JP4214496B2 - 石英ガラスの熱アニール方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外光を光源とする半導体露光装置のレンズ等に用いられる石英ガラス部材を得るための石英ガラスの熱アニール方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコン等のウエハ上に集積回路の微細パターンを露光・転写する光リソグラフィー技術においては、ステッパと呼ばれる露光装置が用いられている。このステッパの光源は、近年のLSIの高集積化に伴ってi線(365nm)からKrFエキシマレーザ(248nm)、更にはArFエキシマレーザ(193nm)へと短波長化が進められている。そして一般に、ステッパの照明系或いは投影レンズ系として用いられる光学ガラスには、i線よりも短い波長領域では光透過率が低すぎるため、従来の光学ガラスに代えて合成石英ガラスや、蛍石等のフッ化物単結晶を用いることが提唱されている。
【0003】
このように紫外線リソグラフィー用の光学部材として用いられる石英ガラスには紫外域の高透過率性、紫外線への高耐久性及び屈折率の高均質性が要求されるが、紫外域での高透過率性を実現するためには、石英ガラス中の不純物濃度を抑える必要がある。このような石英ガラスの合成には一般に、原料となる珪素化合物(珪素化合物を送り出すためのキャリヤガスが同時に用いられる)と加熱・反応のための燃焼ガス(酸素ガスと水素ガス)とをバーナーから流出させ、火炎内でターゲット上に石英ガラスを堆積させていく火炎加水分解合成法が行われている。この火炎加水分解合成法では、不純物(Na等)の除去効果があるといわれているハロゲン化合物を原料に用いているため不純物の混入が極端に少ない高純度な石英ガラスが得られ、その結果紫外域で高透過性を有するものとなる。また、紫外線に対する高い耐久性を実現する手段としては、石英ガラス中に水素分子を含有させる方法が一般的に用いられている。
【0004】
また、合成されたままの状態の石英ガラスのインゴットは合成過程での熱履歴に依存して生じた内部歪みが大きいため屈折率の均質性が悪く、また還元性欠陥に依存してエキシマレーザ照射の初期に大きな透過率の低下を起こすため、紫外線リソグラフィー用の光学部材として使用することはできない。このため一般には、合成によってできた石英ガラスインゴットから光学部材を切り出す前に、熱アニール(焼鈍)と呼ばれる処理が行われる。この熱アニール処理は、通常、生成されたインゴットを複数の円筒形状の石英ガラスブロックに切断して炉(熱アニール用の炉)内に静置し、昇温の後に徐冷することにより、各石英ガラスブロック内の歪みを除去するものである。そしてこの熱アニール処理を行った石英ガラスブロックから光学部材を切り出せば、屈折率均質性の良好な光学部材を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記熱アニール処理を行うにおいては、インゴットを切断するときに人体等を介して不純物であるNaが混入することがあるが、これにより石英ガラスブロックの含有Na濃度が増大し、この石英ガラスブロックから切り出して得られる光学部材の紫外線(特に、ArFエキシマレーザ波長)に対する透過率が損われる虞があった。また、石英ガラスブロックを昇温する過程において、内部に含有する水素分子が熱拡散により外部に放出してしまうことがあり、これにより含有水素分子濃度が低下して上記光学部材の紫外線に対する耐久性が損われる虞もあった。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、熱アニール処理に伴う石英ガラスブロックの含有Na濃度の増大と含有水素分子濃度の低下を抑え、紫外線に対する光学性能が良好な光学部材(石英ガラス部材)を得ることができる石英ガラスの熱アニール方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、石英ガラスの外部に存在するNaが内部に取り込まれる現象と、石英ガラスの内部に含有されている水素分子が熱アニール処理に伴う熱拡散により外部に放出される現象とを考慮するとともに、特開平10−53432号公報において開示された、石英ガラス中に不純物として含有されるNa量を所定範囲内(20ppb以下)にすることにより紫外線の透過率、特にArFエキシマレーザに対する透過率を良化する方法と、特開平7−300325号公報に開示された、エキシマレーザに対する耐久性が石英ガラスに含有される水素分子濃度に依存するという技術とに鑑み、紫外線に対する光学特性を低下することなく熱アニール処理を行う研究を鋭意続けてきた。
【0008】
その結果、熱アニール処理する際の石英ガラスブロックの寸法及び形状の如何が、Naの混入及び水素分子の外部拡散に影響を与えることを知見し、本発明を完成させるに至った。すなわち、合成された石英ガラスインゴットから切り出した石英ガラスブロックを所定温度まで昇温した後徐冷する熱アニール処理を行うことにより石英ガラスブロックの内部歪みを除去する石英ガラスの熱アニール方法において、石英ガラスインゴットから切り出した石英ガラスブロックを、所定の寸法及び形状に成形したうえで熱アニール処理を行うことを特徴とする石英ガラスの熱アニール方法である。ここで、上記所定の寸法及び形状は、熱アニール処理した後の石英ガラスブロックを加工して得られる光学部材(石英ガラス部材)の含有Na濃度及び含有水素濃度がそれぞれ所定の適正範囲内に保たれるように定められるものであり、この所定の適正範囲は、得られる光学部材の紫外線(特にArFエキシマレーザ波長)に対する光学性能が良好に保たれる条件として定められ、含有Na濃度については20ppb以下、含有水素分子濃度については2×1017個/cm3 以上であるように定められる
【0009】
このような方法によれば、熱アニール処理前に石英ガラスブロックを所定の寸法及び形状に成形するという単純な作業により、その石英ガラスブロックのNa濃度及び水素分子濃度をそれぞれ適正範囲内に保って紫外線の透過率の低下を防ぐことができるとともに紫外線に対する耐久性の低下を防ぐことができるので、紫外線に対する光学性能の良好な光学部材を容易に得ることができる。
【0010】
ここで、径φmm及び最大厚さtmmのレンズ部材を作製する場合には、石英ガラスインゴットから切り出した石英ガラスブロックを上記径方向の寸法が(φ+30)mm以上、且つ、上記厚さ方向の寸法が(t+30)mm以上となるように成形することにより、得られるレンズ部材の含有Na濃度を20ppb以下、含有水素分子濃度を2×1017個/cm3 以上とすることができる。また、上記寸法の条件を満たしつつ、石英ガラスインゴットから切り出した石英ガラスブロックを、高さ方向がレンズ部材の厚さ方向に相当する円筒形状に成形した場合や、レンズ部材に近似或いは相似した形状に成形すれば、得られたレンズ部材の紫外線に対する光学性能がより良好となる。
【0011】
上記のような熱アニール処理を用いて得られた石英ガラスブロックを加工する(切り出す)ことにより得られた光学部材(石英ガラス部材)は、不純物の影響が少なく、紫外光に対する透過率特性等の光学的物性が安定しているので、紫外光を光源とする光学機器(例えば半導体露光装置)に用いることが可能となる。なお、この光学部材がレンズ部材である場合には、含有水素分子濃度の分布が使用光軸(光学部品として使用したときにおける、光源から照射される光の軸)に対して回転対称性を有するようにし、且つ、使用光軸付近における含有水素分子濃度が外周部より高くなるように構成することが望ましい。光がレンズ部材の光軸を中心に透過する場合には、光のエネルギー密度はレンズ部材の中心部において最も高くなり、生じる欠陥はその周辺部よりも増大するが、含有水素分子濃度が上記のように分布していれば、そのレンズ部材の中心部における欠陥生成を抑制することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の好ましい実施形態について説明する。先ず、図2に基づいて、火炎加水分解合成法により石英ガラスインゴットを製造するための石英ガラス製造装置1について説明する。炉2は、炉床板2aと、炉床板2aの上に設けられた炉枠2bと、炉枠2bの内方に設けられた耐火壁2cとを有して構成されており、耐火壁2cに囲まれた炉内空間3は上下に延びた円筒状をなしている。この円筒状の炉内空間3の下方には上下に延びた支持棒4aとこの支持棒4aの上端に取り付けられた水平円盤4bとからなる回転台4が設けられている。支持棒4aはその下方に位置する水平ステージ5を貫通して設けられており、水平ステージ5を貫通した下端部は回転用モータ6により駆動されて軸周りに回転し、水平円盤4bを水平面内で回転させるようになっている。また、水平ステージ5は図示しないステージ移動機構によって昇降可能になっているとともに、揺動用モータ7、7により水平方向に揺動可能となっている。
【0013】
炉2の上方には、噴出口8aを炉内空間3に向けたバーナー8が設けられている。バーナー8は図示しないが同心円状の複数の噴出口を備えた多重管構造をなしており、その中心に位置する原料噴出管からは原料となる四塩化珪素(SiCl4 )及びこれを希釈するためのキャリヤガス(通常、酸素ガス)を含んだ珪素化合物ガスを噴出させ、原料噴出管の外側に位置する複数の噴出管からは支燃性ガス(例えば酸素ガス)及び可燃性ガス(例えば水素ガス)を噴出するようになっている。
【0014】
回転台4の水平円盤4bの上面には、セラミック製の円柱部材が上下に複数積み重ねられてなるターゲット9が載置されている。後述するように、石英ガラスの合成時にはこのターゲット9の上面に石英ガラスのインゴットIGが形成されるが、インゴットIGの冷却を促進するため、個々の円柱部材には上下方向の貫通孔(図示せず)が複数形成されている。
【0015】
炉枠2bの側方には排気口10が設けられており、この排気口10には炉2外に伸びる排気管11が接続されている。石英ガラスの合成時には炉内空間3内に廃ガスが発生するが、この廃ガスは排気口10から排気管11を経て外部に排出される。また、炉枠2b及び耐火物2cにはターゲット9上に合成石英ガラスが形成されていく様子が見えるように窓部12、13が設けられている。なお、炉枠2bに設けられた窓部12には炉2内の温度を低下させないように、耐熱ガラスが取り付けられている。
【0016】
上記構成の石英ガラス製造装置1を用いて合成石英ガラスのインゴットIGを製造する場合には、バーナー8からターゲット9の上面に向けて珪素化合物ガス、支燃性ガス及び可燃性ガスを噴出させて火炎を生成し、加水分解反応を起こさせてターゲット9の上面に合成石英ガラスのインゴットIGを形成させる。なお、このインゴットIGの合成中、ターゲット9は水平面内において一定の速さで回転、且つ、揺動され、インゴットIGの上下方向形成量に見合う速度で下方へ引き下げられる。
【0017】
インゴットIGの合成が終了すると、インゴットIGは炉2から取り出され、複数の石英ガラスブロックに切断される。これら複数の石英ガラスブロックはそれぞれ熱アニール処理する前に所定の寸法及び形状に成形される。ここで、上記所定の寸法及び形状は、熱アニール処理した後の石英ガラスブロックを加工して得られる光学部材の含有Na濃度及び含有水素濃度がそれぞれ所定の適正範囲内に保たれるように定められるものであり、また、上記所定の適正範囲は、得られる光学部材の紫外線(特にArFエキシマレーザ波長)に対する光学性能が良好に保たれる条件として定められ、含有Na濃度については20ppb以下、含有水素分子濃度については2×1017個/cm3 以上であることが好ましい。Na濃度が20ppb以下であれば、紫外線に対する透過特性を良好に保つことができ、また、水素分子濃度が2×1017個/cm3 以上であれば、光学部材に紫外線を透過させた場合に生成するE’センター(≡Si・)の欠陥を補修(≡Si−H)し、見かけ上吸収を少なくして紫外線に対する耐久性を向上させることができるからである。Na濃度の範囲及び水素分子濃度の範囲を上記のように設定するとき、石英ガラスブロックの寸法は、作製しようとする光学部材を包含するものとなるが、どのくらいの寸法的な余裕を持たせるべきかは作製する石英ガラス部材の形状等に応じて実験等により個々に求められる。
【0018】
ここで、例えば、径φmm及び最大厚さtmmのレンズ部材Lを作製する場合には、上記石英ガラスブロックは、径方向の寸法が(φ+30)mm以上、且つ、厚さ方向の寸法が(t+30)mm以上となるように成形すればよく、後述のアニール処理を行った後の石英ガラスブロックを加工して得られるレンズ部材の含有Na濃度を20ppb以下、含有水素分子濃度を2×1017個/cm3 以上とすることができる(後述の実施例参照)。図1は、径φmm、中央部厚さtmmの凸レンズ部材を作製することを目的とし、石英ガラスブロックを上記所定の寸法及び形状に成形したときの一例である。成形した石英ガラスブロックをBで表す。この図1においては径方向の寸法をφ’mmと記しているが、このφ’mmは(φ+30)mm以上の寸法を代表で表したものであり、径方向の寸法が(φ+30)mm以上であることを示している。また、厚さ方向の寸法をt’mmと記しているが、このt’mmは(t+30)mm以上の寸法を代表で表したものであり、厚さ方向の寸法が(t+30)mm以上であることを示している(後述の図4、図5においても同様)。
【0019】
所定の寸法及び形状に成形された各石英ガラスブロックは、図3に示す熱アニール処理用の保温炉20に載置されて熱アニール処理される。保温炉20は、内部に石英ガラスブロックを載置する台21を有するとともに、内部空間22の温度調節を行うための複数のヒータ23、23、・・・とを有して構成されている。石英ガラスブロックの熱アニール処理は、処理対象の石英ガラスブロックを台21上に載置した後、各ヒータ23、23、・・・の温度調節を行って内部空間22の温度を制御し、処理対象の石英ガラスブロックを所定温度(例えば、1000℃)まで昇温した後徐冷することにより行う。これにより石英ガラスブロックの内部歪みが除去される。
【0020】
上記熱アニール処理がなされた石英ガラスブロックを加工する(切り出す)ことにより目的の光学部材が得られる。このようにして得られた光学部材は不純物の影響が少なく、紫外光に対する透過率特性等の光学的物性が安定しているので、紫外光を光源とする光学機器(例えば半導体露光装置)に用いることが可能となる。また、レンズ部材を作製する場合において、含有される水素分子濃度の分布が使用光軸(光学部品として使用したときにおける、光源から照射される光の軸)に対して回転対称性を有するとともに、使用光軸付近における含有水素分子濃度が外周部より高くなっていれば、エネルギー密度の大きな光学部材の中心部における欠陥生成を抑制することができる。このような光学部材は前述したように、合成石英ガラスのインゴットIGの合成中に、ターゲット9を水平面内において一定の速さで回転することにより容易に実現できる。
【0021】
なお、上記寸法の条件を満たしつつ、石英ガラスインゴットIGから切り出した石英ガラスブロックを、高さ方向が上記レンズ部材Lの厚さ方向に相当する円筒形状に成形した場合(図4参照)や、レンズ部材Lに近似或いは相似した形状に成形した場合(図5参照)には、得られたレンズ部材Lの紫外線に対する光学性能がより良好となることが実験の結果明らかとなっている。
【0022】
以上述べたように、本発明に係る熱アニール方法では、アニール処理前に石英ガラスブロックを所定の寸法及び形状に成形するという単純な作業により、Na濃度を適正範囲内に保って紫外線の透過率の低下を防ぐことができるとともに、水素分子濃度を適正範囲内に保って紫外線に対する耐久性の低下を防ぐことができるので、この石英ガラスブロックから得られる光学部材の紫外線に対する光学特性を向上させることができ、光学性能の良好な光学部材を容易に得ることが可能となる。以下、本発明の実施例(実施例1〜4及び比較例1、2)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
【実施例】
上述の石英ガラス製造装置1を用いて火炎加水分解合成法により複数の石英ガラスインゴットIGを合成した。これらのインゴットIGから、図6の表に示す径及び厚さの石英ガラスブロックを切り出し(形状は全て円筒形状)、上述の保温炉20を用いて各種条件で熱アニール処理を行った。昇温温度は1000℃若しくは1100℃、昇温した後徐冷までの保持時間はそれぞれ10時間とした。雰囲気は全て大気とし、その圧力は全て1atmとした。熱アニール処理をした後、各石英ガラスブロックから所定寸法のレンズ(テストピース)を切り出し、研磨して測定サンプルとし、Na濃度及び水素分子濃度を測定した。各テストピースについての測定結果を図6の表に併記する。
【0024】
図6の表に示すように、実施例1〜4のテストピースについてはNa濃度が20ppb以下、且つ、水素分子濃度が2×1017個/cm3 以上という結果が得られ、また、比較例1、2のテストピースについてはNa濃度が20ppb以上、又は、水素分子濃度が2×1017個/cm3 以下という結果が得られた(このため、実施例1〜4において得られたレンズ部材は使用可能、比較例1、2において得られたレンズ部材は使用不可と評価される)。なお、Na濃度の測定は放射化分析により行い、また、水素分子濃度の測定はラマン分光光度計を用いて行った。ここに示す結果から、作製するレンズが径φmm、最大厚さがtmmであるときには、石英ガラスインゴットIGから切り出した石英ガラスブロックを、径方向の寸法が(φ+30)mm以上、厚さ方向の寸法が(t+30)mm以上となるように成形したうえで熱アニール処理を行えば、この熱アニール処理後の石英ガラスブロックから得られたレンズ部材のNa濃度は20ppb以下に、また、水素分子濃度は2×1017個/cm3 以上に保たれることが分かる。なお、図6の表中、Na濃度及び水素分子濃度を不等号で表し、幅を持たせた表記をしているのは、測定個所が複数であり、測定値にばらつきがあるためである。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る石英ガラスの熱アニール方法では、石英ガラスインゴットから切り出した石英ガラスブロックを、熱アニール処理した後の石英ガラスブロックを加工して得られる光学部材(石英ガラス部材)の含有Na濃度が20ppb以下であるとともに、含有水素分子濃度が2×10 17 個/cm 3 以上である適正範囲内に保たれるように定めた所定の寸法及び形状に成形したうえで熱アニール処理を行うのであるが、この方法によれば、熱アニール処理前に石英ガラスブロックを所定の寸法及び形状に成形するという単純な作業により、その石英ガラスブロックのNa濃度及び水素分子濃度をそれぞれ適正範囲内に保って紫外線の透過率の低下を防ぐことができるとともに紫外線に対する耐久性の低下を防ぐことができるので、紫外線に対する光学性能の良好な光学部材を容易に得ることができる。
【0026】
ここで、径φmm及び最大厚さtmmのレンズ部材を作製する場合には、石英ガラスインゴットから切り出した石英ガラスブロックを上記径方向の寸法が(φ+30)mm以上、且つ、上記厚さ方向の寸法が(t+30)mm以上となるように成形することにより、得られるレンズ部材の含有Na濃度を20ppb以下、含有水素分子濃度を2×1017個/cm3 以上とすることができる。また、上記寸法の条件を満たしつつ、石英ガラスインゴットから切り出した石英ガラスブロックを、高さ方向がレンズ部材の厚さ方向に相当する円筒形状に成形した場合や、レンズ部材に近似或いは相似した形状に成形すれば、得られたレンズ部材の紫外線に対する光学性能がより良好となる。
【0027】
上記のような熱アニール方法を用いて得られた石英ガラスブロックを加工することにより得られた光学部材(石英ガラス部材)は、不純物の影響が少なく、紫外光に対する透過率特性等の光学的物性が安定しているので、紫外光を光源とする光学機器(例えば半導体露光装置)に用いることが可能となる。なお、この光学部材がレンズ部材である場合には、含有水素分子濃度の分布が使用光軸に対して回転対称性を有するようにし、且つ、使用光軸付近における含有水素分子濃度が外周部より高くなるように構成することが好ましく、そのレンズ部材の中心部における欠陥生成を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱アニール方法において、径φmm、中央部厚さtmmの凸レンズ部材を作製することを目的とした場合における石英ガラスブロックの成形状態の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図2】合成石英ガラス製造装置の構成を示す模式的な断面図である。
【図3】熱アニール処理に用いられる炉の構成の一例を示す図である。
【図4】図1における石英ガラスブロックの形状を円筒形状に成形した例であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図5】図1における石英ガラスブロックの形状をレンズ部材に相似した形状に成形した例であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図6】実施例において、熱アニール処理する前の石英ガラスブロックの寸法及び形状と、これらを熱アニール処理をした後の石英ガラスブロックから切り出して得られたレンズ部材のNa濃度と水素分子濃度の対応を示す図表である。
【符号の説明】
1 石英ガラス製造装置
2 炉
4 回転台
8 バーナー
9 ターゲット
20 保温炉
IG インゴット
B 石英ガラスブロック
L レンズ(石英ガラス部材)

Claims (4)

  1. 合成された石英ガラスインゴットから切り出した石英ガラスブロックを所定温度まで昇温した後徐冷する熱アニール処理を行うことにより前記石英ガラスブロックの内部歪みを除去する石英ガラスの熱アニール方法において、
    前記石英ガラスインゴットから切り出した前記石英ガラスブロックを、前記熱アニール処理した後の前記石英ガラスブロックを加工して得られる石英ガラス部材の含有Na濃度が20ppb以下であるとともに、含有水素濃度が2×10 17 個/cm 3 以上である適正範囲内に保たれるように定めた所定の寸法及び形状に成形したうえで前記熱アニール処理を行うことを特徴とする石英ガラスの熱アニール方法。
  2. 前記石英ガラス部材が径φmm及び最大厚さtmmのレンズ部材であり、
    前記石英ガラスインゴットから切り出した前記石英ガラスブロックを、前記径方向の寸法が(φ+30)mm以上、且つ、前記厚さ方向の寸法が(t+30)mm以上となるように成形したことを特徴とする請求項1記載の石英ガラスの熱アニール方法。
  3. 前記石英ガラスインゴットから切り出した前記石英ガラスブロックを、高さ方向が前記厚さ方向に相当する円筒形状に成形したことを特徴とする請求項2記載の石英ガラスの熱アニール方法。
  4. 前記石英ガラスインゴットから切り出した前記石英ガラスブロックを、前記石英ガラス部材に近似或いは相似した形状に成形したことを特徴とする請求項2記載の石英ガラスの熱アニール方法。
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