JP4449739B2 - 車両制動装置および油圧供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両制動装置および油圧供給装置に関し、より詳細には、アキュムレータに蓄圧するためのポンプを駆動するモータの発熱を抑制する技術に関する。
一般に、電子制御ブレーキシステム(ECBシステム)では、ブレーキ操作に応じたブレーキオイルをホイールシリンダに送り込んで制動力を発生させる。応答性を確保するため、高圧にされたブレーキオイルが常にアキュムレータに蓄えられている。運転者によってブレーキペダルが操作される毎にアキュムレータ内の圧力は低下するため、アキュムレータを高圧に維持するには、適宜ポンプを駆動してアキュムレータにブレーキオイルを送り込む必要がある。特許文献1には、アキュムレータに蓄積される作動油の油圧に応じて電動モータを作動させるポンプ制御装置が開示されている。また、特許文献2〜5には、ポンプを駆動するモータに生ずる様々な問題に対処するために、モータのデューティ比を変化させることが記載されている。
特開平7−103201号公報 特開2001−328515号公報 特開平7−337085号公報 特開2004−82870号公報 特開昭63−131422号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されているようなアキュムレータ圧センサの値に応じてモータを制御する技術では、アキュムレータ圧センサに異常が生じたときモータを適切に制御することができず、アキュムレータ圧を適正範囲に維持できなくなるおそれがある。このため、従来では、ブレーキオイルの消費速度が最も速い場合を想定してオイルポンプの吐出量を選定しておき、この吐出量になるようにモータを作動させている。これは、ブレーキオイルの消費速度が想定値よりも小さい場合においては、オイルポンプを駆動するモータの負荷が必要以上に大きくなることを意味しており、モータの発熱量が増大するという問題がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ブレーキシステムの異常発生時に、アキュムレータのオイルポンプを駆動するモータの発熱量を低下させる技術を提供することにある。
本発明のある態様は、車両制動装置に関する。この装置は、モータにより駆動されるポンプと、前記ポンプから吐出される作動液を蓄積するアキュムレータと、前記アキュムレータにおける液圧を検出する圧力検出手段と、検出された液圧を参照して前記モータを制御するモータ制御手段と、前記アキュムレータから作動液を供給されて車輪に制動力を発生させるホイールシリンダと、前記アキュムレータと前記ホイールシリンダとを連通する液体通路と、を備える。そして、車両制動装置に生じた異常を検出する異常検出手段と、異常が検出されたとき、前記モータの発熱を抑制するように該モータを制御する異常時発熱抑制手段とをさらに備えることを特徴とする。
この態様によれば、車両制動装置に異常が発生したとき、モータの発熱を抑制するようにモータが制御されるので、モータの負荷を不必要に大きく設定することがなくなる。
異常時発熱抑制手段は、アキュムレータを所定の圧力以上に保ち、かつモータを継続して運転しても該モータの温度が熱定格を超えないように、モータの駆動パターンを設定してもよい。これによって、モータの発熱を抑えつつ、アキュムレータの性能も確保することができる。
異常検出手段は圧力検出手段に生じる異常を検出し、異常時発熱抑制手段は、異常が検出されたとき、モータの駆動時間と休止時間の比率を定めた駆動パターンを設定してもよい。または、異常時発熱抑制手段は、異常が検出されたとき、モータの回転数を減少させてもよい。
異常検出手段は、流体通路からの作動液の液漏れを検出する液漏れ検出手段と、液漏れ量を推定する推定手段とを含み、異常時発熱抑制手段は、液漏れ検出手段により液漏れが検出されたとき、推定手段により推定された液漏れ量を参照してモータの駆動パターンを設定してもよい。このようにすれば、液漏れによるアキュムレータの性能低下を回避しつつ、モータの発熱を抑えることができる。
本発明の別の態様は、モータにより駆動されるポンプによって高圧にされた作動液を蓄積するアキュムレータから、外部に作動液を供給する油圧供給装置に関する。この装置は、前記アキュムレータに関する異常が発生したとき、前記モータの発熱を抑制するように該モータを制御する異常時発熱抑制手段を備えることを特徴とする。
この態様によれば、油圧供給装置に異常が発生したとき、モータの発熱を抑制するようにモータが制御されるので、モータの負荷を不必要に大きく設定することがなくなる。
なお、上述の各要素を適宜組み合わせたものも本発明の範囲に含まれる。
本発明によれば、センサ故障などの異常が発生したとき、モータの発熱を抑制するようにモータが制御されるので、モータの熱定格を抑えられ、モータを小型化、軽量化することができる。
図1は、本実施形態が適用される車両制動装置100と電子制御ユニット200(以下、「ECU200」と表記する)の全体構成を示す。車両制動装置100は主にアクチュエータ80とアクチュエータ80以外のマスタシリンダ14などを備える。車両制動装置100は、電子制御式ブレーキシステム(ECB)であり、ブレーキペダルの操作量をセンサで検知し、最適なブレーキ油圧を算出して四輪独立してブレーキを作動させることができる。
ブレーキペダル12にはその踏み込みストロークを検出するストロークセンサ46が設けられている。マスタシリンダ14は、運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作に応じ、作動液であるブレーキオイルを圧送する。
マスタシリンダ14には右前輪用のブレーキ油圧制御導管16および左前輪用のブレーキ油圧制御導管18の一端が接続され、これらのブレーキ油圧制御導管はそれぞれ、右前輪および左前輪の制動力を発揮する右前輪用および左前輪用のホイールシリンダ20FR、20FLに接続されている。右前輪用および左前輪用のブレーキ油圧制御導管16、18の途中には、右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLが間挿されている。右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLは非通電時に開状態にあり、ブレーキ操作を検出した際に閉状態に切り替わる(これを「常開型」とよぶ)電磁弁である。
また、ブレーキ油圧制御導管16、18の途中には、それぞれ右前輪側および左前輪側のマスタシリンダ液圧を計測する右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLが設けられている。運転者によってブレーキペダル12が踏まれたとき、ストロークセンサ46によりその踏み込み操作量が検出されるが、ストロークセンサ46の故障を想定し、右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLによるマスタシリンダ液圧の計測によってもブレーキペダル12の踏み込み操作力が検出される。マスタシリンダ液圧をふたつの圧力センサで監視するのは、フェイルセーフの観点による。
マスタシリンダ14にはリザーバタンク26が接続され、また、開閉弁23を介して、運転者の操作量や反力を創出するストロークシミュレータ24が接続される。開閉弁23は、非通電時に開状態にあり、ブレーキ操作時に開状態に切り替わる常開型の電磁弁である。リザーバタンク26には油圧給排導管28の一端が接続される。油圧給排導管28にはモータ32により駆動されるオイルポンプ34が設けられている。オイルポンプ34の吐出側は高圧導管30になっており、アキュムレータ50とリリーフバルブ53が設けられている。アキュムレータ50はオイルポンプ34によって例えば14〜22MPaという範囲(以下「制御範囲」という)の高圧にされたブレーキオイルを蓄積する。リリーフバルブ53は、アキュムレータ圧が異常に高く、例えば25MPaといった高圧になったとき開き、油圧給排導管28へ高圧のブレーキオイルを逃がす。
高圧導管30にはアキュムレータ圧を計測するアキュムレータ圧センサ51が設けられる。後述のECU200にはアキュムレータ圧センサ51の出力であるアキュムレータ圧が入力され、このアキュムレータ圧が制御範囲に収まるようモータ32を制御する。
高圧導管30は、それぞれ非通電時は閉じた状態(これを「常閉型」という)にあり、必要なときにホイールシリンダの増圧用に利用される電磁流量制御弁、すなわちリニア弁である増圧弁40FR、40FL、40RR、40RLを介し、右前輪のホイールシリンダ20FR、左前輪のホイールシリンダ20FL、右後輪用のホイールシリンダ20RR、左後輪用のホイールシリンダ20RL(以下、これらを総称して「ホイールシリンダ20」という)に接続されている。以下、増圧弁40FR、40FL、40RR、40RLを総称するときは符号40を用いる。
図示しない車両の右前輪、左前輪、右後輪、左後輪には、ディスクブレーキが設けられており、それぞれホイールシリンダ20FR、20FL、20RR、20RLの駆動によりブレーキパッドをディスクに押し付けることで制動力を発揮するようになっている。
右前輪のホイールシリンダ20FRと左前輪のホイールシリンダ20FLは、必要なときに減圧用に利用される電磁流量制御弁、すなわちリニア弁である常閉型の減圧弁42FR、42FLを介して油圧給排導管28へ接続されている。また、右後輪用のホイールシリンダ20RR、左後輪用のホイールシリンダ20RLは、それぞれ常開型の減圧弁42RR、42RLを介して油圧給排導管28へ接続されている。以下、減圧弁42FR、42FL、42RR、42RLを総称するときは符号42を用いる。
右前輪、左前輪、右後輪、左後輪のホイールシリンダ20FR、20FL、20RR、20RL付近には、それぞれホイールシリンダ内の液圧を計測する右前輪用、左前輪用、右後輪用、左後輪用の圧力センサ44FR、44FL、44RR、44RLが設けられている。
ECU200は、電磁開閉弁22FR、22FL、開閉弁23、モータ32、4個の増圧弁40FR、40FL、40RR、40RL、および4個の減圧弁42FR、42FL、42RR、42RLを制御する。ECU200はマイクロコンピュータによる演算ユニット、各種制御プログラムを格納するROM、およびデータ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMなどを備える。
詳細は図示しないが、演算ユニットには、右前輪用、左前輪用、右後輪用、左後輪用の圧力センサ44FR、44FL、44RR、44RLから、それぞれ、右前輪のホイールシリンダ20FR内の圧力信号、左前輪のホイールシリンダ20FL内の圧力信号、右後輪用のホイールシリンダ20RR内の圧力信号、左後輪用のホイールシリンダ20RL内の圧力信号(以下、総括的にホイールシリンダ液圧信号という)が入力される。さらに、演算ユニットには、ストロークセンサ46からはブレーキペダル12の踏み込みストロークを示す信号(以下ストローク信号という)が、右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLからはマスタシリンダ液圧を示す信号(以下マスタシリンダ液圧信号という)が、アキュムレータ圧センサ51からはアキュムレータ圧を示す信号(以下アキュムレータ圧信号という)が入力される。
ECU200のROMは所定の制動制御フローを記憶している。演算ユニットはストローク信号とマスタシリンダ液圧信号に基づき車両の目標減速度を演算し、演算された目標減速度に基づいて各輪の目標ホイールシリンダ液圧を演算し、各輪のホイールシリンダ液圧が目標ホイールシリンダ液圧になるよう、増圧弁40および減圧弁42を制御する。
モータ32によって駆動されるオイルポンプ34は、リザーバタンク26から油圧給排導管28を通じてブレーキオイルをくみ上げ、高圧にされたブレーキオイルをアキュムレータ50に蓄積する。アキュムレータ50の高油圧は、目標ホイールシリンダ液圧に応じて増圧弁40を開閉制御することによって、各ホイールシリンダ20に供給される。
ブレーキペダル12が踏まれることによってアキュムレータ50から高油圧のブレーキオイルが消費されると、ECU200は、アキュムレータ50の圧力が常に制御範囲に収まるように、モータ32を作動させてオイルポンプを駆動し、アキュムレータ50に高圧にされたブレーキオイルを蓄積する。以下、この動作のことを「蓄圧動作」と呼ぶ。この蓄圧動作は、アキュムレータ圧センサ51の検出値にしたがって、自動的に実行される。
図2は、ECU200とその周辺機器を表した図である。図2では、ECU200を機能ブロック図として表している。これらの機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
モータ電流計60はモータ32の駆動電流を検出する。アキュムレータ圧センサ51は、高圧導管30の内圧を検出する。これらの検出値は、ECU200に供給される。
ECU200は、オイルポンプ34を駆動するモータ32を制御するモータ制御部210と、車両制動装置100に発生した異常を検出する異常検出部220を含む。モータ制御部210は、モータ駆動電流およびアキュムレータ圧力を参照して、オイルポンプ34を駆動するモータ32を制御する。通常制御部212は、車両制動装置100に異常が発生していない状態でモータ32を制御する。具体的には、通常制御部212は、上述の制御範囲の下限値をアキュムレータ圧力が下回らないように、モータ32を作動させてオイルポンプ34を駆動し、アキュムレータ50に高圧のブレーキオイルを蓄圧する。アキュムレータ圧力が制御範囲の上限値に到達すると、通常制御部212はモータ32を停止させる。
異常検出部220は、アキュムレータ圧センサ51の異常や、油圧給排導管28または高圧導管30からのブレーキオイルの液漏れを検出する。アキュムレータ圧センサ51の異常は、センサの自己診断機能を利用してゲイン異常を検出したり、断線を検出したり、検出値の張り付きなどから検出することができる。ブレーキオイルの液漏れの検出は、液漏れ検出部222により行われる。液漏れ検出部222は、ブレーキ非操作時のモータ32の稼働時間とアキュムレータ50の圧力を参照して、液漏れを検出する。具体的には、予めモータ32を稼働させたときのアキュムレータ圧を実験などにより求めておく。実際にモータ32をある時間だけ稼働させたときにアキュムレータ圧が実験値に満たない場合、液漏れ検出部222は、油圧給排導管28または高圧導管30においてブレーキオイルの液漏れが発生していると判定する。液漏れ量推定部224は、実験値と実際のアキュムレータ圧との差に基づいて、単位時間当たりのブレーキオイル漏れ量を推定することができる。
モータ制御部210内の異常時発熱抑制部214は、異常検出部220において車両制動装置100の異常が検出されたとき、モータ32による発熱を抑制するようにモータ制御を実行する。駆動パターン格納部216は、モータ駆動に必要なパターンを格納する。異常時発熱抑制部214は、アキュムレータ圧センサ51に異常が検出されたか否かに応じて、または液漏れ量推定部224で推定された液漏れ量に応じて、駆動パターン格納部216から適切な駆動パターンを選択する。
図2には、モータ32を駆動するためのモータ駆動回路240も表されている。モータ駆動回路240は、車両に設置されている図示しないバッテリから直流電力の供給を受ける。モータ駆動回路240は、モータ32をスイッチング駆動するための半導体リレー64と、主に半導体リレー64の故障時のバックアップとして使用されるメカリレー74の二系統を備えている。なお、バックアップ用のリレーも半導体リレーであってよい。それぞれの系統に、コネクタ62、72とヒューズ66、76が設けられている。コネクタ62、72は、ECU200からの信号で切換可能に構成されており、モータ32を半導体リレー64とメカリレー74のいずれか一方で駆動することができる。半導体リレー64は、所定の周期で発生されるパルス状の信号によってスイッチング制御され、半導体リレー64をオン設定するパルス状信号のオン時間のデューティ比に対応してモータ32の回転数などを制御することができる。モータを最大回転数で駆動する場合には、パルス状信号のオン時間のデューティが100%とされる。これによって、オイルポンプ34を駆動するモータ32の回転速度を、異常の種類に応じて任意に制御することが可能となる。
図3は、異常検出部220によって異常が検出されない正常時におけるモータ制御部210のフローチャートである。まず。アキュムレータ圧センサ51によってアキュムレータ圧が検出される(S10)。次に、通常制御部212は、アキュムレータ圧が予め設定されている制御範囲の上限値を超えたか否かを判定する(S12)。ただし、この上限値はリリーフ圧よりも低く設定されている。アキュムレータ圧が上限値より大きいとき(S12のY)、モータ32が駆動中の場合はモータを停止する(S14)。なお、車両制動装置100には、アキュムレータ圧が所定圧力以上になったときに開放するリリーフバルブ53が備えられているので、モータ32が作動し続けていても問題は生じないが、モータ32による電力消費と発熱、作動音を抑えるために停止させるのである。
アキュムレータ圧が上限値以下のとき(S12のN)、通常制御部212は、アキュムレータ圧が予め設定されている制御範囲の下限値を下回ったか否かを判定する(S16)。この下限値は、アキュムレータ50の最低動作保証圧力より若干大きな値に設定される。例えば、最低動作保証圧力が12MPaであれば、下限値は14MPaに設定される。アキュムレータ圧が下限値を下回っているときは(S16のY)、アキュムレータ50の圧力を早急に高めて制動性能が損なわれないようにすべきなので、モータ32をデューティ比100%で駆動する(S18)。アキュムレータ圧が下限値以上であるときは(S16のN)、急いでアキュムレータ圧を高めなくても制動性能上は問題がないので、モータ32を低デューティ比(例えば20%)で駆動する(S20)。
このように通常制御部212は、車両制動装置100に異常が検出されていないときは、アキュムレータ圧が適正な範囲内に収まるように、オイルポンプ34を駆動するモータ32を作動させるのである。
図4は、異常検出部220によって異常が検出されたときのモータ制御部210のフローチャートである。なお、このフローチャートにおける異常検出動作は、ブレーキシステムの起動中に定期的に実施される。まず、異常検出部220は、アキュムレータ圧センサ51に異常が生じているか否かを判定する(S30)。アキュムレータ圧センサ51が正常であれば(S30のN)、続いて異常検出部220は、液漏れ検出部222が液漏れを検出したか否かを判定する(S40)。液漏れが検出されていなければ(S40のN)、図3の正常時動作を実施する(S46)。
S30においてアキュムレータ圧センサ51が異常と判定されると(S30のY)、モータ32の制御が通常制御部212から異常時発熱抑制部214に移る(S32)。続いて、異常検出部220は、モータ32の駆動電流が予め決められているしきい値より大きいか否かを判定する(S34)。モータの駆動電流がしきい値より大きい場合(S34のY)、オイルポンプ34の負荷が大きい、すなわちアキュムレータ50の内圧がある程度高いことを意味していると考えられる。したがって、アキュムレータ50の内圧をこれ以上高める必要性が少ないので、低デューティ比A(例えば、10%)でモータ32を駆動する(S36)。S34で電流がしきい値以下の場合は(S34のN)、アキュムレータ50の内圧がやや低いと考えられるので、デューティ比Aより大きいデューティ比B(例えば、30%)でモータ32を駆動する(S38)。なお、S34におけるしきい値は、アキュムレータ50の内圧が車両の制動性能を確保するのに十分な値(例えば、17MPa)であるときのモータの駆動電流から決定することができ、主として実験的に求められる値である。
S40で液漏れが生じていると判定されたときも(S40のY)、モータ32の制御が通常制御部212から異常時発熱抑制部214に移る(S41)。続いて、異常検出部220は、液漏れ量推定部224で推定された液漏れ量が予め決められているしきい値より大きいか否かを判定する(S42)。油圧給排導管28または高圧導管30からの液漏れ量が大きいほど、モータ32を作動させてからアキュムレータ圧が高まるのに時間がかかるため、モータ32のデューティ比を高く設定する必要がある。液漏れ量がしきい値以下のとき(S42のN)、アキュムレータ50は比較的高めの圧力を保っていると考えられ、直ちにアキュムレータ圧が低下するおそれはない。しかしながら、液漏れの場合はアキュムレータ圧が徐々に低下していく傾向にあるから、デューティ比Bよりは大きいデューティ比C(例えば、50%)でモータ32を作動させる(S44)。S42で液漏れ量がしきい値より大きいとき(S42のY)、アキュムレータ50の内圧が低い状態であり、またアキュムレータ圧の低下速度も速いと考えられるため、デューティ比Cよりさらに高いデューティ比D(例えば、100%)でモータ32を作動させる(S48)。以上のように、図4のフローチャートでは、異常の種類、すなわちセンサ異常であるか液漏れであるかに応じて、またアキュムレータ圧の高低に応じて、4種類のデューティ比A、B、C、D(A<B<C<D)のいずれかでモータ32を作動させる。
なお、デューティ比は上記の例に限られるわけではない。例えば液漏れ時には、液漏れ量推定部224推定された液漏れ量に比例して、デューティ比を決定するようにしてもよい。液漏れ量とデューティ比の対応関係は、予め実験などを行って決定しておくことが好ましい。
以上説明したように、本実施形態によれば、車両制動装置100に異常が発生したとき、異常の種類に合わせてモータ32を作動させる。これによって、以下に述べるような利点が生じる。
従来、車両制動装置に異常が生じた場合、例えばセンサ故障が発生した場合、アキュムレータ圧を目標としてモータ制御することが不可能なので、モータを一定回転にして間欠駆動サイクル(例えば、2秒駆動して8秒停止するサイクル)を繰り返すように設定していた。しかし、アキュムレータに蓄積されたブレーキオイルは常に一定の速度で消費されるわけではなく、例えば発生させる制動力の大きさによっても異なる。従来では、オイルポンプを駆動するモータの回転数が一定であったため、ブレーキオイルの消費速度が最も速い場合を想定して間欠駆動サイクルを決定していた。これは、ブレーキオイルの消費速度が想定よりも小さい場合には、モータの負荷が必要以上に大きくなることを意味しており、モータの発熱量も増大する。したがって、その分の余裕を持ってモータの放熱設計をしなければならず、結果としてモータの体格が大きくなっていた。
本実施形態によれば、異常の種類および異常の程度に合わせてデューティ制御によりモータ回転数を設定するので、従来のように画一的に間欠駆動する場合よりもモータの発熱を抑えることができる。これによって、モータを小型化、軽量化することが可能になる。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、異常の種類および異常の程度に応じてデューティ比を変えてモータを作動させることを述べたが、モータの間欠駆動パターンを変えるようにしてもよい。この間欠駆動パターンには、モータの駆動時間と休止時間の比率が定められている。例えば、デューティ比10%(図4のデューティ比A)の代わりに、モータを所定の速度で1秒駆動し9秒休止させる駆動パターンを使用することができる。同様に、デューティ比70%(図4のデューティ比C)の代わりに、モータを所定の速度で7秒駆動し3秒休止させる駆動パターンを使用することができる。デューティ比100%(図4のデューティ比D)の代わりに、モータを連続駆動する駆動パターンを使用することができる。
実施の形態では、モータの電流値に基づいてデューティ比を決定することを述べたが、オイルポンプの吐出量を検出する流量センサを設けておき、検出された吐出量に応じてデューティ比を決定するようにしてもよい。
車両制動装置の全体構成図である。 本発明の一実施形態に係る車両制動装置のECUの機能ブロック図と他の装置との関係を示した図である。 正常時のモータ制御部の動作を表すフローチャートである。 異常検出時のモータ制御部の動作を表すフローチャートである。
符号の説明
12 ブレーキペダル、 14 マスタシリンダ、 20 ホイールシリンダ、 26 リザーバタンク、 32 モータ、 34 オイルポンプ、 40 増圧弁、 42 減圧弁、 50 アキュムレータ、 51 アキュムレータ圧センサ、 53 リリーフバルブ、 60 モータ電流計、 64 半導体リレー、 74 メカリレー、 200 ECU、 210 モータ制御部、 212 通常制御部、 214 異常時発熱抑制部、 216 駆動パターン格納部、 220 異常検出部、 222 液漏れ検出部、 224 液漏れ量推定部、 240 モータ駆動回路。

Claims (4)

  1. モータにより駆動されるポンプと、
    前記ポンプから吐出される作動液を蓄積するアキュムレータと、
    前記アキュムレータにおける液圧を検出する圧力検出手段と、
    検出された液圧を参照して前記モータを制御するモータ制御手段と、
    前記アキュムレータから作動液を供給されて車輪に制動力を発生させるホイールシリンダと、
    前記アキュムレータと前記ホイールシリンダとを連通する液体通路と、
    を備える車両制動装置において、
    該車両制動装置に生じた異常を検出する異常検出手段と、
    異常が検出されたとき、前記アキュムレータを所定の圧力以上に保ち、かつ前記モータを継続して運転しても該モータの温度が熱定格を超えないように、前記モータの回転数を定めるデューティ比を設定する異常時発熱抑制手段と、を備え、
    前記異常検出手段は、前記圧力検出手段に生じる異常を検出する手段と、前記液体通路からの作動液の液漏れを検出する液漏れ検出手段と、液漏れ量を推定する推定手段とを有し、
    前記異常時発熱抑制手段は、前記圧力検出手段の異常が検出されたときは、第1のデューティ比で前記モータを駆動し、作動液の液漏れが検出されたときは、前記推定手段により推定された液漏れ量を参照して、前記第1のデューティ比よりも大きい第2のデューティ比で前記モータを駆動することを特徴とする車両制動装置。
  2. モータにより駆動されるポンプと、
    前記ポンプから吐出される作動液を蓄積するアキュムレータと、
    前記アキュムレータにおける液圧を検出する圧力検出手段と、
    検出された液圧を参照して前記モータを制御するモータ制御手段と、
    前記アキュムレータから作動液を供給されて車輪に制動力を発生させるホイールシリンダと、
    前記アキュムレータと前記ホイールシリンダとを連通する液体通路と、
    を備える車両制動装置において、
    該車両制動装置に生じた異常を検出する異常検出手段と、
    異常が検出されたとき、前記アキュムレータを所定の圧力以上に保ち、かつ前記モータを継続して運転しても該モータの温度が熱定格を超えないように、モータの駆動時間と休止時間の比率を定める間欠駆動パターンを設定する異常時発熱抑制手段と、を備え、
    前記異常検出手段は、前記圧力検出手段に生じる異常を検出する手段と、前記液体通路からの作動液の液漏れを検出する液漏れ検出手段と、液漏れ量を推定する推定手段とを有し、
    前記異常時発熱抑制手段は、前記圧力検出手段の異常が検出されたときは、第1の間欠駆動パターンで前記モータを駆動し、作動液の液漏れが検出されたときは、前記推定手段により推定された液漏れ量を参照して、前記第1の間欠駆動パターンよりも駆動時間の比率が高い第2の間欠駆動パターンで前記モータを駆動することを特徴とする車両制動装置。
  3. モータにより駆動されるポンプによって高圧にされた作動液を蓄積するアキュムレータから、外部に作動液を供給する油圧供給装置において、
    前記アキュムレータにおける液圧を検出する圧力検出手段と、
    前記アキュムレータに関する異常を検出する異常検出手段と、
    異常が検出されたとき、前記アキュムレータを所定の圧力以上に保ち、かつ前記モータを継続して運転しても該モータの温度が熱定格を超えないように、前記モータの回転数を定めるデューティ比を設定する異常時発熱抑制手段と、を備え、
    前記異常検出手段は、前記圧力検出手段に生じる異常を検出する手段と、前記アキュムレータからの作動液の液漏れを検出する液漏れ検出手段と、液漏れ量を推定する推定手段とを有し、
    前記異常時発熱抑制手段は、前記圧力検出手段の異常が検出されたときは、第1のデューティ比で前記モータを駆動し、作動液の液漏れが検出されたときは、前記推定手段により推定された液漏れ量を参照して、前記第1のデューティ比よりも大きい第2のデューティ比で前記モータを駆動することを特徴とする油圧供給装置。
  4. モータにより駆動されるポンプによって高圧にされた作動液を蓄積するアキュムレータから、外部に作動液を供給する油圧供給装置において、
    前記アキュムレータにおける液圧を検出する圧力検出手段と、
    前記アキュムレータに関する異常を検出する異常検出手段と、
    異常が検出されたとき、前記アキュムレータを所定の圧力以上に保ち、かつ前記モータを継続して運転しても該モータの温度が熱定格を超えないように、モータの駆動時間と休止時間の比率を定める間欠駆動パターンを設定する異常時発熱抑制手段と、を備え、
    前記異常検出手段は、前記圧力検出手段に生じる異常を検出する手段と、前記アキュムレータからの作動液の液漏れを検出する液漏れ検出手段と、液漏れ量を推定する推定手段とを有し、
    前記異常時発熱抑制手段は、前記圧力検出手段の異常が検出されたときは、第1の間欠駆動パターンで前記モータを駆動し、作動液の液漏れが検出されたときは、前記推定手段により推定された液漏れ量を参照して、前記第1の間欠駆動パターンよりも駆動時間の比率が高い第2の間欠駆動パターンで前記モータを駆動することを特徴とする車両制動装置。
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