードする遺伝子、好ましくはR1タンパク質、BEIタンパク質、BEIIタンパク質をコードする遺伝子における突然変異または異種配列の挿入を導く核酸分子であって、突然変異または挿入が、R1タンパク質および/もしくはBEIタンパク質および/もしくはBEIIタンパク質をコードする遺伝子の発現の減少、または、不活性なR1タンパク質および/もしくはBEIタンパク質および/もしくはBEIIタンパク質の合成を導くような核酸分子;ならびに
e)少なくとも1つのアンチセンスRNAおよび少なくとも1つのセンスRNAを同時にコードするDNA分子であり、アンチセンスRNAおよびセンスRNAが、R1タンパク質および/またはBEIタンパク質および/またはBEIIタンパク質をコードする内在性遺伝子、好ましくはR1タンパク質、BEIタンパク質、BEIIタンパク質をコードする内在性遺伝子の発現の減少を導く、二重鎖RNA分子を形成するようなDNA分子。
以前に既に説明したように、外来の核酸分子は、同時にまたは連続して、即ち順々に、植物細胞のゲノムに導入することができる。外来の核酸分子の同時の導入、即ち、好ましくは本発明の前述の方法に従った1つの形質転換実験において、外来の核酸分子が植物細胞に導入され、その核酸分子の存在および選択的に発現により、遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞と比較して、植物細胞において内在的に生じる1つまたは複数のR1タンパク質の活性の低下、および植物細胞において内在的に生じる1つまたは複数のBEIタンパク質の活性の低下、および植物細胞において内在的に生じる1つまたは複数のBEIIタンパク質の活性の低下が導かれるような共形質転換は、時間とコストを削減する。
したがって、本発明は、本発明に従って定義付けられる外来の核酸分子であり、本発明のトランスジェニック植物細胞および/またはトランスジェニック植物を生産するために適している核酸分子の少なくとも1つを含む組成物にも関連する。好ましくは、植物細胞におけるこれらの外来の核酸分子の存在および/または発現によって、遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞と比較して、R1タンパク質およびBEIタンパク質およびBEIIタンパク質の活性の低下が導かれる。
この場合、本発明の組成物においては、遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞と比較して、植物細胞および/または植物における存在および/または発現により、R1タンパク質およびBEIタンパク質およびBEIIタンパク質の活性の低下を導く核酸分子が、1つの組換え核酸分子において、別々に、または共に含まれ得る。前者の場合、本発明の組成物は、例えば、植物細胞においてそれらが共に存在することにより表現型がもたらされるような、2つまたはそれ以上の組換え核酸分子および/またはベクターを含み得る。後者の場合、組換え核酸分子は、遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞と比較して、R1タンパク質およびBEIタンパク質およびBEIIタンパク質の活性の低下を導くような遺伝情報を含む。
そのような組換え分子においては、例えば、遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞と比較して、植物細胞における存在および/または発現により、R1タンパク質およびBEIタンパク質およびBEIIタンパク質の活性の低下を導く、上記に説明される外来の核酸分子は、1つのキメラ遺伝子としてか、または別個の遺伝子として存在し得る。そのような二重性構築物または多重性構築物の例については、文献において数多く説明されている。
前述の組換え核酸分子は、任意の宿主細胞において存在し得る。
したがって、その他の態様においては、本発明は、本発明の組成物を含む宿主細胞、特に植物細胞にも関連する。
本発明の植物細胞および植物は、特にそれらのデンプン貯蔵器官において、野生型植物において合成されるデンプンと比較して、その物理化学的特性、特に、リン酸含量および/またはアミロース含量、好ましくはリン酸含量およびアミロース含量、および/または側鎖分布、および/または粘度特性、および/またはデンプン粒の形態、および/またはデンプン粒の平均サイズが改変されているデンプンを合成する。
したがって、本発明の植物細胞、植物および/または繁殖材料から得ることが可能なデンプンも、本発明の対象物である。
好ましい態様においては、本発明のデンプンは、少なくとも75%のアミロース含量、および、遺伝的に改変されていない対応する野生型植物からのデンプンと比較して、減少したリン酸含量を有するという点で特徴付けられる。
「増加したゲル強度」という用語の意味は、本発明の植物細胞の説明に関連して既に定義付けられている。
これまでに知られている高アミロースデンプン、特に高アミロースジャガイモデンプンと比較して、本発明のデンプンは、アミロース含量、リン酸含量、側鎖分布、粘度特性およびゲル形成特性において改変されているのみならず、デンプン粒の形態においても改変され、それにより、これらのデンプンをある適用のためにより適したものにする。
本発明のデンプン、特にジャガイモデンプンは、例えば、機械的破砕後にイネのデンプンのものと同様のデンプン粒の平均サイズを有するため、イネのデンプンの代わりに使用することが可能である。しかし、イネのデンプンと比較して、本発明のデンプン、特にジャガイモデンプンは、小さなデンプン粒がブドウの房様の凝集を形成するため、それらをブドウの房の形態をもつ、より大きな単位に沈降できるという利点を有し、それにより、デンプンの抽出および加工において好都合となり得、かつそれによりコストを削減できる(実施例2を参照のこと)。
好ましくは、本発明のデンプンのデンプン粒の形態は、ブドウの房の形態を有する、小さなデンプン粒の凝集によって特徴付けられる。
その他の態様においては、本発明のデンプンは、遺伝的に改変されていない対応する野生型植物の平均粒サイズと比較して、平均粒サイズが減少しているという点で特徴付けられる。
本発明の状況においては、「平均粒サイズ」という用語は、例えばRetsch GmbHによる「Lumosed FS1」型の光沈降試験器を用いて決定できる粒サイズを意味する(下記を参照のこと)。
本発明のその他の態様においては、減少した平均粒サイズとは、少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、およびより好ましくは少なくとも60%の、平均粒サイズの減少である。
その他の態様においては、本発明のデンプンは、20μm未満、特に18μm未満、好ましくは16μm未満、およびより好ましくは10μm〜15μmの平均粒サイズによって特徴付けられる。
本発明のその他の態様においては、本発明のデンプンは、20μm未満の平均粒サイズを有する粒の比率が、少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、およびより好ましくは少なくとも80%であるという点で特徴付けられる。
下記にて説明されるように実行することができる、デンプンの機械的破砕後、本発明のデンプンは、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、およびより好ましくは少なくとも95%の、20μm未満の粒サイズを有する粒の比率を有する。
特に好ましい態様においては、本発明のデンプンは、ジャガイモのデンプンである。
さらに、本発明は、本発明の植物(細胞)から、および/または、そのような植物のデンプン貯蔵部分から、デンプンを抽出する段階を含む、本発明のデンプンを生産するための方法に関連する。
好ましくは、そのような方法は、デンプンの抽出以前に、栽培された植物および/または植物のデンプン貯蔵部分を収穫する段階、ならびに、特に好ましくは、収穫以前に本発明の植物を栽培する段階をも含む。
当業者には、植物または植物のデンプン貯蔵部分からデンプンを抽出するための方法が知られる。さらに、例えば「デンプン:化学および技術(Starch: Chemistry and Technology)」(Whistler、BeMillerおよびPaschall編, (1994), 第2版, Academic Press Inc. London Ltd.;ISBN 0-12-746270-8; 例えば第XII章, 412〜468:トウモロコシおよびモロコシのデンプン:生産; Watson;第XIII章, 469〜479:タピオカ、クズウコンおよびサゴヤシのデンプン:生産; CorbishleyおよびMiller;第XIV章, 479〜490:ジャガイモのデンプン:生産および使用; Mitch;第XV章, 491〜506: コムギのデンプン:生産、改変および使用; KnightおよびOson;および第XVI章, 507〜528:イネのデンプン:生産および使用; RohmerおよびKlem;トウモロコシのデンプン: Eckhoffら, Cereal Chem. 73, (1996), 54〜57を参照のこと)において、様々なデンプン貯蔵植物からデンプンを抽出するための方法について説明されており、産業的規模におけるトウモロコシのデンプンの抽出は、一般に、湿式粉砕によって達成される。植物材料からデンプンを抽出するための工程において通常用いられる装置は、セパレーター、デカンター、液体サイクロン、スプレードライヤーおよび流動層ドライヤーである。
さらに、本発明の前述の方法を用いて得ることが可能なデンプンも、本発明の対象物である。
本発明に従ったデンプンは、当業者に既知の工程によって後に改変することができ、それらの非改変形態または改変形態において、食品部門または非食品部門における様々な適用のために適している。
以下の方法が、実施例において使用された:
デンプンの解析
a)アミロース/アミロペクチン比の決定
標準の技術に従ってジャガイモ植物からデンプンを単離し、Hovenkamp-Hermelinkら(Potato Research 31, (1988), 241〜246)によって説明される方法を用いてアミロペクチンに対するアミロースの比を決定した。
b)リン酸含量の決定
デンプンにおいて、グルコース単位の位置C2、C3およびC6をリン酸化することが可能である。デンプンのC6-P含量を決定するために、500μlの0.7 M HCl中において、50 mgのデンプンを95℃にて4時間加水分解する。その後、混合物を15,500 gにおいて10分間遠心分離し、上清を採取する。上清7μlをイミダゾール緩衝液(100 mMイミダゾール、pH 7.4;5 mM MgCl2、1 mM EDTAおよび0.4 mM NAD)193μlと混合する。測定は、光度計において340 nmにて行った。基底吸光度を確立した後、2 uのグルコース-6リン酸デヒドロゲナーゼ(Leuconostoc mesenteroides, Boehringer Mannheimから)を加えることによって酵素反応を開始させた。吸光度の変化は、デンプンのG-6-P含量の濃度に直接的に比例している。
Ames(Methods in Enzymology VIII, (1966), 115〜118)による方法に従って、全リン酸含量を決定した。
30μlの硝酸マグネシウムエタノール溶液を約50 mgのデンプンに加え、マッフル炉において500℃にて3時間灰化する。300μlの0.5 M塩酸を残さに加え、60℃にて30分間インキュベートする。その後、0.5 M塩酸でアリコートを300μlにまで満たし、2 M硫酸に溶解した100μlの10%アスコルビン酸および600μlの0.42%モリブデン酸アンモニウムの混合物に加え、45℃にて20分間インキュベートする。
その後、一連のリン酸検量値を標準として用い、820 nmにおいて光度計による測定を行う。
c)ゲル強度の決定(テクスチャーアナライザー)
2 gのデンプン(TS)を25 mlの60%(w/v)CaCl2水溶液に溶解し、RVA装置(温度プログラム:項目d)「Rapid Visco Analyser(RVA)による粘度特性の決定」を参照のこと)において糊化を行い、その後、密閉容器に室温にて24時間貯蔵する。Stable Micro Systems(Surrey, UK)によるテクスチャーアナライザーTA-XT2のプローブ(平らな表面を有する円筒形のスタンプ(stamp))の下においてサンプルを固定し、以下のパラメータを用いてゲル強度を決定する:
-試験速度 0.5 mm/秒
-貫入深さ 7 mm
-接触面積 113 mm2
-圧力 2 g。
d)Rapid Visco Analyser(RVA)による粘度特性の決定
2 gのデンプン(TS)を25 mlのH2Oに加え、Rapid Visco Analyser(Newport Scientific Pty Ltd., Investment Support Group, Warriewod NSW 2102, Australia)における解析に使用する。装置は、製造業者の使用説明書に従って使用される。デンプンの水溶液の粘度を測定するために、デンプン懸濁液を最初、50℃にまで1分間加熱し、その後、分当たり12℃の速度で50℃から95℃にまで加熱する。後に、温度を95℃に2.5分間維持する。その後、分当たり12℃の速度で95℃から50℃に溶液を冷却する。粘度は全時間に渡って測定される。
e)グルコース、フルクトースおよびスクロースの決定
グルコース、フルクトースおよびスクロースの含量は、Stittら(Methods in Enzymology 174, (1989), 518〜552)によって説明される方法に従って決定される。
f)イオン交換クロマトグラフィーによる、アミロペクチンの側鎖分布の解析
アミロースをアミロペクチンから分離するために、200 mgのデンプンを、12 mlの90%(v/v)DMSO水溶液を含む50 mlの反応容器中にて溶解する。3容量のエタノールを加えた後、室温(RT)、約1,800 gにおける10分間の遠心分離によって沈殿を分離する。その後、30 mlのエタノールでペレットを洗浄し、乾燥させ、75℃にて40 mlの1%(w/v)NaCl溶液に溶解する。溶液を30℃にまで冷却した後、約90 mgのチモールをゆっくり加え、この溶液を30℃において少なくとも60時間インキュベートする。その後、溶液を2,000 g(RT)において30分間遠心分離する。それから上清に3容量のエタノールを加え、2,000 g(RT)における5分間の遠心分離によって沈殿しているアミロペクチンを分離する。その後、ペレット(アミロペクチン)をエタノールで洗浄し、アセトンを用いて脱水させる。DMSOをペレットに加えることによって、1%溶液を調製し、その200μlを345μlの水、10μlの0.5 M酢酸ナトリウム(pH 3.5)および5μlのイソアミラーゼ(1:10の希釈液;Megazyme)に加え、37℃にて約16時間インキュベートする。その後、この分解物の1:5水性希釈液を0.2μmフィルターを用いてろ過し、イオン交換クロマトグラフィー(HPAEC-PAD, Dionex)によって100μlのろ過液を解析する。分離は、(対応するプレカラムと共に)PA-100カラムを用いて実行し、検出はアンペロメトリック法により行う。溶出条件は以下の通りである。
溶液A−0.15 M NaOH
溶液B−0.15 M NaOH に溶解した1 M酢酸ナトリウム
Figure 0004460282
全ての側鎖の全比率における短い側鎖の相対比率は、全ての側鎖の全比率においてある側鎖が占めるパーセント比率を決定することによって決定される。全ての側鎖の全比率は、HPLCクロマトグラムにおける、DP 6〜40の重合度を示す全ピーク高を決定することによって決定される。全ての側鎖の全比率においてある側鎖が占めるパーセント比率は、HPLCクロマトグラムにおいて、6〜40のDPを有する全てのピークの全高に対する、この側鎖を表すピーク高の比率を決定することによって決定される。ピーク高を決定するために、Dionex, USAのプログラムChromeleon 6.20が使用された。調整された評価ソフトウェアのパラメータは以下の通りであった。
Figure 0004460282
g)粒サイズの決定
標準法に従って、ジャガイモの塊茎からデンプンを抽出し、10 lのバケツ(バケツ高/バケツ径の比率 = 約1.1)において水で数回洗浄した。最終的に粒サイズを決定されたデンプンのサンプルを得るために、洗浄後に、デンプンを約4時間放置し、可能な限り完全なデンプンの沈降物を得た。
ソフトウェアV.2.3を用い、Retsch GmbH, Germanyによる「Lumosed FS1」型の光沈降試験器によって、粒サイズをその後決定した。ソフトウェアの調整は以下の通りであった。
物質のデータ:
キャリブレーション番号 0
密度[kg/m3] 1500
沈降液:
タイプ 水
粘度[Pa s] 0.001
密度[kg/m3] 1000
添加 ‐
測定データ 5分間
ふるい径[μm] 250
通過率 [%] 100
測定範囲 4.34〜117.39μm
キャリブレーション N
温度 20℃
水溶液中において、かつ製造業者の使用説明書に従って、かつ例えばH.Pitsch, KorngroBenbestimmung; LABO-1988/3 Fachzeitschrift fur Labortechnik, Darmstadtのような文献に基づいて、粒サイズの分布を決定した。
h)デンプンの機械的破砕
約0.5 gの各デンプンをコーヒーミル(製造業者:Mellert、型:M85, Germany)中に入れ、各々30秒間、6回破砕した。2つの間隔の合間に、各々20秒間破砕を中断した。粒サイズの分布は、項目g)において説明されるように決定した。
i)水結合能
水結合能(WBC)を決定するために、70℃において膨潤させたデンプンの遠心分離によって可溶性部分を分離した後、上清の重量を測定した。デンプンの水結合能(WBC)は、可溶性質量によって修正されたデンプンの重量測定部分に関連して与えられた。
WBC(g/g) = (残さ−(重量測定部分−可溶性部分))/(重量測定部分−可溶性部分)。
実施例においては、発現ベクターME5/6(図1を参照のこと)を使用した。
発現ベクターME5/6の調製
pGSV71は、中間ベクターpGSV1に由来するプラスミドpGSV7の誘導体である。pGSV1は、その構築がCornelissenおよびVanderwiele(Nucleic Acids Research 17, (1989), 19〜25)によって説明された、pGSC1700の誘導体である。pGSV1は、カルベニシリン耐性遺伝子の欠失、および、プラスミドpTiB6S3のTL-DNA領域のT-DNA配列の欠失によって、pGSC1700から得られた。
pGSV7は、プラスミドpBR322(Bolivarら, Gene 2, (1977), 95〜113)の複製起点、および、PseudomonasプラスミドpSV1(Itohら, Plasmid 11, (1984), 206)の複製起点を含む。pGSV7は、付加的に、抗生物質スペクチノマイシンおよびストレプトマイシンに対する耐性を与える、Klebsiella pneumoniaeに由来するトランスポゾンTn1331からの、選択可能なマーカー遺伝子aadA(Tolmasky, Plasmid 24(3), (1990), 218〜226;TolmaskyおよびCrosa, Plasmid 29(1), (1993), 31〜40)を含む。
プラスミドpGSV71は、pGSV7の境界領域の間のキメラbar遺伝子をクローニングすることによって得られた。キメラbar遺伝子は、転写を開始するための、カリフラワーモザイクウイルスのプロモーター配列(Odellら, Nature 313, (1985), 180)、Streptomyces hygroscopicusに由来するbar遺伝子(Thompsonら, EMBO J.6, (1987), 2519〜2523)、および、転写を終結させるため、およびポリアデニル化のための、pTiT37のT-DNAのノパリン合成酵素遺伝子の3'-非翻訳領域を含む。bar遺伝子は、除草剤グルホシネートアンモニウムへの耐性を与える。
位置198〜222において、T-DNAは、プラスミドpTiB6S3のTL-DNAの右側境界配列を含む(Gielenら, EMBO J.3, (1984), 835〜846)。ヌクレオチド223〜249の間にはポリリンカー配列が存在する。ヌクレオチド250〜1634は、カリフラワーモザイクウイルスのP35S3プロモーター領域(Odellら, 上記を参照のこと)を含む。Streptomyces hygroscopicusに由来するphosphinothricine耐性遺伝子(bar)のコード配列(Thompsonら, 1987, 上記を参照のこと)は、ヌクレオチド1635〜2186の間に含まれる。bar野生型遺伝子の5'末端における2つの終止コドンを、コドンATGおよびGACで置き換えた。ヌクレオチド2187〜2205の間にはポリリンカー配列が存在する。プラスミドpTiT37のT-DNAからのノパリン合成酵素遺伝子(3'nos)の非翻訳3'末端の260 bpのTaqI断片(Depickerら, J.Mol.Appl.Genet. 1, (1982), 561〜573)は、ヌクレオチド2206〜2465の間に位置する。ヌクレオチド2466〜2519は、ポリリンカー配列を含む。pTiB6S3からのTL-DNAの左側境界配列(Gielenら, EMBO J.3, (1984), 835〜846)は、ヌクレオチド2520〜2544の間に位置する。
その後、酵素PstIによってベクターpGSV71を切断し、平滑末端化した。ベクターpB33-Kanから、EcoRI-HindIII断片として、プロモーターB33およびocsカセットを切断し、平滑末端化し、PstIによって切断し平滑末端化しておいたベクターpGSV71に挿入した。得られたベクターは、ME5/6の構築のための開始ベクターとして機能した。PstI切断部位を重複させることによって、切断部位EcoRI、PacI、SpeI、SrfI、SpeI、NotI、PacIおよびEcoRIを含むオリゴヌクレオチドを、ベクターME4/6のB33プロモーターとocs因子の間のPstI切断部位に挿入した。得られた発現ベクターは、ME5/6と呼ばれた。
ベクターpSK-Pacの説明:
pSK-Pacは、マルチクローニング部位(MCS)に隣接するPacI切断部位が挿入された、pSK Bluescript(Stratagene, USA)の誘導体である。
以下の実施例は、本発明を例証するものである。
実施例1
R1遺伝子、BEI遺伝子およびBEII遺伝子の遺伝子発現が減少した、トランスジェニックジャガイモ植物の生産
BEIタンパク質、R1タンパク質およびBEIIタンパク質の活性が低下しているトランスジェニック植物を生産するために、BE1活性およびタンパク質R1の量を減少させた、第一のトランスジェニック植物を作製した。このために、Rocha-Sosaら(EMBO J. 8, (1989), 23〜29)によって説明されるようにアグロバクテリウムを用いて、プラスミドpB33-aR1-HygのT-DNAおよびプラスミドpB33-a-BE1-KanのT-DNAの双方を同時にジャガイモ植物に移行させた。
プラスミドpB33-aR1-HygおよびプラスミドpB33-aBE1-Kanを構築するために、最初に、発現ベクターpB33-KanおよびpB33-Hygを各々構築した。このために、ジャガイモ(Solanum tuberosum)に由来するパタチン遺伝子B33のプロモーター(Rocha-Sosaら, 1989, 上記を参照のこと)をDraI断片(ヌクレオチド-1512〜+14)として、SstIによって切断し、その末端をT4-DNAポリメラーゼによって平滑化しておいたベクターpUC19(GenBankアクセッション番号:M77789)にライゲーションした。このようにして、プラスミドpUC19-B33を得た。B33プロモーターは、EcoRIおよびSmaIによって、このプラスミドから切断し、対応して切断しておいたベクターpBinARにライゲーションした。このようにして、植物発現ベクターpB33-Kanを得た。プラスミドpBinARは、ベクタープラスミドpBin19(Bevan, Nucl.Acids Research 12, (1984), 8711〜8721)の誘導体であり、HofgenおよびWillmitzer(Plant Sci. 66, (1990), 221〜230)によって構築された。プラスミドpB33-Kanを出発材料とし、B33プロモーターを含むEcoRI-HindIII断片、ポリリンカーの部分およびpB33-Kanからのocsターミネーターを切り出し、対応して切断しておいたベクターpBIB-Hyg(Becker, Nucleic Acids Res. 18(1), (1990), 203)にライゲーションした。その結果、pB33-Hygを得た。
その後、ジャガイモ(Solanum tuberosum)に由来するR1 cDNA(Lorberth, Charakterisierung von RL1: ein neues Enzym des Starkemetabolismus. Dissertation Freie Universitat Berlin)の約+2850〜約+4850のヌクレオチド配列をアンチセンスの方向で含む、プラスミドpRL1のおよそ2,000 bpのAsp718断片を、以前に説明されたプラスミドのAsp718切断部位にライゲーションした。その結果生じるプラスミドは、pB33-aR1-Hygと呼ばれた。プラスミドpB33-aBE1-Kanを構築するために、前述の戦略と同様に、ジャガイモ(Solanum tuberosum)に由来するパタチンクラスI遺伝子B33のプロモーター領域−約3,100 bpの長さを有し、かつジャガイモからのBE1酵素のための部分的なcDNAを含む、SmaI/HindIII断片(Kossmann, Klonierung und funktionelle Analyse von Genen codierend fur am Kohlenhydratstoffwechsel der Kartoffel beteiligte Proteine, Dissertation Technische Universitat Berlin, (1992))を、最初に平滑化し、ベクターpBinAR-Hyg(上記を参照のこと)のSmaI切断部位に、B33プロモーターに関してアンチセンスの方向で挿入した。
形質転換後、ウエスタンブロット解析によって、R1タンパク質の含量が有意に減少した塊茎を有する、トランスジェニックジャガイモ植物の異なる系統を同定することが可能であった。さらなる解析から、系統36の単離されたデンプンが、互いに独立して試験された全ての形質転換体のうち、最高のアミロース含量を有することが示された。
その系統の植物をその後、Rocha-Sosaら(EMBO J. 8, (1989), 23〜29)によって説明されるように、プラスミドpGSV71-aBE2-bastaによって形質転換した。
プラスミドpGSV71-aBE2-bastaは、塊茎からの全RNAを鋳型として用いたRT-PCR(プライマー1(配列番号:1):
Figure 0004460282
およびプライマー2(配列番号:2):
Figure 0004460282
;Stratagene ProSTAR(商標)HF Single-Tube RT-PCRシステム)によって増幅されたDNA断片を用いて、塊茎特異的なジャガイモcDNAライブラリを、標準法に従ってスクリーニングすることによって構築された。このようにして、約1,250 bpのサイズを有するDNA断片(配列番号:3を参照のこと)は、EcoRV-SmaI断片として、クローニングベクターpSK-Pac(上記を参照のこと)のEcoRV切断部位にその後サブクローニングされ、最終的に、PacI断片として発現ベクターME5/6(図1)にアンチセンスの方向でライゲーションされた。その結果、プラスミドpGSV71-aBE2-bastaが得られた。
プラスミドpGSV71-aBE2-bastaを用いた形質転換によって得られ、かつR1遺伝子、BEI遺伝子およびBEII遺伝子の発現の減少を示した植物であって、203MH植物と呼ぶこととする植物から、別々の形質転換体の塊茎の組織サンプルを採取し、それらのアミロース含量を決定した(方法を参照のこと)。その塊茎が最高のアミロース含量を有していた、別々の系統のデンプンを、デンプン特性のさらなる解析のために使用した(実施例2を参照のこと)。
実施例2
R1遺伝子、BEI遺伝子およびBEII遺伝子の発現が減少した植物のデンプンの解析
実施例1において説明された、形質転換体203 MHの異なる独立の系統のデンプンを、ジャガイモの塊茎から単離した。その後、このデンプンの物理化学的特性を解析した。改変されたデンプンの特徴付けの結果は、ある植物の系統の典型的な選択について、表1において示される。
(表1)
Figure 0004460282
凡例:
R1 = R1酵素、BEI = 分枝酵素I、BEII= 分枝酵素II、as = アンチセンス
RVA = Rapid Visco Analyser、max = 最大粘度、min = 最小粘度、fin = 測定末期における粘度、set = set back = minとfinの間の差異
T = 糊化温度
アミロース含量を例外として、%における値は、野生型(= 100%)に関連する。
アミロペクチンの側鎖分布は、上記にて説明されるように解析された。以下の表(Tab.2)は、野生型植物(Desiree)、072VL036植物(R1遺伝子およびBEI遺伝子の遺伝子発現が減少したジャガイモ植物)、および形質転換体203MH(実施例1:R1遺伝子、BEI遺伝子およびBEII遺伝子の遺伝子発現が減少したジャガイモ植物を参照のこと)の選択された系統の、全ピーク高内の、HPAECクロマトグラムの個々のピーク高の比率の概観を含む:
(表2)
Figure 0004460282
全ピーク高における、個々の鎖長(DPにおいて示される)のピーク高の比率を比較した場合、野生型植物のアミロペクチンと比較して、および072VL植物のアミロペクチンとも比較して、203MH植物のアミロペクチンの側鎖分布に関しては、DP>26を有する側鎖に向けてのかなりのシフトが認められる。DP 26〜DP 31を有する側鎖の相対比率から平均を計算すると、以下の値が得られる(表3):
(表3)
Figure 0004460282
203MH植物のアミロペクチンは、野生型植物、および072VL植物のアミロペクチンとも比較して、DP 26〜DP 31を有する側鎖の比率が増加していることによって特徴付けられる。
さらに、デンプン粒の形態を試験した。
野生型植物のデンプン粒の表面は、光学顕微鏡下においてなめらかであるように見える。粒の形態は円形から楕円形であり、目立つ「内部構造」はない。さらに、異なる粒サイズの一様な分布が認められる(図2を参照のこと)。
072VL036植物(図3)のデンプン粒は、非常に不均質な外観を有する。幾つかの粒のみがなめらかであるように見え、他のものは溝を有し、幾つかは「ブドウの房様の凝集」を示す。他の粒は、十字状の凹み(cross-recess)様の構造を有する。粒サイズの範囲は広く、野生型植物のデンプン粒の場合よりも小さな粒がより大きな比率を占める。
072VL036植物ほどはっきりとは見えないが、系統203MH010(図4)の粒の形態も不均質である。ほとんど全ての粒の表面は溝を有し、ほとんどの粒がブドウの房様の凝集を示す。時には、これらの凝集構造の断片のように見える粒子が認められる。より小さな粒が多くを占めるが、サイズ分布は比較的広い。
さらに、粒サイズは、Retsch GmbH, Germanyによる「Lumosed」型の光沈降試験器を用いて決定された。
非処理のデンプンサンプル、および、粒サイズの決定以前に全部で3分間の機械的破砕を受けたサンプルの双方の平均粒サイズを測定した(条件については上記を参照のこと)(表4)。
さらに、<20μmのサイズを有するデンプン粒の比率を決定した(表5)。
(表4)平均粒サイズ[μm]
Figure 0004460282
(表5)<20μmの粒の比率[%]
Figure 0004460282
結果は、本発明のデンプンの<20μmのデンプン粒の平均粒サイズおよびパーセント比率の双方が、野生型のデンプンおよび072VL036植物に由来するデンプンとは有意に異なることを示す。
デンプンの機械的破砕後には、これらの差異は、機械的破砕を行わない場合よりもさらに有意である。
上記にてさらに説明される発現ベクターME 5/6の概要説明。 野生型ジャガイモ植物のデンプン粒の光学顕微鏡写真。 R1遺伝子およびBEI遺伝子の遺伝子発現が減少した072VL036ジャガイモ植物のデンプン粒の光学顕微鏡写真。 本発明に従った203MH010ジャガイモ植物のデンプン粒の光学顕微鏡写真。
配列表
Figure 0004460282
Figure 0004460282
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Claims (34)

  1. 遺伝的に改変されたトランスジェニック植物細胞であって、該遺伝的な改変が、遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞と比較して、植物細胞において内在的に生じる、ジキナーゼタイプの反応においてデンプンのリン酸化を触媒するタンパク質(R1タンパク質)の活性の低下、および植物細胞において内在的に生じる分枝酵素アイソフォームI(BEI)タンパク質の活性の低下、および植物細胞において内在的に生じる分枝酵素アイソフォームII(BEII)タンパク質の活性の低下を導くものであり、該トランスジェニック植物細胞は、デンプン中において少なくとも75%のアミロース含量(ここで該アミロース含量は、比色定量法によって決定される)を有し、かつ遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞のデンプンと比較して減少したリン酸含量を有する点で特徴付けられるデンプンを合成するものである、トランスジェニック植物細胞。
  2. 遺伝的な改変が複数の外来の核酸分子の導入からなり、該外来の核酸分子の存在および/または発現が、遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞と比較して、R1タンパク質およびBEIタンパク質およびBEIIタンパク質の活性の低下を導く、請求項1記載のトランスジェニック植物細胞。
  3. 外来の核酸分子が、1つの組換え核酸分子に共に含まれるか、もしくは2またはそれ以上の組換え核酸分子に分かれて含まれる、請求項2記載のトランスジェニック植物細胞。
  4. 外来の核酸分子が以下a)〜c)の核酸分子を含む、請求項2記載のトランスジェニック植物細胞:
    a)以下i)〜iv)からなる群から選択される、少なくとも1つの核酸分子;
    i)R1タンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くアンチセンスRNAをコードするDNA分子;
    ii)コサプレッション効果によって、R1タンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くDNA分子;
    iii)インビボの突然変異誘発によって導入され、かつ内在性のR1タンパク質をコードする遺伝子において突然変異または異種配列の挿入を導く核酸分子であって、突然変異または挿入が、R1タンパク質をコードする遺伝子の発現の減少を導くか、または不活性なR1タンパク質の合成を導く核酸分子;ならびに
    iv)アンチセンスRNA、およびセンスRNAを同時にコードするDNA分子であって、該アンチセンスRNAおよび該センスRNAが、R1タンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導く二重鎖RNA分子を形成する、DNA分子;
    b)以下i)〜iv)からなる群から選択される、少なくとも1つの核酸分子;
    i)BEIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くアンチセンスRNAをコードするDNA分子;
    ii)コサプレッション効果によって、BEIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くDNA分子;
    iii)インビボの突然変異誘発によって導入され、かつ内在性のBEIタンパク質をコードする遺伝子において突然変異または異種配列の挿入を導く核酸分子であって、突然変異または挿入が、BEIタンパク質をコードする遺伝子の発現の減少を導くか、または不活性なBEIタンパク質の合成を導く核酸分子;ならびに
    iv)アンチセンスRNA、およびセンスRNAを同時にコードするDNA分子であって、該アンチセンスRNAおよび該センスRNAが、BEIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導く二重鎖RNA分子を形成する、DNA分子;ならびに
    c)以下i)〜iv)からなる群から選択される、少なくとも1つの核酸分子;
    i)BEIIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くアンチセンスRNAをコードするDNA分子;
    ii)コサプレッション効果によって、BEIIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くDNA分子;
    iii)インビボの突然変異誘発によって導入され、かつ内在性のBEIIタンパク質をコードする遺伝子において突然変異または異種配列の挿入を導く核酸分子であって、突然変異または挿入が、BEIIタンパク質をコードする遺伝子の発現の減少を導くか、または不活性なBEIIタンパク質の合成を導く核酸分子;ならびに
    iv)アンチセンスRNA、およびセンスRNAを同時にコードするDNA分子であって、該アンチセンスRNAおよび該センスRNAが、BEIIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導く二重鎖RNA分子を形成する、DNA分子
  5. a)〜c)の核酸分子が、1つの組換え核酸分子に共に含まれるか、もしくは2またはそれ以上の組換え核酸分子に分かれて含まれる、請求項4記載のトランスジェニック植物細胞。
  6. 合成されるデンプンが、対応する野生型植物において合成されるデンプンと比較して、改変された側鎖分布を有するという点で特徴付けられる、請求項1からのいずれか一項記載のトランスジェニック植物細胞。
  7. 請求項1からのいずれか一項記載の植物細胞を含むトランスジェニック植物。
  8. 改変されたデンプンを合成するトランスジェニック植物細胞を生産するための方法であって、該植物細胞は、複数の外来の核酸分子の導入によって遺伝的に改変され、該外来の核酸分子の存在および/または発現が、遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞と比較して、R1タンパク質、BEIタンパク質およびBEIIタンパク質の活性の低下を導くものであり、該改変されたデンプンは、デンプン中において少なくとも75%のアミロース含量(ここで該アミロース含量は、比色定量法によって決定される)を有し、かつ遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞のデンプンと比較して減少したリン酸含量を有する点で特徴付けられるものである、方法。
  9. 外来の核酸分子が、1つの組換え核酸分子に共に含まれるか、もしくは2またはそれ以上の組換え核酸分子に分かれて含まれる、請求項8記載の方法。
  10. 改変されたデンプンを合成するトランスジェニック植物を生産するための方法であって、該改変されたデンプンは、デンプン中において少なくとも75%のアミロース含量(ここで該アミロース含量は、比色定量法によって決定される)を有し、かつ遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞のデンプンと比較して減少したリン酸含量を有する点で特徴付けられるものであり、かつ該方法が以下の段階を含むものである、方法:
    a)複数の外来の核酸分子を導入することによって、植物細胞が遺伝的に改変され、該外来の核酸分子の存在および/または発現が、遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞と比較して、R1タンパク質、BEIタンパク質およびBEIIタンパク質の活性の低下を導き;かつ
    b)a)に従って生産された細胞から植物体が再生される。
  11. c)段階b)に従って生産された植物体からさらなる植物体が生産される段階
    をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. 外来の核酸分子が、1つの組換え核酸分子に共に含まれるか、もしくは2またはそれ以上の組換え核酸分子に分かれて含まれる、請求項10または11記載の方法。
  13. 請求項10から12のいずれか一項記載の方法によって得ることが可能なトランスジェニック植物。
  14. デンプン貯蔵植物である、請求項または請求項13記載のトランスジェニック植物。
  15. ジャガイモ植物である、請求項または請求項13記載のトランスジェニック植物。
  16. 請求項1からのいずれか一項記載の植物細胞を含む、請求項または請求項13から15のいずれか一項記載の植物の繁殖材料。
  17. 請求項1からのいずれか一項記載の植物細胞を生産するための、または請求項もしくは請求項13から15のいずれか一項記載の植物を生産するための、R1、BEIおよびBEIIタンパク質の酵素活性を有するタンパク質をコードする、複数の外来の核酸分子の使用。
  18. 外来の核酸分子が、1つの組換え核酸分子に共に含まれるか、もしくは2またはそれ以上の組換え核酸分子に分かれて含まれる、請求項17記載の使用。
  19. 請求項1から6のいずれか一項記載の植物細胞を生産するための、または請求項7もしくは請求項13から15のいずれか一項記載の植物を生産するための、複数の外来の核酸分子の使用であって、該外来の核酸分子が以下a)〜c)の核酸分子を含む、使用
    a)以下i)〜iv)からなる群から選択される、少なくとも1つの核酸分子;
    i)R1タンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くアンチセンスRNAをコードするDNA分子;
    ii)コサプレッション効果によって、R1タンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くDNA分子;
    iii)インビボの突然変異誘発によって導入され、かつ内在性のR1タンパク質をコードする遺伝子において突然変異または異種配列の挿入を導く核酸分子であって、突然変異または挿入が、R1タンパク質をコードする遺伝子の発現の減少を導くか、または不活性なR1タンパク質の合成を導く核酸分子;ならびに
    iv)アンチセンスRNA、およびセンスRNAを同時にコードするDNA分子であって、該アンチセンスRNAおよび該センスRNAが、R1タンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導く二重鎖RNA分子を形成する、DNA分子;
    b)以下i)〜iv)からなる群から選択される、少なくとも1つの核酸分子;
    i)BEIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くアンチセンスRNAをコードするDNA分子;
    ii)コサプレッション効果によって、BEIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くDNA分子;
    iii)インビボの突然変異誘発によって導入され、かつ内在性のBEIタンパク質をコードする遺伝子において突然変異または異種配列の挿入を導く核酸分子であって、突然変異または挿入が、BEIタンパク質をコードする遺伝子の発現の減少を導くか、または不活性なBEIタンパク質の合成を導く核酸分子;ならびに
    iv)アンチセンスRNA、およびセンスRNAを同時にコードするDNA分子であって、該アンチセンスRNAおよび該センスRNAが、BEIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導く二重鎖RNA分子を形成する、DNA分子;ならびに
    c)以下i)〜iv)からなる群から選択される、少なくとも1つの核酸分子;
    i)BEIIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くアンチセンスRNAをコードするDNA分子;
    ii)コサプレッション効果によって、BEIIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くDNA分子;
    iii)インビボの突然変異誘発によって導入され、かつ内在性のBEIIタンパク質をコードする遺伝子において突然変異または異種配列の挿入を導く核酸分子であって、突然変異または挿入が、BEIIタンパク質をコードする遺伝子の発現の減少を導くか、または不活性なBEIIタンパク質の合成を導く核酸分子;ならびに
    iv)アンチセンスRNA、およびセンスRNAを同時にコードするDNA分子であって、該アンチセンスRNAおよび該センスRNAが、BEIIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導く二重鎖RNA分子を形成する、DNA分子
  20. a)〜c)の核酸分子が、1つの組換え核酸分子に共に含まれるか、もしくは2またはそれ以上の組換え核酸分子に分かれて含まれる、請求項19記載の使用
  21. 請求項1からのいずれか一項記載のトランスジェニック植物細胞、または請求項もしくは請求項13から15のいずれか一項記載のトランスジェニック植物の生産に適する、複数の外来遺伝子を含む組成物であって、該植物細胞または該植物における該外来の核酸分子の存在および/または発現が、遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞と比較して、R1およびBEIおよびBEIIタンパク質の活性の低下を導くものであり、かつ該外来遺伝子が以下a)〜c)の核酸分子を含む、組成物:
    a)以下i)〜iv)からなる群から選択される、少なくとも1つの核酸分子;
    i)R1タンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くアンチセンスRNAをコードするDNA分子;
    ii)コサプレッション効果によって、R1タンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くDNA分子;
    iii)インビボの突然変異誘発によって導入され、かつ内在性のR1タンパク質をコードする遺伝子において突然変異または異種配列の挿入を導く核酸分子であって、突然変異または挿入が、R1タンパク質をコードする遺伝子の発現の減少を導くか、または不活性なR1タンパク質の合成を導く核酸分子;ならびに
    iv)アンチセンスRNA、およびセンスRNAを同時にコードするDNA分子であって、該アンチセンスRNAおよび該センスRNAが、R1タンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導く二重鎖RNA分子を形成するDNA分子;
    b)以下i)〜iv)からなる群から選択される、少なくとも1つの核酸分子;
    i)BEIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くアンチセンスRNAをコードするDNA分子;
    ii)コサプレッション効果によって、BEIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くDNA分子;
    iii)インビボの突然変異誘発によって導入され、かつ内在性のBEIタンパク質をコードする遺伝子において突然変異または異種配列の挿入を導く核酸分子であって、突然変異または挿入が、BEIタンパク質をコードする遺伝子の発現の減少を導くか、または不活性なBEIタンパク質の合成を導く核酸分子;ならびに
    iv)アンチセンスRNA、およびセンスRNAを同時にコードするDNA分子であって、該アンチセンスRNAおよび該センスRNAが、BEIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導く二重鎖RNA分子を形成するDNA分子;ならびに
    c)以下i)〜iv)からなる群から選択される、少なくとも1つの核酸分子;
    i)BEIIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くアンチセンスRNAをコードするDNA分子;
    ii)コサプレッション効果によって、BEIIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導くDNA分子;
    iii)インビボの突然変異誘発によって導入され、かつ内在性のBEIIタンパク質をコードする遺伝子において突然変異または異種配列の挿入を導く核酸分子であって、突然変異または挿入が、BEIIタンパク質をコードする遺伝子の発現の減少を導くか、または不活性なBEIIタンパク質の合成を導く核酸分子;ならびに
    iv)アンチセンスRNA、およびセンスRNAを同時にコードするDNA分子であって、該アンチセンスRNAおよび該センスRNAが、BEIIタンパク質をコードする内在性の遺伝子の発現の減少を導く二重鎖RNA分子を形成するDNA分子。
  22. a)〜c)の核酸分子が1つの組換え核酸分子に共に含まれるか、もしくは2またはそれ以上の組換え核酸分子に分かれて含まれる、請求項21記載の組成物。
  23. 請求項21または請求項22記載の組成物を含む宿主細胞。
  24. 請求項21または請求項22記載の組成物を含むトランスジェニック植物細胞。
  25. 請求項1からおよび請求項24のいずれか一項記載の植物細胞から、または請求項および請求項13から15のいずれか一項記載の植物から、または請求項16記載の繁殖材料から得ることが可能なデンプンであって、デンプン中において少なくとも75%のアミロース含量(ここで該アミロース含量は、比色定量法によって決定される)を有し、かつ遺伝的に改変されていない野生型植物の対応する植物細胞のデンプンと比較して減少したリン酸含量を有する点で特徴付けられるものである、デンプン。
  26. 15 nmol C6-P/mgデンプンまでのグルコースモノマーのC-6位置におけるリン酸含量を有するという点で特徴付けられる、請求項25記載のデンプン。
  27. 遺伝的に改変されていない対応する野生型植物からのデンプンと比較して、改変された側鎖分布を有するという点で特徴付けられる、請求項25または26記載のデンプン。
  28. 遺伝的に改変されていない対応する野生型植物からのデンプンと比較して、改変されたデンプン粒の形態を有するという点で特徴付けられる、請求項25から27のいずれか一項記載のデンプン。
  29. デンプン粒がブドウの房の形態を有する、請求項28記載のデンプン。
  30. 遺伝的に改変されていない対応する野生型植物からのデンプンの平均粒サイズと比較して、平均粒サイズが減少しているという点で特徴付けられる、請求項25から29のいずれか一項記載のデンプン。
  31. 60%(w/v)のCaCl2溶液中において糊化した後にゲルを形成し、ゲルは、遺伝的に改変されていない対応する野生型植物からのデンプンのゲル強度と比較して、少なくとも1000%増加したゲル強度を有する、請求項25から30のいずれか一項記載のデンプン。
  32. ジャガイモのデンプンである、請求項25から31のいずれか一項記載のデンプン。
  33. 請求項および請求項13から15のいずれか一項記載の植物から、ならびに/またはそのような植物のデンプン貯蔵部分から、ならびに/または請求項1からおよび請求項24のいずれか一項記載の植物細胞、ならびに/または請求項16記載の繁殖材料から、デンプンを抽出する段階を含む、請求項25から32のいずれか一項記載のデンプンを生産するための方法。
  34. 請求項33記載の方法によって得ることが可能なデンプン。
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