JP4431839B2 - 単水栓 - Google Patents
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Description
この明細書において、「水栓取付面」には、壁面の他、カウンター等の水平板の上面が含まれるものとする。
上記のねじ込み作業は、水栓本体における水導入口部の基端部付近に形成された外向き環状の化粧フランジ部と壁面との間隔が所定距離まで縮まった時点で、ハンドルが適正な回転位置(通常は真上)に来るように行う必要があるが、シールテープを少しでもねじ戻してしまうと、シール性が損なわれ、漏水の原因になってしまう。
すなわち、この混合水栓接続用管継手は、後端側に雄ネジ付き配管接続口部を有する水平筒状の第1管継手部材と、第1管継手部材にその前端側から回動可能にかつ前後移動可能に嵌め被せられた回動筒部、回動筒部の前端からラジアル方向に延びた中空状アーム部、およびアーム部の先端に前方突出状に設けられた混合水栓接続口部よりなる第2管継手部材とを備えているものである。第2管継手部材の回動筒部の内周面には、係合凸部が1つまたは周方向に間隔をおいて複数形成されている。第1管継手部材の外周面には、係合凸部を収容する環状溝が形成され、また、環状溝の後側面に、回動筒部を後方に移動させることにより係合凸部と係り合わせられる係合凹部が、1つまたは周方向に間隔をおいて複数形成されている。
このように、上記の混合水栓接続用管継手を使用すれば、いわゆる施工初心者であっても、熟練した技術や経験を要することなく、給湯配管および給水配管への混合水栓の接続作業を極めて容易にかつ確実に行うことが可能となる。
こうしておいてから、水栓本体を手で持って、雄ネジ部材を給水配管前端の雌ネジ部にねじ込む。
雄ネジ部材を雌ネジ部に必要な回転量だけねじ込んだところで、水栓本体の回転方向の向きを確認する。そして、例えば、水栓本体に取り付けられたハンドルが適正な位置に来ていない場合、保持手段を解除してロック部材を前方移動端に移動させると、雄ネジ部材に対して水栓本体が回転自在となるので、水栓本体を適正位置まで回転させる。
次に、ロック部材を後方移動端へ移動させると、ロック部材の係合部が雄ネジ部材の係合部に係合して、雄ネジ部材とロック部材、ひいては、雄ネジ部材と単水栓本体とが相対回転しないようになされる。
その後、不用意にロック部材が前方移動端まで移動して水栓本体が回転しないように、保持部材によってロック部材を後方移動端に保持しておく。
以上のように、本発明の第1の単水栓によれば、壁面等への取付に際して水栓本体の回転方向の向きをきわめて容易に調整することが可能であり、施工初心者であっても簡単かつ確実に壁面等に取り付けることができる。
こうしておいてから、水栓本体を手で持って、雄ネジ部材を給水配管前端の雌ネジ部にねじ込む。
雄ネジ部材を雌ネジ部に必要な回転量だけねじ込んだところで、水栓本体の回転方向の向きを確認する。そして、例えば、水栓本体に取り付けられたハンドルが適正な位置に来ていない場合、水栓本体を後方移動端に移動させると、水栓本体が雄ネジ部材に対して回転自在となるので、水栓本体を適正位置まで回転させる。
次に、水栓本体を前方移動端に移動させると、水導入口部の係合部が雄ネジ部材の係合部に係合して、雄ネジ部材と水栓本体とが相対回転しないようになされる。
その後、不用意に水導入口部が後方移動端まで移動して水栓本体が回転しないように、保持手段によって水導入口部を前方移動端に保持しておく。
以上のように、本発明の第2の単水栓によれば、水栓本体の回転方向の向きをきわめて容易に調整することが可能であり、施工初心者であっても簡単かつ確実に壁面等に取り付けることができる。また、本発明による第2の単水栓によれば、第1の単水栓と比べて部品点数が少なくなるため、その分だけ製造コストが抑えられる。
こうしておいてから、水栓本体を手で持って、雄ネジ部材を給水配管前端の雌ネジ部にねじ込む。
雄ネジ部材を雌ネジ部に必要な回転量だけねじ込んだところで、水栓本体の回転方向の向きを確認する。そして、例えば、水栓本体に取り付けられたハンドルが適正な位置に来ていない場合、水栓本体を前方移動端に移動させると、水栓本体が雄ネジ部材に対して回転自在となるので、水栓本体を適正位置まで回転させる。
次に、水栓本体を後方移動端に移動させると、水導入口部の係合部が雄ネジ部材の係合部に係合して、雄ネジ部材と水栓本体とが相対回転しないようになされる。
その後、不用意に水導入口部が前方移動端まで移動して水栓本体が回転しないように、保持手段によって水導入口部を後方移動端に保持しておく。
よって、本発明の第3の単水栓によれば、水栓本体の回転方向の向きをきわめて容易に調整することが可能であり、施工初心者であっても簡単かつ確実に壁面等に取り付けることができる。また、本発明による第3の単水栓によれば、第1の単水栓と比べて部品点数が少なくなるため、その分だけ製造コストが抑えられる。
保持手段をバネで構成すれば、水導入口部が前方移動端、すなわち、ロック解除位置にある水栓本体を適宜回転させて向きを調整した後、水栓本体から手を離せば、バネの弾性力によって、水導入口部が後方移動端、すなわち、ロック位置まで自動的に移動し、その後も同位置に保持されるので、使い勝手が良く、取付作業の効率が向上する。
なお、保持手段は、バネに代えて、或いはバネに加えて、例えば止めネジ等の他の手段を用いることも勿論可能である。
図1〜図9には、本発明の第1の実施形態が示されている。この実施形態は、本発明を壁面(W)に取り付けられる単水栓(横水栓)(1A)に適用したものである。
図示の単水栓(1A)は、後端に開口した水導入口部(21)を有する水栓本体(2)と、水導入口部(21)にその軸線周りに回転自在に接続されかつ壁面(W)の孔(W1)から露出した給水配管前端の雌ネジ部(P1)にねじ込まれる筒状の雄ネジ部材(3)と、水導入口部(21)の周囲における雄ネジ部材(3)の前方部分に前後移動自在に設けられたロック部材(4)とを備えている。
雄ネジ部材(3)およびロック部材(4)には、ロック部材(4)が後方移動端に来たときに複数の相対回転位置において互いに係合して両者(3)(4)の相対回転を阻止しうる一方、ロック部材(4)が前方移動端に来たときに係合解除して両者(3)(4)の相対回転を許容しうる係合部(31)(41)が形成されている。
さらに、単水栓(1A)は、ロック部材(4)を後方移動端に保持する保持手段(5)を備えている。
第1筒状部材(21b)は、その外周面後部にセレーション(215)を有している。第1筒状部材(21b)の内周面には、同部材にねじ込まれた第2筒状部材(21c)の内周面とほぼ面一になるように後ろ向きの環状段差(216)が形成されている。第1筒状部材(21b)の外周面の長さ中間部には、水平筒状部(21a)の後端面に当接する前向きの環状段差(217)が形成されている。
第2筒状部材(21c)の外周面の長さ中間部には、第1筒状部材(21b)の後端面と所定の隙間をあけて対向する前向きの環状段差(218)が形成されている。
水平筒状部(21a)と第1筒状部材(21b)、および、第1筒状部材(21b)と第2筒状部材(21c)は、これらのネジ部(211)(212)、(213)(214)どうしがそれぞれ接着されることにより、完全止水されている。
すなわち、例えば、図8に示すように、第1筒状部材(21b)の外周面後部と、ロック部材(4)の内周面における第1環状段差(43)と第2環状段差(44)との間の部分とに、セレーション(215)(45)に代えて、互いに嵌め合わせられる断面六角形またはその他の多角形の嵌合部(215A)(45A)を形成してもよい。
また、図9に示すように、第1筒状部材(21b)の外周面後部と、ロック部材(4)の内周面における第1環状段差(43)と第2環状段差(44)との間の部分とに、互いに嵌め合わせられる断面欠円形の嵌合部(215B)(45B)を形成してもよい。
まず、雄ネジ部材(3)にシールテープ(図示略)を巻いておく。ここで、ロック部材(4)は、雄ネジ部材(3)と水栓本体(2)とが相対回転しないように、後方移動端、すなわちロック位置に保持しておく必要があるが、この実施形態では保持手段としてバネ(5)を使用しているため、バネ(5)の弾性力によりロック部材(4)は自動的にロック位置に保持されている。
こうしておいてから、水栓本体(2)を手で持って、雄ネジ部材(3)を給水配管前端の雌ネジ部(P1)にねじ込む。
雄ネジ部材(3)を雌ネジ部(P1)に必要な回転量だけねじ込んだところで、水栓本体(2)の回転方向の向きを確認する。そして、水栓本体(2)に取り付けられたハンドル(27)が真上に来ていない場合、ロック部材(4)を手前に引っ張る。そうすると、バネ(5)の弾性力に抗してロック部材(4)が前方移動端、すなわちロック解除位置まで移動して、雄ネジ部材(3)およびロック部材(4)のセレーション(31)(41)どうしの係合が解除され、水栓本体(2)が雄ネジ部材(3)に対して回転可能となるので、そのままの状態で水栓本体(2)をハンドル(27)が真上に来る位置まで回転させる。
次に、ロック部材(4)から手を離すと、バネ(5)の弾性力によりロック部材(4)が後方移動端まで自動的に戻って、ロック部材(4)および雄ネジ部材(3)のセレーション(41)(31)が互いに係合し、雄ネジ部材(3)と水栓本体(2)とが相対回転しないようになされ、バネ(5)によってその状態が保持される。
以上のように、この実施形態の単水栓(1A)においては、水栓本体(2)の回転方向の向きをきわめて容易に調整することが可能である。従って、上記の単水栓(1A)によれば、施工初心者であっても、シールテープを無駄にしたり、漏水を心配することなく、簡単かつ確実に壁面(W)に取り付けることができる。
図10〜図13には、本発明の第2の実施形態が示されている。この実施形態の単水栓(1B)は、以下の点を除いて、図1〜図9に示す第1の実施形態の単水栓(1A)と実質的に同一である。
すなわち、図10〜図13の単水栓(1B)にあっては、雄ネジ部材(3)の前端部に環状外方凸部が形成されておらず、同部分に、第1筒状部材(21b)のセレーション(215)に合致するセレーション(31)が形成されている。
ロック部材(4)は、その内周面に第1環状段差を有しておらず、同内周面における第2環状段差(43)よりも後方部分にセレーション(46)が形成されている。このセレーション(46)は、ロック部材(4)が後方移動端、すなわち、ロック位置にあるときに、雄ネジ部材(3)のセレーション(31)および水導入口部(21)のセレーション(215)と噛み合う一方、ロック部材(4)が前方移動端、すなわち、ロック解除位置にあるときに、水導入口部(21)のセレーション(215)のみと噛み合うようになっている。つまり、この実施形態において、ロック部材(4)のセレーション(46)は、2つの部材(3)(21)との係合に共用されるものである。
従って、この実施形態の単水栓(1B)によれば、ロック部材(4)の構造が単純化されるので、コストダウンを図ることができる。
また、第1筒状部材(21b)は、その外周面における環状段差(217)の後方部分に環状外方凸部(219)を有しており、この環状外方凸部(219)とロック部材(4)の第2環状段差(44)との間に、バネ(5)が介在されている。
図14〜図16には、本発明の第3の実施形態が示されている。この実施形態の単水栓(1C)は、以下の点を除いて、図1〜図9に示す第1の実施形態の単水栓(1A)と実質的に同一である。
すなわち、図14〜図16の単水栓(1C)にあっては、雄ネジ部材(3A)の前端部に、径方向外方に短く突出した環状外方凸部に代えて、壁面(W)の孔(W1)を被覆するように径方向外方に長く突出した化粧フランジ部(34)が形成されている。化粧フランジ部(34)の前面には、環状前方凸部(35)が形成され、同凸部(35)の内周面にセレーション(31)が形成されている。
ロック部材(4B)は、略水平筒状のものであって、その外周面後部に、雄ネジ部材(3A)のセレーション(31)に噛み合うセレーション(41)が形成されている。
ロック部材(4B)の内周面後端寄りに、水平筒状部(21a)の後端面と所定距離をおいて向かい合う前向きの環状段差(44)が形成されている。また、ロック部材(4B)の内周面における環状段差(44)よりも後方部分に、水導入口部(21)のセレーション(215)と噛み合うセレーション(45)が形成されている。
図17〜図21には、本発明の第4の実施形態が示されている。この実施形態の単水栓(1D)は、以下の点を除いて、図1〜図9に示す第1の実施形態の単水栓(1A)と実質的に同一である。
すなわち、図17〜図21の単水栓(1D)にあっては、ロック部材(4C)が、やや薄肉の環状体よりなる。ロック部材(4C)の内周面には、その厚み中央部に、雄ネジ部材(3)の環状外方凸部(33)に当接する後ろ向きの環状段差(43)が形成されている。そして、ロック部材(4C)の内周面における環状段差(43)よりも後方部分に、雄ネジ部材(3)のセレーション(31)と噛み合うセレーション(41)が形成され、同前方部分に、第1筒状部材(21b)のセレーション(215)と噛み合うセレーション(45)が形成されている。
第1筒状部材(21b)の外周面におけるセレーション(45)よりも前方部分に、雄ネジ部(220)が形成されている。この雄ネジ部(220)には、ロック部材(4C)を雄ネジ部材(3)に向かって締め付けるナット(雌ネジ部材)(7)がねじ嵌められている。
この実施形態の単水栓(1D)によれば、上述の通り、ロック部材(4C)の保持手段としてナット(7)を使用しているので、より確実かつ強固にロック部材(4C)をロック位置に保持しておくことができる。
図22〜図25には、本発明の第5の実施形態が示されている。
この実施形態の単水栓(1E)は、後端に開口した水導入口部(21)を有する水栓本体(2)と、水導入口部(21)にその軸線周りに回転自在に接続されかつ壁面(W)の孔(W1)から露出した給水配管前端の雌ネジ部(P1)にねじ込まれる筒状の雄ネジ部材(3B)とを備えている。
水導入口部(21)は、雄ネジ部材(3B)に対して前後移動自在となされている。
雄ネジ部材(3B)および水導入口部(21)には、水導入口部(21)が前方移動端に来たときに複数の相対回転位置において互いに係合して両者(3B)(21)の相対回転を阻止しうる一方、水導入口部(21)が後方移動端に来たときに係合解除して両者(3B)(21)の相対回転を許容しうる係合部(31)(210)が形成されている。
さらに、単水栓(1E)は、水導入口部(21)を前方移動端に保持する保持手段(8)を備えている。
水平筒状部(21a)の内周面後端寄りには、雄ネジ部材(3B)の環状内方凸部(32)と所定距離をおいて向かい合う後ろ向きの環状段差(221)が形成されている。雌ネジ部(211)は、水平筒状部(21a)の内周面における環状段差(211)の前方部分に形成されている。水平筒状部(21a)の内周面後端部には、雄ネジ部材(3B)のセレーション(31)に噛み合うセレーション(210)が形成されており、このセレーション(210)が水導入口部(21)の係合部(210)を構成している。水平筒状部(21a)の内周面における雌ネジ部(211)の前側部分には、雄ネジ部材(3B)の内径にほぼ等しい開口径を有する環状内方凸部(222)が形成されている。
筒状部材(21b)の外周面の長さ中間部には、前方を向いた環状段差(218)が形成されており、この環状段差(218)は、雄ネジ部材(3B)の環状内方凸部(32)と係合しうるようになっている。筒状部材(21b)の外周面と雄ネジ部材(3B)の内周面との間は、Oリング等の環状パッキン(6)によってシールされている。
水平筒状部(21a)と筒状部材(21b)とは、これらのネジ部(211)(212どうしが接着されることにより、完全止水される。
雌ネジ部材(8)は、水平筒状の雌ネジ部(81)と、雌ネジ部(81)の後端から径方向外方に延びて壁面(W)の孔(W1)を被覆する化粧フランジ部(82)と、化粧フランジ部(82)の外周縁から後方に延びかつ先端が壁面(W)に接する環状脚部(83)とを備えている。
すなわち、まず、雄ネジ部材(3B)にシールテープ(図示略)を巻いておいてから、水栓本体(2)を手で持って、雄ネジ部材(3B)を給水配管前端の雌ネジ部(P1)にねじ込む。
雄ネジ部材(3B)を雌ネジ部(P1)に必要な回転量だけねじ込んだところで、水栓本体(2)の回転方向の向きを確認する。そして、水栓本体(2)に取り付けられたハンドル(27)(図1参照)が真上に来ていない場合、雌ネジ部材(保持手段)(8)を前方にねじ戻しておいてから(図23参照)、水栓本体(2)をバネ(5A)の弾性力に抗して後方に強く押す。そうすると、水栓本体(2)の水導入口部(21)が後方移動端、すなわちロック解除位置まで移動して、雄ネジ部材(3B)および水導入口部(21)のセレーション(31)(210)どうしの係合が解除され、水栓本体(2)が雄ネジ部材(3B)に対して回転可能となるので、そのままの状態で水栓本体(2)をハンドル(27)が真上に来る位置まで回転させる(図24参照)。
次に、水栓本体(2)から手を離すと、バネ(5A)の弾性力によって、水導入口部(21)が前方移動端、すなわちロック位置まで自動的に復帰し、水導入口部(21)のセレーション(210)が雄ネジ部材(3B)のセレーション(31)に係合して、雄ネジ部材(3B)と水栓本体(21)が相対回転しないようになされる。
その後、雌ネジ部材(8)をその環状脚部(82)の先端が壁面(W)に接するように後方に向かってねじ込むと、それによって、水栓本体(2)が、後方移動端への移動を阻止され、ロック位置に保持される(図22参照)。
従って、この実施形態の単水栓(1E)によれば、水栓本体(2)の回転方向の向きをきわめて容易に調整することが可能であり、施工初心者であっても、シールテープを無駄にしたり、漏水を心配することなく、簡単かつ確実に壁面(W)に取り付けることができる。
図26〜図29には、本発明の第6の実施形態が示されている。
この実施形態の単水栓(1F)は、後端に開口した水導入口部(21)を有する水栓本体(2)と、水導入口部(21)にその軸線周りに回転自在に接続されかつ壁面(W)の孔(W1)から露出した給水配管前端の雌ネジ部(P1)にねじ込まれる筒状の雄ネジ部材(3C)とを備えている。
水導入口部(21)は、雄ネジ部材(3C)に対して前後移動自在となされている。
雄ネジ部材(3C)および水導入口部(21)には、水導入口部(21)が後方移動端に来たときに複数の相対回転位置において互いに係合して両者(3C)(21)の相対回転を阻止しうる一方、水導入口部(21)が前方移動端に来たときに係合解除して両者(3C)(21)の相対回転を許容しうる係合部(31)(210)が形成されている。
さらに、単水栓(1F)は、水導入口部(21)を前方移動端に保持する保持手段(5B)(9)を備えている。
水平筒状部(21a)の内周面の長さ中間部には、雄ネジ部材(3C)の前端面を受けうる後ろ向きの第1環状段差(221)が形成されている。また、水平筒状部(21a)の内周面の後端寄り部分には、雄ネジ部材(3C)の環状外方凸部(33)を受けうる後ろ向きの第2環状段差(224)が形成されている。雌ネジ部(211)は、水平筒状部(21a)の内周面における第1環状段差(211)の前方部分に形成されている。水平筒状部(21a)の内周面における第2環状段差(224)の後方部分には、雄ネジ部材(3C)のセレーション(31)に噛み合うセレーション(210)が形成されており、このセレーション(210)が水導入口部(21)の係合部(210)を構成している。水平筒状部(21a)の内周面における雌ネジ部(211)の前側部分には、雄ネジ部材(3B)の内径にほぼ等しい開口径を有する環状内方凸部(222)が形成されている。水平筒状部(21a)の外周面の後端部には、壁面(W)の孔(W1)付近を被覆する外向き環状の化粧フランジ部(225)が形成されている。化粧フランジ部(225)の前面は、ゆるやかなテーパ面となされている。水平筒状部(21a)の下部には、後方移動端に位置した際に雄ネジ部材(3C)の環状溝(36)に向かって開口するネジ孔(226)があけられている。
筒状部材(21b)の外周面の長さ中間部には、雄ネジ部材(3C)内周面の環状段差(37)と所定距離をおいて向かい合う前向きの環状段差(218)が形成されている。筒状部材(21b)の外周面と雄ネジ部材(3C)の内周面との間は、Oリング等の環状パッキン(6)によってシールされている。
水平筒状部(21a)と筒状部材(21b)とは、これらのネジ部(211)(212どうしが接着されることにより、完全止水される。
また、この実施形態の単水栓(1F)は、水導入口部(21)が後方移動端にあるときに水平筒状部(21a)のネジ孔(226)にねじ込まれて、その先端が環状溝(36)の底面に当てられる止めネジ(9)を備えている。
これらのバネ(5B)および止めネジ(9)によって、水導入口部(21)を後方移動端に保持する保持手段が構成されている。
なお、保持手段は、バネ(5B)および止めネジ(9)のいずれか一方のみによって構成することも可能である。
すなわち、まず、雄ネジ部材(3C)にシールテープ(図示略)を巻いておく。ここで、水栓本体(2)の水導入口部(21)は、雄ネジ部材(3)に対して回転しないように、後方移動端、すなわちロック位置に保持しておく必要があるが、この実施形態では保持手段としてバネ(5B)を使用しているため、バネ(5)の弾性力により水導入口部(21)は自動的にロック位置に保持されている。また、ロック状態をより確実に保持するために、水導入口部(21)における水平筒状部(21a)のネジ孔(226)に止めネジ(9)をねじ込んでおくのが好ましい。
こうしておいてから、水栓本体(2)を手で持って、雄ネジ部材(3C)を給水配管前端の雌ネジ部(P1)にねじ込む(図26参照)。
雄ネジ部材(3C)を雌ネジ部(P1)に必要な回転量だけねじ込んだところで、水栓本体(2)の回転方向の向きを確認する。そして、水栓本体(2)に取り付けられたハンドル(27)(図1参照)が真上に来ていない場合、止めネジ(9)を緩めておいてから、水栓本体(2)をバネ(5A)の弾性力に抗して前方に引っ張る。そうすると、水栓本体(2)の水導入口部(21)が前方移動端、すなわちロック解除位置まで移動して、雄ネジ部材(3C)および水導入口部(21)のセレーション(31)(210)どうしの係合が解除され、水栓本体(2)が雄ネジ部材(3C)に対して回転可能となるので、その状態で水栓本体(2)をハンドル(27)が真上に来る位置まで回転させる(図27参照)。
次に、水栓本体(2)から手を離すと、バネ(5B)の弾性力によって、水導入口部(21)が後方移動端、すなわちロック位置まで自動的に復帰し、水導入口部(21)のセレーション(210)が雄ネジ部材(3C)のセレーション(31)に係合して、雄ネジ部材(3C)と水栓本体(21)が相対回転しないようになされ、バネ(5)によってその状態が保持される。
さらに、水導入口部(21)を後方移動端に確実に保持するために、止めネジ(9)をその先端が環状溝(36)の底面に達するまでねじ込む(図26参照)。
以上のように、この実施形態の単水栓(1F)によれば、水栓本体(2)の回転方向の向きをきわめて容易に調整することが可能であり、施工初心者であっても、シールテープを無駄にしたり、漏水を心配することなく、簡単かつ確実に壁面(W)に取り付けることができる。
(W1):孔
(P1):給水配管前端の雌ネジ部
(1A)(1B)(1C)(1D)(1E)(1F):単水栓
(2):水栓本体
(21):水導入口部
(210):セレーション(係合部)
(3)(3A)(3B)(3C):雄ネジ部材
(31):セレーション(係合部)
(4)(4A)(4B)(4C):ロック部材
(41)(46)セレーション(係合部)
(5)(5B):バネ(保持手段)
(5A):バネ
(7):ナット(雌ネジ部材・保持手段)
(8):雌ネジ部材(保持手段)
(9):止めネジ(保持手段)
Claims (10)
- 後端に開口した水導入口部を有する水栓本体と、水導入口部にその軸線周りに回転自在かつ前後移動不能に接続されかつ水栓取付面の孔から露出した給水配管前端の雌ネジ部にねじ込まれる筒状の雄ネジ部材と、水導入口部の周囲における雄ネジ部材の前方部分に前後移動自在に組み合わせられた環状のロック部材とを備え、
雄ネジ部材およびロック部材には、ロック部材が後方移動端に来たときに複数の相対回転位置において互いに係合して両者の相対回転を阻止しうる一方、ロック部材が前方移動端に来たときに係合解除して両者の相対回転を許容しうる係合部が形成されており、
さらに、ロック部材を後方移動端に保持する保持手段を備えていることを特徴とする、単水栓。 - 雄ネジ部材およびロック部材の係合部が、互いに噛み合うセレーションによって構成されていることを特徴とする、請求項1記載の単水栓。
- 保持手段が、ロック部材を雄ネジ部材に向かって付勢するバネよりなることを特徴とする、請求項1または2記載の単水栓。
- 保持手段が、水導入口部に形成された雄ネジ部にねじ嵌められ、ロック部材を雄ネジ部材に向かって締め付ける雌ネジ部材よりなることを特徴とする、請求項1または2記載の単水栓。
- 水栓本体の水導入口部とロック部材との対向面に、互いに噛み合うセレーションが形成され、これらのセレーションどうしが噛み合わせられることにより、ロック部材が水導入口部に対して前後移動自在となされていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の単水栓。
- 水栓本体の水導入口部とロック部材との対向面に、互いに嵌め合わせられる断面多角形または断面欠円形の嵌合部が形成され、これらの嵌合部どうしが嵌め合わせられることにより、ロック部材が水導入口部に対して前後移動自在となされていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の単水栓。
- ロック部材が、水栓取付面の孔付近を被覆しうる化粧カバーを兼ねた環状体によって構成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載の単水栓。
- 後端に開口した水導入口部を有する水栓本体と、水導入口部にその軸線周りに回転自在に接続されかつ水栓取付面の孔から露出した給水配管前端の雌ネジ部にねじ込まれる筒状の雄ネジ部材とを備え、
水導入口部は雄ネジ部材に対して前後移動自在となされており、
雄ネジ部材および水導入口部には、水導入口部が前方移動端に来たときに複数の相対回転位置において互いに係合して両者の相対回転を阻止しうる一方、水導入口部が後方移動端に来たときに係合解除して両者の相対回転を許容しうる係合部が形成されており、
さらに、水導入口部を前方移動端に保持する保持手段を備えており、
保持手段が、水導入口部に形成された雄ネジ部にねじ嵌められ、後端が水栓取付面に接することによって水導入口部の後方への移動を阻止する雌ネジ部材よりなることを特徴とする、単水栓。 - 水導入口部および雄ネジ部材の係合部が、互いに噛み合うセレーションによって構成されていることを特徴とする、請求項8記載の単水栓。
- 水導入口部を前方に向かって付勢するバネが設けられていることを特徴とする、請求項8または9記載の単水栓。
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