JP4350264B2 - 水現像性固体版樹脂の強化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、凸版印刷用水現像性固体版樹脂の印刷における耐久性を飛躍的に高める強化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常の凸版印刷用水現像性固体版樹脂印刷版は特開平3―136052号公報や特開平10―31303号公報等に記載されているように、親水性樹脂、疎水性樹脂、不飽和化合物と光増感剤を均一に混練し、それをPETフィルムでサンドイッチして板状にして生産された板をネガフィルムを通して画像露光し、未露光部を水系の洗浄剤で洗い出すことによって製造されるのが一般的である。
【0003】
そして得られた印刷版は印刷機のシリンダーに貼りつけられて印刷に用いられるが、この印刷版で印刷される印刷部数は樹脂の耐久性が高ければ高いほど多くなるために、その耐久性の向上が望まれている。しかし、上記のとおり水現像性固体版には、親水性樹脂と疎水性樹脂が混在しているために、樹脂の耐久性が、疎水性樹脂のみの溶剤現像型の印刷版や均一相溶系(保管中に分離しない)の液状樹脂から作られた印刷版等に比べて著しく悪いという問題を抱えていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記した従来技術の問題点を解決し、水現像性固体版樹脂の印刷における耐久性を飛躍的に高める強化方法を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題について鋭意研究した結果、樹脂版の表面に水素引き抜き型光重合開始剤と、必要により分子量700以下の多官能性不飽和化合物を担持させ活性光線を照射することで該課題を解決できることを見出し本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は親水性樹脂、疎水性樹脂、不飽和化合物、光重合開始剤からなる水現像性感光性固体版樹脂印刷版において、その表面に水素引き抜き型光重合開始剤と必要により分子量700以下の多官能性不飽和化合物を担持させ、活性光線を照射することを特徴とする水現像性感光性固体版樹脂の強化方法を提供するものである。
【0007】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明における親水性樹脂は、その分子中にスルフォン酸基、リン酸基、カルボン酸基等からなる親水基を持った高分子化合物である。親水基を持つことにより水現像性が付与される。しかし、親水基を多く持ちすぎると耐水性が悪くなり水性インクで印刷する場合には印刷が困難になるので含有量は適切に選定され、組成物に対して10重量%〜80重量%の範囲で使用される。
【0008】
また親水基の種類は現像性と耐水性、熱安定性の点から適宜選択される。少ない含有量で水現像性を発現し、耐水性が良好であり耐熱性が良いことからスルフォン酸基を含有した樹脂が好ましい。更にそれらに加えて樹脂が強靱であることから、スルフォン酸基を含有したウレタン樹脂はより好ましい。
【0009】
本発明で用いられる疎水性樹脂は、分子中に親水基を持たない高分子化合物であり、具体的には、20℃、7日の浸積状態で、吸水量が0.5%以下の樹脂である。印刷用として柔らかく、弾性があり強靱な樹脂が好ましい。側鎖中に二重結合があり光照射下で光重合開始剤により架橋反応を起こして、印刷版として耐刷性が高くなることから、ブタジエンを主成分とする重合体が好ましい。そしてその含有量は、組成物に対して5〜40重量%の範囲で使用される。
【0010】
その具体例をあげると、スチレン・ブタジエン重合体、α―メチルスチレン・ブタジエン重合体、p―メチルスチレン・ブタジエン重合体、p―メトキシスチレン・ブタジエン重合体等があり、ブロック、ランダムなどの重合状態については、どちらも採用できる。好ましくは入手の容易さからスチレン・ブタジエンブロック共重合体が用いられる。
【0011】
本発明でいう不飽和化合物とは、分子内に不飽和二重結合を持っており、使用温度において液状もしくは固体状である化合物であれば、どのような化合物でも用いることができる。そして、その含有量は、組成物に対して0.5重量%〜20重量%の範囲で使用される。好ましくは、反応性が高く種々の化合物と相溶性が高いので、アクリル酸化合物、メタアクリル酸化合物が用いられ、更に好ましくは、毒性、金属腐食性の少ない理由で上記化合物のエステル類が用いられる。
【0012】
具体例をあげると、アルキル・(メタ)アクリレート、シクロアルキル・(メタ)アクリレート、ハロゲン化アルキル・(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル・(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル・(メタ)アクリレート、アミノアルキル・(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル・(メタ)アクリレート、アリル・(メタ)アクリレート、グリシジル・(メタ)アクリレート、ベンジル・(メタ)アクリレート、フェノキシ・(メタ)アクリレート、アルキレングリコール・(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレングリコール・(メタ)アクリレート、アルキルポリオールポリ(メタ)アクリレートなどがあり、具体的には、例えばエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヘキサメチレン(メタ)アクリレート、ノナメチレン(メタ)アクリレート、メチロールプロパン(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ペンタエリトリット(メタ)アクリレート、フェノキシエチル・(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール・(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドビスフェノールA(メタ)アクリレート等がある。
【0013】
本発明でいう分子量が700以下の多官能性不飽和化合物とは、分子内の不飽和二重結合の数が2個以上で分子量700以下の不飽和化合物をいう。この化合物が印刷版の表面上に担持されることによって、印刷版内部より多く含有されることになり、印刷版全体の硬度を必要以上に上昇させないで、表面だけに十分な架橋密度を形成し、印刷時に起こる磨耗を防ぐことができる。
【0014】
多官能の不飽和化合物であっても分子量が700を越えるとそれらの効果がほとんどなくなるので、700以下の分子量の多官能の不飽和化合物である必要がある。一方、架橋密度が高くなるために分子量は300以下のものが好ましい。化合物の担持量は、樹脂組成や担持させる方法にもよるが、例えば洗浄液中に混合して用いる時は0.05重量%〜10重量%含有させて用いる。
【0015】
それらの具体的例としては、アルキル・ジ(メタ)アクリレート、シクロアルキル・ジ(メタ)アクリレート、ハロゲン化アルキル・ジ(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル・ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル・ジ(メタ)アクリレート、アミノアルキル・ジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル・ジ(メタ)アクリレート、アリル・ジ(メタ)アクリレート、グリシジル・ジ(メタ)アクリレート、ベンジル・ジ(メタ)アクリレート、フェノキシ・ジ(メタ)アクリレート、アルキレングリコール・ジ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレングリコール・ジ(メタ)アクリレート、アルキルポリオールポリ(メタ)アクリレートなどがあり、
【0016】
具体的には、例えばジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジ(メタ)アクリレート、ノナメチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル・ジ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール・ジ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレートなどをあげることができる。これらの多官能性不飽和化合物は、印刷版の硬度、解像度を調整するために、あらかじめ組成物中に含有させて用いることもできる。
【0017】
本発明でいう光重合開始剤とは、光のエネルギーを吸収し、ラジカルを発生する化合物であり、公知の各種のものを用いることができるが、各種の有機カルボニル化合物、特に芳香族カルボニル化合物が好適である。このようなものの具体例としては、ベンゾイン及びその誘導体であり、具体的には、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエチルエーテルなどである。またフェニルケトン類であり、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどである。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。光重合開始剤の添加量は0.1重量部未満であると、組成物全体の光硬化性が不十分になるし、30重量部を超えると光の透過が妨げられて表面のみの光硬化になり好ましくないので、この範囲で選ばれる。
【0018】
水素引き抜き型光重合開始剤とは、水素を引き抜く形でラジカルを発生させるラジカル発生剤である。水素引き抜き型光重合開始剤は、分子中に安定な構造を持つ親水性樹脂にもラジカルを生成させ、不飽和化合物と反応して強固な架橋構造をもたらすことができる。
【0019】
具体的な水素引き抜き型光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、オルソベンゾイル安息香酸メチル、4―ベンゾイル―4’―メチルジフェニルサルファイドのような公知の芳香族ケトン類があげられる。適度な水分散性、樹脂への拡散性の点からベンゾフェノンが好ましい。また、これら水素引き抜き型光重合開始剤はあらかじめ組成物に練り込んで使用することもでき、上記光重合開始剤と併用して用いることもできるが、画像を形成させるため照射された活性光量に対して発生ラジカル量が少なく、感度が悪くなる傾向にあるため、含有量は適宜選択される。
【0020】
本発明の方法によれば、表面にこれらの化合物を担持させていることから、あらかじめ均一に配合した樹脂に比べ画像形成感度に影響がなく、柔らかいため、しなやかで取り扱い易く、全体的な硬度を抑えながら印刷時に最も応力を受ける表面を集中的に強化できるという効果が得られる。
【0021】
本発明でいう担持とは、光重合開始剤、多官能性不飽和化合物を表面に接触させることであり、接触させることにより樹脂の表面に拡散作用によってこれら化合物が含浸される。接触させる方法は、直接これら化合物を接触させる方法、溶媒に化合物を溶かして接触させる方法、洗浄液に混合させて接触させる方法などがある。接触後これら化合物が単独で存在すると、印刷時に印刷ムラを起こすために好ましくない。さらに、接触時間は、上記方法、濃度により適宜選択されるが、これら化合物が拡散して表面濃度が低くならないために接触後24時間以内、好ましくは1時間以内、さらに好ましくは10分以内に活性光線を照射することが好ましい。
【0022】
そして、洗浄液に本発明の水素引き抜き型の光重合開始剤、分子量が700以下の多官能性不飽和化合物を溶解もしくは均一に分散させておくと、洗浄工程で接触するために担持されるための余計な工程が増えない利点がある。又、洗浄後乾燥され、後露光工程で、活性光線を照射されることによって、印刷時に磨耗しやすい表面を特に強化できる。
【0023】
本発明でいう水系現像液は、ノニオン性、アニオン性の界面活性剤、必要に応じてPH調整剤、洗浄促進剤からなる。ノニオン性界面活性剤の具体的な例としては、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルアミド、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック附加物等がある。
【0024】
アニオン性界面活性剤の具体的な例としては、平均炭素数8〜16のアルキルを有する直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、平均炭素数10〜20のα―オレフィンスルフォン酸塩、アルキル基またはアルケニル基の炭素数が4〜10のジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸低級アルキルエステルのスルフォン酸塩、平均炭素数10〜20のアルキル硫酸塩、平均炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイドを附加したアルキルエーテル硫酸塩、平均炭素数10〜22の飽和または不飽和脂肪酸塩等である。
また、PH調整剤としては、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、コハク酸ソーダ、酢酸ソーダ等がある。水に溶かしやすいことからケイ酸ソーダが好ましい。
【0025】
さらに、洗浄助剤は単独で使用しても洗浄性は期待できないが、上記界面活性剤、PH調整剤と併用して用いることにより、洗浄能力が高まるので使用される。具体的例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等のアンモニウム類、炭素数6〜12のパラフィン系炭化水素等がある。
これらは、適量の混合比で水に0.1〜50%、好ましくは、1〜10%の範囲で添加混合されて使用される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を実施例によって具体的に説明する。
(製造例)
(1)スルホン酸基含有ポリウレタンの合成
攪拌機、窒素導入口及び流出管を取り付けた1,000mlセパラブルフラスコに、スルホイソフタル酸ナトリウムジメチルエステル296g、エチレングリコール310g、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミルアミド)[IRGANOX1098:チバガイギー製]0.43g、酢酸亜鉛0.43gを仕込み、窒素雰囲気中において、200℃で5時間反応させた後、減圧下で未反応のエチレングリコールを留去して末端に水酸基を有する淡黄色のスルホン酸基含有ポリエステルジオールを得た。このものの数平均分子量は水酸基価の測定より492であった。
【0027】
かきまぜ機、窒素導入口及び流出管を取り付けた3,000mlセパラブルフラスコに上記スルホン酸基含有ポリエステルジオール39.9g、数平均分子量2,439の両末端に水酸基を有するポリイソプレンジオール[出光石油化学製]377.7g、オクチル化ジフェニルアミン[NOCRAC AD:大内新興化学製]1.4gを仕込んだ後、ジメチルアセトアミド1000gと2−クロルトルエン1000gを加えて110℃で均一溶液とした。
【0028】
次にジブチルチンジラウレート0.11gとスタナウスオクトエート0.34gを添加し、更にキシリレンジイソシアナート43.1gを滴下しながら110℃で3時間反応させた後、ジメチルアセトアミドと2−クロルトルエンを減圧留去して均一透明なスルホン酸基含有ポリウレタンを得た。
【0029】
(2)水現像性感光性樹脂組成物および水現像性感光性固体版の作製
参考例(1)で得たスルホン酸基含有ポリウレタン29.5重量部を窒素雰囲気下、150℃で加圧ニーダーを用いて、スチレン・ブタジエンブロックコポリマー[クレイトンD−KX410:シェル化学製]20重量部{スチレン・ブタジエンブロックコポリマー/感光性樹脂組成物重量比%(以下(A)重量比と略す)=18.9%}、熱可塑性ポリウレタン[エラストランET680:武田バーディシェウレタン製]20重量部、液状ポリブタジエン[B−2000:日本石油化学製]4.5重量部、ポリスチレンオリゴマー[ピコラスチック−A5:理化ハーキュレス製]8重量部、ポリブタジエンジアクリレート[分子量:2500、BAC−45:大阪有機化学製]5重量部、マレイン化変性ポリブタジエン[MM−1000−80:日本石油化学製]10重量部、ノナメチレン・ジアクリレート[分子量:268、以下NMDAと略す]1重量部{NMDA/感光性樹脂組成物重量比%(以下(B)重量比と略す=0.94%}、ジオクチルフマレート1重量部、ラウリルマレイミド2.5重量部、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン2重量部、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5重量部、と混練して均一透明な感光性樹脂組成物を得た。
【0030】
この組成物を取り出し、片面が接着剤がコートされた厚さ100μのポリエステルフィルム{以下PETと略す}ともう片方は厚さ5μのPVAがコートされた厚さ100μのPETでサンドイッチしてプレスを用いて厚み3mmの板状に成形した。
【0031】
【実施例】
実施例1
製造例(2)で得た板のPVAがコートされた方のPETをPVAが樹脂面に残るようにして剥ぎ、この面に印刷画像のネガを密着させ活性光線を露光した。
一方、界面活性剤として、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(下記構造式)
CnH2n+1−O−(CH2CH2O)m−H n=10、m=5
を4.8重量部、ホウ酸ソーダを2重量部、炭素数10のパラフィンを0.6重量部の組成の洗浄剤を基本としてこれを水に添加し100重量部とした洗浄液20リットルを作製した。
【0032】
この洗浄液に水素引き抜き型光重合開始剤として、ベンゾフェノンを0.5重量部あらかじめ上記界面活性剤に溶かして添加した。
この液を用いて40℃に加温して未露光部を日本電子精機製洗浄機 JOW−A3−Pを使って洗浄し、乾燥後、紫外殺菌線ランプ、紫外線ケミカルランプで後露光して印刷版を作った。
この印刷版をフレキソ印刷機にかけ、印刷を行い、何万部で印刷版が磨耗し印刷ができなくなるかを評価したところ、150万部であった。
【0033】
比較例1
洗浄液にベンゾフェノンを添加しない洗浄液を用いた他は、実施例1と同様にして印刷版を作って実施例1と同じ印刷機にかけ、評価したところ、10万部で網点部の磨耗が発生し、印刷できなくなった。
【0034】
対照例1
溶剤現像タイプである旭化成工業(株)製 AFP:グレード;HFから作った印刷版を実施例1と同様に評価したところ、200万部で網点部の磨耗が発生し、印刷できなくなった。
【0035】
対照例2
液状感光性樹脂(水現像性)タイプである旭化成工業(株)製 APR:FX320から作った印刷版を実施例1と同様に評価したところ、190万部で網点部の磨耗が発生し、印刷できなくなった。
【0036】
実施例2
実施例1において、洗浄液にベンゾフェノンを添加しない洗浄液で、洗浄し、ベンゾフェノンを10%溶解させたエタノール溶液に5分漬けて表面にベンゾフェノンを担持させ、その後は実施例1と同じようにして印刷版を作って印刷機にかけ、評価したところ、180万部で網点部の磨耗が発生し、印刷できなくなった。
【0037】
比較例2
対照例1、2のAFP、APRから作った印刷版を実施例2と同様に処理して印刷機にかけ評価したところ、AFPは190万部、APRは190万部と処理した効果がなく、むしろ耐久性が悪くなるケースもあった。
【0038】
実施例3
実施例1において、洗浄液にNMDAを0.3重量部添加して、同じようにして印刷版を作って印刷機にかけ、評価したところ、190万部で網点部の磨耗が発生し、印刷できなくなった。
【0039】
【発明の効果】
本発明には、親水性樹脂及び疎水性樹脂を含有する水現像性感光性固体版から作られた印刷版の耐久性を著しく向上せしめるという効果がある。
Claims (4)
- 親水性樹脂、疎水性樹脂、不飽和化合物、光重合開始剤からなる水現像性感光性固体版樹脂の表面に水素引き抜き型光増感剤を担持させ、活性光線を照射して樹脂を強化することを特徴とする水現像性固体版樹脂の強化方法。
- 水現像性感光性固体版樹脂の表面にさらに分子量700以下の多官能性不飽和化合物を担持させることを特徴とする請求項1に記載の強化方法。
- 担持させる化合物を水系現像液に含有させ現像と同時に担持させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の強化方法。
- 親水性樹脂が、スルフォン酸基を含有するポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の強化方法。
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