JP4414104B2 - バッター用造粒組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業の属する技術分野】
本発明は、カボチャ粉を含有したバッター用造粒組成物に関し、より詳細には、小麦粉とカボチャ粉を主体として膨張剤を含有するものに水等を加えてバッターを形成し、その後、揚げる、焼く、蒸すなどの加熱調理をして食する小麦粉加工食品用のプレミックスとして好適なバッター用造粒組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
小麦粉等の穀粉を主成分としてバッターを形成する小麦粉加工食品には、天ぷら、フリッターなどの揚げ物ころも、お好み焼き、スポンジケーキ、ホットケーキ、パンケーキ、蒸しパンなどがある。
主成分となる小麦粉などの穀粉は、飛散しやすい、調理器具にも付着する、流動性が悪く計量し難いなど作業性が悪い。穀粉以外の副原料も混合された粉体状のプレミックスも市販されているが、上記の問題は解決されていない。これらの粉体に水を加えてバッターとする際には、水溶けが悪いため塊状のダマが生じやすく、ダマを溶かそうとして必要以上に撹拌するために、グルテンが出て粘りが強くなり、食感に悪影響を及ぼす。例えば、天ぷらの場合、花が咲いたような外観で色良く黄金色に揚がり、しかもサクッとした食感に仕上げるには、バッターの調製が難しく、配合や揚げ方などに経験と工夫が必要とされる。また、スポンジケーキでは、小麦粉などの材料を予めふるわなければならず、バッター形成時の作業性も悪く、ふっくらと均一なスポンジケーキを得るためには、手間がかかるうえ豊富な経験が必要である。
【0003】
小麦粉の水溶けを改良する試みは、例えば天ぷら粉においては以下の技術が知られている。小麦粉を予熱した後、凝集結合剤を含有した噴霧液を噴霧して小麦粉を凝集結合させ、次いで乾燥させる小麦粉顆粒体の製造方法(特開昭51−57846)、小麦粉および小麦粉100重量部に対して0.01〜0.5重量部の乳化剤からなり、平均粒径が100〜180μmである天ぷら用小麦造粒物(特開2000−69925)。
【0004】
上記のように小麦粉を加熱して凝集結合剤、乳化剤などとともに顆粒体もしくは造粒する特開昭51−57846、特開2000−69925は、小麦粉そのものの顆粒体もしくは造粒物であり、膨張剤入りのバッターとしてそのまま使用できるものではなく、また外観、食感の点で必ずしも良好なものとは言えない。また、以前に出願人が発明したカボチャ粉を含有してなる揚げ衣用ミックス(特公昭62−4103)は、色良く黄金色に揚がり、ソフトで歯切れが良い食感の衣が得られる点で優れているが、水溶けや花が咲いたような外観においては、改善の余地があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、バッター形成時の水溶けが極めて良好で、色調、食感が改善され、食味も良好な小麦粉加工食品を提供するためのバッター用造粒組成物を目的としている。また、揚げ物においては、簡単に花が咲いたような外観と黄金色の色調の揚げ物を形成できるバッター用造粒組成物の提供を目的としている。また、本発明は、加熱調理時に膨張剤の効果が維持されており、食感が改善され、食味も良好な小麦粉加工食品を得ることができるバッター用造粒組成物の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、小麦粉カボチャ粉および膨張剤を含有する造粒組成物であって、膨張剤として、造粒組成物とする原料に加水して70℃で加熱しながら造粒した試料10gに0.7%(w/v)硫酸水溶液を25ml滴加して発生させたガスの量をガス発生量測定装置を用いて滴加5分後に測定して5ml以上になるものを使用することを特徴とするバッター用造粒組成物を要旨としている。
【0008】
本発明は、その他の副原料を含有しており、その場合、本発明のバッター用造粒組成物は、小麦粉、カボチャ粉、その他の副原料および膨張剤を含有する造粒組成物であって、膨張剤として、造粒組成物とする原料に加水して70℃で加熱しながら造粒した試料10gに0.7%(w/v)硫酸水溶液を25ml滴加して発生させたガスの量をガス発生量測定装置を用いて滴加5分後に測定して5ml以上になるものを使用することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のバッター用造粒組成物は、少なくとも小麦粉とカボチャ粉を含有する組成物を造粒したものである。
本発明で使用するカボチャ粉は、カボチャから必要により種子、外皮などを除去し、これを生のまま、あるいは蒸煮した後、加熱乾燥法、凍結乾燥法などの適宜の乾燥法により乾燥して粉末化したものである。原料カボチャの種類や、種子、外皮などの有無、乾燥の手段等で様々な種類の粉末製品が得られるが、その何れをも用いることができる。
カボチャ粉の使用量は特に限定されないが、小麦粉に対して0.5〜20重量%程度が適当である。
小麦粉のみを造粒したものに、後からカボチャ粉を添加しても、本発明の効果は得られない。後からカボチャ粉を添加した場合、カボチャ粉が均一に混合されにくく、また、流通中に、造粒された小麦粉との間で層分離を起こしやすい。カボチャ粉は、造粒することにより、造粒組成物中で安定化し、均一な存在状態となってその機能を十分に発揮することができる。カボチャ粉特有の色素による黄金色の色調が安定化して退色し難くなり、さらに、旨味や甘味が引き立って良好な食味、風味に寄与する。さらに、サクッとした歯脆い食感と良好な口溶けに寄与する。
【0012】
本発明のバッター用組成物は、小麦粉、カボチャ粉、および膨張剤を含有する。
本発明で用いる膨張剤は、天ぷらなどの揚げ物ころも、ホットケーキなどに通常使用する膨張剤の一種又は複数種を組み合わせて使用することができる。これら膨張剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、重炭酸アンモニウムなどを単独で使用するあるいはこれらに酸性剤として酒石酸、酒石酸水素カリウム、フマール酸、フマール酸ナトリウム、第一リン酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、焼みょうばん、焼アンモニウムミョウバン、グルコノデルタラクトン、塩化アンモニウムなどを組み合わせたもの、などが例示でき、造粒組成物における膨張剤の効果が維持できるように調製する。
【0013】
また、使用する膨張剤のうち、少なくとも一種は耐熱性膨張剤であることが好ましい。耐熱性膨張剤は、噴霧液の添加および加熱を伴う造粒後も単独でもその効果を維持できるものであり、例えば、脂質などで被覆されたものが挙げられる。被覆脂質には、例えば大豆油やなたね油、パーム油、ひまわり油、オリーブ油などの植物性油脂の他、牛脂、豚脂などの動物性油脂およびこれらの硬化油脂やショートニングなどの他、飽和脂肪酸などがある。飽和脂肪酸では融点の高い炭素数が10個以上の高級脂肪酸、例えば融点が69.5℃のステアリン酸などが好ましい被覆脂質として例示される。
【0014】
本発明のバッター用造粒組成物は、その他の副原料の全量を含有する。
その他の副原料を必要とする場合は、必要な副原料の全量を含有する造粒物とする。後から副原料を添加すると、本発明の効果は得られない。
副原料は、色素、香料、卵粉、糖類、デキストリン、蛋白、粉末油脂、乳化剤、食塩、調味料などが挙げられる。
【0015】
得られた造粒組成物中の膨張剤の効果は、天ぷらにおいてはサクッとした食感の向上、花が咲いた状態の良好な外観に寄与し、ケーキ類においてはふっくらと膨らみ、ソフトな食感に寄与する。これらの効果を達成するには、造粒組成物のガス発生量が好ましくは5ml以上であることが好ましく、さらに好ましくは8ml以上である。
【0016】
本発明の造粒組成物のガス発生量は、通常使用されるガス発生量測定装置(ガスビュレット、水準瓶、ガス発生用フラスコ、滴加用ビュレットなどで構成される)を用いて以下の方法で測定する。ガスビュレットならびに水準瓶に入れる置換溶液として、水350mlに食塩100gを溶解させ、炭酸水素ナトリウム1g、0.1%メチルオレンジ試液2mlを加え、溶液がわずかに酸性を呈するまで約50%塩酸水溶液を加えたものを用いる。試料10gを秤量してガス発生用フラスコに入れ、滴加用ビュレットを連結する。滴加用ビュレットに約0.7%(w/v)硫酸水溶液を25ml入れ、ガス発生量測定装置に連結し、ガスビュレットの液面の目盛が0mlを示すところで水準瓶を固定する。滴加用ビュレットのコックを開き、硫酸溶液をガス発生用フラスコ内に滴加し、滴加後直ちにコックを閉め、ガス発生用フラスコを1分間振盪させ、その後4分間静置冷却する。4分後に水準瓶を上下させ、水準瓶の液面とガスビュレットの液面がほぼ平衡となるときの目盛を読み、これをガス発生量(単位:ml)とした。
【0017】
本発明の造粒組成物の製造方法は、原料に加水して加熱しながら造粒する方法であればよく、これらの操作を効率的に行える造粒機を適宜使用する。例えば、原料粉体を空気で流動化させ、水などの液体を噴霧して造粒する流動層造粒などがあり、このような方法は多孔質でソフトな造粒物となる点で好適である。
造粒における加水量は目的とする平均粒径となるように、用いる造粒手段と勘案して決定する。また、噴霧液として噴霧しながら造粒する手段も好適である。噴霧液は水、あるいは水と乳化剤からなる混合物で調製して使用する。造粒中の加熱温度は40℃〜120℃程度、品温は60℃以下の範囲か、それ以外でも膨張剤の効果が維持され、穀粉中のグルテンが変性しない範囲が好適な条件として挙げられる。造粒組成物の大きさは特に限定されないが、均一に造粒された状態が望ましい。好ましくは平均粒径で70〜400μmの範囲である。
【0018】
本発明の方法で乳化剤を使用する場合、乳化剤は、液体、固体、粉体のいずれでもよく蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチンなどが例示される。乳化剤の配合割合は、バッター形成時の水溶けが極めて良好であり、ダマがなく、均一に分散されて粘度が安定したバッターが得られる造粒物を形成する範囲であり、小麦粉100重量部に対して乳化剤0.01〜1.00重量部好ましくは0.01〜0.5である。
【0019】
得られた造粒組成物は、粉立ちがなく流動性が良好であり、バッター調製時の計量カップ等での計量も容易で作業性が改善され、水、牛乳などを加えるだけで、簡単にバッターを形成することができる。水溶けは極めて良好であり、ダマがなく、均一に分散されて粘度が安定したバッターを形成することができる。
【0020】
【作用】
小麦粉とカボチャ粉または小麦粉、カボチャ粉と膨張剤を含有した状態で造粒することにより、これらの必要成分が均一に混合された造粒組成物となり、カボチャ粉、膨張剤の効果がより顕著に発揮される。
すなわち、本発明の揚げ物ころも用造粒組成物は、少なくとも小麦粉とカボチャ粉を含有した造粒組成物である。造粒することにより、カボチャ粉の好ましい黄金色の色調が安定化して退色し難くなり、造粒組成物の品質が保持され、得られる小麦粉加工食品の揚げ色、焼き色も良好な色調が保持される。さらに、カボチャ由来の旨味、甘味が引き立って良好な食味となり、サクッとした歯脆い食感となる。これらの作用は、カボチャ粉の色素や糖質などの成分が、造粒操作によって凝集性が抑制され、より均一でかつ安定した存在状態となるために生じるもので、色調、旨味、甘味などの機能が向上して良好な外観、食味、風味に寄与するものと推測される。
本発明のバッター用造粒組成物は、少なくとも小麦粉とカボチャ粉および膨張剤を含有する組成物を造粒したものであり、膨張剤がその効果を維持したまま均一に存在し、バッター形成時に最適な効果が発揮される。本発明のバッター用造粒組成物は、バッターに必要な全ての原料が均一に存在し、粉体の物性、バッターの物性、得られる小麦粉加工食品の品質を改善できる。
【0021】
【実施例】
本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0022】
実施例1〜3
<造粒組成物(天ぷら粉)の調製>
表1に示す原料配合の混合物とし、70℃の熱風による流動層中で水を噴霧しながら、造粒、乾燥させ、造粒組成物を製造した。
<造粒組成物を使用した天ぷらの製造>
造粒組成物100部に対して水150部を加えてバッターを調製した。そのバッターをえびに付着させた後、170〜180℃に加熱したサラダ油で2分揚げてえびの天ぷらを製造した。 造粒組成物とそのバッターおよび得られたえびの天ぷらについて、下記の評価基準によって20名のパネラーが点数評価し、その平均点数を算出した。(表1、表2)
【0023】
比較例1〜3
表1に示す配合を原料として、以下のように天ぷら用組成物を調製した。
比較例−1:原料を配合しただけの未造粒組成物。
比較例−2:比較例−1の混合物からカボチャ粉を除いた原材料を混合し、実施例1と同様の方法で造粒した組成物。
比較例−3:予め小麦粉のみを実施例1と同様の方法で造粒したものに、その他の原料を添加混合した組成物。
【0024】
【表1】
Figure 0004414104
※ カボチャ粉:[アスザックフーズ(株)製]
膨張剤A:重層(炭酸水素ナトリウム)[奥野製薬工業(株)製]
膨張剤B:トップベーキングパウダーデラックス(耐熱性膨張剤)
[奥野製薬工業(株)製]
乳化剤:ショ糖脂肪酸エステル[三菱化学フーズ(株)製]
<表1の評価基準>
表1のバッター用造粒組成物の評価基準は以下の通りである。
<造粒組成物およびバッター評価>
(粉立ち)
5点:粉立ちがほとんどなく、極めて良好
4点:粉立ちが少なく、良好
3点:粉立ちが普通
2点:粉立ちが多く、不良
1点:粉立ちが非常に多く、極めて不良
(流動性・計量し易さ)
5点:サラサラとして非常に流動性がよく、極めて計量し易い
4点:サラサラとして流動性がよく、計量し易い
3点:流動性、計量し易さともに普通
2点:流動性が悪く、計量し難い
1点:流動性が非常に悪く、極めて計量し難い
(水溶け)
5点:粉が速やかに水に分散し、ダマが全くない
4点:粉が水に分散し易く、ダマが少ない
3点:粉が概ね水に分散するが、ダマができる
2点:粉が水に分散し難く、ダマが多い
1点:粉が非常に水に分散し難く、ダマが極めて多い
(粘性・衣付き)
5点:非常に均一かつ安定したクリーム状の粘性で、衣付きが極めて良好
4点:均一かつ安定したクリーム状の粘性で、衣付きが良好
3点:粘性、衣付きともに普通
2点:不均一な粘性で、衣付きが一定でなく不良
1点:非常に不均一かつ不安定な粘性で、衣付きが極めて良好
<天ぷらの評価>
(外観−花散り)
5点:衣の花散りが非常に多く、極めて良好
4点:衣の花散りが多く、良好
3点:衣の花散りが普通
2点:衣の花散りが少なく、不良
1点:衣の花散りがほとんどなく、極めて不良
(外観−色調)
5点:衣の揚げ色が黄金色で、極めて良好
4点:衣の揚げ色が良好
3点:衣の揚げ色が普通
2点:衣の揚げ色が不良
1点:衣の揚げ色が白色で、極めて不良
(食味)
5点:衣に適度な香ばしさと甘味、旨味があり、極めて良好
4点:衣に香ばしさがあり、良好
3点:衣の香ばしさが普通
2点:衣に香ばしさが乏しく、不良
1点:衣に香ばしさと甘味、旨みがなく、極めて不良
(食感)
5点:衣が非常にソフトでサク味があり、極めて良好
4点:衣がソフトでサク味があり、良好
3点:衣のソフトさ、サク味ともに普通
2点:衣が硬くサク味に欠けており、不良
1点:衣が非常に硬くサク味がなく、極めて不良
(口溶け)
5点:衣の口溶けが極めて良好
4点:衣の口溶けが良好
3点:衣の口溶けが普通
2点:衣の口溶けが不良
1点:衣の口溶けが極めて不良
(油っぽさ)
5点:衣が非常に軽くべたつきがなく、極めて油っぽくない
4点:衣が軽くてべたつきが少なく、油っぽくない
3点:衣が油っぽくない
2点:衣が重くてべたつきが多く、油っぽい
1点:衣が非常に重くてべたつきが多く、極めて油っぽい
【0025】
実施例1〜3は造粒組成物におけるカボチャ粉ならびに膨張剤の効果が充分に発揮され、バッターの評価、天ぷらの評価ともに非常によいものであった。粉体としての物性に優れ、天ぷらの色調、風味、油っぽさのマスキング効果、歯脆さのあるサク味などに非常に効果的であった。
これに対し、比較例1のように未造粒のものおよび比較例3のように小麦粉など配合の一部を造粒したものでは、カボチャ粉の効果が発揮されにくく、本発明の効果は得られなかった。さらに、比較例2のようにカボチャ粉を配合せず、膨張剤の効果が維持されていない造粒組成物では、外観および食味、食感などの点において天ぷらとしての品質に劣るものであった。
【0026】
<保存性の評価>
実施例1および比較例1で得た組成物を各100gポリ袋に入れ、37℃恒温槽にて120日間(常温1.5年間の保存に相当する条件)保存した。コントロールとして、同様にポリ袋に入れた試料を冷凍庫に保存したものを使用し、それぞれ表1と同じ指標で評価した。
【0027】
【表2】
Figure 0004414104
【0028】
実施例1で得られた造粒組成物は、長期保存後もカボチャ粉ならびに膨張剤の効果が充分に保持され、保存性にも優れていることがわかった。バッター、天ぷらともに、色調が安定し、退色も抑制されていた。これに対し、比較例1のように未造粒のものは、カボチャ粉の効果が保持されにくく、色調や風味が低下していた。
【0029】
実施例4
<造粒組成物(スポンジケーキ用)の調製>
表3に示した原材料を混合して、実施例1と同様に造粒組成物を調製した。
<造粒組成物を使用したスポンジケーキの製造>
ボールに全卵180部を入れ、泡立て器で溶きほぐしてからグラニュー糖90部を加え、36〜40℃位の湯煎にかけて撹拌混合する。品温が湯煎温度付近まで到達したら湯煎から外し、さらに撹拌して気泡させる。造粒組成物90部、溶かしバター30部の順に加えて混合し、バッターを調製する。これをケーキ型に流し入れ、180℃のオーブンで30分焼成して、スポンジケーキを製造した。造粒組成物とそのバッターおよび得られたスポンジケーキについて下記の評価基準によって20名のパネラーが点数評価し、その平均点数を算出した。(表3)
【0030】
比較例4、5
表3に示す配合を原料として以下のようにスポンジケーキ用組成物を調製した。
比較例4:原料を混合しただけの未造粒組成物。
比較例5:比較例5の混合物を実施例1と同様の方法で造粒した組成物。
【0031】
<表3の評価基準>
表3のスポンジケーキ用造粒組成物の評価基準は以下の通りである。
<造粒組成物およびバッター評価>
(粉立ち)
5点:粉立ちがほとんどなく、極めて良好
4点:粉立ちが少なく、良好
3点:粉立ちが普通
2点:粉立ちが多く、不良
1点:粉立ちが非常に多く、極めて不良
(流動性・計量し易さ)
5点:サラサラとして非常に流動性がよく、極めて計量し易い
4点:サラサラとして流動性がよく、計量し易い
3点:流動性、計量し易さともに普通
2点:流動性が悪く、計量し難い
1点:流動性が非常に悪く、極めて計量し難い
(水溶け)
5点:粉が速やかに水に分散し、ダマが全くない
4点:粉が水に分散し易く、ダマが少ない
3点:粉が概ね水に分散するが、ダマができる
2点:粉が水に分散し難く、ダマが多い
1点:粉が非常に水に分散し難く、ダマが極めて多い
(粘性)
5点:非常に均一でなめらかなクリーム状で極めて良好
4点:均一でなめらかなクリーム状で良好
3点:概ねクリーム状で普通
2点:ゆるい液状で不良
1点:非常にゆるい液状で極めて不良
<スポンジケーキの評価>
(外観)
5点:表面の焼き色、焼き肌および内層の色調が極めて良好
4点:表面の焼き色、焼き肌および内層の色調が良好
3点:表面の焼き色、焼き肌および内層の色調が普通
2点:表面の焼き色、焼き肌および内層の色調が不良
1点:表面の焼き色、焼き肌および内層の色調が極めて不良
(ボリューム感)
5点:非常に均一にふっくらと膨らみ、ボリューム感極めて良好
4点:均一にふっくらと膨らみ、ボリューム感良好
3点:膨らみ、ボリューム感ともに普通
2点:不均一に膨らみ、ボリューム感不良
1点:非常に不均一に膨らみ、ボリューム感極めて不良
(食味)
5点:粉臭がなく、適度な香ばしさと甘味、旨味があり、極めて良好
4点:粉臭が少なく、香ばしさ、甘味、旨味があり、良好
3点:粉臭、香ばしさ、甘味、旨味ともに普通
2点:粉臭があり、香ばしさ、甘味、旨味が乏しく不良
1点:粉臭が強く、香ばしさ、甘味、旨味がなく、極めて不良
(食感)
5点:非常にソフトで、極めて良好
4点:ソフトで、良好
3点:ソフトさ普通
2点:重くソフトさ欠けており、不良
1点:非常に重くてソフトさがなく、極めて不良
(口溶け)
5点:口溶けが極めて良好
4点:口溶けが良好
3点:口溶けが普通
2点:口溶けが不良
1点:口溶けが極めて不良
【0032】
【表3】
Figure 0004414104
【0033】
実施例4の造粒組成物は、カボチャ粉ならびに膨張剤の効果が充分に発揮されバッターの評価、スポンジケーキの評価ともに非常によいものであった。特に、ケーキの焼き色、香ばしい食味、風味、粉臭さのマスキング効果は際立っていた。
これに対し、未造粒の比較例4ではカボチャ粉の効果が発揮されにくく、本発明の効果は得られなかった。また、比較例5では造粒中に膨張剤が反応してしまい、造粒組成物における膨張剤の効果が維持されず、外観および食味、食感などの点においてスポンジケーキとしての品質に劣るものであった。
通常、スポンジケーキ製造においては、小麦粉などの材料を予めふるっておく必要があり、粉立ちが起こり、また、バッター形成時にはだまになりやすく、手間がかかる上に作業性が悪い。しかし、本願の造粒組成物を使用すれば、手間なく簡単に、誰でも品質の良いスポンジケーキを製造することができる。
【0034】
【発明の効果】
小麦粉とカボチャ粉、膨張剤を含有した状態で造粒することにより、これらの必要成分が均一に混合された造粒物となり、カボチャ粉、膨張剤の効果がより顕著に発揮されたバッター用造粒組成物を提供することができる。加熱調理時にカボチャ粉、膨張剤の効果が維持されており、食感が改善され、食味も良好な小麦粉加工食品の製造に適したバッター用造粒組成物を提供することができる。
小麦粉とカボチャ粉、膨張剤を含有し、バッターを形成してから揚げるあるいは焼く蒸すなど加熱調理して得られる小麦粉加工食品において、粉体の物性が改善され、流動性に優れ、粉立ちがなく、バッター形成時の水溶けが極めて良好なバッター用造粒組成物を提供することができる。

Claims (1)

  1. 小麦粉、カボチャ粉および膨張剤を含有する造粒組成物であって、膨張剤として、脂質で被覆された膨張剤であり、かつ、造粒組成物とする原料に加水して70℃で加熱しながら造粒した試料10gに0.7%(w/v)硫酸水溶液を25ml滴加して発生させたガスの量をガス発生量測定装置を用いて滴加5分後に測定して5ml以上になるものを使用することを特徴とするバッター用造粒組成物。
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