JP4334159B2 - 基板検査システムおよび基板検査方法 - Google Patents

基板検査システムおよび基板検査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板検査システムおよび基板検査方法に関し、特に、荷電ビームを用いて基板表面のパターン等を観察し検査する基板検査システムおよび基板検査方法を対象とする。
【0002】
【従来の技術】
電子ビームを用いた半導体パターンの欠陥検査が行われている中で、矩形状の電子ビームを電子ビーム照射手段にて形成して検査対象である基板に一次ビームとして照射し、その基板表面部の形状/材質/電位の変化に応じて発生した二次電子、反射電子および後方散乱電子(以下、二次電子等という)を加速して二次ビームとして集束させ、写像投影手段にて電子検出部に拡大投影し、基板表面の状態を表す表面観察像を得る手法が特開平7−249393に記載されている。さらに、この手法に加えて一次ビームを電子ビーム偏向手段であるウィーンフィルタ(Wien filter)にて偏向させ、基板表面に対してほぼ垂直に入射させ、なおかつ二次ビームを同一のウィーンフィルタ内を直進させて写像投影手段に導く方法が特開平11−132975号出願にて提案されている。特開平11−132975号出願に示された基板検査システムの概略を図4を参照しながら説明する。なお、以下の各図において、同一の部分には同一の参照番号を付してその説明を適宜省略する。
【0003】
図4に示す基板検査システム200は、一次光学系1、これを制御する電子銃制御部16および複数段四極子レンズ制御部17、二次光学系2、これを制御する二次光学系レンズ制御部52,54〜56、電子検出部3、これを制御する電子検出制御部57、ウィーンフィルタ41、これを制御するウィーンフィルタ制御部53、ステージ43およびこれを駆動するステージ駆動装置47、ステージ43に印加される電圧を制御するステージ電圧制御部51、画像信号処理部58、ホストコンピュータ59、および表示部60を備えている。
【0004】
一次光学系1は、電子銃部10と複数段の四極子レンズ系を備えてる。電子銃部10は、長軸100〜700μm、短軸15μmの矩形の電子放出面を有するランタンヘキサボライド(LaB)線状陰極11、矩形開口を有するウエーネルト電極(Wehnelt cylinder)12、電子ビームを引出して一次ビーム5として照射する陽極13、およびビーム軸調整用の偏向器14を備えている。電子銃制御部16は、一次ビーム5の加速電圧、出射電流および光軸を制御する。また、四極子レンズ系は、複数段四極子レンズ制御部17の制御に基づいて一次ビーム5を集束する複数段四極子レンズ15を備えている。
【0005】
線状陰極11より放出した一次ビーム5は、複数段の四極子レンズ15とその制御部17によってほぼ矩形の断面形状を有するように集束され、ウィーンフィルタ41に対して斜めから入射する。一次ビーム5はウィーンフィルタ41によって基板42の表面に対して垂直に入射する方向へ偏向されてウィーンフィルタ41を出射する。次に、一次ビーム5は、回転対称静電レンズであるカソードレンズ21によってレンズ作用を受け、基板42に対してほぼ垂直に照射される。
【0006】
ステージ43は、基板42に入射する一次ビーム5、基板42から出射する二次ビーム6の各ビーム軸に対して垂直な平面内で移動自由な機構を有し、ステージ駆動装置47により、その上面に載置する基板42を移動させてその全表面が走査できるようになっている。また、ステージ43は、ステージ電圧制御部51により基板42に負電圧が印加できるようになっている。これにより、基板42の表面の形状/材質/電位の変化に応じて発生する二次電子等でなる二次ビーム6のエネルギーを向上させることができる。また、一次ビーム5の基板42への入射エネルギーを抑えて基板42のダメージを低減することができる。
【0007】
ウィーンフィルタ41の基本的な構成を図5に示す。同図に示すように、ウィーンフィルタ41は、それぞれ相互に対向して配置され、ウィーンフィルタ制御部53(図4参照)によって制御される2つの電極41a,41bと2つの磁極41c,41dとを備えている。同図に示すXYZの三次元空間において、Z軸を写像投影系の光軸とすると、ウィーンフィルタ41は、Z軸に垂直なXY平面内で電界Eと磁界Bとを直交させた構造の電磁場を発生させ、入射した荷電粒子に対して、ウィーン条件qE=vB(qは粒子電荷、vは直進荷電粒子の速度)を満たす荷電粒子のみを直進させる働きをする。
【0008】
図6(a),(b)は、ウィーンフィルタ41を通過する電子ビーム軌道の説明図であり、いずれも、XZ平面(Y=0)で切断した図5の断面図である。図6(a)に示すように、この基板検査システム200では、ウィーンフィルタ41に入射した一次ビーム5に対しては、磁界による力Fと電界による力Fとが同一方向に作用して、一次ビーム5は基板42の表面に対して垂直に入射するように偏向される。この一方、同図(b)に示すように、二次ビーム6に対しては、磁界による力Fと電界による力Fが逆方向に作用し、なおかつウィーン条件F=Fが成立しているため、二次ビーム6は偏向されずに直進して二次光学系2に入射する。
【0009】
図4に戻り、二次光学系2は、回転対称静電レンズであるカソードレンズ21、第二レンズ22、第三レンズ23、第四レンズ24と、開き角絞り25と、視野絞り26とを備えている。カソードレンズ21、第二レンズ22、第三レンズ23、第四レンズ24は、それぞれ二次光学系レンズ制御部52,54,55,56によって制御され、二次ビーム6の投影結像を行なう。視野絞り26は、第二レンズ22と第三レンズ23との間に設置される。開き角絞り25は、二次ビームの倍率色収差を抑えるために、ウィーンフィルタ41とカソードレンズ21の間の焦点F1を通ってビーム軸に垂直な平面である焦点面9内に配置され、二次ビームをカソードレンズ21と第二レンズ22と合わせて1回の結像を行なっている。なお、この構造では開き角絞り25によって一次ビーム5の基板42上での照射領域が制限されるので、この問題を解消するため、図7のビーム軌道説明図に示すように、開き角絞り25から基板42までの領域において一次ビーム軌道7が開き角絞り25上に焦点F1を持つように一次ビーム5を入射させ、さらにカソードレンズ21によって一次ビーム5にレンズ作用を与えて基板42に対して垂直に照射させるケーラー照明系が採用されている。
【0010】
図4に戻り、電子検出部3は、MCP(Micro-Channel Plate)検出器31と、蛍光板32と、ライトガイド33と、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子34とを備えている。二次光学系2を経てMCP検出器31に入射した二次ビーム6は、MCP検出器31により増幅されて蛍光板32に照射され、そこで発生した蛍光像は、ライトガイド33を介して撮像素子34にて検出され、画像信号として出力される。この画像信号は、画像処理部58に供給されて各種の信号処理がなされ、画像データとしてホストコンピュータ59に供給される。ホストコンピュータ59は、この画像データを基板42の表面から放出された二次電子等により形成され基板42の状態を表す画像である電子画像として表示部60にて表示し、メモリ61に保存し、さらに画像処理等の欠陥検出処理を行なう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示す基板検査システム200を用いた基板検査工程においては、基板42に一次ビームを照射すると、基板表面または表面近傍層の形状、材質によって基板42の表面に局所的な電位差が発生する、という問題がある。この問題点を図8の模式図を用いてより具体的に説明する。
【0012】
図8に示すように、基板42の表面に同一の電位を有する層RA(RA1,RA2)が形成され、これらの層RA1,RA2に囲まれるように異なる電位を有する層RBが形成されている場合、層RA1と層RBとの境界C1付近の基板上方領域D1と、層RA2と層RBとの境界C2付近の基板上方領域D2においては、同図の等電位線ILに示すように、基板42の表面に対して平行でない電位勾配が発生する。これらの電位勾配の存在により、一次ビーム5の照射により境界C1,C2の付近から放出した二次電子ビーム6が偏向作用を受け、二次光学系2で制御されてMCP検出器31に結像する際に正常な結像が妨げられる。これにより、基板検査システム200により得られた二次電子ビーム検出画像に歪みが発生したり、画像コントラストが低下する原因となっている。この結果、基板検査システム200による欠陥検出性能の低下を招く、という問題があった。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板表面の局所的電位差を解消して基板表面観察像の歪みやコントラストむらを低減する基板検査システムおよび基板検査方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の手段により上記課題の解決を図る。
【0014】
即ち、本発明によれば、
検査対象である基板の表面層における局所的な電位差を解消する表面電位均一化処理を行なう表面電位均一化手段と、
前記表面電位均一化処理が行なわれた前記基板に第1の荷電ビームを照射する第1の荷電ビーム照射手段と、
前記第1の荷電ビームの照射を受け、表面層における局所的な電位差が解消された前記基板の表面から放出する二次荷電粒子もしくは反射荷電粒子または前記二次荷電粒子および前記反射荷電粒子を二次ビームとして検出し、前記基板の表面の状態を表わす像の画像信号として出力する荷電ビーム検出手段と、
前記第1の荷電ビームを偏向させて前記基板の表面に入射させるとともに前記二次ビームを直進させる偏向手段を含み、前記二次ビームを拡大投影して前記荷電ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、
を備え
前記表面電位均一化手段は、
前記第1の荷電ビームと異なる第2の荷電ビームを前記基板に照射する第2の荷電ビーム照射手段と、
前記第2の荷電ビームの照射により前記基板から放出する前記二次荷電粒子もしくは前記反射荷電粒子または前記二次荷電粒子および前記反射荷電粒子を前記基板の表面に追い戻す二次電子再配分手段と、
を含むことを特徴とする基板検査システムが提供される。
【0015】
上記表面電位均一化手段が上記基板の表面における局所的な電位差を解消するので、この表面電位均一化処理を受けた上記基板に対して上記第1の荷電ビームを照射し、上記二次ビームを検出して得られる上記基板表面の観察像から歪みやコントラストむらを低減することができる。
【0016】
本発明の好適な実施態様において、上記表面電位均一化手段は、上記第1の荷電ビームと異なる第2の荷電ビームを上記基板に照射する第2の荷電ビーム照射手段と、上記第2の荷電ビームの照射により上記基板から放出する上記二次荷電粒子もしくは上記反射荷電粒子または上記二次荷電粒子および上記反射荷電粒子を上記基板の表面に追い戻す二次電子再配分手段と、を含む。
【0017】
上記二次電子再配分手段は、上記第2の荷電ビーム照射手段と上記基板との間に配設され、上記第2の荷電ビームを通過させる空間が設けられた二次電子再配分電極と、上記二次電子再配分電極に接続され、上記第2の荷電ビームの照射により上記基板から放出する二次荷電粒子もしくは反射荷電粒子または上記二次荷電粒子および上記反射荷電粒子が有するエネルギーを超えるポテンシャルエネルギーを上記二次電子再配分電極に発生させる電圧を上記二次電子再配分電極に印加する電圧印加手段と、を有することが望ましい。
【0018】
また、本発明のさらに好適な実施態様においては、上記第2の荷電ビーム照射手段は、上記第2の荷電ビームが上記基板の法線との間で鋭角をなすように上記基板に対して斜めに照射されるように配設される。このように基板表面に対して斜めに上記第2の荷電ビームを照射することにより、上記基板の表面からの二次荷電粒子放出比が増大する。これにより、上記表面電位均一化処理の効率を向上させるとともに、上記第2の荷電ビームの照射量を低減できるので、試料に及ぼすダメージやコンタミネーションを低減させることができる。
【0019】
上述した基板検査装置は、上記画像信号に基づいて上記二次荷電粒子もしくは上記反射荷電粒子、または上記二次荷電粒子および上記反射荷電粒子により形成され上記基板の状態を表わす画像である電子画像を表示する表示手段をさらに備えることが望ましい。
【0020】
また、本発明によれば、
検査対象である基板の表面層における局所的な電位差を検査に先立って解消する表面電位均一化過程と、
前記表面電位均一化過程を経た前記基板に第1の荷電ビームを照射する検査用荷電ビーム照射過程と、
前記第1の荷電ビームを偏向させて前記基板の表面に入射させるとともに、前記第1の荷電ビームの照射を受けて表面層における局所的な電位差が解消された前記基板の表面から放出する二次荷電粒子もしくは反射荷電粒子または前記二次荷電粒子および前記反射荷電粒子を直進させながら二次ビームとして拡大投影して結像させる写像投影過程と、
結像された前記二次ビームを検出し、前記基板の表面の状態を表わす像の画像信号として出力する荷電ビーム検出過程と、
を備え
前記表面電位均一化過程は、
前記第1の荷電ビームと異なる第2の荷電ビームを前記基板に照射する前処理用荷電ビーム照射過程と、
前記第2の荷電ビームの照射により前記基板から放出する二次荷電粒子もしくは反射荷電粒子または前記二次荷電粒子および前記反射荷電粒子を前記基板の表面に追い戻す二次電子再配分過程と、
を含むことを特徴とする基板検査方法が提供される。
【0021】
上記表面電位均一化過程により、検査に先立って上記局所的な電位差を解消するので、上記二次ビームを検出して得られる上記基板表面の観察像から歪みやコントラストむらを低減することができる。
【0022】
本発明の好適な実施態様において、上記表面電位均一化過程は、上記第1の荷電ビームと異なる第2の荷電ビームを上記基板に照射する前処理用荷電ビーム照射過程と、上記第2の荷電ビームの照射により上記基板から放出する二次荷電粒子もしくは反射荷電粒子または上記二次荷電粒子および上記反射荷電粒子を上記基板の表面に追い戻す二次電子再配分過程と、を含む。
【0023】
上記二次電子再配分過程は、上記二次荷電粒子もしくは上記反射荷電粒子または上記二次荷電粒子および上記反射荷電粒子が有するエネルギーを超えるポテンシャルエネルギーを上記第2の荷電ビームが出射する位置と上記基板との間に発生させる過程を含むと好適である。
【0024】
また、上記前処理用荷電ビーム照射過程は、上記第2の荷電ビームが上記基板の法線との間で鋭角をなすように上記基板に対して斜めに照射する過程であることが望ましい。この場合は、上記基板の表面からの二次荷電粒子放出比が増大して上記表面電位均一化の処理効率を向上させることができる。この一方、上記第2の荷電ビームの照射量を低減できるので、試料に及ぼすダメージやコンタミネーションを低減させることもできる。
【0025】
上述した基板検査方法は、上記画像信号に基づいて上記二次荷電粒子もしくは上記反射荷電粒子、または上記二次荷電粒子および上記反射荷電粒子により形成され上記基板の状態を表わす画像である電子画像を表示する表示過程をさらに備えることが望ましい。
【0026】
上述した基板検査システムおよび基板検査方法において、上記基板表面の状態は、基板の表面部の構成素子の形状および材質のうちの少なくともいずれかが含まれる。
【0027】
また、上述した基板検査システムおよび基板検査方法において、上記荷電ビームには、電子ビームとイオンビームのうち少なくとも一つが含まれる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態のいくつかについて図面を参照しながら説明する。
【0029】
図1は、本発明にかかる基板検査システムの第1の実施の形態を示すブロック図である。図1に示す基板検査システム100の特徴は、図4に示す基板検査システム200の構成に加え、二次光学系2の近傍に配設された表面電位均一化手段である電子ビーム装置70をさらに備える点にある。基板検査システム100のその他の構成は、図4の基板検査システム200と実質的に同一である。
【0030】
電子ビーム装置70は、第2の電子銃部80と、電子制御部88とメッシュ電極92と、メッシュ電極電圧制御部94とを含む。
【0031】
図2は、図1の部分拡大図であり、電子ビーム装置70の動作原理の説明図である。
【0032】
電子銃部80は、Wフィラメント82と、ウェーネルト電極84と、陽極86とを含む。Wフィラメント82は、コイル形状を有し、電子ビーム75(第2の荷電ビーム)を発生させる。Wフィラメント82は、本実施形態において電子ビーム75が基板42の表面に垂直に照射されるように配置されている。ウェーネルト電極84は、Wフィラメント82から放出する電子ビーム75の放出量を制御する。また、陽極86は、Wフィラメント84から放出した電子ビーム75の引き出しを行う。Wフィラメント82、ウェーネルト電極84および陽極86は、いずれも電子銃制御部88に接続され、これにより制御される。また、メッシュ電極92はメッシュ電極電圧制御部94に接続され、これによりその印加電圧等が制御される。説明の便宜のため、基板42を載置する移動可能なステージ43と、ステージ43の印加電圧を制御するステージ電圧制御部51も併せて図2に示す。本実施形態において、ステージ43には、ステージ電圧制御部51により負電圧Vs(Vs<0)が印加され、メッシュ電極92には、メッシュ電極電圧制御部により負電圧Vm(Vm<0)が印加される。
【0033】
Wフィラメント82から放出された電子ビーム75は、ウェーネルト電極84、陽極86、メッシュ電極92を通過して、基板42の表面に照射される。その結果、基板42表面からは二次電子esが放出される。ここで、メッシュ電極92に対して、
Vm=Vs+Vb、(Vb<0)・・・・・・(1)
となる電圧Vmを印加すると、二次電子esは障壁電位Vbによりメッシュ電極92を通過することができなくなり、このため、基板42の表面に追い戻される。このとき、追い戻された二次電子esは、基板42の表面で局所的により正電位を有する箇所に入射する。この結果、電位勾配を生じさせる箇所、例えば前述した図8における境界C1,C2における電位差を減少させる。この現象を繰り返すことにより、基板42表面での局所的な電位差が解消され、基板表面電位が均一化される。このように検査に先立って基板42の表面電位を均一化することにより、電子検出部3から得られる基板42の表面観察像の画像信号から歪みやコントラストむらを低減することができる。
【0034】
即ち、図1に示すように、電子ビーム装置70により基板42に対して上述した表面電位均一化処理を行った後、この表面電位均一化処理を施した基板42の表面箇所が二次光学系光軸Ao1と基板42表面との交点P1に配置されるようにステージ43をステージ駆動装置47によって移動し、上述した表面電位均一化処理が行なわれた個所に対して検査を行う。これにより、電位差の生じる境界での歪やコントラスト低下を抑制した基板表面検査画像が得られる。ステージスキャンを行いながら基板表面を連続的に検査する場合は、電子ビーム装置70の光軸Ao2と基板42表面との交点P2を基板42表面の所望の個所が交点P1よりも先に通過する位置に電子ビーム装置70を配置すると、電子検出部3にて基板表面の二次電子像を取得する前に、電子ビーム装置70によって基板表面電位均一化処理を予め行えるので、検査効率上非常に好適である。
【0035】
さらに、基板表面電位の均一化をより一層効率的に行なうためには、電子ビーム75の照射によって発生する二次電子esの量を増大させれば良い。このように構成された形態を第2の実施形態として次に説明する。
【0036】
図3は、本発明にかかる基板検査システムの第2の実施の形態の要部を示す模式図である。同図に示す電子ビーム装置72は、本実施形態の基板検査装置110において表面電位均一化手段を構成する。本実施形態の基板検査装置110のその他の構成は、図1に示す基板検査システム100と実質的に同一である。
【0037】
図2との対比において明らかなように、図3に示す電子ビーム装置72の特徴は、Wフィラメント82から出射した電子ビーム75が基板42の法線NLとの間で鋭角φ(0<φ<90)をなすように、電子銃部80が配設されている点にある。このような構成により、電子銃部80から照射される電子ビーム75は、基板42の表面に対して斜めから入射する。
【0038】
一般的に、二次電子放出比δは、一次電子ビーム入射角度(試料面の法線に対する角度)φに対して次式で表わされる依存性を有するといわれる。
【0039】
δ∝(cosφ)−n (nは約0.8〜1.3)・・・・・(2)
即ち、一次ビームの入射角度φを増大させることによって二次電子放出比δは増大し、基板表面電位の均一化をより一層効率的に処理することが可能になる。このことは逆に、基板表面電位の均一化処理のために基板表面に照射する一次電子ビームの総量を減少させることができることを意味する。これにより、基板に対するダメージやコンタミネーションを低減させることができる。
【0040】
以上、本発明の実施の形態のいくつかについて説明したが、本発明は上記形態に限ることなくその技術的範囲内で種々変形して実施できることは勿論である。例えば、上述した実施形態では、荷電ビームとして電子ビームを用いる場合について説明したが、電子以外の荷電ビーム、例えばイオンビームを用いる場合にも勿論適用できる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明は、以下の効果を奏する。
【0042】
即ち、本発明にかかる基板検査システムによれば、基板表面に発生する局所的な電位差を解消する表面電位均一化手段を備えるので、歪みやコントラストむらが低減された基板表面観察像を効率的に取得することができる。
【0043】
また、上記表面電位均一化手段が、前記基板の法線との間で鋭角をなして上記第2の荷電ビームが照射するように配設された第2の荷電ビーム照射手段を含む場合は、基板表面電位の均一化をより一層効率的に処理できる上、基板に対するダメージやコンタミネーションを低減させながら正確に基板表面の観察ができる基板検査システムが提供される。
【0044】
また、本発明にかかる基板検査方法によれば、基板の検査に先立って基板表面に発生する局所的な電位差を解消する表面電位均一化過程を備えるので、歪みやコントラストむらが低減された基板表面観察像を効率的に取得することができる。これにより、より高精度でかつスループットに優れた基板検査方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる基板検査システムの第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示す基板検査システムが備える基板電位均一化装置の動作原理を示す説明図である。
【図3】本発明にかかる基板検査システムの第2の実施の形態が備える基板電位均一化装置の構成と動作原理を示す説明図である。
【図4】従来の基板検査システムの一例の概略構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示す基板検査システムが備えるウィーンフィルタの説明図である。
【図6】図5に示すウィーンフィルタを通過する電子ビーム軌道の説明図である。
【図7】図4に示す基板検査システムにおける電子ビームのビーム軌道を示す説明図である。
【図8】従来の技術における問題点を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 一次光学系
2 二次光学系
3 電子検出部
5 一次ビーム
6 二次ビーム
7 一次ビーム軌道
8 二次ビーム軌道
9 焦点面(絞り位置面)
11 線状陰極
12,84 ウエーネルト電極
13,86 陽極
14 偏向器
15 複数段四極子レンズ
16,88 電子銃制御部
17 複数段四極子レンズ制御部
59 ホストコンピュータ
21 カソードレンズ
22 第二レンズ
23 第三レンズ
24 第四レンズ
25 開き角絞り
26 視野絞り
31 MCP検出器
32 蛍光板
33 ライトガイド
34 撮像素子
41 ウィーンフィルタ
41a,41b 電極
41c,41d 磁極
42 基板
43 ステージ
47 ステージ駆動装置
51 ステージ電圧制御部
52 カソードレンズ制御部
53 ウィーンフィルタ制御部
54 第二レンズ制御部
55 第三レンズ制御部
56 第四レンズ制御部
57 電子検出制御部
58 画像信号処理部
60 表示部
61 メモリ
70,72 電子ビーム装置(表面電位均一化手段)
75 電子ビーム
80 電子銃部
82 Wフィラメント
92 メッシュ電極
94 メッシュ電極電圧制御部
100,110 基板検査システム
NL 基板の法線
Vm メッシュ電極印加電圧
Vs ステージ印加電圧

Claims (7)

  1. 検査対象である基板の表面層における局所的な電位差を解消する表面電位均一化処理を行なう表面電位均一化手段と、
    前記表面電位均一化処理が行なわれた前記基板に第1の荷電ビームを照射する第1の荷電ビーム照射手段と、
    前記第1の荷電ビームの照射を受け、表面層における局所的な電位差が解消された前記基板の表面から放出する二次荷電粒子もしくは反射荷電粒子または前記二次荷電粒子および前記反射荷電粒子を二次ビームとして検出し、前記基板の表面の状態を表わす像の画像信号として出力する荷電ビーム検出手段と、
    前記第1の荷電ビームを偏向させて前記基板の表面に入射させるとともに前記二次ビームを直進させる偏向手段を含み、前記二次ビームを拡大投影して前記荷電ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、
    を備え
    前記表面電位均一化手段は、
    前記第1の荷電ビームと異なる第2の荷電ビームを前記基板に照射する第2の荷電ビーム照射手段と、
    前記第2の荷電ビームの照射により前記基板から放出する前記二次荷電粒子もしくは前記反射荷電粒子または前記二次荷電粒子および前記反射荷電粒子を前記基板の表面に追い戻す二次電子再配分手段と、
    を含むことを特徴とする基板検査システム。
  2. 前記第2の荷電ビーム照射手段は、前記第2の荷電ビームが前記基板の法線との間で鋭角をなすように前記基板に対して斜めに照射されるように配設されることを特徴とする請求項1に記載の基板検査システム。
  3. 前記二次電子再配分手段は、
    前記第2の荷電ビーム照射手段と前記基板との間に配設され、前記第2の荷電ビームを通過させる空間が設けられた二次電子再配分電極と、
    前記二次電子再配分電極に接続され、前記第2の荷電ビームの照射により前記基板から放出する二次荷電粒子もしくは反射荷電粒子または前記二次荷電粒子および前記反射荷電粒子が有するエネルギーを超えるポテンシャルエネルギーを前記二次電子再配分電極に発生させる電圧を前記二次電子再配分電極に印加する電圧印加手段と、
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の基板検査システム。
  4. 前記二次電子再配分電極は、メッシュ形状を有することを特徴とする請求項に記載の基板検査システム。
  5. 検査対象である基板の表面層における局所的な電位差を検査に先立って解消する表面電位均一化過程と、
    前記表面電位均一化過程を経た前記基板に第1の荷電ビームを照射する検査用荷電ビーム照射過程と、
    前記第1の荷電ビームを偏向させて前記基板の表面に入射させるとともに、前記第1の荷電ビームの照射を受けて表面層における局所的な電位差が解消された前記基板の表面から放出する二次荷電粒子もしくは反射荷電粒子または前記二次荷電粒子および前記反射荷電粒子を直進させながら二次ビームとして拡大投影して結像させる写像投影過程と、
    結像された前記二次ビームを検出し、前記基板の表面の状態を表わす像の画像信号として出力する荷電ビーム検出過程と、
    を備え、
    前記表面電位均一化過程は、
    前記第1の荷電ビームと異なる第2の荷電ビームを前記基板に照射する前処理用荷電ビーム照射過程と、
    前記第2の荷電ビームの照射により前記基板から放出する二次荷電粒子もしくは反射荷電粒子または前記二次荷電粒子および前記反射荷電粒子を前記基板の表面に追い戻す二次電子再配分過程と、
    を含むことを特徴とする基板検査方法。
  6. 前記二次電子再配分過程は、前記第2の荷電ビームの照射により前記基板から放出する二次荷電粒子もしくは反射荷電粒子または前記二次荷電粒子および前記反射荷電粒子が有するエネルギーを超えるポテンシャルエネルギーを前記第2の荷電ビームが出射する位置と前記基板との間に発生させる過程を含むことを特徴とする請求項5に記載の基板検査方法。
  7. 前記前処理用荷電ビーム照射過程は、前記第2の荷電ビームが前記基板の法線との間で鋭角をなすように前記基板に対して斜めに照射する過程であることを特徴とする請求項6に記載の基板検査方法。
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