JP4398003B2 - 手術用顕微鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の観察者による同時観察が可能な手術用顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の観察者による同時観察が可能な手術用顕微鏡は従来から良く知られている。例えば特開平3−80849号公報には、対物レンズおよび変倍光学系を有する対物鏡筒と、対物鏡筒からの光束を2方向に分割するビームスプリッタを有する対向鏡筒と、対向鏡筒の両端に取り付けられた2つの接眼鏡筒とを備え、2つの接眼鏡筒によって複数の観察者による同時観察を可能とする手術用顕微鏡が開示されている。
【0003】
また、特開昭56−144410号公報には、正観察者である例えば術者が観察するための正観察者用双眼顕微鏡(顕微鏡本体)と、この正観察者用双眼顕微鏡の側部に対して着脱自在に取り付けられ且つ副観察者である例えば助手が観察するための副観察者用双眼顕微鏡(側視鏡)とを備えた顕微鏡が開示されている。
【0004】
また、特開昭60−91321号公報には、2つの鏡体を備え、一方の鏡体が他方の鏡体の光軸を中心に旋回自在に配置されてなる手術用顕微鏡が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特開平3−80849号公報に開示された手術用顕微鏡において、2つの接眼鏡筒は、互いに向き合うように配置されて対向鏡筒に固着されている。そのため、術者と助手は互いに向かい合う位置関係しかとれず、手術スタイルに対する制限が極めて大きい。
【0006】
また、特開昭56−144410号公報に開示された顕微鏡では、顕微鏡本体にある2つの光束のうちの1つの光束を2つに分割することによって複数の観察者による同時観察を可能にし、助手はその分割した光束をさらに2つに分割してそれぞれ左右の眼で観察するため、常に観察される物体の立体感が乏しい。したがって、手術作業が非常に困難となる。また、助手が術者に対して右側から左側に位置を変えて観察を行なう場合または左側から右側に位置を変えて観察を行なう場合に、副観察者用双眼顕微鏡(側視鏡)全体を正観察者用双眼顕微鏡(顕微鏡本体)に対して取り付け替えなければならず、その作業が煩わしい。
【0007】
また、特開昭60−91321号公報に開示された手術用顕微鏡では、各鏡体にそれぞれ個別に変倍光学系が配設されている。すなわち、助手が観察するための光学系内に術者とは別の変倍光学系が設けられている。そのため、製造コストが非常に高くなる。
【0008】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、複数の観察者による同時観察が可能で、鏡体を着脱することなく観察者同士が複数の位置関係をとることができるとともに、立体感のある像を得ることができる安価な手術用顕微鏡を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の手術用顕微鏡は、観察対象からの光束が入射され、アフォーカルな光束を形成する対物レンズと、前記対物レンズの中心を通る中心軸に対して互いに対称に配設され、対物レンズからのアフォーカルな光束を受けて変倍する一対の変倍光学系と、前記一対の変倍光学系からの両光束をそれぞれ受けて各光束の像をそれぞれ結像する一対の第1の接眼光学系と、前記一対の第1の接眼光学系と前記一対の変倍光学系との間に位置して配設され、前記一対の変倍光学系からの各光束をそれぞれ2分割し、分割された一方の各光束を前記一対の第1の接眼光学系にそれぞれ導く光路分割手段と、
前記光路分割手段で分割された他方の光束を受けてその他方の光束による像を結像する一対の第2の接眼光学系と、前記対物レンズの中心軸を回転中心として前記一対の第2の接眼光学系を回転させる回転手段と、を備え、前記回転手段は、一対の変倍光学系からの両光束が光路分割手段を介して分割された他方の各光束それぞれを一対の第2の接眼光学系に別々に入射可能な第1位置と、一方の変倍光学系のみからの光束を前記光路分割手段を介して分割された光束の他方の光束を前記光路分割手段とは別の光路分割手段で2分割するとともに該2分割した光束それぞれを一対の第2の接眼光学系に別々に入射可能で前記第1位置と異なる位置にある第2位置との間で、前記第2の接眼光学系を回転可能であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1〜図3は本発明の第1の実施形態を示している。図1は、本実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系を概略的に示した斜視図である。図示のように、本実施形態に係る手術用顕微鏡は、観察対象部位2を焦点位置とする対物レンズ1を有している。この対物レンズ1は、入射した光束をアフォーカル光束として出射する。図中、3a,3bはそれぞれアフォーカル変倍を行なう一対の変倍光学系である。これらの変倍光学系3a,3bは、対物レンズ1の中心を通る中心軸A(変倍光学系3aの光軸と変倍光学系3bの光軸との中間に位置する)に対して互いに対称に配設されており、対物レンズ1から入射したアフォーカル光束を再びアフォーカル光束として出射する。
【0012】
一対の変倍光学系3a,3bの光軸上には、光路分割手段としての半反射半透過部材4a,4bが配置されている。これらの半反射半透過部材4a,4bは、一対の変倍光学系3a,3bから入射した光束の半分を反射し且つ半分を透過する。半反射半透過部材4a,4bによって反射された光束は、互いに平行な光軸5a,5bに沿って、図示しない術者用の第1の接眼光学系に導かれる。また、半反射半透過部材4a,4bを透過した光束は、互いに平行な光軸6a,6bに沿って、半反射半透過部材7a,7bに導かれる。これらの半反射半透過部材7a,7bは、半反射半透過部材4a,4bを透過した光束の半分を反射し且つ半分を透過する。なお、半反射半透過部材7a,7bは、これらによって反射された光束を半反射半透過部材4a,4bによる反射光(術者用の前記第1の接眼光学系に向かう光束)の進行方向(光軸5a,5bと平行な方向)に対して180゜反対の方向に導くように所定の角度をもって配設されている。なお、図中、8a,8bは半反射半透過部材7a,7bによって反射された光束の光軸を示し、9a,9bは半反射半透過部材7a,7bを透過した光束の光軸を示している。この場合、光軸8a,8b同士は互いに平行であり、また、光軸9a,9b同士も互いに平行である。
【0013】
光軸9a,9b上には、半反射半透過部材7a,7bを透過した光束を90゜折り曲げるように反射する反射部材10a,10bが配設されている。反射部材10a,10bは、これらによって反射された光束が互いに180゜反対の方向に導かれるとともに光軸8a,8bと90゜の角度をなす方向に導かれるように、互いに所定の角度関係をなして配設されている。
【0014】
図中11aは、反射部材10aによって反射された光束を90゜折り曲げて光軸9aと平行な方向に反射する反射部材である。また、図中12aは、反射部材11aによって反射された光束を2分割して反射する反射部材である。反射部材12aは、これによって反射された光束が互いに180゜反対の方向に導かれるとともに光軸8a,8bと平行で且つ光軸8a,8bと同一の平面内に位置する光軸13a,13a’に沿って進行するように、形成されて配置されている。
【0015】
光軸13a,13a’上には、反射部材12aによって反射された光束を90゜折り曲げるように反射する反射部材14a,14a’が配設されている。反射部材14a,14a’は、これらによって反射された光束が互いに平行な光軸15a,15a’に沿って導かれるように配置されている。この場合、光軸15a,15a’は、光軸8a,8b,13a,13a’と同一の平面内に位置するとともに、その間隔が光軸8a,8b同士の間隔と同一に設定されている。
【0016】
各光軸15a,15a’上にはそれぞれ、助手用の第2の接眼光学系を構成する結像レンズ16a,16a’および接眼レンズ18a,18a’が配設されている。この場合、結像レンズ16a,16a’は、反射部材14a,14a’によって反射された光束を結像位置17a、17a’に結像させる。また、接眼レンズ18a,18a’は、結像位置16a、16a’で結ばれた像を拡大するべく、左右に位置して設けられている。
【0017】
なお、中心軸Aに対して各反射部材11a,12a,14a,14a’と対称な位置にはそれぞれ、反射部材11a,12a,14a,14a’と同一の作用を備えた反射部材11b,12b,14b,14b’が配設されている。
【0018】
図2の(a)は本実施形態による手術用顕微鏡の本体部の平面図であり、図2の(b)は前記本体部の正面図である。図示のように、手術用顕微鏡の本体部は、前述した光学要素を収納保持する複数のハウジング19,20,21,22を備えている。このうち、鏡体ハウジング19には、対物レンズ1と、一対の変倍光学系3a,3bと、半反射半透過部材4a,4b,7a,7bと、反射部材10a,10b,11a,11b,12a,12b,14a,14a’,14b,14b’が内蔵されている。また、鏡体ハウジング19の上端部には、中心軸Aと同軸のシャフト23が形成されている。
【0019】
また、鏡体ハウジング19には術者用接眼光学系ハウジング21が固着されている。この術者用接眼光学系ハウジング21には、図示しない結像レンズおよび接眼レンズからなる第1の接眼光学系が内蔵されている。
【0020】
また、鏡体ハウジング19には回転ハウジング22が回転可能に取り付けられている。具体的には、回転ハウジング22には嵌合穴24が形成されており、この嵌合穴24に鏡体ハウジング19のシャフト23が嵌着されることにより、鏡体ハウジング19に対して回転ハウジング22が中心軸Aを中心に回転できるようになっている。
【0021】
また、回転ハウジング22には助手用接眼光学系ハウジング20が固着されている。この助手用接眼光学系ハウジング20には、結像レンズ16a,16a’と接眼レンズ18a,18a’とからなる助手用の第2の接眼光学系が内蔵されている。
【0022】
なお、回転ハウジング22には、鏡体ハウジング19から出射された光束を助手用接眼光学系ハウジング20に導くための穴25が設けられている。
【0023】
次に、上記構成の手術用顕微鏡の作用について説明する。
【0024】
回転ハウジング22が鏡体ハウジング19に対して図2に実線で示される位置にある場合、助手用接眼光学系ハウジング20に内蔵された結像レンズ16a,16a’には、鏡体ハウジング19に内蔵された反射部材14a,14a’から出射された光束が穴25を通って入射する。結像レンズ16a,16a’は結像位置17a,17a’に像を形成し、この像は接眼レンズ18a,18a’を通じて拡大観察される。すなわち、助手は術者の左側方で像の観察を行なうことができる。
【0025】
また、回転ハウジング22を鏡体ハウジング19に対してシャフト24を中心に矢印26方向に90゜回転させて、図2の(a)に二点鎖線で示される位置に回転ハウジング22を位置させると、光学系の配置は図3に示される状態となる。すなわち、第2の接眼光学系である結像レンズ16a,16a’および接眼レンズ18a,18a’が光軸8a,8b上に位置される。したがって、助手用接眼光学系ハウジング20に内蔵された結像レンズ16a,16a’には、鏡体ハウジング19に内蔵された反射部材7a,7bから出射された光束が穴25を通って入射することになる。その結果、助手は、術者と向き合う位置で、一対の変倍光学系3a,3bからの両光束を利用して像の観察を行なうことができる。
【0026】
また、鏡体ハウジング19に対して回転ハウジング22を同方向にさらに90゜回転させて、図2の(a)に一点鎖線で示される位置に回転ハウジング22を位置させると、助手用接眼光学系ハウジング20に内蔵された結像レンズ16a,16a’には、鏡体ハウジング19に内蔵された反射部材14b,14b’から出射された光束が穴25を通って入射することになる。したがって、助手は術者の右側方で像の観察を行なうことができる。
【0027】
以上説明したように、本実施形態の手術用顕微鏡は、術者用の第1の接眼光学系と助手用の第2の接眼光学系とを備えているため、複数の観察者による同時観察が可能であるとともに、共通の変倍光学系3a,3bを介して第1および第2の接眼光学系に光束が導かれるため、すなわち、第2の接眼光学系のために専用の変倍光学系を設けなくて済むため、光学要素の数を低く抑えることができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0028】
また、本実施形態の手術用顕微鏡では、鏡体を着脱することなく回転ハウジング22を鏡体ハウジング19に対して回転させるだけで、術者に対する助手の観察位置を、右側方位置、左側方位置、対向位置に変更することができるようになっている。すなわち、簡単な操作によって観察者同士が複数の位置関係をとることができるようになっている。したがって、手術スタイルに対する自由度が増し、手術の容易化・効率化を図ることができる。
【0029】
また、回転ハウジング22を鏡体ハウジング19に対してシャフト24を中心に矢印26方向に90゜回転させて、図2の(a)に二点鎖線で示される位置に回転ハウジング22を位置させた対向観察状態では、一対の変倍光学系3a,3bからの両光束が第2の接眼光学系に入射するようになっている。したがって、この位置では、立体感のある像を得ることができる。
【0030】
図4〜図6は本発明の第2の実施形態を示している。なお、本実施形態において第1の実施形態と共通する構成要素については、以下、同一符号を付してその説明を省略する。
【0031】
図4は、本実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系を概略的に示した斜視図である。図示のように、本実施形態に係る手術用顕微鏡において、半反射半透過部材4a,4bを透過した光束は、互いに平行な光軸6a,6bに沿って、反射部材27a,27bに導かれる。これらの反射部材27a,27bは、半反射半透過部材4a,4bを透過した光束を反射し、反射された光束を半反射半透過部材4a,4bによる反射光(術者用の前記第1の接眼光学系に向かう光束)の進行方向(光軸5a,5bと平行な方向)に対して180゜反対の方向に導くように所定の角度をもって配設されている。なお、図中、28a,28bは反射部材27a,27bによって反射された光束の光軸を示しており、光軸28a,28b同士は互いに平行である。
【0032】
図中29は、反射部材27a,27bと同一形状の反射部材である。この反射部材29は、反射部材27aを中心軸Aを中心に矢印30方向に90゜回転させた位置に配設されている。
【0033】
各光軸28a,28b上にはそれぞれ、助手用の第2の接眼光学系を構成する結像レンズ31a,31bおよび接眼レンズ33a,33bが配設されている。この場合、結像レンズ31a,31bは、反射部材27a,27bによって反射された光束を結像位置32a,32bに結像させる。また、接眼レンズ33a,33bは、結像位置32a,32bで結ばれた像を拡大するべく、左右に位置して設けられている。
【0034】
図5は、後述する回転機構によって反射部材27a,27b,29を図4に示される状態から中心軸Aを中心に90゜回転させた状態を示している。図中34は、反射部材29によって反射された光束を2分割して反射する反射部材である。反射部材34は、これによって反射された光束が互いに180゜反対の方向に導かれるとともに光軸28a,28bと平行で且つ光軸28a,28bと同一の平面内に位置する光軸35a,35a’に沿って進行するように、形成されて配置されている。
【0035】
光軸35a,35a’上には、反射部材34によって反射された光束を90゜折り曲げるように反射する反射部材36a,36a’が配設されている。反射部材36a,36a’は、これらによって反射された光束が互いに平行な光軸37a,37a’に沿って導かれるように配置されている。この場合、光軸37a,37a’は、光軸28a,28b,35a,35a’と同一の平面内に位置するとともに、その間隔が光軸28a,28b同士の間隔と同一に設定されている。
【0036】
図6の(a)は本実施形態による手術用顕微鏡の本体部の平面図であり、図6の(b)は前記本体部の正面図である。図示のように、手術用顕微鏡の本体部は、前述した光学要素を収納保持する複数のハウジング38,39,40,41を備えている。このうち、鏡体ハウジング38には、対物レンズ1と、一対の変倍光学系3a,3bと、半反射半透過部材4a,4bと、反射部材34,36a,36a’とが内蔵されている。また、鏡体ハウジング38の上端部には、中心軸Aと同軸の嵌合穴42が形成されている。
【0037】
また、鏡体ハウジング38には術者用接眼光学系ハウジング40が固着されている。この術者用接眼光学系ハウジング40には、図示しない結像レンズおよび接眼レンズからなる第1の接眼光学系が内蔵されている。
【0038】
また、鏡体ハウジング38には回転ハウジング41が回転可能に取り付けられている。具体的には、回転ハウジング41には回転軸43が形成されており、この回転軸43が鏡体ハウジング38の嵌合穴42に嵌着されることにより、鏡体ハウジング38に対して回転ハウジング41が中心軸Aを中心に回転できるようになっている。また、回転ハウジング41の回転軸43には、反射部材27a,27b,29が内蔵されている。
【0039】
また、回転ハウジング41には助手用接眼光学系ハウジング39が固着されている。この助手用接眼光学系ハウジング39には、結像レンズ31a,31bと接眼レンズ33a,33bとからなる助手用の第2の接眼光学系が内蔵されている。
【0040】
なお、回転ハウジング41には、鏡体ハウジング38から出射された光束を助手用接眼光学系ハウジング39に導くための穴44が設けられている。
【0041】
次に、上記構成の手術用顕微鏡の作用について説明する。
【0042】
回転ハウジング41が鏡体ハウジング38に対して図6の(a)に実線で示された位置にある場合、各ハウジング38,41に内蔵された光学部材は図4に示された配置状態にある。したがって、鏡体ハウジング38に内蔵された半反射半透過部材4a,4bを透過した光束は、回転ハウジング41に内蔵された反射部材27a,27bによって反射され、回転ハウジング41に設けられた穴44を通って,助手用接眼光学系ハウジング39に内蔵された結像レンズ31a,31bに入射する。結像レンズ31a,31bは結像位置32a,32bに像を形成し、この像は接眼レンズ33a,33bを通じて拡大観察される。すなわち、助手は、術者と向き合う位置で、一対の変倍光学系3a,3bからの両光束を利用して像の観察を行なうことができる。
【0043】
次に、回転ハウジング41を鏡体ハウジング38に対して矢印45方向に90゜回転させて、図6の(a)の2点鎖線に示される位置に位置させると、各ハウジング38,41に内蔵された光学部材は図5に示された配置状態となる。したがって、鏡体ハウジング38に内蔵された半反射半透過部材4aを透過した光束は、回転ハウジング41に内蔵された反射部材29によって反射され、鏡体ハウジング38に内蔵された反射部材34に導かれる。反射部材34によって2分割された光束は、反射部材36a,36a’の反射作用によって、助手用接眼光学系ハウジング39に内蔵された結像レンズ31a,31bに回転ハウジング41に設けられた穴44を通って入射することになる。したがって、助手は術者の左側方で像の観察を行なうことができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の手術用顕微鏡は、術者用の第1の接眼光学系と助手用の第2の接眼光学系とを備えているため、複数の観察者による同時観察が可能であるとともに、共通の変倍光学系3a,3bを介して第1および第2の接眼光学系に光束が導かれるため、すなわち、第2の接眼光学系のために専用の変倍光学系を設けなくて済むため、光学要素の数を低く抑えることができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0045】
また、本実施形態の手術用顕微鏡では、鏡体を着脱することなく回転ハウジング41を鏡体ハウジング38に対して回転させるだけで、術者に対する助手の観察位置を、左側方位置、対向位置に変更することができるようになっている。すなわち、簡単な操作によって観察者同士が複数の位置関係をとることができるようになっている。したがって、手術スタイルに対する自由度が増し、手術の容易化・効率化を図ることができる。特に、本実施形態では、反射部材27a,27b,29が助手用接眼光学系ハウジング39と一体で回転するため、反射部材の数を少なくでき、安価に製造できる。
【0046】
また、回転ハウジング41を鏡体ハウジング38に対して回転軸43を中心に回転させて、図6の(a)に実線で示される位置に回転ハウジング41を位置させた対向観察状態では、一対の変倍光学系3a,3bからの両光束が第2の接眼光学系に入射するようになっている。したがって、この位置では、助手も立体感のある像を得ることができる。
【0047】
図7〜図10は本発明の第3の実施形態を示している。なお、本実施形態において第1および第2の実施形態と共通する構成要素については、以下、同一符号を付してその説明を省略する。
【0048】
図7は、本実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系を概略的に示した斜視図である。図示のように、本実施形態に係る手術用顕微鏡において、半反射半透過部材4a,4bを透過した光束は、互いに平行な光軸6a,6bに沿って、反射部材46a,46bに導かれる。これらの反射部材46a,46bは、半反射半透過部材4a,4bを透過した光束を反射し、反射された光束を半反射半透過部材4a,4bによる反射光(術者用の前記第1の接眼光学系に向かう光束)の進行方向(光軸5a,5bと平行な方向)に対して180゜反対の方向に導くように所定の角度をもって配設されている。なお、図中、47a,47bは反射部材46a,46bによって反射された光束の光軸を示しており、光軸46a,46b同士は互いに平行である。
【0049】
図9の(a)は本実施形態による手術用顕微鏡の本体部の平面図であり、図9の(b)は前記本体部の正面図である。また、図10は本体部の断面図である。図示のように、手術用顕微鏡の本体部は、前述した光学要素を収納保持する複数のハウジング48,49,50,51を備えている。このうち、鏡体ハウジング48には、対物レンズ1と、一対の変倍光学系3a,3bと、半反射半透過部材4a,4bと、反射部材34,46a,46b,36a,36a’とが内蔵されている。
【0050】
また、鏡体ハウジング48には術者用接眼光学系ハウジング50が固着されている。この術者用接眼光学系ハウジング50には、図示しない結像レンズおよび接眼レンズからなる第1の接眼光学系が内蔵されている。
【0051】
また、鏡体ハウジング48には回転ハウジング51が中心軸Aを中心に回転可能に取り付けられている。また、回転ハウジング51には助手用接眼光学系ハウジング49が固着されている。この助手用接眼光学系ハウジング49には、結像レンズ31a,31bと接眼レンズ33a,33bとからなる助手用の第2の接眼光学系が内蔵されている。
【0052】
図10に詳しく示されるように、鏡体ハウジング48には、中心軸Aと同軸の嵌合穴52が形成されている。また、この嵌合穴52には回転ハウジング51に形成されたシャフト53が回転可能に嵌着されている。鏡体ハウジング48内に位置するシャフト53の端部には歯車54が設けられている。また、鏡体ハウジング48にはシャフト57,58が回転可能に支持されている。このうち、シャフト58は光軸6aと同軸に配設されている。また、各シャフト57,58の端部には、歯車54と同じピッチ円直径で且つ同じモジュールの歯車55,56が一体で設けられており、歯車54と歯車55とが噛み合い、歯車55と歯車56とが噛み合っている。また、図中59は、反射部材46aが内蔵されたハウジングであり、歯車56と一体で回転するように支持されている。
【0053】
次に、上記構成の手術用顕微鏡の作用について説明する。
【0054】
図9の(a)に実線で示される位置に助手用接眼光学系ハウジング49がある場合、各ハウジングに内蔵された光学部材は図8に示されるような配置状態にある。したがって、半反射半透過部材4aを透過した光束は、反射部材46aによって反射された後、反射部材34に導かれる。反射部材34によって2分割された光束は、反射部材36a,36a’によって折り曲げられ、助手用接眼光学系ハウジング49に内蔵された結像レンズ31a,31bに導かれる。したがって、したがって、助手は術者の左側方で像の観察を行なうことができる。
【0055】
また、助手用接眼光学系ハウジング49を図9の(a)に二点鎖線で示される位置に移動させるべく中心軸Aを中心に矢印60方向に90゜回転させると、シャフト53の先端に設けられた歯車54も同じ方向に90゜回転する。これによって、歯車55は歯車54と反対の方向に90゜回転し、さらに、歯車56は歯車54と同じ方向に90゜回転する。したがって、歯車56に固定されたハウジング59は、助手用接眼光学系ハウジング49と同じ方向に同じ角度だけ回転する。そのため、ハウジング59に内蔵された反射部材46aは、光軸6aを中心に、助手用接眼光学系ハウジング49と同じ方向に同じ角度だけ回転する。したがって、この時の光学系の配置状態は図7に示したようになる。その結果、反射部材46a,46bから出射された光束はそれぞれ、助手用接眼光学系ハウジング49に内蔵された結像レンズ31a,31bに導かれる。すなわち、助手は、術者と向き合う位置で、一対の変倍光学系3a,3bからの両光束を利用して像の観察を行なうことができる。
【0056】
以上説明したように、本発明の手術用顕微鏡によれば、第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0057】
図11〜図13は本発明の第4の実施形態を示している。なお、本実施形態において第1〜第3の実施形態と共通する構成要素については、以下、同一符号を付してその説明を省略する。
【0058】
図11および図12は、本実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系を概略的に示した斜視図である。図中61a,61a’は、半反射半透過部材であり、第2の実施形態における反射部材36a,36a’に対応している。なお、その他の光学系は第2の実施形態と同一である。
【0059】
図13の(a)は本実施形態による手術用顕微鏡の本体部の平面図であり、図13の(b)は前記本体部の正面図である。図示のように、手術用顕微鏡の本体部は、前述した光学要素を収納保持する複数のハウジング62,63,64,65を備えている。このうち、鏡体ハウジング62には、対物レンズ1と、一対の変倍光学系3a,3bと、半反射半透過部材4a,4bとが内蔵されている。また、鏡体ハウジング62の上端部には、中心軸Aと同軸のシャフト23が形成されている。
【0060】
また、鏡体ハウジング62には術者用接眼光学系ハウジング64が固着されている。この術者用接眼光学系ハウジング64には、図示しない結像レンズおよび接眼レンズからなる第1の接眼光学系が内蔵されている。
【0061】
また、鏡体ハウジング62には回転ハウジング65が回転可能に取り付けられている。具体的には、回転ハウジング65には嵌合穴24が形成されており、この嵌合穴24に鏡体ハウジング62のシャフト23が嵌着されることにより、鏡体ハウジング62に対して回転ハウジング65が中心軸Aを中心に回転できるようになっている。また、回転ハウジング65には、反射部材27a,27b,29,34,61a,61a’が内蔵されている。
【0062】
また、回転ハウジング65には助手用接眼光学系ハウジング63が固着されている。この助手用接眼光学系ハウジング63には、結像レンズ31a,31bと接眼レンズ33a,33bとからなる助手用の第2の接眼光学系が内蔵されている。
【0063】
次に、上記構成の手術用顕微鏡の作用について説明する。
【0064】
回転ハウジング65が鏡体ハウジング62に対して図13の(a)に実線で示される位置にある場合、各ハウジングに内蔵された光学部材は図11に示された配置状態にある。したがって、鏡体ハウジング62に内蔵された半反射半透過部材4aを透過した光束は、回転ハウジング65に内蔵された反射部材29によって反射され、同じく回転ハウジング65に内蔵された反射部材34に導かれる。反射部材34によって2分割された光束は、半反射半透過部材61a,61a’の反射作用によって、助手用接眼光学系ハウジング63に内蔵された結像レンズ31a,31bに入射することになる。したがって、助手は術者の左側方で像の観察を行なうことができる。
【0065】
次に、鏡体ハウジング62に対して回転ハウジング65を中心軸Aを中心に矢印66方向に90゜回転させると、回転ハウジング65は図13の(a)に二点鎖線で示される位置に位置される。この場合、各ハウジングに内蔵された光学系は、図12に示されるは位置状態となる。したがって、鏡体ハウジング62に内蔵された半反射半透過部材4a,4bを透過した各光束は、回転ハウジング65に内蔵された反射部材27a,27bによって反射されるとともに、同じく回転ハウジング65に内蔵された半反射半透過部材61a、61a’を透過し、その後、助手用接眼光学系ハウジング63に内蔵された結像レンズ31a,31bに入射する。すなわち、助手は、術者と向き合う位置で、一対の変倍光学系3a,3bからの両光束を利用して像の観察を行なうことができる。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係る手術用顕微鏡によれば、助手は、術者に対して右側方、左側方、さらに、向かい合う位置の全ての方向から観察することができるとともに、全ての位置において、使用されることがない(光束が入射しない)反射部材が存在しないため、顕微鏡の小型化を図ることができる。
【0067】
また、本実施形態では、反射部材27a,27b,29,34,61a,61a’の全てが鏡体ハウジング62ではなく回転ハウジング65に内蔵されているため、助手が術者に対して右側方に位置する場合も左側方に位置する場合も全く共通の反射部材を用いることができる。したがって、製造コストの低減および顕微鏡の小型化を図ることができる。
【0068】
なお、本実施形態における半反射半透過部材61a,61bの代わりに第2の実施形態で示した反射部材36a,36a’を用い、助手が術者に対して向かい合う状態(図13の(a)に示す二点鎖線の状態)に位置した場合にのみ、反射部材36a,36a’を光軸28,28b上から退避させれば、助手が術者の側方に位置する場合も向かい合う状態に位置する場合も、観察像の明るさをロスすることなく、本実施形態と同じ効果を得ることが可能である。この場合、回転ハウジング65の回転に連動して反射部材36a,36a’が光軸28a,28b上から退避するようにすれば、助手の位置を変更する度にいちいち反射部材36a,36a’を光軸に対して挿脱するための作業を行なう必要がなくなるため、使い勝手が良くなる。
【0069】
図14〜図16は本発明の第5の実施形態を示している。なお、本実施形態において第1〜第4の実施形態と共通する構成要素については、以下、同一符号を付してその説明を省略する。
【0070】
図14は、本実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系を概略的に示した斜視図である。図15は、光学系の概略図であり、説明を分かり易くする都合上、光学部材を囲うハウジングの外形を重ねて示している。図16は、図15において、中心軸Cを通り且つ紙面に垂直な面に沿って顕微鏡を切断した際の断面図である。
【0071】
図中68a,68bは、一対の変倍光学系3a,3bから入射した光束の半分を透過して半分を90゜折り曲げて反射する光路分割手段としての半反射半透過部材である。半反射半透過部材68a,68bによって反射された光束は、互いに平行で且つ同一平面内に位置する光軸69a,69bに沿って、図示しない術者用の第1の接眼光学系に導かれる。
【0072】
また、半反射半透過部材68a,68bを透過した一対の光束は、第2の観察光学系を構成する一対の結像レンズ86a,86bに入射し、結像位置87a,87bで像を結ぶ。図中88a,88bは、術者の左右眼に対応する一対の接眼レンズであり、結像位置87a,87bの像を拡大観察するべく配置されている。図中70は、光軸69bを90゜折り曲げるための反射部材であって、71は折り曲げられた光束の光軸を示している。72は結像レンズである。この結像レンズ72は、反射部材70によって反射された光束を結像位置73で結像させるべく光軸71と同軸上に配置されている。
【0073】
74は接眼レンズである。この接眼レンズ74は、結像位置73で結ばれた像を拡大するべく、結像レンズ72の光軸と同軸上に配置されている。75は、光軸69aを90゜折り曲げて光軸71と反対側に向かわせるための反射部材である。76は反射部材75によって折り曲げられた光束の光軸を示している。77は結像レンズである。この結像レンズ77は、反射部材75によって導かれた光束を結像位置78で結像させるべく光軸76と同軸上に配置されている。79は、TVカメラ80に内蔵された受光素子であり、結像レンズ77によって形成された像を受光するべく結像位置78上に配設されている。Bは光軸69a,69bに平行で且つこれらの中間に位置する中心軸である。
【0074】
81は鏡体ハウジングであり、対物レンズ1と、一対の変倍光学系3a,3bと、半反射半透過部材68a,68bとを内蔵し、中心軸B上にシャフト82を有している。83は助手用接眼光学系ハウジングであり、結像レンズ72と接眼レンズ74とを内蔵している。84は回転ハウジングであり、反射部材70,75と結像レンズ77とを内蔵するとともにシャフト82に嵌着する嵌合穴85を有している。また、回転ハウジング84には助手用接眼光学系ハウジング83およびTVカメラ80が固定されている。
【0075】
次に、上記構成の手術用顕微鏡の作用について説明する。
【0076】
変倍光学系3aから出射され半反射半透過部材68aによって反射された光束は、反射部材75により90゜折り曲げられた後、結像レンズ77に入射する。結像レンズ77に入射した光束は受光素子79上にて結像する。一方、変倍光学系3bから出射され半反射半透過部材68bによって反射された光束は、反射部材70によって90゜折り曲げられた後、結像レンズ72に入射する。結像レンズ72に入射した光束は結像位置73において結像する。この像は、接眼レンズ74を介して例えば助手により拡大観察可能である。この時、助手は、図からも明らかなように、術者の側方から観察することになる。
【0077】
次に、回転ハウジング84をシャフト82を用いて中心軸Bを中心に矢印89方向に180゜回転させると、半反射半透過部材68aにて反射された光束は反射部材70に入射することになり、また、半反射半透過部材68bにて反射された光束は反射部材75に入射することになる。したがって、回転ハウジング84を回転させる前と後とでは、助手が観察する位置とTVカメラ80の位置とが術者の位置に対して反対になる。
【0078】
以上説明したように、本実施形態に係る手術用顕微鏡によれば、回転ハウジングを鏡体ハウジングに対して180゜回転させるだけで、助手は術者の右側方からの観察と左側方からの観察とを切り替えることができる。
【0079】
図17および図18は本発明の第6の実施形態を示している。なお、本実施形態において第1〜第5の実施形態と共通する構成要素については、以下、同一符号を付してその説明を省略する。
【0080】
図17は本実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系の概略斜視図を示している。図18は本実施形態に係る手術用顕微鏡を上面からみた断面図である。図中91は、半反射半透過部材68aによって反射された光束を90゜折り曲げる反射部材である。この反射部材91は、折り曲げられた光束が中心軸B上の反射部材92に入射するように配設されている。また、反射部材92は、出射された光束の光軸93が中心軸Bと同軸になるように、所定の角度をもって配設されている。結像レンズ77および受光素子79は光軸93上に配設されている。
【0081】
図中94は鏡体ハウジングであり、対物レンズ1、一対の変倍光学系3a,3b、半反射半透過部材68a,68bを内蔵し、中心軸B上に嵌合穴95を有している。96は助手用接眼光学系ハウジングであり、結像レンズ72と接眼レンズ74とを内蔵している。97は回転ハウジングであり、反射部材70,91,92および結像レンズ77を内蔵するとともに嵌合穴95に嵌着するシャフト98を有している。また、回転ハウジング97には助手用接眼光学系ハウジング83およびTVカメラ80が固定されている。
【0082】
次に、上記構成の手術用顕微鏡の作用について説明する。
【0083】
変倍光学系3aから出射され半反射半透過部材68aによって反射された光束は、反射部材91により90゜折り曲げられた後、反射部材92に入射する。反射部材92から出射された中心軸Bと同軸の光束は、結像レンズ77に入射し、受光素子79上にて結像する。一方、変倍光学系3bから出射され半反射半透過部材68bによって反射された光束は、反射部材70によって90゜折り曲げられた後、結像レンズ72に入射する。結像レンズ72に入射した光束は結像位置73において結像する。この像は接眼レンズ74を介して例えば助手によって拡大観察可能である。なお、この時、助手は、図からも明らかなように、術者の側方から観察することになる。
【0084】
次に、回転ハウジング97をシャフト98を用いて中心軸Bを中心に180゜回転させると、半反射半透過部材68aにて反射された光束が反射部材70に入射することになり、また、半反射半透過部材68bにて反射された光束が反射部材91に入射することになる。したがって、回転ハウジング97を回転させる前とは助手の観察する位置が術者の位置に対して左右反対になる。
【0085】
以上説明したように、本実施形態に係る手術用顕微鏡によれば、回転ハウジングを鏡体ハウジングに対して180゜回転させるだけで、助手は術者の右側方からの観察と左側方からの観察とを切り替えることができるとともに、回転時に撮影系が邪魔になることがない。
【0086】
なお、以上説明してきた技術内容によれば、以下に示すような各種の構成が得られる。
【0087】
1.一対の変倍光学系と、一対の第1の接眼光学系と、一対の第2の接眼光学系を有し、前記第1の接眼光学系と前記第2の接眼光学系に光束を導くための光路分割手段を前記一対の変倍光学系より上方に配置した複数人観察可能な手術用顕微鏡において、
前記第2の接眼光学系は、前記一対の変倍光学系の両光軸の中心軸を基準に回転可能であり、前記光路分割手段によって分割される前記第2の接眼光学系に入射される光束は、第2の接眼光学系の前記回転に伴って、前記一対の変倍光学系の両光束から夫々分割された光束の両方と、前記一対の変倍光学系のうちいづれか一方から分割された光束とで選択されることを特徴とする複数人観察用手術用顕微鏡。
【0088】
2.前記副側の接眼光学系に光束を導くための反射部材は、前記一対の変倍光学系の両光軸の中心軸を中心に回転可能であることを特徴とする第1項に記載の複数人観察用手術用顕微鏡。
【0089】
3.前記副側の接眼光学系に光束を導くための反射部材は、前記一対の変倍光学系の光軸を中心に回転可能であることを特徴とする第1項に記載の複数人観察用手術用顕微鏡。
【0090】
4.側方位置で分割をした1本の光束は、前記一対の変倍光学系と同一のハウジング内において2つに分岐されることを特徴とする第1項に記載の複数人観察用手術用顕微鏡。
【0091】
5.側方位置で分割をした1本の光束は、前記副側の接眼光学系と同一のハウジングまたは副側の接眼光学系と一体で回転するハウジング内において2つに分岐されることを特徴とする第1項に記載の複数人観察用手術用顕微鏡。
【0092】
6.立体観察するための一対の観察光軸及び、該一対の観察光軸の一方に助手用接眼光学系に光束を導くための反射部材を有すると共に他方に撮影装置に光束を導くための反射部材を有した複数人観察用手術用顕微鏡において、前記一対の観察光軸の中間に位置する軸を基準に、前記助手用接眼光学系が回転可能であることを特徴とする複数人観察用手術用顕微鏡。
【0093】
7.撮影装置に光束を導くための撮影光路の一部を、前記回転における基準軸と同軸上に配置したことを特徴とする第6項に記載の複数人観察用手術用顕微鏡。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の観察者による同時観察が可能で、鏡体を着脱することなく観察者同士が複数の位置関係をとることができるとともに、術者と助手が共通の変倍光学系を用いることができる安価な手術用顕微鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系の第1の配置状態を示す斜視図である。
【図2】(a)は図1の手術用顕微鏡の本体部の平面図、(b)は図1の手術用顕微鏡の本体部の正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系の第2の配置状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系の第1の配置状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系の第2の配置状態を示す斜視図である。
【図6】(a)は図4および図5の手術用顕微鏡の本体部の平面図、(b)は図4および図5の手術用顕微鏡の本体部の正面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系の第1の配置状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系の第2の配置状態を示す斜視図である。
【図9】(a)は図7および図8の手術用顕微鏡の本体部の平面図、(b)は図7および図8の手術用顕微鏡の本体部の正面図である。
【図10】図7および図8の手術用顕微鏡の本体部の断面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系の第1の配置状態を示す斜視図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系の第2の配置状態を示す斜視図である。
【図13】(a)は図11および図12の手術用顕微鏡の本体部の平面図、(b)は図11および図12の手術用顕微鏡の本体部の正面図である。
【図14】本発明の第5の実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系の配置状態を示す斜視図である。
【図15】図14の手術用顕微鏡の光学系とこれらを囲うハウジングの外形図である。
【図16】図15において、中心軸Cを通り且つ紙面に垂直な面に沿って顕微鏡を切断した際の断面図である。
【図17】本発明の第6の実施形態に係る手術用顕微鏡の光学系の配置状態を示す斜視図である。
【図18】図17の手術用顕微鏡の本体部の断面図である。
【符号の説明】
1…対物レンズ
3a,3b…変倍光学系
4a,4b…半反射半透過部材(光路分割手段)
19,38,48,62,81,94…鏡体ハウジング
22,41,51,65,84,97…回転ハウジング

Claims (3)

  1. 観察対象からの光束が入射され、アフォーカルな光束を形成する対物レンズと、
    前記対物レンズの中心を通る中心軸に対して互いに対称に配設され、対物レンズからのアフォーカルな光束を受けて変倍する一対の変倍光学系と、
    前記一対の変倍光学系からの両光束をそれぞれ受けて各光束の像をそれぞれ結像する一対の第1の接眼光学系と、
    前記一対の第1の接眼光学系と前記一対の変倍光学系との間に位置して配設され、前記一対の変倍光学系からの各光束をそれぞれ2分割し、分割された一方の各光束を前記一対の第1の接眼光学系にそれぞれ導く光路分割手段と、
    前記光路分割手段で分割された他方の光束を受けてその他方の光束による像を結像する一対の第2の接眼光学系と、
    前記対物レンズの中心軸を回転中心として前記一対の第2の接眼光学系を回転させる回転手段と、
    を備え、
    前記回転手段は、一対の変倍光学系からの両光束が光路分割手段を介して分割された他方の各光束それぞれを一対の第2の接眼光学系に別々に入射可能な第1位置と、一方の変倍光学系のみからの光束を前記光路分割手段を介して分割された光束の他方の光束を前記光路分割手段とは別の光路分割手段で2分割するとともに該2分割した光束それぞれを一対の第2の接眼光学系に別々に入射可能で前記第1位置と異なる位置にある第2位置との間で、前記第2の接眼光学系を回転可能であることを特徴とする手術用顕微鏡。
  2. 前記他の光路分割手段は、前記変倍光学系及び光路分割手段を経た光束を2分割して前記第2の接眼光学系に導くための反射部材を有することを特徴とする請求項1に記載の手術用顕微鏡。
  3. 前記反射部材は、前記一対の変倍光学系の両光軸の中心軸を回転中心として前記第2の接眼光学系と一緒に回転するものであることを特徴とする請求項2に記載の手術用顕微鏡。
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