JP4432152B2 - 車輪用転がり軸受ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係る車輪用転がり軸受ユニットは、FF車(前置エンジン前輪駆動車)又は4WD車(四輪駆動車)の前輪等の駆動輪を、懸架装置に対して回転自在に支持する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為に、外輪と内輪とを転動体を介して回転自在に組み合わせた車輪用転がり軸受ユニットが、各種使用されている。又、操舵輪であると同時に駆動輪でもあるFF車或は4WD車の前輪を支持する為の車輪用転がり軸受ユニットは、等速ジョイントと組み合わせて、車輪に付与された舵角に拘らず、駆動軸の回転を上記車輪に対して円滑に(等速性を確保して)伝達する必要がある。この様な等速ジョイントと組み合わせて、しかも小型且つ軽量に構成できる車輪用転がり軸受ユニットとして従来から、特開平11−37146号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
図4は、この公報に記載された従来構造を示している。車両への組み付け状態で、懸架装置に支持した状態で回転しない外輪1は、外周面にこの懸架装置に支持する為の第一の取付フランジ2を、内周面に複列の外輪軌道3、3を、それぞれ有する。上記外輪1の内側には、第一、第二の内輪部材4、5を組み合わせて成るハブ6を配置している。このうち第一の内輪部材4は、外周面の軸方向一端寄り(図4の左寄り)部分に車輪を支持する為の第二の取付フランジ7を、同じく軸方向他端寄り(図4の右寄り)部分に第一の内輪軌道8を、それぞれ設けた筒状に形成している。又、上記第一の内輪部材4の軸方向中間部内周面には、雌スプライン溝32を形成した第一の小径部9を、同じく軸方向他端部(図4の右端部)内周面には、この第一の小径部9よりも大径の円筒面である第二の小径部10を、互いに同心に設けている。尚、本明細書中で、「軸方向」とは各図面の左右方向を、「径方向」とは各図面の上下方向をそれぞれ指す。
【0004】
これに対して、第二の内輪部材5は、軸方向一端部(図4の左端部)を上記第一の内輪部材4をがたつきなく外嵌固定する為の嵌合支持部11とし、軸方向中間部外周面に第二の内輪軌道12を設け、軸方向他端部を等速ジョイント13の外輪となるハウジング部14としている。又、上記嵌合支持部11の軸方向一端部には、この嵌合支持部11よりも小径の雄ねじ部15を設けている。又、この嵌合支持部11の軸方向中間部外周面には、上記第一の小径部9に形成した雌スプライン溝32と係合する雄スプライン溝33を形成した第一の嵌合面部16を、同じく軸方向他端部外周面には、上記第二の小径部10と嵌合する円筒面とした第二の嵌合面部17を、互いに同心に設けている。そして、上記嵌合支持部11に、上記第一の内輪部材4を外嵌すると共に、上記第一の小径部9の内周面に形成した雌スプライン溝32と上記第一の嵌合面部16の外周面に形成した雄スプライン溝33とをスプライン係合させている。この状態で、上記雄ねじ部15にナット18を螺合し、更に緊締して、上記第一、第二の内輪部材4、5同士を結合している。又、上記各外輪軌道3、3と上記第一、第二の内輪軌道8、12との間にそれぞれ複数個ずつ転動体19、19を設ける事により、上記外輪1の内側に上記ハブ6を、回転自在に設けている。
【0005】
更に、上記外輪1の軸方向両端開口部と上記ハブ6の軸方向中間部外周面との間には、ステンレス鋼板等の金属製で略円筒状のカバー20a、20bと、ゴムの如きエラストマー等の弾性材製で円環状のシールリング21a、21bとを設けている。これらカバー20a、20b及びシールリング21a、21bは、上記複数の転動体19、19を設置した部分と外部とを遮断し、この部分に存在するグリースが外部に漏出するのを防止すると共に、この部分に雨水、塵芥等の異物が侵入する事を防止する。又、上記第二の内輪部材5の軸方向中間部内側には、この第二の内輪部材5の内側を塞ぐ隔板部22を設けて、この第二の内輪部材5の剛性を確保すると共に、この第二の内輪部材5の先端(図4の左端)開口からこの第二の内輪部材5の内側に入り込んだ異物が、前記ハウジング部14の内側に設けた等速ジョイント13部分にまで達する事を防止している。
【0006】
又、上記等速ジョイント13は、上記ハウジング部14と、内輪23と、保持器24と、複数個の玉25とから成る。このうちの内輪23は、エンジンによりトランスミッション及びデファレンシャルギヤを介して回転駆動される、図示しない駆動軸の先端部に固定される。この内輪23の外周面には、それぞれが断面円弧形である複数の内側係合溝26を、円周方向に亙り等間隔に、それぞれ円周方向に対し直角方向に形成している。又、上記ハウジング部14の内周面で上記内側係合溝26と対向する位置には、やはり断面円弧形である複数の外側係合溝27を、円周方向に対し直角方向に形成している。又、上記保持器24は、断面円弧状で全体を円環状に形成しており、上記内輪23の外周面とハウジング部14の内周面との間に挟持している。この保持器24の円周方向複数個所で、上記内側、外側両係合溝26、27に整合する位置には、それぞれポケット28を形成し、これら各ポケット28の内側にそれぞれ上記各玉25を保持している。これら各玉25は、それぞれ上記各ポケット28に保持された状態で、上記内側、外側両係合溝26、27に沿い転動自在である。又、上記ハウジング部14の外周面には、このハウジング部14の軸方向端部開口を塞ぐ筒状のブーツ(図示せず)の軸方向一端部を係止する為の係止溝29を、全周に亙り形成している。
【0007】
上述の様に構成する車輪用転がり軸受ユニットを車両に組み付ける際には、第一の取付フランジ2により外輪1を懸架装置に支持し、第二の取付フランジ7により駆動輪でもある前輪を第一の内輪部材4に固定する。又、エンジンによりトランスミッションを介して回転駆動される、図示しない駆動軸の先端部を、等速ジョイントを構成する内輪23の内側にスプライン係合させる。自動車の走行時には、上記内輪23の回転を、複数の玉25を介してハブ6に伝達し、上記前輪を回転駆動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図4に示した従来の車輪用転がり軸受ユニットの場合、第一の内輪部材4を第二の内輪部材5の嵌合支持部11に外嵌固定してハブ6を構成している。その為、ハブ6内に、第一の小径部9と第一の嵌合面部16とのスプライン嵌合部と、第二の小径部10と第二の嵌合面部17との嵌合部とが存在する。ところで、車輪用転がり軸受ユニットの軸に相当するこのハブ6には、自動車への組み付け状態では、このハブ6を折り曲げようとする方向のモ−メントが、第二の取付フランジ7等から加わる荷重により発生する。従って、上記両嵌合部で上記モ−メントに対する曲げ剛性を高くする事は、上記ハブ6の曲がりを抑え、車輪用転がり軸受ユニットの安定性の向上に繋がる。特に、上記第二の小径部10と第二の嵌合面部17との嵌合を締め代を持った嵌め合いにする事が、上記曲げ剛性を向上させて、大きなモーメント荷重に対する安定性を確保する上からは好ましい。
【0009】
ところが、上記第二の小径部10と第二の嵌合面部17との嵌合を締め代を持った嵌め合いにすると、上記第一、第二の内輪部材4、5同士の組み合わせ時に新たな問題が生じる。即ち、これら両内輪部材4、5同士を組み合わせるべく、このうちの第一の内輪部材4に第二の内輪部材5の嵌合支持部11を挿入した際に、締め代を持った嵌め合いである上記第二の小径部10と上記第二の嵌合面部17とが先に嵌合し始めると、その後に、上記第一の小径部9の内周面に形成した雌スプライン溝32と上記第一の嵌合面部16の外周面に形成した雄スプライン溝33とをスプライン系合させる為に円周方向の位相を合わせるべく、上記第一の内輪部材4と第二の内輪部材5とを相対回転させる事が難しくなる。この様な不都合を防止する為には、上記第一、第二の内輪部材4、5同士の組み合わせ時に、上記第二の小径部10と上記第二の嵌合面部17とが嵌合し始めるのに先立って、上記雌スプライン溝32と上記雄スプライン溝33とが係合し始める様に規制する事が好ましい。
本発明の車輪用転がり軸受ユニットは、上述の様な事情に鑑みて、車輪用転がり軸受ユニットの曲げ剛性を高める事ができ、しかも組立作業が容易な構造を実現すべく発明したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の車輪用転がり軸受ユニットは、前述した従来の車輪用転がり軸受ユニットと同様に、外周面に懸架装置に支持する為の第一の取付フランジを、内周面に複列の外輪軌道を、それぞれ有する外輪と、外周面の軸方向一端寄り部分に車輪を支持する為の第二の取付フランジを、同じく軸方向他端寄り部分に第一の内輪軌道を、それぞれ設けた筒状の第一の内輪部材と、軸方向一端部をこの第一の内輪部材をがたつきなく外嵌固定する為の嵌合支持部とし、軸方向中間部外周面に第二の内輪軌道を設け、軸方向他端部を等速ジョイントの外輪となるハウジング部とした第二の内輪部材と、上記各外輪軌道と上記各内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを備える。このうち、上記第一の内輪部材の軸方向中間部内周面に雌スプライン溝を形成した第一の小径部を、同じく軸方向他端部内周面にこの第一の小径部よりも大径の円筒面である第二の小径部を、互いに同心に設けている。又、上記嵌合支持部の外周面は、上記第一の小径部に形成した雌スプライン溝と係合する雄スプライン溝を形成した第一の嵌合面部と、上記第二の小径部と嵌合する円筒面とした第二の嵌合面部とを、互いに同心に設けている。
特に、本発明の車輪用転がり軸受ユニットに於いては、上記第一の嵌合面部の先端部を直径方向外方に塑性変形させてかしめ部を形成している。そして、このかしめ部と上記第二の内輪部材の軸方向中間部外周面に設けた段部とで、上記第一の内輪部材の一部を軸方向両側から挟持する事により、この第一の内輪部材を上記第二の内輪部材に対して固定している。又、この第二の内輪部材の軸方向中間部乃至一端部でこの第二の内輪部材の径方向中央部に、軸方向一端側に開口する凹部を形成し、この凹部の奥面を上記第二の嵌合面部の内径側に存在させている。これと共に、この凹部と上記ハウジング部との間を塞ぐ隔板部の一部を、上記第二の嵌合面部と径方向に関し重畳させている。又、上記嵌合支持部の先端まで上記雄スプライン溝を形成している。更に、上記第二の小径部とこの第二の嵌合面部との嵌合を締め代を持った嵌め合いとすると共に、上記第一、第二の内輪部材同士の組み合わせ時に、上記第二の小径部と上記第二の嵌合面部とが嵌合し始めるのに先立って上記雌スプライン溝と上記雄スプライン溝とが係合し始める様にしている。
【0011】
【作用】
上述の様に構成する本発明の車輪用転がり軸受ユニットの場合には、第二の小径部と第二の嵌合面部との嵌合を締め代を持った嵌め合いとしているので、従来構造の場合よりも曲げ剛性を高くして、走行時に加わる大きなモーメント荷重に拘らず、車輪用転がり軸受ユニットの変形を抑えて、自動車の走行安定性の向上等を図れる。又、第一、第二の内輪部材同士の組み合わせ時に、上記第二の小径部と上記第二の嵌合面部とが嵌合し始めるのに先立って上記雌スプライン溝と上記雄スプライン溝とが係合し始める様に規制しているので、組立作業の容易化による製造コストの低減を図れる。
又、嵌合支持部の先端まで雄スプライン溝を形成して、第一の嵌合面部の軸方向長さを長くしている為、締め代を持った嵌め合いである上記第二の小径部と第二の嵌合面部との嵌合部の軸方向長さを長くでき、よりモ−メント荷重に対する曲げ剛性を高くする事ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、本発明に関する参考例の1例を示している。尚、本参考例の特徴は、組立作業を面倒にする事なく、車輪用転がり軸受ユニットのモ−メント荷重に対する曲げ剛性を高めるべく、第一の内輪部材4aと第二の内輪部材5aの嵌合支持部11aとの嵌合部分の構造を工夫した点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図4に示した従来構造とほぼ同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本参考例の特徴部分並びに上記従来構造と異なる部分を中心に説明する。
【0013】
本参考例の車輪用転がり軸受ユニットのハブ6aを構成する、筒状の第一の内輪部材4aの軸方向中間部内周面に、雌スプライン溝32aを形成した第一の小径部9aを、同じく軸方向他端部(図1〜2の右端部)内周面に、この第一の小径部9aよりも大径の円筒面である第二の小径部10aを、互いに同心に設けている。一方、第一の内輪部材4aと共にハブ6aを構成する第二の内輪部材5aの軸方向一端部(図1〜2の左端部)は、上記第一の内輪部材4aをがたつきなく外嵌固定する為の嵌合支持部11aとしている。この嵌合支持部11aの軸方向中間部外周面には、上記第一の小径部9aに形成した雌スプライン溝32aと係合する雄スプライン溝33aを形成した第一の嵌合面部16aを、軸方向他端部外周面には、上記第二の小径部10aと嵌合する円筒面とした第二の嵌合面部17aを、互いに同心に設けている。又、上記第二の小径部10aと第二の嵌合面部17aとの嵌合は、締め代を持った嵌め合いとしている。更に、上記第一の嵌合面部16aの軸方向長さL16a を、上記第二の小径部10aの軸方向長さL10a よりも長くしている。
【0014】
上述の様に構成される第一、第二の内輪部材4a、5a同士を組み合わせるべく、図2に示す様に、第二の内輪部材5aの嵌合支持部11aを第一の内輪部材4aに挿入すると、先ず、上記第一の小径部9aの内周面に形成した雌スプライン溝32aと上記第一の嵌合面部16aの外周面に形成した雄スプライン溝33aとがスプライン係合し始める。この際、これら両スプライン溝32a、33a同士をスプライン係合をさせる為に円周方向の位相を合わせるべく、上記第一の内輪部材4aと第二の内輪部材5aとを相対回転させる事は容易に行なえる。この様にして、上記両スプライン溝32a、33aの端部同士を係合させた後に、締め代を持った嵌め合いである、上記第二の小径部10aと第二の嵌合面部17aとが嵌合し始めるので、更に、上記第二の内輪部材5aを上記第一の内輪部材4a内に圧入する。そして、上記第二の内輪部材5aの軸方向一端部に設けた雄ねじ部15を前記第一の小径部9aよりも突出させた後、図1に示す様に、この雄ねじ部15にナット18を螺合し、更に緊締する事により、上記第一、第二の内輪部材4a、5a同士を結合する。同時に、外輪1の内周面に設けた複列の外輪軌道3、3と上記第一、第二の内輪部材4a、5aの外周面に設けた第一、第二の内輪軌道8、12との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けた、各転動体19、19に、適切な予圧を付与する。
【0015】
上述の様に構成する本参考例の車輪用転がり軸受ユニットにより、車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する作用は、前述した従来の車輪用転がり軸受ユニットの場合と同様である。特に、本参考例の場合には、上記第二の小径部10aと第二の嵌合面部17aとの嵌合を締め代を持った嵌め合いにして、モ−メント荷重に対する曲げ剛性を高めている。従って、走行時に加わる大きなモーメント荷重に拘らず、ハブ6aの変形を抑えて、車輪用転がり軸受ユニットを組み付けた自動車の走行安定性の向上等を図れる。又、上記第一の嵌合面部16aの軸方向長さL16a を上記第二の小径部10aの軸方向長さL10a よりも長くして、上記第一、第二の内輪部材4a、5a同士の組み合わせ時に、上記第二の小径部10aと上記第二の嵌合面部17aとが嵌合し始めるのに先立って上記第一の小径部9aの内周面に形成した雌スプライン溝32aと上記第一の嵌合面部16aの外周面に形成した雄スプライン溝33aとのスプライン係合が始まる様に規制している。従って、ハブ6aの組立作業を容易にできて、曲げ剛性が高く優れた性能を有する車輪用転がり軸受ユニットを低コストで実現できる。
【0016】
尚、図示の例では、第一の嵌合面部16aの全長に亙って雄スプライン溝33aを形成している。但し、上記第二の小径部10aと上記第二の嵌合面部17aとが嵌合し始めるのに先立って上記第一の小径部9aの内周面に形成した雌スプライン溝32aと上記第一の嵌合面部16aの外周面に形成した雄スプライン溝33aとのスプライン係合が始まる様にする為には、必ずしも第一の嵌合面部16aの全長に亙って雄スプライン溝33aを形成する必要はない。例えば、この第一の嵌合面部16aの先半部(図1〜2の左半部)にのみ雄スプライン溝33aを形成し、この第一の嵌合面部16aの基半部(図1〜2の右半部)は、この雄スプライン溝33aを形成した部分よりも小径の円筒面部としても良い。この場合でも、この円筒面部及び上記雄スプライン溝33aを形成した部分を含む、上記第一の嵌合面部16aの軸方向長さL16a は、上記第二の小径部10aの軸方向長さL10a よりも長くする。
【0017】
次に、図3は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の車輪用転がり軸受ユニットのハブ6bを構成する第二の内輪部材5bの軸方向一端部(図3の左端部)に設けた嵌合支持部11bの外周面は、軸方向一端寄り部分(図3の左寄り部分)に、その先端(図3の左端)まで雄スプライン溝33bを形成した第一の嵌合面部16bを、軸方向他端部(図3の右端部)に、円筒面とした第二の嵌合面部17bを、互いに同心に設けている。上記嵌合支持部11bを設けた第二の内輪部材5bと第一の内輪部材4bを組み合わせるべく、この嵌合支持部11bを上記第一の内輪部材4bに挿入すると、先ず、上記第一の小径部9bの内周面に形成した雌スプライン溝32bと上記第一の嵌合面部16bの外周面に形成した雄スプライン溝33bとがスプライン係合し始める。尚、この際は、上記第一の嵌合面部16bは、先端までストレート形状である。その後に、締め代を持った嵌め合いである上記第二の小径部10bと第二の嵌合面部17bとが嵌合し始めるので、更に、上記第二の内輪部材5bを第一の内輪部材4b内に圧入する。そして、この第一の内輪部材4bの軸方向他端面(図3の右端面)を、上記第二の内輪部材5bの軸方向中間部外周面に設けた段部30に突き当てたまま、上記第一の嵌合面部16bの先端部を直径方向外方に塑性変形させてかしめ部31を形成する。この状態で上記第一の内輪部材4bは、上記段部30と上記かしめ部31とにより、軸方向両側から狭持されて、上記第二の内輪部材5bに対して固定される。尚、上記第一の内輪部材4bをこの段部30に突き当てた状態で各転動体19、19に適正な予圧が付与される様に、上記段部30等の位置を規制している。又、上記第二の内輪部材5bの軸方向中間部乃至一端部で、この第二の内輪部材5bの径方向中央部に、軸方向一端側に開口する凹部34を形成し、この凹部34の奥面35を、上記第二の嵌合面部17bの内径側に存在させている。これと共に、この凹部34と、等速ジョイント13の外輪となるハウジング部14との間を塞ぐ隔板部22の一部を、上記第二の嵌合面部17bと径方向に関し重畳させている。
【0018】
上述の様に構成する本例の車輪用転がり軸受ユニットの場合には、前述した参考例の1例に比べて、ナット18(図1参照)を使わない分、部品点数の削減による重量並びにコストの低減を図る事ができる。又、上記嵌合支持部11bの先端まで雄スプライン溝33bを形成して、上記第一の嵌合面部16bの軸方向長さを長くしている。従って、締め代を持った嵌め合いである上記第二の小径部10bと第二の嵌合面部17bとの嵌合部の軸方向長さを長くでき、よりモ−メント荷重に対する曲げ剛性を高くする事ができる。その他の構造及び作用は、前述した参考例の1例の場合と同様である。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、製作費の上昇を抑えつつ、車輪用転がり軸受ユニットの性能の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関する参考例の1例を示す部分断面図。
【図2】 組立工程を示す部分断面図。
【図3】 本発明の実施の形態の1例を示す部分断面図。
【図4】 従来構造の1例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 外輪
2 第一の取付フランジ
3 外輪軌道
4、4a、4b 第一の内輪部材
5、5a、5b 第二の内輪部材
6、6a、6b ハブ
7 第二の取付フランジ
8 第一の内輪軌道
9、9a、9b 第一の小径部
10、10a、10b 第二の小径部
11、11a、11b 嵌合支持部
12 第二の内輪軌道
13 等速ジョイント
14 ハウジング部
15 雄ねじ部
16、16a、16b 第一の嵌合面部
17、17a、17b 第二の嵌合面部
18 ナット
19 転動体
20a、20b カバー
21a、21b シールリング
22 隔板部
23 内輪
24 保持器
25 玉
26 内側係合溝
27 外側係合溝
28 ポケット
29 係止溝
30 段部
31 かしめ部
32、32a、32b 雌スプライン溝
33、33a、33b 雄スプライン溝
34 凹部
35 奥面

Claims (1)

  1. 外周面に懸架装置に支持する為の第一の取付フランジを、内周面に複列の外輪軌道を、それぞれ有する外輪と、外周面の軸方向一端寄り部分に車輪を支持する為の第二の取付フランジを、同じく軸方向他端寄り部分に第一の内輪軌道を、それぞれ設けた筒状の第一の内輪部材と、軸方向一端部をこの第一の内輪部材をがたつきなく外嵌固定する為の嵌合支持部とし、軸方向中間部外周面に第二の内輪軌道を設け、軸方向他端部を等速ジョイントの外輪となるハウジング部とした第二の内輪部材と、上記各外輪軌道と上記各内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを備え、上記第一の内輪部材の軸方向中間部内周面に雌スプライン溝を形成した第一の小径部を、同じく軸方向他端部内周面にこの第一の小径部よりも大径の円筒面である第二の小径部を、互いに同心に設け、上記嵌合支持部の外周面は、上記第一の小径部に形成した雌スプライン溝と係合する雄スプライン溝を形成した第一の嵌合面部と、上記第二の小径部と嵌合する円筒面とした第二の嵌合面部とを、互いに同心に設けたものである車輪用転がり軸受ユニットに於いて、上記第一の嵌合面部の先端部を直径方向外方に塑性変形させてかしめ部を形成し、このかしめ部と上記第二の内輪部材の軸方向中間部外周面に設けた段部とで、上記第一の内輪部材の一部を軸方向両側から挟持する事により、この第一の内輪部材を上記第二の内輪部材に対して固定しており、この第二の内輪部材の軸方向中間部乃至一端部でこの第二の内輪部材の径方向中央部に、軸方向一端側に開口する凹部を形成し、この凹部の奥面を上記第二の嵌合面部の内径側に存在させると共に、この凹部と上記ハウジング部との間を塞ぐ隔板部の一部を、上記第二の嵌合面部と径方向に関し重畳させており、上記嵌合支持部の先端まで上記雄スプライン溝を形成しており、上記第二の小径部とこの第二の嵌合面部との嵌合を締め代を持った嵌め合いとすると共に、上記第一、第二の内輪部材同士の組み合わせ時に、上記第二の小径部と上記第二の嵌合面部とが嵌合し始めるのに先立って上記雌スプライン溝と上記雄スプライン溝とが係合し始める様にした事を特徴とする車輪用転がり軸受ユニット。
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