JP4337823B2 - プリンタおよび印刷方法 - Google Patents

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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J3/00Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed
    • B41J3/407Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed for marking on special material

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  • Ink Jet (AREA)
  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)
  • Dot-Matrix Printers And Others (AREA)
  • Character Spaces And Line Spaces In Printers (AREA)

Description

本発明は、プリンタおよび印刷方法に関する。
各種の印刷技術の中には、多数のシリンドリカル凸レンズ(以下、凸レンズとする。)
が並列配置されたレンチキュラーレンズを具備するレンズシートの記録層に、印刷画像を
印刷するものがある(特許文献1参照)。かかる印刷技術では、レンズシートの記録層に
、凸レンズのピッチ(レンズ解像度)に対応させたストライプ状の細分化画像を多数並べ
て記録する。そして、細分化画像の種類に応じて、視認される画像が立体視されたり、見
る角度を変えると絵柄が動く(アニメーション等;変化系画像と呼ぶ。)ようにすること
が可能となる。
ところで、レンチキュラーレンズを具備するレンズシートに対して、ダイレクトに印刷
する技術内容としては、特許文献1に開示されているものがある。この特許では、レンズ
シートの製造時に生じる、レンズ解像度の揺らぎを吸収するために、レンズシートのレン
ズの検出により得られるレンズ信号と、エンコーダ信号(ENC信号)とを切り替えるよ
うにしている。その切り替えにより、レンズ解像度に応じたインク滴の吐出を可能として
いる。
特許第3471930号公報(段落番号0066〜0076、図1、図5、図8、図9等参照)
ところで、上述の特許文献1に開示されている技術内容では、レンズ解像度を自動的に
決定することができる、という利点がある。しかしながら、上述の特許文献1では、レン
ズ解像度を自動的に決定するための、詳細については開示されていない。また、レンズ信
号とENC信号との間の切り替えを、どのように行うのかについての詳細についても、何
等開示されていない。
ここで、レンズシートの現在の解像度を、プリンタ側が認識しておけば、その後のイン
ク滴の吐出制御、モータの駆動制御等に利用することができる。しかしながら、上述のよ
うに、レンズ解像度を自動的に認識するための具体的な方法は、現状では存在しない。な
お、プリンタ側で自動的にレンズ解像度を決定する以外の方法としては、評価用画像とレ
ンズシートを合わせ、その際に発生するモアレの生じ具合等をユーザが視認し、それによ
ってレンズ解像度を決定する、という方法がある。しかしながら、この方法は、手作業で
検査を行うため、手間が掛かる、という問題がある。
また、例えばユーザ側でレンズ解像度に関する情報を得て、それに基づいて、ユーザが
レンズ解像度を指定する、という方法が考えられる。この場合も、上述の評価用画像を用
いる方法と同様に、人手による作業が必要となるため、手間が掛かる、という問題がある
。また、他の方法としては、プリンタで使用できるレンズ解像度を1つに制限してしまう
、という方法も考えられる。しかしながら、立体視する場合等のような印刷コンテンツの
タイプ、展示目的(観賞用であるか、POP用であるか等)、展示場所(屋外であるか、
または屋内であるか等)等により、最適なレンズ解像度が異なる場合が多い。そのため、
レンズ解像度を1つに制限してしまうと、レンチキュラーレンズの利用用途に適切に対応
することができなくなってしまう。
また、一般にプリンタにおいては、リニアエンコーダおよびロータリエンコーダから出
力されるENC信号に基づいて、印刷ヘッドの位置を検出している。また、レンズシート
に印刷を実行する場合、ENC信号を逓倍する等してタイミング信号PTSを生成し、こ
のタイミング信号PTSによって印刷ヘッドを制御駆動し、レンズシート上に所望の印刷
画像を形成している。
ここで、特許文献1では、レンズ解像度のばらつきに鑑み、そのレンズ解像度を検出し
て、該レンズ解像度に対応するレンズ信号を形成し、このレンズ信号に基づいて印刷ヘッ
ド等の駆動部位を駆動して、レンズシートに対する印刷を実行している。しかしながら、
プリンタにおいては、ENC信号に基づいてタイミング信号PTSを生成しており、かか
るタイミング信号PTSに基づく印刷ヘッドの駆動に対しては動作保証が取れているもの
の、レンズ信号に基づいて印刷ヘッドを駆動する場合には、動作保証(動作の安定性)が
取れていない。
そのため、レンズ信号に基づき印刷ヘッドを駆動して、レンズシートに対して印刷を実
行しても、動作が不安定になったり、画質が悪化したりする等の問題が生じる可能性があ
る。このような課題を解決するための具体的な手段は、特許文献1にも何等開示されてい
ない。なお、ENC信号に基づく駆動制御は、印刷ヘッドだけではなく、その他、CRモ
ータ、PFモータ等の駆動手段も、ENC信号に基づいて駆動制御されている。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、レンズシー
トの解像度を自動的に認識することができると共に、検出されるレンズ信号に基づいて駆
動手段を駆動する場合でも、動作の安定性を得ることが可能なプリンタおよび印刷方法を
提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、複数のレンズが配置されているレンズシートに
印刷を実行するためのプリンタにおいて、レンズシートを走査することにより、該レンズ
シートにおけるレンズのレンズ解像度に応じたレンズ信号を出力するレンズ検出手段と、
スケールを走査することにより、該スケール上に設けられているパターンに応じてエンコ
ーダ信号を出力するエンコーダ信号出力手段と、レンズ信号の周期に関する第1経過時間
情報を算出するレンズ信号カウント手段と、エンコーダ信号の周期に関する第2経過時間
情報を算出するエンコーダ信号カウント手段と、第1経過時間情報と第2経過時間情報と
に基づいて、レンズ信号を分割処理して、分割レンズ信号を出力するレンズ信号分割手段
と、を具備するものである。
このように構成した場合には、レンズ信号カウント手段では、第1経過時間情報を算出
し、エンコーダ信号カウント手段では、第2経過時間情報を算出する。また、レンズ信号
分割手段では、第1経過時間情報と第2経過時間情報とに基づいて、レンズ信号を分割処
理し、分割レンズ信号を出力する。
このようにすれば、レンズ検出手段により出力されるレンズ信号よりも、より細分化さ
れた(分割処理された)分割レンズ信号を出力することが可能となる。また、レンズ信号
は、レンズシートの実際のレンズ解像度を反映させている。このため、分割レンズ信号に
基づいて、印刷ヘッド等の駆動を制御すれば、レンズ解像度の反映により印刷精度を向上
させることが可能となると共に、レンズ信号の分割処理により、きめの細かな印刷を実現
することが可能となる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、レンズ信号分割手段は、複数設けられて
いる整数のそれぞれで第1経過時間情報を除算することにより、それぞれの整数に対応す
る分割レンズ信号を出力する信号分割処理部と、第2経過時間情報に対する第1経過時間
情報の比であるスコアを算出するスコア算出手段と、スコア算出手段で算出されるスコア
に基づいて、複数の分割レンズ信号の中からスコアに対応する整数を選択し、この整数に
対応する分割レンズ信号を選択して出力させる信号選択部と、を具備するものである。
このように構成した場合には、信号分割処理部では、複数の整数に対応する分割レンズ
信号が出力される。また、スコア算出手段では、第2経過時間情報に対する第1経過時間
情報の比であるスコアを算出すると共に、このスコアに基づいて、複数の分割レンズ信号
の中からスコアに対応する整数が選択される。そして、信号選択部では、該整数に対応す
る分割レンズ信号を選択して出力させる。このようにすれば、上述の整数と、スコアとが
近似すれば、分割レンズ信号は、エンコーダ信号に対して周期が近似する状態となる。そ
れにより、エンコーダ信号の代わりに、分割レンズ信号を用いて印刷ヘッド等を制御駆動
させても、周期が近似するために、プリンタのレンズシートに対する印刷特性が大きく変
わらない状態で印刷することが可能となる。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、レンズ信号分割手段は、スコアと、レ
ンズシートのレンズ解像度との関係を示す第1テーブルを記憶する対応記録部と、第1テ
ーブルの中から、スコアに対応するレンズ解像度の値を検索する検索手段と、検索手段に
より検索された検索結果を記憶する結果記録部と、を具備すると共に、信号選択部は、こ
の結果記録部に記憶されている検索結果に基づいて、整数を選択するものである。
このように構成した場合には、スコアが算出されると、検索手段によって第1テーブル
の中から、当該スコアに対応するレンズ解像度の値が検索される。そして、検索された検
索結果は結果記録部に記録される。また、信号選択部では、結果記録部に記録されている
検索結果(レンズ解像度の値)に基づいて、レンズ信号を分割処理するための整数を決定
する。それにより、スコアとレンズ解像度との間の対応関係を示す第1テーブルを参照す
れば、自動的にレンズ解像度が決定される。そのため、決定されるレンズ解像度に基づい
て、レンズ信号を分割するための整数も一義的に定めることが可能となる。さらに、スコ
アとレンズ解像度との間の対応関係を参照するだけで、レンズ解像度および整数が決定さ
れるので、キャリッジ速度等に依存しなくなり、当該キャリッジ速度の変動による影響を
受け難くなる。また、自動的にレンズ解像度が算出されるので、ユーザ側でレンズ解像度
を入力する等の作業が不要となり、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、レンズ信号分割手段は、スコアと、分割
数との関係を示す第2テーブルを記憶する対応記録部と、第2テーブルの中から、スコア
に対応する分割数を検索する検索手段と、検索手段により検索された検索結果を記憶する
結果記録部と、を具備すると共に、信号選択部は、この結果記録部に記憶されている整数
を読み出して、分割レンズ信号を選択するものである。
このように構成した場合には、スコアが算出されると、検索手段によって第2テーブル
の中から、当該スコアに対応する分割数が検索される。そして、検索された検索結果(分
割数)は結果記録部に記録される。また、信号選択部では、結果記録部に記録されている
検索結果(分割数)を読み出し、レンズ信号を分割処理するための整数とする。それによ
り、スコアと分割数との間の対応関係を示す第2テーブルを参照すれば、自動的にレンズ
解像度が決定される。加えて分割数も即座に決定される。さらに、スコアを求めるだけで
分割数が決定されるので、キャリッジ速度等に依存しなくなり、当該キャリッジ速度の変
動による影響を受け難くなる。また、自動的に分割数が算出されるので、ユーザ側で分割
数決定のためのレンズ解像度を入力する等の作業が不要となり、ユーザの利便性を向上さ
せることが可能となる。
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、レンズ信号は、エンコーダ信号を分割
した細分化エンコーダ信号に基づきレンズ信号補正手段によって補正された後に、レンズ
信号分割手段で分割処理されて分割レンズ信号を生成するものである。このように構成し
た場合には、レンズ信号補正手段では、細分化エンコーダ信号に基づいて、レンズ検出手
段から出力されるレンズ信号を補正し、補正レンズ信号を出力する。
このようにすれば、レンズ信号は、エンコーダ信号をベースとする細分化エンコーダ信
号により補正されることで、駆動手段における全ての駆動タイミングは、純粋なレンズ信
号ではなく、細分化エンコーダ信号をベースとして生成される補正レンズ信号が基準とな
る。このため、印刷ヘッド等の駆動手段の駆動タイミングがレンズ信号に対して整合しな
いことによる、動作の安定性が得られない、といった不具合が生じるのを防止可能となる
。また、細分化エンコーダ信号をベースとして、レンズ信号を補正して補正レンズ信号を
作成するため、印刷ヘッド等の駆動部位において、エンコーダ信号とレンズ信号との間に
おける信号切り替えがスムーズとなる。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、レンズ信号補正手段は、エンコーダ信
号が入力されると共に、細分化エンコーダ信号を出力するENC細分化処理部と、細分化
エンコーダ信号が入力されると共に、入力された細分化エンコーダ信号に基づいてレンズ
信号を補正し、補正レンズ信号を出力する補正処理部と、を具備するものである。
このように構成した場合には、ENC細分化処理部では、エンコーダ信号を細分化して
細分化エンコーダ信号を出力する。また、補正処理部では、この細分化信号に基づいて、
レンズ検出手段から出力されるレンズ信号を補正し、補正レンズ信号を出力する。
このようにすれば、レンズ信号は、細分化エンコーダ信号で補正されるため、駆動手段
における全ての駆動タイミングは、細分化エンコーダ信号をベースとして生成される補正
レンズ信号が基準となる。このため、印刷ヘッド等の駆動手段の駆動タイミングがレンズ
信号に対して整合しない等による、動作の安定性が得られない、といった不具合が生じる
のを防止可能となる。また、補正した後の補正レンズ信号は、補正前のレンズ信号の情報
をも反映しているため、実際のレンズピッチを反映させて印刷可能となる。そのため、レ
ンズシートに対する印刷精度を向上可能となる。また、細分化エンコーダ信号をベースと
して、レンズ信号を補正して補正レンズ信号を作成するため、印刷ヘッド等の駆動部位に
おいて、エンコーダ信号とレンズ信号との間における信号切り替えがスムーズとなる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、レンズ信号分割手段およびENC細分化
処理部は、クロック信号のカウントに基づいて、分割レンズ信号および細分化エンコーダ
信号を出力するものである。
このようにする場合、クロック信号は、通常、レンズ信号およびエンコーダ信号と比較
して、周期が非常に小さい状態となっている。このため、かかる周期の小さなクロック信
号に基づけば、レンズ信号を所望の大きさの周期に細分化することが可能となる。
さらに、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、エンコーダ信号出力手段は、レンズ
シートに向けてインク滴を吐出する印刷ヘッドの主走査方向における位置検出を行うため
のリニアエンコーダであると共に、スケールは、主走査方向に沿って配置されるリニアス
ケールであり、レンズ検出手段は、リニアエンコーダと同時に主走査方向に移動しつつレ
ンズシートにおけるレンズの該主走査方向に沿うレンズ解像度を検出するものである。
このように構成した場合には、リニアエンコーダとレンズ検出手段とは、同時に主走査
方向に移動する。この移動に際して、リニアエンコーダは、主走査方向における位置検出
を行い、レンズ検出手段は、主走査方向におけるレンズ解像度の検出を行う。このように
すれば、レンズピッチとリニアエンコーダにより検出される位置との対応を取ることが可
能となり、第1経過時間情報と第2経過時間情報とに基づいて、分割レンズ信号を生成す
ることが可能となる。
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、信号選択部で選択された後に出力され
る分割レンズ信号は、制御手段に入力されると共に、この制御手段は、インク滴をレンズ
シートに向けて吐出する印刷ヘッドの駆動を制御するものである。
このように構成した場合には、制御手段は、分割レンズ信号に基づいて、印刷ヘッドを
制御駆動し、レンズシートに向けてインク滴を吐出する。それにより、レンズピッチを反
映させながらも、エンコーダ信号をベースとする分割レンズ信号により、レンズシートに
対する印刷を実行可能となり、動作保証が為されつつ、高精細な印刷を実現することが可
能となる。
さらに、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、レンズ検出手段は、レンズシートに
向けて光を出射すると共に、レンズシートの搬送状態において該レンズシートを挟んでキ
ャリッジとは反対側に設けられる発光部と、キャリッジに取り付けられると共に、発光部
から出射された後にレンズシートを透過する光が入射され、該入射される光の強度に応じ
た検出信号を出力する受光部と、を具備するものである。
このように構成した場合には、レンズ検出手段は、レンズシートを挟んでキャリッジ側
に受光部、その反対側に発光部が配置されるため、透過方式のセンサを構成する。そのた
め、反射方式のセンサを用いる場合と比較して、レンズピッチの検出精度を向上させるこ
とが可能となる。また、検出精度の高いレンズ信号が得られることにより、レンズシート
に対する印刷が一層高精細なものとなる。
また、他の発明は、複数のレンズが配置されているレンズシートに印刷を実行するため
の印刷方法において、レンズシートを走査することにより、該レンズシートにおけるレン
ズのレンズ解像度に応じたレンズ信号を出力するレンズ信号出力工程と、スケールを走査
することにより、該スケール上に設けられているパターンに応じてエンコーダ信号を出力
するエンコーダ信号出力工程と、レンズ信号の周期に関する第1経過時間情報を算出する
レンズ信号カウント工程と、エンコーダ信号の周期に関する第2経過時間情報を算出する
エンコーダ信号カウント工程と、第1経過時間情報と第2経過時間情報とに基づいて、レ
ンズ信号を分割処理して、分割レンズ信号を出力するレンズ信号分割工程と、を具備する
ものである。
このように構成した場合には、レンズ信号出力工程では、レンズシートを走査すること
により、該レンズ解像度に応じたレンズ信号を出力する。また、エンコーダ信号出力工程
では、スケールの走査によってパターンに応じたエンコーダ信号を出力する。また、レン
ズ信号細分化工程では、第1経過時間情報と第2経過時間情報とに基づいて、レンズ信号
を分割処理して、分割レンズ信号を出力する。
このようにすれば、レンズ信号出力工程により出力されるレンズ信号よりも、より細分
化された分割レンズ信号を出力することが可能となる。また、レンズ信号は、レンズシー
トの実際のレンズピッチを反映させている。このため、分割レンズ信号に基づいて、印刷
ヘッド等の駆動を制御すれば、レンズ解像度の反映により印刷精度を向上させることが可
能となると共に、レンズ信号の細分化により、きめの細かな印刷を実現することが可能と
なる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明のプリンタの第1の実施の形態について、図1から図14に基づいて説明
する。なお、本実施の形態のプリンタ10は、インクジェット式のプリンであるが、かか
るインクジェット式プリンタは、インクを吐出して印刷可能な装置であれば、いかなる吐
出方法を採用した装置でも良い。
なお、以下の説明においては、下方側とは、プリンタ10が設置される側を指し、上方
側とは、設置される側から離間する側を指す。また、後述するキャリッジ30が移動する
方向を主走査方向、主走査方向に直交する方向であってレンズシート12が搬送される方
向を副走査方向とする。また、レンズシート12が供給される側を給紙側(後端側)、レ
ンズシート12が排出される側を排紙側(手前側)として説明する。
<レンズシートに関して>
最初に、印刷対象物であるレンズシート12について説明する。図1に示すように、レ
ンズシート12は、表面に位置するレンチキュラーレンズ12Aと、このレンチキュラー
レンズ12Aの裏面と接するインク吸収層12Bと、該レンズシート12の裏面に位置す
るインク透過層12Cとを具備している。これらのうち、レンチキュラーレンズ12Aは
、一方向を長手とする複数のシリンドリカル凸レンズ(凸レンズ12A1)が、一定のピ
ッチで並列配置された構成となっている。レンチキュラーレンズ12Aにおいては、それ
ぞれの凸レンズ12A1を進行する光の焦点が、レンチキュラーレンズ12Aの裏面(イ
ンク吸収層12Bとの境界面Q)に位置するように、凸レンズ12A1の曲率が形成され
ている。
なお、本実施の形態では、レンチキュラーレンズ12Aにおける凸レンズ12A1の並
びのピッチとしては、後述するスケール81のラインパターンの並びのピッチの整数倍と
するものがある。例えば、スケール81のラインパターンが1/180インチである場合
、凸レンズ12A1のピッチは、10lpi(lens per inch;1インチ当
たりの凸レンズ12A1の本数)、20lpi、30lpi、45lpi、60lpi、
90lpi、100lpi、130lpi、180lpiとするものがある。しかしなが
ら、凸レンズ12A1のピッチは、該例示には限られず、これらのレンズピッチ以外に種
々変更するようにしても良い。また、レンズシート12においては、通常は、製造誤差等
によって、上述の凸レンズ12A1のピッチから、若干ずれが生じている。
また、インク透過層12Cは、ノズル33aから吐出されたインク滴が最初に付着する
部分であり、該付着したインクが透過していく部分である。このインク透過層12Cは、
例えば酸化チタン、シリカゲル、PMMA(メタクリル樹脂)、硫酸バリウム等を材質と
して形成されている。また、インク吸収層12Bは、インク透過層12Cを透過したイン
クを吸収および/または固着させる部位である。このインク吸収層12Bは、例えばPV
A(ポリビニルアルコール)等の親水性ポリマー樹脂、カチオン化合物、シリカ等の微粒
子等を材質として形成されている。なお、インク吸収層12Bは透明であると共に、イン
ク透過層12Cは、白色である。しかしながら、インク吸収層12Bが白色であっても良
く、またインク透過層12Cが透明であっても良く、さらにインク透過層12Cとインク
吸収層12Bの両方が透明であっても良い。また、インク透過層12Cは、存在しなくて
も良い。
<プリンタの全体的な構成について>
また、図2他に示すように、プリンタ10は、キャリッジモータ(CRモータ22)に
よってキャリッジ30を主走査方向に往復動させるキャリッジ機構20、PFモータ41
(紙送りモータに対応)によってレンズシート12を搬送する用紙搬送機構40等があり
、その他、図2に示す制御部100が存在する。
ここで、キャリッジ機構20について説明する。キャリッジ機構20は、図2他に示す
ように、キャリッジ30を具備している。また、キャリッジ機構20は、キャリッジ30
を摺動可能に保持するキャリッジ軸21と、キャリッジモータ(CRモータ22)と、こ
のCRモータ22に取り付けられている歯車プーリ23と、無端のベルト24と、歯車プ
ーリ23との間にこの無端のベルト24を張設する従動プーリ25と、リニアエンコーダ
80と、を備えている。
また、図3等に示すように、プラテン50に対向する状態で、キャリッジ30が設けら
れている。キャリッジ30には、図2等に示すように、各色のインクカートリッジ31が
着脱可能に搭載されている。また、キャリッジ30の下部には、印刷ヘッド32が設けら
れている。図4に示すように、印刷ヘッド32には、ノズル33aがレンズシート12の
搬送方向(副走査方向)に列状に配置され、それぞれの色のインクに対応したノズル列3
3を形成している。なお、本実施の形態では、ノズル列33は、例えば180個のノズル
33aから構成されており、このうち、180番目のノズル33aが給紙側、1番目のノ
ズル33aが排紙側に位置している。
また、キャリッジ30の下部に設けられ、各インクに対応づけられたノズル列33には
、ノズル33a毎に、ピエゾ素子(不図示)が配置されている。このピエゾ素子の作動に
より、インク通路の端部にあるノズル33aからインク滴を吐出することが可能となって
いる。なお、印刷ヘッド32は、ピエゾ素子を用いたピエゾ駆動方式に限られず、その他
の方式を用いても良い。その他の方式としては、例えば、インクをヒータで加熱し、発生
する泡の力を利用するヒータ方式、磁歪素子を用いる磁歪方式、静電気力を利用した静電
方式、ミストを電界で制御するミスト方式等が、主な方式として挙げられる。
また、図3等に示すように、プリンタ10は、用紙搬送機構40を具備している。用紙
搬送機構40は、レンズシート12等を搬送するためのPFモータ41(図2参照)、お
よび普通紙等の給紙に対応する給紙ローラ42を具備している。また、給紙ローラ42よ
りも排紙側には、レンズシート12を搬送および/または挟持するためのPFローラ対4
3が設けられている。なお、PFローラ対43のうち、PF駆動ローラ43aは、PFモ
ータ41からの駆動力が伝達され、レンズシート12の1ステップずつの搬送を可能とし
ている。
また、PFローラ対43の排紙側には、プラテン50および上述の印刷ヘッド32が上
下に対向する様に配設されている。プラテン50は、PFローラ対43によって印刷ヘッ
ド32の下へ搬送されてくるレンズシート12を、下方側から支持する。また、プラテン
50よりも排紙側には、上述のPFローラ対43と同様の、排紙ローラ対44が設けられ
ている。この排紙ローラ対44のうち、排紙駆動ローラ44aには、PF駆動ローラ43
aと共に、PFモータ41からの駆動力が伝達される。
また、プリンタ10のうち、排紙側とは逆の後端側かつ給紙ローラ42の下方側には、
開口部45が設けられている。開口部45は、レンズシート12等の折り曲げ困難な印刷
対象物を、プリンタ10の後端側で通過させるための開口部分である。なお、レンズシー
ト12は、単体で開口部45を通過する以外に、トレイ等に載置された状態で通過するよ
うにしても良い。
また、図1および図6に示すように、キャリッジ30の下面とプラテン50の間の部位
には、レンズシート12における凸レンズ12A1のレンズピッチ(レンズ解像度)を検
出する、レンズ検出手段に対応するレンズ検出センサ60が配置されている。レンズ検出
センサ60は、光の投受光方式(透過方式)のセンサであり、図1および図6等に示すよ
うに、発光部61と、受光部62とを有している。これらのうち、発光部61は、搬送さ
れるレンズシート12よりもプラテン50側(下方側)に設けられている。また、受光部
62は、搬送されるレンズシート12よりもキャリッジ30側(上方側)に設けられてい
る。
図1に示すように、本実施の形態における発光部61は、光の出射側とは反対側に光源
612が配置される直下方式の構成を採用しており、光源群611と、この光源群611
を覆う拡散板613とを有している。発光部61は、プラテン50の後端側(レンズシー
ト12の給紙側)に設けられている。なお、発光部61が設けられる部位は、プラテン5
0には限られず、その他の固定的な部位に設けるようにしても良く、また、プラテン50
の前端側に設けるようにしても良い。このように、発光部61をプラテン50の後端側に
設けることにより、後述する発光部61と受光部62とが対向している。
また、発光部61は、プラテン50の後端側に存在する凹陥部51に設けられている。
凹陥部51は、プラテン50の他の部分よりも窪んでいる部分である。この凹陥部51は
、光源群611(光源612)が拡散板613に対して一定の距離だけ離間可能となるよ
うに、一定以上の深さ寸法を有する状態に設けられている。
また、図1に示すように、光源群611は、多数の光源612が主走査方向に並べられ
ている。これら光源612は、所定色の光を発する発光ダイオード(LED;light emittin
g diode)である。なお、LEDとしては、可視光または赤外光等の種々の波長の光を発する
ものがあるが、ユーザにとって眩しさが感じ難いという観点から見ると、赤外光を発する
赤外LEDを用いることが望ましい。また、これらの光源612は、所定の間隔毎に配置さ
れていると共に、光源612の指向性を考慮して、レンズシート12に対して一定の間隔
だけ離間する状態で配置されている。それにより、光源612から出射された光は、拡散
板613に対して、若干の広がりを有した状態で照射される。また、拡散板613は、光
源612から出射された光の進行方向を種々変更する。それにより、拡散板613を通過
した光は、コントラストの均一化が図られた状態で、レンズシート12に向かって出射さ
れる。
なお、本実施の形態では、光源612が並べられた光源群611は、レンズシート12
の規定の幅よりも大きくなるように設けられている。そのため、レンズシート12に対し
て入射される光のコントラストに、大きな差異が生じないように設けられている。また、
光のコントラストを一層低減したい場合には、光源群611を構成する光源612の配置
を変更して、多数の光源612を千鳥状となるように配置するようにしても良い。また、
上述の拡散板613は、省略する構成を採用しても良い。
また、キャリッジ30の下面には、受光部62が設けられている。この受光部62は、
キャリッジ30の下面に取り付けられていて、しかも、主走査方向において、例えばホー
ムポジションから離間する部位、かつ副走査方向において給紙側に取り付けられている。
しかしながら、受光部62の取付位置は、かかる部位には限られず、キャリッジ30の下
面のうち、例えば主走査方向の中央部に取り付けられる構成としても良い。
本実施の形態では、受光部62は、基体部621、受光素子623およびスリット板6
24を有している。このうち、基体部621は、受光素子623を取り付ける部分であり
、該受光素子623を取り付ける収納部622を有している。この収納部622は、四方
が板状部材で囲まれる状態となっている。そして、板状部材で囲まれた収納部622に受
光素子623が取り付けられ、下面側のみが開放している。それによって、一定の拡散光
の受光を防止するように構成されている。
また、受光素子623は、例えばフォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトIC
等のような、受光した光を電気信号に変換することが可能な素子である。また、収納部6
22の下面側には、スリット板624が取り付けられている。このスリット板624には
、光の通過を許容するスリット624aが形成されていて、該スリット624aを介して
所定の方向の光(図1においては光軸Lに沿う方向の光)の受光を許容する構成となって
いる。
なお、スリット624aの幅寸法は、凸レンズ12A1のレンズ幅の1/2以下である
ことが望ましい。しかしながら、スリット624aの幅寸法が狭すぎる場合、プラテン5
0とキャリッジ30との間のギャップ調整がシビアになり、良好な検出が行えなくなる虞
がある。このため、スリット624aの幅寸法は、一定の寸法値以上とする必要がある。
また、スリット板624のうち、スリット624a以外の部分に照射された光は、該スリ
ット板624によって遮断される。かかる構成により、光軸Lに沿う方向以外の拡散光が
受光素子623で受光されるのが防止されている。
また、上述のようなスリット板624を設けない構成を採用しても良い。この場合には
、受光素子623におけるレンズ解像度の検出精度は悪化するものの、各凸レンズ12A
1の有する集光作用等により、レンズシート12のレンズ解像度の検出は可能である。
また、本実施の形態では、受光部62は、レンズシート12の搬送状態において、該レ
ンズシート12に接触しないものの、このレンズシート12に対して搬送性を悪化させな
い程度に近接する配置となっている。それにより、発光部61から出射された光は、境界
面Qのうち各凸レンズ12A1の曲率中心を焦点として拡散するが、光はさほど拡散しな
い状態で受光部62に入射される。
なお、発光部61が直下方式を採用する場合、その構成は、発光ダイオードを多数並べ
るものには限られず、主走査方向を長手とするライン状光源を用いるようにしても良い。
ライン状光源としては、具体的には、陰極蛍光ランプ(CFL;Cathode Fluorescent Lamp
)、冷陰極蛍光ランプ(CCFL;Cold Cathode Fluorescent Lamp)またはエレクトロルミ
ネセンス(EL;Electro Luminescence)を用いることが可能である。また、発光部61は
、その他、可視光または赤外光のようなレーザ光を生じさせることが可能なレーザ発振器
、ランプ等を用いるようにしても良い。
また、発光部としては、直下方式を採用せずに、エッジライト方式の構成を採用するよ
うにしても良い。この場合、発光部は、主走査方向の端部に配置される光源と、光源の光
を主走査方向側に向けて反射するリフレクタと、光が内部を進行すると共に主走査方向を
長手とする導光板と、導光板の下面側、側面側および導光板の長手方向の他端側に取り付
けられ光を反射する反射部材と、上面側に向かって出射される光を拡散させる拡散フィル
ムと、導光板の下面に配置され光を拡散させる反射ドットと、を有する状態となる。
また、レンズシート12とノズル33aとの間の距離PGを測定すべく、キャリッジ3
0の下面には、レンズ検出センサ60以外に、ギャップ検出センサ70が存在するのが好
ましい。図7は、距離PGを検出するギャップ検出センサ70の説明図である。図7に示
すように、ギャップ検出センサ70は、発光部71と、2つの受光部(第1受光部72a
及び第2受光部72b)とを有する。発光部71は、発光ダイオードを有し、レンズシー
ト12に光を照射する。第1受光部72aおよび第2受光部72bは、受光した光量に応
じた電気信号を出力する受光素子をそれぞれ有する。なお、第2受光部72bは、第1受
光部72aと比較して、発光部71から遠い位置に設けられている。
発光部71から発せられた光は、レンズシート12に照射されると共に、反射される。
反射された光は、上述の受光素子に入射され、この受光素子において入射した光量に応じ
た電気信号に変換される。ここで、距離PGが小さい場合、レンズシート12によって反
射された光は、主に第1受光部72aに入射されるが、第2受光部72bには拡散光しか
入射されない。したがって、第1受光部72aの出力信号は、第2受光部72bの出力信
号よりも大きくなる。
一方、距離PGが大きい場合、反射された光は、主に第2受光部72bに入射され、第
1受光部72bには拡散光しか入射されない。したがって、第2受光部72bの出力信号
は、第1受光部72aの出力信号よりも大きくなる。このため、第1受光部72aと第2
受光部72bの出力信号の比と距離PGとの関係を予め求めておけば、該出力信号の比に
基づいて、レンズシート12等に対応する距離PGを検出することが可能である。この場
合、受光部72a,72bの出力信号の比と距離PGとの関係に関する情報をテーブルと
してROM102や不揮発性メモリ104に記憶しておくのが良い。
このような出力信号の検出を、キャリッジ30を主走査方向へ駆動させつつ行う。この
駆動に際して、後述するリニアエンコーダ80の位置検出と対応させることにより、レン
ズシート12の主走査方向における距離PGを検出することが可能となる。
なお、ギャップ検出センサ70は、上述のレンズ検出センサ60と兼用可能である。こ
の場合、発光部61の光軸が傾斜するように配置し、距離PGに応じて第1受光部72a
と第2受光部72bとの間における出力信号の比が変化するようにすれば、ギャップ検出
センサ70とレンズ検出センサ60とを兼用させることが可能となる。
また、図2等に示すように、キャリッジ機構20には、エンコーダ信号出力手段に対応
するリニアエンコーダ80が設けられている。リニアエンコーダ80は、黒色の印刷部分
と光を透過する透明部分とからなるラインパターンが繰り返されるスケール81と、スケ
ール81に向けて光を出力すると共に、該スケール81から反射される光を、電気的な信
号(エンコーダ信号;以下、ENC信号とする。)に変換して制御部100に送信するリ
ニアセンサ82とを有している。
次に、信号形成部90の構成について説明する。図8に示すように、信号形成部90は
、フィルタ91と、アンプ(AMP)92と、2値化処理部93とを具備している。これ
らのうち、フィルタ91は、信号線94の一端側と接続されている。信号線94の他端側
は、上述した受光部62(受光素子623)に接続されている。このため、受光部62で
発生したアナログ信号は、この信号線94を介してフィルタ91に伝達されるが、フィル
タ91では、アナログ信号(図9参照)のうち所定の帯域以外の周波数成分が除去される
。それにより、図9に示すようなデジタル信号(レンズ信号)が生成される。
また、フィルタ91を通過した信号は、AMP92に入力され、所定の電圧等(一例と
して、40倍等)に増幅される。かかる増幅が為された信号は、続いて2値化処理部93
に入力され、該入力された信号をしきい値を超えたか否かで、HレベルまたはLレベルの
、2値の信号(2値化信号)とする。この状態で、後述する制御部100に2値化信号を
入力し、Hレベルの信号および/またはLレベルの信号の切り替わりタイミングを検出す
ることにより、レンズシート12のレンズ解像度が計測可能となる。
また、図2に示すように、プリンタ10は、インターフェース171を具備している。
このインターフェース171を介して、コンピュータ170に接続されている。また、プ
リンタ10は、ロータリエンコーダ172を具備している。ロータリエンコーダ172は
、上述のリニアセンサ82と同様の、ロータリセンサ172bを具備している。しかしな
がら、ロータリエンコーダ172は、上述のリニアエンコーダ80とは異なり、符号板1
32aが円盤状に設けられている。なお、ロータリエンコーダ172のそれ以外の構成は
、リニアエンコーダ80と同様となっている。
<プリンタの制御部の詳細について>
次に、制御部100について説明する。制御部100は、各種の制御を行う部分であっ
て広義の制御手段に対応する部分であり、不図示の紙幅検出のためのPWセンサ、レンズ
検出センサ60、ギャップ検出センサ70、リニアセンサ82、後述するロータリエンコ
ーダ172、プリンタ10の電源をオン/オフする電源SW等)の各出力信号が入力され
る。図2に示すように、制御部100は、CPU101、各種のプログラムを記憶するR
OM102、データを一時的に蓄えるRAM103、不揮発性メモリ(PROM)104
、ASIC105、ヘッドドライバ106等を具備していて、これらがバス107を介し
て接続されている。そして、これらの協働、または特有の処理を行う回路を追加する等に
よって、図10のブロック図に示す構成(擬似ENC信号出力機構110)が実現されて
いる。
なお、かかる図10に示す擬似ENC信号出力機構110の構成は、ハードウエア的に
実現されても良く、またソフトウエア的に実現されても良い。また、以下、擬似ENC信
号出力機構110の各構成を説明する際に、各構成が果たす機能および動作をも併せて説
明する。
図10に示すように、擬似ENC信号出力機構110は、ENC計測部111と、EN
C間隔記憶部112と、正規化処理部113と、レンズ計測部114と、レンズ間隔記憶
部115と、擬似ENC信号生成部116と、信号選択部117と、を有している。
これらのうち、ENC計測部111は、ENC信号の間隔を計測するために、入力され
るENC信号のポジティブエッジ(Lレベルの信号が、Hレベルの信号に切り替わるタイ
ミング;立ち上がりエッジに対応)の間の、クロック信号の個数(クロック数)をカウン
トする。なお、ENC計測部111は、エンコーダ信号カウント手段に対応する。また、
カウントされるクロック数は、経過時間A(第2経過時間情報に相当)に対応する。ここ
で、クロック信号は、例えば14.4KHzというような周期を有している。このクロッ
ク信号の周期は、ENC信号の周期よりも圧倒的に短い時間となっている。また、クロッ
ク信号は、例えばCPU101が備えるCPUタイマや、周波数生成回路等から生成され
る。
また、ENC間隔記憶部112は、上述のENC計測部111で算出される経過時間A
に関する情報(クロック数)を記憶する部分である。このENC間隔記憶部112には、
ENC信号のポジティブエッジを検出する度に、経過時間Aに関する情報(クロック数)
が記憶される。なお、記憶される経過時間Aに関する情報は、レンズ解像度決定部113
aからの取得要求に応じて、レンズ解像度決定部113aに出力される。
なお、このENC間隔記憶部112に、複数の記憶領域(バッファ)を設け、それぞれ
の記憶領域にFIFO(First In First Out)方式で記憶させるようにするのが好ましい
。なお、ENC間隔記憶部112に複数の記憶領域を設ける場合、後述するレンズ解像度
決定部113a等からの情報の取得の要求に応じて、経過時間Aに関する情報がFIFO
方式で読み出される。その場合、読み出された経過時間Aに関する情報は、その情報が記
憶されている記憶領域から削除される。
また、正規化処理部113は、この中に、レンズ解像度決定部113aと、対応記録部
113bと、結果記録部113cとを有している。
これらのうち、レンズ解像度決定部113aはスコア算出手段および検索手段に対応す
る。また、レンズ解像度決定部113aは、ENC間隔記憶部112に記憶されている経
過時間Aに関する情報(クロック数)、およびレンズ間隔記憶部115に記憶されている
経過時間B(第1経過時間情報に相当)に関する情報(クロック数)を受け取る。そして
、受け取った経過時間Aに関する情報と経過時間Bに関する情報に基づいて、正規化を行
う。ここでいう正規化とは、経過時間Aを経過時間Bで除算することである。すなわち、
スコア=経過時間A/経過時間Bとなる。この正規化により、次に述べるスコアが算出さ
れる。
また、レンズ解像度決定部113aでは、次に述べるスコアを算出した後に、図11に
示すテーブル(第1テーブルに対応)から、算出したものと同じスコアを検索する。そし
て、検索の結果、同じスコアがある場合、そのスコアに対応する対応値を、結果記録部1
13cに記憶させる。また、スコアに対応する対応値がない場合、結果記録部113cに
記憶させる値を0とするか、またはスコアの近傍の対応値を記憶させる。なお、図11の
テーブルでは、対応値は、レンズ解像度(LPI)となっている。
ここで、上述の経過時間Bに関する情報を獲得するタイミングは、キャリッジ30がレ
ンズシート12上に存在するのであれば、いずれのタイミングであっても良い。しかしな
がら、レンズシート12の縁部から数えて2番目の凸レンズ12A1で、経過時間Bに関
する情報を獲得するのが望ましい。1番目の凸レンズ12A1は、レンズシート12のシ
ート縁部におけるレンズ信号であり、Hレベルの信号間隔が他の部分より短い等の事態が
生じる。また、N番目の凸レンズ12A1において、Nの値が大きくなるように設定する
場合も考えられる。しかしながら、Nの値を大きくしすぎると、ノズル33aがレンズシ
ート12の上部に差し掛かっているにも拘わらず、レンズ解像度を判別するためのN番目
の凸レンズ12A1にレンズ検出センサ60が到達していない、という事態が生じる。そ
のため、上述したように、経過時間Bに関する情報を獲得するタイミングを、2番目の凸
レンズ12A1とするのが好ましい。
なお、レンズシート12の縁部が確実に谷となっている場合、経過時間Bに関する情報
を獲得するタイミングを、1番目の凸レンズ12A1としても良い。また、上述のレンズ
シート12では、最初に凸レンズ12A1を検出する部位から、実際にインク滴を吐出す
るまでの間には、複数の凸レンズ12A1が検出できるため、検出後にリアルタイムで印
刷を行うことを可能としている。
また、対応記録部113bは、図11に示すようなテーブルを記憶している部分である
。このテーブルには、正規化により算出されるスコアと、そのスコアに対応するレンズ解
像度に関する情報(対応値に相当;図11においては、LPI)とが存在する。
ここで、経過時間Aは、受光部62がスケール81の1つのパターンを通過するときの
時間に対応している。そのため、ラインパターンのパターン間の間隔が長い場合、経過時
間Aは長くなる(クロック数が多くなる)と共に、ラインパターンのパターン間の間隔が
短い場合、経過時間Aは短くなる(クロック数が少なくなる)。また、経過時間Bは、受
光部62が1つの凸レンズ12A1を通過するときの時間に対応している。これらについ
て、経過時間Aが180dpiに対応していると共に、スコア1.0の場合とスコア3.
0の場合を例にとって説明する。まず、スコアが1.0の場合、1.0=経過時間B/経
過時間Aより、経過時間Bに対応するレンズ解像度は、180lpiと求められる。また
、スコアが3.0の場合、3.0=経過時間B/経過時間Aより、経過時間Bに対応する
レンズ解像度lpiは、60lpiと求められる。
また、結果記録部113cは、上述のレンズ解像度決定部113aで決定された(検索
された)対応値を、記憶する部分である。ここで、レンズ解像度決定部113aで決定さ
れたスコアに対応する対応値が存在する場合には、その対応値を、レンズ解像度決定部1
13aに記憶させる。しかしながら、上述のスコアに対応する対応値が存在しない場合に
は、記憶させる値を0とするか、またはスコアの近傍の対応値を記憶させる。
また、レンズ計測部114は、2値化処理部93から出力されるレンズ信号の間隔を計
測する。このレンズ計測部114は、レンズ信号カウント手段に対応する。このレンズ計
測部114でも、ENC計測部111と同様に、入力されるレンズ信号のポジティブエッ
ジ(Lレベルの信号が、Hレベルの信号に切り替わるタイミング;立ち上がりエッジに対
応)の間の、クロック信号の個数(クロック数)をカウントする。なお、カウントされる
クロック数は、経過時間Bに対応する。
また、レンズ間隔記憶部115は、上述のレンズ計測部114で算出される経過時間B
に関する情報(クロック数)を記憶する部分である。このレンズ間隔記憶部115には、
レンズ信号のポジティブエッジを検出する度に、経過時間Bに関する情報(クロック数)
が記憶される。なお、記憶される経過時間Bに関する情報は、レンズ解像度決定部113
aからの取得要求に応じて、レンズ解像度決定部113aに出力される。また、レンズ間
隔記憶部115に記憶されている経過時間Bに関する情報は、擬似ENC信号生成部11
6からの取得要求に応じて、当該擬似ENC信号生成部116に出力される。
なお、このレンズ間隔記憶部115も、複数の記憶領域(バッファ)を設け、それぞれ
の記憶領域にFIFO(First In First Out)方式で記憶させるようにするのが好ましい
。また、この場合も、レンズ間隔記憶部115に複数の記憶領域を設ける場合、レンズ解
像度決定部113aや擬似ENC信号生成部116からの情報の取得の要求に応じて、経
過時間Bに関する情報がFIFO方式で読み出される。その場合、読み出された経過時間
Bに関する情報は、その情報が記憶されている記憶領域から削除される。
なお、FIFO方式で削除する場合、例えば、レンズ解像度決定部113aで経過時間
Bに関する情報を参照した後に、その経過時間Bに関する情報をすぐに削除したのでは、
レンズ間隔記憶部115で参照できなくなる、という問題が生じる。このため、経過時間
Bに関する情報を参照する必要がある全ての部分(図10においては、レンズ解像度決定
部113aおよびレンズ間隔記憶部115)で参照した後に、FIFO方式で経過時間B
に関する情報を削除するように、制御を行う必要がある。
ここで、上述のような削除する際の制御(バッファ管理)が複雑化する等の場合には、
制御する部分(参照する部分;上述の場合には、レンズ解像度決定部113aおよびレン
ズ間隔記憶部115)の個数分だけ、バッファ(記憶領域)を持たせるようにしても良い
。この場合には、メモリリソースという面では有効ではない。しかしながら、それぞれの
制御する部分で参照が終了すると、FIFO方式で削除を実行するだけで済み、削除する
際の制御が単純化される。
また、擬似ENC信号生成部116は、レンズ間隔記憶部115に記憶されている経過
時間Bに関する情報を読み出す。そして、この経過時間Bに関する情報に基づいて、各種
の分割数で分割される(周波数が変えられる)擬似ENC信号(分割レンズ信号に対応)
を生成する。ここで、本実施の形態では、擬似ENC信号生成部116には、1分割処理
部116a、2分割処理部116b、3分割処理部116cおよび4分割処理部116d
が、それぞれ設けられている。これら1分割処理部116a〜4分割処理部116dでは
、上述のレンズ計測部114等と同様に、クロック信号をカウントする。すなわち、1分
割処理部116a〜4分割処理部116dにも、カウンタ機能が存在する。
なお、擬似ENC信号生成部116は、レンズ信号分割手段に対応する。また、1分割
処理部116a〜4分割処理部116dは、信号分割処理部に対応する。
また、擬似ENC信号は、具体的には、経過時間B/(分割数×2)という式から求ま
る間隔で、HレベルとLレベルとを切り替えることにより、形成される。例えば、レンズ
間隔の経過時間Bに相当するクロック数が10000であり、後述する信号選択部117
で選択される擬似ENC信号が、3分割処理部116cで形成される擬似ENC信号を選
択する場合があるとする。この場合、HレベルとLレベルとの間の信号の切り替えの間隔
は、10000/(3×2)≒1666と求められる。そのため、クロック数のカウント
値が、それぞれ、0〜1665のときはHレベル、1666〜3331のときはLレベル
、3332〜4997のときはHレベル、4998〜6663のときはLレベル、666
4〜8329のときはHレベル、8330以上のときは、Lレベルの信号を出力する。
また、1分割処理部116a〜4分割処理部116dで、ある凸レンズ12A1に対応
する経過時間Bの時間長さ分の信号生成処理が終了すると、続いて、次の凸レンズ12A
1に対応する経過時間Bの時間長さ分の信号生成処理を行う。そのため、上述したように
、レンズ間隔記憶部115には、FIFO方式で、経過時間Bに関する情報が記憶されて
いる。そのため、1分割処理部116a〜4分割処理部116dは、ある経過時間Bの時
間長さ分の処理が終わると、FIFO方式の次の処理順に該当する経過時間Bを読み込む
。また、1分割処理部116a〜4分割処理部116dが、新たな経過時間Bに関する情
報を受け取ると、1分割処理部116a〜4分割処理部116dのそれぞれにおけるカウ
ント値は、ゼロクリアされる。
また、擬似ENC信号の生成は、1分割処理部116a、2分割処理部116b、3分
割処理部116cおよび4分割処理部116dのそれぞれで、同時に為される。なお、上
述の実施の形態では、1分割処理部116a〜4分割処理部116dの、4つの各分割処
理部を有している。しかしながら、分割処理部の個数、および分割数は、1分割処理部1
16a〜4分割処理部116dには限られず、種々の分割数に分割することが可能である
また、擬似ENC信号生成部116から出力される擬似ENC信号は、信号選択部11
7に入力される。信号選択部117は、結果記録部113cに記憶されている、対応値を
読み込む。そして、この対応値に基づいて、出力させる擬似ENC信号を選択する。なお
、図11におけるテーブルでは、対応値はLPIとなっている。そのため、信号選択部1
17では、読み込まれたLPIが、ある条件式を満たす場合、その条件式に応じた擬似E
NC信号を選択して、出力させるようにしても良い。例えば、1分割の場合の条件式は、
180/1.5<LPI、2分割の場合の条件式は、180/2.5<LPI≦180/
1.5、3分割の場合の条件式は、180/3.5<LPI≦180/2.5、4分割の
場合は、LPI≦180/3.5等とする場合がある。
ここで、信号選択部117では、上述のように条件式により、擬似ENC信号を選択せ
ずに、LPIに対応する分割数のテーブルを持つようにして、この分割数に基づいて、擬
似ENC信号を選択するようにしても良い。この場合が図12である。
図12に示すテーブル(第2テーブルに対応)では、対応値は、分割数となっている。
この場合、レンズ解像度決定部113aでは、分割数が検索され、結果記録部113cに
は、この分割数が記憶される状態となる。そのため、信号選択部117では、結果記録部
113cに記憶されている分割数が読み込まれると、その分割数に対応する擬似ENC信
号のみを出力するように制御する。この場合、信号選択の処理を高速化させることができ
る。
なお、結果記録部113cに記憶されている分割数が、1分割処理部116a〜4分割
処理部116dのいずれにも対応しない場合、例えば1分割処理部116aを選択する。
しかしながら、他の分割処理部を選択するようにしても良い。
以上のような構成を用いて、プリンタ10を作動させる場合の詳細につき、図13のフ
ローに基づいて以下に説明する。
<動作の全体>
図13は、プリンタ10において、発光開始から排紙までの、動作フローを説明する図
である。
プリンタ10において、CPU101は、発光部61の発光を開始させる(S10)。
このとき、2値化処理部93の動作も開始される。続いて、CPU101は、コンピュー
タ170に対し、印刷データが存在するか否かを問い合わせる(S11)。印刷データが
存在する場合には、S12に進み、それ以外の場合には、S18に進む。
続いて、印刷データが存在する場合は、コンピュータ170から1ライン分の印刷デー
タを受信し、印刷動作を開始する。すなわち、キャリッジ31は主走査方向に往復動作を
開始する(S12)。
また、キャリッジ31が移動する場合、リニアセンサ82は、ENC信号を生成する。
これと共に、2値化処理部93は、レンズ信号を生成する。そして、これらENC信号お
よびレンズ信号に基づいて、擬似ENC信号の生成処理が為される(S13)。また、擬
似ENC信号の作成後、吐出制御部(後述する吐出制御部130を参照)では、補正レン
ズ信号を所定倍してタイミング信号PTSを作成する。加えて、吐出制御部は、このタイ
ミング信号PTSおよび印刷データに基づいて、印刷ヘッド32を制御駆動させる。それ
によって、各ノズル33aからインク滴が吐出される、吐出処理が為される(S14)。
なお、かかるインク滴の吐出により、レンズシート12に、所望の画像が印刷される。
次に、CPU101は、1走査分の印刷処理が終了したか否かを判定する(S15)。
このS15において、終了したと判定される場合、S16に進み、それ以外の場合にはS
13に戻って同様の処理を繰り返す。
ところで、受光部62は、キャリッジ31の下面において、図4の右上部に配置されて
いる。したがって、キャリッジ31が、ホームポジションから離れる向きに走査する場合
、受光部62が印刷ヘッド32に先行するので、前述のような動作が可能になる。これと
は逆に、キャリッジ31が、ホームポジションに近づく向きに走査する場合、受光部62
が印刷ヘッド32に後行するため、上述のような動作はできない。そこで、例えば、キャ
リッジ31がホームポジションに近づく向きに走査する場合、キャリッジ31を移動する
のみで印刷を行わないようにする(S16)。
このようにして、1ライン分の印刷動作が完了すると、CPU101はPFモータ41
を駆動し、レンズシート12を1ステップ分だけ副走査方向に移動させる(S17)。そ
して、CPU101は、S11に戻って同様の処理を繰り返す。すなわち、CPU101
は、次の1ライン分の印刷データに基づいて、前述の場合と同様の処理により当該印刷デ
ータを印刷する処理を実行する。このような処理を繰り返すことにより、所望の画像をレ
ンズシート12に印刷することができる。
また、S11において、NOと判断されると、CPU101は、S18に進み、発光部
61が発光状態となっている場合には発光部61の発光を停止させる(S18)。さらに
、PFモータ41を駆動し、レンズシート12を排出する処理を実行する(S19)。こ
の結果、印刷が完了したレンズシート12は、プリンタ10の外部に排出される。
<擬似ENC信号の生成の概略>
次に、擬似ENC信号を生成する際の処理フローの概略を示す図である。図14は、擬
似ENC信号を生成する際の処理フローの概略を示す図である。なお、図10における構
成の説明において、動作の概略に関して既に説明が為されている。そのため、以後の処理
フローにおいては、説明を簡略化し、処理の概略について説明する。
図14に示すように、まず、上述したような経過時間Aに関する情報と、経過時間Bに
関する情報に基づいて、正規化を行う(S131)。なお、正規化の詳細は、上述した通
りである。
続いて、正規化により求められたスコアから、対応値(図11においてはLPI)の検
索を行う(S132)。続いて、求められた対応値を、結果記録部113cに記憶させる
(S133)。
また、擬似ENC信号生成部116では、レンズ間隔記憶部115に記憶されている経
過時間Bに関する情報に基づいて、所定の分割数(図10では、分割数は1〜4)でレン
ズ信号を分割する分割処理を行い、擬似ENC信号(正確には、擬似ENC信号として出
力される候補)を生成する(S134)。なお、この擬似ENC信号の生成処理は、S1
31〜S133とは独立して行っているものの、S131〜S133のいずれかの処理の
後に、擬似ENC信号を生成する処理を開始しても良い。
S133およびS134の処理が終了した後に、結果記録部113cに記憶されている
対応値に基づいて、信号選択部117では、選択する擬似ENC信号を決定する(S13
5)。以上のようにして、レンズ信号に基づいた、1つの擬似ENC信号が出力される。
このような構成のプリンタ10によれば、レンズ検出センサ60により出力されるレン
ズ信号よりも、より細かく分割された擬似ENC信号を出力可能となる。また、擬似EN
C信号も、レンズ信号と同様に、レンズシート12の実際のレンズ解像度を反映させてい
る。このため、擬似ENC信号に基づいて、印刷ヘッド32等の駆動を制御すれば、実際
のレンズ解像度に対応させて印刷可能となり、印刷精度を向上可能となる。加えて、レン
ズ信号の分割により、きめの細かな印刷を実現することが可能となる。
また、レンズ解像度決定部113aでは、経過時間Aと経過時間Bとに基づいて、それ
らの比であるスコアを算出することに基づいて、対応値が算出され、この対応値に基づい
て分割数が定められ、1分割処理部116a〜4分割処理部116dから出力されるいず
れかの擬似ENC信号が決定される。そのため、出力される擬似ENC信号は、ENC信
号に、周期を近似させることができ、当該擬似ENC信号に基づいて印刷ヘッド32等を
制御駆動させても、プリンタ10のレンズシート12に対する印刷特性が、大幅に変わら
ない状態で印刷可能となる。
さらに、図11に示すテーブルを用いる場合、スコアと対応値(レンズ解像度)との間
の対応関係を示すテーブルを参照すれば、自動的にレンズ解像度が決定される。そのため
、決定されるレンズ解像度に基づいて、レンズ信号を分割して擬似ENC信号を生成する
ための分割数も一義的に定めることが可能となる。
さらに、スコアとレンズ解像度との間の対応関係を参照するだけで、レンズ解像度およ
び整数が決定されるので、キャリッジ30の速度等に依存しなくなり、当該キャリッジ3
0の速度変動による影響を受け難くなる。すなわち、レンズ信号を生成するレンズ検出セ
ンサ60とENC信号を生成するリニアエンコーダ80とは、キャリッジ30の移動に際
して、同期的にレンズ信号またはENC信号を生じさせている。そのため、これらの比で
あるスコアを算出すれば、キャリッジ30の速度変動による影響を排除可能となる。
また、スコアを算出し、テーブルを参照するのみで、レンズ解像度が決定されるので、
別途ハードウエア等を設けずに済み、当該ハードウエアの追加等によるコストの増加を抑
えることが可能となる。また、自動的にレンズ解像度が算出されるので、ユーザ側でレン
ズ解像度を入力する等の作業が不要となり、ユーザの利便性を向上させることが可能とな
る。
また、図12に示すテーブルを用いる場合、スコアが算出されると対応値(分割数)も
決定される。そのため、分割数を算出する処理速度を向上させることが可能となる。また
、図11に示すテーブルの場合と同様に、キャリッジ30の速度等に依存しなくなり、当
該キャリッジ30の速度の変動による影響を受け難くなる。また、自動的に分割数が算出
されるので、ユーザ側で分割数決定のためのレンズ解像度を入力する等の作業が不要とな
り、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
また、擬似ENC信号生成部116では、レンズ信号に基づいて、より細分化された擬
似ENC信号を出力することが可能となる。このとき、擬似ENCは、レンズシート12
の実際のレンズ解像度を反映させている。このため、擬似ENC信号に基づいて、印刷ヘ
ッド32等の駆動を制御すれば、印刷精度を向上させることが可能となると共に、きめの
細かな印刷を実現することが可能となる。
さらに、擬似ENC信号を生成する場合、周期の小さなクロック数のカウントにより、
生成している。そのため、レンズ信号を所望の大きさの周期に分割して、擬似ENC信号
を生成することが可能となる。
また、レンズ検出センサ60は、透過方式のセンサであるため、反射方式を採用したレ
ンズ検出センサを用いる場合と比較して、受光部62で捕えることのできる光量が多くな
り易く、レンズ解像度の検出性能を向上させることが可能となる。加えて、本実施の形態
では、発光部61がプラテン50に設けられているため、光はレンチキュラーレンズ12
Aに入射された後に、境界面Qのうち各凸レンズ12A1の曲率中心の焦点に収束され、
その後に出射される。このため、種々の方向から光がレンズシート12に入り込んでも、
レンズシート12を通過する光は、焦点に収束された後に拡散される状態となり、レンズ
解像度に応じたコントラストを一層明確にすることが可能となり、検出精度を高めること
が可能となる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について、図15から図20に基づいて説明する。本
実施の形態では、図15に示すように、上述の擬似ENC信号出力機構110に入力され
るレンズ信号は、補正レンズ信号となっており、レンズ信号補正部120(レンズ信号補
正手段に対応)で処理された後に、擬似ENC信号出力機構110に入力されている。ま
た、擬似ENC信号出力機構110から出力される擬似ENC信号は、吐出制御部130
に入力される。以下、その詳細について説明する。
また、図16に示すように、レンズ信号補正部120には、ENC細分化処理部121
と、補正処理部122と、が設けられている。さらに、ENC細分化処理部121には、
カウント制御部121aと、カウント情報記憶部121bと、ラッチ部121cと、信号
生成部121dと、分割数決定部121eと、が設けられている。
カウント制御部121aには、ENC信号と、クロック信号とが入力される。このカウ
ント制御部121aには、クロック信号が入力され、そのクロック信号のポジティブエッ
ジ(=立ち上がり;以下同様)が検出される度に、カウント情報記憶部121bにおいて
一時的に記憶されているカウント値(カウント値Ca)を、+1ずつ加算する状態で更新
する機能を有している。また、カウント制御部121aが、ENC信号のポジティブエッ
ジE1(図17参照)を検出する場合、該カウント制御部121aは、カウント情報記憶
部121bにおけるカウント値Caをゼロにする(ゼロクリアする)ように制御する。ま
た、かかるカウント情報記憶部121bにおけるゼロクリアと同時に、ENC信号のポジ
ティブエッジE1が検出されるまでのカウント値Caを、ラッチ部121cにコピーする
ように、カウント情報記憶部121bおよびラッチ部121cを制御する。
また、カウント情報記憶部121bには、カウント制御部121aからの指令に基づい
て、クロック信号のポジティブエッジの個数に対応するカウント値Caを、+1ずつ加算
する状態で一時的に記憶される。また、カウント情報記憶部121bが、カウント制御部
121aからENC信号のポジティブエッジに対応する出力信号を受信した場合、カウン
ト情報記憶部121bは、自身が一時記憶しているカウント値Caをラッチ部121cに
出力すると共に、自身が一時記憶しているカウント値Caをゼロクリアする。そして、再
びカウント制御部121aからの指令に基づいて、クロック信号のポジティブエッジの個
数に対応するカウント値Caを記憶する。
また、ラッチ部121cには、前回(図17における間隔B10)のポジティブエッジ
E1までのカウント値Caが記憶される。このため、ラッチ部121cに記憶されている
カウント値Caは、前回のENC信号の1周期におけるクロック信号の周期の個数となる
。また、ラッチ部121cに記憶されているカウント値Caは、信号生成部121dに出
力される。なお、ラッチ部121cに記憶されるカウント値Caは、複数記録可能として
も良い。また、次に述べる信号生成部121dで分割値Sを得る前に、カウント値Caを
バッファし、キャリッジ30の加減速に対応させるようにしても良い。ここで、複数のカ
ウント値Caをバッファする場合、FIFO(ファーストインファーストアウト)でバッ
ファしているカウント値Caを参照する。
また、信号生成部121dでは、ラッチ部121cに記憶されている一番古いカウント
値Caが入力されると共に、上述したクロック信号も入力される。この信号生成部121
dでは、分割数決定部121eで予め設定されている分割数Nに基づいて、カウント値C
aを分割し、分割値Sを得る。また、信号生成部121dは、入力されるクロック信号の
個数をカウントする。そして、カウントしているカウント値Cbが、設定された分割値S
に到達した場合、この信号生成部121dから出力される信号を、HiとLowとの間で
切り替える働きをする。このようにすれば、1つのENC信号が分割数Nで区切られて細
分化される、細分化ENC信号(細分化信号に対応)が信号生成部121dで生成され、
補正処理部122に出力される(図17参照)。
なお、分割数決定部121eには、予め設定された、または別途算出される分割数Nが
記憶されている。この分割数Nは、細分化ENC信号を生成する際の基準となる数であり
、例えば64等のような、十分な大きさの数であることが望ましい。
また、補正処理部122には、上述の信号生成部121dで生成される細分化ENC信
号と、上述の2値化処理部93で生成されるレンズ信号とが入力される。図18に示すよ
うに、補正処理部122では、レンズ信号のポジティブエッジA1を検出した直後に、細
分化ENC信号のポジティブエッジC1を検出する場合、Hiの信号を生成し、該Hiの
信号を出力する。また、レンズ信号のネガティブエッジA2を検出し、かつ細分化ENC
信号のポジティブエッジC1を検出する場合、Lowの信号を生成し、該Lowの信号を
出力する。このようにして、ポジティブエッジA1が検出されてから、僅かな時間差をお
いて補正レンズ信号のポジティブエッジB1が形成される状態となる。また、ネガティブ
エッジA2が検出されてから、僅かな時間差をおいて補正レンズ信号のネガティブエッジ
B2が形成される状態となる。
なお、補正レンズ信号の1周期分に対して、細分化ENC信号の64周期分が対応する
等のように、補正レンズ信号は、細分化ENC信号に対して、十分に長い周期を持つこと
が望ましい。また、上述の説明においては、レンズ信号のポジティブエッジA1および/
またはネガティブエッジA2が検出された後、細分化ENC信号のポジティブエッジC1
が検出されてから、補正レンズ信号のHiおよび/またはLowの切り替えを行っている
。しかしながら、レンズ信号のポジティブエッジA1および/またはネガティブエッジA
2が検出された後、細分化ENC信号のネガティブエッジが検出された場合に、補正レン
ズ信号のHiおよび/またはLowの切り替えを行うようにしても良い。
以上のようにして、補正処理部122では、Hiおよび/またはLowの信号から構成
され、かつ細分化ENC信号のポジティブエッジC1をHiおよび/またはLowの切り
替わりの基準とする、新たな補正レンズ信号を、上述した擬似ENC信号出力機構110
に出力し、擬似ENC信号出力機構110では、この補正レンズ信号を用いて擬似ENC
信号を生成する。また、擬似ENC信号出力機構110から出力される擬似ENC信号は
、吐出制御部130に入力される。この吐出制御部130は、制御手段に対応し、擬似E
NC信号を所定倍し、タイミング信号PTS(Print Timing Signal)を生成する。また
、吐出制御部130は、このタイミング信号PTSに基づいて、印刷ヘッド32に別途供
給される駆動信号のタイミング制御を行っている。
以上のような構成を用いて、プリンタ10を作動させる場合において、細分化ENC信
号の生成および補正レンズ信号の生成に関して、図19および図20のフローに基づいて
以下に説明する。
<細分化ENC信号の生成>
図19は、細分化ENC信号を生成する処理フローを示す図である。この図19に基づ
いて説明すると、プリンタ10が具備する不図示の発振器により、各部の同期を取るため
のクロック信号が出力されている。カウント制御部121aにも、このクロック信号が入
力されるが、さらにカウント制御部121aには、ENC信号も入力される(S1301
)。ここで、クロック信号のポジティブエッジが検出される度に、カウント制御部121
aは、カウント情報記憶部121bに更新情報を送信し、カウント情報記憶部121bに
記憶されるカウント値Caを+1ずつ加算していく(S1302)。
また、クロック信号のカウント開始後、カウント制御部121aでは、ENC信号のポ
ジティブエッジE1が検出されたか否かを判断する(S1303)。この判断において、
ポジティブエッジE1が検出されたと判断される場合(Yesの場合)、S1304に進
み、検出されないと判断される場合(Noの場合)、上述のS1302に戻る。
S1303でYesの場合、カウント制御部121aは、カウント情報記憶部121b
に記憶されているカウント値Caを、ラッチ部121cに送信する(S1304)。また
、この送信後、カウント情報記憶部121bに記憶されているカウント値Caをクリアす
る(S1305)。
次に、細分化ENC信号のHiとLowの切り替わり間隔Sを求める(S1306)。
この詳細を説明すると、まず、ラッチ部121cに記憶されているカウント値Caが、信
号生成部121dに読み出される。加えて、信号生成部121dでは、分割数決定部12
1eで予め設定されている分割数N(例;N=10等)を読み込む。そして、この分割数
Nでカウント値Caを分割して、分割値Sを算出する。例えば、分割数N=10であると
共に、ENC信号のポジティブエッジ間のカウントにより得られるカウント値Caが10
000である場合、ENC信号のネガティブエッジE2も考慮して、10000/10×
2により、切り替わり間隔Sは、500と求められる。以上のようにして、切り替わり間
隔Sが求められる。
かかる切り替わり間隔Sが求められた後に、細分化ENC信号の出力が開始される(S
1307;図17参照)。続いて、信号生成部121dでは、クロック信号のカウントを
行い、カウント値Cbの算出(加算)を行う(S1308)。そして、カウント値Cbが
上述の切り替わり間隔Sに到達したか否かを判断する(S1309)。この判断において
、到達したと判断される場合(Yesの場合)、次のS1310に進む。また、到達しな
いと判断される場合(Noの場合)、上述のS1307に戻る。
S1309でYesの場合、信号生成部121dでは、出力される信号を切り替える(
S1310)。例えば、カウント値Cbが切り替わり間隔Sに到達すると判断される前の
段階で、信号生成部121dがLowの信号を出力していると仮定すると、切り替わり間
隔Sに到達したと判断される場合、Lowの信号をHiの信号に切り替える。次に、分割
数Nを全て処理したか否かを判断する(S1311)。以上のようにして、ENC信号に
基づいて、細分化ENC信号が出力される。このとき、信号生成部121dでは、例えば
カウント値で10000がENC信号の1周期に対応していたものを、カウント値で50
0ごとにHi/Lowの信号を出力することにより、1周期が1000に対応する細分化
ENC信号を出力することができる。
<補正レンズ信号の生成>
図20は、補正レンズ信号を生成する処理フローを示す図である。この図20に示すよ
うに、補正レンズ信号を生成するためには、入力される細分化ENC信号がポジティブエ
ッジであるか否かを判断する(S1321)。この判断において、ポジティブエッジであ
ると判断される場合(Yesの場合)、S1322に進み、ポジティブエッジでないと判
断される場合(Noの場合)、S1324に進む。上述のS1321でYesの場合、続
いて、レンズ信号がHiであるか否かを判断する(S1322)。レンズ信号がHiであ
ると判断される場合(Yesの場合)、続いてS1323に進み、補正レンズ信号をHi
に設定する(S1323)。逆に、レンズ信号がHiでないと判断される場合(Lowの
場合)、S1324に進み、補正レンズ信号をLowに設定する(S1324)。
また、S1323およびS1324の処理を経た場合、設定値に応じた信号を生成する
(S1325)。設定値に応じた信号とは、上述のS1323およびS1324でHiま
たはLowに設定された補正レンズ信号を指す。以上のようにして、補正レンズ信号が生
成される。
このような構成のプリンタ10によれば、ENC信号を細分化した細分化ENC信号に
基づいて、補正処理部122でレンズ信号を補正した、補正レンズ信号を出力している。
このため、レンズ信号は、ENC信号ベースの細分化ENC信号で補正されることで、印
刷ヘッド32等の駆動タイミングは、細分化ENC信号をベースとして生成される補正レ
ンズ信号が基準となる。このため、印刷ヘッド32等の駆動タイミングがレンズ信号に対
して整合しないことによる、動作の安定性が得られない、といった不具合が生じるのを防
止可能となる。
また、細分化ENC信号をベースとして、補正レンズ信号を作成し、この補正レンズ信
号から擬似ENC信号が作成されるため、印刷ヘッド32等の駆動部位において、ENC
信号と擬似ENC信号との間における信号切り替えがスムーズとなる。
また、擬似ENC信号出力機構110から出力される擬似ENC信号は、吐出制御部1
30に入力され、その後、この吐出制御部130によって、印刷ヘッド32が制御駆動さ
れる。それにより、印刷を行うと、ENC信号と同等の周期で印刷ヘッド32を駆動させ
ることが可能となる。加えて、検出されたレンズ解像度を反映させながらも、ENC信号
をベースとする細分化レンズ信号により、レンズシート12に対する印刷を実行可能とな
る。このため、動作保証が為されつつ、高精細な印刷を実現することが可能となる。
以上、本発明の各実施の形態について述べたが、本発明は、種々変形可能である。以下
、それについて述べる。
上述の第2の実施の形態では、リニアエンコーダ80においてENC信号を細分化し、
レンズ信号を補正する場合について述べている。しかしながら、本発明は、リニアエンコ
ーダのみならず、ロータリエンコーダ172について適用することも、勿論可能である。
なお、ロータリエンコーダ172に本発明を適用する場合、該ロータリエンコーダ172
が、エンコーダ信号出力手段に対応する状態となる。また、この場合、凸レンズ12A1
の長手が副走査方向に沿う状態ではなく、主走査方向に沿う状態とするのが望ましい。こ
のようにする場合、ロータリエンコーダ172のスケール172aのラインパターン検出
によってENC信号を出力して、さらに検出されるレンズ信号から擬似ENC信号を出力
し、上述と同様のスコアを算出し、このスコアと対応値との関係により、選択される擬似
ENC信号を決定しても良い。
また、上述の各実施の形態においては、レンズ検出センサ60は、ホームポジションか
ら離間する部位に、1つのみ設けられている。しかしながら、レンズ検出センサ60の個
数は1つには限られず、キャリッジ30に複数個設けるようにしても良い。例えば、キャ
リッジ30の下面のうち、主走査方向の両端にそれぞれレンズ検出センサ60を取り付け
る場合、キャリッジ30の往復動のそれぞれにおいて、印刷よりも先にレンズピッチ(レ
ンズ解像度)を計測することが可能となり、レンズシート12に対する印刷を往復動のそ
れぞれで実行可能となる。
また、上述の各実施の形態では、ENC信号およびレンズ信号は、パルス信号であると
共に、エンコーダ周期情報および/またはレンズ周期情報は、これらのポジティブエッジ
および/またはネガティブエッジとなっている。しかしながら、ENC信号およびレンズ
信号がアナログ信号であっても良い。これらがアナログ信号である場合、電圧の所定のし
きい値を、エンコーダ周期情報および/またはレンズ周期情報とすれば、カウント値等を
算出することが可能となる。
また、上述の各実施の形態では、レンズシート12は、凸レンズ12A1が多数並べら
れる構成となっているが、レンズシートはこれには限られず、凹レンズが多数並べられる
構成のレンズシートであっても良い。なお、この場合には、上述の各処理は、ポジティブ
エッジではなく、ネガティブエッジを検出したときを基準とするのが好ましい。
また、上述の各実施の形態では、プリンタ10は、印刷のみを行うものには限られず、
コピー・ファックス・スキャナ機能も兼ねている複合的なプリンタであっても良い。また
、上述の実施の形態においては、レンズシート12に対して印刷画像を直接印刷する、直
描型の場合について述べている。しかしながら、別途印刷された印刷物をレンズシートに
貼り合わせる、分離型の場合についても、本発明を適用することは勿論可能である。
第1の実施の形態のレンズ検出センサの構成を示す正面断面図である。 プリンタの構成を示す概略図である。 プリンタの紙送りに関する部分の一側断面図である。 キャリッジの下面を示す底面図である。 レンズ検出センサ等の構成を示す側断面図である。 プラテン付近の形状を示す側断面図である。 ギャップセンサの構成を示す模式図である。 信号出力部の構成を示すブロック図である。 レンズピッチ検出のアナログ信号とデジタル信号を示す図である。 擬似ENC信号出力機構の概略構成を示す図である。 スコアとレンズ解像度とを対応させているテーブルを示す図である。 スコアと分割数とを対応させているテーブルを示す図である。 レンズシートに印刷を実行する処理フローの全体を示す図である。 擬似ENC信号出力機構での処理フローの概略を示す図である。 レンズ信号補正部および吐出制御部を含む概略構成を示す図である。 レンズ信号補正部の概略構成を示す図である。 ENC信号から細分化ENC信号を生成するイメージを示す図である。 補正レンズ信号および細分化レンズ信号のイメージを示す図である。 細分化ENC信号を生成する処理フローを示す図である。 補正レンズ信号を生成する処理フローを示す図である。
符号の説明
10…プリンタ、12…レンズシート、20…キャリッジ機構、30…キャリッジ、4
0…用紙搬送機構、50…プラテン、60…レンズ検出センサ(レンズ検出手段に対応)
、61…発光部、62…受光部、80…リニアエンコーダ(エンコーダ信号出力手段に対
応)、81…スケール、100…制御部、110…擬似ENC信号出力機構、111…E
NC計測部(エンコーダ信号カウント手段)、112…ENC間隔記憶部、113…正規
化処理部、113a…レンズ解像度決定部(スコア算出手段および検索手段に対応)、1
14…レンズ計測部(レンズ信号カウント手段に対応)、115…レンズ間隔記憶部、1
16…擬似ENC信号生成部(レンズ信号分割手段に対応)、116a〜116d…分割
処理部(信号分割処理部に対応)、117…信号選択部、120…レンズ信号補正部(レ
ンズ信号補正手段に対応)、130…吐出制御部、121…ENC細分化処理部、122
…補正処理部

Claims (11)

  1. 複数のレンズが配置されているレンズシートに印刷を実行するためのプリンタにおいて、
    上記レンズシートを走査することにより、該レンズシートにおける上記レンズのレンズ解像度に応じたレンズ信号を出力するレンズ検出手段と、
    スケールを走査することにより、該スケール上に設けられているパターンに応じてエンコーダ信号を出力するエンコーダ信号出力手段と、
    上記レンズ信号の周期に関する第1経過時間情報を算出するレンズ信号カウント手段と、
    上記エンコーダ信号の周期に関する第2経過時間情報を算出するエンコーダ信号カウント手段と、
    上記第1経過時間情報と上記第2経過時間情報とに基づいて、上記レンズ信号を所望の大きさの周期に細分化し、上記エンコーダ信号の周期に近似させた分割レンズ信号を出力するレンズ信号分割手段と、
    を具備することを特徴とするプリンタ。
  2. 前記レンズ信号分割手段は、
    複数設けられている整数のそれぞれで前記第1経過時間情報を除算することにより、それぞれの整数に対応する前記分割レンズ信号を出力する信号分割処理部と、
    前記第2経過時間情報に対する前記第1経過時間情報の比であるスコアを算出するスコア算出手段と、
    上記スコアに対応付けされた対応値を有するテーブルから検索され、検索結果を記憶する結果記録部に記憶された上記対応値に基づいて上記整数を選択し、この整数に対応する前記分割レンズ信号を選択して出力させる信号選択部と、
    を具備することを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
  3. 前記レンズ信号分割手段は、
    前記スコアと、前記レンズシートのレンズ解像度との関係を示す第1テーブルを記憶する対応記録部と、
    上記第1テーブルの中から、前記スコアに対応する上記レンズ解像度の値を検索する検索手段と、
    上記検索手段により検索された検索結果を記憶する結果記録部と、
    を具備すると共に、
    前記信号選択部は、この結果記録部に記憶されている上記検索結果に基づいて、前記整数を選択する、
    ことを特徴とする請求項2記載のプリンタ。
  4. 前記レンズ信号分割手段は、
    前記スコアと、前記分割数との関係を示す第2テーブルを記憶する対応記録部と、
    上記第2テーブルの中から、前記スコアに対応する前記分割数を検索する検索手段と、
    上記検索手段により検索された検索結果を記憶する結果記録部と、
    を具備すると共に、
    前記信号選択部は、この結果記録部に記憶されている前記整数を読み出して、前記分割レンズ信号を選択する、
    ことを特徴とする請求項2記載のプリンタ。
  5. 前記レンズ信号は、前記エンコーダ信号を分割した細分化エンコーダ信号に基づきレンズ信号補正手段によって補正された後に、前記レンズ信号分割手段で分割処理されて前記分割レンズ信号を生成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のプリンタ。
  6. 前記レンズ信号補正手段は、
    前記エンコーダ信号が入力されると共に、前記細分化エンコーダ信号を出力するENC細分化処理部と、
    前記細分化エンコーダ信号が入力されると共に、入力された前記細分化エンコーダ信号に基づいて前記レンズ信号を補正し、補正レンズ信号を出力する補正処理部と、
    を具備することを特徴とする請求項5記載のプリンタ。
  7. 前記レンズ信号分割手段および前記ENC細分化処理部は、クロック信号のカウントに基づいて、前記分割レンズ信号および前記細分化エンコーダ信号を出力することを特徴とする請求項6記載のプリンタ。
  8. 前記エンコーダ信号出力手段は、前記レンズシートに向けてインク滴を吐出する印刷ヘッドの主走査方向における位置検出を行うためのリニアエンコーダであると共に、前記スケールは、上記主走査方向に沿って配置されるリニアスケールであり、
    前記レンズ検出手段は、上記リニアエンコーダと同時に上記主走査方向に移動しつつ前記レンズシートにおける前記レンズの該主走査方向に沿うレンズ解像度を検出する、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のプリンタ。
  9. 前記信号選択部で選択された後に出力される前記分割レンズ信号は、制御手段に入力されると共に、この制御手段は、インク滴を前記レンズシートに向けて吐出する印刷ヘッドの駆動を制御することを特徴とする請求項2から8のいずれか1項に記載のプリンタ。
  10. 前記レンズ検出手段は、
    前記レンズシートに向けて光を出射すると共に、前記レンズシートの搬送状態において該レンズシートを挟んでキャリッジとは反対側に設けられる発光部と、
    上記キャリッジに取り付けられると共に、上記発光部から出射された後に前記レンズシートを透過する光が入射され、該入射される光の強度に応じた検出信号を出力する受光部と、
    を具備することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のプリンタ。
  11. 複数のレンズが配置されているレンズシートに印刷を実行するための印刷方法において、
    上記レンズシートを走査することにより、該レンズシートにおける上記レンズのレンズ解像度に応じたレンズ信号を出力するレンズ信号出力工程と、
    スケールを走査することにより、該スケール上に設けられているパターンに応じてエンコーダ信号を出力するエンコーダ信号出力工程と、
    上記レンズ信号の周期に関する第1経過時間情報を算出するレンズ信号カウント工程と、
    上記エンコーダ信号の周期に関する第2経過時間情報を算出するエンコーダ信号カウント工程と、
    上記第1経過時間情報と上記第2経過時間情報とに基づいて、上記レンズ信号を所望の大きさの周期に細分化し、上記エンコーダ信号の周期に近似させた分割レンズ信号を出力するレンズ信号分割工程と、
    を具備することを特徴とする印刷方法。
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