JP3893258B2 - トナー、トナーの製造方法及び画像形成方法 - Google Patents

トナー、トナーの製造方法及び画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法に用いられるトナー、該トナーの製造方法、及び該トナーを用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載されている如く多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて直接的あるいは間接的手段を用いて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱加圧或いは溶剤蒸気などにより定着し複写物を得るものであり、そして感光体上に転写せず残ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上記の工程が繰り返される。
【0003】
またさらに、一般的なフルカラー画像を形成する方法について説明すると、感光ドラムの感光体を一次帯電器によって均一に帯電し、原稿のマゼンタ画像信号にて変調されたレーザー光により画像露光を行い、感光ドラム上に静電潜像を形成し、マゼンタトナーを保有するマゼンタ現像器により該静電潜像の現像を行い、マゼンタトナー画像を形成する。次に搬送されてきた転写材に転写帯電器によって前記の感光ドラムに現像されたマゼンタトナー画像を直接的あるいは間接的手段を用い転写する。
【0004】
一方、前記の静電潜像の現像を行った後の感光ドラムは、除電用帯電器により除電し、クリーニング手段によってクリーニングを行った後、再び一次帯電器によって帯電し、同様にシアントナー画像の形成及び前記マゼンタトナー画像を転写した転写材へのシアントナー画像の転写を行い、さらにイエロー色、ブラック色と順次同様に行って、4色のトナー画像を転写材に転写する。該4色のトナー画像を有する転写材を定着ローラにより熱及び圧力の作用で定着することによりフルカラー画像を形成する。
【0005】
近年、このような複写装置は、単なる一般にいうオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機というだけでなく、コンピュータの出力としてのプリンターあるいは個人向けのパーソナルコピーという分野で使われ始めた。
【0006】
このようなレーザービームプリンターに代表される分野以外にも、基本エンジンを応用した普通紙ファックスへの展開も急激に発展をとげつつある。
【0007】
特に、今後急速な市場の伸びが考えられるパーソナルコンピュータ用のカラープリンター、パーソナルカラーコピーにおいてはより小型、軽量、高速、高画質、高信頼性への要求が強い。中でも初期画像を維持するという高信頼性に関しての要求は厳しく、トナー性能の向上にとって帯電能力の向上は不可欠な課題である。
【0008】
トナーとキャリアとの摩擦帯電によって帯電荷量が決まる二成分現像システム、現像剤担持体と帯電付与材の摩擦によってのみ帯電荷量が決まる一成分現像システムどちらかの場合においても各環境下における帯電量、帯電速度、帯電値の維持など改良する課題が残されている。
【0009】
また、こうした課題をトナーの形状からコントロールするという観点から、懸濁重合法トナーが提案されている(特公昭36−10231号公報)。即ち、この懸濁重合法においては重合性単量体及び着色剤(さらに必要に応じて重合開始剤、架橋剤、その他添加剤)を均一に溶解又は分散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に適当な撹拌機を用いて分散し同時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナーを得るものであり、粉砕法トナーに比較して粒径、及びその分布をコントロールしやすく、よって帯電荷分布の狭いトナーを得ることができ、荷電量コントロールを可能にすることができる。
【0010】
上記分散安定剤は、分散媒体中で分散質表面に付着し、その電気的極性により分散質を均一に分散させる。従来技術において、こうしたイオン性、電気的極性を有する物質が十分に除去されていない場合にはトナーの帯電性にも悪影響を及ぼすことが一般的に知られている。
【0011】
分散安定剤には、一般にポリビニルアルコール、ゼラチンなどの水溶性高分子や硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの難水溶性無機物質微粉末が使用される。しかしながら、これらの分散安定剤にあってはその除去が一般に困難で、特に、水溶性高分子にあっては水溶液が粘稠であるため、その除去が困難で、トナー表面に多量に残存しやすく、摩擦帯電特性を阻害し、画質を極めて悪化させるという欠点があった。
【0012】
これらの問題点を解決する方法として特開昭46−130762号公報、特開昭61−22354号公報、特開平2−148046号公報に燐酸カルシウムを分散安定剤とする方法が提案されている。特開平2−148046号公報においては燐酸カルシウムを酸水溶液中に溶解し、重合性単量体組成物を撹拌下に懸濁分散させた後、水酸化アルカリを添加し、再度燐酸カルシウムを油滴上に分散安定剤として析出させる方法が提案されている。あるいは、特開昭56−130762号公報、特開昭61−22354号公報では第三燐酸ナトリウムと塩化カルシウムとの付加物を分散安定剤として用いる方法が提案されている。
【0013】
一方、分散安定剤の残存量を規定する提案としては、例えば、特開平8−50370号公報、特開平8−160661号公報が挙げられる。同様な思想で乳化分散法における分散安定剤の残存量を規定した提案として、特開平9−218532号公報が挙げられ、さらに一般的な従来技術とは逆なものとして、特開平9−114125号公報などにおいては分散安定剤量をある程度以上残すことを提案している。
【0014】
また、特開平1−217466号公報では、重合性単量体及びSOX基を有する水溶性単量体と油溶性単量体とからなる共重合体等を含有する単量体組成物を懸濁重合してトナーを製造する方法が提案され、特開2000−56518号公報では、ビニル系単量体とSOX基含有(メタ)アクリルアミドからなる共重合体を含有するトナーが提案されており、これらの提案では、ある程度の帯電性の改善が見られるが、両公報に記載された実施例を見ると、トナー中に存在する分散安定剤はほとんど除去されていないと考えられ、残存する分散安定剤に起因する帯電性や現像性といった問題点を解決するためには十分なものではない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前述の如き問題点を解決し得るトナー、該トナーの製造方法及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することにある。
【0016】
即ち、本発明の目的は、環境差が小さく、良好な帯電性が得られるトナー、該トナーの製造方法及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することにある。
【0017】
本発明の更なる目的は、環境差が小さく、良好な画像濃度が得られるトナー、該トナーの製造方法及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することにある。
【0018】
本発明の更なる目的は、連続画像出力においても良好な転写性が保てるトナー、該トナーの製造方法及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することにある。
【0019】
本発明の更なる目的は、良好な定着性を有するトナー及び該トナーの製造方法、該トナーを用いた画像形成方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、硫黄元素含有重合体を含有するトナー粒子および外添剤を有するトナーであって、該トナー粒子が、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐からなるグループより選ばれる少なくとも一種の元素を含有し、上記元素の含有量の合計が100乃至30000ppm(トナー粒子質量基準)含有することを特徴とするトナーに関する。また本発明は、上記トナーの製造方法及び上記トナーを用いた画像形成方法に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】
従来、湿式法においてトナーを製造する際に用いられる分散安定剤は、各粒子を均一分散させるというメリットを持つ反面、分散安定剤を完全に除去することが困難でトナー表面に多量に残留する場合には、摩擦帯電特性等に悪影響を生じ、特に高温高湿における画像特性が悪化するというデメリットを持っていた。
【0022】
これに対して、本発明者らは鋭意検討の結果、請求項記載の構成とすることで、環境に左右されず安定した帯電性を有し、且つ定着性にも優れており、良好な画像を得ることのできるトナーを見出した。
【0023】
詳細なメカニズムに関してはまだ不明なところもあるが、本発明者らは以下のように考えている。
【0024】
一般的に分散安定剤に起因するトナー粒子表面の残存物質とは、分散安定剤自体であり、その除去が不十分な場合、分散安定剤が吸湿性を有しているため、トナー表面が水分を吸着し、その結果、トナーの帯電特性を低下させてしまう。
【0025】
これに対し本発明のトナーにおいては、硫黄元素含有重合体が含有されているため、硫黄元素含有重合体の硫黄元素と、分散安定剤に含有されているマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐の如き元素とが引き付け合い、安定した状態をとるようになり、トナー粒子の表面はもとより内部に分散して存在するようになると考えられる。特に、硫黄がスルホン酸基の状態で硫黄元素含有重合体に含有されている場合には、硫黄元素が上記の金属と極めて安定した状態を形成するようになり、トナー粒子全体への分散がより良好に行われるようになる。このようなトナー粒子においては、硫黄元素とマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐の如き元素とが安定した状態で、トナー粒子の内部に多く存在するようになるため、水分の影響を受けにくくなり、帯電の環境安定性に優れたトナーとなる。特に、該重合体がスルホン酸基を有する場合には、吸湿性が小さくなるため、水分に起因する帯電量の変動は極めて良好に抑制される。また、トナー粒子において、着色剤は凝集しやすいものであるが、本発明のトナーにおいては、硫黄元素と上記の元素とのトナー粒子内部への分散に乗じて、着色剤がほぐされてトナー粒子中への着色剤の分散が促進されるようになるため、トナー粒子中における着色剤の分散が良好に行れる。更には、着色剤の分散が高まることにより、着色剤粒子の表面に付着した形でワックスの一部が結着樹脂中に点在するような状態となり、トナーの定着性が向上する。
【0026】
即ち、本発明のトナーは、帯電の環境安定性を低下させるトナー粒子表面の分散安定剤の存在量を抑えつつ、トナー粒子内部への特定の金属元素の分散を促進させて、着色剤及びワックスの一部の分散を促し、良好な帯電性の達成に加えて、定着性及び着色力とを改善したものである。
【0027】
さらに、上記硫黄元素含有重合体は、ある程度の酸価を有することが好ましく、一般的に塩基性を有することの多い着色剤との組み合わせにおいて、該重合体の酸と着色剤表面の塩基が結合し、いわば着色剤は表面処理された状態になる。このことにより着色剤を電荷のリークポイントとする電荷のリークが抑制され、トナーの帯電量分布がより均一になり、連続画像出力をした場合においても高い転写性を維持することができるようになる。また、酸と塩基の結合が生じることにより、硫黄元素含有重合体のトナー内部への分散に乗じて、トナー内部への着色剤の分散が更に良好に達成されるため、安定した画像濃度を得ることができるようになる。
【0028】
さらに、詳しくは後述するが、該硫黄元素含有重合体のガラス転移点が50〜100℃であることや、上記重合体がスルホン酸基を有する重合体であり、該重合体中のスルホン酸基を有するモノマーに由来するユニットの割合及び該重合体中の残存モノマーの量が特定の範囲内にあるような場合には、連続画像出力における画像品質維持に更なる効果をもたらすことが確認されている。このような効果は、上記の如き構成をとることによって、水分の影響がより小さくなり、かつトナーの帯電量分布がより均一化することによるものと考えられる。この他に、硫黄元素含有重合体と縮合系樹脂を併用することで上述の効果に好影響を与えることも見出している。
【0029】
本発明においては、トナー粒子がマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐をトナー粒子質量基準で、合計100ppm乃至30000ppm含有しており、好ましくは100ppm乃至25000ppm、さらに好ましくは100ppm乃至20000ppm、最も好ましくは100ppm乃至9000ppm含有されていることが良い。
【0030】
上記の金属元素の含有量が100ppm未満の場合には、硫黄元素含有重合体と金属元素とが引き付け合った安定した状態を形成しにくく、トナー粒子内部への分散性が低下するようになり、そのため、着色剤のトナー粒子内部への分散を促進させる効果が十分に得られなくなり、帯電の安定性に劣るようになってしまう。また、100ppm未満であると、帯電のリークポイントが少なくなるためトナーの摩擦帯電量が低湿環境下において、チャージアップし易くなる。さらに100ppm未満とするためには洗浄工程が複雑になり、生産効率が著しく低下する。
【0031】
上記の金属元素の含有量が30000ppmを超える場合には、高湿環境下において、急激な帯電量ダウンが見られ、それに伴いカブリが発生する。さらに、低湿環境下の定着性が著しく低下し、フルカラーの画像形成時の定着性に劣る様になる。
【0032】
外添剤を有するトナーにおいて上記元素の含有量の測定を行う場合には、トナーを洗浄した後、水中で振動を与えながら再洗浄をすることによって外添剤を除き、トナー粒子のみにしてから測定を行う。
【0033】
具体的に一例を挙げると、
(1)該外添剤を有するトナー10gを10%塩酸150ml中に添加し、2時間攪拌をする。
(2)上記(1)の分散液をJIS P 3801 5種C(保留粒子径3μm)の濾紙を用いて、固液体分離をする。
(3)得られたケーキをイオン交換水150ml中に添加し、攪拌をしつつ超音波分散を10分行う。
(4)上記(3)の分散液をJIS P 3801 5種C(保留粒子径3μm)の濾紙を用いて、固液体分離をする。
(5)再度、イオン交換水150mlで洗浄する。
(6)得られたケーキを40℃で24時間乾燥させる。
【0034】
こうして外添剤を取り除いた後、トナー粒子に対して蛍光X線分析やプラズマ発光分析(ICP)やESCAなどの公知の分析方法を用いて上記元素の定量を行うことが出来る。
【0035】
後述の実施例において、各元素の測定は、蛍光X線分析を用いて行い、その詳細はJIS−KO119に準ずる。
(1)使用装置について
蛍光X線分析装置3080(理学電気(株))
試料プレス成型機MAEKAWA Testing Machine(MFGCo.,LTD製)
(2)検量線の作成について
定量目的の複合化合物をコーヒーミルを用いて5水準外添し、サンプルを作成する。上記サンプルを試料プレス成型機を用いてプレス成形する。2θテーブルより複合化合物中〔M〕Kαピーク角度(a)を決定する。蛍光X線分析装置中へ検量線サンプルを入れ、資料室を減圧し真空にする。以下の条件にて各々のサンプルのX線強度を求め検量線(重量比:ppm表示)を作成する。
(3)測定条件について
測定電位、電圧 50kV、50〜70mA
2θ角度 a
結晶板 LiF
測定時間 60秒
(4)トナー粒子中の上記元素の定量について
上記検量線と同様の方法でサンプル成形した後、同じ測定条件にてX線強度をもとめ、検量線より含有量を算出する。
【0036】
次に、本発明において用いられる硫黄元素含有重合体について説明する。
【0037】
硫黄元素含有重合体をトナーに含有させることにより、摩擦帯電量を高めることができるということは、従来、知られてきた事項であり、本発明においても硫黄元素含有重合体をトナーに含有させることにより、高い帯電量を有するトナーを得ている。
【0038】
硫黄元素含有重合体としては、スルホン酸基を有する重合体であることが好ましい。スルホン酸基を重合体中に含有することで、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐の如き金属と、より安定した状態をとるようになり、トナー粒子中への着色剤の分散が更に促進され、加えて着色剤の分散による一部のワックスの分散も向上する。
【0039】
本発明においては、硫黄元素含有重合体中の残存モノマーの量は好ましくは1000ppm以下であり、300ppm以下であることがより好ましい。また、残存モノマー量が、1000ppmを超える場合には、所望される帯電特性が得られず、連続画像出力において安定した画像濃度が得られにくくなる。
【0040】
さらに、硫黄元素含有重合体のガラス転移点(Tg)は50℃乃至100℃が好ましい。より好ましくは70℃より高く100℃以下、さらに好ましくは73℃乃至100℃である。ガラス転移点が50℃未満の場合には、トナーの流動性、保存性に劣り、さらに転写性にも劣るようになる。ガラス転移点が100℃を超える場合には、トナー印字率の多い画像の時の定着性に劣るようになる。
【0041】
硫黄元素含有重合体を製造するために用いられる硫黄元素を含有する単量体としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、或いは、下記構造を有するマレイン酸アミド誘導体、マレイミド誘導体、スチレン誘導体が挙げられる。好ましくは、スルホン酸基を含有する(メタ)アクリルアミドである。
【0042】
【外1】
Figure 0003893258
【0043】
本発明に係る硫黄元素含有重合体は、上記単量体の単重合体であっても構わないが、上記単量体と他の単量体との共重合体であることが好ましい。上記単量体と共重合体をなす単量体としては、ビニル系芳香族炭化水素、(メタ)アクリル酸エステルの如き重合性単量体が好ましく用いられる。より具体的には、以下に例示する如き単量体を用いることができる。
【0044】
単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチレアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリルレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル酸エステル;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
【0045】
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2′−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2′−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントテラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテルが挙げられる。
【0046】
硫黄元素含有重合体は、硫黄元素を有するモノマーに由来するユニットを0.01乃至20質量%含有することが好ましく、より好ましくは0.05乃至10質量%、さらに好ましくは0.1乃至7質量%含有することが好ましい。0.01質量%未満の場合には、硫黄元素含有重合体の添加効果が十分に得られず、また20質量%を超える場合には、本発明の分散剤起因の元素が多く残り、定着性が特に悪化する。
【0047】
硫黄元素含有重合体の製造方法は、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、イオン重合等があるが、操作性などの面から溶液重合が好ましい。
【0048】
該硫黄元素含有重合体は、
【外2】
Figure 0003893258
【0049】
の如き構造を有する。カウンターイオンとしては、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムイオンであることが良く、より好ましくは水素イオンである。
【0050】
硫黄元素含有重合体の酸価(mgKOH/g)は3乃至80が好ましく、より好ましくは5乃至40、さらに好ましくは10乃至30である。
【0051】
酸価が3未満の場合には、十分な電荷制御作用が得られにくく、かつ環境安定性に劣る傾向がある。逆に、酸価が50を超える場合には、この様な重合体を含有する組成物を用いて、懸濁重合で粒子を造る場合、トナー粒子がいびつな形状を有する様になり、円形度が小さくなってしまい、含有する離型剤がトナー表面に現れ、現像性の低下を引き起こしやすくなる。
【0052】
硫黄元素含有重合体は、結着樹脂100質量部当り0.01乃至15質量部含有されていることが好ましく、より好ましくは0.1乃至10質量部が良い。
【0053】
上記硫黄元素含有単量体の含有量が0.01質量部未満の場合には、十分な電荷制御作用が得られにくく、15質量部を超えると、懸濁重合法によりトナーの製造を行う際には、造粒性が低下し、現像性や転写性の低下を引き起こす。
【0054】
更に、本発明においては、結着樹脂100質量部当り0.001乃至3質量部の硫黄元素を有するモノマーに由来するユニットを含有していることが好ましく、更には0.005乃至2質量部、特には0.01乃至1.5質量部が好ましい。
【0055】
トナー中の硫黄元素含有重合体の含有量は、キャピラリー電気泳動法などを用いて測定することができる。
【0056】
硫黄元素含有重合体の分子量は、重量平均分子量(Mw)が500乃至100000が好ましい。より好ましくは1000乃至70000であり、さらに好ましくは5000乃至50000である。重量平均分子量(Mw)が500未満の場合には、トナーの流動性に劣るようになりやすく、転写性の低下が生じる。重量平均分子量(Mw)が100000を超える場合には、単量体への溶解に時間がかかることに加え、顔料の分散性を向上させる効果が小さくなり、トナーの着色力が低下してしまう。
【0057】
硫黄元素含有重合体の揮発分は0.01%乃至2.0%が好ましい。揮発分を0.01%未満とするためには、揮発分除去工程が複雑になり、揮発分が2.0%を超える場合には、高温高湿下での帯電、特に放置後の帯電に関して劣る様になる。尚、揮発分とは、高温(135℃)で1時間加熱したときに減少する重量の割合である。
【0058】
硫黄元素含有重合体のMELTINDEX値(MI値;g/10min)は、0.1乃至100が好ましく、より好ましくは0.2乃至80が良い。MI値が0.1未満の場合には樹脂の単量体への溶解が困難となり、モノマー系が不均一となるため、結果として良好な粒度分布を有するトナーが得られにくくなる。MI値が100を超える場合には、樹脂がシャープメルト過ぎるため、トナー化した時に耐ブロッキング性に劣るようになり、耐久性を低下させる傾向にある。MI値の測定方法は、JIS規格K7210のA法に準拠して行われ、測定値を10分値に換算する。
【0059】
なお、上記の如き物性を求めるにあたって、硫黄元素含有重合体のトナーからの抽出を必要とする場合には、抽出方法は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
【0060】
本発明に用いられる結着樹脂としては公知の結着樹脂のいずれも用いることができ、例えばスチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂の如きスチレン系共重合体またはポリエステル樹脂が例示される。
【0061】
離型剤としては、重量平均分子量(Mw)が350乃至4000、数平均分子量(Mn)が200乃至4000であることが好ましく、より好ましくはMwが400乃至3500、Mnが250乃至3500である。Mwが350未満、Mnが200未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下する傾向にあり、Mwが4000を超え、Mnが4000を超える場合には、離型剤自体の結晶性が高まり、OHP定着画像の透明性が低下する傾向にある。
【0062】
離型剤の分子量及び分子量分布はGPCにより次の条件で測定される。
【0063】
(GPC測定条件)装置:GPC−150C(ウォーターズ社)
カラム:GMH−MT30cm2連(東ソー社製)
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速:1.0ml/min
試料:0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
【0064】
離型剤は、融点(温度20乃至200℃の範囲におけるDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークに対応する温度)が30乃至120℃、より好ましくは50乃至110℃であるものが良い。また、室温で固体の固体ワックスが好ましく、特に融点50乃至110℃の固体ワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点で良い。
【0065】
ワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロピッシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス、ケトンワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体が挙げられ、これらは低分子量成分が除去されたDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。
【0066】
好ましく用いられるワックスとしては、炭素数15乃至100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステル或いは、モンタン系誘導体が挙げられる。これらワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものも好ましい。
【0067】
さらに、好ましく用いられるワックスは、アルキレンを高圧下でラジカル重合或いは低圧下でチーグラー触媒又は、その他の触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;アルキレンを重合する際に副生する低分子量アルキレンポリマーを分離精製したもの、;一酸化炭素及び水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素ポリマーの蒸留残分から、或いは、蒸留残分を水素添加して得られる合成炭化水素から、特定の成分を抽出分別したポリメチレンワックスが挙げられる。これらワックスには酸化防止剤が添加されていてもよい。
【0068】
定着画像の透光性を向上させるためには、固体エステルワックスが好ましい。
【0069】
エステルワックスとしては、下記式(l)乃至(Vl)で示される化合物から形成されているものが挙げられる。
【0070】
【外3】
Figure 0003893258
【0071】
(式中、a及びbは0〜4迄の整数であり、a+bは4である。R及びRは炭素数が1〜40の有機基であり、RとRとの炭素数差が3以上である。m及びnは0〜25の整数であり、mとnは同時に0になることはない。)
【外4】
Figure 0003893258
【0072】
(式中、a及びbは0〜3の整数であり、a+bは1乃至3であり、a+b+k=4である。R及びRは炭素数が1〜40の有機基であり、RとRとの炭素数差が3以上である。Rは水素原子又は炭素数が1以上の有機基である。但し、a+b=2のとき、少なくともR3のどちらか一方は、炭素数が1以上の有機基である。kは1〜3の整数である。m及びnは0〜25の整数であり、mとnが同時に0になることはない。)
【外5】
Figure 0003893258
【0073】
(式中、R及びRは炭素数6〜32を有する有機基であり、RとRは同じものであっても、異なっていても良い。Rは炭素数1〜20を有する有機基を示す。)
【外6】
Figure 0003893258
【0074】
(式中、R及びRは炭素数6〜32を有する有機基であり、RとRは同じものであっても、異なっていてもよい。Rは、−(CH−であり、nは1〜20の整数を示す。)
【外7】
Figure 0003893258
【0075】
(式中、aは0〜3の整数であり、bは1〜4の整数であり、a+bは4である。Rは炭素数が1〜40の有機基である。m及びnは0〜25の整数であり、mとnが同時に0になることはない。)
【外8】
Figure 0003893258
【0076】
〔式中、R及びRは炭素数15〜45を有する炭化水素基をそれぞれ示す。〕
具体的には、以下のものが例示される。尚、以下に示す離型剤は、例示した構造式で表される化合物を50質量%以上含むものである。
【0077】
【外9】
Figure 0003893258
【0078】
【外10】
Figure 0003893258
【0079】
更には、トータルの炭素数が同一のエステル化合物を50〜95質量%(ワックス基準)含有しているエステルワックスが中でも好ましい。トータルの炭素数が同一のエステル化合物の含有量は、下記に説明するガスクロマトグラフィー法(GC法)によって測定することができる。
【0080】
ガスクロマトグラフィー法(GC法)による炭素数が同一のエステル化合物の含有量の測定には、GC−17A(島津製作所製)が用いられる。試料は、予めトルエンに1質量%濃度で溶解させた溶液1μlをオンカラムインジェクターを備えたGC装置に注入する。カラムは、0.5mm径×10m長のUltra Alloy−1(HT)を用いる。カラムは初め40℃から40℃/min.の昇温スピードで200℃迄昇温させ、更に15℃/min.で、350℃迄昇温させ、次に7℃/min.の昇温スピードで450℃迄昇温させる。キャリアガスは、Heガスを50kPaの圧力条件で流す。化合物種の同定は、別途炭素数が既知のアルカンを注入し同一の流出時間同士を比較したり、ガス化成分をマススペクトマトグラフィーに導入することで構造を同定する。エステル化合物の含有量はクロマトグラムの総ピーク面積に対するピーク面積の比を求めることで算出する。
【0081】
離型剤として、上記の如き構造式を有するエステル化合物を有するエステルワックスを用いた場合には、良好な透明性を有し、且つ定着性に優れたトナーが得られる。
【0082】
特に、この離型剤と硫黄元素含有重合体とを重合性単量体に溶解させた後、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、或いは燐を有する分散安定剤が存在する水系媒体中に分散させ、その後、重合性単量体の重合反応を進めることによってトナーの製造を行った場合には、トナー粒子中におけるワックスの分散が良好に行なわれており、帯電量が大きく、且つ適正帯電値に到達するまでの速度が速く、さらに多数枚耐久において、摩擦帯電量の変動の少ない優れたトナーが得られる。
【0083】
重合法により、トナーを生成する場合には、離型剤は、重合性単量体100質量部に対して1乃至40質量部(より好ましくは、10〜30質量部)配合することが好ましく、トナーとしては、結着樹脂100質量部当り離型剤1乃至40質量部(より好ましくは、10〜30質量部)含有されるのが良い。
【0084】
溶融混練粉砕法により、トナーを生成する場合には、離型剤はトナー中に結着樹脂100質量部当り1乃至10質量部(より好ましくは1〜5質量部)含有されていることが好ましい。
【0085】
溶融混練粉砕法による乾式トナー製法に比べ重合法にトナー製法においては、トナー内部に極性樹脂により多量の離型剤を内包化させ易いので乾式トナー製法と比較し、一般に多量の離型剤を用いることが可能となり、定着時のオフセット防止効果は更に優れたものとなる。
【0086】
該離型剤の添加量が下限より少ないとオフセット防止効果が低下しやすく、上限を超える場合では耐ブロッキング効果が低下し耐オフセット効果にも悪影響を与えやすく、トナーのドラム融着、トナーの現像スリーブ融着を起こしやすく、重合法によりトナーを生成する場合には粒度分布の広いトナーが生成する傾向にある。
【0087】
本発明に使用される離型剤は溶解度パラメーター(SP)値が、7.6〜10.5の範囲であることが好ましい。SP値が、7.6未満の値を示す離型剤は、用いる重合性単量体又はバインダー樹脂との相溶性が乏しく結果的にバインダー樹脂中への良好な分散が得られにくく、多数枚複写時又はプリント時において該離型剤の現像スリーブへの付着が生じやすく、トナーの帯電量が変化しやすくなる。更に地カブリ、トナー補給時のトナーの濃度変動も起こしやすい。SP値が10.5を超える離型剤を用いる場合には、トナーを長期保存した際にトナー同士のブロッキングが発生しやすい。更に、バインダー樹脂との相溶性が良すぎるため定着時において定着部材とトナー間に十分な離型性層が形成しにくく、オフセット現象を起こしやすい。
【0088】
溶解度パラメーター(SP)値は、原子団の加成性を利用したFedorsの方法(Polym.Eng.Sci.,14(2)147(1974))を用いて算出することができる。
【0089】
本発明に使用される離型剤は、135℃における溶融粘度は1〜300cPsであることが好ましく、更に好ましくは3〜50cPsを有する離型剤が特に好ましい。1cPsより低い溶融粘度を有する場合は、非磁性一成分現像方式で塗布ブレード等により現像スリーブにトナー層を薄層コーティングする際、機械的なズリカによりスリーブ汚染を招きやすい。二成分現像方法においてはキャリア粒子とトナーとを用いて静電荷像を現像する際に、トナーとキャリア粒子間のズリカによりトナーがダメージを生じやすく、外添剤の埋没、トナーの破砕も生じやすい。300cPsを超える溶融粘度を有する場合には、重合法を用いてトナーを製造する際、重合性単量体組成物の粘度が高くなり、粒度分布のシャープな微小粒径のトナーを得ることが困難となる。
【0090】
離型剤の溶融粘度は、HAAKE社製VP−500にてコーンプレート型ローター(PK−1)を用いて測定することができる。
【0091】
また、離型剤の針入度は、14以下、好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下が望ましい。針入度が14を超える場合には、感光ドラム表面上にフィルミングを発生し易くなる。尚、針入度の測定は、JIS−K2235に準ずる。
【0092】
なお、上記の如き物性を求めるにあたって、離型剤のトナーからの抽出を必要とする場合には、抽出方法は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
【0093】
一例を挙げると、所定量のトナーをトルエンにてソックスレー抽出し、得られたトルエン可溶分から溶剤を除去した後、クロロホルム不溶分を得る。
【0094】
その後、IR法などにより同定分析をする。
【0095】
また、定量に関しては、DSCなどにより定量分析を行う。
【0096】
本発明のトナーは、結着樹脂の他に、縮合系樹脂を添加しても良い。縮合系樹脂を添加することで、重合法トナーの場合、造粒性、帯電量の環境安定性、現像性及び転写性を向上させることが可能である。該縮合系樹脂は、重量平均分子量(Mw)が6,000乃至100,000であることが好ましく、より好ましくは6,500乃至85,000、更に好ましくは6,500乃至45,000である。
【0097】
縮合系樹脂の重量平均分子量が6,000未満の場合、連続画像出力においてトナー表面の外添剤が耐久によって埋没しやすく、転写性の低下を招きやすくなる。逆に、重量平均分子量が100,000を超える場合には、重合性単量体に縮合系樹脂を溶解するのに時間を多く費やしてしまう。さらに、重合性単量体組成物の粘度が上昇し、粒径が小さくかつ、粒度分布の揃ったトナーが得にくくなる。
【0098】
該縮合系樹脂は、数平均分子量(Mn)が3,000乃至80,000であることが好ましく、より好ましくは3,500乃至60,000、更に好ましくは3,500乃至12,000である。該縮合系樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラム(GPC)における分子量分布のメインピーク値(Mp)が、分子量4,500乃至40,000の領域、より好ましくは分子量6,000乃至30,000の領域に存在することが良い。より好ましくは分子量6,000乃至20,000の領域である。上記範囲外であると重量平均分子量の場合と同様の傾向を示す。
【0099】
該縮合系樹脂はMw/Mnが1.2乃至3.0、より好ましくは1.5乃至2.5が良い。Mw/Mnが1.2未満の場合には、トナーの多数枚耐久性及び耐オフセット性が低下し、3.0を超える場合には、低温定着性の面で、範囲内のものよりも、若干劣ってしまう。
【0100】
該縮合系樹脂はガラス転移点(Tg)が、50乃至100℃、好ましくは50乃至95℃が良い。より好ましくは55乃至90℃が良い。ガラス転移点が50℃未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下する。ガラス転移点が100℃を超える場合には、トナーの耐低温オフセット性が低下する。なお、Tgは中点法により求められる値を示す。
【0101】
該縮合系樹脂の酸価(mgKOH/g)は、0.1乃至35、好ましくは3乃至35、より好ましくは4乃至35、さらに好ましくは5乃至30である。酸価が0.1未満の場合には、トナーの帯電量の立ち上がりが遅く、カブリが生じやすくなる。酸価が35を超える場合には、高温高湿下に放置した後のトナーの摩擦帯電特性が変動しやすく、連続画像出力において画像濃度が変動しやすくなる。さらに、縮合系樹脂の酸価が35を超える場合には、縮合系樹脂のポリマー相互間の親和力が強くなるために縮合系樹脂が重合性単量体に溶解しにくくなり、均一な重合性単量体組成物を調製するのに時間がかかるようになる。
【0102】
該縮合系樹脂の水酸基価(mgKOH/g)は0.2乃至50、好ましくは5乃至50、より好ましくは7乃至45であるのが良い。水酸基価が0.2未満の場合には、水系媒体中の重合性単量体組成物の粒子の表面に縮合系樹脂の局在化が起こりにくくなる。水酸基価が50を超える場合、最適範囲内のものと比較すると、高温高湿下において放置した後のトナーの帯電量特性が若干低くなる傾向が見られ、連続画像出力において画像濃度が変動しやすい。尚、該縮合系樹脂の抽出は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
【0103】
本発明においては、縮合系樹脂の酸価(AV)と硫黄元素含有重合体の酸価(AV)とが、AV<AVの関係を満たしていることが好ましい。この場合には、湿式法によるトナー粒子の製造時の造粒工程において、水系媒体中で、硫黄元素含有重合体が液滴の最表面に偏在するようになるため、分散安定剤に由来するマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐の如き金属との接触機会が増加し、より安定した構造を形成しやすくなり、トナー粒子の内部への分散性がより高まる。
【0104】
該縮合系樹脂は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部用いられることが好ましく、より好ましくは1〜15質量部である。
【0105】
硫黄元素含有重合体および縮合系樹脂のGPCによる分子量及び分子量分布は以下の方法で測定される。
【0106】
40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が10〜10程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良くたとえば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(H XL),G2000H(H XL),G3000H(HXL),G4000H(H XL),G5000H(H XL),G6000H(H XL),G7000H(H XL),TSKguardcolumnの組み合わせが挙げられる。
【0107】
試料は以下のようにして作製する。
【0108】
試料をテトラヒドロフラン(THF)中に入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。このときTHF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料とする。試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0109】
硫黄元素含有重合体および縮合系樹脂のガラス転移点はDSC測定により求められる。
【0110】
DSC測定では、測定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7が利用できる。
【0111】
測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。測定は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度測定10℃/minで、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
【0112】
硫黄元素含有重合体および縮合系樹脂の酸価は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
【0113】
試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を酸価といい、次によって試験を行う。
【0114】
(1)試薬
(a)溶剤の調製
試料の溶剤としては、エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)を用いる。これらの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1モル/リットルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
(b)フェノールフタレイン溶液の調製
フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v/v%)100mlに溶かす。
(c)0.1モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の調製
水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJISK 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
【0115】
(2)操作
試料1〜20gを正しくはかりとり、これに溶剤100mlおよび指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを0.1モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
【0116】
(3)計算式 つぎの式によって酸価を算出する。
【0117】
【外11】
Figure 0003893258
【0118】
硫黄元素含有重合体および縮合系樹脂の水酸基価は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
【0119】
試料1gを規定の方法によってアセチル化するとき水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を水酸基価といい、つぎの試薬、操作および計算式によって試験を行う。
【0120】
(1)試薬
(a)アセチル化試薬の調製
無水酢酸25mlをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる。(場合によっては、ピリジンを追加しても良い)。アセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスおよび酸の蒸気に触れないようにし、褐色びんに保存する。
(b)フェノールフタレイン溶液の調製
フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v/v%)100mlに溶かす。
(c)0.2モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の調製
水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS
K 8006によって行う。
【0121】
(2)操作 試料0.5〜20gを丸底フラスコに正しくはかりとり、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱をうけて温度の上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付け根にかぶせる。1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後、エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬として0.2モル/リットルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。なお、本試験と並行して空試験を行う。場合によっては、指示薬としてKOH−THF溶液にしても構わない。
【0122】
(3)計算式 つぎの式によって水酸基価を算出する。
【0123】
【外12】
Figure 0003893258
【0124】
本発明の縮合系樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、セルロースの如き樹脂を用いることができる。より好ましくは材料の多様性からポリエステルが望まれる。
【0125】
該縮合系樹脂として用いられるポリエステル及び該離型剤として用いられるエステルワックスの製造方法としては、例えば、酸化反応による合成法、カルボン酸及びその誘導体からの合成、マイケル不可反応に代表されるエステル基導入反応、カルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応を利用する方法、酸ハロゲン化物とアルコール化合物からの反応、エステル交換反応で製造される。触媒としては、エステル化反応に使う一般の酸性、アルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛、チタン化合物などでよい。その後、再結晶法、蒸留法などにより高純度化させてもよい。
【0126】
特に好ましい製造方法は、原料の多様性、反応のしやすさからカルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応である。
【0127】
縮合系樹脂としてポリエステルを用いる際のポリエステルの組成について以下に説明する。
【0128】
ポリエステルは、全成分中45〜55mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%が酸成分であることが好ましい。
【0129】
アルコール成分としては、エチルグリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記式(1)
【外13】
Figure 0003893258
【0130】
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x,yはそれぞれ1以上の整数を示し、かつx+yの平均値は2〜10を示す。)で示されるビスフェノー誘導体、又は下記式
【外14】
Figure 0003893258
【0131】
で示されるジオールの如きジオール類が挙げられる。
【0132】
2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ジフェニル−P・P′−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸,ジフェニルメタン−P・P′−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸,1,2−ジフェノキシエタン−P・P′−ジカルボン酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グリタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリエチレンジカルボン酸、マロン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。
【0133】
特に好ましいアルコール成分としては前記(1)式で示されるビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、こはく酸、n−ドデセニルコハク酸、又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸が挙げられる。
【0134】
該縮合系樹脂は、2価のジカルボン酸及び2価のジオールから合成することにより得ることが可能であるが、場合により、3価以上のポリカルボン酸又はポリオールを本発明に悪影響を与えない範囲で少量使用しても良い。
【0135】
3価以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシルプロパン、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
【0136】
3価以上のポリオールとしては、スルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−メタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
【0137】
本発明のトナーは、荷電制御剤を使用しても良い。
【0138】
トナーを負荷電性に制御する荷電制御剤としては、下記の物質が挙げられる。例えば、有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、けい素化合物、ノンメタルカルボン酸系化合物及びその誘導体が挙げられる。
【0139】
又、トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、下記の物質がある。例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;これらを単独或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
【0140】
荷電制御剤は、トナー中の結着樹脂100質量部当り、0.01乃至20質量部、より好ましくは0.5乃至10質量部となる様に含有させるのが良い。
【0141】
本発明のトナーは、着色剤を含有している。黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
【0142】
イエロー着色剤としては、顔料系としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow 3,7,10,12,13,14,15,17,23,24,60,62,74,75,83,93,94,95,99,100,101,104,108,109,110,111,117,123,128,129,138,139,147,148,150,166,168,169,177,179,180,181,183,185,191:1,191,192,193,199が好適に用いられる。染料系としては、例えば、C.l.solventYellow33,56,79,82,93,112,162,163、C.I.disperse Yellow42.64.201.211が挙げられる。
【0143】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレッド19が特に好ましい。
【0144】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利用される。
【0145】
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は結着樹脂100質量部に対し1乃至20質量部となる様に添加して用いられる。
【0146】
さらに本発明のトナーは磁性体を含有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性体は着色剤の役割をかねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルの如き金属、或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムの如き金属との合金及びその混合物が挙げられる。
【0147】
本発明に用いられる磁性体は、より好ましくは、表面改質された磁性体が好ましく、重合法トナーに用いる場合には、重合阻害のない物質である表面改質剤により、疎水化処理を施したものが好ましい。このような表面改質剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤を挙げることができる。
【0148】
これらの磁性体は平均粒子が2μm以下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ましい。トナー中に含有させる量としては結着樹脂100質量部に対し20〜200質量部、特に好ましくは40〜150質量部となる様に含有させるのが良い。
【0149】
796kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特性が保磁力(Hc)1.59〜23.9kA/m(20〜300エルステッド)、飽和磁化(σs)50〜200emu/g、残留磁化(σr)2〜20emu/gの磁性体が好ましい。
【0150】
本発明においては、トナーにおける各種の特性向上を目的とした外添剤が用いられる。外添剤としては、耐久性の点から、トナーの体積平均径の1/5以下の粒径であるものが好ましい。添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナーの表面観察により求めたその平均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした外添剤としては、たとえば、以下のようなものが用いられる。
【0151】
流動性付与剤としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ハイドロタルサイトの如き金属酸化物、カーボンブラック、フッ化カーボンが挙げられる。それぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
【0152】
研磨剤としては、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロムの如き金属酸化物、窒化ケイ素の如き窒化物、炭化ケイ素の如き炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き金属塩が挙げられる。
【0153】
滑剤としては、フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンの如きフッ素系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩が挙げられる。
【0154】
荷電制御性粒子としては、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムの如き金属酸化物、カーボンブラックが挙げられる。
【0155】
これら外添剤は、トナー粒子100質量部に対し、0.1〜10質量部が用いられ、好ましくは、0.1〜5質量部が用いられる。これら外添剤は、単独で用いても良く、また複数を併用しても良い。
【0156】
本発明のトナーは、凝集度が1〜50%、より好ましくは1〜30%、更には4〜30%、特には4〜20%であることが現像性の点で好ましい。トナーの凝集度は、値が小さい場合にはトナーの流動性が高く、値が大きい場合にはトナーの流動性が低いと判断される。トナーの凝集度は、以下の方法で測定される。
【0157】
パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)の振動篩機を用い、振動台に目開き33μm(400mesh)、77μm(200mesh)、154μm(100mesh)の篩を目開の狭い順に重なる様に、即ち、目開き154μmの篩が最上位となる様に、下から目開き33μmの篩、目開き77μmの篩、目開き154μmの篩の順に重ねてセットする。このセットした目開き154μmの篩上に試料を乗せ、振動台への入力電圧が15Vになる様にし、その際の振動台の振幅が60〜90μmの範囲に入る様に調整し、約25秒間振動を加え、その後、各篩上に残った試料の重量を測定し、下式に基づき凝集度を得る。凝集度の値が小さい程、トナーの流動性は高い。なお、サンプル量は5gとし、常温常湿環境(20℃/60%RH)下に7日間放置させものを測定する。
【0158】
【外15】
Figure 0003893258
【0159】
本発明のトナーのガラス転移点(Tg)は40乃至90℃、好ましくは50乃至80℃が良い。より好ましくは50乃至70℃が良い。ガラス転移点が40℃未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下する。ガラス転移点が90℃を超える場合には、トナーの耐低温オフセット性、オーバーヘッドプロジェクター用フィルムの透過画像の透明性が低下する。
【0160】
また本発明のトナーは、DSC測定による吸熱ピークの半値幅が、14℃以下、好ましくは、7℃以下、さらに好ましくは4℃以下であることが好ましい。半値幅が14℃を超える場合には、連続画像出力の際に、静電荷像保持体を含めた周辺部材への汚染を招き、均一性の良好な画像が得られない。
【0161】
本発明のトナーのガラス転移点、半値幅の測定も上述のDSC測定と同様にして求められる。基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
【0162】
トナー中の結着樹脂のTHF不溶分の含有量は、90質量%以下、より好ましくは70質量%以下、最も好ましくは65質量%以下が好ましい。混練工程が加わるものに関しては30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、最も好ましくは15質量%以下であることが好ましい。
【0163】
結着樹脂のTHF不溶分とは、THF溶媒に対して不溶性となった超高分子ポリマー成分(実質的に架橋ポリマー)の質量割合を示す。結着樹脂のTHF不溶分とは、以下のように測定された値をもって定義する。
【0164】
結着樹脂約1gを秤量し(Wg)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、THF溶媒としてTHF100〜200mlを用いて6時間抽出しTHF溶媒によって抽出された可溶成分をエバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥しTHF可溶樹脂成分量を秤量する(Wg)。結着樹脂のTHF不溶分は下記式から算出される。
【0165】
【外16】
Figure 0003893258
【0166】
本発明のトナーは、前記フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、円相当個数平均径D1(μm)は2乃至10μmであることが好ましく、且つ、該トナーの平均円形度が0.920乃至0.995で、円形度標準偏差が0.040未満であることが好ましい。より好ましくは平均円形度が0.950乃至0.995で、円形度標準偏差値が0.035未満であることが良い。さらに好ましくは平均円形度が0.970乃至0.995で、円形度標準偏差が0.015乃至0.035未満であることが望まれる。また、円形度0.950未満のトナーの含有量が15個数%以下であることが好ましい。さらに、円相当個数平均径の標準偏差を円相当個数平均径で割った個数変動係数は、0.35以下、特には0.30以下が好ましい。
【0167】
円相当個数平均径が2乃至10μmであるトナーは、画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性に優れたものである。しかし、一般にトナーを小粒径化すると必然的に微小粒子のトナーの存在率が高くなる為、トナーを均一に帯電させることが困難となり画像カブリを生じるばかりか、静電潜像担持体表面や現像剤担持体への付着力が高くなり、結果として現像特性の低下が生じてしまいやすい。
【0168】
しかし、トナーの円形度頻度分布の平均円形度を0.920乃至0.995、好ましくは0.950乃至0.995、より好ましくは0.970乃至0.995とすることにより、従来では困難であった小粒径を呈するトナーの転写性が大幅に改善されると共に現像能力も格段に向上する。
【0169】
又、本発明のトナーは、円形度標準偏差が0.040未満、好ましくは0.035未満とすることにより、現像性に関する問題を大幅に改善することが出来る。
【0170】
その理由としては、この様な円形度標準偏差を有するトナーは、各々のトナーの帯電特性が均一に近いため、トナー層厚規制部材や現像剤担持体から均一、且つ、良好な摩擦帯電付与とトナーの搬送力を受けことが出来る為、現像剤担持体上のトナー帯電量やトナーコート量を適切なものとすることが可能となるからだと考えている。
【0171】
本発明の如き硫黄元素含有重合体を含んでおり、かつ特定の元素を含有するトナーが、上記の円形度の分布を有することで、常温常湿環境下だけでなく、低温低湿から高温高湿といったあらゆる環境下において、上記円形度に入らないトナーよりも帯電性及び転写性がさらに改善されるため、ベタ部、ライン部の現像効率や転写効率が向上し、均一性の高い画像が得られる。この理由は、硫黄元素含有重合体を含み特定元素を含有するトナー構成とすることで、吸湿性に関する影響を受けず、電荷リークにも優れ、環境依存性に有利になることに加え、円形度分布の規定により、さらにトナーの帯電量分布の均一化が促進されたことによる効果ではないかと考えている。
【0172】
上記の如き形状を有するトナーは、デジタル方式の微小スポット潜像を現像する場合や、中間転写体を用い多数回の転写を行うフルカラー画像形成の際に非常に有効で、画像形成装置とマッチングも良好なものとなる。
【0173】
本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜医用電子社製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定を行い、測定された粒子の円形度を下式により求め、さらに下式で示すように測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
【0174】
【外17】
Figure 0003893258
【0175】
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差値の算出に当たって、粒子を得られた円形度によって、円形度0.400〜1.000の範囲を0.010間隔で、0.400以上0.410未満、0.410以上0.420未満・・・0.990以上1.000未満及び1.000の如くに61分割し、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う算出法を用いている。しかしながら、この算出法で算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値との誤差は、非常に少なく、実質的に無視できる程度であり、本発明においては、算出時間の短絡化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこの様な算出法を用いても良い。
【0176】
又、円相当個数平均径(D1)とは、トナーの個数基準の粒径頻度分布の平均値を表し、粒度分布の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると下式の如く表される。
【0177】
【外18】
Figure 0003893258
【0178】
本発明における粒度分布の分割点は、下表に示されるとおりである。
【0179】
【表1】
Figure 0003893258
【0180】
円形度及び円相当径の具体的な測定方法としては、ノニオン型界面活性剤約0.1mgを溶解している水10mlにトナー約5mgを分散させ分散液を調製し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5000〜20000個/μlとして、上記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定する。
【0181】
測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行のFPIA−1000のカタログ(1995年6月版)、測定装置の操作マニュアル及び特開平8−136439号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0182】
試料分散液は、フラットで扁平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒子の円形度を算出する。
【0183】
本発明における「円形度」とは、トナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.000を示し、トナー形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
【0184】
一般にトナー形状が不定形であるものは、トナー凸部、又は、凹部での帯電均一性が低く、さらに、不定形でもあるために静電潜像担持体とトナーとの接触面積が増加することにより、トナー付着力が高くなり、結果として転写残トナーの増加を招く。
【0185】
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、さらに測定試料を0.02gを加え、均一に分散させる。分散手段としては、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製)に振動子として5のチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上にならないように適宜冷却する。
【0186】
該分散液濃度を、測定時のトナー濃度が3000〜1万個/μlとなるように再調整し、前記装置を用いてトナーを1000個以上計測する。計測後、このデータを用いてトナーの円相当径や円形度頻度分布等を求める。
【0187】
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。
【0188】
本発明のトナーを製造する方法としては、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に記載されている懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法によるトナー化;単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナーを生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法によるトナー化;マイクロカプセル製法のような界面重合法、in site重合法によるトナー化;コアセルベーション法によるトナー化;特開昭62−106473号公報や特開昭63−186253号公報に開示されている様な少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る会合重合法によるトナー化;単分散を特徴とする分散重合法によるトナー化;非水溶性有機溶媒に必要な樹脂類を溶解させた後水中でトナー化する乳化分散法によるトナー化;さらに加圧ニーダーやエクストルーダー、或いはメディア分散機等を用いてトナー成分を混練、均一に分散せしめた後、冷却し、混練物を機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させて所望のトナー粒径に微粉砕し、更に分級工程を経て粒度分布をシャープにせしめてトナーを製造する粉砕法、さらに粉砕法で得られたトナーを溶媒中で加熱等により球形化処理しトナーを得る方法が挙げられる。
【0189】
中でも、懸濁重合法、会合重合法、乳化分散法によるトナーの製造が好ましい。
【0190】
さらに好ましくは小粒径のトナーが容易に得られる懸濁重合方法が望まれる。さらに一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード重合方法も本発明に好適に利用することができる。このとき、吸着せしめる単量体中に、極性を有する化合物を分散あるいは溶解させて使用することも可能である。
【0191】
トナーの製造方法として懸濁重合を利用する場合には、以下の如き製造方法によって直接的にトナーを製造することが可能である。単量体中に離型剤、着色剤、硫黄元素含有重合体、重合開始剤、架橋剤、その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム又は燐を含有する分散安定剤を有する水系媒体中に通常の攪拌機またはホモミキサー、ホモジナイザーにより分散せしめる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナーのサイズを有するように攪拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の攪拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、通常50〜95℃(好ましくは55〜85℃)の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温しても良く、必要に応じpHを変更しても良い。更に、定着時の臭いの原因となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により収集し、乾燥する。
【0192】
造粒中の水系媒体中のpHは特に制約は受けないが、好ましくは、pH4.5〜13.0、更に好ましくは4.5〜12.0、特に好ましくは4.5〜11.0、最も好ましくは4.5〜7.5である。pHが4.5未満の場合は分散安定剤の一部に溶解がおこり、分散安定化が困難になり、造粒出来なくなることがある。またpHが13.0を超える場合はトナー中に添加されている成分が分解されてしまうことがあり、十分な帯電能力が発揮出来なくなることがある。造粒を酸性領域で行った場合には、分散安定剤がに由来する金属のトナー中における含有量が過剰となるのを抑制することができ、本発明の規定を満たすようなトナーが得られやすくなる。
【0193】
また、トナー粒子の洗浄をpH3以下、より好ましくは、pH1.5以下の酸を用いて行うことが好ましい。トナー粒子の洗浄を酸で行うことにより、トナー粒子表面に存在する分散安定剤を低減することができる。洗浄に用いる酸としては、特に限定されるものではなく、塩酸、硫酸の如き無機酸を用いることができる。
【0194】
本発明に用いられる分散安定剤としては、リン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイドが挙げられる。
【0195】
又、分散安定剤としては、少なくともマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、燐のいずれかが含まれているものが用いられるが、好ましくは、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、燐のいずれかが含まれていることが望まれる。
【0196】
上記分散安定剤に有機系化合物、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンを併用しても構わない。
【0197】
これら分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.01〜2.0質量部を使用することが好ましい。
【0198】
さらに、これら分散安定剤の微細化のため0.001〜0.1質量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが好ましく用いられる。
【0199】
本発明のトナーを重合法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。
【0200】
該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン,p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
【0201】
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2′−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2′−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテルが挙げられる。
【0202】
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
【0203】
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如きアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの如きパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
【0204】
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2′−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2′−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
【0205】
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
【0206】
また本発明においては、架橋剤を用いて架橋を有する樹脂とすることもでき、架橋剤として、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いることができる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
【0207】
本発明のトナーは、一成分系現像剤用のトナーとして使用することも可能であり、キャリア粒子を有する二成分系現像剤用のトナーとしても使用可能である。
【0208】
一成分系現像剤として用い、磁性体をトナー中に含有せしめた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵せしめたマグネットを利用し、磁性トナーを搬送及び帯電せしめる方法がある。磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード又はローラを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着せしめることで搬送せしめる方法がある。
【0209】
二成分系現像剤として用いる場合には、本発明のトナーとキャリアとを混合して現像剤として使用する。磁性キャリアとしては、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム元素からなる元素単独又は複合フェライト状態で構成される。磁性キャリアの形状として、球状、扁平又は不定形があり、そのいずれのものも用いることができる。更に磁性キャリア粒子表面状態の微細構造(たとえば表面凹凸性)をもコントロールすることが好ましい。一般的には、上記無機酸化物を焼成、造粒することにより、あらかじめ、磁性キャリアコア粒子を生成した後、樹脂にコーティングする方法が用いられている。磁性キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、無機酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、さらには、直接無機酸化物とモノマーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合せしめ真球状の磁性キャリアを得る方法も利用することが可能である。
【0210】
上記キャリア粒子の表面を樹脂で被覆した被覆キャリアは、特に好ましい。その方法としては、樹脂を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて、該溶液又は懸濁液をキャリアに塗布し付着せしめる方法、単に樹脂粉体とキャリア粒子とを混合して付着させる方法が適用できる。
【0211】
キャリア粒子表面の被覆物質としてはトナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらは単独或は複数で用いられる。
【0212】
キャリアの磁性特性は以下のものが良い。磁気的に飽和させた後の79.6kA/m(1kエルステッド)における磁化の強さ(σ 1000)は30乃至300emu/cmであることが好ましい。さらに高画質化を達成するために、好ましくは100乃至250emu/cmであることがよい。300emu/cmより大きい場合には、高画質なトナー画像が得られにくくなる。逆に、30emu/cm未満であると、磁気的な拘束力も減少するためにキャリア付着を生じやすい。
【0213】
キャリア形状は丸さの度合いを示すSF−1が180以下、凹凸の度合いを示すSF−2が250以下であることが好ましい。SF−1、SF−2は以下の式にて定義され、ニレコ社製のLuzexIIIにて測定される。
【0214】
【外19】
Figure 0003893258
【0215】
本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。
【0216】
本発明のトナーが適用可能な画像形成方法を添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0217】
本発明のトナーは、磁性キャリアと混合し、例えば図3に示すような現像手段37を用いて画像形成方法に適用することができる。具体的には交番電界を印加しつつ、磁気ブラシが静電荷像保持体(例えば、感光体ドラム)33に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)31と感光体ドラム33の距離(S−D間距離)Bは100〜1000μmであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、1000μmを超えると磁石S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。トナー41は、逐次現像器へ供給され、攪拌手段35及び36でキャリアと混合され、固定磁石34を内包している現像スリーブ31まで搬送される。
【0218】
交番電界のピーク間の電圧は500〜5000Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロセスに適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形等種々選択して用いることができる。印加電圧が、500Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。5000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、静電像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
【0219】
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが150V以下、より好ましくは100V以下が良い。
【0220】
コントラスト電位としては、十分画像濃度がでるように200V〜500Vが好ましく用いられる。
【0221】
周波数が500Hzにより低いとプロセススピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こるためにキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質を低下させる場合がある。10000Hzを超えると電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0222】
十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリーブ31上の磁気ブラシの感光体ドラム33との接触幅(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることである。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑えることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、現像剤規制部材32と現像スリーブ31との距離Aを調整したり、現像スリーブ31と感光体ドラム33との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
【0223】
特にハーフトーンを重視するようなフルカラー画像の出力において、マゼンタ用、シアン用、及びイエロー用の3個以上の現像器が使用され、本発明のトナーを用い、特にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせることで、磁気ブラシの影響がなく、潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。転写工程においても本発明トナーを用いることで高転写率が達成でき、したがって、ハーフトーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
【0224】
さらに初期の高画質化と併せて、本発明のトナーを用いることで多数枚の複写においても画質低下が抑制され、本発明の効果が十分に発揮できる。
【0225】
静電像保持体33上のトナー画像は、コロナ帯電器の如き転写手段43により転写材へ転写され、転写材上のトナー画像は、加熱ローラ46及び加圧ローラ45を有する加熱加圧定着手段によって定着され、転写材に定着画像が形成される。静電荷像保持体33上の転写残トナーは、クリーニングブレードの如きクリーニング手段44で静電像保持体33から除去される。本発明のトナーは、転写工程での転写効率が高く、転写残トナーが少ない上に、クリーニング性に優れているので、静電荷像保持体上にフィルミングを生じにくい。さらに、多数枚耐久試験を行っても従来のトナーよりも、本発明のトナーは外添剤のトナー表面への埋没が少ないため、良好な画質を長期にわたって維持し得る。
【0226】
良好なフルカラー画像を得るためには好ましくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラック用の現像器を有し、ブラックの現像が最後に行われる様に配置された画像形成装置を用いることで引き締まった画像を得ることができる。
【0227】
マルチカラー又はフルカラー画像形成方法を良好に実施し得る画像形成装置の一例を図4を参照しながら説明する。
【0228】
図4に示されるカラー電子写真装置は、装置本体の右側から装置本体の略中央部にわたって設けられている転写材搬送系Iと、装置本体の略中央に、上記転写材搬送系Iを構成している転写ドラム415に近接して設けられている潜像形成部IIと、上記潜像形成部IIと近接して配設されている現像手段(すなわち回転式現像装置)IIIとに大別される。
【0229】
上記転写材搬送系Iは、以下の様な構成となっている。装置開口部に着脱自在な転写材供給用トレイ402及び403が一部機外に突出して配設されている。該トレイ402及び403の略直上部には給紙ローラ404及び405が配設され、これら給紙用ローラ404及び405と左方に配された矢印A方向に回転自在な転写ドラム415とを連係するように、給紙用ローラ406及び給紙ガイド407及び408が設けられている。上記転写ドラム415の外周面近傍には回転方向上流側から下流側に向かって当接用ローラ409、グリッパ410、転写材分離用帯電器422、分離爪412が順次配設されている。
【0230】
上記転写ドラム415の内周側には転写帯電器413、転写材分離用帯電器414が配設されている。転写ドラム415の転写材が巻き付く部分にはポリ弗化ビニリデンの如き、ポリマーで形成されている転写シート(図示せず)が貼り付けられており、転写材は該転写シート上に静電的に密着貼り付けされている。上記転写ドラム415の右側上部には上記分離爪412と近接して搬送ベルト手段416が配設され、該搬送ベルト手段416の転写材搬送方向終端(右側)には定着装置418が配設されている。定着装置418は、発熱体438を内部に有する定着ローラ429と、加圧ローラ430とを有している。該定着装置418よりもさらに搬送方向下流には搬送ローラ452、その先には、装置本体401の外へと延在し、装置本体401に対して着脱自在な排出用トレイ417が配設されている。
【0231】
次に、上記潜像形成部IIの構成を説明する。図4矢印方向に回転自在な静電荷像保持体である感光ドラム(例えば、OPC感光ドラム)419が、外周面を上記転写ドラム415の外周面と当接して配設されている。上記感光ドラム419の上方でその外周面近傍には、該感光ドラム419の回転方向上流側から下流側に向かって除電用帯電器421、クリーニング手段420及び一次帯電器423が順次配設され、さらに上記感光ドラム419の外周面上に静電潜像を形成するためのレーザービームスキャナのごとき像露光手段424、及びミラーのごとき像露光反射手段425が配設されている。
【0232】
上記回転式現像装置IIIの構成は以下のごとくである。上記感光ドラム419の外周面と対向する位置に、回転自在な筐体(以下「回転体」という)426が配設され、該回転体426中には四種類の現像装置が周方向の四位置に搭載され、上記感光体ドラム419の外周面上に形成された静電潜像を可視化(すなわち現像)するようになっている。上記四種類の現像装置は、それぞれイエロー現像装置427Y、マゼンタ現像装置427M、シアン現像装置427C及びブラック現像装置427BKを有する。
【0233】
上記したごとき構成の画像形成装置全体のシーケンスについて、フルカラーモードの場合を例として説明する。上述した感光ドラム419が図4矢印方向に回転すると、該感光ドラム419は一次帯電器423によって帯電される。図4の装置においては、感光ドラム419の周速(以下、プロセススピードとする)は100mm/sec以上(例えば、130〜250mm/sec)である。一次帯電器423による感光体ドラム419に対する帯電が行われると、原稿428のイエロー画像信号にて変調されたレーザー光Eによる画像露光が行われ、感光ドラム419上に静電潜像が形成され、回転体426の回転によりあらかじめ現像位置に定着されたイエロー現像装置427Yによって上記静電潜像の現像が行われ、イエロートナー画像が形成される。
【0234】
給紙ガイド407、給紙ローラ406、給紙ガイド408を経由して搬送されてきた転写材は、所定のタイミングにてグリッパ410により保持され、当接用ローラ409と該当接用ローラ409と対向している電極とによって静電的に転写ドラム415に巻き付けられる。転写ドラム415は、感光ドラム419と同期して図4矢印方向に回転しており、イエロー現像装置427Yにより形成されたイエロートナー画像は、上記感光ドラム419の外周面と上記転写ドラム415の外周面とが当接している部位にて転写帯電器413によって転写材上に転写される。転写ドラム415はそのまま回転を継続し、次の色(図4においてはマゼンタ)の転写に備える。
【0235】
感光ドラム419は、上記除電用帯電器421により除電され、クリーニングブレードによるクリーニング手段420によってクリーニングされた後、再び一次帯電器423によって帯電され、次のマゼンタ画像信号により画像露光が行われ、静電潜像が形成される。上記回転式現像装置は、感光ドラム419上にマゼンタ画像信号による像露光により静電潜像が形成される間に回転して、マゼンタ現像装置427Mを上述した所定の現像位置に配置せしめ、所定のマゼンタトナーにより現像を行う。引き続いて、上述したごときプロセスをそれぞれシアン色及びブラック色に対しても実施し、四色のトナー像の転写が終了すると、顕画像を担持する転写材は各帯電器422及び414により除電され、上記グリッパ410による転写材の把持が解除されると共に、該転写材は、分離爪412によって転写ドラム415より分離され、搬送ベルト416で定着装置418に送られ、熱と圧力により定着され一連のフルカラープリントシーケンスが終了し、所要のフルカラープリント画像が転写材の一方の面に形成される。
【0236】
次に、図5を参照しながら、他の画像形成方法を説明する。
【0237】
図5に示す装置システムにおいて、現像器54−1、54−2、54−3、54−4に、それぞれシアントナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する現像剤、イエロートナーを有する現像剤及びブラックトナーを有する現像剤が導入され、磁気ブラシ現像方式又は非磁性一成分現像方式によって静電荷像保持体51に形成された静電荷像を現像し、各色トナー像が静電荷像保持体51上に形成される。静電荷像保持体51はa−Se、CdS、ZnO、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光ドラム或いは感光ベルトである。静電荷像保持体51は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転される。
【0238】
静電荷像保持体51としては、アモルファスシリコン感光層、又は有機系感光層を有する静電荷像保持体が好ましく用いられる。
【0239】
有機感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する、単一層型でもよく、又は、電荷輸送層を電荷発生層を成分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0240】
有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写性、クリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくい。
【0241】
帯電工程では、コロナ帯電器を用いる静電荷像保持体51とは非接触である方式と、ローラ等を用いる接触型の方式がありいずれのものも用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図5に示す如く接触方式のものが好ましく用いられる。
【0242】
帯電ローラ52中は、中心の芯金52bとその外周を形成した導電性弾性層52aとを基本構成とするものである。帯電ローラ52は、静電荷像保持体51面に押圧力をもって圧接され、静電荷像保持体51の回転に伴い従動回転する。
【0243】
帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/cmで、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時には、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±1.5kVであり、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2〜±5kVである。
【0244】
この他の帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0245】
接触帯電手段としての帯電ローラ及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜をもうけても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)が適用可能である。
【0246】
感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体55に転写される。転写後の感光体表面は、クリーニングブレード58を有するクリーニング手段59でクリーニングされる。
【0247】
中間転写体55は、パイプ状の導電性芯金55bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層55aからなる。芯金55bは、プラスチックのパイプに導電性メッキをほどこしたものでも良い。
【0248】
中抵抗の弾性体層55aは、シリコーンゴム、テフロンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)などの弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化すず、炭化ケイ素の如き導電性付与材を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を10〜1011Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層である。
【0249】
中間転写体55は静電荷像保持体51に対して並行に軸受けさせて静電荷像保持体51の下面部に接触させて配設してあり、静電荷像保持体51と同じ周速度で矢印の反時計方向に回転する。
【0250】
静電荷像保持体51の面に形成担持された第1色のトナー像が、静電荷像保持体51と中間転写体55とが接する転写ニップ部を通過する過程で中間転写体55に対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によって、中間転写体55の外面に対して順次に中間転写されていく。
【0251】
必要により、着脱自在なクリーニング手段50により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転写体55の表面がクリーニングされ、中間転写体上にトナー像がある場合、トナー像を乱さないようにクリーニング手段50は、中間転写体表面から離される。
【0252】
中間転写体55に対して並行に軸受けさせて中間転写体55の下面部に接触させて転写手段が配設され、転写手段57は例えば転写ローラ又は転写ベルトであり、中間転写体55と同じ周速度で矢印の時計方向に回転する。転写手段57は直接中間転写体55と接触するように配設されていても良く、またベルト等が中間転写体55と転写手段57との間に接触するように配置されても良い。
【0253】
転写ローラの場合、中心の芯金57bとその外周を形成した導電性弾性層57aとを基本構成とするものである。
【0254】
中間転写体及び転写ローラとしては、一般的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成できると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止することができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以上であることが特に好ましい。
【0255】
中間転写体及び転写ローラの硬度は、JIS K−6301に準拠し測定される。本発明に用いられる中間転写体は、10〜40度の範囲に属する弾性層から構成されることが好ましく、一方、転写ローラの弾性層の硬度は、中間転写体の弾性層の硬度より硬く41〜80度の値を有するものが中間転写体への転写材の巻き付けを防止する上で好ましい。中間転写体と転写ローラの硬度が逆になると、転写ローラ側に凹部が形成され、中間転写体への転写材の巻き付きが発生しやすい。
【0256】
転写手段57は中間転写体55と等速度或いは周速度に差をつけて回転させる。転写材56は中間転写体55と転写手段57との間に搬送されると同時に転写手段57にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイアスを転写バイアス手段から印加することによって中間転写体55上のトナー像が転写材56の表面側に転写される。
【0257】
転写用回転体の材質としては、帯電ローラと同様のものも用いることができ、好ましい転写のプロセス条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/cmで、直流電圧が±0.2〜±10kVである。
【0258】
例えば、転写ローラの導電性弾性層57bはカーボンの如き導電材を分散させたポリウレタン、エチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)といった体積抵抗10〜1010Ωcm程度の弾性体でつくられている。芯金57aには定電圧電源によりバイアスが印加されている。バイアス条件としては、±0.2〜±10kVが好ましい。
【0259】
次いで転写材56は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵させた加熱ローラとこれと押圧力をもって圧接された弾性体の加圧ローラとを基本構成とする定着器60へ搬送され、加熱ローラと加圧ローラ間を通過することによってトナー像が転写材に加熱加圧定着される。フィルムを介してヒータにより定着する方法を用いても良い。
【0260】
次に、一成分系現像方法について説明する。本発明のトナーは磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法の如き一成分現像方法に適用し得る。磁性一成分現像方法について、図6を参照しながら説明する。
【0261】
図6において、現像剤担持体(現像スリーブ)63の略右半周面はトナー容器64内のトナー溜りに常時接触していて、その現像スリーブ63面近傍のトナーTが現像スリーブ面にスリーブ内の磁気発生手段65の磁力で及び/又は静電気力により付着保持される。現像スリーブ63が回転駆動されるとそのスリーブ面の磁性トナー層が規制部材66の位置を通過する過程で略均一な厚さの薄層Tとして形成される。磁性トナーの帯電は主として現像スリーブ63の回転に伴うスリーブ面との摩擦接触によりなされ、現像スリーブ63上の上記磁性トナー薄層面は現像スリーブ63の回転に伴い静電荷像保持体67側へ回転し、静電荷像保持体67と現像スリーブ63の最接近部である現像領域部Aを通過する。この通過過程で現像スリーブ63面側の磁性トナー薄層の磁性トナーがバイアス印加手段68により静電荷像保持体67と現像スリーブ63間に印加した直流と交流電圧による直流と交流電界により飛翔し、現像領域部Aの静電荷像保持体67面と、現像スリーブ63面との間(間隙α)を往復運動する。最終的には現像スリーブ63側の磁性トナーが静電荷像保持体67面の表面に潜像の電位パターンに応じて選択的に移行付着してトナー像Tが順次に形成される。現像領域部Aを通過して、磁性トナーが選択的に消費された現像スリーブ面はトナー容器64のトナー溜りへ再回転することにより磁性トナーの再供給を受け、現像領域部Aへ現像スリーブ63の磁性トナー薄層T面が移送され、繰り返し現像工程が行われる。図6において用いられるトナー薄層化手段としての規制部材66は、スリーブと一定の間隙をおいて配置される金属ブレード、磁性ブレードの如きドクターブレードである。あるいは、ドクターブレードの代わりに、金属、樹脂、セラミック製のローラを用いても良い。さらにトナー薄層化規制部材として現像スリーブ(現像剤担持体)表面に弾性力で当接する弾性ブレード、弾性ローラを用いても良い。弾性ブレード又は、弾性ローラを形成する材料としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体が使用できる。それらの複合体であっても良い。好ましくは、スリーブ当接部分はゴム弾性体あるいは樹脂弾性体がよい。
【0262】
弾性ブレードを使用する場合の例を図7に示す。
【0263】
弾性ブレード70上辺部側である基部は現像剤容器側に固定保持され、下辺部側を弾性ブレード70の弾性に抗して現像剤担持体(現像スリーブ)79の順方向或いは逆方向にたわめ状態にして弾性ブレード70の内面側(逆方向の場合には外面側)を現像スリーブ79の表面に適度の弾性押圧をもって当接させる。この様な装置によると、環境の変動に対してもより安定に薄く、緻密なトナー層が得られる。
【0264】
弾性ブレードを使用する場合、現像スリーブ、弾性ブレード表面にトナーが融着しやすいが、本発明トナーは離型性に優れ摩擦耐電性が安定しているので好ましく用いられる。
【0265】
磁性一成分現像方法の場合、弾性ブレード70と現像スリーブ79との当接圧力は、スリーブ母線方向の線圧として、0.1kg/m以上、好ましくは0.3〜25kg/m、更に好ましくは0.5〜12kg/mが好ましい。静電荷像保持体78と現像スリーブ79とは接触していても良いが、好ましくは静電荷像保持体78と現像スリーブ79との間隙αは、50〜500μmに設定される。現像スリーブ79上の磁性トナー層の層厚は、静電荷像保持体78と現像スリーブ79との間隙αよりも薄いことが最も好ましいが、場合により磁性トナー層を構成する磁性トナーの多数の穂のうち、一部は静電荷像保持体78に接する程度に磁性トナー層の層厚を規制してもよい。現像スリーブ79は、静電荷像保持体78に対し、100〜200%の周速で回転される。バイアス印加手段76による交番バイアス電圧は、ピークトゥーピークで0.1kV以上、好ましくは0.2〜3.0kV、更に好ましくは0.3〜2.0kVで用いるのが良い。交番バイアス周波数は、0.5〜5.0kHz、好ましくは1.0〜3.0kHz、更に好ましくは1.5〜3.0kHzで用いられる。交番バイアス波形は、矩形波、サイン波、のこぎり波、三角波の如き波形が適用できる。また、正、逆の電圧、時間の異なる非対称交流バイアスも利用できる。また直流バイアスを重畳するのも好ましい。
【0266】
次に非磁性一成分現像を行う場合の現像方法の一例を図8を参照しながら説明する。
【0267】
85は静電荷像保持体であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段又は静電記録手段により成される、84は現像剤担持体(現像スリーブ)であり、アルミニウムあるいはステンレスの如き非磁性スリーブからなる。現像スリーブ84はアルミニウム、ステンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面をガラスビーズの如き球形粒子を吹きつけて均一に粗したものや、鏡面処理したもの、あるいは樹脂でコートしたものがよい。トナーTはホッパー81に貯蔵されており、トナー塗布ローラ82によって現像スリーブ82上へ供給される。トナー塗布ローラ82として、例えば軟質ポリウレタンフォームの如き多孔質弾性体の発泡材より成るローラが好ましく用いられる。該ローラを現像スリーブ84に対して、順または逆方向に0でない相対速度をもって回転させ、現像スリーブ84上へのトナー供給と共に、現像スリーブ84上の現像後のトナー(未現像トナー)のはぎ取りをも行う。この際、トナー塗布ローラ82の現像スリーブ84への当接幅(nip幅)は、トナーの供給及びはぎ取りのバランスを考慮すると、2.0〜10.0mmが好ましく、4.0〜6.0mmがより好ましい。トナーに対しストレスが付与され、トナーの劣化による凝集の増大、あるいは現像スリーブ84、トナー塗布ローラ82へトナーの融着、固着が生じやすくなるが、本発明のトナーは、流動性、離型性に優れ、耐久安定性を有しているので、図8に示す現像器においても好ましく用いられる。また、トナー塗布ローラ82のかわりに、ナイロン、レーヨンの如き樹脂繊維より成るブラシローラを用いてもよい。図8に示す現像方法は、非磁性一成分トナーを使用する一成分現像方法において極めて有効である。現像スリーブ84上に供給されたトナーは規制部材83によって薄層かつ均一に塗布される。トナー規制部材83は、弾性ブレード又は弾性ローラで現像スリーブ84表面にトナーを圧接塗布する方法は特に好ましい。弾性ブレード又は弾性ローラは、所望の極性にトナーを帯電するのに適した摩擦帯電系列の材質のものを用いることが好ましい。トナー規制部材83は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレン−ブタジエンゴムが好適である。さらに、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、メラミン、メラミン架橋ナイロン、フェノール樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、アクリル系樹脂の如き有機樹脂層をトナー規制部材83に設けても良い。
【0268】
該弾性ブレード又は弾性ローラと現像スリーブ84との当接圧力は、スリーブ母線方向の線圧として0.1〜25kg/m、好ましくは0.5〜12kg/mが有効であり、当接圧力を0.1〜25kg/mに調整することで、トナーの凝集を効果的にほぐすことが可能になり、またトナーの摩擦帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。ブレードにより現像スリーブ84上にトナーを薄層コートする系においては、特に非磁性一成分現像方法においては、十分な画像濃度を得るために、現像スリーブ84は静電荷像保持体85に対し、100〜300%の周速で回転される。好ましくは120〜250%の周速で回転される。
【0269】
現像スリーブ84と静電荷像保持体85とは、接触させて配置しても、非接触として配置しても良い。非接触で配置する場合には、現像スリーブ84上のトナー層の厚さを現像スリーブ84と静電荷像保持体85との間隙αよりも小さくし、この間隙に交番電界を形成することが好ましく、間隙αとしては50〜500μmであることが好ましい。バイアス電源86により現像スリーブ84に交番電場または交番電場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像スリーブ84上から静電荷像保持体85上へのトナーの移動を容易にし、更に良質の画像を得ることができる。
【0270】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これは、本発明に何ら限定するものではない。なお、以下の配合における部数は、特に説明のない場合は「質量部」である。
【0271】
〔硫黄元素含有重合体1の製造〕
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットルフラスコにトルエン100部、メタノール300部、スチレン470部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸40部、アクリル酸−2−エチルヘキシル90部、ラウリルパーオキサイド10部を仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、40℃で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕して、硫黄元素含有重合体1を製造した。得られた重合体の物性は、Mw=20000、揮発分1%以下、Tg=65度、残存モノマー=900ppmであった。
【0272】
尚、得られた硫黄元素含有重合体1の酸価は、20mgKOH/gであった。また、以下の硫黄元素含有重合体2〜8の酸価は、18〜25mgKOH/gであった。
【0273】
〔硫黄元素含有重合体2の製造〕
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットルフラスコにトルエン300部、メタノール100部、スチレン470部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸40部、アクリル酸−2−エチルヘキシル90部、ラウリルパーオキサイド12部仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、40℃で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕して、硫黄元素含有重合体2を製造した。得られた重合体の物性は、Mw=36000、揮発分1%以下、樹脂Tg=65℃、残存モノマー=900ppmであった。
【0274】
〔硫黄元素含有重合体3の製造〕
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットルフラスコにトルエン100部、メタノール300部、スチレン550部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸50部、ラウリルパーオキサイド12部を仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、40℃で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕して、硫黄元素含有重合体3を製造した。得られた重合体の物性は、Mw=40000、揮発分1%以下、樹脂Tg=98℃、残存モノマー=900ppmであった。
【0275】
〔硫黄元素含有重合体4の製造〕
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットルフラスコにトルエン100部、メタノール300部、スチレン470部、メタクリルスルホン酸40部、アクリル酸−2−エチルヘキシル90部、ラウリルパーオキサイド10部を仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、40℃で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕して、硫黄元素含有重合体4を製造した。得られた重合体の物性は、Mw=22000、揮発分1%以下、残存モノマー=800ppmであった。
【0276】
〔硫黄元素含有重合体5の製造〕
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットルフラスコにトルエン300部、メタノール100部、スチレン470部、メタクリルスルホン酸40部、アクリル酸−2−エチルヘキシル90部、ラウリルパーオキサイド12部を仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、40℃で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕して、硫黄元素含有重合体5を製造した。得られた重合体の物性は、Mw=40000、揮発分1%以下、残存モノマー=800ppmであった。
【0277】
〔硫黄元素含有重合体6の製造〕
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットルフラスコにトルエン300部、メタノール100部、水酸化カリウム20部、スチレン470部、2−アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸40部、アクリル酸−2−エチルヘキシル90部、ラウリルパーオキサイド10部を仕込み、撹拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、40℃で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕して、硫黄元素含有重合体6を製造した。得られた重合体の物性は、Mw=19000、揮発分1%以下、樹脂Tg=65℃、残存モノマー=900ppmであった。
【0278】
〔硫黄元素含有重合体7の製造〕
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットルフラスコにトルエン100部、メタノール300部、スチレン520部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸20部、アクリル酸−2−エチルヘキシル60部、ラウリルパーオキサイド10部を仕込み、攪拌、窒素導入下60℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、50℃で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕して、硫黄元素含有重合体7を製造した。得られた重合体の物性は、Mw=45000、揮発分1%以下、樹脂Tg=76℃、残存モノマー=200ppmであった。
【0279】
〔硫黄元素含有重合体8の製造〕
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットルフラスコにトルエン100部、メタノール300部、スチレン540部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸12部、アクリル酸−2−エチルヘキシル48部、ラウリルパーオキサイド10部を仕込み、攪拌、窒素導入下60℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、50℃で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕して、硫黄元素含有重合体8を製造した。得られた重合体の物性は、Mw=48000、揮発分1%以下、樹脂Tg=81℃、残存モノマー=200ppmであった。
【0280】
〔実施例1〕
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000質量部に、リン酸ナトリウム14質量部ならびに10%塩酸を4.5質量部投入し、Nパージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10質量部に8質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
【0281】
重合性単量体組成物
・スチレン 60質量部
・着色剤(C.I.pigment Red 122/C.I.pigmentRed 57=1/1) 7質量部
・硫黄元素含有重合体1 0.8質量部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
【0282】
上記重合性単量体組成物に
・スチレン 20質量部
・n−ブチルアクリレート 20質量部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV=15) 8質量部
・離型剤(No.8) 20質量部
・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.4質量部
を加えた。
【0283】
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0284】
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、Nパージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
【0285】
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000質量部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級しマゼンタ着色粒子No.1を得た。
【0286】
このマゼンタ着色粒子をUV硬化型樹脂に包埋し、ミクロトームで断面を作成した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により観測したところ、図2に示すように大部分の離型剤が結着樹脂で良好に内包化されていることが認識できた。
【0287】
得られたマゼンタ着色粒子100質量部と、BET法による比表面積が100m/gである疎水性酸化チタン微粉体1.0質量部とを混合し、外添剤を有するマゼンタトナーNo.1を得た。得られたマゼンタトナーNo.1の円相当個数平均径6.7μmであった。また、後述する方法によってA環境(13℃/10%RH)、B環境(20℃/60%RH)、C環境(32℃/80%RH)におけるトナーの摩擦帯電量を測定した。測定結果を表3に示す。
【0288】
このマゼンタトナー7質量部に対し、シリコーン樹脂コートされた磁性体分散型キャリア93質量部を混合して現像剤を調製し、図5に示すような構成を有する市販のデジタルフルカラー複写機(クリエイティブ プロセッサー660、キヤノン製)の改造機を用いて、マゼンタ画像の出力を行い、後述の項目に関して評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0289】
〔実施例2〕
反応容器中のイオン交換水1000質量部に塩化マグネシウム40質量部を溶解した水溶液に、イオン交換水200質量部に水酸化ナトリウム28質量部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。この水系媒体を使用し、離型剤をNo.8からNo.11に変更する以外は実施例1と同様にして、マゼンタトナーNo.2を得、実施例1と同様に分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0290】
〔実施例3〕
反応容器中のイオン交換水1000質量部に水酸化アルミニウムを30質量部添加して調製した水系媒体をを使用し、さらに離型剤をNo.8からNo.12に変更する以外は実施例1と同様にして、マゼンタトナーNo.3を得、実施例1と同様に分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0291】
〔実施例4〕
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000質量部に、リン酸ナトリウム25質量部ならびに10%塩酸を6.5質量部投入し、Nパージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水20質量部に13質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
【0292】
重合性単量体組成物
・スチレン 60質量部
・着色剤(C.I.pigment Red 122/C.I.pigmentRed 57=1/1) 7質量部
・硫黄元素含有重合体 1質量部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
【0293】
上記重合性単量体組成物に
・スチレン 20質量部
・n−ブチルアクリレート 20質量部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV=15) 8質量部
・離型剤(No.8) 36質量部
・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.4質量部
を加えて、実施例1と同様に重合性単量体組成物を調製した。
【0294】
上記重合性単量体組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、マゼンタトナーNo.4を得、実施例1と同様に分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0295】
〔実施例5〕
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000質量部に、リン酸ナトリウム25質量部ならびに10%塩酸を6.5質量部投入し、Nパージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水20質量部に13質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
【0296】
重合性単量体組成物
・スチレン 60質量部
・着色剤(C.I.pigment Red 122/C.I.pigmentRed57=1/1) 7質量部
・硫黄元素含有重合体 7質量部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
【0297】
重合性単量体組成物に
・スチレン 20質量部
・n−ブチルアクリレート 20質量部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV=15) 2質量部
・離型剤(No.8) 20質量部
・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.4質量部
を加えて、実施例1と同様に重合性単量体組成物3を調製した。
【0298】
上記重合性単量体組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000質量部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級しマゼンタ着色粒子No.5を得た。これ以外は実施例1と同様にして、マゼンタトナーNo.5を得て分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0299】
〔実施例6〕
硫黄元素含有重合体1を硫黄元素含有重合体2に変更する以外は実施例1と同様にしてマゼンタトナーNo.6を得て分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0300】
〔実施例7〕
硫黄元素含有重合体1を硫黄元素含有重合体3に変更する以外は実施例1と同様にしてマゼンタトナーNo.7を得て分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0301】
〔実施例8〕
硫黄元素含有重合体1を硫黄元素含有重合体4に変更する以外は実施例1と同様にしてマゼンタトナーNo.8を得て分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0302】
〔実施例9〕
硫黄元素含有重合体1を硫黄元素含有重合体5に変更する以外は実施例1と同様にしてマゼンタトナーNo.9を得て分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0303】
〔実施例10〕
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000質量部に、リン酸ナトリウム14質量部ならびに10%塩酸を4.5質量部投入し、Nパージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10質量部に8質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
【0304】
重合性単量体組成物
・スチレン 60質量部
・着色剤(カーボンブラック) 7質量部
・硫黄元素含有重合体1 1.0質量部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
【0305】
上記重合性単量体組成物に
・スチレン 20質量部
・n−ブチルアクリレート 20質量部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV=15) 8質量部
・離型剤(No.8) 4質量部
・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.8質量部
を加えた。
【0306】
【0307】
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0308】
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、Nパージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
【0309】
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを1000質量部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌する。上記と同様にこのエマルションを加圧濾過し得られたケーキを再び1000質量部のイオン交換水に戻し、このエマルションに6%の塩化アルミニウム水溶液100質量部を添加し凝集させる。その後加圧濾過を用いてさらに2000質量部以上のイオン交換水で濾過洗浄し、同濾過機上で得られたケーキに90℃の温水3000質量部を添加し温水加熱処理を行ったところ、粒子同士が融着してなるブロック状物の塊状物を形成した。40℃で乾燥後、このブロック状物を粗砕し、ハンマーミルにて粗砕して、目開き1mmの篩を通過させたトナー粗砕物をさらにジェット気流を利用した衝突式粉砕機で微粉砕した後、風力分級し、これ以外は実施例1と同様にしブラックトナーNo.1を得て分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0310】
〔実施例11〕
反応容器中のイオン交換水1000質量部に燐酸亜鉛を30質量部添加し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した以外は実施例1と同様にして、マゼンタトナーNo.10を得、実施例1と同様に分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0311】
〔実施例12〕
反応容器中のイオン交換水1000質量部に硫酸バリウムを30質量部添加し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した以外は実施例1と同様にして、マゼンタトナーNo.11を得、実施例1と同様に分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0312】
〔実施例13〕
硫黄元素含有重合体1を硫黄元素含有重合体6に変更する以外は実施例1と同様にしてマゼンタトナーNo.12を得て分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0313】
〔実施例14〕
硫黄元素含有重合体1を硫黄元素含有重合体7に変更する以外は実施例1と同様にしてマゼンタトナーNo.13を得て分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0314】
〔実施例15〕
硫黄元素含有重合体1を硫黄元素含有重合体8に変更する以外は実施例1と同様にしてマゼンタトナーNo.14を得た。現像器として図8に示す非磁性一成分系の現像器を使用し、図5に示す市販のデジタルフルカラー複写機(クリエイティブ プロセッサー660、キヤノン製)改造機を用いて、分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表5に示す。
【0315】
〔実施例16〕
縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV=15)を用いないこと以外は、実施例1と同様にしてマゼンタトナーNo.15を得て分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0316】
〔実施例17〕
酸価が40mgKOH/gである縮合系樹脂に変更する以外は、実施例1と同様にしてマゼンタトナーNo.16を得て分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0317】
〔実施例18〕
着色剤をC.I.pigment Red 122/C.I.pigmentRed 57からC.I.pigment Blue15:3へ変更する以外は実施例1と同様にしてシアントナーNo.1を得た。また、着色剤をC.I.pigment Red 122/C.I.pigment Red 57からC.I.pigment Yellow 185へ変更する以外は実施例1と同様にしてイエロートナーNo.1を得た。さらに着色剤をC.I.pigmentRed 122/C.I.pigment Red 57からカーボンブラックへ変更する以外は実施例1と同様にしてブラックトナーNo.2を得た。
【0318】
マゼンタトナーNo.1、シアントナーNo.1、イエロートナーNo.1及びブラックトナーNo.2を用いて、それぞれのトナー7質量部に対し、シリコーン樹脂コートされた磁性体分散型キャリア93質量部を混合して各色の現像剤を調製し、図5に示すような市販のデジタルフルカラー複写機(クリエイティブプロセッサー、キヤノン製)の改造機にて、フルカラー画像の出力を行った。
【0319】
得られたフルカラー画像は、色再現性が良好で、カブリもなく、2次色の画像輪郭に関しても問題のない優れたものであった。
【0320】
また、各環境における転写効率の測定を後述の方法で行った。物性及び評価結果を表2及び表7に示す。
【0321】
〔実施例19〕
それぞれのトナーの硫黄元素含有重合体1を硫黄元素含有重合体8に変更する以外は実施例18と同様にしてシアントナーNo.2、イエロートナーNo.2を得た。また、硫黄元素含有重合体1を硫黄元素含有重合体8に変更する以外は、実施例18と同様にしてブラックトナーNo.3を得た。
【0322】
マゼンタトナーNo.14、シアントナーNo.2、イエロートナーNo.2及びブラックトナーNo.3を用いて、実施例18と同様な評価を行った。
【0323】
得られたフルカラー画像は、色再現性が良好で、カブリもなく、2次色の画像輪郭に関しても問題なく、転写性も非常に優れたものであった。各環境における転写効率の測定を後述の方法で行い、物性及び評価結果を表2及び表7に示す。
【0324】
〔比較例1〕
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000質量部に、リン酸ナトリウム14質量部ならびに10%塩酸を4.5質量部投入し、Nパージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10質量部に8質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
【0325】
重合性単量体組成物
・スチレン 60質量部
・着色剤(C.I.pigment Red 122/C.I.pigmentRed 57=1/1) 7質量部
・硫黄元素含有重合体1 8質量部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
【0326】
上記重合性単量体組成物に
・スチレン 20質量部
・n−ブチルアクリレート 20質量部
・硫黄元素含有重合体1 8質量部
・離型剤(No.8) 20質量部
・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.4質量部
を加えた。
【0327】
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0328】
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、Nパージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
【0329】
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000質量部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級しマゼンタトナーNo.17を得、実施例1と同様に分析評価した。物性及び評価結果を表3及び表6に示す。
【0330】
〔比較例2〕
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000質量部に、シランカップリング剤(KBE903(信越シリコーン製))0.25質量部を、均一に分散させ、さらにコロイダルシリカ(アエロジル#200(日本アエロジル製))5質量部を添加し均一に分散させ、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
【0331】
重合性単量体組成物
・スチレン 60質量部
・着色剤(C.I.pigment Red 122/C.I.pigmentRed 57=1/1) 7質量部
・硫黄元素含有重合体1 0.8質量部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させ、重合性単量体組成物を得た。
【0332】
上記重合性単量体組成物に
・スチレン 20質量部
・n−ブチルアクリレート 20質量部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV=15) 8質量部
・離型剤(No.8) 20質量部
・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.4質量部
を加えた。
【0333】
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0334】
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、Nパージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
【0335】
重合反応終了後、反応容器を冷却し、20%水酸化ナトリウム水溶液35質量部、24時間アルカリ処理を行い、そのエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄する。これ以外は実施例1と同様にしてマゼンタトナーNo.18を得、実施例1と同様に分析評価した。物性及び評価結果を表3及び表6に示す。
【0336】
〔比較例3〕
硫黄元素含有重合体1の添加量を0.1質量部に変更する以外は、実施例1と同様なやり方で重合反応を終了させ、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000質量部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄し、実施例1と同様にしマゼンタトナーNo.19を得て、実施例1と同様に分析評価した。物性及び評価結果を表3及び表6に示す。
【0337】
〔比較例4〕
重合性単量体組成物
・スチレン 60質量部
・着色剤(カーボンブラック) 7質量部
・尿素化合物 1.0質量部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
【0338】
上記重合性単量体組成物に
・スチレン 20質量部
・n−ブチルアクリレート 20質量部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=10000、AV=15) 8質量部
・離型剤(No.8) 20質量部
・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.4質量部
を加えた。
【0339】
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0340】
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、Nパージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
【0341】
また、重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000質量部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌する。再洗浄する。これ以外は実施例1と同様にしてブラックトナーNo.4を得て、実施例1と同様に分析評価した。物性及び評価結果を表3及び表6に示す。
【0342】
〔比較例5〕
硫黄元素含有重合体1からサリチル酸アルミニウム化合物へ変更する以外は実施例1と同様にしてマゼンタトナーNo.20を得て分析評価した。物性及び評価結果を表3及び表6に示す。
【0343】
〔比較例6〕
重合反応終了後、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解し、そのエマルションを加圧濾過して、イオン交換水で洗浄し、得られたケーキを再びイオン交換水に戻して、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄する代わりに、硫酸を加えてpH=5.5とした状態で10分間撹拌しながら分散安定剤を溶解した後、乾燥させる以外は、実施例1と同様にしてマゼンタトナーNo.21を得て分析評価した。物性及び評価結果を表3及び表6に示す。
【0344】
〔比較例7〕
着色剤をC.I.pigment Red 122/C.I.pigmentRed 57からC.I.pigment Blue15:3へ変更する以外は比較例1と同様にしてシアントナーNo.3を得た。また、着色剤をC.I.pigment Red 122/C.I.pigment Red 57からC.I.pigment Yellow 185へ変更する以外は比較例1と同様にしてイエロートナーNo.3を得た。さらに着色剤をC.I.pigment Red 122/C.I.pigment Red 57からカーボンブラックへ変更する以外は比較例1と同様にしてブラックトナーNo.5を得た。
【0345】
マゼンタトナーNo.17、 シアントナーNo.3、イエロートナーNo.3、ブラックトナーNo.5を用いて、それぞれのトナー7質量部に対し、シリコーン樹脂コートされた磁性体分散型キャリア93質量部を混合して各色の現像剤を調製し、図5に示すような市販のデジタルフルカラー複写機(クリエイティブ プロセッサー660、キヤノン製)の改造機にて、フルカラー画像の出力を行った。
【0346】
各環境における転写効率の測定を行った。物性及び評価結果を表3及び表7に示す。
【0347】
得られたフルカラー画像は、色再現性があまり良くなく、カブリが多く、画像輪郭のライン部の目立つ画像であった。
【0348】
【表2】
Figure 0003893258
【0349】
【表3】
Figure 0003893258
【0350】
【表4】
Figure 0003893258
【0351】
【表5】
Figure 0003893258
【0352】
【表6】
Figure 0003893258
【0353】
【表7】
Figure 0003893258
【0354】
上記の実施例及び比較例における各評価の方法を以下に示す。
1)2成分系現像剤の場合のトナー帯電量の測定
トナーの2成分摩擦帯電量はブローオフ法に基づき、以下の方法により測定する。
【0355】
図1はトナーの2成分摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。先ず、底に目開き20μm(635メッシュ)のスクリーン3のある金属製の測定容器2に摩擦帯電量を測定しようとするトナーとキャリアの振とうされた混合物を約0.2gを入れ金属製のフタ4をする。このときの測定容器2全体の重量を秤りW(g)とする。次に、吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを除去する。このときの電位計9の電位をV(ボルト)とする。ここで8はコンデンサーであり容量C(μF)とする。吸引後の測定容器全体の重量を秤りW(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は下式の如く計算される。
【0356】
【外20】
Figure 0003893258
【0357】
なお、測定試料の調製は以下のようにして行った。トナーとキャリアの混合比を7:93とし、混合重量20gの測定試料を調製した。キャリアとしては、シリコーン樹脂コートされた磁性体分散型キャリアを用いた。トナーには、外添剤としてBET法による比表面積が100m/gである疎水性酸化チタン微粉体をトナー粒子100質量部に対して1.0質量部を外添した。
【0358】
測定環境は、A環境(13℃/10%RH)、B環境(20℃/60%RH)、C環境(32℃/80%RH)の3環境とし、まずA、B、Cの各環境下に24時間放置した測定試料を150回振とうして帯電量を測定した。ついで、上記の試料をそれぞれの環境で7日間放置した後、1回振とうして帯電量を測定し、さらに150回振とうして帯電量を再度、測定する。
2)1成分系現像剤の場合のトナー帯電量の測定
現像スリーブ上のトナーを吸引し、クーロンメーターで帯電量Q(mC)を測定し、かつ、吸引したサンプル重量M(kg)を測定し、Q/M(mC/kg)を測定する。
【0359】
測定環境は、2成分系現像剤の場合と同様に、A環境、B環境、C環境の3環境とした。また、測定方法としては、A、B、C各環境に24時間放置した1成分系現像機を現像スリーブ上回転機にセットし、30秒間回転させて帯電量を測定する。次いで測定試料をそれぞれの環境でさらに7日間放置した後、回転機にセットし、1秒間回転させて帯電量を測定し、さらに30秒間回転させて帯電量を測定する。
3)画像濃度
静電荷像保持体上でベタ部の濃度制御設定をした実施例記載のマシンとオイル塗布機能のない直径40mmの熱ローラー外部定着器を用いて、全ベタ部の定着画像を出し、Macbeth RD918(マクベス社製)にて画像濃度を測定した。
【0360】
尚、このときのローラ材質としては、上部、下部ともに、フッ素系のものを使用し、転写材は75g/m(ゼロックス社製)の普通紙を用いた。
【0361】
A,B,C各環境に24時間放置したトナーの充填された画像形成装置を24時間放置した後、画像比率5%画像を1000枚通紙した後、全ベタの定着画像を1枚出し、画像濃度を測定する。次に、画像形成装置をそれぞれの環境で、さらに7日間放置した後、画像比率5%の画像を1枚通紙した後、全ベタの定着画像を1枚出し、画像濃度を測定する。さらに画像比率5%画像を1000枚通紙した後、全ベタの定着画像を1枚出し、画像濃度を測定する。
4)転写効率の測定
画像濃度を測定した実施例記載のマシンを用いてA,B,C各環境一定面積のフルカラー4色の全ベタ画像を出力し転写効率を測定した。
【0362】
本発明において、一次転写効率は以下のようにして求める。
【0363】
フルカラー4色のベタ画像を出力し、中間転写体上に未定着のフルカラー画像を形成する。感光ドラム上に残った一次転写残トナーと中間転写体上の未定着トナーをエアーで吸引し、サンプリングされたトナーの重量から計算して求める。計算式を以下に示す。
【0364】
一次転写効率(%)={(中間転写体上の未定着トナー)/(中間転写体上の未定着トナー+感光ドラム上の転写残トナー)}×100
また、二次転写効率は以下のようにして求めた値である。フルカラー4色のベタ画像を出力し、中間転写体上に残った二次転写残トナーと、80g/m紙上の未定着トナーをエアーで吸引し、サンプリングされたトナーの重量から計算して求めた値である。計算式を以下に示す。
【0365】
二次転写効率(%)={(紙上の未定着トナー)/(紙上の未定着トナー+中間転写体上の転写残トナー)}×100
A;90%以上
B;80%以上90%未満
C;70%以上80%未満
D;70%未満
5)ハーフトーン画像の均一性
B環境における画像濃度の評価の後(2000枚の通紙後)、更に画像比率5%画像を、2成分系現像剤の場合には10000枚通紙、1成分系現像剤の場合には2000枚通紙し、所定枚数終了時の画像におけるハーフトーンの均一性を目視で確認した。
【0366】
A;非常に均一性がとれた画像である。
【0367】
B;均一性がとれた画像である。
【0368】
C;端部に少し不均一部分が見受けられる。
【0369】
D;全面で不均一部分が見受けられる。
6)定着性の評価▲1▼
上記のマシンを用いてB環境(20℃/60%RH)において、トナー乗り量1.0mg/cmの未定着画像を出力し、オイル塗布機能のない直径40mmの熱ローラー外部定着にて、180℃、120mm/secの定着条件で評価した。尚、このときのローラ材質としては、上部、下部ともに、フッ素系のものを使用し、転写材は75g/m(ゼロックス社製)の普通紙を用いた。
A;定着性は良好であった。
B;直径2mm未満の小さいひぶくれが1個から5個あるレベル。
C;直径2mm未満の小さいひぶくれが6個から10個あるレベル。
D;直径2mm未満の小さいひぶくれが11個以上あるレベル、あるいは直径2mm以上の大きいひぶくれがあるレベル。
7)定着性の評価▲2▼
上記のマシンを用いてA環境(13℃/10%RH)において、トナー乗り量1.0mg/cmの未定着画像を出力し、オイル塗布機能のない直径40mmの熱ローラー外部定着にて、180℃、120mm/secの定着条件で評価した。尚、このときのローラ材質としては、上部、下部ともに、フッ素系のものを使用し、転写材は90及び75g/m(ゼロックス社製)の普通紙を用いた。尚、ひぶくれの観察は、2cm×5cmのパッチ2ヶ所において行った。
A;90及び75g/m共に定着性が良好であった。
B;75g/mにて定着性が良好であった。
C;75g/mにて直径2mm未満の小さいひぶくれが1個から5個あるレベル。
D;75g/mにて直径2mm未満の小さいひぶくれが6個以上あるレベル。もしくは、大きな直径2mm以上の大きなひぶくれがあるレベル。
【0370】
【発明の効果】
本発明は、良好な帯電性と環境安定性を有しており、連続通紙においても良好な転写率が保て、且つ良好な定着性を有するトナー、該トナーの製造方法及び該トナーを用いた画像形成方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーのトリボ電荷量を測定する装置の概略的説明図である。
【図2】離型剤が外殻樹脂に内包化されているトナー粒子の断面の模式図である。
【図3】本発明のトナーが適用され得る現像装置の概略図である。
【図4】フルカラー又はマルチカラーの画像形成方法を説明するための概略図である。
【図5】中間転写体使用の画像形成方法の概略図である。
【図6】磁性一成分現像装置を示す概略図である。
【図7】磁性一成分現像装置を示す概略図である。
【図8】非磁性一成分現像装置を示す概略図である。

Claims (48)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及び硫黄元素含有重合体を含有するトナー粒子及び外添剤を有するトナーであって、
    該トナー粒子が、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐からなるグループより選ばれる少なくとも一種の元素を含有し、上記元素の含有量の合計が100乃至30000ppm(トナー粒子質量基準)であることを特徴とするトナー。
  2. 硫黄元素含有重合体が、スルホン酸基を有する重合体であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 硫黄元素含有重合体は、硫黄元素を含有するモノマーに由来するユニットを0.01乃至20質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 硫黄元素含有重合体は、硫黄元素を含有するモノマーに由来するユニットを0.05乃至10質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  5. 硫黄元素含有重合体は、硫黄元素を含有するモノマーに由来するユニットを0.1乃至7質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  6. 硫黄元素含有重合体が、少なくともスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミドとビニル系芳香族炭化水素とを有する単量体系を重合することにより得られる共重合体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 硫黄元素含有重合体が、少なくともスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸エステルとを有する単量体系を重合することにより得られる共重合体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  8. 硫黄元素含有重合体が、少なくともスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド、ビニル系芳香族炭化水素及び(メタ)アクリル酸エステルを有する単量体系を重合することにより得られる共重合体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  9. 硫黄元素含有重合体は、ガラス転移点が50乃至100℃であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
  10. 硫黄元素含有重合体は、ガラス転移点が70℃より高く100℃以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
  11. 硫黄元素含有重合体は、ガラス転移点が73乃至100℃であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
  12. 硫黄元素含有重合体は、残存モノマー量が1000ppm以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー。
  13. 硫黄元素含有重合体は、残存モノマー量が300ppm以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー。
  14. 硫黄元素含有重合体は、酸価が3乃至80mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のトナー。
  15. 硫黄元素含有重合体は、酸価が5乃至40mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のトナー。
  16. 硫黄元素含有重合体は、酸価が10乃至30mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のトナー。
  17. 硫黄元素含有重合体は、重量平均分子量が500乃至100000であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のトナー。
  18. 硫黄元素含有重合体は、重量平均分子量が1000乃至70000であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のトナー。
  19. 硫黄元素含有重合体は、重量平均分子量が5000乃至50000であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のトナー。
  20. 硫黄元素含有重合体が、結着樹脂100質量部当り0.01乃至15質量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載のトナー。
  21. 硫黄元素含有重合体が、結着樹脂100質量部当り0.01乃至10質量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載のトナー。
  22. マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐の含有量の合計が100乃至20000ppm(トナー粒子質量基準)であることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載のトナー。
  23. マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐の含有量の合計が100乃至9000ppm(トナー粒子質量基準)であることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載のトナー。
  24. フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおけるトナーの平均円形度が0.920乃至0.995であり、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載のトナー。
  25. フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおけるトナーの平均円形度が0.950乃至0.995であり、円形度標準偏差が0.035未満であることを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載のトナー。
  26. フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおけるトナーの平均円形度が0.970乃至0.995であり、円形度標準偏差が0.015以上0.035未満であることを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載のトナー。
  27. フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおけるトナーの円相当個数平均径Dが2〜10μmであることを特徴とする請求項1乃至26のいずれかに記載のトナー。
  28. フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度0.950未満のトナーが、15個数%以下であることを特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載のトナー
  29. トナーのテトラヒドロフラン(THF)の可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における重量平均分子量が、10000乃至1500000であることを特徴とする請求項1乃至28のいずれかに記載のトナー。
  30. トナーのテトラヒドロフラン(THF)の可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における重量平均分子量が、50000乃至400000であることを特徴とする請求項1乃至28のいずれかに記載のトナー。
  31. 離型剤がエステルワックスであり、且つ該エステルワックスがトータルの炭素数が同一のエステル化合物を50〜95質量%含有していることを特徴とする請求項1乃至30のいずれかに記載のトナー。
  32. 離型剤が、結着樹脂100質量部当り1乃至40質量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至31のいずれかに記載のトナー。
  33. 離型剤が、結着樹脂100質量部当り5乃至30質量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至31のいずれかに記載のトナー。
  34. トナー粒子が、結着樹脂、硫黄元素含有重合体の他に、更に縮合系樹脂を含有していることを特徴とする請求項1乃至33のいずれかに記載のトナー。
  35. 縮合系樹脂が、ポリエステルであることを特徴とする請求項34に記載のトナー。
  36. 縮合系樹脂が、ポリカーボネートであることを特徴とする請求項34に記載のトナー。
  37. 縮合系樹脂が、酸価0.1〜35mgKOH/gであることを特徴とする請求項34乃至36のいずれかに記載のトナー。
  38. 縮合系樹脂が、酸価5〜30mgKOH/gであることを特徴とする請求項34乃至36のいずれかに記載のトナー。
  39. 縮合系樹脂が、重量平均分子量(Mw)6,000乃至100,000であることを特徴とする請求項34乃至38のいずれかに記載のトナー。
  40. 縮合系樹脂が、重量平均分子量(Mw)6,500乃至45,000であることを特徴とする請求項34乃至38のいずれかに記載のトナー。
  41. 少なくとも重合性単量体、着色剤、離型剤及び硫黄元素含有重合体を含有する単量体組成物を、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐からなるグループより選ばれる少なくとも一種の元素を有する水系媒体中に分散させ、造粒し、該水系媒体中で単量体組成物中の重合性単量体を重合してトナー粒子を製造し、該トナー粒子と外添剤とを混合するトナーの製造方法であって、
    該トナー粒子が、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐からなるグループより選ばれる少なくとも一種の元素を含有し、上記元素の含有量の合計が100乃至30000ppm(トナー粒子質量基準)であることを特徴とするトナーの製造方法。
  42. 水系媒体中に存在するマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐からなるグループから選ばれる元素が、分散安定剤として存在していることを特徴とする請求項41に記載のトナーの製造方法。
  43. 造粒時の水系媒体のpHが4.5〜13であることを特徴とする請求項41又は42に記載のトナーの製造方法。
  44. 造粒時の水系媒体のpHが4.5〜7であることを特徴とする請求項41又は42に記載のトナーの製造方法。
  45. 得られたトナー粒子をpH3以下の酸で洗浄することを特徴とする請求項41乃至44のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  46. 得られたトナー粒子をpH1.5以下の酸で洗浄することを特徴とする請求項41乃至44のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  47. 少なくとも重合性単量体、着色剤、離型剤及び硫黄元素含有重合体を含有する単量体組成物を、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐からなるグループより選ばれる少なくとも一種の元素を有する水系媒体中に分散させ、造粒し、該水系媒体中で単量体組成物中の重合性単量体を重合してトナー粒子を製造し、該トナー粒子と外添剤とを混合するトナーの製造方法であって、
    得られるトナーが、請求項2乃至40のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするトナーの製造方法。
  48. 少なくとも静電荷像保持体を帯電する帯電工程、静電荷像保持体上に静電荷像を形成する静電荷像形成工程、該静電荷像を現像剤担持体により担持されるトナーにより現像し、トナー画像を形成する現像工程、静電荷像保持体上に形成されたトナー画像を中間転写体を介して又は介さずに転写材に転写する転写工程、及び転写材上のトナー画像を定着する定着工程を有する画像形成方法であって、
    該トナーが、請求項1乃至40のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
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