JP4193266B2 - 周辺車両報知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自車の付近に位置する他車との相対位置を、その後の移動範囲も含めて把握する周辺車両報知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車の運転者は、運転するにあたって、自車の周囲に位置する他車の位置を視覚により確認し、各車両との位置関係を認識しながら走行操作を行っている。車両には、運転者による視認を補助するために、バックミラーやサイドミラーなどが設けられている。また、見通しの悪い交差点などには、凸面鏡が配置されるなど、通過する車両の認識を容易とするための構造が、道路施設としても設けられている。しかしながら、雨や霧などの悪環境下における走行や、夜間に走行する場合など、車両相互間の認識を妨げる要素も多くある。
【0003】
一方、従来の車両には、GPS受信機によって検出された自車の現在位置を、予め搭載されている地図データベースを表示した画面内に表示して、運転者に現在位置を知らせるナビゲーションシステムが搭載されている。このような案内システムを利用して、GPS受信機で検出した自車位置に関する情報を、周囲の他車に対して発信し、地図が表示された画面内に自車位置とともに他車の位置をも表示する装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
運転者は、周囲に位置する他車のスピードや進行方向などを視覚で直接確認して、過去の経験から自車の走行の妨げとなる車両か否か、或いは注意を注ぐべき車両か否か、を判断している。
【0005】
しかし、他車から送信された車両位置をそのまま画面に表示するだけでは、他車のスピードや加速度などを直接視覚で認識できる訳ではない。このため、画面に表示された他車が自車との関係で、どの程度注意する必要のある車両か否かを、運転者が自らの経験から判断することは難しい。このような判断は、多数の他車が画面に表示された場合などは、具体的にどの車両に注意を払うべきか、特定することも難しくなり、更に困難となる。
【0006】
この発明の目的は、他車の位置に関する情報に加えて、将来移動する可能性のある範囲を予測し、運転者の状況判断を的確に補助することのできる周辺車両報知装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、以下の本発明によって達成される。
【0008】
(1)自車の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
他車が発信した、他車の現在位置と、予め定められた予測時間経過後に他車が位置する可能性のある範囲を演算した道路上の予測範囲及びその予測時間とを、通信により取得する他車情報取得手段と、
前記予測時間が経過した後に自車が位置する可能性のある道路上の予測範囲を演算する移動可能範囲予測手段と、
検出した自車の現在位置と、演算した自車の予測範囲と、取得した他車の現在位置と、取得した他車の予測範囲とを表示する表示手段を有すると共に、演算した自車の予測範囲と、取得した他車の予測範囲とが重なっている面積を演算し、その演算結果に応じて他車が自車の走行を妨げる可能性を判定する判定手段と判定結果を使用者に報知する報知手段とを有することを特徴とする周辺車両報知装置。
【0009】
(2)自車の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
自車と他車の進路が交差する交差地点を検出する交差地点検出手段と、
検出された交差地点に自車が到達するまでに要すると予想される時間的な予測範囲を演算する時間範囲予測手段と、
他車が発信した、他車の現在位置及び交差地点に他車が到達するまでに要すると予想される時間的な予測範囲とを、通信により取得する他車情報取得手段と、
検出した自車の現在位置と、演算した自車の予測範囲と、取得した他車の現在位置と、取得した他車の予測範囲とを表示する表示手段を有すると共に、演算した自車の予測範囲と、取得した他車の予測範囲とが重複している時間を演算し、その重複時間に応じて他車が自車の走行を妨げる可能性を判定する判定手段と、判定結果を使用者に報知する報知手段とを有することを特徴とする周辺車両報知装置。
【0010】
(3)前記予測範囲は、現在の走行速度を維持して走行した場合において、予測時間経過後に到達する地点を中心とした円形状として表示される上記(1)に記載の周辺車両報知装置。
【0014】
(4)前記予測範囲の形状は、車両の移動特性に応じて決定される上記(1)に記載の周辺車両報知装置。
(5)前記予測範囲の形状は、車両が走行している道路の要素に応じて決定される上記(1)に記載の周辺車両報知装置。
(6)前記報知手段は、さらに判定手段によって判定された可能性に応じた内容の警告を、使用者に通知する通知手段を有する上記(1)〜(5)のいずれか1に記載の周辺車両報知装置。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の好適実施形態について、添付図面に基づいて詳説する。図1は本発明である周辺車両報知装置1の構成を示すブロック図である。本実施形態の周辺車両報知装置は、自車に搭載され、自車周辺の他車から発信(または送信)される該他車の現在位置、車速等の車両情報を受信する(受信手段としての通信部)。周辺車両報知装置は、受信された車速等に基づいて予め設定された移動予測時間(n秒)内に該他車が移動できる地理上の移動可能範囲を予測(演算)する(他車移動可能範囲予測手段として機能する処理部)。また、周辺車両報知装置は、同予測時間内に自車が移動できる地理上の移動可能範囲を自車の車速等に基づいて予測(演算)する(自車移動可能範囲予測手段として機能する処理部)。周辺車両報知装置は、自車について予測された移動可能範囲に、他車の移動可能範囲が重複するか否かを判断する(判断手段)。そして、重複する移動可能範囲が予測された他車について使用者(自車運転者等の自車搭乗者)が認識できるように画像、音声、音(音の変化)で報知する(報知手段としての表示部、入出力部)。上記のように演算された他車および自車の移動可能範囲については、表示部に併せて表示される。
【0016】
さらに具体的に説明すると、周辺車両報知装置1は、通信部11と、処理部12と、GPS受信部13と、表示部14と、コマンド入力部15と、入出力部16とを備えている。通信部11は、外部から情報を取得する際に使用され、例えば、他車から発信される他車情報を、無線によって受信する。この無線の方式は、スペクトラム拡散通信、FM通信、アマチュア無線、MCA、携帯電話、PHSなどが挙げられる。
【0017】
通信部11で取得された情報は、デジタル信号に変換されて、処理部12に供給される。処理部12は、中央処理装置(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備えている。中央処理装置には、データバス等のバスラインを介してROMとRAMが接続されている。ROMには、後述する自車の移動可能範囲や、走行の妨げとなる可能性を判定するプログラムなどが格納されている。RAMは、中央処理装置が各種演算処理を行う場合のワーキング・メモリとしての機能を果たす。処理部12の構成は、上記構成に限られない。
【0018】
GPS受信部13は、人工衛星から発せられる電波を受信して、自車の現在位置を測定し、測定された位置は、処理部12へ送られる。このGPS受信部13は、自車の現在位置を検出する自車位置検出手段としての機能を有する。この自車位置検出手段としては、GPS受信装置に加えて、地磁気センサ、距離センサ、ステアリングセンサ、ビーコンセンサ、ジャイロセンサ等の内、いずれか1種または2種以上を備えたセンサー部17を設けて、これらのセンサから検出される各種値を考慮して、より正確な自車の現在位置を特定する構成としてもよい。
【0019】
ここで、地磁気センサは、地磁気を検出して自車の向いている方位を求めるものであり、距離センサは、例えば車輪の回転数を検出して計数するものや、加速度を検出して2回積分するものや、その他計測装置等が使用される。ステアリングセンサは、例えば、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転抵抗ボリューム等が使用されるが、車輪部に取り付ける角度センサを用いてもよい。ビーコンセンサは、路上に配置したビーコンからの位置情報を受信する。ジャイロセンサは、車両の回転角速度を検出しその角速度を積分して車両の方位を求めるガスレートジャイロや振動ジャイロ等で構成される。
【0020】
表示部14は、画像を表示する画面を有し、この画面に自車を中心とする周囲の地図情報や、通信部11で取得された他車の位置情報、処理部12で演算された自車と他車の移動可能範囲等の画像情報、或いは、運転者に警告を発するための文字情報、図形情報等の視覚情報などが表示される。この表示部14に表示される地図情報は、DVD、MO、CD、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光カード等の各種記憶装置に格納されている。表示部14としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を用いることができる。
【0021】
コマンド入力部15は、各種操作のためのコマンド等を入力する入力手段で、その構成例としては、例えば、表示部14を構成するディスプレイの画面上に配置され、その画面に表示されたキーやメニューにタッチすることにより情報を入力するタッチパネル、その他、キーボード、マウス、バーコードリーダ、ライトぺン、遠隔操作用のリモートコントロール装置などが挙げられる。
【0022】
音声によって情報を入出力する音・音声入出力部16は、マイクロホンやスピーカなどによって構成され、音声によって情報を入力することができる。また、スピーカから出力される音声によって、運転者に警告を与えたり、音声以外の音程、リズム等の変化や種類によって運転者に必要な情報を伝達する場合に用いられる。
【0023】
ここで、本実施形態では、GPS受信部13および/またはセンサー部17は、自車の現在位置を検出する現在位置検出手段として機能する。処理部12は、移動可能範囲予測手段として、交差地点検出手段として、時間範囲予測手段として、他車移動可能範囲予測手段として、自車移動可能範囲予測手段として、または判定手段として、それぞれ機能する。通信部11と処理部12は、他車情報取得手段として機能する。また、処理部12と、表示部14と、音・音声入出力部16は、報知手段または通知手段として機能し、特に表示部14は表示手段としてそれぞれ機能する。一方、他車には、図1の周辺車両報知装置1とほぼ同様の車両情報発信装置が搭載されている。他車に搭載された車両情報発信装置は、周辺車両報知装置1と同じGPS受信部13、センサー部17、コマンド入力部15及びこれらに接続された処理部12によって構成される。また、車両情報発信装置は、車両情報の記憶装置と、該記憶装置に格納された車両情報を車両外部へ発信する通信部を有しており、これら各装置は処理部12に接続されている。
【0024】
以上のように構成された本発明の周辺車両報知装置1は、以下の作用を有する。図2は、走行中の自車と他車の位置関係を示す模式図、図3は、自車の表示部14の画面に表示された自車と他車の表示態様を示す模式図である。図2に示されているのは、道路R1を交差点Cに向けて走行している自車Mと、道路R1に交差する道路R2を交差点Cに向けて走行している他車Aであり、矢印は、各車両の進行方向を示している。
【0025】
処理部12は、自車Mの移動可能範囲Maを演算し、表示部14に表示する。自車の車速と、進行方向に基づいて、処理部12内に予め定められた(予め記憶されている)予測時間(n秒)(以下、単に「予測時間」という)経過後に自車が位置する可能性のある、つまり予測時間内に移動することができる地理上の予測範囲(移動可能範囲)を演算し(換言すると、距離的な予測範囲を演算し、)、表示部14の画面内に表示する。この予測時間は、自車の車速に応じて、あるいは走行している道路種別に応じて適宜変更してもよい。例えば、車速の増大に応じて、予測時間を短く設定したり、道路の制限速度が高くなるに応じて、予測時間を短く設定する。
【0026】
地理上の予測範囲の演算方法の一例を挙げると、例えば、現在の走行速度を維持して走行した場合において、予測時間経過後に到達する位置Mbを算出し、その地点を中心とした円を描き、その円の内側を移動可能な地理上の予測範囲(移動可能範囲)Maとする。この円の半径は、後述するように、予測時間経過後に変化する速度や方向について、予め測定されたデータ(学習値)に基づき決定される。従って、この円の半径、あるいは面積についても、走行速度などに応じて、その都度決定することもできる。
【0027】
一方、通信部11を介して取得される他車に関する情報は、例えば、表1に示されているような内容である。表1の各情報は、他車に搭載された記憶装置に格納されている。表1は、他車から発信(送信)され得るデータの例を示している。これらデータは、一定時間ごとに発信される。他車から発信されるデータが該他車の現在位置および車速である場合、これらを受信した自車において、予め定められた予測時間(n秒)と受信された車速とを乗算することにより他車についての移動予測距離が求まる。そして、受信された現在位置を中心とし、該求められた移動予測距離を半径とする円形領域を他車についての移動可能な地理上の予測範囲(移動可能範囲)として予測(演算)できる。
【0028】
一方、他車から発信されるデータが該他車自身において演算された移動可能範囲である場合、これらを受信した自車においては上記移動可能範囲を演算する必要はない。この場合、他車から移動予測時間(n秒)も発信するようにすれば、これを受信した自車において、該受信された移動予測時間(n秒)内に自車が移動可能な移動可能範囲を演算できる。また、他車から発信されるデータが該他車の現在位置、車速および進行方向である場合、これらを受信した自車において、予め定められた予測時間と受信された車速とを乗算することにより、他車についての移動予測距離が求まり、これに進行方向を加味すると、該他車についての移動予測位置が求められる。この求められた移動予測位置を中心とし、移動予測距離を半径とする円形領域を他車についての移動可能範囲として予測(演算)してもよい。なお、円形領域の半径は、後述する半径rを用いてもよい。
【0029】
【表1】
【0030】
位置情報には、例えば他車Aの位置に関する情報、予測時間(n秒)経過後の予測位置Ab、その位置における車速、進行方向などが含まれる。取得された位置情報に基づき、表示部14の表示画面に、自車の現在位置とともに他車の位置が表示される。他車の移動可能範囲を設定するための予測時間に合わせて、自車の予測時間が設定される。時間情報は、自車位置を測定した時刻、或いは予測された移動可能範囲に到達する時刻である。車両移動性能は、他車の動きに対して予測される移動可能範囲Aaであり、この範囲は、表示部14の画面上に、自車の移動可能範囲とともに表示される。車両の色彩情報は、他車の色や、模様の有無、その他色彩における特徴点などである。この情報は、表示部14の表示される。表示方法は、直接、その色や模様を表示する場合や、その他文字情報として表示してもよい。この他、音声として入出力部16から出力してもよい。
【0031】
車両の形状情報は、他車の全長・車幅などの大きさ、改造の有無等の特徴的な部分に関する情報、その他、排気量、車種、車のメーカ、車のナンバー等が含まれる。これらも情報も、表示部14の表示される。表示方法は、直接、その形状等を表示する場合や、その他文字情報として表示してもよい。この他、音声として入出力部16から出力してもよい。自車との関係情報は、友人、他人、同業者、家族、同車種等の自車との係わりを表す情報を含んでいる。そして、これらの情報も表示部14に表示したり、音声して入出力部16から出力してもよい。上記、車両情報の内、特に車両の視覚情報(色彩情報、形状情報)、自車との関係情報は、表示部14の画面に表示された他車を、運転者が視覚により直接認識するために有用な情報であり、この情報を得ることによって、他車を直接肉眼で確認することが容易となる。
【0032】
図2は、自車Mと他車Aが同一の交差点Cに向けて矢印方向へ走行している状況を示したものである。他車Aは、該他車Aの現在位置、進行方位及び車速をSS無線機等の通信装置により一定時間間隔で発信している。自車Mにおいては、移動予測時間(例えば5秒)が使用者によって予め設定されており、記憶装置に格納されている。以下同状況下における自車Mに搭載された周辺車両報知装置の動作を中心に説明する。
【0033】
図4は、自車Mにおける、他車の移動可能範囲の表示処理及び他車について使用者に報知する処理のフローチャートである。他車予測移動可能範囲表示処理、警告処理ルーチンは、イグニッションオンにより、処理プログラムが起動し、イグニッションオフにより終了する。処理プログラムが起動すると、他車情報受信フラグがオンか否かを判断する(ステップS10)。他車情報受信フラグは、自車周辺の他車から発信される他車情報(現在位置、進行方位及び車速)を受信した場合にオンとなる。他車情報受信フラグのオン/オフについては、他の処理ルーチンで処理されている。このルーチンによって他車情報取得手段としての機能が発揮される。
【0034】
他車情報受信フラグがオンでない場合には(ステップS10:No)、リターンされ、ステップS10の判断が繰り替えされる。他車情報受信フラグがオンである場合(ステップS10:Yes)、他車の移動可能範囲が演算され、表示部に表示される(ステップS12)。このステップS12により表示手段としての作用が発揮される。図3は他車Aおよび自車Mの移動可能範囲の表示例である。同図中、略三角の記号Aは他車Aの現在位置を、Abは予測時間(5秒)後の他車予測位置を、Aaは予測時間(5秒)内に他車Aが移動できる地理上の範囲をそれぞれ表している。なお、他車Aの予測時間後の予測位置Abは、受信した車速と自車において設定されている予測時間を乗算することにより求まる。また、他車Aの予測時間内に移動できる移動可能範囲Aaは、予測位置を中心とし、半径rの円形領域として求めることができる。半径rは例えば次の式から得ることができる。
【0035】
r=Gmax×9.8×Time×Time
ここで、rは、予測移動可能範囲の半径(単位:m)、Gmaxは、最大加速度(単位:G)、Timeは、予測時間(単位:秒)である。最大加速度Gmaxは、例えば、(Gmax=車種別限界加速度×過去の運転学習値)として求められる。車種別限界加速度は、車種に応じて設定されており、この値以上の加速度は基本的に出ることはないとされる値である。過去の運転学習値は、加速度センサーや、カーナビゲーションシステムの軌跡などから得ることができ、過去測定された加速度の平均値として求めることができる。例えば、車種別限界加速度が0.5Gで、学習値が0.2Gである場合には、車種別限界加速度と学習値の差0.3Gの半分を余裕値として、Gmaxを0.35Gに設定する。上記運転学習値は、過去測定された加速度の平均値としたが、この他、過去測定した加速度の内、最も大きな値としてもよい。車種別限界加速度は、例えば、車の形式毎に予め設定されている。ここで、車の形式とは、セダン、ワゴン、クーペ、ミニバン、四輪駆動などの車のタイプ、或いは、排気量、全体重量などとの組み合わせで決定される。
【0036】
次に、自車Mの移動可能範囲が演算され表示部に表示される(ステップS14)。これにより移動可能範囲予測手段としての機能が発揮される。図3中、略三角の記号Mは自車Mの現在位置を、Mbは予測時間(5秒)後の自車予測位置を、Maは予測時間(5秒)内に自車Aが移動できる地理上の範囲をそれぞれ表している。なお、自車Mの予測時間後の予測位置Mbは、自車の車速と予測時間(5秒)を乗算することにより求まる。また、自車Mの予測時間(5秒)内に移動できる地理上の範囲Maは、予測位置を中心とし、半径rの円形領域として求めることができる。半径rの演算の仕方は上記と同様である。
【0037】
ステップS14では、上記のようにして演算された他車Aの移動可能範囲Aaと自車Mの移動可能範囲Maの重複範囲(重複面積)が演算される。重複する面積が0である場合には、重複範囲なしであり、重複する面積がある場合には重複範囲ありとなる。ステップS14での演算結果に基づき、重複範囲があるか否かを判断する(ステップS16)。重複範囲なしの場合には(ステップS16:No)、リターンされ、ステップS10が再度実行される。重複範囲ありの場合には(ステップS16:Yes)、予め定められたテーブルを参照する(ステップS18)。上記ステップS14、S16、S18により、判定手段としての機能が発揮される。
【0038】
テーブルに基づき判定された警告の内容を、図7に示されているように、表示部14の画面に表示する(ステップS20)。このステップにより報知手段としての機能が発揮される。ここで、表示方法としては、文字情報として表示する場合の他、警告内容に該当する他車Aの表示部分に、文字以外の警告表示Fを加えてもよい。この表示パターンは、表示Fのように、通常の表示に新たに図形(線図)的な情報を加える場合の他、警告内容に該当する他車Aの表示を点滅させたり、他車Aの色彩を通常使用されている色彩から、他の色彩(例えば、赤色、黄色など)に変更させるパターンとしてもよい。
【0039】
【表2】
【0040】
表2のテーブルは、他車の移動可能範囲と自車の移動可能範囲の重複面積のしきい値と、警告(報知)の内容とを対応させたテーブルである。例えば、重複範囲が0%の場合には、警告の必要がないので、警告は行われない。重複範囲が30%未満の場合には、表示は「左(右)方向から自車進路を妨げる可能性のある車両が接近中です。」と表示し、発信音(例えば、ピポ…ピポ…)を鳴らす。重複範囲が30から60%未満の範囲である場合には、30%未満である時の警告に加えて、画面に表示されている他車のシンボルを点滅させる。重複範囲が60%以上の場合には、警告内容を変更して、「左(右)方向から自車進路を妨げる車両が接近中です。」とし、発信音の音質を変更する。尚、警告のみでなく、その後の回避行動も指示する構成としてもよい。例えば、警告の後に、「減速してください。」「停止して下さい。」「進路変更をして下さい。」「車線変更をして下さい。」等の指示を表示又は音声出力することができる。
【0041】
発信のパターンは、重複範囲が30%未満、30から60%未満、60%以上の順に、発信音の間隔が狭くなるように設定し、運転者に警告の重要度の程度を感覚的に認識させるようにしてもよい。警告のステップS20が終了した後、他車情報受信フラグをオフとする(ステップS22)。例えば、自車Mと他車Aの位置関係が図3に示される場合は、自車M及び他車Aの移動可能範囲MaとAaとは重複しないので、警告はされない。
【0042】
しかし、自車Mと他車Aが走行するにつれ、図5に示すように双方の移動可能範囲MaとAaとが重複し、その重複面積が例えば20%になった場合は、表2の30%未満の欄に対応する右欄の警告(または報知)が行われる。また、自車Mと他車Aがさらに走行し、図6に示すように双方の移動可能範囲MaとAaとの重複面積が例えば50%になった場合は、表2の30%〜60%未満の欄に対応する右欄の警告(または報知)が行われる。
【0043】
以上のように、本実施の形態における周辺車両報知装置は自車に搭載され、自車の移動可能範囲に重複すると判断された移動可能範囲が予測された他車について使用者(自車運転者等の自車搭乗者)が認識できるように画像、音声、音(音の変化)で報知するようにしたので、使用者は、自車の進路を妨げるおそれのある自車周辺車両を比較的早期に認識することができる。
【0044】
また、他車の移動可能範囲と自車の移動可能範囲とを表示部に併せて表示するようにしたので、使用者は、自車の進路を妨げるおそれのある自車周辺車両について、画面を一瞥することで判断することができる。なお、他車については、移動可能範囲を表示し、自車については、自車現在位置のみを表示することによっても同様の効果を得ることができる。
【0045】
本実施の形態においては、自車の移動可能範囲に重複する移動可能範囲が予測された他車について使用者が認識できるように画像等で報知するように説明したが、自車の移動可能範囲に他車の移動可能範囲が重複する場合、自動変速機の変速段を現変速段よりも低い変速段に切り替える等により制動を行うようにしてもよい。
【0046】
また、本実施の形態においては、自車の記憶装置に格納された予測時間を使用して自車および他車の移動可能範囲を演算するように説明したが、他車から発信される予測時間及び該予測時間を使用して該他車において演算された移動可能範囲を受信するようにしてもよい。この場合、他車については該受信された移動可能範囲を表示等し、一方、自車については該受信された予測時間を使用して移動可能範囲を演算して表示等する。
【0047】
また、他車から発信された移動可能範囲を、自車の記憶装置に格納された予測時間内に移動できる範囲に補正するようにしてもよい。この場合、他車については該補正後の移動可能範囲を表示等し、一方、自車については自車の記憶装置に格納された予測時間を使用して移動可能範囲を演算して表示等する。
【0048】
また、自車が予測時間を発信し(他車に対して特定の予測時間内に移動できる地理上の移動可能範囲を演算して、これを発信させるためのリクエストとしての発信)これを受信した他車が、該受信された予測時間を使用して該他車の移動可能範囲を演算し、該演算された移動可能範囲を自車へ発信するようにしてもよい。この場合、他車については該受信された移動可能範囲を表示等し、一方、自車については他車へ発信した予測時間を使用して移動可能範囲を演算して表示等する。
【0049】
また、本実施の形態においては、交差点における周辺車両の報知(警告)について説明したが、交差点以外のさまざまな地点、場所(例えば、高速道路の合流地点、分岐路等)における周辺車両の報知についても同様に行うことができる。
【0050】
以上のような構成において、運転者は、自車と他車の移動可能範囲を視覚により認識できることができるため、近い将来他車が走行の妨げとなるか否かを認識することが容易となる。
【0051】
また、上記重複範囲に基づいて、他車が自車の走行を妨げる可能性を判定する際、重複範囲の面積の増加速度をパラメータとして用いてもよい。例えば、重複範囲が30%未満であっても、重複範囲の面積の増加速度か高い場合には、妨げる可能性が高いものと判断することができる。また、重複範囲が60%以上である場合であっても、重複範囲の面積増加がなければ、妨げる可能性は低いものとすることができる。このような場合は、例えば複数車線を有する道路を2つの車両が併走している場合などがある。
【0052】
次に、自車の移動可能範囲の演算方法について、図8に示されている自車予測移動可能範囲表示処理ルーチンに基づいて説明する。このルーチンにより自車移動可能範囲予測手段としての機能が発揮される。このルーチンは、イグニッションオンにより起動し、イグニッションオフにより終了する。
【0053】
まず、自車位置計測フラグがオンか否か判断する(ステップS30)。このフラグは、GPS受信部13により自車位置が測定された場合にオンとなる。または、自車が一定距離走行する毎にセンサー部17からの信号に基づいて自車位置を演算するようにして、該自車位置が演算されるごとに自車位置計測フラグをオンにするようにしてもよい。フラグがオフの場合、つまり自車位置が測定されていない場合には(ステップS30:No)、以下の処理は行われず、リターンされる。フラグがオンの場合には、つまり自車位置が測定された場合(ステップS30:Yes)、次のステップS32を実行する。ステップS32では、他車情報受信フラグがオンか否かを判断する。他車情報が通信部11を介して受信された場合には、フラグがオンとされる。他車情報を受信したか否かは、他の判断ルーチンにより判定されている。
【0054】
他車情報受信フラグがオンである場合、つまり他車情報が受信されている場合には(ステップS32:Yes)、移動可能範囲を演算するための予測時間(n秒)は、他車において設定されている予測時間を自車の予測時間として用いることを決定する(ステップS34)。他車情報受信フラグがオフである場合、つまり他車情報が受信されていない場合には(ステップS32:No)、移動可能範囲を演算するための予測時間(n秒)は、自車において設定されている予測時間をそのまま用いることを決定する(ステップS40)。
【0055】
ステップS34において、移動可能範囲を予測するための予測時間を自車と他車で統一することで、警告の精度を担保することができる。他車が自車を妨げる可能性を容易に判定することができる。これは、予測時間を自車と他車の一方で採用している時間に統一すればよく、自車で設定されている予測時間を用いてもよい。この場合には、他車について表示される移動可能範囲を、自車で設定している予測時間に基づき演算しなおす必要がある。
【0056】
前のステップで決定された予測時間に基づき、自車の予測移動可能範囲を演算する(ステップS36)。ステップS36における予測移動可能範囲は、予測時間(n秒)経過後の移動位置Mbを中心とした円の内側を予測移動可能範囲Maとして表される。Mbを中心とする円の半径rの算出方法についは、図4に示されている、他車の移動可能範囲の表示処理及び他車について使用者に報知する処理のフローチャートの説明において、ステップS12(図3の説明)で述べた算出方法を用いる。
【0057】
ステップS36に基づいて算出された自車予測移動可能範囲と、既に測定されている自車位置とを表示部14の表示画面に表示し(ステップS38)、自車位置計測フラグをオフとする(ステップS39)。他車の予測移動可能範囲について、自車で演算する場合には、通信で得た他車情報(過去の運転学習値を含む)に基づき、上記方法に則って演算する。
【0058】
また、上記は予測移動範囲を円形とした場合の例を説明したが、車の特性や、走行している道路の状態に応じて予測移動可能範囲を設定するようにしてもよい。例えば一般の車両は、前輪2つを用いて向きを変えている。このため、真横には移動することはできない等、車の移動特性を考慮して予測移動可能範囲を設定することができる。例えば、図9に示されているように、停止中の車両における予測移動可能範囲は、前方と後方が左右に広がった範囲とされる。また、移動中でも、車の旋回性能に応じた予測移動可能範囲を判定すれば、図10に示されているように、左右に曲がる場合を考慮すると、後方が左右に膨らんだ範囲となる。また、移動速度が遅い場合には、図11に示されているような停車時の形状に近いものとなる。このような予測移動可能範囲を決定するパラメータとしては、車種によって異なる最小回転半径(単位:m)、移動速度、既述の車種別限界加速度等となる。
【0059】
また、道路によっては、中央分離帯やガードレールがある場合がある。この中央分離帯やガードレールを越えて車が移動することは、通常有り得ないので、道路の要素を、予測移動可能範囲を決定するパラメータに加えることもできる。図12は、中央分離帯やガードレールがある道を走行している車両の予測移動可能範囲を示す模式図である。図12に示されているように、予測移動可能範囲Maの形状は、中央分離帯22やガードレール21より外側に広がることがないように規定された形状となる。このような規定をすれば、前方から接近する反対車線の他車について、重複範囲が発生にくくなり、反対車線の車両が進路を妨げる車両として認識されることが抑制される。
【0060】
以上のステップに演算された結果に基づき求められた、自車位置、自車の予測移動可能範囲、他車位置、他車の予測移動可能範囲が表示部14の画面に表示される。ここで、通常他車情報を受信しない場合には、図13(a)に示されているように、自車で設定されている予測時間(図中:3秒)に基づいて予測移動可能範囲が画面に表示される。受信した他車情報による予測時間(図中:5秒)と自車の予測時間とが異なる場合、図13(b)に示されているように、自車の予測時間を他車設定の予測時間(5秒)に変更して演算した予測移動可能範囲を表示す画面に、表示内容が変化する。このように表示内容を変更することによって、他車が自車の走行を妨げる可能性についての判断がより正確なものとなる。逆に、図13(c)に示されているように、他車情報に、自車で設定している予測時間(3秒)を適用して、他車の予測移動可能範囲を補正して表示してもよい。
【0061】
次に、他車から発信される車両情報の発信について説明する。図14は、車両情報発信処理ルーチンを示すフローチャートである。そのプログラムは、イグニッションオンで処理が開始され、イグニッションオフで処理が終了する。
【0062】
最初に位置計測フラグがオンか否か判断する(ステップS50)。位置計測フラグは、GPS受信機により位置が測定された場合にオンとなる。または、他車が一定距離走行する毎にセンサー部17からの信号に基づいて自車位置を演算するようにして、該自車位置が演算される毎に位置計測フラグをオンにするようにしてもよい。
【0063】
つまり、ステップS50で、位置が測定されたか否かを判断する。フラグがオフの場合、即ち、位置が測定されていない場合には(ステップS50:No)、リターンされ、以下の処理は行われない。フラグがオンの場合、即ち、位置測定されている場合には、測定された位置から予測時間(n秒)経過後の予測移動可能範囲が演算される(ステップS52)。この演算方法は、図4に示されている、他車の移動可能範囲の表示処理及び他車について使用者に報知する処理のフローチャートの説明において、ステップS12(図3の説明)で述べた算出方法を用いる。
【0064】
ステップS52で演算された予測移動可能範囲や、測定された位置情報、その他の表1に示されている位置情報が、バッファに格納される(ステップS54)。バッファに格納された情報は、他車から発信される情報を要求する信号を受信した時に、他車へ対して発信される(ステップS56)。発信の後、位置計測フラグがオフ(ステップS58)され、リターンされる。自車や他車が周囲の車に対して発信する情報を要求する信号は、例えば、予め定められた間隔や、所定の時刻で定期的に発信される。このような、情報の要求に応じた発信は、その後に進路変更、ブレーキオンやアクセルオンなどの操作により車速変更が行われた際などに、更新情報として発信するようにしてもよい。
【0065】
以上は、他車が該他車において演算された予測移動可能範囲を発信する例を説明したが、他の車両情報も同様に送信バッファに格納され一定時間間隔または予め設定された時刻に発信される。上記例では、自車周辺の他車が一台の場合について説明したが、自車周辺の他車が複数台であってもよい。例えば、図15に示されているように、周囲に車両が多数存在する場合には、各車両から情報を受信し、表示部14の画面に各他車の情報を併せて表示する。このように、同時に1つの画面に他車に関する情報を表示することで、複数の他車に対する相対的な位置関係が一目で把握でき、さらに複数の周辺に位置する他車が自車の走行を妨げる可能性も、一目で把握し易くなる。
【0066】
次に他の実施形態の作用について説明する。以下の実施形態では、カーナビゲーションシステムを用い、交差点などの所定の地点における自車進路の妨害の可能性を判断し、警告する。以下、図16において示されている自車・他車予測時間範囲に基づく警告処理ルーチンを示すフローチャートに基づき処理内容を説明する。例えば、図17に示されているように、自車Mの進行方向上に位置する2つ交差点C1、C2に向かって、2つ他車A1、A2がそれぞれ走行している場合の警告処理について説明する。
【0067】
自車・他車予測時間範囲に基づく警告処理ルーチンは、イグニッションのオンにより処理が開始され、イグニッションのオフにより終了する。他車情報受信フラグがオンか否か判断する(ステップS60)。他車情報受信フラグは、自車周辺の他車から発信される他車情報を受信した場合にオンされる。フラグがオフの場合には、他車情報が受信されていないので、以後の処理は行われず、リターンされる。フラグがオンの場合には、他車情報が受信されているので、その情報に基づいて、以降の処理が行われる。他車情報が受信されたか否かは、他のルーチンで判断される。この他のルーチンとステップS60によって、他車情報取得手段としての機能が発揮される。
【0068】
ここで、発信される他車情報には、表1に示されている情報の内、車両移動性能に代えて、車両進行方向直近の交差点までの自車予測到達時間範囲が車両情報として発信される。また、同交差点の番号や座標も車両情報として発信される。この実施形態では、自車と他車の進路が交差する交差地点として交差点を採用している。
【0069】
そして、検出された交差地点に到達するまでに要すると予想される時間的な予測範囲を予測時間範囲としている。予測時間範囲に幅があるのは、交差点の大きさによっては、手前と奥とで到達時間が異なること、予測移動可能範囲に幅があったのと同様に、車種や、過去の行動などにより差が生じるためである。
【0070】
取得された他車情報に基づき、他車位置、他車進行方向直近の交差点、同交差点までの他車予測時間範囲を表示部14に表示する(ステップS62)。この表示によって、運転者は他車の存在を確認する。上記他車情報に基づき表示された交差点が自車の進路上に存在するか否かを判断する(ステップS64)。このステップによって交差地点検出手段としての機能が発揮される。存在しない場合には(ステップS64:No)、他車が自車の走行を妨げることないので、以下の処理は行わずリターンされる。存在する場合には(ステップS64:Yes)、他車情報に基づき表示された交差点まで到達する自車予測時間範囲を演算し(この処理によつて、時間範囲予測手段としての機能が発揮される。)、ステップS62で表示された他車予測時間範囲との重複範囲を演算する(ステップS66)。
【0071】
ステップS66の演算結果に基づき、重複範囲があるか否かを判断する(ステップS68)。重複範囲がない場合、即ち0%の場合には(ステップS68:No)、他車が自車の走行を妨げる可能性がないので、リターンされる。重複範囲がある場合には(ステップS68:Yes)、表2に示されているテーブルを参照して、警告の内容を決定し(ステップS70)、該警告を表示部14に表示するとともに、音声又は音によっても警告を発する(ステップS72)。最後に、他車情報受信フラグをオフして(ステップS74)リターンされる。上記ステップS70によって判定手段としての機能が発揮され、ステップS72によって報知手段としての機能が発揮される。
【0072】
図17の例を表示部14に表示すると、図18の様に表示され、交差点C1への予測時間範囲は、自車Mが20〜30秒、他車A1が10〜22秒で2秒重複しており、他車A1が自車の走行を妨げる可能性があり、警告が行われる。交差点C2への予測時間範囲については、自車Mが40〜45秒、他車A2が12〜20秒で重複せず、他車A2が自車の走行を妨げる可能性はないので、警告は行われない。
【0073】
以上説明した実施形態は、演算した予測移動可能範囲や自車位置を表示部14の画面に表示する構成とされているが、他車位置や移動可能範囲などの表示を行うことなく、他車が自車の走行を妨げる可能性を演算し、その可能性に基づく警告を発する構成のみとしてもよい。
【0074】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、自車と他車の予測移動可能範囲を演算し、その範囲の重なっている面積に応じて、他車が自車の走行を妨げる可能性を判定するので、運転者は、自車の進行を妨げる他車を把握し易い。また、重なっている面積の度合いに応じた判定がなされるので、運転者は他車に対して注意を注ぐ程度を判定結果に応じて変えることができる。自車と他車の現在位置に加えて、移動可能範囲も同時に表示するため、自車の進路を妨げる可能性のある他車を比較的容易に把握することができる。
【0075】
請求項2に記載の発明は、他車が自車の走行を妨げる可能性のある地点が明確となるため、他車を回避すること容易となる。自車と他車の現在位置に加えて、移動可能範囲も同時に表示するため、自車の進路を妨げる可能性のある他車を比較的容易に把握することができる。
【0080】
請求項3に記載の発明は、円形領域を他車についての移動可能な地理上の予測範囲として予測できる。
請求項4に記載の発明は、車の性能に応じた予測移動可能範囲を判定できる。
請求項5に記載の発明は、中央分離帯やガードレールがある道を走行している車両の予測移動可能範囲の形状は、中央分離帯やガードレールより外側に広がることがないように規定された形状となる。このような規定をすれば、前方から接近する反対車線の他車について、重複範囲が発生にくくなり、反対車線の車両が進路を妨げる車両として認識されることが抑制される。
請求項6に記載の発明は、判定結果に応じた警告が通知されるため、運転者はその内容に応じた対処動作を取り易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】走行中の自車と他車の位置関係を示す模式図である。
【図3】表示部の画面に表示された自車と他車の表示態様を示す模式図である。
【図4】他車予測移動可能範囲表示処理、警告処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】移動可能範囲の重複状態を示す模式図である。
【図6】移動可能範囲の重複状態を示す模式図である。
【図7】表示部の画面に表示された警告の内容を示す模式図である。
【図8】自車予測移動可能範囲表示処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】予測移動可能範囲の他の形状例を示す模式図である。
【図10】予測移動可能範囲の他の形状例を示す模式図である。
【図11】予測移動可能範囲の他の形状例を示す模式図である。
【図12】予測移動可能範囲の他の形状例を示す模式図である。
【図13】表示部の画面に表示された自車と他車の予測移動可能範囲の表示態様を示す模式図である。
【図14】車両情報発信処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図15】表示部の画面に表示された自車と他車の予測移動可能範囲の表示態様を示す模式図である。
【図16】自車・他車予測時間範囲に基づく警告処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図17】走行中の自車と2つの他車の位置関係を示す模式図である。
【図18】他の実施形態において、表示部の画面に表示された自車と他車の表示態様を示す模式図である。
【符号の説明】
11 通信部
12 処理部
13 GPS受信部
14 表示部
15 入力部
16 入出力部
17 センサー部
M 自車
A 他車
Claims (6)
- 自車の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
他車が発信した、他車の現在位置と、予め定められた予測時間経過後に他車が位置する可能性のある範囲を演算した道路上の予測範囲及びその予測時間とを、通信により取得する他車情報取得手段と、
前記予測時間が経過した後に自車が位置する可能性のある道路上の予測範囲を演算する移動可能範囲予測手段と、
検出した自車の現在位置と、演算した自車の予測範囲と、取得した他車の現在位置と、取得した他車の予測範囲とを表示する表示手段を有すると共に、演算した自車の予測範囲と、取得した他車の予測範囲とが重なっている面積を演算し、その演算結果に応じて他車が自車の走行を妨げる可能性を判定する判定手段と判定結果を使用者に報知する報知手段とを有することを特徴とする周辺車両報知装置。 - 自車の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
自車と他車の進路が交差する交差地点を検出する交差地点検出手段と、
検出された交差地点に自車が到達するまでに要すると予想される時間的な予測範囲を演算する時間範囲予測手段と、
他車が発信した、他車の現在位置及び交差地点に他車が到達するまでに要すると予想される時間的な予測範囲とを、通信により取得する他車情報取得手段と、
検出した自車の現在位置と、演算した自車の予測範囲と、取得した他車の現在位置と、取得した他車の予測範囲とを表示する表示手段を有すると共に、演算した自車の予測範囲と、取得した他車の予測範囲とが重複している時間を演算し、その重複時間に応じて他車が自車の走行を妨げる可能性を判定する判定手段と、判定結果を使用者に報知する報知手段とを有することを特徴とする周辺車両報知装置。 - 前記予測範囲は、現在の走行速度を維持して走行した場合において、予測時間経過後に到達する地点を中心とした円形状として表示される請求項1に記載の周辺車両報知装置。
- 前記予測範囲の形状は、車両の移動特性に応じて決定される請求項1に記載の周辺車両報知装置。
- 前記予測範囲の形状は、車両が走行している道路の要素に応じて決定される請求項1に記載の周辺車両報知装置。
- 前記報知手段は、さらに判定手段によって判定された可能性に応じた内容の警告を、使用者に通知する通知手段を有する請求項1〜5のいずれか1に記載の周辺車両報知装置。
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