JP4368500B2 - セレーション成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空軸の一端部内周にスピニング加工でセレーションを成形するセレーション成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のセレーション成形方法として、主軸台に軸支されるマンドレルに中空軸を外嵌セットすると共に、心押台に軸支される心押軸を中空軸の一端部側の軸端に当接させて中空軸を軸方向に拘束し、この状態でスピニング加工用のローラにより中空軸の一端部外周をしごいて、マンドレルの一端部外周に形成したセレーション成形用歯形の形状を中空軸の一端部内周に転写する方法が知られている。そして、このものでは、中空軸の一端部外周をしごく際、ローラを中空軸の一端部側の軸端に向けて中空軸の軸線と平行に移動している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の方法では、中空軸の一端部(セレーション成形部)が図5(A)に示す如く樽状に変形し、セレーションの成形精度が悪化することがある。この変形原因としては、セレーション成形部W3a′の基端部のスプリングバックと、中空軸WFaの軸端を拘束する心押軸40への肉の突き当て反力とが挙げられる。
【0004】
本発明は、以上の点に鑑み、中空軸の一端部内周にセレーションを精度良く成形し得るようにしたセレーション成形方法を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明は、中空軸の一端部内周にスピニング加工でセレーションを成形する方法であって、主軸台に軸支されるマンドレルに中空軸を外嵌セットすると共に、心押台に軸支される心押軸を中空軸の一端部側の軸端に当接させて中空軸を軸方向に拘束し、この状態でスピニング加工用のローラにより中空軸の一端部外周をしごいて、マンドレルの一端部外周に形成したセレーション成形用歯形の形状を中空軸の一端部内周に転写するものにおいて、中空軸の一端部外周を前記ローラで前記軸端に向けて軸方向外方にしごく第1しごき工程と、中空軸の一端部外周を前記ローラで前記軸端から軸方向内方にしごく第2しごき工程とを実行すると共に、第2しごき工程では、前記ローラを軸方向内方に向って中空軸の径方向内方に傾斜する軌跡に沿って移動させるようにしている。
【0006】
本発明によれば、第2しごき工程において、心押軸に対する肉の突き当て反力が軽減され、更に、セレーション成形部の基端部に向ってしごき量が増加されるため、基端部のスプリングバック量が減少する。かくて、セレーション成形部の変形が抑制され、セレーションの成形精度が向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1はダブルクラッチ用のクラッチドラムを示している。このクラッチドラムは、軸方向一方に開口する第1ドラム部W1と、第1ドラム部W1に対し背中合わせで配置される軸方向他方に開口する第2ドラム部W2と、第1と第2の両ドラム部W1,W2を固定する共通のハブ部W3とで構成されている。第1と第2の各ドラム部W1,W2の周壁部W1a,W2aの内周にはクラッチ板を係合させるスプライン歯W1b,W2bが形成され、更に、スプライン歯W1b,W2bのドラム開口端側の端部にはクラッチ板の抜止め用スナップリングを装着するリング溝W1c,W2cが形成されている。また、ハブ部W3には、第2ドラム部W2側の端部内周のセレーション歯W3aと、第1と第2の各ドラム部W1,W2内に開口するクラッチ作動用の油孔W3b,W3bと、潤滑用の油孔W3c,W3cと、クラッチピストンのシール用Oリングを装着するリング溝W3d,W3dと、ピストンスプリングのリテーナ用スナップリングを装着するリング溝W3e,W3eとが形成されている。
【0008】
上記クラッチドラムの製造に際しては、先ず、図2(A)に示すプリフォームWFを製造する。このプリフォームWFは、ハブ部W3に相当する中空の軸部WFaと、軸部WFaの中間部外周に一体に形成した、第1と第2の両ドラム部W1,W2の合わせ部に相当する円板部WFbと、円板部WFbの外周に一体に形成した、円板部WFbより肉厚で、且つ、第1と第2の両ドラム部W1,W2の周壁部W1a,W2aの合計体積以上の体積を持つ円環部WFcとを有している。プリフォームWFの製造方法は任意であり、例えば、図3(A)に示すビレットを熱間で図3(B)(C)(D)に示す如く段階的に鍛造し、最後に軸部WFa内の余肉WFa′を打ち抜いてプリフォームWFを製造する。尚、軸部WFaの一端部のセレーション成形部W3a′は他部より肉厚の段付形状に形成される。そして、プリフォームWFの製造後、図2(B)に示す如く、機械加工で軸部WFaに油孔W3b,W3cとリング溝W3dとを形成する。
【0009】
次に、図2(C)に示す如く軸部WFaのセレーション成形部W3a′の内周にセレーション歯W3aを成形して、軸部WFaをハブ部W3に合致する形状に加工するハブ加工工程と、プリフォームWFの円環部WFcを図2(D)に示す如く軸方向に裂開するスプリット工程と、裂開された円環部WFcの軸方向一方の半部W1a′と軸方向他方の半部W2a′とを図2(E)に示す如く第1と第2の各ドラム部W1,W2の周壁部W1a,W2aに合致する形状、即ち、内周にスプライン歯W1b,W2bを有する筒状に加工するドラム加工工程とを実行し、最後に、機械加工でハブ部W3とスプライン歯W1b,W2bとに夫々リング溝W3e,W1c,W2cを形成すると共に、各ドラム部W1,W2の周壁部W1a,W2aの開口端側の端末を切削し、図1に示すクラッチドラムを得る。
【0010】
ハブ加工工程は図4に示すスピニングマシンを用いて行う。このスピニングマシンは、ベッド1上に固定した主軸台2と、ベッド1上に油圧シリンダ3によって主軸台2に対向するX軸方向に進退されるように支持させた心押台4と、ベッド1上に図外の駆動源によってX軸方向に移動されるように支持させた可動台5とを備えており、可動台5上に、スピニング加工用のローラ6を軸支する1対のローラ支持台7,7をX軸に直交するY軸方向に対向させて配置し、各ローラ支持台7をモータ7aにより送りねじ機構7bを介してY軸方向に進退させるようにしている。主軸台2には、ベッド1上のモータ20によりベルト21を介して駆動されるスピンドル22が軸支されている。そして、スピンドル22に、プリフォームWFの軸部WFaに挿入可能で、且つ、一端部外周にセレーション成形用の歯形23aを形成したマンドレル23を連結している。
【0011】
ハブ加工工程では、プリフォームWFを軸部WFaにおいてマンドレル23に外嵌セットした後、心押台4を主軸台2に向けて移動させ、心押台4に軸支される心押軸40を軸部WFaのセレーション成形部W3a′側の軸端に当接させて、プリフォームWFを軸方向に拘束する。そして、この状態でモータ20によりスピンドル22を介してマンドレル23を回転させると共に、1対のローラ支持台7,7をY軸方向(軸部WFaの径方向)内方に前進させて、各ローラ支持台7に軸支されるローラ6を、図5(A)に仮想線で示す如く、セレーション成形部W3a′の基端近傍の軸部WFa外周面に当接させる。次に、可動台5を心押台4側に移動して、セレーション成形部W3a′の外周をローラ6で前記軸端に向けてX軸方向(軸部WFaの軸方向)外方にしごく第1しごき工程を行う。次に、可動台5を主軸台2側に移動して、セレーション成形部W3a′の外周をローラ6で前記軸端からセレーション成形部W3a′の基端部に向けてX軸方向内方にしごく第2しごき工程を行う。そして、第2しごき工程では、可動台5の動きに合わせて各ローラ支軸台7をY軸方向内方に前進させ、図5(B)に示す如く、ローラ6がX軸方向内方に向ってY軸方向内方に傾斜する軌跡に沿って移動されるようにしている。以上のしごき工程により、セレーション成形部W3a′の内周にマンドレル23の歯形23aの形状が転写され、セレーション歯W3aが成形される。
【0012】
ここで、第1しごき工程を行うだけでは、セレーション成形部W3a′の基端部のスプリングバックと、軸方向外方にしごかれた肉の心押軸40に対する突き当て反力とにより、セレーション成形部W3a′が図5(A)に示す如く樽状に変形する。然し、第2しごき工程を行うと、軸方向内方へのしごきにより心押軸40への肉の突き当て反力が軽減され、更に、セレーション成形部W3a′の基端部に向けてしごき量が増加するため、セレーション成形部W3a′の基端部のスプリングバック量が減少する。その結果、セレーション成形部W3a′の変形が防止され、セレーション成形歯W3aが精度良く成形される。
【0013】
以上、ダブルクラッチ用クラッチドラムのハブ部W3の一端部内周のセレーションの成形に本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の対象ワークはハブ部W3に限定されるものではなく、中空軸の一端部内周にセレーションを成形する方法として本発明は広く適用できる。
【0014】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、セレーション成形部が樽状に変形することを防止して、セレーションを精度良く成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法で成形されるセレーションを有するダブルクラッチ用クラッチドラムを示す断面図
【図2】 (A)〜(E)クラッチドラムの製造工程を示す図
【図3】 (A)〜(D)プリフォームの製造工程を示す図
【図4】 セレーションの成形に用いるスピニングマシンの平面図
【図5】 (A)第1しごき工程を示す要部の拡大断面図、(B)第2しごき工程を示す要部の拡大断面図
【符号の説明】
WFa 軸部(中空軸) W3a セレーション歯
W3a′ セレーション成形部 2 主軸台
23 マンドレル 23a セレーション成形用歯形
4 心押台 40 心押軸
6 ローラ
Claims (1)
- 中空軸の一端部内周にスピニング加工でセレーションを成形する方法であって、
主軸台に軸支されるマンドレルに中空軸を外嵌セットすると共に、心押台に軸支される心押軸を中空軸の一端部側の軸端に当接させて中空軸を軸方向に拘束し、この状態でスピニング加工用のローラにより中空軸の一端部外周をしごいて、マンドレルの一端部外周に形成したセレーション成形用歯形の形状を中空軸の一端部内周に転写するものにおいて、
中空軸の一端部外周を前記ローラで前記軸端に向けて軸方向外方にしごく第1しごき工程と、
中空軸の一端部外周を前記ローラで前記軸端から軸方向内方にしごく第2しごき工程とを実行すると共に、
第2しごき工程では、前記ローラを軸方向内方に向って中空軸の径方向内方に傾斜する軌跡に沿って移動させる、
ことを特徴とするセレーション成形方法。
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