JP4363317B2 - 内燃機関の筒内充填空気量推定装置 - Google Patents

内燃機関の筒内充填空気量推定装置 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の筒内充填空気量推定装置に関するものである。
内燃機関においては、吸気バルブ閉弁時に筒内に存在する空気の量(以下、筒内充填空気量という)に基づき、燃料噴射量制御などの運転制御が行われるため、その筒内充填空気量を正確に推定することが適切な運転制御を行う上で重要になる。
このため、例えば特許文献1では、吸気効率を気筒毎に推定するとともに、それら吸気効率を各々対応する気筒の筒内充填空気量の推定に用いるようにしている。この場合、内燃機関の吸気系でのデポジットの付着や部品の組み付け誤差等により気筒毎に吸気効率に違いが生じ、それに起因して各気筒毎に筒内充填空気量がばらついたとしても、そのばらつきも考慮して筒内充填空気量を推定することができる。
特開2001−234798公報
ところで、内燃機関においては、各気筒の吸気バルブが順々に開弁し、それによって吸気管内の圧力に脈動が生じることとなる。こうした吸気管内の圧力の脈動は、各気筒における筒内充填空気量に密接に関係している。しかし、上記特許文献1では、各気筒の筒内充填空気量を推定する際に上記脈動を考慮していないため、推定される各気筒の筒内充填空気量が上記脈動の影響を受ける分だけ不正確なものとなる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、吸気管内の脈動による影響も含めて筒内充填空気量を正確に推定することのできる内燃機関の筒内充填空気量推定装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、吸気バルブの開閉に伴い吸気管内に圧力の脈動が生じる内燃機関に適用され、前記吸気管に流入する空気の量を流入空気量として算出し、その流入空気量を用いて筒内充填空気量を推定する内燃機関の筒内充填空気量推定装置において、前記吸気管の圧力を検出する圧力センサからの出力をA/D変換により所定のサンプリング周期で量子化し、その量子化後の値を前記吸気管の圧力として用いて前記吸気バルブの開弁による前記吸気管内の圧力の降下量を算出する降下量算出手段と、前記圧力の降下量に基づき、当該圧力の脈動によって筒内に充填される空気の量を余分空気量として算出する余分空気量算出手段と、前記流入空気量及び前記余分空気量に基づき前記筒内充填空気量を推定する筒内充填空気量推定手段とを備え、前記降下量算出手段は、前記サンプリング周期に対する前記圧力の脈動周期の長さが所定レベル以上であるときには、前記量子化後の圧力を用いて吸気バルブ開弁中の同圧力の最大値と最小値との差を当該吸気バルブの一回の開閉サイクルでの前記降下量として算出するとともにメモリに記憶し、この降下量について開閉サイクル複数回分の平均をとって得られる平均値を前記余分空気量算出用の降下量とするものであって、前記サンプリング周期に対する前記圧力の脈動周期の長さが所定レベル未満であるときには、サンプリング周期毎に量子化後の圧力と、そのときの時刻とをメモリに記憶し、それら圧力及び時刻についての前記吸気バルブの開閉サイクル複数回分のデータから前記圧力の開閉サイクル一回分の平均波形を求め、その平均波形における圧力の最大値と最小値との差を前記降下量の前記開閉サイクル複数回分の平均値とし前記余分空気量算出用の降下量とするものとした。
上記構成によれば、吸気バルブの開閉に伴う吸気管内の圧力の脈動によって筒内に充填される空気の量、即ち余分空気量を考慮して筒内充填空気量が推定されるため、その推定される筒内充填空気量を上記脈動による影響も含めた正確なものとすることができる。
また、吸気バルブの開弁による吸気管内の圧力の降下量の算出は、圧力センサからの出力をA/D変換により所定のサンプリング周期で量子化し、量子化後の値を吸気管の圧力として用いることで行われる。ただし、A/D変換後に取得された圧力は量子化誤差やノイズによって精度が悪化するため、それに伴い余分空気量算出用の降下量の精度も悪化する。このため、吸気バルブの開閉サイクル複数回分の降下量の平均値を余分空気量算出用の降下量として採用し、上述した降下量の精度悪化を抑制するようにしている。
ところで、吸気バルブの開閉態様の変化等によって吸気管内の圧力の脈動周期が変化し、その脈動周期がA/D変換のサンプリング周期に近づくと、吸気バルブの一回の開閉サイクル中におけるA/D変換のサンプリング回数が少なくなる。このサンプリング回数の少なさに起因して、量子化後に取得された圧力の吸気バルブ開弁中の最大値及び最小値が実際の値と大きく食い違うようになり、それら最大値と最小値の差である上記降下量の必要精度確保が困難になる。このため、当該降下量の平均値である余分空気量算出用の降下量を、より高精度の平均化法によって求めることで、余分空気量算出用の降下量の必要精度を確保することも考えられるが、こうした高精度の平均化法の採用は計算負荷の増大やメモリ容量の消費を招く。
そこで、請求項1記載の発明では、上記サンプリング周期に対する上記圧力の脈動周期の長さが所定レベル未満であるときには、降下量の平均値を求めるのに高精度の平均化法が用いられる。この高精度の平均化法では、吸気バルブの開閉サイクル複数回分についてのサンプリング周期毎の量子化後の圧力及びそのときの時刻から、当該圧力の開閉サイクル一回分の圧力センサからの出力の平均波形が求められ、その波形における圧力の最大値と最小値との差を上記降下量の平均値としている。このように平均波形から降下量の平均値を求めることで、その平均値を余分空気量算出用の降下量として精度の高いものとすることができる。ただし、上記平均波形を求めるのには、上記圧力及び時刻に関する多数のデータを用いた複雑な計算が必要になる。このため、計算負荷が増大するとともに、それら多数のデータを記憶するのにメモリ容量を大幅に消費することは避けられない。
このため、上記サンプリング周期に対する上記圧力の脈動周期の長さが所定レベル以上であるときには、降下量の平均値を求めるのに通常精度の平均化法が用いられる。この通常精度の平均化法では、吸気バルブの一回の開閉サイクル毎に、量子化後の圧力を用いて吸気バルブ開弁中の同圧力の最大値と最小値との差を当該圧力の降下量として求め、この降下量について吸気バルブの開閉サイクル複数回分の平均をとって当該降下量の平均値を得るようにしている。この場合、上述した高精度の平均化法のような平均波形を求めることは行われず、一回の開閉サイクル毎の降下量の計算及びその計算結果の記憶、並びに記憶された開閉サイクル複数回分の降下量の平均といった処理が行われるだけであるため、計算負荷の増大やメモリ容量の消費は抑制されるようになる。
以上のように、サンプリング周期に対する圧力の脈動周期の長さが所定レベル未満であるか否かに基づき、上述した高精度の平均化法と通常精度の平均化法とを切り換えて実施することで、余分空気量算出用の降下量の必要精度を確保しつつ、計算負荷の増大やメモリ容量の消費を最小限にとどめることができるようになる。
請求項記載の発明では、吸気バルブの開閉に伴い吸気管内に圧力の脈動が生じる内燃機関に適用され、前記吸気管に流入する空気の量を流入空気量として算出し、その流入空気量を用いて筒内充填空気量を推定する内燃機関の筒内充填空気量推定装置において、前記吸気管の圧力を検出する圧力センサからの出力をA/D変換により所定のサンプリング周期で量子化し、その量子化後の値を前記吸気管の圧力として用いて前記吸気バルブの開弁による前記吸気管内の圧力の降下量を算出する降下量算出手段と、前記圧力の降下量に基づき、当該圧力の脈動によって筒内に充填される空気の量を余分空気量として算出する余分空気量算出手段と、前記流入空気量及び前記余分空気量に基づき前記筒内充填空気量を推定する筒内充填空気量推定手段とを備え、前記降下量算出手段は、前記量子化後の圧力を用いて吸気バルブ開弁中の同圧力の最大値と最小値との差を当該吸気バルブの一回の開閉サイクルでの前記降下量として算出するとともにメモリに記憶し、この降下量について開閉サイクル複数回分の前記降下量の平均値を前記余分空気量算出用の降下量とするものであって、前記A/D変換のサンプリング周期に対する前記圧力の脈動周期の長さに応じて、前記降下量の平均値を求めるための開閉サイクル回数を可変とするものとした。
上記構成によれば、吸気バルブの開閉に伴う吸気管内の圧力の脈動によって筒内に充填される空気の量、即ち余分空気量を考慮して筒内充填空気量が推定されるため、その推定される筒内充填空気量を上記脈動による影響も含めた正確なものとすることができる。
また、吸気バルブの開弁による吸気管内の圧力の降下量の算出は、圧力センサからの出力をA/D変換により所定のサンプリング周期で量子化し、量子化後の値を吸気管の圧力として用いることで行われる。ただし、A/D変換後に取得された圧力は量子化誤差やノイズによって精度が悪化するため、それに伴い余分空気量算出用の降下量の精度も悪化する。このため、吸気バルブの開閉サイクル複数回分の降下量の平均値を余分空気量算出用の降下量として採用し、上述した降下量の精度悪化を抑制するようにしている。
ところで、吸気バルブの開閉態様の変化等によって吸気管内の圧力の脈動周期が変化し、その脈動周期がA/D変換のサンプリング周期に近づくと、吸気バルブの一回の開閉サイクル中におけるA/D変換のサンプリング回数が少なくなる。このサンプリング回数の少なさに起因して、量子化後に取得された圧力の吸気バルブ開弁中の最大値及び最小値が実際の値と大きく食い違うようになり、それら最大値と最小値の差である上記降下量の必要精度確保が困難になる。このため、上記降下量の平均値を求めるための開閉サイクル回数を多めの値に設定することで、上記降下量の必要精度を確保することも考えられるが、その開閉サイクル回数を多くするほど上記降下量の平均値を算出するための計算負荷やメモリ容量の消費が増大する。
請求項記載の発明では、上記A/D変換のサンプリング周期に対する上記圧力の脈動周期の長さに応じて、降下量の平均値を求めるための開閉サイクル回数を可変とすることができる。ただし、上記開閉サイクル回数が多くなると、平均値を求める際の計算負荷や当該計算に用いられるデータの記憶に起因するメモリ容量の消費が大となることは上述したとおりである。このことを考慮し、サンプリング周期に対する圧力の脈動周期の長さが所定レベル未満になったときだけ、上記開閉サイクル回数を多くすることで、余分空気量算出用の降下量の必要精度を確保しつつ、計算負荷の増大やメモリ容量の消費を最小限にとどめることができる。
請求項記載の発明では、吸気バルブの開閉に伴い吸気管内に圧力の脈動が生じる内燃機関に適用され、前記吸気管に流入する空気の量を流入空気量として算出し、その流入空気量を用いて筒内充填空気量を推定する内燃機関の筒内充填空気量推定装置において、前記吸気管の圧力を検出する圧力センサからの出力をA/D変換により所定のサンプリング周期で量子化し、その量子化後の値を前記吸気管の圧力として用いて前記吸気バルブの開弁による前記吸気管内の圧力の降下量を算出する降下量算出手段と、前記圧力の降下量に基づき、当該圧力の脈動によって筒内に充填される空気の量を余分空気量として算出する余分空気量算出手段と、前記流入空気量及び前記余分空気量に基づき前記筒内充填空気量を推定する筒内充填空気量推定手段とを備え、前記降下量算出手段は、前記量子化後の圧力を用いて吸気バルブ開弁中の同圧力の最大値と最小値との差を当該吸気バルブの一回の開閉サイクルでの前記降下量として算出するとともにメモリに記憶し、この降下量について開閉サイクル複数回分の前記降下量の平均値を前記余分空気量算出用の降下量とするものであって、前記A/D変換のサンプリング周期に対する前記圧力の脈動周期の長さに応じて、当該サンプリング周期を変更するものとした。
上記構成によれば、吸気バルブの開閉に伴う吸気管内の圧力の脈動によって筒内に充填される空気の量、即ち余分空気量を考慮して筒内充填空気量が推定されるため、その推定される筒内充填空気量を上記脈動による影響も含めた正確なものとすることができる。
また、吸気バルブの開弁による吸気管内の圧力の降下量の算出は、圧力センサからの出力をA/D変換により所定のサンプリング周期で量子化し、量子化後の値を吸気管の圧力として用いることで行われる。ただし、A/D変換後に取得された圧力は量子化誤差やノイズによって精度が悪化するため、それに伴い余分空気量算出用の降下量の精度も悪化する。このため、吸気バルブの開閉サイクル複数回分の降下量の平均値を余分空気量算出用の降下量として採用し、上述した降下量の精度悪化を抑制するようにしている。
ところで、吸気バルブの開閉態様の変化等による吸気管内の圧力の脈動周期の変化は、余分空気量算出用の降下量の精度に大きな影響を及ぼす。
例えば、脈動周期がA/D変換のサンプリング周期に近づくと、吸気バルブの一回の開閉サイクル中におけるA/D変換のサンプリング回数が少なくなる。このサンプリング回数の少なさに起因して、量子化後に取得された圧力の吸気バルブ開弁中の最大値及び最小値が実際の値と大きく食い違うようになり、それら最大値と最小値の差である上記降下量の必要精度確保が困難になる。
また、所定のサンプリング周期での量子化後の吸気管内の圧力の推移は、吸気バルブの開閉サイクル毎の圧力センサからの出力波形の違いに応じて、開閉サイクル毎に異なる状態(非同期状態)となるのが普通である。しかし、サンプリング周期に対する上記脈動周期の長さによっては、開閉サイクル毎における上記圧力の推移が、開閉サイクル毎の圧力センサの出力波形の違いに関係なく同じ状態(同期状態)となることがある。言い換えれば、いかなるサンプリング周期においても、圧力センサの出力波形の開閉サイクル毎の違いに関係なく、上記圧力の推移が複数の開閉サイクルで同期した状態となる脈動周期が存在するということである。このように上記圧力の推移が複数の開閉サイクルで同期すると、同圧力の降下量を開閉サイクル複数回分を平均したとしても、その平均値が余分空気量算出用の降下量として精度のよい値にならず、同降下量の必要精度確保が困難になる。
請求項記載の発明では、上記A/D変換のサンプリング周期に対する上記圧力の脈動周期の長さに応じて、当該サンプリング周期を変更することができるため、上述したような状況が生じないようにサンプリング周期を変更することができる。即ち、吸気バルブの開閉状態に応じて変化する脈動周期がサンプリング周期に過度に近づいた状態とならないよう、また、そのときの脈動周期に対し上記圧力の推移が吸気バルブの複数の開閉サイクルで同期した状態となるサンプリング周期とならないよう、当該サンプリング周期を変更することができる。こうしたサンプリング周期の変更により、上述した状況下でも、余分空気量算出用の降下量の必要精度を確保することができるようになる。
請求項記載の発明では、請求項記載の発明において、前記降下量算出手段は、前記A/D変換のサンプリング周期に対する前記圧力の脈動周期の長さが所定レベル未満であるときには、前記サンプリング周期を前記脈動周期の長さが所定レベル以上であるときよりも短くするものとした。
サンプリング周期を短くすると、吸気バルブの一回の開閉サイクル中のサンプリング回数が多くなるため、そのサンプリング回数の少なさに起因して上記降下量の必要精度確保が困難になるのを抑制することはできるが、そのサンプリング回数が多くなると計算負荷が増大する。上記構成によれば、サンプリング周期に対する圧力の脈動周期の長さが所定レベル未満になったときだけ、サンプリング周期が短くされて一回の開閉サイクル中のサンプリング回数が多くされる。一方、上記サンプリング周期に対し脈動周期の長さが所定レベル以上であるときには、サンプリング周期が短くされることはないため、一回の開閉サイクル中のサンプリング回数が必要以上に多くされることはない。以上により、余分空気量算出用の降下量の必要精度を確保しつつ、上記計算負荷の増大を最小限にとどめることができるようになる。
請求項記載の発明では、請求項3又は4記載の発明において、前記降下量算出手段は、前記A/D変換のサンプリング周期に対する前記圧力の脈動周期の長さが、前記開閉サイクル毎における前記量子化後の吸気管の圧力の推移が同じ状態となる長さであるとき、前記サンプリング周期をそれまでの値と異なる値に変更するものとした。
サンプリング周期と脈動周期との関係によっては、前記吸気バルブの開閉サイクル毎における量子化後の吸気管の圧力の推移がが同じ状態となる場合がある。上記構成によれば、このような場合にはサンプリング周期がそれまでとは異なる値に変更され、開閉サイクル毎における量子化後の吸気管の圧力の推移が同じ状態とならないようにされる。従って、開閉サイクル毎における上記圧力の推移が同じ状態となり、余分空気量算出用の降下量の必要精度確保が困難になるのを抑制することができる。
請求項記載の発明では、吸気バルブの開閉に伴い吸気管内に圧力の脈動が生じる内燃機関に適用され、前記吸気管に流入する空気の量を流入空気量として算出し、その流入空気量を用いて筒内充填空気量を推定する内燃機関の筒内充填空気量推定装置において、前記吸気管の圧力を検出する圧力センサからの出力をA/D変換により所定のサンプリング周期で量子化し、その量子化後の値を前記吸気管の圧力として用いて前記吸気バルブの開弁による前記吸気管内の圧力の降下量を算出する降下量算出手段と、前記圧力の降下量に基づき、当該圧力の脈動によって筒内に充填される空気の量を余分空気量として算出する余分空気量算出手段と、前記流入空気量及び前記余分空気量に基づき前記筒内充填空気量を推定する筒内充填空気量推定手段とを備え、前記降下量算出手段は、前記量子化後の圧力を用いて吸気バルブ開弁中の同圧力の最大値と最小値との差を当該吸気バルブの一回の開閉サイクルでの前記降下量として算出するとともにメモリに記憶し、この降下量について開閉サイクル複数回分の前記降下量の平均値を前記余分空気量算出用の降下量とするものであって、前記A/D変換のサンプリング周期に対する前記圧力の脈動周期の長さが、前記吸気バルブの開閉サイクル毎における前記量子化後の吸気管の圧力の推移が同じ状態となる長さであるとき、当該開閉サイクルでの前記吸気管内の圧力の降下量の算出を行わないものとした。
上記構成によれば、吸気バルブの開閉に伴う吸気管内の圧力の脈動によって筒内に充填される空気の量、即ち余分空気量を考慮して筒内充填空気量が推定されるため、その推定される筒内充填空気量を上記脈動による影響も含めた正確なものとすることができる。
また、吸気バルブの開弁による吸気管内の圧力の降下量の算出は、圧力センサからの出力をA/D変換により所定のサンプリング周期で量子化し、量子化後の値を吸気管の圧力として用いることで行われる。ただし、A/D変換後に取得された圧力は量子化誤差やノイズによって精度が悪化するため、それに伴い余分空気量算出用の降下量の精度も悪化する。このため、吸気バルブの開閉サイクル複数回分の降下量の平均値を余分空気量算出用の降下量として採用し、上述した降下量の精度悪化を抑制するようにしている。
ところで、所定のサンプリング周期での量子化後の吸気管内の圧力の推移は、吸気バルブの開閉サイクル毎の圧力センサからの出力波形の違いに応じて、開閉サイクル毎に異なる状態(非同期状態)となるのが普通である。しかし、サンプリング周期に対する脈動周期の長さによっては、開閉サイクル毎における上記圧力の推移が、開閉サイクル毎の圧力センサの出力波形の違いに関係なく、同じ状態(同期状態)となることがある。言い換えれば、いかなるサンプリング周期においても、圧力センサの出力波形の開閉サイクル毎の違いに関係なく、上記圧力の推移が複数の開閉サイクルで同期した状態となる脈動周期が存在するということである。このように開閉サイクル毎における上記圧力の推移が同期すると、同圧力の降下量を開閉サイクル複数回分を平均したとしても、その平均値が余分空気量算出用の降下量として精度のよい値にはならず、同降下量の必要精度確保が困難になる。
請求項記載の発明では、上述した状況下では、当該開閉サイクルでの前記吸気管内の圧力の降下量の算出を行わないようにしている。この場合、吸気管内の圧力の降下量が当該開閉サイクルよりも以前の開閉サイクル複数回分について平均され、その平均値が余分空気量算出用の降下量として用いられる。従って、上記圧力の推移が開閉サイクル毎で同期する状況となった開閉サイクルでの吸気管内の圧力の降下量が、余分空気量算出用の降下量を算出するための平均化に用いられることはなく、当該降下量の必要精度確保が困難になるのを抑制することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明を自動車に搭載される筒内噴射火花点火式の四気筒エンジンに適用した第1実施形態を図1〜図10に従って説明する。
図1に示されるエンジン1において、一番〜四番気筒#1〜#4(一番気筒#1のみ図示)の各燃焼室2には、吸気管3を通じて空気が吸入されるとともに燃料噴射弁4から直接燃料が噴射供給される。この空気と燃料とからなる混合気に対し点火プラグ5による点火が行われると、同混合気が燃焼してピストン6が往復移動し、エンジン1の出力軸であるクランクシャフト7が回転する。そして、燃焼後の混合気は排気として各燃焼室2から排気管8に送り出される。
エンジン1の出力調整は、自動車の運転者によるアクセルペダル16の踏み込み操作を通じて行われる。即ち、アクセルペダル16が踏み込み操作されると、そのときのアクセル踏み込み量に応じてスロットルバルブ19の開度が調節され、吸気管3に流入する空気の量が変化する。そして、燃焼室2に吸入される空気の量に対応した量の燃料が燃料噴射弁4から噴射され、こうして燃焼室2に充填される混合気の量が変化してエンジン1の出力が調整されるようになる。
エンジン1において、燃焼室2と吸気管3との間は吸気バルブ9の開閉動作によって連通・遮断され、燃焼室2と排気管8との間は排気バルブ10の開閉動作によって連通・遮断される。これら吸気バルブ9及び排気バルブ10は、クランクシャフト7の回転が伝達される吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12の回転に伴い開閉動作するようになる。
自動車には、エンジン1の燃料噴射制御及びスロットル開度制御といった運転制御を行う電子制御装置15が搭載されている。電子制御装置15は、エンジン1の制御に係る各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果等が一時記憶されるRAM、外部との間で入・出力するための入・出力ポート等を備えている。また、電子制御装置15には、以下に示される各種センサからの検出信号が入力される。
・アクセルペダル16の踏み込み量(アクセル踏込量)を検出するアクセルポジションセンサ17。
・吸気管3に流入する空気の流量を検出するエアフローメータ18。
・吸気管3内におけるスロットルバルブ19よりも下流側の圧力(吸気管内圧力)を検出する圧力センサ22。
・吸気管3内の空気の温度を検出する温度センサ23。
・クランクシャフト7の回転に対応した信号を出力するクランクポジションセンサ25。
・吸気カムシャフト11の回転位置に対応した信号を出力するカムポジションセンサ26。
電子制御装置15は、各気筒#1〜#4の燃焼室2に吸入される空気の量(以下、筒内充填空気量という)を推定し、それら筒内充填空気量に基づき燃料噴射量制御などエンジン1の運転制御を実行する。
こうしたエンジン1の運転制御を適切に行うには各気筒#1〜#4の筒内充填空気量を正確に推定する必要があるが、これら筒内充填空気量は吸気管3に流入する空気の量(流入空気量)が関係しているだけでなく、各気筒#1〜#4での吸気バルブ9の開閉に起因する吸気管3内での圧力の脈動にも密接に関係している。従って、各気筒#1〜#4の筒内充填空気量を正確に推定するためには、それら筒内充填空気量を推定する際に吸気管3内の圧力の脈動を考慮に入れて当該推定を行うことが重要になる。
そこで本実施形態では、吸気管3内の圧力の脈動によって燃焼室2内(筒内)に充填される空気の量である余分空気量を、吸気バルブ9の開弁による吸気管内圧力の降下量に基づき算出する。そして、この余分空気量と上記流入空気量とに基づき筒内充填空気量を推定することで、推定された筒内充填空気量を上記脈動を考慮した正確なものとする。
次に、上記筒内充填空気量の推定手順の概要について、図2及び図3を参照して説明する。
なお、図2は、エンジン1における吸気管部分のモデルである「吸気管モデルM1」の基本概念を示している。また、図3(a)において、実線mtは吸気管3に流入する空気の流量(単位はg/sec)についての時間経過に伴う推移を示しており、実線mciは吸気管3からi番気筒に流出する空気の流量(単位はg/sec)についての時間経過に伴う推移を示している。この図において、面積Bは上記流入空気量(単位はg)に相当し、面積Aは余分空気量(単位はg)に相当する。更に、図3(b)の実線は吸気管内圧力の時間経過に伴う変化を示している。
まず、図2の吸気管モデルM1について考える。エンジン1の吸気管部分について質量保存則を適用すると、吸気管内圧力Pmと、吸気管3に流入する空気の流量(以下、流入流量mtという)と、吸気管3からi番気筒に流出する空気の流量(以下、流出流量mciという)とには、以下の式(1)の関係が成り立つ。
Figure 0004363317
ここで、Tmは吸気管内温度、Vmは吸気管容積、Raは気体定数を空気の平均分子数で除算した値である。この式(1)を積分することによって、時刻tからΔt秒間における吸気管内圧力Pmの変化量ΔPmを表す以下の式(2)が得られるようになる。
Figure 0004363317
この式(2)から、吸気管内圧力Pmについては、吸気管3への流入流量mtが流出流量mciよりも多ければ上昇し、小さければ下降し、等しければ一定となることが分かる。更に、Δt秒間における吸気管内圧力Pmの変化量ΔPmは、吸気管3内の空気量の変化分に相当することが分かる。なお、図3(a)に示されるように、流出流量mciについては吸気バルブ9の開閉に依存して間欠的且つ大きく変動するのに対し、流入流量mtについては吸気管3内の空気が流入空気の緩衝の役割を果たすことから緩やかな変化を示す。このため、流出流量mciと流入流量mtとの大小関係は反転を繰り返す。これは、上記式(2)の右辺の括弧内の値が一定周期で正負反転を繰り返すこと、即ち吸気管内圧力Pmが一定周期で上昇・下降を繰り返すことを意味し、吸気管内圧力Pmの脈動を表す。
ここで、各気筒#1〜#4の吸気バルブ9の開弁期間は重複しないと仮定する。この場合、i番気筒への空気の吸入に際して、吸気管内圧力Pmが最大値Pmmax をとるのは、i番気筒の流出流量mciが増大する過程で、吸気管内圧力Pmの時間微分値が「0」となるとき(dPm/dt=0)、即ち流出流量mciが流入流量mtと等しくなるとき(mci=mt)である。なお、このときの時刻を最大時刻Tmax とする。一方、i番気筒への空気の吸入に際して、吸気管内圧力Pmが最小値Pmmin をとるのは、流出流量mciが減少する過程で、吸気管内圧力Pmの時間微分値が「0」となるとき、即ち流出流量mciが流入流量mtと等しくなるときである。なお、このときの時刻を最小時刻Tmin とする。
i番気筒への空気の吸入によって生じる吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn 、即ち吸気管内圧力Pmの最大値Pmmax と最小値Pmmin との差分は、以下の式(3)のように表すことができる。
Figure 0004363317
なお、式(3)の積分項は図3(a)の面積Aに相当する。従って、降下量ΔPmdwn は面積Aに比例することが分かる。この式(3)は、各気筒#1〜#4における吸気バルブ9の開弁期間の重複はない条件のもとでは、以下の式(4)のように変形することができる。
Figure 0004363317
この式(4)は筒内充填空気量MC(単位はg)を算出するためのものである。式(4)の右辺の積分項は、図3(a)の面積Bに相当し、最大時刻Tmax から最小時刻Tmin までに吸気管3内に流入した空気の量(流入空気量)を表している。また、式(4)の右辺の「ΔPmdwn /(Ra・Tm/Vm)」という項については、「Vm/Tm」を定数kに置き換えて「k・ΔPmdwn /Tm」と表すことができる。この項は、図3(a)の面積Aに相当し、筒内に吸入される上記流入空気量分の空気に加えて、吸気管内圧力Pmの脈動により更に筒内に充填される空気の量(余分空気量)を表している。この余分空気量は、上記吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn 等に基づき算出される。従って、式(4)に基づき算出される筒内充填空気量MCは、上記最大時刻Tmax から最小時刻Tmin までに吸気管3内に流入した空気の量(流入空気量)と上記余分空気量を加算した値となっている。
ただし、厳密に言えば、実際の筒内充填空気量は図3(a)の面積A及び面積Bに面積Cを加えた値に相当する。式(4)によって算出された筒内充填空気量MCは、面積Cに相当する空気量を無視した近似値となっている。この面積Cに相当する空気量は、各気筒#1〜#4における吸気バルブ9の開弁期間の重複がない条件のもとでは無視できるほど微少であるが、当該閉弁期間の重複が生じる場合には無視できないほど大きくなる。このため、各気筒#1〜#4における吸気バルブ9の開弁期間が重複する場合も含めて筒内充填空気量MCを正確に求めるべく、式(4)の右辺の積分項を面積B及び面積Cを求める項に置き換えて以下の式(5)とする。
Figure 0004363317
式(5)の右辺の「mt(Δtdwn +ivo−ivc)/2」という項は、図3(a)の面積B及び面積Cに対応する部分をほぼ台形と見なし、その台形の面積を面積Bと面積Cの和として算出するものである。ここで、Δtdwn は最大時刻Tmax から最小時刻Tmin までの時間である。また、ivoはi番気筒での吸気バルブ9の開弁時刻であり、ivcは当該i番気筒での吸気バルブ9の閉弁時刻である。この式(5)によって算出された筒内充填空気量MCは、上記式(4)を用いて算出した場合に比べてより正確な値となる。
次に、式(5)による筒内充填空気量MC(余分空気量)の算出に用いられる降下量ΔPmdwn について、図4のタイムチャートを参照して詳しく説明する。
図4(a)において、実線は、圧力センサ22の出力波形であって吸気管3内の実際の圧力の推移を示しており、各気筒#1〜#4の吸気バルブ9の閉弁期間に対応して上昇するとともに開弁期間に対応して下降するものである。電子制御装置15は、圧力センサ22からの出力をA/D変換により所定のサンプリング周期X1で量子化し、その量子化後の値を吸気管内圧力Pmとする。この吸気管内圧力Pmは、吸気管3内の実際の圧力に対応して推移することから、吸気バルブ9の開弁中に降下するようになる。そして、吸気バルブ9の開弁中の吸気管内圧力Pmの最大値が上述した最大値Pmmax とされ、吸気バルブ9の開弁中の吸気管内圧力Pmの最小値が上述した最小値Pmmin とされる。更に、それら最大値Pmmax と最小値Pmmin との差が吸気バルブ9の開弁による吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn とされる。
ただし、吸気管内圧力Pmは、量子化誤差やノイズによって精度が悪化するため、それに伴い余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn の精度も悪化する。このため、同一気筒の吸気バルブ9の開閉サイクル複数回分の降下量ΔPmdwn を平均し、その平均値を余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn として採用することで、上述した精度悪化という不具合の抑制が図られる。なお、ここでの吸気バルブ9の一回の開閉サイクルとは、吸気バルブ9が開弁状態から閉弁状態となった時点から次回に開弁状態から閉弁状態になるまでの期間を表している。言い換えれば、図4の吸気管3内の実際の圧力(実線)が最小値になった時点から次回の最小値になる時点までが吸気バルブ9の一回の開閉サイクルということになる。
ところで、吸気管3内の実際の圧力の脈動周期は、吸気バルブ9の開閉態様の変化等によって変化する。例えば、エンジン低回転時に吸気バルブ9の開閉周期が長くなると、上記圧力の脈動周期は長くなる。また、エンジン1が運転状態に応じて稼働気筒数を可変とすることの可能なものであって、稼働気筒数低減時に休止気筒の吸気バルブ9の開閉駆動を停止する場合には、その開閉駆動の停止された吸気バルブ9の分だけ上記圧力の脈動周期が長くなる。こうした脈動周期がA/D変換のサンプリング周期X1に対し十分に長い場合には、吸気バルブ9の一回の開閉サイクル中におけるサンプリング回数が多くなるため、吸気管内圧力Pmの最大値Pmmax 及び最小値Pmmin が実際の値と大きく食い違うことはない。
しかし、エンジン高回転時や全気筒稼働時など上記脈動周期が短くなってサンプリング周期X1に近づくと、図4(b)に示されるように吸気バルブ9の一回の開閉サイクル中におけるサンプリング回数が少なくなるため、吸気管内圧力Pmの最大値Pmmax 及び最小値Pmmin が実際の値と大きく食い違うようになる。その結果、それら最大値Pmmax 及び最小値Pmmin の差である降下量ΔPmdwn の必要精度確保が困難になる。
このため、サンプリング周期X1に対し上記脈動周期の長さが所定レベル未満になる旨判断されると、即ち上記脈動周期の長さが降下量ΔPmdwn の必要精度確保が困難になるほど近づくと判断されると、上記降下量ΔPmdwn の平均値である余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn の必要精度を確保するための対策が講じられる。こうした対策として、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn を求める際、通常よりも高精度の平均化法によって同降下量ΔPmdwn を求めることが行われ、これにより当該降下量ΔPmdwn の必要精度が確保される。
次に、筒内充填空気量MCの具体的な推定手順について、筒内充填空気量推定ルーチンを示す図5のフローチャートを参照して説明する。この筒内充填空気量推定ルーチンは、電子制御装置15を通じて例えば所定時間毎及び各気筒毎に時間割り込みにて実行される。なお、筒内充填空気量算出ルーチンの実行間隔(上記所定時間)については、対応する気筒での吸気バルブ9の開弁期間に対して十分に短い時間とされている。
筒内充填空気量推定ルーチンにおいては、まず吸気バルブ9の閉弁から開弁への切り換え直後であるか否かが判断され(S101)、ここで肯定判定であれば吸気バルブ9の開弁時刻ivoが取得される(S102)。続いて、吸気バルブ9の開弁から閉弁への切り換え直後であるか否かが判断され(S103)、ここで肯定判定であれば吸気バルブ9の閉弁時刻ivcが取得される(S104)。更に、吸気バルブ9の開弁中における流入流量mtの平均値mtave 、及び吸気管内温度Tmの平均値Tmave が算出される(S105)。
続くステップS106〜S109の処理は、サンプリング周期X1に対する吸気管3内の圧力の脈動周期の長さに応じて、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn を通常精度の平均化法、或いはそれよりも高精度の平均化法によって求めるためのものである。
この一連の処理において、ステップS106,S107では、サンプリング周期X1に対する上記脈動周期の長さが上記所定レベル未満であるか否かが判断される。同判断は、クランクポジションセンサ25からの検出信号に基づき求められるエンジン回転速度が所定値α未満であるか否か(S106)、及び気筒休止が行われているか否か(S107)に基づいて行われることとなる。
即ち、エンジン回転速度が所定値α未満であり、且つ気筒休止が行われていれば(S106、S107で共にYES)、上記脈動周期がサンプリング周期X1から離れた状態であり、サンプリング周期X1に対する脈動周期の長さが上記所定レベル以上である旨判断され、ステップS108に進む。なお、ここでの所定レベルとは、サンプリング周期X1に対する上記脈動周期の長さが、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn の必要精度確保を困難とする長さになるレベルである。また、上記所定値αは、こうしたレベルであるか否かの判断を的確に行うことの可能な値に設定されている。
ステップS108では、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn を通常精度の平均化法で求めるとともに、吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn 分の降下時間ΔTdwn を算出するための通常精度算出処理が行われる。その後、式(5)に基づき筒内充填空気量MCが算出される(S110)。ここでは、開弁時刻ivo 、閉弁時刻ivc 、降下量ΔPmdwn 、及び降下時間ΔTdwn が式(5)に代入されるとともに、ステップS105で算出された平均値mtave 及び平均値Tmave が各々式(5)の流入流量mt及び吸気管内温度Tmとして代入される。これにより筒内充填空気量MCが算出されることとなる。
一方、ステップS106,S107の処理で、エンジン回転速度が所定値α未満でないか、或いは気筒休止が行われていなければ(S106、S107のいずれかでNO)、上記脈動周期がサンプリング周期X1に近づいた状態であり、サンプリング周期X1に対する脈動周期の長さが上記所定レベル未満である旨判断され、ステップS109に進む。
ステップS109では、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn を上記通常精度の平均化法よりも高精度の平均化法で求めるとともに、吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn 分の降下時間ΔTdwn を算出するための高精度算出処理が行われる。その後、上記ステップS110の処理が実行される。
次に、筒内充填空気量推定ルーチンにおけるステップS108の通常精度算出処理について、通常精度算出ルーチンを示す図6のフローチャートを参照して詳しく説明する。同ルーチンは、電子制御装置15を通じて、筒内充填空気量推定ルーチン(図5)のステップS108に進む毎に実行される。
通常精度算出ルーチンにおいては、まず吸気バルブ9が開弁中であるか否かが判断される(S201)。ここで肯定判定であれば、吸気管内圧力Pmの最大値Pmmax 及び最大値Pmmax が得られたときの最大時刻Tmax の更新が行われるとともに(S202)、吸気管内圧力Pmの最小値Pmmin 及び最小値Pmmin が得られたときの最小時刻Tmin の更新が行われる(S203)。即ち、吸気管内圧力Pmが吸気バルブ9の開弁から現在までで最大の値になると、その値が新たな最大値Pmmax として記憶されるとともに、そのときの時刻が新たな最大時刻Tmax として記憶される。一方、吸気管内圧力Pmが吸気バルブ9の開弁後から現在までで最小の値になると、その値が新たな最小値Pmmin として記憶されるとともに、そのときの時刻が新たな最小時刻Tmin として記憶される。
一方、吸気バルブ9の開弁から閉弁への切り換え直後には(S204:YES)、吸気バルブ9の開弁中における吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn が、上記記憶された最大値Pmmax と最小値Pmmin との差をとることによって算出され、RAMに記憶される(S205)。続いて、ステップS206では、吸気バルブ9の開閉サイクル複数回分、例えばn回分の降下量ΔPmdwn の平均値ΔPmdwnaveが、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn として用いるために算出される。具体的には、今回の開閉サイクルよりもn回前の開閉サイクルから今回の開閉サイクルまでの開閉サイクル複数回分の降下量ΔPmdwn がRAMから読み出され、それら降下量ΔPmdwn の和を「n」で除算することにより、上記平均値ΔPmdwnaveが算出されることとなる。更に、ステップS207では、今回の開閉サイクルでの吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn 分の降下時間ΔTdwn が、ステップS202,S203で記憶された最小時刻Tmin と最大時刻Tmax との差をとることによって算出される。
以上のように、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)を通常精度の平均化法によって求める場合、A/D変換のサンプリング周期X1に対し吸気管3内の圧力の脈動周期が近くなると、上述したように一回の開閉サイクルで求められる降下量ΔPmdwn の精度が悪化し、上記平均値ΔPmdwnaveの必要精度確保が困難になる。このため、サンプリング周期X1に対する脈動周期の長さが上記所定レベル未満である場合には、筒内充填空気量算出ルーチンにおけるステップS109(図5)の高精度算出処理を通じて、上記平均値ΔPmdwnaveがより高精度の平均化法によって求められる。
次に、上記ステップ109の高精度算出処理について、高精度算出ルーチンを示す図7のフローチャートを参照して詳しく説明する。同ルーチンは、電子制御装置15を通じて、筒内充填空気量推定ルーチンのステップS109に進む毎に実行される。
高精度算出ルーチンにおいては、まず吸気バルブ9の各開閉サイクルについて、サンプリング周期X1毎の吸気管内圧力Pm、及びそのときの時刻TがRAMに記憶される(S301)。仮に、吸気管内圧力Pmの開閉サイクル複数回分に亘る推移が図8に示すようになるとすると、サンプリング周期X1毎のタイミングT1,T2,T3・・・・・・での吸気管内圧力Pm及び時刻Tが上記ステップS301の処理によってRAMに記憶されることとなる。
続いて、吸気バルブ9の開弁から閉弁への切り換え直後に(S302:YES)、開閉サイクル複数回(例えばn回)分の吸気管内圧力Pm及び時刻Tに関するデータから、吸気バルブ9の一回分の開閉サイクル中の圧力センサ22からの出力(圧力)の平均波形が求められる(S303)。ちなみに、一回の開閉サイクルから得られる吸気管内圧力Pm及び時刻Tのデータに基づき当該圧力Pmの推移を求め、その推移の開閉サイクル複数回分を互いに重ねると、図9に示されるようになる。なお、図9は、例えば一回目〜三回目の開閉サイクルにおける吸気管内圧力Pmの推移を、それぞれ実線、破線、及び一点鎖線で示している。これら吸気管内圧力Pm及び時刻Tについての開閉サイクル複数回分のデータから、吸気バルブ9の一回分の開閉サイクル中の圧力センサ22からの出力(圧力)の平均波形として、例えば図10に示されるような波形が得られるようになる。 その後、ステップS304において、上記平均波形から吸気バルブ9の開弁期間における吸気管内圧力Pmの最大値Pmmax 及びそのときの時刻Tである最大時刻Tmax が算出される。更に、ステップS305において、上記平均波形から吸気バルブ9の開弁期間における吸気管内圧力Pmの最小値Pmmin 及びそのときの時刻Tである最小時刻Tmin が算出される。そして、上記最大値Pmmax と最小値Pmmin との差が吸気バルブ9の開閉サイクル複数回分の降下量ΔPmdwn の平均値ΔPmdwnaveとして算出される(S306)。この平均値ΔPmdwnaveは余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn として精度の高い値となり、式(5)に基づく筒内充填空気量MCの算出に用いられる。また、上記最小時刻Tmin と最大時刻Tmax との差が吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)分の降下時間ΔTdwn として算出される(S307)。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)各気筒#1〜#4の筒内充填空気量MCを推定する際には、吸気管内圧力Pmの脈動によって筒内に充填される空気量(余分空気量)も考慮されるため、それら推定される筒内充填空気量MCを上記脈動をも考慮した正確な値とすることができる。
(2)余分空気量は吸気バルブ9の開弁による吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn に基づき求められる。また、吸気管内圧力Pmは、圧力センサ22からの出力をA/D変換によりサンプリング周期X1で量子化して得られる値であり、量子化誤差やノイズによる精度悪化は避けられないものである。しかし、余分空気量の算出に用いられる降下量ΔPmdwn としては、吸気バルブ9の開閉サイクル複数回分の上記降下量ΔPmdwn を平均化したもの(平均値ΔPmdwnave)が採用される。この平均値ΔPmdwnaveを余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn として用いることで、降下量ΔPmdwn の上記量子化誤差やノイズによる精度悪化を抑制することができる。
(3)サンプリング周期X1に対する吸気管3内の圧力の脈動周期の長さが所定レベル未満である旨判断されると、高精度の平均化法により余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)が求められる。この高精度の平均化法では、吸気バルブ9の開閉サイクル複数回分の吸気管内圧力Pm及び時刻Tに関するデータから、吸気バルブ9の一回分の開閉サイクル中の圧力センサ22からの出力(圧力)の平均波形が求められ、その波形における最大値Pmmax と最小値Pmmin との差を上記平均値ΔPmdwnaveとしている。このように平均波形から平均値ΔPmdwnaveを求めることで、その平均値ΔPmdwnaveを余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn として精度の高いものとすることができる。
ただし、上記平均波形を求めるには、吸気管内圧力Pm及び時刻Tに関する多数のデータ(開閉サイクル複数回分)を用いた複雑な計算が必要になる。このため、電子制御装置15におけるCPUの計算負荷が増大するとともに、上記多数のデータを記憶するのにRAMのメモリ容量を大幅に消費することは避けられない。
このため、サンプリング周期X1に対する吸気管3内の圧力の脈動周期の長さが所定レベル以上である旨判断される場合には、通常精度の平均化法により余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)が算出される。この通常精度の平均化法では、吸気バルブ9の一回の開閉サイクル毎に、同バルブ9の開閉弁中における吸気管内圧力Pmの最大値Pmmax と最小値Pmmin との差を吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn として求める。そして、この降下量ΔPmdwn について、吸気バルブ9の開閉サイクル複数回分の平均をとって降下量ΔPmdwn の平均値ΔPmdwnaveを求め、この平均値ΔPmdwnaveを余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn としている。この場合、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)を算出するのに、上述した高精度の平均化法のような平均波形を求めることは行われず、一回の開閉サイクル毎の降下量ΔPmdwn の計算及びその計算結果の記憶、並びに記憶された開閉サイクル複数回分の降下量ΔPmdwn の平均といった処理が行われるだけである。このため、電子制御装置15におけるCPUの計算負荷の増大やRAMのメモリ容量の消費は抑制されるようになる。
以上のように、サンプリング周期X1に対する圧力の脈動周期の長さが所定レベル未満であるか否かに基づき、上述した高精度の平均化法と通常精度の平均化法とを切り換えて実施することで、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn の必要精度を確保しつつ、計算負荷の増大やメモリ容量の消費を最小限にとどめることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図11及び図12に従って説明する。
この実施形態では、サンプリング周期X1に対する吸気管3の圧力の脈動周期の長さに応じて、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)を得るための開閉サイクル回数を可変としている。そして、サンプリング周期X1に対する脈動周期の長さが所定レベル未満である旨判断されたときには、平均値ΔPmdwnaveを得るための上記開閉サイクル回数を多くして当該平均値ΔPmdwnaveの必要精度を確保するようにしている。
図11及び図12は、本実施形態の筒内充填空気量推定ルーチンを示すフローチャートである。この筒内充填空気量推定ルーチンにおいては、第1実施形態の筒内充填空気量推定ルーチン(図5)におけるステップS108,S109に相当する処理(ステップS408〜S410)のみが同ルーチンと異なっている。 図11及び図12の筒内充填空気量推定ルーチンにおけるステップS401〜S405(図11)では、開弁時刻ivo及び閉弁時刻ivcが取得されるとともに、流入流量mtの平均値mtave 及び吸気管内温度Tmの平均値Tmave が算出される。続いて図12のステップS406,S407では、サンプリング周期X1に対し吸気管3内の圧力の脈動周期の長さが所定レベル未満であるか否かが判断される。
ここで、脈動周期の長さが所定レベル以上である旨判断されると(S406、S407で共にYES)、平均値ΔPmdwnave を得るための開閉サイクル回数が、例えば第1実
施形態における通常精度の平均化法と同じn回に設定される(S408)。また、脈動周期の長さが所定レベル未満である旨判断されると(S406とS407とのいずれかでNO)、上記開閉サイクル回数がn回よりも多い回数、例えば(n+δ)回に設定される(S409)。そして、上記のように設定された開閉サイクルの回数分の降下量ΔPmdwn の平均値ΔPmdwnaveが求められるとともに、今回の開閉サイクルでの降下時間ΔTdwn が算出される(S410)。こうした平均値ΔPmdwnave及び降下時間ΔTdwn の算出は、例えば第1実施形態の通常精度算出処理と同じ手順で行われる。なお、この処理によって算出された平均値ΔPmdwnaveは余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn として用いられる。
そして、上記開弁時刻ivo、閉弁時刻ivc、流入流量mtの平均値mtave 、吸気管内温度Tmの平均値Tmave 、降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)、及び降下時間ΔTdwn に基づき、式(5)を用いて筒内充填空気量MCが算出されることとなる(S411)。
本実施形態によれば、第1実施形態の(1)及び(2)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(4)余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)を得るための開閉サイクル回数は、サンプリング周期X1に対する吸気管3の圧力の脈動周期の長さに応じて可変とされる。具体的には、上記開閉サイクル回数については、脈動周期の長さが所定レベル未満であると判断されたときには、上記脈動周期の長さが所定レベル以上であると判断されたときの回数(n回)よりも多い回数((n+δ)回)とされる。上記開閉サイクル回数を多くすれば、平均値ΔPmdwnaveにおける余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn としての必要精度を確保し易くはなるが、平均値ΔPmdwnaveを算出する際の計算負荷の増大や、その算出に必要とされるデータを記憶することによるメモリ容量の消費の増大は避けられない。しかし、上記のように開閉サイクル回数を脈動周期の長さが所定レベル未満になったときのみ多くすることで、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn の必要精度を確保しつつ、計算負荷の増大やメモリ容量の消費を最小限にとどめることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図13〜図17に従って説明する。
この実施形態では、サンプリング周期X1に対する吸気管3内の圧力の脈動周期の長さに応じて当該サンプリング周期を変更することにより、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)の必要精度を確保するようにしている。
図13及び図14は、本実施形態の筒内充填空気量推定ルーチンを示すフローチャートである。この筒内充填空気量推定ルーチンにおいては、第1実施形態の筒内充填空気量推定ルーチン(図5)におけるステップS108,S109に相当する処理(ステップS508〜S512)のみが同ルーチンと異なっている。 図13及び図14の筒内充填空気量推定ルーチンにおけるステップS501〜S505(図13)では、開弁時刻ivo及び閉弁時刻ivcが取得されるとともに、流入流量mtの平均値mtave 及び吸気管内温度Tmの平均値Tmave が算出される。続いて図14のステップS506,S507では、サンプリング周期X1に対し吸気管3内の圧力の脈動周期の長さが所定レベル未満であるか否かが判断される。
ここで、脈動周期の長さが所定レベル以上である旨判断されると(S506、S507で共にYES)、サンプリング周期が例えば第1実施形態と同じ値(X1)に設定される(S508)。また、脈動周期の長さが所定レベル未満である旨判断されると(S506とS507とのいずれかでNO)、サンプリング周期が第1実施形態の値よりも短い値、例えば(X1−β)に設定される(S509)。このようにサンプリング周期を短くすることで、脈動周期の長さが所定レベル未満であるとき、吸気バルブ9の一回の開閉サイク
ル中におけるサンプリング回数が少なくなるのを抑制することができる。従って、そのサンプリング回数の少なさに起因して余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)の必要精度確保が困難になるのを抑制することができる。
ところで、圧力センサ22からの出力を所定のサンプリング周期で量子化することで得られる吸気管内圧力Pmの推移は、吸気バルブ9の開閉サイクル毎の圧力センサ22の出力波形の違いに応じて異なる状態(非同期状態)となるのが普通である。しかし、サンプリング周期に対する脈動周期の長さによっては、開閉サイクル毎における吸気管内圧力Pmの推移が、開閉サイクル毎の圧力センサ22からの出力波形の違いに関係なく、例えば図15に示されるように複数回(図では三回)の開閉サイクルで同期した状態となることがある。言い換えれば、いかなるサンプリング周期においても、圧力センサ22の出力波形の開閉サイクル毎の違いに関係なく、吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクルで同期した状態となる脈動周期が存在するということである。このように吸気管内圧力Pmの推移が吸気バルブ9の複数の開閉サイクルで同期した状態になると、降下量ΔPmdwn を開閉サイクル複数回分を平均して平均値ΔPmdwnaveを求め、その平均値ΔPmdwnaveを余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn として用いても、その降下量ΔPmdwn の必要精度確保が困難になる。
ここで、吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクルで同期した状態になる場合と、非同期の状態になる場合とで、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)にどのような違いが生じるかについて、図16及び図17を併せ参照して説明する。なお、これらの図は、平均値ΔPmdwnaveを得るための開閉サイクル回数を増大させるにつれて、平均値ΔPmdwnaveがどのように変化してゆくかを示している。そして、図16は吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクルで同期した状態になる場合に対応しており、図17は吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクルで非同期の状態になる場合に対応している。
吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクルで非同期の状態になる場合(図17)、平均値ΔPmdwnaveを得るための開閉サイクル回数を増大させるにつれて、当該平均値ΔPmdwnaveが所定の値に収束してゆくことになる。これに対し、吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクルで同期した状態になる場合には(図16)、平均値ΔPmdwnaveを得るための開閉サイクル回数を増大させたとしても、当該平均値ΔPmdwnaveが変動して所定の値に収束しなくなる。このことは、上記開閉サイクル回数を増大させても、平均値ΔPmdwnaveの精度はよくならないことを意味している。従って、その平均値ΔPmdwnaveを余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn として採用しても、当該降下量ΔPmdwn の必要精度を確保することが困難になる。
筒内充填空気量推定ルーチンのステップS510(図14)では、上述したように可変設定された現在のサンプリング周期に対する脈動周期の長さが上記のような状態、即ち吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクルで同期した状態となる値であるか否かが判断される。なお、同判断は、例えばエンジン回転速度が、上述した同期状態を生じさせる脈動周期となる所定範囲内の値であるか否かに基づいて行われる。この所定範囲は、現在のサンプリング周期及び気筒休止状態に基づき、上記判断を行うのに適した範囲となるよう可変設定されるものである。
上記ステップS510で肯定判定がなされると、サンプリング周期が例えば所定値γだけ変更される(S511)。これにより、吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクル毎で同期した状態となることは抑制され、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)の必要精度確保が可能になる。また、このときの所定値γ分のサンプリング周期の変更は、サンプリング周期を短くする方向と長くする方向とのどちらの方向について行ってもよいが、一回の開閉サイクル中のサンプリング回数を極力多くとるという観点ではサンプリング周期を短くする方向について行うことが好ましい。上記所定値γについては、例えば、吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクル毎で同期した状態から脱するのに必要なサンプリング周期の必要最低の変更量に相当する値に設定される。
ステップS512では、吸気バルブ9の開閉サイクル複数回(例えばn回)分の降下量ΔPmdwn の平均値ΔPmdwnaveが求められるとともに、今回の開閉サイクルでの降下時間ΔTdwn が算出される。こうした平均値ΔPmdwnave及び降下時間ΔTdwn の算出は、例えば第1実施形態の通常精度算出処理と同じ手順で行われる。なお、この処理によって算出された平均値ΔPmdwnave は余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn として用いられ
る。
そして、上記開弁時刻ivo、閉弁時刻ivc、流入流量mtの平均値mtave 、吸気管内温度Tmの平均値Tmave 、降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)、及び降下時間ΔTdwn に基づき、式(5)を用いて筒内充填空気量MCが算出されることとなる(S513)。
本実施形態によれば、第1実施形態の(1)及び(2)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(5)サンプリング周期X1に対する吸気管3内の圧力の脈動周期の長さに応じて当該サンプリング周期が変更される。具体的には、サンプリング周期については、脈動周期の長さが所定レベル未満であると判断されたときには、上記脈動周期の長さが所定レベル以上であると判断されたときの値(X1)よりも短い値(X1−β)に設定される。このようにサンプリング周期を短くすることで、脈動周期がサンプリング周期に過度に近い状態とならないようにされ、一回の開閉サイクル中のサンプリング回数を多くとることができる。このため、一回の開閉サイクル中のサンプリング回数の少なさに起因して、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)の必要精度を確保しにくくなることは抑制される。ただし、一回の開閉サイクル中のサンプリング回数を多くすると、平均値ΔPmdwnaveを計算するためのCPUの計算負荷が増大することは避けられない。このことを考慮し、サンプリング周期が短くされて上記サンプリング回数が多くされるのは、サンプリング周期に対する脈動周期の長さが所定レベル未満であると判断されたときだけとしている。これにより、平均値ΔPmdwnaveの必要精度を確保しつつ、上記計算負荷の増大を最小限にとどめることができるようになる。
(6)上記のように可変設定されるサンプリング周期に対し脈動周期の長さが、吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクルで同期した状態となる値である旨判断されると、サンプリング周期が所定値γ分だけ異なる値に変更される。これにより、吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクル毎で同期した状態とならないようにされ、その状態となることによって余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)の必要精度確保が困難になるのを抑制することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図18及び図19に従って説明する。
この実施形態は、吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクル毎で同期した状態となるとき、第3実施形態のようにサンプリング周期を所定値γだけ変更する代わりに、今回の開閉サイクルでの吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn の算出を行わないようにしたものである。なお、このときの余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)の算出は、RAMに記憶された直近の開閉サイクルn回分、即ち今回の開閉サイクルを除いた直近の開閉サイクルn回分の降下量ΔPmdwn のデータに基づき行われる。
図18は、本実施形態の筒内充填空気量推定ルーチンを示すフローチャートである。この筒内充填空気量推定ルーチンにおいては、第3実施形態の筒内充填空気量推定ルーチンにおけるステップS506〜S511(図14)に相当する処理(ステップS606〜S608)のみが同ルーチンと異なっている。
図18の筒内充填空気量推定ルーチンにおけるステップS601〜S605では、開弁時刻ivo及び閉弁時刻ivcが取得されるとともに、流入流量mtの平均値mtave 及び吸気管内温度Tmの平均値Tmave が算出される。続いて、ステップS606において、サンプリング周期X1に対する脈動周期の長さが、吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクルで同期した状態となる値であるか否かが判断される。ここで肯定判定がなされると、上述した同期状態であるか否かを判断するためのフラグFが「1(同期状態)」に設定される(S607)。一方、否定判定であれば、フラグFが「0(非同期状態)」に設定される(S608)。
続いてステップS609では、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)を求めるとともに、今回の開閉サイクルでの降下時間ΔTdwn を算出する算出処理が実行される。そして、上記開弁時刻ivo、閉弁時刻ivc、流入流量mtの平均値mtave 、吸気管内温度Tmの平均値Tmave 、降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)、及び降下時間ΔTdwn に基づき、式(5)を用いて筒内充填空気量MCが算出されることとなる(S610)。
次に、上記ステップS609の算出処理について、算出処理ルーチンを示す図19のフローチャートを参照して詳しく説明する。同ルーチンは、電子制御装置15を通じて、筒内充填空気量推定ルーチン(図18)のステップS609に進む毎に実行される。
この算出処理ルーチンは、第1実施形態における通常精度算出ルーチン(図6)において、ステップS205,S206に相当する処理(S705〜S707)のみが同ルーチンと異なっている。
図19の算出処理ルーチンにおいては、吸気バルブ9の開弁中(ステップS701:YES)、最大値Pmmax 及び最大時刻Tmax の更新が行われるとともに(S702)、最小値Pmmin 及び最小時刻Tmin の更新が行われる(S703)。また、吸気バルブ9の開弁から閉弁への切り換え直後には(S704:YES)、フラグFが「0(非同期状態)」であるか否かが判断される(S705)。
ステップS705で肯定判定であれば、吸気バルブ9の開弁中における吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn が、上記記憶された最大値Pmmax と最小値Pmmin との差をとることによって算出され、RAMに記憶される(S706)。続いて、今回の吸気バルブ9の開閉サイクルを含めて直近の開閉サイクル複数回分、例えばn回分の降下量ΔPmdwn から平均値ΔPmdwnaveが、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn として用いるために算出される(S707)。
一方、ステップS705で否定判定であって、フラグFが「1(同期状態)」であれば、ステップS706の処理がスキップされ、今回の開閉サイクルでの吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn の算出、及びRAMへの記憶が行われなくなる。この場合、続くステップS707の処理では、今回の吸気バルブ9の開閉サイクルを除いた直近の開閉サイクル複数回(n回)分の降下量ΔPmdwn から平均値ΔPmdwnaveが算出される。
その後、ステップS708では、今回の開閉サイクルでの吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn 分の降下時間ΔTdwn が、ステップS702,S703で記憶された最小時刻Tmin と最大時刻Tmax との差をとることによって算出される。
本実施形態によれば、第1実施形態の(1)及び(2)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(7)吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクルで同期した状態となる場合、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)の必要精度確保が困難になる。このため、サンプリング周期に対し脈動周期の長さが、上記のような状態となる値である旨判断されると、そのときの開閉サイクルでの吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn の算出が行われなくなる。更に、今回の開閉サイクルを除いた直近の開閉サイクル複数回分の吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn から平均値ΔPmdwnaveが求められるようになる。同平均値ΔPmdwnaveについては、吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクルで同期した状態となった開閉サイクルでの吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn が用いられることなく算出される。従って、上記平均値ΔPmdwnaveを余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn として採用することで、その降下量ΔPmdwn の必要精度確保が困難になるのを抑制することができる。
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第2〜第4実施形態において、平均値ΔPmdwnaveを第1実施形態に記載した高精度の平均化法を用いて求めてもよい。
・第3実施形態の所定値γとして、より大きい値を採用してもよい。
・気筒休止が行われないエンジンに本発明を適用してもよい。この場合、筒内充填空気量算出ルーチンにおける気筒休止が行われているか否かの判断(S107、S407、S507)については省略される。
・第1実施形態での高精度な平均化法については、同実施形態に記載された方法に限定されるものではなく、通常精度の平均化法よりも高い精度で平均値ΔPmdwnaveを求めることの可能な他の方法を採用することもできる。
・第3実施形態において、吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクル毎で同期した状態になるか否かの判断に係る処理(S510)、及び同期状態となったときに所定値γ分のサンプリング周期の変更を行う処理(S511)を省略してもよい。この場合でも、上記(5)に準ずる効果は得られるようになる。
・第3実施形態において、サンプリング周期X1に対する脈動周期の長さが所定レベル未満であるか否かの判断に係る処理(S506、S507)、及び所定レベル未満である旨の判断に基づきサンプリング周期を短くする処理(S509)を省略してもよい。この場合でも、上記(6)に準ずる効果は得られるようになる。
第1実施形態の筒内充填空気量推定装置が適用される直列四気筒エンジン全体を示す略図。 吸気管モデルの基本概念を示す図。 (a)及び(b)は、時間経過に対する流入流量、流出流量、及び吸気管内圧力の変化を示すタイムチャート。 (a)及び(b)は、圧力センサからの出力(圧力)の推移、及び当該出力をA/D変換によりサンプリング周期X1で量子化して得られる吸気管内圧力Pmの推移を示すタイムチャート。 第1実施形態での筒内充填空気量の算出手順を示すフローチャート。 第1実施形態において、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)を通常精度で算出する手順、及び吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn 分の降下時間ΔTdwn を算出する手順を示すフローチャート。 第1実施形態において、余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)を高精度で算出する手順、及び吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn 分の降下時間ΔTdwn を算出する手順を示すフローチャート。 吸気バルブの開閉サイクル複数回分の吸気管内圧力Pmの推移を模式的に示すタイムチャート。 開閉サイクル一回分の吸気管内圧力Pmの推移を、開閉サイクル複数回(三回)分を重ねた状態を模式的に示したタイムチャート。 開閉サイクル複数回分の吸気管内圧力Pm及び時刻Tに関するデータから得られる開閉サイクル一回分の圧力センサ22からの出力(圧力)の平均波形を示す波形図。 第2実施形態における余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)を算出する手順、及び吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn 分の降下時間ΔTdwn を算出する手順を示すフローチャート。 第2実施形態における余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)を算出する手順、及び吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn 分の降下時間ΔTdwn を算出する手順を示すフローチャート。 第3実施形態における余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)を算出する手順、及び吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn 分の降下時間ΔTdwn を算出する手順を示すフローチャート。 第3実施形態における余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)を算出する手順、及び吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn 分の降下時間ΔTdwn を算出する手順を示すフローチャート。 吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクル毎で同期した状態を模式的示すタイムチャート。 吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクル毎で非同期となった状態のもとで、平均値ΔPmdwnaveを得るための開閉サイクル回数を増大させるにつれて、平均値ΔPmdwnaveがどのように変化してゆくかを示すグラフ。 吸気管内圧力Pmの推移が複数の開閉サイクル毎で同期した状態のもとで、平均値ΔPmdwnaveを得るための開閉サイクル回数を増大させるにつれて、平均値ΔPmdwnaveがどのように変化してゆくかを示すグラフ。 第4実施形態での筒内充填空気量の算出手順を示すフローチャート。 第4実施形態における余分空気量算出用の降下量ΔPmdwn (平均値ΔPmdwnave)を算出する手順、及び吸気管内圧力Pmの降下量ΔPmdwn 分の降下時間ΔTdwn を算出する手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…エンジン、2…燃焼室、3…吸気管、4…燃料噴射弁、5…点火プラグ、6…ピストン、7…クランクシャフト、8…排気管、9…吸気バルブ、10…排気バルブ、11…吸気カムシャフト、12…排気カムシャフト、15…電子制御装置(降下量算出手段、余分空気量算出手段、筒内充填空気量推定手段)、16…アクセルペダル、19…スロットルバルブ、17…アクセルポジションセンサ、18…エアフローメータ、22…圧力センサ、23…温度センサ、25…クランクポジションセンサ、26…カムポジションセンサ。

Claims (6)

  1. 吸気バルブの開閉に伴い吸気管内に圧力の脈動が生じる内燃機関に適用され、前記吸気管に流入する空気の量を流入空気量として算出し、その流入空気量を用いて筒内充填空気量を推定する内燃機関の筒内充填空気量推定装置において、
    前記吸気管の圧力を検出する圧力センサからの出力をA/D変換により所定のサンプリング周期で量子化し、その量子化後の値を前記吸気管の圧力として用いて前記吸気バルブの開弁による前記吸気管内の圧力の降下量を算出する降下量算出手段と、
    前記圧力の降下量に基づき、当該圧力の脈動によって筒内に充填される空気の量を余分空気量として算出する余分空気量算出手段と、
    前記流入空気量及び前記余分空気量に基づき前記筒内充填空気量を推定する筒内充填空気量推定手段とを備え、
    前記降下量算出手段は、
    前記サンプリング周期に対する前記圧力の脈動周期の長さが所定レベル以上であるときには、前記量子化後の圧力を用いて吸気バルブ開弁中の同圧力の最大値と最小値との差を当該吸気バルブの一回の開閉サイクルでの前記降下量として算出するとともにメモリに記憶し、この降下量について開閉サイクル複数回分の平均をとって得られる平均値を前記余分空気量算出用の降下量とするものであって、
    前記サンプリング周期に対する前記圧力の脈動周期の長さが所定レベル未満であるときには、サンプリング周期毎に量子化後の圧力と、そのときの時刻とをメモリに記憶し、それら圧力及び時刻についての前記吸気バルブの開閉サイクル複数回分のデータから前記圧力の開閉サイクル一回分の平均波形を求め、その平均波形における圧力の最大値と最小値との差を前記降下量の前記開閉サイクル複数回分の平均値とし前記余分空気量算出用の降下量とするものである
    ことを特徴とする内燃機関の筒内充填空気量推定装置。
  2. 吸気バルブの開閉に伴い吸気管内に圧力の脈動が生じる内燃機関に適用され、前記吸気管に流入する空気の量を流入空気量として算出し、その流入空気量を用いて筒内充填空気量を推定する内燃機関の筒内充填空気量推定装置において、
    前記吸気管の圧力を検出する圧力センサからの出力をA/D変換により所定のサンプリング周期で量子化し、その量子化後の値を前記吸気管の圧力として用いて前記吸気バルブの開弁による前記吸気管内の圧力の降下量を算出する降下量算出手段と、
    前記圧力の降下量に基づき、当該圧力の脈動によって筒内に充填される空気の量を余分空気量として算出する余分空気量算出手段と、
    前記流入空気量及び前記余分空気量に基づき前記筒内充填空気量を推定する筒内充填空気量推定手段とを備え、
    前記降下量算出手段は、前記量子化後の圧力を用いて吸気バルブ開弁中の同圧力の最大値と最小値との差を当該吸気バルブの一回の開閉サイクルでの前記降下量として算出するとともにメモリに記憶し、この降下量について開閉サイクル複数回分の平均をとって得られる平均値を前記余分空気量算出用の降下量とするものであって、前記A/D変換のサンプリング周期に対する前記圧力の脈動周期の長さに応じて、前記降下量の平均値を求めるための開閉サイクル回数を可変とする
    ことを特徴とする内燃機関の筒内充填空気量推定装置。
  3. 吸気バルブの開閉に伴い吸気管内に圧力の脈動が生じる内燃機関に適用され、前記吸気管に流入する空気の量を流入空気量として算出し、その流入空気量を用いて筒内充填空気量を推定する内燃機関の筒内充填空気量推定装置において、
    前記吸気管の圧力を検出する圧力センサからの出力をA/D変換により所定のサンプリング周期で量子化し、その量子化後の値を前記吸気管の圧力として用いて前記吸気バルブの開弁による前記吸気管内の圧力の降下量を算出する降下量算出手段と、
    前記圧力の降下量に基づき、当該圧力の脈動によって筒内に充填される空気の量を余分空気量として算出する余分空気量算出手段と、
    前記流入空気量及び前記余分空気量に基づき前記筒内充填空気量を推定する筒内充填空気量推定手段とを備え、
    前記降下量算出手段は、前記量子化後の圧力を用いて吸気バルブ開弁中の同圧力の最大値と最小値との差を当該吸気バルブの一回の開閉サイクルでの前記降下量として算出するとともにメモリに記憶し、この降下量について開閉サイクル複数回分の平均をとって得られる平均値を前記余分空気量算出用の降下量とするものであって、前記A/D変換のサンプリング周期に対する前記圧力の脈動周期の長さに応じて、当該サンプリング周期を変更する
    ことを特徴とする内燃機関の筒内充填空気量推定装置。
  4. 前記降下量算出手段は、前記A/D変換のサンプリング周期に対する前記圧力の脈動周期の長さが所定レベル未満であるときには、前記サンプリング周期を前記脈動周期の長さが所定レベル以上であるときよりも短くする
    請求項3記載の内燃機関の筒内充填空気量推定装置。
  5. 前記降下量算出手段は、前記A/D変換のサンプリング周期に対する前記圧力の脈動周期の長さが、前記開閉サイクル毎における前記量子化後の吸気管の圧力の推移が同じ状態となる長さであるとき、前記サンプリング周期をそれまでの値と異なる値に変更する
    請求項3又は4記載の内燃機関の筒内充填空気量推定装置。
  6. 吸気バルブの開閉に伴い吸気管内に圧力の脈動が生じる内燃機関に適用され、前記吸気管に流入する空気の量を流入空気量として算出し、その流入空気量を用いて筒内充填空気量を推定する内燃機関の筒内充填空気量推定装置において、
    前記吸気管の圧力を検出する圧力センサからの出力をA/D変換により所定のサンプリング周期で量子化し、その量子化後の値を前記吸気管の圧力として用いて前記吸気バルブの開弁による前記吸気管内の圧力の降下量を算出する降下量算出手段と、
    前記圧力の降下量に基づき、当該圧力の脈動によって筒内に充填される空気の量を余分空気量として算出する余分空気量算出手段と、
    前記流入空気量及び前記余分空気量に基づき前記筒内充填空気量を推定する筒内充填空気量推定手段とを備え、
    前記降下量算出手段は、前記量子化後の圧力を用いて吸気バルブ開弁中の同圧力の最大値と最小値との差を当該吸気バルブの一回の開閉サイクルでの前記降下量として算出するとともにメモリに記憶し、この降下量について開閉サイクル複数回分の前記降下量の平均値を前記余分空気量算出用の降下量とするものであって、前記A/D変換のサンプリング周期に対する前記圧力の脈動周期の長さが、前記吸気バルブの開閉サイクル毎における前記量子化後の吸気管の圧力の推移が同じ状態となる長さであるとき、当該開閉サイクルでの前記吸気管内の圧力の降下量の算出を行わないものである
    ことを特徴とする内燃機関の筒内充填空気量推定装置。
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