JP3072930B2 - 実体顕微鏡 - Google Patents

実体顕微鏡

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JP3072930B2 JP03338763A JP33876391A JP3072930B2 JP 3072930 B2 JP3072930 B2 JP 3072930B2 JP 03338763 A JP03338763 A JP 03338763A JP 33876391 A JP33876391 A JP 33876391A JP 3072930 B2 JP3072930 B2 JP 3072930B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、観察方向が変えられる
実体顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、実体顕微鏡は固定した支柱に取り
付けてあり、観察者が観察方向を変える場合は、支柱に
対して実体顕微鏡の鏡体部全体を移動させている。観察
方向を頻繁に変えることが特に多い実体顕微鏡として、
手術用顕微鏡がある。以下、手術用顕微鏡の例をあげ、
従来技術を説明する。
【0003】形成外科や整形外科の手術を行う際に用い
る、手術用顕微鏡の光学系の一般的構成を、図1に示
してある。1は手術者、2は助手、3は術部、4は対物
レンズ、5は変倍レンズ、6は対向型中間鏡筒、7,
7′はそれぞれ術者用接眼鏡筒、助手用接眼鏡筒、8,
8′はそれぞれ左眼、右眼に対応する光軸である。図示
のごとく、手術者1と助手2とが向かい合って術部3を
観察できる対向型中間鏡筒6及び術者用接眼鏡筒7,助
手用接眼鏡筒7′を有するものが多く用いられている。
このような手術用顕微鏡では、術者用接眼鏡筒7,助手
用接眼鏡筒7′は対向型中間鏡筒6に対して固定してあ
る。図17は、図16を横方向からみた図である。普
通、図17に示すように術部3に対して、鏡体全体を垂
直にして使用する。
【0004】一方、上記顕微鏡を用いて頸部等の手術を
するとき、しばしば、図18に示すように、鏡体全体を
左右に傾けて使用することがある。このとき、手術者1
と助手2は、頭を左右に傾けることになり、手術が長時
間に及ぶ場合には、非常に疲れる姿勢となる。この欠点
を解決する手段として、特開昭64ー88513号公報
で、図19に示す構成の提案がある。これは傾いた対向
型中間鏡筒6に対して、術者用接眼鏡筒7,助手用接眼
鏡筒7′を左右光軸8,8′の中心の軸9の回りに、回
転させるようにしたものである。すなわち、対向型中間
鏡筒6に対し固定してあった術者用接眼鏡筒7,助手用
接眼鏡筒7′を、軸9を回転軸として単に回動可能にし
ただけの簡単な構造であり、回転角が小さい場合には適
した構成である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように単
に接眼鏡筒のみを回転するのでは、幾つかの問題点があ
る。図20を用いて、その問題点を説明する。ただし、
図20では光学部材は省略し、左右の光軸、物体とその
像及び左右光学系の瞳のみを描いてある。x軸は左右の
光軸8,8′を含む平面と平行で、かつ、左右の光軸
8,8′に垂直な方向、y軸はx軸に垂直で物体面上に
とった座標軸である。図20(a)において、中間鏡筒
の射出瞳10,10′,接眼鏡筒の入射瞳11,11′
及び観察者の瞳14,14′は、それぞれ左右光軸8,
8′に沿って位置している。手術者1は、物体12の像
13,13′を立体視観察している。
【0006】今、図20(b)のように鏡体を垂直にし
た状態から、図20(c)のように鏡体を傾けた状態に
したとする。すると、前述したように手術者は、頭を傾
けて観察するという無理な姿勢をとることになる。そこ
で、図20(d)のごとく、手術者の両眼が水平となる
ように、接眼鏡筒を軸9の回りに回転する。このとき、
像13,13′が鏡体の傾き角度と同じ角度だけ傾くの
で、顕微鏡を用いずに物体を直接観察した場合と見え方
が一致しなくなる。更に回転角度が大きくなると、中間
鏡筒の射出瞳10,10′と接眼鏡筒の入射瞳11,1
1′とがずれるため、中間鏡筒から射出する光束がけら
れてしまい、観察ができなくなる。
【0007】更に、立体感異常という問題がある。図2
0(e)のように、中間鏡筒の射出瞳10,10′と接
眼鏡筒の入射瞳11,11′がずれた場合、観察者の瞳
14,14′に入る光束は、図中のハッチング部分1
6,16′を通る光束である。したがって、観察者の瞳
14,14′の位置は、中間鏡筒の左右光軸8,8′上
の位置からハッチング部分16,16′のほぼ中央の位
置15,15′に変化する。一方、立体感の要因の一つ
である視差の方向は、物体側入射瞳における観察者眼の
瞳の左右の共役位置を結ぶ方向となる。それだから、図
20(e)のように、観察者の瞳を結ぶ方向が中間鏡筒
の射出瞳10,10′の中心を結ぶ方向とずれると、左
右(x軸方向)だけでなく、上下(y軸方向)にも視差
を生ずるため、直接物体を見たときと異なる立体感の像
を観察することになる。このような立体感異常がある場
合に、手術者が長時間の観察を続けると、目の疲れや頭
痛などが生じて、手術業務に困難をきたすことになる。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑み、観察しやす
いように鏡体の一部を移動しても、像の明るさの低下、
像のけられ及び立体感の異常が少ない実体顕微鏡の提供
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の実体顕微鏡は、
物体上で所定の内向角度をもって交差する二つの光軸に
沿って該物体からの光束を射出する対物光学系と、変倍
レンズ系と、該変倍レンズ系から射出する光束を各々受
ける左右一対の接眼レンズを有する接眼光学系とを備
え、該対物光学系から射出する二つの光軸を結ぶ直線と
該二つの接眼レンズの光軸を結ぶ直線とが交差する状態
を取り得るように該対物光学系と該接眼光学系とを相対
的に移動可能に構成した実体顕微鏡において、該変倍レ
ンズ系と該接眼レンズとの間に光束移動部材を配置し、
該光束移動部材を射出した後の二つの光軸を結ぶ直線と
該二つの接眼レンズの光軸を結ぶ直線とのなす角度が、
該対物光学系から射出する二つの光軸を結ぶ直線と該二
つの接眼レンズの光軸を結ぶ直線とのなす角度より小さ
くなるように、該対物光学系と該接眼光学系との相対移
動に同期して該光束移動部材を移動させるようにしたこ
とを特徴としている。また、本発明による実体顕微鏡
は、前記光束移動部材より前の瞳と後ろの瞳が一致する
ように、前記光束移動部材を動かすことを特徴としてい
る。また、本発明による実体顕微鏡は、前記対物光学系
から射出する二つの光軸の中心を回転軸として、前記光
束移動部材の2倍の角度で前記接眼光学系を回転するこ
とを特徴としている。また、本発明による実体顕微鏡
は、前記光束移動部材がイメージローテータであること
を特徴としている。さらに、本発明による実体顕微鏡
は、前記対物光学系から射出する二つの光軸の中心を回
転軸として前記接眼光学系を回転させるとともに、前記
接眼光学系の回転に連動して光束が平行移動するように
前記光束部材を動かすことを特徴としている。
【0010】
【作用】上述のように構成された本発明の実体顕微鏡に
よれば、観察者が自然な姿勢を保つために、鏡体の一部
を移動させた場合、光束移動部材前の瞳と後ろの瞳、上
述例でいえば中間鏡筒の射出瞳と接眼鏡筒の入射瞳との
ずれを補正あるいは緩和するので、像のけられ、像の回
転及び立体感の異常の少なくとも一つを、補正あるいは
緩和することができる。
【0011】
【実施例】図1は本発明の第1実施例を示す図で、図1
(a)は正面図、図1(b)は左側面図である。図にお
いて、4は物体3からの光束を平行光束として射出する
左右の光学系に共通の対物レンズである。5,5′は左
右一対のアフォーカル変倍レンズ系で、それぞれの光軸
8,8′が対物レンズ4を介して物体3上で所定の大き
さの内向角をもって交差するように配置してあり、対物
レンズ4とともに対物光学系19を構成している。
【0012】対物光学系19の後方(射出側)に光束移
動部17を設け、光束移動部材として、内部に左右の光
学系に共通のシュミットプリズムからなるイメージロー
テーター18を、顕微鏡の中心軸9(左右光軸8,8′
の中心軸9と一致する)の回りに回動可能に配置してあ
る。光束移動部17の後方には、像位置30,30′に
物体像を形成するための結像レンズ27,27′、像正
立用ポロプリズム28,28′,光路屈曲用の平行四辺
形プリズム29,29′,及び接眼レンズ31,31′
からなる接眼光学系20を含む接眼鏡筒7が配置してあ
る。
【0013】観察者は、左右一対の接眼レンズ31,3
1′を通して左右光軸8,8′に沿って物体3を実体視
することができる。今、観察方向を変えるために、対物
光学系19,あるいは接眼光学系20を左右光軸8,
8′の中心軸9の回りに回転したとする。そうすると、
対物光学系19の射出瞳と接眼光学系20の入射瞳との
間にずれが生じ、回転角が大きい場合には、視野の一部
がけられて観察ができなくなる。なお、中心軸9は回転
軸であるので、以後の記述で回転軸と記すこともある。
【0014】一方、イメージローテーター18を中心軸
9の回りに回転させると、イメージローテーター18か
らでる光束も、中心軸9の回りに回転するが、光束の回
転角度はイメージローテーター18の回転角度の2倍で
ある。したがって、対物光学系19,あるいは接眼光学
系20の回転に同期してイメージローテーター18を回
転することにより、対物光学系19の射出瞳と接眼光学
系20の入射瞳とのずれを、補正することができる。ま
た、イメージローテーター18が十分に大きければ、け
られを生ぜず360°観察方向を変えることができる。
なお、この場合、光束移動部17,すなわちイメージロ
ーテーター18は、アフォーカル光束中の配置、非アフ
ォーカル光束中の配置のどちらでもよい。
【0015】図2は第2実施例の光学系の構成を示す図
である。第2実施例は、従来例として示したものと同様
に、手術者1と助手2とが術部3を対向して観察できる
ようになっている。図において、レンズ21とレンズ2
5は、アフォーカル光学系を構成するリレーレンズ系、
22は術者側と助手側とに光束を分岐させるビームスプ
リッター、23,24はミラー、26は光束移動部材
で、中心軸9(図2では図示してない)の回りに回動可
能に配置したドーブプリズムからなるイメージローテー
ターである。また、術者用接眼鏡筒7,助手用接眼鏡筒
7′の像正立光学素子としてダハプリズム28を用いて
いる。なお、対向型中間鏡筒6及び術者用接眼鏡筒7,
助手用接眼鏡筒7′に含まれる光学素子は、ドーブプリ
ズム26を除いて左右の光学系用に二つづつあるが、一
方は図示を省略した。
【0016】術部3から射出した光束は、対物レンズ4
を通過後、平行光束となりアフォーカル変倍レンズ5に
入射する。アフォーカル変倍レンズ5から射出した平行
光束は、対向型中間鏡筒6に入射し、レンズ21を通過
した後、ビームスプリッター22により2組の左右一対
の光束に分割される。そうして、この2組の左右一対の
光束は、それぞれミラー23,24により互いに反対方
向へ偏向され、レンズ25を透過して再び平行光束とな
り、ドーブプリズム26を通過後、術者用接眼鏡筒7,
助手用接眼鏡筒7′へ入射する。それぞれ術者用接眼鏡
筒7,助手用接眼鏡筒7′へ入射した平行光束は、レン
ズ27により収束し、ダハプリズム28及び平行四辺形
プリズム29で偏向して、結像点30に結像する。そう
して、手術者1及び助手2は、接眼レンズ31を通して
像13,13′を拡大観察する。
【0017】図3は第2実施例の説明のために図2を簡
略化したものである。図3(a)は、光束移動部の射出
瞳10,10′,接眼鏡筒の入射瞳11,11′及び観
察者(手術者)眼の瞳14,14′が、それぞれ左右光
軸8,8′に沿っていることを示す。手術者は、物体1
2の像13,13′を実体視観察している。
【0018】今、鏡体を、図3(b)の垂直状態から図
3(c)の傾き状態にすれ、前述したように手術者
は、頭を傾けて観察する無理な姿勢をとることになる。
そこで、手術者の両眼が水平となるように、接眼鏡筒を
中心軸9の回りに回転させる。このとき、接眼鏡筒の回
転と同時に、ドーブプリズム26を中心軸9の回りに接
眼鏡筒の回転角度の半分だけ同方向に回転させると、図
3(d)に示すように光束移動部の射出瞳10,10′
と接眼鏡筒の入射瞳11,11′は、ずれることなく完
全に一致する。したがって、回転による視野のけられは
起きない。
【0019】また、像13,13′の向きは、鏡体を傾
ける以前の状態〔図3(b)〕と同じで、顕微鏡を用い
ずに物体を直接観察した場合と一致する。更に、観察者
眼の瞳14,14′の位置が、左右光軸8,8′上から
ずれないので、立体感の変化は起こらない。接眼鏡筒及
びドーブプリズム26の回転角度が大きくなっても、こ
れらの結果には変わりがない。第2実施例において、光
束移動部材、すなわちドーブプリズム26は、左右光軸
8,8′に対し傾斜した二つの屈折面を持ち、収束光束
中に配置すると像に非点収差を生じるので、平行光束中
に配置しなければならない。なお、ドーブプリズム26
を分割し、左右光学系に別々に設けてもよい。
【0020】図4は第3実施例について、光束移動部前
後の光学系の構成を示したものである。第3実施例では
光束移動部材であるイメージローテーターとして、ドー
ブプリズム26の代わりにシュミットプリズム26″
リレーレンズ系中、すなわち、レンズ21とレンズ25
の間に配置してある。シュミットプリズム26″は左右
光軸8,8′に対し傾斜した屈折面を持たないので、収
束光束中に配置することができる。また、光軸方向の大
きさが小さいので、光束移動部をコンパクトにすること
が可能である。なお、シュミットプリズム26″の後ろ
のレンズ25は、接眼鏡筒7と同じ角度だけ回転する。
【0021】図5は第4実施例について、光束移動部を
含む中間鏡筒6内の光学系の構成を示したものである。
第4実施例は、レンズ25をミラー24の前方に配置し
てあり、術者用接眼鏡筒7,助手用接眼鏡筒7′の回転
に同期して、術者用側における左右一対のミラー24,
24′及び左右一対のドーブプリズム26,26′,又
は助手用側における左右一対のミラー24,24′及び
左右一対のドーブプリズム26,26′を、ミラー2
4,24′への入射光軸に沿って、左右互いに反対方向
に平行移動するようにしたものである。
【0022】図6は、第4実施例における鏡体を傾けた
ときの瞳と像の配置に関する説明図である。接眼鏡筒の
入射瞳11,11′を、中心軸9の回りに鏡体の傾き角
度θだけ回転して、観察者(手術者)は両眼を水平にし
て観察できるようになっている。ミラー及びドーブプリ
ズムの移動に伴い、光束移動部の射出瞳10,10′
は、鏡体の傾き方向(Z軸から角度θ傾いた方向)に移
動する。回転軸9と接眼鏡筒の左右光軸8,8′の間隔
をLとすると、その移動量は、
【0023】Lsinθ
【0024】である。そうして、移動後の光束移動部の
射出瞳10,10′は、光束移動部の射出瞳10,1
0′と接眼鏡筒の入射瞳11,11′との重なり面積が
最大になる位置にある。またこのとき、光束移動部の射
出瞳10,10′の中心と接眼鏡筒の入射瞳11,1
1′の中心とのずれδは、
【0025】δ=L−Lcosθ
【0026】となり、光束移動部の射出瞳10,10′
は固定し、接眼鏡筒を回転しただけの場合のずれδ′
【0027】δ′=2Lsin(θ/2)
【0028】よりも小さい。したがって、接眼鏡筒を回
転しただけの場合に比べて、第4実施例では、けられの
生ずる範囲が小さく、その分、観察できる鏡体の傾き角
度θの範囲が拡大するとともに、同一傾き角度θではよ
り明るい像を観察することができ、立体感の変化も少な
い。しかし、第4実施例では像の回転があり、また、移
動によりレンズ25と接眼鏡筒7,7′との間の光路長
が変化するために、光束移動部材、すなわち、ミラー及
びドーブプリズムは、平行光束中に配置しなければなら
ない。
【0029】図7は第5実施例について、光束移動部を
含む中間鏡筒6内の光学系を示したものである。第5実
施例では、中間鏡筒6内に設けたリレーレンズ系とし
て、レンズ21,25の代わりに、二つの正のレンズか
らなる結像型光学系32を用いており、平行光束が二つ
のレンズの間で一旦結像したのち、再び平行光束となり
射出する構成である。そうして、術者用接眼鏡筒、助手
用接眼鏡筒7,7′の回転に同期し、かつその回転角度
の1/2の角度だけ、アフォーカル光学系の結像型光学
系32を、回転軸9の回りに回転するようにしたもので
ある。
【0030】図8は、第5実施例における鏡体を傾けた
ときの瞳と像の配置に関する説明図である。接眼鏡筒の
入射瞳11,11′を、回転軸9の回りに鏡体の傾き角
度θだけ回転して、観察者(手術者)は両眼を水平にし
て観察できるようになっている。光束移動部の入射瞳3
4,34′と射出瞳10,10′は、回転軸9の回りに
角度でθ/2だけ回転している。なお、33,33′は
アフォーカル変倍レンズ系5の射出瞳である。
【0031】図9は図8における瞳と光束に係る説明図
である。図9に示すように、アフォーカル変倍レンズ系
5の射出瞳33から出た光束は、光束移動部の入射瞳3
4で制限された後、光束移動部の射出瞳10から射出す
る。このとき、光束移動部の射出瞳10から射出する光
束は、光束移動部の入射瞳34に入射する光束から結像
型アフォーカル光学系32の光軸に対して、対称な位置
にずれる。したがって、接眼鏡筒を回転しただけの場合
に比べて、第5実施例では、けられの生ずる範囲が小さ
く、その分、観察できる鏡体の傾き角度θの範囲が拡大
するとともに、同一傾き角度θではより明るい像を観察
することができ、立体感の変化も少ない。また、結像型
アフォーカル光学系32に非球面レンズを採用すれば、
偏心時の収差の悪化が補正できる。しかし、第5実施例
でも像の回転がある。
【0032】光束移動部材としては、以上のほかに図1
0に示す公知のイメージローテーターを使用することが
できる。図10の各イメージローテーターの中で1,
,5及び6は、入射光軸又は射出光軸に対して傾斜し
た屈折面を持つので、平行光束中に設けることが望まし
い。そのほかのイメージローテーターは、平行光束及び
収斂光束中のいずれに設けてもよい。また、3,4,9
及び10は、ミラーを組み合わせて構成し供用できる。
なお、上述の各実施例においては、左右の光学系の中心
軸を回転軸として、接眼鏡筒及び光束移動部材を移動し
ているが、左右の光学系の中心軸を平行移動した位置も
回転軸とすることができる。
【0033】図11は、図5及び図6で示した第4実施
例の変形である。第4実施例では、左右一対のミラー2
4,24′及び左右一対のドーブプリズム26,26′
をミラー24,24′への入射光軸に沿って、左右互い
に反対方向に平行移動させた〔図5,図6及び図11
(a)参照〕。図11(b)はミラー24,24′を術
者用側、助手用側へ互いに反対方向に平行移動するよう
にしたものである。また、図14(c)はミラー24,
24′を、鏡面に垂直方向で互いに反対方向に平行移動
するようにしたものである。これらの場合も、第4実施
例と同じ理由により、ミラー24,24′は平行光束中
に配置しなければならない。
【0034】図12も図5及び図6で示した第4実施例
の変形である。図12で示す実施例は、ミラー24,2
4′は固定し、左右一対のイメージローテーターだけを
入射光軸と垂直な方向へ移動することにより、イメージ
ローテーターの射出瞳10,10′が移動する構成とな
っている(図5参照)。イメージローテーターはどのよ
うな形式のものでもよく、図12の実施例は、ドーブプ
リズム35,35′をイメージローテーターとしたもの
である。
【0035】図13は、光束移動部材として平行平面板
39,39′を左右各々の光路中に配置し、平行平面板
39,39′を光軸と垂直な軸の回りに回転させるもの
である。この場合、平行平面板は平行光束中に配置しな
ければならない。
【0036】図14は、光束移動部材として対をなす二
つのくさび型プリズムを、左右各々の光路中に設け、一
方のくさび型プリズムを他方のくさび型プリズムに対し
て、光軸方向に移動させたものである。この場合も、く
さび型プリズムは平行光束中に配置しなければならな
い。これまでは、対向型中間鏡筒を有する対向型の実体
顕微鏡を例としたが、本発明は対向型の実体顕微鏡に限
定されない。また、接眼鏡筒の移動に限ったものではな
く、鏡体のどの部分が移動してもよい。なお、光束移動
部材は、必要に応じて取り外し可能なユニットとしても
よい。
【0037】図15は、光束移動部材としてミラーを用
いた場合の複数の実施例である。図15(a)におい
て、紙面下方より上方に進む左右一対の光束は、ミラー
36により右方水平に偏向される。ミラー36が回転軸
9の回りに矢印のように回転すると、水平方向に偏向さ
れた光束も回転軸9の回りに回転する。このとき、左右
一対の光束は、軸38の回りに回転する。したがって、
ミラー36の後ろに配置した光学部材が、軸38の回り
に回転した場合、ミラー36が後ろの光学部材とともに
回転軸9の回りに回転すれば、再び光軸を合わせること
ができる。
【0038】図15(b)は、左右の光束を含む大きな
1枚ミラー36を回転させた実施例である。図15
(c)は、左右一対のミラー37,37′を、回転軸9
の回りに回転させた実施例である。両実施例において、
光束移動部材、すなわちミラー36又は左右一対のミラ
ー37,37′は、移動にともないミラー前後のレンズ
間の光路長は変わらないので、平行光束及び収束光束中
のいずれにも配置すことができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明の実体顕微鏡
は、観察しやすいように鏡体の一部を移動しても、像の
明るさの低下、像のけられ、立体感の異常を軽減でき
る。したがって、特に長時間の手術にはたいへん有効な
手術用顕微鏡である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実体顕微鏡の第1実施例における光学
系の構成図である。
【図2】本発明の実体顕微鏡の第2実施例における光学
系の構成図である。
【図3】本発明の実体顕微鏡の第2実施例における作用
の説明図である。
【図4】本発明の実体顕微鏡の第3実施例における光束
移動部前後の光学系の構成図である。
【図5】本発明の実体顕微鏡の第4実施例における光束
移動部を含む中間鏡筒内の光学系の構成図である。
【図6】本発明の実体顕微鏡の第4実施例における作用
の説明図である。
【図7】本発明の実体顕微鏡の第5実施例における光束
移動部を含む中間鏡筒内の光学系の構成図である。
【図8】本発明の実体顕微鏡の第5実施例における作用
の説明図である。
【図9】図8における瞳と光束に係る説明図である。
【図10】本発明の実体顕微鏡における光束移動部材と
して供用できる公知のイメージローテーターの例示図で
ある。
【図11】本発明の実体顕微鏡の第4実施例における光
束移動部材の例示図である。
【図12】本発明の実体顕微鏡の第4実施例における光
束移動部材の例示図である。
【図13】本発明の実体顕微鏡における光束移動部材の
例示図である。
【図14】本発明の実体顕微鏡における光束移動部材の
例示図である。
【図15】本発明の実体顕微鏡における光束移動部材の
例示図である。
【図16】実体顕微鏡の光学系の一般的な構成の説明図
である。
【図17】図16を横方向からみた図である。
【図18】実体顕微鏡の一使用形態例の説明図である。
【図19】従来技術に係る実体顕微鏡の説明図である。
【図20】従来技術に係る実体顕微鏡の問題点の説明図
である。
【符号の説明】
17 光束移動部 18 イメージローテーター(光束移動部材) 19 対物光学系 20 接眼光学系 31 接眼レンズ 31′ 接眼レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深谷 孝 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 石川 朝規 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 近藤 豊浩 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 榛澤 豊治 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 梶谷 和男 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 井場 陽一 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−144410(JP,A) 実開 昭62−158413(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 21/00 G02B 21/06 - 21/36 A61B 19/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体上で所定の内向角度をもって交差す
    る二つの光軸に沿って該物体からの光束を射出する対物
    光学系と、変倍レンズ系と、該変倍レンズ系から射出す
    る光束を各々受ける左右一対の接眼レンズを有する接眼
    光学系とを備え、該対物光学系から射出する二つの光軸
    を結ぶ直線と該二つの接眼レンズの光軸を結ぶ直線とが
    交差する状態を取り得るように該対物光学系と該接眼光
    学系とを相対的に移動可能に構成した実体顕微鏡におい
    て、 該変倍レンズ系と該接眼レンズとの間に光束移動部材を
    配置し、 該光束移動部材を射出した後の二つの光軸を結ぶ直線と
    該二つの接眼レンズの光軸を結ぶ直線とのなす角度が、
    該対物光学系から射出する二つの光軸を結ぶ直線と該二
    つの接眼レンズの光軸を結ぶ直線とのなす角度より小さ
    くなるように、該対物光学系と該接眼光学系との相対移
    動に同期して該光束移動部材を移動させるようにしたこ
    とを特徴とする実体顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記光束移動部材より前の瞳と後ろの瞳
    が一致するように、前記光束移動部材を動かすことを特
    徴とする請求項1に記載の実体顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記対物光学系から射出する二つの光軸
    の中心を回転軸として、前記光束移動部材の2倍の角度
    で前記接眼光学系を回転することを特徴とする請求項2
    に記載の実体顕微鏡。
  4. 【請求項4】 前記光束移動部材がイメージローテータ
    であることを特徴とする請求項3に記載の実体顕微鏡。
  5. 【請求項5】 前記対物光学系から射出する二つの光軸
    の中心を回転軸として前記接眼光学系を回転させるとと
    もに、前記接眼光学系の回転に連動して光束が平行移動
    するように前記光束部材を動かすことを特徴とする請求
    項1に記載の実体顕微鏡。
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