JP4399619B2

JP4399619B2 - 船舶への違法乗り込み防止装置

Info

Publication number: JP4399619B2
Application number: JP2000222205A
Authority: JP
Inventors: 篤真島
Original assignee: Sumitomo Heavy Industries Marine and Engineering Co Ltd
Current assignee: Sumitomo Heavy Industries Marine and Engineering Co Ltd
Priority date: 2000-07-24
Filing date: 2000-07-24
Publication date: 2010-01-20
Anticipated expiration: 2020-07-24
Also published as: JP2002037178A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海賊の船舶への違法乗り込み防止装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、東南アジア等の海峡で海賊事件が頻発している。海賊は完全武装した集団であり、乗組み員の金品や積み荷、あるいは船舶をも強奪する場合があり、その対策が苦慮されている。
海賊は、船舶の停泊中に、アンカー・チェーンを伝って登ってくるケースと、船外からロープを付けたアンカーを投げ上げ、船の欄干に引っ掛け、これを基にして縄ばしごを掛け、登ってくるケースとがある。
【０００３】
アンカー・チェーンを伝って登ってくる海賊に対しては、アンカー・チェーンが船外に出て行く通路であるホース・パイプにカバーを施し、侵入口を閉鎖する手段がとられている。
しかし、アンカーを引っ掛けて登ってくる海賊に対しては無力であった。
【０００４】
従来、海賊を発見した場合は、サイレンを鳴らす、船舶を後進させる。あるいは放水したり、アンカーを投げ返す等の撃退手段がとられているが、完全武装した海賊が相手であって、乗組員の対応にも自ずと限度があり、何れも確実にして、有効な手段ではなかった。
【０００５】
特に、夜間航行中の船舶に対し、後方より小型船舶で忍びより、アンカーを引っ掛け、一気に乗り込んでくる海賊に対しては全く無防備であった。
また、海賊を見逃したり、発見が遅れたりすると、海賊は一気に乗り込んでくるし、一旦完全武装した海賊に乗り込まれたら、全く対応の手段がないと云う現状にある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、海賊の乗り込み、侵入を阻止するに効果的な違法乗り込み防止装置を得ることを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
船舶への違法乗り込み防止装置であって、船舶の欄干の手摺りに、***を縦設したパイプを用い、該パイプを上甲板上、数区画に区切り、各区画に開閉弁を備えた蒸気供給管を設け、該蒸気供給管を、上甲板上、中央部前後方向に配置され、機関室で作った蒸気が供給される蒸気供給主管に連結し、開閉弁の操作により区画毎に蒸気を噴出させるようにした。
【０００８】
また、カーゴタンク保温装置を有するタンカーにおいては、蒸気供給管を同保温装置の蒸気供給主管に連結し、同保温装置の蒸気を使用するようにした。
さらに、手摺りにアンカーが引っ掛かったことを検知し、該検知信号により開閉弁を操作させ、自動的に蒸気を噴出させるようにした。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下図に沿って、本発明の実施の形態について説明する。図１は本発明による違法乗り込み防止装置の一部概略を示す斜視図。図２は同装置の側断面図、図３は部分拡大斜視図である。
図において１は船体、２は上甲板、３は船側である。４は、上甲板２の外周を囲んで設けられた欄干であって、支柱５と、該支柱５に取付けられた手摺り６とにより構成されている。
【００１０】
そして、該手摺り６の一部、例えば、図示した最下段の手摺り６′は、船側３側に向けて開口する小孔７を縦設したパイプで構成されている。
該手摺りパイプ６′は、上甲板２上で数区画に区切られており、各区画毎に蒸気供給管８が連結されている。９は蒸気供給管８に挿設された開閉弁である。
【００１１】
１０は、船体１の上甲板２上、中央部前後方向に配置された蒸気供給主管であって、機関室のボイラーに連結されており、また、前記蒸気供給管８が連結されている。
したがって、ボイラーの蒸気は、蒸気供給主管１０から、開閉弁９の操作により蒸気供給管８を介して、各区画毎の手摺りパイプ６′に供給される。
手摺りパイプ６′に供給された蒸気は、手摺りパイプ６′に設けられた小孔７から船側３側に向けて噴出するようになっている。
【００１２】
このとき、蒸気の噴出は開閉弁９の操作により、区切られた区画毎に噴出されるが、開閉弁９の操作は操舵室より遠隔操作されるようになっている。
また、手摺り６にアンカーを引っ掛けられたときに、電気的あるいは機械的に、これを検知する海賊侵入検知装置を設置しておけば、該検知信号により開閉弁９を操作し、蒸気を自動的に噴出させることができる。
【００１３】
さらに、図示していないが、タンカーにおいては積荷を保温するため、カーゴタンク内に保温パイピングを施し、該パイピングに蒸気を供給する蒸気供給主管を設けたカーゴタンク保温装置を設備したものがあるが、この保温装置を有するタンカーにおいては、該保温装置の蒸気供給主管に蒸気供給管８を連結して、蒸気を供給することができる。
なお、カーゴタンク保温装置の蒸気供給主管も、船体１の上甲板２上、中央部前後方向に配置され、機関室のボイラーに連結されている。
【００１４】
なお、手摺りパイプ６′に設けた小孔７は間隔を狭めて縦設してあるので、蒸気は横一線状に噴出する。また、上記の説明においては、最下段の手摺りパイプ６′から蒸気を噴出させるようにしたが、中間段の手摺りも同様なパイプ構造として、二重に蒸気を噴射させることもできる。
【００１５】
本発明の構成は以上の通りであって、次に本発明による違法乗り込み防止装置の操作ならびに作用について説明する。
まず、海賊が船内にアンカーを投げ上げ、アンカーが手摺り６に引っ掛かったことを検知したら、当該欄干５に対応する開閉弁９を開き、当該区画の手摺りパイプ６′に蒸気を供給し、船側３側に向けて蒸気を噴出させる。
【００１６】
アンカーを基にロープ、縄ばしごをよじ登ってくる海賊は、上甲板２の高さに到ると、頭から蒸気を受けることになり、それ以上登れず、船内に侵入することはできない。
したがって、蒸気噴射を継続することによって、海賊を撃退することになる。海賊が逃げたことを確認したら、開閉弁９を閉じて蒸気の噴射を停止する。
【００１７】
なお、海賊侵入検知装置を設置している場合は、侵入検知信号により当該欄干５に対応する開閉弁９が開かれ、蒸気を自動的に噴出させる。
この場合、海賊を撃退させたら、手摺り６に引っ掛けられたアンカーを取り除くことにより、開閉弁９が自動的に閉じ蒸気の噴射を停止する。
【００１８】
また、タンカーにおいて、カーゴタンク保温装置の蒸気供給装置を利用する場合には、海賊の侵入を阻止するため、手摺りパイプ６′から集中的に蒸気を噴出させることが望ましく、開閉弁９を開くと同時に、カーゴタンク保温パイピングには、一時蒸気の供給をストップするようにする。
【００１９】
【発明の効果】
本発明は、欄干の手摺りの一部を、船側側に向かって開口する小孔を縦設したパイプ構造とし、該手摺りパイプを数区画に区切り、各区画毎に機関室で製造した蒸気を噴出できるようにしたので、海賊が侵入しようとする区画に蒸気を噴出させて、海賊の違法乗り込みを効果的に防止することができる。
【００２０】
また、カーゴタンク保温装置を有するタンカーにおいては、同保温装置の供給蒸気を有効に使用することができる。
さらに、海賊侵入検知装置を備えることにより、アンカーが引っ掛かったことを検知して、該検知信号により開閉弁を操作して、自動的に蒸気を噴出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による違法乗り込み防止装置の一部概略を示す斜視図。
【図２】同装置の側断面図。
【図３】同装置の部分拡大斜視図。
【符号の説明】
１船体２上甲板
３船側４欄干
５支柱６手摺り
６′手摺りパイプ７小孔
８蒸気供給管９開閉弁
１０蒸気供給主管

Claims

船舶の欄干の手摺りに、***を縦設したパイプを用い、該パイプを上甲板上、数区画に区切り、各区画に開閉弁を備えた蒸気供給管を設け、該蒸気供給管を、上甲板上、中央部前後方向に配置され、機関室で作った蒸気が供給される蒸気供給主管に連結し、開閉弁の操作により区画毎に蒸気を噴出させるようにしたことを特徴とする船舶への違法乗り込み防止装置。
カーゴタンク保温装置を有するタンカーにおいて、蒸気供給管をカーゴタンク保温装置の蒸気供給主管に連結したことを特徴とする請求項１記載の船舶への違法乗り込み防止装置。
手摺りにアンカーが引っ掛かったことを検知し、該検知信号により開閉弁を操作することを特徴とする請求項１または請求項２記載の船舶への違法乗り込み防止装置。