JP4214620B2 - 脱気装置における脱気方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、脱気手段を用いて真空脱気する脱気装置における脱気方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、液体からその液体に溶け込んでいる空気(以下、「溶存空気」という)を除去する脱気方法の一つに、脱気手段を用いて真空脱気する,所謂真空脱気方法がある。この真空脱気方法を採用した脱気装置においては、脱気手段内に被脱気液を導入し、この脱気手段を真空吸引することで、被脱気液中の溶存空気を除去している。このような脱気装置において、所望の脱気度(たとえば、被脱気液に残留する溶存酸素濃度で示される。)の脱気液を得るために、真空吸引の圧力(以下、「真空圧力」という)が所定の値または所定の範囲を維持するように真空吸引手段の運転を制御している。
【0003】
しかし、このような脱気装置において、真空吸引手段として水封式真空ポンプや水エゼクタ式真空ポンプを用いたものでは、時刻や季節によって脱気度にばらつきが生じることがあった。また、このような脱気装置においては、真空吸引手段の吸引側における真空圧力に応じて真空吸引手段の運転を制御し、省エネルギー化を図ったものがあるが、時刻や季節によって、運転の制御に違いが生じ、省エネルギー化の効果を十分に発揮できないことがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、所望の脱気度の脱気液を確実に得ることができるとともに、省エネルギー化を図った脱気方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、脱気手段と真空吸引手段とを真空吸引ラインで接続し、前記真空吸引ラインに圧力検出手段を設けるとともに、前記真空吸引手段の作動用流体の温度検出手段を設け、前記圧力検出手段からの圧力検出値と前記温度検出手段からの温度検出値とに基づいて、前記真空吸引手段の運転を制御する制御器を設けてなる脱気装置における脱気方法における所望の脱気度の脱気液を得るための脱気方法であって、前記圧力検出手段により検出した真空圧力と、前記温度検出手段により検出した前記真空吸引手段の作動用流体の温度に基づいて求められた蒸気分圧とから空気分圧を求め、この空気分圧が所望の脱気度を得る真空圧力となるように、前記真空吸引手段の運転を制御することを特徴としている。
【0006】
さらに、請求項2に記載の発明は、脱気手段と真空吸引手段とを真空吸引ラインで接続し、前記真空吸引ラインに圧力検出手段を設けるとともに、前記真空吸引手段の作動用流体の温度検出手段を設け、前記圧力検出手段からの圧力検出値と前記温度検出手段からの温度検出値とに基づいて、前記真空吸引手段の運転を制御する制御器を設けてなる脱気装置における脱気方法における所望の脱気度の脱気液を得るための脱気方法であって、所望の脱気度を得るための空気分圧の設定値を予め設定し、前記圧力検出手段により検出した真空圧力と、前記温度検出手段により検出した前記真空吸引手段の作動用流体の温度に基づいて求められた蒸気分圧とから空気分圧を求め、この空気分圧が前記設定値を維持するように、前記真空吸引手段の運転を制御することを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について説明すると、この発明は、脱気手段と真空吸引手段とを真空吸引ラインで接続し、脱気手段に被脱気液を導入するとともに、脱気手段を真空吸引手段によって真空吸引することによって脱気を行う脱気装置において実現される。真空吸引ラインには、真空圧力を検出するための圧力検出手段を設けてあり、この圧力検出手段を、真空吸引手段の運転を制御する制御器に接続してある。ここにおいて、脱気手段は、中空糸膜などの気体透過膜を用いた膜脱気手段や脱気塔などである。
【0009】
この発明では、真空吸引手段の吸引側における真空圧力と蒸気分圧とに基づいて、真空吸引手段の運転を制御する。すなわち、脱気装置の制御器は、真空圧力と蒸気分圧とから求めた空気分圧が、所定の脱気度を得る真空圧力となるように真空吸引手段の運転を制御する。たとえば、制御器により、予め設定した真空圧力の設定値(または設定範囲)を蒸気分圧によって調整し、圧力検出手段によって検出した真空圧力が、この調整された設定値を維持するように真空吸引手段の運転を制御する。
【0010】
また、制御器には、必要な脱気度を得るための空気分圧を設定値(または設定範囲)として設定しておき、圧力検出手段によって検出した真空圧力と蒸気分圧とから求めた空気分圧が、この空気分圧の設定値を維持するように、真空吸引手段の運転を制御する。真空吸引手段の運転の制御は、オン−オフ制御,真空吸引力を段階的に調整する多段階制御,真空吸引力を連続的に調整する比例制御などである。
【0011】
以上のように、真空吸引手段の吸引側における真空圧力と蒸気分圧とに基づいて、真空吸引手段の運転を制御することにより、脱気液の脱気度を一定にすることができ、しかも真空吸引手段を過度に運転する必要がなくなるため、省エネルギー化を図ることができる。この理由を、水から溶存空気を除去する場合の例について説明すると、以下のとおりである。
【0012】
すなわち、前記のような脱気装置においては、脱気手段を真空吸引することによって水から溶存空気を分離しているため、真空吸引手段による真空圧力で脱気度が決まる。しかし、真空吸引手段の吸引側に水蒸気(蒸気)が存在すると、真空圧力が一定でも、脱気度が低下する。これは、真空脱気方法においては、水における溶存空気の分圧(空気分圧)と、真空吸引手段の吸引側における空気の分圧(空気分圧)との差に基づいて、水から溶存空気が分離するためである。したがって、真空吸引手段の吸引側における空気分圧が所定の値となるように、蒸気分圧に基づいて吸引側における真空圧力を調整することにより、所望の脱気度を得ることができる。また、過度の脱気が行われることも防止できるため、真空吸引手段の省エネルギー化も達成することができる。
【0013】
さらに、この発明において、真空吸引手段が、液封式真空ポンプやエゼクタ式真空ポンプなどのように、真空吸引作用を生じさせるために作動用流体を用いる真空吸引手段の場合には、蒸気分圧を、真空吸引手段の作動用流体の温度に基づいて求めることができる。すなわち、真空吸引手段へ作動用流体を供給するための供給ラインや、真空吸引手段から使用後の作動用流体を排出する排出ライン(排気ラインと兼用される場合もある)に温度検出手段を設け、この温度検出手段によって作動用流体の温度を検出し、この検出した作動用流体の温度に対応する飽和蒸気圧を求めて、この飽和蒸気圧を蒸気分圧とする。
【0014】
また、温度検出手段は、真空吸引手段に直接設けて、真空吸引手段内部の作動用流体の温度を検出する構成とすることもできる。たとえば、真空吸引手段が液封式真空ポンプの場合、作動用流体としての封液は、インペラの回転に伴ってポンプ室周面に沿って周回する流れを形成するため、この周回する封液の温度を検出するように温度検出手段を設ける。また、液封式真空ポンプの場合には、温度検出手段は、供給ラインからポンプ室へ至るまでの流路や、ポンプ室から排出ライン(または排気ライン)へ至る流路に設ける。また、真空吸引手段が、エゼクタ式真空ポンプの場合には、作動用流体を噴出するノズル部や、その下流側の排気ラインへ至る流路に設ける。
【0015】
【実施例】
以下、この発明に係る脱気方法およびその装置の具体的実施例について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、この発明に係る脱気装置の一実施例の概略的な説明図であり、図2は、この発明に係る脱気装置における真空吸引手段の運転の制御の一例を示す説明図であり、また図3は、この発明に係る脱気装置における真空吸引手段の運転の制御の他の一例を示す説明図である。
【0016】
図1に示す脱気装置は、水(被脱気液)から空気(溶存空気)を除去する脱気装置としてある。図1において、脱気手段1は、たとえば膜脱気手段を用いる。この脱気手段1には、被脱気水の導入ライン2と脱気水の導出ライン3とを接続してある。前記脱気手段1には、真空吸引ライン4を介して真空吸引手段としての水封式真空ポンプ5を接続してある。この水封式真空ポンプ5には、作動用流体としての封水を供給する封水供給ライン6を接続してある。また、前記水封式真空ポンプ5には、排気ライン7を接続してある。前記真空吸引ライン4には、前記水封式真空ポンプ5の上流側に、前記水封式真空ポンプ5の停止時においても前記脱気手段1における真空圧力を維持するための逆止弁8を設けてある。
【0017】
前記真空吸引ライン4には、前記逆止弁8の上流側に圧力検出手段9を設けてあり、また前記封水供給ライン6には、温度検出手段10を設けてある。前記水封式真空ポンプ5,前記圧力検出手段9および前記温度検出手段10は、回線11を介してそれぞれ制御器12に接続してある。
【0018】
前記制御器12は、予め設定した真空圧力の設定範囲に基づき、前記各検出手段9,10によって検出した真空圧力および封水温度とに応じて前記水封式真空ポンプ5の運転を制御する。この実施例においては、前記制御器12は、前記温度検出手段10によって検出した封水温度に基づいて前記設定範囲を調整しながら、前記真空吸引ライン4における真空圧力が前記設定範囲を維持するように、前記水封式真空ポンプ5の運転を制御する構成としてある。前記制御器12における前記水封式真空ポンプ5の運転の制御は、検出された真空圧力が前記設定範囲の下限値以下になると前記水封式真空ポンプ5を低速運転させ、前記設定範囲の上限値を超えると前記水封式真空ポンプ5を高速運転させる制御を行う。前記水封式真空ポンプ5の運転を低速運転と高速運転とに切り替える制御は、たとえばインバータ手段を用いることによって行う。
【0019】
前記制御器12における前記設定範囲の調整は、前記温度検出手段10によって検出した封水温度に基づいて蒸気分圧を求め、この蒸気分圧に基づいて前記設定範囲の上限値および下限値を増減することによって行う。前記制御器12において、封水温度から蒸気分圧を求める機能は、前記制御器12に、封水温度から飽和蒸気圧への変換表をデータとして記憶させ、このデータを参照して飽和蒸気圧を求める構成によって実現することもできるし、また所定の変換式を記憶させ、この変換式に基づいて封水温度から飽和蒸気圧を求める構成によって実現することもできる。
【0020】
つぎに、前記制御器12の制御内容とともに、前記脱気装置の機能について説明する。まず、前記封水供給ライン6から前記水封式真空ポンプ5へ封水の供給を開始し、前記水封式真空ポンプ5の運転を開始するとともに、前記導入ライン2から前記脱気手段1へ被脱気水を供給する。前記脱気手段1内では、被脱気水は、前記水封式真空ポンプ5によって発生する真空圧力によって真空脱気され、得られた脱気水は、前記導出ライン3から取り出される。
【0021】
前記制御器12は、前記真空吸引ライン4における真空圧力を前記圧力検出手段9からの圧力検出値として入力し、また前記封水供給ライン6における封水温度を前記温度検出手段10からの温度検出値として入力している。前記制御器12は、前記温度検出手段10によって検出した封水温度に基づいて封水の飽和蒸気圧を求める。そして、この飽和蒸気圧を前記真空吸引ライン4における蒸気分圧とし、この蒸気分圧に基づいて前記設定範囲の上限値および下限値を調整し、この調整された前記上限値および前記下限値と検出された真空圧力とを比較することにより前記水封式真空ポンプ5の運転を制御する。
【0022】
前記制御器12における制御において、冬期に所定の脱気度の脱気水を得るために、前記設定範囲の上限値を、冬期上限設定値A,たとえば10.67kPa(80torr)に設定し、前記設定範囲の下限値を、冬期下限設定値B,たとえば5.33kPa(40torr)に設定した場合の例について、図2を参照しながら説明する。ここにおいて、冬期における封水の温度を10℃とすると、飽和蒸気圧は1.23kPa(9.2torr)であり、また夏期における封水の温度を35℃とすると、飽和蒸気圧は5.63kPa(42.2torr)である。
【0023】
以上の設定の場合、前記制御器12は、図2に実線で示すように、前記圧力検出手段9によって検出した真空圧力が、前記冬期下限設定値B以下になると前記水封式真空ポンプ5を低速運転へ移行させ、前記冬期上限設定値A以上になると前記水封式真空ポンプ5を高速運転へ移行させる。前記真空圧力が前記冬期下限設定値Bに達したとき、前記真空吸引ライン4における空気分圧は、5.33−1.23=4.1kPa(30.8torr)である。ここで、夏期においては、前記のように、蒸気分圧が5.63kPaとなるため、前記冬期上限設定値Aおよび前記冬期下限設定値Bのそれぞれを、蒸気分圧の変化分,すなわち5.63−1.23=4.4kPa(33torr)増加させる。
【0024】
すなわち、前記制御器12は、前記設定範囲の上限値を、前記蒸気分圧の変化分増加させた夏期上限調整値C,すなわち15.07kPa(113torr)に調整するとともに、前記設定範囲の下限値を前記蒸気分圧の変化分増加させた夏期下限調整値D,すなわち9.73kPa(73torr)に調整する。すると、前記制御器12は、この調整後の前記設定範囲の上限値および下限値に基づき、図2に点線で示すように、前記真空圧力が、前記夏期下限調整値D以下になると前記水封式真空ポンプ5を低速運転へ移行させ、前記夏期上限調整値C以上になると前記水封式真空ポンプ5を高速運転へ移行させる。
【0025】
このような前記設定範囲の上限値および下限値の調整により、前記冬期下限設定値Bにおける空気分圧と前記夏期下限調整値Dにおける空気分圧とが同じになる。また、前記設定範囲の上限値および下限値の調整では、前記冬期上限設定値Aと前記冬期下限設定値Bとの差と、前記夏期上限調整値Cと前記夏期下限調整値Dとの差とが同じになっている。したがって、前記水封式真空ポンプ5は、常に前記脱気手段1を所定の空気分圧の範囲で真空吸引するため、季節の変化による封水温度の変化に関係なく、所望の脱気度の脱気水を得ることができる。
【0026】
また、前記設定範囲の下限値を、前記夏期下限調整値D(9.73kPa)に調整して制御することにより、前記水封式真空ポンプ5を早めに低速運転へ移行させることができるため、前記水封式真空ポンプ5を無駄に高速運転させるのを回避できる。たとえば、前記設定例において、夏期においても前記冬期下限設定値B(5.33kPa)をそのまま用いたとすると、夏期においては、蒸気分圧(5.63kPa)だけで前記冬期下限設定値Bを超えているため、前記水封式真空ポンプ5は、高速運転から低速運転へ移行せず、高速運転を維持するので、無駄な運転となる。
【0027】
また、図3に示すように、夏期に所定の脱気度の脱気水を得るために、前記設定範囲の上限値を、夏期上限設定値E,たとえば12.67kPa(95torr)に設定し、前記設定範囲の下限値を、夏期下限設定値F,たとえば7.33kPa(55torr)に設定した場合の例について説明する。この設定の場合、前記制御器12は、図3に実線で示すように、前記圧力検出手段9によって検出した真空圧力が、前記夏期下限設定値F以下になると前記水封式真空ポンプ5を低速運転へ移行させ、前記夏期上限設定値E以上になると前記水封式真空ポンプ5を高速運転へ移行させる。この設定の場合、夏期においては、前記水封式真空ポンプ5は、真空圧力が前記夏期下限設定値Fに達したときの空気分圧,すなわち7.33−5.63=1.7kPa(12.8torr)の空気分圧で真空吸引を行う。
【0028】
そして、冬期においては、前記制御器12は、前記夏期上限設定値Eおよび前記夏期下限設定値Fを、前記のように、封水温度の変化に応じた蒸気分圧の変化に基づいて調整する。すなわち、前記制御器12は、前記設定範囲の上限値を前記蒸気分圧の変化分減少させて冬期上限調整値G,すなわち8.27kPa(62torr)に調整するとともに、前記設定範囲の下限値も前記蒸気分圧の変化分減少させて冬期下限調整値H,すなわち2.93kPa(22torr)に設定する。
【0029】
前記設定範囲の上限値および下限値を調整することにより、前記制御器12は、図3に二点鎖線で示すように、前記真空圧力が、前記冬期下限調整値H以下になると前記水封式真空ポンプ5を低速運転へ移行させ、前記冬期上限調整値G以上になると前記水封式真空ポンプ5を高速運転へ移行させる。前記制御器12は、冬期においては、前記冬期下限調整値Hに基づいて前記水封式真空ポンプ5を制御することにより、夏期と同様に2.93−1.23=1.7kPa(12.8torr)の空気分圧の状態で脱気を行うことができ、所定の脱気度の脱気水を得ることができる。ここで、この設定例において、冬期においても、前記夏期下限設定値Fをそのまま用いたとすると、前記水封式真空ポンプ5は、7.33−1.23=6.1kPa(45.8torr)の空気分圧の状態で低速運転へ移行してしまうため、それ以上真空圧力が下がらないので、脱気性能が低下する。
【0030】
したがって、前記水封式真空ポンプ5は、常に前記脱気手段1を所定の空気分圧で真空吸引するため、季節の変化による封水温度の変化に関係なく、所望の脱気度の脱気水を得ることができる。しかも、前記水封式真空ポンプ5を無駄に高速運転することなく、適切な運転を行えるので、省エネルギー化を達成する。したがって、前記水封式真空ポンプ5は、常に前記脱気手段1を所定の空気分圧で真空吸引するため、季節の変化による封水温度の変化に関係なく、所望の脱気度の脱気水を得ることができる。
【0031】
以上のように、この実施例においては、封水温度から蒸気分圧を求め、この蒸気分圧に基づいて、前記水封式真空ポンプ5の運転を制御するための前記設定範囲の上限値および下限値を調整することにより、封水温度の変化に起因する脱気度の変化を防止することができ、しかも脱気度に応じた最適な前記水封式真空ポンプ5の運転を可能とするため、省エネルギー化も同時に達成する。
【0032】
ここで、前記封水温度の変化に応じた前記設定範囲の上限値および下限値の調整は、一定時間ごと(たとえば1時間ごと)に行うこともできるし、封水温度が所定温度(たとえば5℃)変化するごとに行うこともできる。さらに、飽和蒸気圧が所定圧力,たとえば0.67kPa(5torr)変化する封水の温度域を設定しておき、この温度域を越えるごとに前記設定範囲の上限値および下限値を調整するように構成することもできる。
【0033】
さらに、この実施例においては、前記制御器12によって、前記真空吸引ライン4内の空気分圧が前記所望の脱気度に対応する所定の値(または所定の範囲)を維持するように前記水封式真空ポンプ5の運転を制御する構成とすることもできる。すなわち、前記圧力検出手段9によって検出した真空圧力から、前記温度検出手段10によって検出した封水温度に基づいて求めた蒸気分圧を差し引くことにより、空気分圧を求め、この空気分圧が、所定の脱気度を得るのに必要な空気分圧となるように、前記水封式真空ポンプ5の回転数を増減させる制御とすることもできる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る脱気方法によれば、真空吸引手段の吸引側における真空圧力と蒸気分圧とに基づいて、真空吸引手段の運転を制御することにより、所望の脱気度の脱気液を安定して得ることができる。しかも、真空吸引手段は、過度の脱気や脱気不足を生じることなく、所望の脱気度の脱気液を得るために適切な運転が行われるため、省エネルギー化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る脱気装置の一実施例の概略的な説明図である。
【図2】この発明に係る脱気装置における真空吸引手段の運転の制御の一例を示す説明図である。
【図3】この発明に係る脱気装置における真空吸引手段の運転の制御の他の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 脱気手段
4 真空吸引ライン
5 水封式真空ポンプ(真空吸引手段)
9 圧力検出手段
10 温度検出手段
12 制御器
Claims (2)
- 脱気手段1と真空吸引手段5とを真空吸引ライン4で接続し、前記真空吸引ライン4に圧力検出手段9を設けるとともに、前記真空吸引手段5の作動用流体の温度検出手段10を設け、前記圧力検出手段9からの圧力検出値と前記温度検出手段10からの温度検出値とに基づいて、前記真空吸引手段5の運転を制御する制御器12を設けてなる脱気装置における脱気方法における所望の脱気度の脱気液を得るための脱気方法であって、前記圧力検出手段9により検出した真空圧力と、前記温度検出手段10により検出した前記真空吸引手段5の作動用流体の温度に基づいて求められた蒸気分圧とから空気分圧を求め、この空気分圧が所望の脱気度を得る真空圧力となるように、前記真空吸引手段5の運転を制御することを特徴とする脱気装置における脱気方法。
- 脱気手段1と真空吸引手段5とを真空吸引ライン4で接続し、前記真空吸引ライン4に圧力検出手段9を設けるとともに、前記真空吸引手段5の作動用流体の温度検出手段10を設け、前記圧力検出手段9からの圧力検出値と前記温度検出手段10からの温度検出値とに基づいて、前記真空吸引手段5の運転を制御する制御器12を設けてなる脱気装置における脱気方法における所望の脱気度の脱気液を得るための脱気方法であって、所望の脱気度を得るための空気分圧の設定値を予め設定し、前記圧力検出手段9により検出した真空圧力と、前記温度検出手段10により検出した前記真空吸引手段5の作動用流体の温度に基づいて求められた蒸気分圧とから空気分圧を求め、この空気分圧が前記設定値を維持するように、前記真空吸引手段5の運転を制御することを特徴とする脱気装置における脱気方法。
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