JP4186445B2 - Oa機器用ウレタンウレア部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、OA(オフィス・オートメイション:Office Automation )機器の各種部材として用いられるOA機器用ウレタンウレア部材に関するものであり、詳しくは電子写真複写機のクリーニングブレードや層形成ブレード、給紙搬送ロール、帯電ロール、現像ロール、転写ロール、定着ロール等の各種ロールや中間転写ベルト等の無端ベルトとして用いられるOA機器用ウレタンウレア部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、OA機器用の各種部材、例えば、クリーニングブレードの形成材料としては耐摩耗性等に優れていることからポリウレタンエラストマーが用いられている。そして、さらに耐摩耗性、耐欠け性を向上させるために、種々の提案がなされている。例えば、▲1▼ポリマーのソフトセグメントの規則性(結晶性)を乱すことにより、上記特性を向上させる(特開平8−44264号公報)、▲2▼ウレタン表面の低摩擦化を図ることにより上記特性を向上させる等の手法があげられる。上記▲2▼としては、具体的には、クリーニングブレード形成材料に潤滑剤を添加する(特開平7−306616号公報、特開平5−158389号公報、特開平5−173464号公報等)、クリーニングブレード表面をコーティングする(特開平4−260084号公報、特開平4−212190号公報等)等があげられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記▲1▼の手法では、形成材料の粘度が上昇してしまい、加工性が低下するという問題が生じる。また、上記▲2▼の手法では、クリーニングブレードの成形工程数が増加し煩雑になるという問題が生じる。このように、クリーニングブレードの耐摩耗性、耐欠け性の向上を図るための従来の各種提案では、上記のような問題が生じるため、このような問題が生じることなく上記特性の向上を図ることが要望されていた。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、加工性に優れた形成材料を用いて煩雑な工程を経由することなく、優れた耐摩耗性および耐欠け性を有するOA機器用ウレタンウレア部材の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の(A)〜(C)を備えるウレタンウレアイミド組成物を所定形状に硬化させてなるという構成、もしくは下記の(D)〜(F)を備えるウレタンウレアイミド組成物を所定形状に硬化させてなるという構成をとる。
(A)イソシアネート系化合物およびイミド変性イソシアネート系化合物の混合物。
(B)ポリオール。
(C)ジアミノ化合物。
(D)イソシアネート系化合物とポリオールとを用いてなるプレポリマー。
(E)酸無水物。
(F)ジアミノ化合物。
【0006】
すなわち、本発明者らは、加工性に優れ煩雑な工程を経由することなく、耐摩耗性および耐欠け性に優れたOA機器用ウレタンウレア部材を得るために鋭意検討を重ねた。その結果、ウレタンウレア部材の形成材料として、上記(A)と(B)と(C)とを備えたウレタンウレアイミド組成物を用いると反応過程において二酸化炭素が発生しないために、もしくは上記(D)と(E)と(F)とを備えたウレタンウレアイミド組成物を用いると反応過程において二酸化炭素を前もって発生させるために、それぞれ得られる硬化物は無発泡で強度的に優れ、結果、耐摩耗性および耐欠け性に優れたOA機器用ウレタンウレア部材が得られることを見出し本発明に到達した。
【0007】
また、上記ポリオール(B)として、変性シリコーンオイルおよび変性パーフルオロエーテルの少なくとも一方を用いると、摩擦係数の低下が図れる。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0009】
本発明のOA機器用ウレタンウレア部材は、イソシアネート系化合物およびイミド変性イソシアネート系化合物の混合物(A)と、ポリオール(B)と、ジアミノ化合物(C)とを備えたウレタンウレアイミド組成物を用いて所定の各種形状に成形されてなるものである。
【0010】
上記イソシアネート系化合物およびイミド変性イソシアネート系化合物の混合物(A)は、例えば、無溶媒下、イソシアネート系化合物と酸無水物とをイソシアネート系化合物過剰の状態で反応させることにより得られる。
【0011】
上記イソシアネート系化合物としては、特に限定するものではなく、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、3,3′−ビトリレン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4−TDIの二量体)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、カルボジイミド変性MDI、オルトトルイジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等のジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート等のトリイソシアネート、ポリメリックMDI等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、加工性、機械的強度の観点から、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が好適に用いられる。
【0012】
上記酸無水物としては、特に限定するものではなく、例えば、無水ピロメリット酸(APA)、4,4′−ビフタル酸無水物(BiPA)、4,4′−オキシジフタル酸無水物(ODPA)、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物(DPSA)、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、機械的強度の観点から、無水ピロメリット酸(APA)が好適に用いられる。
【0013】
上記イソシアネート系化合物(a1)と酸無水物(a2)の配合割合は、モル比で、a1/a2=100/50〜100/0.1の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくはa1/a2=100/35〜100/5の範囲である。すなわち、酸無水物(a2)が50を超え多くなると、得られるイソシアネート系化合物およびイミド変性イソシアネート系化合物の混合物(A)の粘度が高くなり注型成形が困難となる傾向がみられる。また、酸無水物(a2)が0.1未満では、イミド変性が不充分でウレタンの充分な耐熱性が得られ難いからである。
【0014】
上記イソシアネート系化合物(a1)と酸無水物(a2)との反応により得られた、イソシアネート系化合物およびイミド変性イソシアネート系化合物の混合物(A)における、両者の混合割合は、上記イソシアネート系化合物(a1)と酸無水物(a2)の配合割合に基づき設定される。具体的には、イソシアネート系化合物/イミド変性イソシアネート系化合物=0/100〜99.8/0.2の範囲に設定されることが好ましい。そして、上記化合物の反応により得られた混合物(A)中のイソシアネート系化合物およびイミド変性イソシアネート系化合物の混合割合は、例えば、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定することができる。
【0015】
上記混合物(A)とともに用いられるポリオール(B)としては、特に限定するものではなく、例えば、ポリエチレンアジペート(PEA),ポリブチレンアジペート(PBA),ポリヘキシレンアジペート等のポリエステル系ポリオール、ポリカプロラクトン,ポリカーボネート,ポリプロピレングリコール(PPG),ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG),ポリオキシプロピレングリコール等のポリエーテル系ポリオール、変性シリコーンオイル、変性パーフルオロエーテル等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、耐摩耗性や低摩擦性に優れるという点から、ポリブチレンアジペート(PBA)、変性シリコーンオイル、変性パーフルオロエーテルを用いることが好ましい。また、加工性の点で、常温で液状のポリオールを用いることが好ましい。
【0016】
上記ポリオール(B)の数平均分子量(Mn)は、500〜5000の範囲が好ましく、特に好ましくは1000〜3000である。すなわち、上記ポリオール(B)のMnが500未満であると、注型成形により得られるOA機器用部材(クリーニングブレード、各種ロール等)の物性が低下する傾向がみられ、逆にMnが5000を超えると、作業性が悪くなる傾向がみられるからである。
【0017】
上記イソシアネート系化合物およびイミド変性イソシアネート系化合物の混合物(A)とポリオール(B)の配合割合(A/B)は、モル比で、A/B=1.5/1〜5/1の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは2.2/1〜3.9/1である。すなわち、A/B比が1.5/1より小さくなるとイソシアネート系化合物と鎖延長剤で形成されるハードセグメント含量が少なくなり、機械強度が低下する傾向がみられる。また、A/B比が5/1より大きくなると、ハードセグメント含量が多くなりすぎて硬度が高くなり、ゴム弾性が得られ難くなるからである。
【0018】
上記混合物(A)およびポリオール(B)とともに用いられるジアミノ化合物(C)としては、特に限定するものではないが、分子構造中に芳香族炭化水素基を有するものが好ましく、例えば、下記の式(1)で表される2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、トリメチレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチル−5,5′−ジメチルジフェニルメタン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、加工性に優れる点で、2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンが好適に用いられる。
【0019】
【化1】
【0020】
上記ジアミノ化合物(C)の配合割合は、上記ポリオール(B)100重量部(以下「部」と略す)に対して、0.1〜75部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.5〜35部である。すなわち、上記ジアミノ化合物(C)が0.1部未満であると、高強度が得られず、逆に75部を超えると、可撓性が得られないおそれがあるからである。
【0021】
なお、上記ウレタンウレアイミド組成物には、上記イソシアネート系化合物およびイミド変性イソシアネート系化合物の混合物(A)、ポリオール(B)、ジアミノ化合物(C)に加え、必要に応じて、鎖延長剤、触媒、界面活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、可塑剤、安定剤、離型剤、電気抵抗調整剤等を適宜配合して用いることも可能である。
【0022】
上記鎖延長剤としては、例えば、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール等の、分子量300以下のポリオール等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0023】
上記触媒としては、第三級アミン等のアミン系化合物、有機錫化合物等の有機金属化合物等があげられる。なかでも、アミン系化合物が好適に用いられる。
【0024】
上記第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン等のトリアルキルアミン;N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン等のテトラアルキルジアミン;ジメチルエタノールアミン等のアミノアルコール;エトキシル化アミン;エトキシル化ジアミン;ビス(ジエチルエタノールアミン)アジペート等のエステルアミン;トリエチレンジアミン;N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等のシクロヘキシルアミン誘導体;N−メチルモルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルモルホリン等のモルホリン誘導体;N,N′−ジエチル−2−メチルピペラジン、N,N′−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジン等のピペラジン誘導体等があげられる。
【0025】
上記有機錫化合物としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)等のジアルキル錫化合物や、2−エチルカプロン酸第1錫、オレイン酸第1錫等があげられる。
【0026】
上記ウレタンウレアイミド組成物は、上記各材料を用い、例えばつぎのように調製して各種OA機器用部材の成形材料として用いられる。すなわち、まず、無溶媒下、イソシアネート系化合物と酸無水物とを上記所定の割合となるイソシアネート系化合物過剰の状態で反応させることによりイソシアネート系化合物およびイミド変性イソシアネート系化合物の混合物(A)を調製する。一方、ポリオール(B)、ジアミノ化合物(C)および必要に応じて他の添加剤を配合して減圧下で攪拌しながら脱泡脱水し硬化剤液を調製する。つぎに、予め上記イソシアネート系化合物およびイミド変性イソシアネート系化合物の混合物(A)を減圧脱泡し、これを上記硬化剤液に添加し、減圧下で攪拌混合してウレタンウレアイミド組成物を調製する。ついで、このウレタンウレアイミド組成物を予め加熱された所定の成形用金型に注型して硬化させた後、上記成形用金型から成形物を脱型し、さらに、2次硬化として100〜120℃の温度で硬化反応を行うことによりウレタンウレアイミド組成物を用いてなるOA機器用の各種部材を製造することができる。
【0027】
例えば、クリーニングブレードを作製する場合は、予め加熱され、取付用板金が設置された成形用金型にウレタンウレアイミド組成物を注型して硬化させた後、上記成形用金型から成形物を脱型する。さらに、上記と同様、加熱して2次硬化させることによりクリーニングブレードを作製する。または、遠心成形によっても作製することができる。
【0028】
そして、OA機器用ウレタンウレア部材として上記クリーニングブレード以外の他の部材、例えば、給紙搬送ロール等の各種ロールや中間転写ベルト等の製造に関しても、上記ウレタンウレアイミド組成物を用い、それぞれの成形用金型を準備し、先に述べたと同様、注型成形や遠心成形により作製することができる。
【0029】
上記イソシアネート系化合物およびイミド変性イソシアネート系化合物の混合物(A)の反応は、無溶媒下はもちろん、窒素等の不活性雰囲気下にて130〜170℃の高温条件下で行われることが好ましい。
【0030】
さらに、上記イソシアネート系化合物およびイミド変性イソシアネート系化合物の混合物(A)の製造工程では、上記イソシアネート系化合物、酸無水物以外に、必要に応じて、他の添加剤を適宜配合することもできる。
【0031】
上記他の添加剤としては、先に述べた、鎖延長剤、触媒、界面活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、可塑剤、安定剤、離型剤、電気抵抗調整剤等が用いられる。
【0032】
上記イソシアネート系化合物およびイミド変性イソシアネート系化合物の混合物(A)を予め減圧脱泡する際の減圧条件としては、133.32〜2666.4Paの範囲に設定することが好ましい。
【0033】
上記ポリオール(B)、ジアミノ化合物(C)および必要に応じて他の添加剤を配合して減圧下で攪拌しながら脱泡脱水し硬化剤液を調製する際の減圧条件としては、133.32〜2666.4Paの範囲に設定することが好ましい。
【0034】
上記混合物(A)を硬化剤液に添加し混合攪拌する際の減圧条件としては、133.32〜2666.4Paの範囲に設定することが好ましい。
【0035】
なお、上記ウレタンウレアイミド組成物は、上記混合物(A)、ポリオール(B)およびジアミノ化合物(C)を予め減圧脱泡した後、ジメチルホルムアミド(DMF)等の溶剤にそれぞれ溶解させて、これらを常圧下で混合攪拌することにより調製しても差し支えない。
【0036】
もしくは、本発明のOA機器用ウレタンウレア部材は、イソシアネート系化合物とポリオールとを用いてなるプレポリマー(D)と、酸無水物(E)と、ジアミノ化合物(F)とを備えたウレタンウレアイミド組成物を用いて所定の各種形状に成形されてなるものである。
【0037】
上記プレポリマー(D)に用いられるイソシアネート系化合物としては、特に限定はないが、前記混合物(A)に用いられるイソシアネート系化合物と同様のものがあげられる。
【0038】
また、上記プレポリマー(D)に用いられるポリオールとしては、特に限定はないが、前記ポリオール(B)と同様のものがあげられる。なかでも、耐摩耗性に優れる点で、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールが好適に用いられる。
【0039】
上記プレポリマー(D)に用いられるイソシアネート系化合物とポリオールとの混合モル比は、通常、イソシアネート系化合物/ポリオール=1.2/1〜11/1の範囲である。
【0040】
上記プレポリマー(D)とともに用いられる酸無水物(E)としては、特に限定はないが、前記混合物(A)の作製に用いられるものと同様のものがあげられる。なかでも、機械的強度に優れる点で、無水ピロメリット酸(APA)が好適に用いられる。
【0041】
上記プレポリマー(D)と酸無水物(E)との重量混合比は、D/E=100/0.8〜100/30の範囲が好ましく、特に好ましくはD/E=100/9〜100/25である。すなわち、酸無水物(E)の重量混合比が0.8未満であると、イミド変性が不充分でウレタンの充分な耐熱性が得られ難く、逆に酸無水物(E)の重量混合比が30を超えると、イミド含有量が多くなりすぎて硬度が高くなり、ゴム弾性が得られにくくなるからである。
【0042】
上記プレポリマー(D)および酸無水物(E)とともに用いられるジアミノ化合物(F)としては、特に限定はないが、前記ジアミノ化合物(C)と同様のものがあげられる。
【0043】
上記プレポリマー(D)は、ジメチルホルムアミド(DMF)等の溶剤に溶解させて、プレポリマー溶液として使用することが好ましい。また、上記酸無水物(E)も、DMF等の溶剤に溶解させて、酸無水物溶液として使用することが好ましい。さらに、上記ジアミノ化合物(F)も、DMF等の溶剤に溶解させて、ジアミン溶液として使用することが好ましい。
【0044】
そして、上記OA機器用ウレタンウレア部材は、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、所定の条件(好ましくは、80℃で1時間)にて真空脱泡脱水したポリオールに対し、イソシアネート系化合物を添加し、窒素雰囲気下で所定の条件(好ましくは、80℃で3時間)にて反応させ、NCO末端のプレポリマー(D)を得る。ついで、このプレポリマー(D)をDMF等の溶剤に溶解させ、プレポリマー溶液を調製する。一方、無水ピロメリット酸(APA)等の酸無水物(E)をDMF等の溶剤に溶解させ、酸無水物溶液を調製する。また、上記ジアミノ化合物(F)をDMF等の溶剤に溶解させ、ジアミン溶液を調製する。そして、上記プレポリマー溶液と、上記酸無水物溶液と、上記ジアミン溶液とを、窒素雰囲気下で所定の条件(好ましくは、110℃で2.5時間)にて混合攪拌しながら反応させ、その後、必要に応じて、電気抵抗調整剤を添加し、ウレタンウレアイミド溶液を調製する。ついで、このウレタンウレアイミド溶液を用いて、前記と同様にして、OA機器用の各種ウレタンウレア部材を製造することができる。
【0045】
例えば、中間転写ベルト等の無端ベルトを作製する場合は、上記ウレタンウレアイミド溶液を円筒金型内に注入し、所定の条件にて遠心成形した後、蓋を取り外して脱型することにより作製することができる。
【0046】
本発明のOA機器用部材としては、例えば、電子写真複写機のクリーニングブレードや層形成ブレード、給紙搬送ロール等の各種ロールや中間転写ベルト等の無端ベルト等があげられる。
【0047】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0048】
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す、イソシアネート系化合物とイミド変性イソシアネート系化合物の混合物を調製した。
【0049】
〔混合物Aの調製〕
イソホロンジイソシアネート(IPDI)88.8部と無水ピロメリット酸(APA)21.8部とを、窒素雰囲気下、150℃で5時間攪拌しながら反応させることにより、イソシアネート系化合物とイミド変性イソシアネート系化合物の混合物Aを調製した。なお、イソシアネート成分(IPDI)と酸無水物(APA)の配合割合はモル比で100/25であった。
【0050】
〔混合物Bの調製〕
IPDI44.4部と4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)50部と無水ピロメリット酸(APA)21.8部とを、窒素雰囲気下、150℃で5時間攪拌しながら反応させることにより、イソシアネート系化合物とイミド変性イソシアネート系化合物の混合物Bを調製した。なお、イソシアネート成分(IPDI+MDI)と酸無水物(APA)の配合割合はモル比で100/25であった。
【0051】
〔混合物Cの調製〕
MDI100部と、APA5.2部とを、窒素雰囲気下、150℃で5時間攪拌しながら反応させることにより、イソシアネート系化合物とイミド変性イソシアネート系化合物の混合物Cを調製した。なお、MDIとAPAの配合割合はモル比で100/6であった。
【0052】
〔混合物Dの調製〕
IPDI88.8部とAPA43.6部とを、窒素雰囲気下、150℃で5時間攪拌しながら反応させることにより、イソシアネート系化合物とイミド変性イソシアネート系化合物の混合物Dを調製した。なお、IPDIとAPAの配合割合はモル比で100/50であった。
【0053】
〔混合物Eの調製〕
MDI100部とAPA0.09部とを、窒素雰囲気下、150℃で5時間攪拌しながら反応させることにより、イソシアネート系化合物とイミド変性イソシアネート系化合物の混合物Eを調製した。なお、MDIとAPAの配合割合はモル比で100/0.1であった。
【0054】
【実施例1】
ポリブチレンアジペート(PBA)(日本ポリウレタン工業社製のニッポラン4010)100部と、無水ピロメリット酸(APA)11部と、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)30部とを配合し、DMF200部中で窒素雰囲気下110℃で2.5時間混合攪拌しながら反応させた後、2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン6部を添加し、窒素雰囲気下110℃で2.5時間混合攪拌しながら反応させることにより、ウレタンウレアイミド組成物を調製した。
【0055】
そして、このウレタンウレアイミド組成物を140℃に予熱された金型で遠心成形した後、続いて2次硬化(110℃×12時間)を行うことにより、ウレタンウレアイミドシートを作製した。また、板金に上記ウレタンウレアイミドシートを貼り付ける後接着法にてクリーニングブレードを作製した。
【0056】
【実施例2】
ポリブチレンアジペート(PBA)(日本ポリウレタン工業社製のニッポラン4010、Mn:2000)100部と、2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン7.5部とを配合し、150℃で1時間加熱して、ジアミノ化合物(2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン)をポリオールに溶解させた。ついで、トリメチロールプロパン(TMP)4部を添加し、減圧下(666.6Pa)で攪拌しながら、80℃で20分間脱泡脱水した後、予め80℃で20分間減圧脱泡(666.6Pa)した上記混合物A47部を添加し、60秒間攪拌混合してウレタンウレアイミド組成物Aを調製した。
【0057】
そして、このウレタンウレアイミド組成物Aを、140℃に予熱されたシート成形用金型に注型して成形した後、脱型し、続いて2次硬化(110℃×12時間)を行うことにより、ウレタンウレアイミドシートを作製した。
【0058】
また、上記ウレタンウレアイミド組成物Aを、140℃に予熱されたクリーニングブレード成形用金型に注型して成形した後、脱型し、続いて2次硬化(110℃×12時間)を行うことにより、板金との一体成形体であるクリーニングブレードを作製した。
【0059】
【実施例3】
上記混合物Aに代えて上記混合物Bを用いる以外は、実施例2と同様にしてウレタンウレアイミド組成物Bを調製した。そして、このウレタンウレアイミド組成物Bを用いて、実施例2と同様にしてウレタンウレアイミドシートおよびクリーニングブレードを作製した。
【0060】
【実施例4】
2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを22.4部に増量するとともに、上記混合物A47部に代えて上記混合物C45部を用いる以外は、実施例2と同様にしてウレタンウレアイミド組成物Cを調製した。そして、このウレタンウレアイミド組成物Cを用いて、実施例2と同様にしてウレタンウレアイミドシートおよびクリーニングブレードを作製した。
【0061】
【実施例5】
変性シリコーンオイル(東レダウコーニングシリコーン社製のカルビノール変性シリコーンオイルSF8427、Mn:2400)100部と、2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン1.9部とを配合し、150℃で1時間加熱して、ジアミノ化合物(2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン)をポリオールに溶解させた。ついで、トリメチロールプロパン(TMP)2部を添加し、減圧下(666.6Pa)で攪拌しながら、80℃で20分間脱泡脱水した後、予め80℃で20分間減圧脱泡(666.6Pa)した上記混合物D47部を添加し、60秒間攪拌混合してウレタンウレアイミド組成物Dを調製した。そして、このウレタンウレアイミド組成物Dを用いて、実施例2と同様にしてウレタンウレアイミドシートおよびクリーニングブレードを作製した。
【0062】
【実施例6】
ポリブチレンアジペート(PBA)(日本ポリウレタン工業社製のニッポラン4010、Mn:2000)100部と、2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン33.6部とを配合し、150℃で1時間加熱して、ジアミノ化合物(2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン)をポリオールに溶解させた。ついで、トリメチロールプロパン(TMP)2部を添加し、減圧下(666.6Pa)で攪拌しながら、80℃で20分間脱泡脱水した後、予め80℃で20分間減圧脱泡(666.6Pa)した上記混合物E47部を添加し、60秒間攪拌混合してウレタンウレアイミド組成物Eを調製した。そして、このウレタンウレアイミド組成物Eを用いて、実施例2と同様にしてウレタンウレアイミドシートおよびクリーニングブレードを作製した。
【0063】
【比較例1】
ポリブチレンアジペート(PBA)(日本ポリウレタン工業社製のニッポラン4010)100部と、1,4−BD6部と、TMP4部とを配合し、減圧下(666.6Pa)で攪拌しながら、80℃で20分間脱泡脱水した後、これにIPDI38部を添加し、60秒間攪拌混合してウレタン組成物aを調製した。そして、このウレタン組成物aを用いて、実施例2と同様にしてウレタンシートおよびクリーニングブレードを作製した。
【0064】
【比較例2】
IPDI38部に代えて、MDI44部を用いる以外は、比較例1と同様にしてウレタン組成物bを調製した。そして、このウレタン組成物bを用いて、実施例2と同様にしてウレタンシートおよびクリーニングブレードを作製した。
【0065】
このようにして得られた実施例のウレタンウレアイミドシート,クリーニングブレード、および比較例のウレタンシート,クリーニングブレードを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1に併せて示した。
【0066】
〔引張強さ(TB )〕
JIS K 6251に準じて、各ウレタンウレアイミドシート(ウレタンシート)の引張強さ(TB )を、25℃および50℃の各温度にて測定した。
【0067】
〔耐摩耗性〕
各クリーニングブレードを市販のレーザープリンター(LBP)に組み込み、常温常湿環境下(25℃×60%RH)にて、A4サイズで3万枚画出ししたのち、走査型電子顕微鏡にてクリーニングブレードのエッジ部の摩耗量を観察し、摩耗した部分の断面積(Uμm2 )と、先端部の単位長さ(Xμm)を測定し、数式:W=U×Xにより、摩耗量(Wμm3 )を算出した。なお、この摩耗量が小さいほど、耐摩耗性に優れているといえる。そして、この摩耗量が50μm3 未満のものを○、50μm3 以上のものを×として評価した。
【0068】
〔耐エッジ欠け性〕
各クリーニングブレードを市販のレーザープリンター(LBP)に組み込み、低温低湿環境下(15℃×10%RH)にて、A3サイズで3万枚画出しを行った。そして、上記3万枚画出し後のクリーニングブレードのエッジ部の欠けの有無を、走査型電子顕微鏡を用いて倍率500倍で観察した。そして、欠けがないものを○、欠けがあるものを×として評価した。
【0069】
【表1】
【0070】
上記結果から、実施例品は、いずれも耐摩耗性および耐エッジ欠け性に優れたものであった。また、25℃はもちろん50℃の高温下でも引張強さが高く摩擦熱等においても強度的に優れていることがわかる。
【0071】
これに対して比較例品は、いずれも耐摩耗性および耐エッジ欠け性に劣るものであった。そして、引張強さに関して25℃では良好な値が得られたが、50℃の高温ではその値が著しく低下した。
【0072】
【実施例7】
まず、前記と同様にして、ウレタンウレアイミド組成物Aを調製した。そして、このウレタンウレアイミド組成物Aを、層形成用ブレート成形用金型に注型して上記クリーニングブレードと同様の条件にて層形成ブレードを作製した。
【0073】
【実施例8〜11、比較例3,4】
ウレタンウレアイミド組成物Aに代えて、後記の表2に示す、ウレタンウレアイミド組成物もしくはウレタン組成物を用いる以外は、実施例7と同様にして、層形成ブレードを作製した。
【0074】
このようにして得られた実施例および比較例の層形成ブレードを用いて、下記の基準に従い耐摩耗性の評価を行った。その結果を後記の表2に示した。
【0075】
〔耐摩耗性〕
各層形成ブレードをヒューレットパッカード社製のレーザービームプリンターLJ4000の現像機に組み込み、文字画像を1枚(A4印字部分5%原稿使用)画出し毎に、数秒間停止させる方法で6000枚耐久試験を行った後、層形成ブレード表面に生じた摩耗深さを、表面粗さ計サーフコム(東京精密社製)で測定した。その結果、摩耗深さが20μm以下であったものに○、20μmを超えていたものに×をつけた。
【0076】
【表2】
【0077】
上記結果から、実施例品の層形成ブレードは、耐摩耗性に優れたものであり良好なOA機器用ウレタンウレア部材が得られたことがわかる。これに対して、比較例品は、耐摩耗性に劣っていた。
【0078】
【実施例12】
まず、前記と同様にして、ウレタンウレアイミド組成物Aを調製した。そして、このウレタンウレアイミド組成物Aを、円筒状軸体が配設されたロール成形用金型に注型して上記クリーニングブレードと同様の条件にて給紙ロールを作製した。
【0079】
【実施例13〜16、比較例5,6】
ウレタンウレアイミド組成物Aに代えて、後記の表3に示す、ウレタンウレアイミド組成物もしくはウレタン組成物を用いる以外は、実施例12と同様にして、給紙ロールを作製した。
【0080】
このようにして得られた実施例および比較例の給紙ロールを用いて、下記の基準に従い耐摩耗性の評価を行った。その結果を後記の表3に示した。
【0081】
〔耐摩耗性〕
各給紙ロールを市販の複写機に装着して、常温常湿環境下で6万枚の実機耐久評価を行った。評価前後の外径を測定し、外径変化が60μm未満のものを○、60μm以上のものを×とした。
【0082】
【表3】
【0083】
上記結果から、実施例品の給紙ロールは、耐摩耗性に優れたものであり良好なOA機器用ウレタンウレア部材が得られたことがわかる。これに対して、比較例品は、耐摩耗性に劣っていた。
【0084】
〔ウレタンウレアイミド組成物A′の調製〕
ウレタンウレアイミド組成物Aに電気抵抗調整剤(日本カーリット社製のLR−147)1部を添加して、ウレタンウレアイミド組成物A′を調製した。
【0085】
〔ウレタンウレアイミド組成物B′の調製〕
ウレタンウレアイミド組成物Bに電気抵抗調整剤(日本カーリット社製のLR−147)1部を添加して、ウレタンウレアイミド組成物B′を調製した。
【0086】
〔ウレタンウレアイミド組成物C′の調製〕
ウレタンウレアイミド組成物Cに電気抵抗調整剤(日本カーリット社製のLR−147)1部を添加して、ウレタンウレアイミド組成物C′を調製した。
【0087】
〔ウレタンウレアイミド組成物D′の調製〕
ウレタンウレアイミド組成物Dに電気抵抗調整剤(日本カーリット社製のLR−147)1部を添加して、ウレタンウレアイミド組成物D′を調製した。
【0088】
〔ウレタンウレアイミド組成物E′の調製〕
ウレタンウレアイミド組成物Eに電気抵抗調整剤(日本カーリット社製のLR−147)1部を添加して、ウレタンウレアイミド組成物E′を調製した。
【0089】
〔ウレタン組成物a′の調製〕
ウレタン組成物aに電気抵抗調整剤(日本カーリット社製のLR−147)1部を添加して、ウレタン組成物a′を調製した。
【0090】
〔ウレタン組成物b′の調製〕
ウレタン組成物bに電気抵抗調整剤(日本カーリット社製のLR−147)1部を添加して、ウレタン組成物b′を調製した。
【0091】
【実施例17】
上記ウレタンウレアイミド組成物A′を、140℃に予熱した遠心成形機に注型して中間転写ベルトを成形し、上記クリーニングブレードと同様の条件にて2次硬化を行い中間転写ベルトを作製した。
【0092】
【実施例18〜21、比較例7,8】
ウレタンウレアイミド組成物A′に代えて、後記の表4に示す、ウレタンウレアイミド組成物もしくはウレタン組成物を用いる以外は、実施例17と同様にして、中間転写ベルトを作製した。
【0093】
このようにして得られた実施例および比較例の中間転写ベルトを用いて、下記の基準に従い耐久性の評価を行った。その結果を後記の表4に示した。
【0094】
〔耐久性〕
市販のカラー複写機の中間転写ユニットを取り出し、回転試験を720時間行った。その間、安定して正常に回転したものを○、ベルト内面が摩擦しその摩擦粉によるベルトの滑りが発生したものを×とした。
【0095】
【表4】
【0096】
上記結果から、実施例品の中間転写ベルトは、耐久性に優れたものであり良好なOA機器用ウレタンウレア部材が得られたことがわかる。これに対して、比較例品は、耐久性に劣っていた。
【0097】
〔プレポリマー溶液Aの調製〕
80℃にて1時間真空脱泡脱水したポリブチレンアジペート(PBA)(日本ポリウレタン工業社製のニッポラン4009、Mn:1000)100部に対し、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)58部を添加し、窒素雰囲気下で80℃にて3時間反応させ、NCO末端のプレポリマーを得た。ついで、これをジメチルホルムアミド(DMF)300部に溶解させ、プレポリマー溶液(NCO%:7重量%)を調製した。
【0098】
〔プレポリマー溶液Bの調製〕
ポリブチレンアジペート(PBA)(日本ポリウレタン工業社製のニッポラン4009、Mn:1000)に代えて、ポリカーボネートジオール(PCD)(日本ポリウレタン工業社製のニッポラン981、Mn:1000)を用いた。それ以外は、上記プレポリマー溶液Aと同様にして、プレポリマー溶液(NCO%:7重量%)を調製した。
【0099】
〔酸無水物溶液の調製〕
酸無水物である無水ピロメリット酸(APA)10部を、DMF90部に溶解させ、酸無水物溶液を調製した。
【0100】
〔ジアミン溶液の調製〕
2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン10部を、DMF90部に溶解させ、ジアミン溶液を調製した。
【0101】
〔鎖延長剤溶液の調製〕
鎖延長剤である1,4−ブタンジオール(1,4−BD)10部を、DMF90部に溶解させ、鎖延長剤溶液(酸無水物不含)を調製した。
【0102】
【実施例22】
上記プレポリマー溶液A435部と上記酸無水物溶液182部とを窒素雰囲気下で110℃にて2.5時間混合攪拌しながら反応させた後、上記ジアミン溶液140部を添加し、窒素雰囲気下で110℃にて2.5時間混合攪拌しながら反応させた。その後、電気抵抗調整剤(日本カーリット社製のLR−147)1.4部を添加し、ウレタンウレアイミド溶液を調製した。そして、このウレタンウレアイミド溶液を円筒金型内に注入し、遠心成形した後、蓋を取り外して脱型することにより、単層構造(厚み150μm)の無端ベルトである中間転写ベルトを作製した。
【0103】
【実施例23】
プレポリマー溶液Aに代えて、プレポリマー溶液Bを用いる以外は、実施例22と同様にして、ウレタンウレアイミド溶液を調製した。そして、このウレタンウレアイミド溶液を用いて、実施例22と同様にして、中間転写ベルトを作製した。
【0104】
【比較例9】
上記プレポリマー溶液A290部と、上記鎖延長剤溶液(酸無水物不含)75部とを、窒素雰囲気下で110℃にて2.5時間混合攪拌しながら反応させ、その後、電気抵抗調整剤(日本カーリット社製のLR−147)1.1部を添加し、ウレタン溶液を調製した。そして、このウレタン溶液を用いて、実施例22と同様にして、中間転写ベルトを作製した。
【0105】
【比較例10】
プレポリマー溶液Aに代えて、プレポリマー溶液Bを用いる以外は、比較例9と同様にして、ウレタン溶液を調製した。そして、このウレタン溶液を用いて、実施例22と同様にして、中間転写ベルトを作製した。
【0106】
【比較例11】
ポリイミド樹脂(新日本理化社製のリカコートPN−20)100部と、電気抵抗調整剤(日本カーリット社製のLR−147)1部とを、DMF250部に溶解混合させ、ポリイミド溶液を調製した。そして、このポリイミド溶液を用いて、実施例22と同様にして、中間転写ベルトを作製した。
【0107】
このようにして得られた実施例品および比較例品の中間転写ベルトを用いて、下記の基準に従い、耐久性の評価を行った。その結果を、後記の表5に示した。
【0108】
〔耐久性〕
各中間転写ベルトについて、市販のカラー複写機の中間転写ユニットを取り出し、回転試験を720時間行い、耐久性の評価を行った。評価は、回転試験の間、安定して正常に回転したものを○、ベルト内面が摩耗し、その摩耗粉によるベルトの滑りが発生したもの、またはベルト表面に割れやひびが発生したものを×とした。
【0109】
【表5】
【0110】
上記結果から、実施例品の中間転写ベルトは、比較例品に比べて、耐久性に優れることがわかる。また、比較例11品の中間転写ベルトは、ポリイミド樹脂を用いて形成されているため、屈曲性がなく、ベルト走行中に割れやひび等が発生した。
【0111】
【発明の効果】
以上のように、本発明のOA機器用ウレタンウレア部材は、イソシアネート系化合物およびイミド変性イソシアネート系化合物の混合物(A)と、ポリオール(B)と、ジアミノ化合物(C)とを備えたウレタンウレアイミド組成物、もしくはイソシアネート系化合物とポリオールとを用いてなるプレポリマー(D)と、酸無水物(E)と、ジアミノ化合物(F)とを備えたウレタンウレアイミド組成物によって形成されたものである。このため、上記混合物(A)とポリオール(B)とジアミノ化合物(C)との反応過程において二酸化炭素が発生しないために、もしくは上記プレポリマー(D)と酸無水物(E)とジアミノ化合物(F)との反応過程において二酸化炭素を前もって発生させるために、それぞれ得られる硬化物は無発泡で強度的に優れ、結果、耐摩耗性および耐欠け性に優れた、特に摩擦熱のような高温においても高い強度を備えたOA機器用ウレタンウレア部材が得られる。
【0112】
また、上記ポリオール(B)として、変性シリコーンオイルおよび変性パーフルオロエーテルの少なくとも一方を用いると、摩擦係数の低下が図れる。
【0113】
そして、本発明のOA機器用ウレタンウレア部材としては、例えば、電子写真複写機のクリーニングブレードをはじめ、層形成用ブレード、給紙搬送ロール等の各種ロールや中間転写ベルト等の無端ベルト等に有用に用いられる。
Claims (8)
- 下記の(A)〜(C)を備えるウレタンウレアイミド組成物を所定形状に硬化させてなることを特徴とするOA機器用ウレタンウレア部材。
(A)イソシアネート系化合物およびイミド変性イソシアネート系化合物の混合物。
(B)ポリオール。
(C)ジアミノ化合物。 - 上記(B)のポリオールが、変性シリコーンオイルおよび変性パーフルオロエーテルの少なくとも一方である請求項1記載のOA機器用ウレタンウレア部材。
- 上記(B)のポリオールが、常温で液状である請求項1または2記載のOA機器用ウレタンウレア部材。
- 上記(C)のジアミノ化合物が、分子構造中に芳香族炭化水素基を有するものである請求項1〜3のいずれか一項に記載のOA機器用ウレタンウレア部材。
- 下記の(D)〜(F)を備えるウレタンウレアイミド組成物を所定形状に硬化させてなることを特徴とするOA機器用ウレタンウレア部材。
(D)イソシアネート系化合物とポリオールとを用いてなるプレポリマー。
(E)酸無水物。
(F)ジアミノ化合物。 - 上記(D)のプレポリマーに用いるポリオールが、ポリエステル系ポリオールおよびポリカーボネート系ポリオールの少なくとも一方である請求項5記載のOA機器用ウレタンウレア部材。
- 上記ウレタンウレアイミド組成物が、溶剤を含む溶液である請求項1〜6のいずれか一項に記載のOA機器用ウレタンウレア部材。
- OA機器用ウレタンウレア部材が、クリーニングブレードまたは無端ベルトである請求項1〜7のいずれか一項に記載のOA機器用ウレタンウレア部材。
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