JP4236698B2 - 宿主細胞でのpaceの発現およびその使用法 - Google Patents
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Description
本発明は、一般に、組換え宿主細胞でのタンパク質の生産に関するものである。より詳細には、本発明は、所定の宿主細胞において発現される塩基性アミノ酸対変換酵素(paired basic aminoacid converting enzyme:PACE)を用いて、異種前駆体ポリペプチドから成熟型タンパク質を生産するための物質および方法に関するものである。
多くの真核生物タンパク質は自然界では比較的大きい前駆体ポリペプチドとして合成され、この前駆体ポリペプチドの完全な成熟化には分泌に先立って特異なタンパク質加水分解というプロセシングを受けることが必要である。しかし、これらの真核生物タンパク質または前駆体は、バクテリア内で合成されると、不正確にまたは非効率的に折りたたまれ、その結果低い比活性を示す。酵母[R.S. Fuller et al., Ann. Rev. Physiol., 50:345(1988)]、無脊椎動物[R.H. Scheller et al., Cell, 32:7(1983)]、および哺乳動物細胞[J. Douglass et al., Ann. Rev.Biochem., 53:665(1984);およびW.S. Sossin et al., Neuron,2, 1407(1989)]を含む、試験した全ての真核生物では、十分な生理活性を有する成熟タンパク質の合成に、多くの場合、翻訳後のタンパク質加水分解を必要とする。
前駆体タンパク質の成熟化における初期の現象の1つに、塩基性アミノ酸対配列(例えば、-Lys-Arg-および-Arg-Arg-)のカルボキシル側でのエンドプロテオリティック切断(endoproteolytic cleavage)がある。この種のエンドプロテオリティック切断は、初期には、いくつかの内分泌および神経内分泌前駆体タンパク質の配列から推測されたが、最初に報告されたのはプロインシュリン[D.F. Steiner et al., Science, 157:697(1968);R.E. Chance et al., Science, 161:165(1968)]およびACTH/β−エンドルフィン前駆体のプロオピオメラノコルチン(POMC)[M. Chretien and C.H. Li, Can. J. Biochem.,45:1163(1967)]の研究からであった。その後の研究により、血清因子[A.K. Bentley et al., Cell, 45:343(1986)]、ウイルスタンパク質[C.M. Rice et al., Virology, 151:1(1986);C.M. Rice et al., Science, 229:726(1985); J.M. McCune etal., Cell, 53:55(1988)]、成長因子[L.E. Gentry et al.,Mol. Cell Biol., 8:4162(1988); K. Sharples et al., DNA,6:239(1987); M. Yanagisawa et al., Nature, 332:411(1988);およびGray et al., Nature, 303:722(1983)]およびレセプター[Y. Yosimasa, Science, 240:784(1988)]を含む成熟ペプチドを生成するために、塩基性アミノ酸対でのエンドプロテオリティック切断を必要とする広範な前駆体タンパク質が明らかになった。さらに、Dickerson et al., J. Biol. Chem., 265:2462(1990); Achsletter et al., EMBO J., 4:173(1985);およびMizuno et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 144:807(1987)も参照されたい。
塩基性アミノ酸対配列の部位での切断は、成熟タンパク質のプロセシングで多様な役割を果たす多くのプロペプチドを除去するものである。ある場合には、プロペプチドがタンパク質配列内の正確な折りたたみとジスルフィド結合の形成を仲介し得る。他の場合には、プロペプチドの存在がビタミンK依存性凝固因子中のグルタミン酸残基のγ−カルボキシル化に関与すると思われる。γ−カルボキシル化タンパク質にはIX因子とプロテインC、および骨Glaタンパク質/オステオカルシンのようなある種の骨特異的タンパク質が含まれる。また、プロペプチドは細胞内ターゲッティングを誘導したり、単一の前駆体ポリペプチドからの複数の成熟ペプチドの同調的合成(coordinate synthesis)を調節することもできる。
いくつかのビタミンK依存性血液凝固タンパク質のプロペプチド領域の配列がすでに発表されており[Furie et al., Cell,53:505(1988)]、IX因子とプロテインCについてはプロペプチドの大きさが決定されている。IX因子は血液凝固カスケードの固有の経路の重要成分セリンプロテアーゼの酵素前駆体である。このタンパク質は肝臓で合成され、分泌に先立って広範な翻訳時および翻訳後修飾を受ける。これらの修飾には、プレ−およびプロ−ペプチドを除去するためのエンドプロテオリティックプロセシング、グリコシル化、12個のアミノ末端グルタミン酸残基のビタミンK依存性γ−カルボキシル化、および1個のアスパラギン酸残基のβ−ヒドロキシル化が含まれる。
γ−カルボキシグルタミン酸残基は成熟IX因子タンパク質に金属結合特性を付与し、他のビタミンK依存性血液凝固タンパク質のプロセシングにおいても同様に機能しうる。これらのγ−カルボキシグルタミン酸残基は凝血剤の活性にとって不可欠である。また、IX因子のγ−カルボキシグルタメート(GLA)ドメインは細胞結合の主な必要条件としても確認されている[Derianet al., J. Biol. Chem., 264(12):6615-6618(1989)]。
遺伝子工学の進歩と共に、多くの真核生物タンパク質が組換えにより所定の細胞系で生産されている。例えば、組換えIX因子を高抗原レベル(20μg/ml/日)で生産するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)DUKX細胞系が単離されている。ところが、この組換えタンパク質のたった1−2%だけがγ−カルボキシル化され、それ故ビタミンK3の存在下で生物学的に活性であるにすぎない[Kaufman et al., J. Biol. Chem., 261(21):9622-28(1986)]。さらに、この組換えタンパク質のアミノ末端の配列解析によれば、CHO細胞により生産された組換えIX因子の50%はプロペプチドを保持することがわかった[Derian et al., J. Biol. Chem., 264(12):6615-6618(1989)]。おそらく、この切断を行うCHO細胞のエンドプロテオリティックプロセシング酵素が飽和されていたか、または単にその機能が非効率的であったのだろう。
単一または対の塩基性アミノ酸残基の部位でin vitro切断し得る数種の活性物質が、哺乳動物の真正な前駆体エンドプロテアーゼの候補として提案された。例えば、Y.P. Loh and H. Gainer,Brain Peptides, D.T. Krieger, M.J. Brownstein, J.B. Martin,Eds.(Wiley-Interscience, New York, 1983), pp.76-116; M.Chretien, et al., Cell Biology of the Secretory Process(Karger, Basel,Switzerland, 1983), pp.214-246; A.J. Mason,et al., Nature, 303:300(1983); P.J. Isackson et al., J.Cell. Biochem., 33:65(1987); I. Lindberg et al., J.Neurochem., 42:1411(1985); J.A. Cromlish et al., J. Biol.Chem., 261:10850(1986); K. Docherty et al., J. Biol.Chem., 259:6041(1984); T.C. Chang and Y.P. Loh,Endocrinology, 114, 2092(1984); B.P. Noe et al., J. Cell.Biol., 99:578(1984); U.P. Loh, J. Biol. Chem., 261:11949(1986); H.W. Davidson et al., Biochem. J., 246:279(1987); P. Gluschankof et al., J. Biol. Chem., 262:9615(1987); C. Clamigrand et al., Biochem., 26:6018(1987);S.O. Brennan and R.J. Peach, FEBS Letters, 229:167(1988);R.S. Fuller et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86:1434(1989); K. Mizuno et al., Biochem. Biophys. Res. Comm.,159:305(1989); I.C. Bathurst et al., Science, 235:348(1987);およびG. Thomas et al., Science, 241:226(1988)を参照されたい。
これらの候補活性物質と他のプロセシング酵素がプロペプチドプロセシング反応に関与していると提唱された事実にもかかわらず、これらのエンドプロテオリティック候補物質は十分に特性決定がなされていないか、またはin vivoで真正な前駆体切断エンドプロテアーゼではないことが見いだされた。プロタンパク質の分解酵素の精製は、哺乳動物組織でのそれらの活性の低レベルにより、またはそれらの膜結合性により妨げられている。これらの特殊なプロテアーゼの精製は、in vitroでのアッセイ基質の非特異的分解により、そしてリソソームから放出されるような汚染プロテアーゼによりさらに複雑になっている。
KEX2遺伝子によりコードされる酵母のKex2酵素は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の分泌経路で後期に作用する、膜に結合したCa++依存性セリンプロテアーゼである。この酵素は該微生物のプレプロ−キラー毒素およびプレプロ−α−因子のポリペプチド鎖をLys-ArgおよびArg-Argの塩基性アミノ酸対配列で切断する[D. Julius et al.,Cell, 37:1075(1984); D. Julius et al., Cell, 36:309(1984); K. Mizuno et al., Biochem. Biophys. Res. Commun.,156:246(1988); R.S. Fuller et al., Proc. Natl. Acad. Sci.USA, 86:1434(1989)]。Kex−2は原型プロタンパク質変換酵素であると考えられている。
最近の報告によれば、哺乳動物BSC−40細胞での酵母KEX2遺伝子とPOMCとの同時発現(BSC−40細胞系はこのペプチド前駆体をプロセシングできない)が、塩基性アミノ酸対でのタンパク質加水分解により、γ−LPHとβ−エンドルフィンを含む真正な神経内分泌プロホルモンペプチドの生成をもたらした[Thomas et al.,(1988)前掲]。Foster et al.,Thrombosis and Haemostasis, 62:321(1989)は、KEX2遺伝子の酵母エンドプロテアーゼと野生型プロテインC前駆体を同時発現させると、酵母のKEX2遺伝子産物がプロテインC前駆体を2本鎖形態に切断することを報告している。しかしながら、プロペプチドのプロセシングとKex2発現の効果については研究されていない。
PC2およびfurと名づけられた、2種類のヒトDNAプロテアーゼ配列は部分的な構造相同を互いに共有し、またKEX2遺伝子配列とも共有している。哺乳動物ズブチリシン様プロテアーゼのPC2は、KEX2由来のプライマーを用いたポリメラーゼ・チェーン・リアクションにより、ヒトインスリノーマcDNAライブラリーの増幅から同定された。プロホルモンのエンドプロテオリティックプロセシングに関係しているPC2は、特に推定上の活性部位ドメインにおいて、酵母のKex2プロテアーゼと部分的相同を共有している[Smeekens et al., J. Biol. Chem., 265:2997(1990)]。しかし、今日まで、PC2クローンについての機能的活性は何も証明されていない。
また、完全なKex2遺伝子配列を利用できることから、Kex2タンパク質と“フリン(furin)”(部分的に特性決定されたヒトfur遺伝子の産物)との有意な相同を検出することができた。fur遺伝子座は最初、c−fes/fps原型がん遺伝子にそれが近い(すぐ上流領域にある)ことから同定された[A.J.M. Roebroek et al., EMBO J., 5:2197(1986)]。fur遺伝子の推定コード領域の完全なヌクレオチド配列が報告されている。ヒトfur遺伝子産物は、比較により、酵母S.cerevisiaeのKEX2遺伝子によりコードされるズブチリシン型セリンプロテアーゼとの構造相同が証明された[A.M.W. van denOuweland et al., Nucl. Acids Res., 18(3):664(1990)]。発表されたfurのcDNAコード配列を図1に示す。また、R.S.Fuller et al., Science, 246:482(1989)も参照されたい。しかし、fur発現の何の証拠も報告されなかった。
バキュロウイルスベクターを使って培養下の昆虫細胞に異種遺伝子を導入し、その後異種ポリペプチドの発現を行わせる発現系が開発された。これはいくつかのタンパク質の組換え発現に適していることがわかった[例えば、G. Ju et al., Curr. Communic.in Mol. Biol. - Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells,C.S.H.L. Press(1987)pps.39-45;およびA.E. Atkinson etal., Pestic. Sci., 28:215-224(1990)を参照されたい]。
当技術分野では、組換え宿主細胞内での前駆体ポリペプチドの加水分解プロセシングの効率を高める方法の必要性が存在している。
発明の要約
一面において、本発明は、PACEをコードする組換えポリヌクレオチドを含み、かつPACEを発現する能力を有する選ばれた宿主細胞を提供する。本発明のこの面の種々の態様において、宿主細胞は微生物、例えばバクテリアまたは真菌細胞、哺乳動物細胞もしくは昆虫細胞であり得る。
別の面において、本発明は、PACEをコードする組換えポリヌクレオチドと、所定の前駆体ポリペプチドをコードする異種ポリヌクレオチドと、を含む選ばれた宿主細胞を提供する。所定の前駆体ポリペプチドは、コードされるPACEの基質であることが好ましい。この宿主細胞はPACEと異種前駆体タンパク質の両方を発現する能力をもつ点に特徴があり、当該前駆体タンパク質はその後同時発現されたPACEによって切断されて成熟体となる。従って、この宿主細胞は高レベルのPACEと活性のある成熟異種タンパク質を生産することができる。本発明のこの面の種々の態様では、宿主細胞は微生物、例えばバクテリアまたは真菌細胞、哺乳動物細胞もしくは昆虫細胞であり得る。
他の面において、本発明は、PACEをコードするポリヌクレオチド配列またはその相同体を含む組換え発現ベクターもしくはDNA分子を提供する。ベクターは所定の宿主細胞内でPACEの複製および発現を誘導し得る調節配列に機能しうる状態で連結されたPACEをコードする配列を含むことが好ましい。
さらに別の面において、本発明の組換え発現ベクターまたはDNA分子は、PACEの基質である前駆体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列をさらに含む。ベクターのコード配列は、所定の宿主細胞内でPACEとプロペプチドの複製および発現を誘導し得る、1以上の適当な調節配列に機能しうる状態で連結される。
さらに別の面では、本発明は、PACEコード化ポリヌクレオチド配列を含む所定の細胞を、PACEの発現に適した条件下で培養することから成る、上記の宿主細胞内でPACEを発現させる方法を提供する。
さらに別の面では、本発明は、PACEポリヌクレオチドと選ばれた前駆体ポリペプチドをコードする異種ポリヌクレオチドとを含む所定の上記細胞を、PACEと異種ポリペプチドの両方を発現させる適当な条件下で培養することから成る、所定の宿主細胞内でPACEと異種ポリペプチドを発現させる方法を提供する。この方法は機能的な成熟タンパク質の効力を上げたり、その生産を高めることができる。ここで、成熟タンパク質は生物学的活性のために酵素PACEによるプロ−ペプチドのプロセシングを必要とするものである。また、本発明は、より高レベルの生理活性タンパク質または有用なタンパク質へ導く、γ−カルボキシル化タンパク質およびγ−カルボキシル化を必要としない他のタンパク質のプロセシングのために使用されよう。
本方法は上記の組換え発現ベクターで所定の宿主細胞を形質転換することを含んでいる。次に、この細胞系は1種以上の組換えタンパク質の発現を可能にする適当な条件下で培養される。その後、発現された1種以上の所定のタンパク質は通常の方法を使って宿主細胞または培地から回収される。
本発明の他の面および利点は以下の本発明の詳細な説明から明らかになろう。
図面の説明
図1は、A.M.W. van den Ouweland et al., Nucl. Acids Res.,18(3):664(1990)に発表されたfurDNA配列を示す。
図2は、PACEをコードする完全なcDNA配列、およびそこにコードされるアミノ酸を示し、これはヌクレオチド−320から−1までの5’非翻訳領域とヌクレオチド2383から3974までの3’非翻訳領域を含む点で上記図1と相違する。
発明の詳細な説明
本発明は、哺乳動物エンドペプチダーゼであるPACE(これは塩基性アミノ酸の対(-LysArg-、-LysLys-、および-ArgArg-)での開裂により前駆体ポリペプチドからの成熟ポリペプチドの生産に関与する)を選択された宿主中で生産、発現、そしてまた分泌するための組成物(例えば、ベクター、形質転換宿主細胞、組換えポリペプチド)およびそれらの方法を含む。本発明の組成物、例えば、組換えポリヌクレオチドは、微生物、例えば、細菌および菌類;昆虫細胞および哺乳動物細胞を含む種々の宿主細胞中のPACEの増進された細胞内または細胞外の生産のために使用し得る。これらの発現系中のPACEの生産は本発明の別の実施態様、即ち、これらのポリペプチドの所望の成熟形態へのPACEエンドペプチダーゼにより認識されたプロセシング部位を有する同時発現異種前駆体ポリペプチドの有効なプロセシングおよび変換方法を提供する。また、本発明の組成物は、商用目的のための精製エンドペプチダーゼの生産のための高収率のエンドペプチダーゼの生産に有益である。本発明の実施は、特にことわらない限り、分子生物学、微生物学、組換えDNA、および免疫学の通常の技術を使用し、これらは当業者の技量内にある。このような技術が文献に充分に説明されている。例えば、Sambrookら、“Molecular Cloning;A Laborat-ory Manual”,第2編(1989);“DNA Cloning”,I巻およびII巻(D.NGlover編集1985);“Oligonucleotide Synthesis”(M.J.Gait編集1984);“Nucleic Acid Hybridization”(B.D.Hames &S.J.Higgi-ns編集1984);“Transcription and Translation”(B.D.Hames&S.J.Higgins編集1984);“Animal Cell Culture”(R.I.Freshney編集1986);“Immobilized Cells and Enzymes”(IRL Press,1986);B.Perbal,“A Practical Guide to Molecular Cloning”(1984);シリーズ,Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.)、特に154巻および155巻(それぞれ、WuおよびGrossman、並びにWu編集);“Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells”(J.H.Mill-erおよびM.P.Calos編集1987,Cold Spring Harbor Laboratory);“Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology”, MayerおよびWalker編集(Academic Press,ロンドン,1987);Scop-es,“Protein Purification:Principles and Practice”,第2編1987(Springer-Verlag,N.Y.);および“Handbook of Experimen-tal Immunology”,I-IV巻(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編集1986)を参照のこと。背景および明細書に引用された全ての特許、特許出願、および刊行物は参考として本明細書に含まれる。
下記の定義が、本発明の実施態様の説明に使用される用語に適用し得る。本明細書に使用される“PACE”という用語は、対の塩基性アミノ酸を変換(または開裂)する酵素の頭文字である。ヒト肝臓細胞系から最初に単離されたPACEはサブチリシンのようなエンドペプチダーゼ、即ち、ポリペプチドの塩基性残基、例えば、-Lys-Arg-、-Arg-Arg、または-Lys-Lys-で開裂に特異性を示すポリペプチド開裂酵素である。PACEはカルシウムイオンにより刺激され、そしてフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)により抑制される。PACE(またはフリン)をコードするDNA配列が上記のA.M.W.van den Ouwelandらに発表され、そして図1中に見られる。
動物細胞、更に詳しくはヒト細胞から誘導されたPACEの少なくとも一つの形態をコードするcDNAが図2に示されている。PACEののその他の形態が存在すること、またはそれらが形成し得ることが予測される。本明細書に記載されたPACEは、自然の対立遺伝子変化または種変化のために公表された配列および図2の配列とは配列を異にするDNA配列によりコードし得る。こうして、“PACE”という用語は、図2に示されたPACE前駆体を含むPACEの天然産の形態および成熟PACEポリペプチドを含む種々の処理された形態のいずれをも表す。
同様に、“PACE”という用語は、PACE DNAのフラグメントおよびそのアミノ酸配列または計画的に修飾された配列(これらはその酵素の触媒特異性を維持する)を含んでもよい。それ故、ポリペプチド開裂および/またはγ−カルボキシル化を媒介する生物活性がこのような修飾にもかかわらず全部または一部保持されることを条件として、本発明はこのようなDNA配列の全ての使用を包含する。こうして本明細書に使用される“PACE”という用語は、本明細書に詳細に開示されたペプチドおよびDNA配列を含むだけでなく、PACE生物活性を保持するその類縁体を含む。
その定義内に含まれるPACEの類縁体は末端切断ポリペプチド(フラグメントを含む)およびPACEのようなポリペプチド、例えば、突然変異体(これらは触媒活性を保持し、そして好ましくは少なくとも80%、更に好ましくは90%、最も好ましくは95%の図1または図2の相同性を有する)を含んでもよい。典型的には、このような類縁体は1、2、3、または4のコドン変化のみを異にしている。これらの例は、PACEの天然アミノ酸配列からの小さなアミノ酸変化、特に、保存型アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。保存型置換は、側鎖で関連しているアミノ酸のファミリー内で起こる置換である。遺伝的にコードされたアミノ酸は一般に四つのファミリーに分けられる。(1)酸性=アスパルテート、グルタメート;(2)塩基性=リシン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性=アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;および(4)非帯電の極性=グリシン、アスパラギン、グルタミン、シスチン、セリン、スレオニン、チロシン。フェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンは時々芳香族アミノ酸として一緒に分類される。例えば、イソロイシンまたはバリンによるロイシンの分離された置換、グルタメートによるアスパルテートの分離された置換、セリンによるスレオニンの分離された置換、または構造上関連するアミノ酸によるアミノ酸の同様な保存型置換は、特にその置換がPACEのようなポリペプチドの活性部位でアミノ酸を伴わない場合には、酵素活性に重大な効果を有しないことを予想することは妥当である。
図2中の配列データだけでなく、PACEの表示された特性を利用して、PACEをコードするその他のDNA配列を得ることは当業者の技量内にある。例えば、構造遺伝子は、正確な一つ以上のアミノ酸を保持しながら個々のヌクレオチドを変えることにより、または酵素活性を損失しないで、アミノ酸を修飾するようにヌクレオチドを変えることにより操作し得る。ヌクレオチドは、例えば、試験管内の突然変異誘発およびプライマー修復を含む既知の技術により置換、挿入、または欠失し得る。
構造遺伝子は、そのエンドペプチダーゼ活性を保持しながら、その3’-末端および/またはその5’-末端で切断し得る。例えば、図2でコードされたようなPACEは推定のトランスメンブラン領域を含み、これはそれを細胞(その中でそれが発現される)中のGolgiの膜に固定するのに利用し得る。更に、トランスメンブラン(TM)領域および/またはシステインの多い領域(CRR)を欠失することが望ましいことがある。また、シグナル配列をコードする領域を除去し、かつ/またはそれを異種配列で置換することが望ましいことがある。
また、PACE配列の一部(特に、触媒領域を含む部分)を異種コード配列につなぎ、こうしてPACEの酵素特異性を有する融合ペプチドをつくることが望ましいことがある。
上記に加えて、その他の読み取り枠(ORF)またはPACEをコードする構造遺伝子が、その他の動物細胞源からcDNAライブラリーから得られ、かつ/またはつくられることがある。
本明細書で使用される“ポリペプチド”という用語は、アミノ酸のポリマーを表し、そして生産物の特定の長さについて言及しない。こうして、ペプチド、オリゴペプチド、およびタンパク質がポリペプチドの定義内に含まれる。また、この用語はポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、アセチル化、ホスホリル化等について言及しないし、またそれを排除しない。例えば、アミノ酸の一つ以上の類縁体(例えば、非天然アミノ酸、等を含む)を含むポリペプチド、置換連結を有するポリペプチドだけでなく、当業界で知られているその他の修飾を有するポリペプチド(天然産および非天然産の両方)が定義内に含まれる。
“前駆体ポリペプチド”という用語は、通常、1回以上の翻訳後タンパク質分解的開裂を受けて生物活性の成熟ポリペプチドを生じる発現ポリペプチドを表す。“プレプロポリペプチド”および“プロポリペプチド”が“前駆体ポリペプチド”という用語に含まれる。
“プレペプチド”は前駆体ポリペプチドの一部であり、これは小胞体へのポリペプチドのトランスロケーション中の“シグナルペプチダーゼ”開裂により除去される。“プレペプチド”領域は通常アミノ末端付近にある。
“プロペプチド”は前駆体ポリペプチドの一部であり、これはポリペプチドの成熟プロセス中に“プロポリペプチド・コンバーターゼ”または“エンドペプチダーゼ”(例えば、Kex2およびPACE)により除去される。多くのタンパク質、例えば、血漿タンパク質、ホルモン、神経ペプチド、および成長因子は、プレペプチド領域のカルボキシ側に配置された付加的な“プロペプチド”領域で翻訳される。プレペプチドの開裂後に、“プロペプチド”セグメントは、ポリペプチドの成熟に寄与する部位特異的エンドペプチダーゼにより開裂される。ポリペプチドの“成熟”形態は除去されたプレペプチドおよび/またはプロペプチド領域を有していた。
指摘された核酸配列から“誘導された”ポリペプチドまたはアミノ酸配列は、その配列中にコードされたポリペプチドのアミノ酸配列、またはその部分(その部分は少なくとも3〜5のアミノ酸、更に好ましくは少なくとも8〜10のアミノ酸、更に好ましくは少なくとも11〜15のアミノ酸からなり、またはそれはその配列中にコードされたポリペプチドで免疫学的に同定可能である)と同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを表す。また、この専門用語は、指摘された核酸配列から発現されたポリペプチドを含む。
組換えポリペプチドまたは誘導ポリペプチドは、指摘された核酸配列、例えば、図2中の配列から必ずしも翻訳されるとは限らない。それは、例えば、化学合成、もしくは組換え発現系の発現、または細胞からの分離を含むあらゆる方法で生成し得る。組換えポリペプチドまたは誘導ポリペプチドは、その配列中にアミノ酸の一つ以上の類縁体または非天然アミノ酸を含んでもよい。アミノ酸の類縁体を配列中に挿入する方法は当業界で知られている。また、それは一つ以上の標識を含んでもよく、これらは当業者に知られている。
本明細書で使用される“組換えポリヌクレオチド”という用語は、ゲノム源、cDNA源、半合成源、または合成源のポリヌクレオチドを意図しており、これは、その源または操作のために、(1)それが本来関連しているポリヌクレオチドの全部または一部と関連せず、(2)それが本来連結されるポリヌクレオチド以外のポリヌクレオチドに連結され、または(3)天然に産出しない。
本明細書で使用される“ポリヌクレオチド”という用語は、あらゆる長さのヌクレオチドのポリマー形態であるリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドを表す。この用語は、その分子の一次構造のみについて言及する。こうして、この用語は二本鎖および一本鎖のDNAおよびRNAを含む。また、それは既知の型の修飾、例えば、当業界で知られている標識、メチル化、“キャップ”、類縁体による天然産ヌクレオチドの一つ以上の置換を含む。その他の既知の修飾は、ヌクレオチド内修飾、例えば、非帯電連結(メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カーバメート、等)および帯電連結(ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、等)によるもの;ペンダント部分、例えば、タンパク質(ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ-L-リシン、等を含む)を含むもの;インターカレーター(アクリジン、プソラレン、等)によるもの;キレート剤(金属、放射性金属、ホウ素、酸化性金属、等)を含むもの;アルキル化剤を含むもの;修飾連結(αアノマー核酸、等)によるものを含むだけでなく、ポリヌクレオチドの非修飾形態を含む。
“レプリコン”は、細胞内のポリヌクレオチド複製の自律単位として挙動し、即ち、それ自体の制御下で複製できるあらゆる遺伝要素である。こうして、レプリコンは、選択可能なマーカー、プラスミド、染色体、ウイルス、コスミドを含むことができ、これらに限定されない。
“ベクター”は、結合されたセグメントの複製および/または発現を生じるように、その他のポリヌクレオチドセグメントが結合されるレプリコンである。
“調節配列”は、それらがつながれるコード配列の複製および発現を行うのに必要であるポリヌクレオチド配列を表す。このような調節配列の性質は宿主生物に応じて異なる。原核生物では、このような調節配列は一般にプロモーター、リボソーム結合部位、および転写終止配列を含む。真核生物では、一般に、このような調節配列はプロモーターおよび転写終止配列を含む。“調節配列”という用語は、少なくとも、その存在が選択された宿主細胞中の発現に必要である全ての成分を含み、そしてまたその存在が有利である付加的な成分、例えば、リーダー配列および融合パートナー配列を含み得ることが意図されている。
“機能しうる状態で連結された”、または“機能的会合”の如き関連用語は、それらをそれらの意図された方法で機能せしめる、記載された成分間の関係を表す。コード配列に“機能しうる状態で連結された”調節配列は、コード配列の発現が調節配列と適合する条件下で行われるようにつながれる。
“読み取り枠”(ORF)は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの領域である。この領域はコード配列の一部または全コード配列に相当し得る。
“コード配列”は、適当な調節配列の制御下に置かれた場合に通常mRNAによりポリペプチドに翻訳されるポリヌクレオチド配列である。コード配列の境界は、5’-末端にある翻訳開始コドンおよび3’-末端にある翻訳終止コドンにより決定される。コード配列はcDNA、および組換えポリヌクレオチド配列を含むことができるが、これらに限定されない。
“PCR”はSaikiら、Nature,324:163(1986);米国特許第4,683,195号明細書;および同第4,683,202号明細書に記載されたようなポリメラーゼ連結反応の技術を表す。その他の既知のPCR修飾がまたこの頭文字の使用により含まれる。
本明細書に使用されるように、xが同じ方法でyと自然に会合しない場合、即ち、xが本来yと会合しないか、またはxが自然に見られるのと同様にyと会合しない場合には、xはyに対して“異種”である。
“組換え宿主細胞”、“宿主細胞”、“細胞”、“細胞系”、“細胞培養液”、およびその他のこのような用語は、組換えベクターまたはその他の転移DNAの受容体であることができ、または受容体として使用された選択された宿主細胞、例えば、哺乳動物、昆虫または微生物の細胞を表す。これらの用語は、形質転換されたもとの細胞の子孫を含む。単一親細胞の子孫は、自然、偶発、または計画的な突然変異のために、形態またはゲノムもしくは全DNA補体の点でもとの親と必ずしも完全に同一でなくてもよいことが理解される。
本明細書に使用される“微生物”という用語は、原核微生物種および真核微生物種、例えば、細菌および菌類を含む。菌類は酵母および糸状菌を含む。“微生物”という用語は、詳しくは、哺乳動物細胞および昆虫細胞を除外する。
“哺乳動物細胞”は、哺乳動物の綱の構成員からの細胞であり、詳しくは、微生物細胞および昆虫細胞を除外する。
組換え発現系として有益である昆虫細胞および適合性ベクターが当業界で知られている。これらの例として、バキュロウイルスオートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)核多角体病ウイルス(以下、“AcNPV”または“バキュロウイルス”と称する)から誘導された昆虫発現ベクターおよび転移ベクターが挙げられ、これはヘルパー依存性ウイルス発現ベクターである。この系から誘導されたウイルス発現ベクターは、通常、強いウイルスポリヘドリン遺伝子プロモーターを使用して異種遺伝子の発現を誘導する。
本明細書に使用される“形質転換”は、挿入に使用される方法にかかわらず、宿主細胞への外因性ポリヌクレオチドの挿入を表す。これらの例として、直接の取込み、トランスフェクション、f-交配、形質導入、感染またはエレクトロポレーションが挙げられる。外因性ポリヌクレオチドは非組み込みベクター、例えば、プラスミドとして維持されてもよく、または宿主ゲノム中に組み込まれてもよい。
本発明者らは、酵素PACEが、哺乳動物細胞、微生物細胞および昆虫細胞を含む種々の宿主細胞中で組換えにより発現し得ることを発見した。本発明の一つの方法は、PACEを発現する単一の形質転換宿主細胞を使用する。PACEをコードするポリヌクレオチド配列またはその生物活性フラグメントが発現ベクターに挿入され、そして選択された宿主細胞中の酵素の発現に適した発現調節配列に機能しうる状態で連結し得る。選択された宿主細胞へのベクターの形質転換またはトランスフェクションは、ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するのに通常の物質および方法を使用して行い得る。このような方法の中に、ポリヌクレオチドをウイルス中にパッケージし、そして宿主細胞をそのウイルスで、または米国特許第4,399,216号;同第4,912,040号;同第4,740,461号;同第4,959,455号(これらの特許は参考として本明細書に含まれる)に例示されているような当業界で知られているトランスフェクション操作により形質導入することがある。使用される形質転換操作は形質転換される宿主に依存する。ベクターが選択された宿主細胞に一旦形質転換されると、その細胞が培養されてPACEを発現する。
PACE発現を得るために、形質転換体から誘導された組換え宿主細胞が、組換えPACEをコードする配列の発現を可能にする条件下でインキュベートされる。これらの条件は、選択された宿主細胞に応じて変化する。しかしながら、これらの条件は当業者に容易に確かめられる。
形質転換宿主細胞中で発現されたPACEの検出は幾つかの方法によるものであってもよい。例えば、検出は、PACEが特異的である二塩基性の開裂部位を含む蛍光原基質を使用して酵素活性(または増大された酵素活性もしくは酵素活性の増大された寿命)によるものであってもよい。また、PACEは抗PACE抗体とのその免疫反応性により検出されてもよい。
PACEは、細胞内で生成される場合には溶解により細胞から分離されてもよく、または分泌される場合には通常の方法により培地から分離されてもよい。トランスメンブラン領域が発現中に保持され、その結果、PACEが宿主細胞膜中に局在する場合、宿主細胞は溶解され、そして膜フラグメントが通常の技術により分離される。濃縮された量のPACEを含むこれらのフラグメントはそのまま使用されてもよく、また前駆体ポリペプチドのプロセシングに使用するための固体支持体に固定されてもよい。細胞膜は最適pHで培地中に分散されてもよく、または粒子結合膜がカラムに充填されてもよい。また、その他の形態が使用し得る。
組換えにより発現されたPACEは、その成熟形態への二塩基性残基Lys-Arg、Lys-LysまたはArg-Argの間の前駆体ポリペプチドの開裂の効率を改良することができる。こうして、本発明の別の実施態様が、組換えまたは天然産の選択された前駆体ポリペプチドに対する組換えにより発現されたPACEの作用により提供される。発現された前駆体は、PACEにより認識されたプロセシング部位を有するものである。
一例として、組換えにより発現されたPACEは、成熟ポリペプチドへの異種前駆体ポリペプチドの試験管内変換に使用し得る。可溶性組換えPACE、即ち、トランスメンブラン領域を欠いている末端切断PACEポリペプチドは、細胞外の(またはコンディショニングされた)培地への添加試薬として使用でき、この場合、前駆体生産物は、それが発現される細胞から分泌される。
更に好ましくは、PACEおよびプロタンパク質(これは成熟タンパク質の生産にこのプロセシングを必要とする)の同時発現が本発明の実施態様であり、これは成熟タンパク質の高レベルの発現を生じることができる。更に、本発明者らはまた驚くことに、生物活性のためのγ−カルボキシル化を必要とするタンパク質とPACEの同時発現が真核細胞、好ましくは哺乳動物細胞中での機能的な生物活性成熟タンパク質の増大された収率の発現を可能にすることを発見した。
本発明に使用するための前駆体ポリペプチドの例として、形質転換成長因子(TGF)β並びにインヒビンおよびアクチビンを含むそのスーパーファミリー;骨形態発生タンパク質(BMP);インシュリンおよびリラキシン;凝固因子、例えば、フォンビルブラント因子(vWF);IX因子、プロテインC、プロテインS、プロトロンビン因子10、因子VIIおよび骨γ-カルボキシグルタメートプロテイン、成長因子、例えば、血小板由来増殖因子(PDGF)および神経成長因子(NGF);並びにサイトメガロウイルス(CMV)、肝炎デルタ・ウイルス(HDV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、および単純疱疹ウイルス(HSV)からのウイルスポリペプチドを含むウイルスポリペプチドが挙げられる。少なくとも一つの二塩基性開裂部位を有する前駆体ポリペプチドが本発明の候補である。
PACEとの同時発現により所望の成熟ポリペプチドを生産する方法は下記の技術を含むことができる。第一に、PACEと異種前駆体ポリペプチドの両方のコード配列を含む単一ベクターが、選択された宿主細胞に挿入し得る。また、それぞれ、PACEおよび異種前駆体ポリペプチドをコードする二種の別個のベクターが、宿主に挿入し得る。選択された宿主細胞に適した条件下で培養した後、二種のポリペプチドが生産され、これらは相互作用して成熟タンパク質へのプロタンパク質の開裂を与える。
その他の別法は二種の形質転換宿主細胞の使用であり、この場合、一方の宿主細胞が可溶性組換えPACEを発現し、そして他方の宿主細胞が異種前駆体ポリペプチドを発現し、これが培地中に分泌される。これらの宿主細胞は、組換えPACEの発現および分泌または放出を可能にするだけでなく、前駆体ポリペプチドの発現、分泌または放出、および細胞外PACEによる成熟形態へのその開裂を可能にする条件下で同時培養し得る。この方法では、PACEポリペプチドがトランスメンブラン領域を欠いており、その結果、それが培地に分泌されることが好ましい。
或る場合には、PACE遺伝子に対して発現生産物前駆体を発現する遺伝子の二つ以上の複数のコピーを有すること(あるいは、その逆)が望ましいことがある。これは種々の方法で行い得る。例えば、別個のベクターまたはプラスミドを使用することができ、この場合、PACEをコードするポリヌクレオチドを含むベクターは異種前駆体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むベクターよりも多くのコピー数を有する(あるいは、その逆)。この状況で、宿主中のプラズミドの継続した維持を確実にするように、二つのプラスミドに関して異なるマーカーを有することが望ましいようである。また、一方または両方の遺伝子を宿主ゲノムに組み込むことができ、そして遺伝子の一つが増幅遺伝子(例えば、dhfrまたはメタロチオネイン遺伝子の一つ)と会合し得る。
また、転写開始の異なる速度を有する二つの転写調節領域を使用して、他の遺伝子に対して、PACE遺伝子の増進された発現または前駆体ポリペプチドの発現を与えることができる。その他の別法として、異なるプロモーターを使用でき、この場合、一つのプロモーターがPACEまたは前駆体ポリペプチドの低レベルの構成的発現を与え、一方、第二のプロモーターがその他の生産物の高レベルの誘導発現を与える。多種のプロモーターが選択された宿主細胞に関して知られており、そして当業者により容易に選択でき、本発明に使用できる。
これらの方法の使用により、自然レベルのPACEが大幅に増大でき、かつ/または、発現生産物前駆体を更に有効に処理するように、プロテアーゼ活性の寿命が増大し得る。
A.PACEの哺乳動物での発現
本発明の方法は、PACEまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド配列を適切な哺乳動物発現ベクターに挿入することにより達成される。続いてPACEを含むベクターを用いて選択した哺乳動物細胞系を形質転換する。PACEを発現する細胞系の確立は、PACEの高レベル生成のための便利で効率的なメカニズムおよびさらに完全にプロセシングされた生物学的に活性なタンパク質の生成を提供する。
本方法がPACEおよび前駆体ポリペプチドの同時発現を含む場合、1個のベクターはPACE DNAを担持し、他のベクターは選択された前駆体DNAを担持することができ、それぞれのDNAは選択された発現調節配列の制御下にある。または、PACEおよび前駆体DNA配列の両方が単一の組換えベクター分子に担持されてもよく、この場合それらは各々の発現調節配列と機能しうる状態で連結しているかまたは共通の発現調節配列を共有している。別の選択として、PACE DNAを含むベクターを用いて所望のプロタンパク質を発現することで知られている宿主細胞系をトランスフェクションするか、または所望のタンパク質のDNAを含むベクターを用いてPACEを発現することで知られている細胞をトランスフェクションする。
ベクター構築は当業界で知られている技術を使用する。そのような構築にかかわる部位特異的DNA切断は、適切な制限酵素を用いて一般的にはこれら市販の入手可能な酵素の製造業者により指示された条件下で処理することにより行なわれる。
適切な発現ベクターは所望の機能(例えば一時的発現、長期発現、組込み、複製、増幅)に適合するベクターで、その調節要素が宿主細胞と適合するベクターである。一般的に使用されるベクターはPACEのDNAコード配列に機能しうる状態で結合されかつ選択された宿主細胞中においてその複製と発現を指図することができる選択された調節配列を含む。
哺乳動物細胞中において複製に適切なベクターは、ウイルスレプリコンまたはPACEをコードする配列の宿主ゲノムへの組込みを確実にする配列を含む。
適切なベクターは、例えばシミアンウイルスSV40、レトロウイルス、ウシ乳頭腫ウイルス、ワクシニアウイルスおよびアデノウイルス由来のものである。ベクターの成分、例えばレプリコン、選択遺伝子、エンハンサー、プロモーター等は天然の供給源から入手するかまたは既知の方法[Kaufmanら, J. Mol. Biol., 159:511-521(1982);およびKaufman, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 82:689-693(1985)を参照]により合成する。
例えば、適切なベクターはワクシニアウイルス由来のものである。この場合、異種DNAをワクシニアゲノムに挿入する。ワクシニアウイルスゲノムへの外来DNAの挿入技術は当業界で知られており、例えば相同組換えを利用する。異種DNAの挿入は一般に本来不必要な遺伝子、例えば選択マーカーをも提供するチミジンキナーゼ遺伝子(tK)中に行なわれる。組換えウイルスの構築を大変容易にするプラスミドシャトルベクターが記載されている[例えば、Mackettら(1984), Chakrabartiら(1985); Moss(1987)を参照]。続いて、生存している組換えワクシニアウイルスで免疫化された細胞または個体で異種ポリペプチドの発現が生じる。
適切な哺乳動物発現ベクターは、哺乳動物細胞中で発現可能な1またはそれ以上の真核生物の転写単位を通常含んでいる。転写単位は少なくとも外来DNA配列の転写を仲介するプロモーター要素を含む。哺乳動物細胞に適切なプロモーターは当業界で知られており、ウイルスプロモーター、例えばシミアンウイルス40(SV40)、サイトメガロウイルス(CMV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、アデノウイルス(ADV)およびウシ乳頭腫ウイルス(BPV)からのものを含む。
さらに、転写単位はまたPACEおよび/または前駆体コード配列に機能しうる状態で連結された終止配列およびポリ(A)付加配列を含む。転写単位はまたPACEおよび/または前駆体の発現を増大させるエンハンサー配列を含むことができる。
エンハンサー要素(エンハンサー)が場合により存在すると、上記のプロモーター要素と一緒になって、通常、発現レベルを増大させるであろう。エンハンサーは、内在性または異種プロモーターと連結した場合、通常のmRNA開始部位より合成を始めて、転写を1000倍増まで刺激できる調節DNA配列のことである。エンハンサーはまた、それらを普通の方向または逆方向で転写開始部位から上流または下流に、あるいはプロモーターから1000ヌクレオチド以上離れたところに配置した場合でも活性がある[Maniatisら, Science, 236:1237(1987); Albertsら, Molecular Biology of the Cell, 2nd ed.(1989)]。ウイルス由来のエンハンサー要素は特に有用である。なぜならそれらはより広い宿主域を通常有するからである。例としてSV40初期遺伝子エンハンサー[Dijkemaら, EMBO J., 4:761(1985)]およびラウス肉腫ウイルスの末端反復配列(LTR)由来[Gormanら, Proc. Natl. Acad. Sci.79: 6777(1982b)]およびヒトサイトメガロウイルス[Boshartら, Cell, 41:521(1985)]由来のエンハンサー/プロモーターを含む。その上、いくつかのエンハンサーは調節可能で、例えばホルモンや金属イオンのような誘発物質の存在下でのみ活性となる[Sassone-CorsiおよびBorelli, Trends Genet. 2:215(1986); Maniatisら, Science, 236:1237(1987)]。
遺伝子の増幅を生じる配列も、選択マーカーをコードする配列と同様に、望ましい。哺乳動物細胞の選択マーカーは当業界で知られており、例えばチミジンキナーゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFRアンプリファイアとしてのメトトレキセートと共に)、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ、アスパラギンシンテターゼ、アデノシンデアミナーゼ、メタロチオネインおよびネオマイシンのような抗生物質耐性遺伝子を含む。
または、ベクターDNAはウシ乳頭腫ウイルスゲノムの全てまたは一部を含み[Luskyら, Cell, 36:391-401(1984)]、例えばC127マウス細胞のような細胞系に安定したエピソーム要素として担持される。
下記の実施例において用いられるベクターは、以前に記載されたベクターpMT2[R. Kaufman, Mol. Cell. Biol., 9 :946- 958(1989)]の誘導体であるpMT3である。当業者はまた例えば、よく知られている組換え遺伝子工学技術を使用して、pJL3、pJL4[Goughら, EMBO J., 4:645-653(1985)]のような他のベクターにpMT3からのPACEのDNA配列を挿入するこにより、pMT3/PACEベクター(実施例1参照)に匹敵する他の哺乳動物発現ベクターを構築できる。ここで記載された哺乳動物細胞発現ベクターは当業者によく知られた技術により合成される。他の適切な発現ベクター(多数の種類が哺乳動物での発現について当業界で知られている)もこの目的のために用いることができる。
PACEおよび/または前駆体ポリペプチドをコードする1またはそれ以上のベクターを適切な哺乳動物宿主細胞の形質転換に用いることができる。哺乳動物細胞に異種ポリヌクレオチドを導入する方法は当業界で知られており、デキストラン仲介トランスフェクション、リン酸カルシウム沈澱、ポリブレン仲介トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソームへのポリヌクレオチドの包入および核へのDNAの直接マイクロインジェクションを含む。
発現用宿主として利用可能な哺乳動物細胞系は当業界で知られており、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から入手可能な多くの不死化細胞系を含む。典型的な哺乳動物宿主細胞は、形質転換細胞系を含む、特に霊長類細胞系およびげっ歯類細胞系を含む。好ましくは、ベクターDNAの安定的組込みとそれに続く組込みベクターDNAの増幅のために(両方とも従来法による)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を最良の哺乳動物宿主細胞として使用する。他の適切な細胞系は、HeLa細胞、ベービーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS−1)、ヒト肝細胞性癌腫細胞(例えばHep G2)、ヒトアデノウイルス形質転換293細胞、マウスL−929細胞、Hakハムスター細胞系、Swiss, Balb-cまたはNIHマウス由来のマウス3T3細胞および数多くの他の細胞系を含むが、これらに限定されない。他の適切な哺乳動物細胞系はCV−1細胞系である。正常な二倍体の細胞、初代組織のin vitro培養物由来の細胞株および初代外植片もまた適している。候補となる細胞は選択遺伝子に遺伝子型欠損があるか、または優性に作用する選択遺伝子を含みうる。
適切な哺乳動物宿主細胞の選択および形質転換、培養、増幅、スクリーニング、生成物の産生、そして精製の方法は当業界で知られている。例えばGethingおよびSambrook, Nature, 293:620- 625(1981)または、他にKaufmanら, Mol. Cell.Biol., 5(7)1750-1759(1985)またはHowleyら、米国特許第4419446号を参照されたい。
PACE DNAおよび選択された前駆体DNAを担持する1または1以上のベクターで形質転換した宿主細胞は、例えば従来の方法により選択し、続いて適切な条件下で、必要に応じて1つまたは両方の導入遺伝子を増幅させながら培養する。従って、本発明の方法は、PACEをコードするDNA配列および選択された前駆体をコードするDNA配列(それぞれのコード配列が転写調節配列の制御下にある)で形質転換された適切な細胞または細胞系を培養することを含む。続いて、発現された成熟タンパク質を、当業者に知られている適切な方法により培地から(細胞内に発現されている場合は細胞から)回収し、単離し精製する。
γ−カルボキシル化タンパク質に関して、哺乳動物細胞でのPACEの発現は、いくつかの成熟タンパク質の生物学的活性に必要な翻訳後修飾、γ−カルバキシル化の効率を増加すると現在のところ理論的に考えられている。この方法はビタミンK依存性血液凝固タンパク質のプロセシングに特に有用である。さらに詳細に述べると、この方法はプロテインC、プロテインS、プロトロンビン因子IX、VII因子、X因子および骨γ−カルボキシグルタメートタンパク質を含む他のタンパク質のプロセシングおよびγ−カルボキシル化に有用である。例えば、そのようなプロペプチドとPACEとの同時発現は生物学的に活性な成熟タンパク質の高レベル組換え体発現を可能にする。
さらに、機能性タンパク質の高レベルの組換え体発現はまた本発明の方法を用いて、他の遺伝子から発現される比較的完全にプロセシングされたタンパク質と共にPACEを発現させることにより達成される。例えば、生物学的活性のために切断を必要とするがγ−カルボキシル化を必要としない、ビタミンK依存性でないプロペプチドとのPACEの同時発現は高収量の機能性成熟タンパク質を産生しうる。
本方法により高機能収量で発現されるそのようなタンパク質のひとつは骨形態形成タンパク質(BMP)、特にBMP−2である[例えばE. Wangら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2220- 2224(1990)を参照、これはそのタンパク質に関する情報のためにここに参考文献として編入される]。本発明により高機能収量で産生される他のそのようなタンパク質は腫瘍増殖因子β(TGF−β)および血小板由来増殖因子(PDGF)および上記の詳しく同定された前駆体である。
さらに、本発明はまた神経成長因子および一塩基性プロオピオメラノコルチンのin vitroプロセシングのための組換え体由来PACEの使用を含む。PACEはまたインシュリンのようなタンパク質のプロセシングに、そして前駆体を一対の塩基性アミノ酸残基でプロセシングする必要のある、例えばHIVやC型肝炎のようなウイルスの成熟化のために有用である。
哺乳動物細胞はPACEおよび哺乳動物プロタンパク質の同時発現のための宿主として好ましいが、微生物および昆虫細胞もPACEと哺乳動物プロタンパク質とのそのような発現に適する宿主であり、所望する場合は微生物または昆虫由来のプロタンパク質の発現にも適した宿主であると予想される。
B.微生物細胞におけるPACEの発現
PACE遺伝子またはそのフラグメントは例えば酵母を含む真菌またはバクテリアのような真核または原核微生物系で発現することができる。フラグメントはPACE遺伝子の末端切断型を含む。末端切断の例としてはトランスメンブラン領域および/またはシステインを多く含んだ領域の欠失を含むがこれらに限定されない。
真菌発現系は酵母および糸状菌宿主の両方を利用することができる。糸状菌発現系の例は、EPO公告第357127号(1990年3月7日公告)に記載されたアスペルギルス(Aspergillus)およびEPO公告第376266号(1990年7月4日公告)に記載されたアクレモニウム・クリソゲナム(Acremonium chrysogenum)である。
酵母発現系は次のものの1つまたはそれ以上を通常含む:プロモーター配列、融合相手の配列、リーダー配列、転写終止配列。これらの要素は発現カセットに結合され、好ましくは選択マーカーと共レプリコン中で維持される。
酵母プロモーターは酵母RNAポリメラーゼと結合でき、コード配列(例えば構造遺伝子)のmRNAへの下流(3’)転写を開始できるDNA配列のことである。プロモーターはコード配列の5’末端の近位に通常配置される転写開始領域を有するだろう。この転写開始領域はRNAポリメラーゼ結合部位(TATAボックス)および転写開始部位を通常含む。酵母プロモーターはまた、上流アクチベーター配列(UAS)と呼ばれる第2ドメインを有し、これは、存在する場合、構造遺伝子の通常遠位にある。UASは調節された(誘発可能な)発現を可能にする。構成的発現はUASの非存在下で起る。調節された発現は正であるかまたは負であり、それにより転写を増進させるか減少させる。
酵母は活発な代謝経路を有する発酵生物であり、従って代謝系の酵素をコードする配列は特に有用なプロモーター配列を提供する。例としてはアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)(E.P.O.公告第284044号、エノラーゼ、グルコキナーゼ、グルコース−6−ホスフェートイソメラーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスフェート−デヒドロゲナーゼ(GAPまたはGAPDH)、ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、およびピルビン酸キナーゼ(PyK)(E.P.O.公告第329203号)を含む。酸性ホスファターゼをコードする、酵母PHO5遺伝子も有用なプロモーター配列を提供する[Myanoharaら, Proc.Natl. Acad. Sci. USA, 80:1(1983)]。
さらに、天然に存在しない合成プロモーターもまた酵母プロモーターとして機能する。例えば、ひとつの酵母プロモーターのUAS配列を別の酵母プロモーターの転写活性化領域と結合させて合成ハイブリッドプロモーターを形成しうる。そのようなハイブリッドプロモーターの例はGAP転写活性化領域と結合したADH調節配列を含む[米国特許第4,876,197号および第4,880,734号]。ハイブリッドプロモーターの他の例は、例えばGAPまたはPyKのような解糖系酵素遺伝子の転写活性化領域と結合した、ADH2、GAL4、GAL10またはPHO5遺伝子のいずれかの調節配列から成るプロモーターを含む[E.P.O.公告第164556号]。さらに、酵母プロモーターは酵母RNAポリメラーゼと結合し転写を開始する能力を有する酵母以外の起源の自然界に存在するプロモーターを含みうる。そのようなプロモーターの例は特に下記文献に記載のものを含む[Cohenら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:1078(1980); Henikoffら, Nature 283:835(1981); Hollenbergら, Curr. Topics Microbiol. Immunol., 96:119(1981); Hollenbergら,“酵母サッカロミセス・セレビシュでの細菌の抗生物質耐性遺伝子の発現(The Expression of Bacterial Antibiotic Resistance Genes in the Yeast Saccharomyces cerevisiae),”in: Plasmids of Medical, Environmental and Commercial Importance(eds. K.N. Timmis and A. Puhler,1979); Mercerau-Puigalonら, Gene, 11:163(1980);およびPanthierら, Curr. Genet., 2:109(1980)]。
PACE遺伝子またはそのフラグメントは酵母の細胞内で発現される。プロモーター配列はPACE遺伝子またはフラグメントと直接結合され、その場合組換えタンパク質のN末端の第1のアミノ酸はATG開始コドンによりコードされているメチオニンであることが常である。必要に応じて、N末端のメチオニンを臭化シアンとin vitroでインキュベートすることによりタンパク質から切断できる。
細胞内で発現される融合タンパク質はPACE遺伝子またはフラグメントの直接発現に対する別法を提供する。通常、融合相手である安定したタンパク質のN末端部分をコードするDNA配列を所望のポリペプチドをコードする異種DNAの5’末端に融合させる。発現の際に、この構築物は2つのアミノ酸配列の融合物を提供するだろう。例えば、酵母またはヒトスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)遺伝子をPACE遺伝子またはそのフラグメントの5’末端に結合し、酵母中で発現させることができる。2つのアミノ酸配列の連結部のDNA配列は切断部位をコードしてもしなくてもよい。例えばE.P.O.公告第196056号参照。他の例はユビキチン融合タンパク質である。そのようなユビキチン融合タンパク質はPACEポリペプチドからユビキチンを切断するプロセシング酵素(例えばユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ)の部位を保持することが好ましい。従って、この方法により成熟PACEポリペプチドを単離することができる[P.C.T. WO 88/024066参照]。
または、PACEポリペプチドは酵母におけるPACEポリペプチドの分泌を提供するリーダー配列フラグメントを含む融合タンパク質をコードするキメラDNA分子をつくることにより、細胞から成育培地中に分泌される。好ましくは、in vivoまたはin vitroで切断され得る、リーダーフラグメントとPACE遺伝子またはそのフラグメントとの間にコードされるプロセシング部位がある。リーダー配列フラグメントは細胞からのタンパク質の分泌を指示する疎水性アミノ酸を含むシグナルペプチドを通常コードする。
適切なシグナル配列をコードするDNAは、例えば酵母インベルターゼ遺伝子[E.P.O.公告第12873号;J.P.O.公告第62096086号]およびA因子遺伝子[米国特許第4588684号]のような分泌酵母タンパク質の遺伝子から得られる。または、例えばインターフェロンリーダーのように酵母以外の起源のリーダーが存在し、酵母中での分泌も提供する[E.P.O.公告第60057号]。
分泌リーダーの好ましい種類は“プレ”シグナル配列および“プロ”領域の両方を含む酵母α−因子遺伝子のフラグメントを使用するものである。使用され得る、α因子フラグメントの型には全長のプレ−プロα因子リーダー(約83アミノ酸残基)および末端切断型のα因子リーダー(通常約25−約50アミノ酸残基)が含まれる[米国特許第4546083号および第4870008号およびE.P.O.公告第324274号]。分泌をもたらすα因子リーダーフラグメントを使用する別のリーダーは、第1の酵母のプレ配列を用いるが第2の酵母α因子からのプロ領域を用いてつくられたハイブリッドα−因子リーダーを含む。例えばP.C.T. WO 89/02463参照。
通常、酵母により認識される転写終止配列は翻訳終止コドンの3’側に位置した調節領域であり、従ってプロモーターと共にコード領域に隣接する。これらの配列は、DNAによりコードされるポリペプチドに翻訳され得るmRNAの転写を支配する。例えば解糖系酵素をコードするような、転写終止配列および他の酵母認識終止配列の例は当業者に知られている。
通常、プロモーター、リーダー(必要に応じて)、対象のコード配列および転写終止配列を含む、上記の成分を一緒に発現構築物中に入れる。発現構築物またはカセットは、多くの場合、例えば酵母やバクテリアのような宿主中に安定した状態で維持できる、例えば染色体外因子(例えばプラスミド)のようなレプリコン中に維持される。レプリコンは2つの複製系を有しており、従って、例えば発現のためには酵母中に、そしてクローニングおよび増幅のためには原核生物宿主中に維持することができる。そのような酵母−バクテリアシャトルベクターの例はYEp24[Botsteinら, Gene 8:17-24(1979)]、pC1/1[Brakeら, Proc. Natl.Acad. Sci. USA 81:4642-4646(1984)]、およびYRp17[Stinchcombら, J. Mol. Biol., 158:157(1982)]を含む。さらに、レプリコンは高コピー数のプラスミドであっても低コピー数のプラスミドであってもよい。高コピー数のプラスミドは一般に約5−約200の範囲のコピー数、通常約10−約150のコピー数を有するだろう。高コピー数のプラスミドを含む宿主は、好ましくは少なくとも約10、さらに好ましくは少なくとも約20含有するだろう。ベクターおよびPACEポリペプチドが宿主に及ぼす作用により、高コピー数ベクターかまたは低コピー数ベクターかどちらかが選ばれる。例えば上記Brakeらを参照されたい。
または、発現構築物は組込みベクターを用いて酵母ゲノムに組込むことができる。組込みベクターはベクターの組込みを可能にする、酵母染色体と相同な少なくとも1つの配列を通常含み、そして発現構築物に隣接する、2つの相同配列を含むことが好ましい。組込みはベクターと酵母染色体の相同DNA間の組換えにより生じると考えられる[Orr-Weaverら, Methods in Enzymol,101:228-245(1983)]。組込みベクターはベクターの封入のための適切な相同配列を選択することにより酵母の特定位置に向けることができる。上記Orr-Weaverらを参照されたい。1またはそれ以上の発現構築物を組込むこともでき、これは恐らく産生される組換えタンパク質のレベルに影響を与える[Rineら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:6750(1983)]。ベクター中に含まれる染色体配列は、全ベクターの組込みをもたらす、ベクター中の単一のセグメントとして、または発現構築物だけの安定的な組込みをもたらす、染色体中の隣接セグメントに相同でかつベクター中の発現構築物に隣接する2つのセグメントとして存在し得る。
通常、染色体外および組込み発現ベクターは形質転換された酵母株の選択を可能にする選択マーカーを含む。選択マーカーは、例えばADE2、HIS4、LEU2、TRP1およびALG7のように酵母宿主中で発現され得る生合成遺伝子およびG418耐性遺伝子を含み、これらは酵母細胞にそれぞれツニカマイシンおよびG418に対する耐性を与える。さらに、適切な選択マーカーはまた酵母に金属のような毒性化合物の存在下で増殖する能力を与える。例えば、CUP1の存在は酵母の銅イオンの存在下での増殖を可能にする[Buttら, Microbiol. Rev., 51:351(1987)]。
または、上記の成分のいくつかをまとめて形質転換ベクターに入れることができる。通常、形質転換ベクターは、上記のように、レプリコン中に維持されるかまたは組込みベクターに形成される選択マーカーから構成される。
染色体外レプリコンまたは組込みベクターである、発現および形質転換ベクターが多くの酵母の形質転換のために開発された。例えば、発現ベクターは特に次の酵母のために開発された:カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)[Kurtzら, Mol. Cell.Biol., 6 :142(1986)], カンジダ・マルトーサ(Candida maltosa)[Kunzeら, J. Basic Microbiol.,25:141(1985)]; ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)[Gleesonら, J. Gen.Microbiol. 132:3459(1986); Roggenkempら, Mol. Gen. Genet.202:302(1986)]; クルイベロミセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis)[Dasら, J. Bacteriol. 158:1165(1984)]; クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)[De Louvencourtら, J. Bacteriol. 154:737(1983); Van den Bergら, Bio/Technology 8:135(1990)]; ピキア・ギレリモンジ(Pichia guillerimondii)[Kunzeら, J. Basic Microbiol. 25:141(1985)]; ピキア・パストリス(Pichia pastoris)[Creggら, Mol. Cell. Biol. 5:3376(1985); 米国特許第4,837,148号および第4,929,555号]; サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)[Hinnenら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 75:1929(1978); Itoら, J. Bacteriol. 153:163(1983)]; シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)[Beach and Nurse,Nature 300:706(1981)];およびヤロウイア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)Davidowら, Curr. Gnet. 10:380471(1985); およびGaillardinら, Curr. Genet. 10:49(1985)]。
外因性DNAを酵母宿主に導入する方法は当業界でよく知られており、一般にはスフェロプラストまたはアルカリカチオンで処理した無傷の酵母細胞の形質転換を含む。形質転換方法は形質転換される酵母種により通常異なる。カンジダ(Candida)に関しては、例えばKurtzら,Mol. Cell. Biol. 6:142(1986); Kunzeら, J. Basic Microbiol. 25:141(1985)を参照。ハンセヌラ(Hansenula)に関しては、例えばGleesonら, J. Gen. Microbiol. 132:3459(1986); Roggenkampら, Mol. Gen. Genet. 202:302(1986)を参照。クルイベロミセス(Kluyveromyces)に関しては、例えばDasら, J. Bacteriol. 158:1165(1984); De Louvencourtら, J. Bacteriol. 154:1165(1983);Van den Bergら, Bio/Technology 8:135(1990)を参照。ピキア(Pichia)に関しては、例えばCreggら, Mol. Cell. Biol. 5:3376(1985); Kunzeら, J. BasicMicrobiol. 25:141(1985); 米国特許第4,837,148号および第4,929,555号を参照。サッカロミセス(Saccharomyces)に関しては、例えばHinnenら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 75:1929(1978); Itoら,J. Bacteriol.153:163(1983)を参照。シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)に関しては、例えばBeach and Nurse, Nature 300:706(1981)を参照。ヤロウイア(Yarrowia)に関しては、例えばDavidowら, Curr. Genet. 10:39(1985); Gailla rdinら, Curr. Genet. 10:49(1985)を参照。
さらに、PACE遺伝子またはそのフラグメントをバクテリア系において発現させることもできる。ここで、バクテリアプロモーターは、バクテリアのRNAポリメラーゼに結合してコード配列(例えば構造遺伝子)のmRNAへの下流(3”)転写を開始できるDNA配列のことである。プロモーターはコード配列の5’末端の近位に常に位置する転写開始領域を有するだろう。この転写開始領域は一般にRNAポリメラーゼ結合部位および転写開始部位を含む。バクテリアのプロモーターはまた、RNA合成が始まる隣接RNAポリメラーゼ結合部位に重複しうる、オペレーターと呼ばれる第2ドメインを有することがある。遺伝子リプレッサータンパク質はオペレーターに結合し、それにより特定の遺伝子の転写を阻害するので、オペレーターは調節された(誘導可能な)負の転写を可能にする。構成的発現はオペレーターのような負の調節要素の非存在下において起こる。さらに、正の調節は(もし存在するならば通常RNAポリメラーゼ結合配列の近傍(5’側)にある)遺伝子アクチベータータンパク質結合配列により達成される。遺伝子アクチベータータンパク質の例は、E.coliにおいてlacオペロンの転写開始を助けるカタボライト活性化タンパク質(CAP)である[Raibaudら, Annu. Rev. Genet. 18:173(1984)]。従って、調節された発現は正かまたは負であり、それにより転写を増強まは減少させる。
代謝系酵素をコードする配列は特に有用なプロモーター配列を提供する。例としてはガラクトース、ラクトース(lac)[Changら,Nature 198:1056(1987)]およびマルトースのような糖代謝酵素由来のプロモーター配列がある。さらに別の例としては、トリプトファン(trp)のような生合成酵素由来のプロモーター配列がある[Goeddelら, Nuc. Acids Res. 8:4057(1980); Yelvertonら,Nucl. Acids Res. 9:731(1981); 米国特許第4,738,921号; E.P.O.公告第36,776号および第121,775号]。β−ラクタマーゼ(bla)プロモーター系[Weissmann, “The Cloning of Interferon and Other Mistakes”in Interferon 3(ed.I.Gresser, 1981)];バクテリオファージラムダPL[Shimatakeら, Nature 292: 128(1981)]およびT5[米国特許第4,689,406号]のプロモーター系もまた有用なプロモーター配列を提供する。
さらに、天然に存在しない合成プロモーターもまたバクテリアプロモーターとして機能する。例えば、1つのバクテリアまたはバクテリオファージのプロモーターの転写活性化配列を、別のバクテリアまたはバクテリオファージのプロモーターのオペロン配列と結合させて、合成ハイブリッドプロモーターをつくることができる[米国特許第4,551,433号]。例えば、tacプロモーターはtrpプロモーターとlacオペロン配列の両方から成るハイブリッドtrp-lacプロモーターであり、lacリプレッサーにより調節されている[Amannら, Gene 25:167(1983); de Boerら, Proc. Natl. Acad. Sci.80:21(1983)]。さらに、バクテリアのプロモーターは、バクテリアのRNAポリメラーゼと結合して転写を開始する能力を有する、バクテリアに由来しない自然に存在するプロモーターを含むことができる。バクテリアに由来しない自然に存在するプロモーターはまた適合性のRNAポリメラーゼとカップリングして原核生物中のいくつかの遺伝子の高レベルの発現をもたらす。バクテリオファージT7 RNAポリメラーゼ/プロモーター系はカップリングしたプロモーター系の例である[Studierら, J. Mol. Biol. 189:113(1986); Taborら, Proc. Natl. Acad. Sci. 82:1074(1985)]。さらに、ハイブリッドプロモーターはまたバクテリオファージプロモーターおよびE.coliオペレーター領域から構成することもできる[E.P.O.公告第267,851号]。
機能性プロモーター配列に加えて、効率的なリボソーム結合部位もまた原核生物におけるPACE遺伝子またはそのフラグメントの発現に有用である。E.coliにおいて、リボソーム結合部位はシャイン・ダルガルノ(SD)配列と呼ばれ、開始コドン(ATG)と開始コドンの3−11ヌクレオチド上流に位置する3−9ヌクレオチド長の配列を含む[Shineら, Nature 254:34(1975)]。SD配列は、SD配列とE.coli 16S rRNAの3’末端の間の塩基対合によりmRNAのリボソームに対する結合を促進すると考えられる[Steitzら, “Genetic signals and nucleotide sequences in messenger RNA”in Biological Regulation and Development:Gene Expression(ed. R.F. Goldberger, 1979)]。弱いリボソーム結合部位を有する真核生物遺伝子および原核生物遺伝子を発現させるために[上記引用のSambrookら, “Expression of cloned genes in Escherichia coli”in Molecular Cloning: A Laboratory Manual]。
PACEは細胞内に発現される。プロモーター配列はPACE遺伝子またはそのフラグメントと直接結合しうるが、その場合、N末端の第1アミノ酸はATG開始コドンによりコードされるメチオニンであることが常である。必要に応じて、N末端のメチオニンは臭化シアンとのin vitroインキュベーションにより、またはバクテリアのメチオニンN末端ペプチダーゼとのin vivoまたはin vitroインキュベーションによりタンパク質から切断する[E.P.O.公告第219,237号]。
融合タンパク質は、直接発現に代わる手段を提供する。通常、内因性バクテリアタンパク質のN末端部分、または他の安定したタンパク質、をコードするDNA配列が異種PACEコード配列の5’末端に融合される。発現に際して、この構築物は、2つのアミノ酸配列の融合物を提供するだろう。例えば、バクテリオファージラムダ細胞遺伝子はPACE遺伝子またはそのフラグメントの5’末端に連結され、バクテリア内で発現され得る。得られる融合タンパク質は、好ましくは、PACE遺伝子またはそのフラグメントからバクテリオファージタンパク質を切断するプロセシング酵素(Xa因子)の部位を保有する。[Nagaiら, Nature 309:810(1984)]。
融合タンパク質はまたlacZ[Jiaら, Gene 60:197(1987)],trpE[Allenら, J. Biotechnol., 5:93(1987); Makoffら, J.Gen. Microbiol. 135:11(1989)およびChey[E.P.O.公告第324,647号]遺伝子からの配列を用いてつくることができる。2つのアミノ酸配列の結合部のDNA配列は切断部位をコードしてもしなくてもよい。別の例はユビキチン融合タンパク質である。そのような融合タンパク質はPACEポリペプチドからユビキチンを切断するプロセシング酵素(例えばユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ)の部位を好ましくは保有しているユビキチン領域からつくられる。この方法により、成熟PACEポリペプチドを単離できる[Millerら, Bio/Technology, 7:698(1989)]。
または、バクテリアにおいてPACEポリペプチドの分泌を提供するシグナルペプチド配列フラグメントを含む融合タンパク質をコードするキメラDNA分子をつくることにより、PACEポリペプチドを細胞から分泌させることもできる[米国特許第4,336,336号]。シグナル配列フラグメントは、一般に細胞からのタンパク質の分泌を指図する疎水性アミノ酸を含むシグナルペプチドをコードしている。タンパク質は、増殖培地に分泌されるか(グラム陽性菌)または細胞の内膜と外膜との間に位置する細胞周辺腔に分泌される(グラム陰性菌)。好ましくは、シグナルペプチドフラグメントとPACEポリペプチド間にコードされるプロセシング部位が存在し、この部位はin vivoまたはin vitroで切断され得るものである。
適切なシグナル配列をコードするDNAは、例えばE.coli外膜タンパク質遺伝子(ompA)[Masuiら, in Experimental Maniulation of Gene Expression(1983); Ghrayebら, EMBO J. 3:2437(1984)]およびE.coliアルカリホスファターゼシグナル配列(phoA)[Okaら, Proc. Natl. Acad. Sci. 82:7212(1985)]のような分泌されるバクテリアタンパク質の遺伝子から得られる。別の例として、種々のバシラス(Bacillus)株からのα−アミラーゼのシグナル配列を用いて、枯草菌(B. subtilis)から異種タンパク質を分泌させることができる[Palvaら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:5582(1982); E.P.O.公告第244,042号]。
通常、バクテリアにより認識される転写終止配列は翻訳終止コドンの3’側に位置する調節領域であり、従ってプロモーターと一緒になってコード配列をはさんでいる。これらの配列は、DNAによりコードされるポリペプチドに翻訳され得るmRNAの転写を指図する。転写終止配列は、転写を終了するのに役立つステムループ構造を形成できる(約50ヌクレオチドの)DNA配列をしばしば含む。例としてはE.coliのtrp遺伝子および他の生合成遺伝子のような、強力なプロモーターを有する遺伝子由来の転写終止配列が含まれる。
通常、プロモーター、(必要ならば)シグナル配列、対象となるコード配列および転写終止配列を含む上記の構成要素を発現構築物に組立てる。発現構築物は、バクテリアのような宿主中に安定した状態で維持され得る染色体外要素(例えばプラスミド)のようなレプリコン中に、多くの場合保持される。コピー数のパラメーターを含む、同様のレプリコンの記載は酵母発現系に関連して上で詳細に記載されている。そのような記載はまたバクテリア系に適用される。
または、発現構築物は組込みベクターと共にバクテリアゲノムに組込むことができる。組込みベクターは、ベクターの組込みを可能にする、バクテリア染色体に相同な少なくとも1つの配列を通常含む。組込みは、ベクターとバクテリア染色体の中にある相同なDNA間の組換えにより生じると考えられる。例えば、種々のBacillus株からのDNAを用いて構築した組込みベクターはBacillus染色体に組込まれる[E.P.O.公告第127,328号]。組込みベクターはバクテリオファージまたはトランスポゾン配列から構成することもできる。
通常、染色体外および組込み発現構築物は選択マーカーを含み、これにより形質転換されたバクテリア株の選択が可能である。選択マーカーは、バクテリア宿主中で発現されるものであり、例えばアンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン(ネオマイシン)およびテトラサイクリンのような薬剤に対してバクテリアを耐性にする遺伝子を含む[Daviesら, Annu. Rev. Microbiol. 32:469(1978)]。選択マーカーはまた例えばヒスチジン、トリプトファンおよびロイシン生合成系の遺伝子のような生合成遺伝子を含む。
または、上記の構成要素のいくつかをまとめて形質転換ベクター中に入れることができる。形質転換ベクターは、上記のように、レプリコン中に維持されるかまたは組込みベクター中に形成される選択マーカーから構成される。
染色体外レプリコンまたは組込みベクターである、発現ベクターおよび形質転換ベクターが多くのバクテリアの形質転換のために開発された。例えば、発現ベクターは次のバクテリアのために開発された:枯草菌(Bacillus subtilis)[Palvaら, Proc. Natl.Acad. Sci. USA 79:5582(1982); E.P.O.公告第36,259号および第63,953号; P.C.T. WO 84/04541];大腸菌(E.coli)[Shimatakeら,Nature, 292: 128(1981); Amannら, Gene, 40:183(1985); Studierら, J. Mol. Biol. 189 :113(1986); E.P.O.公告第36,776号,第136,829号および第136,907号、英国特許出願番号第8418273号];ストレプトコッカス・クレモリス(Streptococcus cremoris)[Powellら, Appl. Environ. Microbiol. 54:655(1988)];ストレプトコッカス・リビダンス(Streptococcus lividans)[Powellら, Appl. Environ. Microbiol. 54:655(1988)];ストレプトミセス・リビダンス(streptomyces lividans)[米国特許第4,7445,056号]。
外因性DNAをバクテリア宿主に導入する方法は当業界でよく知られており、CaCl2かまたは二価のカチオンおよびDMSOのような他の薬剤で処理されたバクテリアの形質転換を通常含む。DNAはまたエレクトロポレーションによりバクテリア細胞中に導入できる。形質転換方法は形質転換されるバクテリア種により通常異なる。例えば、[バシラス(Bacillus)に関してはMassonら、FEMS Microbiol. Lett. 60:273(1989); Palvaら, Proc. Natl.Acad. Sci. USA 79: 5582(1982); E.P.O.公告第36,259号および63,953号; P.C.T. WO 84/04541],[カンピロバクター(Campylobacter)に関してはMillerら, Proc. Natl. Acad. Sci. 85:856(1988); Wangら, J. Bacteriol. 172: 949(1990)]; [エシェリキア(Escherichia)に関してはCohenら, Proc. Natl. Acad.Sci. 69:2110(1973); Dowerら, Nucleic Acids Res. 16:6127(1988); Kushner, “ColE1誘導プラスミドによる大腸菌形質転換の改良法(An improved method for transformation of Escherichia coli with ColEl-derived plasmids)”in Genetic Engineering: Proceedings of the International Symposium on Genetic Engineering(eds. H.W. Boyer and S. Nicosia, 1978);Mandelら, J. Mol. Biol. 53:159(1970); Taketo, Biochim. Biophys.Acta 949:318(1988)]; [ラクトバシラス(Lactobacillus)に関してはChassyら, FEMS Microbiol. Lett. 44:173(1987)]; [シュードモナス(Pseudomonas)に関してはFiedlerら, Anal. Biochem 170:38(1988)]; [スタフィロコッカス(Staphylococcus)に関してAugustinら, FEMS Microbiol. Lett. 66:203(1990)];[ストレプトコッカス(Streptococcus)に関してはBaranyら, J. Bacteriol. 144:698(1980); Harlander,“エレクトロポレーションによるストレプトコッカス・ラクチスの形質転換(Transformation of Streptococcus lactis by electroporation,”in Streptococcal Genetics(ed. J. Ferretti and R. Curtiss III, 1987); Perryら, Infec. Immun. 32:1295(1981); Powellら, Appl.Environ. Microbiol. 54:655(1988); Somkutiら、Proc. 4th Evr. Cong. Biotechnology 1: 412(1987)]を参照されたい。
C.昆虫細胞における発現
本発明の一態様において、前駆体ポリペプチドの成熟ポリペプチドへの増強されたプロセシングは、PACEをコードするDNA配列を昆虫細胞に導入し、組換え昆虫細胞をつくることにより達成される。前駆体ポリペプチドとPACEは、前駆体がPACEにより切断される少なくとも1つの選択的に切断可能なペプチド結合を有する点で関係している。PACEの転写開始および発現は未修飾宿主と比較して、PACE生産の増強を可能にする。
PACEをコードするポリヌクレオチドを適切な昆虫発現ベクターに挿入し、そのベクター内の調節要素に機能しうる状態で連結させる。ベクター構築は当業界で知られている技術を使用する。所望のPACE DNA配列がいったん得られると種々の構築物を作製できる。
一般に、発現系の構成要素はバキュロウイルスゲノムのフラグメントと発現すべき1以上の異種遺伝子を挿入するために都合のよい制限部位との両方を含む、伝達ベクター(通常はバクテリアプラスミド);異種遺伝子のバキュロウイルスゲノムへの相同組換えを可能にする、伝達ベクター中のバキュロウイルス特異的フラグメントと相同の配列を有する野生型バキュロウイルス; および適切な昆虫宿主細胞と増殖培地を含む。
PACE DNA配列を伝達ベクターに挿入した後、ベクターおよび野生型ウイルスゲノムを昆虫宿主細胞にトランスフェクションし、ベクターとウイルスゲノムとを組換えさせる。パッケージされた組換えウイルスを発現させ、組換えプラークを同定し精製する。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系の材料と方法は、特にカリフォルニア州サンジエゴのInvitrogen社(“MaxBac”キット)からキットの形で入手可能である。これらの技術は一般に当業者に知られており、そしてSummers and Smith, Texas Agricultural Experiment Station Bulletin No.1555(1987)(以後“Summers and Smith”と略記する)に充分に記載されている(上記文献は参照によりここに引用するものとする)。
PACE DNA配列をバキュロウイルスゲノムに挿入する前に、プロモーター、リーダー(必要に応じて)、対象となるコード配列および転写終止配列を含む上記構成要素を、通常、中間的なトランスプレースメント(transplacement)構築物(伝達ベクター)に組立てる。この構築物は単一の遺伝子および機能しうる状態で連結された調節要素;複数の遺伝子、それぞれが機能しうる状態で連結された調節要素を一組ずつ有する;または同じ一組の調節要素により調節される複数の遺伝子を含むことができる。中間的なトランスプレースメント構築物は、バクテリアのような宿主中での安定した維持が可能な染色体外要素(例えばプラスミド)のように、レプリコン中に維持されることが多い。レプリコンは複製系を有し、従って、クローニングおよび増幅のために適切な宿主中での維持が可能である。
現在、AcNPVに外来遺伝子を導入するために最も普通に用いられる伝達ベクターはpAc373である。当業者に知られている多くの他のベクターもまた設計されている。これらには、例えばpVL985(ポリヘドリン開始コドンをATGからATTに変え、ATTから32塩基対下流にBamHIクローニング部位を導入する)が含まれる[例えば、LuckowおよびSummers, Virology,17:31(1989)を参照]。
プラスミドはまたE.coliでの選択および増殖のためにポリヘドリンポリアデニル化シグナル[Millerら, Ann. Rev. Microbiol.,42:177(1988)]および原核生物アンピシリン耐性(amp)遺伝子および複製開始点を通常含む。
バキュロウイルス伝達ベクターはバキュロウイルスプロモーターを通常含む。バキュロウイルスプロモーターは、バキュロウイルスRNAポリメラーゼに結合でき、コード配列(例えば、構造遺伝子)のmRNAへの下流(5’から3’)転写を開始できるDNA配列のことである。プロモーターはコード配列の5’末端の近位に通常位置する転写開始領域を有するだろう。この転写開始領域はRNAポリメラーゼ結合部位および転写開始部位を通常含む。バキュロウイルス伝達ベクターは、存在するとしたら、構造遺伝子の通常遠位にある、エンハンサーと呼ばれる第2ドメインを有していてもよい。発現は調節されるかまたは構成的である。
ウイルス感染サイクルの後期に多量に転写される、構造遺伝子は、特に有用なプロモーター配列を提供する。例としては、ウイルス多面体タンパク質をコードする遺伝子[Friesenら,“バキュロウイルス遺伝子発現の調節(The Regulation of Baculovirus Gene Expression),”in The Molecular Biology of Baculoviruses(ed. Walter Doerfler, 1986); E.P.O.公告第127,839号および第155,476号];およびp10タンパク質をコードする遺伝子[Vlakら, J. Gen. Virol. 69:765(1988)]由来の配列がある。
適切なシグナル配列をコードするDNAは、バキュロウイルスポリヘドリン遺伝子のように分泌されるバキュロウイルスタンパク質または昆虫タンパク質の遺伝子から得られる[Carbonellら, Gene, 73: 409(1988)]。また、哺乳動物細胞の翻訳後修飾(例えばシグナルペプチド切断、タンパク質分解切断、およびリン酸化)のためのシグナルは昆虫細胞により認識されるように思え、そして分泌および核内蓄積に必要なシグナルは無脊椎動物細胞と脊椎動物細胞との間で保存されているように思えるので、例えばヒトα−インターフェロン[Maedaら, Nature 315:592(1985)];ヒトガストリン放出ペプチド[Lebacq-Verheydenら, Molec,Cell. Biol. 8:3129(1988)]; ヒトIL−2[Smithら, Proc.Nat’l. Acad. Sci. USA, 82:8404(1985)];マウスIL−3[Miyajimaら, Gene, 58:273(1987)〕;およびヒトグルコセレブロシダーゼ[Martinら, DNA, 7:99(1988)]をコードする遺伝子に由来する昆虫起源でないリーダーも昆虫での分泌をもたらすべく使用することができる。
上記のように、いくつかの事例では、PACE DNA配列に対して発現産物の前駆体を発現する遺伝子を2またはそれ以上の複数のコピー数を有することが望ましく、その逆も望ましい。本発明の実施態様のいくつかは、複数のタンパク質、例えばPACEおよび1つまたはいくつかの異種前駆体ポリペプチドの組換え生産を含む。これはいくつかの異なる戦略により達成される。例えば、PACEは、ここに記載されたバキュロウイルス/昆虫細胞発現系においてPACEをコードする遺伝子を発現させることにより生産される。続いて、このように生産されたPACEは、異種前駆体ポリペプチドを酵素的に切断して、より成熟した形のタンパク質を形成させるために用いられる。もちろん、PACEおよび前駆体ポリペプチド両者を別々のバキュロウイルス/昆虫細胞発現系により生産させて、その後混合することもできる。
また、PACEおよび1以上の前駆体ポリペプチドは、同じ昆虫細胞中で対応する遺伝子の発現により同時に生産され得る。各遺伝子は、別々の形質転換現象により、例えば別々のトランスフェクション、トランスフェクションとバキュロウイルス感染または複数のバキュロウイルス感染により昆虫細胞に導入される。種々の組み合せが当業者には明らかであろう。上記の機能しうる状態で連結された発現調節要素を2組またはそれ以上有する伝達ベクターを構築することもできる。各組の発現要素は異なる遺伝子を挿入できる単一の制限部位を有している。各組の要素は同じ型のプロモーターを用いても、異なるプロモーターを各組に用いてもよい。PACEと前駆体ポリペプチドの酵素/基質比率は、様々の相対的効率を有する異なるプロモーターを用いることにより最適化される。
最後に、PACEおよび1以上の前駆体ポリペプチドをコードする複数の遺伝子を組み入れる伝達ベクターは、全ての遺伝子が一組の調節要素の制御下でポリシストロンメッセージとして発現されるように設計され得る。得られるポリタンパク質はPACE部分の自己触媒活性により、または、機能性ドメイン間の部位特異的エンドペプチダーゼ(例えばシグナルペプチダーゼ)のための認識部位の組込みにより構成部分にプロセシングできる。
組換えポリペプチドまたはポリタンパク質は細胞内に発現されるか、またはそれが適切な調節配列と共に発現されるならばそれは分泌されよう。非融合外来タンパク質の良好な細胞内発現は、一般にATG開始シグナルの前に適切な翻訳開始シグナルを含む短いリーダー配列を理想的には有する異種遺伝子を必要とする。必要に応じて、N末端のメチオニンは臭化シアンとのin vitroインキュベーションにより成熟タンパク質から切断される。
また、天然には分泌されない組換えポリタンパク質またはタンパク質は、昆虫細胞から異種タンパク質を分泌させるリーダー配列フラグメントを含む融合タンパク質をコードするキメラDNA分子をつくることにより、昆虫細胞から分泌され得る。リーダー配列フラグメントは小胞体へのタンパク質の移動を指示する疎水性アミノ酸を含むシグナルペプチドをコードする。
PACE DNA配列および/または発現産物前駆体をコードする遺伝子の挿入後、昆虫細胞宿主は伝達ベクターの異種DNAおよび野生型バキュロウイルスのゲノムDNAを用いて--通常同時トランスフェクションにより--同時形質転換する。構築物のプロモーターおよび転写終止配列は一般にバキュロウイルスゲノムの2−5kb断片を含むであろう。バキュロウイルスの所望の部位に異種DNAを導入する方法は当業界で知られている[例えば、上記引用のSummers and Smith;上記引用のJuら(1987); Smithら, Mol.Cell. Biol., 3:2156(1983);および上記引用のLuck ow and Summers(1989)を参照]。例えば、相同二重交差組換えにより、ポリヘドリン遺伝子のような遺伝子に挿入できる;所望のバキュロウイルス遺伝子に遺伝子操作によりつくられた制限酵素部位にも挿入できる[Millerら, Bioessays, 4:91(1989)]。DNA配列が発現ベクター中のポリヘドリン遺伝子の場所にクローン化される場合、DNA酸列はポリヘドリン特異的配列に5’側と3’側の両方で隣接し、ポリヘドリンプロモーターの下流に置かれる。
新しく形成されたバキュロウイルス発現ベクターは、その後感染性組換えバキュロウイルスにパッケージングされる。相同組換えは低い頻度で起る(約1%と約5%の間);かくして、同時トランスフェクションの後に生成されたウイルスの大部分は以前として野生型ウイルスである。従って、組換えウイルスを同定する方法が必要である。発現系の利点は組換えウイルスの識別を可能にする可視的スクリーニングである。天然ウイルスにより生産されるポリヘドリンタンパク質は、ウイルス感染後、後期に感染細胞の核内で非常に高いレベルで生産される。蓄積されたポリヘドリンタンパク質は包埋粒子も含む封入体を形成する。15μmまでの大きさのこれらの封入体は非常に屈折力があり、光学顕微鏡で容易に可視化される明るく輝いた外観をそれらに与える。組換えウイルスに感染した細胞は封入体を欠いている。組換えウイルスを野生型ウイルスから区別するためには、トランスフェクション上清は当業者に知られている方法を用いて昆虫細胞の単層上にプラーク形成させる。すなわち、プラークを封入体の存在(野生型ウイルスの指標となる)または非存在(組換えウイルスの指標となる)について光学顕微鏡でスクリーニングする[“Current Protocols in Microbiology”, Vol.2(Ausubelら, eds)at 16.8(supp. 10, 1990); 上記引用のSummers and Smith; 上記引用のMiller et al. (1989)]。
組換えバキュロウイルス発現ベクターはいくつかの昆虫細胞への感染のために開発された。例えば、組換えバキュロウイルスは特に:Aedes aegypti, Autographa californica, Bombyx mori,Drosophila melanogaster, Spodoptera frugiperda, およびTrichoplusia ni のために開発された[P.C.T.公告第WO89/046699号;Carbonellら, J. Virol. 56:153(1985); Wright, Nature321:718(1986); Smithら, Mol. Cell. Biol. 3 :2156(1983);および一般的にはFraserら, In Vitro Cell, Dev. Biol. 25:225(1989)を参照]。
細胞および培地はバキュロウイルス/発現系での異種ポリペプチドの直接および融合発現の両方について市販品を利用できる。細胞培養技術は一般に当業者に知られている[例えば、上記引用のSummers and Smith参照]。
続いて、修飾された昆虫細胞は修飾された昆虫宿主中に存在するプラスミドの安定した維持を可能にする適切な栄養培地で増殖させる。発現産物の遺伝子が誘導可能な制御下にある場合は、宿主を高密度に増殖させて、発現を誘導する。また、発現が構成的である場合は、産物を培地中に継続的に発現させて、目的の産物を取り出し、消費した栄養物を追加しながら栄養培地を絶えず循環させなければならない。産物は、例えばクロマトグラフィー(例えばHPLC、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー)、電気泳動、密度勾配遠心分離、溶媒抽出等のような既知の方法により精製される。培地中にも分泌されたまたは昆虫細胞の溶解により生じる、いかなる昆虫タンパク質もかなり取り除いて、要求に適切なように生成物をさらに精製し、少なくとも実質的に宿主残渣(例えばタンパク質、脂質および多糖)を含まない生成物を提供する。
D.生物学的物質の寄託
図2.のPACE遺伝子を含むプラスミドPACE/pBS24.1で形質転換された大腸菌株HB101宿主細胞はメリーランド州ロックビルのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に1990年11月30日に寄託され、E.coli中のPACE/pBS24.1と命名された。この寄託物は特許手続きのために微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の条件下で維持されよう。受託番号はATCC68486である。
この寄託は単に当業者に便利なように提供されたものであり、寄託が35U.S.C.§ 112のもとで必要であることを認めるものではない。このプラスミドの核酸配列およびそれによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列はここに参照により引用され、ここでの記載といかなる矛盾がある場合にも統制している。寄託物を製造し、使用し、販売するためにはライセンスが必要であり、そのようなライセンスをこれにより与えるものではない。
下記の実験の項は、単なる例示を意図しており、本発明の範囲を制限するものでは全くない。下記の実施例は哺乳動物細胞におけるPACEの発現と生産のためのプラスミドの構築、および哺乳動物中でのPACEと血液凝固因子、(IX因子)、の同時発現を例示的に記載している。
実施例1.PACE cDNAの構築
この実施例は、哺乳動物PACEをコードする複合組換えcDNAの構築およびその中でコードされているポリペプチドの特性決定を示す。cDNAはPACE分子の別々の部分をコードする2つの単離されたcDNAから構築された。
PACEをコードするcDNAの分子クローニングは次の様に達成された。方向づけられたcDNAライブラリーをヒト肝臓細胞系HEPG2から単離されたポリ(A)+mRNAを用いて酵母発現ベクターpAB23BXN中に構築した。pAH23BXNはpAH23BXの誘導体であり[Schildら, Proc. Natl. Acad.Sci. USA., 87:2916(1990)]、その中に単一方向cDNAクローニングのためにBstXIおよびNot1部位を含む合成ポリリンカーが挿入してある。オリゴヌクレオチドプローブを用いて、ライブラリーから3295bpクローンを単離した。これらのプローブはfur遺伝子生産物の一部をコードしていると仮定される部分的なcDNAクローン(3.1kb)の配列を用いて合成した[A.J.M. Roebroekら, EMBO J. 5:2197(1986)]。
PACE cDNAの5’末端を単離するために、特定の内部で開始されるメッセージを用いてHEPG2ポリ(A)+RNA mRNAからの第2cDNAライブラリーをλZAPII[Stratagene]中に構築した。このライブラリーから単離された最長のクローンを用いてPACEの複合cDNAを構築した。複合cDNAは4351bpを含み、388bpの5’非翻訳領域、794アミノ酸に相当する推定コード配列、そして2つの終止コドンと17dA残基の尾部を含む、1597bpの3’非翻訳領域から成る。
複合PACE cDNAの完全な配列およびコードされたタンパク質配列を、cDNA配列の上に示された、コードされたタンパク質配列と共に図2に示す。番号はcDNA中の有意なオープンリーディングフレーム(ORF)に基づいている。cDNAに存在するオリゴヌクレオチドアダプター配列は小文字で示されている。推定シグナルペプチドは下線で示し、トランスメンブラン(TM)領域は陰をつけて示す。活性部位残基と思えるものは星印で示す。Asn-結合グリコシル化の共通部位はひし形で示しシステイン残基は棒で示す。二塩基性タンパク質分解プロセシング部位となりうるものは矢印で示す。
複合PACE cDNA構造に基づき、次のことが推定される。PACEの翻訳はヌクレオチド#1のATG開始コドンから恐らく開始される。ヌクレオチド#1から上流に4つのATGコドンがあるが、ヌクレオチド#1のATGがcDNAの5’領域中の唯一のin-frameメチオニンコドンであり、それに続く26アミノ酸が古典的な疎水性シグナル配列を構成し、これは通常膜結合タンパク質と結合している。シグナルペプチダーゼ切断部位はアミノ酸#26−27の間に存在する。
大きなORFは計算上の分子量86.7kDを有するPACE前駆体タンパク質をコードする。さらに、いくつかの塩基性アミノ酸対残基がPACE前駆体のアミノ酸末端領域に位置しており(図2)、タンパク質分解/自己分解プロセシング部位に相当しうる。コード配列はN−結合グリコシル化のための3つの共通部位および22のシステイン残基を含む。活性部位はORF中にあり、3つ組のアミノ酸を含む:アスパラギン酸(Asp #153)、ヒスチジン(His #194)、およびセリン(Ser #368)。システインを多く含む領域(CRR)もまた存在し、図2に示すように大体アミノ酸Cys#587からアミノ酸Cys #675に位置している。推定疎水性トランスメンブラン(TM)領域は、システインを多く含む領域から下流の、大体アミノ酸Val #716からアミノ酸Leu #738に位置している。
3’非翻訳領域は相対的に長く(1597bp)、そして複合クローンのヌクレオチド#3939−#3943に可能なポリアデニル化シグナル(ATTAAA)を含む。特に注目すべきことは、コード配列を含む広範な2次構造をとり得る数多くの領域と、終止コドンのまわりの3’-非翻訳配列である。
実施例2 プラスミド構築および哺乳動物COS−1細胞におけるPACE cDNAの発現
この実施例はCOS−1細胞における組換えPACE cDNAの発現を示す。哺乳動物細胞発現系は次のように構築された。
PCRにより複合PACE cDNAからっくられた、末端を切断した2.47kbp PACE cDNAフラグメントを使用する。この方法はPACEコード配列の5’末端および3’-非翻訳領域の約70bpにハイブリダイズする合成プライマーを利用した。5’プライマーはpBluescript SK-[Stratagene]にクローニングするためのEcoRI部位をつくった。3’プライマーはSalIクローニング部を作った。PCR生成物の全てをM13ジデオキシ配列決定法により確認した。
pBluescript-PACEからの2.47kbp(EcoRI-SalI)PACEcDNAフラグメントは、794コドンのPACEコード配列(図1)とSalI部位の前の74塩基の3’-非翻訳配列を含んでいた。5’末端では、EcoRI PCRプライマーを用いて、ATGの直前の配列を、共通の翻訳開始部位に一致させるように修飾した。
2.47kbの末端切断cDNAをSV−40をベースにした発現ベクターpMT3のクローニング部位(EcoRI-SalI)に挿入し、プラスミドpMT3−PACEをつくった。pMT3ベクターはクローニング部位の3’-側のDHFRコード領域を取り除いたベクターpMT2の誘導体である[R.J. Kaufmanら, Mol. Cell. Biol., 9:946(1989)]。pMT3は米国メリーランド州ロックビルのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に受託番号ATCC 40348として寄託されている。pMT3はまたpMT2−vWFから出発してつくることもでき、これはATCCに受託番号ATCC #67122として寄託されている[PCT出願PCT/US87/00033参照]。
得られたベクター、pMT3−PACEのDNAを精製し、Chen, C.A., and Okayama, H., BioTechniques, 6:632-638(1988):およびC. Chen and H. Okayama, Mol. Cell. Biol. 7:745(1987)に記載された、リン酸カルシウムトランスフェクションプロトコルを用いて一時的発現のためにSV−40形質転換サル腎臓細胞(COS−1)に導入した。10cm培養皿に付き40μgのプラスミドを用いて10mlの培地で細胞をトランスフェクションし、あるいは同時トランスフェクションの場合には、10mlの培地で10cm培養皿に付き合計60μgの等モル割合のプラスミドを用いてトランスフェクションした。
PACE合成を監視するために、トランスフェクションの48−60時間後に、S−標識アミノ酸(例えば35S−Metおよび35S−Cys)を用いてpMT3−PACEでトランスフェクトしたCOS−1細胞を放射標識した。トランスフェクトしていない細胞を同様に処理した。30分のパルス時間後、細胞抽出物をNP−40溶解緩衝液中で溶解することにより調製し[A. J. Dorner and R.J.Kaufman(1990), Meth. Enzymol., 185:577(1990)]、または標識用培地を取り除き完全培地と取り替えてさらにインキュベーションしてチェイスした。細胞抽出物および馴化培地をプロテアーゼ阻害剤で処理し、Wiseら, Cell 52:229-236(1988)に記載された方法を用いて免疫沈降させた。
免疫沈降はPACE−E.coli融合タンパク質に対して生成されたウサギ抗PACE抗血清を用いて行った。ウサギ抗PACE抗血清は、E.coliでヒトスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)融合タンパク質としてPACEのアミノ酸146−372を発現させることより、PACEの触媒ドメインに対して生成されたものである。発現のためのDNAフラグメントをポリメラーゼ・チェーン・リアクション(PCR)によりつくり、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)融合ベクターpTAC7[Steimerら, J.Virol., 58:9(1986)]にクローン化した。誘導された融合タンパク質は分離用ポリアクリルアミドゲル電気泳動により精製し、溶出し、完全フロインドアジュバント中でウサギの免疫感作に用いた。
続いて、免疫沈降試料をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動[SDS−PACE;(A8%; B, C6%アクリルアミド)]により分析した。ゲルをEnHance[Dupont]でのフルオログラフィーのために調製した。
pMT3−PACEでトランスフェクトされなかった対照COS−1細胞からの溶解物において、抗PACE抗血清と免疫反応するタンパク質は検出されなかった。しかしながら、pMT−PACEトランスフェクト細胞からの抽出物では、約90kDのダブレットとしてゲル中を最初に移動する免疫反応性種を検出した。これらPACE免疫沈降物を、上記引用のA.J. Dorner and R.J. Kaufman(1990)に記載された方法を用いて、エンドグリコシダーゼ酵素、N−グリカナーゼ[Genzyme]で処理した。この処理によりゲル中の標識化タンパク質の電気泳動移動度のシフトがおこり、これはアスパラギン結合オリゴ糖の存在と一致した。しかしながら、これらの消化はバンドの複雑さを完全には単純化せず、このことはグリコシル化の差異が発現されたPACE中の観察された異種成分の源泉でないことを示唆するものである。
PACEの分泌を分析するために、35S−標識細胞は過剰の非標識アミノ酸を含む培地中で12時間のチェイス期間インキュベートした。馴化培地からの、および細胞溶解物中の分泌生成物を抗−PACE抗血清で免疫沈降させた。pMT3−PACEトランスフェクト細胞からの培地は、75kDポリペプチドとしてゲル中を移動する免疫反応性タンパク質をもたらした。馴化培地中で観察された75kD免疫沈降PACEポリペプチドの相対的な量は、細胞溶解物中に検出された量または12時間のチェイス期間に細胞内に残存していた量よりも5−10倍少なかった。
細胞内の物質種とは見かけ上の大きさが異なる、この分泌されたPACE種は、そのトランスメンブランおよび/または細胞内ドメインを欠失している末端細胞切断型の分子を表しうる。この大きさの差異は、恐らくトランスフェクトCOS−1細胞中のPACEの大過剰生産により、対のアルギニン残基、#497−498、で自己タンパク質分解が起こった結果であろう。
より詳細なパルスチェイス実験により、PACE翻訳産物は、同じ様なレベルで合成された場合の別の膜内在性糖タンパク質(インフルエンザ赤血球凝集素)と比較して、細胞内に高レベルで蓄積されないことがわかった。
実施例3 Cos-1細胞におけるPACEおよびvWFの同時発現
この実施例は、COS−1細胞での2つの組換えポリペプチドの同時発現中に生産されるフォンビルブラント因子(vWF)、すなわち血液凝固に係るタンパク質、のプロセシングに及ぼす組換えPACE発現の作用を示す。
vWFは大きな前駆体ポリペプチド(プレプロ−vWF)として通常は内皮細胞中で正常に合成される多量体血漿タンパク質である。小胞体(ER)への移動に際して、前駆体ポリペプチドはシグナルペプチド切断およびN−結合オリゴ糖付加を受ける。ERにおいて、プロ−vWFはカルボキシ末端結合ジスルフィド結合ダイマーを形成し、これは、ゴルジおよびゴルジの後のコンパートメントに輸送される際に、一連の複雑なプロセシング工程を受ける。これらの工程は:N−結合炭水化物のプロセシング、O−結合グリコシル化、ジスルフィド結合多量体の組立ておよびプロペプチドの切断を含む[R.I. Handin and D.D. Wagner in Progress in Hemostasis and Thrombosis, vol 9, B.S. Coller, Ed. (W. B. Saunders, Philadelphia, 1989)pp.233-259]。
内皮細胞において、vWFは構成的および調節された分泌経路の両方に従う。COS−1細胞へのvWF cDNA発現ベクターのトランスフェクションはプレプロvWFの合成を指図する[D.T. Borthronら, Nature, 324:270(1986)]。しかしながら、COS−1細胞はvWFプロペプチドを認識して切断することができるプロテアーゼを保有するが、このプロセスは非効率的である。従って、通常の発現実験からの分泌タンパク質の約50%は未切断プロ−vWFである[R.J. Wiseら, Cell, 52: 229(1988)]。PACEがvWFプロペプチドを認識して切断するならば、プロ−vWFとPACEとの同時発現はプロ−vWFを成熟型へより多く変換させるであろう。
プロvWFから成熟型へのPACE変換を示すために、COS−1細胞をpMT3−PACE、pMT2−vWFでトランスフェクトするか[D.T. Bonrthronら, Nature, 324:270(1986)]、または両方のプラスミドで同時トランスフェクトした。細胞は40μgのプラスミドを用いてトランスフェクトするか、または同時トランスフェクションの場合には、10cm培養皿に付き合計60μgの等モル割合のプラスミドを用いて10mlの培地でトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞は実施例2に記載のように35S−アミノ酸で30分間パルス標識して、溶解するか、または標識用培地を取り除いて完全な培地と取り替えてさらにインキュベートしてチェイスした。
細胞抽出物および馴化培地試料をプロテアーゼ阻害剤で処理し免疫沈降させた。免疫沈降はvWFの成熟部分を特異的に認識する抗vWFポリクローナル抗体[Dako Corp.]を用いて行った。同じ試料はまたvWFのプロペプチドに特異的なモノクローナル抗体(抗−vWAgII)でも免疫沈降させた。
30分パルス標識細胞からの細胞抽出物の抗vWF抗体との免疫沈降は、pMT2−vWFだけでトランスフェクトされたCOS−1細胞中に単一鎖のプロ−vWF前駆体のみを検出した。馴化培地は、切断(成熟)と未切断(プロ−vWF)型両方をほぼ等量もたらした。
対照的に、pMT2−vWFとpMT3−PACEで同時トランスフェクトしたCOS−1細胞の細胞抽出物においては、100kDのプロペプチドと225kDの成熟サブユニットが、30分パルス時点で検出された。これは、この時点において有意な量のプロペプチド切断があったことを示す。馴化培地では、12時間チェイス期間の後、分泌されたvWFが225kD成熟タンパク質に完全にプロセシングされた。21サイクルの自動エドマン分解、その後のシンチレーション計数による35S−Met標識225kD産物のアミノ末端の分析により、vWF前駆体内部の正しい部位での切断と一致する結果が得られた。
プロ−vWFの、成熟型vWFへの切断はまたvWFプロペプチドを生成する。上記実験においてもこのプロペプチドの生成が監視された。このプロペプチドの存在は、vWF抗原IIとしても知られているプロペプチドに対するモノクローナル抗体[P.J.Fayら, Nature, 232:995(1986)]との免疫沈降により示された。免疫沈降産物の分析は、上記のようなポリアクリルアミドゲル電気泳動により行った。
結果は、pMT2−vWFのみでトランスフェクトした細胞の抽出物からの免疫沈降が前駆体分子中の未切断プロペプチドの存在により未プロセシングのプロ−vWFを生成することを示した。pMT2−vWFとpMT3−PACEで同時トランスフェクトした細胞からの抽出物の免疫沈降は、100kDのダブレットとしてゲル中を移動するvWFプロペプチドを生じた。ダブレットは、N−グリカナーゼでの消化後単一種に減少し、これは分子量の見かけ上の差異がグリコシル化の差異によるものであることを示す。
同様の分析を用いて、馴化細胞培地をプロペプチドの存在についても分析した。pMT2−vWFトランスフェクト細胞の馴化培地の免疫沈降は、vWFの遊離プロペプチドおよび多量体をもたらした。多量体は成熟vWFとプロ−vWFの混合物を含み、これは単独でトランスフェクトされたCOS−1細胞では不完全なプロセシングが起こっていることを示す。しかしながら、同時トランスフェクト細胞の馴化培地からの抗−AgII抗体免疫沈降は遊離プロペプチドだけを生成し、これはプロ−vWFが成熟型に完全に変換されていたことを示す。
プロペプチドの検出に関するこれらの研究において、単独トランスフェクトおよび同時トランスフェクト細胞からの培地中のvWF多量体の形成は、基本的にR.J. Wiseら、Cell, 52:229(1988)により記載された方法を用いて、非還元アガロースゲル電気泳動により確認された。アガロースゲル電気泳動分析により、単独および同時トランスフェクト細胞からの培地中のvWF多量体の量は類似していることがわかった。
実施例4 PACEの基質特異性
Lys-ArgまたはLys-Lys切断部位を有する基質に対する組換えPACEの認識特異性を検査するために、プロ−vWFの切断部位に変異がある場合の研究を行った。vWF DESと命名された変異体のひとつは、プロペプチド切断部位に非保存的置換、Lys-Arg-Ser(KRS)からAsp-Glu-Ser(DES)、を含んでいた。vWFKKSと命名された別の変異体は、プロペプチド切断部位にLys-Arg-Serに代えてLys-Lys-Serの保存的置換を含んでいた。
変異vWF遺伝子を含むプラスミドはpMT3−PACEと同時トランスフェクトし、PACE切断に対する、その発現産物の感受性を測定した。分析は上記実施例3に記載されているように行った。
分析の結果から、COS−1細胞がvWF DESをコードするプラスミドでトランスフェクトされた場合は、標識産物が未切断プロ−vWF種として分泌されることがわかった。vWF DESプラスミドとpMT3−PACEの両方で同時トランスフェクトされたDOS−1細胞の場合も、同じ結果が得られた。vWF KKSをコードするプラスミドでトランスフェクトされたCOS−1細胞の発現産物を検査したときは、標識産物が再び未切断プロ−vWF種として分泌された。PACEおよびKKS変異タンパク質の両方を発現する、同時トランスフェクトの発現産物を検査した場合は、分泌されたvWFの一部が未切断のままであったが、有意な量のプロペプチド切断が起った。
変異vWF配列を用いたこれら研究の結果から、プロ−vWFの天然Lys-Arg切断部位での非保存的置換が同時発現された組換えPACEによる切断を妨げることが判明した。しかしながら、Lys-Argに代わるLys-Lysの保存的置換は、組換えプロテアーゼのための許容される基質を依然として可能にする。
実施例5 CHO細胞でのPACEの発現
この実施例はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞のPACEコード配列による形質転換を示す。適切なベクターを次の様に構築した。pMT3−PACEをSalIで消化し、PACE cDNAの3’末端で線状化した。SalI部位をdNTPとクレノーで修復した。EcoRIリンカーを平滑末端に連結し、続いてEcoRIで消化した。PACE cDNAをゲルで単離し、次にEcoRI-線状化pMT2−EMC−DHFRに連結した。この後者のプラスミドは、R. Kaufmanら, Nucl. Acids., 19(16): 4485-4490(1991)に記載されているpED4の小さいほうの誘導体である。
形質転換されたDH5αコロニーをプラスミドミニプレップのために取り出した。挿入物の方向はKpnI、BamHI、BglIlで決定した。正しい方向のクローンを大規模プラスミド調製のために増殖させた。ミニプレップDNAの残部を用いて2つのCHO細胞系をトランスフェクトした。
リポフェクションキット[BRL]を用いて、OptiMEM培地を入れた60mm培養皿上でCHO細胞をトランスフェクトした。2つの出発細胞系は、0.1μM DCFの耐性についての選択によりDM5Fから誘導されたVWF産生株であるPM5F−0.1とCHO−DUKXであった。
細胞を100mmプレートに分配した後で、α−選別を開始した。CHO−DUKX系をα−MEM/10%透析ウシ胎児血清(FCS)中で選別した。PM5F系はα−MEM−AAU/10%透析FCS中で選別した。両系はα−培地選別の3日間、良好な増殖を示した。これらα−選別細胞を分割した。各系(PACE−DUKX−αおよびPM5F−PACE−αと呼ぶ)の1つのプレートをα−培地中で10日間継代し、続いて保存のために冷凍した。
メトトレキセート(MTX)(0.05μM)を4日後、選択培地に加えた。多くのコロニーが約1週間にわたって形成された。これらのコロニーをプールし、約1週間後0.1μMのメトトレキセート中での選別のために分割した。再度、多くのコロニーが形成され、これをプールし、分割し、0.1μMのメトトレキセートを含む選別培地中で継続した。続いて、これら増幅されたプールを保存のために冷凍した。
PM5F−PACE(“プールA”)細胞をパルス標識した。ほぼ集密的な2つの100mmプレートを無血清培地で洗った。35-S Metおよび35-S Cysをそれぞれ250μCi補充した1mlのCys/Met欠損培地を加えて15分間パルスした。ひとつのプレートは細胞抽出物の免疫沈降のために溶解した。培地を他のプレートから取り除き、2mlの完全培地(無血清)を加えて12時間チェイスした。12時間目に、馴化培地を集め、細胞を免疫沈降のために溶解した。細胞溶解は1mlの冷い0.5%トリトンX-100、M NaCl,10Mmトリス-HCl(pH7.5)、5Mm Na2-EDTA中で行った。プロテアーゼ阻害剤を馴化培地および細胞抽出物に加えた。細胞抽出物0.5mlと馴化培地1mlの免疫沈降は、Affi-Gelとカップリングした抗−vWF抗体[DAKO]およびプロテインAセファローズと第2次結合した抗−PACE抗血清[Chiron]を用いて行った。
沈降物を冷い溶解緩衝液で洗浄し、SDS−PAGEで分析した。結果はPACEとvWFのCOS−1同時トランスフェクション実験で見られたものと類似していた。抗−PACEの場合は、95−100kDAダブレットバンドが15分細胞抽出物中において沈澱した。12時間で、この細胞抽出物バンドの強度は約10倍減少した。馴化培地では、12時間で、75−80kDaの単一バンドが検出された。抗−vWFの場合には、12時間で分泌されたvWFは完全にプロセシングされた成熟vWFであることがわかった。細胞抽出物試料中には、プロ−vWFと切断vWFの両方が存在していた。
これらの知見は、分泌されたvWFが部分的にのみプロセシングされ細胞内部での切断は最少であるという点で、親細胞系、PM5Fで観察されたものと相違する。PM5F−PACEに関して、PACEバンドとvWFバンドのオートラジオグラフィー強度の比較は、PACE発現レベルがvWFの約1/2であることを示した。
PACE−DUKX(“プール4/4”)を上記の方法で検査した。抗−PACE免疫沈降からのSDS−PAGEの結果はパルス(30分)を加えた細胞抽出物中に細胞内95−100kDaダブレットバンドを、そしてチェイス(18時間)馴化培地中により小さな(75−80kDa)免疫反応性種の明らかな分泌を示した。さらに、この標識実験において、PM5F−PACE細胞を比較のために分析した。30分細胞抽出物の免疫沈降におけるPACEバンドの強度は両細胞系において等しかった。
実施例6 CHO細胞のPACEとIX因子の同時発現
組換えIX因子(IC4)[IC4細胞系はKaufmanら, J. Biol.Chem., 261:9622-9628(1986)に記載される]とIX因子配列を生産するCHO細胞系は、別の増幅可能なマーカー、アデノシンデアミナーゼ、に機能しうる状態で連結された、実施例1の上記のPACE cDNAを用いてトランスフェクトした。ベクターMT3SV2Ada[R.J. Kaufmanら, Meth. Enzym.,185:537-566(1990)]をPACE発現のために選択した。なぜならば、それは選択可能なADA転写単位を含むがDHFR配列は含まず、しかもこのベクターをEcoRIとSal1で消化した後に、PACEフラグメントを容易に挿入できるからである。
ベクターフラグメントを低温融解アガロースから単離し、5:1(フラグメント対ベクター)の割合で連結し、10mMトリス-HCl, pH7.5, 1mM EDTA中で希釈し、DH5バクテリア[Dr. Douglas Hanahan, Cold Spring Harbor, Hew York]を形質転換するために用いた。ニックトランスレートした32P標識PACEフラグメントを調製し、フィルターハイブリッド形成に用いて形質転換コロニーをスクリーニングした。
陽性のハイブリッド形成コロニーを単離し、DNAを調製して、PACE挿入の確認のためにEcoRIとSal1で消化し、そしてベクター中のアデノウイルス主要後期プロモーターに対するフラグメントの正しい方向性のためにBglIIで消化した。
1つのコロニーからのDNAを、エレクトロポレーションによりIX因子産生細胞、IC4に入れるために単離した。コロニーのプールは1.0μM 2’−デオキシコホルマイシン(DCF)中での増殖により増幅されるものを選択した。これらの増幅された系中のPACEの存在を35S−メチオニン標識化および免疫沈降により確認した。
PACE/IXプール中のIX因子タンパク質の生物学的活性は、凝血アッセイにより分析し、Kaufmanら, J. Biol. Chem., 261:9622-9628(1986)に記載されているように行った。細胞をp60組織培養皿にまいた。翌日、培地を減らし(1.5ml)、α“規定”+1μg/mlビタミンK3に変えた。
PACE/IX因子プールは、元のIC4細胞系よりも2.0−3.1倍多いIX因子生物活性を分泌していることが見い出された。ラジオイムノアッセイの結果はγ−カルボキシル化タンパク質のレベル増大を示した。これらの結果を下の表Iに示す。
MT3−PACEAdaをIC4細胞に入れる第1エレクトロポレーションから、10%透析ウシ胎児血清、ペニシリン、ストレプトマシン、グルタミン、200μMメトトレキセートおよびアデノシン、アラノシン、ウリジンおよび0.1μM DCFを含むα培地中で細胞を選択した。DNAを受け取らなかったプレートに約25のコロニーが観察された。
実施した第2エレクトロポレーションを同じ方法で選択し、約100のコロニーを5つのプールにプールした。再度、DNAを受け取らなかったプレートにはコロニーが全く観察されなかった。
35S−メチオニンでの30分パルス、続いて2時間のチェイス、そして細胞抽出物のαPACE抗体[Chiron Corporation, California]を用いての免疫沈降により、各プールにおけるPACEの発現を検出した。
更なるDCF耐性の選択の結果として高レベルのPACEを発現する細胞では、元のIC4細胞系と比較して最高10倍以上のレベルのγ−カルボキシル化IX因子の分泌を観察した。
αFIX抗体[Hybridtech]との免疫沈降およびSDSゲル電気泳動で監視した場合、PACEの同時発現はIX因子タンパク質の大きさの検出可能な変化をもたらさなかった。
実施例7 PACEのバキュロウイルスでの発現
2つのバキュロウイルス発現カセットを昆虫細胞でのPCEの発現のために構築した。カセットIはPCR鋳型としてPACE/pBS24.1を用い、プライマーfur102とfur103:
を用いて構築した。このカセットはトランスメンブラン領域なしでつくった。PCR産物をフェノール/クロロフォルムで抽出し、エタノールで沈澱させた。続いてPCR産物をBclIで切断し、そしてBamHIで切断しフォスファターゼ処置したpAC373ベクターに連結した。カセットIIはPCR鋳型としてPACE/pBs24.1を用い、プライマーfur102(上記)とfur104:
を用いて構築した。PCR産物を精製し構築物Iに関しての上記の方法によりpAC373にクローン化した。
本発明の数多くの修飾や変更が上記の明細書に含まれ、当業者には自明であると予想される。本発明の組成物および方法に対する、そのような修飾および変更はここに記載される請求の範囲に入るものと考えられる。
Claims (12)
- トランスメンブランドメインを欠失した哺乳動物の塩基性アミノ酸対変換酵素(PACE)をコードする組換えポリヌクレオチドであって該塩基性アミノ酸対変換酵素(PACE)の発現を可能とする異種発現調節配列に機能し得る状態で連結されている該ポリヌクレオチドと、該ポリヌクレオチドにコードされるPACEの基質でありかつIX因子の前駆体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドであって宿主細胞による該前駆体ポリヌクレオチドのタンパク質産物の発現を可能とする異種発現調節配列に機能し得る状態で連結されているポリヌクレオチドとを含有する、宿主細胞であって、上記トランスメンブランドメインを欠失したPACEは、以下のアミノ酸配列を有することを特徴とする上記宿主細胞。
- コードされるPACEとコードされる異種前駆体ポリペプチドが、発現されると細胞外培地中に分泌される、請求項1記載の宿主細胞。
- 哺乳動物細胞である、請求項1記載の宿主細胞。
- 哺乳動物細胞がCHO細胞である、請求項4記載の宿主細胞。
- 以下の:
(a)トランスメンブランドメインを欠失した哺乳動物の塩基性アミノ酸対変換酵素(PACE)をコードするDNA配列であって該PACEの発現を可能とする異種発現調節配列に機能し得る状態で連結されている該配列と、(b)上記配列にコードされる塩基性アミノ酸対変換酵素(PACE)の基質でありかつIX因子の前駆体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドであって該前駆体ポリヌクレオチドのタンパク質産物の発現を可能とする異種発現調節配列に機能し得る状態で連結されている該ポリヌクレオチドとを含有する、選択された宿主細胞内での発現のために適する組換え発現ベクターであって、上記トランスメンブランドメインを欠失した塩基性アミノ酸対変換酵素(PACE)が以下のアミノ酸配列を有することを特徴とする上記ベクター。
- 組換えPACEと前駆体ポリヌクレオチドの両方を発現させる条件下で、請求項1または2記載の宿主細胞をインキュベートすることを含む、IX因子の生産方法。
- 前記条件が組換えPACEと前駆体ポリペプチドの両方を分泌させるものである、請求項7記載の方法。
- 前記条件が発現された組換えPACEによる異種前駆体ポリペプチドの切断を可能にするものである、請求項7記載の方法。
- 請求項1または2記載の宿主細胞を培養することを含む、IX因子の収量を増加させる方法。
- 前記PACE DNA配列が1つのベクターに存在し、そして前駆体ポリヌクレオチド配列が第2のベクターに存在する、請求項10記載の方法。
- 前記PACE DNA配列および前駆体ポリヌクレオチド配列が1つのベクターに存在する、請求項10記載の方法。
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