JP4190745B2 - 光ディスク駆動装置および光学的情報記録装置ならびに光学的情報再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性を有するシート状の光学的情報記録媒体である光ディスクを回転駆動するための光ディスク駆動装置および光学的情報記録装置ならびに光学的情報再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、テレビ放送のデジタル化が始まるなど、大容量のデジタルデータを記録することが光ディスクに求められている。光ディスクを高密度化するための手法のうち、基本的な方法は記録/再生のために用いられる光のスポット径を小さくすることである。
【0003】
このため、記録/再生のために用いられる光の波長を短く、かつ対物レンズの開口数NAを大きくすることが有効である。光の波長についてはCD(compact disk)では近赤外光の780nm、DVD(digital versatile disk)では赤色光の650nm近傍の波長が用いられている。最近、青紫光の半導体レーザが開発され、今後は400nm近傍のレーザ光が使用されると予想される。
【0004】
また、対物レンズについては、CD用はNA0.5未満であったが、DVD用はNA0.6程度である。今後、さらに開口数(NA)を大きくしてNA0.7以上とすることが求められる。しかし、対物レンズのNAを大きくすること、および光の波長を短くすることは、光を絞るときに収差の影響が大きくなることでもある。したがって、光ディスクのチルトに対するマージンが減ることになる。また、NAを大きくすることによって焦点深度が小さくなるため、フォーカスサーボ精度を上げなくてはならない。
【0005】
さらに、高NAの対物レンズを使用することによって、対物レンズと光ディスクの記録面との距離が小さくなってしまうため、光ディスクの面ぶれを小さくしておかないと、始動時のフォーカスサーボを引き込む直前、対物レンズと光ディスクとが衝突することがあり、ピックアップの故障の原因となる。
【0006】
短波長,高NAの大容量光ディスクとして、例えばO PLUS E(vol.20 No.2)の183ページに示されているように、CDと同程度に厚く剛性の大きい基板に記録膜を成膜し、記録/再生用の光を基板を通さずに、薄いカバー層内を通して記録膜に対して記録/再生する構成のシステムが提案されている。
【0007】
また、例えば特開平7−105657号公報,特開平10−308059号公報に記載されているように、平面をもつ安定化板上で可撓性を有する光ディスクを回転させて、光ディスクにおける面ぶれを安定化させる方法が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の技術において、光ディスクの基板を剛体で形成すると、回転する光ディスクにおける面ぶれ,チルトを小さくするためには、きわめて正確な成形をし、かつ熱変形が生じないように低温で記録膜を成膜しなければならない。このことは、光ディスク製造に係るタクトタイムを長くすることになり、コストを上げる原因となる。
【0009】
また、可撓性のある光ディスクを安定板上で回転させる方法では、特開平10−308059号公報に記載されているように、単純な平板上で回転させると、光ディスクと安定化板が接して摺動し、このため光ディスクが振動して高周波の面ぶれが発生する。この面ぶれは、機械的なフォーカスサーボでは応答できない周波数領域にかかってくることが多く、残留サーボエラーを十分抑圧することができない。
【0010】
さらに、面ぶれにより光ディスクと対物レンズとが摺動すると、発塵を引き起こして、その塵埃などがエラーを発生させる原因となる。特に特開平7−105657号公報に記載されているように、安定化板側に記録膜が存在する構成であると、摺動により光ディスクの記録膜を損傷して、直接エラーを引き起こすことになる。
【0011】
本発明の目的は、前記従来の課題を解決し、可撓性を有するシート状の光ディスクを用いて記録/再生を行う際に、光ディスクの両側において空気力により光ディスクの面ぶれを確実に抑制し、高密度の記録を可能にした光ディスク駆動装置および光学的情報記録装置ならびに光学的情報再生装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる部位における回転軸方向の振れをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備え、前記安定化手段を光ディスクのディスク両面側にそれぞれ設置し、両安定化手段により面ぶれが安定化される光ディスクにおける部位のディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域を設けた光ディスク駆動装置であって、前記安定化手段を、光ディスクにおける記録面側と、この記録面とは反対面側とにそれぞれ設置し、前記記録面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離を、前記記録面とは反対面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離よりも長く設定したことを特徴とし、この構成によって、シート状の光ディスクにおける面ぶれを安定化させた部位の前後位置に「逃げ」となる部分を設けたことにより、安定化させた部位における光ディスクの反発力を小さくすることができ、空気力による安定化力の効果が増大し、さらに、光ディスクを挟んで両側に安定化部材を設置したことにより、発生空気力をより安定化に寄与するような方向に作用させることができ、特に、光ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる記録面における回転軸方向の振れを効果的に安定させることができる。しかも、光ディスクの記録面と安定化手段との当接を防止することができ、書き込みあるいは読み取りのエラーを防ぐことができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の光ディスク駆動装置において、記録面側に設置された安定化手段により光ディスクに対する反発力を発生させることを特徴とし、この構成によって、光ディスクに作用する吸引力に対する反発力を発生させて、発生力のバランスを調整することができるため、面ぶれをより安定させることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の光ディスク駆動装置において、光ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる部位に対して、記録面側に設置された安定化手段における最も突出した部位と、記録面とは反対面側に設置された安定化手段における最も突出した部位とを、光ディスクの円周方向に対してずらせて配設したことを特徴とし、この構成によって、両安定化手段の位置関係をずらすことにより、安定化手段によって発生する吸引力,反発力のバランスを調整することができる。
【0017】
請求項4記載の発明は、可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面に対して集光させて情報を書き込む光学的書込手段と、この光学的書込手段により光ディスクに対して書き込みが行われる部位における回転軸方向の振れをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備え、前記安定化手段を光ディスクのディスク両面側にそれぞれ設置し、両安定化手段により面ぶれが安定化される光ディスクにおける部位のディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域を設けた光学的情報記録装置であって、前記安定化手段を、光ディスクにおける記録面側と、この記録面とは反対面側とにそれぞれ設置し、前記記録面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離を、前記記録面とは反対面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離よりも長く設定したことを特徴とし、この構成によって、請求項1に記載の発明の作用効果を奏して、光ディスクにおける書き込みが行われる部位の状態が安定し、書き込み記録密度を高めることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の光学的情報記録装置において、記録面側に設置された安定化手段により光ディスクに対して反発力を発生させることを特徴とし、この構成によって、請求項2に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5記載の光学的情報記録装置において、記録面側に設置される安定化手段を光学的書込手段における光ディスク側に固定したことを特徴とし、この構成によって、光学的書込手段により光ディスクに対して書き込みが行われる部位に近い位置において安定化手段が良好に作用することになり、さらに光学的書込手段が移動する場合には安定化手段も共に移動させることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の光学的情報記録装置において、光学的書込手段の上部に固定された安定化手段における光ディスクに対する対向設置距離を、光学的書込手段に設けられた集光用の対物レンズが制御動作によって光ディスクに最も近づく距離よりも短く設定したことを特徴とし、この構成によって、対物レンズの存在に影響されずに、安定化手段により良好な空気流を発生させることができる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項4〜7いずれか1項記載の光学的情報記録装置において、光学的書込手段により光ディスクに対して集光がなされる部位に対して、記録面側に設置された安定化手段における最も突出した部位と、記録面とは反対面側に設置された安定化手段における最も突出した部位とを、光ディスクの円周方向に対してずらせて配設したことを特徴とし、この構成によって、請求項3に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0024】
請求項9に記載の発明は、可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面に対して集光させて反射光により情報を読み取る光学的読取手段と、この光学的読取手段により光ディスクに対して読み取りが行われる部位における回転軸方向の振れをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備え、前記安定化手段を光ディスクのディスク両面側にそれぞれ設置し、両安定化手段により面ぶれが安定化される光ディスクにおける部位のディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域を設けた光学的情報再生装置であって、前記安定化手段を、光ディスクにおける記録面側と、この記録面とは反対面側とにそれぞれ設置し、前記記録面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離を、前記記録面とは反対面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離よりも長く設定したことを特徴とし、この構成によって、請求項1に記載の発明の作用効果を奏して、光ディスクにおける読み取りが行われる部位の状態が安定し、読み取り精度を高めることができる。
【0026】
請求項10に記載の発明は、請求項9記載の光学的情報再生装置において、記録面側に設置された安定化手段により光ディスクに対して反発力を発生させることを特徴とし、この構成によって、請求項2に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0027】
請求項11に記載の発明は、請求項9または10記載の光学的情報再生装置において、記録面側に設置される安定化手段を光学的読取手段における光ディスク側に固定したことを特徴とし、光学的読取手段により光ディスクに対して読み取りが行われる部位に近い位置において安定化手段が良好に作用することになり、さらに光学的読取手段が移動する場合には安定化手段も共に移動させることができる。
【0028】
請求項12に記載の発明は、請求項11記載の光学的情報再生装置において、光学的読取手段の上部に固定された安定化手段における光ディスクに対する対向設置距離を、光学的読取手段に設けられた集光用の対物レンズが制御動作によって光ディスクに最も近づく距離よりも短く設定したことを特徴とし、この構成によって、請求項7に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0030】
請求項13に記載の発明は、請求項9〜12いずれか1項記載の光学的情報再生装置において、光学的読取手段により光ディスクに対して集光がなされる部位に対して、記録面側に設置された安定化手段における最も突出した部位と、記録面とは反対面側に設置された安定化手段における最も突出した部位とを、光ディスクの円周方向に対してずらせて配設したことを特徴とし、この構成によって、請求項3に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0032】
図1は本発明の第1実施形態を説明するための光学的情報記録/再生装置の概略構成図であり、1は可撓性を有するシート状の光ディスク、2は光ディスク1のハブ1aを保持するスピンドルシャフト、3はスピンドルシャフト2を回転駆動するスピンドルモータ、4は、光ディスク1に対して情報の書き込みを行う記録手段、および書き込まれた情報の読み取りを行う再生手段としての光ピックアップ、5は、図示しない光源からの光を光ディスク1に対して集光し、かつ光ディスク1からの反射光が通過するように光ピックアップ4に設けられた対物レンズ、6は光ピックアップ4を光ディスク1の半径方向へ移動させるピックアップ用位置決め装置、7は、光ディスク1を介して光ピックアップ4に対向設置され、光ディスク1の面ぶれを防止するための第1の安定化ガイド材、8は第1の安定化ガイド部材7を光ピックアップ4と連動して光ディスク1の半径方向へ移動させる安定化ガイド用位置決め装置、9は、光ピックアップ4の上部に固定され、かつ対物レンズ5における光入射/出射面部分を開放する通孔9aが形成され、第1の安定化ガイド部材7と共に光ディスク1の面ぶれを防止するための第2の安定化ガイド材、10は前記各構成部材を収納する装置本体である。
【0033】
図2(a),(b)は前記光ピックアップを構成する記録手段と再生手段の説明図であり、記録手段としては、図2(a)に示すように、入力された記録信号に対してデジタル信号化処理,信号圧縮処理などを行う信号処理回路11と、信号処理回路11からの出力に基づいてレーザ駆動制御信号を生成するレーザ駆動制御回路12と、レーザ駆動制御回路12からの出力を受けて半導体レーザなどからなるレーザ光源14を駆動するレーザ駆動部13などからなっており、レーザ光源14から出射した高出射エネルギの出射光Laが、図1に示す光ピックアップ4の対物レンズ5により集光されて光ディスク1の記録面を光スポットとして照射し、ビット形成による情報記録が行われる。
【0034】
また、再生手段としては、図2(b)に示すように、フォトダイオードなどからなる光電変換素子17と再生信号処理回路18などからなり、光ディスク1の記録面に形成されている記録ビットに対して、レーザ光源14から低出射エネルギのレーザ光が出射され、その反射光Lbを対物レンズ5を通して光電変換素子17で受光し、光電変換素子17からの出力に再生信号処理回路18で信号伸張処理などを施して再生信号を生成する。
【0035】
光ディスク1は、図3の断面図に示すような構成であって、記録層20が光ピックアップ4の対物レンズ5に対向し、基板21が第1の安定化ガイド部材8に対向するように、スピンドルシャフト2に設けられたチャッキング部にセットされる。
【0036】
本実施形態における光ディスク1の具体例を説明する。基板として可撓性を持たせるために0.1mm程度の薄いシートを用いた。例えばポリエチレンテレフタレート製の厚さ80μmのシートに熱転写で、スタンパのピッチが0.6μm、幅0.3μmのグルーブを転写し、その後、スパッタリングでシート/Ag反射層を120nm/(ZrO2-Y2O3)-SiO2,7nm/AgInSbTeGe,10nm/ZnS-SiO2,80nm/Si3N4 40nmの順番に成膜した。このシートにUV樹脂をスピンコートし、紫外線照射で硬化させて厚さ5μmの透明保護膜を形成し、さらに、このディスクを大口径のレーザ光で記録層を溶融結晶化することにより、反射率を上げたものを使用した。
【0037】
図4の説明図を参照して本実施形態における可撓性を有するシート状の光ディスクの面ぶれ安定化について説明する。記録/再生時、前記構成の可撓性を有する光ディスク1を、光ピックアップ4および第2の安定化ガイド部材9と第1の安定化ガイド部材7との間で回転させる。回転している光ディスク1は、それ自体、小さいながら剛性を持ち、また回転すると遠心力の作用により、真っ直ぐな状態になろうとする力を持つ。
【0038】
図4に示すように光ピックアップ4の上部には、対物レンズ5よりも光ディスク1側に第2の安定化ガイド部材9が設けられている。光ディスク1が回転すると空気流が生じる。光ディスク1に対して第1の安定化ガイド部材7を近づけると、ベルヌーイの法則に基づき第1の安定化ガイド部材7におけるディスク侵入側では圧力上昇が生じて光ディスク1が反発して浮上し、その後、第1の安定化ガイド部材7の凸形状にしたがって隙間が狭まるので、流速が高まって圧力が減少して、光ディスク1は第1の安定化ガイド部材7に近づく。
【0039】
さらに本実施形態では、図4に示すように、光ピックアップ4に空気流の圧力を高める形状の第2の安定化ガイド部材9を設けたため、第2の安定化ガイド部材9が光ディスク1を第1の安定化ガイド部材7の方へ押すような状態になり、光ディスク1における面ぶれの抑圧がより良好に行われる。これにより、大きな面ぶれ(ディスク回転軸方向の振れ)を減少させることができる。
【0040】
本実施形態では、第1の安定化ガイド部材7を光ディスク1の基板21に対向設置させ、かつ第2の安定化ガイド部材9が光ピックアップ4の上部のみに設置させている。例えば図4の構成例では、第1の安定化ガイド部材7として、光ディスク1との対向面が円弧状をなす円柱状のものを用いており、第1の安定化ガイド部材7による前記空気圧の作用によって光ディスク1において面ぶれが安定する部位はA点である。この部位Aにおいて空気力で面ぶれ最小にするのであるから、部位Aの近傍に撓みに起因するひずみが発生する。そのためディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気圧の作用を生じさせない領域(第1の安定化ガイド部材7と第2の安定化ガイド部材9がない空間部)B,Cを設け、面ぶれを安定化させた部位Aの前後位置に光ディスク1に「逃げ」となる部分を存在させることによって、面ぶれを安定化させた部位Aにおける光ディスク1における反発力を小さくするようにしている。
【0041】
図4における部位A,B,Cにおける圧力の関係は、それぞれの部位の圧力をPa,Pb,Pcとすると、Pb>Pa>Pcの関係が成立することが必要となる。
【0042】
すなわち、Pb>Paの関係にすることにより、光ディスク1を第1の安定化ガイド部材7から離れさす力を発生させ、光ディスク1と第1の安定化ガイド部材7とが摺接して、異常振動あるいは塵埃などを発生することを防止する。また光ディスク1が第1の安定化ガイド部材7から適当な距離を保って面ぶれを安定化させるため、光ピックアップ4側から第1の安定化ガイド部材7へ光ディスク1を押す力が必要となるため、Pa>Pcの関係にすることが必要になる。
【0043】
前記部位Aにおける面ぶれを減らす力は、物理的に位置が固定している第1の安定化ガイド部材7に空気圧(負圧)より光ディスク1が吸い寄せられる力のことである。具体的には、第1の安定化ガイド部材7により光ディスク1を上方へ引っ張り、第2の安定化ガイド部材9が下方から上方へ光ディスク1を押すことによって、光ディスク1を第1の安定化ガイド部材7(位置の基準となる)に押し付ける力がさらに増えて、光ディスク1における面ぶれを減らすことができる。第2の安定化ガイド部材9により光ディスク1を下方から上方に押す力は、空気圧(正圧)であって第2の安定化ガイド部材9からみると反発力となる。
【0044】
前記のような各部の関係構成によって、光ディスク1に対する空気力による面ぶれ安定化力の効果が増大することになる。
【0045】
万一、第2の安定化ガイド部材9において負圧を発生させて光ディスク1に対する吸着力が生じると、光ディスク1の両側において負圧が発生することになり、第1の安定化ガイド部材7と第2の安定化ガイド部材9間における圧力の差分が小さくなり、光ディスク1を第1の安定化ガイド部材7に押し付ける力が減少して、光ディスク1に対する面ぶれ抑制の力が小さくなってしまう。
【0046】
本実施形態では、光ディスク1における記録層20とは反対側である基板21側に第1の安定化ガイド部材7が存在し、光ディスク1の記録層20に対して記録/再生用の光La,Lbを集光して記録/再生を行う。第1の安定化ガイド部材7は記録層20の反対側の基板21側を安定化させる。このことにより、万一、第1の安定化ガイド部材7と光ディスク1とに摺動状態が発生しても記録層20を損傷させることにならず、エラーの発生の直接原因にはならない。また、光ディスク1は、通常、記録層20側が凸状に反る。これは記録層20におけるスパッタ膜が圧縮応力であることに対応する。このため、基板21側から押すようにして第1の安定化ガイド部材7を当てる方が、より第1の安定化ガイド部材7と光ディスク1との圧着力が安定することになり、面ぶれに対する圧縮が良好になる。
【0047】
また光ディスク1における記録層20側の面ぶれを安定化させた部位Aの反対側に対して直接的に記録/再生用の光La,Lbが入出射するので、万一、光ディスク1が第1の安定化ガイド部材7と摺動して傷がついたとしても、その傷は記録層20には付かないため記録/再生上のエラーを発生することがなくなり、また、光ディスク1の基板21には傷が付いても記録/再生用の光La,Lbは基板21を通らないため、基板21の傷の影響、および基板21の光学特性の影響を受けることがなく、例えば基板21としては不透明のものでもよい。
【0048】
本実施形態における第2の安定化ガイド部材9の作用について説明する。ベルヌーイの法則により、既述した安定化の空気力は、光ディスク1と安定化ガイド部材7,9とが近いほど大きくなる。このため、第1の安定化ガイド部材7は光ディスク1に近接させる必要がある。しかし、第2の安定化ガイド部材9は光ディスク1を第1の安定化ガイド部材7側に押すことによって面ぶれを低減する、いわゆる「従」の作用でよいから、光ディスク1の記録層20への摺動傷の発生を防ぐために、第1の安定化ガイド部材7表面と光ディスク1間の距離よりも、第2の安定化ガイド部材9とディスク1記録層表面の距離の方が長くなることが必要である。したがって、本実施形態では、第2の安定化ガイド部材9は第1の安定化ガイド部材7に比べて光ディスク1表面との距離を長く設定してある。
【0049】
また、第2の安定化ガイド部材9では主に反発力を生じるようにしているため、第2の安定化ガイド部材9と光ディスク1の記録層20との衝突はほとんど生じることはない。さらに、第2の安定化ガイド部材9を対物レンズ5の設置位置よりも光ディスク1表面に対して突き出すように設置してあるため、対物レンズ5と光ディスク1が直接衝突することはなく、対物レンズ5は衝突から保護される。
【0050】
第2の安定化ガイド部材9と光ディスク1表面との距離は50μmから150μmとなるように設定する。近過ぎる両者が摺動を生じやすくなる。光ディスク1の面ぶれは10μm未満であるが、安定点の周辺に向かって徐々に面ぶれが大きくなっていくため、余裕を見て10μmより大きくして50μmと設定することが望ましい。また高NAの対物レンズ5の制御作動距離は0.1mm〜0.4mm程度であるため、第2の安定化ガイド部材9は前記制御作動距離よりも光ディスク1側に設置しなくてはならない。このことから、第2の安定化ガイド部材9と光ディスク1表面との距離は50μm〜150μmとなるように設定することが望ましい。
【0051】
図4の説明図を参照してさらに具体的に説明する。図4において、第1の安定化ガイド部材7以外の構成部材または装置本体ケース、あるいは光ディスク1をカートリッジに収納した状態において使用する場合は、そのカートリッジによってベルヌーイの法則による作用が働かないように、それらから光ディスク1を1mm程度以上離しているとする。ただし、例外的に対物レンズ5が高NAの場合には、作動距離が短くなるため、対物レンズ5が0.05mm〜0.3mm位まで近づくことになる。したがって、第2の安定化ガイド部材9は0.2mm未満の距離まで近づく。また第2の安定化ガイド部材9と光ディスク1の最近接点の距離は略50μm〜150μmである。
【0052】
さらに、図5に図4の構成における光ディスクの面ぶれの測定結果を示す。第1の安定化ガイド部材7は先端形状が半径50mm、直径が20mmであり、光ディスク1は、80μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)シートに0.65μmピッチのトラッキング用の溝を形成し、記録膜をスパッタリングで形成したものであって、半径45mm、その回転数は2000rpmとし、レーザ変位計を用いて安定した状態の面ぶれを測定したものである。
【0053】
第1の安定化ガイド部材7には異常振動がなく、かつ光ディスク1にも摺動傷は発生しなかったので、過度の空気浮上が行われず摺動状態が生じていなかったと判断することができる。また、ディスク面ぶれは2μm程度であって、通常の剛体のディスクが50μm以上の面ぶれを生じることからすると、極めて小さいことが分かる。
【0054】
本実施形態の両安定化ガイド部材7,9は、装置本体ケースに設置しても、カートリッジ内に内設しても、いずれの場合にも前記のような良好な面ぶれ安定化が得られた。
【0055】
そして、前記構成の本実施形態によるディスクシステムを波長405nm、かつNA0.9の光ピックアップを用いて記録再生を行った。例えば光ディスクにおける記録位置は半径45mmとし、最短記録ビット長を0.12μm、かつランダムなデジタルデータを1−7RLLで変調して記録した。
【0056】
そして、記録線速度は10m/s,記録ピークパワーは5mW,消去パワーは2.6mW,記録ボトムパワーは0.1mWの3値変調,再生は0.25mWで行ったとき、基本クロックと記録信号との間のジッターは8%未満であった。さらに記録信号のエンベロープの乱れもなく、安定したフォーカスおよびトラッキングが行われていた。記録再生ともフォーカスの残留エラーを測定したが、デフォーカス量は±0.12μm以下になっていた。0.8以上の高いNAでは、デフォーカスマージンがきわめて狭く、DVDなどに比べて数分の1しかなく、デフォーカス量を±0.2μm以下にすることが必須である。その意味において本実施形態では十分なフォーカス安定化が行われていたといえる。
【0057】
また、線速度を20m/sに上げて再生を行ってデフォーカスを評価したが、その量は前記と同様に±0.12μm以下であった。従来の高剛性ディスクでは、線速度を上げると、共振などの作用のために面ぶれが増え、かつ面ぶれの周期が回転数に応じて速くなり、フォーカスサーボの追随が困難となって、デフォーカス量が増えるのに比べると良い結果が得られた。これは、本実施形態において、空気力安定化を用いているために高線速になるほど安定化させる力が大きくなるからである。
【0058】
本実施形態において、空気力安定化を効果的に得るためには各部材における動作タイミングを考慮する必要がある。本実施形態における記録/再生時の動作を図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0059】
すなわち、図示しない中央演算処理回路にスタート信号が入力することによって、スピンドルモータ4が始動して光ディスク1を回転させ(S1)、所定の回転数に達したときに(S2のYES)、第1の安定化ガイド部材7を光ディスク1に対する所定の接近位置まで移動させる(S3)。ここでレーザ変位計などを用いて面ぶれの測定を行って所定の面ぶれ安定範囲に入ったときに(S4のYES)、光ピックアップ4を光ディスク1に対する所定の接近位置まで移動させ(S5)、この時点で記録/再生を開始する(S6)。
【0060】
そして、第1の安定化ガイド部材7を安定化ガイド用位置決め装置8により、また光ピックアップ4をピックアップ用位置決め装置6により連動して、光ピックアップ4および第2の安定化ガイド部材9と、第1の安定化ガイド部材7とが互いに対向するように光ディスク1の半径方向に移動させ(S7)、全信号の記録/再生が終了するまで継続する(S8)。
【0061】
第1の安定化ガイド部材7の形状としては、前記形状のものが基本的なものであるが、図7に示す第1の安定化ガイド部材25のように形成することによって、より面ぶれを安定化させることができた。図7に示す第1の安定化ガイド部材25において、光ディスク1が進入する側を凸形状をなす正圧発生部25aとし、この正圧発生部25aにより突入する空気によって圧縮されて大気圧に比して圧力が高まるため、第1の安定化ガイド部材25と光ディスク1の間に反発力が生じる。また、第1の安定化ガイド部材25の光ディスク1が排出する側を凹形状をなす負圧発生部25bとし、この負圧発生部25bにより流れる空気が急激に膨張して大気圧に比して負圧となるため、第1の安定化ガイド部材25と光ディスク1の間に吸着力が働くようになる。
【0062】
このように第1の安定化ガイド部材25と光ディスク1との間におけるベルヌーイの法則による空気圧の差により生じる吸着力と反発力のバランスのみで光ディスク1の面ぶれを安定化させることができることになる。
【0063】
さらに、第1の安定化ガイド部材25における正圧発生部25aと負圧発生部25bとの境目(ガイド面曲率境界線)に平坦部25cを設けることにより、面ぶれ安定領域の広がりを大きく取れるようにしている。このように第1の安定化ガイド部材25において、反発力と吸着力との両方を発生させて、これらの作用力によって光ディスク1と第1の安定化ガイド部材25との距離を安定化させることができる。
【0064】
また、第2の安定化ガイド部材9の構成は、第1の安定化ガイド部材7,25と形状は同様なものでよく、第1の安定化ガイド部材7,25とは、対物レンズ5における光源からの光の入射/出射を妨げない光路を確保した構成にする必要がある点で差異がある。例えば第2の安定化ガイド部材9に光の入射/出射用の通孔を形成したり、あるいは通孔に光学的部品を設置したものであってもよく、さらには、第2の安定化ガイド部材9全体を対物レンズ5の光の入射/出射に影響を与えない光学的材料にて形成することなどが考えられる。
【0065】
また、第1,第2の安定化ガイド部材7,9,25の材質としては、表面において空気が円滑に流れる高滑性と、高温に耐え得る耐温度特性とに優れたものが望ましく、例えばステンレス材を例示することができる。
【0066】
なお、第1の安定化ガイド部材7,25は、図8に示すように、光ディスク1に対向させて周方向に複数箇所に設置することによって、光ディスク1あるいは装置の設計,仕様に適応した光ディスク1の安定状態を適宜設定することが考えられる。
【0067】
本実施形態では、空気力によって面ぶれあるいはチルトを補正することから、必然的に光ディスク1は柔らかく可撓性を有していなければならない。その結果として、安定化ガイド部材で安定化していない領域では、光ディスク1には、CDなどの通常のディスク材料のものに比べて大きな面ぶれが生じ、0.5mm程度までの面ぶれは容易に発生する。この面ぶれを、ピックアップ4周辺の光安定化ガイド部材で一気に5μm以下に収束することは場合によっては困難である。
【0068】
そこで本実施形態では、図8に示すように、第1の安定化ガイド部材7を、光ディスク1の周方向で、かつ光ピックアップ4の周辺から離した位置に複数個設置することにより、光ディスク1全体を粗安定化し、主安定面(光ピックアップ4付近)で更なる安定化を図るようにすることにより、装置システム設計のマージンを向上することができた。
【0069】
粗安定化のために設置される第1の安定化ガイド部材7は、安定化作用においてはそれほどの精密さがある必要はない。0.5mmほどに達する大きな面ぶれを取ればよいので、形状も主として反発力を発生させればよく、単純な球面状の凸形状の作用で十分である。むしろ摺動を発生させない設置構成にすることが必要である。これは、摺動で不要な振動を引き起こさないほうが好ましいからである.このため、粗安定化のための補助ガイドとしての第1の安定化ガイド部材7は、光ピックアップ4近傍の主ガイドとしての第1の安定化ガイド部材7よりも形状の大きい方が、浮上量が大きくなって好ましい。すなわち、ガイド形状の大きい方が浮上量は大きくなる傾向にあるからである。
【0070】
例えば主ガイドとしての第1の安定化ガイド部材7が直径10mmの円柱であるとすると、補助ガイドとしての第1の安定化ガイド部材7がこれより大きい直径20mmとすると浮上量は補助ガイドのほうが大きくなる。このようにしたことによって、摺動の発生の頻度を小さくすることができた。
【0071】
また、第1の安定化ガイド部材7の形状が、円柱であり、かつ先端が半球形状をしている場合、光ディスク1に平行な断面の面積と浮上量とは比例関係がある。そのため前記補助ガイドが大きければ浮上量は大きいところで安定する。
【0072】
図1に示す第1実施形態では、第1の安定化ガイド部材7および安定化ガイド用位置決め装置8を装置本体10内における上部に設置している。したがって、使用者は、光ディスク1をカートリッジなしの裸の状態で取り扱うことができる。
【0073】
この場合、光ディスク1は薄いシート1枚であるため、例えば袋に入れて取り扱い、使用するときに取り出して、スピンドルシャフト2にセットして使うようにすることにより、安価な光学的情報記録媒体とすることができる。
【0074】
図9は本発明の第2実施形態を説明するための光学的情報記録/再生装置の概略構成図であり、第2実施形態が第1実施形態と異なる構成は、1枚の光ディスク1を開口窓26,26を設けたディスクカートリッジ27に内蔵し、このディスクカートリッジ27を装置内の所定の位置にセットし、図示しない操作手段によってシャッタ28,28を移動させ、開放された開口窓26,26に第1の安定化ガイド部材7と光ピックアップ4および第2の安定化ガイド部材9を挿入するように移動して、記録/再生が可能な状態にするようにした点である。
【0075】
ディスクカートリッジ27としては、一般的な構成のものを採用することができるため、コストアップを伴うことはない。
【0076】
図10は本発明の第3実施形態を説明するための光学的情報記録/再生装置の概略構成図であり、第3実施形態では、第1の安定化ガイド部材30をディスクカートリッジ31の内部に設置したものである。この場合、第1の安定化ガイド部材30は、図11に示すように、光ディスク1における径方向に延在させる横長形状であって、第1,第2実施形態のような安定化ガイド用位置決め機構8を不要にしている。この第1の安定化ガイド部材30の作用によって光ディスク1の面ぶれ安定化が第1実施形態にて説明したと同様に生じるようになっており、第1の安定化ガイド部材30によって、最も光ディスク1の面ぶれを安定化することができる領域が、光ピックアップ4の集光点に位置するように第1の安定化ガイド部材30が設置されている。
【0077】
第3実施形態では、図示しない操作手段によってシャッタ28を移動させ、開放された開口窓26に第2の安定化ガイド部材9と光ピックアップ6の一部を挿入するように移動して、記録/再生が可能な状態にする。
【0078】
第3実施形態では、第1の安定化ガイド部材30がディスクカートリッジ31に内蔵されるために、装置の全体構成としては剛体基板の光ディスクを用いる従来の装置の構成と略同一にすることができるため、このような剛体基板を用いる光ディスクのシステムとの互換性を取ることが容易になる。
【0079】
図12は本発明に係るディスクカートリッジの実施形態を説明するための平面図、図13は図12におけるA−A線一部断面図であり、第1実施形態の光学的記録/再生装置と同様な装置に使用することが可能なディスクカートリッジである。
【0080】
図12,図13に示すように、ディスクカートリッジ33内には可撓性を有するシート状の光ディスク1が複数枚収納することができ、チェンジャーとして使用することができる構成になっており、収納されている光ディスク1の枚数分、容量を増やすことができる。多数の光ディスク1をディスクカートリッジ33に収納しても、光ディスク1の肉厚が薄いため、ディスクカートリッジ33の全体体積が大きくならない。
【0081】
本実施形態のディスクカートリッジ33は、各光ディスク1の一端部を、光ディスク1を支えるディスクトレイ34に挟んで、重ねた状態で収納する構成になっており、光ディスク1と共にディスクトレイ34を記録/再生装置と、このディスクカートリッジ33間において出し入れすることによってチェンジャー動作を行う。
【0082】
ディスクトレイ34には1枚ごとに異なる位置にディスクトレイ識別部35が突設されており、この異なる位置を検知して出し入れするチェンジャー機構(図示せず)を記録/再生装置側に設置することによって、光ディスクを1枚ごとに区別して出し入れすることを可能にしている。
【0083】
本実施形態では、光ディスク1が薄いためディスク間隔が狭い。このため、記録/再生装置のチェンジャー機構が上下の異なる光ディスク1を区別することができるように、各ディスクトレイ34において、図12に示すように、横方向に異なる位置にディスクトレイ識別部35を設置してある。記録/再生装置側は、この横方向に異なる位置にあるディスクトレイ識別部35を、例えば図示しないアーム部材をディスクトレイ識別部35に形成した孔35aに引っ掛けるようにし、そのアーム部材を移動させることによって、光ディスク1をディスクカートリッジ33に対して出し入れすることができる。ディスクトレイ識別部35を上下に設置する構成に比べて、本実施形態のような構成では、横方向における距離が比較的広いために、識別が容易に行えることになる。
【0084】
このように、図12,図13に示すディスクカートリッジ33は、単にディスクトレイ34を重ねた構造であるため、きわめて簡便な構造となり、しかも小型で大容量なカートリッジとすることができる。
【0085】
なお、前記実施形態の説明では相変化記録層を用いた書換型の光ディスクについて説明したが、本発明は、可撓性を有する光ディスクのガイド安定化における、さらなる高精度化のためのガイド形状と、その記録/再生システムへの応用が可能であるため、エンボスピットを用いる再生型光ディスク、あるいは光磁気型の記録ディスクなどの光を集光して記録再生する他の光ディスクにおいても同様な効果を見込むことができる。
【0086】
また、第1の安定化ガイド部材あるいは第2の安定化ガイド部材については、各種形状,構造のものを採用することができ、例えば図14〜図19に示すものを例示することができる。図14(a),(b)に示す安定化ガイド部材40,41は図7にて説明した構成のものであって、凸形状の第1ガイド面40a,41aと、凹形状の第2ガイド面40b,41bと、平坦面40c,41cとから表面形成されており、図14(a)の安定化ガイド部材40は光ピックアップの移動動線に沿って光ディスクの径方向に配設されるものであり、図14(b)の安定化ガイド部材41は光ピックアップの移動動線に沿って光ディスクの径方向に移動可能に設置されるものである。
【0087】
なお、図14(a),(b)に示す安定化ガイド部材40,41において、平坦面40c,41cをなくして、第1ガイド面40a,41aと第2ガイド面40b,41bのみを形成したものであってもよい。
【0088】
図15,図16に示す安定化ガイド部材42,43は、ディスク回転方向の上流側から順に、凸形状の第1ガイド面42a,43aと、平坦面42c,43cと、凸形状の第2ガイド面42b,43bとから表面形成されており、図16(a)の安定化ガイド部材42は光ピックアップの移動動線に沿って光ディスクの径方向に配設されるものであり、図16(b)の安定化ガイド部材43は光ピックアップの移動動線に沿って光ディスクの径方向に移動可能に設置されるものである。
【0089】
なお、図16(a),(b)に示す安定化ガイド部材42,43において、平坦面42c,43cをなくして、第1ガイド面42a,43aと第2ガイド面42b,43bのみを形成したものであってもよく、また、第2ガイド面42b,43bをなくして、第1ガイド面42a,43aと平坦面42c,43cのみを形成したものであってもよい。
【0090】
図17,図18に示す安定化ガイド部材44は、ディスク回転方向の上流側から順に、凸形状で、かつディスク回転方向と直交する方向の面が曲面をなす第1ガイド面44aと、ディスク回転方向と直交する方向の側部が曲面をなす平坦面44cと、凸形状で、かつディスク回転方向と直交する方向の面が曲面をなす第2ガイド面44bを表面形成している。この安定化ガイド部材44は光ピックアップの移動動線に沿って光ディスクの径方向に移動可能に設置されるものである。
【0091】
なお、図17,図18に示す安定化ガイド部材44において、平坦面44cをなくして、第1ガイド面44aと第2ガイド面44bのみを形成したものであってもよく、また、第2ガイド面44bをなくして、第1ガイド面44aと平坦面44cのみを形成したものであってもよい。
【0092】
図19に示す安定化ガイド部材45は、基本的に円柱状のものであって、図4に示す安定化ガイド部材8と同様に、光ディスク1に対向する端面に曲面45aを表面形成したものである。
【0093】
図20は本実施形態における光ディスクとガイド安定化部材との関係における変形例の説明図であり、本例では、第1の安定化ガイド部材7の中心部線(最も突出して空気圧が変化する部位)が、第2の安定化ガイド部材9の中心部線(最も突出して空気圧が変化する部位)L9よりも空気流の上流側に設置してある。したがって、両安定化ガイド部材7,9が同様に半球状形状であっても、安定化しなければならない光ディスク1上の対物レンズ5による集光点において、第1の安定化ガイド部材7からは吸引力を受け、第2の安定化ガイド部材9からは反発力を受けることになり、光ディスク1は、第1の安定化ガイド部材7に対して2重の力で押されることになり、面ぶれをよりよく抑圧することができる。安定化ガイド部材が半球形状である場合、空気流の上流側では主に反発力が、また下流側では吸引力がそれぞれ支配的に作用するため、図20に示すように各中心線L7,L9の位置関係を空気流の方向にずらすことにより、力のバランスを容易に調整することができる。
【0094】
図21は本実施形態における光ディスクとガイド安定化部材との関係における他の変形例の説明図であり、本例が図20に示す例と異なる点は、第2の安定化ガイド部材9の形状であって、図20にて説明した部材に対応する部材には同一符号を付して詳しい説明は省略するが、本例においても、第1の安定化ガイド部材7と第2の安定化ガイド部材9とにおける各中心部線L7,L9の位置関係を空気流の方向にずらすことにより、力のバランスを容易に調整することができる。
【0095】
以下、図22〜図24を参照して本実施形態の効果について具体的に検証する。
【0096】
図22において既に説明した部材に対応する部材には同一符号を付して詳しい説明は省略するが、第1の安定化ガイド部材7は、先端が半径50mm、直径が20mmの円柱状をしたものであり、第2の安定化ガイド部材9は先端がくさび形状、断面20mm角の角柱状をしたものであり、各部材の寸法関係は図示した通りであり、また第1の安定化ガイド部材7と第2の安定化ガイド部材9とにおける各中心部線L7,L9は3mm離れている。
【0097】
図23(a),(b)は図22に示す構成例における第1の安定化ガイド部材と第2の安定化ガイド部材とにおける空気圧の発生を測定した結果の説明図であり、それぞれ縦軸は発生空気圧であって原点が大気圧、横軸が第1の安定化ガイド部材の左端からの位置を示す。
【0098】
図23(a)に示すように、第1の安定化ガイド部材7において、第1の安定化ガイド部材7の左側において、一旦、大気圧より高く正圧となり、その後、第1の安定化ガイド部材7の略中央部で急激に負圧に変化する。これに対して、図23(b)に示すように、第2の安定化ガイド部材9は、全体として正圧を発生し、光ディスク1を第1の安定化ガイド部材7に押すように作用する。
【0099】
また第1の安定化ガイド部材7は、第2の安定化ガイド部材9に比べて光ディスク1との距離が数10μm離れているので、発生する力は小さい。この力は大きくても差し支えないが、光ディスク1と各安定化ガイド部材7,9との距離によって圧力が決まるため、本実施形態においては圧力が第1の安定化ガイド部材7の方が大きくなるように設定する。
【0100】
第1の安定化ガイド部材7における負圧で光ディスク1を上方へ引っ張り上げるとき、第2の安定化ガイド部材9における正圧で光ディスク1を上方へ押すようにすれば、結果として光ディスク1は第1の安定化ガイド部材7側へ強く押し付けられることになる。このようにして押し付けられて、第1の安定化ガイド部材7と光ディスク1との間隔が狭くなると、第1の安定化ガイド部材7と光ディスク1間の空気軸受としての力が増え、第1の安定化ガイド部材7の左側における正圧も増加する。したがって、第1の安定化ガイド部材7と光ディスク1との摺接も生じなくなる。
【0101】
これらのことから、第1の安定化ガイド部材7による作用圧力が負圧になったところで第2の安定化ガイド部材9の作用圧力が最大の位置に、記録/再生点が位置することが理想(記録/再生点=面ぶれ最小点)である。
【0102】
本実施形態のように第2の安定化ガイド部材9を光ピックアップ4に設けているので、対物レンズ5の保護カバーとしての第2の安定化ガイド部材9における形状上の制約のため、すなわち対物レンズ5の大きさよりも外側に第2の安定化ガイド部材9が広がっていなくてはならないことから、第1の安定化ガイド部材7と第2の安定化ガイド部材9とにおける各中心部線L7,L9間の距離が決定する。本実施形態における面ぶれの最小点は、第1の安定化ガイド部材7の中心部線L7よりも図において右側になるため、第1の安定化ガイド部材7の中心部線L7は第2の安定化ガイド部材9の中心部線L9よりも右側(本実施形態では3mm)にあることが望ましい。
【0103】
(表1)は図22に示す構成における面ぶれ状態を、図5にて説明した測定法と同様にして測定した結果をまとめた表であり、本実施形態のように光ディスク両側に安定化ガイド部材を設置した構成のものと、光ディスク片側に安定化ガイド部材を設置した構成のものと、光ディスク全面にガイド部材を設置したものとを比較した。
【0104】
【表1】
【0105】
(表1)にて分かるように、本実施形態の構成では面ぶれが略2μmであって、90%以上の時間、面ぶれ量は0.5μm以下であった。
【0106】
また、従来例のようにディスク全面に対してガイド部材を延在させたものでは、ガイド部材による摺傷が数分間の回転により発生したが、本実施形態の構成のように安定化ガイド部材を設置した場合には目視ではほとんど認められなかった。
【0107】
図22の構成例を採用した光ピックアップ4において、フォーカスサーボを入れたときに観察されるトラッキングエラー信号を測定した。その結果は図24(a),(b)に示す通りである。光源から出射される光ビームの波長は405nmであり、対物レンズ5のNAは0.85である。光ディスク1は前記と同様に半径45mm、かつ駆動回転数は2000rpmである。
【0108】
図24(a)がフォーカスサーボ・オフ、図24(b)がフォーカスサーボ・オンである。光ディスクではフォーカスサーボをオンして、光を集光する点がディスク記録面上に1μm程度以下の誤差にならないと、トラッキングエラー信号は発生しない。図24(a),(b)をみると、フォーカスサーボがオフの状態でも良好にかつ均一にトラッキングエラー信号が得られており、本実施形態ではきわめてフォーカス誤差が小さいことが証明される。このようにフォーカスサーボをしていない状態で誤差が小さいということは、光ディスクの面ぶれがきわめて小さいことに対応しており、本実施形における有効性の実証データであるといえる。
【0109】
このように、前記各実施形態によれば、可撓性のある光ディスク1を両安定化ガイド部材(例えば第1の安定化ガイド部材7と第2の安定化ガイド部材9)の対向位置で回転させたとき、光ディスク1における基板側の第1の安定化ガイド部材7が、光ディスク1に対して回転方向の上流側で正圧を発生させることにより、その部位において光ディスク1と第1の安定化ガイド部材7には反発力が働き、ある距離を持って光ディスク1が第1の安定化ガイド部材7に対して浮上する。さらに回転方向の下流側において第1の安定化ガイド部材7の形状を変えて負圧を発生させることで、その部位において光ディスク1は第1の安定化ガイド部材7側への吸引力を受ける。ただし、光ディスク1は、ある程度の剛性を持つため、直ちに第1の安定化ガイド部材7に対して当接して擦れを生じるようなことはない。
【0110】
また光ピックアップ4側(光ディスク1における記録膜側)にも、主としてピックアップ4側から光ディスク1側への作用力を発生する第2の安定化ガイド部材9を設けたことにより、光ピックアップ4側から光ディスク1への反発力、そして光ディスク1における基板側の第1の安定化ガイド部材7への吸着力と同じ向きの二重の力が働くため、面ぶれ安定化がよりよく行われる。
【0111】
このように光ディスク1は、基板側に配設された1個の第1の安定化ガイド部材7から反発する空気力を受けた後に、前記空気力とは反対向きの吸引される力を受け、さらに同時に光ピックアップ側に配設された第2の安定化ガイド部材9からの反発力を受けることにより、光ディスク1と第2の安定化ガイド部材9とは、ある一定距離を保ち、かつこの距離が安定しながら光ディスクが回転することになる。したがって、この安定領域に対して記録/再生用の光を集光することによって、光ディスク1における面ぶれ,チルトが小さい領域に対して記録/再生を行うことができるようになる。
【0112】
第1の安定化ガイド部材7は吸着力をも発生するのに対して第2の安定化ガイド部材9は主として反発力を発生するため、光ディスク1は基板側の第1の安定化ガイド部材7に近い位置で回転することになる。したがって、光ディスク1は、記録膜が存在する光ピックアップ4側近くでは回転しないため、記録膜への摺動傷は発生しない。
【0113】
前記安定化のために空気力を用いていること、そして光ディスクを構成する基板を低剛性にしたことから、光ディスク自体を高精度に作成する必要はなく、また、大きな面ぶれをなくすことができることから、記録/再生用の光ピックアップの構成は大きな面ぶれに追従しなくてよくなり、したがって、デフォーカスが減少し、高密度の記録/再生を安定して行うことが可能になる。
【0114】
さらに、このことから、光ピックアップを構成する対物レンズのアクチュエータとしては、低周波数帯域の大きな振幅に対応しない代わりに、アクチュエータ支持用の弾性部材(ばね)として高剛性のものを採用することにより、高域共振が高い周波数側に存在する特性の光ピックアップを構成することができる。このため、サーボ系の動作を高速化することができ、より高線速でもデフォーカス分を抑圧することができることになる。
【0115】
また光ディスクにおいて面ぶれを安定化させた部位よりも、ディスク回転方向上流側および下流側の任意位置に、ベルヌーイの定理による空気力を作用させない領域を存在させることによって、面ぶれがより効果的に抑圧されることになる。この理由は、可撓性を有する光ディスクを、安定化ガイド部材により変形させて強制的に光の集光点に、光ディスクの安定化領域を生成させることになるため、その安定化領域の前後位置に光ディスクに「逃げ」となる部分を設けた方が、安定化領域での光ディスクの反発力を小さくすることができ、空気力の安定化力の効果が増大するからである。
【0116】
従来の可撓性を有するディスクの全面に対して平板ガイド部材を対向設置させる構成は、ディスク全面に対応させて安定化面を存在させるものであり、ディスクより大きな平板を設置するものであった。したがって、この構成を光ディスクを用いる記録/再生装置に適用すると、面ぶれを安定化させたい部位である光ピックアップの集光点以外の周辺においても光ディスクの面ぶれが安定化することになる。このため、光ディスクにうねりがある場合には、前記集光点付近を安定化させたくても、そのディスク回転方向の前後(上流下流)の位置からの曲げの力が強く作用し、面ぶれの安定化作用が不十分となる可能性がある。
【0117】
また、光ディスクとして可撓性のある基板に記録層を成膜する構成のものでは、その基板は成膜面に対して逆側に反りやすい。したがって、本実施形態のように、光ディスクの基板側において安定化ガイド部材にて空気力によるガイドを行うことによって、基板自身の元に戻る力と、安定化ガイド部材の反発力とによって安定化作用が良好に行えることになる。このことから、本実施形態では、光ディスクの基板側に安定化ガイド部材を配し、記録層側に光ピックアップを配して記録/再生を行う構成にしている。このような構成にしたことによって、万一、光ディスクと光ピックアップとが摺動状態になって、光ディスクに傷が付いたとしても、その傷は記録層側に生じないため、記録/再生エラーの原因にならない。また、このような構成にしたため、記録/再生の光は光ディスクの基板を通らないことになるため、記録/再生特性は傷の影響、および基板の光学特性の影響を受けない。
【0118】
なお、前記実施形態では光学的記録/再生装置を例にして説明したが、情報記録単機能の装置、あるいは情報再生単機能の装置など、記録および/または再生のため可撓性を有する光ディスクを使用する装置に適用して適用して同一効果を得ることができる。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、可撓性を有するシート状の光ディスクにおける回転軸方向の面ぶれをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差よって安定化させる安定化手段を、光ディスクにおける記録面側と、この記録面とは反対面側とにそれぞれ設置し、記録面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離を、記録面とは反対面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離よりも長く設定したことにより、光ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる記録面における回転軸方向の振れを効果的に安定させることができ、しかも、光ディスクの記録面と安定化手段との当接を防止することができ、書き込みあるいは読み取りのエラーを防ぐことができるため、安定化させた部位において高密度の書き込みあるいは読み取りが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明するための光学的情報記録/再生装置の概略構成図
【図2】本発明の実施形態における光ピックアップを構成する記録手段と再生手段の説明図
【図3】本発明の実施形態における光ディスクの一例を示す断面図
【図4】本発明の実施形態における光ディスクの面ぶれ安定化を説明するための説明図
【図5】図4に示す構成例に対して測定した光ディスクの面ぶれの測定結果を示す図
【図6】本発明の実施形態における記録/再生時の動作に係るフローチャート
【図7】第1実施形態における安定化ガイド部材の変形例を示す説明図
【図8】第1実施形態における安定化ガイド部材の配設例の説明図
【図9】本発明の第2実施形態を説明するための光学的情報記録/再生装置の概略構成図
【図10】本発明の第3実施形態を説明するための光学的情報記録/再生装置の概略構成図
【図11】第3実施形態における安定化ガイド部材の配設例の説明図
【図12】本発明のディスクカートリッジの実施形態を説明するための平面図
【図13】図12におけるA−A線一部断面図
【図14】本発明の実施形態における安定化ガイド部材の構成例を示す説明図
【図15】本発明の実施形態における安定化ガイド部材の構成例を示す説明図
【図16】本発明の実施形態における安定化ガイド部材の構成例を示す説明図
【図17】本発明の実施形態における安定化ガイド部材の構成例を示す説明図
【図18】本発明の実施形態における安定化ガイド部材の構成例を示す説明図
【図19】本発明の実施形態における安定化ガイド部材の構成例を示す説明図
【図20】本実施形態における光ディスクとガイド安定化部材との関係における変形例の説明図
【図21】本実施形態における光ディスクとガイド安定化部材との関係における他の変形例の説明図
【図22】本実施形態の作用効果を観測するための構成例の説明図
【図23】(a),(b)は図22に示す構成例における第1の安定化ガイド部材と第2の安定化ガイド部材との空気圧発生を測定した結果の説明図
【図24】(a),(b)は図22に示す構成例におけるフォーカスサーボ・オフとフォーカスサーボ・オン時において観測したトラッキングエラー信号の波形図
【符号の説明】
1 光ディスク
1a ハブ
2 スピンドルシャフト
3 スピンドルモータ
4 光ピックアップ
5 対物レンズ
6 ピックアップ用位置決め機構
7,9,25,30,40〜45 安定化ガイド部材
8 安定化ガイド用位置決め機構
10 装置本体
14 レーザ光源
17 光電変換素子
20 光ディスクの記録層
21 光ディスクの基板
25a 安定化ガイド部材の正圧発生部
25b 安定化ガイド部材の負圧発生部
25c 安定化ガイド部材の平坦部
27,33 ディスクカートリッジ
34 ディスクトレイ
35 ディスクトレイ識別部
Claims (13)
- 可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる部位における回転軸方向の振れをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備え、前記安定化手段を光ディスクのディスク両面側にそれぞれ設置し、両安定化手段により面ぶれが安定化される光ディスクにおける部位のディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域を設けた光ディスク駆動装置であって、
前記安定化手段を、光ディスクにおける記録面側と、この記録面とは反対面側とにそれぞれ設置し、前記記録面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離を、前記記録面とは反対面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離よりも長く設定したことを特徴とする光ディスク駆動装置。 - 記録面側に設置された前記安定化手段により光ディスクへの反発力を発生させることを特徴とする請求項1記載の光ディスク駆動装置。
- 光ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる部位に対して、前記記録面側に設置された安定化手段における最も突出した部位と、前記記録面とは反対面側に設置された安定化手段における最も突出した部位とを、光ディスクの円周方向に対してずらせて配設したことを特徴とする請求項1または2記載の光ディスク駆動装置。
- 可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面に対して集光させて情報を書き込む光学的書込手段と、この光学的書込手段により光ディスクに対して書き込みが行われる部位における回転軸方向の振れをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備え、前記安定化手段を光ディスクのディスク両面側にそれぞれ設置し、両安定化手段により面ぶれが安定化される光ディスクにおける部位のディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域を設けた光学的情報記録装置であって、
前記安定化手段を、光ディスクにおける記録面側と、この記録面とは反対面側とにそれぞれ設置し、前記記録面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離を、前記記録面とは反対面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離よりも長く設定したことを特徴とする光学的情報記録装置。 - 記録面側に設置された前記安定化手段により光ディスクへの反発力を発生させることを特徴とする請求項4記載の光学的情報記録装置。
- 記録面側に設置される前記安定化手段を前記光学的書込手段における光ディスク側に固定したことを特徴とする請求項4または5記載の光学的情報記録装置。
- 前記光学的書込手段の上部に固定された安定化手段における光ディスクに対する対向設置距離を、前記光学的書込手段に設けられた集光用の対物レンズが制御動作によって光ディスクに最も近づく距離よりも短く設定したことを特徴とする請求項6記載の光学的情報記録装置。
- 前記光学的書込手段により光ディスクに対して集光がなされる部位に対して、前記記録面側に設置された安定化手段における最も突出した部位と、前記記録面とは反対面側に設置された安定化手段における最も突出した部位とを、光ディスクの円周方向に対してずらせて配設したことを特徴とする請求項4〜7いずれか1項記載の光学的情報記録装置。
- 可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面に対して集光させて反射光により情報を読み取る光学的読取手段と、この光学的読取手段により光ディスクに対して読み取りが行われる部位における回転軸方向の振れをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備え、前記安定化手段を光ディスクのディスク両面側にそれぞれ設置し、両安定化手段により面ぶれが安定化される光ディスクにおける部位のディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域を設けた光学的情報再生装置であって、
前記安定化手段を、光ディスクにおける記録面側と、この記録面とは反対面側とにそれ ぞれ設置し、前記記録面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離を、前記記録面とは反対面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離よりも長く設定したことを特徴とする光学的情報再生装置。 - 記録面側に設置された前記安定化手段により光ディスクへの反発力を発生させることを特徴とする請求項9記載の光学的情報再生装置。
- 記録面側に設置される前記安定化手段を前記光学的読取手段における光ディスク側に固定したことを特徴とする請求項9または10記載の光学的情報再生装置。
- 前記光学的読取手段の上部に固定された安定化手段における光ディスクに対する対向設置距離を、前記光学的読取手段に設けられた集光用の対物レンズが制御動作によって光ディスクに最も近づく距離よりも短く設定したことを特徴とする請求項11記載の光学的情報再生装置。
- 前記光学的読取手段により光ディスクに対して集光がなされる部位に対して、前記記録面側に設置された安定化手段における最も突出した部位と、前記記録面とは反対面側に設置された安定化手段における最も突出した部位とを、光ディスクの円周方向に対してずらせて配設したことを特徴とする請求項9〜12いずれか1項記載の光学的情報再生装置。
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