JP2003022651A - 光ディスク駆動装置および光学的情報記録装置ならびに光学的情報再生装置 - Google Patents

光ディスク駆動装置および光学的情報記録装置ならびに光学的情報再生装置

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JP2003022651A JP2001205931A JP2001205931A JP2003022651A JP 2003022651 A JP2003022651 A JP 2003022651A JP 2001205931 A JP2001205931 A JP 2001205931A JP 2001205931 A JP2001205931 A JP 2001205931A JP 2003022651 A JP2003022651 A JP 2003022651A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可撓性を有するシート状の光ディスクの両側
において空気力により光ディスクの面ぶれを確実に抑制
し、高密度の記録を可能にする。 【解決手段】 回転する光ディスク1に対して第1の安
定化ガイド部材7を近づけると、ベルヌーイの法則に基
づき第1の安定化ガイド部材7におけるディスク侵入側
で圧力上昇が生じて光ディスク1が反発して浮上し、そ
の後、第1の安定化ガイド部材7の凸形状にしたがって
隙間が狭まり、流速が高まって圧力が減少して、光ディ
スク1は第1の安定化ガイド部材7に近づく。さらに、
光ピックアップ4上部に空気流の圧力を高める形状の第
2の安定化ガイド部材9を設けたため、第2の安定化ガ
イド部材9が光ディスク1を第1の安定化ガイド部材7
の方へ押すような状態になり、光ディスク1における面
ぶれの抑圧が良好に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性を有するシ
ート状の光学的情報記録媒体である光ディスクを回転駆
動するための光ディスク駆動装置および光学的情報記録
装置ならびに光学的情報再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビ放送のデジタル化が始まる
など、大容量のデジタルデータを記録することが光ディ
スクに求められている。光ディスクを高密度化するため
の手法のうち、基本的な方法は記録/再生のために用い
られる光のスポット径を小さくすることである。
【0003】このため、記録/再生のために用いられる
光の波長を短く、かつ対物レンズの開口数NAを大きく
することが有効である。光の波長についてはCD(comp
actdisk)では近赤外光の780nm、DVD(digital
versatile disk)では赤色光の650nm近傍の波長
が用いられている。最近、青紫光の半導体レーザが開発
され、今後は400nm近傍のレーザ光が使用されると
予想される。
【0004】また、対物レンズについては、CD用はN
A0.5未満であったが、DVD用はNA0.6程度で
ある。今後、さらに開口数(NA)を大きくしてNA
0.7以上とすることが求められる。しかし、対物レン
ズのNAを大きくすること、および光の波長を短くする
ことは、光を絞るときに収差の影響が大きくなることで
もある。したがって、光ディスクのチルトに対するマー
ジンが減ることになる。また、NAを大きくすることに
よって焦点深度が小さくなるため、フォーカスサーボ精
度を上げなくてはならない。
【0005】さらに、高NAの対物レンズを使用するこ
とによって、対物レンズと光ディスクの記録面との距離
が小さくなってしまうため、光ディスクの面ぶれを小さ
くしておかないと、始動時のフォーカスサーボを引き込
む直前、対物レンズと光ディスクとが衝突することがあ
り、ピックアップの故障の原因となる。
【0006】短波長,高NAの大容量光ディスクとし
て、例えばO PLUS E(vol.20 No.2)
の183ページに示されているように、CDと同程度に
厚く剛性の大きい基板に記録膜を成膜し、記録/再生用
の光を基板を通さずに、薄いカバー層内を通して記録膜
に対して記録/再生する構成のシステムが提案されてい
る。
【0007】また、例えば特開平7−105657号公
報,特開平10−308059号公報に記載されている
ように、平面をもつ安定化板上で可撓性を有する光ディ
スクを回転させて、光ディスクにおける面ぶれを安定化
させる方法が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の技術において、光ディスクの基板を剛体で形成する
と、回転する光ディスクにおける面ぶれ,チルトを小さ
くするためには、きわめて正確な成形をし、かつ熱変形
が生じないように低温で記録膜を成膜しなければならな
い。このことは、光ディスク製造に係るタクトタイムを
長くすることになり、コストを上げる原因となる。
【0009】また、可撓性のある光ディスクを安定板上
で回転させる方法では、特開平10−308059号公
報に記載されているように、単純な平板上で回転させる
と、光ディスクと安定化板が接して摺動し、このため光
ディスクが振動して高周波の面ぶれが発生する。この面
ぶれは、機械的なフォーカスサーボでは応答できない周
波数領域にかかってくることが多く、残留サーボエラー
を十分抑圧することができない。
【0010】さらに、面ぶれにより光ディスクと対物レ
ンズとが摺動すると、発塵を引き起こして、その塵埃な
どがエラーを発生させる原因となる。特に特開平7−1
05657号公報に記載されているように、安定化板側
に記録膜が存在する構成であると、摺動により光ディス
クの記録膜を損傷して、直接エラーを引き起こすことに
なる。
【0011】本発明の目的は、前記従来の課題を解決
し、可撓性を有するシート状の光ディスクを用いて記録
/再生を行う際に、光ディスクの両側において空気力に
より光ディスクの面ぶれを確実に抑制し、高密度の記録
を可能にした光ディスク駆動装置および光学的情報記録
装置ならびに光学的情報再生装置を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、可撓性を有するシート状
の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスク
における書き込みあるいは読み取りが行われる部位にお
ける回転軸方向の振れをベルヌーイの法則に基づく空気
流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備えた
光ディスク駆動装置であって、前記安定化手段を光ディ
スクのディスク両面側にそれぞれ設置し、両安定化手段
により面ぶれが安定化される光ディスクにおける部位の
ディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気流の圧力
差を生じさせない領域を設けたことを特徴とし、この構
成によって、シート状の光ディスクにおける面ぶれを安
定化させた部位の前後位置に「逃げ」となる部分を設け
たことにより、安定化させた部位における光ディスクの
反発力を小さくすることができ、空気力による安定化力
の効果が増大し、さらに、光ディスクを挟んで両側に安
定化部材を設置したことにより、発生空気力をより安定
化に寄与するような方向に作用させることができる。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
光ディスク駆動装置において、安定化手段を、光ディス
クにおける記録面側と、この記録面とは反対面側とにそ
れぞれ設置したことを特徴とし、この構成によって、光
ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる
記録面における回転軸方向の振れを効果的に安定させる
ことができる。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2記載の光ディスク駆動装置において、記録面側に設置
された安定化手段により光ディスクに対する反発力を発
生させることを特徴とし、この構成によって、光ディス
クに作用する吸引力に対する反発力を発生させて、発生
力のバランスを調整することができるため、面ぶれをよ
り安定させることができる。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1,2ま
たは3記載の光ディスク駆動装置において、記録面側に
設置された安定化手段と光ディスクとの距離を、記録面
とは反対面側に設置された安定化手段と光ディスクとの
距離よりも長く設定したことを特徴とし、この構成によ
って、光ディスクの記録面と安定化手段との当接を防止
することができ、書き込みあるいは読み取りのエラーを
防ぐことができる。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4い
ずれか1項記載の光ディスク駆動装置において、光ディ
スクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる部位
に対して、記録面側に設置された安定化手段における最
も突出した部位と、記録面とは反対面側に設置された安
定化手段における最も突出した部位とを、光ディスクの
円周方向に対してずらせて配設したことを特徴とし、こ
の構成によって、両安定化手段の位置関係をずらすこと
により、安定化手段によって発生する吸引力,反発力の
バランスを調整することができる。
【0017】請求項6に記載の発明は、可撓性を有する
シート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光
ディスクの記録面に対して集光させて情報を書き込む光
学的書込手段と、この光学的書込手段により光ディスク
に対して書き込みが行われる部位における回転軸方向の
振れをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によっ
て安定化させる安定化手段とを備えた光学的情報記録装
置であって、安定化手段を光ディスクのディスク両面側
にそれぞれ設置し、両安定化手段により面ぶれが安定化
される光ディスクにおける部位のディスク回転方向上流
側と下流側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域
を設けたことを特徴とし、この構成によって、請求項1
に記載の発明の作用効果を奏して、光ディスクにおける
書き込みが行われる部位の状態が安定し、書き込み記録
密度を高めることができる。
【0018】請求項7に記載の発明は、請求項6記載の
光学的情報記録装置において、安定化手段を、光ディス
クにおける記録面側と、この記録面とは反対面側とにそ
れぞれ設置したことを特徴とし、この構成によって、請
求項2に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0019】請求項8に記載の発明は、請求項6または
7項記載の光学的情報記録装置において、記録面側に設
置された安定化手段により光ディスクに対して反発力を
発生させることを特徴とし、この構成によって、請求項
3に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0020】請求項9に記載の発明は、請求項6〜8い
ずれか1項記載の光学的情報記録装置において、記録面
側に設置される安定化手段を光学的書込手段における光
ディスク側に固定したことを特徴とし、この構成によっ
て、光学的書込手段により光ディスクに対して書き込み
が行われる部位に近い位置において安定化手段が良好に
作用することになり、さらに光学的書込手段が移動する
場合には安定化手段も共に移動させることができる。
【0021】請求項10に記載の発明は、請求項9記載
の光学的情報記録装置において、光学的書込手段の上部
に固定された安定化手段における光ディスクに対する対
向設置距離を、光学的書込手段に設けられた集光用の対
物レンズが制御動作によって光ディスクに最も近づく距
離よりも短く設定したことを特徴とし、この構成によっ
て、対物レンズの存在に影響されずに、安定化手段によ
り良好な空気流を発生させることができる。
【0022】請求項11に記載の発明は、請求項6〜1
0いずれか1項記載の光学的情報記録装置において、記
録面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離
を、記録面とは反対面側に設置された安定化手段と光デ
ィスクとの距離よりも長く設定したことを特徴とし、こ
の構成によって、光ディスクの記録面と安定化手段との
当接を防止することができ、書き込みエラーを防ぐこと
ができる。
【0023】請求項12に記載の発明は、請求項6〜1
1いずれか1項記載の光学的情報記録装置において、光
学的書込手段により光ディスクに対して集光がなされる
部位に対して、記録面側に設置された安定化手段におけ
る最も突出した部位と、記録面とは反対面側に設置され
た安定化手段における最も突出した部位とを、光ディス
クの円周方向に対してずらせて配設したことを特徴と
し、この構成によって、請求項5に記載の発明と同様な
作用効果を奏する。
【0024】請求項13に記載の発明は、可撓性を有す
るシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、
光ディスクの記録面に対して集光させて反射光により情
報を読み取る光学的読取手段と、この光学的読取手段に
より光ディスクに対して読み取りが行われる部位におけ
る回転軸方向の振れをベルヌーイの法則に基づく空気流
の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備えた光
学的情報再生装置であって、前記安定化手段を光ディス
クのディスク両面側にそれぞれ設置し、両安定化手段に
より面ぶれが安定化される光ディスクにおける部位のデ
ィスク回転方向上流側と下流側とに前記空気流の圧力差
を生じさせない領域を設けたことを特徴とし、この構成
によって、請求項1に記載の発明の作用効果を奏して、
光ディスクにおける読み取りが行われる部位の状態が安
定し、読み取り精度を高めることができる。
【0025】請求項14に記載の発明は、請求項13記
載の光学的情報再生装置において、安定化手段を、光デ
ィスクにおける記録面側と、この記録面とは反対面側と
にそれぞれ設置したことを特徴とし、この構成によっ
て、請求項2に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0026】請求項15に記載の発明は、請求項13ま
たは14項記載の光学的情報再生装置において、記録面
側に設置された安定化手段により光ディスクに対して反
発力を発生させることを特徴とし、この構成によって、
請求項3に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0027】請求項16に記載の発明は、請求項13〜
15いずれか1項記載の光学的情報再生装置において、
記録面側に設置される安定化手段を光学的読取手段にお
ける光ディスク側に固定したことを特徴とし、光学的読
取手段により光ディスクに対して読み取りが行われる部
位に近い位置において安定化手段が良好に作用すること
になり、さらに光学的読取手段が移動する場合には安定
化手段も共に移動させることができる。
【0028】請求項17に記載の発明は、請求項16記
載の光学的情報再生装置において、光学的読取手段の上
部に固定された安定化手段における光ディスクに対する
対向設置距離を、光学的読取手段に設けられた集光用の
対物レンズが制御動作によって光ディスクに最も近づく
距離よりも短く設定したことを特徴とし、この構成によ
って、請求項10に記載の発明と同様な作用効果を奏す
る。
【0029】請求項18に記載の発明は、請求項13〜
17いずれか1項記載の光学的情報再生装置において、
記録面側に設置された安定化手段と光ディスクとの距離
を、記録面とは反対面側に設置された安定化手段と光デ
ィスクとの距離よりも長く設定したことを特徴とし、こ
の構成によって、請求項11に記載の発明と同様な作用
効果を奏する。
【0030】請求項19に記載の発明は、請求項13〜
18いずれか1項記載の光学的情報再生装置において、
光学的読取手段により光ディスクに対して集光がなされ
る部位に対して、記録面側に設置された安定化手段にお
ける最も突出した部位と、記録面とは反対面側に設置さ
れた安定化手段における最も突出した部位とを、光ディ
スクの円周方向に対してずらせて配設したことを特徴と
し、この構成によって、請求項5に記載の発明と同様な
作用効果を奏する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0032】図1は本発明の第1実施形態を説明するた
めの光学的情報記録/再生装置の概略構成図であり、1
は可撓性を有するシート状の光ディスク、2は光ディス
ク1のハブ1aを保持するスピンドルシャフト、3はス
ピンドルシャフト2を回転駆動するスピンドルモータ、
4は、光ディスク1に対して情報の書き込みを行う記録
手段、および書き込まれた情報の読み取りを行う再生手
段としての光ピックアップ、5は、図示しない光源から
の光を光ディスク1に対して集光し、かつ光ディスク1
からの反射光が通過するように光ピックアップ4に設け
られた対物レンズ、6は光ピックアップ4を光ディスク
1の半径方向へ移動させるピックアップ用位置決め装
置、7は、光ディスク1を介して光ピックアップ4に対
向設置され、光ディスク1の面ぶれを防止するための第
1の安定化ガイド材、8は第1の安定化ガイド部材7を
光ピックアップ4と連動して光ディスク1の半径方向へ
移動させる安定化ガイド用位置決め装置、9は、光ピッ
クアップ4の上部に固定され、かつ対物レンズ5におけ
る光入射/出射面部分を開放する通孔9aが形成され、
第1の安定化ガイド部材7と共に光ディスク1の面ぶれ
を防止するための第2の安定化ガイド材、10は前記各
構成部材を収納する装置本体である。
【0033】図2(a),(b)は前記光ピックアップ
を構成する記録手段と再生手段の説明図であり、記録手
段としては、図2(a)に示すように、入力された記録
信号に対してデジタル信号化処理,信号圧縮処理などを
行う信号処理回路11と、信号処理回路11からの出力
に基づいてレーザ駆動制御信号を生成するレーザ駆動制
御回路12と、レーザ駆動制御回路12からの出力を受
けて半導体レーザなどからなるレーザ光源14を駆動す
るレーザ駆動部13などからなっており、レーザ光源1
4から出射した高出射エネルギの出射光Laが、図1に
示す光ピックアップ4の対物レンズ5により集光されて
光ディスク1の記録面を光スポットとして照射し、ビッ
ト形成による情報記録が行われる。
【0034】また、再生手段としては、図2(b)に示
すように、フォトダイオードなどからなる光電変換素子
17と再生信号処理回路18などからなり、光ディスク
1の記録面に形成されている記録ビットに対して、レー
ザ光源14から低出射エネルギのレーザ光が出射され、
その反射光Lbを対物レンズ5を通して光電変換素子1
7で受光し、光電変換素子17からの出力に再生信号処
理回路18で信号伸張処理などを施して再生信号を生成
する。
【0035】光ディスク1は、図3の断面図に示すよう
な構成であって、記録層20が光ピックアップ4の対物
レンズ5に対向し、基板21が第1の安定化ガイド部材
8に対向するように、スピンドルシャフト2に設けられ
たチャッキング部にセットされる。
【0036】本実施形態における光ディスク1の具体例
を説明する。基板として可撓性を持たせるために0.1
mm程度の薄いシートを用いた。例えばポリエチレンテ
レフタレート製の厚さ80μmのシートに熱転写で、ス
タンパのピッチが0.6μm、幅0.3μmのグルーブ
を転写し、その後、スパッタリングでシート/Ag反射
層を120nm/(ZrO2-Y23)-SiO2,7nm
/AgInSbTeGe,10nm/ZnS-SiO2
80nm/Si34 40nmの順番に成膜した。この
シートにUV樹脂をスピンコートし、紫外線照射で硬化
させて厚さ5μmの透明保護膜を形成し、さらに、この
ディスクを大口径のレーザ光で記録層を溶融結晶化する
ことにより、反射率を上げたものを使用した。
【0037】図4の説明図を参照して本実施形態におけ
る可撓性を有するシート状の光ディスクの面ぶれ安定化
について説明する。記録/再生時、前記構成の可撓性を
有する光ディスク1を、光ピックアップ4および第2の
安定化ガイド部材9と第1の安定化ガイド部材7との間
で回転させる。回転している光ディスク1は、それ自
体、小さいながら剛性を持ち、また回転すると遠心力の
作用により、真っ直ぐな状態になろうとする力を持つ。
【0038】図4に示すように光ピックアップ4の上部
には、対物レンズ5よりも光ディスク1側に第2の安定
化ガイド部材9が設けられている。光ディスク1が回転
すると空気流が生じる。光ディスク1に対して第1の安
定化ガイド部材7を近づけると、ベルヌーイの法則に基
づき第1の安定化ガイド部材7におけるディスク侵入側
では圧力上昇が生じて光ディスク1が反発して浮上し、
その後、第1の安定化ガイド部材7の凸形状にしたがっ
て隙間が狭まるので、流速が高まって圧力が減少して、
光ディスク1は第1の安定化ガイド部材7に近づく。
【0039】さらに本実施形態では、図4に示すよう
に、光ピックアップ4に空気流の圧力を高める形状の第
2の安定化ガイド部材9を設けたため、第2の安定化ガ
イド部材9が光ディスク1を第1の安定化ガイド部材7
の方へ押すような状態になり、光ディスク1における面
ぶれの抑圧がより良好に行われる。これにより、大きな
面ぶれ(ディスク回転軸方向の振れ)を減少させること
ができる。
【0040】本実施形態では、第1の安定化ガイド部材
7を光ディスク1の基板21に対向設置させ、かつ第2
の安定化ガイド部材9が光ピックアップ4の上部のみに
設置させている。例えば図4の構成例では、第1の安定
化ガイド部材7として、光ディスク1との対向面が円弧
状をなす円柱状のものを用いており、第1の安定化ガイ
ド部材7による前記空気圧の作用によって光ディスク1
において面ぶれが安定する部位はA点である。この部位
Aにおいて空気力で面ぶれ最小にするのであるから、部
位Aの近傍に撓みに起因するひずみが発生する。そのた
めディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気圧の作
用を生じさせない領域(第1の安定化ガイド部材7と第
2の安定化ガイド部材9がない空間部)B,Cを設け、
面ぶれを安定化させた部位Aの前後位置に光ディスク1
に「逃げ」となる部分を存在させることによって、面ぶ
れを安定化させた部位Aにおける光ディスク1における
反発力を小さくするようにしている。
【0041】図4における部位A,B,Cにおける圧力
の関係は、それぞれの部位の圧力をPa,Pb,Pcと
すると、Pb>Pa>Pcの関係が成立することが必要
となる。
【0042】すなわち、Pb>Paの関係にすることに
より、光ディスク1を第1の安定化ガイド部材7から離
れさす力を発生させ、光ディスク1と第1の安定化ガイ
ド部材7とが摺接して、異常振動あるいは塵埃などを発
生することを防止する。また光ディスク1が第1の安定
化ガイド部材7から適当な距離を保って面ぶれを安定化
させるため、光ピックアップ4側から第1の安定化ガイ
ド部材7へ光ディスク1を押す力が必要となるため、P
a>Pcの関係にすることが必要になる。
【0043】前記部位Aにおける面ぶれを減らす力は、
物理的に位置が固定している第1の安定化ガイド部材7
に空気圧(負圧)より光ディスク1が吸い寄せられる力
のことである。具体的には、第1の安定化ガイド部材7
により光ディスク1を上方へ引っ張り、第2の安定化ガ
イド部材9が下方から上方へ光ディスク1を押すことに
よって、光ディスク1を第1の安定化ガイド部材7(位
置の基準となる)に押し付ける力がさらに増えて、光デ
ィスク1における面ぶれを減らすことができる。第2の
安定化ガイド部材9により光ディスク1を下方から上方
に押す力は、空気圧(正圧)であって第2の安定化ガイ
ド部材9からみると反発力となる。
【0044】前記のような各部の関係構成によって、光
ディスク1に対する空気力による面ぶれ安定化力の効果
が増大することになる。
【0045】万一、第2の安定化ガイド部材9において
負圧を発生させて光ディスク1に対する吸着力が生じる
と、光ディスク1の両側において負圧が発生することに
なり、第1の安定化ガイド部材7と第2の安定化ガイド
部材9間における圧力の差分が小さくなり、光ディスク
1を第1の安定化ガイド部材7に押し付ける力が減少し
て、光ディスク1に対する面ぶれ抑制の力が小さくなっ
てしまう。
【0046】本実施形態では、光ディスク1における記
録層20とは反対側である基板21側に第1の安定化ガ
イド部材7が存在し、光ディスク1の記録層20に対し
て記録/再生用の光La,Lbを集光して記録/再生を
行う。第1の安定化ガイド部材7は記録層20の反対側
の基板21側を安定化させる。このことにより、万一、
第1の安定化ガイド部材7と光ディスク1とに摺動状態
が発生しても記録層20を損傷させることにならず、エ
ラーの発生の直接原因にはならない。また、光ディスク
1は、通常、記録層20側が凸状に反る。これは記録層
20におけるスパッタ膜が圧縮応力であることに対応す
る。このため、基板21側から押すようにして第1の安
定化ガイド部材7を当てる方が、より第1の安定化ガイ
ド部材7と光ディスク1との圧着力が安定することにな
り、面ぶれに対する圧縮が良好になる。
【0047】また光ディスク1における記録層20側の
面ぶれを安定化させた部位Aの反対側に対して直接的に
記録/再生用の光La,Lbが入出射するので、万一、
光ディスク1が第1の安定化ガイド部材7と摺動して傷
がついたとしても、その傷は記録層20には付かないた
め記録/再生上のエラーを発生することがなくなり、ま
た、光ディスク1の基板21には傷が付いても記録/再
生用の光La,Lbは基板21を通らないため、基板2
1の傷の影響、および基板21の光学特性の影響を受け
ることがなく、例えば基板21としては不透明のもので
もよい。
【0048】本実施形態における第2の安定化ガイド部
材9の作用について説明する。ベルヌーイの法則によ
り、既述した安定化の空気力は、光ディスク1と安定化
ガイド部材7,9とが近いほど大きくなる。このため、
第1の安定化ガイド部材7は光ディスク1に近接させる
必要がある。しかし、第2の安定化ガイド部材9は光デ
ィスク1を第1の安定化ガイド部材7側に押すことによ
って面ぶれを低減する、いわゆる「従」の作用でよいか
ら、光ディスク1の記録層20への摺動傷の発生を防ぐ
ために、第1の安定化ガイド部材7表面と光ディスク1
間の距離よりも、第2の安定化ガイド部材9とディスク
1記録層表面の距離の方が長くなることが必要である。
したがって、本実施形態では、第2の安定化ガイド部材
9は第1の安定化ガイド部材7に比べて光ディスク1表
面との距離を長く設定してある。
【0049】また、第2の安定化ガイド部材9では主に
反発力を生じるようにしているため、第2の安定化ガイ
ド部材9と光ディスク1の記録層20との衝突はほとん
ど生じることはない。さらに、第2の安定化ガイド部材
9を対物レンズ5の設置位置よりも光ディスク1表面に
対して突き出すように設置してあるため、対物レンズ5
と光ディスク1が直接衝突することはなく、対物レンズ
5は衝突から保護される。
【0050】第2の安定化ガイド部材9と光ディスク1
表面との距離は50μmから150μmとなるように設
定する。近過ぎる両者が摺動を生じやすくなる。光ディ
スク1の面ぶれは10μm未満であるが、安定点の周辺
に向かって徐々に面ぶれが大きくなっていくため、余裕
を見て10μmより大きくして50μmと設定すること
が望ましい。また高NAの対物レンズ5の制御作動距離
は0.1mm〜0.4mm程度であるため、第2の安定
化ガイド部材9は前記制御作動距離よりも光ディスク1
側に設置しなくてはならない。このことから、第2の安
定化ガイド部材9と光ディスク1表面との距離は50μ
m〜150μmとなるように設定することが望ましい。
【0051】図4の説明図を参照してさらに具体的に説
明する。図4において、第1の安定化ガイド部材7以外
の構成部材または装置本体ケース、あるいは光ディスク
1をカートリッジに収納した状態において使用する場合
は、そのカートリッジによってベルヌーイの法則による
作用が働かないように、それらから光ディスク1を1m
m程度以上離しているとする。ただし、例外的に対物レ
ンズ5が高NAの場合には、作動距離が短くなるため、
対物レンズ5が0.05mm〜0.3mm位まで近づく
ことになる。したがって、第2の安定化ガイド部材9は
0.2mm未満の距離まで近づく。また第2の安定化ガ
イド部材9と光ディスク1の最近接点の距離は略50μ
m〜150μmである。
【0052】さらに、図5に図4の構成における光ディ
スクの面ぶれの測定結果を示す。第1の安定化ガイド部
材7は先端形状が半径50mm、直径が20mmであ
り、光ディスク1は、80μmのPET(ポリエチレン
テレフタレート)シートに0.65μmピッチのトラッ
キング用の溝を形成し、記録膜をスパッタリングで形成
したものであって、半径45mm、その回転数は200
0rpmとし、レーザ変位計を用いて安定した状態の面
ぶれを測定したものである。
【0053】第1の安定化ガイド部材7には異常振動が
なく、かつ光ディスク1にも摺動傷は発生しなかったの
で、過度の空気浮上が行われず摺動状態が生じていなか
ったと判断することができる。また、ディスク面ぶれは
2μm程度であって、通常の剛体のディスクが50μm
以上の面ぶれを生じることからすると、極めて小さいこ
とが分かる。
【0054】本実施形態の両安定化ガイド部材7,9
は、装置本体ケースに設置しても、カートリッジ内に内
設しても、いずれの場合にも前記のような良好な面ぶれ
安定化が得られた。
【0055】そして、前記構成の本実施形態によるディ
スクシステムを波長405nm、かつNA0.9の光ピ
ックアップを用いて記録再生を行った。例えば光ディス
クにおける記録位置は半径45mmとし、最短記録ビッ
ト長を0.12μm、かつランダムなデジタルデータを
1−7RLLで変調して記録した。
【0056】そして、記録線速度は10m/s,記録ピ
ークパワーは5mW,消去パワーは2.6mW,記録ボ
トムパワーは0.1mWの3値変調,再生は0.25m
Wで行ったとき、基本クロックと記録信号との間のジッ
ターは8%未満であった。さらに記録信号のエンベロー
プの乱れもなく、安定したフォーカスおよびトラッキン
グが行われていた。記録再生ともフォーカスの残留エラ
ーを測定したが、デフォーカス量は±0.12μm以下
になっていた。0.8以上の高いNAでは、デフォーカ
スマージンがきわめて狭く、DVDなどに比べて数分の
1しかなく、デフォーカス量を±0.2μm以下にする
ことが必須である。その意味において本実施形態では十
分なフォーカス安定化が行われていたといえる。
【0057】また、線速度を20m/sに上げて再生を
行ってデフォーカスを評価したが、その量は前記と同様
に±0.12μm以下であった。従来の高剛性ディスク
では、線速度を上げると、共振などの作用のために面ぶ
れが増え、かつ面ぶれの周期が回転数に応じて速くな
り、フォーカスサーボの追随が困難となって、デフォー
カス量が増えるのに比べると良い結果が得られた。これ
は、本実施形態において、空気力安定化を用いているた
めに高線速になるほど安定化させる力が大きくなるから
である。
【0058】本実施形態において、空気力安定化を効果
的に得るためには各部材における動作タイミングを考慮
する必要がある。本実施形態における記録/再生時の動
作を図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0059】すなわち、図示しない中央演算処理回路に
スタート信号が入力することによって、スピンドルモー
タ4が始動して光ディスク1を回転させ(S1)、所定
の回転数に達したときに(S2のYES)、第1の安定
化ガイド部材7を光ディスク1に対する所定の接近位置
まで移動させる(S3)。ここでレーザ変位計などを用
いて面ぶれの測定を行って所定の面ぶれ安定範囲に入っ
たときに(S4のYES)、光ピックアップ4を光ディ
スク1に対する所定の接近位置まで移動させ(S5)、
この時点で記録/再生を開始する(S6)。
【0060】そして、第1の安定化ガイド部材7を安定
化ガイド用位置決め装置8により、また光ピックアップ
4をピックアップ用位置決め装置6により連動して、光
ピックアップ4および第2の安定化ガイド部材9と、第
1の安定化ガイド部材7とが互いに対向するように光デ
ィスク1の半径方向に移動させ(S7)、全信号の記録
/再生が終了するまで継続する(S8)。
【0061】第1の安定化ガイド部材7の形状として
は、前記形状のものが基本的なものであるが、図7に示
す第1の安定化ガイド部材25のように形成することに
よって、より面ぶれを安定化させることができた。図7
に示す第1の安定化ガイド部材25において、光ディス
ク1が進入する側を凸形状をなす正圧発生部25aと
し、この正圧発生部25aにより突入する空気によって
圧縮されて大気圧に比して圧力が高まるため、第1の安
定化ガイド部材25と光ディスク1の間に反発力が生じ
る。また、第1の安定化ガイド部材25の光ディスク1
が排出する側を凹形状をなす負圧発生部25bとし、こ
の負圧発生部25bにより流れる空気が急激に膨張して
大気圧に比して負圧となるため、第1の安定化ガイド部
材25と光ディスク1の間に吸着力が働くようになる。
【0062】このように第1の安定化ガイド部材25と
光ディスク1との間におけるベルヌーイの法則による空
気圧の差により生じる吸着力と反発力のバランスのみで
光ディスク1の面ぶれを安定化させることができること
になる。
【0063】さらに、第1の安定化ガイド部材25にお
ける正圧発生部25aと負圧発生部25bとの境目(ガ
イド面曲率境界線)に平坦部25cを設けることによ
り、面ぶれ安定領域の広がりを大きく取れるようにして
いる。このように第1の安定化ガイド部材25におい
て、反発力と吸着力との両方を発生させて、これらの作
用力によって光ディスク1と第1の安定化ガイド部材2
5との距離を安定化させることができる。
【0064】また、第2の安定化ガイド部材9の構成
は、第1の安定化ガイド部材7,25と形状は同様なも
のでよく、第1の安定化ガイド部材7,25とは、対物
レンズ5における光源からの光の入射/出射を妨げない
光路を確保した構成にする必要がある点で差異がある。
例えば第2の安定化ガイド部材9に光の入射/出射用の
通孔を形成したり、あるいは通孔に光学的部品を設置し
たものであってもよく、さらには、第2の安定化ガイド
部材9全体を対物レンズ5の光の入射/出射に影響を与
えない光学的材料にて形成することなどが考えられる。
【0065】また、第1,第2の安定化ガイド部材7,
9,25の材質としては、表面において空気が円滑に流
れる高滑性と、高温に耐え得る耐温度特性とに優れたも
のが望ましく、例えばステンレス材を例示することがで
きる。
【0066】なお、第1の安定化ガイド部材7,25
は、図8に示すように、光ディスク1に対向させて周方
向に複数箇所に設置することによって、光ディスク1あ
るいは装置の設計,仕様に適応した光ディスク1の安定
状態を適宜設定することが考えられる。
【0067】本実施形態では、空気力によって面ぶれあ
るいはチルトを補正することから、必然的に光ディスク
1は柔らかく可撓性を有していなければならない。その
結果として、安定化ガイド部材で安定化していない領域
では、光ディスク1には、CDなどの通常のディスク材
料のものに比べて大きな面ぶれが生じ、0.5mm程度
までの面ぶれは容易に発生する。この面ぶれを、ピック
アップ4周辺の光安定化ガイド部材で一気に5μm以下
に収束することは場合によっては困難である。
【0068】そこで本実施形態では、図8に示すよう
に、第1の安定化ガイド部材7を、光ディスク1の周方
向で、かつ光ピックアップ4の周辺から離した位置に複
数個設置することにより、光ディスク1全体を粗安定化
し、主安定面(光ピックアップ4付近)で更なる安定化
を図るようにすることにより、装置システム設計のマー
ジンを向上することができた。
【0069】粗安定化のために設置される第1の安定化
ガイド部材7は、安定化作用においてはそれほどの精密
さがある必要はない。0.5mmほどに達する大きな面
ぶれを取ればよいので、形状も主として反発力を発生さ
せればよく、単純な球面状の凸形状の作用で十分であ
る。むしろ摺動を発生させない設置構成にすることが必
要である。これは、摺動で不要な振動を引き起こさない
ほうが好ましいからである.このため、粗安定化のため
の補助ガイドとしての第1の安定化ガイド部材7は、光
ピックアップ4近傍の主ガイドとしての第1の安定化ガ
イド部材7よりも形状の大きい方が、浮上量が大きくな
って好ましい。すなわち、ガイド形状の大きい方が浮上
量は大きくなる傾向にあるからである。
【0070】例えば主ガイドとしての第1の安定化ガイ
ド部材7が直径10mmの円柱であるとすると、補助ガ
イドとしての第1の安定化ガイド部材7がこれより大き
い直径20mmとすると浮上量は補助ガイドのほうが大
きくなる。このようにしたことによって、摺動の発生の
頻度を小さくすることができた。
【0071】また、第1の安定化ガイド部材7の形状
が、円柱であり、かつ先端が半球形状をしている場合、
光ディスク1に平行な断面の面積と浮上量とは比例関係
がある。そのため前記補助ガイドが大きければ浮上量は
大きいところで安定する。
【0072】図1に示す第1実施形態では、第1の安定
化ガイド部材7および安定化ガイド用位置決め装置8を
装置本体10内における上部に設置している。したがっ
て、使用者は、光ディスク1をカートリッジなしの裸の
状態で取り扱うことができる。
【0073】この場合、光ディスク1は薄いシート1枚
であるため、例えば袋に入れて取り扱い、使用するとき
に取り出して、スピンドルシャフト2にセットして使う
ようにすることにより、安価な光学的情報記録媒体とす
ることができる。
【0074】図9は本発明の第2実施形態を説明するた
めの光学的情報記録/再生装置の概略構成図であり、第
2実施形態が第1実施形態と異なる構成は、1枚の光デ
ィスク1を開口窓26,26を設けたディスクカートリ
ッジ27に内蔵し、このディスクカートリッジ27を装
置内の所定の位置にセットし、図示しない操作手段によ
ってシャッタ28,28を移動させ、開放された開口窓
26,26に第1の安定化ガイド部材7と光ピックアッ
プ4および第2の安定化ガイド部材9を挿入するように
移動して、記録/再生が可能な状態にするようにした点
である。
【0075】ディスクカートリッジ27としては、一般
的な構成のものを採用することができるため、コストア
ップを伴うことはない。
【0076】図10は本発明の第3実施形態を説明する
ための光学的情報記録/再生装置の概略構成図であり、
第3実施形態では、第1の安定化ガイド部材30をディ
スクカートリッジ31の内部に設置したものである。こ
の場合、第1の安定化ガイド部材30は、図11に示す
ように、光ディスク1における径方向に延在させる横長
形状であって、第1,第2実施形態のような安定化ガイ
ド用位置決め機構8を不要にしている。この第1の安定
化ガイド部材30の作用によって光ディスク1の面ぶれ
安定化が第1実施形態にて説明したと同様に生じるよう
になっており、第1の安定化ガイド部材30によって、
最も光ディスク1の面ぶれを安定化することができる領
域が、光ピックアップ4の集光点に位置するように第1
の安定化ガイド部材30が設置されている。
【0077】第3実施形態では、図示しない操作手段に
よってシャッタ28を移動させ、開放された開口窓26
に第2の安定化ガイド部材9と光ピックアップ6の一部
を挿入するように移動して、記録/再生が可能な状態に
する。
【0078】第3実施形態では、第1の安定化ガイド部
材30がディスクカートリッジ31に内蔵されるため
に、装置の全体構成としては剛体基板の光ディスクを用
いる従来の装置の構成と略同一にすることができるた
め、このような剛体基板を用いる光ディスクのシステム
との互換性を取ることが容易になる。
【0079】図12は本発明に係るディスクカートリッ
ジの実施形態を説明するための平面図、図13は図12
におけるA−A線一部断面図であり、第1実施形態の光
学的記録/再生装置と同様な装置に使用することが可能
なディスクカートリッジである。
【0080】図12,図13に示すように、ディスクカ
ートリッジ33内には可撓性を有するシート状の光ディ
スク1が複数枚収納することができ、チェンジャーとし
て使用することができる構成になっており、収納されて
いる光ディスク1の枚数分、容量を増やすことができ
る。多数の光ディスク1をディスクカートリッジ33に
収納しても、光ディスク1の肉厚が薄いため、ディスク
カートリッジ33の全体体積が大きくならない。
【0081】本実施形態のディスクカートリッジ33
は、各光ディスク1の一端部を、光ディスク1を支える
ディスクトレイ34に挟んで、重ねた状態で収納する構
成になっており、光ディスク1と共にディスクトレイ3
4を記録/再生装置と、このディスクカートリッジ33
間において出し入れすることによってチェンジャー動作
を行う。
【0082】ディスクトレイ34には1枚ごとに異なる
位置にディスクトレイ識別部35が突設されており、こ
の異なる位置を検知して出し入れするチェンジャー機構
(図示せず)を記録/再生装置側に設置することによっ
て、光ディスクを1枚ごとに区別して出し入れすること
を可能にしている。
【0083】本実施形態では、光ディスク1が薄いため
ディスク間隔が狭い。このため、記録/再生装置のチェ
ンジャー機構が上下の異なる光ディスク1を区別するこ
とができるように、各ディスクトレイ34において、図
12に示すように、横方向に異なる位置にディスクトレ
イ識別部35を設置してある。記録/再生装置側は、こ
の横方向に異なる位置にあるディスクトレイ識別部35
を、例えば図示しないアーム部材をディスクトレイ識別
部35に形成した孔35aに引っ掛けるようにし、その
アーム部材を移動させることによって、光ディスク1を
ディスクカートリッジ33に対して出し入れすることが
できる。ディスクトレイ識別部35を上下に設置する構
成に比べて、本実施形態のような構成では、横方向にお
ける距離が比較的広いために、識別が容易に行えること
になる。
【0084】このように、図12,図13に示すディス
クカートリッジ33は、単にディスクトレイ34を重ね
た構造であるため、きわめて簡便な構造となり、しかも
小型で大容量なカートリッジとすることができる。
【0085】なお、前記実施形態の説明では相変化記録
層を用いた書換型の光ディスクについて説明したが、本
発明は、可撓性を有する光ディスクのガイド安定化にお
ける、さらなる高精度化のためのガイド形状と、その記
録/再生システムへの応用が可能であるため、エンボス
ピットを用いる再生型光ディスク、あるいは光磁気型の
記録ディスクなどの光を集光して記録再生する他の光デ
ィスクにおいても同様な効果を見込むことができる。
【0086】また、第1の安定化ガイド部材あるいは第
2の安定化ガイド部材については、各種形状,構造のも
のを採用することができ、例えば図14〜図19に示す
ものを例示することができる。図14(a),(b)に
示す安定化ガイド部材40,41は図7にて説明した構
成のものであって、凸形状の第1ガイド面40a,41
aと、凹形状の第2ガイド面40b,41bと、平坦面
40c,41cとから表面形成されており、図14
(a)の安定化ガイド部材40は光ピックアップの移動
動線に沿って光ディスクの径方向に配設されるものであ
り、図14(b)の安定化ガイド部材41は光ピックア
ップの移動動線に沿って光ディスクの径方向に移動可能
に設置されるものである。
【0087】なお、図14(a),(b)に示す安定化
ガイド部材40,41において、平坦面40c,41c
をなくして、第1ガイド面40a,41aと第2ガイド
面40b,41bのみを形成したものであってもよい。
【0088】図15,図16に示す安定化ガイド部材4
2,43は、ディスク回転方向の上流側から順に、凸形
状の第1ガイド面42a,43aと、平坦面42c,4
3cと、凸形状の第2ガイド面42b,43bとから表
面形成されており、図16(a)の安定化ガイド部材4
2は光ピックアップの移動動線に沿って光ディスクの径
方向に配設されるものであり、図16(b)の安定化ガ
イド部材43は光ピックアップの移動動線に沿って光デ
ィスクの径方向に移動可能に設置されるものである。
【0089】なお、図16(a),(b)に示す安定化
ガイド部材42,43において、平坦面42c,43c
をなくして、第1ガイド面42a,43aと第2ガイド
面42b,43bのみを形成したものであってもよく、
また、第2ガイド面42b,43bをなくして、第1ガ
イド面42a,43aと平坦面42c,43cのみを形
成したものであってもよい。
【0090】図17,図18に示す安定化ガイド部材4
4は、ディスク回転方向の上流側から順に、凸形状で、
かつディスク回転方向と直交する方向の面が曲面をなす
第1ガイド面44aと、ディスク回転方向と直交する方
向の側部が曲面をなす平坦面44cと、凸形状で、かつ
ディスク回転方向と直交する方向の面が曲面をなす第2
ガイド面44bを表面形成している。この安定化ガイド
部材44は光ピックアップの移動動線に沿って光ディス
クの径方向に移動可能に設置されるものである。
【0091】なお、図17,図18に示す安定化ガイド
部材44において、平坦面44cをなくして、第1ガイ
ド面44aと第2ガイド面44bのみを形成したもので
あってもよく、また、第2ガイド面44bをなくして、
第1ガイド面44aと平坦面44cのみを形成したもの
であってもよい。
【0092】図19に示す安定化ガイド部材45は、基
本的に円柱状のものであって、図4に示す安定化ガイド
部材8と同様に、光ディスク1に対向する端面に曲面4
5aを表面形成したものである。
【0093】図20は本実施形態における光ディスクと
ガイド安定化部材との関係における変形例の説明図であ
り、本例では、第1の安定化ガイド部材7の中心部線
(最も突出して空気圧が変化する部位)が、第2の安定
化ガイド部材9の中心部線(最も突出して空気圧が変化
する部位)L9よりも空気流の上流側に設置してある。
したがって、両安定化ガイド部材7,9が同様に半球状
形状であっても、安定化しなければならない光ディスク
1上の対物レンズ5による集光点において、第1の安定
化ガイド部材7からは吸引力を受け、第2の安定化ガイ
ド部材9からは反発力を受けることになり、光ディスク
1は、第1の安定化ガイド部材7に対して2重の力で押
されることになり、面ぶれをよりよく抑圧することがで
きる。安定化ガイド部材が半球形状である場合、空気流
の上流側では主に反発力が、また下流側では吸引力がそ
れぞれ支配的に作用するため、図20に示すように各中
心線L7,L9の位置関係を空気流の方向にずらすことに
より、力のバランスを容易に調整することができる。
【0094】図21は本実施形態における光ディスクと
ガイド安定化部材との関係における他の変形例の説明図
であり、本例が図20に示す例と異なる点は、第2の安
定化ガイド部材9の形状であって、図20にて説明した
部材に対応する部材には同一符号を付して詳しい説明は
省略するが、本例においても、第1の安定化ガイド部材
7と第2の安定化ガイド部材9とにおける各中心部線L
7,L9の位置関係を空気流の方向にずらすことにより、
力のバランスを容易に調整することができる。
【0095】以下、図22〜図24を参照して本実施形
態の効果について具体的に検証する。
【0096】図22において既に説明した部材に対応す
る部材には同一符号を付して詳しい説明は省略するが、
第1の安定化ガイド部材7は、先端が半径50mm、直
径が20mmの円柱状をしたものであり、第2の安定化
ガイド部材9は先端がくさび形状、断面20mm角の角
柱状をしたものであり、各部材の寸法関係は図示した通
りであり、また第1の安定化ガイド部材7と第2の安定
化ガイド部材9とにおける各中心部線L7,L9は3mm
離れている。
【0097】図23(a),(b)は図22に示す構成
例における第1の安定化ガイド部材と第2の安定化ガイ
ド部材とにおける空気圧の発生を測定した結果の説明図
であり、それぞれ縦軸は発生空気圧であって原点が大気
圧、横軸が第1の安定化ガイド部材の左端からの位置を
示す。
【0098】図23(a)に示すように、第1の安定化
ガイド部材7において、第1の安定化ガイド部材7の左
側において、一旦、大気圧より高く正圧となり、その
後、第1の安定化ガイド部材7の略中央部で急激に負圧
に変化する。これに対して、図23(b)に示すよう
に、第2の安定化ガイド部材9は、全体として正圧を発
生し、光ディスク1を第1の安定化ガイド部材7に押す
ように作用する。
【0099】また第1の安定化ガイド部材7は、第2の
安定化ガイド部材9に比べて光ディスク1との距離が数
10μm離れているので、発生する力は小さい。この力
は大きくても差し支えないが、光ディスク1と各安定化
ガイド部材7,9との距離によって圧力が決まるため、
本実施形態においては圧力が第1の安定化ガイド部材7
の方が大きくなるように設定する。
【0100】第1の安定化ガイド部材7における負圧で
光ディスク1を上方へ引っ張り上げるとき、第2の安定
化ガイド部材9における正圧で光ディスク1を上方へ押
すようにすれば、結果として光ディスク1は第1の安定
化ガイド部材7側へ強く押し付けられることになる。こ
のようにして押し付けられて、第1の安定化ガイド部材
7と光ディスク1との間隔が狭くなると、第1の安定化
ガイド部材7と光ディスク1間の空気軸受としての力が
増え、第1の安定化ガイド部材7の左側における正圧も
増加する。したがって、第1の安定化ガイド部材7と光
ディスク1との摺接も生じなくなる。
【0101】これらのことから、第1の安定化ガイド部
材7による作用圧力が負圧になったところで第2の安定
化ガイド部材9の作用圧力が最大の位置に、記録/再生
点が位置することが理想(記録/再生点=面ぶれ最小
点)である。
【0102】本実施形態のように第2の安定化ガイド部
材9を光ピックアップ4に設けているので、対物レンズ
5の保護カバーとしての第2の安定化ガイド部材9にお
ける形状上の制約のため、すなわち対物レンズ5の大き
さよりも外側に第2の安定化ガイド部材9が広がってい
なくてはならないことから、第1の安定化ガイド部材7
と第2の安定化ガイド部材9とにおける各中心部線
7,L9間の距離が決定する。本実施形態における面ぶ
れの最小点は、第1の安定化ガイド部材7の中心部線L
7よりも図において右側になるため、第1の安定化ガイ
ド部材7の中心部線L7は第2の安定化ガイド部材9の
中心部線L9よりも右側(本実施形態では3mm)にあ
ることが望ましい。
【0103】(表1)は図22に示す構成における面ぶ
れ状態を、図5にて説明した測定法と同様にして測定し
た結果をまとめた表であり、本実施形態のように光ディ
スク両側に安定化ガイド部材を設置した構成のものと、
光ディスク片側に安定化ガイド部材を設置した構成のも
のと、光ディスク全面にガイド部材を設置したものとを
比較した。
【0104】
【表1】
【0105】(表1)にて分かるように、本実施形態の
構成では面ぶれが略2μmであって、90%以上の時
間、面ぶれ量は0.5μm以下であった。
【0106】また、従来例のようにディスク全面に対し
てガイド部材を延在させたものでは、ガイド部材による
摺傷が数分間の回転により発生したが、本実施形態の構
成のように安定化ガイド部材を設置した場合には目視で
はほとんど認められなかった。
【0107】図22の構成例を採用した光ピックアップ
4において、フォーカスサーボを入れたときに観察され
るトラッキングエラー信号を測定した。その結果は図2
4(a),(b)に示す通りである。光源から出射され
る光ビームの波長は405nmであり、対物レンズ5の
NAは0.85である。光ディスク1は前記と同様に半
径45mm、かつ駆動回転数は2000rpmである。
【0108】図24(a)がフォーカスサーボ・オフ、
図24(b)がフォーカスサーボ・オンである。光ディ
スクではフォーカスサーボをオンして、光を集光する点
がディスク記録面上に1μm程度以下の誤差にならない
と、トラッキングエラー信号は発生しない。図24
(a),(b)をみると、フォーカスサーボがオフの状
態でも良好にかつ均一にトラッキングエラー信号が得ら
れており、本実施形態ではきわめてフォーカス誤差が小
さいことが証明される。このようにフォーカスサーボを
していない状態で誤差が小さいということは、光ディス
クの面ぶれがきわめて小さいことに対応しており、本実
施形における有効性の実証データであるといえる。
【0109】このように、前記各実施形態によれば、可
撓性のある光ディスク1を両安定化ガイド部材(例えば
第1の安定化ガイド部材7と第2の安定化ガイド部材
9)の対向位置で回転させたとき、光ディスク1におけ
る基板側の第1の安定化ガイド部材7が、光ディスク1
に対して回転方向の上流側で正圧を発生させることによ
り、その部位において光ディスク1と第1の安定化ガイ
ド部材7には反発力が働き、ある距離を持って光ディス
ク1が第1の安定化ガイド部材7に対して浮上する。さ
らに回転方向の下流側において第1の安定化ガイド部材
7の形状を変えて負圧を発生させることで、その部位に
おいて光ディスク1は第1の安定化ガイド部材7側への
吸引力を受ける。ただし、光ディスク1は、ある程度の
剛性を持つため、直ちに第1の安定化ガイド部材7に対
して当接して擦れを生じるようなことはない。
【0110】また光ピックアップ4側(光ディスク1に
おける記録膜側)にも、主としてピックアップ4側から
光ディスク1側への作用力を発生する第2の安定化ガイ
ド部材9を設けたことにより、光ピックアップ4側から
光ディスク1への反発力、そして光ディスク1における
基板側の第1の安定化ガイド部材7への吸着力と同じ向
きの二重の力が働くため、面ぶれ安定化がよりよく行わ
れる。
【0111】このように光ディスク1は、基板側に配設
された1個の第1の安定化ガイド部材7から反発する空
気力を受けた後に、前記空気力とは反対向きの吸引され
る力を受け、さらに同時に光ピックアップ側に配設され
た第2の安定化ガイド部材9からの反発力を受けること
により、光ディスク1と第2の安定化ガイド部材9と
は、ある一定距離を保ち、かつこの距離が安定しながら
光ディスクが回転することになる。したがって、この安
定領域に対して記録/再生用の光を集光することによっ
て、光ディスク1における面ぶれ,チルトが小さい領域
に対して記録/再生を行うことができるようになる。
【0112】第1の安定化ガイド部材7は吸着力をも発
生するのに対して第2の安定化ガイド部材9は主として
反発力を発生するため、光ディスク1は基板側の第1の
安定化ガイド部材7に近い位置で回転することになる。
したがって、光ディスク1は、記録膜が存在する光ピッ
クアップ4側近くでは回転しないため、記録膜への摺動
傷は発生しない。
【0113】前記安定化のために空気力を用いているこ
と、そして光ディスクを構成する基板を低剛性にしたこ
とから、光ディスク自体を高精度に作成する必要はな
く、また、大きな面ぶれをなくすことができることか
ら、記録/再生用の光ピックアップの構成は大きな面ぶ
れに追従しなくてよくなり、したがって、デフォーカス
が減少し、高密度の記録/再生を安定して行うことが可
能になる。
【0114】さらに、このことから、光ピックアップを
構成する対物レンズのアクチュエータとしては、低周波
数帯域の大きな振幅に対応しない代わりに、アクチュエ
ータ支持用の弾性部材(ばね)として高剛性のものを採
用することにより、高域共振が高い周波数側に存在する
特性の光ピックアップを構成することができる。このた
め、サーボ系の動作を高速化することができ、より高線
速でもデフォーカス分を抑圧することができることにな
る。
【0115】また光ディスクにおいて面ぶれを安定化さ
せた部位よりも、ディスク回転方向上流側および下流側
の任意位置に、ベルヌーイの定理による空気力を作用さ
せない領域を存在させることによって、面ぶれがより効
果的に抑圧されることになる。この理由は、可撓性を有
する光ディスクを、安定化ガイド部材により変形させて
強制的に光の集光点に、光ディスクの安定化領域を生成
させることになるため、その安定化領域の前後位置に光
ディスクに「逃げ」となる部分を設けた方が、安定化領
域での光ディスクの反発力を小さくすることができ、空
気力の安定化力の効果が増大するからである。
【0116】従来の可撓性を有するディスクの全面に対
して平板ガイド部材を対向設置させる構成は、ディスク
全面に対応させて安定化面を存在させるものであり、デ
ィスクより大きな平板を設置するものであった。したが
って、この構成を光ディスクを用いる記録/再生装置に
適用すると、面ぶれを安定化させたい部位である光ピッ
クアップの集光点以外の周辺においても光ディスクの面
ぶれが安定化することになる。このため、光ディスクに
うねりがある場合には、前記集光点付近を安定化させた
くても、そのディスク回転方向の前後(上流下流)の位
置からの曲げの力が強く作用し、面ぶれの安定化作用が
不十分となる可能性がある。
【0117】また、光ディスクとして可撓性のある基板
に記録層を成膜する構成のものでは、その基板は成膜面
に対して逆側に反りやすい。したがって、本実施形態の
ように、光ディスクの基板側において安定化ガイド部材
にて空気力によるガイドを行うことによって、基板自身
の元に戻る力と、安定化ガイド部材の反発力とによって
安定化作用が良好に行えることになる。このことから、
本実施形態では、光ディスクの基板側に安定化ガイド部
材を配し、記録層側に光ピックアップを配して記録/再
生を行う構成にしている。このような構成にしたことに
よって、万一、光ディスクと光ピックアップとが摺動状
態になって、光ディスクに傷が付いたとしても、その傷
は記録層側に生じないため、記録/再生エラーの原因に
ならない。また、このような構成にしたため、記録/再
生の光は光ディスクの基板を通らないことになるため、
記録/再生特性は傷の影響、および基板の光学特性の影
響を受けない。
【0118】なお、前記実施形態では光学的記録/再生
装置を例にして説明したが、情報記録単機能の装置、あ
るいは情報再生単機能の装置など、記録および/または
再生のため可撓性を有する光ディスクを使用する装置に
適用して適用して同一効果を得ることができる。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
可撓性を有するシート状の光ディスクにおける書込およ
び/または読取が行われる部位における回転軸方向の面
ぶれをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差よって
安定化させる安定化手段を、ディスク両面側にそれぞれ
設置し、両安定化手段により面ぶれが安定化される光デ
ィスクにおける部位のディスク回転方向上流側と下流側
とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域をバランス
よく設けて、空気力による安定化の効果が増大するた
め、安定化させた部位において高密度の書き込みが可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明するための光学的
情報記録/再生装置の概略構成図
【図2】本発明の実施形態における光ピックアップを構
成する記録手段と再生手段の説明図
【図3】本発明の実施形態における光ディスクの一例を
示す断面図
【図4】本発明の実施形態における光ディスクの面ぶれ
安定化を説明するための説明図
【図5】図4に示す構成例に対して測定した光ディスク
の面ぶれの測定結果を示す図
【図6】本発明の実施形態における記録/再生時の動作
に係るフローチャート
【図7】第1実施形態における安定化ガイド部材の変形
例を示す説明図
【図8】第1実施形態における安定化ガイド部材の配設
例の説明図
【図9】本発明の第2実施形態を説明するための光学的
情報記録/再生装置の概略構成図
【図10】本発明の第3実施形態を説明するための光学
的情報記録/再生装置の概略構成図
【図11】第3実施形態における安定化ガイド部材の配
設例の説明図
【図12】本発明のディスクカートリッジの実施形態を
説明するための平面図
【図13】図12におけるA−A線一部断面図
【図14】本発明の実施形態における安定化ガイド部材
の構成例を示す説明図
【図15】本発明の実施形態における安定化ガイド部材
の構成例を示す説明図
【図16】本発明の実施形態における安定化ガイド部材
の構成例を示す説明図
【図17】本発明の実施形態における安定化ガイド部材
の構成例を示す説明図
【図18】本発明の実施形態における安定化ガイド部材
の構成例を示す説明図
【図19】本発明の実施形態における安定化ガイド部材
の構成例を示す説明図
【図20】本実施形態における光ディスクとガイド安定
化部材との関係における変形例の説明図
【図21】本実施形態における光ディスクとガイド安定
化部材との関係における他の変形例の説明図
【図22】本実施形態の作用効果を観測するための構成
例の説明図
【図23】(a),(b)は図22に示す構成例におけ
る第1の安定化ガイド部材と第2の安定化ガイド部材と
の空気圧発生を測定した結果の説明図
【図24】(a),(b)は図22に示す構成例におけ
るフォーカスサーボ・オフとフォーカスサーボ・オン時
において観測したトラッキングエラー信号の波形図
【符号の説明】
1 光ディスク 1a ハブ 2 スピンドルシャフト 3 スピンドルモータ 4 光ピックアップ 5 対物レンズ 6 ピックアップ用位置決め機構 7,9,25,30,40〜45 安定化ガイド部材 8 安定化ガイド用位置決め機構 10 装置本体 14 レーザ光源 17 光電変換素子 20 光ディスクの記録層 21 光ディスクの基板 25a 安定化ガイド部材の正圧発生部 25b 安定化ガイド部材の負圧発生部 25c 安定化ガイド部材の平坦部 27,33 ディスクカートリッジ 34 ディスクトレイ 35 ディスクトレイ識別部
フロントページの続き (72)発明者 村田 省蔵 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有するシート状の光ディスクを
    回転させる回転駆動手段と、光ディスクにおける書き込
    みあるいは読み取りが行われる部位における回転軸方向
    の振れをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によ
    って安定化させる安定化手段とを備えた光ディスク駆動
    装置であって、 前記安定化手段を光ディスクのディスク両面側にそれぞ
    れ設置し、両安定化手段により面ぶれが安定化される光
    ディスクにおける部位のディスク回転方向上流側と下流
    側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域を設けた
    ことを特徴とする光ディスク駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記安定化手段を、光ディスクにおける
    記録面側と、この記録面とは反対面側とにそれぞれ設置
    したことを特徴とする請求項1記載の光ディスク駆動装
    置。
  3. 【請求項3】 記録面側に設置された前記安定化手段に
    より光ディスクへの反発力を発生させることを特徴とす
    る請求項1または2記載の光ディスク駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記記録面側に設置された安定化手段と
    光ディスクとの距離を、前記記録面とは反対面側に設置
    された安定化手段と光ディスクとの距離よりも長く設定
    したことを特徴とする請求項1,2または3記載の光デ
    ィスク駆動装置。
  5. 【請求項5】 光ディスクにおける書き込みあるいは読
    み取りが行われる部位に対して、前記記録面側に設置さ
    れた安定化手段における最も突出した部位と、前記記録
    面とは反対面側に設置された安定化手段における最も突
    出した部位とを、光ディスクの円周方向に対してずらせ
    て配設したことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項
    記載の光ディスク駆動装置。
  6. 【請求項6】 可撓性を有するシート状の光ディスクを
    回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面に対し
    て集光させて情報を書き込む光学的書込手段と、この光
    学的書込手段により光ディスクに対して書き込みが行わ
    れる部位における回転軸方向の振れをベルヌーイの法則
    に基づく空気流の圧力差によって安定化させる安定化手
    段とを備えた光学的情報記録装置であって、 前記安定化手段を光ディスクのディスク両面側にそれぞ
    れ設置し、両安定化手段により面ぶれが安定化される光
    ディスクにおける部位のディスク回転方向上流側と下流
    側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域を設けた
    ことを特徴とする光学的情報記録装置。
  7. 【請求項7】 前記安定化手段を、光ディスクにおける
    記録面側と、この記録面とは反対面側とにそれぞれ設置
    したことを特徴とする請求項6記載の光学的情報記録装
    置。
  8. 【請求項8】 記録面側に設置された前記安定化手段に
    より光ディスクへの反発力を発生させることを特徴とす
    る請求項6または7項記載の光学的情報記録装置。
  9. 【請求項9】 記録面側に設置される前記安定化手段を
    前記光学的書込手段における光ディスク側に固定したこ
    とを特徴とする請求項6〜8いずれか1項記載の光学的
    情報記録装置。
  10. 【請求項10】 前記光学的書込手段の上部に固定され
    た安定化手段における光ディスクに対する対向設置距離
    を、前記光学的書込手段に設けられた集光用の対物レン
    ズが制御動作によって光ディスクに最も近づく距離より
    も短く設定したことを特徴とする請求項9記載の光学的
    情報記録装置。
  11. 【請求項11】 前記記録面側に設置された安定化手段
    と光ディスクとの距離を、前記記録面とは反対面側に設
    置された安定化手段と光ディスクとの距離よりも長く設
    定したことを特徴とする請求項6〜10いずれか1項記
    載の光学的情報記録装置。
  12. 【請求項12】 前記光学的書込手段により光ディスク
    に対して集光がなされる部位に対して、前記記録面側に
    設置された安定化手段における最も突出した部位と、前
    記記録面とは反対面側に設置された安定化手段における
    最も突出した部位とを、光ディスクの円周方向に対して
    ずらせて配設したことを特徴とする請求項6〜11いず
    れか1項記載の光学的情報記録装置。
  13. 【請求項13】 可撓性を有するシート状の光ディスク
    を回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面に対
    して集光させて反射光により情報を読み取る光学的読取
    手段と、この光学的読取手段により光ディスクに対して
    読み取りが行われる部位における回転軸方向の振れをベ
    ルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によって安定化
    させる安定化手段とを備えた光学的情報再生装置であっ
    て、 前記安定化手段を光ディスクのディスク両面側にそれぞ
    れ設置し、両安定化手段により面ぶれが安定化される光
    ディスクにおける部位のディスク回転方向上流側と下流
    側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域を設けた
    ことを特徴とする光学的情報再生装置。
  14. 【請求項14】 前記安定化手段を、光ディスクにおけ
    る記録面側と、この記録面とは反対面側とにそれぞれ設
    置したことを特徴とする請求項13記載の光学的情報再
    生装置。
  15. 【請求項15】 記録面側に設置された前記安定化手段
    により光ディスクへの反発力を発生させることを特徴と
    する請求項13または14項記載の光学的情報再生装
    置。
  16. 【請求項16】 記録面側に設置される前記安定化手段
    を前記光学的読取手段における光ディスク側に固定した
    ことを特徴とする請求項13〜15いずれか1項記載の
    光学的情報再生装置。
  17. 【請求項17】 前記光学的読取手段の上部に固定され
    た安定化手段における光ディスクに対する対向設置距離
    を、前記光学的読取手段に設けられた集光用の対物レン
    ズが制御動作によって光ディスクに最も近づく距離より
    も短く設定したことを特徴とする請求項16記載の光学
    的情報再生装置。
  18. 【請求項18】 前記記録面側に設置された安定化手段
    と光ディスクとの距離を、前記記録面とは反対面側に設
    置された安定化手段と光ディスクとの距離よりも長く設
    定したことを特徴とする請求項13〜17いずれか1項
    記載の光学的情報再生装置。
  19. 【請求項19】 前記光学的読取手段により光ディスク
    に対して集光がなされる部位に対して、前記記録面側に
    設置された安定化手段における最も突出した部位と、前
    記記録面とは反対面側に設置された安定化手段における
    最も突出した部位とを、光ディスクの円周方向に対して
    ずらせて配設したことを特徴とする請求項13〜18い
    ずれか1項記載の光学的情報再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4688217B2 (ja) * 2005-09-13 2011-05-25 株式会社リコー ディスク装置及びディスクカートリッジ

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