JP2005320461A - 耐熱性シリコーン接着剤 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 (A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン、
(B)珪素原子に結合する水素原子を一分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)ヒドロシリル化反応触媒、
(D)耐熱向上剤、
(E)接着付与成分として、珪素原子に結合する水素原子を一分子中に少なくとも1個有し、かつ分子鎖末端がアルコキシ化されているか、又は分子鎖末端もしくは分子鎖途中の珪素原子が炭素原子を介してアルコキシシリル基を有する、直鎖状又は分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン
を含有する耐熱性シリコーン接着剤。
【効果】 本発明は、耐久試験を行っても長期に亘って安定した接着を維持することが可能な耐熱用接着剤を提供できる。この接着剤は、電気・電子関連の分野で特に性能向上が期待できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、200℃以上の高温下でもゴム物性を保持し、かつ接着力を維持することが可能となる耐熱性シリコーン接着剤に関するものである。
従来の技術では、シリコーン組成物中に、アセチレンブラックや酸化鉄を添加することにより耐熱性向上を行っている。また、特公平2−53465号公報(特許文献1)に記載されているように、接着を有利にするためにオキシラン基やアルコキシ基を含む有機珪素化合物を添加している。しかしながら、このような組成物では、長期間高温状態に放置すると接着力の低下又は、測定前剥離の状態となってしまう。
特公平2−53465号公報
本発明の目的は、耐熱試験を行っても長期に亘って安定したゴム物性並びに接着性を維持することが可能な耐熱性付加反応硬化型シリコーン接着剤を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、付加反応硬化型シリコーン組成物に対し、耐熱向上剤と、接着付与成分として、珪素原子に結合する水素原子を一分子中に少なくとも1個有し、かつ高分子の末端がアルコキシ化されているか、又は末端もしくは側鎖の珪素原子が炭素原子を介してアルコキシシリル基を有する直鎖状又は分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを添加することにより、耐熱性が良好で、しかも長期に亘って安定した接着を維持することができるシリコーン接着剤が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、
(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)珪素原子に結合する水素原子を一分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の一分子中に含まれる珪素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分のジオルガノポリシロキサンが有するアルケニル基1モル当たり、0.1〜5.0モルとなる量、
(C)触媒量のヒドロシリル化反応触媒、
(D)耐熱向上剤:1〜300質量部、
(E)接着付与成分として、珪素原子に結合する水素原子を一分子中に少なくとも1個有し、かつ分子鎖末端がアルコキシ化されているか、又は分子鎖末端もしくは分子鎖途中の珪素原子が炭素原子を介してアルコキシシリル基を有する、直鎖状又は分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1〜20質量部
を含有することを特徴とする耐熱性シリコーン接着剤を提供する。
本発明は、耐久試験を行っても長期に亘って安定した接着を維持することが可能な耐熱用接着剤を提供できる。この接着剤は、電気・電子関連の分野で特に性能向上が期待できる。
(A)アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン
本発明に用いるアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するもので、通常は主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のものであるのが一般的であるが、これは分子構造の一部に分枝状の構造を含んだものであってもよく、また環状体であってもよいが、硬化物の機械的強度等の物性の点から直鎖状のジオルガノポリシロキサンが好ましい。該アルケニル基は、分子鎖の両末端のみに存在していても、あるいは分子鎖の両末端及び分子鎖の途中に存在していてもよい。このようなアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンの代表例としては、例えば、下記一般式(1)
Figure 2005320461
(式中、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、Xはアルケニル基であり、nは0又は1以上の整数であり、mは0又は1以上の整数である。)
で表されるジオルガノポリシロキサンが挙げられる。
上記一般式(1)中、R1の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、並びにこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部がフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基などが挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に炭素原子数が1〜6のものであり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基、フェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基である。
上記一般式(1)中、Xのアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等の通常炭素原子数2〜8程度のものが挙げられ、中でもビニル基、アリル基等の低級アルケニル基が好ましい。
上記一般式(1)中、nは0又は1以上の整数であり、mは0又は1以上の整数である。また、n及びmは、10≦n+m≦10,000を満たす整数であるのが好ましく、より好ましくは50≦n+m≦2,000であり、かつ0≦m/(n+m)≦0.2を満足する整数であるが、アルケニル基は珪素原子に結合する全有機基(全R1及びX)中、0.01〜20モル%、特に0.05〜10モル%であることが好ましい。
また、このようなアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、オストワルド粘度計又は回転粘度計による測定値で25℃における粘度が10〜1,000,000mPa・s、特に100〜500,000mPa・s程度のものが好ましい。
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
本発明に用いるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上の珪素原子に結合する水素原子(即ち、SiH基)を含有するものであり、直鎖状、分岐状、環状、あるいは三次元網状構造の樹脂状物のいずれでもよい。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの代表例としては、例えば、下記平均組成式(2):
a2 bSiO(4-a-b)/2 (2)
(式中、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、a及びbは、0<a<2、0.8≦b≦2かつ0.8<a+b≦3となる数であり、好ましくは0.05≦a≦1、0.9≦b≦2かつ1≦a+b≦2.7となる数である。)
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
上記式(2)中、R2の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基としては、前記一般式(1)のR1として例示したものと同様のものが挙げられ、代表的なものは、炭素原子数が1〜10、特に炭素原子数が1〜7のものであり、好ましくはメチル基等の炭素原子数1〜3の低級アルキル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの例としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8−ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体等、R2(H)SiO1/2単位とSiO4/2単位からなり、任意にR3SiO1/2単位、R2SiO2/2単位、R(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2単位又はRSiO3/2単位を含み得るシリコーンレジン(但し、式中、Rは前記のR2として例示した非置換又は置換の1価炭化水素基と同様のものである)などが挙げられる。
本発明に用いるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、公知の方法で得ることができ、例えば、一般式:R2SiHCl2及びR2 2SiHCl(式中、R2は前記と同じである)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを共加水分解し、あるいは該クロロシランと一般式:R2 3SiCl及びR2 2SiCl2(式中、R2は前記と同じである)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを組み合わせて共加水分解して得ることができる。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、このように共加水分解して得られたポリシロキサンを平衡化したものでもよい。
(B)成分の使用量は、(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン中のアルケニル基1モル当たり、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン中の珪素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)が、通常0.1〜5モルとなるような量、好ましくは0.5〜2.5モル、より好ましくは1.0〜2.0モルとなるような量である。
(C)ヒドロシリル化反応触媒
本発明に用いるヒドロシリル化反応触媒としては、白金族金属系触媒が好適に使用される。白金族金属系触媒は、前記の(A)成分のアルケニル基と(B)成分の珪素原子に結合する水素原子との付加反応を促進するための触媒であり、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられる。その具体例としては、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;
2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(但し、式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩、アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照)、塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照)、白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの、ロジウム−オレフィンコンプレックス、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックスなどが挙げられる。
(C)成分の使用量は、所謂触媒量でよく、通常、(A)成分及び(B)成分の合計量に対する白金族金属の重量換算で、通常0.1〜1,000ppm、好ましくは0.1〜500ppm、特には0.5〜200ppm程度でよい。
(D)耐熱向上剤
耐熱向上剤としては、公知のものが使用でき、三二酸化鉄と呼ばれるいわゆるベンガラ又はカーボン粉末が望ましく、その配合量は、(A)成分100質量部に対し、1〜300質量部の範囲である。特に、前者の三二酸化鉄の場合、一般的に平均粒径が50μm以下(通常0.1〜50μm、好ましくは0.1〜2μm程度)の微粉末状である。好ましい添加量としては、(A)成分100質量部に対して、5〜300質量部であり、最も望ましい添加量は20質量部以上100質量部以下である。
また、後者のカーボン粉末の例としては、一般的に知られているアセチレンブラックやファーネスブラック等のカーボンブラックなどが挙げられる。これらの平均粒子径は一般的には200nm以下(通常1〜200nm)である。好ましい添加量としては、(A)成分100質量部に対して、1〜50質量部がよく、望ましくは5〜20質量部である。
(E)接着付与成分
接着付与成分としては、珪素原子に結合する水素原子(即ち、SiH基)を一分子中に少なくとも1個有し、かつ分子鎖末端がアルコキシ化されているか、又は分子鎖末端もしくは分子鎖途中の珪素原子が炭素原子を介してアルコキシシリル基を有する、直鎖状又は分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いる。この化合物の特徴は、直鎖状又は分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサンにおいて、アルコキシ基やアルコキシシリル基を有することである。
より具体的には、一分子中に存在するSiH基の数は1〜30、好ましくは1〜25個、更に好ましくは2〜10個であり、分子鎖末端のアルコキシ基(即ち、シロキサン構造(Si−O−Si)を構成する末端の珪素原子に直接結合したアルコキシ基、並びにシロキサン構造を構成する末端の珪素原子に炭素原子を介して結合したシリル基上のアルコキシ基)の数は、0〜6個であるが、分子鎖途中の珪素原子が炭素原子を介してアルコキシシリル基を有さない場合は1〜6個、特に2〜6個の末端アルコキシ基を有することが好ましい。一方、分子鎖途中の珪素原子(即ち、シロキサン構造を構成する非末端の珪素原子)に結合する炭素原子を介して存在するアルコキシシリル基上のアルコキシ基数は、0〜30個であるが、分子鎖末端にアルコキシ基を有さない場合は1〜30個、特に3〜30個の分子鎖途中の珪素原子に結合したアルコキシシリルアルキル基等の炭素原子を介して存在するアルコキシシリル基上のアルコキシ基を有することが好ましい。
この場合、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜6、特に1〜4のものが挙げられる。また、珪素原子と上記アルコキシシリル基とをつなぐ炭素原子は、炭素数1〜6、特に2〜4のアルキレン基として存在することが好ましい。更に、一分子中に存在する珪素原子数は2〜30、特に4〜20であることが好ましい。この珪素原子に結合する水素原子、アルコキシ基、炭素原子を介するアルコキシシリル基以外の有機基は、炭素数1〜10、特に1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基が好ましく、具体的にはR1で例示したものと同様のものを挙げることができる。
また、ここで特筆すべきは、エポキシ基、アルコキシシリル基及びSiH基をそれぞれ有する環状ポリシロキサンは、本願発明の接着付与成分としては含まれないことである。これは高温放置後、ゴム物性や接着性に悪影響を与えることを確認したためである。しかしながら、前記(A)成分や(B)成分中に通常含有される低分子環状ジメチルポリシロキサン(Dn:nは通常3〜20、特に4〜10量体)は、高温放置後のゴム物性や接着性に特に悪影響を与えるものではない。
以上の条件を満たす具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2005320461
なお、上記各式において、
Figure 2005320461
の各シロキサン単位の繰り返し数は合計が2〜30となるような任意の自然数をとり得る。
これらのオルガノハイドジェンポリシロキサンを用いることで、高温放置後でもゴム物性を著しく向上させることが可能となる。
(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部、特に0.5〜10質量部である。少なすぎると(E)成分の配合効果が達成されず、多すぎると、ゴム硬化物が非常に脆くなってしまい、接着剤としての効果を発揮できない。
その他の成分として、補強性のある微粉末状のシリカを配合することが推奨される。この微粉末シリカは硬化物の機械的強度を補強するためのもので、従来シリコーンゴムに使用されている公知のものでよく、例えば煙霧質シリカ、沈降シリカ、焼成シリカ、石英粉末、珪藻土などがある。これらは1種又は2種以上併用してもよい。これらのシリカ粒子は通常BET法による比表面積が50m2/g以上、特に50〜500m2/g程度のものが一般的である。このような微粉末シリカはそのまま使用してもよいが、本発明組成物に良好な流動性を付与させるため、メチルクロロシラン類、ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザンなどの有機珪素化合物で処理したものを使用することが好ましい。
更に、必要に応じて、例えば、ヒュームド二酸化チタン等の補強性無機充填剤、補強性のシリコーンレジン、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、カーボンブラック等の非補強性無機充填剤などを添加することができる。
これらの無機充填剤の使用量は、通常、該無機充填剤を除く成分の合計量100質量部当たり、通常、0〜200質量部である。
本発明の接着剤は、特にガラス等の無機質基材やアルミ、鉄などの金属基材と、ガラス等の無機質基材やアルミ、鉄などの金属基材との接着に有効に用いられるが、この場合、接着に際しては一方の被着体に本発明の接着体を0.1〜5mm、好ましくは0.5〜3mm、特に1.0〜3.0mmの厚さに塗布し、この上に他方の被着体を重ね、100〜150℃、特に110〜130℃で30〜240分、特に60〜120分の条件で硬化、接着することが好ましい。
この場合、本発明の接着剤によれば、剪断接着力試験において硬化、接着後、300℃で4週間放置しても凝集破壊率は90%以上であり、また300℃で4週間放置後の切断時伸びが70%以上、特に100%以上を保持するものである。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例、比較例]
下記(A)〜(F)成分を表1に示す量で用い、接着剤を調製した。この場合、まず(A),(D)成分を十分に混在させ、必要に応じてロールを用いて粉末を潰し、均一に混ざるようにした。その後、(B),(C),(E),(F)成分を添加し、十分に撹拌後、減圧脱泡を行った。
(A)成分:
Figure 2005320461
(nはこのシロキサンの25℃における粘度を10,000mPa・sとする数である。)
(B)成分:
Figure 2005320461
(C)成分:
白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体/トルエン溶液
白金元素含有量0.5質量%
(D)成分:
(D−1)カーボン粉末(アセチレンブラックHS100、電気化学工業(株)製)
(D−2)ベンガラ粉末(130ED、戸田工業(株)製)
(E−1)接着付与成分−1
Figure 2005320461
(E−2)接着付与成分−2
Figure 2005320461
(E−3)接着付与成分−3
Figure 2005320461
(E−4)有機珪素化合物
Figure 2005320461
(Meはメチル基を示す。)
(F)反応制御剤
エチニル−シクロヘキサノール/50%トルエン溶液
Figure 2005320461
次に、上記接着剤を120℃、60分で硬化し、硬さをデュロメータタイプAで測定し、引っ張り強さと切断時伸びをJIS K6249に準じて測定した。また、剪断接着力は図1に示したように、2枚のアルミニウム板1,1間に接着面積25mm×10mm、接着厚み2mmで上記接着剤の層2を形成し、120℃/60分で硬化後、上記アルミニウム板1,1を引っ張り速度500mm/minで互いに反対方向に引っ張り、剪断接着力を評価した。ここで、剪断接着力とは、上記試験サンプルを破壊するときに必要な力である。また、試験終了後、破断状況を観察した。上下のアルミニウム板全面にシリコーンが残存している場合は「CF100」、上下どちらかのアルミニウム板にしかシリコーンが残存しない場合は「AF100」とした。前者は破壊状態では理想的な状態(凝集破壊)であり、後者は好ましくない状態(界面剥離)である。また試験開始前に、試験サンプルが剥離するような場合は「測定前剥離」とした。120℃、60分で硬化させた初期状態の結果を表2に、300℃で1週間放置した後の結果を表3に、300℃で4週間放置した後の結果を表4に示す。
Figure 2005320461
Figure 2005320461
Figure 2005320461
上記のように、本発明に係る組成物を用いると、300℃×4週間という過酷な条件でもゴム物性を保持することが可能となる。なお、その比較的な例として、従来から用いられているエポキシ基を含む接着成分も合わせて試験したが、長期の耐熱には不向きであることがわかった。
剪断接着力の測定方法の説明図である。
符号の説明
1 アルミニウム板
2 接着剤層

Claims (2)

  1. (A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)珪素原子に結合する水素原子を一分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の一分子中に含まれる珪素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分のジオルガノポリシロキサンが有するアルケニル基1モル当たり、0.1〜5.0モルとなる量、
    (C)触媒量のヒドロシリル化反応触媒、
    (D)耐熱向上剤:1〜300質量部、
    (E)接着付与成分として、珪素原子に結合する水素原子を一分子中に少なくとも1個有し、かつ分子鎖末端がアルコキシ化されているか、又は分子鎖末端もしくは分子鎖途中の珪素原子が炭素原子を介してアルコキシシリル基を有する、直鎖状又は分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1〜20質量部
    を含有することを特徴とする耐熱性シリコーン接着剤。
  2. (D)耐熱向上剤が、カーボン粉末及び/又は三二酸化鉄であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性シリコーン接着剤。
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