JP3965552B2 - 合成石英ガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空紫外領域で使用されるリソグラフィー用光学部材に有用な合成石英ガラスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
合成石英ガラスは、その高い紫外線透過性のため、半導体製造におけるリソグラフィー用の光学部材として主要な役割を果たしている。リソグラフィー装置における合成石英ガラスの役割は、シリコンウエハ上への回路パターンの露光、転写工程で用いられるステッパー用レンズ材料やレチクル(フォトマスク)基板材料である。
【0003】
ステッパー装置は、照明系部、投影レンズ部、ウエハ駆動部から構成されており、光源から出た光を照明系が均一な照度の光としてレチクル上に供給し、投影レンズ部がレチクル上の回路パターンを正確かつ縮小してウエハ上に結像させる役割をもっている。
【0004】
これらの素材に要求される品質は、光源からの光の透過性の高いことはもちろんのこと、透過する光の強度が均一であるなど光学的均質性も非常に重要なものとなっている。近年、LSIはますます多機能、高性能化しており、ウエハ上の素子の高集積化技術が研究開発されている。
【0005】
素子の高集積化のためには、微細なパターンの転写が可能な高い解像度を得る必要があり、この場合、解像度は下記式(1)で表すことができる。
R = k1×λ/NA (1)
R : 解像度
k1 : 係数
λ : 光源の波長
NA : 開口数
【0006】
上記式(1)によれば、高解像度を得る手段は2つ考えられる。1つは、開口数を大きくすることである。しかしながら、開口数を大きくするとそれにつれて焦点深度が小さくなるため、現状がほぼ限界と考えられている。もう1つの方法は、光源を短波長化することである。現在、光源として利用されている紫外線の波長は248.3nm(KrF)が主流であるが、193.4nm(ArF)への移行が急がれており、また将来的には157.6nm(F2)への移行が非常に有力になっている。
【0007】
200nm以下の波長のいわゆる真空紫外域に使用する素材としては、透過性のみであればフッ化カルシウム単結晶も使用可能と考えられるが、素材強度、熱膨張率やレチクル用基板として使用するための表面研磨技術等、実用レベルで克服すべき問題が多い。
【0008】
このため合成石英ガラスは、将来的にもレチクル用の基板を構成する素材として非常に重要な役割を担うと考えられる。
【0009】
しかしながら、高い紫外線透過性を有している合成石英ガラスであっても、200nm以下の真空紫外域では透過性が次第に低下していき、合成石英ガラスの本質的な構造による吸収領域である140nm付近になると光を通さなくなる。
【0010】
本質吸収領域までの範囲における透過性は、合成石英ガラス内の不安定な構造や欠陥構造によって決まる。
【0011】
不安定な構造とは、合成石英ガラスの基本骨格であるSi−O−Si結合で、不安定な結合角を有するものであり、3員環及び4員環構造をとる。これらがレーザー照射を受けると、そのエネルギーにより開環し、欠陥構造を生成する。
【0012】
欠陥構造に関しては、たとえば、光源波長が157.6nmであるF2エキシマレーザーを例にとると、透過率に影響する欠陥構造としてSi−Si結合及びSi−OH結合が存在する。Si−Si結合は酸素欠損型欠陥と言われ、吸収の中心波長を163nmにもつ。
【0013】
この酸素欠損型欠陥は、215nmに吸収帯を示すSi・欠陥構造の前駆体でもあるため、F2(157.6nm)ではもちろんのこと、KrF(248.3nm)やArF(193.4nm)を光源とする場合にも非常に問題となる。また、Si−OH結合は160nm付近に吸収帯を示す。
【0014】
よって高い真空紫外線透過性を実現するためには、上記の3員環及び4員環構造や欠陥構造を可能な限り低減させる必要がある。
【0015】
これを解決するために従来の研究では、シリカ原料ガスの火炎加水分解により多孔質シリカ母材を作製し、これをフッ素化合物ガス雰囲気下で溶融ガラス化するなどの方法がとられてきた。
【0016】
この方法により、合成石英ガラス中にフッ素がドープされるわけであるが、フッ素のドープにより3員環及び4員環構造が低減することが知られている。また、フッ素ドープにより合成石英ガラス中のSi−OH結合をなくし、Si−F結合を生成させることができる。Si−F結合は結合エネルギーが大きく、強固な結合であり、その上150〜170nmに吸収帯をもたない。その結果として、上記方法でフッ素をドープした合成石英ガラスはF2(157.6nm)の真空紫外線に対して高い透過性を示す。
【0017】
しかしながら、このようにして得られた合成石英ガラスを成型し基板を作製すると、基板面内で複屈折が非常に高いなどの光学的な不均一性を示す場合が少なくない。このような光学的に不均一な基板をレチクル等に使用した場合、転写する像が一部ぼやけてしまい、材料としての使用が困難になる。そのため、高い透過性を有することに加えて、光学的に均質である合成石英ガラスの製造方法の確立が望まれている。
【0018】
本発明は、上記要望に応えるためになされたもので、真空紫外光に対して高い透過性を有し、複屈折量が低く、光学的に均質な合成石英ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため、ガラス化した合成石英ガラスの熱処理条件を鋭意検討した結果、フッ素原子を含有する合成石英ガラス材に対し、これを更にフッ素化合物を含む雰囲気下で熱処理すること、この場合、特に熱処理前に予め合成石英ガラス材の外周部分を除去しておくことにより、400nm以下、特にArFやF2など200nm以下の真空紫外光に対して高い透過性を有し、かつ複屈折量が低い、光学的に均質な合成石英ガラスが得られることを知見し、本発明をなすに至った。
【0020】
即ち、本発明は、下記合成石英ガラスの製造方法を提供する。
(1)フッ素原子を含有する合成石英ガラス材をフッ素化合物を含んだ雰囲気下で熱処理することを特徴とする合成石英ガラスの製造方法、
(2)熱処理する合成石英ガラス材の外周部分を予め除去しておくことを特徴とする(1)記載の合成石英ガラスの製造方法
【0021】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明は、真空紫外光の透過率が高く、かつ光学的に均質なフッ素含有合成石英ガラスの製造方法に係るものである。
【0022】
ここで、真空紫外光の透過率を高めるためには、合成石英ガラスにフッ素原子をドープすることが必要であり、フッ素ドープにより、合成石英ガラス中の不安定な結合状態や欠陥構造を低減させることができる。その上、ドープにより生成したSi−F結合は結合エネルギーが大きいため、耐紫外線性が良好である。
【0023】
従って、本発明においては、まずフッ素ドープ合成石英ガラス材を製造する。この場合、その方法としては、酸素ガス、水素ガス及びシリカ製造原料ガスをバーナーから反応域に供給し、この反応域においてシリカ製造原料ガスの火炎加水分解によりシリカ微粒子を生成させると共に、上記反応域に回転可能に配置された基材に上記シリカ微粒子を堆積させて多孔質シリカ母材を作製し、この母材をフッ素化合物ガス含有雰囲気下で加熱・溶融し、合成石英ガラス材を得る方法が採用し得る。かかる方法自体は公知の方法、条件を採用し得、例えば酸素ガス、水素ガス、シリカ製造原料ガスの流量などは通常の流量範囲を選択し得る。また、フッ素化合物ガスをバーナーから反応域に供給し、フッ素含有多孔質シリカ母材を作製し、これをガラス化しても良い。
【0024】
シリカ製造原料ガスとしては、四塩化ケイ素などのクロロシランやテトラメトキシシランなどのアルコキシシラン、ヘキサメチルジシランなどのジシラン等の公知のケイ素化合物が使用されるが、Si−Cl結合の紫外線吸収を考慮すると、Clを含まないアルコキシシランが好ましい。フッ素化合物ガスとしては、SiF4、CHF3、CF4などが選択されうる。加熱・溶融雰囲気としては、上記フッ素化合物ガスやヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス又はこれらの混合雰囲気とされる。ここで、ガラス化温度及び時間は、ガラス化雰囲気中のフッ素化合物ガス濃度や多孔質シリカ母材の密度などにより1200〜1700℃の範囲で適切な条件が選択される。ガラス化の前に、ガラス化温度より低い温度で多孔質シリカ母材を加熱する、脱水工程を実施しても良い。この場合の加熱雰囲気も、上記フッ素化合物ガスやヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス又はこれらの混合雰囲気とされる。
【0025】
ガラス化後は同炉内にて急冷、徐冷もしくは放冷にて室温まで冷却されるのであるが、冷却もフッ素化合物ガス含有雰囲気下で行うのが好ましい。
【0026】
このようにして得られるフッ素原子を含有する合成石英ガラス材中におけるフッ素ドープ量は0.1重量%以上、より好ましくは0.1〜2.4重量%、更に好ましくは0.3〜1.5重量%であることが好ましい。
【0027】
このようにして得られたフッ素ドープ合成石英ガラス材を成型し、熱処理・切断・研磨等の工程を経てリソグラフィー用の光学部材を製造し得るが、本発明においては、フッ素化合物含有雰囲気下でフッ素ドープ合成石英ガラス材の熱処理を行う。
【0028】
即ち、従来では、合成石英ガラスの歪を除去するためのアニール処理は大気中で行われるのであるが、このような環境下では合成石英ガラス中のSi−F結合が熱で切断され、外周部に変質層が生成する。この変質層が存在すると、アニール処理しても合成石英ガラス中の歪の除去が困難になる。
【0029】
本発明では、この変質層の発生を抑制する環境下でアニール処理することにより、歪の除去を効果的に実施する。つまり、フッ素化合物含有雰囲気下でアニールを行う。
【0030】
この場合のフッ素化合物は、SiF4、CHF3、CF4などが選択され、アニール雰囲気としては、上記フッ素化合物ガス雰囲気又はフッ素化合物ガスとヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスとの混合雰囲気とされる。
【0031】
アニール時のフッ素化合物濃度は、合成石英ガラス中のフッ素原子濃度又は合成石英ガラス製造時(ドープ時)の濃度に相当する濃度以上が好ましい。
【0032】
また、熱間成型等で既に生成してしまった変質層をアニール処理の前に予め除去することにより、尚一層の歪除去効果を得ることができる。
【0033】
変質層の深さは合成石英ガラスのフッ素原子濃度や熱処理条件によって異なるが、通常の場合は表面から数mmであり、1〜10mm程度研削又は切断すれば大抵の場合除去される。
【0034】
アニールの温度条件については、合成石英ガラスの徐冷点以上で歪を除去し得る一定時間(通常1〜10時間)加熱保持し、次いで歪点以下まで徐冷する方法で良いのであるが、徐冷点及び歪点は合成石英ガラス中のフッ素原子濃度で変化するので、適切な温度を設定する必要がある。通常は1200℃以下の範囲である。歪点以下までの徐冷速度は10℃/Hr以下が好ましい。
【0035】
このように、本発明では、フッ素ドープにより400nm以下の波長領域、特に真空紫外領域で高い透過性を有する合成石英ガラスにおいて、従来とは異なる条件で熱処理することにより複屈折を低減させ、光学的均質性を向上させるものである。
【0036】
即ち、従来、熱処理は合成石英ガラス内の熱応力による歪などを除去するために行われてきた。その方法としては、合成石英ガラスの徐冷点以上で一定時間加熱し、歪点以下まで徐冷するものである。ここで、歪点とは合成石英ガラスの粘度が1013.5Pa・sとなる温度であり、この温度では粘性流動が事実上起こらず、この温度未満ではガラス中の歪を除去できない。また、徐冷点は粘度が1012Pa・sとなる温度であり、ガラス加工で生じた内部歪が約15分で除去できる温度とされている(非晶質シリカ材料応用ハンドブック、株式会社リアライズ社)。
【0037】
つまり、従来の熱処理方法としては、15分で歪が除去できるような高温で保持することにより歪を除去し、冷却の際にあらたな歪が発生しないように時間をかけて徐冷する。
【0038】
この方法では、直接法やスート法などで合成した通常の合成石英ガラスの複屈折を低減させることができるが、F2エキシマレーザ用のようなフッ素をドープした合成石英ガラスについては、必ずしも複屈折を低減できるとは限らなかった。
この理由について、本発明者らは以下のように考えている。
【0039】
フッ素を含有した合成石英ガラスを高温下にさらすと、合成石英ガラス中のSi−F結合が一部切れて、その部分のフッ素原子濃度が低下する。結合の切断は合成石英ガラスの外周部分で発生しやすいので、合成石英ガラスの中央部分に比べて外周部のフッ素濃度は低くなる。実際にEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)分析にて熱処理した合成石英ガラスの表面を分析したところ、表面のフッ素原子濃度は検出限界以下であった。
【0040】
合成石英ガラスの外周部は、フッ素原子濃度が低いために中央部よりも粘性が非常に高く、先述の徐冷点や歪点も粘性に応じて高温になる。このような高粘性な層(以下、変質層とする)が合成石英ガラスの外周に存在すると、歪除去を目的としてアニール処理を行った場合、徐冷の際に外周部分から先に硬化するため内部の応力が十分解放されずに合成石英ガラス中にとどまってしまう。また、このような状況下では、応力を解放して歪を除去するのが困難なだけでなく、外周の変質層によりあらたな歪を発生させる場合もありうる。実際に合成石英ガラスの複屈折を測定した場合、アニールしてもなお複屈折の高い合成石英ガラスは、その外周部分に複屈折の高い領域が存在している場合が非常に多い。
【0041】
変質層の発生は合成石英ガラスを高温にさらした場合に発生するが、本発明では歪除去のアニール処理をフッ素化合物含有雰囲気下で行うため、合成石英ガラス中のSi−F結合が熱で切断されても、再結合されやすい環境にある。また、アニール雰囲気中のフッ素濃度が高いため、合成石英ガラスからのフッ素の拡散を抑制することができる。そのため、変質層の生成を抑制し、アニールによる歪除去効果を十分に発揮することができる。
【0042】
また、合成石英ガラスを大気中で熱間成型した場合、外周に変質層が生成される可能性が高いわけであるが、この合成石英ガラスの外周を研削・切断などにより除去することにより、フッ素化合物含有雰囲気下でのアニールをより効果的に行うことができる。
【0043】
このようにして得られた合成石英ガラスは、熱処理後の研削・切断加工や研磨などを経てリソグラフィー用の光学部材を得ることができる。その結果、得られた部材、例えばレチクル用の基板であれば、その物性は以下の値が好ましい。
【0044】
透過率は分光光度計により測定され、157.6nmであれば83.0%以上、好ましくは85.0%以上とする。透過率分布は、157.6nmで1.0%以下が好ましい。より好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.3%以下とする。
【0045】
複屈折量は、波長633nmのHe−Neレーザーによる光ヘテロダイン法により測定され、その値は10nm/cm以下が好ましく、より好ましくは5nm/cm以下、更に好ましくは1nm/cm以下とする。複屈折量は波長依存性があるため、測定値はF2レーザーの使用波長である157.6nmやArFエキシマレーザの使用波長である193.4nmなどの複屈折量に換算することができる(Physics and Chemistry of Glasses 19 (4) 1978)。
【0046】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、この実施例に記載されている合成石英ガラスの熱処理温度などの条件は、この発明をその範囲に限定することを意味しない。
【0047】
[実施例1]
多孔質シリカ母材をSiF4とHeの混合ガス雰囲気(SiF4濃度:10vol%)で加熱溶融してフッ素含有合成石英ガラスインゴットを作製し、これを180mm角のサイズに加熱成型した。
成型インゴットの中央125mm角内の複屈折を測定したところ、30nm/cm以上であった。
次いで、この成型インゴットのアニールを行った。アニールの条件は、多孔質シリカ母材のガラス化時と同じ濃度のSiF4とHeの混合雰囲気で1100℃で10時間保持し、SiF4濃度を一定に保ったまま500℃まで10℃/Hrの速度で徐冷した。
アニール後の複屈折をアニール前と同じ領域内で比較したところ、10nm/cm以下であった。結果を表1に示す。
【0048】
[実施例2]
実施例1と同様に、多孔質シリカ母材をSiF4とHeの混合ガス雰囲気で加熱溶融してフッ素含有合成石英ガラスインゴットを製造し、これを180mm角のサイズに加熱成型した。成型インゴットの中央125mm角内の複屈折を測定したところ、30nm/cm以上であった。
次いで、この成型インゴットの外周を全面3mm除去してからアニールを行った。アニールの条件は、多孔質シリカ母材のガラス化時と同じ濃度のSiF4とHeの混合雰囲気で1100℃で10時間保持し、SiF4濃度を一定に保ったまま500℃まで10℃/Hrの速度で徐冷した。アニール後の複屈折をアニール前と同じ領域内で比較したところ、5nm/cm以下であった。結果を表1に示す。
【0049】
[実施例3]
実施例1と同様に、多孔質シリカ母材をSiF4とHeの混合ガス雰囲気で加熱溶融してフッ素含有合成石英ガラスインゴットを製造し、これを180mm角のサイズに加熱成型した。成型インゴットの中央125mm角内の複屈折を測定したところ、30nm/cm以上であった。
次いで、この成型インゴットの外周を全面10mm除去してからアニールを行った。アニールの条件は、多孔質シリカ母材のガラス化時よりもSiF4濃度を高く(SiF4濃度:20vol%)し、1100℃で10時間保持し、SiF4濃度を一定に保ったまま500℃まで5℃/Hrの速度で徐冷した。アニール後の複屈折をアニール前と同じ領域内で比較したところ、3nm/cm以下であった。結果を表1に示す。
【0050】
[比較例1]
実施例1と同じ条件でフッ素含有合成石英ガラスの成型インゴットを作製し、成型インゴットの中央125mm角内の複屈折を測定したところ、30nm/cm以上であった。これを、大気雰囲気であることを除いて実施例1と同じ条件でアニールした。アニール後の複屈折をアニール前と同じ領域内で比較したところ、複屈折は依然30nm/cm以上であった。また、その測定領域内ではアニールによって複屈折が大きくなっている部分も見られた。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0003965552
【0052】
【発明の効果】
本発明の合成石英ガラスの製造方法により、400nm以下の波長領域、特にF2エキシマレーザ用など200nm以下の真空紫外光に対して透過率が高く、複屈折量が低い、光学的に均質な合成石英ガラスを得ることができる。

Claims (2)

  1. フッ素原子を含有する合成石英ガラス材をフッ素化合物を含んだ雰囲気下で熱処理することを特徴とする合成石英ガラスの製造方法。
  2. 熱処理する合成石英ガラス材の外周部分を予め除去しておくことを特徴とする請求項1記載の合成石英ガラスの製造方法。
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