本発明は、結着樹脂、縮合系樹脂、着色剤、酸価が10〜30mgKOH/gの硫黄原子を含有する樹脂、及びワックスを少なくとも含有する水系媒体中での造粒工程を経て得られたトナー粒子100質量部に対し、該トナー粒子に外添されているシリカ微粉体を0.10〜3.00質量部、及び、1次粒径が35〜500nmである疎水化処理アナターゼ型酸化チタン微粉体を0.01〜1.00質量部少なくとも有するトナーであって、前記縮合系樹脂の酸価AV1と前記硫黄原子を含有する樹脂の酸価AV2とが、AV1<AV2の関係を満たし、前記トナー粒子表面における前記酸化チタン微粉体及び前記シリカ微粉体の個数遊離率がそれぞれ0.10〜25.00%であることを特徴とするトナーである。
上記構成とすることで、低温での優れた定着性を有し、且つ高温高湿環境下での長期使用におけるカブリ、ボタ落ち、濃度低下がなく、低温低湿環境下における不十分な初期画像濃度、ベタ画像の均一性の不足、ハーフトーン画像における画像ムラといったトナーの問題の発生を防止させることができる。以下に詳細を説明する。
本発明のトナーは、硫黄原子を含有する樹脂を含有することで各環境においても十分な帯電性能を有し、且つトナー表面にシリカ微粉体及び1次粒径が制御され疎水化処理された酸化チタン微粉体を付着させることで、トナーの流動性、帯電能を適正化することが可
能となり、現像スリーブ及び潜像担持体上にトナー層を均一に形成できることから、トナーの帯電分布をよりシャープにすることができ、それにより十分な画像の均一性が得られ、各環境においても初期から十分な画像濃度が得られる。
硫黄原子を含有する樹脂によりトナーが環境によらず十分な帯電性能を有するとはいえ、それのみではトナーの流動性は不十分であり、帯電の分布は十分にはシャープにならない。そこで、流動性を調整する必要が生じるわけだが、その際一般的には無機微粉体、有機微粉体等をトナー表面に付着させる方法が考えられる。しかし、有機微粉体では長期使用において環境安定性、耐久性に乏しく、部材汚染を引き起こしやすいことから、無機微粉体がよい。無機微粉体の中でも、環境安定性を考慮に入れると、シリカ微粉体と酸化チタン微粉体の組み合わせがよく、且つ酸化チタン微粉体の1次粒径が35〜500nmで、疎水化処理されていることが好ましい。
外添するものがシリカ微粉体のみであると静電的に凝集する傾向が強いため、トナーの帯電分布を十分にはシャープにすることが困難なため、低温低湿環境下においては特にその影響が大きく、画像の初期濃度や画像ムラの点で問題が生じやすい。
また、酸化チタン微粉体のみでは逆に流動性が高すぎるため適度な摩擦帯電が困難なこと、それに加え、帯電の立ち上がりの迅速さにおいて不十分である。更に、酸化チタン微粉体の1次粒径が35nm未満であると長期使用の過程でトナー中に埋め込まれやすい。一方、酸化チタン微粉体の1次粒径が500nm以上であると逆にトナー表面から脱離し易いため、トナーの流動性及び帯電性能を長期間維持することが困難となる。酸化チタン微粉体の1次粒径は、好ましくは、35〜250nmが良く、更には45〜100nmがより好ましい。酸化チタン微粉体の1次粒径が35nm以上であると、静電的な影響が小さい流動性付与効果及びスペーサーとしての効果から、長期放置後の使用においてもトナーが現像ユニット内の現像剤容器内においてパッキングされることがない。これにより長期放置後においても十分な流動性を維持することが可能なため、長期間使用においても現像スリーブ上及び潜像担持体上におけるトナー層が層厚及び均一性に関して維持されるため、カブリ、濃度、画像ムラ、クリーニング性、定着性に関して十分に優れた画質を有する画像を得ることができる。
また、酸化チタン微粉体が疎水化処理されることにより、環境変動の影響を抑制し、且つその疎水化度を調整することにより部材汚染も抑制することができることから、酸化チタン微粉体の疎水化度は30〜95%、より好ましくは45〜80%であることが好ましい。
トナーが上記構成であることによりクリーニング性においても、現像スリーブ上及び潜像担持体上に均一にトナー層が形成され、均一に転写されるため、ゴムブレード等によるクリーニングにおいても転写残のトナーが局地的に多い部分が発生してクリーニング不良を引き起こすことも抑制できる。また、定着性についても、均一に転写されるため、定着工程において未定着画像のトナー層が均一なため定着器の熱及び圧力が均一に掛かるため、画像に定着ムラが無くなり、結果として十分な定着性を有する画像を得ることが可能となる。
硫黄原子を含有する樹脂(以下、「硫黄原子含有樹脂」ともいう)は、ある程度の酸価を有することが好ましい。一般的に塩基性を有することの多い着色剤との組み合わせにおいて、硫黄原子含有樹脂の酸と着色剤の塩基が結合するように分布するため、顔料の電荷リークサイトを、硫黄原子含有樹脂で覆うこととなり、トナーが優れた帯電性を有することとなる。このとき、硫黄原子含有樹脂がSO3X(X=H、アルカリ金属)基を含有する樹脂であると、その効果が大きく、更に硫黄原子含有樹脂自体の帯電能に関しても優れ
ているため好ましい。
硫黄原子を含有する樹脂は、SO3X(式中、XはH、アルカリ金属を示す。)基を含有する樹脂であることが更に望ましい。式中のXのアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
硫黄原子含有樹脂を製造するために用いられる硫黄原子を含有する単量体としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、又は下記構造を有するマレイン酸アミド誘導体、マレイミド誘導体、スチレン誘導体、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム、メタクリルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。好ましくは、スルホン酸基を含有する(メタ)アクリルアミドである。
本発明に係る硫黄原子含有樹脂は、上記単量体の単重合体であっても構わないが、上記単量体と他の単量体との共重合体であることが好ましい。上記単量体と共重合体をなす他の単量体としては、ビニル系芳香族炭化水素、(メタ)アクリル酸エステル等の重合性単量体が好ましく用いられる。より具体的には、以下に例示する単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を用いることができる。
単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン等のスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、
ジブチルフォスフェートエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン等のビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
硫黄原子含有樹脂は、硫黄原子を有する単量体に由来するユニットを0.01〜20質量%含有することが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜7質量%含有することが好ましい。0.01質量%未満の場合には、硫黄原子含有樹脂の添加効果が十分に得られず、また20質量%を超える場合には、トナー化する際に結着樹脂との相溶性が悪化しやすくなるためトナーの形状を制御する上で望ましくない。また、製造時において吸湿性の増大から水分やカウンターイオンなどを保持しやすいため不純物が残留しやすいため望ましくない。なお、本発明においては、水中に含有されるイオン及び硫黄原子含有樹脂中に含有されるイオンが、硫黄原子の電荷や例えば硫黄原子含有樹脂がスルホン酸基等を含有している場合には、そのスルホン酸基によってカウンターイオンを保持しやすい。
硫黄原子含有樹脂は、イオン性及び非イオン性の電子供与基並びに電子吸引基を置換基に有しない芳香族を側鎖に有する単量体ユニットを0.01〜10質量%含有することが好ましく、より好ましくは0.10〜5.0質量%含有するとトナー中における分散状態がより良好となり好ましい。特にアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル系の単量体ユニットの場合、その効果が大きい。
硫黄原子含有樹脂は、以下の構造を有する。
A(SO3 -)n・mYk+
(式中、Aは前記重合性単量体に由来する重合体部位を表し、Y+はカウンターイオンを
表し、kはカウンターイオンの価数であり、m及びnは整数であり、n=k×mである。)
カウンターイオンとしては、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムイオンであることが良く、より好ましくは水素イオンである。
硫黄原子含有樹脂の酸価は3〜80mgKOH/gが好ましく、より好ましくは5〜40mgKOH/g、さらに好ましくは10〜30mgKOH/gである。酸価が3mgKOH/g未満の場合には、十分な荷電制御作用が得られにくく、かつ環境安定性に劣る傾向がある。逆に、酸価が80mgKOH/gを超える場合には、この様な樹脂を含有する組成物を用いて、懸濁重合でトナー粒子を造る場合、トナー粒子がいびつな形状を有する様になり、円形度が小さくなってしまい、含有する離型剤がトナー粒子表面に現れ、現像性の低下を引き起こしやすくなる。
硫黄原子含有樹脂は、結着樹脂100質量部当り0.01〜15質量部含有されていることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部が良い。上記硫黄原子含有樹脂の含有量が0.01質量部未満の場合には、十分な荷電制御作用が得られにくく、15質量部を超えると、懸濁重合法によりトナー粒子の製造を行う際には、造粒性が低下し、現像性や転写性の低下を引き起こす傾向がある。
更に、本発明においては、結着樹脂100質量部当り0.001〜3質量部の硫黄原子を有する単量体に由来するユニットを含有していることが好ましく、更には0.005〜2質量部、特には0.01〜1.5質量部が好ましい。
トナー中の硫黄原子含有樹脂の含有量は、キャピラリー電気泳動法などを用いて測定することができる。
硫黄原子含有樹脂の分子量は、重量平均分子量(Mw)が500〜100000が好ましい。より好ましくは1000〜70000であり、さらに好ましくは5000〜50000である。重量平均分子量(Mw)が500未満の場合には、部材汚染を生じやすく、重量平均分子量(Mw)が100000を超える場合には、単量体への溶解に時間がかかることに加え、相溶性の低下からトナー中において均一に分散せず、トナーの帯電性において効果が十分に得られず、更には顔料の分散性を向上させる効果が小さくなり、トナーの着色力が低下してしまう傾向がある。
硫黄原子含有樹脂の揮発分は0.01〜2.0質量%が好ましい。揮発分を0.01質量%未満とするには、重合反応後、又は重合反応後の洗浄工程の後に行われる揮発分除去工程が複雑になり、揮発分が2.0質量%を超える場合には、高温高湿下での帯電、特に放置後の帯電に関して劣る様になる。なお、揮発分とは、高温(135℃)で1時間加熱したときに減少する質量の割合である。
硫黄原子含有樹脂の残存モノマー量は1000ppm以下、好ましくは500ppm以下が良い。残存モノマー量が1000ppm以上であるとトナー中に含有された場合、画像形成の際に各種部材を汚染し、現像性の低下を招くため望ましくない。
残存モノマー量の測定方法としては下記に説明するガスクロマトグラフィー法(GC法)によって測定することができる。ガスクロマトグラフィー法(GC法)による残存モノマー量の測定には、GC−17A(島津製作所製)が用いられる。試料は、予めトルエンに1質量%濃度で溶解させた溶液1μlを、オンカラムインジェクターを備えたGC装置に注入する。カラムは、0.5mm径×10m長のUltraAlloy−1(HT)を
用いる。カラムは初め40℃から40℃/min.の昇温スピードで200℃迄昇温させ、更に15℃/min.で、350℃迄昇温させ、次に7℃/min.の昇温スピードで450℃迄昇温させる。キャリアガスは、Heガスを50kPaの圧力条件で流す。化合物種の同定は、別途硫黄原子含有樹脂の原料のモノマーを注入し同一の流出時間同士を比較したり、ガス化成分をマススペクトマトグラフィーに導入することで構造を同定する。残存モノマー量はクロマトグラムの総ピーク面積に対するピーク面積の比を求めることで算出する。
硫黄原子含有樹脂のメルトインデックス値(MI値;g/10min.)は、0.1〜100が好ましく、より好ましくは0.2〜80が良い。MI値が0.1未満の場合には、トナーを重合法により作製する際にトナーの結着樹脂を構成する単量体に対する硫黄原子含有樹脂の溶解が困難となり、またトナーを粉砕法で作製する際に結着樹脂に対しての硫黄原子含有樹脂の相溶性が劣るようになる。そのため、重合法によりトナーを作製する際には、単量体系が不均一となってしまい、結果として良好な粒度分布を有するトナーが得られにくくなる。MI値が100を超える場合には、トナー化した時に耐ブロッキング性に劣るようになり、耐久性を低下させる傾向にある。
MI値の測定方法は、JIS規格K7210のA法に準拠して行われ、測定値を10分値に換算する。
なお、上記の物性を求めるにあたって、硫黄原子含有樹脂のトナーからの抽出を必要とする場合には、抽出方法は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
更に、硫黄原子含有樹脂のガラス転移温度(Tg)が50〜100℃、より好ましくは50〜80℃であると望ましい。これはガラス転移温度が100℃以上であるとトナーの定着性が低下してしまうためであり、50℃未満では保存安定性が悪く、また画像形成の過程において部材汚染を引き起こし易いため望ましくない。
硫黄原子含有樹脂の製造方法は、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、イオン重合等があるが、操作性などの面から溶液重合が好ましい。硫黄原子含有樹脂の各々物性(酸価、分子量、揮発分、メルトインデックス、ガラス転移温度等)を満たすためには、製造において、単量体組成、開始剤量、反応温度、洗浄条件、乾燥条件を調整することによって調製できる。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、特に制限されるものではなく、トナー用の結着樹脂として一般に用いられている樹脂が使用できる。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、パラフィンワックス、カルナバワックス等が挙げられる。これらは、単独あるいは混合して使用できる。
更に、本発明のトナーに用いられるワックスは、トナー中に1種類のワックスのみを含有させても良いが、好ましくは、少なくともDSC測定におけるワックス吸熱ピーク温度の異なるワックスを含有し、各々の吸熱ピーク温度差が3℃以上であることが望ましい。また、吸熱ピーク温度の違うワックスがそれぞれワックスの総含有量の10質量%以上含有されていることが望ましい。この理由としてはワックス吸熱ピーク温度の異なるワックスの含有量を適性化する事により、ワックス吸熱ピーク温度の低い方のワックスの存在によって定着時における離型性層の形成が迅速に行われ、且つワックスの合計含有量が十分量であるため、優れた定着性、耐オフセット性を有しながら、ワックスを過剰に存在させる必要が無いため、トナー中、特にトナー表面近傍に存在するワックスにより部材汚染が引き起こされにくく、現像性及び定着性を両立することが可能となり、望ましい。
ワックスとしては、重量平均分子量(Mw)が350〜4000、数平均分子量(Mn)が200〜4000であることが好ましく、より好ましくはMwが400〜3500、Mnが250〜3500がよい。Mwが350未満、Mnが200未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下する傾向にあり、Mwが4000を超え、Mnが4000を超える場合には、ワックス自体の結晶性が高まり、OHP定着画像の透明性が低下する傾向にある。
ワックスの分子量及び分子量分布はGPCにより次の条件で測定される。
(GPC測定条件)装置:GPC−150C(ウォーターズ社)
カラム:GMH−MT30cm2連(東ソー社製)
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速:1.0ml/min.
試料:0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
本発明で用いるワックスの少なくとも1つは、融点(温度20〜200℃の範囲におけるDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークに対応する温度)が30〜120℃、好ましくは50〜110℃、更に好ましくは50〜80℃であるものが良い。また、室温で固体の固体ワックスが好ましく、特に融点50〜80℃の固体ワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点で良い。
ワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス、ケトンワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物等の誘導体が挙げられる。これらの中でも低分子量成分が除去されたDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。
好ましく用いられるワックスとしては、少なくとも1つは炭素数15〜100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステル又はモンタン系誘導体が挙げられる。これらワックスから液状脂肪酸等の不純物を予め除去してあるものも好ましい。
さらに、好ましく用いられるワックスは、定着画像の透光性を向上させるため、固体エステルワックスが好ましい。好ましくエステル基が1〜6個であるエステルワックスが良く、更に好ましくは、エステル基が1〜4個であるエステルワックスが良い。
エステルワックスとしては、好ましくは、下記一般式(I)〜(V)に示されるものが挙げられる。
(式中、a及びbは0〜4の整数であり、a+bは4である。R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnは同時に0になることはない。)
(式中、a及びbは0〜3の整数であり、a+bは1〜3である。R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基である。R3は水素原子又は炭素数が1以上の有機基である。kは1〜3の整数であり、a+b+k=4である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnが同時に0になることはない。)
(式中、R1及びR3は炭素数1〜40の有機基であり、R1とR3は同じものであっても異なっていても良い。R2は炭素数1〜40の有機基を示す。)
(式中、R1及びR3は炭素数1〜40の有機基であり、R1とR3は同じものであってもなくてもよい。R2は炭素数1〜40の有機基を示す。)
(式中、aは0〜4の整数であり、bは1〜4の整数であり、a+bは4である。R1は
炭素数1〜40の有機基である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnが同時に0になることはない。)
具体的には、エステル基が1〜6個であるエステルワックスとしては、以下のものが例示される。なお、本発明のトナーに用いるワックスは、以下に例示した構造式(No.1〜No.12)で表されるワックスを50質量%以上含むものである。
更には、トータルの炭素数が同一のエステル化合物を50〜95質量%(ワックス基準)含有しているエステルワックスが好ましい。トータルの炭素数が同一のエステル化合物の含有量は、下記に説明するガスクロマトグラフィー法(GC法)によって測定することができる。
ガスクロマトグラフィー法(GC法)による炭素数が同一のエステル化合物の含有量の
測定には、GC−17A(島津製作所製)が用いられる。試料は、予めトルエンに1質量%濃度で溶解させた溶液1μlをオンカラムインジェクターを備えたGC装置に注入する。カラムは、0.5mm径×10m長のUltra Alloy−1(HT)を用いる。カラムは初め40℃とし、40℃/min.の昇温スピードで200℃迄昇温させ、更に15℃/min.で350℃迄昇温させ、次に7℃/min.の昇温スピードで450℃迄昇温させる。キャリアガスは、Heガスを50kPaの圧力条件で流す。化合物種の同定は、別途炭素数が既知のアルカンを注入し同一の流出時間同士を比較したり、ガス化成分をマススペクトクロマトグラフィーに導入することで構造を同定する。エステル化合物の含有量はクロマトグラムの総ピーク面積に対するピーク面積の比を求めることで算出する。
ワックスとして、上記構造式を有するエステル化合物を有するエステルワックスを用いた場合には、良好な透明性を有し、且つ定着性に優れたトナーが得られる。
特に、このワックスと硫黄原子含有樹脂とを用いてトナーを作製した場合、トナー粒子中におけるワックスの分散が良好に行われ、帯電量が大きく、且つ適正帯電値に到達するまでの速度が速く、さらに多数枚耐久において、摩擦帯電量の変動の少ない優れたトナーが得られる。
重合法により、トナーを生成する場合には、ワックスは、重合性単量体100質量部に対して1〜40質量部(より好ましくは、10〜30質量部)配合することが好ましく、トナーとしては、結着樹脂100質量部当りワックス1〜40質量部(より好ましくは、10〜30質量部)含有されるのが良い。
溶融混練粉砕法により、トナーを生成する場合には、ワックスはトナー中に結着樹脂100質量部当り1〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部含有されていることが好ましい。
溶融混練粉砕法による乾式トナー製法に比べて、重合法によるトナーの製造は、トナーに含まれる極性樹脂により多量のワックスを内包化させ易いので、乾式トナー製法と比較し、一般に多量のワックスを用いることが可能となり、定着時のオフセット防止効果は更に優れたものとなる。
ワックスの添加量が下限より少ないとオフセット防止効果が低下しやすい。また、上限を超える場合では、耐ブロッキング効果が低下し耐オフセット効果にも悪影響を与えやすく、トナーの潜像担持体融着、トナーの現像スリーブ融着を起こしやすく、重合法によりトナーを生成する場合には粒度分布の広いトナーが生成する傾向にある。
本発明に使用されるワックスは、135℃における溶融粘度は1〜300cPsであることが好ましく、更に好ましくは3〜50cPsを有するワックスが特に好ましい。1cPsより低い溶融粘度を有する場合は、非磁性一成分現像方式で塗布ブレード等により現像スリーブにトナー層を薄層コーティングする際、機械的なズリ力によりスリーブ汚染を招きやすい。二成分現像方式においてはキャリアとトナーとを用いて静電荷像を現像する際に、トナーとキャリア間のズリ力によりトナーがダメージを受けやすく、外添剤の埋没、トナーの破砕も生じやすい。300cPsを超える溶融粘度を有する場合には、重合法を用いてトナーを製造する際、重合性単量体組成物の粘度が高くなり、粒度分布のシャープな微小粒径のトナーを得ることが困難となる。
ワックスの溶融粘度は、HAAKE社製VP−500にてコーンプレート型ローター(PK−1)を用いて測定することができる。
また、ワックスの針入度は、14以下、好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下が望ましい。針入度が14を超える場合には、潜像担持体表面上にフィルミングを発生し易くなる。なお、針入度の測定は、JIS−K2235に準ずる。
上記物性を求めるにあたって、ワックスのトナーからの抽出を必要とする場合には、抽出方法は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
ワックスのトナーからの抽出法の一例を挙げると、所定量のトナーをトルエンにてソックスレー抽出し、得られたトルエン可溶分から溶剤を除去した後、クロロホルム不溶分を得る。
その後、IR法などにより同定分析をする。
また、定量に関しては、DSC等により定量分析を行う。
本発明のトナーは、結着樹脂の他に、縮合系樹脂を添加しても良い。縮合系樹脂を添加することで、重合法トナーの場合、造粒性、帯電量の環境安定性、現像性及び転写性を向上させることが可能である。また、縮合系樹脂は、重合性単量体組成物の粒子の表面に局在することが好ましい。縮合系樹脂は、重量平均分子量(Mw)が6,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは6,500〜85,000、更に好ましくは6,500〜45,000である。
縮合系樹脂の重量平均分子量が6,000未満の場合、連続画像出力においてトナー表面の外添剤が耐久によって埋没しやすく、転写性の低下を招きやすくなる。逆に、重量平均分子量が100,000を超える場合には、重合性単量体に縮合系樹脂を溶解するのに時間を多く費やしてしまう。さらに、重合性単量体組成物の粘度が上昇し、粒径が小さく且つ、粒度分布の揃ったトナーが得にくくなる。
縮合系樹脂は、数平均分子量(Mn)が3,000〜80,000であることが好ましく、より好ましくは3,500〜60,000、更に好ましくは3,500〜12,000である。縮合系樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラム(GPC)における分子量分布のメインピーク値(Mp)が、分子量4,500〜40,000の領域、より好ましくは分子量6,000〜30,000の領域に存在することが良い。より好ましくは分子量6,000〜20,000の領域である。上記範囲外であると重量平均分子量が高すぎた場合と同様の傾向を示す。
縮合系樹脂は、Mw/Mnが1.2〜3.0、より好ましくは1.5〜2.5が良い。Mw/Mnが1.2未満の場合には、トナーの多数枚耐久性及び耐オフセット性が低下し、3.0を超える場合には、低温定着性の面で、範囲内のものよりも、若干劣ってしまう。
縮合系樹脂はガラス転移点(Tg)が、50〜100℃、好ましくは50〜95℃が良い。より好ましくは55〜90℃が良い。ガラス転移点が50℃未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下する。ガラス転移点が100℃を超える場合には、トナーの耐低温オフセット性が低下する傾向がある。なお、Tgは中点法により求められる値を示す。
縮合系樹脂の酸価は、0.1〜35mgKOH/g、好ましくは3〜35mgKOH/g、より好ましくは4〜35mgKOH/g、さらに好ましくは5〜30mgKOH/g
である。酸価が0.1mgKOH/g未満の場合には、トナーの帯電量の立ち上がりが遅く、カブリが生じやすくなる。酸価が35mgKOH/gを超える場合には、高温高湿下に放置した後のトナーの摩擦帯電特性が変動しやすく、連続画像出力において画像濃度が変動しやすくなる。さらに、縮合系樹脂の酸価が35mgKOH/gを超える場合には、縮合系樹脂のポリマー相互間の親和力が強くなるために縮合系樹脂が重合性単量体に溶解しにくくなり、均一な重合性単量体組成物を調製するのに時間がかかるようになる。
縮合系樹脂の水酸基価は0.2〜50mgKOH/g、好ましくは5〜50mgKOH/g、より好ましくは7〜45mgKOH/gであるのが良い。水酸基価が0.2mgKOH/g未満の場合には、水系媒体中の重合性単量体組成物の粒子の表面に縮合系樹脂の局在化が起こりにくくなる。水酸基価が50mgKOH/gを超える場合、最適範囲内のものと比較すると、高温高湿下において放置した後のトナーの帯電量特性が若干低くなる傾向が見られ、連続画像出力において画像濃度が変動しやすい。なお、縮合系樹脂の抽出は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
本発明においては、縮合系樹脂の酸価(以下、「AV1」ともいう。)と硫黄原子含有樹脂の酸価(以下、「AV2」ともいう。)とが、AV1<AV2の関係を満たしていることが好ましい。この場合には、湿式法によるトナー粒子の製造時の造粒工程において、水系媒体中で、硫黄原子含有樹脂が液滴の最表面に偏在する割合が多くなるため、トナーの帯電能として硫黄原子含有樹脂の帯電性能を有効に発揮できるため好ましい。
縮合系樹脂は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部用いられることが好ましく、より好ましくは1〜15質量部である。
硫黄原子含有樹脂及び縮合系樹脂のGPCによる分子量及び分子量分布は以下の方法で測定される。
40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえば、東ソー社製又は、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(H XL)、G2000H(H XL)、G3000H(H XL)、G4000H(H XL)、G5000H(H XL)、G6000H(H XL)、G7000H(H XL)、TSKguardcolumnの組み合わせが挙げられる。
GPCによる分子量及び分子量分布測定のための試料は以下のようにして作製する。
試料をテトラヒドロフラン(THF)中に入れ、数時間放置した後、十分振とうしてTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。このときTHF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料とする。試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
硫黄原子含有樹脂及び縮合系樹脂のガラス転移点はDSC測定により求められる。
DSC測定では、測定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7が利用できる。
測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。測定は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度測定10℃/min.で、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
硫黄原子含有樹脂及び縮合系樹脂の酸価は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を酸価といい、以下のように測定を行う。
(1)試薬の調製
(a)溶剤の調製
試料の溶剤としては、エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1又は2+1)又はベンゼン−エチルアルコール混液(1+1又は2+1)を用いる。これらの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1モル/リットルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
(b)フェノールフタレイン溶液の調製
フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v/v%)100mlに溶かす。(c)0.1モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の調製
水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS−K8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
(2)操作
試料1〜20gを正しくはかりとり、これに溶剤100ml及び指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを0.1モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
(3)計算
下記式により酸価を算出する。
A=B×f×5.611/S
(式中、A;酸価(mgKOH/g)、
B;0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の使用量、
f;0.1mol/L水酸化カリウムエタノ−ル溶液のファクター、
S;試料(g)である。)
硫黄原子含有樹脂及び縮合系樹脂の水酸基価は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
試料1gを規定の方法によってアセチル化するとき水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を水酸基価といい、つぎの試薬、操作及び計算式によって試験を行う。
(1)試薬の調製
(a)アセチル化試薬の調製
無水酢酸25mlをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる。(場合によっては、ピリジンを追加しても良い)。アセチル化試薬は、湿気、炭酸ガス及び酸の蒸気に触れないようにし、褐色びんに保存する。
(b)フェノールフタレイン溶液の調製
フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v/v%)100mlに溶かす。(c)0.2モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の調製
水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS−K8006によって行う。
(2)操作
試料0.5〜20gを丸底フラスコに正しくはかりとり、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱をうけて温度の上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付け根にかぶせる。1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後、エチルアルコール5mlで漏斗及びフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬として0.2モル/リットルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。なお、本試験と並行して空試験を行う。場合によっては、指示薬としてKOH−THF溶液にしても構わない。
(3)計算
下記式により水酸基価を算出する。
A=[(B−C)×f×28.05/S}+D
(式中、A;水酸基価(mgKOH/g)、
B;空試験の0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の使用量(ml)、
C;本試験の0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の使用量(ml)、
f;0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター、
S;試料(g)
D;酸価(mgKOH/g)とする。)
本発明のトナーに用いる縮合系樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、セルロース等の樹脂を用いることができる。より好ましくは材料の多様性からポリエステルが望まれる。
縮合系樹脂として用いられるポリエステル及びワックスとして用いられるエステルワックスの製造方法としては、例えば、酸化反応による合成法、カルボン酸及びその誘導体からの合成、マイケル不可反応に代表されるエステル基導入反応、カルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応を利用する方法、酸ハロゲン化物とアルコール化合物からの反応、エステル交換反応等が挙げられる。触媒としては、エステル化反応に使う一般の酸性、アルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛、チタン化合物などでよい。その後、再結晶法、蒸留法などにより高純度化させてもよい。
特に好ましい製造方法は、原料の多様性、反応のしやすさからカルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応である。
縮合系樹脂としてポリエステルを用いる際のポリエステルの組成について以下に説明す
る。
ポリエステルは、全成分中45〜55mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%が酸成分であることが好ましい。
アルコール成分としては、エチルグリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記一般式(1)で示されるビスフェノー誘導体
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x、yはそれぞれ1以上の整数を示し、かつx+yの平均値は2〜10を示す。)、又は下記一般式(2)で示されるジオール類が挙げられる。
(式中、R’は−CH2CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH2C(CH3)2−を示す。)
2価のカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ジフェニル−P・P’−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸,ジフェニルメタン−P・P’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸,1,2−ジフェノキシエタン−P・P’−ジカルボン酸等のベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グリタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリエチレンジカルボン酸、マロン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。
特に好ましいアルコール成分としては前記一般式(1)で示されるビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、こはく酸、n−ドデセニルコハク酸、又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のジカルボン酸が挙げられる。
縮合系樹脂は、2価のジカルボン酸及び2価のジオールから合成することにより得ることが可能であるが、場合により、3価以上のポリカルボン酸又はポリオールを本発明に悪影響を与えない範囲で少量使用しても良い。
3価以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサ
ントリカルボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシルプロパン、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
3価以上のポリオールとしては、スルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−メタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
本発明のトナーは、荷電制御剤を使用しても良い。
トナーを負荷電性に制御する荷電制御剤としては、下記の物質が挙げられる。例えば、有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、けい素化合物、ノンメタルカルボン酸系化合物及びその誘導体等が挙げられる。
また、トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、下記の物質がある。例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;これらを単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩等の荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
荷電制御剤は、トナー中の結着樹脂100質量部当り、0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部となる様に含有させるのが良い。
本発明のトナーは、着色剤を含有している。黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、顔料系としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー3,7,10,12,13,14,15,17,23,24,60,62,74,75,83,93,94,95,99,100,101,104,108,109,110,111,117,123,128,129,138,139,147,148,150,166,168,169,177,179,180,181,183,185,191:1,191,192,193,199が好適に用いられる。染料系としては、例えば、C.l.ソルベントイエロー33,56,79,82,93,112,162,163、C.I.ディスパースイエロー42.64.201.211が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレッド19が特に好ましい。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合し、更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。着色剤の添加量は結着樹脂100質量部に対し、1〜20質量部となる様に添加して用いられる。
本発明においては、重合法を用いてトナーを得る場合、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要がある。好ましくは、着色剤の表面改質、例えば、重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほうが良い。特に、染料やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。着色剤を表面処理する好ましい方法としては、あらかじめこれら着色剤の存在下に重合性単量体を重合させる方法が挙げられ、得られた着色剤が含有された重合体を単量体組成物に添加するのが好ましい。また、カーボンブラックについては、上記着色剤と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えば、ポリオルガノシロキサン等でグラフト処理を行ってもよい。
さらに本発明のトナーにおいて磁性体を含有させ磁性トナーとして使用する場合、本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又はこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金及びその混合物が挙げられる。
本発明に用いられる磁性体は、より好ましくは、表面改質された磁性体が好ましく、重合法トナーに用いる場合には、重合阻害のない物質である表面改質剤により、疎水化処理を施したものが好ましい。このような表面改質剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤を挙げることができる。
これらの磁性体は1次粒径が2μm以下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ましい。トナー中に含有させる量としては結着樹脂100質量部に対し20〜200質量部、特に好ましくは40〜150質量部となる様に含有させるのが良い。
また、796kA/m(10kエルステッド)印加下での磁気特性が保磁力(Hc)1.59〜23.9kA/m(20〜300エルステッド)、飽和磁化(σs)50〜200emu/g、残留磁化(σr)2〜20Am2/kg(emu/g)の磁性体が好ましい。
本発明のトナー粒子は、平均円形度が好ましくは0.960以上0.995未満、更に
好ましくは0.965以上0.990未満がよい。また、円形度標準偏差が0.05未満の範囲にあると好ましい。トナー粒子の平均円形度0.960未満及び円形度標準偏差0.05以上の場合には、トナー粒子の形状が不均一であることから転写効率が低下し、更に定着時の熱及び圧力が均一に伝わらないことから、結着樹脂及びワックスの溶融が不均一になるため、特に低温領域において定着性が劣ることになる。
更に、現像時においても形状が不均一であることから、トナーの帯電性が均一にならないこと、及び流動性についても不均一であることからカブリ、ベタ画像及びハーフトーン画像の均一性についても不十分となり好ましくない。
平均円形度が0.995以上の場合は、転写後に画像担体上に残留したトナーを除去する際に、トナーの流動性が良すぎて、クリーニング手段と潜像担持体又は中間転写体との間をすり抜けやすいため、クリーニング不良を発生するという問題がある。また、定着においては、特に圧力定着において、圧力によって破壊されにくく、定着不良となりやすい。また、現像時においても規制部材などによるトナー層の規制が困難であるため好ましくない。
本発明のトナーの重量平均粒径としては3.0〜9.0μmが望ましい。重量平均粒径が3.0μm未満ではすり抜けがおこり易くクリーニング性において望ましくなく9.0μm以上では高解像度の画像を得るには不十分であるため望ましくない。
トナーの重量平均粒径はコールターカウンターTA−II型又はコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能であるが、本発明においてはコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。それから、本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とする)を求める。
平均円形度及び円形度標準偏差は、フロー式粒子像測定装置で計測されるトナー粒子の個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて計測されるものであり、本発明では「FPIA−1000型」(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出する。
円形度=粒子像と同じ投影面積を持つ円周長/粒子投影像の周囲長
平均円形度=各粒子の円形度の合計/全粒子数
円形度標準偏差={Σ(各粒子の円形度−平均円形度)2/全粒子数}1/2
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積である。具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物等を除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「UH−50型」(エスエムテー社製)に振動子として直径5mmのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならないように適宜冷却する。
トナーの形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いてトナーの円形度を求める。
本発明のトナー粒子の形状係数(円形度、円形度標準偏差)を制御する方法としては、例えば、粉砕法により製造されたトナー粒子を球形化処理する際の球形化処理条件をコントロールしてトナーを製造する方法、及び乳化重合、懸濁重合、分散重合等による重合法によりトナー粒子を製造する際の重合条件をコントロールしてトナーを製造する方法が挙げられる。
粉砕法により製造されたトナー粒子を球形化処理する方法としては、以下の通りである。まず、結着樹脂、ワックス、着色剤、荷電制御剤等を加圧ニーダーやエクストルーダー又はメディア分散機を用い均一に分散させた後、機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させ、所望のトナー粒径に微粉砕化する。その後、湯浴法、熱気流処理法、機械的衝撃法等によりトナー粒子を球形化処理し、更に分級工程を経て粒度分布を調整する。この球形化処理を施す際の処理温度、処理時間、及び処理エネルギー等の処理条件を適宜コントロールすることにより、トナー粒子の形状係数を調整することができる。特に粉砕法により製造されたトナー粒子を機械的球形化処理する方法においては、形状係数の調製だけでなく、機械的衝撃により結着樹脂がトナー粒子表面に露出したワックスに覆い被さることで、結果としてトナー表面近傍にワックスが分布することになり、定着性及び現像性の両立に貢献するという効果もみられる。
重合法により球形なトナー粒子を製造する方法としては、以下の通りである。まず、結着樹脂を構成する重合性単量体及び硫黄原子含有樹脂を構成する単量体中にワックス、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー・超音波分散機等によって均一に溶解又は分散させた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中で、ホモミキサー等により分散させる。単量体組成物からなる液滴が所望のトナー粒子のサイズが得られた段階で、造粒を停止する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。また、所定の分子量分布を得る目的で、重合反応後半に昇温しても良く、更に、未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体組成物100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
重合法でトナー粒子を製造する際に、分散安定剤の種類及び量、撹拌条件、水層のpH及び重合条件、添加剤の分子量をコントロールすることにより、トナー粒子の形状係数を調整することができる。
本発明のトナーは、メルトインデックス(MI)が好ましくは5.0〜30.0g/10分、より好ましくは5.0〜25.0g/10分の範囲にあるのがよい。MIが上記範囲内のトナーは、優れた現像性及び定着性を示す。トナーのMIが5.0未満の場合は定着時に必要となる定着ローラーからの圧力及び加熱を高温高圧にする必要があるため定着方式の簡素化と消費電力の削減の観点から不利である。更に、長期間の使用においてトナー表面に付着している有機及び無機微粉体などがトナー表面から遊離しやすいため、部材汚染を引き起こしやすくなることから好ましくない。また、30.0を超える場合は内部凝集力が低下するため耐オフセット性が悪化し、望ましくない。また、長期間の使用においてトナー表面に付着している有機及び無機微粉体などがトナー内に埋没しやすくなり流
動性の低下を引き起こし、画像の均一性、濃度や部材汚染などの点で好ましくない。
ここでのメルトインデックスは、日本工業規格の熱可塑性プラスチックの流れ試験方法JIS K7210記載の装置を用いて、下記測定条件下、手動切り取り法で測定を行う。この時、測定値は10分値に換算する。
測定温度 :135℃
荷重 :1.20kg
試料充填量:5〜10g
本発明のトナーは、トナー粒子にシリカ微粉体及び酸化チタン微粉体が少なくとも外添されている。
トナー粒子に外添される酸化チタン微粉体の1次粒径は35〜500nm、好ましくは35〜250nm、更に好ましくは45〜100nmであることがよい。酸化チタン微粉体が35nm未満であると、長期使用の過程で酸化チタン微粉体がトナー中に埋め込まれやすく、また、500nmを超えると逆にトナー表面から脱離し易いため、トナーの流動性及び帯電性能を長期間維持することが困難となる。従って、500nm以下であるとより一層トナー表面から脱離しにくいため、望ましい。
トナー粒子に少なくともシリカ微粉体及び酸化チタン微粉体が外添されており、該酸化チタン微粉体の1次粒径が35〜500nmで、且つ疎水化処理されていることにより以下の効果が得られる。シリカ微粉体をトナー粒子に外添させることにより、トナーの帯電性能、流動性を向上させることができ、更にシリカ微粉体に比べ静電的な凝集を起こしにくい酸化チタン微粉体をトナー粒子に外添させることにより、安定した流動性を得ることができ、それによりトナーを均一に帯電させ、画像形成において均一なトナー層を形成させることが可能となる。特に酸化チタン微粉体を疎水化処理することにより、一般的に吸湿性の高い酸化チタン微粉体を環境変動の影響から守ることが可能となる。更に低温低湿環境下において、シリカ微粉体のみでは部分的に過帯電となり、トナーの帯電分布が不均一になったり、静電凝集によりトナー層が均一に形成されなくなるという問題が生じるのを、疎水化処理酸化チタン微粉体を共に加えることにより、静電的因子を抑えた状態でトナーに流動性を付与することが可能となり、トナーを均一に帯電させ、トナー層を均一に形成することが可能となる。
特に硫黄原子含有樹脂を含有するトナーにおいては、硫黄原子含有樹脂の高い帯電能によって部分的に過帯電しやすい状態にあるが、トナー粒子に上記シリカ微粉体及び酸化チタン微粉体を外添させることにより、トナーを均一に帯電させることができ環境によらず硫黄原子含有樹脂の帯電能を阻害することなく、均一な画像を得ることが可能となる。しかも、本願発明のトナーは、長期使用においても、硫黄原子含有樹脂を含有することにより高い帯電能及び環境安定性を有し、酸化チタン微粉体の1次粒径を35〜500nmとすることで流動性と耐久性を有し、そこにシリカ微粉体が外添されていることにより、トナーの帯電が迅速に行われるため、環境によらず初期及び長期放置後においても良好な画像が得られる。更に均一にトナーが供給され、且つ現像スリーブ上においてトナー層が均一に形成されるため、部材に対するストレスの掛かり方も均一となり、部分的に大きなストレスが加わることで現像スリーブや規制部材にトナー等が融着や固着するといった問題や、トナー表面に付着している無機微粉体が遊離することで現像スリーブ、規制部材、潜像担持体や帯電部材を汚染する問題、及びトナー飛散といった問題が発生せず良好な画像が得られる。
酸化チタン微粉体の疎水化度は30〜95%であると使用可能であるが、望ましくは45〜80%であると良い。酸化チタン微粉体の疎水化度が30%未満であると水分吸着の抑制が不十分であり、95%以上であると特に低温低湿環境下において静電的に凝集しや
すくなり安定した流動性を維持することが困難となるため望ましくない。
疎水化度の測定は、メタノール滴定試験により以下のようにして行う。
メタノール滴定試験は、疎水化された表面を有する酸化チタン微粉体の疎水化度を確認する試験である。
酸化チタン微粉体0.2gを容量250mlの三角フラスコ中の水50mlに添加する。メタノールをビューレットから酸化チタン微粉体の全量が湿潤されるまで滴定する。この際フラスコ内の溶液はマグネチックスターラーで常時撹拌する。その終点は酸化チタン微粉体の全量が液体中に懸濁されることによって観察され、疎水化度は終点に達した際のメタノール及び水の液状混合物中のメタノールの百分率として表わされる。
本発明において使用される酸化チタン微粉体としては一般的な製法によって作製されたものを用いることが可能であり、酸化チタン微粉体の含有量としては、トナー粒子100質量部に対し、0.01〜3.00質量部が好ましいが、より好ましくは0.01〜1.00質量部、更に好ましくは0.05〜0.50質量部、特に好ましくは0.05〜0.20質量部であると良い。含有量が0.01質量部未満であると効果が小さく、3.00質量部を超えるとトナーの流動性が高いため、特に低温低湿環境下においてクリーニング性が不十分となりやすく望ましくない。
本発明において使用されるシリカ微粉体としては、一般的な製法によって作製されたものを用いることが可能であるが、疎水化処理されているものが好ましい。シリカ微粉体の含有量としては、トナー粒子100質量部に対し、0.10〜3.00質量部が好ましいが、より好ましくは0.30〜2.00質量部、更に好ましくは0.50〜2.00質量部、特に好ましくは0.80〜1.70質量部であると良い。含有量が0.10質量部未満であると効果が小さく、3.00質量部を超えるとトナーの流動性が高いため、特に低温低湿環境下においてクリーニング性が不十分となりやすく、望ましくない。
また、シリカ微粉体の1次粒径としては、望ましくは5〜120nm、より好ましくは5〜60nm、更に好ましくは5〜30nmである。1次粒径が5nm未満であると長期使用においてシリカ微粉体がトナー表面に埋め込まれやすく、120nmを超えるとトナーの帯電の立ち上がり性において劣るものとなる。
酸化チタン微粉体及びシリカ微粉体の疎水化処理方法としては、従来公知の方法が使用される。例えば具体的には、あらかじめ酸化チタン微粉体を真空下で100〜150℃に加熱し、デシケーター中に貯蔵することによって処理し、水を除去しておく。例えば、脱水処理した酸化チタン微粉体とシランカップリング剤とを、トルエン中で反応させ、酸化チタン微粉体表面のOH基を疎水化処理する方法(溶剤湿式処理法)が挙げられる。その他にも溶剤乾式噴霧法、水系エマルジョン処理法、水系加水分解法などが挙げられる。
酸化チタン微粉体やシリカ微粉体等の無機微粉体の疎水化処理を行う疎水性処理剤としては以下に示すシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等が利用できる。
シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。好ましくはオクチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン又はビニルトリアセトキシシランであり、更に好ましくはオクチルトリメトキシシランである。
チタンカップリング剤としては、例えばビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート等が挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。特にクロルフェニルシリコーンオイルが好ましい。
上記シリコーンオイルは、温度25℃における粘度が50〜1000センチストークス(cSt)の物が好ましい。より好ましくは100〜200センチストークスである。50センチストークス未満では熱が加わることにより一部発揮し、帯電特性が劣化しやすい。1000センチストークスを超える場合では、処理作業上取扱いが困難となる。シリコーンオイル処理の方法としては、公知技術が使用できる。
例えば、シリカ微粉体とシリコーンオイルとを混合機を用い、混合する。シリカ微粉体中にシリコーンオイルを噴霧器を用い噴霧する。又は溶剤中にシリコーンオイルを溶解させた後、シリカ微粉体を混合する方法が挙げられる。処理方法としてはこれに限定されるものではない。
酸化チタン微粉体の疎水化処理方法としてシリコーンオイル等のオイルを用いた方法でも問題はないが、シランカップリング剤やチタンカップリング剤等のカップリング剤を用いた処理方法のものが好ましい。また、シリカ微粉体の疎水化処理の方法としてはカップリング剤を用いる方法でも問題ないが、シリコーンオイル等のオイルを用いた処理方法のものが好ましい。この理由としては、酸化チタン微粉体は長期使用においても疎水化度を維持し続ける必要性があることから、ストレスにより剥がれない化学的結合によって強固に疎水化処理を行うのにカップリング剤を用いるのが好ましいからである。シリカ微粉体に関しては、もともと帯電能が高いため過度に疎水化処理を行うと特に低温低湿環境下において静電的に凝集し易くなるため、オイルの部数や粘度を適宜調整することでシリカ微粉体の帯電性の調整が容易であるため好ましい。
これら無機微粉体の疎水化処理、特にシリコーンオイルなどによる表面処理により逆にトナーに対する付着強度が弱まる原因にもなりえるため、このような疎水化処理は、無機微粉体の帯電性の制御だけでなく、トナー粒子表面への無機微粉体の付着強度の調整にも利用できる。
トナーにおける酸化チタン微粉体及びシリカ微粉体の個数遊離率はそれぞれ0.10〜25.00%、好ましくは0.10〜15.00%であると良い。この理由としては0.10%未満であると、トナー粒子の流動性が極端に低下し、現像スリーブ上におけるトナ
ーの穂立ちが粗になり易く、ハーフトーン画像等においてガサツキや周方向のムラが発生し易くなる。長期使用の際、特に高温高湿下でカブリが増大するため望ましくない。一般に、高温環境下では規制部材等のストレスにより外添剤の埋め込みが起り易く、長期使用においてトナー粒子の流動性は初期に比べ劣るものとなってしまい、上記問題が生じてしまうと考えられる。また、30.00%以上であると遊離した酸化チタン微粉体及びシリカ微粉体によって部材汚染が発生するため望ましくない。
以下に、酸化チタン微粉体及びシリカ微粉体の個数遊離率について説明する。
酸化チタン微粉体及びシリカ微粉体の個数遊離率とは、パーティクルアナライザー(PT1000:横河電機(株)製)により測定されたものであり、パーティクルアナライザーを用いて、Japan Hardcopy97論文集の65〜68ページに記載の原理で測定を行う。具体的には、パーティクルアナライザーはトナー等の微粒子を一個ずつ、電子密度5×1013cm-3、励起温度3,300K、20,000Kを超える高い電子温度を持つ高温の非熱平衡型プラズマへ導入し、この励起に伴う微粒子の発光スペクトルから発光したものの元素、粒子数、粒子の粒径を知ることが出来る。
この中で、「個数遊離率」とは、トナー粒子中の結着樹脂の構成元素である炭素原子の発光と、酸化チタン微粉体由来のTi原子及びシリカ微粉体由来のSi原子の発光の同時性から下記式(1)及び(2)により求めたものと定義する。
(1)酸化チタン微粉体の個数遊離率(%)
=100×(Ti原子のみの発光回数/炭素原子と同時に発光したTi原子のみの発光回数+Ti原子のみの発光回数)
(2)シリカ微粉体の個数遊離率(%)
=100×(Si原子のみの発光回数/炭素原子と同時に発光したSi原子の発光回数+Si原子のみの発光回数)
ここで、炭素原子とTi原子及びSi原子の同時発光とは、炭素原子の発光から2.6msec以内に発光したTi原子及びSi原子の発光を同時発光とし、それ以降のTi原子及びSi原子の発光は、Ti原子及びSi原子のみの発光とする。本発明では酸化チタン微粉体とシリカ微粉体をトナー粒子表面へ外添付着させているため、炭素原子とTi原子及びSi原子が同時発光すると言うことは、トナー粒子表面に酸化チタン微粉体及びシリカ微粉体が付着していることを意味し、Ti原子及びSi原子のみの発光は、酸化チタン微粉体及びシリカ微粉体がトナー粒子表面から遊離離脱していることを意味すると言い換えることも可能である。
具体的な測定方法としては、0.1%酸素含有のヘリウムガスを用い、23℃で湿度60%の環境にて測定を行い、チャンネル4で炭素原子(測定波長247.860nm、Kファクターは本体推奨値)、チャンネル2でSi原子(測定波長288.160nm、Kファクターは本体推奨値)チャンネル3でTi原子(測定波長232.232nm、Kファクターは本体推奨値)を測定し、一回のスキャンで炭素原子の発光数が1000±200個となる様にサンプリングを行い、炭素原子の発光数が総数で10000以上となるまでスキャンを繰り返し、発光数を積算する。このデータを元に、上記式(1)、(2)を用い、酸化チタン微粉体及びシリカ微粉体の個数遊離率を算出する。本発明に係る酸化チタン微粉体及びシリカ微粉体の発光強度の測定は、PT1000にて推奨されるチャンネルを選択すればなんら構わない。
酸化チタン微粉体及びシリカ微粉体の個数遊離率を測定するにあたり、本発明のトナー
粒子がカラートナー粒子(イエロートナー粒子、マゼンタトナー粒子、シアントナー粒子及びブラックトナー粒子)である場合には、炭素原子を測定する任意のチャンネル(本発明においては4チャンネルを使用)の三乗根電圧値を低くした設定で測定する。
その理由としては、以下の通りである。本発明に係るパーティクルアナライザー(PT1000:横河電機(株)製)では元素の原子数(質量)に比例する信号を検出しているが、等価粒径表示(ある元素の発光が得られたとき、その元素だけで出来た真球の粒子を仮定したもの)をするために検出された電圧の三乗根をとっている。これを三乗根電圧として規定しているが、原子数の三乗根は粒径に比例するので三乗根電圧は粒径に比例することになる。従って、本発明に係るカラートナー粒子は、磁性体を用いた一成分トナー粒子と同じ三乗根電圧の部分を比較した場合、トナー粒子における炭素原子の発光強度は、結着樹脂成分、着色剤成分等の影響でカラートナー粒子の方が大きくなり、一成分トナー粒子と同じ三乗根電圧値では粒径の小さい部分までの粒度分布を示すことが出来ず、トナー粒子の正規な粒度分布に対する個数遊離率を測定する上では、三乗根電圧値を低く設定し測定しなければならない。
この様なことから、本発明においてカラートナー粒子を測定する場合、炭素原子の三乗根電圧は、Low Voltage(1.8V)に設定にして酸化チタン微粉体及びシリカ微粉体の個数遊離率を測定する。
なお、本発明に係る個数遊離率の算出に至ってはノイズレベルを1〜3チャンネルは1.5V設定、4チャンネルは1.3V設定で行う。
シリカ微粉体及び酸化チタン微粉体の個数遊離率の調整方法としては、前述の疎水化処理の際のシリコーンオイルの添加量や粘度等による調整方法の他に、トナー粒子に外添する際の外添方法や外添条件による方法でも可能である。例えば、外添手段としてはヘンシェルミキサー、ボールミル、コーヒーミル等が使用可能であり、適宜条件を最適化することで調整が可能となる。
酸化チタン微粉体はアナターゼ型、ルチル型いずれでも使用可能であるが、アナターゼ型酸化チタン微粉体であることが望ましい。この理由としては、ルチル型酸化チタン微粉体であると微粉体形状が針状であるためトナーに外添した際に均一に付着させることが困難であること、更には付着強度も個々の微粉体によって一定ではないため長期使用においてはトナー表面から遊離しやすいものが発生することになり、トナーの流動性、帯電性を長期間維持する点で望ましくない。その点、アナターゼ型酸化チタン微粉体であると微粉体形状がほぼ球状であるため望ましい。
酸化チタン微粉体の体積抵抗値は1.0×103〜1.0×1015Ω・cm、好ましくは1.0×103〜1.0×1015Ω・cm、より好ましくは1.0×104〜1.0×1014Ω・cmであると望ましい。この理由としては、酸化チタン微粉体の体積抵抗値が1.0×102Ω・cm未満であると、帯電したトナーの電荷がリークしやすくなり望ましくない。1.0×1015Ω・cmを越えると環境変動特に低温低湿環境下の影響を受けやすくなるため望ましくない。
ここで酸化チタン微粉体の静的抵抗測定方法における体積抵抗値の測定は、図2に示すセルAを用いて以下のようにして行う。
セルAに酸化チタン微粉体7を充填し、充填酸化チタン微粉体7に接するように電極1及び2を配し、該電極間に定電圧装置6から電圧を印加し、この際セルにかかる電圧を電圧計5で電圧をモニターし、その時流れる電流を電流計4で測定することにより求める。
なお、3は絶縁物、8はガイドリングを示す。
その測定条件は、23℃、65%の環境で充填酸化チタン微粉体7の電極1及び2との接触面積各々S=0.283cm2、厚みd=1.0mm、上部電極2の荷重120g/cm2、印加電圧400Vである。
本発明におけるトナー以外の微粉体(酸化チタン微粉体、シリカ微粉体、磁性体等)の1次粒径の測定方法を以下に示す。
1次粒径は、微粉体を透過型電子顕微鏡で観察し、視野中の0.001μm以上の100個の粒子径を測定して平均粒径を求め、トナー上の分散粒子径は走査電子顕微鏡で観察し、視野中の100個の微粉体をXMA(光電子分光法)により定性し、その粒径を測定して平均粒径を求める。
本発明のトナーは、前述の酸化チタン微粉体及びシリカ微粉体以外にも各種特性付与を目的として、様々な無機、有機の添加剤を用いることが可能であり、これらをトナー粒子に外添することにより得られる。用いる添加剤としては、トナーに添加したときの耐久性の点から、トナー粒子の重量平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、走査型電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした添加剤としては、例えば、以下のようなものが用いられるが、特に何ら限定するものではない。
1)流動性付与剤:金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、など)、カーボンブラック、フッ化カーボン等。それぞれ、疎水化処理を行ったものがより好ましい。
2)研磨剤:金属酸化物(チタン酸ストロチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロム等)、窒化物(窒化ケイ素等)、炭化物(炭化ケイ素等)、金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)等が好ましい。
3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等)等が好ましい。
4)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化錫、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなど)、カーボンブラック等が好ましい。
これら添加剤は、トナー100質量部に対し、0.1〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部用いられるのが良い。これらの添加剤は単独で用いても、複数併用しても良い。
次に、本発明のトナー粒子の製造方法について説明する。
本発明のトナー粒子を製造する方法としては、以下の方法が挙げられる。特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に記
載されている懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法;単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法;マイクロカプセル製法のような界面重合法、in situ重合法による方法;コアセルベーション法による方法;特開昭62−106473号公報や特開昭63−186253号公報に開示されている少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のトナー粒子を得る会合重合法による方法;単分散を特徴とする分散重合法による方法;非水溶性有機溶媒に必要な樹脂類を溶解させた後、水中でトナー粒子を得る乳化分散法による方法;加圧ニーダーやエクストルーダー、又はメディア分散機等を用いてトナー成分を混練、均一に分散させた後、冷却し、混練物を機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させて所望のトナー粒径に微粉砕し、更に分級工程を経て粒度分布をシャープにしてトナー粒子を製造する粉砕法;粉砕法で得られたトナー粒子を溶媒中で加熱等により球形化処理し、トナー粒子を得る方法。
なかでも、懸濁重合法、会合重合法、乳化分散法によるトナー粒子の製造が好ましい。
より好ましくは小粒径のトナー粒子が容易に得られる懸濁重合方法が望まれる。さらに、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着させた後、重合開始剤を用い重合させるシード重合法も本発明に好適に利用することができる。このとき、吸着させる単量体中に、極性を有する化合物を分散あるいは溶解させて使用することも可能である。
トナー粒子の製造方法として懸濁重合を利用する場合には、以下の製造方法によって直接的にトナー粒子を製造することが可能である。重合性単量体中にワックス、着色剤、硫黄原子含有樹脂、重合開始剤、架橋剤、その他の添加剤等を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解又は分散させた単量体組成物を、分散安定剤を有する水系媒体中に通常の攪拌機又はホモミキサー、ホモジナイザーにより分散させる。好ましくは単量体組成物の液滴が、所望のトナー粒子のサイズを有するように攪拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の攪拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、通常50〜95℃、好ましくは55〜85℃の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温しても良く、必要に応じpHを変更しても良い。更に、定着時の臭いの原因となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により収集し、乾燥する。
造粒中の水系媒体中のpHは特に制約は受けないが、好ましくは、pH4.5〜13.0、更に好ましくは4.5〜12.0、特に好ましくは4.5〜11.0、最も好ましくは4.5〜7.5である。pHが4.5未満の場合は分散安定剤の一部に溶解がおこり、分散安定化が困難になり、造粒出来なくなることがある。またpHが13.0を超える場合はトナー粒子中に添加されている成分が分解されてしまうことがあり、十分な帯電能力が発揮出来なくなることがある。造粒を酸性領域で行った場合には、分散安定剤に由来する金属のトナー粒子中における含有量が過剰となるのを抑制することができ、望ましい。
また、トナー粒子の洗浄をpH3以下、より好ましくは、pH1.5以下の酸を用いて行うことが好ましい。トナー粒子の洗浄を酸で行うことにより、トナー粒子表面に存在する分散安定剤を低減することができる。洗浄に用いる酸としては、特に限定されるものではなく、塩酸、硫酸等の無機酸を用いることができる。
本発明に用いられる分散安定剤としては、例えば、リン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイド等が挙げられる。
また、分散安定剤としては、少なくともマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、燐のいずれかが含まれているものが用いられるが、好ましくは、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、燐のいずれかが含まれていることが望まれる。
上記分散安定剤に有機系化合物、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等を併用しても構わない。
これら分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.01〜2.0質量部を使用することが好ましい。
さらに、これら分散安定剤の微細化のため0.001〜0.1質量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
本発明において、懸濁重合法によってトナー粒子を得る場合、用いる重合性単量体としては、スチレン、o(m−、p−)−メチルスチレン、m(p−)−エチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミド等のエン系単量体が好ましく用いられる。これらは、単独又は一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−Pl39〜192(John Wiley&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40〜80℃を示すように単量体を適宜混合し用いることが好ましい。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には、トナーの保存安定性やトナーの耐久安定性の面から問題が生じ、一方80℃を超える場合は定着点の上昇をもたらすため好ましくない。
また、懸濁重合法を用いてトナー粒子を得る方法においては、重合単量体の重合反応を阻害無く行うという観点から、極性樹脂を同時に添加するが特に好ましい。本発明に用いられる極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、スチレンと不飽和カルボン酸エステル等との共重合体、アクリロニトリル等のニトリル系単量体、塩化ビニル等の含ハロゲン系単量体、アクリル酸又はメタクリル酸等の不飽和カルボン酸、その他不飽和二塩基酸及び不飽和二塩基酸無水物、ニトロ系単量体等の重合体又はこれらの単量体とスチレン系単量体等との共重合体、マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。極性樹脂は、単量体と反応しうる不飽和基を分子中に含まないものが特に好ましい。これらの極性樹脂の添加量としては、重合性単量体の0.1〜10質量%が好ましい。
本発明のトナーを重合法で製造する際に用いられる重合性単量体として、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体を用いてもよい。ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体又は多官能性重合性単量体を使用することが出来る。
単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン等のスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルア
クリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート等のアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレート等のメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン等のビニルケトン等が挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独又は2種以上組み合わせて、あるいは上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用することができる。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等のパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素等が挙げられる。
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御するために、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
また本発明においては、架橋剤を用いて、架橋を有する樹脂とすることもできる。架橋剤として、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いることができる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等の二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独又は混合物として用いられる。
本発明のトナーは、上記トナー粒子にシリカ微粉体及び酸化チタン微粉体、必要により各種添加剤を外添することにより得られる。このようにして得られる本発明のトナーは、一成分系現像剤用のトナーとして使用することも可能であり、キャリアを有する二成分系現像剤用のトナーとしても使用可能である。
一成分系現像剤として用いる、磁性体をトナー中に含有した磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵したマグネットを利用し、磁性トナーを搬送及び帯電させる方法がある。磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード又はローラーを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電し、現像スリーブ上にトナーを付着させることで搬送させる方法がある。
二成分系現像剤として用いる場合には、本発明のトナーとキャリアとを混合して現像剤として使用する。キャリアとしては、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム元素からなる原子単独又は複合フェライト状態で構成される。キャリアの形状として、球状、扁平又は不定形があり、そのいずれのものも用いることができる。更にキャリア表面状態の微細構造(たとえば表面凹凸性)をもコントロールすることが好ましい。一般的には、上記無機酸化物を焼成、造粒することにより、あらかじめ、キャリアコア粒子を生成した後、樹脂でコーティングする方法が用いられている。キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、無機酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、さらには、直接無機酸化物と単量体との混練物を水系媒体中にて懸濁重合させ真球状のキャリアを得る方法も利用することが可能である。
上記キャリアの表面を樹脂で被覆した被覆キャリアは、特に好ましい。その方法としては、樹脂を溶剤中に溶解又は懸濁させて、溶液又は懸濁液をキャリアに塗布し付着させる方法、単に樹脂粉体とキャリアとを混合して付着させる方法が適用できる。
キャリア表面の被覆物質としてはトナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂等が挙げられる。これらは単独又は複数で用いられる。
キャリアの磁性特性は以下のものが良い。磁気的に飽和させた後の79.6kA/m(1kエルステッド)における磁化の強さ(σ1000)は3000〜30000kA/m2であることが好ましい。さらに高画質化を達成するために、好ましくは10000〜25000kA/m2であることがよい。30000kA/m2より大きい場合には、高画質なトナー画像が得られにくくなる。逆に、3000kA/m2未満であると、磁気的な拘束力も減少するためにキャリア付着を生じやすい。
本発明のトナーとキャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると通
常良好な結果が得られる。
本発明のトナーは、非磁性一成分トナーであると現像性において特に大きな効果を持つため望ましい。この理由としては非磁性一成分現像方式の場合は二成分現像方式等とは違い、トナーを帯電させる際にキャリアなどの助けがないためトナー自身の帯電性能が大きく影響するためである。
更に、磁性一成分現像方式や二成分現像方式と比較して、非磁性一成分現像方式である方が画像形成装置などの小型化、軽量化において望ましい。更に、本発明のトナーは、非磁性一成分非接触現像方式においても有効であるが、より好ましくは非磁性一成分接触現像方式において用いられるとより有効である。これは接触現像の場合は現像スリーブ上にコートされているトナーの帯電性及び流動性が要因であるコートムラなどの影響を受けやすいため、本発明のトナーを用いる効果が大きいためである。更に接触現像であるとトナー飛散などの問題において望ましい。
一成分現像方式において、潜像担持体と現像スリーブが距離を有すると、潜像担持体上の静電潜像のエッジ部に電気力線が集中し、電気力線に沿ってトナーが現像されるために画像のエッジ部にトナーが偏って現像されるエッジ効果によって画像の品位が低下し易くなることから、接触現像が望ましい。
次に本発明のトナーは、例えば次のような画像形成方法、プロセスカートリッジ及び現像ユニットに適応できる。以下に詳細について説明する。
まず、図1は本発明のトナーを用いて、本発明として適用される非磁性一成分接触現像方式での画像形成方法及びプロセスカートリッジの具体例である。図1において、現像ユニット13は、一成分現像剤としての非磁性トナー17を収容した現像剤容器23と、現像剤容器23内の長手方向に延在する開口部に位置し潜像担持体(感光ドラム)10と、対向設置された現像スリーブ14とを備え、潜像担持体10上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。潜像担持体接触帯電部材11は潜像担持体10に当接している。潜像担持体接触帯電部材11のバイアスは電源12により印加されている。
現像スリーブ14は、上記開口部にて図に示す右略半周面を現像剤容器23内に突入し、左略半周面を現像剤容器23外に露出して横設されている。この現像剤容器23外へ露出した面は、図1のように現像ユニット13の図中左方に位置する潜像担持体10に当接している。
現像スリーブ14は矢印B方向に回転駆動され、またその表面は、非磁性トナー17との摺擦確率を高くし、且つ非磁性トナー17の搬送を良好に行うための適度な凹凸を有している。現像スリーブ14は、図1のように現像スリーブ14を潜像担持体10に当接させて用いる場合は、一例として、NBRの基層にエーテルウレタンを表層コートした、直径16mm、表面粗さRzが3〜10μm、体積抵抗値が104〜108Ω・cmの弾性ローラーを用いることができる。潜像担持体10の周速は50〜170mm/s、現像スリーブ14の周速は潜像担持体10の周速に対して1〜2倍の周速で回転させている。
現像スリーブ14の上方位置には、SUS等の金属板や、ウレタン、シリコーン等のゴム材料、バネ弾性を有するSUS又はリン青銅の金属薄板を基体とし、現像スリーブ14への当接面側にゴム材料を接着したもの等からなる規制部材16が、規制部材支持板金24に支持され、自由端側の先端近傍を現像スリーブ14の外周面に面接触にて当接するように設けられており、その当接方向としては、当接部に対して先端側が現像スリーブ14の回転方向上流側に位置するいわゆるカウンター方向になっている。規制部材16の一例
としては、厚さ1.0mmの板状のウレタンゴムを規制部材支持板金24に接着した構成で、現像スリーブ14に対する当接圧(線圧)を、適宜設定したものである。当接圧は、好ましくは、20〜300N/mである。なお、当接圧の測定は、摩擦係数が既知の金属薄板を3枚当接部に挿入し、中央の1枚をばねばかりで引き抜いた値から換算する。なお、規制部材16は当接面側にゴム材料などを接着したものの方がトナーとの付着性の面で、長期使用において規制部材へのトナーの融着、固着を抑制できるため望ましい。また規制部材16は、現像スリーブ14に対する当接状態を先端を当接させるエッジ当接とすることも可能である。なお、エッジ当接とする場合は、現像スリーブとの接点における現像スリーブの接線に対する規制部材の当接角を40度以下になるよう設定するとトナーの層規制の点で更に望ましい。
弾性ローラー15は、規制部材16の現像スリーブ14表面との当接部に対し現像スリーブ14の回転方向上流側に当接され、かつ回転可能に支持されている。この構造としては、発泡骨格状スポンジ構造や芯金上にレーヨン、ナイロン等の繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像スリーブ14への非磁性トナー17の供給及び未現像トナーの剥ぎ取りの点から好ましい。弾性ローラーの一例としては、芯金15a上にポリウレタンフォームを設けた直径12mmの弾性ローラー15を用いる。この弾性ローラー15の現像スリーブ14に対する当接幅としては、1〜8mmが有効で、また現像スリーブ14に対してその当接部において相対速度を持たせることが好ましい。
帯電ローラー29は本発明のプロセスカートリッジに必須のものではないが、設置されているとより好ましい。帯電ローラー29はNBR、シリコーンゴム等の弾性体であり、抑圧部材30に取り付けられている。そしてこの抑圧部材30による帯電ローラー29の現像スリーブ14への当接荷重は0.49〜4.9Nに設定する。帯電ローラー29の当接により、現像スリーブ14上のトナー層は細密充填され均一コートされる。規制部材16と帯電ローラー29の長手位置関係は、帯電ローラー29が現像スリーブ14上の規制部材16当接全域を確実に覆うことができるように配置されるのが好ましい。
また、帯電ローラー29の駆動については、現像スリーブ14との間は従動又は同周速が必須であり、帯電ローラー29と現像スリーブ14間に周速差が生じるとトナーコートが不均一になり、画像上にムラが発生するため好ましくない。
帯電ローラー29のバイアスは、電源27によって現像スリーブ14と潜像担持体10の両者間に直流で(図1の27)印加されており、現像スリーブ14上の非磁性トナー17は帯電ローラー29より、放電によって電荷付与を受ける。
帯電ローラー29のバイアスは、非磁性トナーと同極性の放電開始電圧以上のバイアスであり、現像スリーブ14に対して1000〜2000Vの電位差が生じるように設定される。
帯電ローラー29による帯電付与を受けた後、現像スリーブ14上に薄層形成されたトナー層は、一様に潜像担持体10との対向部である現像部へ搬送される。
この現像部において、現像スリーブ14上に薄層形成されたトナー層は、図1に示す電源27によって現像スリーブ14と潜像担持体10の両者間に印加された直流バイアスによって、潜像担持体10上の静電潜像にトナー像として現像される。
本発明において、図1に示す画像形成装置を構成する部材としては、上記以外に、次のようなものが用いられる。
現像スリーブとして使用できる弾性ローラーとしては、導電性基体上に弾性層、好ましくは比較的高抵抗の層を設けたものが用いられる。ローラーの弾性層としては、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、EPDMゴム、ポリウレタンゴム、エポキシゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム等のゴム又はスポンジ、スチレン−ブタジエンサーモプラスチックエラストマー、ポリウレタン系サーモプラスチックエラストマー、ポリエステル系サーモプラスチックエラストマー、エチレン−酢酸ビニルサーモプラスチックエラストマー等のサーモプラスチックエラストマー等で形成することができる。現像スリーブとしては、体積抵抗値が、望ましくは103Ω・cm以上109Ω・cm以下のものが好ましい。
現像スリーブは芯金の上に2層以上の層を持つローラー状のものが好ましく、各層はそれぞれ違う組成のゴム等で形成される。そして、各層の導電性(体積抵抗値)を制御することで、望ましい現像スリーブが得られる。
各層の体積抵抗値(Rv)は、つぎのようにして測定する。すなわち、各層を形成する材料のシートを作製し、シート外表面上に銀ペーストで10mm四方の電極を描き(ガード電極付)、シートの反対側の面に対抗電極を設け、電極間の電気抵抗を測定する。なお、電極間には直流電圧100Vを印加する。
導電性を制御する手段としては、カーボン、アルミニウム、ニッケル、酸化チタン等の導電性粒子を分散する方法、4級アンモニウム塩、過塩素酸リチウム等を含有させイオン導電性を利用する方法が挙げられる。
比較的高抵抗の層としては、例えば、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニリデンフルオライド等のフッ素系樹脂、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、シリコーンアクリル等のシリコーン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−12、ナイロン−46、アラミド類等のポリアミド系樹脂、PET等のポリエステル系樹脂、PEやPP等のポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、メラミン系樹脂、スチロール系樹脂、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、フェノール系樹脂等が適宜抵抗を調整するために使用できる。
本発明において用いられる現像スリーブとしては、アスカーC硬度が30〜60°で、現像スリーブの表面粗さRzは3〜10μmのものがトナーに対して掛かるストレスが大きくなく、且つ規制不良を発生させる事も無く、十分な画像濃度が得られるため望ましい。
上記アスカーC硬度は、高分子計器株式会社製のアスカー硬度計C型を使用し、荷重500gの条件で測定する。
上記表面粗さ(Rz)は、JIS B 0601に記載の方法に準じて、表面粗さ計(東京精密社製、サーフコム)を用いて測定する。
更に、現像スリーブ及び規制部材により規制され、帯電付与されたトナーに対し、更に現像スリーブに接触した帯電補助ローラーによりバイアスを印加しても良い。これによりトナーの帯電が増すだけでなく均一化されることになりカブリ、ボタ落ちなどを含め、画質が向上するため望ましい。
帯電補助ローラーとしては、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、EPDMゴム、ポリウレタンゴム、エポキシゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム等の適宜抵抗が調整されたゴム又はスポンジ材料が好適に使用され、その体積抵抗値は好ましくは104Ω・cm以上109Ω・cm以下である。
本発明に用いられる潜像担持体は感光層を有し、感光層は単層又は積層構造を有する。
単層構造の場合、感光層はキャリアを生成する電荷発生材料とキャリアを輸送する電荷輸送材料とを共に含有する。積層構造の場合、キャリアを生成する電荷発生材料を含有する電荷発生層と、キャリアを輸送する電荷輸送材料を含有する電荷輸送層とが積層されて感光層が構成される。表面層を形成するのは電荷発生層又は電荷輸送層どちらの場合もある。
単層構造の場合の感光層は5〜100μmの厚さが好ましく、更には10〜60μmであることが好ましい。また、電荷発生材料や電荷輸送材料を感光層の全質量に対し20〜80質量%含有することが好ましく、更には30〜70質量%であることが好ましい。単層構造の場合の感光層は、前記電荷発生材料、電荷輸送材料以外に後述のバインダー樹脂を含有し、必要に応じて紫外線吸収剤や酸化防止剤、その他の添加剤等を含有することができる。
積層構造の場合の感光層においては、電荷発生層の膜厚は0.001〜6μmであることが好ましく、更には0.01〜2μmであることが好ましい。電荷発生材料の含有量は電荷発生層の全質量に対し10〜100質量%であることが好ましく、更には40〜100質量%であることが好ましい。電荷発生層は電荷発生材料のみで構成される場合もあるが、それ以外の場合にはバインダー樹脂等を含有することができる。電荷輸送層の膜厚は5〜100μmであることが好ましく、更には5〜19μmであることが好ましい。電荷輸送材料の含有量は20〜80質量%であることが好ましく、更には30〜70質量%であることが好ましい。電荷輸送層は電荷輸送材料以外にバインダー樹脂を含有し、単層構造の感光層と同様にその他任意に添加剤を含有することができる。
本発明に用いられる電荷発生材料としては、フタロシアニン顔料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ぺリレン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム塩染料、スクアリリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、キサンテン色素、キノンイミン色素、トリフェニルメタン色素、スチリル色素、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン及び硬化カドミニウム等が挙げられる。
本発明に用いられる電荷輸送材料としては、ピレン化合物、カルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物及びスチルベン化合物等が挙げられる。
感光層に用いるバインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ボリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂及びブチラール樹脂等が挙げられる。更に、反応性のエポキシ、(メタ)アクリルモノマーやオリゴマーも混合後硬化して用いることが可能である。
本発明に用いられる潜像担持体は、上述の感光層の上に保護層を積層してもよい。保護層の膜厚は、0.01〜20μmであることが好ましく、更には0.1〜10μmであることが好ましい。保護層は通常バインダー樹脂に電荷発生材料又は電荷輸送材料や、金属及びその酸化物、窒化物、塩、合金、更にはカーボン等の導電材料等が分散された構成を有する。保護層に用いるバインダー樹脂、電荷発生材料、電荷輸送材料としては、上記感光層に用いられる材料と同様のものが挙げられる。
本発明に用いられる潜像担持体に用いられる導電性支持体は、鉄、銅、ニッケル、アル
ミニウム、チタン、スズ、アンチモン、インジウム、鉛、亜鉛、金及び銀等の金属;合金;それらの酸化物;カーボン;等の導電性材料又は導電性樹脂等が使用可能である。形状は円筒形、ベルト状やシート状のものがある。また、前記導電性材料は、成型加工される場合もあるが、塗料として塗布したり、蒸着してもよい。なお、図1に示す潜像担持体に用いられている導電性支持体は円筒形のものである。
また、導電性支持体と感光層との間に、下引層を設けてもよい。下引層は主にバインダー樹脂からなるが、前記導電性材料や、ジメチルテレフタレート、ベンゾキノン化合物、トリニトロフルオレノン等のアクセプター性の化合物を含有してもよい。下引層を形成するバインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ボリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂及びブチラール樹脂等が挙げられる。
さらに、上述の様に導電性支持体と感光層との間に、導電層を設けてもよい。感光体が下引層と導電層を共に有する場合には、通常、導電性支持体、導電層、下引層、感光層の順に積層される。導電層は、一般的には、上記下引層に用いられるのと同様なバインダー樹脂に前記導電性材料が分散された構成を有する。
本発明に用いられる潜像担持体を製造する方法としては、通常、導電性支持体上に下引層、感光層及び保護層等を、蒸着や塗布等で積層する方法が用いられる。塗布にはバーコーター、ナイフコーター、ロールコーター、アトライター、スプレー、浸漬塗布、静電塗布及び粉体塗布等が用いられる。また、上記下引層、感光層及び保護層等を塗布法により形成させるには、各層毎にその構成成分を、有機溶媒等に溶解、分散させた溶液、分散液等を上記の方法により塗布した後、溶媒を乾燥等によって除去すればよい。あるいは、反応硬化型のバインダー樹脂を用いる場合には、各層の構成成分を樹脂原料成分及び必要に応じて添加される適当な有機溶媒等に溶解、分散させた溶液、分散液等を上記の方法により塗布した後、例えば、熱や光等により樹脂原料を反応硬化させ、さらに必要に応じて溶媒を乾燥等によって除去すればよい。
潜像担持体の導電性基体上に少なくとも電荷発生層及び該電荷発生層上に電荷輸送層とを有し、電荷発生層上に19μm以下の保護層を有することが望ましい。これは電荷発生層上に形成される保護層厚が19μmより大きいと感度が低下し、且つ形成されている膜が均一になり難いためである。また、製造上使用される溶媒の残留量も多くなりやすいという問題も生じる。
潜像担持体接触帯電部材としては、ローラー、ブレード又はブラシ等が用いられる。ローラー又はブレードの場合は、導電性基体として、鉄、銅、ステンレス等の金属、カーボン分散樹脂、金属又は金属酸化物分散樹脂等が用いられ、その形状としては棒状、板状等が使用できる。例えば、潜像担持体接触帯電部材としてのローラーを弾性ローラーとした場合の構成としては、導電性基体上に弾性層、導電層、抵抗層を設けたものが用いられる。弾性層としては、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、EPDMゴム、ポリウレタンゴム、エポキシゴム、ブチルゴム等のゴム又はスポンジや、スチレン−ブタジエンサーモプラスチックエラストマー、ポリウレタン系サーモプラスチックエラストマー、ポリエステル系サーモプラスチックエラストマー、エチレン−酢ビサーモプラスチックエラストマー等のサーモプラスチックエラストマー等で形成することができる。
導電層は、体積抵抗値が107Ω・cm以下、好ましくは106Ω・cm以下がよい。導電層には、例えば、アルミニウム、インジウム、ニッケル、銅、鉄等の金属蒸着膜;カー
ボン、アルミニウム、ニッケル、酸化チタン等の導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂中に分散した導電性粒子分散樹脂;4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミン等の導電性樹脂が用いられる。
抵抗層は、例えば、体積抵抗値が106〜1012Ω・cmの層であり、半導性樹脂、導電性粒子分散絶縁樹脂等を用いることができる。半導性樹脂としては、エチルセルロース、ニトロセルロース、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、共重合ナイロン、ポリビニルヒドリン、カゼイン等の樹脂が用いられる。導電性粒子分散絶縁樹脂としては、カーボン、アルミニウム、酸化インジウム、酸化チタン等の導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル等の絶縁性樹脂中に少量分散したもの等が挙げられる。
潜像担持体接触帯電部材としてのブラシは、一般に用いられている繊維に導電材を分散させて抵抗調整されたものが用いられる。繊維としては、一般に知られている繊維が使用可能であり、例えば、ナイロン、アクリル、レーヨン、ポリカーボネート、ポリエステル等が挙げられる。また導電材としては、これも一般に知られている導電材が使用可能であり、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、金、銀等の金属又は酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化チタン等の金属酸化物、さらにはカーボンブラック等の導電粉体が挙げられる。なおこれら導電粉体は必要に応じ疎水化、抵抗調整の目的で表面処理が施されていてもよい。使用に際しては、繊維との分散性や生産性を考慮して選択して用いる。ブラシの形状としては、繊維の太さが1〜20デニール(繊維径10〜500μm程度)、ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ密度は1平方インチ当たり1万〜30万本(1平方メートル当り1.5×107〜4.5×108本程度)のものが好ましく用いられる。
本発明の画像形成方法においては潜像担持体接触帯電部材としてはローラーであると帯電の均一性に優れているので望ましい。
以上、本発明のトナーを画像形成方法、現像ユニット及び画像形成装置本体から着脱可能な、現像ユニットを有するプロセスカートリッジに適用した場合について説明したが、画像形成装置本体内に固定され、トナーのみを補給するような構成の現像ユニットに適用してもよい。また、少なくとも上記現像ユニットを備え、必要に応じ潜像担持体、クリーニング手段としてのクリーニングブレード、廃トナー収容容器、帯電手段としての帯電装置の全てを、あるいはいくつかを一体で形成し画像形成装置本体から着脱可能なプロセスカートリッジに適用してもよい。
更に、画像形成方法に、クリーニング手段としてブレード状のクリーニング部材を潜像担持体に圧接配置するなどして、転写されずに潜像担持体上に残留したトナーをクリーニングする工程が存在する場合、クリーニング工程の前段階においてはクリーニングを容易にするために潜像担持体表面を除電する除電工程を付加することが望ましい。
更に非磁性一成分系現像剤を用いる非磁性一成分非接触現像による画像形成方法及び現像ユニットについて図4に示す概略構成図に基づいて説明する。
現像ユニット170は、非磁性トナーとしての非磁性一成分系現像剤176を収容する現像剤容器171、現像剤容器171に収容されている一成分系非磁性現像剤176を担持し、現像領域に搬送するための現像スリーブ172、現像スリーブ上に一成分系非磁性現像剤を供給するための供給ローラー173、現像スリーブ上の現像剤層厚を規制するた
めの現像剤層厚規制部材174、現像剤容器171内の一成分系非磁性現像剤176を攪拌するための攪拌部材175を有している。
169は静電潜像を担持するための潜像担持体であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段又は静電記録手段によりなされる。現像スリーブ172は、アルミニウム又はステンレスからなる非磁性材料から作製される。また、現像スリーブは、アルミニウム、ステンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面をガラスビーズで吹きつけて均一に荒らしたものや、鏡面処理したもの、又は樹脂でコートしたものがよい。なかでも、現像スリーブ表面を樹脂でコートする方法は、樹脂中に各種粒子を分散させることで、現像スリーブ表面荒さや導電性を調整することや、現像スリーブ表面に滑性を付与することが簡便に行えるため、好適に用いられる。
現像スリーブ表面をコートするのに用いられる樹脂及び樹脂に添加される各種粒子については特に限定されるものではないが、樹脂としてはステンレス系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂及びポリイミド樹脂等の熱又は光硬化性樹脂が好適に用いられる。
また、添加する各種粒子としてはPMMA(ポリメチルメタクリレート)、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、又はこれらの共重合体、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂粒子;ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック;酸化チタン、酸化すず、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリウム、酸化アンチモン及び酸化インジウム等の金属酸化物;アルミニウム、銅、銀及びニッケル等の金属、グラファイト、金属繊維及び炭素繊維等の無機系充填剤が好適に用いられる。
一成分系非磁性現像剤176は、現像剤容器171に貯蔵されており、供給ローラー173によって現像スリーブ172上へ供給される。供給ローラー173はポリウレタンフォーム等の発泡材より成り、現像スリーブ172に対して、順又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、現像剤の供給とともに、現像スリーブ172上の現像後の現像剤(未現像現像剤)のはぎ取りも行っている。現像スリーブ172上に供給された一成分系非磁性現像剤は現像剤層厚規制部材174によって均一かつ薄層に塗布される。
現像剤層厚規制部材174と現像スリーブとの当接圧力は、現像スリーブ母線方向の線圧として0.3〜25kg/m、好ましくは0.5〜12kg/mとすることが有効である。当接圧力が0.3kg/mより小さい場合、一成分系非磁性現像剤の均一塗布が困難となり、一成分系非磁性現像剤の帯電量分布がブロードとなりカブリや飛散の原因となる。当接圧力が25kg/mを超えると、一成分系非磁性現像剤に大きな圧力がかかり、一成分系非磁性現像剤が劣化するため、一成分系非磁性現像剤の凝集が発生するなど好ましくない。また、現像スリーブを駆動させるために大きなトルクを要するため好ましくない。即ち、当接圧力を0.3〜25kg/mに調整することで、本発明のトナーを用いた一成分系非磁性現像剤の凝集を効果的にほぐすことが可能になり、さらに一成分系非磁性現像剤の帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。
現像剤層厚規制部材の材料としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBR等のゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等のエラストマー;ステンレス、鋼、
リン青銅等の金属弾性体が使用でき、さらにそれらの複合体も使用できる。好ましくは、バネ弾性を有するSUS又はリン青銅の金属薄板上にウレタン、シリコーン等のゴム材料やポリアミドエラストマー等の各種エラストマーを射出成型して設けたものが良い。
この非磁性一成分現像方式において、現像剤層厚規制部材により現像スリーブ上に一成分系非磁性現像剤を薄層コートする系においては、十分な画像濃度を得るために、現像スリーブ上の一成分系非磁性現像剤の層厚を現像スリーブと潜像担持体との対抗間隙αよりも小さくし、この間隙に交番電圧を印加することが好ましい。すなわち図4に示すバイアス電源により、現像スリーブ172と潜像担持体169との間に交番電圧又は交番電圧に直流電圧を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像スリーブ上から潜像担持体上への一成分系非磁性現像剤の移動を容易にし、更に良質の画像を得ることができる。
本発明においては、潜像担持体と現像剤担持体との間隙αは、例えば50〜500μmに設定され、現像スリーブ上に担持される現像剤の層厚は、例えば40〜400μmに設定されることが好ましい。
現像スリーブは潜像担持体に対し、100〜200%の周速で回転される。印加される現像バイアスの交番電圧は、ピークトゥーピークで0.1kV以上、好ましくは0.2〜3.0kV、更に好ましくは0.3〜2.0kVで用いるのが良い。交番電圧の周波数は、1.0〜5.0kHz、好ましくは1.0〜3.0kHz、更に好ましくは1.5〜3.0kHzで用いられる。交番電圧の波形は、矩形波、サイン波、のこぎり波、三角波等の波形が適用できる。さらに、正、逆の電圧、時間の異なる非対称交番電圧も利用できる。直流電圧を重畳するのも好ましい。
次に非磁性トナーとしての本発明のトナーとキャリアとから構成される二成分現像剤を用いる画像形成方法及び現像ユニットを図5に示す概略構成図に基づいて説明する。
現像ユニット120は、二成分系現像剤128を収納する現像剤容器126、現像剤容器126に収納されている二成分系現像剤128を担持し、現像領域に搬送するための現像スリーブ121、現像スリーブ121上に形成される現像剤の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材127を有している。
現像スリーブ121は、非磁性のスリーブ基体122内に磁界発生手段としてのマグネット123を内包している。
現像剤容器126の内部は、隔壁130によって現像室(第1室)R1と攪拌室(第2室)R2と区画され、攪拌室R2の上方には隔壁130を隔ててトナー貯蔵室R3が形成されている。現像室R1及び攪拌室R2内には現像剤128が収容されており、トナー貯蔵室R3内には補給用トナー(非磁性トナー)129が収容されている。なお、トナー貯蔵室R3には補給口131が設けられ、補給口131を経て消費されたトナーに見合った量の補給用トナー129が攪拌室R2内に落下補給される。
現像室R1内には搬送スクリュー124が設けられており、この搬送スクリュー124の回転駆動によって現像室R1内の現像剤128は、現像スリーブ121の長手方向に向けて搬送される。同様に、貯蔵室R2内には搬送スクリュー125が設けられ、搬送スクリュー125の回転によって、補給口131からの攪拌室R2内に落下したトナーを現像スリーブ121の長手方向に沿って搬送する。
現像剤128は、非磁性トナーとキャリアとを有した二成分系現像剤である。
現像剤容器126の潜像担持体119に近接する部位には開口部が設けられ、該開口部から現像スリーブ121が外部に突出し、現像スリーブ121と潜像担持体119との間には間隙が設けられている。非磁性材料にて作製される現像スリーブ121には、現像バイアスを印加するための電源132が配置されている。
スリーブ基体122に固定されたマグネット123は、上述したように、現像磁極S1とその下流に位置する磁極N3と、現像剤128を搬送するための磁極N2、S2、N1とを有する。マグネット123は、現像磁極S1が潜像担持体119に対向するようにスリーブ基体122内に配置されている。現像磁極S1は、現像スリーブ121と潜像担持体119との間の現像部の近傍に磁界を形成し、該磁界によって磁気ブラシが形成される。
現像スリーブ121の上方に配置され、現像スリーブ121上の現像剤128の層厚を規制する現像剤層厚規制部材127は、アルミニウム、SUS316等の非磁性材料で作製される。現像剤層厚規制部材127の端部と現像スリーブ121面との距離Aは300〜1000μm、好ましくは400〜900μmである。この距離Aが300μmより小さいと、キャリアがこの間につまり現像剤の層厚にムラを生じやすいと共に、良好な現像を行うのに必要な現像剤を塗布することができず濃度の薄いムラの多いトナー像しか得られないという問題点がある。現像剤中に混在している不用粒子による不均一塗布(いわゆる規制部材づまり)を防止するためには、400μm以上が好ましい。距離Aが1000μmより大きいと現像スリーブ121上へ塗布される現像剤量が増加し所定の現像剤層厚の規制が行えず、潜像担持体119へのキャリアの付着が多くなると共に現像剤の循環、非磁性の現像剤層及び現像剤層厚規制部材127による現像剤規制力が弱まりトナーのトリボが不足しカブリやすくなるという問題点がある。
この二成分系現像ユニット120を用いての現像は、交番電圧を印加しつつ、トナーとキャリアとにより構成される磁気ブラシが、潜像担持体(例えば、感光ドラム)119に接触している状態で現像を行う。この磁気ブラシと潜像担持体とが接触することによって、転写後、潜像担持体上に担持されている転写残トナーは、磁気ブラシに取り込まれ現像室R1に回収される。現像スリーブ121と潜像担持体119の距離(S−D間距離)Bは100〜1000μmであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、1000μmを越えると磁極S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
交番電圧のピーク間の電圧は500〜5000Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロセスに適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形から選択して用いることができる。また、印加電圧のピーク間の電圧が、500Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。印加電圧のピーク間の電圧が5000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、静電像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、潜像担持体の一次帯電を低くすることができるために潜像担持体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像方式にもよるが150V以下、より好ましくは100V以下が良い。
コントラスト電位としては、十分画像濃度が出るように200V〜500Vが好ましく用いられる。
周波数が500Hzより低いとプロセススピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こるためキャリア付着、又は潜像を乱すことで画質を低下させる場合がある。周波数が10000Hzを超えると電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行うために、現像スリーブ121上の磁気ブラシの潜像担持体119との接触幅(現像ニップ)Cを好ましくは3〜8mmにする。接触幅Cが3mmより狭いと十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に押さえることが困難になる。接触幅の調整方法としては、現像剤層厚規制部材127と現像スリーブ121との距離Aを調整したり、現像スリーブ121と潜像担持体119との距離Bを調整することで接触幅を適宜調整する。
上記の二成分系現像剤を用いる現像方式は、転写後に潜像担持体上に残存する転写残トナーを、転写工程における転写部と帯電工程における帯電部との間及び帯電部と現像工程における現像部との間に、潜像担持体表面に当接するクリーニング手段を設けずに、現像工程において現像ユニットが回収する現像同時クリーニングを行う現像同時クリーニング方式を行うことができる。
現像同時クリーニング方式においては、潜像担持体の移動方向に対して、現像部、転写部及び帯電部の順でそれぞれ位置しており、転写部と帯電部との間及び帯電部と現像部との間に、潜像担持体の表面に当接して潜像担持体の表面に存在する転写残トナーを除去するためのクリーニング手段を有していない。
現像同時クリーニング方式を用いた画像形成方法について、現像工程において、トナーの帯電極性と潜像担持体の静電潜像の帯電極性が同極性で現像を行う反転現像を例に挙げて説明する。負帯電性の潜像担持体及びネガ帯電性のトナーを用いた場合、その転写工程において、プラス極性の転写部材によって可視化された像を転写材に転写することになるが、転写材の種類(厚み、抵抗、誘電率の違い)と画像面積の関係により、転写残余のトナーの帯電極性がプラスからマイナスまで変動する。しかし、負帯電性の潜像担持体を帯電する際のマイナス極性の帯電部材により、潜像担持体表面と共に転写残余のトナーまでもが、転写工程においてプラス極性に振れていたとしても、一様にマイナス側へ帯電極性を揃えることが出来る。それゆえ、現像時に一様にマイナス極性に帯電したトナーが潜像担持体表面に存在していても、現像方法として反転現像を用いた場合、マイナスに帯電された転写残余のトナーは、トナーの現像されるべき明部電位部には残り、トナーの現像されるべきでない暗部電位には残らず、現像電界の関係上、磁気ブラシ又は現像スリーブの方に引き寄せられ、残留しない。
次に、本発明の画像形成方法に用いられる定着方法及び定着手段について説明する。
本発明のトナーは、接触加熱定着手段により、普通紙又はオーバヘッドプロジェクター(OHP)用透明シートのごとき転写材へ加熱定着される。
接触加熱定着手段としては、加熱加圧ローラー定着装置、又は固定支持された加熱体と、該加熱体に対向圧接し、且つ薄肉フィルムを介して転写材を加熱体に密着させる加圧部材とにより、トナーを加熱定着するサーフ定着手段が挙げられる。
そこで、待機時間を短縮し、かつ消費電力を少なくするために、熱容量の小さいフィルムを介するサーフ定着方式等が望ましい。サーフ定着方式による加熱又は定着装置は、図
3に示すように、加圧ローラー36を備える。加圧ローラー36には芯金が設けられている。加圧ローラー36は回転自在となっている。
以下、本発明の実施例での評価項目の評価方法を示す。なお、例としてマゼンタトナーの評価方法を示したが、マゼンタトナー以外の着色トナーを評価する際も、同様の評価方法とする。
<評価方法>
(カブリ)
カブリの測定は、画像形成装置として市販のLBP−2710(キヤノン株式会社製)のプロセススピードを200mm/sに改造したものを用いて以下のようにして測定した。該装置の市販マゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本実施例で得られたトナーを300g充填し、その他のシアン、イエロー、ブラックのカートリッジについては製品トナーを抜いて、各ステーションに挿入して、高温多湿環境下(30℃,80%RH)及び低温低湿環境下(15℃、10%RH)にて印字率2%にて耐久試験を行った。初期から耐久7000枚印字後に各環境下において2日間放置し、その後の1枚目の画像サンプルのカブリ量を東京電色社製のREFLECT
METER MODELTC−6DSを使用して測定し、下記式(3)より算出した。数値が小さい程、カブリが少ない。カブリ量が2%以下を実用上問題無しとした。耐久試験に用いた転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
(3)カブリ量(%)=(プリントアウト前の白色度)−(プリント後の記録材の非画像形成部(白地部)の白色度)
(ボタ落ち)
ボタ落ちは、高温多湿環境下(30℃、80%RH)にて市販のLBP−2710(キヤノン株式会社製)のプロセススピードを200mm/sに改造したものを用いて以下のようにして測定した。該装置の市販のマゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本実施例で得られたトナーを300g充填し、その他のシアン、イエロー、ブラックのカートリッジについては製品トナーを抜いて、各ステーションに挿入して、印字率2%にて耐久試験を行い、初期から耐久5000枚印字後、高温多湿環境下に2日間放置し、その後1枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。評価基準は以下の通りである。
A:全く発生せず
B:画像上に1つ存在
C:画像上に2〜3つ存在するが実用上問題無し
D:発生し、実用上問題あり
(濃度低下)
画像濃度低下は、高温多湿環境下(30℃,80%RH)にて市販のLBP−2710(キヤノン株式会社製)のプロセススピードを200mm/sに改造したものを用いて以下のようにして測定した。該装置市販のマゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本実施例で得られたトナーを300g充填し、その他のシアン、イエロー、ブラックのカートリッジについては製品トナーを抜いて、各ステーションに挿入して、印字率2%にて耐久試験を行い、初期の画像と比較して初期から耐久5000枚目の画像サンプルについて東京電色社製のREFLECT METER MODELTC−6DSを使用して濃度を測定し、その濃度差を評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。評価基準は以下の通
りである。
A:濃度低下なし
B:濃度低下が0.01
C:濃度低下が0.02
D:濃度低下が0.03以上
(ベタ画像均一性)
ベタ画像均一性は、低温低湿環境下(15℃、10%RH)にて市販のLBP−2710(キヤノン株式会社製)のプロセススピードを200mm/sに改造したものを用いて以下のようにして測定した。該装置市販のマゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本実施例で得られたトナーを300g充填し、その他のシアン、イエロー、ブラックのカートリッジについては製品トナーを抜いて、各ステーションに挿入して、印字率2%にて連続印字で耐久試験を行い、10枚目及び10000枚目の画像を印字した直後に、それぞれ全面ベタチャートを1枚印字し、画像評価を行った。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。画像サンプルについての評価基準は以下の通りである。
A:全面が均一にトナーが転写され着色されている
B:画像先端から70mm以降において濃度の薄い個所が部分的に存在する
C:画像先端から70mm以降においてトナーが紙に転写されておらず紙の地肌が露出している箇所が存在する
(ハーフトーン画像ムラ)
ハーフトーン画像ムラは、低温低湿環境下(15℃、10%RH)にて市販のLBP−2710(キヤノン株式会社製)のプロセススピードを200mm/sに改造したものを用いて以下のようにして測定した。該装置市販のマゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本実施例で得られたトナーを300g充填し、その他のシアン、イエロー、ブラックのカートリッジについては製品トナーを抜いて、各ステーションに挿入して、印字率2%にて連続印字で1000枚印字し、その後の1枚目のハーフトーン画像について評価を行った。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
評価画像としては、全面に15%濃度のハーフトーン画像を印字している画像を用いた。画像サンプルについて以下のように評価した。
A:画像上にムラは全く無い
B:画像上に軽微にムラが存在するが、実用上問題ない
C:画像上にムラが存在し、実用上問題あり
(初期画像濃度)
初期画像濃度は、低温低湿環境下(15℃、10%RH)にて市販のLBP−2710(キヤノン株式会社製)のプロセススピードを200mm/sに改造したものを用いて以下のようにして測定した。該装置の市販のマゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本実施例で得られたトナーを300g充填し、その他のシアン、イエロー、ブラックのカートリッジについては製品トナーを抜いて、各ステーションに挿入して、印字率2%にて連続印字で耐久試験を行い、耐久試験前及び耐久試験10枚目、100枚目、500枚目の画像を印字した直後において、それぞれ全面ベタチャートを1枚印字し、各画像の画像濃度を測定した。画像サンプルの濃度については東京電色社製のREFLECT METER MODELTC−6DSを使用して濃度を測定した。画像濃度が1.20以上の場合を実用上問題無しとした。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。評価基準は以下の通りである。
A:濃度1.25以上
B:濃度1.20以上
C:濃度1.15以上
D:濃度1.10以上
E:濃度1.10未満
(フィルミング)
フィルミングは、低温低湿環境下(15℃、10%RH)にて市販のLBP−2710(キヤノン株式会社製)のプロセススピードを200mm/sに改造したものを用いて以下のようにして測定した。該装置の市販のマゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本実施例で得られたトナーを300g充填し、その他のシアン、イエロー、ブラックのカートリッジについては製品トナーを抜いて、各ステーションに挿入して、印字率2%にて連続印字にて耐久試験を行い、初期から耐久2000枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。評価基準は以下の通りである。
A:全く発生せず
B:極軽微に発生したが実用上問題無し
C:軽微に発生したが実用上問題無し
D:発生し、実用上問題あり
(トナー飛散)
トナー飛散は、低温低湿環境下(15℃、10%RH)にて市販のLBP−2710(キヤノン株式会社製)のプロセススピードを200mm/sに改造したものを用いて以下のようにして測定した。該装置の市販のマゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本実施例で得られたトナーを300g充填し、その他のシアン、イエロー、ブラックのカートリッジについては製品トナーを抜いて、各ステーションに挿入して、印字率2%にて耐久試験を行い、5000枚印字後カートリッジをマシンから取り出し、目視にて評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。評価基準は以下の通りである。
A:全く発生せず
B:極軽微に発生したが実用上問題無し
C:軽微に発生したが実用上問題無し
D:発生し、実用上問題あり
(トナー融着や固着)
現像スリーブ及び規制部材へのトナーの融着や固着は、低温低湿環境下(15℃、10%RH)にて市販のLBP−2710(キヤノン株式会社製)のプロセススピードを200mm/sに改造したものを用いて以下のようにして測定した。該装置の市販のマゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本実施例で得られたトナーを300g充填し、その他のシアン、イエロー、ブラックのカートリッジについては製品トナーを抜いて、各ステーションに挿入して、印字率2%にて耐久試験を行い、初期から耐久10000枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。評価基準は以下の通りである。
A:全く発生せず
B:軽微に発生したが実用上問題無し
C:発生し、実用上問題あり
(クリーニング性)
クリーニング性は、低温低湿環境下(15℃、10%RH)にて市販のLBP−271
0(キヤノン株式会社製)のプロセススピードを200mm/sに改造したものを用いて以下のようにして測定した。該装置市販のマゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本実施例で得られたトナーを300g充填し、その他のシアン、イエロー、ブラックのカートリッジについては製品トナーを抜いて各ステーションに挿入して、印字率2%で連続1万枚プリントアウトし、クリーニング性と画質を目視にて評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。評価基準は以下の通りである。
A:クリーニングが良好
B:不良(ブレードの弾性が低下し、トナーがすり抜けることにより画像に黒い横スジが軽微に発生したが、実用上問題が無い)
C:不良(ブレードの弾性が低下し、トナーがすり抜けることにより画像に黒い横スジが軽微に発生し、実用上問題がある)
(定着性)
定着性は、低温低湿環境下(15℃、10%RH)にて市販のLBP−2710(キヤノン株式会社製)のプロセススピードを200mm/sに改造したものを用いて以下のようにして測定した。該装置の市販のマゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本実施例で得られたトナーを300g充填し、その他のシアン、イエロー、ブラックのカートリッジについては製品トナーを抜いて、各ステーションに挿入して、マシン及びトナーを充填したカートリッジが環境になじんだ状態(該環境下に24時間放置後)から電源を入れウェイトアップ直後に200μm幅の横線パターン(横幅200μ、間隔200μm)をプリントアウトし、50枚目のプリント画像を定着性の評価に用いた。定着性の評価は画像をシルボン紙で5往復100g荷重でこすり、画像のはがれを反射濃度の低下率(%)の平均で評価した。
評価には表面平滑度10sec以下のボンド紙を用いた。以下に評価基準を示す。
A:濃度低下率10%未満
B:濃度低下率10%以上20%未満
C:濃度低下率20%以上だがシルボン紙で擦る前の評価画像は定着不良が発生していない
D:シルボン紙で擦る前の評価画像に定着不良が発生している
(耐オフセット性)
耐オフセット性は、低温低湿環境下(15℃、10%RH)にて市販のLBP−2710(キヤノン株式会社製)のプロセススピードを200mm/sに改造したものを用いて以下のようにして測定した。該装置の市販のマゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本実施例で得られたトナーを300g充填し、その他のシアン、イエロー、ブラックのカートリッジについては製品トナーを抜いて、各ステーションに挿入して、装置及びトナーを充填したカートリッジが環境になじんだ状態(該環境下に24時間放置後)から電源を入れウェイトアップ直後に全面ベタ画像を50枚プリントアウトし、その画像サンプルについて評価を行った。
評価にはOHPフィルム(CG3700、住友スリーエム株式会社製)を用いた。以下に評価基準を示す。
A:オフセットは全く発生せず
B:オフセットは極軽微に発生したが実用上問題無し(かつ発生枚数2枚以内)
C:オフセットが発生し、実用上問題あり
以下、発明を実施例により具体的に説明するがこれは本発明をなんら限定するものではない。なお、以下の実施例における配合量の「部」は「質量部」を示す。
<硫黄原子含有樹脂の製造>
(硫黄原子含有樹脂1の製造)
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2Lフラスコにトルエン100部、メタノール300部、スチレン470部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸40部、アクリル酸−2−エチルヘキシル70部、メタクリル酸ベンジル20部、ラウリルパーオキサイド10部を仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、40℃で96時間減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物を更に40℃で48時間減圧乾燥し、硫黄原子含有樹脂1を得た。得られた硫黄原子含有樹脂の物性は、Mw=25000、揮発分0.10%、Tg=68℃、残存モノマー=400ppmであった。
なお、得られた硫黄原子含有樹脂1の酸価(AV2)は、20mgKOH/gであった。
(硫黄原子含有樹脂2の製造)
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2Lフラスコにトルエン300部、メタノール100部、スチレン470部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸40部、アクリル酸−2−エチルヘキシル70部、メタクリル酸ベンジル20部、ラウリルパーオキサイド12部仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、40℃で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物を更に40℃で48時間減圧乾燥し、硫黄原子含有樹脂2を得た。得られた硫黄原子含有樹脂2の物性は、Mw=42000、揮発分0.10%、Tg=68℃、残存モノマー=400ppmであった。
尚、得られた硫黄原子含有樹脂2の酸価(AV2)は、18mgKOH/gであった。
(硫黄原子含有樹脂3の製造)
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2Lフラスコにトルエン100部、メタノール300部、スチレン500部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸40部、メタクリル酸−2−エチルヘキシル40部、メタクリル酸ベンジル20部、ラウリルパーオキサイド12部を仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、40℃で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物を更に40℃で48時間減圧乾燥し、硫黄原子含有樹脂3を得た。得られた硫黄原子含有樹脂3の物性は、Mw=40000、揮発分0.10%、樹脂Tg=86℃、残存モノマー=400ppmであった。
尚、得られた硫黄原子含有樹脂3の酸価(AV2)は、23mgKOH/gであった。
<疎水性酸化チタン微粉体の製造>
(疎水性酸化チタン微粉体1の製造)
酸化チタン微粉体(KR−310、チタン工業製)を水系中で200センチストークスのクロルフェニルシリコーンオイルエマルジョン3部で処理した後、濾過、乾燥して疎水性酸化チタン微粉体1を得た。1次粒径は450nm、疎水化度=30%、体積抵抗値1.5×1015Ω・cm、ルチル型であった。
(疎水性酸化チタン微粉体2の製造)
酸化チタン微粉体(KR−310、チタン工業製)を水系中で200センチストークスのクロルフェニルシリコーンオイルエマルジョン3部で処理した後、濾過、乾燥、分級して疎水性酸化チタン微粉体2を得た。1次粒径は550nm、疎水化度=30%、体積抵抗値1.5×1015Ω・cm、ルチル型であった。
(疎水性酸化チタン微粉体3の製造)
酸化チタン微粉体(JA−1、テイカ製)をトルエン中、イソブチルトリメトキシシラン10部で処理した後、濾過、乾燥して疎水性酸化チタン微粉体3を得た。1次粒径は200nm、疎水化度=65%、体積抵抗値=4.0×1011Ω・cm、アナターゼ型であった。
(疎水性酸化チタン微粉体4の製造)
酸化チタン微粉体(JA−1、テイカ製)をトルエン中、オクチルトリメトキシシラン15部で処理した後、濾過、乾燥して疎水性酸化チタン微粉体4を得た。1次粒径は200nm、疎水化度=75%、体積抵抗値=6.0×1013Ω・cm、アナターゼ型であった。
(疎水性酸化チタン微粉体5の製造)
酸化チタン微粉体(JA−1、テイカ製)をジェットミルにより解砕した後、分級して1次粒径が80nmの酸化チタン微粉体を得た。酸化チタン微粉体を水系中でイソブチルトリメトキシシラン10部で処理した後濾過、乾燥して疎水性酸化チタン微粉体5を得た。1次粒径は80nm、疎水化度=55%、体積抵抗値=2.5×1010Ω・cm、アナターゼ型であった。
(疎水性酸化チタン微粉体6の製造)
疎水化処理をトルエン中にてオクチルトリメトキシシラン17部で処理した以外は酸化チタン微粉体5と同様に行った。1次粒径は80nm、疎水化度=75%、体積抵抗値=3.5×1013Ω・cm、アナターゼ型であった。
(疎水性酸化チタン微粉体7の製造)
疎水化処理をトルエン中にてオクチルトリメトキシシラン12部で処理した以外は、疎水性酸化チタン微粉体5の製造と同様に行った。1次粒径は80nm、疎水化度=70%、体積抵抗値=3.0×1012Ω・cm、アナターゼ型であった。
(疎水性酸化チタン微粉体8の製造)
疎水化処理を水系中にてビニルトリアセトキシシラン7部で撹拌混合して処理した以外は、疎水性酸化チタン微粉体5の製造と同様に行った。1次粒径は50nm、疎水化度=60%、体積抵抗値=3.0×1011Ω・cm、アナターゼ型であった。
(疎水性酸化チタン微粉体9の製造)
疎水化処理を水系中にてオクチルトリメトキシシラン8部で撹拌混合して処理した以外は疎水性酸化チタン微粉体5の製造と同様に行った。1次粒径は50nm、疎水化度=65%、体積抵抗値=4.0×1011Ω・cm、アナターゼ型であった。
[実施例1]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体(分散媒)を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤 7部
(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
・硫黄原子含有樹脂1 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂 8部
(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15)
・上記ワックスNo.5(融点=70℃) 20部
・ポリエチレンワックス 5部
(ハイワックス110P、三井化学製、融点=109℃)
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色トナー粒子を得た。
得られたマゼンタ着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RY200、日本アエロジル社製)1.0部、疎水性酸化チタン微粉体8を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー1を得た。得られたトナー1の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[実施例2]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 7部
・硫黄原子含有樹脂1 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8部
・上記ワックスNo.5(融点=70℃) 20部
・ポリエチレンワックス 5部
(ハイワックス110P、三井化学製、融点=109℃)
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪
拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級しシアン着色トナー粒子を得た。
得られたシアン着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RY200、日本アエロジル社製)1.0部、疎水性酸化チタン微粉体8を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー2を得た。得られたトナー2の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[実施例3]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤(C.I.ピグメントイエロー17) 7部
・硫黄原子含有樹脂1 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8部
・上記ワックスNo.5(融点=70℃) 20部
・ポリエチレンワックス 5部
(ハイワックス110P、三井化学製、融点=109℃)
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記
と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、イエロー着色トナー粒子を得た。
得られたイエロー着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RY200、日本アエロジル社製)1.0部、疎水性酸化チタン微粉体8を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー3を得た。得られたトナー3の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[実施例4]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤(カーボンブラック) 7部
(REGAL 250R、CABOT社製)
・硫黄原子含有樹脂1 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8部
・上記ワックスNo.5(融点=70℃) 20部
・ポリエチレンワックス 5部
(ハイワックス110P、三井化学製、融点=109℃)
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、ブラック着色トナー粒子を得た。
得られたブラック着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RY200、日本アエロジル社製)1.0部、疎水性酸化チタン微粉体8を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー4を得た。得られたトナー4の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[参考例5]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(
特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤 7部
(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
・硫黄原子含有樹脂1 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8部
・上記ワックスNo.5(融点=70℃) 20部
・ポリエチレンワックス 5部
(ハイワックス110P、三井化学製、融点=109℃)
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色トナー粒子を得た。
得られたマゼンタ着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RY200、日本アエロ
ジル社製)1.0部、疎水性酸化チタン微粉体1を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー5を得た。得られたトナー5の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[実施例6]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤 7部
(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
・硫黄原子含有樹脂1 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8部
・上記ワックスNo.5 20部
・ポリエチレンワックス 5部
(ハイワックス110P、三井化学製、融点=109℃)
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色トナー粒子を得た。
得られたマゼンタ着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RY200、日本アエロジル社製)1.0部、疎水性酸化チタン微粉体3を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー6を得た。得られたトナー6の物性等につ
いては表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[実施例7]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤 7部
(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
・硫黄原子含有樹脂1 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8部
・上記ワックスNo.5 20部
・ポリエチレンワックス 5部
(ハイワックス110P、三井化学製、融点=109℃)
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色トナー粒子を得た。
得られたマゼンタ着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RY200、日本アエロジル社製)1.0部、疎水性酸化チタン微粉体4を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー7を得た。得られたトナー7の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[実施例8]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤 7部
(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
・硫黄元原子素含有樹脂1 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8部
・上記ワックスNo.5 20部
・ポリエチレンワックス 5部
(ハイワックス110P、三井化学製、融点=109℃)
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色トナー粒子を得た。
得られたマゼンタ着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RY200、日本アエロジル社製)1.0部、疎水性酸化チタン微粉体6を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー8を得た。得られたトナー8の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[実施例9]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤 7部
(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
・硫黄原子含有樹脂1 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8部
・上記ワックスNo.5 20部
・ポリエチレンワックス 5部
(ハイワックス110P、三井化学製、融点=109℃)
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色トナー粒子を得た。
得られたマゼンタ着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RY200、日本アエロジル社製)1.0部、疎水性酸化チタン微粉体5を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー9を得た。得られたトナー9の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[実施例10]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム20部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(
特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に12部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤 7部
(C.I.ピグメントレッド 122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
・硫黄原子含有樹脂1 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8.5部
・上記ワックスNo.5 20部
・ポリエチレンワックス 5部
(ハイワックス110P、三井化学製、融点=109℃)
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色トナー粒子を得た。
得られたマゼンタ着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RY200、日本アエロジル社製)1.0部、疎水性酸化チタン微粉体7を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー10を得た。得られたトナー10の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[実施例11]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤 7部
(C.I.ピグメントレッド 122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
・硫黄原子含有樹脂1 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8部
・上記ワックスNo.5 20部
・ポリエチレンワックス 5部
(ハイワックス110P、三井化学製、融点=109℃)
・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.4部
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色トナー粒子を得た。
得られたマゼンタ着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RY200、日本アエロジル社製)1.0部、疎水性酸化チタン微粉体9を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー11を得た。得られたトナー11の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[実施例12]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤 7部
(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
・硫黄原子含有樹脂1 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8部
・上記ワックスNo.5 20部
・ポリエチレンワックス 5部
(ハイワックス110P、三井化学製、融点=109℃)
・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.4部
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色トナー粒子を得た。
得られたマゼンタ着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RY200、日本アエロジル社製)1.0部、疎水性酸化チタン微粉体7を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー12を得た。得られたトナー12の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[実施例14]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤 7部
(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
・硫黄原子含有樹脂1 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8部
・上記ワックスNo.5 20部
・ポリエチレンワックス 5部
(ハイワックス110P、三井化学製、融点=109℃)
・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.1部
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色トナー粒子を得た。
得られたマゼンタ着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RY200、日本アエロジル社製)1.0部、疎水性酸化チタン微粉体7を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー14を得た。得られたトナー14の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[実施例15]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤 7部
(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
・硫黄原子含有樹脂2 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8部
・上記ワックスNo.5 20部
・ポリエチレンワックス 5部
(ハイワックス110P、三井化学製、融点=109℃)
・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.1部
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色トナー粒子を得た。
得られたマゼンタ着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RY200、日本アエロジル社製)1.3部、疎水性酸化チタン微粉体7を0.2部とをコーヒーミルで混合し、外添剤を有するトナー15を得た。得られたトナー15の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[比較例1]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤 7部
(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
・硫黄原子含有樹脂3 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8部
・ポリエチレンワックス 20部
(ハイワックス100P、三井化学製)
・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.5部
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色トナー粒子を得た。
得られたマゼンタ着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RX200、日本アエロジル社製)1.2部をコーヒーミルで混合し、外添剤を有するトナー16を得た。得られたトナー16の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[比較例2]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤 7部
(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
・硫黄原子含有樹脂3 0.8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を
得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8部
・フィッシャートロプシュワックス 20部
(サゾ−ルH1、シューマン・サゾ−ル社)
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色トナー粒子を得た。
得られたマゼンタ着色トナー粒子100部と疎水性酸化チタン微粉体2を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー17を得た。得られたトナー17の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。
[比較例3]
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物)
・スチレン 60部
・着色剤 7部
(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
・アゾ系金属錯体 0.5部
(ボントロンS−34:オリエント化学社製)
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、下記成分を加えた。
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV1=15) 8部
・フィッシャートロプシュワックス 20部
(サゾ−ルH1、シューマン・サゾ−ル社)
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(トナー)
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルジョンを加圧濾過し、さらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色トナー粒子を得た。
得られたマゼンタ着色トナー粒子100部と、シリカ微粉体(RX200、日本アエロジル社製)1.0部、疎水性酸化チタン微粉体1を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するトナー18を得た。得られたトナー18の物性等については表1に記載した。評価結果については表2及び表3に記載した。