JP2643968B2 - Kex2エンドプロテアーゼ及びその製造方法 - Google Patents

Kex2エンドプロテアーゼ及びその製造方法

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JP2643968B2 JP63021866A JP2186688A JP2643968B2 JP 2643968 B2 JP2643968 B2 JP 2643968B2 JP 63021866 A JP63021866 A JP 63021866A JP 2186688 A JP2186688 A JP 2186688A JP 2643968 B2 JP2643968 B2 JP 2643968B2
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • C12N9/50Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
    • C12N9/58Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from fungi
    • C12N9/60Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from fungi from yeast
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、KEX2エンドプロテアーゼ及び該酵素のアミ
ノ酸配列をコードする遺伝子、さらにC末端領域に疎水
性アミノ酸配列が存在しない可溶性KEX2エンドプロテア
ーゼ及び該酵素のアミノ酸配列をコードする遺伝子、並
びこれらの酵素の製造方法、並びこれらの酵素の利用に
関するものである。
〔従来の技術〕
サッカロマイセス酵母のKEX2エンドプロテアーゼは接
合型因子、キラー因子の成熟体のプロセッシングを行う
特異的なプロテアーゼである。その性質は以下のように
報告されている。すなわち、切断部位は接合型因子の
場合、Lys−Arg配列のC末端側、キラー因子の場合はLy
s−Arg配列及びPro−Arg配列のC末端側を切断する。
KEX2エンドプロテアーゼの精製も試みられており、膜画
分に存在し、その活性化にカルシウムを要求するチオー
ル酵素である。糖蛋白であり、その分子量は100K−12
0Kダルトンである。基質特異性はArg−Arg配列、Lys
−Arg配列、Pro−Arg配列のC末端側を特異的に切断す
る(BBRC,144,807−814,1987)。
一方、動物のホルモン(生理活性ペプチド)も前駆体
より特異的なプロテアーゼにより切断を受け成熟体が生
じると考えられている。その切断部位はKEX2エンドプロ
テアーゼの基質特異性と酷似している。例えば、インシ
ュリンはB鎖−C−ペプチド−A鎖の前駆体より、C−
ペプチドが切り出され、成熟体が生じる。このC−ペプ
チドの両端にはArg−Arg及びLys−Arg配列がみられる
(Nature,282,525−527−1979)。また、グルカゴンの
前後にもLys−Arg配列がみられ(Proc.Natl,Acad.Sci.U
SA,79,345−349,1982)、ガストリンもC−末端にはArg
−Arg配列が見られ(PNAS,79,1049−1053,1982)、ソマ
トスタチンは前駆体のC−末端側に位置し、成熟ソマト
スタチンの直前にArg−Lys配列がみられる(Nature,28
8,137−141,1980)。
一方、組換えDNA技法により、ペプチドホルモン(目
的物質)などを生産する場合、直接発現法を用いること
は宿主細胞内で目的物質が不安定であることなどにより
困難であることが多い。この問題点の解決方法のひとつ
として、保護(または安定化)蛋白質との融合蛋白質と
して発現させ、後の操作で目的ペプチドまたは蛋白質を
切断する手法が用いられており、切断方法も動物由来の
ホルモン等の生理活性物質の場合、切断部位が限定され
ており、その配列がKEX2エンドプロテアーゼによる切断
部位と同じであることより、融合蛋白質の切断にKEX2エ
ンドプロテアーゼを用いることは有利であると考られ
る。
しかし、KEX2エンドプロテアーゼは通常のサッカロマ
イセス酵母からは膜画分に回収され、ある種の界面活性
剤を用いて可溶化しなければ回収精製が行えない等、工
業的製造のためには問題がある。これらの問題点を解決
するには遺伝子工学的手法を用いるのが有利であり、可
溶性でかつ同じ基質特異性を有する酵素が得られればよ
り一層有利である。
〔発明が解決しようとする課題〕
よって、本発明は組換えDNA技法を用いたKEX2エンド
プロテアーゼの製造において、KEX2エンドプロテアー
ゼ、及び可溶性でありKEX2エンドプロテアーゼ活性を有
する蛋白質(可溶性KEX2エンドプロテアーゼ)並びにそ
れをコードする遺伝子、さらに該酵素の組換えDNA技法
による工業的製造方法を提供することを目的とするもの
である。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、本発明者等はKEX2エンド
プロテアーゼをコードするcDNAをクローニングし、その
DNA配列を決定し、そして該DNA配列から全アミノ酸配列
を推定し、KEX2エンドプロテアーゼがN−末端側及びC
−末端側に2つの疎水性領域を有することを見出した。
さらに、本発明者等は、C−末端側にある疎水性領域が
酵素と酵母のゴルジ体との結合に寄与しているとの推定
のもとに、この領域を欠損せしめることにより、ゴルジ
体への酵素の結合を阻止し、目的とする酵素を容易に可
溶化せしめることができ、しかもこの様な可溶性にされ
た酵素が、なお本来の酵素と同じ基質特異性を保持して
いるという全く新しい知見を得、この知見に基いて本発
明を完成した。
従って本発明は、組換DNA技法により生産されるKEX2
エンドプロテアーゼ、及びC−末端側の疎水性領域を含
む領域が欠損しており、可溶化されているKEX2エンドプ
ロテアーゼ(本発明において、可溶性KEX2エンドヌクレ
アーゼと称する);これらの酵素のアミノ酸配列をコー
ドするDNA;これらのDNAを含有する発現プラスミド;こ
れらのプラスミドにより形質転換された組換え体;並び
にこれらの組換え体を培養することによる前記酵素の製
造方法を提供するものである。
本発明はさらに、前記のようにして製造された酵素の
使用方法、すなわち、生理活性ペプチドまたは蛋白質
(以下、生理活性物質)の製造方法において、該生理活
性物質の両端または片側に、KEX2エンドプロテアーゼの
基質となりえるアミノ酸配列を有する前駆体または融合
蛋白質に、水性媒体中で、可溶性KEX2エンドプロテアー
ゼを作用させることにより、該前駆体または融合蛋白質
より目的とする該生理活性物質を採取することを特徴と
する生理活性物質の製造方法を提供するものである。
〔具体的な方法〕
以下、本発明の遺伝子の作製方法、及びそれを用いる
目的酵素の製造方法、並びにその使用方法について詳細
に記載する。
(1)cDNAの単離 KEX2遺伝子は既に1984年にD.Juliusらによりクローニ
ングされている(Cell,37,1075−1089,1984)が、塩基
配列は未だ報告されていない。そこで、KEX2遺伝子の構
造を知るために、まずkex2変異を相補するクローンの分
離(クローニング)を行う。すなわち、サッカロマイセ
ス酵母X2180−1B(MATα SUC2 mal gal2 CPU1:Yeast Ge
netic Stock Centerカリフォルニア大学バークレー校か
ら入手可能)の染色体DNAをCryerらの方法(Method in
Cell Biology vol.2,39−44,1975)に従って分離する。
さらに、前記D.Juliusらの報告に従い、kex2変異を相補
できるDNA断片を分離する。すなわち、X2180−2Bの染色
体DNAを制限酵素で分解し、寒天ゲル電気泳動法により
分離し、目的とするDNA断片を含む寒天ゲルを切り出し
電気溶出法(electroelute)により遊離させ、エタノー
ル沈澱によりDNAを回収する。
一方、TRP1遺伝子、2μm複製起点、PBR322のアンピ
シリン耐性遺伝子及び同複製起点を含むYEp型シャトル
ベクター(例えば、pYE20)を制限酵素で切断したDNA断
片を得、この両DNA断片を混合し、T4DNAリガーゼを用い
て結合し、宿主細胞、例えば大腸菌DH−1株を形質転換
する。次に、独立に得られたアンピシリン耐性形質転換
体を混合し、常法に従いプラスミドDNAを分離し、X2180
−1B染色体DNAジーンバンクを作製する。次に、このDNA
ジーンバンクを用いてkex2−8変異を有する酵母(例え
ばK16−57C株(MATα leu2 his3 ura3 trp1 kex2−
8))を形質転換する。得られたTrp1+の形質転換体よ
りキラー感受性株(例えば、5X47株(MATa/MATα his1/
+ trp1/+ ura3/+,Genetics,82,429−422,1976)を用
いてWickmerとLeibowitz(Genetics,82,429−442,197
6)の方法によりkex2−8を相補する形質転換体、すな
わち、キラー因子産性株の分離を行う。この形質転換体
(キラー因子産性株)よりSDS−アルカリ法(Ricombina
nt DNA techniques:An Introduction ed.R.L.Rodriguez
and R.C.Tait,ADDISON−WESLEY PUBLISHING COMP.Mass
achusetts,pp171−172,1983)にてプラスミドDNAを分離
し、宿主細胞、例えば大腸菌DH−1株を形質転換する。
得られたアンピシリン耐性形質転換体よりプラスミドDN
A〔例えば、pYE−KEX2(5.0)、又はpYE−KEX2(RI)
a〕を分離し、再びkex2−8変異を有する酵母(例え
ば、K16−57C株)を形質転換する。得られたTrp+形質
転換体がキラー産生株であれば該プラスミドはkex2−8
を相補するDNA断片を有していると判断できる。
次に、該プラスミドより、制限酵素で分解し得られた
DNA断片をpUC18にサブクローニングする。kex2−8変異
を相補するDNAを適当な制限酵素(例えば、Nsi I,Hind
III,Sau3A I,Hae III,Xba I,Bal II,Cfr101,Cla I,Taq
I,Pvu II,EcoR I)を用いて切断して得られるDNA断片を
M13mp18またはM13mp19ベクターのマルチリンカー部分に
挿入し、ジデオキシ法(Markland,F.S.& Smith,E.L.,1
971,in The Enzyme,vol.3,ed Boyer,P.D.,Academic Pre
ss,New York,pp,561−608)によりDNA塩基配列を決定
し、KEX2エンドプロテアーゼのcDNAクローン(例えば、
pUC18−KEX2(5.0))を得ることができる。
(2)cDNAの解析 得られたクローンより常法に従いプラスミド(例え
ば、pYE−KEX2(5.0))を単離し、cDNAの制限酵素地図
を作成する(第5A図参照)。次に、このcDNAの塩基配列
を決定するために、まず種種の制限酵素で切断したcDNA
断片をM13ファージにサブクローニングし、各クローン
のcDNA部分の塩基配列をSanger等の方法(Sanger F.et
al.Proc.Natl.Sci,U.S.A.,34,5463−5467,1977)により
決定する(第5B図参照)。DNA塩基配列の解析の結果、
本発明におけるcDNAクローン(例えば、pUC18−KEX2
(5.0))が含有する塩基配列は、814アミノ酸残基をコ
ードする翻訳領域を有していた(第1図参照)。
DNA塩基配列より予想されるアミノ酸配列は以下に述
べるような特徴を持つ。すなわち、N末端部分(第1
図におけるアミノ酸配列番号1から28)及びC末端に近
い部分(アミノ酸配列番号679から699)に疎水性アミノ
酸に富む領域を有しており、アミノ酸配列番号96から
421にかけて、セリンプロテアーゼであるズブチリシン
(Subtilisin)とよく似たアミノ酸配列を有している
(第6図参照)。ズブチリシンとの相同性よりKEX2エン
ドプロテアーゼはセリンプロテアーゼファミリーの一種
であると考えられる。N末端およびC末端近くに疎水
性アミノ酸に富んだ領域が存在する構造は最近報告され
たα−接合因子及びキラー因子のプロセッシングに関与
していると考えられるKEX1カルボキシペプチダーゼ(Ce
ll,50,573−584,1987)によく似ている。KEX1もKEX2と
同様にゴルジ体に存在すると予想されており、N末端の
疎水性域は粗面小胞体通過に関与しており、C末端近く
の疎水性域はゴルジ体への移行及び位置するのに必要な
膜通過領域であると推定できる(第7図参照)。
(3)宿主細胞での発現 本発明におけるcDNAクローン、例えばKEX2(5.0)に
コードされているKEX2エンドプロテアーゼを宿主細胞内
で発現させるために発現ベクターを作製する。ここで用
いられるベクターとしては2μm複製起点を有するYEp
ベクター(マルチコピー)とARS1とCEN4を有するYCpベ
クター(シングルコピー)などである。次に、宿主細胞
(宿主細胞は通常遺伝子組換えの行われる微生物、例え
ば大腸菌、枯草菌、酵母等が使用できる。前記のベクタ
ーは酵母の場合を示したが、それぞれの宿主に応じた発
現ベクターを選択すれば大腸菌、枯草菌などを宿主する
ことができる)へ形質転換し、目的とする発現菌〔例え
ば、K16−57C(pYE−KEX2(5.0)〕を得る(第4図参
照)。
また、C末端近くの疎水性領域がゴルジ体に位置する
ために必要であるのであれば、それを除くことにより可
溶性蛋白となり細胞外に活性を有したまま分泌されるこ
とが期待できるので、様々なC末端側欠損KEX2エンドプ
ロテアーゼ(例えば、KEX2Δ5など)を作製する。発現
株を培養する方法は、通常知られている方法、例えば、
液体培地に菌を接種し、通気、撹はん状態で行う。この
ようにして発現された蛋白質は通常用いられる破砕法
(超音波処理またはフレンチプレス破砕法)で細胞から
可溶性画分または膜画分に、もしくは培養液を遠心分離
することにより培地上清に回収される。
(4)酵素活性の測定 酵素活性の測定はK.Mizunoらの方法(BBRC,144,807−
814,1987)に準じて行う。すなわち、カルシウム依存性
エンドプロテアーゼ活性をBoc−Gln−Arg−Arg−MCAを
基質として測定する。
C末端が欠損したcDNA−例えばKEX2(RI)はYEpベク
ターでも、YCpベクターにおいて挿入方向が異なったも
のでもkex2変異を相補でき、エンドプロテアーゼ活性も
認められる。シングルコピーベクターでは野性型(例え
ば、R27−7C株)とほぼ同様の活性が認められ、pYEベク
ターではそれより高い活性が認められる。また、完全な
翻訳領域を有するcDNAクローン、例えばKEX2(5.0)をY
Epベクターで発現した場合も高い活性が認められるが、
これらは、遺伝子多重(gene dosage)効果によると考
えられる。また、挿入方向により多少活性の高低が認め
られるが、KEX2(RI)でも活性が挿入方向に関係なく認
められる。また、C末端近くの疎水性領域を除いたもの
(可溶性KEX2エンドプロテアーゼ)は期待通り培地中に
分泌され、カルシウム依存性エンドプロテアーゼ活性を
示す(第3表にC末端側のアミノ酸が欠損したKEX2エン
ドプロテアーゼのkex2変異の相補性及び酵素活性を示
す)。エンドKEX2プロテアーゼ活性はPvu II切断部位付
近までの領域(アミノ酸配列番号1から614)を含んで
いれば該活性を有することが認められる。従って、活性
を示すにはC末端近くの疎水性域は必要ではない。
さらに詳しく可溶性KEX2エンドプロテアーゼの培地中
への分泌性について検討するためには、膜画分と培地上
清におけるKEX2活性を測定すればよい。C末端近くの疎
水性域を持つもの(例えば、KEX2(5.0),KEXΔ3)は
培地中にほとんど活性が認められず、膜画分にその活性
が認められ、疎水性域を持たないもの(例えば、KEX2Δ
5,KEX2(RI−Pvu II))は逆に膜画分での活性は低く、
培地上清に活性が認められる。
以上の結果は、C末端近くの疎水性域には膜結合に必
要な部位が含まれており、この部位を除くことにより、
培地中に分泌されることを示している。本発明におい
て、「C−末端疎水性域が実質的に欠失した」とは、こ
の膜結合に必要な部位が除去されていることを意味す
る。さらに、培地中に放出されたカルシウム依存性活性
の基質特異性について検討すると、前記KEX2(5.0)の
膜画分と同じ基質特異性を持つことが判明した。すなわ
ち、培地中へ分泌されるようになったC末端近くの疎水
性アミノ酸が欠損したKEX2エンドプロテアーゼは可溶性
であり、KEX2エンドプロテアーゼ本来の性質を保持して
いる酵素である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1. pYE20及びYCpLeシャトルベクターの作製 pYE20は2μmDNAの複製起点とYRp7由来のTRP1遺伝子
をpBR322由来のアンピシリン耐性遺伝子及び複製起点を
有する大腸菌−酵母シャトルベクターであり、以下の方
法で得られる。
すなわち、プラスミドpYE2201(特開昭61−56078参
照)をEcoR Iで切断後、T4DNAポリメラーゼ及び4dNTPを
用いて粘着末端を満たした後、生じた2つのDNA断片を
リガーゼにより結合し、pYE2201′を得た。このpYE220
1′はpYE2201よりEcoR I切断点が除かれたものである。
(第2図参照。図中のカッコで示したものはEcoR I切断
点が除かれたことを示している。)次に、pYE2201′をS
al Iにより部分的に切断し、前記のごとく粘着末端を満
たした後、結合し、pYE2202を得た。pYE2202はpYE220
1′の一方のSal I切断点が除かれたものである。第2図
のカッコで示した位置の同切断点は除かれたことを示し
ている。次に、pYE2202をHind IIIで部分的に、Sal Iで
完全に切断した。粘着末端をT4DNAポリメラーゼ及び4dN
TPで満たした後、GAP−DH遺伝子を除いた断片を得た。
この断片を10塩基よりなるEcoR Iリンカー(5′−CGGA
ATTCCG−3′)を介して結合し、pYE20を作製した(第
2図)。
YCpLeはYCp19(Stinchomb,D.T.et al,J.Mol.Biol.,15
8,157−179,1982)由来のARS1、CEN4領域及びYEp13(Br
oach,J.et al,Gene,8,121−133,1979)由来のLEU2遺伝
子をpBR322由来の断片(アンピシリン耐性遺伝子及び複
製起点を持つ)と結合した大腸菌−酵母シャトルベクタ
ーである。まず、YCp19上にあるTRP1遺伝子を不活化す
るために、YCp19をHind IIIで部分分解し、その粘着末
端をT4DNAポリメラーゼ及び4dNTPで満たした後、結合
し、TRP1遺伝子上のHind III切断部位が消失したTRP1遺
伝子不活性化YCp19(H)を得た。次に、YCp19(H)を
Hind IIIとPvu IIで切断後同様に粘着末端を満たし、UR
A3遺伝子が除かれたDNA断片を得た。一方、YEp13をXho
I及びSal Iで切断した後、前記の方法により粘着末端を
満たした2.2kbのLEU2遺伝子を含む断片をEcoR Iリンカ
ー(5′−CGGAATTCCG−3′)と共に混合、結合し、YC
pLeを得た(第3図参照)。これらのpYE20は実施例2に
おいて、YCpLeは実施例4で用いた。
実施例2. KEX2遺伝子の分離(クローニング) サッカロマイセス酵母X2180−1B(MATα SUC2 mal ga
l2 CPU1)の染色体DNAを前記Cryerらの方法に従って分
離した。さらに、前記D.Juliusらの報告に従い、kex2変
異を相補できる3.4kbのEcoR I断片を分離した。すなわ
ち、X2180−1Bの染色体DNAをEcoR Iで分解し、寒天ゲル
電気泳動法により分離し、約3.5kbのDNA断片を含む寒天
ゲルを切り出し電気溶出法(electroelute)により遊離
させ、エタノール沈澱によりDNAを回収した。一方、実
施例1で得られたpYE20をEcoR Iで切断したDNA断片を得
た。この両DNA断片を混合し、T4DNAリガーゼを用いて結
合し、大腸菌DH−1を形質転換した。独立に得られたア
ンピシリン耐性形質転換体約3000クローンを混合し、常
法に従いプラスミドDNAを分離し、X2180−1B染色体DNA
ジーンバンク(RI)を作製した。
次に、このDNAバーンバンクを用いてkex2−8変異を
有する酵母K16−57C株(MATα leu2 his3 ura3 trpl ke
x2−8)を形質転換した。得られたTrp1+の形質転換体
より5X47株(MATa/MATα his1/+ trp1/+ ura3/+)を
キラー因子感受性株として用い前記WickmerとLeibowitz
の方法によりkex2−8を相補する形質転換体、すなわ
ち、キラー因子産生株の分離を行った。その結果、約20
00個のTrp+形質転換体より4株のキラー因子産生株を得
た。このうち、2つの形質転換体よりSDS−アルカリ法
にてプラスミドDNAを分離し、大腸菌DH−1株を形質転
換した。得られたアンピシリン耐性形質転換体よりプラ
スミドDNA(pYE−KEX2(RI)a)を分離し、再び、K16
−57C株を形質転換した。得られたTrp+形質転換体のキ
ラー産性能を検討したところ、すべてキラー産生株であ
った。すなわち、得られたプラスミドpYE−KEX2(RI)
aはkex2−8を相補するDNA断片を有していると判断し
た。
次に、pYE−KEX2(RI)aより、EcoR Iで分解し得ら
れた3.4kbの断片をpUC18にサブクローニングした。制限
酵素Hind III及びBal IIを用いての解析の結果、前記D.
Juliusらの報告と一致した。3.4kbのkex2−8変異を相
補するDNAを適当な制限酵素(例えば、Nsi I,Hind III,
Sau3A I,Hae III,Xba I,Bgl II,Cfr101,Cla I,Taq I,Pv
u II,EcoR I)を用いて切断して得られるDNA断片をM13m
p18またはM13mp19ベクターのマルチリンカー部分に挿入
し、ジデオキシ法によりDNA塩基配列を決定した。その
結果715アミノ酸残基をコードする翻訳領域はみられた
が、終止コドンは欠損していた。そこで次に、その下流
域を含むDNA断片の分離を試みた。pYE−KEX2(RI)aを
Bal IIとSal Iで切断し大きい方のDNA断片と、X2180−2
B染色体DNAをSal IとBal IIで切断し前記の方法で得た
約2.6kbのDNA断片を混合し、T4DNAリガーゼで結合して
大腸菌DH−1株を形質転換した。独立に得られたアンピ
シリン耐性形質転換体約3000クローンを混合し、ジーン
バンク(5.0)を得た。
次に、このDNAバンクを用いてkex2−8変異を相補す
るクローンを前記方法で得た。約2000個のTrp+形質転換
体より5株のキラー因子産生株を得た。このうち、1つ
の形質転換体より前記のごとくプラスミドDNAを回収
し、それを用いて大腸菌DH−1株を形質転換し、アンピ
シリン耐性形質転換体よりプラスミドpYE−KEX2(5.0)
を得た。このプラスミドを再びK16−57C株に導入したと
ころ、得られたTrp+形質転換体はすべてキラー生産能
を示した。pYE−KEX2(5.0)をEcoR Iで部分的に、Sal
Iで完全に分解して得られる5.0kbのDNA断片を、pUC18の
EcoR IおよびSal I部分に導入しpUC18−KEX2(5.0)を
得た。(第4図)。このDNA断片を前記の方法によりDNA
塩基配列を決定したところ、814アミノ酸をコードする
完全な翻訳領域を認めた。なお、pUC18−KEX2(5.0)を
用いて大腸菌DH−1を形質転換して得られたDH−1/pUC1
8−KEX2(0.5)はEscherichis coli SBM298と命名さ
れ、工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第97
96号(FERM P−9796)として寄託されている。
実施例3. プロテアーゼ活性の測定方法 形質転換酵母もしくは非形質転換酵母を1%カザミノ
酸、0.7%Yeast Nitrogen Base(Difco社製)、2%デ
キストロース及び30μg/mlのウラシルを含む培地で30℃
18時間培養後、遠心分離により細胞を得た。酵母細胞内
のプロテアーゼ活性は、前記D.Juliusらの方法に従い、
界面活性剤Brij58を用いて細胞を易透過性(Permeabili
zed Cell)にしたものを酵素標品として用い測定した。
酵素活性測定法は、K.Mizunoらの方法(BBRC,144,807
−814,1987)に準じて行った。すなわち、20nmolのBoc
−Gln−Arg−Arg−MCAを基質として用い、0.4Mのトリス
塩酸(pH7.0)、0.1%ルブロール、1mM EGTA、1mg/mlペ
プスタチン、1mg/mlベスタチンを含む250μ反応液中
で2mMのCaCl2を加えたものまたは加えないものを37℃で
1時間反応させた後、励起波長380nmでの460nmの蛍光を
蛍光分光光度計を用いて測定した。KEX2産物の活性はCa
Cl2を加えることにより増加した蛍光量として測定し
た。
実施例4. 各種プラスミドのKEX2エンドプロテアーゼの活性及びke
x2−8変異相補性 実施例2で示したpYE−KEX2(RI)a、及びpYE−KEX2
(5.0)は何れも酵母細胞内では2μmDNAの複製レプリ
コンによりマルチコピープラスミドとなる。そこでシン
グルコピープラスミドでのプロテアーゼ活性及びkex2−
8変異の相補性を検討するために以下に示すYCp型プラ
スミドを作製した。実施例1で得られたYCpLeをEcoR I
により部分分解したもの及びpUC18−KEX2(RI)をEcoR
Iで分解しKEX2遺伝子を含む3.4kb DNA断片を混合、結合
しKEX2遺伝子の挿入方向の異なるYCpLe−KEX2(RI)a
及び、YCpLe−KEX2(RI)bを得た(第8図)。また、
前記3.4kb DNA断片をpYE20のEcoR I切断部位に挿入し、
KEX2遺伝子の方向の異なるpYE−KEX2(RI)a(前記第
4図中と同じもの)とpYE−KEX2(RI)bを得た(第8
図)。
ここで得られた4種のプラスミド及び実施例2で得ら
れたpYE−KEX2(5.0)を用いてkex2−8変異株K16−57C
を形質転換した。得られたLEU+またはTRP+形質転換体の
kex2変異相補性を前記のキラー産性能を指標として検討
した。その結果を次の第1表に示す。
第1表に示すごとく、ここで用いたプラスミド5種す
べてkex2変異を相補し、キラー因子産性能を有してい
た。pYE−KEX2(RI)b、及びpYE−KEX2(5.0)による
形質転換体のキラー産生量は他と比べ高いものであっ
た。宿主のみではキラー産生能は認められない。
次に、実施例3で示した方法により酵素活性を測定し
た。第1表における活性は単位菌体あたりの値を示し
た。宿主のみ(KEX2遺伝子は変異したもの)では0.5で
あるのに対し、用いた5種のプラスミドはすべて10倍以
上の値を示し、KEX2エンドプロテアーゼ活性を認めた。
表中、R27−7Cは対照としてKEX2遺伝子の野生型の結果
を示した。前記の2種のキラー活性の高いものは、酵素
活性も高い値を示した。YEp型ベクターを用いた方が相
対的にYCp型ベクターのものより高活性を示した。これ
はコピー数が多いための遺伝子多重効果の結果であると
考えられる。
前記のごとくKEX2(RI)はC末端側が欠損しているに
もかかわらず、両方向とも活性が生じることよりKEX2遺
伝子の活性を示すためにはC末端は重要でないことが強
く示唆された。
実施例5. C末端欠損KEX2遺伝子の作製 次に、各種のC末端の欠損変異株の作製を行った。C
末端欠損遺伝子を作製するためには新たに終止コドンを
付加しなければならない。そこでまず、pUC18のHind II
I、Sph I部位に、化学合成法により作製した終止コドン
挿入リンカーを組み入れたpUC18−STOPを作製した。す
なわち、化学合成法により、 のリンカーを作製した。
一方、pUC18をHind IIIとSph Iを用いて分解後、前記
リンカーと混合しT4DNAリガーゼで結合し、pUC18−STOP
を得た。次に、pUC18−KEX2(RI)をEcoR IとPvu IIで
分解し、3.1kbのKEX2遺伝子を分離した。さらに、pUC18
−STOPをSma IとEcoR Iで分解し、2.6kbのDNA断片を得
た。両DNA断片をT4DNAリガーゼで結合しpUC18−KEX2(R
I−Pvu II)を得た。pUC18−KEX2をHind IIIで分解後、
T4DNAポリメラーゼ及び4dNTPで粘着末端を満たした後、
Bal IIで切断し、0.8kbのDNA断片を分離した。pYE−KEX
2(RI)bをSal Iで切断後、粘着末端を前記と同様に満
たした後、Bal IIで切断し、TRP1遺伝子を含む断片を得
た。両DNA断片を結合し、pYE−KEX2(RI−Pvu II)を得
た(第9図)。このようにして得られたKEX2遺伝子はC
末端より0.6kb欠落し、C末端近くの疎水性両域は除か
れている。
次に、Bgl31エキソヌクレアーゼを用いて各種のC末
端欠損変異株を作製した。pUC18−KEX2(5.0)をBamH I
で切断後、Bal31エキスヌクレアーゼを用いて分解し、
さらにBal IIで切断、寒天ゲル電気泳動により分離し、
0.5kbから1.4kbのDNA断片を得た。また、pUC18−KEX2
(5.0)をEcoR IとBal IIで切断し、KEX2のN末端領域
を含む2.3kbのDNA断片を得た。これらと、pUC18をEcoR
IとSma Iで分解したものとを混合し、T4DNAリガーゼで
結合し、各種のC末端欠損遺伝子を含むpUC18KEX2Δ1
〜Δ6を得た。次に、各pUC18KEX2Δ1〜Δ6をEco Iと
Sal Iで切断してKEX2遺伝子を含む断片を得た(第10
図)。一方、pYE−KEX2(RI−Pvu II)をEcoR IとSal I
で切断し、KEX2遺伝子が除かれたDNA断片を得た。この
両者を混合し、pYE−KEX2Δ1、Δ2、Δ3、Δ4、Δ
5、Δ6を得た。各々のC末端側の欠損は1.0kb、0.8k
b、0.2kb、0.3kb、0.65kb、0.75kbであった。以上、KEX
2Δ1〜Δ6のC末端はpUC18−STOP(第9図参照)由来
の終始コドンで翻訳は終了するようになっている。
実施例6. C末端欠損KEX2の活性測定 実施例5で得たプラスミドでK16−57株(kex2−8)
を形質転換した各々の株について、kex2変異の相補性及
びBrij58による易透過性にした細胞を用いたBoc−Gln−
Arg−Arg−MCAを基質としたときの酵素活性を第2表に
示す。
酵素活性は単位細胞湿重量当たりの活性である。第2
表から明らかなように、C末端よりの欠損が0.65kbまで
のものには酵素活性は認められ、それ以上の欠損を有す
るものは酵素活性は認められなかった。kex2変異の相補
性は酵素活性の有無に相関した。すなわち、0.65kb以上
欠損する場合にはkex2変異の相補性を認めなかった。
実施例7. 培養液中への分泌性の検討 次に、KEX2(5.0),KEX2Δ2,KEX2Δ3,KEX2Δ5,KEX2
(RI−Pvu II)について培養液上清の活性について、膜
結合型の活性と比較検討した。pYE−KEX2(5.0),pYE−
KEX2Δ2,pYE−KEX2Δ3,pYE−KEX2Δ5及びpYE−KEX2(R
I−Pvu II)で形質転換した各K16−57C株を、実施例2
で示した方法で培養した後、遠心分離により細胞と培養
液上清に分けた。上清画分をセントリコン30(アミコン
社製)により15倍に濃縮したものを上清画分の活性測定
用酵素標品として用いた。一方、細胞を0.1Mトリス塩酸
に懸濁し、ガラスビーズを用いて細胞を破砕した。破砕
物を2,000rpm1分間で遠心分離し、ガラスビーズと未破
砕細胞を沈澱させた上清を15,000rpm5分間で遠心分離し
て得られる沈澱を0.1%のルブロール(半井化学薬品
製)で溶解したものを膜画分の活性測定用酵素標品とし
て用いた。その結果を第3表に示す。
第3表から明らかなごとく、pYE−KEX2Δ5,及びpYE−
KEX2(RI−Pvu II)による形質転換体は膜画分にはほと
んど活性は認められないが培地(上清画分)中には活性
を認めた。一方、pYE−KEX2(5.0)、及びpYE−KEX2Δ
3の場合は逆に培地(上清画分)中にはほとんど活性が
認められないのに対し膜画に多く活性を認めた。pYE−K
EX2Δ2の場合は第2表でも活性が認められず、第3表
の結果もやはり両画分の活性は認められなかった。
以上の結果よりC末端近くの疎水性域を除くことによ
り、培地中へ分泌されるKEX2産物が得られることが示さ
れた。また、C末端の疎水性域は細胞内の膜構造体(例
えば、ゴルジ体)に結合するのに重要な機能を有してい
ることが考えられる。
実施例8. 可溶性型KEX2産物の基質特異性 次に、可溶性KEX2産物の基質特異性について検討し
た。実施例7で示したKEX2(RI−Pvu II),KEX2Δ5に
ついては培養上清の濃縮液、KEX2(5.0)については膜
画分を用いて、各種基質の分解性を検討した(試料の調
製方法は実施例7と同じ)。その結果を第4表に示す。
Boc−Gln−Arg−Arg−MCAを基質として用いた場合を1
00%として他の基質に対する活性を相対的に示した。第
4表より培地中に分泌された酵素の基質特異性はKEX2
(5.0)の膜画分のものと同様であった。すなわち、可
溶性となったものも本来のKEX2の基質特異性(BBRC,14
4,807−814,1987)を有していた。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明によれば、KEX2エンドプロテア
ーゼを組換え体細胞により大量に発現、生産させること
ができる。また、C末端の疎水性領域を欠損したKEX2エ
ンドプロテアーゼを製造することができ、この酵素は培
地上清中に分泌され、可溶性であり精製が極めて容易で
ある。この酵素を工業的に製造し、有用な生理活性物質
の生産に用いれば、その製造が容易かつ効率的にでき
る。
【図面の簡単な説明】
第1−1図〜第1−5図は、KEX2エンドプロテアーゼ遺
伝子のアミノ酸配列及びそれをコードするDNAを示す。 第2−1図〜第2−2図はpYE20の作製方法を示す図で
ある。 第3図は、YCpLeベクターの作製方法を示す図である。 第4−1図〜第4−2図は、kex2遺伝子の分離方法及び
pUC18−KEX2(5.0)の作製方法を示す図である。 第5A図は、KEX2(RI)及びKEX2(5.0)の制限酵素地図
を示す図である。 第5B図は、塩基配列決定の方法(strategy)を示す図で
ある。 第6図は、KEX2エンドプロテアーゼとサブチリシンのア
ミノ酸配列比較を示す図である。図中の番号は、N末端
からのアミノ酸の数を示している。 第7図は、KEX1産物とKEX2産物の構造の比較を示す図で
ある。KEX1はCell,50,573−584(1987)の報告を引用し
た。 第8図は、YCpLe−KEX2(RI)a、YCpLe−KEX2(RI)b
及びpYE−KEX2(RI)a、pYE−KEX2(RI)bの作製方法
を示す図である。図中、(a)及び(b)はKEX2遺伝子
の挿入方向を示す 第9図は、pYE−KEX2(RI−Pvu II)の作製方法を示す
図である。。 第10図は、pYE−KEX2Δ1〜Δ6の作製方法を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:85)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次のアミノ酸配列: 中のC−末端の136〜220個のアミノ酸残基が欠失してい
    る可溶性KEX2エンドプロテアーゼ。
  2. 【請求項2】天然のKEX2エンドプロテアーゼの遺伝子の
    C−末端が0.65kb以下短縮されている可溶性KEX2エンド
    プロテアーゼ。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のアミノ酸配列中1位のア
    ミノ酸から614位のアミノ酸までのアミノ酸配列を有す
    る、請求項1に記載の可溶性KEX2エンドプロテアーゼ。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のアミノ酸配列中1位のア
    ミノ酸からおよそ590位のアミノ酸までのアミノ酸配列
    を有する、請求項1に記載の可溶性KEX2エンドプロテア
    ーゼ。
  5. 【請求項5】次の配列: におけるアミノ酸配列中、C−末端の136〜220個のアミ
    ノ酸残基が欠失しているアミノ酸配列をコードする、可
    溶性KEX2エンドプロテアーゼをコードするDNA。
  6. 【請求項6】天然のKEX2エンドプロテアーゼの遺伝子の
    C−末端が0.65kb以下短縮されている、可溶性KEX2エン
    ドプロテアーゼをコードするDNA。
  7. 【請求項7】請求項5に記載の配列中のヌクレオチド配
    列のセンス鎖におけるC−末端の408〜660塩基対が欠失
    している、請求項5に記載のDNA。
  8. 【請求項8】請求項5〜7のいずれか1項に記載のDNA
    を含んで成る発現プラスミド。
  9. 【請求項9】請求項8に記載のプラスミドにより形質転
    換された宿主。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の宿主を培養することに
    より酵素を生成せしめ、そして該酵素を採取することを
    特徴とする、修飾されたKEX2エンドプロテアーゼの製造
    方法。
  11. 【請求項11】生物活性ペプチド又は蛋白質の製造方法
    であって、 (1)水性媒体中で、請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の可溶性KEX2エンドプロテアーゼを、一端又は両端に
    該エンドプロテアーゼにより開裂され得るアミノ酸配列
    を有する生理活性ペプチド又は蛋白質の前駆体又は融合
    蛋白質に作用せしめ;そして (2)反応混合物から生理活性ペプチド又は蛋白質を採
    取する; ことを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】前記KEX2エンドプロテアーゼにより開裂
    され得るアミノ酸配列がArg−Arg,Lys−Arg又はPro−Ar
    gである、請求項11に記載の方法。
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