JP4279464B2 - ヘヤーアレンジメント装置およびかかる装置を備えたヘヤートング - Google Patents

Description

【０００１】
技術分野
本発明は、そうすることによりその頭髪の他の視覚上の特徴を変化させることなく、特にストレート、またはウエイビーヘヤーにおいて髪のボリュームを出すための装置、およびかかる装置を備えたカーリングトング（ｃｕｒｌｉｎｇ ｔｏｎｇｓ）に関する。例えば、髪に既存の緩いウエーブは処理後にもそのまま目視できる。
【０００２】
従来の技術
頭髪を持ち上げて頭部まわりにあまり平らに髪を寝かさないようにするために、髪の根元にパーマをかけることは既知技術により可能である。この既知方法の問題は、パーマをかけた部分が広がって髪の不適当な場所に影響することである。更に、この方法は比較的煩瑣かつ高価な処理を必要とするので家庭で行なうのは困難である。
【０００３】
本発明に類似の装置は、クリンプトング（ｃｒｉｍｐｉｎｇ ｔｏｎｇ）またはクリンプアイロン（ｃｒｉｍｐｉｎｇ ｉｒｏｎ）の用語で既知である。しかしながら、これらの装置の特徴は完全に人目を引くような強いウエーブ状態に髪をカールすることである。これらの装置を使用した場合、髪は実際に大きなボリュームを出すが、それ以外の部分の髪の外観は維持されない。その頭髪は強力にカールすることになる。EP0224970号はかかる装置例を記載している。この装置は2つの溝または波形を有する加熱プレート、またはフラットな加熱プレート間に髪をしっかりと挟むことにより髪をカールするまたはストレートにするために使用することが意図されている。溝を有するプレートが使用される場合、髪はカールされて大きなボリュームを出すが、髪の天然ウエーブは失われる。
【０００４】
ＵＳ5,294,777号は髪に立ち上げとボリュームを付与する装置を記載している。髪の立ち上げとボリュームは、頭部近くの髪の一部を頭部に対して直角に真っ直ぐになるように加熱プレート間にしっかりと挟むことにより付与される。しかし、この装置よってどの程度の期間この効果が持続されるかについては不明である。この装置は使用前にスタンドで加熱しなければならないグリップから成る。
【０００５】
ＤＥ−Ａ１３６０６７１８号はパーマ液による処理時に髪をその間にしっかりと挟む２つのウエーブ形脚に関する。この処理によりカール形態のウエーブパターンが髪に形成される。ウエーブ形脚は、ウエーブパターンの振幅が頭部から髪の先端に向かう方向において大きくなるように頭部上に設置される。
概要
本発明は天然ウエーブを喪失させることなく、頭髪にボリュームを与えるための装置を提供することを課題とする。
【０００６】
本発明の他の課題は、低廉安価、使用が容易、かつ髪を濡らす次の時まで、例えば洗髪までその効果を維持する頭髪にボリュームを付与するための装置を提供する。
本発明の上記および他の課題は、頭髪に熱を放射するための表面を各々が有する第一および第二加熱可能脚要素を有し、それにより頭髪に形状を与える頭髪用装置によって達成され、前記加熱可能脚要素は前記表面を横切って振幅（ａ）が次第に小さくなる波形を有する。本発明の上記および他の課題は、ヒンジを介して相互に連結された第一および第二脚を有するカーリングトングによって達成され、前記カーリングトングは、第一加熱可能脚要素が前記第一脚上に設置され、かつ第二加熱可能脚要素が前記第二脚上に設置された装置を有する。
【０００７】
本発明は、このように、頭部に最も近い髪の一部を加熱した脚要素間に挟み、そのようにして髪を立ち上げることのできる充分なカールまたはウエーブをその部分の髪に付与することにより、髪にボリュームを与える装置、およびかかる装置を有するカーリングトングを提供する。その髪の外観は他に悪影響を及ぼさない。与えられたボリュームの効果は髪を濡らすまで持続し、かつ本発明の装置およびカーリングトングは美容師等の助けを借りることなく家庭で容易に使用できる。
【０００８】
以下に、本発明による実施形態を示す添付図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。
実施形態の詳細説明
図１はヒンジ４の軸５を中心に旋回するようにヒンジ４で連結された第一脚２および第二脚３を含む、本発明によるカーリングトング１の側面を示す。カーリングトング１は本発明による装置６を有する。この装置６は第一および第二加熱可能脚要素７，８を有する。第一脚要素７は第一脚８上に、かつ第二脚要素８は第二脚３上に設置されている。相互に対面する脚要素７，８の表面９，１０上には、更に詳細に後述する、波形１１，１２が付与されている。コネクタ１３は脚要素７，８を加熱する電流を供給するために設けられている。脚要素７，８の加熱はカーリングトング１を実際に使用する間、連続的に行われる。この加熱は好適にはサーモスタットにより制御される。カーリングトング１の脚要素７，８を一緒に持つときに波形１１，１２は相互に対してフィットする。脚２，３および脚要素７，８は、後述する適宜固定手段によって結合される２つの分離部から成ってよい。脚２，３および脚要素７，８は選択的に単一の同一片として設計できる。カーリングトング１は、カーリングトング１の脚２，３上に開放力を与えるバネ（図示せず）を有する。脚要素７，８および脚２，３は頭部の形状に従うように長手方向に湾曲していてよい。
【０００９】
図2は第二脚３に対面する側から見た第一脚２を示す。図2から理解されるように、波形１１はヒンジ４の軸５に実質的に平行の方向に延在し、ヒンジ４の軸５を中心に脚２，３は旋回する。図3は第二脚３から離れる側から見た第一脚２を示す。
図4は本発明の好適形態による図2のＡ−Ａ線に沿った断面図を示す。脚要素７は表面９を横切って次第に小さくなる振幅（ａ）をもって延在する波形１１を有する。各脚要素７，８は第一および第二端縁１４，１５を含む。波形１１は第一端縁１４で最大の振幅を有し、かつ第二端縁１５で実質的振幅を有しない。第一端縁１４と第二端縁１５との間の距離ｘは２０−８０ｍｍ、好適には３０−６０ｍｍの範囲である。最大振幅を有する波形１１の振幅（ａ）は１−１０ｍｍ、好適には２−７ｍｍの範囲である。２つの波の頂点１８間の距離、即ち、波長λは３−１５ｍｍ、好適には５−１０ｍｍの範囲である。波長λは脚要素７，８の表面９，１０に沿って変更可能である。
【００１０】
図4に示された形態によれば、脚要素７は第一および第二端縁１４，１５のそれぞれに沿って延在する溝２３を有する。カーリングトング１の脚２，３は脚要素７，８の溝２３へ延びるフランジ２４を有する。脚要素７，８は溝２３およびフランジ２４によって脚２，３上に固定される。脚２，３は好適には脚要素７，８の端縁１４，１５から突出する。そのために脚２，３の幅は距離ｘよりも大きい。これは、第一および第二端域２５，２６が脚２，３内に形成されることを意味する。脚２，３の第一端域２５は脚要素７，８の第一端縁１４に適合する。脚２，３は好適にはプラスチック等の断熱材により形成される。これはそれぞれの脚要素７，８の第一端縁１４が頭部近くに設置されるときに、それぞれの脚２，３の第一端域２５が、カーリングトング１により処理される人に高温形態において不快感を与えないことを意味する。脚２，３は、脚要素７，８を単純操縦により脚２，３から除去できるように設計できる。脚要素７，８はそのようにして異なる寸法の他の脚要素７，８と置換できる。
【００１１】
図4は発熱素子２７の脚要素７上への設置方法を示す。発熱素子２７は好適には第一および第二脚要素７，８の両方の上に設置される。発熱素子２７は電気を供給するレジスタとして設計できる。
本発明の好適形態による装置は頭部に最も近い髪の部分上に使用することが意図されている。脚要素７，８が加熱したときに、装置６を頭部に保持し、かつ頭髪の房を加熱した脚要素７，８間に共に挟む。頭髪の各房の最内部のみを処理するように脚要素７，８を頭部に最も近づける。波形１１，１２が最大の振幅（ａ）を有する脚要素７，８の部を頭部に最も近づける。換言すれば、第一端縁１４を頭部近くに設置しなければならない。髪が加熱した波形１１，１２の表面９，１０間で共にプレスされるときに、ウエーブパターンが頭部に最も近い髪に形成され、このパターンは装置６およびカーリングトング１が除去された後まで維持される。ウエーブパターンの振幅は髪房の長手に沿って先端へ向かって小さくなる。
【００１２】
この処理が頭髪全体に対して頭部に最も近い部分で繰り返される場合に、髪のウエーブまたはカールにより髪が立ち上がり、かつ処理前よりも大きなボリュームが髪に付与される。他の部分の髪の天然の外観は大きく影響されることはない、即ち、天然ウエーブ等は維持されている。第一脚要素７上の最大振幅を有する波形１１は、頭皮に最も近い髪が頭皮に対して傾斜しないように第二脚要素８の第一端縁１４に最も近い波形１１によって、脚要素７，８間に髪を誘導するように、設計され、かつ第二脚要素８の第一端縁１４に最も近い波形１１と共働する。
【００１３】
髪にボリュームを付与する上述の方法は実行が簡単であり、かつ本発明による装置６およびカーリングトング１を専門家の使用および家庭での使用に適したものにする。更に、その髪が濡れるまで、その効果は持続し、濡れた後のその手順の繰り返しは容易である。
図5は脚要素７，８が一緒に持つときの本発明による装置６の断面図を示す。図面から理解されるように、脚要素７，８の波形１１，１２は、脚要素７，８の表面９，１０が相互に対して隣接するときに、一方の脚要素７，８の波の頂点１８は他方の脚要素７，８の波の谷１９へ侵入するように、相互に対して実質的に補足し合う。脚要素７，８がカーリングトング１の脚２，３上に設置された場合、カーリングトング１の脚２，３が相互方向へ移動するときにギャップ２０が脚要素７，８間に形成されることが好ましい。少なくとも最大の振幅（ａ）を有する波形１１の部は、波の頂点１８と波の谷１９との間の領域で波の頂点１８にウエスト１７が形成されたような、内部へ湾曲した表面を有する。ウエスト１７は、脚要素７，８の表面９，１０間に遊びまたは間隙の形成を可能にする。この遊びまたは間隙は、髪が本装置により処理されるときに、髪を引っ張る力を小さくする。
【００１４】
図６は本発明の第二形態による装置６の斜視図を示す。第一形態とこの形態との相違は、加熱低下リップ１６が第二脚要素８の第一端縁１４上に形成されている点である。それぞれの脚要素の第一端縁１４は、加熱低下リップが頭部に当接するまたは頭部から短い距離になるように頭部近くに設置される。加熱低下リップ１６の温度は脚要素７，８の他の部と比較して低い。これはカーリングトング１により処理されている人を高温形態において不快にさせないことを意味する。
【００１５】
図７は本発明の第三形態による装置6’およびカーリングトング1’を示す。脚要素７’，８’の表面９’，１０’は、カーリングトング１’の脚2’，3’が一緒になるときに、最大振幅（ａ）を有する波形１１’，１２’が第一に相互に対して係合し、その後に波形１１’，１２’が相互に対して継続的に係合するように湾曲している。この形態によれば、カーリングトング１’の脚２’，３’は、脚要素７’，８’、または脚要素７’，８’と共に脚２’，３’による、脚２’，３’の長手範囲と実質的に同軸の長軸２１’，２２’を中心とする回転を可能にするヒンジにより相互に対して連結されている。
【００１６】
理解されるように、第一および第二形態に図示された脚要素７，７’；８，８’は、第一形態による実質的平面脚要素７，８がカーリングトング１，１’の脚２，２’；３，３’の一方上に設置でき、かつ第二形態による湾曲脚要素７’，８’がカーリングトング１，１’の他方の脚２，２’；３，３’上に設置できるように相互に対して組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第一形態によるカーリングトングを示す。
【図２】 図1によるカーリングトングの中心から見た脚を示す。
【図３】 カーリングトングの外側から見た図2の脚を示す。
【図４】 図２の脚のＡ−Ａ断面図を示す。
【図５】 本発明の第一形態による装置の図４に対応する断面図を示す。
【図６】 本発明の第二形態による脚要素の斜視図を示す。
【図７】 本発明による第三形態の装置およびカーリングトングを示す。

Claims (9)

1. 頭髪に熱を放射するための表面（９，９’；１０，１０’）を各々が有する第一および第二加熱可能脚要素（７，７’；８，８’）を有し、それにより頭髪に形状を与える頭髪用装置において、前記加熱可能脚要素（７，７’；８，８’）は前記表面（９，９’；１０，１０’）を横切って振幅（ａ）が小さくなる波形（１１，１１’；１２，１２’）を有し、前記加熱可能脚要素（７，７’；８，８’）の前記波形（１１，１１’；１２，１２’）は前記加熱可能脚要素（７，７’；８，８’）の前記表面（９，９’；１０，１０’）が相互に対して隣接するときに一方の前記加熱可能脚要素（７，７’；８，８’）の波の頂点（１８）が他方の前記加熱可能脚要素（７，７’；８，８’）の波の谷（１９）へ侵入するようにかつその逆も同様に行われるように相互に対して実質的に対応し、各前記加熱可能脚要素（７，７’；８，８’）は第一および第二端縁（１４，１５）を有し、かつ前記波形（１１，１１’；１２，１２’）は前記第一端縁（１４）に最大振幅（ａ）を有しかつ第二端縁（１５）に振幅（ａ）を持たず、前記加熱可能脚要素（７，７’；８，８’）の前記波形（１１，１１’；１２，１２’）は頭部の最も近くにウエーブパターンを形成し、前記ウエーブパターンの振幅は頭髪の長手に沿ってその先端に向う方向において小さくなっている、ことを特徴とする装置。
2. 前記第一および第二端縁（１４，１５）に加熱低下リップ（１６）が設けられていることを特徴とする、請求項１の装置。
3. 前記第一および第二端縁（１４，１５）間の距離（ｘ）は２０−８０ｍｍ、好適には３０−６０ｍｍの範囲にあることを特徴とする、請求項1の装置。
4. 少なくとも前記最大振幅（ａ）を有する波形（１１，１１’；１２，１２’）の部は、前記波の頂点（１８）にウエスト（17）が形成されていて、前記ウエスト（１７）が前記加熱可能脚要素（７，７’；８，８’）の表面（９，９’；１０，１０’）間における間隙または遊びの形成を可能にするための、内部に湾曲した表面を有することを特徴とする、請求項１から３のいずれか１の装置。
5. 前記最大振幅（ａ）を有する波形（１１，１１’；１２，１２’）の振幅（ａ）は１−１０ｍｍ、好適には２−７ｍｍの範囲にあることを特徴とする、請求項１から４のいずれか１の装置。
6. ２つの前記波の頂点（１８）間の距離（λ）は３−１５ｍｍ、好適には５−１０ｍｍの範囲にあることを特徴とする、請求項１から５のいずれか１の装置。
7. ヒンジ（４）を介して相互に連結された第一および第二脚（２，２’；３，３’）を有するカーリングトングにおいて、前記カーリングトング（１；１’）は請求項１による装置（６，６’）を有し、第一加熱可能脚要素（７，７’）は前記第一脚（２，２’）上に設置され、かつ第二加熱可能脚要素（８，８’）は前記第二脚（３，３’）上に設置されていることを特徴とするカーリングトング。
8. 前記波形（１１，１１’；１２，１２’）は前記ヒンジ（４）の軸（５）に実質的に平行の方向に延在し、前記第一および第二脚（２，２’；３，３’）は前記軸（５）を中心に旋回することを特徴とする、請求項７のカーリングトング。
9. 前記加熱可能脚要素（７’，８’）の表面（９’１０’）は、前記カーリングトング（１’）の前記第一および第二脚（２’，３’）が一緒になるときに、それぞれの前記加熱可能脚要素（７’，８’）の最大振幅（ａ）を有する波形（１１’，１２’）が第一に相互に対して係合し、その後に前記加熱可能脚要素（７’，８’）の残部の波形（１１’，１２’）が相互に対して継続的に係合するように湾曲していることを特徴とする、請求項７または８のカーリングトング。

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