JP4180751B2 - 弾性クローラ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設・土木用作業機や農業用作業機等の走行部として使用されるクローラ式走行装置に採用される弾性クローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行装置として、進行方向前後一方に配置された駆動スプロケットと、他方に配置されたアイドラと、これら駆動スプロケットとアイドラとの間に配置された複数個の転輪と、駆動スプロケット、アイドラ及び転輪に亘って巻き掛けられる無端帯状のゴムクローラとを備えて構成されていて、駆動スプロケットを回転駆動することによりゴムクローラを周方向に循環回走させるようにしたクローラ式走行装置がある。
【0003】
前記ゴムクローラは、ゴムで形成された無端帯状のクローラ本体内に、クローラ幅方向の芯金が、クローラ周方向に間隔をおいて且つクローラ周方向全周に亘って埋設されて主構成されている。
また、ゴムクローラには、クローラ周方向に極めて大きな張力(テンション)が作用するため、クローラ本体内には、芯金を外囲いするクローラ周方向の抗張体がされている。
この抗張体として、有端の1本の抗張力コードをクローラ周方向に1周巻回したものを、クローラ幅方向に並列状として配置することにより構成されたものが、特開平7−60869号公報及び特許第2863588号公報に開示されている。
【0004】
このものにあっては、1本の抗張力コードは、その両端部側部分がクローラ本体内で重ね合わされる(ラップジョイントされる)ことで環状とされていることから、(1)抗張力コードの端部側部分がゴムから剥離することによるジョイント部分の分離、(2)ゴムクローラが駆動スプロケット等に巻き掛けられて湾曲して抗張体にクローラ周方向のテンションが作用したときに、抗張力コードの端部側部分がクローラ本体の外周側に、はね上がってゴムの亀裂を生じさせる、(3)抗張力コードの重ね合わせ部分の剛性が大で、振動発生、騒音発生、乗り心地不良等の不具合がある(なお、先端とは、抗張力コードの最もはしの部分をいい、端部側部分とは、先端からある程度距離のある部分をいう)。
【0005】
このような不具合を解消できる抗張体として、1本の抗張力コードを螺旋状に巻回する(1本の抗張力コードを、クローラ幅方向に位置をずらしながらクローラ周方向に何周か巻回する)ことにより、継ぎ目のないスパイラル(ジョイントレス)構造のものが、特開平9−76369号公報及び実開昭57−174287号公報に開示されている。
このスパイラル構造の抗張体を備えたゴムクローラを成形するには、図22(a)〜(e)に示すように、先ず左右の分割モールド31aを嵌め合わせて内モールド31を形成し、この内モールド31内に、ゴムクローラの内周側を構成する未加硫ゴム材料32を充填すると共に、内キャビティ31内に充填された未加硫ゴム材料32の外周側に1本の抗張力コード33をスパイラル状に巻き上げる。
【0006】
次いで、ゴムクローラの外周側を構成する未加硫ゴム材料34を充填した外モールド35を内モールド31に合体させ、次いでゴム材料を加硫し、その後モールド31,35からゴムクローラ36を取り出す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のスパイラル構造の抗張体を備えたゴムクローラにあっては、抗張力コードを未加硫ゴム材料上に巻き上げるのに時間がかかるという問題がある。
また、加硫前においてクローラ幅方向で隣り合う抗張力コード間に隙間が存在することから、加硫時に、抗張力コードが乱れやすいという問題もある。
また、抗張力コードの端部側部分が、クローラ幅方向で隣り合う抗張力コードに近接(又は接触)していると、該抗張力コードの端部側部分とゴムとの接着性が悪く、このためゴムクローラに作用する、圧縮荷重、引張り荷重、ねじり荷重等の荷重により、抗張力コードの端部側部分がゴムから剥離し易くなり、抗張力コードの端部側部分がゴムから剥離すると、ゴムクローラが駆動スプロケット等に巻き掛けられて屈曲したときに、抗張力コードの端部側部分がクローラ外周側にはね上がろうとし、ゴムの亀裂を生じさせ、抗張力コードの端部側部分が露出することがある。
【0008】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みて、抗張力コードの巻き上げ時間の軽減化が図れる共に、抗張力コードの列の乱れを減少させることのできる弾性クローラを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明が前記目的を達成するために講じた技術的手段は、ゴム様弾性体で無端状に形成されたクローラ本体7内に、クローラ周方向Aの抗張体13が埋設されている弾性クローラにおいて、前記抗張体13は、抗張力コード14の複数本を1単位とした単位抗張力コード体15が、螺旋状となるように、クローラ周方向Aに巻回されることで、抗張力コード14のクローラ幅方向Bに隣り合う部分がクローラ幅方向Bに並列状となるように構成され
単位抗張力コード体15自身のクローラ幅方向Bにおいて隣り合う部分間の寸法をaとし、単位抗張力コード体15を構成する抗張力コード14のクローラ幅方向Bにおいて隣り合う部分間の寸法をbとすると、a>bとされていることを特徴とする。
【0010】
また、抗張力コード14の各先端14aが、クローラ幅方向Bに対して斜め方向に並ぶように形成されているのがよい。
また、単位抗張力コード体15の少なくとも一方の端部側部分15bを湾曲状に構成するのがよい。
また、単位抗張力コード体15の一方の先端15aと他方の先端15aとがクローラ周方向Aに関して所定間隔をおいて位置されているのがよい。
また、複数本の抗張力コード14を該複数本の抗張力コード14が平行状となるようにゴム様弾性体からなる被覆材16で被覆してなる被覆コード体17を、弾性クローラの内周側を構成する未加硫ゴムの外周側に螺旋状となるようにクローラ周方向に巻回した後に、弾性クローラの外周側を構成する未加硫ゴムを、弾性クローラの内周側を構成する未加硫ゴムの外周側に合体させ、これを加硫することにより成形されているのがよい。
【0011】
また、他の技術的手段は、ゴム様弾性体で無端状に形成されたクローラ本体7内に、クローラ周方向Aの抗張体23が埋設され、この抗張体23は、1本又は複数本の抗張力コード14を、螺旋状となるように、クローラ周方向Aに巻回することで、抗張力コード14のクローラ幅方向Bに隣り合う部分がクローラ幅方向Bに並列状となるように構成され、抗張力コード14の端部側部分14bが、先端14aに向かうにしたがってクローラ幅方向外方B1に移行するように形成されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2において、1は、本発明を採用したクローラ式走行装置の一例を示すものであり、このクローラ式走行装置1は、進行方向前後一方に配置された駆動スプロケット2(駆動輪)と、他方に配置されたアイドラ3(従動輪)と、これら駆動スプロケット2とアイドラ3との間に配置された複数個の転輪4と、駆動スプロケット2、アイドラ3及び転輪4に亘って巻き掛けられる無端帯状の弾性クローラ5とを備えて構成されていて、駆動スプロケット2を回転駆動することにより弾性クローラ5をクローラ周方向Aに循環回走させるようにした走行体6を左右一対備えてなる。
【0013】
なお、クローラ走行装置1としては、前記のような強制駆動式のものでなくても、軽トラックの後輪(駆動輪)と、前後輪の間に配置された遊転輪(従動輪)とに亘って弾性クローラ5が掛け渡されるタイヤ駆動式(摩擦駆動式)クローラ走行装置であってもよい。
前記弾性クローラ5は、図1〜図3に示すように、ゴム又は樹脂等の可撓性を有する弾性体(ゴム様弾性体)からなる無端帯状のクローラ本体7を備え、このクローラ本体7内には、多数個のクローラ幅方向Bの芯金8がクローラ周方向A全周に亘って且つクローラ周方向Aに間隔をおいて埋設されている(なお、芯金なしのタイプの弾性クローラであってもよい)。
【0014】
このクローラ本体7の外周面側F(接地面側)には、ラグ9がクローラ周方向Aに間隔をおいて全周に亘って一体的に設けられている(なお、ラグの代わりにブロックパターン等が形成されたものであってもよい)。
なお、このラグ8は、例えば、図3に示すように芯金8に対応する位置又はクローラ周方向Aで隣り合う芯金8に跨って形成される。
クローラ本体7のクローラ幅方向B中央部には、クローラ周方向Aで隣り合う芯金8間に位置し且つクローラ厚さ方向Cに貫通形成された係合孔10が、クローラ周方向A全周に亘って形成されている。この係合孔7には前記駆動スプロケット2の突起が挿入係合されて駆動スプロケット2から弾性クローラ5に駆動力が伝えられる。
【0015】
芯金8のクローラ幅方向Bの中央側には、芯金8からクローラ内周側Iに向けて突出する一対のガイド突起11が設けられており、これらガイド突起11によって転輪4等の脱輪が防止される。
また、クローラ本体7内の左右両側には、芯金8よりもクローラ外周側Fとなる位置に配置されていて芯金8を外囲いする抗張体13が、クローラ周方向A全周に亘って埋設されている。
なお、本実施の形態の弾性クローラ5のように駆動スプロケット2で駆動されるタイプのものでない弾性クローラ、すなわち、リムに空気入りタイヤを装着した車輪によって摩擦駆動されるタイプの弾性クローラであれば、抗張体はクローラ幅方向の一端側から他端側に亘って設けられる。
【0016】
前記抗張体13は、図1及び図4に示すように、有端の抗張力コード14の複数本(図1又は図4に示すものでは3本)を1単位とした単位抗張力コード体15が、螺旋状となるように、クローラ周方向Aに巻回されることで(数本単位の抗張力コード14を、クローラ幅方向Bに位置をずらしながらクローラ周方向Aに何周か巻回することで)、抗張力コード14のクローラ幅方向Bに隣り合う部分がクローラ幅方向Bに並列状となるように構成されている。
このように、スパイラルに巻回される抗張力コード14を数本単位とすることで、成形時において、スパイラルの巻き上げ時間が半減又はそれ以下とすることができ、コスト及び効率面で有利であると共に、抗張力コード巻き上げ時の乱れを減少させることができる。また、抗張力コード14を数本単位とすることで、抗張力コード14のクローラ周方向Aのテンションの分散も可能である。
【0017】
なお、抗張力コード14としては、例えば、鋼製フィラメントを数本よったものを、さらに数束よりあわせたスチールコードや、ナイロン、テトロン等のフィラメントから構成されるナイロンコード、テトロンコード、その他アラミド繊維コード、ガラス繊維コード等のコードが採用される。
また、単位抗張力コード体15は、図5に示すように、2本の抗張力コード14で構成されていてもよく、4本以上の抗張力コード14で構成されていてもよい。
【0018】
前記単位抗張力コード体15の先端15aは、クローラ幅方向Bに対して交差する方向(バイアス方向)Dにカット(バイアスカット)された形状に構成されていて、各抗張力コード14の先端14aが、クローラ幅方向Bに対して交差する方向Dに並ぶように配置形成されている。
これにより、単位抗張力コード体15の先端15aの、クローラ周方向A前後の剛性差を緩和することができ、単位抗張力コード体先端15aの応力集中緩和が図れると共に、剥離しにくくなるという効果を奏する。
【0019】
なお、図1では、単位抗張力コード体15の先端15aは、芯金8に対応する位置に配置されているが、クローラ周方向Aで隣り合う芯金8間に配置されていてもよい。
また、本実施の形態のものでは、単位抗張力コード体15の一方の先端15aと他方の先端15aとは、図1、図4及び図5に示すように、クローラ周方向Aに関してLだけ位置ずれして配置されているが、これは、図18に示すように、単位抗張力コード体15の一方の先端15aと他方の先端15aとが、クローラ周方向Aに関して同位置にあると、図19のグラフからも分かるように、単位抗張力コード体15の一方の先端15aと他方の先端15aとの、クローラ幅方向B間の部分Gの剛性が他の部分(JやH等)よりも局部的に弱くなり(本発明のように、抗張体13を構成する抗張力コード14の本数が多くなると生ずる)、抗張体13にクローラ周方向Aのテンションが作用した場合、単位抗張力コード体15の一方の先端15aと他方の先端15aとの、クローラ幅方向B間の部分にクローラ幅方向Bの亀裂が生じることがあるからである。
【0020】
なお、図19は、単位抗張力コード体15のクローラ周方向Aに関する位置を縦軸にとり、単位抗張力コード体15の強度を横軸にとったものであり、符号G、J、Hは図18の、単位抗張力コード体15のクローラ周方向Aに関する位置G、J、Hに対応する。また、強度は右へ行くほど大となる。
この単位抗張力コード体15の一方の先端15aと他方の先端15aとのクローラ周方向Aの間隔Lは、芯金8間ピッチの1/2以上あればよい。また、図6に示すように、単位抗張力コード体15の一方の先端15aと他方の先端15aとを同じ芯金8に対応する位置に位置させるときには、Lは芯金8のクローラ周方向A幅の1/2以上あればよい。
【0021】
また、単位抗張力コード体15の一方の先端15aと他方の先端15aとのクローラ周方向Aの間隔Lは、弾性クローラ5が駆動スプロケット2又はアイドラ3に巻き掛けられて接触している部分の長さよりも大とするのがよい。
ここで、数本単位の抗張力コード14からなるスパイラル構造の抗張体13が埋設された弾性クローラ5の製造方法について説明すると、弾性クローラ5は、従来の技術の欄で説明した製造方法と大筋において同様にして形成されるが、本実施の形態にあっては、単位抗張力コード体15は、弾性クローラ5の内周側を構成する未加硫ゴム材料に巻き上げられる前においては、図6及び図7に示すように、ゴム様弾性体からなる被覆材16によって各抗張力コード14が相互に平行状となるように被覆されていて、被覆コード体17とされ、この被覆コード体17を弾性クローラ5の内周側を構成する未加硫ゴム材料の外周側に巻き上げる。その後は従来の製造方法と同様に、弾性クローラ5の外周側を構成する未加硫ゴム材料を充填した外モールドを内モールドに合体させ、その後ゴム材料を加硫する。
【0022】
前述したように、単位抗張力コード体15を被覆することで、単位抗張力コード体15を、弾性クローラ5の内周側を構成する未加硫ゴム材料に巻き上げるときや加硫時において、各抗張力コード14のクローラ幅方向Bの間隔が乱れることなく、所定の間隔にできるという効果を奏する。
また、図9に示すように、抗張体13は、単位抗張力コード体15自身の、クローラ幅方向Bにおいて隣り合う部分間の寸法をaとし、単位抗張力コード体15を構成する各抗張力コード14の、クローラ幅方向Bにおいて隣り合う部分間の寸法をbとすると、a>bとなるように構成されるのがよい。
【0023】
弾性クローラ5が突起物等に乗り上げること等により弾性クローラ5の外周面にカット傷を受けた場合、このカット傷が進行して抗張力コード14に至ると錆が発生するが、a=bでは、単位抗張力コード体15を構成する各抗張力コード14の、クローラ幅方向Bにおいて隣り合う部分間の接着強度は、単位抗張力コード体15自身の、クローラ幅方向Bにおいて隣り合う部分間の接着強度よりも大であることから、カット傷の進行(カット傷による錆の進行)については、単位抗張力コード体15を構成する各抗張力コード14の、クローラ幅方向Bにおいて隣り合う部分間の方が進行が遅い。
【0024】
したがって、単位抗張力コード体15自身の、クローラ幅方向Bにおいて隣り合う部分間を広くする(a>b)ことで、その間のゴム強度を大とし、カット傷(剥離)の進行を抑えている。
また、図9に示すように、単位抗張力コード体15の端部側部分15bは、抗張体13をクローラ幅方向に亘って外囲いするように、プロテクタ18によって巻き込むように構成するのがよい。
これは、弾性クローラ5が駆動スプロケット2やアイドラ3に巻き掛けられて湾曲したときにあっては、抗張体13にクローラ周方向Aのテンションが作用し、単位抗張力コード体15の端部側部分15bが元に戻ろうとする力によって、該端部側部分15bがクローラ外周側Fにはね上がろうとするが、このはね上がりを前記プロテクタ18によって有効に抑えることができるのである。
【0025】
このプロテクタ18は、例えば、抗張力コード14に対して交差する方向に配置されたコードが、該コード配置方向に直交する方向に相互に間隔をおいて並列状として配設されてなるものが使用される。このようなプロテクタ18を使用することで、弾性クローラ5の屈曲性を妨げることなく、単位抗張力コード体15の端部側部分15bのはね上がりを有効に抑えることができる。
なお、このプロテクタ18を構成するコードとしては、スチールコード、ナイロンコード、テトロンコード、アラミド繊維コード、ガラス繊維コード等のコードが採用される。
【0026】
また、図10に示すように、単位抗張力コード体15の端部側部分15bをゴムシート19で覆いその外側をプロテクタ18によって巻き込むように構成してもよい。
図11〜図16に示すものは、前述した単位抗張力コード体15の端部側部分15bのクローラ外周側Fへのはね上がり防止を企図したものである。
図11に示すものは、単位抗張力コード体15の端部側部分15bをゴムシート19で覆うと共に、該端部側部分15b及びゴムシート19のクローラ外周側Fにプロテクタ18を配置することにより、単位抗張力コード体15の端部側部分15bを押さえ込むようにしたものである。また、端部側部分15b及びゴムシート19のクローラ内周側Iで且つ芯金8のクローラ外周側Fに周知のキャンバス20がクローラ周方向Aに亘って配置されている。
【0027】
図12及び図13に示すものは、単位抗張力コード体15の端部側部分15bをゴムシート19によって、クローラ内周側Iに寄せることにより、単位抗張力コード体15の端部側部分15bを押さえ込むようにしたものであり、図12のものでは、さらに、ゴムシート19のクローラ外周側Fにプロテクタ18を配置しており、図13おものでは、前記と同様のキャンバス20が埋設されている。
図14、図15及び図16に示すものは、単位抗張力コード体15の端部側部分15bに湾曲部(ルーズ部)21を形成し、単位抗張力コード体15にクローラ周方向Aのテンションが作用した場合に、この湾曲部21で単位抗張力コード体15の端部側部分15bに作用するテンションを緩和することで、単位抗張力コード体15の端部側部分15bのはね上がりを防止するようにしたものである。
【0028】
また、図14のものでは、さらに、単位抗張力コード体15の端部側部分15bを単位抗張力コード体15の他の部分のクローラ内周側Iに潜り込ませることにより、単位抗張力コード体15の端部側部分15bを、単位抗張力コード体15の他の部分と芯金8とで挟み込むようにして、単位抗張力コード体15の端部側部分15bを押さえ込むようにしている。
なお、図14中、18はプロテクタであり、20はキャンバスである。
また、図15及び図16においては、単位抗張力コード体15の端部側部分15bの、クローラ外周側F又はクローラ内周側Iに配置したゴム塊22によって、湾曲部21を形成すると共に、プロテクタ18によって単位抗張力コード体15の端部側部分15bを押さえ込んでいる。
【0029】
図17は、抗張体23を構成する抗張力コード14の端部側部分14bが、先端14aに向かうにしたがってクローラ幅方向外方B1に移行するように形成されたものを示している。
抗張力コード14の端部側部分14bが、クローラ幅方向Bで隣り合う抗張力コード14に近接(又は接触)していると、該抗張力コード14の端部側部分14bとゴムとの接着性が悪く、このため弾性クローラ5に作用する、圧縮荷重、引張り荷重、ねじり荷重等の荷重により、抗張力コード14の端部側部分14bがゴムから剥離し易くなり、抗張力コード14の端部側部分14bがゴムから剥離すると、弾性クローラ5が駆動スプロケット2等に巻き掛けられて屈曲したときに、抗張力コード14の端部側部分14bがクローラ外周側Fにはね上がろうとし、ゴムの亀裂を生じさせ、抗張力コード14の端部側部分14bが露出することがあるが、抗張力コード14の端部側部分14bが、先端14aに向かうにしたがってクローラ幅方向外方B1に移行するように形成して、抗張力コード14の端部側部分14bと、これにクローラ幅方向Bにおいて隣接する抗張力コード14の部分との間の間隔を充分に採ることにより、抗張力コード14の端部側部分14bとゴムとの接着性を向上させることができ、剥離防止が図れる。
【0030】
この場合の抗張体23は、1本(又は複数本)の抗張力コード14を、螺旋状となるように、クローラ周方向Aに巻回することで、抗張力コード14のクローラ幅方向Bに隣り合う部分がクローラ幅方向Bに並列状となるように構成されており、その他の構成は前述した実施の形態と略同様である。
前述した弾性クローラ5は、図21に示す従来技術による製造方法のほか、その他の公知の製造方法によっても製造可能であり、例えば、弾性クローラ5をクローラ周方向Aに関して、部分的に製造していく方法がある。
【0031】
この製造方法は、例えば、先ず、図20に示すように、弾性クローラ5の外周側の一部分を形成する外側金型40と、この外側金型40に対応する弾性クローラ5の内周側を形成する内側金型41とで抗張体13を挟み込み、この内外金型41,40の2組によって、弾性クローラ5を部分的に2カ所(5A,5B)形成する。
次に、図21に示すように、前記2組の内外金型41,40で形成された弾性クローラ5の部分5A,5B間に配置される2組の内外金型43,42で抗張体13を挟み込み、該2組の内外金型43,42で、前記弾性クローラ5の部分5A,5Bを接続するように、弾性クローラ5の部分5A,5B間の部分5C,5Dを形成する。
【0032】
この製造方法は種種変更でき、例えば、前記例では、弾性クローラ5を4分割としたが、2分割又は3分割以上としてもよい。また、一カ所ずつ形成してもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、ゴム様弾性体で無端状に形成されたクローラ本体7内に、クローラ周方向Aの抗張体13が埋設されている弾性クローラにおいて、抗張力コード14の複数本を1単位とした単位抗張力コード体15が、螺旋状となるように、クローラ周方向Aに巻回されることで、抗張力コード14のクローラ幅方向Bに隣り合う部分がクローラ幅方向Bに並列状となるように抗張体13を構成したことにより、成形時において、抗張力コード14の巻き上げ時間が半減又はそれ以下とすることができ、コスト及び効率面で有利であると共に、抗張力コード14巻き上げ時の乱れを減少させることができる。また、抗張力コード14を数本単位とすることで、抗張力コード14のクローラ周方向Aのテンションの分散も可能である。
【0034】
また、弾性クローラ5が突起物等に乗り上げること等により弾性クローラ5の外周面にカット傷を受けた場合、このカット傷が進行して抗張力コード14に至ると錆が発生するが、単位抗張力コード体15を構成する各抗張力コード14の、クローラ幅方向Bにおいて隣り合う部分間の接着強度は、単位抗張力コード体15自身の、クローラ幅方向Bにお いて隣り合う部分間の接着強度よりも大であることから、カット傷の進行(カット傷による錆の進行)については、単位抗張力コード体15を構成する各抗張力コード14の、クローラ幅方向Bにおいて隣り合う部分間の方が進行が遅い。そこで、単位抗張力コード体15自身のクローラ幅方向Bにおいて隣り合う部分間の寸法をaとし、単位抗張力コード体15を構成する抗張力コード14のクローラ幅方向Bにおいて隣り合う部分間の寸法をbとすると、a>bとすることにより、単位抗張力コード体15自身のクローラ幅方向Bにおいて隣り合う部分間のゴム強度を大とし、カット傷(剥離)の進行を抑えることができる。
【0035】
また、抗張力コード14の各先端13aが、クローラ幅方向Bに対して斜め方向に並ぶように形成することにより、単位抗張力コード体15の先端15aの、クローラ周方向A前後の剛性差を緩和することができ、単位抗張力コード体先端15aの応力集中緩和が図れると共に、剥離しにくくなる
また、単位抗張力コード体15の少なくとも一方の端部側部分15bを湾曲状に形成することにより、抗張力3にクローラ周方向Aのテンションが作用した場合に、単位抗張力コード体15の端部側部分15bに作用するテンションを緩和することができる。
【0036】
また、単位抗張力コード体15の一方の先端15aと他方の先端15aとを、クローラ周方向Aに関して所定間隔をおいて位置させることにより、単位抗張力コード体15の一方の先端15aと他方の先端15aとの、クローラ幅方向B間の部分に、剛性の弱い部分が生じるのを防止することができ、抗張体13にクローラ周方向Aのテンションが作用した場合に、単位抗張力コード体15の一方の先端15aと他方の先端15aとの、クローラ幅方向B間の部分に、亀裂が生じるのを防止することができる。
【0037】
た、ゴム様弾性体で無端状に形成されたクローラ本体7内に、クローラ周方向Aの抗張体23が埋設され、この抗張体23は、1本又は複数本の抗張力コード14を、螺旋状となるように、クローラ周方向Aに巻回することで、抗張力コード14のクローラ幅方向Bに隣り合う部分がクローラ幅方向Bに並列状となるように構成され、抗張力コード14の端部側部分14bが、先端14aに向かうにしたがってクローラ幅方向外方B1に移行するように形成して、抗張力コード14の端部側部分14bと、これにクローラ幅方向Bにおいて隣接する抗張力コード14の部分との間の間隔を充分に採ることにより、抗張力コード14の端部側部分14bとゴムとの接着性を向上させることができ、剥離防止が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 弾性クローラを厚さ方向からみた構成図である。
【図2】 走行体の側面図である。
【図3】 弾性クローラを周方向に直交する面で切断した断面図である。
【図4】 抗張体の斜視図である。
【図5】 抗張体の平面図である。
【図6】 抗張体の一部分のクローラ厚さ方向からみた図である。
【図7】 被覆コード体の斜視図である。
【図8】 被覆コード体の斜視図である。
【図9】 クローラ周方向に直交する面で切断した抗張体等の断面図である。
【図10】 クローラ周方向に直交する面で切断した抗張体等の断面図である。
【図11】 弾性クローラを幅方向に直交する面で切断した断面図である。
【図12】 弾性クローラを幅方向に直交する面で切断した断面図である。
【図13】 弾性クローラを幅方向に直交する面で切断した断面図である。
【図14】 弾性クローラを幅方向に直交する面で切断した断面図である。
【図15】 弾性クローラを幅方向に直交する面で切断した断面図である。
【図16】 弾性クローラを幅方向に直交する面で切断した断面図である。
【図17】 抗張力コードの端部側部分を示すクローラ厚さ方向からみた図である。
【図18】 単位抗張力コード体の一方の先端と他方の先端とが、クローラ周方向に関して同位置にある場合を示す単位抗抗張体の平面図である
【図19】 単位抗張力コード体の一方の先端と他方の先端とが、クローラ周方向に関して同位置にある場合の強度を示すグラフである。
【図20】 弾性クローラの製造方法の一例を示す断面図である。
【図21】 弾性クローラの製造方法の一例を示す断面図である。
【図22】 スパイラル構造の抗張体を備えた弾性クローラの製造工程の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
7 クローラ本体
13 抗張体
14 抗張力コード
14a 先端
14b 端部側部分
15 単位抗張力コード体
15b 端部側部分
16 被覆材
17 被覆コード体
23 抗張体
A クローラ周方向
B クローラ幅方向
a 単位抗張力コード体自身のクローラ幅方向において隣り合う部分間の寸法
b 単位抗張力コード体を構成する抗張力コードのクローラ幅方向において隣り合う部分間の寸法

Claims (6)

  1. ゴム様弾性体で無端状に形成されたクローラ本体(7)内に、クローラ周方向(A)の抗張体(13)が埋設されている弾性クローラにおいて、
    前記抗張体(13)は、抗張力コード(14)の複数本を1単位とした単位抗張力コード体(15)が、螺旋状となるように、クローラ周方向(A)に巻回されることで、抗張力コード(14)のクローラ幅方向(B)に隣り合う部分がクローラ幅方向(B)に並列状となるように構成され
    単位抗張力コード体(15)自身のクローラ幅方向(B)において隣り合う部分間の寸法をaとし、単位抗張力コード体(15)を構成する抗張力コード(14)のクローラ幅方向(B)において隣り合う部分間の寸法をbとすると、a>bとされていることを特徴とする弾性クローラ。
  2. 抗張力コード(14)の各先端(14a)が、クローラ幅方向(B)に対して斜め方向に並ぶように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性クローラ。
  3. 単位抗張力コード体(15)の少なくとも一方の端部側部分(15b)を湾曲状に構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性クローラ。
  4. 単位抗張力コード体(15)の一方の先端(15a)と他方の先端(15a)とがクローラ周方向(A)に関して所定間隔をおいて位置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の弾性クローラ。
  5. 複数本の抗張力コード(14)を該複数本の抗張力コード(14)が平行状となるようにゴム様弾性体からなる被覆材(16)で被覆してなる被覆コード体(17)を、弾性クローラの内周側を構成する未加硫ゴムの外周側に螺旋状となるようにクローラ周方向に巻回した後に、弾性クローラの外周側を構成する未加硫ゴムを、弾性クローラの内周側を構成する未加硫ゴムの外周側に合体させ、これを加硫することにより成形されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の弾性クローラ。
  6. ゴム様弾性体で無端状に形成されたクローラ本体(7)内に、クローラ周方向(A)の抗張体(23)が埋設され、この抗張体(23)は、1本又は複数本の抗張力コード(14)を、螺旋状となるように、クローラ周方向(A)に巻回することで、抗張力コード(14)のクローラ幅方向(B)に隣り合う部分がクローラ幅方向(B)に並列状となるように構成され、抗張力コード(14)の端部側部分(14b)が、先端(14a)に向かうにしたがってクローラ幅方向外方(B1)に移行するように形成されていることを特徴とする弾性クローラ。
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