JP3666331B2 - クリーニングブレード - Google Patents
クリーニングブレード Download PDFInfo
- Publication number
- JP3666331B2 JP3666331B2 JP37084599A JP37084599A JP3666331B2 JP 3666331 B2 JP3666331 B2 JP 3666331B2 JP 37084599 A JP37084599 A JP 37084599A JP 37084599 A JP37084599 A JP 37084599A JP 3666331 B2 JP3666331 B2 JP 3666331B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cleaning blade
- agent liquid
- diamino compound
- curing agent
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Cleaning In Electrography (AREA)
- Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機等の感光ドラム外周面に残留するトナーを除去するクリーニングブレードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機としては、感光ドラム外周面を一様に帯電させ、ついで被複写体の複写像を介してその外周面を露光することにより、上記外周面上に静電潜像を形成し、この静電潜像に、帯電されたトナーを付着させてトナー像を形成し複写紙等に転写することにより複写を行う形式のものが一般的である。
【0003】
このような電子写真複写機では、トナー像の転写後に、感光ドラム外周面上にトナーが残留するため、上記感光ドラム外周面に、例えば図2に示すような板状保持具22に支持されたクリーニングブレード21を摺接し、残留トナーをこれで掻き落として除去することが行われている。
【0004】
上記クリーニングブレード21に用いられる弾性体としては、耐摩耗性等の力学的特性に優れるポリウレタン樹脂が賞用されている。しかしながら、このようなポリウレタン樹脂からなるクリーニングブレード21は、長期間使用していると、感光ドラムと摺接するクリーニングブレード21のエッジ部が摩耗してしまい、残留トナーの除去を良好に行えないという問題がある。
【0005】
そこで、上記クリーニングブレード21の耐摩耗性を向上させるために、ポリウレタン樹脂表面を低摩擦化させる方法として様々な試みがなされている。例えば、ポリウレタン樹脂表面をコーティングする方法(特開平4−260084号公報、特開平4−212190号公報等)や、ポリウレタン樹脂内部に潤滑剤を分散させる方法(特開平7−306616号公報、特開平5−158389号公報、特開平5−173464号公報等)等があげられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ポリウレタン樹脂表面をコーティングする方法は、初期の低摩擦化に効果はあるが、長期間使用していると、感光ドラムと摺接するクリーニングブレードのエッジ部が摩耗したり、欠けが生じたりするため、長期にわたって優れたエッジ精度が得られず、クリーニング不良が起きるという問題がある。また、上記潤滑剤を分散させる方法は、ポリウレタン樹脂内部に潤滑剤を均一に分散・混合する工程等の新たな工程が余分に必要となって、製造効率の向上を図ることができないという問題がある。また、この時、固体潤滑剤を分散させる場合では、クリーニングブレード成形用のポリウレタン組成物の粘度が高くなってしまい、加工性が悪くなるという問題がある。他方、液体潤滑剤を分散させる場合では、上記液体潤滑剤のブリードアウト(滲み出し)により、画像に悪影響を及ぼすという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、優れた耐摩耗性および耐欠け性を備えたクリーニングブレードの提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のクリーニングブレードは、ポリイソシアネートと、ポリオールと、下記の構造式(1)で表されるジアミノ化合物を含有するポリウレタン組成物の硬化体からなるという構成をとる。
【0009】
【化2】
【0010】
本発明者らは、優れた耐摩耗性および耐欠け性を備えたクリーニングブレードを得るべく、鋭意研究を重ねた。その結果、従来は、イソシアネートとOH基との硬化(架橋)反応によりポリウレタンを作製していたところ、上記特定のジアミノ化合物(2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン)を併用し、このジアミノ化合物(2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン)を用いて硬化反応を行わせ、ポリウレタンウレア構造とすることにより、弾性および硬度が適正範囲となり、特に高温時において、クリーニングブレードのエッジ部の摩耗や欠けが生じにくくなることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
そして、上記ジアミノ化合物(2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン)の含有量が特定の範囲に設定されていると、良好な低温クリーニング性を保持したまま、高温時の耐摩耗性や耐欠け性が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
本発明のクリーニングブレードは、例えば、図1に示すように、ポリウレタン組成物硬化体1からなり、板状保持具2に支持されて、その使用に供されるものである。
【0014】
上記ポリウレタン組成物硬化体1の形成材料としては、ポリイソシアネートと、ポリオールと、下記の構造式(1)で表されるジアミノ化合物を含有するポリウレタン組成物が用いられる。
【0015】
【化3】
【0016】
上記ポリイソシアネートとしては、特に限定するものではなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、3,3′−ビトリレン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4−TDIの二量体)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、カルボジイミド変性MDI、オルトトルイジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等のジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート等のトリイソシアネート、ポリメリックMDI等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらポリイソシアネートのなかでも、耐摩耗性の観点から、MDIが好適に用いられる。
【0017】
上記ポリイソシアネートとともに用いられるポリオールとしては、特に限定するものではなく、例えば、ポリエステルジオール,ポリエステルトリオール等のポリエステルポリオール、ポリカプロラクトン,ポリカーボネート,ポリオキシテトラメチレングリコール,ポリオキシプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0018】
上記ポリエステルポリオールとしては、多塩基性有機酸とポリオールとから製造され、水酸基を末端基とするヒドロキシルポリエステルポリオールが好適に用いられる。上記多塩基性有機酸としては、例えば、シュウ酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベリン酸,アゼライン酸,セバシン酸,イソセバシン酸等の飽和脂肪酸、マレイン酸,フマル酸等の不飽和脂肪酸、フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸等の芳香族酸等のジカルボン酸、無水マレイン酸,無水フタル酸等の酸無水物、テレフタル酸ジメチル等のジアルキルエステル、不飽和脂肪酸の二量化によって得られるダイマー酸等があげられる。上記多塩基性有機酸とともに用いるポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキシレングリコール等のジオールや、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン等のトリオールや、ソルビトール等のヘキサオール等があげられる。
【0019】
また、上記ポリエーテルポリオールとしては、環状エーテルの開環重合または共重合によって製造されるものが好適に用いられる。上記環状エーテルとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−メチルトリメチレンオキサイド、3,3′−ジメチルトリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキサミン等があげられる。
【0020】
そして、本発明において、上記ポリイソシアネートとともに用いられるポリオールとしては、上記一連のもののなかでも、耐摩耗性の観点から、ポリブチレンアジペート(PBA)が好適に用いられる。
【0021】
上記ポリイソシアネートとともに用いられるポリオールの数平均分子量(Mn)は、1500〜3000の範囲が好ましく、特に好ましくは1500〜2500である。すなわち、上記ポリオールのMnが1500未満であると、得られるクリーニングブレードの物性が低下する傾向がみられ、逆にMnが3000を超えると、作業性が悪くなる傾向がみられるからである。
【0022】
上記ポリイソシアネートおよびポリオールとともに用いられる、特定のジアミノ化合物としては、下記の構造式(1)で表される2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンが用いられる。
【0023】
【化4】
【0024】
上記特定のジアミノ化合物(2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン)の含有量は、ポリウレタン組成物全体の1〜10重量%の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは3〜7重量%である。すなわち、上記特定のジアミノ化合物の含有量が1重量%未満であると、ジアミノ化合物による充分な効果が得られず、逆に10重量%を超えると、tanδピーク温度が上昇し、低温でのクリーニング性に劣る傾向がみられるからである。
【0025】
なお、上記ポリウレタン組成物硬化体1の形成材料となるポリウレタン組成物には、ポリイソシアネート、ポリオール、特定のジアミノ化合物(2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン)に加えて、鎖延長剤、触媒、発泡剤、界面活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、可塑剤、安定剤、離型剤等を適宜配合して用いることも可能である。
【0026】
上記鎖延長剤としては、例えば、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール等の、分子量300以下のポリオールがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0027】
上記触媒としては、第三級アミン等のアミン系化合物、有機錫化合物等の有機金属化合物等があげられる。なかでも、アミン系化合物が好適に用いられる。
【0028】
上記第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン等のトリアルキルアミン;N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン等のテトラアルキルジアミン;ジメチルエタノールアミン等のアミノアルコール;エトキシル化アミン;エトキシル化ジアミン;ビス(ジエチルエタノールアミン)アジペート等のエステルアミン;トリエチレンジアミン;N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等のシクロヘキシルアミン誘導体;N−メチルモルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルモルホリン等のモルホリン誘導体;N,N′−ジエチル−2−メチルピペラジン、N,N′−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジン等のピペラジン誘導体等があげられる。
【0029】
上記有機錫化合物としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)等のジアルキル錫化合物や、2−エチルカプロン酸第1錫、オレイン酸第1錫等があげられる。
【0030】
なお、本発明においては、上記1,4−ブタンジオール等のジオールと、上記特定のジアミノ化合物との混合比(モル比)は、ジオール/ジアミノ化合物=95/5〜40/60の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくはジオール/ジアミノ化合物=80/20〜50/50である。すなわち、上記ジアミノ化合物のモル比が5未満であると、ジアミノ化合物による充分な効果が得られず、逆にジアミノ化合物のモル比が60を超えると、tanδピーク温度が上昇し、低温でのクリーニング性に劣る傾向がみられるからである。
【0031】
本発明のクリーニングブレードは、上記各材料を用い、常法に準じて製造することができる。具体的には、プレポリマー法、セミワンショット法、ワンショット法に準じて製造できる。なかでも、加工性に優れるという観点から、セミワンショット法が好適に用いられる。
【0032】
上記セミワンショット法に準じて、本発明のクリーニングブレードは、例えばつぎのようにして製造される。すなわち、まず、上記ポリイソシアネートおよびポリオールを準備し、両者を適宜の配合割合で配合し、適宜の反応条件で反応させてウレタンプレポリマー(主剤液)を調製する。一方、上記ポリオールおよび特定のジアミノ化合物、必要に応じて鎖延長剤、触媒等を準備し、これらを適宜の配合割合で配合し、適宜の混合条件で混合して硬化剤液を調製する。つぎに、上記主剤液および硬化剤液を適宜の配合割合で配合して混合し、この混合液を、板状保持具2が保持されたクリーニングブレード成形用金型内に注入して、反応硬化させる。そして、得られた硬化体を成形型から取り出し、所定の形状に加工する。このようにして、図1に示すような、板状保持具2と一体成形されたクリーニングブレードを得ることができる。
【0033】
このようにして得られるクリーニングブレードにおいて、上記硬化体におけるtanδピーク温度は10℃以下が好ましく、特に好ましくは、1.0〜10℃の範囲である。すなわち、上記tanδピーク温度が10℃を超えると、低温クリーニング性が悪化する傾向がみられるからである。なお、上記tanδピーク温度は、動的粘弾性特性の一つであって、動的粘弾性測定機によって測定されるtanδ(損失正接)のうち、最大(ピーク)となるときの温度である。
【0034】
なお、本発明のクリーニングブレードは、図1に示したように、必ずしも板状保持具2と一体成形する必要はなく、例えば板状保持具2の表面に、あとから接着するようにしてもよい。
【0035】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0036】
【実施例1】
〔主剤液(ウレタンプレポリマー)の調製〕
あらかじめ、80℃にて1時間真空脱泡したPBA(日本ポリウレタン工業社製のN4010、Mn:2000)48重量部(以下「部」と略す)に対し、MDI(日本ポリウレタン工業社製、ミリオネートMT)52部を添加し、窒素雰囲気下で、80℃にて3時間反応させ、主剤液(末端にNCO基を有するウレタンプレポリマー)を得た。
【0037】
〔硬化剤液の調製〕
まず、PBA(日本ポリウレタン工業社製のN4010、Mn:2000)85部に対し、特定のジアミノ化合物として前記式(1)で表される2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン13.1部を添加し、窒素雰囲気下で、150℃にて1時間加熱し、PBA中にジアミノ化合物を溶解させた。ついで、この溶解物に対し、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)3.5部、トリメチロールプロパン(TMP)4部、および触媒としてトリエチレンジアミン(三共エアプロダクツ社製、DABCO)を硬化物中の濃度が100ppmとなるように配合し、窒素雰囲気下で、80℃にて1時間混合した後、さらに80℃にて1時間真空脱泡,脱水することで、末端にOH基を有する硬化剤液を調製した。
【0038】
〔クリーニングブレードの作製〕
まず、クリーニングブレード成形用金型を準備し、この金型の所定の位置に板状保持具を配置した後、140℃に予備加熱した。ついで、上記主剤液(液温:70℃)と硬化剤液(液温:70℃)を100:105.6の重量比で配合し、真空脱泡しながら攪拌羽根で30秒間混合したものを、上記金型内に注入し、140℃で30分間反応させることで硬化させ硬化体を得た。その後、脱型し、これをナイフを用いて所定の形状に成形することにより、目的とするクリーニングブレードを得た。
【0039】
【実施例2】
PBAを43部に、MDIを57部に変更する以外は、実施例1と同様にして主剤液を調製した。また、PBAを87部に、ジアミノ化合物を6.7部に、1,4−BDを7.2部に変更する以外は、実施例1と同様にして硬化剤液を調製した。そして、これら主剤液および硬化剤液を用いて、実施例1と同様にしてクリーニングブレードを作製した。なお、主剤液と硬化剤液の配合比は、重量比で、主剤液:硬化剤液=100:104.9であった。
【0040】
【実施例3】
PBAを41部に、MDIを59部に変更する以外は、実施例1と同様にして主剤液を調製した。また、PBAを84部に、ジアミノ化合物を1.9部に、1,4−BDを9.6部に、TMPを4.3部に変更する以外は、実施例1と同様にして硬化剤液を調製した。そして、これら主剤液および硬化剤液を用いて、実施例1と同様にしてクリーニングブレードを作製した。なお、主剤液と硬化剤液の配合比は、重量比で、主剤液:硬化剤液=100:99.8であった。
【0041】
【実施例4】
PBAを43部に、MDIを57部に変更する以外は、実施例1と同様にして主剤液を調製した。また、PBAを83部に、ジアミノ化合物を23.3部に、1,4−BDを4.2部に、TMPを2.6部に変更する以外は、実施例1と同様にして硬化剤液を調製した。そして、これら主剤液および硬化剤液を用いて、実施例1と同様にしてクリーニングブレードを作製した。なお、主剤液と硬化剤液の配合比は、重量比で、主剤液:硬化剤液=100:113.1であった。
【0042】
【比較例1】
ジアミノ化合物を配合せず、その代わりに1,4−BDの配合量を7部に増量する以外は、実施例1と同様にして硬化剤液を調製した。そして、この硬化剤液を用いて、実施例1と同様にしてクリーニングブレードを作製した。なお、主剤液と硬化剤液の配合比は、重量比で、主剤液:硬化剤液=100:96であった。
【0043】
【比較例2】
ジアミノ化合物を配合せず、その代わりに1,4−BDの配合量を9部に増量する以外は、実施例2と同様にして硬化剤液を調製した。そして、この硬化剤液を用いて、実施例2と同様にしてクリーニングブレードを作製した。なお、主剤液と硬化剤液の配合比は、重量比で、主剤液:硬化剤液=100:100であった。
【0044】
このようにして得られた実施例品および比較例品のクリーニングブレードを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を後記の表1に併せて示した。
【0045】
〔高温高湿(H/H)環境〕
(画像評価)
各クリーニングブレードを市販のレーザープリンター(LBP)に組み込み、H/H環境下(35℃×85%RH)にて、A3サイズで初期および3万枚画出しを行った。そして、画像に問題がなく、細線が鮮明に画出しできたものを○、かぶり、白抜け等が多量に発生して、実用上問題があるものを×として評価した。
【0046】
(摩耗量)
上記3万枚画出し後のクリーニングブレードのエッジ部の摩耗量を、走査型電子顕微鏡を用いて倍率2000倍で観察した。そして、摩耗した部分の断面積(Uμm2 )と、エッジ部の単位長さ(Vμm)を測定し、W=U×Vにより、摩耗量(Wμm3 )を算出した。なお、この摩耗量が小さいほど、耐摩耗性に優れているといえる。
【0047】
(耐欠け性)
上記3万枚画出し後のクリーニングブレードのエッジ部の欠けの有無を、顕微鏡を用いて倍率500倍で観察した。そして、欠けがないものを○、欠けがあるものを×として評価した。
【0048】
〔低温低湿(L/L)環境〕
(画像評価)
各クリーニングブレードを市販のレーザープリンター(LBP)に組み込み、L/L環境下(15℃×10%RH)にて、A3サイズで6000枚画出しを行った。そして、画像に問題がなく、細線が鮮明に画出しできたものを○、かぶり、白抜け等が若干発生するが、実用上問題がないものを△、かぶり、白抜け等が多量に発生して、実用上問題があるものを×として評価した。
【0049】
〔tanδピーク温度〕
各クリーニングブレードを1.5mm×1.5mm×30.0mmに成形採寸して、サンプルを作製した。このサンプルを、レオロジ社製のDVEレオスペクトラーに、引張治具のチャック間が20.0mmになるようにセットし、変位振幅±10μm、周波数10Hzの正弦波歪を与え、−20℃〜50℃の範囲におけるtanδ(損失正接)を、昇温速度3℃/分で1℃毎に測定した。そして、このtanδの値が最大(ピーク)となる温度をtanδピーク温度とした。
【0050】
【表1】
【0051】
上記表1の結果から、実施例品はいずれも、H/H環境下での3万枚画出し後の画像が良好で、3万枚画出し後の摩耗量も少なく、欠けも発生していないことが確認された。
【0052】
これに対して、比較例品はいずれも、H/H環境下での3万枚画出し後の画像が著しく劣ることがわかる。そして、3万枚画出し後の摩耗量および欠けの状態を観察したところ、いずれも摩耗量が多く、欠けが発生していることが確認された。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明のクリーニングブレードは、特定のジアミノ化合物(2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン)を用いて硬化してなるポリウレタンウレア構造をとるため、弾性および硬度が適正範囲となる。その結果、特に高温時において、クリーニングブレードのエッジ部の摩耗や欠けが生じにくくなるため、優れた耐摩耗性および耐欠け性を備えるようになる。なお、クリーニングブレードの長さ方向の中央部を中心としたへこみがなくなり、両端部の耳立ちがなくなるため、寸法精度が向上するという効果も奏する。したがって、本発明のクリーニングブレードを実機に組み込んで耐久試験を行った場合、優れた画像を得ることができるようになる。
【0054】
そして、上記ジアミノ化合物(2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン)の含有量が特定の範囲に設定されていると、良好な低温クリーニング性を保持したまま、高温時の耐摩耗性や耐欠け性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のクリーニングブレードの一例を示す縦断面図である。
【図2】 従来のクリーニングブレードの一例を示す部分破断構成図である。
【符号の説明】
1 ポリウレタン組成物硬化体
2 板状保持具
Claims (2)
- ポリイソシアネートと、ポリオールと、下記の構造式(1)で表されるジアミノ化合物を含有するポリウレタン組成物の硬化体からなることを特徴とするクリーニングブレード。
- 上記ジアミノ化合物の含有量が、ポリウレタン組成物全体の1〜10重量%の範囲に設定されている請求項1記載のクリーニングブレード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37084599A JP3666331B2 (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | クリーニングブレード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37084599A JP3666331B2 (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | クリーニングブレード |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001183952A JP2001183952A (ja) | 2001-07-06 |
JP3666331B2 true JP3666331B2 (ja) | 2005-06-29 |
Family
ID=18497704
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37084599A Expired - Fee Related JP3666331B2 (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | クリーニングブレード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3666331B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1975608B (zh) * | 2005-08-05 | 2010-11-10 | 新智德株式会社 | 电子照相装置用聚氨酯构件 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4812094B2 (ja) * | 2006-03-20 | 2011-11-09 | 東海ゴム工業株式会社 | クリーニングブレード |
JP7188909B2 (ja) * | 2018-05-11 | 2022-12-13 | バンドー化学株式会社 | ブレード用弾性体、およびこの弾性体を用いたクリーニングブレード |
US20220229391A1 (en) * | 2019-05-31 | 2022-07-21 | Bando Chemical Industries, Ltd. | Elastic body for blades and cleaning blade using this elastic body |
-
1999
- 1999-12-27 JP JP37084599A patent/JP3666331B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1975608B (zh) * | 2005-08-05 | 2010-11-10 | 新智德株式会社 | 电子照相装置用聚氨酯构件 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001183952A (ja) | 2001-07-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004233818A (ja) | 電子写真機用ブレードおよびその製法 | |
JP3916185B2 (ja) | クリーニングブレード | |
JP6527453B2 (ja) | 電子写真機器用クリーニングブレード | |
JP3666331B2 (ja) | クリーニングブレード | |
JP2018036363A (ja) | 電子写真機器用クリーニングブレード | |
JP6149075B2 (ja) | 電子写真機器用クリーニングブレード用組成物および電子写真機器用クリーニングブレード | |
JP2001265190A (ja) | クリーニングブレード | |
JP4186445B2 (ja) | Oa機器用ウレタンウレア部材 | |
JP2007133083A (ja) | クリーニングブレード | |
US10942482B2 (en) | Method for manufacturing blade for electrophotographic devices | |
JP3777930B2 (ja) | クリーニングブレード | |
JP3687390B2 (ja) | クリーニングブレード | |
JP3598759B2 (ja) | クリーニングブレード | |
JP3690200B2 (ja) | クリーニングブレード | |
JP4812094B2 (ja) | クリーニングブレード | |
JP3835253B2 (ja) | クリーニングブレード用ウレタン組成物の製法およびそれにより得られたクリーニングブレード用ウレタン組成物、ならびにそれを用いてなるクリーニングブレード | |
JP3633390B2 (ja) | クリーニングブレード | |
JP3835252B2 (ja) | クリーニングブレードおよびその製法 | |
JP2019082586A (ja) | クリーニングブレード用組成物およびクリーニングブレード | |
JP2003137952A (ja) | クリーニングブレード用ウレタン組成物およびそれを用いてなるクリーニングブレード | |
JP2007232759A (ja) | 電子写真複写機用クリーニングブレード | |
JP3715759B2 (ja) | クリーニングブレード及び画像形成装置 | |
JP2002105214A (ja) | Oa機器用ウレタン部材 | |
JP2005113057A (ja) | ウレタンブレードの製造方法及び該製造方法で製造されたウレタンブレード | |
JP2024004520A (ja) | ブレード用弾性体、およびこの弾性体を用いたクリーニングブレード |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040301 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040330 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040514 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040810 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050315 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050328 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080415 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090415 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090415 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100415 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110415 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120415 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130415 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130415 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |