JP3631547B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真用トナーに関し、特に熱ロール定着を採用している複写機またはプリンター用の電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式を用いた複写機及びプリンターは、一般家庭等を含めてその普及が広まるに伴い、複写機またはプリンターの多機能化を主な目的とした低エネルギー化(消費電力の削減)、印刷機と複写機との境に位置するいわゆるグレイエリアへの普及を目的とした高速化、あるいは機械コストを下げるための定着ロールの簡素化のための低ロール圧力化が望まれている。また、複写機の高級化に伴い両面コピー機能や原稿自動送り装置の搭載された複写機が広く普及されてきたため、複写機及びプリンターに使用される電子写真用トナーには定着温度が低く、耐オフセット性が優れて、且つ両面コピー時の汚れや、原稿自動送り装置における汚れの発生を防止するため転写紙への定着強度の優れたものが要求されている。
【0003】
上記の要求に対して従来技術では、結着樹脂の分子量や分子量分布を改良したもの等の提案がなされている。
具体的には、結着樹脂を低分子量化し、定着温度を低くしようとする試みがなされていた。しかしながら、低分子量化することにより融点は低下したが同時に粘度も低下したため定着ロールへのオフセット現象が発生する問題を生じていた。このオフセット現象を防ぐため、該結着樹脂の分子量分布を広くすることが必要であった。しかしながら、この方法においては定着性を充分に持たせるために、樹脂のガラス転移温度(Tg)を低くせざるを得ず、トナーの保存性を損なうことが避けられなかった。また、上記オフセット現象を防ぐためポリオレフィン系の離型剤を含有させる方法も提案されている。しかしながら、該離型剤を含有させるとトナーの融点が高くなり、従って低い定着温度で定着させた場合、転写紙への充分な定着強度を得ることができないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は低い定着温度で定着することができ、非オフセット性においても実用上何等問題を発生せず、転写紙への定着強度と画像特性の優れた電子写真用トナーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は酸価が1〜5mgKOH/gの天然ガス系フィッシャートロプシュワックスと、酸価が1〜5mgKOH/gのポリエステル樹脂を含有することを特徴とする電子写真用トナーである。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明はポリプロピレンワックスより低融点であり、天然ガスを原料とする無酸価のフィッシャートロプシュワックスを触媒存在下で空気等により酸化し、1〜5mgKOH/gの酸価を付与させた後、ポリエステル樹脂に分散させた、低溶融開始温度かつ高離型性のトナーである。無酸価の天然ガス系フィッシャートロプシュワックスは従来から離型剤として使用されるポリプロピレンワックスより低融点であるため、トナーの溶融開始温度を下げ定着性向上に効果があるが、ポリエステル樹脂に分散させると両者の相溶性が悪いために分散性が劣り、ワックスの脱離等により高温オフセットが悪化する場合がある。そこで発明者等は天然ガス系フィッシャートロプシュワックスに極性基を持たせることで相溶性を向上させた。
【0007】
本発明において、天然ガス系フィッシャートロプシュワックス及びトナーの主樹脂であるポリエステル樹脂の酸価をそれぞれ1〜5mgKOH/gとした理由は下記のとおりである。
天然ガス系フィッシャートロプシュワックスは直鎖状パラフィンワックスのため、酸価を5mgKOH/gを越えて大きい強い酸化ではパラフィン分子鎖が切断され50℃以下での低融点成分が増加し、トナーの保存安定性を悪化させるし、また酸価を1mgKOH/g未満とすると結着樹脂との相溶性が低下しワックスの脱離等が発生して、耐高温オフセット性が不十分となるので、天然ガス系フィッシャートロプシュワックスの酸価は1〜5mgKOH/gであることが必要である。またトナーの主樹脂であるポリエステル樹脂の酸価を5mgKOH/gより高くするとトナー帯電量の環境依存性が大きく、逆に1mgKOH/g未満では前記ワックスとの相溶性が低下しワックスの脱離等が発生するために、ポリエステル樹脂の酸価も1〜5mgKOH/gであることが必要である。
また、天然ガス系フィッシャートロプシュワックスは、酸価が1〜5mgKOH/gであると共に、示差熱量分析計における融点が85℃〜100℃である場合が、主樹脂であるポリエステル樹脂等との溶融混練を容易に行う際の分散性が向上するために好ましい。
【0008】
本発明に使用されるポリエステル系樹脂のジオール成分の例としては、ポリオキシプロピレン2,2−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等があげられる。また3価以上の多価アルコールの例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
また、酸成分としてはフマール酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、イタコン酸、グルタコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、アルケニルコハク酸、あるいは3価以上の多価カルボン酸の例としては1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等があげられる。
【0009】
上記、酸成分、アルコール成分からポリエステルを合成する際には、触媒としてジブチル錫オキサイド、チタンテトラプロオキシド、酢酸亜鉛、P−トルエンスルホン酸等を使用してもよい。
また、本発明を構成する天然ガス系フィッシャートロプシュワックスは、シェルMDS社FT−100、FT−0070、FT−0165、FT−1155等に代表される無酸価の天然ガス系フィシャートロプシュワックスに対して触媒存在下で空気酸化等により酸価を付与したワックスである。
具体的には3価の酢酸コバルト、プロピオン酸コバルト或いは硝酸コバルトを特定温度以下で固体担体に担持させた触媒の存在下、液相、無溶媒で無酸価のワックスに分子状酸素を作用させて効率良く酸化生成物を得ることができる。
またトナーの110℃における溶融粘度が1×10(POISE)以下になるような樹脂が好ましく用いられる。本発明のトナーの110℃における溶融粘度が1×10(POISE)より高いと天然ガス系フィッシャートロプシュワックスとの粘度差が大きくなるためワックスの分散性等が悪化し脱離等により高温オフセット性が低下し易い。
【0010】
ここでいう溶融粘度とは、島津製作所製高化式フローテスターCFT−500にて測定した。
測定条件;
プランジャー:1cm
ダイの直径 :1mm
ダイの長さ :1mm
荷重 :20KgF
予熱温度 :50〜80℃
予熱時間 :300sec
昇温速度 :6℃/min
また、ここでいうDSCによる融点は吸収熱量のピーク温度のことであり、セイコー電子工業社SSC−5200にて測定した。
測定条件;
昇温(冷却)範囲:20〜150℃
昇温速度 :10℃/分
冷却 :急冷
上記昇温、冷却させる過程を2回繰り返し2回目の吸収熱量を測定するものである。
【0011】
本発明のトナーは前記成分の他にポリエステル樹脂以外の結着樹脂、着色剤、磁性体及び帯電制御剤、流動化剤などの特性改良剤を含有させることができる。本発明の電子写真用トナーの結着樹脂として配合可能な上記樹脂以外の樹脂としては、エチレン、プロピレン等のモノマーの重合体、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレンタ樹脂等を挙げることができる。
【0012】
前記着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコオイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオクサレート、ランプブラック、ローズベンガル、これらの混合物、その他を挙げることができる。これらの着色剤は、十分な濃度の可視像が形成されるに十分な割合で含有されることが必要であり、通常結着樹脂100重量部に対して1〜20重量部程度の割合とされる。
【0013】
前記磁性体としては、フェライト、マグネタイトを始めとし、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属若しくは合金またはこれらの元素を含む化合物、或いは強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、または二酸化クロム、その他を挙げることができる。これらの磁性体は平均粒径 0.1〜1μmの微粉末の形で結着樹脂中に均一に分散される。そしてその含有量は、トナー100重量部当り20〜70重量部、好ましくは40〜70重量部である。
【0014】
前記帯電制御剤としては、クロム錯塩系帯電制御剤、鉄系帯電制御剤、樹脂系帯電制御剤、トリフェニルメタン系制御剤、第4級アンモニウム塩系制御剤等が用いられる。
【0015】
本発明の電子写真用トナーは、フェライト粉や鉄粉等より成るキャリアと混合されて二成分系現像剤とされる。また磁性体が含有されるときはキャリアと混合しないでそのまま一成分系現像剤として静電荷像の現像に使用されるか、あるいはキャリアと混合されて二成分系現像剤として使用してもよい。さらには非磁性一成分の現像方法にも適用可能である。
【0016】
また、本発明の電子写真用トナーは、トナー自体の酸価が1〜5mgKOH/gであり、クロロホルム不溶分を有することが好ましい。トナーの酸価が1mgKOH/g未満であると、結着樹脂とワックスとの相溶性が低下し、ワックスの脱離が発生して、耐高温オフセット性が悪化し、一方5mgKOH/gを越えて大きいと帯電量の環境依存性が大きくなるため好ましくない。また、クロロホルム不溶分を含有しないと高温オフセットが発生し易い。
【0017】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を説明する。なお、実施例において部とあるは重量部を示す。
合成例1
アルコール成分としてビスフェノールAエチレンオキサイド付加物52モル%、酸成分としてテレフタル酸40モル%、トリメリット酸8モル%の混合物100部を温度計、ステンレス製攪拌器、流下式コンデンサーを備えた反応器にいれ、窒素ガス雰囲気下で内温220℃にて攪拌回転数200rpmで反応を行った。得られたポリエステル樹脂Aの溶融開始温度は108℃、酸価は 4.2mgKOH/gであった。
【0018】
合成例2
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物57モル%、イソフタル酸38モル%、トリメリット酸5モル%の混合物100部を温度計、ステンレス製攪拌器、流下式コンデンサーを備えた反応器にいれ、窒素ガス雰囲気下で内温220℃にて攪拌回転数200rpmで反応を行なった。得られたポリエステル樹脂Bの溶融開始温度は98℃、酸価は 2.1mgKOH/gであった。
【0019】
合成例3
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物54モル%、テレフタル酸40モル%、トリメリット酸6モル%の混合物92部と酸価 3.2mgKOH/gの天然ガス系フィッシャートロプシュワックス(日本精蝋社FT−100の酸化品:DSC融点89℃)8部を温度計、ステンレス製攪拌器、流下式コンデンサーを備えた反応器にいれ、窒素ガス雰囲気下で内温220℃にて攪拌回転数200rpmで反応を行った。得られたポリエステルの樹脂Cの溶融開始温度は101℃、酸価は 3.4mgKOH/gであった。
【0020】
実施例1
ポリエステル樹脂は合成例1で得られたAを用いた。
Figure 0003631547
上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合し、二軸混練機で熱溶融混練後(設定温度110℃)、ジェットミルで粉砕し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が10μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性シリカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−530)0.3部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電子写真用トナーを得た。本トナーの110℃における溶融粘度は1×10(POISE)で、クロロホルム不溶分が確認された。
この場合のクロロホルム不溶分の測定は、トナー0.5gを円筒濾紙(No.5A)に入れ、クロロホルム50mlを用いてクロロホルムの沸点で1時間抽出し、その時の円筒濾紙残分を定量することにより行なった。
【0021】
実施例2
ポリエステル樹脂は合成例2で得られたBを用いた。
Figure 0003631547
上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合し、二軸混練機で熱溶融混練後(混練温度100℃)、ジェットミルで粉砕し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が10μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性シリカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−530) 0.3部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電子写真用トナーを得た。本トナーの110℃における溶融粘度は6×10(POISE)で、クロロホルム不溶分が確認された。
【0022】
実施例3
ポリエステル樹脂は合成例3で得られたCを用いた。
Figure 0003631547
上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合し、二軸混練機で熱溶融混練後(設定温度100℃)、ジェットミルで粉砕し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が10μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性シリカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−530) 0.3部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電子写真用トナーを得た。本トナーの110℃における溶融粘度は7×10(POISE)で、クロロホルム不溶分が確認された。
【0023】
合成例4
アルコール成分としてビスフェノールAエチレンオキサイド付加物60モル%、酸成分としてテレフタル酸34モル%、トリメリット酸6モル%の混合物100部を温度計、ステンレス製攪拌器、流下式コンデンサーを備えた反応器にいれ、窒素ガス雰囲気下で内温220℃にて攪拌回転数200rpmで反応を行った。得られたポリエステルの樹脂Dの溶融開始温度は109℃、酸価は 1.0mgKOH/g未満であった。
【0024】
比較例1
実施例1のポリエステル樹脂Aの代わりにポリエステル樹脂Dを使用した以外は実施例1と同様にして比較用の電子写真用トナーを得た。本トナーの110℃溶融粘度は9×10(POISE)で、クロロホルム不溶分が確認された。
【0025】
比較例2
実施例1の酸価3.2mgKOH/gの天然ガス系フィッシャートロプシュワックスの代わりに無酸価のフィッシャートロプシュワックスFT−100を使用した以外は実施例1と同様にして比較用の電子写真用トナーを得た。本トナーの110℃溶融粘度は1×10(POISE)で、クロロホルム不溶分が確認された。
【0026】
比較例3
実施例1の酸価 3.2mgKOH/gの天然ガス系フィッシャートロプシュワックスの代わりにプロピレンワックス(三洋化成工業社製 商品名:ビスコール550P)を使用した以外は実施例1と同様にして比較用の電子写真用トナーを得た。本トナーの110℃溶融粘度は1×10(POISE)で、クロロホルム不溶分が確認された。
【0027】
比較例4
実施例1の酸価 3.2mgKOH/gの天然ガス系フィッシャートロプシュワックスに代えて酸価 8.5mgKOH/gのフィッシャートロプシュワックス(日本精蝋社製 商品名:FT−100の酸化品…DSC融点84℃)を用いた以外は実施例1と同様にして比較用の電子写真用トナーを得た。本トナーの110℃溶融粘度は1×10(POISE)で、クロロホルム不溶分が確認された。
【0028】
合成例5
アルコール成分としてビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物50モル%、酸成分としてテレフタル酸48モル%、トリメリット酸2モル%の混合物100部を温度計、ステンレス製攪拌器、流下式コンデンサーを備えた反応器にいれ、窒素ガス雰囲気下で内温22℃にて攪拌回転数200rpmで反応を行った。得られたポリエステルの樹脂Eの溶融開始温度は96℃、酸価は 6.1mgKOH/gであった。
【0029】
比較例5
実施例1のポリエステル樹脂Aの代わりに、酸価 6.1mgKOH/gのポリエステル樹脂Eを使用した以外は実施例1と同様にして比較用の電子写真用トナーを得た。本トナーの110℃の溶融粘度は5×10(POISE)で、クロロホルム不溶分は確認されなかった。
【0030】
次に前記実施例及び比較例について下記の項目の試験を行なった。
(1)非オフセット温度領域および非オフセット温度幅
まず、前記実施例及び比較例で得た各電子写真用トナー4部と樹脂被覆を施してないフェライトキャリア(パウダーテック社製 商品名:FL−1020)96部とを混合して二成分系現像剤を作製した。次に該現像剤を使用して市販の複写機(シャープ社製 商品名:SF−9800)にてA4の転写紙に縦2cm、横5cmの帯状の未定着画像を複数作成した。
次に、表層が4フッ化エチレン樹脂(デュポン社製 商品名:テフロン)で形成された熱定着ロールと、表層がシリコーンゴムで形成された圧力定着ロールが対になって回転する定着機をロール圧力が1kg/cm及びロールスピードが50mm/secになるように調節し、該熱定着ロールの表面温度を段階的に変化させて、各表面温度において上記未定着画像を有した転写紙のトナー像の定着を行なった。この時余白部分にトナー汚れが生じるか否かの観察を行ない、汚れが生じない温度領域を非オフセット温度領域とした。また、非オフセット温度領域の最大値と最小値の差を非オフセット温度幅とした。
【0031】
(2)定着強度
前記定着機の熱定着ロールの表面温度を140℃に設定し、前記未定着画像が形成された転写紙のトナー像の定着を行なった。そして、形成された定着画像に対して綿パッドによる摺擦を施し、下記式によって定着強度を算出し低エネルギー定着性の指標とした。画像濃度はマクベス社製の反射濃度計RD−914を使用した。
定着強度(%)=(摺擦後の定着画像の画像濃度/摺擦前の定着画像の画像濃度)×100
【0032】
(3)流動性
トナーの流動性を表す指標としてJIS K5101に準じて見掛密度を測定した。
(4)保存安定性
トナー20gを容積150ccのポリエチレン製ボトルに入れ、50℃の恒温槽で24時間保管した。室温に放冷後、トナーをボトルから取り出し状態を観察した。表1において○は指で触って硬さを感じない、×は塊があり実用上問題となるレベルである。
上記項目の試験結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003631547
【0034】
表1の試験結果から明らかなように、本発明の電子写真用トナーの非オフセット温度幅は80℃以上という実用上十分な範囲を維持していることが確認された。また、定着温度140℃における定着強度が80%以上あり、実用上十分な定着強度を有することが確認された。
これに対して、比較例1および2では非オフセット温度幅が狭く流動性が劣ることが、また比較例3では140℃における定着強度が70%以下と低いものであることが確認された。比較例4ではトナーの保存安定性に問題が発生した。比較例5では高温非オフセット温度が低く、非オフセット温度幅が非常に狭い。
【0035】
また、前項(1)における実施例の各現像剤を使用して市販の複写機(東芝社製 商品名:BD−3801)で10000枚までの連続コピー試験を行なった結果を表2に示した。実施例1〜実施例3の全てにおいて、摩擦帯電量が初期から10000枚までの間を−22μc/gから−26μc/gの値で推移し、画像濃度も初期から10000枚までの間を1.40から1.38までの値を推移するもので実用上問題のないことが確認された。なお、コピーした原稿は黒色部が6%のA4のものであり、摩擦帯電量は東芝ケミカル社製のブローオフ摩擦帯電量測定装置を使用し、画像濃度およびカブリはマクベス社製の反射濃度計RD−914を使用した。
【0036】
【表2】
Figure 0003631547
【0037】
【発明の効果】
本発明の電子写真用トナーは、十分な非オフセット温度領域を維持し低い温度で定着することができ、かつ定着強度に優れていると共に、十分な画像濃度を多数枚得ることができるという効果を奏する。

Claims (4)

  1. 酸価が1〜5mgKOH/gの天然ガス系フィッシャートロプシュワックスと酸価が1〜5mgKOH/gのポリエステル樹脂を含有することを特徴とする電子写真用トナー。
  2. トナーの酸価が1〜5mgKOH/gであり、クロロホルム不溶分を有することを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. トナーの110℃における溶融粘度が1×10(POISE)以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナー。
  4. 前記天然ガス系フィッシャートロプシュワックスの示差熱量分析計(以下DSCと略す)における融点が85〜100℃であることを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナー。
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