JP4273679B2 - 分割逐次近接露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の大型のフラットパネルディスプレイに使用されるガラス等の材料の基板上にマスクのマスクパターンを分割逐次露光方式で近接(プロキシミティ)露光転写するのに好適な分割逐次近接露光装置及び露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近接露光は、表面に感光剤を塗布した透光性の基板(被露光材)を近接露光装置のワークステージ上に保持すると共に、該基板をマスクステージに保持されたマスクに接近させて両者のすき間を数10μm〜数100μmにし、次いで、マスクの基板から離間する側から照射装置によって基板上に露光用の光を照射することにより該基板上に該マスクに描かれたマスクパターンを露光転写するようにしたものである。
【0003】
ところで、最近では大型の液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の量産化への対応が要請されており、この場合、露光の高精度化及び高能率化が必要となる。
高能率化の一例としては、例えば、図8に示すように、一枚の基板Wで複数のディスプレイを作る、いわゆる多面取りという方法がある。この例では、1000mm×1200mmの基板Wで18インチディスプレイ用材DPを9面分作れるようにしている。
【0004】
また、同じ大きさの基板(1000mm×1200mm)Wで例えば15インチディスプレイ用材DPを12面分(長辺方向4×短辺方向3)作ることもでき、更には、17インチのディスプレイ用材DPを9面分、14インチのディスプレイ用材DPを12面分作ることもできる。
一方、マスク(例えば石英ガラス)の大きさには、マスクパターンの精度やコスト面等から限界があり、基板と同じ大きさにして一括で露光するようなマスクを作ることは現状では合理的とはいえない。
【0005】
このような事情から、従来においては、基板Wより小さいマスクを用い、該マスクを基板Wに近接して対向配置した状態で該基板Wをマスクに対してステップ移動させて各ステップ毎に基板Wに向けてパターン露光用の光を照射し、これにより、マスクに描かれた複数のマスクパターンを基板W上に露光転写して一枚の基板Wに複数のディスプレイ用材DPを作成する、分割逐次近接露光方式が提案されている(例えば特開2000−35676号公報及び特開平9−127702号公報参照)。
【0006】
この場合のマスクMとしては、1000mm×1200mmの基板Wとすると、図9(a)に示すように、基板Wの短手方向に3個のマスクパターンPが描かれたものや、図9(b)に示すように、基板Wの短手方向に3個描かれたマスクパターンPが基板Wの長手方向に二列(合計6個)配置されたものが考えられ、前者では基板Wのステップ回数(基板の長手方向)は3回(一回目の露光位置を1ステップとする。)となり、後者では2回となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の分割逐次近接露光装置においては、どのようなマスクの大きさを選択し、どのような露光条件とした場合に露光の高精度化と高スループット化を両立できるかについての開示はなく、更なる改良の余地があった。
本発明はこのような技術的課題に着目してなされたものであり、フラットパネルディスプレイの多面取り露光において、決められた大きさの基板に高精度且つ高スループットでステップ露光する分割逐次近接露光装置及び露光方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る分割逐次近接露光装置は、被露光材としての基板を保持するワークステージと、前記基板に対向配置されて該基板より小さいマスクを保持するマスクステージと、前記基板に対してパターン露光用の光を前記マスクを介して照射する照射手段と、該マスクのマスクパターンを前記基板上の複数の所定位置に対向させるように前記ワークステージと前記マスクステージとを相対的にステップ移動させるワークステージ送り機構と、前記マスクと前記基板との対向面間のすき間を調整するギャップ調整手段とを備え、前記ワークステージ送り機構のステップ回数を2回以上として各ステップ毎に前記マスクパターンを前記基板上に露光転写するようにした分割逐次近接露光装置において、
前記マスクの大きさ及び前記ステップ回数を、前記マスクの許容たわみ量、該マスクのパターン領域の大きさ及び最もタクト時間が短く且つ必要な露光精度が得られる露光照度とレジスト感度との関係に基づいて設定し、更に、前記照射手段が、該設定ステップ回数での露光条件に応じて露光用の光のステップ方向の照射領域を切替え可能な照射領域切替手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る分割逐次近接露光装置は、請求項1において、前記照射領域切替手段は、射出角の異なる複数種のオプチカルインテグレータと、各オプチカルインテグレータの中心を前記照射手段の光軸に対して選択的に位置決め配置する切替え機構とを備えたことを特徴とする。
請求項3に係る分割逐次近接露光方法は、被露光材としての基板より小さいマスクを該基板に近接して対向配置し、前記基板を前記マスクに対して相対的にステップ移動させて該マスクのマスクパターンを前記基板上の複数の所定位置に対向させると共に、ステップ回数を2回以上として各ステップ毎に基板に対してパターン露光用の光を前記マスクを介して照射して該マスクのマスクパターンを前記基板上に露光転写するようにした分割逐次近接露光方法において、
前記マスクの大きさ及び前記ステップ回数を、前記マスクの許容たわみ量、該マスクのパターン領域の大きさ及び最もタクト時間が短く且つ必要な露光精度が得られる露光照度とレジスト感度との関係に基づいて設定し、更に、該設定ステップ回数での露光条件に応じて露光用の光のステップ方向の照射領域を設定することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態である分割逐次近接露光装置を説明するための一部を分解した説明的斜視図、図2はマスクステージ部分の拡大斜視図、図3(a)は図2のIII − III線断面図、図3(b)は(a)のb矢視で示す平面図、図4はアライメントカメラと該アライメントカメラのピント調整機構の基本構造を示す側面図、図5はワーク側アライメントマークの照射光学系を説明するための説明図、図6はアライメント画像のフォーカス調整機構を示す構成図、図7はステップ露光を説明するための説明図、図8は18インチディスプレイ用材DPを9面取りした基板W(1000mm×1200mm)の平面図、図9は図8の基板に対向配置されるマスクを示す図であり、(a)は3ステップ露光の場合に用いるマスクの平面図、(b)は2ステップ露光の場合に用いるマスクの平面図、図10は15インチディスプレイ用材DPを12面取り(長辺方向4×短辺方向3)した基板W(1000mm×1200mm)に対向配置されるマスクを示す平面図、図11はマスクの横(短辺)寸法を一定にした場合の該マスクの縦(長辺)寸法と自重による最大たわみ量との関係を示すグラフ図、図12は図9(a),(b)の各マスクを用いた場合の光源照度とレジスト感度とステップ数とタクト時間との関係を示すグラフ図、図13は図10のマスクと図示しない4ステップ露光用マスクとを用いた場合の光源照度とレジスト感度とステップ数とタクト時間との関係を示すグラフ図、図14は照射領域切替手段による照射領域の切替え操作を説明するための図、図15は二種類のオプチカルインテグレータを示す図、図16は照射領域切替手段の切替え機構の一例を説明するための斜視図、図17は切替え機構の変形例を説明するための斜視図、図18〜図21は本発明の他の実施の形態である分割逐次近接露光装置を説明するための説明図である。
【0011】
まず、第1の実施の形態から説明すると、図1〜図7において符号1はマスクMを保持するマスクステージ、2はガラス基板(被露光材)Wを保持するワークステージ、3はパターン露光用の照射手段としての照明光学系、4はマスクステージ1及びワークステージ2を支持する装置ベースであり、ガラス基板W(以下、単に基板Wという。)は、マスクMに対向配置されて該マスクMに描かれたマスクパターンPを露光転写すべく表面(マスクMの対向面)に感光剤が塗布されている。
【0012】
説明の便宜上、照明光学系3から説明すると、照明光学系3は、紫外線照射用の光源である例えば高圧水銀ランプ31と、該高圧水銀ランプ31から照射された光を集光する凹面鏡32と、凹面鏡32の焦点近傍に切替え自在に配置された二種類のオプチカルインテグレータ33a,33bと、平面ミラー35,36及びこれらを経由して入射する光束を平行な光束として露光面に導く曲面ミラー37と、平面ミラー36とオプチカルインテグレータ33a,33bとの間に配置されて照射光路を開閉制御する露光制御用シャッター34とを備えている。
【0013】
露光時に露光制御用シャッター34を開制御されると、高圧水銀ランプ31から照射された光が、図1に示す光路Lを経て、マスクステージ1に保持されるマスクMひいてはワークステージ2に保持される基板W(図1では共に図示せず。)の表面に対して垂直にパターン露光用の平行光として照射され、これにより、マスクMのマスクパターンPが基板W上に露光転写されるようになっている。
【0014】
次に、マスクステージ1及びワークステージ2の順に説明する。
マスクステージ1はマスクステージベース11を備えており、該マスクステージベース11は装置ベース4から突設されたマスクステージ支持台12に支持されてワークステージの上方に配置されている。
マスクステージベース11は、図2に示すように、長方形状とされて中央部に開口111を有しており、該開口111にはマスク保持枠13がX,Y方向に移動可能に装着されている。
【0015】
図3(a)に示すように、マスク保持枠13はマスクステージベース11の開口111の内周との間に所定のすき間を介して挿入されており、その上端外周にフランジ131が設けられると共に、下端面にはフランジ132が外側に張出して固着されており、各フランジ131,132間でマスクステージベース11の肉厚を上下に挟むようにして前記すき間分だけX,Y方向に移動可能に取り付けられている。マスク保持枠13の下端面のフランジ132の内側に、マスクパターンPが描かれているマスクMが真空式吸着装置(図示せず。)を介して着脱自在に保持されるようになっている。かかる保持状態では、マスクMの下面はマスクステージベース11の下面より下に位置しているので、ワークステージ2をY軸方向に移動させる場合、該ワークステージ2のZ軸方向の退避を必要最小限とすることができる。
【0016】
また、マスクステージベース11の上面には、マスク保持枠13をX,Y平面内で移動させて該マスク保持枠13に保持されたマスクMの基板Wに対する位置を調整するマスク位置調整手段14が設けられており、該マスク位置調整手段14は、マスク保持枠13のY軸方向に沿う一辺に取り付けられたX軸方向駆動装置14xと、マスク保持枠13のX軸方向に沿う一辺に取り付けられた二台のY軸方向駆動装置14yとを備えている。
【0017】
X軸方向駆動装置14xは、X軸方向に伸縮するロッド141rを有する駆動用アクチュエータ(例えば電動アクチュエータ)141と、マスク保持枠13のY軸方向に沿う辺部に取り付けられたリニアガイド(直動軸受案内)143とを備えており、該リニアガイド143の案内レール143rはY軸方向に延びてマスク保持枠13に固定され、該案内レール143rに移動可能に取り付けられたスライダ143sはロッド141rの先端にピン支持機構142を介して連結されている。
【0018】
一方、Y軸方向駆動装置14yは、Y軸方向に伸縮するロッド141rを有する駆動用アクチュエータ(例えば電動アクチュエータ)141と、マスク保持枠13のX軸方向に沿う辺部に取り付けられたリニアガイド(直動軸受案内)143とを備えており、該リニアガイド143の案内レール143rはX軸方向に延びてマスク保持枠13に固定され、該案内レール143rに移動可能に取り付けられたスライダ143sはロッド141rの先端にピン支持機構142を介して連結されている。そして、X軸方向駆動装置14xによりマスク保持枠13のX軸方向の調整を、二台のY軸方向駆動装置14yによりマスク保持枠13のY軸方向及びθ軸方向(Z軸まわりの揺動)の調整を行う。
【0019】
マスク保持枠13のX軸方向に互いに対向する二辺の内側には、マスクMと基板Wとの対向面間のすき間を測定する手段としてのギャップセンサ15と、マスクMと基板Wとの平面ずれ量を検出する手段としてのアライメントカメラ16とが配設されており、ギャップセンサ15及びアライメントカメラ16は共に移動機構17を介してX軸方向に移動可能とされている。
【0020】
移動機構17は、マスク保持枠13のX軸方向に互いに対向する二辺の上面側にはそれぞれギャップセンサ15及びアライメントカメラ16を保持する保持架台171がY軸方向に延びて配置されており、該保持架台171の前記Y軸方向駆動装置14yから離間する側の端部はリニアガイド172によって支持されている。リニアガイド172は、マスクステージベース11上に設置されてX軸方向に沿って延びる案内レール172rと、該案内レール172r上を移動するスライダ(図示せず。)とを備えており、該スライダに保持架台171の前記端部が固定されている。
【0021】
そして、スライダをモータ及びボールねじからなる駆動用アクチュエータ173によって駆動することにより、、保持架台171を介してギャップセンサ15及びアライメントカメラ16がX軸方向に移動するようになっている。
なお、マスクステージベース11の開口111のY軸方向の両端部にはマスクMの両端部を必要に応じて遮蔽するマスキングアパーチャ(遮蔽板)18がマスクMより上方に位置して配置されており、このマスキングアパーチャ18はモータ,ボールねじ及びリニアガイドよりなるマスキングアパーチャ駆動装置181によりY軸方向に移動可能とされてマスクMの両端部の遮蔽面積を調整できるようになっている。
【0022】
ワークステージ2は、装置ベース4上に設置されており、マスクMと基板Wとの対向面間のすき間を所定量に調整するZ軸送り台(ギャップ調整手段)6と、該Z軸送り台6上に配設されてワークステージ2をY軸方向に移動させるワークステージ送り機構7とを備えている。
Z軸送り台6は、装置ベース4上に立設された上下粗動装置61によってZ軸方向に粗動可能に支持されたZ軸粗動ステージ62と、該Z軸粗動ステージ62の上に上下微動装置63を介して支持されたZ軸微動ステージ64とを備えている。上下粗動装置61には例えば空圧シリンダが用いられ、単純な上下動作を行うことによりZ軸粗動ステージ62を予め設定した位置までマスクMと基板Wとのすき間の計測を行うことなく昇降させる。
【0023】
一方、上下微動装置63は、モータとボールねじとくさびとを組み合わせてなる可動くさび機構を備えており、この実施の形態では、例えばZ軸粗動ステージ62の上面に設置したモータ631によってボールねじのねじ軸632を回転駆動させるようにすると共にボールねじナット633をくさび状に形成してそのくさび状ナット633の斜面をZ軸微動ステージ64の下面に突設したくさび641の斜面と係合させ、これにより、可動くさび機構を構成している。
【0024】
そして、ボールねじのねじ軸632を回転駆動させると、くさび状ナット633がY軸方向に水平微動し、この水平微動運動が両くさび633,641の斜面作用により高精度の上下微動運動に変換される。
この可動くさび機構からなる上下微動装置63は、Z軸微動ステージ64のY軸方向の一端側(図1の手前側)に2台、他端側に1台合計3台設置され、それぞれが独立に駆動制御されるようになっており、これにより、上下微動装置63は、マスクMと基板Wとのすき間を計測しつつ目標値までZ軸微動ステージ64の高さを微調整する機能に加えて、水平面に対する傾斜の微調整を行うチルト機能をも有するものになっている。
【0025】
ワークステージ送り機構7は、Z軸微動ステージ64の上面にX軸方向に互いに離間配置されてそれぞれY軸方向に沿って延設された二組のリニアガイド71と、該リニアガイド71のスライダ(図示せず。)に取り付けられたY軸送り台72と、Y軸送り台72をY軸方向に移動させるY軸送り駆動装置73とを備えており、Y軸送り駆動装置73のモータ731によって回転駆動されるボールねじ軸732に螺合されたボールねじナット(図示せず。)にY軸送り台72が連結されている。
【0026】
そして、このY軸送り台72の上には、ワークステージ2が取り付けられ、また、該ワークステージ2のY軸送り誤差を検出する送り誤差検出手段74としてのレーザ干渉計743,744のミラー741,742が設置されている。ミラー741はY軸送り台72の幅方向の一側でY軸方向に沿って延びており、ミラー742はY軸送り台72のY軸方向の一端側にX軸方向に互いに離間して二か所配置されている。
【0027】
送り誤差検出手段74は、ミラー741に対向配置されて装置ベース4に支持された真直度検出用のレーザ干渉計743と、2個のミラー742にそれぞれ対向配置されて装置ベース4支持された2台の傾斜及びY軸方向距離検出用のレーザ干渉計744とを備えている。各レーザ干渉計743,744よりY軸送り台72ひいては第1の分割パターンの露光に続いて第2の分割パターンをつなぎ露光する際に基板Wを次のエリアに送る段階で発生するワークステージ2の送り誤差を検出してその検出信号を補正制御手段(図示せず。)に出力するようにしている。補正制御手段はこの検出信号に基づいてつなぎ露光のための位置決め補正量を算出して、その算出結果をマスク位置調整手段14(及び必要に応じて上下微動装置63)の駆動回路に出力し、これにより、該補正量に応じてマスク位置調整手段14等が駆動されて位置ずれが補正される。
【0028】
次に、ワークステージ2の送り誤差について説明すると、ワークステージ2をY軸方向に所定の距離だけ送る場合の送り誤差としては、送り位置(距離)の誤差以外に、真直度とワークステージ面の傾きとがある。
真直度とは、送り始点を通るY軸と実際の送り進行方向直線との間の送り終点におけるずれ量(X−Z平面内の)であり、X軸方向成分ΔXとZ軸方向成分ΔZとからなる。一方、ワークステージ面の傾きは、ワークステージ2の移動時のヨーイング(Z軸回りの回動),ピッチング(X軸回りの回動),ローリング(Y軸回りの回動)等により発生するものであり、ヨーイングではワークステージ面が水平のまま左右いずれかに首振りしてY軸に対し角度θだけずれ、ピッチングではワークステージ面が進行方向の前後に所定角度傾斜し、ローリングではワークステージ面が水平に対し左右に所定角度傾斜する。これらの誤差は、例えば直動軸受案内装置であるリニアガイドの精度等に起因して発生する。
【0029】
送り誤差のうち、ヨーイングと真直度のX軸方向成分ΔXとは、送り誤差検出手段74により知ることができる。すなわち、Y軸方向の二台のレーザ干渉計744,744の計測値の差からヨーイングを検出でき、その結果とX方向のレーザ干渉計743により真直度を求めることができる。また、Y軸方向位置の誤差は、Y軸方向の二台のレーザ干渉計744,744の平均値で求めることができる。その他、真直度のZ軸方向成分ΔZ,ピッチング,ローリングは三台のギャップセンサ15により知ることができる。
【0030】
ところで、分割逐次露光を行う場合には、仮にワークステージ2の送り誤差が全くないときでも、マスクMのマスクパターンPの向きがワークステージ2の送り方向(Y軸方向)とずれていると、つなぎ露光で基板W上に分割形成されたパターン同士の継ぎ目がずれて整合しない。また、上述したようにマスクMは真空式吸引装置を介してマスク保持枠13の下面に吸着保持させるのであるが、この吸着保持させる際にマスクMのマスクパターンPの向きとワークステージ送り機構7によるワークステージ2の移動方向(Y軸方向)とを精度よく合わせることは困難である。
【0031】
そこで、この実施の形態では、図7に示すように、ワークステージ2(実際にはワークステージ2上に設置されているワークチャック)の上面の少なくとも2か所に、例えば十字形状を有するワーク側アライメントマーク75をX軸方向に互いに離間して形成し、一方、マスクMの方にはワーク側アライメントマーク75に対応させたマスク側アライメントマーク76を形成している。
【0032】
そして、X軸方向駆動装置14x及びY軸方向駆動装置14yによってマスク保持枠13の位置を調整することにより、ワーク側アライメントマーク75とマスク側アライメントマーク76との中心同士が実質的にXY平面内で一致して整合するようにしている。
次に、一層目のつなぎ露光で分割形成されたパターン同士のアライメントの高精度化について述べる。
【0033】
この実施の形態では、Y軸方向をX軸方向のレ−ザ干渉計743用のミラー741の反射面に平行な方向としてY軸方向の真直度の基準をミラー741によって定めている。そして、ワーク側アライメントマーク75とマスク側アライメントマーク76とを整合させた状態のときに、マスクMのマスクパターンPの向きがY軸方向、換言すればミラー741の反射面に平行な方向に対し傾きがない状態となるように設定されている。このため、2ヵ所のマスク側アライメントマーク76の中心同士を結ぶ線と、Y軸方向と一致させるべき方向(マスクパターンPの向き:図7の矩形のパターンPの場合では短辺の方向)とがなす角度が、2ヵ所のワーク側アライメントマーク75の中心同士を結ぶ線と、ミラー741の反射面とのなす角度と等しくなるようにしている。
【0034】
また、この実施の形態では、X軸方向のレーザ干渉計743用のミラー741の反射面を、ワークステージ2上の二か所のワーク側アライメントマーク75の中心同士を結んだ線と厳密に直交するように設定し、二か所のマスク側アライメントマーク76の中心同士を結んだ線とマスクパターンPの向きとの関係も同様とした。そして、ワーク側アライメントマーク75を基準にしてマスクMとのアライメントを行い、一回目のステップ露光が行われる。
【0035】
なお、ワーク側アライメントマーク75とマスク側アライメントマーク76との整合については、アライメントマーク検出手段であるアライメントカメラ16によって高精度に且つ容易に行えるようにしている。
アライメントカメラ16は、図4に示すように、マスクステージ1の下面に保持されているマスクMの表面のマスクマーク76をマスク裏面側から光学的に検出するものであり、ピント調整機構161によりマスクMに対して接近離間移動してピント調整がなされるようになっている。
【0036】
ピント調整機構161はリニアガイド162,ボールねじ163,モータ164を備えており、リニアガイド162の案内レール162rはマスクステージ1の移動機構17の保持架台171に上下方向に延びて取り付けられ、該リニアガイド162のスライダ162sにアライメントカメラ161がテーブル162tを介して固定されている。そして、ボールねじ163のねじ軸に螺合されたナットをテーブル162tに連結すると共に、該ねじ軸をモータ164で回転駆動するようにしている。
【0037】
また、この実施の形態では、図5に示すように、ワークステージ2に設けてあるワークチャック8の下方には、光源781及びコンデンサーレンズ782を有してワーク側アライメントマーク75を下から投影する投影光学系78がアライメントカメラ16の光軸に合わせてZ軸微動ステージ64と一体に配設されている。なお、ワークステージ2、Y軸送り台72には投影光学系78の光路に対応する貫通孔が形成されている。
【0038】
さらに、この実施の形態では、図6に示すように、マスクMのマスク側アライメントマーク76を有する面(マスクマーク面Mm )位置を検出してアライメントカメラ16のピントずれを防止するアライメント画像のベストフォーカス調整機構9を設けている。
このベストフォーカス調整機構9は、アライメントカメラ16及びピント調整機構161に加えて、ピントずれ検出手段としてギャップセンサ15を利用しており、このギャップセンサ15で計測したマスク下面位置の計測値を、計算機92で予め設定したピント位置と比較して差を求め、その差から設定ピント位置からの相対ピント位置変化量を計算し、該計算変化量に応じてピント調整機構161のモータ164を制御してアライメントカメラ16を移動させ、これにより、アライメントカメラ16のピントを調整するようにしている。
【0039】
このベストフォーカス調整機構9を用いることにより、マスクMの板厚変化や板厚のばらつきとは無関係に、アライメント画像の高精度のフォーカス調整が可能となる。なお、ピント調整機構161、投影光学系78、ベストフォーカス調整機構9等は、1層目分割パターンのアライメントの高精度化に対応するものであるばかりでなく、2層目以降のアライメントの高精度化にも寄与するものであり、また、マスクMの厚さがわかっていれば、ベストフォーカス調整機構9を省略して厚さに応じてピント調整機構を動かすようにしても良い。
【0040】
ここで、この実施の形態では、マスクパターンPが描かれたマスクMの大きさ及びステップ露光する際の基板W(ワークステージ2)のステップ回数を次のようにして定めている。
まず、マスクMのたわみ量と得るべき露光精度からマスクMの大きさを決定する。
【0041】
即ち、マスクMの自重によるたわみの最大値δmaxが許容値以内となるようなマスクMのステップ方向寸法( Y軸方向寸法) を選択する。なお、マスクMの幅寸法(X軸方向寸法)は一定とする。また、たわみの最大値δmaxの計算はマスクステージ1へのマスクMの保持の仕方によって異なる(4辺拘束、4辺支持あるいはこれらの中間)が、この実施の形態では、マスクMを4辺拘束で吸着保持しているため、4辺拘束した場合の垂直等分布荷重を受ける長方形板のたわみの最大値δmaxの計算例を次式(1)に示す。
【0042】
δmax=α×P×a4 /(E×t3 ) …(1)
但し、
α: 最大たわみ係数(長方形の固定辺の縦横比できまる値で、マスクの縦横比が1.25の場合で、αは0.020であるが、この値は縦横比が多少変わっても殆ど変化しないのでα=0.020としてよい。)
P: 等分布荷重(=W/S)
W:重量(=V×ρ=a×b×t×ρ)
V: 体積
ρ: 材料密度(石英2.2g/cm 3)
a: ステップ方向寸法
b:幅寸法(x軸方向寸法)
t: 厚み
E: 縦弾性係数係数(石英7413kg/mm 2)
図11及び表1にマスクMの厚みtを8mmとした場合にステップ方向寸法aが500〜1200mm(100mm毎で8種類))までのマスクMのたわみ最大値δmaxの計算結果を示す。そして、たわみ最大値δmaxが許容値以下のステップ方向寸法aのマスクMを選択する。
【0043】
【表1】
【0044】
なお、この実施の形態では、基板Wとして、図8に示す1000mm×1200mmの基板Wで18インチディスプレイ用材DPを9面取りするものと、図示は省略するが図8と同じ大きさの基板Wで15インチディスプレイ用材DPを12面取り(ステップ方向4×幅方向3)するものを用いる。
図8に示す18インチディスプレイ用材DPを9面取りする基板Wに用いるマスクM及び該マスクMのパターン領域の大きさとしては、図9(a)に示すように、基板Wの幅方向に3個のマスクパターンP(18インチディスプレイ用材DPに対応する)が描かれた1100mm×700mm(ステップ方向寸法a)のものや、図9(b)に示すように、基板Wの幅方向に3個描かれたマスクパターンPが基板Wのステップ方向に二列(合計6個)配置された1100mm×900mm(ステップ方向寸法a)ものが考えられ、前者では基板Wのステップ回数は3回(一回目の露光位置を1ステップとする。)となり、後者では基板Wのステップ回数は2回となる。
【0045】
ここで、露光精度等の兼ね合いからたわみ最大値δmaxの許容値を60μmとすると、図11及び表1から、ステップ方向寸法aが900mmの図9(b)のマスクMは適用できず、ステップ方向寸法aが700mmの図9(a)のマスクMを選択することになる。
一方、15インチディスプレイ用材DPを12面取りする基板Wに用いるマスクM及び該マスクMのパターン領域の大きさとしては、図示は省略するが、基板Wの幅方向に3個のマスクパターンP(15インチディスプレイ用材DPに対応する)が描かれたのものや、図10に示すように、基板Wの幅方向に3個描かれたマスクパターンPが基板Wのステップ方向に二列(合計6個)配置された1100mm×700mm(ステップ方向寸法a)ものや、図示は省略するが、基板Wの幅方向に3個描かれたマスクパターンPが基板Wのステップ方向に三列(合計9個)配置されたものが考えられ、前者では基板Wのステップ回数は4回(1回目の露光位置を1ステップとする。)、後者の2つでは基板Wのステップ回数は2回となる。
【0046】
ここで、上記同様に露光精度等の兼ね合いからたわみ最大値δmaxの許容値を60μmとすると、図11及び表1から、ステップ方向寸法aが900mmを越える9個のマスクパターンPが描かれたマスクMは適用できず、ステップ回数が4回となるマスクMとステップ回数が2回となる図10のマスクの二種類を選択することになる。
【0047】
また、この実施の形態では、図10に示すように、基板Wの幅方向に3個描かれたマスクパターンPが基板Wのステップ方向に二列(合計6個)配置されたマスクMの寸法を1100mm×700mm(ステップ方向寸法a)とすることにより、18インチディスプレイ用材DPを9面取りする場合と15インチディスプレイ用材DPを12面取りする場合とで、基板W及びマスクMの大きさを同一にすることができる。
【0048】
次に、選択されたマスクMの大きさ及び基板Wのステップ回数について、最もタクトタイムが短くなり、且つ、必要な露光精度が得られる露光条件を露光照度とレジスト(基板に塗布された感光剤)感度との関係に基づいて選択する。
まず、タクトタイムの求め方について説明する。
基板ロード・ アンロード時間をA(sec/cycle)=const、プロキシミティギャップ制御時間及びパターンアライメント制御時間をB(sec/ステップ) =const、ステップ時のワークテーブル移動時間をC(sec/ステップ) 、露光時間をD(sec/ステップ) 、基板Wのステップ回数をnとした場合に、ステップ回数がnのときのタクトタイムTn は次式(2)で求められる。なお、AおよびBはステップ回数によらず一定値であり、CおよびDはステップ回数により変化する。したがって、以下、ステップ回数により異なるものには添字を付けて表す。
【0049】
Tn =A+B+Dn +Cn +B+Dn +Cn +……+Dn
=A+B+Dn +( n−1)(Cn +B+Dn ) …(2)
また、ステップ時のワークテーブル移動時間Cは次式(3)で求められる。
C=2v/αw +(x−v2 /αw )/v=v/αw +x/v…(3)
但し、
v:ワークテーブル移動速度(const)
αw :ワークテーブル加減速値(const)
x:ステップ量(ステップ回数により異なる)
次に、図9(a)のマスクM(ステップ回数n=3)を用いた場合のタクトタイムTn が図9(b)のマスクM(ステップ回数n=2)を用いた場合のタクトタイムTn より短くなる条件を次式(4)により求める。なお、ステップ回数n=3の場合の基板Wのステップ量x3 は377mm、ステップ回数n=2の場合の基板Wのステップ量x2 は754mmとする。
【0050】
△Tn =T3 −T2
=( 2C3 −C2 ) +( 3D3 −2D2 ) +B
=v/αw +1/v( 2x3 −x2 ) +3D3 −2D2 +B
=3D3 −2D2 +v/αw +B …(4)
ここで、△Tn =3D3 −2D2 +v/αw +B<0、即ち、D2 >3/2D3 +V/2αw +B/2の関係を満足すれば、基板Wのステップ回数n=3となるマスクMの方が基板Wのステップ回数n=2となるマスクMよりタクトタイムTn が速くなる。
【0051】
(4)式を用いてステップ回数n=2となるマスクMの方がタクトタイムTn が速くなる(△Tn >0)場合とステップ回数n=3となるマスクMの方がタクトタイムTn が速くなる(△Tn <0)場合の光源照度とレジスト感度との関係を計算により求めた結果を図12に示す。なお、プロキシミティギャップ制御時間及びパターンアライメント制御時間Bを7sec、ワークテーブル移動速度vを350mm/sec、ワークテーブル加減速値αw を1400mm/sec 2として計算した。
【0052】
図8に示す18インチディスプレイ用材DPを9面取りする基板Wに用いるマスクMとしては、既に図9(a)のステップ回数n=3となるマスクM(ステップ方向寸法aが700mm)を選択しているので、図12の3ステップ有利の領域内でできるだけ照度及びレジスト感度の大きな組み合わせを選択する。照度及びレジスト感度が定まれば対応する露光時間((4)式のD2 ,D3 ) が定まる。これにより、ステップ回数が3回と多いにもかかわらず、タクトタイムTn も2ステップの場合より短くすることができる。
【0053】
一方、15インチディスプレイ用材DPを12面取りする基板Wに用いるマスクMとしては、ステップ回数が4回となるマスクMとステップ回数が2回となる図10のマスクMの二種類が選択されているが、上記同様に(4)式を用いて光源照度とレジスト感度とステップ回数とタクトタイムとの関係を計算により求めたところ、図13に示すように、照度にかかわらずステップ回数が2回となる図10のマスクMの方がステップ回数が4回となるマスクMより常に有利であることが判った。従って、ステップ回数が2回となる図10のマスクMを選択する。
【0054】
次に、図9(a)のステップ回数n=3となるマスクMと図10のステップ回数n=2となるマスクM毎にマスクM上の露光すべき領域の広さ(ステップ方向)に応じてステップ露光の照射領域S(図9及び図10で2点鎖線で示す)を確保し且つ照度が大きくなるオプチカルインテグレータを選択する。そして、図1に示すように、選択された二種類のオプチカルインテグレータ33a,33bを照明光学系3の凹面鏡32の焦点近傍に配置し、マスクMの種類の応じて照射領域切替手段200Aを用いて互いに切替えて露光を行う。
【0055】
なお、照射領域Sは図9(a)のマスクMの場合で1000mm×400mm(ステップ方向寸法)、図10のマスクMの場合で1000mm×600mm(ステップ方向寸法)としている。また、二種類のオプチカルインテグレータ33a,33bは、ステップ方向(Y軸方向)のみの照射領域が変わるような関係となっており、従って、X軸方向の照射領域は一定である。
【0056】
図15に示すように、各オプチカルインテグレータ33a,33bの内で一方のオプチカルインテグレータ33aのレンズ面の曲率半径R1は、他方のオプチカルインテグレータ33bのレンズ面の曲率半径R2より大きくされており(R1>R2)、オプチカルインテグレータ33aの射出角はオプチカルインテグレータ33bの射出角より大きくなっている。従って、オプチカルインテグレータ33aを用いた場合のステップ方向(Y軸方向)の照射領域Sy1はオプチカルインテグレータ33bを用いた場合のステップ方向(Y軸方向)の照射領域Sy2より広くなり、前者が図10のステップ回数が2回となるマスクMに対応し、後者が図9(a)のステップ回数n=3となるマスクMに対応している。
【0057】
照射手段切替手段200Aは、二種類のオプチカルインテグレータ33a,33bと、切替機構200とによって構成されている。
切替え機構200は、図16に示すように、2種類のオプチカルインテグレータ33a,33bがそれぞれ支持部201a,201bを介して固定される交換用ステージ202を備えており、該交換用ステージ202はガイドレール203とスライダ204とを具備するリニアガイド205のスライダ204に固定されてスライダ204と一体となってガイドレール203に沿って移動可能とされている。
【0058】
交換用ステージ202の移動方向の一端には把手206が設けられており、該把手206を押し引きすることにより、オプチカルインテグレータ33a又はオプチカルインテグレータ33bの中心が照明光学系3の光軸Lと一致するように位置決めされる。
そして、図10のステップ回数n=2となるマスクMの場合には、射出角の大きいオプチカルインテグレータ33aの中心を照明光学系3の光軸Lに位置決めし、この状態で露光を行うことにより、図14(a)に示すように、ステップ方向に広い照射領域Sy1が得られ、図9(a)のステップ回数n=3となるマスクMの場合には、射出角の小さい側のオプチカルインテグレータ33bの中心を照明光学系3の光軸Lに位置決めし、この状態で露光を行うことにより、図14(b)に示すように、ステップ方向に狭い照射領域Sy2が得られる。
【0059】
なお、この実施の形態では、オプチカルインテグレータ33a,33bとしてフライアイレンズを用いて、フライアイレンズ全体を切り替えるようにしているが、これに代えて、オプチカルインテグレータ33a,33bとして組レンズ、あるいはフライアイレンズと組レンズの組合せ等を用いて、一部のレンズのみを切り替えるようにしてもよい。
【0060】
図17に切替え機構の変形例を示す。
この切り替え機構300は、互いに射出角の異なる4種類のオプチカルインテグレータ33a〜33dを保持する回転ホルダ301と、照明光学系3の本体(図示せず。)に固定され回転ホルダ15を所定角ずつ回転させて各オプチカルインテグレータ33a〜33dをマスクサイズの変更に応じて照明光学系3の光軸Lと一致するように位置決めする回転駆動モータ302とを備えたもので、3種類以上のマスクMを用いる場合に有効なものである。
【0061】
次に、上記構成の分割逐次近接露光装置の作動を説明する。
例えば、カラーフィルタ形大型液晶ディスプレイ用のRGBカラーフィルタに所定のパターンを形成する場合、ガラス基板W上に先ず各画素間を仕切るブラックマトリックスのパターンをレジスト塗布した後に酸素遮断膜を塗布し、次いで、露光、現像の各工程を経る。このようにブラックマトリックスのパターンが形成された基板W上に、R(赤),G(緑),B(青)の三原色の個々のパターンを各色毎にブラックマトリックスのパターン形成と同様の工程を繰り返しながら形成していく。ここでは、基板W上に最初に形成するブラックマトリックスのパターンを「一層目」、一層目の上に形成する三原色のいずれかのパターンを「二層目」、次に形成する三原色の他のいずれかのパターンを「三層目」、更にその次に形成する三原色の残りのパターンを「四層目」という。
【0062】
ここでは、一層目のステップ露光に際して、図8に示す18インチディスプレイ用材DPを9面取りする基板Wでステップ回数n=3とし、マスクとして図9(a)のマスクMを用いる場合を例に取り、大型液晶ディスプレイ用のカラーフィルタのガラス基板Wの上に一層目のブラックマトリックスのパターンを三分割逐次近接露光により形成する。
【0063】
分割逐次近接露光装置のマスクステージ1の下面には、一層目のパターンが描かれたマスクMが予め真空吸着により装着されている。また、ワークステージ2は、Y軸方向の前進限近傍に位置し且つZ軸方向の最下限迄下降している。
(1)アライメントのためのギャップ調整
まず、ギャップ調整手段6を構成するZ軸送り台6の上下粗動装置61を駆動してワークステージ2を予め設定してある粗動上限目標位置(例えばマスクMの表面から数mm程度の位置)まで急速上昇させる。この粗動時には、ギャップセンサ15によるワークチャック8の上面(実際にはその上に固定されたガラス製の被検部8m上面)とマスクMとのすき間間隔(ギャップ)の計測は行わない。
【0064】
次に、Z軸送り台6の3台の上下微動装置63を駆動してそのクサビ作用によりワークステージ2を微動で上昇させ、これにより、ワークステージ2とマスクMとを近接させる。この微動時には、図5に示すように、マスク側アライメントマーク76を有するマスクMの表面と、ワーク側アライメントマーク75を有するワークチャック8の面との間のギャップをギャップセンサ15により計測し、その計測結果を上下微動装置63の制御装置(図示せず。)に出力し、該制御装置は予め設定してあるアライメント時の目標ギャップ量と一致するように上下微動装置63を制御してワークステージ2を上昇させる。
【0065】
このように、ギャップ調整手段6の上下動の速度を二速に分けて、ワークステージ2の上昇距離の大部分を上下粗動装置61で高速上昇させるとともに、最終的には上下微動装置63でワークステージ2を微動且つ高精度で上昇させるようにしているため、分割逐次近接露光におけるギャップ調整作業の高速化と高精度化を同時に達成することができる。
(2)アライメント調整
このようにして、ワークステージ2とマスクMとを近接させた状態においては、基板Wのステップ方向(Y軸方向)とマスクMとの相対位置及び姿勢が正しく整合していない場合、例えば図7(a)に示すように、ワークステージ2に対してマスクパターンPを有するマスクMが角度θだけ傾斜している場合(ワークステージ2の向きとY軸方向の向きとは一致しているとして)には、ワーク側アライメントマーク75とマスク側アライメントマーク76とは整合せず、ずれてしまう。従って、このまま1ステップ目のマスクパターンPの露光転写を行うと、次ステップ目で同一の基板W上に形成される分割パターンPとのずれが生じて、精度の良いブラックマトリックスのパターンが得られない。
【0066】
そこで、ワーク側アライメントマーク75とマスク側アライメントマーク76との整合作業(アライメント)をアライメントカメラ16を用いて行い、このときピント調整機構161によって両マーク75,76の双方にピントを合わせる。
一層目のステップ露光では、アライメントの際に、図5を参照して、投影用光学系78でワーク側アライメントマーク75を下から照射すると共に、露光時に用いるギャップセンサ15を利用してワーク側アライメントマーク75を有するワークチャック8の表面(被検部)8mとマスク側アライメントマーク76を有するマスクMの表面(マスクマーク面Mm )との間のギャップを設定することにより、両マーク75,76にアライメントカメラ16のピントをほぼ合わせて両マーク75,76のずれを検出する。
【0067】
なお、通常、マスクMの板厚は5mm,8mm,10mmなどと規格化されているため、従来のアライメントカメラのように一つの固定焦点を持つものではマスク厚の変更もしくはばらつきに対して即応できず、アライメントマークの検出精度が低下するという問題を有するが、この実施の形態では、ピント調整機構161に予め種々のマスク板厚に対応するアライメントカメラ16のフォーカス位置を予めセットしておくことにより、マスクMの交換によるマスク厚の大幅な変化に即応して、アライメントカメラ16のピントをベストフォーカス位置であるマスクマーク面Mm に位置決めすることができる。
【0068】
また、ピントずれを検出するのにギャップセンサ15で実際のマスク下限位置を計測し、その計測値を計算機92に出力して予めマスク下面(マスクマーク面Mm )に設定しておいたピント位置(目標位置)からの相対ピント位置変化量を計算してその分だけピント調整機構161を操作してアライメントカメラ16の位置を補正しているので、例えばマスク厚のばらつきによるピントずれを調整してマスクマーク76に対するベストフォーカスを保証することができる。
【0069】
そして、ピントが適正に調整されたアライメントカメラ16によってワーク側アライメントマーク75とマスク側アライメントマーク76との間にずれが検出されると〔図7(a)〕、その検出信号をマスク位置調整手段14の制御装置(図示せず。)に出力し、該制御装置によってX方向駆動装置14x及び二つのY方向駆動装置14yの駆動を制御することにより、マスク保持枠13の姿勢を修正して両マーク75,76を図7(b)に示すように整合させる。これにより、マスクMとY軸方向との傾きθ(同図は、基板Wの長辺方向とY軸方向と、マスクMの短辺方向とマスクパターンPの短辺方向とが、それぞれ平行である場合を示している)が解消される。
(3)基板Wの挿入及び1ステップ目の露光
アライメント終了後、ギャップ調整手段6により一旦ワークステージ2を必要なだけ下降させる。この状態で、ワークステージ2とマスクステージ1との間隔(例えば60mm程度)を利用して、ワーク自動供給装置(図示せず。)により基板Wをワークステージ2上に投入し、該ワークステージ2上のワークチャック8に保持する。その後、再度ギャップ調整手段6により、マスクMの下面とワークW上面とのすき間を、露光する際に必要な所定の値となるように調整する。その手順は、ギャップセンサ15により計測されるのがマスクMの下面と基板W上面とのギャップである点を除けば、前記(1)と同じ手順である。
【0070】
なお、ギャップ調整手段6によりワークステージ2を上下動させる際に、わずかではあるがワークステージ2がXY平面内でも多少動いてしまう場合もある。このような場合のために、上記(2)のアライメント終了後での各レーザ干渉計743、744、744による位置データを、前記補正制御手段により記憶しておき、ギャップ調整後の位置データが記憶されているデータとは変わっている場合には、マスク位置調整手段14で変化分だけ補正することにより、マスクMの向きとY軸方向との傾きのない状態に戻すことができる。
【0071】
次に、切替え機構200を操作して射出角の小さい側のオプチカルインテグレータ33bの中心を照明光学系3の光軸Lに位置決めし、この状態で照明光学系3の露光制御用シャッター34を開制御して1ステップ目の露光を行い、マスクMのマスクパターンPを基板Wの所定位置に焼き付けて、基板W上に第1の分割パターンP1 を得る。
(4)2ステップ目の露光位置へのワークステージ2の移動
続いて、第2の分割パターンP2 のつなぎ露光を行うために、ワークステージ送り機構7の送り駆動装置73を駆動してワークステージ2を移動させることにより、ワークステージ2をマスクMに対して図7(b)の矢印Y方向に1ステップ量だけ送り、基板Wを2ステップ目の露光位置に配置する。このとき、基板WとマスクMとの干渉を避けるため、ワークステージ2を必要な分だけZ軸方向に下降させるようにしてもよい。
(5)ワークステージ2の送り誤差によるアライメント調整
上記のようにワークステージ2をマスクMに対して図7(b)の矢印Y方向に1ステップ量だけ送る際には、先にのべた要因による送り誤差が生じるため、そのまま2ステップ目の露光をすると第2の分割パターンP2 がわずかではあるが位置ずれをおこす。例えば、ワークステージ2のステップ送り中にワークステージ2のヨーイングと真直度のエラーにより、図7(c)のように真直度Δx、傾斜角度θ’だけ正規位置からずれてしまう。
【0072】
そこで、基板W上に第2の分割パターンP2 を露光転写する前に、基板Wの送り誤差を送り誤差検出手段74で検出してその検出結果をつなぎ露光位置を補正する補正制御手段に出力し、該補正制御手段では該検出結果に基づいてつなぎ露光のための位置決め補正量を算出し、その算出結果に基づいてマスク位置調整手段14(及び送り時のピッチング補正など、必要に応じてギャップ調整を行うために上下微動装置63)のX軸方向駆動装置14x及びY軸方向駆動装置14yを制御してマスク保持枠13の位置を調整し、マスクMの位置ずれを補正するアライメント調整を行う。なお、ギャップ調整手段6によるマスクMと基板Wとのギャップ調整を行った場合は、その後の状態でのヨーイング及び真直度のデータに基づいて前記アライメント調整を行う。
(6)2ステップ目の露光
その後、照明光学系3の露光制御用シャッター34を開制御して2ステップ目の露光を行い、マスクMのマスクパターンPを基板Wの所定位置に焼き付けて、基板W上に位置ずれが修正された第2の分割パターンP2を得る(図7(d)参照)。
(7)3ステップ目の露光
3ステップ目の露光については、前記(4),(5)及び(6)ど同様にして2ステップ目の露光位置へのワークステージ2の移動、ワークステージ2の送り誤差によるアライメント調整及び3ステップ目の露光を行い、基板W上に位置ずれが修正された第3の分割パターンP3(図示せず。)を得る。
【0073】
上記の説明から明らかなように、この実施の形態では、マスクMの大きさ及び基板Wのステップ回数を、マスクMのたわみ量、得るべき露光精度及びマスクMのパターン領域の大きさから選択し、更に、選択されたマスクMの大きさ及び基板Wのステップ回数について、最もタクトタイムが短くなり、且つ、必要な露光精度が得られる露光条件を露光照度とレジスト感度との関係に基づいて選択し、更に、選択されたマスクM毎にマスクM上の露光すべき領域の広さ(ステップ方向)に応じてステップ露光の照射領域Sを確保し且つ照度が大きくなるオプチカルインテグレータを選択してステップ露光を行うようにしているので、フラットパネルディスプレイの多面取り露光において、決められた大きさの基板に高精度且つ高スループットでステップ露光することができる。
【0074】
なお、上記実施の形態では、レーザ干渉計743,744等の送り誤差検出手段74を備えた分割逐次近接露光装置に本発明を適用した場合を例に採ったが、これに限定されず、送り誤差検出手段74を備えていない分割逐次近接露光装置にも本発明を適用できるのは勿論である。
また、上記実施の形態では、1層目のステップ露光を例に採ったが、これに限定されず、2層目以降のステップ露光を主とするアライメントマークのみによる位置決めを行うタイプにも本発明を適用してもよい。
【0075】
図18は本発明の第2の実施形態を示す図である。なお、このものは、本発明の分割逐次近接露光装置におけるアライメントマークの投影結像に係わる構造、特にワーク側アライメントマーク75をワークチャックの下からマスクアライメントマーク面に投影する光学系の変形例であり、その他の上記第1の実施形態と同様の構成部分の重複する説明は省略する。即ち、本実施形態の投影光学系78Aは、ワークチャック8の下方に、光源781,コンデンサーレンズ782,ワーク側アライメントマーク75を配設すると共に更にそのワーク側アライメントマーク75の上位に結像レンズ783を配してある点が上記第1の実施形態の投影光学系78と異なっている。
【0076】
結像レンズ783を、その一方の焦点上にワーク側アライメントマーク75が位置し、他方の焦点上にマスクMのマスクマーク面Mm が位置するように配設することにより、ワーク側アライメントマーク75をマスク側アライメントマーク76と同一レベルに投影結像することができる。
上記第2の実施形態によれば、このように、アライメント時にワーク側アライメントマーク75を外部から光学的にマスク側アライメントマーク76上に一致させてピントを合わせることができて、ワーク側アライメントマーク75とマスク側アライメントマーク76とが検出光学系からデフォーカスされることが全くなく、理想的なパターンを検出できるので、より高精度に1層目の分割逐次近接露光が可能になるという効果がある。
【0077】
図19は本発明の第3の実施形態を示す図である。このものは、本発明の分割逐次近接露光装置におけるアライメントマークの投影結像に係わる構造のうち、特にアライメント画像のベストフォーカス調整機構の変形例であり、その他の上記第1の実施形態と同様の構成部分の重複する説明は省略する。
即ち、本実施形態のアライメント画像のベストフォーカス調整機構9Aは、アライメントカメラ16及びピント調整機構161と計算機92Aからなり、アライメントカメラ16で撮像されたマスクMのマスクマーク面Mm にあるマスク側アライメントマーク76のパターンの像76zのコントラストを検出走査線で計測し、その画像コントラストの微分波形77の波高D,D’が最大となる状態をピント調整機構161でカメラ16を動かしながら探す。これにより、パターン像76zが最もシャープに写るカメラ位置を得て、より一層高精度のアライメントが実現できるという利点がある。また、上記第2の実施形態と同じく、任意のマスク厚及びマスク厚のばらつきに対しての検出光学系への影響が全く無く、いずれのマスク厚に対しても高精度の検出が可能という効果が得られる。
【0078】
なお、以上のようにして一層目(すなわちブラックマトリックス)のパターン露光が終了すると、現像などの所定の工程を経て、二層目、三層目…とそれぞれのパターン露光を含む工程を経て仕上げられる。通常、カラーフィルタ等はライン設備で生産され、露光装置も一層目、二層目…とそれぞれ専用の装置が用いられる。
【0079】
二層目以降のための露光装置としても勿論、本発明の装置すなわちワーク側アライメントマーク75を用いたマスク位置調整手段を備えて、ワークステージの送り誤差を検出し、補正してつなぎ露光をする分割逐次近接露光装置を用いることができる。しかし、一層目の露光パターンの中に二層目以降のアライメントのために用いるマークのパターンを含ませておけば、二層目以降の露光時には、ワークに形成されたこのマークを基準にアライメントを行えばよく、この場合には、二層目以降のための露光装置には、ワーク上のアライメントマークとマスク上のアライメントマークとのアライメントを行う機能を備えた従来の露光装置であればよい。
【0080】
しかしながら、このような従来の露光装置では、前記のとおり一層目の分割パターン同士のつなぎ目の高精度な整合のための仕組が考慮されていない。一層目の露光装置として本発明のものを用いたライン設備で生産することにより、高精度なつなぎ目の整合が実現できるのである。すなわち、一層目の露光装置にワーク側アライメントマークを用いた前記のようなマスク位置調整装置手段を使用することにより、ワークステージの送り方向とマスクパターンの向きとをそろえることができ、つなぎ目の整合が可能となる。そして、その際にワークスデージの送り誤差を検出し、これを補正することで更に高精度なつなぎ目の整合が可能となる。
【0081】
以下に、第4の実施形態として、二層目以降の露光専用の機能を付加した本発明の分割逐次近接露光装置により、二層目露光を行う場合のアライメント調整について説明する。
従来の露光装置を用いて二層目以降のつなぎ露光を行う場合、第1ステップ目の露光のワークアライメント完了後に、ワークステージ2を第2ステップ目の露光位置に向かってY方向に送り移動させる際には、ワークステージ2の送り精度を頼りにしてそのまま送るか、もしくはワークステージ2の送り誤差(Y軸の進行方向の傾き)に基板Wの搭載姿勢をできるだけ合わせて送ってから、第2ステップ目のアライメントを行うという方法がとられている。
【0082】
しかし、そうした方法では、第2ステップ目のワーク側アライメントマーク75を検出する際に、ワークステージ2上に基板Wを投入して搭載した時の基板Wの傾き精度(傾斜角θw の大きさ)とワークステージ送り量yの大きさ如何によっては、第2ステップ目の位置におけるワーク側アライメントマーク75がアライメントカメラ16の視野内に入らない場合があり、ワーク側アライメントマーク75を視野内に捕捉するのに時間がかかりワークアライメントに相当長時間を要したり、最悪の場合第2ステップ目のワークアライメントが不可能になるという問題がある。
【0083】
本実施形態は、二層目以降の露光におけるこのような問題を解決することができるものであり、図20(a)〜(d)を参照しつつ具体的に説明する。装置は、先に説明した本願発明の分割逐次近接露光装置を適用する。なお、第2ステップ目までを説明しているが、それ以降のステップにおいても同様に適用できるものである。
【0084】
第1工程〔図20(a)〕:
二層目露光の前準備の段階である。
二層目露光用のマスクMをマスクステージ1に装着する。装着した二層目露光用のマスクMのマスクマーク76,76を、それぞれ各アライメントカメラ16の視野A,Aの中心に合わせる。そして、ワークステージ2を第2ステップ目の位置へ送る前に、ワークステージ2の実際の送り方向(Y’方向)に対するアライメントカメラ16の視野Aの中心軸(すなわち、左右2台のアライメントカメラ16の視野A,Aの中心同士を結んだ軸線)XA の直交度のずれ角θm (以下マスクずれ角θm という)を予め求めておく。
【0085】
このマスクずれ角θm は、マスクMのY軸とその実際の相対的送り方向Y’とのずれ角度であり、一層目の露光時においてのY軸の走り方向とワーク側アライメントマーク75との傾き角θ(図7参照)と同様であり、その場合のワーク側アライメントマーク75をカメラ視野Aに置き換えたと同じである。マスクずれ角θm の具体的な求め方の例を後述する。
【0086】
第2工程〔図20(b)〕:
一層目露光の終わった基板Wを、ワークステージ2上に投入して装着する。基板Wは通常、ワークステージ2の実際の送り方向Y’に対して時計回り(プラス)又は反時計回り(マイナス)方向に相対的に傾斜した状態で装着される。図20(b)はこの基板Wの装着直後の状態を示している。送り方向Y’に対する基板Wの傾斜角θW は、十字形のワーク側アライメントマーク77の中心同士を結んだ軸線(以下、ワークアライメント軸線という)XW とワークステージ2の実際の送り方向Y’に直交する軸XY とのなす角(以下、ワーク傾斜角θW という)である。
【0087】
この場合、ワーク側アライメントマーク77とマスク側アライメントマーク7676とは未だずれがあり、そのずれ角度(マスク傾斜角度)αはワークアライメント軸線XW とカメラ視野Aの中心軸線XA とのなす角に相当している。すなわち、この場合のワーク傾斜角θW はθW =θm +(マイナスα)となり、マスクMの前記ずれ角θm よりマスクMと基板Wとのずれ角αだけ反時計方向に小さくなる。
【0088】
第3工程〔図20(c)〕:
二層目露光の第1ステップ目である。装着した基板WとマスクMとのアライメントを行い、両者のずれを無くす。すなわち、基板Wに対してマスクMを移動しずれを解消する。具体的には、マスク位置調整手段14の操作によりマスクMをZ軸回りに反時計方向に旋回させて、十字のワーク側アライメントマーク77に対し方形のマスク側アライメントマーク76を合わせる。その時のマスクMの旋回角度すなわちマスク傾斜角度αを露光位置補正制御手段の記憶装置に記憶させる。図20(c)は、二層目露光における第1ステップ目のワーク側アライメントマーク77とマスク側アライメントマーク76とのアライメント完了時の状態を示している。この後、第1ステップ目の露光が行われる。
【0089】
第4工程〔図20(d)〕:
第1ステップ目の露光完了後、ワークステージ送り機構7により第2ステップ目の露光位置にワークステージ2を送る。その送り操作において、Y軸方向送りを検出するレーザ干渉計744で送り量(距離)yが計測される。次いで、マスクMを反時計方向にワーク傾斜角θW だけ旋回させて第2ステップ目のアライメントを開始するのであるが、その前に、マスクステージ1のマスク位置調整手段14によりマスクMの位置補正を行う。具体的には、前記ワークステージ2の送り量(距離)y及び第1工程で求めたマスクずれ角θm ,第3工程で求めたマスク傾斜角度αを用いて、次式によりマスクステージ1のX軸方向の補正量ΔXを算出する。
【0090】
ΔX=y・sin(θm +α)
そして、このΔXの距離だけマスクステージ1をX方向に移動させてその位置を補正する。このマスク位置補正により、第2ステップ目用の十字のワーク側アライメントマーク77及び方形のマスク側アライメントマーク76がアライメントカメラ16の視野内に必ず入ることになる。したがって、第2ステップ目以降のワーク側アライメンントマークの検出において、基板W搭載時の傾斜角θW の大きさや、Y方向送り量の如何にかかわらずアライメントエラーが全く発生しなくなる。かつまた、装置のタクトタイムが大幅に短縮される。
【0091】
さらに、理論的には、2ステップ目以降のワークアライメントは、上記計算とその補正を正確に行うことにより、視野に入った時点でアライメント完了位置にマスクステージが移動するので、第2ステップ目のアライメントが必要なくなる(即ち、補正制御手段の指令でマスク位置調整手段14を作動させて自動的にアライメントが行われ、1回のアライメントで、2ステップ更にはnステップの露光が可能となる。)
かくして、第2ステップ目以降のワークアライメントが必要でないグローバルアライメント露光が可能となり、装置タクトタイムの一層の短縮と、精度向上との両立ができる。
【0092】
上記第4の実施の形態では、二層目露光における第2ステップ目以降のワーク側アライメントマーク77を検出するに当たり、一層目露光時に予め求めておいたワークステージ2の実際の送り方向Y’と二層目露光時の第1ステップ目のワークアライメントの結果から基板W姿勢を認識して、マスクステージの位置を修正することにより、二層目露光の第2ステップ目以降はワーク側アライメントマークを必ずアライメントカメラの視野内に捕捉するように制御する場合を説明したが、このような制御方法は必ずしも二層目露光以降にのみ適用するとは限らない。ワークステージ2の実際の送り方向Y’を予め試験的に把握しておくことで、一層目露光のワーク側アライメントマークの傾斜角θとワークステージの走り方向の傾きθの場合にも適用可能である。
【0093】
ここで、前記マスクずれ角θm の求め方の一例を述べる。
図21(a)は、二層目露光における第1ステップ目の状態である。すなわち、前記図20(a)と同じく、マスクMのマスク側アライメントマーク(□印)77A ,77B を、それぞれ各アライメントカメラの視野CA,CB(○印)の中心に合わせる。この時の、ワークステージの実際の走り方向Y’と直交する軸XY に対するカメラの視野中心軸線XA のずれ角θm を、予め次の方法で測定する。
【0094】
▲1▼ワークステージを送り、マスクMを第2ステップ目の位置に相対移動させる。その実際の送り方向はY’方向であるから、第1ステップ目の位置Iにあるワーク側アライメントマーク77AI及び77BIは、Y’方向に沿った位置IIに移動してワーク側アライメントマーク77AII 及び77BII になる〔図21(b)〕。
【0095】
▲2▼測定基準を77BI−77BII を結ぶ線Lsとし、この基準線LsがX方向になるように基板Wを水平旋回する。そして、基準線Lsに対する直線77BI−77AI及び77BII −77AII の傾き角θm1,θm2を求める〔図21(c)〕。
θm =(θm1+θm2)/2
=(tan-1g1 /G1 +tan-1g2 /G2 )/2
である。
【0096】
なお、高精度化のために、nステップまで行ってその平均をとっても良い。
θm =(θm1+θm2+……+θmn)/n
なお、上記各実施形態では、マスクステージ1をマスクステージ支持台12で装置ベース4に固定して取り付け、ワークステージ2の方のみギャップ調整手段6で昇降させる構造を示したが、これに限らず、例えばマスクステージ支持台12をシリンダで構成してマスクステージ1の方を昇降させる構造にしてもよい。その場合には、上下粗動装置を有するZ軸粗動ステージ62を省略することができる。
【0097】
また、上記各本実施の形態ではワークステージをY軸方向に移動可能な構成としたが、代わりにマスクステージと露光手段とをY軸方向に移動可能な構成としても良い。
【0098】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、フラットパネルディスプレイの多面取り露光において、決められた大きさの基板に高精度且つ高スループットでステップ露光することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である分割逐次近接露光装置を説明するための一部を分解した説明的斜視図である。
【図2】マスクステージ部分の拡大斜視図である。
【図3】(a)は図2のIII − III線断面図、(b)は(a)のb矢視で示す平面図である。
【図4】アライメントカメラと該アライメントカメラのピント調整機構の基本構造を示す側面図である。
【図5】ワーク側アライメントマークの照射光学系を説明するための説明図である。
【図6】アライメント画像のフォーカス調整機構を示す構成図である。
【図7】ステップ露光を説明するための説明図である。
【図8】18インチディスプレイ用材DPを9面取りした基板W(1000mm×1200mm)の平面図である。
【図9】図8の基板に対向配置されるマスクを示す図であり、(a)は3ステップ露光の場合に用いるマスクの平面図、(b)は2ステップ露光の場合に用いるマスクの平面図である。
【図10】15インチディスプレイ用材DPを12面取り(長辺方向4×短辺方向3)した基板W(1000mm×1200mm)に対向配置されるマスクを示す図であり、2ステップ露光の場合に用いるマスクの平面図である。
【図11】マスクの横(短辺)寸法を一定にした場合の該マスクの縦(長辺)寸法と自重による最大たわみ量との関係を示すグラフ図である。
【図12】図9(a),(b)の各マスクを用いた場合の光源照度とレジスト感度とステップ数とタクト時間との関係を示すグラフ図である。
【図13】図10のマスクと図示しない4ステップ露光用マスクとを用いた場合の光源照度とレジスト感度とステップ数とタクト時間との関係を示すグラフ図である。
【図14】照射領域切替手段による照射領域の切替え操作を説明するための図であり、(a)は照射領域を広げた状態を示す図、(b)は照射領域を狭めた状態を示す図である。
【図15】二種類のオプチカルインテグレータを示す図であり、(a)はレンズ面の曲率半径が大きいタイプの側面図、(b)はレンズ面の曲率半径が小さいタイプの側面図である。
【図16】照射領域切替手段の切替え機構の一例を説明するための斜視図である。
【図17】切替え機構の変形例を説明するための斜視図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態である分割逐次近接露光装置を説明するための説明図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態である分割逐次近接露光装置を説明するための説明図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態である分割逐次近接露光装置を説明するための図であり、(a)は露光前準備とマスクロード後のアライメントを示す模式図、(b)はワークロード直後を示す模式図、(c)は第1ステップ目のアライメントメント完了状態を示す模式図、(d)は第2ステップ目のアライメントメントに移動後の状態を示す模式図である。
【図21】マスクずれ角θm の求め方を説明する図で、(a)は二層目露光における第1ステップ目の状態を示す平面図、(b)はマスクMを第2ステップ目の位置に相対移動させた状態を示す平面図、(c)はマスクずれ角θm1,θm2の測定時の状態を示す平面図である。
【符号の説明】
W…基板
M…マスク
P…マスクパターン
1…マスクステージ
2…ワークステージ
3…照明光学系(照射手段)
6…ギャップ調整手段
7…ワークステージ送り機構
33a,33b…オプチカルインテグレータ
200A…照射領域切替手段
200…切替え機構
Claims (3)
- 被露光材としての基板を保持するワークステージと、前記基板に対向配置されて該基板より小さいマスクを保持するマスクステージと、前記基板に対してパターン露光用の光を前記マスクを介して照射する照射手段と、該マスクのマスクパターンを前記基板上の複数の所定位置に対向させるように前記ワークステージと前記マスクステージとを相対的にステップ移動させるワークステージ送り機構と、前記マスクと前記基板との対向面間のすき間を調整するギャップ調整手段とを備え、前記ワークステージ送り機構のステップ回数を2回以上として各ステップ毎に前記マスクパターンを前記基板上に露光転写するようにした分割逐次近接露光装置において、
前記マスクの大きさ及び前記ステップ回数を、前記マスクの許容たわみ量、該マスクのパターン領域の大きさ及び最もタクト時間が短く且つ必要な露光精度が得られる露光照度とレジスト感度との関係に基づいて設定し、更に、前記照射手段が、該設定ステップ回数での露光条件に応じて露光用の光のステップ方向の照射領域を切替え可能な照射領域切替手段を備えたことを特徴とする分割逐次近接露光装置。 - 前記照射領域切替手段は、射出角の異なる複数種のオプチカルインテグレータと、各オプチカルインテグレータの中心を前記照射手段の光軸に対して選択的に位置決め配置する切替え機構とを備えたことを特徴とする請求項1記載の分割逐次近接露光装置。
- 被露光材としての基板より小さいマスクを該基板に近接して対向配置し、前記基板を前記マスクに対して相対的にステップ移動させて該マスクのマスクパターンを前記基板上の複数の所定位置に対向させると共に、ステップ回数を2回以上として各ステップ毎に基板に対してパターン露光用の光を前記マスクを介して照射して該マスクのマスクパターンを前記基板上に露光転写するようにした分割逐次近接露光方法において、
前記マスクの大きさ及び前記ステップ回数を、前記マスクの許容たわみ量、該マスクのパターン領域の大きさ及び最もタクト時間が短く且つ必要な露光精度が得られる露光照度とレジスト感度との関係に基づいて設定し、更に、該設定ステップ回数での露光条件に応じて露光用の光のステップ方向の照射領域を設定することを特徴とする分割逐次近接露光方法。
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