JP4181287B2 - 電子写真用トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真システムを用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置に適用され、記録シートへの転写の過程を経た後に感光体の表面に残存したトナーを現像剤として再使用するリサイクル機構を搭載した電子写真システムに用いられる電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置の現像方式に適用される乾式現像剤は、トナーとフェライト粉、鉄粉、ガラスビーズ等からなるキャリアが混合された二成分系現像剤と、トナー自身に磁性粉末を担持させた一成分系現像剤とに概ね分けられる。これらの現像剤に用いられるトナーは、結着樹脂および着色剤を主成分としており、他に、記録シートへの低温定着性を良好にするためのワックスや、帯電極性(正帯電か負帯電)を付与するための帯電制御剤等が添加される。トナーは、これら材料が所定の配合で混合された後、溶融混練、粉砕、分級といった工程を経て粉体に製造され、最後に、流動性、帯電性、クリーニング性および保存性等の制御のために、シリカ、酸化チタン、アルミナおよび各種の樹脂微粒子等の外添剤が付着されて表面処理が施され、最終的に現像剤として供される。
【0003】
ところで、近年、社会的ニーズとしてあらゆる場面で地球環境への配慮が要求されている。電子写真方式を採用した複写機及びレーザープリンタにおいても例外ではなく環境にやさしいシステムが求められている。
具体的には、現像工程へのトナーリサイクル機構の搭載、定着工程での低温定着性の向上が挙げられる。
当然のことながら使用される電子写真用トナーにもこれらへの対応が要求されるが、トナー特性はトナーリサイクル機構搭載システムへの対応と低温定着システムへの対応の両立は極めて困難である。
すなわち、トナーリサイクル式の電子写真方式では、感光体を帯電・露光して得られた静電潜像をトナーにて現像し、現像されたトナーを紙に転写し、転写したトナーを熱により定着して、コピーあるいはプリントが得られる。そして、現像されたトナーが紙に転写される際、トナーの100%は転写されず、一般的に5〜15%のトナーが感光体上に残る。一般には従来、上記転写残りのトナーは感光体のクリーニング工程にて回収され、回収トナーボックス等に捕集されて、最終的には廃棄処分されていた。
【0004】
トナーリサイクルとは、上記転写残りの回収トナーを現像機に戻し、再び使用する方式であり、資源の有効活用に繋がると共に、廃棄物の減量に寄与している。
トナーリサイクルシステムを採用した場合、転写残りトナーは感光体クリーニング工程、現像機への搬送工程で物理的な力を受ける。従って、その工程中のトナーは粉砕され、小粒径化する。トナーが小粒径化した場合、感光体等の機器部材との付着力が大きくなり、フィルミング等の弊害を引き起こし、多数枚のコピーの際画像濃度の低下や地カブリの発生を生じやすい。
従って、従来はトナーリサイクルシステムを採用した機器には脆いトナーは使用できず、使用するトナーには高分子量部のピーク位置を高く設定した樹脂、あるいは高分子量比率の高い樹脂を使用し、靱性の高いトナーが必要となっていた。このような靱性の高いトナーを得ようとした場合、トナーのフロー軟化点は130℃以上となり、これにより定着ロール温度は高く設定せざるを得ず、現状では170℃以上で設定されている。したがって、トナーリサイクルシステムに適したトナーを使用した場合に低温定着が困難であった。
【0005】
一方、低温定着とは、紙に転写したトナーを熱定着する際、その定着熱量を極力低く抑えることである。電子写真方式における定着方式は、加熱した定着ロールとバックアップロールの間に通紙してトナーを定着するヒートロール定着が主流である。ヒート口ール定着では、定着ロールの温度を低く設定することで低温定着を達成することができる。定着ロールの設定温度はその周速によっても異なるが、一般的に周速が300mm/sec以上の定着機において、170℃未満で定着ロール温度を設定する場合低温定着といわれている。定着ロールを300mm/sec以上の速度で通紙する場合、紙上のトナー表面温度は定着ロール温度よりも65℃以上低下する。よって、低温定着を達成するにはトナーの溶融開始温度を105℃未満にする必要がある。トナーの溶融開始温度とフロー軟化点との差は通常25℃以内である。従って、低温定着性を可能とするためには、トナーのフロー軟化点は少なくとも130℃未満でなければならない。よって、低温定着に適したトナーを得ようとするとリサイクルシステムへの対応が不可能であった。
また、従来は低温定着性を満足するため、トナーに使用する樹脂のガラス転移温度(Tg)を低下させることにより溶融開始温度とフロー軟化点の差を拡げて対応していた。しかし、必要以上にTgを低下させた場合では高温高湿環境下で流動性の低下やブロッキング等が生じて耐環境性上問題を有していた。
従って、リサイクル性と低温定着性の両者を満足するトナーを得ることは従来技術では困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、上記問題を解決し、トナーのリサイクル性と低温定着性の両者を満足するリサイクル機構を搭載した電子写真システムに用いられる電子写真用トナーを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤及びDSCの吸熱ピークが80〜100℃であるフィッシャートロプシュワックスを0.5〜8重量%含有したトナー母粒子の表面に、加熱減量が1%未満の疎水性シリカと、親水性シリカが付着されてなり、前記疎水性シリカ1重量部に対して親水性シリカが2〜10重量部付着されていることを特徴とするリサイクル機構を搭載した電子写真システムに用いられる電子写真用トナーである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の電子写真用トナーを適用するリサイクル機構を搭載した電子写真システムについて一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、複写機の画像形成手段を概念的に示している。図中符号1は矢印A方向に回転する感光体ドラム(感光体)であり、この感光体ドラム1の周囲には、その回転方向にしたがって、コロナ帯電器2、光学系3、現像剤(一成分系もしくは二成分系)6を収容する現像剤収容器4aおよび現像スリーブ(現像体)4b、コロナ転写器5、クリーニングブレード9a、除電手段10がこの順に配置されている。符号7で示す記録シート(紙や樹脂フィルム等)は、図中右側から搬送されて感光体ドラム1とコロナ転写器5との間を通過するようになされ、搬送先には加熱・加圧方式の定着ローラ対8が配置されている。クリーニングブレード9aは、転写後に感光体ドラム1の表面に残存するトナー(トナー画像の一部:回収トナー)6bを掻き落とすものであり、その掻き落とされた回収トナー6bは、回収搬送路9bを経て現像剤収容器4aに戻されるようになされている。この場合、クリーニングブレード9aと回収搬送路9bとによりトナー回収手段9が構成され、この回収手段9と、現像剤収容器4aおよび現像スリーブ4bとの組み合わせにより、現像装置4が構成されている。
【0009】
この画像形成手段による画像形成工程は、次の通りである。まず、コロナ帯電器2のコロナ放電により、回転する感光体ドラム1の表面が一様に帯電され、次に、光学系3の露光により感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成される。現像スリーブ4bは現像剤収容器4aに収容されている現像剤6を吸着しながら回転し、その現像剤6中のトナー(一成分系の場合は現像剤6全てがトナーである)が、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像に逆極性作用等で吸着される。これにより、静電潜像はトナー画像6aとして可視像化される。次に、記録シート7が感光体ドラム1とコロナ転写器5との間に搬送されてトナー画像6aに重ねられ、その裏面からコロナ転写器5により転写電荷が与えられることにより、記録シート7上にトナー画像6aが転写される。この後、記録シート7は定着ローラ対8の間を通過し、その際に、トナー画像6aが記録シート7上に定着される。一方、記録シート7に転写されずに感光体ドラム1の表面に残存した回収トナー6bはクリーニングブレード9aにより掻き落とされ、これにより感光体ドラム1の表面は清浄化され、この後、除電手段10で除電される。クリーニングブレード9aにより掻き落とされた回収トナー6bは、回収搬送路9bを経て現像剤収容器4aに戻され、再び使用される。
そして、記録シート7が多数枚コピーされていくと現像剤6のトナー濃度が少なくなり、現像剤6中に適切なトナー濃度を維持するためトナー11が補給される。
上記現像剤は、磁性又は非磁性の一成分系現像剤もしくは二成分系現像剤であり、一成分系の場合であればトナーそのものが現像剤とされ、二成分系の場合は、トナーにキャリアが混合されたものが現像剤とされる。
なお、この場合、コピー開始時の現像剤を構成するトナーには、多数枚コピー時に補給されるトナーを使用することが帯電性を安定化させるために好ましい。
【0010】
本発明は、上記電子写真システムに適用される電子写真用トナーであって、主成分は、以下に述べる結着樹脂、着色剤及びフィッシャートロプシュワックスであって、これらを含有したトナー母粒子の表面に加熱減量が1%未満の疎水性シリカと親水性シリカが付着されているものである。
【0011】
結着樹脂は、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン類と、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル等のアクリル酸エステル類または/およびメタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル等のメタクリル酸エステル類とを共重合させたスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等である。
該スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂中の(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、15重量%以下が好ましい。15重量%より多い場合では、樹脂そのものの帯電性が低いためにその帯電性を補うため必要以上のシリカ微粒子の使用が必要となって、その結果回収されたトナーにおいてシリカ微粒子の脱離、埋没等による帯電性、流動性の大きな変化が生じて地カブリ、トナー飛散等の問題が発生しやすい。
【0012】
着色剤は、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコオイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル等が、単独もしくは混合されて用いられる。着色剤は、十分な濃度の可視像が形成されるに十分な割合の含有量が必要であり、例えば、結着樹脂100重量部に対して1〜20重量部程度の割合で含有される。
【0013】
フィッシャートロプシュワックスとしては特に限定されないが、天然ガスを原料にフィッシャートロプシュ法により製造されたものが好ましく、該天然ガスを原料としたフィッシャートロプシュワックスは一酸化炭素の触媒水素化により合成されたワックス状炭化水素であって、構造的にはメチル分岐の少ない直鎖状のパラフィン系ワックスである。
このような天然ガスを原料にしたフィッシャートロプシュワックスとしては、シェル・MDS社製の商品名:FT−100、FT−0030、FT−0050、FT−0070、FT−0165、FT−1155、FT−60S等が上市されている。
フィッシャートロプシュワックスは、示差走査熱量分析計(以下、DSCと略す)による吸熱ピークが80〜100℃であるものが好ましい。吸熱ピークが80℃より低いものは、トナーの保存安定性に問題が生じやすく、また流動性が悪くなりやすい。一方、100℃より高いとトナーの溶融粘度を下げる効果が少ないためトナーの低温定着性が得られにくくなる。
フィッシャートロプシュワックスは結着樹脂との相溶性があまり良くないため大量に使用するとワックスの分散が悪化し、粉砕時にワックス単体の脱離等により耐高温オフセット性、流動性が悪くなりやすいので好ましくない。したがって、トナー母粒子中に0.5〜8重量%含有させることが好ましい。
また、本発明でいうDSCによる吸熱ピークは、吸収熱量のピーク温度のことであり、セイコー電子工業社SSC−5200を用い20〜150℃の間を10℃/分の割合で昇温させ、次に150℃から20℃に急冷させる過程を2回繰り返し2回目の吸収熱量を測定したものである。
【0014】
トナー母粒子には、極性を付与するために帯電制御剤が含有され、正帯電トナー用と負帯電トナー用とに分けられる。正帯電トナー用としては、ニグロシン染料、第4級アンモニウム塩、ビリジニウム塩およびアジン等が用いられる。また、負帯電トナー用としては、アゾ系含金属錯体やサリチル酸系金属錯体が用いられる。
その他必要に応じて磁性粉や離型剤等を含有させてもよい。
磁性粉としては、フェライト粉、マグネタイト粉、鉄粉等の微粒子が挙げられる。フェライト粉としてはMeO−Fe2O3の混合焼結体が本発明に使用される。この場合のMeとはMn、Zn、Ni、Ba、Co、Cu、Li、Mg、Cr、Ca、V等であり、そのいずれか1種又は2種以上用いれらる。また、マグネタイト粉としてはMeO−Fe3O4の混合焼結体が使用される。この場合のMeは上記フェライト粉の場合と同様である。
離型剤は、定着用熱ロールとトナーとの離型性を確保するために添加され、低分子量ポリプロピレンや低分子量ポリエチレン等が用いられる。
【0015】
本発明でいうトナー母粒子は、上記材料が所定の配合で混合され、その混合物が、溶融混練、粉砕、分級といった工程を経て製造される。また、上記材料を用いて重合方法によりトナー母粒子を得てもよい。
【0016】
本発明の電子写真用トナーは、前記トナー母粒子の表面に、加熱減量が1%未満の疎水性シリカと、親水性シリカが付着されてなるものである。
加熱減量が1%未満の疎水性シリカとしては、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、P−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラン等の疎水化剤、特にジメチルジクロルシランあるいはヘキサメチレンジシラザンで処理されたコロイド状の二酸化ケイ素であって、50%以上の疎水化度を有するものであり、その加熱減量が1%未満のものである。
ここでいう加熱減量とは、JIS K 5101の顔料試験方法に記載された加熱減量の測定方法に基づいて測定された値をいう。
加熱減量が1%以上の疎水性シリカを用いた場合は、感光体表面から記録シートに転写されたトナー画像を定着する定着ローラの表面にトナーが付着し、その結果、定着ローラから記録シートを剥離するための剥離爪の痕がトナー画像に発生する。
【0017】
親水性シリカとしては、50%未満の疎水化度を有するシリカをいう。
ここで疎水化度とは、別名メタノールウェッタビリティー値(MW値)ともいい、シリカの表面の疎水性を表わす尺度として一般に用いられているものである。該疎水化度の測定方法は次のようにして行う。まず、シリカ0.2gを250ccのフラスコに入れ、これに水を50cc添加する。次にマグネチックスターラーで上記水中におけるシリカを攪拌しながら、メタノールをビューレットから滴下する。シリカの全量がメタノールによって湿潤し、水とメタノールの混合系に良分散したと目視によって判断した時にメタノールの滴下を止める。この時の水とメタノールの混合相中におけるメタノールの重量を百分率であらわし、この数値を疎水化度とする。
【0018】
トナー母粒子の表面に付着させる疎水性シリカと親水性シリカとの比率は、疎水性シリカ1重量部に対して親水性シリカが2〜10重量部であることが好ましい。2重量部未満の場合は定着画像に爪痕が生じやすく、10重量部より多い場合はリサイクル機構を搭載した電子写真システムに適用した場合に地カブリが多い画像となって多数コピーすることができにくくなる。
【0019】
トナー母粒子の表面に加熱減量が1%未満の疎水性シリカと、親水性シリカを付着させるためには、タービン型攪拌機、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の一般的な攪拌機により混合して攪拌する等の方法が挙げられる。
また、トナー母粒子の表面には適宜、トナーの流動性、帯電性、クリーニング性および保存性等の制御のため、磁性粉、アルミナ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタンまたは各種の樹脂微粒子等の外添剤が付着されていてもよい。
【0020】
【実施例】
以下、実施例および比較例に基づき本発明を説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記において「部」とは「重量部」を示す。
(実施例1)
・スチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂 100部
(積水化学工業社製 商品名:SE−0050)
・天然ガスを原料としたフィッシャートロプシュワックス 3部
(シェル・MDS社製 商品名:FT−100、吸熱ピーク:92℃)
・クロム含金属染料 1部
(オリエント化学工業社製 商品名:ボントロンS−34)
・カーボンブラック 5部
(三菱化学社製 商品名:MA−100)
上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで5分間混合し、加圧ニーダーで熱溶融混練後、ジェットミルで粉砕し、その後乾式気流分級機で分級して体積平均径が10μmのトナー母粒子を得た。
そして、該トナー母粒子100部に対してジメチルジクロルシランで処理された加熱減量が0.3%の疎水性シリカ(疎水化度55%)0.2部と親水性シリカ(疎水化度40%)0.4部とをヘンシェルミキサーで混合してトナー母粒子の表面に付着させ本発明の電子写真用トナーを得た。
【0021】
(実施例2)
実施例1において、疎水性シリカの付着量を0.1部及び親水性シリカの付着量を1部に変更した以外は実施例1と同様にして本発明の電子写真用トナーを得た。
【0022】
(実施例3)
実施例1において、疎水性シリカをジメチルジクロルシランで処理された加熱減量が0.6%の疎水性シリカ(疎水化度65%)0.2部に代えて、且つ親水性シリカの付着量を0.5部に変更した以外は実施例1と同様にして本発明の電子写真用トナーを得た。
【0023】
(実施例4)
実施例1において、フィッシャートロプシュワックスの含有量を7部、且つ親水性シリカの付着量を0.5部に変更した以外は実施例1と同様にして本発明の電子写真用トナーを得た。
【0024】
(実施例5)
実施例4において、スチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂をポリエステル樹脂100部に代えて、且つフィッシャートロプシュワックスの含有量を5部に変更した以外は実施例4と同様にして本発明の電子写真用トナーを得た。
【0025】
(比較例1)
実施例1において、フィッシャートロプシュワックスの代わりにポリプロピレンワックス(三洋化成工業社製 商品名:ビスコール550P)3部に代えた以外は実施例1と同様にして比較用の電子写真用トナーを得た。
【0026】
(比較例2)
実施例1において、疎水性シリカをジメチルジクロルシランで処理された加熱減量が1.1%の疎水性シリカ(疎水化度55%)0.2部に代えた以外は実施例1と同様にして本発明の電子写真用トナーを得た。
【0027】
(比較例3)
実施例1において、疎水性シリカの付着量を0.6部に代えて、且つ親水性シリカを付着させない以外は実施例1と同様にして本発明の電子写真用トナーを得た。
【0028】
(比較例4)
実施例1において、親水性シリカの付着量を0.6部に代えて、且つ疎水性シリカを付着させない以外は実施例1と同様にして本発明の電子写真用トナーを得た。
【0029】
次に前記実施例及び比較例で得られた各電子写真用トナーについて下記の項目の試験をおこなった。
(1)非オフセット温度領域及び非オフセット温度幅
まず、各電子写真用トナー4部とノンコートフェライトキャリア(パウダーテック社製 商品名:FL−100)96部とを混合して二成分系現像剤を作製した。次に該現像剤を使用して図1に記載のトナーリサイクル方式を有する複写機の現像装置に入れA4の転写紙に縦2cm、横5cmの帯状の未定着画像を複数作製した。
ついで、表層がテフロンで形成された熱定着ロールと、表層がシリコーンゴムで形成された圧力定着ロールが対になって回転する定着機をロール圧力が1Kg/cm2及びロールスピードが50mm/secになるように調節し、該熱定着ロールの表面温度を段階的に変化させて、各表面温度において上記未定着画像を有した転写紙のトナー像の定着をおこなった。この時余白部分にトナー汚れが生じるか否かの観察をおこない、汚れが生じない温度領域を非オフセット温度領域とした。また、非オフセット温度領域の最大値と最小値の差を非オフセット温度幅とした。
【0030】
(2)定着強度
前記定着機の熱定着ロールの表面温度を160℃に設定し、前記未定着画像が形成された転写紙のトナー像の定着をおこなった。そして、形成された定着画像の画像濃度を反射濃度計(マクベス社製、商品名:RD−914)を使用して測定した後、該定着画像に対して消しゴムによる摺擦を施し、ついで同様にして画像濃度を測定した。得られた測定値から下記式によって定着強度を算出した(定着強度は実用上80%以上であることが必要である)。
【0031】
【数1】
【0032】
(3)現像特性
また、前項(1)における各現像剤及び複写機を用いて50000枚までの連続コピー試験をおこなった。連続コピーした原稿は黒色部が6%のA4のものであり、画像濃度はベタ画像部をマクベス反射濃度計RD−914で測定(画像濃度は実用上1.30以上であることが必要である)し、地カブリは日本電色工業社製のカラーメーターZE2000で測定した値(地カブリは実用上1.00以下であることが必要である)である。
また、定着時の爪痕は、50000枚後の定着画像を目視により確認し、爪痕が発生していなかったものを○、発生していたものを×とした。
上記項目の試験結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1の結果から明かなように実施例1〜5の電子写真用トナーでは、初期と50000枚後の画像濃度が1.40以上であって、地カブリも0.41以下という実用上問題ない範囲で多数枚複写できることが確認され、トナーのリサイクル性に何等問題のないことが認められた。また、定着強度も83%以上有り低温定着性にも優れ、非オフセット温度領域及び定着時の爪痕も問題がなかった。
これに対し、比較例1は定着強度が低く非オフセット温度領域も狭いものであった。 比較例2乃至4では50000枚後の画像濃度が低く、地カブリも多い画像であり、リサイクル機構を搭載した電子写真用システムでは実用上問題があることが確認された。
【0035】
【発明の効果】
本発明の電子写真用トナーは、リサイクル機構を搭載した電子写真システムに使用した場合に実施例の通り実用上問題なく多数枚の複写が可能である。
したがって、トナーリサイクル性と低温定着性が両立した電子写真用トナーである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る画像形成手段の概念図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(感光体)
4a 現像剤収容器
4b 現像スリーブ(現像体)
6 現像剤
6a トナー画像
6b 回収トナー
7 記録シート
9 トナー回収手段
11 トナー
Claims (1)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤及びDSCの吸熱ピークが80〜100℃であるフィッシャートロプシュワックスを0.5〜8重量%含有したトナー母粒子の表面に、加熱減量が1%未満の疎水性シリカと、親水性シリカが付着されてなり、前記疎水性シリカ1重量部に対して親水性シリカが2〜10重量部付着されていることを特徴とするリサイクル機構を搭載した電子写真システムに用いられる電子写真用トナー。
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