JPH1095081A - 導電性積層フィルム - Google Patents

導電性積層フィルム

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JPH1095081A
JPH1095081A JP25181796A JP25181796A JPH1095081A JP H1095081 A JPH1095081 A JP H1095081A JP 25181796 A JP25181796 A JP 25181796A JP 25181796 A JP25181796 A JP 25181796A JP H1095081 A JPH1095081 A JP H1095081A
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JP
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acid
water
film
weight
conductive
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JP25181796A
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English (en)
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Chikao Morishige
地加男 森重
Juji Konagaya
重次 小長谷
Kazuhiro Abe
和洋 阿部
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本来のポリアミドフィルムの優れた点を生か
しつつ、その欠点である静電気障害を克服するのに充分
な帯電防止性を与えることを目的とする。 【構成】 ポリアミドフィルムの少なくとも片面に、ア
ルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を主成分とす
るスルホン化ポリアニリン100重量部、スルホン酸基
及び/またはそのアルカリ金属塩基の結合した水溶性ま
たは水分散性共重合ポリエステルを10〜2000重量
部、非イオン系界面活性剤を0.001〜1000重量
部を含んでなる導電層が積層されたことを特徴とする導
電性積層ポ01〜1000重量部を含んでなる導電層が
積層され、突き刺し強度が0.8Kgf以上であること
を特徴とする、耐ピンホールがすぐれた導電性積層フィ
ルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐ピンホール性が
優れた、かつ低湿度下でも帯電防止性および導電性の優
れたフィルムに関するものであり、具体的にはシールド
材、LCDの導電層等の工業用フィルム;キャリアテー
プ、トレー、マガジン、IC・LSIパッケージ等の包
装及び一般食品包装、粉体状、粒状、鱗片状物用包装フ
ィルムが挙げられる。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリアミドフィルムは、機械
的特性、光学特性、熱的特性、ガスバリアー性、強靱
性、耐ピンホール性、耐屈曲性等に優れるため、ポリエ
ステルフィルムやポリプロピレン等とは違った用途で、
包装用、工業用フィルムとして、多量かつ広い範囲に使
われている。しかし、一般にポリアミドフィルムは静電
気が発生しやすく、ほこり等が表面に付着したり、製袋
時に内容物が内面に付着し完全に取り出せない等、様々
なトラブルを引き起こしている。一般的にはフィルム、
包装材料等の帯電防止剤として界面活性剤が用いられる
が、界面活性剤では塵、ほこり等の付着を抑制するのに
充分な表面抵抗(1010Ω/□以下)が得られないのみ
ならず、帯電防止能が周囲の湿気や水分の影響を受け変
化しやすい。特に界面活性剤により低下したフィルムの
表面抵抗が、低湿度下では大幅に増大して所望の帯電防
止能が得られなくなる欠点がある。またこれらイオン伝
導タイプの帯電防止剤はポリアミドフィルムとの親和性
が高いために、十分な帯電防止効果が発現しない現象が
あった。その結果、フィルム、包装材料表面へのほこり
の付着が起こり、様々なトラブルの原因となる。よりハ
イテク化した今日、低湿度環境下で静電気障害のないフ
ィルムが求められつつあり、そのためには低湿度下で1
10Ω/□以下の表面抵抗値を与える帯電防止剤の出現
が望まれている。このような低表面抵抗値を与える素材
として、ポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子
が知られているが、いずれも、特定の有機溶剤には可溶
であるが、水や水/アルコール混合溶媒系には不溶また
は分散不可であったため、芳香環にスルホン酸基を結合
させる方法等が行われ、かつ単独では充分な膜特性が出
ないため、水溶性または水分散性樹脂を混合する方法が
行われてきた。しかしスルホン化したポリアニリンとの
相溶性の良い樹脂を用いた場合は所定の表面抵抗値が出
ず、反対に所定の表面抵抗値が出る場合は、表面が白濁
してフィルム本来の透明性を損なうという問題が生じて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に着目して鋭意研究の結果なされたものであり、その
目的は、本来のポリアミドフィルムの優れた点を生か
し、耐ピンホール性を備え、低湿度下でも静電気障害を
克服するに充分な帯電防止能を持ち、かつ透明性を失わ
ない安価な導電性積層フィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリアミドフ
ィルムの少なくとも片面に、アルコキシ基置換アミノベ
ンゼンスルホン酸を主成分とするスルホン化ポリアニリ
ン100重量部、スルホン酸基及び/またはそのアルカ
リ金属塩基を含有する水溶性または水分散性共重合ポリ
エステルを10〜2000重量部ならびに非イオン系界
面活性剤を0.001〜1000重量部を含んでなる導
電層が積層され、突き刺し強度が0.8Kgf以上であ
ることを特徴とする、耐ピンホールがすぐれた導電性積
層フィルムに関するものである。
【0005】以下、本発明で基材フィルムを構成するポ
リアミド系樹脂について、その構成を詳細に説明する。
まず本発明で基材フィルムを構成するポリアミド系樹脂
は、ポリアミドを主たる構成成分とするであり、ポリア
ミドとしては、例えば3員環以上のラクタム類の重縮合
によって得られるポリアミド、ω−アミノ酸の重縮合に
よって得られるポリアミド、二塩基酸とジアミンとの重
縮合によって得られるポリアミドなどが挙げられる。こ
こで用いられる3員環以上のラクタム類の具体例として
は、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ラウリル
ラクタム、等が挙げられる。ω−アミノ酸の具体例とし
ては、6−アミノカプロン酸、7−アモノヘプタン酸、
9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカ酸等が挙げ
られる。二塩基酸の具体例としては、アジピン酸、グル
タル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカジオン酸、ヘキサ
デカジオン酸、エイコサンジオン酸、エイコジエンジオ
ン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
キシリレンジカルビン酸等が挙げられる。ジアミン類の
具体例としては、エチレンジアミン、トリメチレンジア
ミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、2,2,4,(または2,4,4,)−トリメチル
ヘキサメチレンジアミン、、シクロヘキサンジアミン、
ビス−(4,4’−アミノシクロヘキシル)メタン、メ
タキシリレンジアミン等が挙げられる。
【0006】またこれらを重縮合して得られる重合体ま
たはそれらの共重合体としては、ナイロン6、ナイロン
7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナ
イロン6,9、ナイロン6,11、ナイロン6,12、
ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロンMXD6、ナイ
ロン6/6,6、ナイロン6/12、ナイロン6/6
T、ナイロン6/6I、ナイロン6/MXD6などが例
示される。
【0007】基材フィルムは上記ポリアミド系樹脂を主
成分とするもので、その目的、性能を損なわない限り、
公知の添加剤、例えば酸化防止剤、耐候性改善剤、ゲル
化防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、顔料、帯電防止
剤、界面活性剤などを含むものであっても構わない。
【0008】該ポリアミド系樹脂を主成分とする基材フ
ィルムは、例えばTダイ法やインフレーション法など、
公知の方法によってフィルム状に成形することができ
る。このフィルムは炭層構造であってもよく、あるいは
共押出法等によって多層構造としたものでも構わない
が、突刺し強度を0.8Kgfにするためには延伸倍率
をタテ、ヨコ共に3倍以上、熱固定を200℃以上で行
う必要がある。
【0009】本発明におけるスルホン化ポリアニリンと
しては、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を
主成分とするアニリン系共重合体スルホン化物が本発明
の導電性組成物の基本素材に好適であり、特にアミノア
ニソールスルホン酸が好適である。さらに、本発明の導
電性組成物の塗布性、延展性、塗布体の硬度の向上の点
において、5−スルホイソフタル酸単位を4モル%以上
10モル%以下含む該共重合ポリエステルの併用はさら
に好適である。ここで、アミノアニソールスルホン酸類
の具体例として、2−アミノアニソール−3−スルホン
酸、2−アミノアニソール−4−スルホン酸、2−アミ
ノアニソール−5−スルホン酸、2−アミノアニソール
−6−スルホン酸、3−アミノアニソール−2−スルホ
ン酸、3−アミノアニソール−4−スルホン酸、3−ア
ミノアニソール−5−スルホン酸、3−アミノアニソー
ル−6−スルホン酸、4ーアミノアニソール−2−スル
ホン酸、4−アミノアニソール−3−スルホン酸等を挙
げることができる。アニソールのメトキシ基がエトキシ
基、iso−プロポキシ基等のアルコシキ基に置換され
た化合物を用いることも可能である。しかし、2−アミ
ノアニソール−3−スルホン酸2−アミノアニソール−
4−スルホン酸、2−アミノアニソール−5−スルホン
酸、2−アミノアニソールー6−スルホン酸、3−アミ
ノアニソール−2−スルホン酸、3−アミノアニソール
−4−スルホン酸、3−アミノアニソール−6−スルホ
ン酸が好ましく用いられる。アミノアニソールスルホン
酸を主成分とするスルホン化ポリアニリン共重合体が本
発明の積層フィルムの1成分に用いられる。前述したよ
うに、本発明に用いられるスルホン化ポリアニリン共重
合体は、スルホン酸基が芳香環に対して70%以上、好
ましくは80%以上、さらに好ましくは100%であ
る。また、スルホン酸基を含む芳香環と含まない芳香環
が混在したり、交互に並んだりしても、本発明の目的に
は問題はない。該スルホン化ポリアニリン共重合体のス
ルホン酸基含有率が70%未満であると該共重合体の
水、アルコールまたはそれらの混合溶媒系等への溶解性
または分散性が不充分になり、結果として基体への塗布
性及び延展性が悪くなり、得られる塗布膜の導電性が著
しく低下する傾向になる。本発明に用いられるスルホン
化ポリアニリン共重合体の数平均分子量は300〜50
0000で1000以上が前記溶媒への溶解性及び塗布
膜の強度の点で好ましい。該スルホン化ポリアニリン共
重合体の使用割合は溶剤100重量部に対して0.01
−10重量部であり、好ましくは0.1−2重量部であ
る。該スルホン化ポリアニリン共重合体の使用割合が
0.01重量部未満では、溶液の長期保存性が悪くな
り、表面のコート層にピンホールが発生しやすくなりコ
ート面の導電性が著しく劣る。また、使用割合が10重
量部を越えると該共重合体の水又は水/有機溶媒系への
溶解性、分散性及びコート層の塗布性が悪くなる傾向が
あり、好ましくない。前記溶媒は、ポリエステルフィル
ム等の基体を溶解または膨潤させないならば、いかなる
有機溶媒も使用可能であるが、水または水/アルコール
等の有機溶媒との混合溶媒を用いる方が、使用環境面で
好ましいのみならず、支持体への塗布性及び導電性が向
上する場合もある。有機溶媒はメタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ等のセロソルブ類、メチルプロピレングリコ
ール、エチルプロピレングリコールなどのプロピレング
リコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミドなどのアミド類、N−メチルピロリドン、N−エチ
ルピロリドンなどのピロリドン類などが好ましく用いら
れる。これらは、水と任意の割合で混合して用いられ
る。この例として、具体的には、水/メタノール、水/
エタノール、水/プロパノール、水/イソプロパノー
ル、水/メチルプロピレングリコール、水/エチルプロ
ピレングリコールなどを挙げることができる。用いられ
る割合は水/有機溶媒=1/10〜10/1が好まし
い。
【0010】本発明で用いられるスルホン酸基およびそ
のアルカリ金属塩基からなる群より選択される少なくと
も1種の基が結合した共重合ポリエステル(以下、スル
ホン酸基含有共重合ポリエステルという)とは、ジカル
ボン酸成分および/またはグリコール成分の一部にスル
ホン酸基およびそのアルカリ金属塩基からなる群より選
択される少なくとも1種の基が結合したポリエステルを
いい、中でも、スルホン酸基およびそのアルカリ金属塩
基からなる群より選択される少なくとも1種の基を含有
した芳香族ジカルボン酸成分を全酸成分に対して4〜1
0モル%の割合で用いて調整した共重合ポリエステル
が、本発明の導電性積層フィルムの表面硬度が高いとい
う点で好ましい。このようなジカルボン酸の例として
は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が好適である。
【0011】他のジカルボン酸成分としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、p−β−オキシエトキ
シ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,
4’−ジカルボキシジフェニル、4,4’−ジカルボキ
シベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エ
タン、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサン−1,
4−ジカルボン酸などが挙げられる。本発明の導電性積
層フィルムの表面硬度の向上の点から、テレフタル酸お
よびイソフタル酸が好ましい。
【0012】共重合ポリエステルを調整するためのグリ
コール成分としては、エチレングリコールが主として用
いられ、この他に、プロピレングリコール、ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ールなどが用いられ得る。中でも、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサ
ンジメタノールなどを共重合成分として用いると、スル
ホン化ポリアニリンとの相溶性が向上するという点で好
ましい。
【0013】この他、共重合成分として、少量のアミド
結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合
などを含有するジカルボン酸成分、グリコール成分を含
んでも良い。さらに得られる本発明の導電層を基材に塗
布して得られる塗膜の表面硬度を向上させるために、ト
リメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、無水ト
リメリット酸、無水ピロメリット酸などの多カルボキシ
基含有モノマーを5モル%以下の割合で上記ポリエステ
ルの共重合成分として用いることも可能である。5モル
%を越える場合には、得られるスルホン酸基含有共重合
ポリエステルが熱的に不安定となり、ゲル化しやすく、
本発明の導電層の成分として好ましくない。
【0014】上記スルホン酸基含有共重合ポリエステル
は、例えば、上記ジカルボン酸成分、上記グリコール成
分、および必要に応じて、上記多カルボキシル基含有モ
ノマーを用いて、常法により、エステル交換反応、重縮
合反応などを行うことにより得られる。得られたスルホ
ン酸基含有共重合ポリエステルは、例えば、n−ブチル
セロソルブのような溶媒とともに加熱撹はんされ、さら
に撹はんしながら徐々に水を加えることにより、水溶液
または水分散液とされて用いられ得る。
【0015】上記スルホン酸基含有共重合ポリエステル
の含有割合は、得られる導電性積層フィルムの導電性お
よび機械的特性から、スルホン化ポリアニリン100重
量部に対して50〜2000重量部が好ましく、さらに
好ましくは100〜1500重量部、最も好ましくは2
00〜1000重量部である。
【0016】本発明の導電層は、通常溶剤に溶解または
分散させて、所望の基体表面に塗布される。ここで用い
られる溶剤は、基材のポリアミドフィルムを溶解させな
いならば、いかなる有機溶媒も使用可能である。水、ま
たは水と有機溶媒との混合溶媒を用いることにより、使
用環境面で好ましいだけでなく、得られる本発明の導電
性積層フィルムの帯電防止性が向上する場合もある。
【0017】上記有機溶媒しては、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、などのアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチル
セロソルブなどのセロソルブ類、メチルプロピレングリ
コール、エチルプロピレングリコールなどのプロピレン
グリコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミドなどのアミド類、N−メチルピロリドン、N−エ
チルピロリドンなどのピロリドン類などが好ましく用い
られる。これらの有機溶媒は、水と任意の割合で混合し
て用いられ得る。混合の例としては、水/メタノール、
水/エタノール、水/プロパノール、水/イソプロパノ
ール、水/メチルプロピレングリコール、水/エチルプ
ロピレングリコールなどが挙げられる。その混合割合
は、水/有機溶媒=1/10〜10/1が好ましい。
【0018】溶剤の使用割合は特に制限されないが、通
常スルホン化ポリアニリン100重量部に対して、10
00〜20000重量部である。溶剤の使用量が極端に
多い場合は、得られる本発明の導電性積層フィルムの塗
布性が悪くなる恐れがある。従って、導電層にピンホー
ルが発生しやすくなり、この導電性積層フィルムの導電
性が著しく低下、すなわち帯電防止性が低下する恐れが
ある。溶剤の使用量が極端に少ない場合は、このスルホ
ン化ポリアニリンの上記溶剤への溶解性または分散性が
不十分となり、得られる導電層の表面が平坦になりにく
くなる恐れがある。
【0019】本発明の導電層は、上記成分のみでも、塗
布性および延展性が優れており、得られる導電層の表面
硬度も良好であるが、上記溶剤に可溶な界面活性剤及び
/または高分子化合物をさらに併用しても構わない。
【0020】上記界面活性剤としては、例えば、ポリオ
キシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤及びフルオ
ロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン
酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフ
ルオロアルキル4級アンモニウム、パーフルオロアルキ
ルポリオキシエチレンエタノールなどのフッ素系界面活
性剤が用いられる。
【0021】本発明に用いられる界面活性剤の量は、ス
ルホン化ポリアニリン100重量部に対して、0.00
1重量部以上10重量部以下である。
【0022】上記界面活性剤が10重量部を越えると非
コート面にコート層中の界面活性剤が裏移りして、2次
加工等で問題を生じてしまう。
【0023】本発明の導電性積層ポリアミドフィルムの
導電層に含有され得る高分子化合物としては、例えば、
ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどの水溶
性樹脂、水酸基またはカルボン酸基を含んだ水溶性また
は水分散性共重合ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリ
メタクリル酸などのアクリル酸樹脂、ポリアクリル酸エ
ステルポリメタクリル酸エステルなどのアクリル酸エス
テル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、などのエステル樹脂、ポリスチレン、
ポリ−α−メチルスチレン、ポリクロロメチルスチレ
ン、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルフェノールな
どのスチレン樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリビ
ニルエチルエーテルなどのビニルエーテル樹脂、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブ
チラールなどのポリビニルアルコール類、ノボラック、
レゾールなどのフェノール樹脂などが用いられ得る。中
でも上記スルホン化ポリアニリンとの相溶性の点から、
およびポリエステルなどからなる基材との接着性の点か
ら水酸基またはカルボン酸基を含んだ水溶性または水分
散性共重合ポリエステルおよびポリビニルアルコール類
が好ましい。
【0024】上記高分子化合物量は、好ましくは、スル
ホン化ポリアニリン100重量部に対して、0〜100
0重量部、さらに好ましくは、0〜500重量部であ
る。高分子化合物の量が1000重量部以上では、スル
ホン化ポリアニリンの導電性が現れず、本来の帯電防止
機能が発揮されない。
【0025】本発明の導電性積層ポリアミドフィルムの
導電層には、上記の他に、種々の添加剤が含まれ得る。
このような添加剤としては、TiO2 、SiO2 、カオ
リン、CaCO3 、Al2 3 、BaSO4 、ZnO、
タルク、マイカ、複合粒子などの無機粒子;ポリスチレ
ン、ポリアクリレート、またはそれらの架橋体で構成さ
れる有機粒子などが挙げられる。導電性のさらなる向上
を目的として、SnO 2 、(酸化スズ)、ZnO(酸化
亜鉛)の粉末、それらを被覆した無機粒子(TiO2
BaSO4 など)、カーボンブラック、黒鉛、カーボン
繊維などのカーボン系導電性フィラーなどを添加するこ
とも可能である。上記添加剤の含有量は、スルホン化ポ
リアニリン100重量部に対して、4000重量部以下
の割合であることが好ましい。4000を越える場合に
は、導電層の粘度アップにより塗布ムラの原因となるお
それがある。
【0026】ポリアミドフィルム表面に導電層を積層す
る方法としては、グラビアロールコーティング法、リバ
ースロールコーティング法、ナイフコータ法、ディップ
コート法、スピンコート法などがあるが、導電性組成物
に適したコート法は特に制限はない。フィルムへの塗布
を製膜工程内で同時に行うインラインコート法と製膜ロ
ール製造後独立して行うオフラインコート法があるが、
用途に応じて好ましい方法を選ぶことが可能で、特に制
限はない。本発明で用いるスルホン化ポリアニリンは2
50℃以上の高温では不安定であるが、200℃で約3
分間も熱安定性が良好であるので、共存する高分子化合
物及び添加剤の種類にもよるが、通常短時間の200℃
加熱ならば導電性に悪影響を与えない。むしろ、導電性
の向上の点では、200℃付近で30秒以内加熱するこ
とが好ましい。
【0027】
【作用及び効果】本発明の導電性積層ポリアミドフィル
ムを、工業用、包装用フィルムとして用いると、強い表
面強度、透明性を維持しつつ、低湿度下でも帯電防止性
を与えることができる。
【0028】
【実施例】次に本発明の実施例及び比較例を示すが、本
発明はこれに限定されない。また本発明に用いる評価法
を以下に示す。
【0029】1)導電層の白化の有無 導電層表面にブロムライトで光を照射し、白化の有無を
以下のように評価した。 ・導電層表面に白化部が全く無い。 :○ ・導電層表面の一部が白化している。:×
【0030】2)表面抵抗値 タケダ理研社製表面抵抗測定器で印加電圧500V、2
5℃、15%RHの条件下で測定した。
【0031】3)導電層のポリアミドフィルムへの密着
性の評価 導電層表面からセロテープを剥し、導電層がポリアミド
フィルムから剥離するかどうかで以下のように評価し
た。 ・導電層が剥離せず、セロテープに全く付着しない。:○ ・導電層が僅かに剥離し、セロテープに付着する。 :△ ・導電層が完全に剥離し、セロテープに付着する。 :×
【0032】4)突き刺し強度 23℃、65%RHの条件下においてで、ポンチ径1.
6mmφ、速度100mm/minで突き刺し強度を評
価した。
【0033】(合成例1)スルホン酸基含有ポリエステ
ル及び水分散液の調整 まずスルホン酸基含有ポリエステルを次の方法により合
成、さらにその分散液を調整した。ジカルボン酸成分と
してジメチルテレフタレート50モル%、ジメチルイソ
フタレート43モル%及び5−スルホイソフタル酸ナト
リウム7モル%を使用し、グリコール成分としてエチレ
ングリコール60モル%及びネオペンチルグリコール4
0モル%を用いて、常法によりエステル交換反応及び重
縮合反応を行った。得られたスルホン酸基含有ポリエス
テルのガラス転移温度は69℃であった。このスルホン
酸基含有ポリエステル300部とn−ブチルセロソルブ
150部とを加熱撹はんして、粘ちょうな溶液とし、さ
らに撹はんしつつ水550部を徐々に加えて、固形分3
0重量%の均一な淡白色の水分散液を得た。この分散液
をさらに水とイソプロパノールの等量混合液中に加え、
固形分が8重量%のスルホン酸基含有ポリエステル水分
散液を調整した。
【0034】(合成例2)スルホン酸基含有ポリアニリ
ン塗布液の調整 2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmol
を23℃で4モル/リットルのアンモニア水溶液に撹は
ん溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmo
lの水溶液を滴下した。滴下終了後23℃で10時間さ
らに撹はんした後、反応生成物を濾別洗浄、乾燥し、粉
末状の共重合体を13gを得た。この共重合体の体積固
有抵抗値は12.3Ωcmであった。上記重合体3重量
部を0.3モル/リットルの硫酸水溶液100重量部に
室温で撹はん溶解し導電性組成物を調整した。この時の
スルホン化ポリアニリンのスルホン酸基の含有量は10
0%であった。上記スルホン化ポリアニリン2.0重量
部を、水70重量部及びイソプロパノール30重量部に
溶解した。この液を合成例1で示した分散液と混合した
液を、ポリアミドフィルムの片面に塗布した。この塗布
液は濃黄色で外観上は不溶物が全く見られなかった。
【0035】(ポリアミドフィルムの作製)平均粒径2
μmの不定形シリカ粒子4000ppmを含むナイロン
6をTダイから溶融押し出しし、30℃の冷却ロールで
冷却して、厚さ約150μmの未延伸ポリアミドフィル
ムを得た。この未延伸フィルムを、50℃で縦方向に
3.5倍延伸し、次いで125℃で横方向に3.5倍に
延伸し、215℃で熱固定を行い、片面にコロナ処理
し、厚み15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム得た。
【0036】(積層フィルムの作製)得られた厚さ約1
5μmのポリアミドフィルムのコロナ処理面上に固形分
濃度1%の塗布液を厚さ約10μmで塗布し、本発明の
導電性積層ポリアミドフィルムを作製した。
【0037】(実施例1)塗布液をスルホン化ポリアニ
リンとスルホン酸基含有ポリエステルの固形分比が30
/70、さらに、界面活性剤エマルゲン810(花王
製)をスルホン化ポリアニリンとの比が6/100にな
るように添加した。
【0038】(実施例2)合成例1でジメチルテレフタ
レートを50モル%、ジメチルイソフタレートを45モ
ル%及び5−スルホイソフタル酸ナトリウムを5モル%
にし、かつ合成例2で硫酸水溶液の濃度を0.25モル
/リットルにする以外は実施例1と同様に行った。
【0039】(実施例3)スルホン化ポリアニリンとス
ルホン酸基含有ポリエステルの固形分比を20/80に
し、かつ界面活性剤の添加比を30/100にする以外
は実施例1と同様に行った。
【0040】(実施例4)合成例1でジメチルテレフタ
レートを48モル%、ジメチルイソフタレートを48モ
ル%及び5−スルホイソフタル酸ナトリウムを4%に、
合成例2で硫酸水溶液の濃度を0.2モル/リットルに
し、かつスルホン化ポチアニリンとスルホン酸基含有ポ
リエステルの固形分比を10/90にし、さらに界面活
性剤の添加比を50/100にする以外は実施例1と同
様に行った。
【0041】(比較例1)合成例1でジメチルテレフタ
レートを49モル%、ジメチルイソフタレートを49モ
ル%及び5−スルホイソフタル酸ナトリウムを2%に、
かつ界面活性剤の添加比を50/100にする以外は実
施例1と同様に行った。
【0042】(比較例2)合成例2で硫酸水溶液中での
撹はんを行わない以外は実施例1と同様に行った。
【0043】(比較例3)合成例2で硫酸水溶液の濃度
を0.18モル/リットルにし、かつ界面活性剤の添加
比を600/10にする以外は実施例1と同様に行っ
た。
【0044】(比較例4)スルホン化ポリアニリンとス
ルホン酸基含有ポリエステルの固形分比を100/0に
する以外は実施例1と同様に行った。
【0045】(比較例5)実施例1で塗布する基材をポ
リエステルフィルム15μmに変えた以外は同様に行っ
た。
【0046】以上の結果を表1に示した。表1に示す様
に、実施例の何れも、白化性、表面抵抗値、密着性、耐
ピンホール性が優れていた。一方、比較例1、2は白化
部があり、透明性が損なわれていた。比較例3は界面活
性剤の添加量が多いため若干白化が生じた。さらに比較
例4はスルホン化ポリアニリンのみで、スルホン酸基含
有ポリエステルを含まないため、密着性が不十分、比較
例5は耐ピンホール性が不十分であった。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明かな様に、本発明の導
電性積層フィルムは、耐ピンホール性、透明性に優れ、
かつ低湿度下でも優れた帯電防止性を発揮する。本発明
の導電性積層ポリアミドフィルムは、具体的にはシール
ド材、LCDの導電層等の工業用フィルム;キャリアテ
ープ、トレー、マガジン、IC・LSIパッケージ等の
包装及び一般食品包装、粉体状、粒状、鱗片状物用包装
フィルムなどに好適である。
【0048】
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドフィルムの少なくとも片面
    に、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を主成
    分とするスルホン化ポリアニリン100重量部、スルホ
    ン酸基及び/またはそのアルカリ金属塩基を含有する水
    溶性または水分散性共重合ポリエステルを10〜200
    0重量部ならびに非イオン系界面活性剤を0.001〜
    1000重量部を含む導電層が積層され、突き刺し強度
    が0.8Kgf以上であることを特徴とする導電性積層
    フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水溶性または水分散性共
    重合ポリエステルが5−スルホイソフタル酸単位を4〜
    10モル%含むことを特徴とする導電性積層フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のアルコキシ基置換アミノ
    ベンゼンスルホン酸がアミノアニソールスルホン酸であ
    ることを特徴とする導電性積層フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の非イオン系界面活性剤が
    フッ素系界面活性剤であることを特徴とする導電性積層
    フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の導電層の表面抵抗値が、
    25℃、15%RHで106 〜1012Ω/□であること
    を特徴とする導電性積層フィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005042024A (ja) * 2003-07-23 2005-02-17 Jsr Corp 放射線硬化性樹脂組成物、その硬化膜及び積層体
KR100744876B1 (ko) 1998-06-22 2007-08-01 도요 보세키 가부시키가이샤 고대전방지성 적층체
JP2009262424A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Toppan Printing Co Ltd 包装用フィルムおよび包装体

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KR100744876B1 (ko) 1998-06-22 2007-08-01 도요 보세키 가부시키가이샤 고대전방지성 적층체
JP2005042024A (ja) * 2003-07-23 2005-02-17 Jsr Corp 放射線硬化性樹脂組成物、その硬化膜及び積層体
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