JP3834674B2 - 光ディスク駆動装置,光学的情報記録装置、および光学的情報再生装置、ならびにそれらに用いられるディスクカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性を有するシート状の光学的情報記録媒体である光ディスクを回転駆動するための光ディスク駆動装置,光学的情報記録装置、および光学的情報再生装置、ならびにそれらに用いられるディスクカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、テレビ放送のデジタル化が始まるなど、大容量のデジタルデータを記録することが光ディスクに求められている。光ディスクの高密度化のための手法のうち、基本的な方法は記録/再生のための光のスポット径を小さくすることである。
【0003】
このため、記録/再生のために用いられる光の波長を短く、かつ対物レンズの開口数NAを大きくすることが有効である。光の波長についてはCD(compact disk)では近赤外光の780nm、DVD(digital versatile disk)では赤色光の650nm近傍の波長が用いられている。最近、青紫光の半導体レーザが開発され、今後は400nm近傍のレーザ光が使用されると予想される。
【0004】
また、対物レンズについては、CD用はNA0.5未満であったが、DVD用はNA0.6程度である。今後、さらに開口数(NA)を大きくしてNA0.7以上とすることが求められる。しかし、対物レンズのNAを大きくすること、および光の波長を短くすることは、光を絞るときに収差の影響が大きくなることでもある。したがって、光ディスクのチルトに対するマージンが減ることになる。また、NAを大きくすることによって焦点深度が小さくなるため、フォーカスサーボ精度を上げなくてはならない。
【0005】
さらに、高NAの対物レンズを使用することによって、対物レンズと光ディスクの記録面との距離が小さくなってしまうため、光ディスクの面ぶれを小さくしておかないと、始動時のフォーカスサーボを引き込む直前、対物レンズと光ディスクとが衝突することがあり、ピックアップの故障の原因となる。
【0006】
短波長,高NAの大容量光ディスクとして、例えばO PLUS E(vol.20 No.2)の183ページに示されているように、CDと同程度に厚く剛性の大きい基板に記録膜を成膜し、記録/再生用の光を基板を通さずに、薄いカバー層内を通して記録膜に対して記録/再生する構成のシステムが提案されている。
【0007】
また、例えば特開平7−105657号公報,特開平10−308059号公報に記載されているように、平面をもつ安定化板上で可撓性を有する光ディスクを回転させて、光ディスクにおける面ぶれを安定化させる方法が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の技術において、光ディスクの基板を剛体で形成すると、回転する光ディスクにおける面ぶれ,チルトを小さくするためには、きわめて正確な成形をし、かつ熱変形が生じないように低温で記録膜を成膜しなければならない。このことは、光ディスク製造に係るタクトタイムを長くすることになり、コストを上げる原因となる。
【0009】
また、可撓性のある光ディスクを安定板上で回転させる方法では、特開平10−308059号公報に記載されているように、単純な平板上で回転させると、光ディスクと安定化板が接して摺動し、このため光ディスクが振動して高周波の面ぶれが発生する。この面ぶれは、機械的なフォーカスサーボでは応答できない周波数領域にかかってくることが多く、残留サーボエラーを十分抑圧することができない。
【0010】
さらに、面ぶれにより光ディスクと対物レンズとが摺動すると、発塵を引き起こして、その塵埃などがエラーを発生させる原因となる。特に特開平7−105657号公報に記載されているように、安定化板側に記録膜が存在する構成であると、摺動により光ディスクの記録膜を損傷して、直接エラーを引き起こすことになる。
【0011】
本発明の目的は、前記従来の課題を解決し、可撓性を有するシート状の光ディスクを用いて記録/再生を行う際に、空気力によって光ディスクの面ぶれを確実に抑制し、高密度の記録を可能にし、また対物レンズとの摺接などの不具合の発生を防ぐことができる光ディスク駆動装置,光学的情報記録装置、および光学的情報再生装置、ならびにそれらに用いられるディスクカートリッジを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面とは反対面側に設置され、少なくとも光ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる部位における回転軸方向の振れをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備えた光ディスク駆動装置であって、光ディスクにおける前記安定化手段により面ぶれが安定化される部位のディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域を設けたことを特徴とし、この構成によって、シート状の光ディスクにおける面ぶれを安定化させた部位の前後位置に「逃げ」となる部分を設けたことにより、安定化させた部位における光ディスクの反発力を小さくすることができ、空気力による安定化力の効果が増大し、さらに、光ディスクにおける記録面とは反対の基板側に安定化手段が存在し、また記録面側における面ぶれを安定化させた部位から記録/再生するので、万一、光ディスクが安定化手段と摺動して傷がついたとしても、その傷は記録面には付かないためエラーを発生することがなくなり、また、光ディスクの基板には傷が付いても記録/再生用の光は基板を通らず、よって、基板の傷の影響、および基板の光学特性の影響を受けることがない。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の光ディスク駆動装置において、安定化手段が光ディスク方向に突出する突出部材であることを特徴とし、この構成によって、ベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差を効果的に生成することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の光ディスク駆動装置において、安定化手段に、ディスク回転方向上流側に大気圧に対して正圧を発生させ、ディスク回転方向下流側に大気圧に対して負圧を発生させる部位を形成したことを特徴とし、この構成によって、安定化手段により、光ディスクが反発、つぎに吸引の反対向きの力を受けることで、光ディスクが安定化手段に対して、ある一定距離を保ち、かつこの距離が安定して回転することになる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3記載の光ディスク駆動装置において、安定化手段の突出面における最も突出した部分に、光ディスクの面ぶれを安定化させるための平坦面部を形成したことを特徴とし、この構成によって、光ディスクにおける面ぶれの安定部位を安定して設定することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の光ディスク駆動装置において、安定化手段における平坦面部の少なくともディスク回転方向上流側に円弧状面部を形成したことを特徴とし、この構成によって、ベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差を円滑に生成することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5いずれか1項に記載の光ディスク駆動装置において、安定化手段を光ディスクの周方向に点在させたことを特徴とし、この構成のように、装置の設計,仕様に応じて安定化手段の設置位置,数などを適宜選択して設定する。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の光ディスク駆動装置における複数の安定化手段において、設置位置によって高さが異なるように設定したことを特徴とし、この構成によって、安定化手段の高さの設定によって空気圧の状態が変わるため、光ディスクにおける全面において、記録面側における面ぶれを安定化させるために、良好な空気圧の状態に設定することができる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7記載の光ディスク駆動装置における複数の安定化手段において、設置位置によって光ディスクと平行な部位の断面面積が異なるように設定したことを特徴とし、この構成によって、安定化手段の断面積の設定によって空気圧の状態が変わるため、光ディスクにおける全面において、記録面側における面ぶれを安定化させるために、良好な空気圧の状態に設定することができる。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8いずれか1項に記載の光ディスク駆動装置において、安定化手段を光ディスクの径方向に延在させたことを特徴とし、この構成のように、装置の設計,仕様に応じて安定化手段の長さ形状などを適宜選択して設定する。
【0021】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9いずれか1項に記載の光ディスク駆動装置において、安定化手段を光ディスク駆動装置における構成部材の一部に設置したことを特徴とする。
【0022】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10いずれか1項に記載の光ディスク駆動装置において、可撓性を有するシート状の光ディスクを単体で所定のセット部分に装着可能にしたことを特徴とする。
【0023】
請求項12に記載の発明は、可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面に対して光照射して情報の書き込みを行う光学的書込手段と、光ディスクの記録面側とは反対側に設置され、情報の書き込みが行われる光ディスクの部位における回転軸方向の振れを空気流の圧力差によって局部的に安定化させる安定化手段とを備え、前記光学的書込手段と前記安定化手段とを、光ディスクを介して相対向するように設置したことを特徴とし、この構成によって、空気流の圧力差を利用してシート状の光ディスクにおける面ぶれを安定化させた部位を設けることができ、この部位において情報の書き込みが安定して行われ、さらに、光ディスクにおける記録面とは反対側に安定化手段が存在するので、万一、光ディスクが安定化手段と摺動して傷がついたとしても、その傷は記録面には付かないためエラーを発生することがなくなる。
【0024】
請求項13に記載の発明は、可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面に対して情報を書き込む光学的書込手段と、この光学的書込手段が設置されている光ディスクの記録面側とは反対側面側に設置され、書き込みが行われる光ディスクの部位における回転軸方向の振れをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備えた光学的情報記録装置であって、光ディスクにおける前記安定化手段により面ぶれが安定化される部位のディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域を設けたことを特徴とし、この構成によって、請求項1に記載の発明の作用効果を奏して、光ディスクにおける書き込みが行われる部位の状態が安定し、書き込み記録密度を高めることができる。
【0025】
請求項14に記載の発明は、請求項12または13記載の光学的情報記録装置において、安定化手段が光ディスク方向に突出する突出部材であることを特徴とし、この構成によって、請求項2に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0026】
請求項15に記載の発明は、請求項12,13または14記載の光学的情報記録装置において、安定化手段に、ディスク回転方向上流側に大気圧に対して正圧を発生させ、ディスク回転方向下流側に大気圧に対して負圧を発生させる部位を形成したことを特徴とし、この構成によって、請求項3に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0027】
請求項16に記載の発明は、請求項14または15記載の光学的情報記録装置において、安定化手段の突出面における最も突出した部分に、光ディスクの面ぶれを安定化させるための平坦面部を形成したことを特徴とし、この構成によって、請求項4に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0028】
請求項17に記載の発明は、請求項16記載の光学的情報記録装置において、安定化手段における平坦面部の少なくともディスク回転方向上流側に円弧状面部を形成したことを特徴とし、この構成によって、請求項5に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0029】
請求項18に記載の発明は、請求項13〜17いずれか1項に記載の光学的情報記録装置において、光学的書込手段と安定化手段とを、光ディスクを介して相対向するように設置したことを特徴とし、この構成によって、光ディスクにおける書き込みが行われる部位の状態が確実に安定し、書き込み記録密度を高めることができる。
【0030】
請求項19に記載の発明は、請求項12〜18いずれか1項に記載の光学的情報記録装置において、安定化手段を光ディスクの周方向に点在させたことを特徴とし、この構成によって、請求項6に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0031】
請求項20に記載の発明は、請求項19記載の光学的情報記録装置における安定化手段において、光学的書込手段に対向する安定化手段を主安定化手段とし、この主安定化手段以外を副安定化手段とし、主安定化手段と副安定化手段とを高さが異なるように設定したことを特徴とし、この構成によって、主安定化手段と副安定化手段との高さの設定によって空気圧の状態が変わるため、記録面側における面ぶれを安定化させるために、光ディスクの各位置において良好な空気圧の状態に設定することができる。
【0032】
請求項21に記載の発明は、請求項20記載の光学的情報記録装置において、主安定化手段と光ディスクの設置基準面との距離よりも、副安定化手段と光ディスクの設置基準面との距離の方を長く設定したことを特徴とし、この構成によって、副安定化手段の設置位置におけるディスク浮上量が大きくなるため、光ディスクとの摺接が少なくなる。
【0033】
請求項22に記載の発明は、請求項19〜21いずれか1項記載の光学的情報記録装置における安定化手段において、前記光学的書込手段に対向する安定化手段を主安定化手段とし、この主安定化手段以外を副安定化手段とし、主安定化手段と副安定化手段とにおける光ディスクと平行な部位の断面面積が異なるように設定したことを特徴とし、この構成によって、主安定化手段と副安定化手段との断面積の設定によって空気圧の状態が変わるため、記録面側における面ぶれを安定化させるために、光ディスクの各位置において良好な空気圧の状態に設定することができる。
【0034】
請求項23に記載の発明は、請求項22記載の光学的情報記録装置において、主安定化手段における光ディスクと平行な部位の断面面積よりも、副安定化手段における光ディスクと平行な部位の断面面積の方を大きく設定したことを特徴とし、この構成によって、副安定化手段の設置位置におけるディスク浮上量が大きくなるため、光ディスクとの摺接が少なくなる。
【0035】
請求項24に記載の発明は、請求項12〜23いずれか1項に記載の光学的情報記録装置において、安定化手段を光ディスクの径方向に延在させたことを特徴とし、この構成によって、請求項9に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0036】
請求項25に記載の発明は、請求項12〜24いずれか1項に記載の光学的情報記録装置において、光学的書込手段と安定化手段との対向関係を維持するために、光ディスクの半径方向に光学的書込手段に連動して安定化手段を移動させる手段を備えたことを特徴とし、この構成によって、光ディスクにおける全域において、光ディスクにおける書き込みが行われる部位の状態が確実に安定する。
【0037】
請求項26に記載の発明は、請求項12〜25いずれか1項に記載の光学的情報記録装置において、安定化手段を装置本体内における構成部材の一部に設置したことを特徴とする。
【0038】
請求項27に記載の発明は、請求項12〜26いずれか1項に記載の光学的情報記録装置において、可撓性を有するシート状の光ディスクを単体で所定のセット部分に装着可能にしたことを特徴とする。
【0039】
請求項28に記載の発明は、可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面に対して光照射して情報の読み取りを行う光学的読取手段と、光ディスクの記録面側とは反対側に設置され、情報の読み取りが行われる光ディスクの部位における回転軸方向の振れを空気流の圧力差によって局部的に安定化させる安定化手段とを備え、前記光学的読取手段と前記安定化手段とを、光ディスクを介して相対向するように設置したことを特徴とし、この構成によって、空気流の圧力差を利用してシート状の光ディスクにおける面ぶれを安定化させた部位を設けることができ、この部位において情報の読み取りが安定して行われ、さらに、光ディスクにおける記録面とは反対側に安定化手段が存在するので、万一、光ディスクが安定化手段と摺動して傷がついたとしても、その傷は記録面には付かないためエラーを発生することがなくなる。
【0040】
請求項29に記載の発明は、可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面に記録されている情報を読み取る光学的読取手段と、この光学的読取手段が設置されている光ディスクの記録面側とは反対側面側に設置され、読み取りが行われる光ディスクの部位における回転軸方向の振れをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備えた光学的情報再生装置であって、光ディスクにおける前記安定化手段により面ぶれが安定化される部位のディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域を設けたことを特徴とし、この構成によって、請求項1に記載の発明の作用効果を奏して、光ディスクにおける読み取りが行われる部位の状態が安定し、高記録密度の状態であっても良好な読み取りを行うことができる。
【0041】
請求項30に記載の発明は、請求項28または29記載の光学的情報再生装置において、安定化手段が光ディスク方向に突出する突出部材であることを特徴とし、この構成によって、請求項2に記載の発明と同様な作用効果を奏することができる。
【0042】
請求項31に記載の発明は、請求項28,29または30記載の光学的情報再生装置において、安定化手段に、ディスク回転方向上流側に大気圧に対して正圧を発生させ、ディスク回転方向下流側に大気圧に対して負圧を発生させる部位を形成したことを特徴とし、この構成によって、請求項3に記載の発明と同様な作用効果を奏することができる。
【0043】
請求項32に記載の発明は、請求項30または31記載の光学的情報再生装置において、安定化手段の突出面における最も突出した部分に、光ディスクの面ぶれを安定化させるための平坦面部を形成したことを特徴とし、この構成によって、請求項4に記載の発明と同様な作用効果を奏することができる。
【0044】
請求項33に記載の発明は、請求項32記載の光学的情報再生装置において、安定化手段における平坦面部の少なくともディスク回転方向上流側に円弧状面部を形成したことを特徴とし、この構成によって、請求項5に記載の発明と同様な作用効果を奏することができる。
【0045】
請求項34に記載の発明は、請求項29〜33いずれか1項に記載の光学的情報再生装置において、光学的読取手段と安定化手段とを、光ディスクを介して相対向するように設置したことを特徴とし、この構成によって、光ディスクにおける読み取りが行われる部位の状態が確実に安定し、高記録密度の状態であっても良好な読み取りを行うことができる。
【0046】
請求項35に記載の発明は、請求項28〜34いずれか1項に記載の光学的情報再生装置において、安定化手段を光ディスクの周方向に点在させたことを特徴とし、この構成によって、請求項6に記載の発明と同様な作用効果を奏することができる。
【0047】
請求項36に記載の発明は、請求項35記載の光学的情報再生装置における安定化手段において、光学的読取手段に対向する安定化手段を主安定化手段とし、この主安定化手段以外を副安定化手段とし、主安定化手段と副安定化手段とを高さが異なるように設定したことを特徴とし、この構成によって、請求項20に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0048】
請求項37に記載の発明は、請求項36記載の光学的情報再生装置において、主安定化手段と光ディスクの設置基準面との距離よりも、副安定化手段と光ディスクの設置基準面との距離の方を長く設定したことを特徴とし、この構成によって、請求項21に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0049】
請求項38に記載の発明は、請求項35〜37いずれか1項記載の光学的情報再生装置における安定化手段において、光学的読取手段に対向する安定化手段を主安定化手段とし、この主安定化手段以外を副安定化手段とし、主安定化手段と副安定化手段とにおける光ディスクと平行な部位の断面面積が異なるように設定したことを特徴とし、この構成によって、請求項22に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0050】
請求項39に記載の発明は、請求項38記載の光学的情報再生装置において、主安定化手段における光ディスクと平行な部位の断面面積よりも、前記副安定化手段における光ディスクと平行な部位の断面面積の方を大きく設定したことを特徴とし、この構成によって、請求項23に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0051】
請求項40に記載の発明は、請求項28〜39いずれか1項に記載の光学的情報再生装置において、安定化手段を光ディスクの径方向に延在させたことを特徴とし、この構成によって、請求項9に記載の発明と同様な作用効果を奏することができる。
【0052】
請求項41に記載の発明は、請求項28〜40いずれか1項に記載の光学的情報再生装置において、光学的読取手段と安定化手段との対向関係を維持するために、光ディスクの半径方向に光学的読取手段に連動して安定化手段を移動させる手段を備えたことを特徴とし、この構成によって、光ディスクにおける全域において、光ディスクにおける読み取りが行われる部位の状態が確実に安定する。
【0053】
請求項42に記載の発明は、請求項28〜41いずれか1項に記載の光学的情報再生装置において、安定化手段を装置本体内における構成部材の一部に設置したことを特徴とする。
【0054】
請求項43に記載の発明は、請求項28〜42いずれか1項に記載の光学的情報再生装置において、可撓性を有するシート状の光ディスクを単体で所定のセット部分に装着可能にしたことを特徴とする。
【0055】
請求項44に記載の発明は、カートリッジケース内に、請求項1〜10いずれか1項に記載の光ディスク駆動装置、または請求項12〜26いずれか1項に記載の光学的情報記録装置、または請求項28〜42いずれか1項に記載の光学的情報再生装置に用いられる光ディスクを少なくとも1枚収納したことを特徴とし、この構成によって、可撓性を有するシート状の光ディスクがカートリッジケース内に収納されるため、薄く曲がりやすい光ディスクであっても、その取り扱いが容易になり、また複数枚の光ディスクを収納して大記録容量のものにすることができ、しかもカートリッジ全体として厚くならない。
【0056】
請求項45に記載の発明は、請求項44記載のディスクカートリッジにおいて、カートリッジケースに、請求項1〜9いずれか1項に記載の光ディスク駆動装置、または請求項12〜25いずれか1項に記載の光学的情報記録装置、または請求項28〜41いずれか1項に記載の光学的情報再生装置における安定化手段を設けたことを特徴とし、この構成によって、ディスクカートリッジを用いる装置側の構成を簡素化することができる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0058】
図1は本発明の第1実施形態を説明するための光学的情報記録/再生装置の概略構成図であり、1は可撓性を有するシート状の光ディスク、2は光ディスク1のハブ3を保持するスピンドルシャフト、4はスピンドルシャフト2を回転駆動するスピンドルモータ、6は、光ディスク1に対して情報の書き込みを行う記録手段、および書き込まれた情報の読み取りを行う再生手段としての光ピックアップ、7は光ピックアップ6を光ディスク1の半径方向へ移動させるピックアップ用位置決め機構、8は、光ディスク1を介して光ピックアップ6に対向設置され、光ディスク1の面ぶれを防止するための安定化ガイド部材、9は安定化ガイド部材8を光ピックアップ6と連動して光ディスク1の半径方向へ移動させる安定化ガイド用位置決め機構、10は前記各構成部材を収納する装置本体である。
【0059】
図2は前記光ピックアップを構成する記録手段と再生手段の説明図であり、記録手段としては、図2(a)に示すように、入力された記録信号に対してデジタル信号化処理,信号圧縮処理などを行う信号処理回路11と、信号処理回路11からの出力に基づいてレーザ駆動制御信号を生成するレーザ駆動制御回路12と、レーザ駆動制御回路12からの出力を受けて半導体レーザなどからなるレーザ光源14を駆動するレーザ駆動部13などからなっており、レーザ光源14から出射した高出射エネルギの出射光Laが、図1に示す光ピックアップ6の対物レンズ15により集光されて光ディスク1の記録面を光スポットとして照射し、ビット形成による情報記録が行われる。
【0060】
また、再生手段としては、図2(b)に示すように、フォトダイオードなどからなる光電変換素子17と再生信号処理回路18などからなり、光ディスク1の記録面に形成されている記録ビットに対して、レーザ光源14から低出射エネルギのレーザ光が出射され、その反射光Lbを対物レンズ15を通し光電変換素子17で受光し、光電変換素子17からの出力に再生信号処理回路18で信号伸張処理などを施して再生信号を生成する。
【0061】
光ディスク1は、図3の断面図に示すような構成であって、記録層20が光ピックアップ6の対物レンズ15に対向し、基板21が安定化ガイド部材8に対向するように、スピンドルシャフト2に設けられたチャッキング部にセットされる。
【0062】
本実施形態における光ディスク1の具体例を説明する。基板として可撓性を持たせるために0.1mm程度の薄いシートを用いた。例えばポリエチレンテレフタレート製の厚さ80μmのシートに熱転写で、スタンパのピッチが0.6μm、幅0.3μmのグルーブを転写し、その後、スパッタリングでシート/Ag反射層を120nm/(ZrO2-Y2O3)-SiO2,7nm/AgInSbTeGe,10nm/ZnS-SiO2,25nm/Si3N4の順番に成膜した。このシートにUV樹脂をスピンコートし、紫外線照射で硬化させて厚さ5μmの透明保護膜を形成し、さらに、このディスクを大口径のレーザ光で記録層を溶融結晶化することにより、反射率を上げたものを使用した。
【0063】
図4の説明図を参照して本実施形態における可撓性を有するシート状の光ディスクの面ぶれ安定化について説明する。記録/再生時、前記構成の可撓性を有する光ディスク1を、光ピックアップ6と安定化ガイド部材8間で回転させる。回転している光ディスク1は、それ自体、小さいながら剛性を持ち、また回転すると遠心力の作用により、真っ直ぐな状態になろうとする力を持つ。したがって、光ディスク1に対して安定化ガイド部材8を近づけて、ベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差による反発力を生成して光ディスク1に与えることにより、光ディスク1が真っ直ぐになろうとする力と、安定化ガイド部材8からの反発力の釣り合いによって、大きな面ぶれ(ディスク回転軸方向の振れ)を減少させることができる。
【0064】
本実施形態では、光ディスク1の記録層20全面に安定化ガイド部材8を対向設置させないようにしている。例えば図4の構成例では、光ディスク1との対向面が円弧状をなす円柱状の安定化ガイド部材8を用いており、光ディスク1における安定化ガイド部材8による前記空気圧の作用による面ぶれが安定する部位Aにおけるディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気圧の作用を生じさせない領域(安定化ガイド部材8がない空間部)B,Cを設け、面ぶれを安定化させた部位Aの前後位置に光ディスク1に「逃げ」となる部分を存在させることによって、面ぶれを安定化させた部位Aにおける光ディスク1の反発力を小さくするようにしている。このようにしたことによって、空気力による安定化力の効果が増大することになる。
【0065】
さらに、光ディスク1における記録層20とは反対側である基板21側に安定化ガイド部材8が存在し、光ディスク1の記録層20に対して記録/再生用の光La,Lbを集光して記録/再生を行う。安定化ガイド部材8は記録層20の反対側の基板21側を安定化させる。このことにより、万一、安定化ガイド部材8と光ディスク1とに摺動状態が発生しても記録層20を損傷させることにならず、エラーの発生の直接原因にはならない。また、光ディスク1は、通常、記録層20側が凸状に反る。これは記録層20におけるスパッタ膜が圧縮応力であることに対応する。このため、基板21側から押すようにして安定化ガイド部材8を当てる方が、より安定化ガイド部材8と光ディスク1との圧着力が安定することになり、面ぶれに対する圧縮が良好になる。
【0066】
また光ディスク1における記録層20側の面ぶれを安定化させた部位Aの反対側に対して直接的に記録/再生用の光La,Lbが入出射するので、万一、光ディスク1が安定化ガイド部材8と摺動して傷がついたとしても、その傷は記録層20には付かないため記録/再生上のエラーを発生することがなくなり、また、光ディスク1の基板21には傷が付いても記録/再生用の光La,Lbは基板21を通らないため、基板21の傷の影響、および基板21の光学特性の影響を受けることがなく、例えば基板21としては不透明のものでもよい。
【0067】
図4の説明図を参照してさらに具体的に説明する。図4において、安定化ガイド部材8以外の構成部材または装置本体ケース、あるいは光ディスク1をカートリッジに収納した状態において使用する場合は、そのカートリッジによってベルヌーイの法則による作用が働かないように、それらから光ディスク1を1mm程度以上離しているとする。ただし、例外的に対物レンズ15が高NAの場合には、作動距離が短くなるため、対物レンズ15が0.05mm〜0.3mm位まで近づくことになる。
【0068】
さらに、図5に図4の構成における光ディスクの面ぶれの測定結果の実測図(2回転分)を示す。安定化ガイド部材8は先端形状が半径50mm、直径が20mmであり、光ディスク1は、80μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)シートに0.65μmピッチのトラッキング用の溝を形成し、記録膜をスパッタリングで形成したものであって、直径45mm、その回転数は2000rpmとし、レーザ変位計を用いて面ぶれを測定したものである。安定化ガイド部材8と光ディスク1との設定間隔は約5μmである
安定化ガイド部材8には異常振動がなく、かつ光ディスク1にも摺動傷は発生しなかったので、過度の空気浮上が行われず摺動状態が生じていなかったと判断することができる。また、ディスク面ぶれは3μm程度であって、通常の剛体のディスクが50μm以上の面ぶれを生じることからすると、極めて小さいことが分かる。
【0069】
さらに(表1)は面ぶれ状態を図5にて説明した測定法と同様にして10回転させて測定した結果をまとめた表であり、本実施形態のように光ディスク片側に安定化ガイド部材を設置した構成のものと、従来の光ディスク全面にガイド部材を設置したものとを比較した。
【0070】
【表1】
【0071】
(表1)にて分かるように、本実施形態の構成では面ぶれの最大幅が略11μmであって、面ぶれのばらつきの3σが3μm程度となる好結果を得られた。
【0072】
本実施形態の安定化ガイド部材8は、装置本体ケースに設置しても、カートリッジ内に内設しても、いずれの場合にも前記のような良好な面ぶれ安定化が得られた。
【0073】
そして、前記構成の本実施形態によるディスクシステムを波長405nm、かつNA0.9の光ピックアップを用いて記録再生を行った。例えば光ディスクにおける記録位置は半径45mmとし、最短記録ビット長を0.12μm、かつランダムなデジタルデータを1−7RLLで変調して記録した。
【0074】
そして、記録線速度は10m/s,記録ピークパワーは5mW,消去パワーは2.6mW,記録ボトムパワーは0.1mWの3値変調,再生は0.25mWで行ったとき、基本クロックと記録信号との間のジッターは8%未満であった。さらに記録信号のエンベロープの乱れもなく、安定したフォーカスおよびトラッキングが行われていた。記録再生ともフォーカスの残留エラーを測定したが、デフォーカス量は±0.12μm以下になっていた。0.8以上の高いNAでは、デフォーカスマージンがきわめて狭く、DVDなどに比べて数分の1しかなく、デフォーカス量を±0.2μm以下にすることが必須である。その意味において本実施形態では十分なフォーカス安定化が行われていたといえる。
【0075】
また、線速度を20m/sに上げて再生を行ってデフォーカスを評価したが、その量は前記と同様に±0.12μm以下であった。従来の高剛性ディスクでは、線速度を上げると、共振などの作用のために面ぶれが増え、デフォーカス量が増えるのに比べると良い結果が得られた。これは、本実施形態において、空気力安定化を用いているために高線速になるほど安定化させる力が大きくなるからである。
【0076】
本実施形態において、空気力安定化を効果的に得るためには各部材における動作タイミングを考慮する必要がある。本実施形態における記録/再生時の動作を図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0077】
すなわち、図示しない中央演算処理回路にスタート信号が入力することによって、スピンドルモータ4が始動して光ディスク1を回転させ(S1)、所定の回転数に達したときに(S2のYES)、安定化ガイド部材8を光ディスク1に対する所定の接近位置まで移動させる(S3)。ここでレーザ変位計などを用いて面ぶれの測定を行って所定の面ぶれ安定範囲に入ったときに(S4のYES)、光ピックアップ6を光ディスク1に対する所定の接近位置まで移動させ(S5)、この時点で記録/再生を開始する(S6)。
【0078】
そして、安定化ガイド部材8を安定化ガイド用位置決め機構9により、また光ピックアップ6をピックアップ用位置決め機構7により連動して、光ピックアップ6と安定化ガイド部材8とが互いに対向するように光ディスク1の半径方向に移動させ(S7)、全信号の記録/再生が終了するまで継続する(S8)。
【0079】
安定化ガイド部材8の形状としては、前記形状のものが基本的なものであるが、図7に示す安定化ガイド部材25のように形成することによって、より面ぶれを安定化させることができた。図7に示す安定化ガイド部材25において、光ディスク1が進入する側を凸形状をなす正圧発生部25aとし、この正圧発生部25aにより突入する空気によって圧縮されて大気圧に比して圧力が高まるため、安定化ガイド部材25と光ディスク1の間に反発力が生じる。また、安定化ガイド部材25の光ディスク1が排出する側を凹形状をなす負圧発生部25bとし、この負圧発生部25bにより流れる空気が急激に膨張して大気圧に比して負圧となるため、安定化ガイド部材25と光ディスク1の間に吸着力が働くようになる。
【0080】
このように安定化ガイド部材25と光ディスク1との間におけるベルヌーイの法則による空気圧の差により生じる吸着力と反発力のバランスのみで光ディスク1の面ぶれを安定化させることができることになる。
【0081】
さらに、安定化ガイド部材25における正圧発生部25aと負圧発生部25bとの境目(ガイド面曲率境界線)に平坦部25cを設けることにより、面ぶれ安定領域の広がりを大きく取れるようにしている。このように安定化ガイド部材25において、反発力と吸着力との両方を発生させて、これらの作用力によって光ディスク1と安定化ガイド部材25との距離を安定化させることができる。
【0082】
なお、安定化ガイド部材8(25)は、図8に示すように、光ディスク1に対向させて周方向に複数箇所に設置することによって、光ディスク1あるいは装置の設計,仕様に適応した光ディスク1の安定状態を適宜設定することが考えられる。
【0083】
本実施形態では、空気力によって面ぶれあるいはチルトを補正することから、必然的に光ディスク1は柔らかく可撓性を有していなければならない。その結果として、安定化ガイド部材で安定化していない領域では、光ディスク1には、CDなどの通常のディスク材料のものに比べて大きな面ぶれが生じ、0.5mm程度までの面ぶれは容易に発生する。この面ぶれを、光ピックアップ6周辺の安定化ガイド部材で一気に5μm以下に収束することは場合によっては困難である。
【0084】
そこで本実施形態では、図8〜図10に示すように、安定化ガイド部材8を、光ディスク1の周方向で、かつ光ピックアップ6の周辺から離した位置にも複数個設置することにより、光ディスク1全体を粗安定化し、主安定面(光ピックアップ6付近)で更なる安定化を図るようにすることにより、装置システム設計のマージンを向上することができた。
【0085】
図8に示すように、光ピックアップ6に対向設置される安定化ガイド部材8を主安定化ガイド部材8aとし、光ピックアップ6から離れて設置された安定化ガイド部材8を副安定化ガイド部材8bとすると、粗安定化のために設置される副安定化ガイド部材8bは、安定化作用においてはそれほどの精密さがある必要はない。0.5mmほどに達する大きな面ぶれを取ればよいので、形状も主として反発力を発生させればよく、単純な球面状の凸形状の作用で十分である。むしろ摺動を発生させない設置構成にすることが必要である。これは、摺動で不要な振動を引き起こさないほうが好ましいからである。このため、粗安定化のための補助ガイドとしての副安定化ガイド部材8bは、光ピックアップ6近傍の主ガイドとしての主安定化ガイド部材8aよりも形状の大きい方が、浮上量が大きくなって好ましい。すなわち、ガイド形状の大きい方(高い,大面積)が浮上量は大きくなる傾向にあるからである。
【0086】
例えば、図9に示すように、主ガイドとしての主安定化ガイド部材8aを直径D1(=約10mm)の円柱状のものとし、補助ガイドとしての副安定化ガイド部材8bの直径D2を主安定化ガイド部材8aよりも大きい直径20mmの円柱とすれば、浮上量は補助ガイドのほうが大きくなる。あるいは、図10に示すように、光ディスク1の設置基準面(図1に示すスピンドルモータ4のスピンドルシャフト2と光ディスク1のハブ3とにおけるチャッキング位置の水平延長線)と両安定化ガイド部材8a,8b間の距離L1,L2を、主安定化ガイド部材8aの距離L1よりも副安定化ガイド部材8bの距離L2の方を長くすることによって、浮上量は補助ガイドの方が大きくなる。このようにしたことによって、副安定化ガイド部材8bにおけるディスク摺動の発生の頻度を小さくすることができる。
【0087】
また、安定化ガイド部材8の形状が、円柱であり、かつ先端が半球形状をしている場合、光ディスク1に平行な断面部位における面積と浮上量とは比例関係がある。そのため前記補助ガイドが大きければ浮上量は大きいところで安定することになる。
【0088】
図1に示す第1実施形態では、安定化ガイド部材8および安定化ガイド用位置決め機構9を装置本体10内における上部に設置している。したがって、使用者は、光ディスク1をカートリッジなしの裸の状態で取り扱うことができる。
【0089】
この場合、光ディスク1は薄いシート1枚であるため、例えば袋に入れて取り扱い、使用するときに取り出して、スピンドルシャフト2にセットして使うようにすることにより、安価な光学的情報記録媒体とすることができる。
【0090】
図11は本発明の第2実施形態を説明するための光学的情報記録/再生装置の概略構成図であり、第2実施形態が第1実施形態と異なる構成は、1枚の光ディスク1を開口窓26,26を設けたディスクカートリッジ27に内蔵し、このディスクカートリッジ27を装置内の所定の位置にセットし、図示しない操作手段によってシャッタ28,28を移動させ、開放された開口窓26,26に安定化ガイド部材8と光ピックアップ6を挿入するように移動して、記録/再生が可能な状態にするようにした点である。
【0091】
ディスクカートリッジ27としては、一般的な構成のものを採用することができるため、コストアップを伴うことはない。
【0092】
図12は本発明の第3実施形態を説明するための光学的情報記録/再生装置の概略構成図であり、第3実施形態では、安定化ガイド部材30をディスクカートリッジ31の内部に設置したものである。この場合、安定化ガイド部材30は、図13に示すように、光ディスク1における径方向に延在させる横長形状であって、第1,第2実施形態のような安定化ガイド用位置決め機構9を不要にしている。この安定化ガイド部材30の作用によって光ディスク1の面ぶれ安定化が第1実施形態にて説明したと同様に生じるようになっており、安定化ガイド部材30によって、最も光ディスク1の面ぶれを安定化することができる領域が、光ピックアップ6の集光点に位置するように安定化ガイド部材30が設置されている。
【0093】
第3実施形態においても、図示しない操作手段によってシャッタ28を移動させ、開放された開口窓26に光ピックアップ6を挿入するように移動して、記録/再生が可能な状態にする。
【0094】
第3実施形態では、安定化ガイド部材30がディスクカートリッジ31に内蔵されるために、装置の全体構成としては剛体基板の光ディスクを用いる従来の装置の構成と略同一にすることができるため、このような剛体基板を用いる光ディスクのシステムとの互換性を取ることが容易になる。
【0095】
図14は本発明に係るディスクカートリッジの実施形態を説明するための平面図、図15は図14におけるA−A線一部断面図であり、第1実施形態の光学的記録/再生装置と同様な装置に使用することが可能なディスクカートリッジである。
【0096】
図14,図15に示すように、ディスクカートリッジ33内には可撓性を有するシート状の光ディスク1が複数枚収納することができ、チェンジャーとして使用することができる構成になっており、収納されている光ディスク1の枚数分、容量を増やすことができる。多数の光ディスク1をディスクカートリッジ33に収納しても、光ディスク1の肉厚が薄いため、ディスクカートリッジ33の全体体積が大きくならない。
【0097】
本実施形態のディスクカートリッジ33は、各光ディスク1の一端部を、光ディスク1を支えるディスクトレイ34に挟んで、重ねた状態で収納する構成になっており、光ディスク1と共にディスクトレイ34を記録/再生装置と、このディスクカートリッジ33間において出し入れすることによってチェンジャー動作を行う。
【0098】
ディスクトレイ34には1枚ごとに異なる位置にディスクトレイ識別部35が突設されており、この異なる位置を検知して出し入れするチェンジャー機構(図示せず)を記録/再生装置側に設置することによって、光ディスクを1枚ごとに区別して出し入れすることを可能にしている。
【0099】
本実施形態では、光ディスク1が薄いためディスク間隔が狭い。このため、記録/再生装置のチェンジャー機構が上下の異なる光ディスク1を区別することができるように、各ディスクトレイ34において、図14に示すように、横方向に異なる位置にディスクトレイ識別部35を設置してある。記録/再生装置側は、この横方向に異なる位置にあるディスクトレイ識別部35を、例えば図示しないアーム部材をディスクトレイ識別部35に形成した孔35aに引っ掛けるようにし、そのアーム部材を移動させることによって、光ディスク1をディスクカートリッジ33に対して出し入れすることができる。ディスクトレイ識別部35を上下に設置する構成に比べて、本実施形態のような構成では、横方向における距離が比較的広いために、識別が容易に行えることになる。
【0100】
このように、図14,図15に示すディスクカートリッジ33は、単にディスクトレイ34を重ねた構造であるため、きわめて簡便な構造となり、しかも小型で大容量なカートリッジとすることができる。
【0101】
なお、前記実施形態の説明では相変化記録層を用いた書換型の光ディスクについて説明したが、本発明は、可撓性を有する光ディスクのガイド安定化における、さらなる高精度化のためのガイド形状と、その記録/再生システムへの応用が可能であるため、エンボスピットを用いる再生型光ディスク、あるいは光磁気型の記録ディスクなどの光を集光して記録再生する他の光ディスクにおいても同様な効果を見込むことができる。
【0102】
また、安定化ガイド部材については、各種形状,構造のものを採用することができ、例えば図16〜図21に示すものを例示することができる。図16(a),(b)に示す安定化ガイド部材40,41は図7にて説明した構成のものであって、凸形状の第1ガイド面40a,41aと、凹形状の第2ガイド面40b,41bと、平坦面40c,41cとから表面形成されており、図16(a)の安定化ガイド部材40は光ピックアップの移動動線に沿って光ディスクの径方向に配設されるものであり、図16(b)の安定化ガイド部材41は光ピックアップの移動動線に沿って光ディスクの径方向に移動可能に設置されるものである。
【0103】
なお、図16(a),(b)に示す安定化ガイド部材40,41において、平坦面40c,41cをなくして、第1ガイド面40a,41aと第2ガイド面40b,41bのみを形成したものであってもよい。
【0104】
図17,図18に示す安定化ガイド部材42,43は、ディスク回転方向の上流側から順に、凸形状の第1ガイド面42a,43aと、平坦面42c,43cと、凸形状の第2ガイド面42b,43bとから表面形成されており、図18(a)の安定化ガイド部材42は光ピックアップの移動動線に沿って光ディスクの径方向に配設されるものであり、図18(b)の安定化ガイド部材43は光ピックアップの移動動線に沿って光ディスクの径方向に移動可能に設置されるものである。
【0105】
なお、図18(a),(b)に示す安定化ガイド部材42,43において、平坦面42c,43cをなくして、第1ガイド面42a,43aと第2ガイド面42b,43bのみを形成したものであってもよく、また、第2ガイド面42b,43bをなくして、第1ガイド面42a,43aと平坦面42c,43cのみを形成したものであってもよい。
【0106】
図19,図20に示す安定化ガイド部材44は、ディスク回転方向の上流側から順に、凸形状で、かつディスク回転方向と直交する方向の面が曲面をなす第1ガイド面44aと、ディスク回転方向と直交する方向の側部が曲面をなす平坦面44cと、凸形状で、かつディスク回転方向と直交する方向の面が曲面をなす第2ガイド面44bを表面形成している。この安定化ガイド部材44は光ピックアップの移動動線に沿って光ディスクの径方向に移動可能に設置されるものである。
【0107】
なお、図19,図20に示す安定化ガイド部材44において、平坦面44cをなくして、第1ガイド面44aと第2ガイド面44bのみを形成したものであってもよく、また、第2ガイド面44bをなくして、第1ガイド面44aと平坦面44cのみを形成したものであってもよい。
【0108】
図21に示す安定化ガイド部材45は、基本的に円柱状のものであって、図4に示す安定化ガイド部材8と同様に、光ディスク1に対向する端面に曲面45aを表面形成したものである。
【0109】
このように、前記各実施形態によれば、可撓性のある光ディスクを安定化ガイド部材の対向位置で回転させたとき、安定化ガイド部材が光ディスクに対して回転方向の上流側で正圧を発生させることにより、その部位において光ディスクと安定化ガイド部材には反発力が働き、ある距離を持って光ディスクが安定化ガイド部材に対して浮上する。さらに回転方向の下流側において安定化ガイド部材の形状を変えて負圧を発生させることで、その部位において光ディスクは安定化ガイド部材側への吸引力を受ける。ただし、光ディスクは、ある程度の剛性を持つため、直ちに安定化ガイド部材に対して当接して摺動することはない。
【0110】
このように、光ディスクは、1個の安定化ガイド部材から反発する空気力を受けた後に、前記空気力とは反対向きの吸引される力を受けることにより、光ディスクと安定化ガイド部材とは、ある一定距離を保ち、かつこの距離が安定しながら光ディスクが回転することになる。したがって、この安定領域に対して記録/再生光を集光することによって、光ディスクにおける面ぶれ,チルトが小さい領域に対して記録再生できることになる。
【0111】
前記安定化のために空気力を用いていること、そして光ディスクを構成する基板を低剛性にしたことから、光ディスク自体を高精度に作成する必要はなく、また、大きな面ぶれをなくすことができることから、記録/再生用の光ピックアップの構成は大きな面ぶれに追従しなくてよくなり、したがって、デフォーカスが減少し、高密度の記録/再生を安定して行うことが可能になる。
【0112】
さらに、このことから、光ピックアップを構成する対物レンズのアクチュエータとしては、低周波数帯域の大きな振幅に対応しない代わりに、アクチュエータ支持用の弾性部材(ばね)として高剛性のものを採用することにより、高域共振が高い周波数側に存在する特性の光ピックアップを構成することができる。このため、サーボ系の動作を高速化することができ、より高線速でもデフォーカス分を抑圧することができることになる。
【0113】
また光ディスクにおいて面ぶれを安定化させた部位よりも、ディスク回転方向上流側および下流側の任意の位置に、ベルヌーイの定理による空気力を作用させない領域を存在させることによって、面ぶれがより効果的に抑圧されることになる。この理由は、可撓性を有する光ディスクを、安定化ガイド部材により変形させて強制的に光の集光点に、光ディスクの安定化領域を生成させることになるため、その安定化領域の前後位置に光ディスクに「逃げ」となる部分を設けた方が、安定化領域での光ディスクの反発力を小さくすることができ、空気力の安定化力の効果が増大するからである。
【0114】
従来の可撓性を有するディスクの全面に対して平板ガイド部材を対向設置させる構成は、ディスク全面に対応させて安定化面を存在させるものであり、ディスクより大きな平板を設置するものであった。したがって、この構成を光ディスクを用いる記録/再生装置に適用すると、面ぶれを安定化させたい部位である光ピックアップの集光点以外の周辺においても光ディスクの面ぶれが安定化することになる。このため、光ディスクにうねりがある場合には、前記集光点付近を安定化させたくても、そのディスク回転方向の前後(上流下流)の位置からの曲げの力が強く作用し、面ぶれの安定化作用が不十分となる可能性がある。
【0115】
また、光ディスクとして可撓性のある基板に記録層を成膜する構成のものでは、その基板は成膜面に対して逆側に反りやすい。したがって、本実施形態のように、光ディスクの基板側において安定化ガイド部材にて空気力によるガイドを行うことによって、基板自体の元に戻る力と、安定化ガイド部材の反発力とによって安定化作用が良好に行えることになる。このことから、本実施形態では、光ディスクの基板側に安定化ガイド部材を配し、記録層側に光ピックアップを配して記録/再生を行う構成にしている。このような構成にしたことによって、万一、光ディスクと光ピックアップとが摺動状態になって、光ディスクに傷が付いたとしても、その傷は記録層側に生じないため、記録/再生エラーの原因にならない。また、このような構成にしたため、記録/再生の光は光ディスクの基板を通らないことになるため、記録/再生特性は傷の影響、および基板の光学特性の影響を受けない。
【0116】
また、本実施形態では、光ディスクは柔らかく可撓性を有しているものを使用しているため、安定化ガイド部材で安定化していない領域では、光ディスクには大きな面ぶれが生じやすい。しかし、この面ぶれを、光ピックアップ周辺の安定化ガイド部材で一気に収束することは困難である。このため、本実施形態では安定化ガイド部材を、光ディスクの周方向で、かつ光ピックアップの周辺から離した位置にも複数個設置することにより、光ディスク全体を粗安定化し、主安定面(光ピックアップ付近)で更なる安定化を図るようにしている。このことにより、装置システム設計のマージンを向上することができる。
【0117】
なお、前記実施形態では光学的記録/再生装置を例にして説明したが、情報記録単機能の装置、あるいは情報再生単機能の装置など、記録および/または再生のため可撓性を有する光ディスクを使用する装置に適用して同一効果を得ることができる。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、可撓性を有するシート状の光ディスクにおける情報の書き込み/読み取りが行われる部位における回転軸方向の面ぶれをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段を備えた装置において、光ディスクの面ぶれを安定化させた部位の前後位置に「逃げ」となる部分を設けたことにより、安定化させた部位における光ディスクの反発力を小さくすることができ、空気力による安定化力の効果が増大するため、安定化させた部位において高密度の書き込みが可能になる。
【0119】
また、前記のように可撓性を有するシート状の光ディスクにおける情報の書き込み/読み取りが行われる部位における回転軸方向の振れを空気流の圧力差によって局部的に安定化させる安定化手段を、光ディスクにおける記録面とは反対側に少なくとも1つ存在させて、記録面側における面ぶれを安定化させた部位から書き込み/読み取りを行うので、光ディスクが安定化手段と摺動して傷がつくことを防止することができると共に、万一、光ディスクが安定化手段と摺動して傷がついたとしても、その傷は記録面には付かないためエラーを発生することがなくなり、例えば光ディスクの記録面とは反対側の基板に傷が付いても記録/再生用の光は基板を通らず、よって、基板の傷の影響、および基板の光学特性の影響を受けることがない。したがって、長期にわたって安定した記録/再生を行うことができ、安定化手段を設置したことによる不具合の発生もない。
【0120】
また、前記装置に使用される可撓性を有するシート状の光ディスクをカートリッジケース内に収納することによって、薄く曲がりやすい光ディスクであっても、その取り扱いが容易になり、また複数枚の光ディスクを収納して大記録容量のものにすることができ、しかもカートリッジ全体として厚くならない等、実際的な効果が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明するための光学的情報記録/再生装置の概略構成図
【図2】本発明の実施形態における光ピックアップを構成する記録手段と再生手段の説明図
【図3】本発明の実施形態における光ディスクの一例を示す断面図
【図4】本発明の実施形態における光ディスクの面ぶれ安定化を説明するための説明図
【図5】図4に示す構成例に対して測定した光ディスクの面ぶれの測定結果を示す図
【図6】本発明の実施形態における記録/再生時の動作に係るフローチャート
【図7】第1実施形態における安定化ガイド部材の変形例を示す説明図
【図8】第1実施形態における安定化ガイド部材の配設例の説明図
【図9】第1実施形態における安定化ガイド部材の配設例の他例を示す説明図
【図10】第1実施形態における安定化ガイド部材の配設例の他例を示す説明図
【図11】本発明の第2実施形態を説明するための光学的情報記録/再生装置の概略構成図
【図12】本発明の第3実施形態を説明するための光学的情報記録/再生装置の概略構成図
【図13】第3実施形態における安定化ガイド部材の配設例の説明図
【図14】本発明のディスクカートリッジの実施形態を説明するための平面図
【図15】図14におけるA−A線一部断面図
【図16】本発明の実施形態における安定化ガイド部材の構成例を示す説明図
【図17】本発明の実施形態における安定化ガイド部材の構成例を示す説明図
【図18】本発明の実施形態における安定化ガイド部材の構成例を示す説明図
【図19】本発明の実施形態における安定化ガイド部材の構成例を示す説明図
【図20】本発明の実施形態における安定化ガイド部材の構成例を示す説明図
【図21】本発明の実施形態における安定化ガイド部材の構成例を示す説明図
【符号の説明】
1 光ディスク
2 スピンドルシャフト
3 ハブ
4 スピンドルモータ
6 光ピックアップ
7 ピックアップ用位置決め機構
8,25,30,40〜45 安定化ガイド部材
8a 主安定化ガイド部材
8b 副安定化ガイド部材
9 安定化ガイド用位置決め機構
10 装置本体
14 レーザ光源
15 対物レンズ
17 光電変換素子
20 光ディスクの記録層
21 光ディスクの基板
25a 安定化ガイド部材の正圧発生部
25b 安定化ガイド部材の負圧発生部
25c 安定化ガイド部材の平坦部
27,33 ディスクカートリッジ
34 ディスクトレイ
35 ディスクトレイ識別部
Claims (45)
- 可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面とは反対面側に設置され、少なくとも光ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる部位における回転軸方向の振れをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備えた光ディスク駆動装置であって、
光ディスクにおける前記安定化手段により面ぶれが安定化される部位のディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域を設けたことを特徴とする光ディスク駆動装置。 - 前記安定化手段が光ディスク方向に突出する突出部材であることを特徴とする請求項1記載の光ディスク駆動装置。
- 前記安定化手段に、ディスク回転方向上流側に大気圧に対して正圧を発生させ、ディスク回転方向下流側に大気圧に対して負圧を発生させる部位を形成したことを特徴とする請求項1または2記載の光ディスク駆動装置。
- 前記安定化手段の突出面における最も突出した部分に、光ディスクの面ぶれを安定化させるための平坦面部を形成したことを特徴とする請求項2または3記載の光ディスク駆動装置。
- 前記安定化手段における平坦面部の少なくともディスク回転方向上流側に円弧状面部を形成したことを特徴とする請求項4記載の光ディスク駆動装置。
- 前記安定化手段を光ディスクの周方向に点在させたことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の光ディスク駆動装置。
- 前記複数の安定化手段において、設置位置によって高さが異なるように設定したことを特徴とする請求項6記載の光ディスク駆動装置。
- 前記複数の安定化手段において、設置位置によって光ディスクと平行な部位の断面面積が異なるように設定したことを特徴とする請求項6または7記載の光ディスク駆動装置。
- 前記安定化手段を光ディスクの径方向に延在させたことを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載の光ディスク駆動装置。
- 前記安定化手段を光ディスク駆動装置における構成部材の一部に設置したことを特徴とする請求項1〜9いずれか1項に記載の光ディスク駆動装置。
- 可撓性を有するシート状の光ディスクを単体で所定のセット部分に装着可能にしたことを特徴とする請求項1〜10いずれか1項に記載の光ディスク駆動装置。
- 可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面に対して光照射して情報の書き込みを行う光学的書込手段と、光ディスクの記録面側とは反対側に設置され、情報の書き込みが行われる光ディスクの部位における回転軸方向の振れを空気流の圧力差によって局部的に安定化させる安定化手段とを備え、前記光学的書込手段と前記安定化手段とを、光ディスクを介して相対向するように設置したことを特徴とする光学的情報記録装置。
- 可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面に対して情報を書き込む光学的書込手段と、この光学的書込手段が設置されている光ディスクの記録面側とは反対側面側に設置され、書き込みが行われる光ディスクの部位における回転軸方向の振れをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備えた光学的情報記録装置であって、
光ディスクにおける前記安定化手段により面ぶれが安定化される部位のディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域を設けたことを特徴とする光学的情報記録装置。 - 前記安定化手段が光ディスク方向に突出する突出部材であることを特徴とする請求項12または13記載の光学的情報記録装置。
- 前記安定化手段に、ディスク回転方向上流側に大気圧に対して正圧を発生させ、ディスク回転方向下流側に大気圧に対して負圧を発生させる部位を形成したことを特徴とする請求項12,13または14記載の光学的情報記録装置。
- 前記安定化手段の突出面における最も突出した部分に、光ディスクの面ぶれを安定化させるための平坦面部を形成したことを特徴とする請求項14または15記載の光学的情報記録装置。
- 前記安定化手段における平坦面部の少なくともディスク回転方向上流側に円弧状面部を形成したことを特徴とする請求項16記載の光学的情報記録装置。
- 前記光学的書込手段と前記安定化手段とを、光ディスクを介して相対向するように設置したことを特徴とする請求項13〜17いずれか1項に記載の光学的情報記録装置。
- 前記安定化手段を光ディスクの周方向に点在させたことを特徴とする請求項12〜18いずれか1項に記載の光学的情報記録装置。
- 前記安定化手段において、前記光学的書込手段に対向する安定化手段を主安定化手段とし、この主安定化手段以外を副安定化手段とし、主安定化手段と副安定化手段とを高さが異なるように設定したことを特徴とする請求項19記載の光学的情報記録装置。
- 前記主安定化手段と光ディスクの設置基準面との距離よりも、前記副安定化手段と光ディスクの設置基準面との距離の方を長く設定したことを特徴とする請求項20記載の光学的情報記録装置。
- 前記安定化手段において、前記光学的書込手段に対向する安定化手段を主安定化手段とし、この主安定化手段以外を副安定化手段とし、主安定化手段と副安定化手段とにおける光ディスクと平行な部位の断面面積が異なるように設定したことを特徴とする請求項19〜21いずれか1項記載の光学的情報記録装置。
- 前記主安定化手段における光ディスクと平行な部位の断面面積よりも、前記副安定化手段における光ディスクと平行な部位の断面面積の方を大きく設定したことを特徴とする請求項22記載の光学的情報記録装置。
- 前記安定化手段を光ディスクの径方向に延在させたことを特徴とする請求項12〜23いずれか1項に記載の光学的情報記録装置。
- 前記光学的書込手段と前記安定化手段との対向関係を維持するために、光ディスクの半径方向に前記光学的書込手段に連動して前記安定化手段を移動させる手段を備えたことを特徴とする請求項12〜24いずれか1項に記載の光学的情報記録装置。
- 前記安定化手段を装置本体内における構成部材の一部に設置したことを特徴とする請求項12〜25いずれか1項に記載の光学的情報記録装置。
- 可撓性を有するシート状の光ディスクを単体で所定のセット部分に装着可能にしたことを特徴とする請求項12〜26いずれか1項に記載の光学的情報記録装置。
- 可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面に対して光照射して情報の読み取りを行う光学的読取手段と、光ディスクの記録面側とは反対側に設置され、情報の読み取りが行われる光ディスクの部位における回転軸方向の振れを空気流の圧力差によって局部的に安定化させる安定化手段とを備え、前記光学的読取手段と前記安定化手段とを、光ディスクを介して相対向するように設置したことを特徴とする光学的情報再生装置。
- 可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、光ディスクの記録面に記録されている情報を読み取る光学的読取手段と、この光学的読取手段が設置されている光ディスクの記録面側とは反対側面側に設置され、読み取りが行われる光ディスクの部位における回転軸方向の振れをベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備えた光学的情報再生装置であって、
光ディスクにおける前記安定化手段により面ぶれが安定化される部位のディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気流の圧力差を生じさせない領域を設けたことを特徴とする光学的情報再生装置。 - 前記安定化手段が光ディスク方向に突出する突出部材であることを特徴とする請求項28または29記載の光学的情報再生装置。
- 前記安定化手段に、ディスク回転方向上流側に大気圧に対して正圧を発生させ、ディスク回転方向下流側に大気圧に対して負圧を発生させる部位を形成したことを特徴とする請求項28,29または30記載の光学的情報再生装置。
- 前記安定化手段の突出面における最も突出した部分に、光ディスクの面ぶれを安定化させるための平坦面部を形成したことを特徴とする請求項30または31記載の光学的情報再生装置。
- 前記安定化手段における平坦面部の少なくともディスク回転方向上流側に円弧状面部を形成したことを特徴とする請求項32記載の光学的情報再生装置。
- 前記光学的読取手段と前記安定化手段とを、光ディスクを介して相対向するように設置したことを特徴とする請求項29〜33いずれか1項に記載の光学的情報再生装置。
- 前記安定化手段を光ディスクの周方向に点在させたことを特徴とする請求項28〜34いずれか1項に記載の光学的情報再生装置。
- 前記安定化手段において、前記光学的読取手段に対向する安定化手段を主安定化手段とし、この主安定化手段以外を副安定化手段とし、主安定化手段と副安定化手段とを高さが異なるように設定したことを特徴とする請求項35記載の光学的情報再生装置。
- 前記主安定化手段と光ディスクの設置基準面との距離よりも、前記副安定化手段と光ディスクの設置基準面との距離の方を長く設定したことを特徴とする請求項36記載の光学的情報再生装置。
- 前記安定化手段において、前記光学的読取手段に対向する安定化手段を主安定化手段とし、この主安定化手段以外を副安定化手段とし、主安定化手段と副安定化手段とにおける光ディスクと平行な部位の断面面積が異なるように設定したことを特徴とする請求項35〜37いずれか1項記載の光学的情報再生装置。
- 前記主安定化手段における光ディスクと平行な部位の断面面積よりも、前記副安定化手段における光ディスクと平行な部位の断面面積の方を大きく設定したことを特徴とする請求項38記載の光学的情報再生装置。
- 前記安定化手段を光ディスクの径方向に延在させたことを特徴とする請求項28〜39いずれか1項に記載の光学的情報再生装置。
- 前記光学的読取手段と前記安定化手段との対向関係を維持するために、光ディスクの半径方向に光学的読取手段に連動して前記安定化手段を移動させる手段を備えたことを特徴とする請求項28〜40いずれか1項に記載の光学的情報再生装置。
- 前記安定化手段を装置本体内における構成部材の一部に設置したことを特徴とする請求項28〜41いずれか1項に記載の光学的情報再生装置。
- 可撓性を有するシート状の光ディスクを単体で所定のセット部分に装着可能にしたことを特徴とする請求項28〜42いずれか1項に記載の光学的情報再生装置。
- カートリッジケース内に、請求項1〜10いずれか1項に記載の光ディスク駆動装置、または請求項12〜26いずれか1項に記載の光学的情報記録装置、または請求項28〜42いずれか1項に記載の光学的情報再生装置に用いられる光ディスクを少なくとも1枚収納したことを特徴とするディスクカートリッジ。
- 前記カートリッジケースに、請求項1〜9いずれか1項に記載の光ディスク駆動装置、または請求項12〜25いずれか1項に記載の光学的情報記録装置、または請求項28〜41いずれか1項に記載の光学的情報再生装置における安定化手段を設けたことを特徴とする請求項44記載のディスクカートリッジ。
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