JP3868310B2 - 光学的情報再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、片側に記録データが凹凸あるいは蛇行する溝として記録されている信号記録面が露出している可撓性光ディスクを用い、この可撓性光ディスクに対して光ビームを出射して、可撓性光ディスクからの再生光ビームにおける光学的変化を検出することにより再生信号を得る光学的情報再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、再生専用の光記録媒体としてはCDあるいはDVDなどがある。これらは、透明樹脂からなるディスク基板上に記録信号に応じた凹凸が形成され、この直上にAlなどの反射膜が形成され、さらに紫外線硬化樹脂の保護膜が形成されている構成である。
【0003】
そして再生時には、回折限界まで絞られたレーザ光をディスク基板を通して前記凹凸に照射する。すると、この凹凸に応じて位相干渉が生じ、反射光に凹凸に応じた反射率変化が生じ、この反射光を光電変換素子で受光することによって信号を再生する。
【0004】
また、本件出願人は、特願2001−228943号として、可撓性光ディスクの回転駆動時における面振れを、ベルヌーイの法則を利用した空気流の圧力差によって安定化させるための安定化部材を具備した構成の記録/再生装置を出願した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記光ディスクにおいて信号成分を持つのはディスク基板上の凹凸であって反射膜ではない。しかし、従来の再生用光ディスクは、すべてAlなどの金属反射膜が形成されていた。この金属反射膜が存在するため、ディスクの反射率は高くなり、再生信号の処理は容易であった。
【0006】
しかしながら、ディスク製造に前記のような反射膜を形成するために、従来では真空プロセスが必要となる。この真空プロセスは高価である。よって、光ディスクにおいて反射膜あるいは保護膜の形成、および、その製造プロセスを無くすことがコスト的にも有利である。
【0007】
本件出願人が出願した前記特願2001−228943号の発明に係る記録/再生装置に使用される可撓性光ディスクにおいても、同様に反射膜あるいは保護膜を無くすことが考えられるが、このようにした場合、光ビームの多くが信号記録面ではなく、安定化部材の表面で反射してしまい、再生光ビーム、すなわち再生信号のS/Nが悪くなり、フォーカス動作が安定しないなどの問題が生じる。
【0008】
本発明の目的は、前記課題を解決し、反射膜あるいは保護膜が形成されていない可撓性光ディスクを用い、前記安定化部材などが設置されてもS/Nのよい再生信号が得られる構成の光学的情報再生装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、片側に記録データが凹凸あるいは蛇行する溝として記録されている信号記録面が露出している可撓性光ディスクを用い、この可撓性光ディスクに対して光ビームを照射して、可撓性光ディスクからの再生光ビームにおける光学的変化を検出することにより再生信号を得る光ピックアップと、可撓性光ディスクの前記信号記録面側とは反対側に設置されて、可撓性ディスクの回転時における面振れを空気流の圧力差によって安定化させる安定化部材とを備えた光学的情報再生装置であって、前記可撓性光ディスクの厚さをt,前記可撓性ディスクに対して光ビームを集光させる対物レンズのフォーカス方向のストロークにおける最大値をd,フォーカスサーボのエラー信号を発生することができる範囲をfとするとき、(数2)が成立するように構成したことを特徴とする。
【0010】
【数2】
d+f<t
前記構成によって、光ビームが可撓性ディスクの信号記録面とは反対側に設置された安定化部材の表面にまで達することがなくなり、したがって、安定化部材からの強い反射光が再生光ビームに干渉することがなくなり、良好な再生信号,フォーカスエラー信号が得られるようになり、フォーカス動作などの再生動作が安定する。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光学的情報再生装置において、安定化部材の表面における光反射率を低くしたことを特徴とし、この構成によって、安定化部材を設置したことによる再生光ビームへの光学的な影響を最小に抑えることができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の光学的情報再生装置において、安定化部材の表面における反射率を、可撓性光ディスクの信号記録面における反射率に比べて低くしたことを特徴とし、この構成によって、S/Nのよい再生信号が得られる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の光学的情報再生装置において、安定化部材の表面に、光ビームの波長をλとしたとき、λ/4n(nは整数)となる光学膜を形成したことを特徴とし、この構成によって、安定化部材の表面における反射率を最小にすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は本発明の実施形態を説明するための光ディスク再生装置の基本構成図であり、1は可撓性を有するシート状の光ディスク、2は光ディスク1のハブ3を保持するスピンドルシャフト、4はスピンドルシャフト2を回転駆動するスピンドルモータ、6は、光ディスク1に対して光ビームLaを照射して、光ディスク1からの反射された再生光ビームLbに基づき書き込まれた情報の読み取りを行う再生手段としての光ピックアップ、7は光ピックアップ6に設けられた対物レンズ、8は、光ディスク1を介して光ピックアップ6に対向設置され、光ディスク1の面振れを防止するための安定化部材である。
【0016】
図1において、可撓性を有する光ディスク1は、再生時、スピンドルシャフト2にセットされ、スピンドルモータ4により回転駆動されて、光ピックアップ6と安定化部材8間で回転する。回転している光ディスク1は、それ自体、小さいながら剛性を持ち、また回転すると遠心力の作用により、真っ直ぐな状態になろうとする力を持つ。したがって、光ディスク1に対して安定化部材8を近づけて、ベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差による反発力を生成して光ディスク1に与えることにより、光ディスク1が真っ直ぐになろうとする力と、安定化部材8からの反発力の釣り合いによって、大きな面振れを減少させることができる。
【0017】
そして光ディスク1において、前記のように面振れが安定した部位に対して光ビームLaを照射し、光ディスク1からの反射された再生光ビームLbに基づき書き込まれた情報の読み取りが行われる。
【0018】
図2は前記光ピックアップを構成する再生手段の説明図であり、フォトダイオードなどからなる光電変換素子10と再生信号処理回路11などからなり、光ディスク1の記録面に形成されている記録ビットに対して、半導体レーザなどからなるレーザ光源12から低出射エネルギの光ビームLaが出射され、その反射光(再生光ビーム)Lbを対物レンズ7を通し光電変換素子10で受光し、光電変換素子10からの出力に再生信号処理回路11で信号伸張処理などを施して再生信号を生成する。
【0019】
図3は図1における本実施形態の拡大説明図であり、本実施形態において、光ディスク1は、ポリカーボネート樹脂を成形して下面に信号記録面1aとして凹凸ピットを形成した。この信号記録面1a上には反射膜,紫外線硬化樹脂保護膜などを設けていない。したがって、信号記録面1aにおける凹凸ピットは露出しており、表面は大気に接している状態である。この部分に光ピックアップ6から出射した光ビームLaを光スポットとして集光する。
【0020】
反射膜がある場合は、前記凹凸ピット近傍で最も反射率が高く、数10%以上ある。よって、光スポットのフォーカシングは簡単であるが、本例の場合には、信号記録面1aにおけるピット界面は5%〜6%と低反射率である。また、信号記録面1aの反射率と、信号記録面1aに対して反対面の光ディスク1における裏面1bの反射率とがほとんど同じであるため、裏面1bからの反射光が大きいと再生光ビームLbにおけるS/Nが悪くなる。このため光ディスク1の裏面1bからの反射光の影響を減らす工夫が必要になる。
【0021】
また光ディスク1の裏面1b面の近くには安定化部材8が設置されている。この安定化部材8と光ディスク1との距離は数μm以下のため、安定化部材8の表面での反射光も信号再生にとって雑音成分となる。
【0022】
図3に示すように、安定化部材8表面への誤フォーカシングを防ぐために、光ピックアップ6の対物レンズ7のフォーカス方向におけるストロークを20μmとした。光ディスク1の厚さtは本例では70μmである。ここで、対物レンズ7のフォーカス動作のためのストローク可能距離最大値をd、対物レンズ7と安定化部材8間の距離をL、対物レンズ7の作動距離をWDとする。またフォーカスサーボのエラー信号を発生できる範囲をpとして示している。
【0023】
可撓性を有する光ディスク1は面振れするが、信号記録面1aが対物レンズ7から最も遠ざかるのは、光ディスク1の裏面1bが安定化部材8に接してしまうときである。これが図3に示す状態である。このとき対物レンズ7は最も安定化部材8に接近する。この状態において安定化部材8の表面に光ビームLaが合焦しなければよい。この場合、安定化部材8の表面に対して光ディスク1の裏面1bが接しているので、光ディスク1の裏面1bにも合焦しないことになる。
【0024】
この関係を式に表すと(数3)になる。
【0025】
【数3】
WD+d/2+p<L
対物レンズ7が安定化部材8に最も接近するときは、L=WD−d/2+tである。
【0026】
したがって、(数4)に示す関係になる。
【0027】
【数4】
d+p<t
いま、安定化部材8の作用にて安定化した光ディスク1は、面振れが10μm以下となるため、光ピックアップ6の対物レンズ7におけるフォーカス方向のストロークを20μmにすることができる。よって、d=20μmとした。そして、フォーカスサーボのエラー信号が発生できるのは20μm程度の深さ範囲である。よって、p=20μmである。ここで光ディスク1の厚みtを70μmとした。
【0028】
すると、(数2)は、(20+20)<70となって成立する。
【0029】
したがって、反射率の低い光ディスク1の信号記録面1aに対して安定してフォーカシングすることができる。また、安定化部材8の表面と光ディスク1の裏面1bのいずれにも、光ピックアップ1の光ビームLaの集光点が達しないため、再生光ビームLbは安定して信号記録面1aにフォーカスさせることができ、図3にて説明したように、再生光ビームLbから検出される再生信号のS/Nを良好に保つことができる。
【0030】
光ディスク1の信号記録面1aに公知のDVD−ROMとほぼ同様な記録ピットを形成し、半導体レーザ12から出射する光ビームLaの波長が660nm,対物レンズ7がNA0.65の光ピックアップ6を用いて信号を再生して得られた波形図が図4である。
【0031】
光ディスク1上のピットに付いてはDVDとほぼ同じ寸法であるが、ピットの深さは異なる。光反射型の再生方法において再生信号の変調度が最大になるのは、ピット部と鏡面部の位相差がλ/4になるときである。普通のDVDでは、ディスク基板の屈折率が1.5程度あるため、650nm/(4×1.5)で、約110nmのピット深さが最適となるが,本実施形態のものでは、空気中での位相差が問題になるから、650nm/4で160nmのピット深さとし、ピットが最短で0.4μm、かつトラックピッチが0.74μmとした。再生の線速度は3.5m/s、半導体レーザ12の再生パワーは2mWとした。また再生信号処理回路11における信号増幅用のRFアンプの利得も2倍程度大きくした。このときの半導体レーザ12の再生パワーは、反射膜付きの普通のDVDを再生する場合の5倍以上に相当する。
【0032】
図4にて分かるように、良好なアイパターンが得られている。変調度も60%以上ある。クロックと信号のジッターもエラーなしで再生できる8.5%が得られた。信号の反射電位は約300mVである。
【0033】
比較例として、図5に本実施形態と同じ光ディスクの基板に、Ag反射膜をスパッタリングで100nm成膜したディスクの再生信号を示す。反射率が高いため半導体レーザ12の再生パワーを0.3mWに落としている。このときのジッターは8.0%であった。反射電位は約900mVである。
【0034】
本実施形態のように、半導体レーザ12の再生パワーを増して光ビームLaの絶対光量を大きくし、かつ再生信号に対して再生信号処理回路11のRFアンプでゲイン補正することにより、信号のS/Nそのものは、従来同様、大きく取り入れることができた。
【0035】
変調度は位相干渉で生じているため、反射膜の有無にあまり関係しないことが分かる。したがって、光ビームの絶対光量さえ大きくしておけば、可撓性光ディスクを反射型再生専用ディスクとして、反射膜を形成することなく再生することができる。
【0036】
なお、本実施形態において、再生光ビームLbは、フォーカシングが安定に行えるまで半導体レーザ12の再生パワーを上げていくことが最低条件であるが、装置全体のノイズ(電気系ノイズ)に対してではなく、光ディスク1の再生信号のノイズが装置全体のノイズを支配するまで再生パワーを上げる。このようにすることにより、ディスクのもつ本質的なS/Nをすべて使い切ることになる。この状態を図6(a),(b)に示す。
【0037】
図6(a)は半導体レーザ12の再生パワーが小さいときの状態を示している。鋭いピークのあるカーブが光ディスク1のもつ固有の信号レベルとノイズを示す。また、点線で示すブロードなピークの無いカーブが装置全体のノイズを示す。再生パワーが小さいと、ディスクの信号ノイズより装置全体のノイズが大きいために、全体のS/Nは、光ディスク1の信号ピークと装置全体のノイズで決まる。
【0038】
再生光ビームLbを受光して光電変換する光電変換素子10、あるいは再生信号処理回路11のRFアンプのノイズは受光する光量とはあまり関係が無いのに対し、光ディスク1からの反射光量による電気信号は受光量に比例して増えていく。したがって、再生光ビームLbを大きくすると、あるところで、ディスクのノイズが電気系のノイズを上回り、装置全体のS/Nを光ディスク1が支配するようになる。このことを示すのが図6(b)である。図6(b)のようにした方がS/Nが良いことは明らかである。
【0039】
本実施形態では、図6(b)に示す状態まで半導体レーザの再生パワーを上げている。この結果、高価な真空プロセスを省き、樹脂成形のみで製作した再生専用光ディスクを用いて、良好に再生することができるディスク駆動装置が実現したのである。
【0040】
再生装置の基本設計時には、このようなノイズと信号の周波数スペクトルでの解析を行うが、実際上、図6(a)と図6(b)とで異なるのは半導体レーザ12の再生パワーの大小だけである。したがって、基本設計時には、スペアナを用いて再生装置のノイズ特性を測定し、その後、無反射ROMディスクを再生し、半導体レーザ12の再生パワーを変えながらノイズレベルの変化を観察する。再生パワーの上昇と共にS/Nが飽和していく。飽和した点が図6(b)である。その再生パワーを、その再生装置におけるROMディスク用の再生パワーとして設定する。
【0041】
また、実際の商品では、基本設計時に得られた前記のようなデータに基づいて前記再生パワーの初期値を設定する。そして、再生装置あるいはディスクの個体差のばらつきを吸収するため、エラー率を見ながら再生パワーを微調整する回路を必要に応じて設置するとよい。
【0042】
本実施形態にて用いる可撓性を有する光ディスク1は、表面に反射層,保護層を形成しないため保護のために図7に示すように、カートリッジに入れるとよい。すなわち、光ディスク1は既述したものと同じ構造であって、カートリッジケース20内に光ディスク1を収納し、摺動可能に設けられたシャッタ板21で開閉する開口20aから光ディスク1が外部に対して露呈するようにしてある。したがって、信号記録面1aに人間の手が触れることはない。
【0043】
また、長期にわたって塵埃などが付着しないように、ナイロン繊維などを熱プレスなどで作る不織布22を内設し、光ディスク1の回転中に軽く触れることにより、光ディスク1に付着した塵埃などを取り除くことができるようにしている。
【0044】
なお、本実施形態における光ディスク1の場合、全体として樹脂のみであって金属膜がなく、かつ貼り合わせ構造でもない。したがって、従来のような成膜応力などによって数ミリ間隔の基板シートの凸凹変形が生じることもなく、また光ディスク1の表裏共に透湿度が同じであるため、空気中の水分の影響による微小変形も生じない。
【0045】
このように本実施形態における光ディスク1では、温度あるいは湿度による複雑な変形が極めて少ない。光ディスク1の微妙な凸凹は安定化部材8による空気軸受け作用による面振れ安定化に悪い影響を及ぼすが、本実施形態の光ディスク1は、カートリッジケース20に収納して保護したことも相俟って、JIS C5024の温湿度サイクル試験を実施しても再生に何ら支障なかった。
【0046】
前記構成の本実施形態において、図1,図3に示す安定化部材8における表面に無反射コートを施した場合について説明する。
【0047】
光ピックアップ6は、半導体レーザ12から出射するレーザ光Laの波長を405nm、対物レンズ7のNAを0.85とした。信号ピットは、最短ピット長0.25μm,トラックピッチが0.35μm,ピット深さ0.1μmとした。信号は1−7変調をかけたランダム信号である。また、可撓性を有する光ディスク1の厚さtは40μmとし、対物レンズ7のストローク量dを100μmとした。したがって、前記条件においては、光ピックアップ6は物理的に安定化部材8の表面に合焦し得る。
【0048】
図1,図3に示すように、安定化部材8は、光ディスク1の信号記録面1aと反対側に設置されており、信号記録面1aとは微小距離しか離れていない。このため、安定化部材8の表面における反射率が大きいと、最初に信号記録面1aへのフォーカス動作時に、安定化部材8にフォーカスが入ってしまう恐れがあるため、安定化部材8の材質あるいは表面状態によっては、安定化部材8の表面に対して無反射コーティングを施した方が誤動作が減る。
【0049】
安定化部材8は、ステンレス鋼(SUS304)製とし、表面にZrO2膜を蒸着した。光学膜厚をλ/4n(nは整数)にすると、反射率を極小にすることができる。本例では、光ディスク1が厚さは70μmであり、光ビームLaの波長405nmで用い、ZrO2の屈折率が約2.0であるため、光学膜厚は50nmとなる。また、安定化部材8の表面を、MgF2とTiO2との多層膜にてコーティングすると、波長405nmの光ビームLaに対して、反射率は5%以下となる。
【0050】
このようにして、安定化部材8の表面における再生光ビームLbの反射率が光ディスク1表面の反射率以下になったため、フォーカスの引き込みはきわめて安定化し、安定したフォーカス,トラッキングが可能であった。
【0051】
光ピックアップ6の仕様上、安定化部材8の表面あるいは光ディスク1の裏面1bに合焦する構造であっても、安定化部材8表面に無反射コートを施すことにより、再生安定性を向上することができた。
【0052】
光ピックアップ6の半導体レーザの再生パワーを1.5mW以上にした場合に、ジッターは最小になって安定した。したがって、再生パワー1.5mWでディスクノイズリミットの再生を行うことができていることになる。再生信号のジッターは9%以下で十分エラーを小さくできる信号が得られた。
【0053】
このように本実施形態では、安定化部材8の表面における反射率を低くしたこと、および既述したような光ディスク1の厚みと対物レンズ7のフォーカス方向におけるストロークとの関連構成を採用して、物理的に安定化部材8の表面には合焦できないことの両方の要因によって、透明な光ディスク1の表面の信号記録面1a部分にフォーカスを、最も安定にかつ簡便に合わせることができる。
【0054】
フォーカス方向の対物レンズ7におけるフォーカス方向のストロークは、光ディスク1の厚み以下であれば、安定化部材8上に合焦することは物理的に無い。また対物レンズ7の焦点深度は数μm以下であるので、焦点深度を考慮する必要はほとんど無い。対物レンズ7におけるフォーカス方向のストロークは、光ディスク1の厚みより10〜20μm以上小さければ、安定化部材8の表面へのフォーカスの合焦はほぼ生じない。したがって、反射率の低い光ディスク1の信号記録面1aに対して安定したフォーカシングが行える。
【0055】
本光ディスク1のピット面(信号記録面1a)の反射率は、6%程度であったが、安定化部材8の表面は無反射コートされていて5%以下の反射率である。したがって、光ディスク1から反射される再生光ビームLbのほとんどは光ディスク1から戻り、安定化部材8の表面から戻る光はほとんど無かった。この状態において、光ビームLaを出射したまま、安定化部材8のあり/なしで、光ピックアップ6への戻り光を測定したところほとんど差が無かった。このことは、再生光ビームはほとんど光ディスク1の信号記録面1aから戻っていることを意味する。
【0056】
したがって、本実施形態における構成の光ディスク1を再生したとき、安定したフォーカシング,トラッキングが行え、データとクロック間のジッターを10%以下で安定して信号を再生することができた。この光ディスク1をJIS C5024の温湿度サイクル試験に投入した。その結果、特に光ディスク1の平坦性に問題は生ぜず、サイクル試験後に安定した安定化部材8によるデスク面振れ抑圧作用が働き、良好に信号を再生することができた。
【0057】
光ディスク1の信号記録面1aにおける記録データの形成方法としては、既述したような凹凸を形成する方法の他に、蛇行する溝として記録する方法などがあるが、記録データの記録方法によらず前記と同様の効果が得られる。
【0058】
前記のような本実施形態における再生専用光ディスクから再生信号を得るための装置としては、再生時に既述した実施形態の機能を具備する構成であればよく、再生専用装置であっても、また記録/再生の両機能を備えた装置においても適用することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光学的情報再生装置によれば、可撓性光ディスクには特別な形成膜がないため、製造コストの低い可撓性光ディスクを用いることが可能になり、また光ビームが可撓性ディスクの信号記録面とは反対側に設置された安定化部材の表面にまで達することがなくなり、したがって、安定化部材からの強い反射光が再生光ビームに干渉することがなくなるため、良好な再生信号,フォーカスエラー信号が得られるようになり、フォーカス動作などの再生動作を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための光ディスク再生装置の基本構成図
【図2】図1の光ディスク再生装置における再生手段の説明図
【図3】図1の光ディスク再生装置における拡大説明図
【図4】本発明の実施形態における再生信号の波形図
【図5】本発明の実施形態の比較例における再生信号の波形図
【図6】信号レベルと周波数との関係を示す図
【図7】本発明の実施形態における光ディスクをカートリッジに収納した例を示す断面図
【符号の説明】
1 光ディスク
1a 信号記録面
6 光ピックアップ
7 対物レンズ
8 安定化部材
10 光電変換素子
11 再生信号処理回路
12 レーザ光源(半導体レーザ)
La 光ビーム(出射光)
Lb 再生光ビーム(反射光)

Claims (4)

  1. 片側に記録データが凹凸あるいは蛇行する溝として記録されている信号記録面が露出している可撓性光ディスクを用い、この可撓性光ディスクに対して光ビームを照射して、可撓性光ディスクからの再生光ビームにおける光学的変化を検出することにより再生信号を得る光ピックアップと、可撓性光ディスクの前記信号記録面側とは反対側に設置されて、可撓性ディスクの回転時における面振れを空気流の圧力差によって安定化させる安定化部材とを備えた光学的情報再生装置であって、
    前記可撓性光ディスクの厚さをt,前記可撓性ディスクに対して光ビームを集光させる対物レンズのフォーカス方向のストロークにおける最大値をd,フォーカスサーボのエラー信号を発生することができる範囲をfとするとき、(数1)が成立するように構成したことを特徴とする光学的情報再生装置。
    Figure 0003868310
  2. 前記安定化部材の表面における光反射率を低くしたことを特徴とする請求項1記載の光学的情報再生装置。
  3. 前記安定化部材の表面における反射率を、前記可撓性光ディスクの前記信号記録面における反射率に比べて低くしたことを特徴とする請求項2記載の光学的情報再生装置。
  4. 前記安定化部材の表面に、光ビームの波長をλとしたとき、λ/4n(nは整数)となる光学膜を形成したことを特徴とする請求項2または3記載の光学的情報再生装置。
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