JP4318766B2 - 錠剤充填装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、錠剤充填装置、特に、錠剤(カプセルやピル等を含む。)及び錠剤容器を自動供給し、錠剤の充填後は、保管棚に自動保管可能な錠剤充填装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような錠剤充填装置として、例えば、異なる錠剤を収容してなる複数のフィーダ容器を備え、各フィーダ容器から排出した錠剤を1箇所に設けたホッパーで錠剤容器に収容するようにしたものが開示されている(米国特許5348061号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記錠剤充填装置では、錠剤容器は一列に整列させて順次錠剤を充填するだけであるので、各錠剤容器間で異なる種類の錠剤を充填する場合、外観からだけでは錠剤容器の違いを判別できず、作業者が充填された錠剤が何であるのかを確認する必要がある。
【0004】
また、錠剤を1箇所で錠剤容器に充填するため、その回収作業中に次の錠剤を供給できない。つまり、同時に複数種の錠剤を払い出すことは不可能である。
【0005】
そこで、本発明は、錠剤及び錠剤容器を自動供給し、所望の錠剤容器に所望の錠剤を効率的に充填すると共に、たとえ異常停止しても、自動的に元の状態に復帰させることのできる錠剤充填装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
充填位置で各錠剤容器毎に所定数の錠剤を充填する錠剤充填装置において、
サイズの異なる錠剤容器をそれぞれ収容するストック容器と、
該ストック容器から指定サイズの錠剤容器を取り出す容器取出手段と、
該容器取出手段で取り出した錠剤容器を搬送する錠剤容器搬送手段と、
錠剤を充填された錠剤容器を個別に収容する複数の収容室を備えた保管棚と、
錠剤容器を把持する把持手段を有し、該把持手段を移動させることにより、錠剤容器を錠剤充填位置から前記保管棚の各収容室に搬送する充填容器搬送手段と、
前記充填容器搬送手段により、錠剤容器を保管棚の収容室に搬送すると、前記容器取出手段及び錠剤容器搬送手段により、保管棚に搬送したものと同一サイズの錠剤容器をストック容器から補給させる制御手段とを備えた構成としたものである。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
錠剤を供給する錠剤供給部と、
指定サイズの錠剤容器を供給する錠剤容器供給部と、
前記錠剤供給部から供給された錠剤を、前記錠剤容器供給部から供給された錠剤容器に充填する錠剤充填部とを備えた錠剤充填装置において、
前記錠剤供給部を、種類の異なる錠剤毎に収容する複数のフィーダ容器と、該フィーダ容器から排出された錠剤を一旦貯留する案内通路と、該案内通路の錠剤を前記錠剤充填部まで搬送する錠剤搬送手段とを備えた構成とする一方、
前記錠剤充填部で錠剤を充填された各錠剤容器を保管する複数の収容室を備えた保管棚と、
異常停止後、錠剤搬送手段により前記各案内通路や錠剤搬送手段に残留する錠剤を錠剤充填部に搬送し、錠剤容器に回収した後、該錠剤容器を前記保管棚の収容室に移送させる復帰処理を行う制御手段とを設けたものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
【0036】
本発明に係る錠剤充填装置は、図1に示すように、大略、一端側に設けられる保管棚1と、上方側に設けられる錠剤供給部2と、その下方側に設けられる錠剤容器供給部3と、保管棚1と錠剤容器供給部3の間に設けられる錠剤充填部4と、制御部5(図17参照)とからなる。
【0037】
保管棚1は、複数の収容室6を有する略半円筒形状のものである。各収容室6は、図2(a)に示すように、枠体形状で、少なくとも径方向(図2(a)中矢印で示す。)の対向面が開口している。収容室6の外径方向側の上部には表示部7が設けられている。本実施形態では、表示部7にはフィーダ容器番号と錠剤計数とが表示される。また、収容室6には容器保持部8が設けられている。この容器保持部8は、水平方向の接離可能に設けた一対の保持板9をスプリング9aによって対向方向に付勢したものである。保持板9の下端部には、対向方向に延在する保持爪10が形成されている。各保持爪10の対向縁には、図2(b)に示すように、錠剤容器11を保持できるように略楕円形状の凹部10aが形成されると共に、内周側に向かって広がる切欠部10bが形成されている。この切欠部10bは、凹部10aへの錠剤容器11の挿入を容易とするためのものである。なお、各収容室6の容器保持部8で錠剤容器11が保持されているか否かは、容器センサ8aで検出可能となっている。
【0038】
前記保管棚1の外周中央部には、図1に示すように、収容室6の代わりにタッチパネル12が設けられている。このタッチパネル12は、処方指示データを直接入力可能とするためのものである。
【0039】
また、前記保管棚1の内周側には、充填容器搬送部13が配設されている。充填容器搬送部13は、図3に示すように、上下動自在な矩形枠体14にアーム部材15を旋回自在に設けたものである。
【0040】
前記矩形枠体14の両外側面には、上下端部に軸受凹部16がそれぞれ設けられている。軸受凹部16は、保管棚1の背後に所定間隔で立設させたガイド軸17を摺接する。そして、モータ(図示せず)を駆動することにより、ベルト(図示せず)を介して充填容器搬送部13を上下動自在とする。また、前記矩形枠体14の下方側水平板14aの中心には第1駆動ギア18が固定されている。
【0041】
前記アーム部材15は、前記第1駆動ギア18の中心軸に回転自在に配設したアーム本体19を備える。アーム本体19の一端部には第1駆動モータ20が配設されている。第1駆動モータ20の回転軸はアーム本体19の下面から突出し、そこには位置検出板21と、前記第1駆動ギア18と噛合する第2駆動ギア(図示せず)とが固定されている。第2駆動ギアの回転位置は、位置検出板21をセンサ(図示せず)で検出することにより判別可能である。これにより、アーム部材15は、第1駆動モータ20の駆動により、180°の範囲で正逆回転する。また、アーム本体19の上面には、内蔵する第2駆動モータ(図示せず)の駆動により長手方向に往復移動するスライド部材22が配設されている。スライド部材22の一端部(前記第1駆動モータ20とは反対側)には、把持部材23が設けられている。把持部材23は、スライド部材22上に配設した第3駆動モータ24の駆動により、図示しないギアを介して開閉する一対の把持片25で構成される。
【0042】
錠剤供給部2は、錠剤収容部26と錠剤搬送部27とから構成される。
【0043】
錠剤収容部26は、図4にその一部が示されるように、垂直壁部28の両側に上下方向に延びる溝部29をそれぞれ並設し、各溝部29を支軸30aを中心として回動自在に設けた棚部材30でそれぞれ閉塞することにより、共通案内通路31を形成したものである。各棚部材30には上下方向に複数の錠剤排出口30bが穿設され、外面には各錠剤排出口30bに対応してモータベース32がそれぞれ取り付けられている。
【0044】
モータベース32は、図5及び図6に示すように、駆動モータ32aを内蔵し、上面には、前記駆動モータ32aの動力が伝達される駆動ギア33が露出している。また、モータベース32の一端側には落下案内通路34が形成されている。この落下案内通路34の内壁には、錠剤検出センサ35が設けられ、落下案内通路34を通過して排出される錠剤を検出(計数)できるようになっている。
【0045】
前記モータベース32にはフィーダ容器36が取外し可能に取り付けられる。フィーダ容器36は上方に開口し、カバー37によって蓋することができる略直方体形状で、内部には錠剤が収容されている。また、フィーダ容器36の底には、下端にギヤ38を有するロータ39が設けられている。
【0046】
ロータ39は、図7に示すように、上下に円錐面を有し、フィーダ容器36が前記モータベース32に装着されると、そのギヤ38が前記モータベース32のギア33と噛合するようになっている。ロータ39の下方円錐面には、中心に向かって渦巻き状となる錠剤ガイド溝40と、中央で2分する仕切溝41が形成されている。錠剤ガイド溝40の渦巻き方向は、ロータ39の回転中心に向かって、その回転方向(図7(b)中、矢印で示す。)とは反対方向である。仕切溝41には仕切フィン42が配設され、図6(b)に示すように、ロータ39の回転に伴って錠剤ガイド溝40を通過する各錠剤を順次区分する。
【0047】
なお、前記フィーダ容器36のギア38にはギアストッパ43が係脱可能となっている。図5(b)に示すように、ギアストッパ43は、ストッパーバネ44によってギア38側に付勢されている。これにより、フィーダ容器36をモータベース32から取り外したとしても、ギア38にギアストッパ43が係合し、ロータ39の回転が阻止されるので、錠剤が外部にこぼれ落ちることはない。
【0048】
前記錠剤供給部2では、モータベース32にフィーダ容器36を取り付けた状態で、モータベース32内の駆動モータ32aを駆動すれば、ギア33、駆動ギア38を介してロータ39が回転し、各錠剤ガイド溝40を介して錠剤が一列で回転中心に向かう。錠剤ガイド溝40の渦巻き方向は、前述のように、ロータ39の回転中心に向かって、その回転方向とは反対方向となるように形成されているので、ロータ39の回転に伴い錠剤に作用する遠心力に拘わらず、錠剤は回転中心に向かって強制的に移動させられる。錠剤は、錠剤ガイド溝40内に入り込む前に、仕切フィン42によって仕切られ、1個ずつ落下案内通路34を介して共通案内通路31に落下する。
【0049】
共通案内通路31の下端には、落下してきた錠剤を一旦保持するためのシャッター43が設けられている。また、シャッター43の下方には、ホッパー44が回転及び着脱可能に設けられている。ホッパー44は、下方の偏心した位置に錠剤排出口44aを有し、この錠剤排出口44aは開閉弁44bによって開閉可能となっている。ホッパー44は、180°毎に旋回し、錠剤排出口30bの位置を下記する錠剤搬送部27の搬送容器46にそれぞれ供給可能とする。
【0050】
錠剤搬送部27は、一対のローラ47間に搬送ベルト48を掛け渡し、この搬送ベルト48によって搬送容器46を往復移動可能としたもので、2列で設けられている。搬送容器46は、支持枠体46aによって支持されている。支持枠体46aの底板部46bには矩形孔46cが並設されている(図4、図14及び図15参照)。前記搬送ベルト48は、連続するガイド突条部48aを有している。このガイド突条部48aは、前記矩形孔46cに係合し、搬送容器46を移送可能とする。搬送容器46は、下面が開閉可能なシャッター49で構成されている。シャッター49は、一端側に配設したスプリング50によって搬送容器46の底を閉塞するように付勢されている。また、シャッター49の一端側下面には突出部49aが形成されている。
【0051】
錠剤容器供給部3は、図8に示すように、空の錠剤容器11を収容するストック容器51と、このストック容器51から錠剤容器11を1つずつ取り出す容器取出部52と、この容器取出部52によってストック容器51から取り出された錠剤容器11を搬送する空容器搬送部53とから構成される。錠剤容器供給部3は、一列に並設され、各ストック容器51内にはそれぞれサイズ(外径又は長さ)の異なる空の錠剤容器11がそれぞれ収容されている。
【0052】
前記ストック容器51の側壁51aには、幅方向に複数のスリット54が並設されている、また、側壁51aの上端部が開口するように屈曲し、この屈曲部51bは、先端に向かうに従って徐々に下方に傾斜している。また、ストック容器51の底面は、前記側壁51aに向かうに従って徐々に下方に傾斜している。さらに、ストック容器51の天井面側には、前記側壁51aから斜め上方に突出する傾斜片55が設けられている。この傾斜片55は、下記する容器取出部52により、水平方向で持ち上げられる1つの錠剤容器11のみを取出可能とするためのものである。
【0053】
前記容器取出部52は、図9に示すように、前記ストック容器51の各スリット54から突出する略三角形状の持上片56を有する。各持上片56は、第1軸受部57に一体化した第1ロッド58によって互いに連結されている。また、両側2箇所の各持上片56には、第2軸受部59がそれぞれ突設されている。各第2軸受部59には、スプリング60によって側方に付勢された第2ロッド61が配設されている。第2ロッド61は、突出した状態でガイド板62の第1ガイド溝63に摺動自在に係合している。第1ガイド溝63は、四角形に形成され、図10に示すように、内方側垂直溝部63a及び下方側傾斜溝部63bが浅く、上方側傾斜溝部63cが深くなっており、外方側垂直溝部63dは、上方側傾斜溝部63cと下方側傾斜溝部63bとを滑らかに接続する。また、前記第2軸受部59の下部は、板状体64に回動自在に連結されている。板状体64の両端部には係止片64aがそれぞれ形成され、前記ガイド板62の第2ガイド溝63e,63fにそれぞれ係合して上下動自在となっている。前記持上片56は、ベルト65を介して駆動モータ(図示せず)の駆動により上下動する。
【0054】
また、前記容器取出部52は、図8に示すように、ストック容器51の屈曲部51bの先端に、搬送部66及び容器搬送準備室67を備える。搬送部66は、一対のローラ68の両端部間にそれぞれ搬送ロープ69を掛け渡したものである。ローラ68は図示しないモータの駆動により正逆回転可能である。なお、搬送ロープ69の間隔は、少なくとも搬送する錠剤容器11の外径よりも小さい値である。また、配設範囲は、前記持上片56を配設する範囲とほぼ一致している。前記容器搬送準備室67は、丁度1個の錠剤容器11を収容可能な大きさを有している。この容器搬送準備室67の底面は、開閉可能なシャッター70で構成されている。
【0055】
前記空容器搬送部53は、並設されるストック容器51に沿って容器搬送準備室67の下方に配設されている。この空容器搬送部53は、前記搬送部66と同様、一対のローラ71と、その両端部にそれぞれ掛け渡された一対の搬送ロープ72とで構成される。
【0056】
錠剤充填部4は、図11に示すように、容器判別部73と、容器供給部74と、排出ボックス75と、容器支持部76と、錠剤計量部77とを備える。
【0057】
前記容器判別部73は、図12に示すように、略V字形の容器位置決め部78を有する。容器位置決め部78は、一端側の支軸78aを中心として回動自在な構成となっている。また、容器位置決め部78は、第1支軸79aを中心として回動する一対の第1脚部79と、第2支軸80aを中心として回動する一対の第2脚部80との先端にそれぞれ回動自在に支持されている。そして、容器位置決め部78は、回動して水平位置A、垂直位置B及び略垂直位置Cにそれぞれ位置決め可能である。前記第2脚部80の下方には、水平位置Aに回動した際、前記第1支軸79aとの干渉を回避するために略C字形の逃がし部80bが形成されている。
【0058】
前記容器位置決め部78の一方の内面には、複数の長さ検出センサ81が配設されている。長さ検出センサ81は、容器位置決め部78の一端側から所定寸法の位置にそれぞれ配設され、容器位置決め部78に錠剤容器11が位置決めされた際、その長さの違いを検出する。
【0059】
また、前記容器判別部73は、容器位置決め部78が水平位置に移動した際、その端部で錠剤容器11の端面に当接する止板82を有する。この止板82には、錠剤容器11の径方向の大きさを検出するために、複数の径検出センサ83が配設されている。径検出センサ83は、容器位置決め部78の最も深い位置から所定寸法の位置にそれぞれ配設され、容器位置決め部78に錠剤容器11が位置決めされた際、その外径の違いを検出する。
【0060】
また、止板82とは反対側の位置には、図13に示すように、スプリング84によって上方に付勢された支持棒85が設けられている。この支持棒85は、容器位置決め部78が水平位置Aに回動する際、その一端側(支軸78aとは反対側)の底面に当接し、回動動作を妨げる。これは、前記空容器搬送部53の端部(錠剤容器11が搬送されてくる位置)に、できるだけ容器位置決め部78を接近させるためである。すなわち、容器位置決め部78が空容器搬送部53に接近すれば、容器位置決め部78の一端側底面に前記支持棒85の先端が当接し(図13(a)参照)、スプリング84の付勢力が作用する。これにより、容器位置決め部78は、支軸78aとその反対側とで下動速度が相違し、支軸78aを中心として回動しながら下動する(図13(b)参照)。この結果、容器位置決め部78を空容器搬送部53に接近した位置で傾斜させることができる(図13(c)参照)。
【0061】
また、前記容器判別部73は、容器位置決め部78が略垂直位置C又は垂直位置Bに回動した際、そこに載置される錠剤容器11を排出するための容器送出部87を有する。容器送出部87は、サイドレール87に略L字形の送出アーム88を往復移動自在に設けたものである。送出アーム88には、容器位置決め部78が略垂直位置C又は垂直位置Bのいずれに位置する場合でも、載置した錠剤容器11を送出できるように2つの送出片89を備えている。
【0062】
前記排出ボックス75は、容器位置決め部78を略垂直位置Cに位置させた状態で送出片89を移動することにより、錠剤容器11を回収できるように設けられている。
【0063】
前記容器供給部74は、図11に示すように、中央部を回転自在に保持された筒部90を備える。この筒部90は受取位置まで回動すると、第1開口部90aが前記容器判別部73からの錠剤容器11を受取可能となり、第2開口部90bが閉塞板91で閉塞される。また、筒部90は正転又は反転して、第1開口部90a又は第2開口部90bを下方に向かわせる。
【0064】
筒部90の下方には、図14に示すように、容器案内盤92が回転自在に配設されている。容器案内盤92は、円周上の3箇所に案内孔92aを穿設されている。各案内孔92aは、上方開口部は同一径であるが、下方開口部は案内する容器の外径に応じて3種類設けられている。
【0065】
前記容器支持部76は、支軸93aを中心として回転自在に設けた支持円盤93の外周に略U字形の容器支持凹部93bを形成したものである。各容器支持凹部93bは、異なる外径の錠剤容器11をそれぞれ支持するように種々の幅寸法に形成されている(容器支持部76では同一サイズの錠剤容器11を保持することはない。)。
【0066】
前記錠剤計量部77は、投入ホッパー94、計量部95、計量ホッパー96、充填ホッパー97及び排出ホッパー98を備える。
【0067】
投入ホッパー94では、図15に示すように、前記搬送容器46が移動してくると、シャッター49の突出部49aが縁部に当接することにより、スプリング50の付勢力に抗してシャッター49を開放する。これにより、搬送容器46内に収容した錠剤が順次投入ホッパー94に落下する。
【0068】
計量部95は、図14に示すように、投入ホッパー94から落下する錠剤を収容する計量容器99と、この計量容器99を収容された錠剤と共に計量する計量器100と、前記計量容器99を支持する一対のアーム101とからなる。計量容器99の両側外面には2つの突起99a,99bがそれぞれ形成されている。また、アーム101の先端には、一端側の突起99aが係止される係止凹部101aが形成されている。この係止凹部101aは、アーム101を回動させて計量容器99内の錠剤を充填ホッパー97に供給する際、前記計量容器99の突起99aの脱落を防止するために鍵型に形成されている。前記アーム101は、投入ホッパー94から計量容器99に錠剤が投入される際、その衝撃力が直接計量器100に作用しないように計量器100から計量容器99を浮かせた状態に支持し、その後計量器100上に計量容器99を載置するように回動する。これにより、計量器100による計量時間が短縮されるようになっている。
【0069】
計量ホッパー96の底面は、シャッター96aで構成され、対向側面には充填量検出センサ102が配設され、計量ホッパー96内に貯溜される錠剤量を判別可能となっている。
【0070】
充填ホッパー97及び排出ホッパー98の上方開口部は、回動自在に設けた開閉ドア103で開閉されるようになっている。また、充填ホッパー97の下方には投入ガイド円盤104が回転自在に配設されている。投入ガイド円盤104は円周上の3箇所に錠剤案内孔104aが穿設されている。錠剤案内孔104aは、上端内径が充填ホッパー97の内径とほぼ同一であり、下端内径が下方に配設される錠剤容器11の上端内径とほぼ同一である。つまり、錠剤案内孔104aの上端内径は全て同一であるのに対し、下端内径は、錠剤容器11のサイズに応じて3種類設けられており、内面は、上下端開口を滑らかに結ぶテーパ状となっている。
【0071】
制御部5は、図17に示すように、ホストコンピュータ105(タッチパネル12での入力信号のみでもよい。)から処方箋情報の入力を受け、保管棚1(容器センサ8a、タッチパネル12、モータ14a、第1駆動モータ20、第3駆動モータ24等)錠剤供給部2(駆動モータ32a、錠剤検出センサ35等)、錠剤容器供給部3、錠剤充填部4(長さ検出センサ81、径検出センサ83、計量器100、充填量検出センサ102等)、非常停止スイッチ106等から信号を受け、又、駆動制御する。
【0072】
次に、前記構成の錠剤充填装置の動作について説明する。
【0073】
図18のフローチャートに示すように、まず、ホストコンピュータ105から処方箋データに基づく処方指示データを受信する(ステップS1)。そして、この処方指示データに基づいて並列同時処理にて空容器供給処理(ステップS2)及び錠剤移送処理(ステップS3)を行う。続いて、錠剤充填処理(ステップS4)を行った後、錠剤容器11を保管棚1の収容室6に移送する容器移送処理を行う(ステップS5)。なお、処方指示データは、処理能力に応じて複数受信してもよい。
【0074】
空容器供給処理は、図19及び図20のフローチャートに示すように、まず、錠剤充填部4に指定サイズの錠剤容器11が待機しているか否かを判断する(ステップS11)。待機していれば、錠剤移送処理を開始し(後述する。)、待機していなければ、該当するストック容器51の容器取出部52を駆動し、持上片56を上動させる(ステップS12)。通常、持上片56には、錠剤容器11が横向きの状態で載置されるが、縦向き又は2本積層された場合、持上片56の上動中に傾斜片55に当接し、ストック容器51内に戻される。持上片56の上動に伴って第2ロッド61も内方側垂直溝部63aを上昇する。そして、第2ロッド61が最上位置に移動し、図10(a)に示すように、スプリング60の付勢力によって上方側傾斜片部63cに突出すれば(ステップS13)、持上片56を下動させる(ステップS14)。第2ロッド61が上方側傾斜片部63cを移動すれば、図10(b)に示すように、持上片56が第1ロッド58を中心として回動し、持上片56上に載置した錠剤容器11は、横向き状態で1個だけ搬送部66に供給される。なお、前記持上片56は、錠剤容器11を搬送部66に供給した後は、第2ロッド61が外方側垂直溝部63dを移動する間は、図10(c)に示すように、側壁51aの外面側に回動したままの状態で降下する。そして、第2ロッド61が下方側傾斜溝部63bを移動する際、徐々にストック容器51側に突出するように回動し、図10(d)に示すように、下方側の初期位置に復帰する。
【0075】
また、搬送部66による搬送を開始し(ステップS15)、屈曲部51bを介して搬送ロープ69上に載置される錠剤容器11を容器搬送準備室67に移動させる。搬送部66では、一定時間後にモータを逆回転させることにより、容器搬送準備室67に錠剤容器11が1つ収容されれば、その上方には次の錠剤容器11が位置しないするようにする(ステップS16〜S19)。
【0076】
こうして、容器搬送準備室67への錠剤容器11の移動が終了すれば、シャッター70を開放し(ステップS20)、錠剤容器11を空容器搬送部53の搬送ロープ72上に載置する。空容器搬送部53では、前記ストック容器51からの錠剤容器11の払い出しを待ってモータを駆動し、搬送ロープ72により錠剤容器11を錠剤充填部4に搬送する(ステップS21)。
【0077】
錠剤充填部4では、容器位置決め部78を回動させ、水平位置Aで空容器搬送部53に対して斜め下方に向かうように傾斜させておく(ステップS22)。この傾斜状態では、前述のように、搬送ロープ72に対して容器位置決め部78が接近して配設可能であるので、搬送する錠剤容器11をスムーズに空容器搬送部53に位置させることができる。
【0078】
続いて、長さ検出センサ81及び径検出センサ83によって錠剤容器11のサイズを検出し(ステップS23)、指定サイズであるか否かを判断する(ステップS24)。錠剤容器11が指定サイズであると判断すれば、容器位置決め部78を垂直位置Bまで回動させ(ステップS25)、指定サイズでないと判断すれば、垂直位置の手前の略垂直位置Cで回動を停止する(ステップS26)。そして、容器送出部87の送出アーム88を移動させることにより、送出片89で垂直位置Bの錠剤容器11を容器供給部74の筒部90内に搬送し(ステップS27)、略垂直位置Cの錠剤容器11を排出ボックス75内に排出する(ステップS28)。
【0079】
容器供給部74では、前記容器判別部73の径検出センサ83での検出信号に基づいて供給された錠剤容器11の底面(又は開口部)がいずれの方向を向いているかを判断する(ステップS29)。錠剤容器11が底面側から搬入された場合、筒部90を時計回り方向に正回転させ(ステップS30)、開口部側から搬入された場合、半時計回り方向に逆回転させることにより(ステップS31)、筒部90を直立させる。
【0080】
一方、容器支持部76では、前記容器判別部73の径検出センサ83及び長さ検出センサ81での検出信号に基づいて支持円盤93を回転させることにより、判別したサイズに該当する容器支持部76を位置させておく(ステップS32)。これにより、錠剤容器11が容器案内盤92の案内孔92aを介して落下し、支持円盤93の該当する容器支持部76に支持される。
【0081】
このようにして、容器支持部76への錠剤容器11の位置決めが完了すれば、支持円盤93を回転し、該当する錠剤容器11を充填位置Dに移動させる(ステップS33)。また、投入ガイド円盤104を回転させ、充填位置Dに移送された錠剤容器11の内径に合う内径の錠剤案内孔104aを位置させることができる。そして、アーム部材15を駆動し、その把持片25で錠剤容器11を挟持することにより、錠剤容器11の位置を固定しておく(ステップS34)。
【0082】
一方、錠剤移送処理では、図21及び図22のフローチャートに示すように、処方指示データに基づいて該当する錠剤収容部26を駆動制御する。すなわち、該当するモータベース32の内蔵モータを駆動し、ロータ39を回転させることにより、フィーダ容器36内に収容した錠剤を所定数だけ排出させる(ステップS41)。排出数は、落下案内通路34に設けた錠剤検出センサ35によりカウントする(ステップS42)。こうして所定数の錠剤がフィーダ容器36から落下案内通路34を介して共通案内通路31に排出されれば(ステップS43)、ロータ39の回転を停止して錠剤の排出を停止する(ステップS44)。
【0083】
また、錠剤搬送部27を駆動制御する。すなわち、ローラ47を回転駆動することにより、搬送ベルト48を介して搬送容器46を共通案内通路31の下方に位置させる(ステップS45)。そして、ホッパー44を回転させ、その開口部を搬送容器46に方向付け(ステップS46)、シャッター49を開放することにより搬送容器46内に錠剤を収容する(ステップS47)。
【0084】
このようにして搬送容器46内に該当する錠剤が所定数収容されれば、錠剤搬送部27を駆動制御することにより、搬送容器46を投入ホッパー94に移動させる(ステップS48)。このとき、シャッター49の突出部49aが投入ホッパー94の縁部に当接することにより、搬送容器46の移動に伴ってシャッター49が徐々に開放し、収容した錠剤が投入ホッパー94を介して計量容器99に収容される。このとき、アーム101を回動させて計量器100から計量容器99を若干浮かせた状態とし、錠剤投入に伴う衝撃力が計量器100に直接作用しないようにする。その後、アーム101を回動させて計量器100に計量容器99を載置し、重量を測定する(ステップS49)。
【0085】
そこで、所定重量であるか否かを判断する(ステップS50)。また、アーム101を回動させ(ステップS51)、錠剤を計量ホッパー96内に収容する。そして、計量ホッパー96の充填量検出センサ102からの検出信号に基づいてその錠剤が錠剤容器11内に収容可能な分量か否かを判断する(ステップS52)。
【0086】
重量が所定値であり、容量が所定量以下であれば、該当する錠剤を所定量だけ充填可能な状態であると判断する。そして、投入ガイド円盤104を回転させ、その下端開口の内径が下方に配設された錠剤容器11の内径と一致する錠剤案内孔104aが位置するようにする(ステップS53)。その後、開閉ドア103で排出ホッパー98の開口部を閉塞し(ステップS54)、シャッター96aを開放する(ステップS55)。これにより、錠剤は錠剤ホッパー97を介して錠剤容器11に充填される。
【0087】
また、重量が所定値でないか又は所定容量を越えていれば、該当する錠剤でないか又は錠剤容器11に充填不可能な容量であると判断し、充填ホッパー97の開口部を閉塞し(ステップS56)、シャッター96aを開放する(ステップS56)。これにより、錠剤は排出ホッパー98を介して排出される。この場合、再度錠剤供給処理を行う。
【0088】
錠剤容器11に錠剤が充填されれば、保管棚1への移送処理を行う。この移送処理では、アーム部材15を回動し(ステップS61)、アーム本体19に対してスライド部材22を前進させ(ステップS62)、把持片25で錠剤容器11を把持する(ステップS63)。そして、スライド部材22を後退させ(ステップS64)、アーム部材15を回動すると共に上昇させる(ステップS65)。アーム部材15の回動位置及び上昇位置は、次のようにして決定する。すなわち、作業者が収容室6から錠剤容器11を取りだしやすい順に番号を付し、空いている収容室6のうち、最も番号の小さいものに収容可能な位置である。
【0089】
アーム部材15が決定した回動位置及び上昇位置に移動すれば(ステップS66)、スライド部材22を前進させることにより、把持した錠剤容器11を保管棚1の収容室6に移動させる(ステップS67)。錠剤容器11は、収容室6内の保持板9を、その保持爪10に形成した切欠部10bによって両側に押し広げながら凹部10aに位置し、スプリング9aの付勢力によって保持される。そこで、把持片25を開放し(ステップS68)、スライド部材22を後退させた後(ステップS69)、アーム部材15を下動させ(ステップS70)、次の錠剤容器11の移送に備える。
【0090】
なお、移動させる収容室6の選択は、アーム部材15による錠剤容器11の移送時間の最も短いものから順に番号を付し、空いている収容室6のうち、最も番号の小さいものを選択するようにしても構わない。
【0091】
このようにして、所定の錠剤が所定量充填された錠剤容器11が保管棚1の収容室6に移送されれば、容器センサ8aからの検出信号に基づいて該当する収容室6の表示部7にフィーダ容器番号と錠剤計数とを表示する(ステップS71)。
【0092】
なお、前記ストック容器51は次のように構成してもよい。
【0093】
すなわち、図24に示すように、ストック容器51の側壁51aの内面には昇降自在な容器支持台106が配設されている。容器支持台106は、内方側に多段式のシャッター107を有している。シャッター107は、容器支持台106の昇降動作に伴って伸縮し、容器支持台106の下方に錠剤容器11が侵入することを防止する。容器支持台106の上方側には、支軸108aを中心として回動自在な傾斜片108が配設されている。傾斜片108は、図中1点鎖線で示すように傾斜し、前記傾斜片55と同様にして余分な錠剤容器11をストック容器51に戻す。また、傾斜片108は、容器支持台106に1つの錠剤容器11が横向きで載置されただけの状態となれば、容器支持台106の移動の妨げとならないように、図中実線で示す位置まで復帰する。傾斜片108の上方には移送片109が設けられ、上動してきた錠剤容器11を側方に移送する。その他、搬送部66及び容器搬送準備室67については、前記実施形態と同様の構成である。
【0094】
また、搬送部66及び容器搬送準備室67を設けることなく、図25(a)及び図26(a)に示すように、容器支持台106自身を回動可能な構成にしたり、図25(b)及び図26(b)に示すように、容器支持台106に代えて搬送ベルト111を設けるようにしてもよい。
【0095】
また、前記傾斜片55又は108は次のように構成してもよい。
【0096】
すなわち、図27に示すように、支軸112を中心として第1リンク113を回動自在に設ける。そして、この第1リンク113の一端部に第2リンク114の一端部を回転自在に連結し、他端部に第3リンク115の一端部5を回転自在に連結する。また、第2リンク114の他端部にはシリンダ116のロッド116aを回転自在に連結し、第3リンク115の他端部には第4リンク117の一端部を回転自在に連結する。さらに、第4リンク117の他端部には、支軸118aを中心として回動自在に設けた傾斜片118の中間部を回転自在に連結する。これにより、シリンダ116を駆動すれば、ロッド116a、第2リンク114を介して第1リンク113が支軸112を中心として回動し、第4リンク117を介して傾斜片118が支軸118aを中心として回動する。
【0097】
ところで、前記錠剤充填装置では、前述のようにして、錠剤容器11が搬送され、そこに所定の錠剤が充填された後、保管棚1の収容室6に移送されるが、これら一連の作業中に非常停止ボタン(保管棚1の下端中央部と、錠剤容器供給部3の中央部とにそれぞれ設けられている。)が押されたり、停電等で電源の供給が停止すれば、錠剤充填装置が停止する。この場合、制御部5は、図示しない二次電源からも電力供給を受けることが可能であるため、駆動状態を維持するが、搬送中の錠剤容器11や錠剤に関する情報について完全に把握できない場合がある。このため、一旦搬送途中の錠剤容器11や錠剤を回収してリセットする復帰処理を行う必要が生じる。
【0098】
以下に示す復帰処理では、搬送途中で停止した錠剤や錠剤容器11を保管棚1の収容室6に回収しているので、保管棚1の収容室6に空きがないか、又は、空きが少ない場合には、復帰処理が可能となるように収容室6から錠剤容器11を取り除く。また、錠剤容器11の搬送経路(空容器搬送部53、筒部90、支持円盤93等)を目視により検査し、錠剤容器11があればこれを取り除く。取り除いた錠剤容器11は元のフィーダ容器36に戻しておく。
【0099】
なお、前記タッチパネル12には錠剤を取り除く旨の表示をしておくのが好ましい。また、フィーダ容器36内の錠剤や、ストック容器51内の錠剤容器11が空になっている場合のエラーは、異常を示すものではないため、復帰処理は行わない。
【0100】
ここで、前記復帰処理を図28のフローチャートに従って説明する。
【0101】
まず、制御部5の電源を一旦オフ状態とする(ステップS81)。これは、制御部5のメモリに一時的に記憶されている処理中のデータを消去するためである。電源は、図30(a)に示すように、タッチパネル12に「CLOSE」と表示された部分を押圧することにより、図31(a)に示す「DO YOU WANT TO POWER OFF?」と表示させ、その下方に表示される「YES」、[NO」のうち、「YES」を選択することにより、図31(b)に示す「電源を切断しても安全です。」と表示させた後、オフするようになっている。
【0102】
次に、図示しない非常停止ボタンが押されていれば(ステップS82)、これをリセットした後(ステップS83)、再び制御部5の電源をオン状態とする(ステップS84)。これにより、タッチパネル12には図30(a)に示すように表示される。
【0103】
図30(a)に示すようにタッチパネル12に表示された項目のうち、「RECALL」が押圧操作されると(ステップS85)、その入力信号を受け、供給途中の錠剤の回収処理を開始する(ステップS86)。このとき、タッチパネル12には図30(b)に示す「RECALL UNDER PROCESS…」と表示し、復帰処理中である旨を報知する(ステップS87)。
【0104】
前記錠剤回収処理では、図29のフローチャートに示すように、搬送容器46及び各ホッパー44に残留する錠剤の回収を行う。まず、支持円盤93を回転させ、最も容量の大きい錠剤容器11を充填ホッパー97の下方に位置させる(ステップS91)。通常、支持円盤93には、最大容量の錠剤容器11が用意されているので、この錠剤容器11を利用するが、用意されていない場合には、ストック容器51から最大容量の錠剤容器11を補給する。一方、搬送容器46により共通案内通路31のいずれか1つから錠剤を回収し(ステップS92)、投入ホッパー94等から充填ホッパー97を介して前記錠剤容器11に回収する(ステップS93)。そして、錠剤を充填した錠剤容器11を、アーム部材15により保管棚1の収容室6に移送すると共に(ステップS94)、移送した錠剤容器11と同一サイズのものを支持円盤93に補給する(ステップS95)。また、表示部7に「P000」と表示し(ステップS96)、その収容室6に移送した錠剤容器11に回収した錠剤が充填されていることを一目で判別可能とする。
【0105】
以下、前記同様にして、ストック容器51から支持円盤93に、使用した最も容量の大きい錠剤容器11を補給し、共通案内通路31から残留する錠剤を回収する。この場合、共通案内通路31には錠剤の残留していないものも含まれるが、どの錠剤が搬送途中であるのかを完全に把握するために、全ての共通案内通路31から錠剤の回収作業を行う。
【0106】
このようにして全ての共通案内通路31から残留する錠剤を回収すれば(ステップS97)、続いて、支持円盤93に保持された他のサイズの錠剤容器11の回収を行う(ステップS98)。この場合、支持円盤93から回収して保管棚1の収容室6に保管されたサイズの錠剤容器11については、その都度該当するストック容器51から支持円盤93に補給しておく(ステップS99)。
【0107】
その後、錠剤の回収作業が終了すれば(ステップS100)、タッチパネル12の表示をメインメニューとし、「AUTO」が押圧されることにより、前記同様、通常の空容器供給処理(ステップS2)、錠剤移送処理(ステップS3)及び錠剤充填処理(ステップS4)に復帰可能とする。
【0108】
なお、前記復帰処理では、錠剤充填装置が異常停止した場合には、必ず制御部5の電源をオフすることによりメモリに記憶した処理中のデータをクリアするようにしたが、このデータを利用するか否かを作業者に選択させるようにしてもよい。すなわち、制御部5の電源をオフすることなく、例えば、タッチパネル12に表示された「RECALL」を押圧操作することにより、異常停止前の処理中のデータを利用してそのまま続行するようにしてもよい。この場合、空容器搬送部53、筒部90、支持円盤93等に残された錠剤容器11や、共通案内通路31等に残された錠剤の回収は不要である。
【0109】
また、前記復帰処理では、回収用に利用される収容室6の表示部7には、一律に「P000」の回収を示す表示を行うようにしたが、回収を示す表示に加えて、いずれのフィーダ容器36から排出された錠剤であるのかを表示できるようにするのが好ましい。すなわち、搬送容器46で、どの共通案内通路31から錠剤を回収したのかを記憶しておき、その記憶内容に基づいていずれのフィーダ容器36から排出された錠剤であるのかを特定する。この場合、上下に整列されたフィーダ容器36のうち、いずれのフィーダ容器36であるのかまでの判断はできないが、前回処理中のデータを利用すれば、いずれのフィーダ容器36から排出された錠剤であるのかを特定することも可能である。
【0110】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る錠剤充填装置によれば、所望の錠剤及び錠剤容器を自動供給し、錠剤容器に錠剤を充填できるようにしたので、作業効率のよく錠剤の充填を行うことができる。
【0111】
特に、錠剤を充填した錠剤容器を保管可能な保管棚を設けるようにしたので、その判別を容易にできる。
【0112】
また、所望の錠剤及び錠剤容器を自動供給し、錠剤容器に錠剤を充填できるので、作業効率よく錠剤の充填を行うことができる。また、錠剤容器を保管可能な保管棚を設けるようにしたので、その判別が容易にできる。また、たとえ停電等で異常停止した場合であっても、回収制御手段により搬送途中の錠剤を自動的に回収することができるので、錠剤充填作業の再開に支障を来すこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る錠剤充填装置の全体を示す斜視図である。
【図2】 図1の保管棚の収容室を示す斜視図(a)及びその部分斜視図(b)である。
【図3】 図1のアーム部材を示す部分破断斜視図である。
【図4】 図1の錠剤収容部を示す断面図である。
【図5】 図4のモータベース及びフィーダ容器を示す分解斜視図(a)及びそのフィーダ容器の底面図(b)である。
【図6】 図4のモータベース及びフィーダ容器を示す断面(a)及びその仕切フィンを示す部分平面図(b)である。
【図7】 図4のフィーダ容器に設けられるロータの正面図(a)及びその底面図(b)である。
【図8】 図1のストック容器を示す斜視図である。
【図9】 図8の保持片及びガイド板を示す斜視図である。
【図10】 図8の保持片の動作を示す部分平面図である。
【図11】 図1の錠剤充填部近傍を示す部分斜視図である。
【図12】 図1の錠剤判定部を示す部分斜視図である。
【図13】 図12の位置決め部の動作を示す正面図である。
【図14】 図1の錠剤充填部近傍を示す部分斜視図である。
【図15】 図14の錠剤計量部の動作を示す正面図である。
【図16】 図14の錠剤計量部の動作を示す正面図である。
【図17】 本発明に係る錠剤充填装置のブロック図である。
【図18】 錠剤充填制御を示すメインフローチャートである。
【図19】 図18の空容器供給処理を示すフローチャートである。
【図20】 図18の空容器供給処理を示すフローチャートである。
【図21】 図18の錠剤移送処理を示すフローチャートである。
【図22】 図18の錠剤移送処理を示すフローチャートである。
【図23】 図18の容器移送処理を示すフローチャートである。
【図24】 他の実施形態に係るストック容器の断面図である。
【図25】 他の実施形態に係るストック容器の断面図である。
【図26】 図25の各正面図である。
【図27】 他の実施形態に係る傾斜片の概略図である。
【図28】 本実施形態に係る復帰処理を示すフローチャートである。
【図29】 図28の錠剤回収処理を示すフローチャートである。
【図30】 電源をオフする場合のタッチパネルの表示内容を示す図である。
【図31】 タッチパネルに表示されるメインメニューを示す図である。
【符号の説明】
1 保管棚
2 錠剤供給部
3 錠剤容器供給部
4 錠剤充填部
5 制御部
6 収容室
11 錠剤容器
27 錠剤搬送部(錠剤搬送手段)
31 共通案内通路
36 フィーダ容器
106 非常停止スイッチ
Claims (2)
- 充填位置で各錠剤容器毎に所定数の錠剤を充填する錠剤充填装置において、
サイズの異なる錠剤容器をそれぞれ収容するストック容器と、
該ストック容器から指定サイズの錠剤容器を取り出す容器取出手段と、
該容器取出手段で取り出した錠剤容器を搬送する錠剤容器搬送手段と、
錠剤を充填された錠剤容器を個別に収容する複数の収容室を備えた保管棚と、
錠剤容器を把持する把持手段を有し、該把持手段を移動させることにより、錠剤容器を錠剤充填位置から前記保管棚の各収容室に搬送する充填容器搬送手段と、
前記充填容器搬送手段により、錠剤容器を保管棚の収容室に搬送すると、前記容器取出手段及び錠剤容器搬送手段により、保管棚に搬送したものと同一サイズの錠剤容器をストック容器から補給させる制御手段とを備えた構成としたことを特徴とする錠剤充填装置。 - 錠剤を供給する錠剤供給部と、
指定サイズの錠剤容器を供給する錠剤容器供給部と、
前記錠剤供給部から供給された錠剤を、前記錠剤容器供給部から供給された錠剤容器に充填する錠剤充填部とを備えた錠剤充填装置において、
前記錠剤供給部を、種類の異なる錠剤毎に収容する複数のフィーダ容器と、該フィーダ容器から排出された錠剤を一旦貯留する案内通路と、該案内通路の錠剤を前記錠剤充填部まで搬送する錠剤搬送手段とを備えた構成とする一方、
前記錠剤充填部で錠剤を充填された各錠剤容器を保管する複数の収容室を備えた保管棚と、
異常停止後、錠剤搬送手段により前記各案内通路や錠剤搬送手段に残留する錠剤を錠剤充填部に搬送し、錠剤容器に回収した後、該錠剤容器を前記保管棚の収容室に移送させる復帰処理を行う制御手段とを設けたことを特徴とする錠剤充填装置。
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